説明

導電性バンプ付基板シートの製造方法および多層プリント配線板の製造方法

【課題】導電性バンプ付基板シートを製造するのに必要な時間を短縮することができる導電性バンプ付基板シートの製造方法、および多層プリント配線板を製造するのに必要な時間を短縮することができる多層プリント配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】導電性バンプ62付き基板シート10の製造方法において、基板シート10上に1回目の導電性ペースト60を転写した後、2回目以降の基板シート10への導電性ペースト60の転写において、スクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を予め充填し、その後、このスクリーン版20を用いて基板シート10へ導電性ペースト60を転写する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性バンプ付基板シートの製造方法および多層プリント配線板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、銅箔等の金属箔からなる基板シートの表面に複数の略円錐状の導電性バンプが形成された導電性バンプ付基板シートの上にプリプレグ等の絶縁シートと追加の基板シートが重ね合わせられることにより形成される多層プリント配線板が知られている。このような多層プリント配線板において、基板シートの表面に形成された導電性バンプが絶縁シートを貫通することによって、当該絶縁シートの両側にある基板シート同士が導電性バンプによって電気的に接続されるようになっている(例えば、特許文献1乃至3等参照)。
【0003】
特許文献1乃至3等に示すような従来の導電性バンプ付基板シートの製造方法では、複数の貫通穴を有するスクリーン版を用いたスクリーン印刷法により、基板シートに略円錐状の導電性バンプを形成している。しかしながら、スクリーン印刷法により導電性バンプを基板シートに形成する際に、1回の印刷では所望の高さの導電性バンプが得られず、この導電性バンプが絶縁シートを貫通することができないため、数回の重ね印刷を行うことにより導電性バンプを形成している。ここで、毎回の印刷において、基板シートにおける導電性バンプが形成されるべき箇所とスクリーン版の貫通穴との位置合わせ、基板シートへの導電性ペーストの転写、および基板シート上に導電性ペーストを転写した後の基板シートの乾燥からなる一連の工程をそれぞれ行わなければならないため、導電性バンプ付基板シートを製造するにあたり時間がかかるという問題があった。
【0004】
また、特許文献4には、スクリーン印刷法を行うにあたり、初期状態においてスクリーン版の貫通穴にハンダを充填し、この貫通穴の両側面にハンダ膜を形成し、その後、このハンダを基板シートに転写するような技術が記載されている。しかしながら、特許文献4に示すような方法は、印刷の初期段階においてハンダの供給量不足を改善するものであり、2回目以降の印刷では従来のスクリーン印刷法と比較して印刷に要する時間は変わらないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3167840号
【特許文献2】特許第4127492号
【特許文献3】特開2002−305376号公報
【特許文献4】特許第3384414号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、基板シートにおける導電性バンプが形成されるべき箇所とスクリーン版の貫通穴との位置合わせ、基板シートへの導電性ペーストの転写、および基板シート上に導電性ペーストを転写した後の基板シートの乾燥からなる一連の工程を行う回数を減少させることができ、このため導電性バンプ付基板シートを製造するのに必要な時間を短縮することができる導電性バンプ付基板シートの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、上述のような導電性バンプ付基板シートの製造方法により製造された導電性バンプ付基板シートを用いることにより、多層プリント配線板を製造するのに必要な時間を短縮することができる多層プリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の導電性バンプ付基板シートの製造方法は、複数の貫通穴が設けられたスクリーン版を準備する工程と、前記スクリーン版上にある導電性ペーストを当該スクリーン版の貫通穴に押圧することによりこの貫通穴を介して前記スクリーン版の下方にある基板シート上に導電性ペーストを転写し、導電性ペーストが転写された前記基板シートを乾燥することにより当該基板シート上に導電性バンプを形成する工程と、前記基板シート上に導電性ペーストを転写した後、前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填する工程と、前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填した後、前記スクリーン版上にある導電性ペーストを当該スクリーン版の貫通穴に押圧することによりこの貫通穴を介して前記基板シートの前記導電性バンプ上に導電性ペーストを転写する工程と、前記導電性バンプ上に導電性ペーストが転写された前記基板シートを乾燥する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の導電性バンプ付基板シートの製造方法によれば、基板シート上に1回目の導電性ペーストを転写した後、2回目以降の基板シートへの導電性ペーストの転写において、スクリーン版の貫通穴に導電性ペーストを予め充填し、その後、このスクリーン版を用いて基板シートへ導電性ペーストを転写している。このため、スクリーン版の貫通穴に導電性ペーストを充填しないで基板シートへ導電性ペーストを転写する場合と比較して、より多くの量の導電性ペーストを基板シートに転写することができ、1回のスクリーン印刷でより大きな導電性バンプを基板シートに形成することができる。このことにより、基板シートにおける導電性バンプが形成されるべき箇所とスクリーン版の貫通穴との位置合わせ、基板シートへの導電性ペーストの転写、および基板シート上に導電性ペーストを転写した後の基板シートの乾燥からなる一連の工程を行う回数を減少させることができる。このため、導電性バンプ付基板シートを製造するのに必要な時間を短縮することができる。
【0010】
本発明の導電性バンプ付基板シートの製造方法においては、前記基板シート上に導電性ペーストを転写した後、前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填する工程、前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填した後、前記スクリーン版上にある導電性ペーストを当該スクリーン版の貫通穴に押圧することによりこの貫通穴を介して前記基板シートの前記導電性バンプ上に導電性ペーストを転写する工程、および前記導電性バンプ上に導電性ペーストが転写された前記基板シートを乾燥する工程、からなる一連の工程を1回または複数回行うことが好ましい。
【0011】
本発明の導電性バンプ付基板シートの製造方法においては、前記基板シート上に導電性ペーストを転写する際に、押圧部材により前記スクリーン版上にある導電性ペーストを当該スクリーン版の貫通穴に押圧し、前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填する際に、前記押圧部材により前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填するようになっていてもよい。
【0012】
あるいは、前記基板シート上に導電性ペーストを転写する際に、第1の押圧部材により前記スクリーン版上にある導電性ペーストを当該スクリーン版の貫通穴に押圧し、前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填する際に、前記第1の押圧部材と一体的に設けられた第2の押圧部材により前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填するようになっていてもよい。
【0013】
この際に、前記第1の押圧部材および前記第2の押圧部材からなる組合体が前記スクリーン版上で一の方向に移動する際に前記第1の押圧部材により前記基板シート上に導電性ペーストを転写し、前記組合体が前記スクリーン版上で前記一の方向とは逆方向である他の方向に移動する際に前記第2の押圧部材により前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填するようになっていてもよい。この場合、第1の押圧部材および第2の押圧部材からなる組合体が初期位置から一の方向に移動する際に基板シート上に導電性ペーストを転写し、その後、組合体が一の方向とは逆の方向に移動して初期位置に戻る際にスクリーン版の貫通穴に導電性ペーストを充填することができるので、組合体の1回の往復により基板シート上への導電性ペーストの転写およびスクリーン版の貫通穴への導電性ペーストの充填を行うことができる。このため、導電性バンプ付基板シートを製造するのに必要な時間をより一層短縮することができる。
【0014】
本発明の導電性バンプ付基板シートの製造方法においては、前記基板シート上に導電性ペーストを転写する際の前記スクリーンのテンションおよび前記押圧部材の押し込み圧力が、前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填する際の前記スクリーンのテンションおよび前記押圧部材の押し込み圧力と同一になっていてもよい。この場合、好ましくは、前記スクリーン版のテンションを当該スクリーン版の幅で割った値が、1.4〜3.6N/mmの範囲内となっており、前記押圧部材の押し込み圧力を当該押圧部材の幅で割った値が、0.3〜0.9N/mmの範囲内となっている。
【0015】
本発明の導電性バンプ付基板シートの製造方法においては、前記スクリーン版が、一対の張設具により張設され、前記張設具が、前記スクリーン版を挟持する取付具と、当該取付具と前記スクリーン版との間に介在された補強板と、を有していてもよい。この場合、好ましくは、前記補強板の厚みは、前記スクリーン版の厚みと同一、若しくは前記スクリーン版の厚みよりも大きくなっている。
【0016】
