説明

少なくともメトホルミン活性成分を含有する非フィルムコーティーング分散性および/または口内分散性固形調合組成物、およびその製造方法

本発明は、下記を含むことを特徴とする、710μm未満の粒度を有する粒子形を有し、メトホルミン活性成分を含有する迅速放出性で分散性および口内分散性の固形調合組成物に関する(下記の質量パーセントは該組成物の総質量基準で表す):
a) 65質量%〜90質量%の必要に応じて塩形のメトホルミン活性成分またはメトホルミン活性成分と血糖降下活性成分との混合物;
b) 0.5質量%〜4質量%の結合剤または結合剤混合物;
c) 1質量%〜12質量%の崩壊剤または崩壊剤混合物;
d) 0〜10質量%の希釈剤または希釈剤混合物;
e) 0.05質量%〜3質量%の甘味化剤または甘味化剤混合物;および、
f) 1種以上のさらなる賦形剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メトホルミン活性成分をベースとし、とりわけ急速崩壊性の分散性または口内分散性錠剤形の固形調合組成物の開発に関する。
【背景技術】
【0002】
1,1-ジメチルビグアニドは、国際共通表示(International
Common Designation、即ち、ICD)に従ってメトホルミンと称され、身体内でグルコース産生の低下とその消費増大を同時に誘発させる化合物である。また、メトホルミンは、リポリーシスの抑制についても知られている。メトホルミンは、治療分野において、正常血糖または血糖降下活性成分として使用されている。さらに詳細には、メトホルミンは、高血糖症、肥満に関連するまたは関連しない非インスリン依存性糖尿病、およびおそらくはインスリン要求性糖尿病、並びにインスリン依存性糖尿病の治療において一般的に使用されている。
メトホルミンは、塩の形で提供し得る。米国特許第3,174,921号は、リン酸塩、硫酸塩、塩酸塩、サリチル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、エタンジスルホン酸塩、フマル酸塩およびグリコール酸塩のような複数種のメトホルミン塩を開示している。米国特許第6,031,004号は、例えば、フマル酸およびコハク酸二塩基酸のような、メトホルミン:二塩基酸モル比が2:1である二塩基酸メトホルミン塩を開示している。
一般に、公知の調合組成物においては、メトホルミンを、塩酸塩、クロロフェノキシ酢酸塩または4,4’-メチレンビス(3-ヒドロキシ-2-ナフトエート) (一般に、エンボネート(embonate)と称されている)の形で含ませる。
メトホルミンは、500 mgよりも多い、より好ましくは800
mgよりも多い単位投与量で投与したときのみ、その正常血糖または血糖降下活性を完全に示す活性成分である。経口投与用の錠剤形としての種々のメトホルミン系調合組成物が開示されている。
それらの一般的に販売されている組成物は、コーティーングもしくはフィルムコーティーング錠剤、または分割錠剤の形を有し、そのような錠剤は、通常、500〜850 mgメトホルミンでもって投与される。
【0003】
錠剤製造におけるメトホルミンの技術的欠点の1つは、低結合能力に関連するそのような活性成分の低い圧縮可能性である。
メトホルミンの上記欠点を克服するために、錠剤を、米国特許出願第2003/0021841号または2003/0104049号におけるように、乾式造粒工程を含む方法または直接圧縮法を使用して製造することが示唆されている。米国第2003/0021841号出願は、時間制御放出錠剤に関する。米国第2003/0104049号出願においては、メトホルミン錠剤の過剰に大きい粒度に関連する問題を、ステアリン酸マグネシウムのようなあらゆる潤滑剤の使用を意図的に外して解決している。
PCT出願WO 03/039527号は、上記メトホルミン低圧縮性に由来する錠剤大粒度問題を、(i) 分子量 180,000〜250,000を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースのような非イオン性親水性ポリマーを(ii) ナトリウムカルボキシメチルセルロースのようなアニオン性親水性ポリマーと組合せることによって解決している。
米国特許第6,117,451号は、メトホルミン系錠剤の製造問題を、塩酸メトホルミンと少なくとも8種の賦形剤(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、二塩基性リン酸カルシウムおよびコロイド状二酸化ケイ素のような)の複雑な組合せの単回直接圧縮工程を用いることによって解決している。該米国特許に開示されている錠剤の主たる特徴によれば、塩酸メトホルミンを70μm〜110μm範囲の粒度を有する粒子の形で合体させており、この特徴がなければ、上記の直接圧縮工程を実施することはできない。この米国特許の教示に従い製造した錠剤は短い崩壊時間を有するであろうが、活性物質の溶解プロフィールに関する定性的または定量的データは、提示されていない。
一般に、種々の適合化させたメトホルミンと賦形剤の組合せから、所望の機械的性質を有するそのような活性成分系の錠剤の製造を可能にする満足し得る方法があるとしても、(i) 保存期間中の錠剤の物理的一体性の良好な保存および(ii) 使用時の水溶液との接触におけるそのような錠剤の急速崩壊という諸機械的性質のバランスを有する錠剤の技術的製造問題は、決して完全には克服されていない。
【0004】
即ち、現在商業的に入手可能であるメトホルミン系錠剤は、良好な保存特性を有する。逆に、そのような公知の錠剤はその使用中に崩壊させるのは困難であり、これら錠剤のうち、現行の法制によって課された口内分散性および分散性の錠剤の性質を有するものはない。
従って、現在商業的に入手可能である全てのメトホルミン系錠剤は、その経口投与中に、患者に対し、とりわけ、治療患者の60%以上を占める老齢患者、小児および頬咽頭疾患を患っている患者に対して高い不快感をもたらす。実際には、患者は、通常、薬物服用前に、錠剤の少なくとも1部を、例えば、錠剤を食事用器具類またはグラス底の助けにより粉砕して粗い錠剤粉末とすることによって手で崩壊させなければならない。
上述の通常のメトホルミン系錠剤の投与に伴う一般的問題を克服するために、上記固形剤形を、PCT出願WO 02/11716号に開示されているように、より容易に投与し得る液体形の調合組成物に置換えることが示唆されている。しかしながら、そのような液体形製剤の原価は、錠剤形調合組成物の原価よりも高い。さらにまた、投与すべき液体容量も大きい。しかも、液体調合組成物は、錠剤組成物よりもはるかに安定性が低いことも知られている。最後に、液体製剤の投与が患者にとってより快適であることが判明しているとしても、液体製剤のコンプライアンス、即ち、その処方に対する患者の同意は、公知の錠剤製剤に比較して改善されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、当該技術の状況においては、固形または液体剤形のいずれであれ、公知の製剤に関連する技術的欠点を解決することのできるガレヌスメトホルミン系製剤が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
各種公知のメトホルミン系製剤における上述の技術的欠点は、今後、そのような活性成分の迅速放出性を有する新規な分散性固形製剤、とりわけ、水分散性および口内分散性の製剤を目的とする本発明によって解決される。
本発明に従い、良好な保存特性を有し、水および唾液のような水溶液と接触して極めて短時間で崩壊し、且つ口径投与後の活性成分の迅速放出または水溶液中での事前分散を可能にする非コーティーングまたは非フィルムコーティーング錠剤の製造を可能にするメトホルミン系固形調合組成物を開発した。さらに詳細には、開発した調合組成物は、ヨーロッパ薬局方(第4版)による規格に従い測定したとき、3分未満の水中浸漬時間後に崩壊するメトホルミン系錠剤の製造を可能にする。この迅速崩壊作用は、とりわけ、本発明の錠剤の製造において710μmよりも低い粒度を有する調合組成物粒状物を使用することによって得られる。
上述の最終水分散性および口内分散性錠剤の特性は、本明細書において定義するような活性成分(1種以上)と賦形剤の特定の組合せを開発することによって、本発明に従い達成される。