本発明の導電性バンプ付基板シートの製造方法においては、前記一対の張設具のうち少なくとも1つの張設具は上下方向に移動可能となっており、前記少なくとも1つの張設具により支持される前記スクリーン版の一端と、前記基板シートとの間の上下方向距離が、0.5〜10mmの範囲内となっていてもよい。
【0017】
本発明の導電性バンプ付基板シートの製造方法においては、前記スクリーン版を上方から覆う温度調整機構により、スクリーン版近傍における温度および湿度が一定に保たれていてもよい。
【0018】
本発明の多層プリント配線板の製造方法は、複数の貫通穴が設けられたスクリーン版を準備する工程と、前記スクリーン版上にある導電性ペーストを当該スクリーン版の貫通穴に押圧することによりこの貫通穴を介して前記スクリーン版の下方にある基板シート上に導電性ペーストを転写し、導電性ペーストが転写された前記基板シートを乾燥することにより当該基板シート上に導電性バンプを形成する工程と、前記基板シート上に導電性ペーストを転写した後、前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填する工程と、前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填した後、前記スクリーン版上にある導電性ペーストを当該スクリーン版の貫通穴に押圧することによりこの貫通穴を介して前記基板シートの前記導電性バンプ上に導電性ペーストを転写する工程と、前記導電性バンプ上に導電性ペーストが転写された前記基板シートを乾燥する工程と、導電性ペーストが複数回転写されることにより形成された導電性バンプを有する導電性バンプ付基板シートに絶縁シートを重ね合わせ、この重ね合わせ体を挟圧し、加熱することによって前記導電性バンプが前記絶縁シートを貫通するようにする工程と、前記絶縁シートの表面に追加の基板シートを重ね合わせ、前記絶縁シートを貫通した導電性バンプとこの重ね合わせられた追加の基板シートとを電気的に接続させる工程と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
このような多層プリント配線板の製造方法によれば、当該多層プリント配線板を製造する際に必要となる導電性バンプ付基板シートを製造するのに必要な時間を短縮することができる。このため、多層プリント配線板を製造するのに必要な時間を短縮することができる。
【0020】
本発明の多層プリント配線板の製造方法においては、前記基板シート上に導電性ペーストを転写した後、前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填する工程、前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填した後、前記スクリーン版上にある導電性ペーストを当該スクリーン版の貫通穴に押圧することによりこの貫通穴を介して前記基板シートの前記導電性バンプ上に導電性ペーストを転写する工程、および前記導電性バンプ上に導電性ペーストが転写された前記基板シートを乾燥する工程、からなる一連の工程を1回または複数回行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の導電性バンプ付基板シートの製造方法によれば、導電性バンプ付基板シートを製造するのに必要な時間を短縮することができる。
【0022】
また、本発明の多層プリント配線板の製造方法によれば、多層プリント配線板を製造するのに必要な時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(a)〜(h)は、本発明の第1の実施の形態による導電性バンプ付基板シートの一の製造方法を順に示す図である。
【図2】(a)〜(h)は、本発明の第1の実施の形態による導電性バンプ付基板シートの他の製造方法を順に示す図である。
【図3】(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態における、前回の基板シートへの導電性ペーストの転写の後にスクリーン版の貫通穴に導電性ペーストを充填した場合の、スキージにより更に導電性ペーストを基板シートの導電性バンプ上に転写させるときの動作を順に示す図である。
【図4】(a)〜(c)は、比較例における、前回の基板シートへの導電性ペーストの転写の後にスクリーン版の貫通穴に導電性ペーストを充填しなかった場合の、スキージにより更に導電性ペーストを基板シートの導電性バンプ上に転写させるときの動作を順に示す図である。
【図5】図1等に示すような方法により製造された導電性バンプ付基板シートを用いて多層プリント配線板を製造する方法を示す図である。
【図6】最終的に得られる多層プリント配線板の構成を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態による導電性バンプ付基板シートの製造装置を示す側面図である。
【図8】図7の製造装置のスキージを拡大して示す側面図である。
【図9】図7の製造装置のスクリーン版を拡大して示す平面図である。
【図10】図9のスクリーン版を示す断面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態による導電性バンプ付基板シートの製造装置のスクリーン版を示す平面図である。
【図12】図11のスクリーン版を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
第1の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。図1(a)〜(h)は、本実施の形態による導電性バンプ付基板シートの一の製造方法を順に示す図である。また、図2(a)〜(h)は、本実施の形態による導電性バンプ付基板シートの他の製造方法を順に示す図である。また、図3(a)〜(c)は、本実施の形態における、前回の基板シートへの導電性ペーストの転写の後にスクリーン版の貫通穴に導電性ペーストを充填した場合の、スキージにより更に導電性ペーストを基板シートの導電性バンプ上に転写させるときの動作を順に示す図である。一方、図4(a)〜(c)は、比較例における、前回の基板シートへの導電性ペーストの転写の後にスクリーン版の貫通穴に導電性ペーストを充填しなかった場合の、スキージにより更に導電性ペーストを基板シートの導電性バンプ上に転写させるときの動作を順に示す図である。また、図5は、図1等に示すような方法により製造された導電性バンプ付基板シートを用いて多層プリント配線板を製造する方法を示す図であり、図6は、最終的に得られる多層プリント配線板の構成を示す図である。
【0025】
以下、導電性バンプ付基板シートの製造方法および多層プリント配線板の製造方法について順次説明する。
【0026】
〔導電性バンプ付基板シートの製造方法〕
まず、図1を用いて導電性バンプ付基板シートの製造方法について説明する。
【0027】
最初に、図1(a)に示すように、銅箔等の金属箔からなる基板シート10を印刷定盤12の上に載置し、この印刷定盤12をスクリーン版20の真下の位置に移動させる。ここで、スクリーン版20は例えばメタルマスクやメッシュ版等からなり、このスクリーン版20には複数の貫通穴20aが設けられている。印刷定盤12をスクリーン版20の真下の位置に移動させる際に、基板シート10における導電性バンプ62が設けられるべき位置と、スクリーン版20の貫通穴20aとの位置合わせが行われるようになっている。
【0028】
また、スクリーン版20の上方には転写ユニット30が予め設けられている。転写ユニット30は、ウレタンゴム等の弾性体からなるスキージ32と、スキージ32の基端部に接続されたアーム部材34と、アーム部材34を支持する転写ユニット本体部36とを有している。転写ユニット本体部36は水平方向に沿って(図1の左右方向)に移動自在となっている。また、アーム部材34は転写ユニット本体部36に対して下方に伸縮自在となっている。
【0029】
図1(a)に示すように、印刷定盤12をスクリーン版20の真下の位置に移動させたときに、スクリーン版20上に導電性ペースト60を載せる。ここで、転写ユニット30および導電性ペースト60が図1(a)に示すような位置にあるときを初期位置とする。
【0030】
次に、図1(b)(c)に示すように、転写ユニット30のスキージ32により、スクリーン版20上にある導電性ペースト60を当該スクリーン版20の貫通穴20aに押圧する。より具体的には、転写ユニット30について、図1(a)に示すような位置から転写ユニット本体部36を図1の左方向に移動させるとともにアーム部材34が転写ユニット本体部36から下方に伸びるようにする。このことにより、スキージ32が図1の左方向に移動しながらスクリーン版20を下方に押圧し、スキージ32により押圧された箇所のスクリーン版20が基板シート10に接触する。また、スキージ32が図1の左方向に移動することによりスクリーン版20に載せられた導電性ペースト60がスキージ32によってスクリーン版20上で左方向に搬送され、また、スクリーン版20における貫通穴20aが設けられた箇所ではスキージ32により導電性ペースト60が貫通穴20aに向かって押圧され、導電性ペースト60が貫通穴20aに充填される。このようにして、貫通穴20aを介してスクリーン版20の下方にある基板シート10上に導電性ペースト60を転写する。この際に、図1(b)(c)に示すように、貫通穴20aに充填された導電性ペースト60は、当該貫通穴20aが設けられた箇所のスクリーン版20と基板シート10とが接触した際にその一部が基板シート10に転写され、残りは貫通穴20a内に残ることとなる。
【0031】
次に、印刷定盤12をスクリーン版20の真下の位置から退去させ、この印刷定盤12を乾燥機(図示せず)に搬送する。そして、乾燥機により、印刷定盤12上の基板シート10を乾燥する。このことにより、基板シート10上の導電性ペースト60が熱により硬化し、略円錐形形状の導電性バンプ62となる。
【0032】
また、基板シート10への1回目の導電性バンプ62の転写が終了した後、図1(d)に示すように、転写ユニット30および導電性ペースト60を初期位置(図1(a)の位置)に戻す。
【0033】