ヨーロッパ薬局方からの一般的なモノグラフによれば、分散性または水分散性錠剤は、投与前に水中に分散させて均質な分散を生じるようにした非コーティーング錠剤またはフィルムコーティーング錠剤のいずれかからなる(ヨーロッパ薬局方、セクション 4.4、3646頁)。口内分散性錠剤は、口内に入れ、錠剤が口内で膨潤する前に迅速に分散するようにした非コーティーング錠剤である(ヨーロッパ薬局方、セクション 4.4、3646頁)。
【0007】
口内分散性錠剤は、37℃の水R中で、3分未満内で崩壊または離散する。
分散性錠剤は、15℃〜25℃の水R中で、3分未満内で崩壊または離散する。
さらにまた、分散性錠剤は、離散して分散粒子を生じ、710μmよりも大きい粒度を有する粒子はない。
分散性錠剤として成形した後の本発明に従う調合組成物の崩壊または離散時間を測定するには、測定手順を、ヨーロッパ薬局方(第4版)に記載されている“2.9.1”と称する試験におけるようにして実施する。
上述したように、分散性錠剤は、ヨーロッパ薬局方(第4版)による“2.9.1”試験に従う水R中で、3分未満以内でそれら錠剤成分粒子中に離散する。
さらに、本発明に従う2個の分散性錠剤を100 mlの水R中に浸漬し、これらの錠剤を粒子の完全分散物がそのような錠剤中に含有させるまで撹拌したとき、このようにして得られた粒子分散物は、均質であり、710μmの公称メッシュ開口を有する篩いを全体的に通過する(ヨーロッパ薬局方、第4版、セクション4-4)。
後で本明細書において詳述するように、本発明に従う錠剤は、コーティーングまたはフィルムコーティーングを何ら含まない。さらにまた、本発明に従う調合組成物から製造した錠剤は、所定のメトホルミン投与量において、従来公知の錠剤と比較して、同一の、好ましくは小さい粒度を有する。
とりわけ、本発明の目的は、適切な相対量の結合剤(1種以上)および崩壊剤(1種以上)を使用してフィルムコーティーングまたはコーティーング剤を何ら含まない錠剤を製造するので、組成物中に含有させ必要に応じて塩の1つの形で存在させるメトホルミン総質量の1.6倍を超えない総質量を有する調合組成物において達成されることが判明した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
従って、本発明は、目的として、下記を含むことを特徴とする、710μm未満の粒度を有する粒子形を有し、メトホルミン活性成分を含有する迅速放出性で分散性および口内分散性の固形調合組成物を提供することである(下記の質量パーセントは該組成物の総質量基準で表す):
a) 65質量%〜90質量%の必要に応じて塩形のメトホルミン活性成分またはメトホルミン活性成分と血糖降下活性成分との混合物;
b) 0.5質量%〜4質量%の結合剤または結合剤混合物;
c) 1質量%〜12質量%の崩壊剤または崩壊剤混合物;
d) 0〜10質量%の希釈剤または希釈剤混合物;
e) 0.05質量%〜3質量%の甘味化剤または甘味化剤混合物;および、
f) 1種以上のさらなる賦形剤。
錠剤製造における公知の組成物と比較して、本発明に従う調合組成物は、メトホルミン活性成分の強い苦味を考慮すれば、そのような組成物コンプライアンスを著しく改善する傾向を本質的に有する少なくとも1種の甘味化剤を含む。
即ち、本発明に従う調合組成物のもう1つの重要な特徴は、そのような組成物における、メトホルミンの強い苦味を隠蔽するような適切な量の少なくとも1種の甘味化剤の存在である。本発明に従う調合組成物は2種、3種または4種の甘味化剤の混合物を含み得るが、甘味化剤混合物の質量割合は、組成物総質量基準で0.005%〜3%の範囲であることを条件とする。
甘味化剤または甘味化剤混合物の官能効果を達成するためには、本発明に従う調合組成物は、有利には、1種の風味剤または風味剤混合物も含む。
即ち、本発明に従う調合組成物の好ましい実施態様によれば、官能特性は、風味剤または風味剤混合物を添加してさらに改善される。
即ち、第1の特定の実施態様によれば、本発明に従う調合組成物は、組成物総質量基準で0.01質量%〜6質量%の風味剤または風味剤混合物を含むことも特徴とする。
【0009】
好ましくは、結合剤(1種以上)は、ポリビニルピロリドン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリエチレンオキサイドの中から選択する。
ポリビニルピロリドンに関しては、好ましくは、44,000〜54,000範囲の分子量を有する水溶性ポリビニルピロリドン(例えば、KollidonR 30)を、さらにまた、商品名KollidonR 25、KollidonR 90 F、PlasdoneR K-29/32、PlasdoneR K-90 D/M、PlasdoneR K-90として市販されているポリビニルピロリドンを選択する。
ナトリウムカルボキシメチルセルロースに関しては、好ましくは、商品名BlanoseR、AkucellR、NymcelRとして市販されているものの中から選択する。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースに関しては、好ましくは、商品名MeocelR ES、Metoloseとして市販されているものの中から選択する。
ポリエチレンオキサイドに関しては、好ましくは、標章PolyoxR WSR N-10として市販されているものを選択する。
好ましくは、崩壊剤(1種以上)は、ナトリウムクロスカルメローセ、架橋ポリビニルピロリドン、ナトリウム澱粉グリコレート、小麦またはトウモロコシ澱粉、および事前ゼラチン化澱粉の中から選択する。
ナトリウムクロスカルメローセに関しては、好ましくは、商品名AC6Di-SolR、Pharmacel XL、PrimelloseR、SolutabR、Nymcel ZSXとして市販されているものの中から選択する。
架橋ポリビニルピロリドンに関しては、好ましくは、商品名KollidonR CL、KollidonR CL-M、PolyplasdoneR XL、PolyplasdoneR XL-10、PolyplasdoneR INF-10として市販されているものの中から選択する。
ナトリウム澱粉グリコレートに関しては、商品名ExplotabR、PrimopelRとして市販されているものの中から選択する。
澱粉に関しては、好ましくは、トウモロコシ澱粉を選択する。
事前ゼラチン化澱粉に関しては、好ましくは、商品名LycatabR CまたはLycatabR PGS、またはC*PharmR DC 93000、同様にStarchR1500として市販されているものの中から選択する。
【0010】
好ましくは、希釈剤(1種以上)は、ラクトース、マンニトール、セルロース、微結晶性セルロースおよび炭酸カルシウムの中から選択する。
微結晶性セルロースに関しては、商品名VivapurR 99、VivapurR 101、VivapurR 102、VivapurR 200、AvicelR PH 101、AvicelR PH 102、AvicelR PH 105、AvicelR PH 200、TabuloseR 101、TabuloseR 102、TabuloseR 250、VivapurR 12、VivapurR 20、VivapurR 301、VivapurR 302、AvicelR PH 112、AvicelR PH 113、AvicelR PH 301、AvicelR PH 302、AvicelR PH 103として市販されているものの中から選択する。
好ましくは、甘味化剤(1種以上)は、グルコン酸塩、アスパルテーム、チクロ、サッカリン酸ナトリウム、キシリトールおよびマルチトールの中から選択する。
好ましくは、風味剤(1種以上)は、フルーツ風味料、ミント風味料、アニス風味料、ハチミツ風味料、バニラ風味料、茶風味料、およびバーベナ風味料の中から選択する。重要な特徴によれば、本発明に従う調合組成物中に含ませる風味剤(1種以上)は、血糖症に対して何らの効果も有しない。