次に、図1(e)(f)に示すように、スクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を充填する。より具体的には、転写ユニット30について、図1(d)に示すような位置から転写ユニット本体部36を図1の左方向に移動させるとともにアーム部材34が転写ユニット本体部36から下方に伸びるようにする。このことにより、スキージ32が図1の左方向に移動することによりスクリーン版20に載せられた導電性ペースト60がスキージ32によってスクリーン版20上で左方向に搬送され、また、スクリーン版20における貫通穴20aが設けられた箇所ではスキージ32により導電性ペースト60が貫通穴20aに向かって押圧され、導電性ペースト60が貫通穴20aに充填される。このようにして、貫通穴20aには、基板シート10への1回目の導電性バンプ62の転写の際に当該貫通穴20aに残った導電性ペースト60に加えて、新たに追加の導電性ペースト60が充填されることとなる。
【0034】
次に、図1(g)に示すように、転写ユニット30および導電性ペースト60を初期位置(図1(a)の位置)に戻す。また、導電性バンプ62が形成された基板シート10を載置した印刷定盤12をスクリーン版20の真下の位置に移動させる。この際に、基板シート10における導電性バンプ62と、スクリーン版20の貫通穴20aとの位置合わせを行う。
【0035】
そして、図1(h)に示すように、転写ユニット30のスキージ32により、スクリーン版20上にある導電性ペースト60を当該スクリーン版20の貫通穴20aに押圧する。より具体的には、転写ユニット30について、図1(g)に示すような位置から転写ユニット本体部36を図1の左方向に移動させるとともにアーム部材34が転写ユニット本体部36から下方に伸びるようにする。このことにより、スキージ32が図1の左方向に移動しながらスクリーン版20を下方に押圧し、スキージ32により押圧された箇所のスクリーン版20が基板シート10に接触する。また、スキージ32が図1の左方向に移動することによりスクリーン版20に載せられた導電性ペースト60がスキージ32によってスクリーン版20上で左方向に搬送され、また、スクリーン版20における貫通穴20aが設けられた箇所ではスキージ32により導電性ペースト60が貫通穴20aに向かって押圧され、貫通穴20aに充填されている導電性ペースト60が基板シート10上の導電性バンプ62上に転写される。
【0036】
図3(a)〜(c)は、本実施の形態における、前回の基板シート10への導電性ペースト60の転写の後にスクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を充填した場合の、スキージ32により更に導電性ペースト60を基板シート10の導電性バンプ62上に転写させるときの動作を順に示す図である。
【0037】
図3(a)に示すように、スクリーン版20の貫通穴20aには、前回の基板シート10への導電性ペースト60の転写の際に貫通穴20aに残った導電性ペースト60c、および前回の基板シート10への導電性ペースト60の転写の後に貫通穴20aに充填された導電性ペースト60bからなる2層の導電性ペースト60b、60cが充填されている。このため、図3(b)に示すように、スキージ32によりスクリーン版20上の導電性ペースト60aが貫通穴20aに押圧されたときに、導電性ペースト60cが導電性バンプ62の下部の側面に付着するとともに、導電性ペースト60bが導電性バンプ62の頂部に付着し、図3(c)に示すように導電性ペースト60b、60cの両方が導電性バンプ62上に転写される。このように、前回の基板シート10への導電性ペースト60の転写の際に貫通穴20aに残った導電性ペースト60c、および前回の基板シート10への導電性ペースト60の転写の後に貫通穴20aに充填された導電性ペースト60bの両方が導電性バンプ62上に転写されるので、この導電性バンプ62上に転写される導電性ペーストの量は比較的多くなる。
【0038】
上述の事項に関して、前回の基板シート10への導電性ペースト60の転写の後に導電性ペースト60を貫通穴20aに充填しなかった場合を比較例として説明する。図4(a)〜(c)は、比較例における、前回の基板シート10への導電性ペースト60の転写の後に導電性ペースト60を貫通穴20aに充填しなかった場合の、スキージ32により更に導電性ペースト60を基板シート10の導電性バンプ62上に転写させるときの動作を順に示す図である。
【0039】
図4(a)に示すように、スクリーン版20の貫通穴20aには、前回の基板シート10への導電性ペースト60の転写の際に貫通穴20aに残った導電性ペースト60bのみが充填されている。ここで、当然のことながら、図4(a)に示すような状態で貫通穴20aに充填されている導電性ペーストの量は、図3(a)に示すような状態で貫通穴20aに充填されている導電性ペーストの量よりも少ない。そして、図4(b)に示すように、スキージ32によりスクリーン版20上の導電性ペースト60aが貫通穴20aに押圧されたときに、導電性ペースト60bが導電性バンプ62の頂部に付着し、図4(c)に示すように導電性ペースト60bが導電性バンプ62上に転写されるが、導電性バンプ62の下部の側面には導電性ペーストがそれほど付着しないので、図3(c)に示すような状態と比較して、導電性バンプ62に転写される導電性ペースト60の量は少なくなる。
【0040】
このように、基板シート10への導電性ペースト60の転写の後にスクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を充填した場合は、貫通穴20aに導電性ペースト60を充填しない場合と比較して、次の基板シート10への導電性ペースト60の転写の際に基板シート10上の導電性バンプ62へ転写される導電性ペースト60の量が多くなる。
【0041】
基板シート10への2回目の導電性バンプ62の転写が終了した後、印刷定盤12をスクリーン版20の真下の位置から退去させ、この印刷定盤12を乾燥機(図示せず)に搬送する。そして、乾燥機により、印刷定盤12上の基板シート10を乾燥する。このことにより、基板シート10上の導電性ペースト60が熱により硬化し、既に基板シート10上に形成されていた導電性バンプ62と一体化することにより、導電性バンプ62が大きくなる。
【0042】
本実施の形態の導電性バンプ62付き基板シート10の製造方法においては、図1(d)〜(f)に示すような、スクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を充填する工程、図1(g)〜(h)に示すような、スクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を充填した後に基板シート10の導電性バンプ62上に導電性ペースト60を転写する工程、および導電性バンプ62上に導電性ペースト60が転写された基板シート10を乾燥する工程を1回または複数回繰り返す。このようにして、所望の高さの導電性バンプ62が形成された基板シート10が得られる。
【0043】
〔多層プリント配線板の製造方法〕
次に、図1に示すような方法により製造された導電性バンプ62付き基板シート10を用いて多層プリント配線板を製造する方法について図5および図6を用いて説明する。
【0044】
図5に示すように、導電性バンプ62付き基板シート10が印刷定盤12に載せられた状態で、この導電性バンプ62付き基板シート10における導電性バンプ62が形成された面にプリプレグ等の絶縁シート74を載せ、この絶縁シート74の上に緩衝材76を載せる。そして、印刷定盤12、導電性バンプ62付き基板シート10、絶縁シート74および緩衝材76の積層体を挟圧および加熱することにより導電性バンプ62が絶縁シート74を貫通するようにする。より具体的には、各々が連続的に回転する一対の加熱ローラ70、72の間に、印刷定盤12、導電性バンプ62付き基板シート10、絶縁シート74および緩衝材76の積層体を搬送することにより、この積層体を上下方向から挟圧するとともに加熱を行う。このようにして、絶縁シート74の裏面(図5の下側の面)が基板シート10の導電性バンプ62に押圧され、この絶縁シート74が破断されることにより導電性バンプ62が絶縁シート74を貫通する。
【0045】
その後、印刷定盤12、導電性バンプ62付き基板シート10、絶縁シート74および緩衝材76の積層体から緩衝材76を取り除く。そして、絶縁シート74の上に追加の基板シート11を重ね合わせ、絶縁シート74を貫通した導電性バンプ62と追加の基板シート11とを電気的に接続する。このことにより、図6に示すような多層プリント配線板80が得られる。
【0046】
以上のように本実施の形態の導電性バンプ62付き基板シート10の製造方法によれば、基板シート10上に1回目の導電性ペースト60を転写した後、2回目以降の基板シート10への導電性ペースト60の転写において、スクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を予め充填し、その後、このスクリーン版20を用いて基板シート10へ導電性ペースト60を転写している。このため、スクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を充填しないで基板シート10へ導電性ペースト60を転写する場合と比較して、より多くの量の導電性ペースト60を基板シート10に転写することができ、1回のスクリーン印刷でより大きな導電性バンプ62を基板シート10に形成することができる。このことにより、基板シート10における導電性バンプ62が形成されるべき箇所とスクリーン版20の貫通穴20aとの位置合わせ、基板シート10への導電性ペースト60の転写、および基板シート10上に導電性ペースト60を転写した後の基板シート10の乾燥からなる一連の工程を行う回数を減少させることができる。このため、導電性バンプ62付き基板シート10を製造するのに必要な時間を短縮することができる。
【0047】