さらに詳細には、以下の風味剤(1種以上)を使用する:アプリコット、オレンジ・アプリコット、かんきつ類果実、パイナップル・ココナツ、アニス、バナナ、ココア、カラメル、フルーツ・カラメル、クロフサスグリ、サクランボ、クロサクランボ、ラズベリー・サクランボ、レモン、ライム、オレンジ・エッセンス、オレンジブロッサム、ストロベリー、ラズベリー、パッションフルーツ、樹木果実、果樹園果実、レッドフルーツ、レッドフルーツ/カラメル、グレナディン、アカクサスグリ、オレンジジュース、マンダリン、マンゴ、ミント、ペパーミント、ユーカリ油・ミント、ハチミツ、チェリープラム、ブラックベリー、ビルベリー、グレープフルーツ、モモ、西洋ナシ、リンゴ、プラム、オレンジパルプ、ブドウ、甘草、オレンジツリー・ローズマリー、茶、バニラ、バーベナまたはスミレ。
好ましくは、風味剤は、適切な担体上に吸着させ、その後、前以って含浸させた担体粉末の形で本発明に従う調合組成物中に混入させる。例えば、シリカ、澱粉またはセルロース粉末のような、製薬分野における通常の任意の担体タイプを、風味剤として使用し得る。
【0011】
本発明に従う調合組成物においては、メトホルミンまたはメトホルミン塩は、有利には、100μm未満の粒度を有する固形粒子形を有する。100μm未満の粒度を有するメトホルミンを使用することにより、適切量の潤滑剤の存在下での上述したような調合組成物の直接圧縮工程を本質的に含む簡単且つ迅速な方法を使用して、錠剤の最終製造を可能にする。好ましくは、潤滑剤の適切量は、総組成物基準で0.01質量%〜1質量%の範囲である。
本発明に従う迅速放出性微細化粉末の“粒度”とは、成分粒子の平均粒度を意味する。平均粒度は、それ自体公知の任意の通常の方法を使用して測定し得る。さらに詳細には、当業者であれば、下記の実施例において記載しているようなBeckman CoulterRまたはMalvernRを使用する粒度レーザー測定を使用し得る。
メトホルミン塩は、好ましくは、リン酸塩、硫酸塩、塩酸塩、サリチル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、エタン二スルホン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クロロフェノキシ酢酸塩、エンボネートおよびグリコール酸塩の中から選択する。
0.5質量%〜3.5質量%の結合剤または結合剤混合物を使用して、活性成分粒状物相互の効率的な結合を可能にするが、活性成分は、それ自体何ら結合性粉末を実際に含まない。
さらに、1質量%〜12質量%の崩壊剤または崩壊剤混合物を使用して、その後製造する錠剤の水溶液中での崩壊機械特性に本質的に寄与させ得る。
【0012】
本明細書において特定した崩壊剤は、全て、良好な保存特性並びに水または水溶液との接触後に構成粒子内での所定の迅速崩壊特性を有する分散性および口内分散性の錠剤特性を有する錠剤の製造において使用し得る。
しかしながら、ポリビニルピロリドン、とりわけ44,000〜54,000範囲の分子量を有するポリビニルピロリドンは、最良の結果を得ることのできる崩壊剤である。
とりわけ、事前ゼラチン化または部分事前ゼラチン化トウモロコシ澱粉、例えば、LycatabR CまたはLycatabR PGSのような崩壊剤を使用した場合、製造した錠剤は、本発明の要件を満たすものの、質量および硬度の不規則性を有することが判明した。そのような効果は、実施例5、6および8〜10に記載している本発明に従う組成物においてより詳細に示している。
さらにまた、限定した量よりも多い崩壊剤量は、メトホルミンの許容し得ない長い放出時間をもたらす。このことが、12%よりも多い質量パーセントの崩壊剤の使用を回避すべき理由である。最良の結果を得るためには、組成物総質量基準で6質量%を越えない崩壊剤または崩壊剤混合物量を使用することが有利であろう。
また、多すぎる希釈剤の割合も、保存特性、水との接触中の崩壊特性、および活性成分(1種以上)の放出特性に関して不利益をもたらして得る。好ましくは、希釈剤量は、組成物総質量基準で、8質量%よりも多くあるべきでない。
【0013】
患者の治療においては、メトホルミンの血糖降下または正常血糖作用を達成させるために、本発明に従う調合組成物は、メトホルミンと一緒に、グリカジド(glicazide)、グリピジド、クロルプロパミド、グリメピリド、グリベンクラミドおよびこれらの誘導体のような低投与量で活性である既知の血糖降下活性成分の中からの第2の血糖降下活性成分も含む。
また、本発明に従う調合組成物は、メトホルミンと一緒に、下記から選択した第2活性成分も含み得る:
‐ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、バラグリタゾンおよびこれらの誘導体のような、PPARガンマ作用薬(ペルオキシソーム増殖剤活性化レセプターガンマ)即ちグリタゾン;
‐テラプグリタザル、ムラグリタザル、ラガグリタザルおよびこれらの誘導体のような、PPARガンマおよびアルファ作用薬即ちグリタザル;
‐ジペプチジルペプチダーゼインヒビター(DPPIV);
‐アクラボスまたはその誘導体;または、
‐フェノビブレートおよびその誘導体のような、フィブレートタイプのコレステロール降下剤。
本発明に従う調合組成物においては、上記第2血糖降下活性成分は、好ましくは、65質量%〜90質量%の上記活性成分同伴物と組合せて、組成物総質量基準で0.01質量%〜10質量%範囲の量で存在する。
本発明の調合組成物の特定の実施態様によれば、該組成物は、下記を含むことを特徴とする(下記の質量パーセントは該組成物の総質量基準で表す):
a) 65質量%〜80質量%の必要に応じて塩形のメトホルミン活性成分またはメトホルミン活性成分と血糖降下活性成分との混合物;
b) 0.5質量%〜4質量%の44,000〜54,000範囲の分子量を有する水溶性ポリビニルピロリドン;
c) 1質量%〜10質量%の水不溶性架橋ポリビニルピロリドン;
d) 0.5質量%〜10質量%の希釈剤または希釈剤混合物;
e) 0.05質量%〜3質量%の甘味化剤または甘味化剤混合物;および、
f) 1種以上のさらなる賦形剤。
【0014】
最も好ましくは、最適の機械および崩壊特性を有する錠剤を製造するためには、本発明に従う調合組成物は、水中での崩壊後、710μmよりも大きい粒度を有する崩壊からの粒子を何ら含まない。錠剤崩壊により生じた各粒子は、(i) 活性成分を適切な賦形剤と一緒に含む内部コア、および(ii) 甘味化剤を適切な賦形剤(1種以上)と一緒に含む外部層からなることを理解されたい。
有利には、所望する活性成分の機械特性と迅速放出特性を達成させるためには、内部コアは、組成物総質量基準で75質量%〜85質量%を占め、外部層は、組成物総質量基準で15質量%〜25質量%を占める。
最も好ましくは、メトホルミンは、内部コア中に、結合剤、好ましくは44,000〜54,000範囲の分子量を有する水溶性ポリビニルピロリドンと一緒に含ませる;このコアは、ある実施態様においては、1種以上の適切な賦形剤、主として、1種以上の他の結合剤を、ある実施態様においては、1種以上の結合剤を、さらにまた、ある実施態様においては、甘味化剤または甘味化剤混合物および必要に応じての風味剤または風味剤混合物をもさらに含み得る。
最も好ましくは、外部層は、製造すべき錠剤にその機械的特性および活性成分放出特性を与える賦形剤、即ち、本質的には崩壊剤または崩壊剤混合物、好ましくは水不溶性架橋ポリビニルピロリドンを含む。また、外部層には、甘味化剤または甘味化剤混合物も含ませる。好ましくは、風味剤または風味剤混合物も外部層には含ませる。最後に、錠剤を製造するときに、適切量の潤滑剤または潤滑剤混合物を外部層に添加する。
潤滑剤(1種以上)は、好ましくは、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびその誘導体、ステアリルフマル酸ナトリウム、および安息香酸ナトリウムの中から選択する。
【0015】
即ち、本発明の調合組成物粒状物の好ましい実施態様によれば、メトホルミン全体を該粒状物の内部コア中に含ませる。
また、本発明のもう1つの目的は、それぞれ下記からなる、前記で定義したような調合組成物でもある(下記の質量パーセントは該組成物の総質量基準で表す):
(i) 下記を含む内部コア:
a) 65質量%〜80質量%の必要に応じて塩形のメトホルミン活性成分またはメトホルミン活性成分と血糖降下活性成分との混合物;および、