本実施の形態の導電性バンプ62付き基板シート10の製造方法においては、前述のように、基板シート10上に導電性ペースト60を転写した後、スクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を充填する工程、スクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を充填した後、スクリーン版20上にある導電性ペースト60を当該スクリーン版20の貫通穴20aに押圧することによりこの貫通穴20aを介して基板シート10の導電性バンプ62上に導電性ペースト60を転写する工程、および導電性バンプ62上に導電性ペースト60が転写された基板シート10を乾燥する工程、からなる一連の工程を1回または複数回行うようになっている。そして、上述のように、本実施の形態の導電性バンプ62付き基板シート10の製造方法によれば、このような一連の工程を行う回数を、スクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を充填しないで基板シート10上へ導電性ペースト60を転写する場合と比較して、減らすことができる。具体的には、スクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を充填しないで基板シート10上へ導電性ペースト60を転写する場合には、合計で4回の基板シート10上への導電性ペースト60の転写を行っていたが、スクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を充填してから基板シート10上へ導電性ペースト60を転写する場合には、基板シート10上への導電性ペースト60の転写の回数を3回に減らすことができる。
【0048】
本実施の形態の導電性バンプ62付き基板シート10の製造方法においては、基板シート10上に導電性ペースト60を転写する際に、スキージ32等の押圧部材によりスクリーン版20上にある導電性ペースト60を当該スクリーン版20の貫通穴20aに押圧し、スクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を充填する際に、この押圧部材によりスクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を充填するようになっている。
【0049】
また、本実施の形態の多層プリント配線板80の製造方法によれば、当該多層プリント配線板80を製造する際に必要となる導電性バンプ62付き基板シート10を製造するのに必要な時間を短縮することができる。このため、最終製品である多層プリント配線板80を製造するのに必要な時間を短縮することができる。
【0050】
なお、本実施の形態における導電性バンプ62付き基板シート10の製造方法は、上述のような例に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0051】
例えば、スクリーン版20上の導電性ペースト60を基板シート10に転写するような転写ユニットは、図1に示すようなスキージのみを備えたものに限定されることはなく、スキージおよびスクレーパの両方を備えたものとすることもできる。図2(a)〜(h)は、スキージおよびスクレーパの両方を備えた転写ユニットを用いて、導電性バンプ付基板シートを製造する方法を順に示す図である。
【0052】
図2(a)に示すように、スクリーン版20の上方には転写ユニット40が予め設けられている。転写ユニット40は、スキージ42と、スキージ42の基端部に接続されたアーム部材44と、スクレーパ46と、スクレーパ46の基端部に接続されたアーム部材48と、アーム部材44およびアーム部材48の両方を支持する転写ユニット本体部49とを有している。転写ユニット本体部49は水平方向に沿って(図2の左右方向)に移動自在となっている。また、アーム部材44およびアーム部材48は、それぞれ、転写ユニット本体部49に対して互いに独立して下方に伸縮自在となっている。スキージ42は、図1に示すスキージ32と略同一の構成となっている。スクレーパ46としては、例えばウレタンゴム等の弾性体を用いた平スキージ、剣スキージ、角スキージからなるものが用いられる。ここで、平スキージとは、断面が長方形形状でありスクリーン版20には面部分が接触するようなものであり、剣スキージとは、断面が先細形状でありスクリーン版20には角部分が接触するようなものであり、角スキージとは、断面が菱形形状でありスクリーン版20には角部分が接触するようなものであり、これらのものは導電性ペースト60をスクリーン版20の貫通穴20aに充填しやすいような形状となっている。また、スクレーパ46として、平スキージの芯部分を剛性の高い材料で補強したもの、あるいは金属製のメタルスキージ等を用いることもできる。
【0053】
図2(a)に示すような転写ユニット40を用いて、導電性バンプ62付き基板シート10を製造する方法について、図2(a)〜(h)を用いて順に説明する。
【0054】
最初に、図2(a)に示すように、基板シート10を印刷定盤12の上に載置し、この印刷定盤12をスクリーン版20の真下の位置に移動させる。この際に、基板シート10における導電性バンプ62が設けられるべき位置と、スクリーン版20の貫通穴20aの位置との位置合わせを行う。また、スクリーン版20の上方には転写ユニット40が予め設けられている。この際に、スキージ42がスクリーン版20の上面に接触するようアーム部材44は転写ユニット本体部49から下方に伸びており、また、スクレーパ46がスクリーン版20の上面から上方に退避するようアーム部材48は縮んだ状態となっている。
【0055】
図2(a)に示すように、印刷定盤12をスクリーン版20の真下の位置に移動させたときに、スクリーン版20上に導電性ペースト60を載せる。ここで、転写ユニット40および導電性ペースト60が図2(a)に示すような位置にあるときを初期位置とする。
【0056】
次に、図2(b)(c)に示すように、転写ユニット40のスキージ42により、スクリーン版20上にある導電性ペースト60を当該スクリーン版20の貫通穴20aに押圧する。より具体的には、転写ユニット40について、図2(a)に示すような位置から転写ユニット本体部49を図2の左方向に移動させるとともにアーム部材44が転写ユニット本体部49から下方に伸びるようにする。このことにより、スキージ42が図2の左方向に移動しながらスクリーン版20を下方に押圧し、スキージ42により押圧された箇所のスクリーン版20が基板シート10に接触する。また、スキージ42が図2の左方向に移動することによりスクリーン版20に載せられた導電性ペースト60がスキージ42によってスクリーン版20上で左方向に搬送され、また、スクリーン版20における貫通穴20aが設けられた箇所ではスキージ42により導電性ペースト60が貫通穴20aに向かって押圧され、導電性ペースト60が貫通穴20aに充填される。このようにして、貫通穴20aを介してスクリーン版20の下方にある基板シート10上に導電性ペースト60を転写する。この際に、図2(b)(c)に示すように、貫通穴20aに充填された導電性ペースト60は、当該貫通穴20aが設けられた箇所のスクリーン版20と基板シート10とが接触した際にその一部が基板シート10に転写され、残りは貫通穴20a内に残ることとなる。
【0057】
次に、印刷定盤12をスクリーン版20の真下の位置から退去させ、この印刷定盤12を乾燥機(図示せず)に搬送する。そして、乾燥機により、印刷定盤12上の基板シート10を乾燥する。このことにより、基板シート10上の導電性ペースト60が熱により硬化し、略円錐形形状の導電性バンプ62となる。
【0058】
また、基板シート10への1回目の導電性バンプ62の転写が終了した後、図2(d)(e)(f)に示すように、転写ユニット40を図2(c)に示すような位置から初期位置(図2(a)に示す位置)に戻す際に、スクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を充填する。より具体的には、転写ユニット40において、スキージ42がスクリーン版20の上面から上方に退避するようアーム部材44が縮むとともにスクレーパ46がスクリーン版20の上面に接触するようアーム部材48が転写ユニット本体部49から下方に伸びる。そして、図2(d)に示すような位置から転写ユニット本体部49を図2の右方向に移動させるとともにアーム部材48が転写ユニット本体部49から更に下方に伸びるようにする。このことにより、スクレーパ46が図2の右方向に移動することによりスクリーン版20に載せられた導電性ペースト60がスクレーパ46によってスクリーン版20上で右方向に搬送され、また、スクリーン版20における貫通穴20aが設けられた箇所ではスクレーパ46により導電性ペースト60が貫通穴20aに向かって押圧され、導電性ペースト60が貫通穴20aに充填される。このようにして、貫通穴20aには、基板シート10への1回目の導電性バンプ62の転写の際に当該貫通穴20aに残った導電性ペースト60に加えて、新たに追加の導電性ペースト60が充填されることとなる。
【0059】
次に、図2(g)に示すように、転写ユニット40および導電性ペースト60を初期位置(図2(a)の位置)に戻す。また、導電性バンプ62が形成された基板シート10を載置した印刷定盤12をスクリーン版20の真下の位置に移動させる。この際に、基板シート10における導電性バンプ62と、スクリーン版20の貫通穴20aとの位置合わせを行う。また、転写ユニット40において、スキージ42がスクリーン版20の上面に接触するようアーム部材44が転写ユニット本体部49から下方に伸びるとともに、スクレーパ46がスクリーン版20の上面から上方に退避するようアーム部材48が縮むようにする。
【0060】
そして、図2(h)に示すように、転写ユニット40のスキージ42により、スクリーン版20上にある導電性ペースト60を当該スクリーン版20の貫通穴20aに押圧する。より具体的には、転写ユニット40について、図2(g)に示すような位置から転写ユニット本体部49を図2の左方向に移動させるとともにアーム部材44が転写ユニット本体部49から下方に伸びるようにする。このことにより、スキージ42が図2の左方向に移動しながらスクリーン版20を下方に押圧し、スキージ42により押圧された箇所のスクリーン版20が基板シート10に接触する。また、スキージ42が図2の左方向に移動することによりスクリーン版20に載せられた導電性ペースト60がスキージ42によってスクリーン版20上で左方向に搬送され、また、スクリーン版20における貫通穴20aが設けられた箇所ではスキージ42により導電性ペースト60が貫通穴20aに向かって押圧され、貫通穴20aに充填されている導電性ペースト60が基板シート10上の導電性バンプ62上に転写される。
【0061】
ここで、基板シート10への導電性ペースト60の転写の後にスクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を充填した場合は、貫通穴20aに導電性ペースト60を充填しない場合と比較して、次の基板シート10への導電性ペースト60の転写の際に基板シート10上の導電性バンプ62へ転写される導電性ペースト60の量が多くなる。