b) 0.5質量%〜4質量%の結合剤または結合剤混合物;並びに、
(ii) 下記を含む外部非フィルムコーティーング層:
a) 0質量%〜10質量%の希釈剤または希釈剤混合物;
b) 1質量%〜10質量%の崩壊剤または崩壊剤混合物;および、
c) 0.05質量%〜3質量%の甘味化剤または甘味化剤混合物。
好ましくは、上記結合剤は、44,000〜54,000範囲の分子量を有する水溶性ポリビニルピロリドンである。
好ましくは、上記崩壊剤は、水不溶性架橋ポリビニルピロリドンである。
【0016】
また、本発明は、その好ましい実施態様においては、下記を含む、前記で定義したような調合組成物にも関する(下記の質量パーセントは該組成物の総質量基準で表す):
(i) 下記を含む内部コア:
a) 76質量%〜77質量%の必要に応じて塩形の塩酸メトホルミン活性成分;および、
b) 2.5質量%〜3.5質量%の44,000〜54,000範囲の分子量を有する水溶性ポリビニルピロリドン;並びに、
(ii) 下記を含む外部非フィルムコーティーング層:
a) 6.5質量%〜7.5質量%の希釈剤または希釈剤混合物;
b) 4.5質量%〜5.5質量%の水不溶性架橋ポリビニルピロリドン;および、
c) 0.5質量%〜2.5質量%の甘味化剤または甘味化剤混合物。
また、本発明は、下記からなることを特徴とする、前記で定義したような組成物にも関する(下記の質量パーセントは該組成物の総質量基準で表す):
(i) 下記を含む内部コア:
a) 76.92質量%の塩酸メトホルミン活性成分;および、
b) 3.08質量%の44,000〜54,000範囲の分子量を有する水溶性ポリビニルピロリドン;並びに、
(ii) 下記を含む外部非フィルムコーティーング層:
a) 7質量%の希釈剤または希釈剤混合物;
b) 5質量%の水不溶性架橋ポリビニルピロリドン;
c) 2質量%の甘味化剤または甘味化剤混合物;
d) 5質量%の風味剤または風味剤混合物;および、
e) 1質量%の防腐剤。
【0017】
既に前記で説明したように、メトホルミンは、好ましくは、リン酸塩、硫酸塩、塩酸塩、サリチル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、エタン二スルホン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クロロフェノキシ酢酸塩、エンボネートおよびグリコール酸塩の中から選ばれた塩の形を有する。
前記で詳述したような調合組成物は、当該技術の状況において公知の種々の錠剤製造方法のいずれかによるメトホルミン系水分散性錠剤の製造において使用する。
従って、本発明のもう1つの目的は、前記で定義したような調合組成物を含むことを特徴とする水分散性非フィルムコーティーングおよび非コーティーング調合錠剤を提供することでもある。
本発明に従う調合組成物から製造した錠剤は、多くの従来公知の錠剤形メトホルミン製剤とは対照的に、その機械的、硬度特性における何らの重大な変化もなく、数ヶ月間保存し得たことが証明された。即ち、公知の調合組成物を使用して製造した錠剤においては、保存時間中錠剤硬度の重大な増大が観察される。さらに詳細には、製造後、100 N程度の初期硬度を有するある種の通常の錠剤においては、その硬度は、場合によっては、数ヶ月間の保存後に500 Nまで増大し、患者は、錠剤を粉砕して、必要に応じて水または任意の水溶液中での予備懸濁後に経口的に服用することのできる錠剤の粗い粉末を得ることを強いられる。事実、通常の錠剤の硬度の経時的増大は、そのような錠剤の崩壊特性の重大な劣化を同時にもたらし、これは、結果として、ヨーロッパ薬局方の定義に従う水分散性または口内分散性錠剤ではない。これに対して、本発明に従う調合組成物の活性成分(1種以上)と賦形剤の特定の組合せは、該組成物が、とりわけ、各々が上述の内部コアと外部層を有する粒子形の調合組成物である場合に、硬度特性が保存期間中に変化しない、従って、患者が使用するときに、ヨーロッパ薬局方が要求する分散性錠剤、とりわけ、水分散性および口内分散性である錠剤と称する特徴を有する錠剤の製造を可能にする。