【0062】
基板シート10への2回目の導電性バンプ62の転写が終了した後、印刷定盤12をスクリーン版20の真下の位置から退去させ、この印刷定盤12を乾燥機(図示せず)に搬送する。そして、乾燥機により、印刷定盤12上の基板シート10を乾燥する。このことにより、基板シート10上の導電性ペースト60が熱により硬化し、既に基板シート10上に形成されていた導電性バンプ62と一体化することにより、導電性バンプ62が大きくなる。
【0063】
変形例に係る導電性バンプ62付き基板シート10の製造方法においては、図2(d)〜(f)に示すような、スクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を充填する工程、図2(g)〜(h)に示すような、スクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を充填した後に基板シート10の導電性バンプ62上に導電性ペースト60を転写する工程、および導電性バンプ62上に導電性ペースト60が転写された基板シート10を乾燥する工程を1回または複数回繰り返す。このようにして、所望の高さの導電性バンプ62が形成された基板シート10が得られる。
【0064】
以上のように図2に示すような導電性バンプ62付き基板シート10の製造方法によれば、スキージ42およびスクレーパ46を有する転写ユニット40がスクリーン版20上で一の方向(図2の左方向)に移動する際にスキージ42により基板シート10上に導電性ペースト60を転写し、転写ユニット40がスクリーン版20上で一の方向とは逆方向である他の方向(図2の右方向)に移動する際にスクレーパ46によりスクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を充填するようになっている。この場合、スキージ42およびスクレーパ46を有する転写ユニット40が初期位置(図2(a)の位置)から一の方向に移動する際に基板シート10上に導電性ペースト60を転写し、その後、一の方向とは逆の方向に移動して初期位置に戻る際にスクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を充填することができるので、転写ユニット40の1回の往復により基板シート10上への導電性ペースト60の転写およびスクリーン版20の貫通穴20aへの導電性ペースト60の充填を行うことができる。このため、導電性バンプ62付き基板シート10を製造するのに必要な時間をより一層短縮することができる。
【0065】
また、本実施の形態における導電性バンプ62付き基板シート10の製造方法の他の変形例において、1回目の基板シート10への導電性ペースト60の転写の前に、スクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60の充填を予め行っていてもよい。しかしながら、本実施の形態における導電性バンプ62付き基板シート10の製造方法はこのようなものに限定されることはなく、1回目の基板シート10への導電性ペースト60の転写の前に、スクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60の充填を予め行わなくてもよい。
【0066】
第2の実施の形態
次に、図7乃至図10を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図7は、第2の実施の形態による導電性バンプ付基板シートの製造装置を示す側面図であり、図8は、図7の製造装置のスキージを拡大して示す側面図である。図9は、図7の製造装置のスクリーン版を拡大して示す平面図であり、図10は、図9のスクリーン版を示す断面図である。
【0067】
本発明による導電性バンプ付基板シートの製造方法においては、第1の実施の形態において説明したように、印刷定盤12がスクリーン版20の真下の位置から退去された状態で、スクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60が充填される。すなわち、スクリーン版20を下方から支持する構造物が存在しない状態で、スクリーン版20がスキージ32により下方に押圧される。この場合、転写ユニット30のアーム部材34からスキージ32に印加されている押し込み圧力のうち、大部分の力は、スクリーン版20を下方に押し込む力として用いられることになる。このため、転写時および充填時で転写ユニット30のアーム部材34からスキージ32に印加される押し込み圧力が同一となっている場合、充填時の方が、転写時に比べて、スキージ32が導電性ペースト60を下方に押し込む力が小さくなると考えられる。従って、充填時にスクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を適切に充填するためには、転写ユニット30のアーム部材34からスキージ32に印加される押し込み圧力を所定の大きさ(充填のための押し込み圧力下限値)よりも大きくする必要がある。同様に、充填時においては、スクリーン版20が下方に押し込まれすぎるのを防ぐため、スクリーン版20に印加されているテンションを所定の大きさ(充填のためのテンション下限値)よりも大きくする必要がある。
【0068】
一方、転写時においては、転写ユニット30のアーム部材34からスキージ32に印加される押し込み圧力が過剰に大きくなると、スキージ32が貫通穴20aの奥深くまで押し込まれることになる。この場合、スキージ32により、貫通穴20a内に充填されている導電性ペースト60が掻きとられてしまうことが考えられる。この場合、掻きとられた導電性ペースト60の分だけ、基板シート10上に転写される導電性ペースト60の量が少なくなってしまう。また、スキージ32の先端が貫通穴20a内に深く押し込まれると、導電性バンプ62および基板シート10上に転写される導電性ペースト60が広域にわたって広がる、すなわち印刷がにじんでしまうことが考えられる。このように印刷がにじんでしまうと、得られる導電性バンプ62の断面積が増加し、かつ、1回の印刷で得られる導電性バンプ62の高さが減少するため、好ましくない。さらに、スキージ32の先端が貫通穴20a内に深く押し込まれると、既に基板シート10上に形成されている導電性バンプ62の先端がスキージ32により削り取られてしまうことも考えられる。従って、転写時にスクリーン版20の貫通穴20a内の導電性ペースト60を適切に基板シート10上に転写するためには、転写ユニット30のアーム部材34からスキージ32に印加される押し込み圧力を所定の大きさ(転写のための押し込み圧力上限値)よりも小さくする必要がある。また、転写時においては、スクリーン版20を基板シート10に十分に密着させるため、スクリーン版20に印加されているテンションを所定の大きさ(転写のためのテンション上限値)よりも小さくする必要がある。
【0069】
本件発明者らは、鋭意実験を重ねることにより、上記の充填のための押し込み圧力下限値よりも大きいという条件と、上記の転写のための押し込み圧力上限値よりも小さいという条件とをともに満足するスキージ32の押し込み圧力の範囲を見出した。具体的には、スキージ32の押し込み圧力をスキージの幅s(後述)で割った値が0.3〜0.9N/mmの範囲内の一定値となるようスキージ32を下方に押し込むことにより、充填時においてスクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を十分に充填するとともに、転写時において貫通穴20a内の導電性ペースト60を掻きとることなく導電性ペースト60を適切に基板シート10上に転写することができることを見出した。
また本件発明者らは、鋭意実験を重ねることにより、上記の充填のためのテンション下限値よりも大きいという条件と、上記の転写のためのテンション上限値よりも小さいという条件とをともに満足するスクリーン版20のテンションの範囲を見出した。具体的には、スクリーン版20のテンションをスクリーン版20の幅s(後述)で割った値が1.4〜3.6N/mmの範囲内の一定値となるようスクリーン版20を張設することにより、充填時においてスクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を十分に充填するとともに、転写時において貫通穴20a内の導電性ペースト60を掻きとることなく導電性ペースト60を適切に基板シート10上に転写することができることを見出した。
以下、そのような範囲内にスキージ32の押し込み圧力およびスクリーン版20のテンションを設定するための製造装置15について説明する。
【0070】
製造装置
製造装置15について、図7乃至図10を参照して説明する。なお図7乃至図10に示す製造装置15において、図1乃至図3に示す製造方法において用いられる構成要素と同一要素には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0071】
図7に示すように、製造装置15は、銅箔等の金属箔からなる基板シート10を載置する印刷定盤12と、印刷定盤12の上方に配置され、導電性ペースト60(ペースト)が充填される貫通穴20aを有するスクリーン版20と、所定の押し込み圧力で下方に押されるとともに、スクリーン版20上を走行するスキージ(押圧部材)32と、を備えている。また図7に示すように、印刷定盤12には、矢印Dで示す水平方向に移動自在の印刷定盤駆動部13が取り付けられている。このため、導電性ペースト60の充填時、または、基板シート10上に印刷された導電性ペースト60を乾燥させる際、基板シート10および印刷定盤12を、スクリーン版20の下方から、図7に示す左方向に移動させる(退避させる)ことができる。
【0072】
また製造装置15は、図7に示すように、スクリーン版20を上方から覆うとともに、スクリーン版20近傍における温度および湿度を調整する温度調整機構16をさらに備えている。温度調整機構16は、スクリーン版20を上方から覆う隔壁16aと、隔壁16aの内側に設けられ、隔壁16aの内側における温度および湿度を調整する調整手段(図示せず)と、を有している。このため、導電性ペースト60の充填時または転写時における導電性ペースト60の周囲の温度および湿度を常に一定にすることができ、これによって、充填時または転写時における導電性ペースト60の粘度を常に一定に保つことができる。なお図示はしないが、温度調整機構16の隔壁16aには、印刷定盤駆動部13をスクリーン版20の下方から退避させる際に基板シート10および印刷定盤12が通る開口部が形成されている。
【0073】
転写ユニット
次に図7および図8を参照して、転写ユニット30についてより詳細に説明する。転写ユニット30の転写ユニット本体部36は、矢印Dで示す水平方向においてスキージ用レール38に沿って移動自在となっており、この転写ユニット本体部36によって、スキージ32をスクリーン版20上で走行させることができる。スキージ32がスクリーン版20上を走行する速度(走行速度)は、例えば5〜150mm/sの範囲内となっており、この範囲内において、場合に応じて走行速度が適宜調整される。
【0074】
またアーム部材34は、上述のように、転写ユニット本体部36に対して矢印Dで示す上下方向に一定長さだけ伸縮可能となっている。このため、充填時または転写時、アーム部材34を転写ユニット本体部36から一定長さだけ下方に伸ばすことにより、一定の押し込み圧力F(図7および図8参照)でスキージ32を下方に押すことができる。この押し込み圧力Fは、充填時および転写時で同一の大きさとなっている。具体的には、スキージ32の押し込み圧力Fをスキージの幅s(図9参照)で割った値が0.3〜0.9N/mmの範囲内の一定値となるよう、アーム部材34が転写ユニット本体部36から下方に伸ばされている。また、充填または転写が終了した後、アーム部材34を上方に縮めることにより、スキージ32をスクリーン版20から離すことができる。なお押し込み圧力Fは、スキージ32の下端32bがスクリーン版20に接していない場合、すなわち、アーム部材34とスキージ32との間にスキージ32の自重を支持する力のみが働いている場合の押し込み圧力Fがゼロとなるよう定義されている。
【0075】
また図8に示すように、スキージ32とアーム部材34との間には、スクリーン版20に対するスキージ32の角度θを調整するスキージ角度調整部33が介在されている。このスキージ角度調整部33は、スキージ32を矢印Dで示す方向において回動自在に支持するものであり、このため、スクリーン版20に対するスキージ32の角度θを場合に応じて適宜調整することができる。
【0076】
スクリーン版
次に図9および図10を参照して、スクリーン版20およびスクリーン版20の周辺の機構についてより詳細に説明する。図9は、スクリーン版20およびスキージ32を上方から見た場合を示す平面図である。図9に示すように、スクリーン版20は、例えば矩形状の平面形状を有しており、その幅sは例えば300〜800mmの範囲内となっており、その長さsは例えば450〜950mmの範囲内となっている。また、スクリーン版20の厚さ(=貫通穴20aの深さ)s(図8参照)は、例えば150μmとなっている。また、貫通穴20aの直径s10は、一般に50〜300μmの範囲内となっており、例えば150μmとなっている。
【0077】
次に図9および図10を参照して、スクリーン版20の周辺の機構について説明する。図9および図10に示すように、スクリーン版20は、スクリーン版20の周囲を囲むフレーム27によって、水平方向に張った状態で保持されている。すなわち、一定のテンションFで張設されている。具体的には、スクリーン版20のテンションFを当該スクリーン版20の幅sで割った値が1.4〜3.6N/mmの範囲内の一定値となるよう、スクリーン版20がフレーム27により保持されている。
【0078】
導電性バンプ付基板シートの製造方法
次に、このような構成からなる製造装置15を用いて導電性バンプ付基板シート10を製造する方法について説明する。なお本実施の形態における導電性バンプ付基板シート10の製造方法は、スキージ32の押し込み圧力F、スクリーン版20のテンションFおよび導電性ペースト60の周囲の温度・湿度が所定範囲内の一定値に設定される点が異なるのみであり、その他の点は、図1に示す第1の実施の形態における製造方法と略同一である。従って、本実施の形態においても、図1を参照して製造方法について説明するとともに、第1の実施の形態における工程と同一の工程については、詳細な説明を省略する。
【0079】
最初に、図1(a)に示すように、銅箔等の金属箔からなる基板シート10を印刷定盤12の上に載置し、この印刷定盤12をスクリーン版20の真下の位置に移動させる。次に、スクリーン版20上に導電性ペースト60を載せる。この際、スクリーン版20上に載せられた導電性ペースト60の周囲の温度および湿度が一定の範囲内、例えば温度が23±3℃の範囲内、湿度が50±5%の範囲内となるよう、温度調整機構16が駆動される。またスクリーン版20は、スクリーン版20のテンションFを当該スクリーン版20の幅sで割った値が1.4〜3.6N/mmの範囲内の一定値、例えば3.0N/mmとなるよう、フレーム27にセットされている。この際、スクリーン版20の一端20bと基板シート10との間の距離s(図10参照)は、例えば1.5mmとなっている。
【0080】
次に、図1(b)(c)に示すように、転写ユニット30のスキージ32により、スクリーン版20上にある導電性ペースト60を当該スクリーン版20の貫通穴20aに押圧する。すなわち、アーム部材34を転写ユニット本体部36から下方に伸ばす。これによって、スキージ32の押し込み圧力Fをスキージの幅sで割った値が0.5N/mmとなるような力で、スキージ32が下方に押し込まれる。この状態で、転写ユニット本体部36を図1の左方向に移動させる。これによって、貫通穴20aを介してスクリーン版20の下方にある基板シート10上に導電性ペースト60が転写される。
【0081】
次に、印刷定盤12をスクリーン版20の真下の位置から退去させ、この印刷定盤12を乾燥機(図示せず)に搬送する。そして、乾燥機により、印刷定盤12上の基板シート10を乾燥する。このことにより、基板シート10上の導電性ペースト60が熱により硬化し、略円錐形形状の導電性バンプ62となる。
【0082】
また、基板シート10への1回目の導電性バンプ62の転写が終了した後、図1(d)に示すように、転写ユニット30および導電性ペースト60を初期位置(図1(a)の位置)に戻す。
【0083】
次に、図1(e)(f)に示すように、スクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を充填する。この際、スクリーン版20のテンションFを当該スクリーン版20の幅sで割った値は、上述の転写時と同様に3.0N/mmとなっている。
【0084】
まず、アーム部材34を転写ユニット本体部36から下方に伸ばす。これによって、転写時と同様に、スキージ32の押し込み圧力Fをスキージの幅sで割った値が0.5N/mmとなるような力で、スキージ32が下方に押し込まれる。この状態で、転写ユニット本体部36を図1の左方向に移動させる。これによって、貫通穴20aに、基板シート10への1回目の導電性バンプ62の転写の際に当該貫通穴20aに残った導電性ペースト60に加えて、新たに追加の導電性ペースト60が充填される。
【0085】
次に、図1(g)に示すように、転写ユニット30および導電性ペースト60を初期位置(図1(a)の位置)に戻す。また、導電性バンプ62が形成された基板シート10を載置した印刷定盤12をスクリーン版20の真下の位置に移動させる。この際に、基板シート10における導電性バンプ62と、スクリーン版20の貫通穴20aとの位置合わせを、例えばCCDカメラを用いて行う。
【0086】
そして、図1(h)に示すように、転写ユニット30のスキージ32により、スクリーン版20上にある導電性ペースト60を当該スクリーン版20の貫通穴20aに押圧する。この際、スクリーン版20のテンションFを当該スクリーン版20の幅sで割った値は、上述の転写時と同様に3.0N/mmとなっている。また、充填時と同様に、スキージ32の押し込み圧力Fをスキージの幅sで割った値が0.5N/mmとなるような力で、スキージ32が下方に押し込まれる。この状態で、転写ユニット本体部36を図1の左方向に移動させる。これによって、貫通穴20aに充填されている導電性ペースト60が基板シート10上の導電性バンプ62上に転写される。
【0087】
この間、本実施の形態によれば、上述のように、スキージ32の押し込み圧力Fをスキージの幅sで割った値が0.5N/mmとなるような力で、スキージ32が下方に押し込まれている。この0.5N/mmという値は、充填のための押し込み圧力下限値をスキージの幅sで割った値よりも大きく、かつ、転写のための押し込み圧力上限値をスキージの幅sで割った値よりも小さくなっている。さらに、スクリーン版20のテンションFを当該スクリーン版20の幅sで割った値が3.0N/mmとなるよう、スクリーン版20がフレーム27にセットされている。この3.0N/mmという値は、充填のためのテンション下限値をスクリーン版20の幅sで割った値よりも大きく、かつ、転写のためのテンション上限値をスクリーン版20の幅sで割った値よりも小さくなっている。このことにより、充填時においてスクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を十分に充填するとともに、転写時において貫通穴20a内の導電性ペースト60を掻きとることなく導電性ペースト60を適切に基板シート10上に転写することができる。
【0088】
また本実施の形態によれば、スクリーン版20上に載せられた導電性ペースト60の周囲の温度および湿度が一定となるよう、温度調整機構16が駆動されている。このため、充填時または転写時における導電性ペースト60の粘度を常に一定に保つことができる。このように導電性ペースト60の粘度を常に一定に保つことと、上述のように充填時および転写時の押し込み圧力FおよびテンションFを適切な範囲内で保つこととの組み合わせにより、充填時に貫通穴20a内に充填される導電性ペースト60の量、および、転写時に基板シート10上に転写される導電性ペースト60の量を、精度良く制御することが可能となる。
【0089】
第3の実施の形態
次に、図11および図12を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。図11は、本発明の第3の実施の形態におけるスクリーン版を示す平面図であり、図12は、図11のスクリーン版を示す断面図である。
【0090】
図11および図12に示す第3の実施の形態は、スクリーン版が一対の張設具により張設されている点が異なるのみであり、他の構成は、図7乃至図10に示す第2の実施の形態と略同一である。図11および図12に示す第3の実施の形態において、図7乃至図10に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する
【0091】
スクリーン版
図11および図12を参照して、本実施の形態におけるスクリーン版20およびスクリーン版20の周辺の機構について説明する。図12に示すように、スクリーン版20は、一対の張設具21により、所定のテンションFで張設されている。この一対の張設具21は、所定の間隔を空けて各々配置されており、各張設具21は、スクリーン版20を挟持する取付具24と、当該取付具24とスクリーン版20との間に介在された補強板22と、からなっている。この補強板22は、スクリーン版20を固定するためのスクリーン版20の取付穴23(図11参照)が変形するのを防ぐために、取付具24とスクリーン版20との間に介在されている。この補強板22は、例えば銅やアルミニウムを材料とする金属板からなっていてもよく、若しくは、樹脂を材料とする樹脂板からなっていてもよい。
【0092】
上述の補強板22において、その幅sは例えば40mmとなっており、その長さsは例えば550mmとなっている。また、補強板22の厚さsは、スクリーン版20の厚さsよりも大きくなっており、例えば0.2mmとなっている。しかしながら、補強板22の寸法がこれらの値に限られることはなく、スクリーン版20の材質などに応じて、補強板22の寸法が適宜設定される。例えば、補強板22の厚さsが、スクリーン版20の厚さsと略同一となっていてもよい。
【0093】
図12に示すように、一対の張設具21のうち右側に配置された張設具21には、矢印Dで示す水平方向に伸縮自在の張設具水平駆動部25が取り付けられている。このため、張設具水平駆動部25を伸縮させることにより、スクリーン版20に印加されるテンションFを調整することができる。この場合、張設具水平駆動部25は、スクリーン版20に印加されるテンションFをスクリーン版20の幅sで割った値が1.4〜3.6N/mmの範囲内となるよう調整される。このため、充填時においてスクリーン版20の貫通穴20aに導電性ペースト60を十分に充填するとともに、転写時において貫通穴20a内の導電性ペースト60を掻きとることなく導電性ペースト60を適切に基板シート10上に転写することができる。
【0094】
ところで、スクリーン版20を用いた印刷を繰り返し行うと、スクリーン版20のテンションFが徐々に減少していくことが考えられる。このような場合であっても、本実施の形態によれば、上述のように、張設具水平駆動部25を伸縮させることにより、スクリーン版20に印加されるテンションFを調整することができる。このため、スクリーン版20のテンションFが徐々に減少して、その結果スクリーン版20のテンションFが1.4〜3.6N/mmの範囲から外れた場合であっても、張設具水平駆動部25を適宜伸縮させることにより、スクリーン版20のテンションFを再度1.4〜3.6N/mmの範囲内とすることができる。
【0095】
また図12に示すように、張設具水平駆動部25には、矢印Dで示す上下方向に延びる張設具用レール28に沿って移動自在の張設具上下駆動部26が接続されている。このため、張設具上下駆動部26を上下方向に移動させることにより、スクリーン版20の一端20bと基板シート10との間の距離sを調整することができる。この場合、張設具上下駆動部26は、スクリーン版20の一端20bと基板シート10との間の距離sが0.5〜10mmの範囲内となるよう制御される。この範囲内において、場合に応じて上述の距離sが適宜調整される。
【0096】
例えば、図1(b)(c)に示す工程において、スキージ32が左方向に移動するにつれて、スクリーン版20の一端20bと基板シート10との間の距離sが大きくなるよう、張設具上下駆動部26が制御される。これによって、各貫通穴20aにおける版離れの程度を、貫通穴20aの位置によらず一定にすることができ、このことにより、基板シート10からスクリーン版20が離れていく際に基板シート10上に転写される導電性ペースト60の量を、位置によらずほぼ一定にすることができる。
【0097】
なお上記各実施の形態において、転写時のスキージ32の走行速度と、充填時のスキージ32の走行速度とは、同一であってもよく、若しくは、異なっていてもよい。例えば、充填時のスキージ32の走行速度が、転写時のスキージ32の走行速度よりも小さくなっていてもよい。これによって、充填時により多くの導電性ペースト60をスクリーン版20の貫通穴20a内に充填することができる。
なお、1回目の転写時においては、スクリーン版20上に導電性バンプ62が形成されていない。このため、1回目の転写時においては、導電性バンプ62上に導電性ペースト60を転写する場合(2回目以降の転写時)に比べて、貫通穴20a内の導電性ペースト60がスクリーン版20にしっかりと密着するまでの所要時間が長くなることが考えられる。このため、好ましくは、1回目の転写時における走行速度が、2回目以降の転写時の第2走行速度よりも小さくなるよう、転写ユニット30の転写ユニット本体部36によりスキージ32が駆動される。
【実施例】
【0098】
本発明による導電性バンプ付基板シートの製造方法によって、導電性バンプ62付き基板シート10を製造した例について説明する。
【0099】
(実施例1)
上述の第2の実施の形態の場合と同様に、フレーム27により保持されているスクリーン版20を用いて、スクリーン印刷により導電性バンプ62付き基板シート10を製造した。スクリーン版20としては、メタルマスクを使用した。スクリーン版20の貫通穴20aの直径は、50〜300μmの範囲内となっていた。スクリーン版20のテンションFを当該スクリーン版20の幅sで割った値が3.0N/mmとなるよう、スクリーン版20をフレーム27にセットした。また、転写時、スクリーン版20と印刷定盤12上の基板シート10との間の距離sは1.5mmとした。
【0100】
スクリーン版20を押圧する部材としては、転写ユニット30のスキージ32を使用した。また、転写時および充填時、スキージ32の押し込み圧力Fをスキージの幅sで割った値が0.5N/mmとなるよう、スキージ32がアーム部材34により下方に押し込まれていた。
【0101】
導電性ペースト60としては、せん断速度1(1/s)のときの粘度が、20℃において1070Pa・s、23℃において1110Pa・s、26℃において1290Pa・sとなっている金属ペースト(銀ペーストや銅ペーストなど)を用いた。これらの粘度は、粘弾性測定器により測定された値である。また、転写時および充填時における導電性ペースト60の粘度が一定になるよう、温度調整機構16を用いて、スクリーン版20近傍における温度および湿度を23℃および50%に調整した。
【0102】
上述の条件のもと、上述の第1の実施の形態の場合と同様にして、基板シート10上への導電性ペースト60の印刷を繰り返した。この際、基板シート10としては、18μmの厚みを有する銅箔を使用した。転写時および充填時におけるスキージの走行速度は、5〜150mm/sの範囲内とした。この結果、1回目の転写で形成された基板シート10の導電性バンプ62上に、4回の導電性ペースト60の印刷(充填および転写)を繰り返すことにより、高さが170〜180μmの導電性バンプ62を基板シート10上に形成することができた。
【0103】
(実施例2)
スクリーン版20として、一対の張設具21により張設されているスクリーン版20(上述の第3の実施の形態参照)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、スクリーン印刷により導電性バンプ62付き基板シート10を製造した。スクリーン版20としては、メタルマスクを使用した。スクリーン版20のテンションFを当該スクリーン版20の幅sで割った値が2.2N/mmとなるよう、スクリーン版20を一対の張設具21により張設した。この際、スクリーン版20を補強するため、厚さsが0.2mm、幅sが40mm、長さsが550mmのアルミニウム板からなる補強板22によりスクリーン版20を上下から挟み込んだ。補強板22を介してスクリーン版20を挟持する取付具24としては、補強板22と略同一の幅および長さを有するものを用いた。
【0104】
上述の条件のもと、上述の第1の実施の形態の場合と同様にして、基板シート10上への導電性ペースト60の印刷を繰り返した。この際、基板シート10としては、18μmの厚みを有する銅箔を使用した。転写時および充填時におけるスキージの走行速度は、5〜150mm/sの範囲内とした。また、転写ユニット30が初期位置(図1(a)参照)にあるときのスクリーン版20の一端20bと基板シート10との間の距離sが2mmとなり、転写ユニット30が走行完了位置(図1(c)参照)にあるときのスクリーン版20の一端20bと基板シート10との間の距離sが8mmとなるよう、張設具上下駆動部26を駆動した。この結果、1回目の転写で形成された基板シート10の導電性バンプ62上に、4回の導電性ペースト60の印刷(充填および転写)を繰り返すことにより、高さが170〜180μmの導電性バンプ62を基板シート10上に形成することができた。
【0105】
(比較例1)
基板シート10への導電性ペースト60の転写の後に導電性ペースト60を貫通穴20aに充填しなかったことと、スクリーン版20近傍における温度を20℃に調整したこと以外は、実施例1と同様にして、スクリーン印刷により導電性バンプ62付き基板シート10を製造した。この結果、1回目の転写で形成された基板シート10の導電性バンプ62上に、5回の導電性ペースト60の印刷(転写)を繰り返すことにより、高さが170〜180μmの導電性バンプ62を基板シート10上に形成された。このように比較例1によれば、上述の実施例1および2の場合と比較して、必要な重ね印刷の回数が1回多くなった。これは、基板シート10への導電性ペースト60の転写の後に導電性ペースト60を貫通穴20aに充填しなかったことにより、1回の印刷で導電性バンプ62に転写される導電性ペースト60の量が少なくなったためと考えられる。
【0106】
(比較例2)
スキージ32の押し込み圧力Fをスキージの幅sで割った値が0.2N/mmとなるよう、スキージ32がアーム部材34により下方に押し込まれていたこと以外は、実施例1と同様にして、スクリーン印刷により導電性バンプ62付き基板シート10を製造した。この結果、1回目の転写で形成された基板シート10の導電性バンプ62上に、5回の導電性ペースト60の印刷(充填および転写)を繰り返すことにより、高さが170〜180μmの導電性バンプ62を基板シート10上に形成された。このように比較例2によれば、上述の実施例1および2の場合と比較して、必要な重ね印刷の回数が1回多くなった。これは、スキージ32の押し込み圧力Fの値が、充填時に必要とされる押し込み圧力の値(充填のための押し込み圧力下限値)を下回っていたため、スクリーン版20の貫通穴20a内に導電性ペースト60を十分に充填できなかったことによると考えられる。
【0107】
(比較例3)
スキージ32の押し込み圧力Fをスキージの幅sで割った値が1.0N/mmとなるよう、スキージ32がアーム部材34により下方に押し込まれていたこと以外は、実施例1と同様にして、スクリーン印刷により導電性バンプ62付き基板シート10を製造した。この結果、1回目の転写で形成された基板シート10の導電性バンプ62上に、5回の導電性ペースト60の印刷(充填および転写)を繰り返すことにより、高さが170〜180μmの導電性バンプ62を基板シート10上に形成された。このように比較例3によれば、上述の実施例1および2の場合と比較して、必要な重ね印刷の回数が1回多くなった。これは、スキージ32の押し込み圧力Fの値が、転写のための押し込み圧力上限値を上回っていたため、転写時にスクリーン版20の貫通穴20a内の導電性ペースト60がスキージ32により掻きとられてしまったことによると考えられる。
【符号の説明】
【0108】
10 基板シート
11 追加の基板シート
12 印刷定盤
13 印刷定盤駆動部
14 定盤用レール
15 製造装置
16 温度調整機構
16a 隔壁
20 スクリーン版
20a 貫通穴
21 張設具
22 補強板
23 取付穴
24 取付具
25 張設具水平駆動部
26 張設具上下駆動部
27 フレーム
28 張設具用レール
30 転写ユニット
32 スキージ
32b スキージの下端
34 アーム部材
36 転写ユニット本体部
38 スキージ用レール
40 転写ユニット
42 スキージ
44 アーム部材
46 スクレーパ
48 アーム部材
49 転写ユニット本体部
60 導電性ペースト
62 導電性バンプ
70、72 加熱ローラ
74 絶縁シート
76 緩衝材
80 多層プリント配線板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の貫通穴が設けられたスクリーン版を準備する工程と、
前記スクリーン版上にある導電性ペーストを当該スクリーン版の貫通穴に押圧することによりこの貫通穴を介して前記スクリーン版の下方にある基板シート上に導電性ペーストを転写し、導電性ペーストが転写された前記基板シートを乾燥することにより当該基板シート上に導電性バンプを形成する工程と、
前記基板シート上に導電性ペーストを転写した後、前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填する工程と、
前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填した後、前記スクリーン版上にある導電性ペーストを当該スクリーン版の貫通穴に押圧することによりこの貫通穴を介して前記基板シートの前記導電性バンプ上に導電性ペーストを転写する工程と、
前記導電性バンプ上に導電性ペーストが転写された前記基板シートを乾燥する工程と、
を備えたことを特徴とする導電性バンプ付基板シートの製造方法。
【請求項2】
前記基板シート上に導電性ペーストを転写した後、前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填する工程、前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填した後、前記スクリーン版上にある導電性ペーストを当該スクリーン版の貫通穴に押圧することによりこの貫通穴を介して前記基板シートの前記導電性バンプ上に導電性ペーストを転写する工程、および前記導電性バンプ上に導電性ペーストが転写された前記基板シートを乾燥する工程、からなる一連の工程を1回または複数回行うことを特徴とする請求項1記載の導電性バンプ付基板シートの製造方法。
【請求項3】
前記基板シート上に導電性ペーストを転写する際に、押圧部材により前記スクリーン版上にある導電性ペーストを当該スクリーン版の貫通穴に押圧し、
前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填する際に、前記押圧部材により前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填することを特徴とする請求項1または2記載の導電性バンプ付基板シートの製造方法。
【請求項4】
前記基板シート上に導電性ペーストを転写する際に、第1の押圧部材により前記スクリーン版上にある導電性ペーストを当該スクリーン版の貫通穴に押圧し、
前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填する際に、前記第1の押圧部材と一体的に設けられた第2の押圧部材により前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填することを特徴とする請求項1または2記載の導電性バンプ付基板シートの製造方法。
【請求項5】
前記第1の押圧部材および前記第2の押圧部材からなる組合体が前記スクリーン版上で一の方向に移動する際に前記第1の押圧部材により前記基板シート上に導電性ペーストを転写し、
前記組合体が前記スクリーン版上で前記一の方向とは逆方向である他の方向に移動する際に前記第2の押圧部材により前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填することを特徴とする請求項4記載の導電性バンプ付基板シートの製造方法。
【請求項6】
前記基板シート上に導電性ペーストを転写する際の前記スクリーンのテンションおよび前記押圧部材の押し込み圧力が、前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填する際の前記スクリーンのテンションおよび前記押圧部材の押し込み圧力と同一になっていることを特徴とする請求項3記載の導電性バンプ付基板シートの製造方法。
【請求項7】
前記スクリーン版のテンションを当該スクリーン版の幅で割った値は、1.4〜3.6N/mmの範囲内となっており、
前記押圧部材の押し込み圧力を当該押圧部材の幅で割った値は、0.3〜0.9N/mmの範囲内となっていることを特徴とする請求項6記載の導電性バンプ付基板シートの製造方法。
【請求項8】
前記スクリーン版は、一対の張設具により張設され、
前記張設具は、前記スクリーン版を挟持する取付具と、当該取付具と前記スクリーン版との間に介在された補強板と、を有することを特徴とする請求項6記載の導電性バンプ付基板シートの製造方法。
【請求項9】
前記補強板の厚みは、前記スクリーン版の厚みと同一、若しくは前記スクリーン版の厚みよりも大きくなっていることを特徴とする請求項8記載の導電性バンプ付基板シートの製造方法。
【請求項10】
前記一対の張設具のうち少なくとも1つの張設具は上下方向に移動可能となっており、
前記少なくとも1つの張設具により支持される前記スクリーン版の一端と、前記基板シートとの間の上下方向距離が、0.5〜10mmの範囲内となっていることを特徴とする請求項8記載の導電性バンプ付基板シートの製造方法。
【請求項11】
前記スクリーン版を上方から覆う温度調整機構により、スクリーン版近傍における温度および湿度が一定に保たれることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の導電性バンプ付基板シートの製造方法。
【請求項12】
複数の貫通穴が設けられたスクリーン版を準備する工程と、
前記スクリーン版上にある導電性ペーストを当該スクリーン版の貫通穴に押圧することによりこの貫通穴を介して前記スクリーン版の下方にある基板シート上に導電性ペーストを転写し、導電性ペーストが転写された前記基板シートを乾燥することにより当該基板シート上に導電性バンプを形成する工程と、
前記基板シート上に導電性ペーストを転写した後、前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填する工程と、
前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填した後、前記スクリーン版上にある導電性ペーストを当該スクリーン版の貫通穴に押圧することによりこの貫通穴を介して前記基板シートの前記導電性バンプ上に導電性ペーストを転写する工程と、
前記導電性バンプ上に導電性ペーストが転写された前記基板シートを乾燥する工程と、
導電性ペーストが複数回転写されることにより形成された導電性バンプを有する導電性バンプ付基板シートに絶縁シートを重ね合わせ、この重ね合わせ体を挟圧し、加熱することによって前記導電性バンプが前記絶縁シートを貫通するようにする工程と、
前記絶縁シートの表面に追加の基板シートを重ね合わせ、前記絶縁シートを貫通した導電性バンプとこの重ね合わせられた追加の基板シートとを電気的に接続させる工程と、
を備えたことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
【請求項13】
前記基板シート上に導電性ペーストを転写した後、前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填する工程、前記スクリーン版の前記貫通穴に導電性ペーストを充填した後、前記スクリーン版上にある導電性ペーストを当該スクリーン版の貫通穴に押圧することによりこの貫通穴を介して前記基板シートの前記導電性バンプ上に導電性ペーストを転写する工程、および前記導電性バンプ上に導電性ペーストが転写された前記基板シートを乾燥する工程、からなる一連の工程を1回または複数回行うことを特徴とする請求項12記載の多層プリント配線板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−35372(P2011−35372A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81966(P2010−81966)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】