【0018】
好ましくは、本発明に従う錠剤の各々は、100 mg〜3000 mg、有利には250 mg〜1200 mg、好ましくは250 mg〜1000 mg範囲の量の必要に応じてその塩の1つの形で存在するメトホルミンを含む。また、本発明に従う錠剤は、250 mg、500 mg、750 mg、850 mg、1000 mgまたは1100 mgの量の必要に応じて塩形で存在するメトホルミンも含有し得る。
本質的な特徴によれば、前記で定義した調合組成物の活性成分と賦形剤における特定の定量的および定性的組合せ故に、本発明に従うメトホルミン錠剤は、外部コーティーングまたはフィルムコーティーング層によって何らコーティーングする必要はない。
さらに詳細には、メトホルミンの苦味を隠蔽するためのコーティーングまたはフィルムコーティーングは、1種以上の甘味化剤および必要に応じての風味剤(1種以上)の存在故に、必要ではない。
第2に、本発明の調合組成物から製造した錠剤の活性成分の良好な機械的特性および良好な放出特性を考慮すれば、保護コーティーングまたはフィルムコーティーングは、活性成分の上記機械的特性および上記放出プロフィール特性を変化させ易いであろうから、不利益であろう。事実、コーティーングまたはフィルムコーティーング剤の使用は、水または水溶液との接触中の錠剤の構成粒子への崩壊時間を著しく増大させる効果を有する。
有利には、本発明に従う錠剤は、100 Nよりも高い破壊強度を有し、20℃の蒸留水中で、10分未満以内、より好ましくは5分未満以内、最も好ましくは3分未満以内で分散させ得る。
有利には、本発明に従う錠剤は、110 Nよりも高い、より好ましくは120 Nよりも高い破壊強度を有する。
極めて好ましくは、本発明に従う錠剤は、20℃の蒸留水中で、2分未満以内、より好ましくは1.5分未満以内、極めて好ましくは1分未満以内で分散させ得る。
【0019】
本発明によれば、上述の方法が、従来技術において開示された方法に従って製造したメトホルミン錠剤において観察されたのと少なくとも同等の生体外薬物動態プロフィールおよび生体内薬物動態プロフィールを有する必要に応じて第2活性成分と組合せたメトホルミンまたはその誘導体の1つの錠剤の取得を容易に且つ安価にすることを証明した。
最高血漿濃度値(Cmax)、最高血漿濃度に達するまでの時間値(Tmax)、およびAUC値(血漿濃度曲線の下の領域における)を、本発明に従って製造した錠剤および従来技術におけるような湿式造粒工程を含む方法に従って製造した迅速放出錠剤(分散性でない)における薬物動態プロフィールから算出している。これらの値の全てを実施例14において比較している。
好ましくは、本発明に従う錠剤は、生体内で測定した血漿濃度曲線の下の領域(AUC)が10000 ng.h/ml〜16250 ng.h/mlの範囲、好ましくは約12500
ng.h/mlであることに特徴を有する、各々500 mgで2回投与した錠剤から確立した薬物動態プロフィールを示す。
好ましくは、本発明に従う錠剤は、最高血漿濃度値(Cmax)が1600 ng/ml〜2600 ng/mlの範囲、好ましくは約2000 ng/mlであることに特徴を有する、各々500 mgで投与した2個の錠剤から確立した薬物動態プロフィールを示す。
好ましくは、本発明に従う錠剤は、Tmax値が2時間〜3.25時間、好ましくは約2.5時間であることに特徴を有する、各々500 mgで2回投与した錠剤から確立した薬物動態プロフィールを示す。
当業者であれば、本明細書において使用するときの“Tmax”は最高血漿濃度に達するまでの時間に相当することを認識されたい。
メトホルミン塩酸塩の500 mgで投与した本発明に従う錠剤は、同じタイプで且つメトホルミン塩酸塩のより低投与量を含む組成物に対して外挿し得るある種の結果を与え、ヒトにおけるメトホルミン塩酸塩吸収は、0から1000 mgまで直線状である。
好ましくは、500 mgで投与した本発明に従う錠剤は、活性成分投与量の50%〜100%、好ましくはメトホルミン塩酸塩投与量の少なくとも80%を37℃の生理学的緩衝媒質 pH 6.8において5分間以内で放出する。
2回の別々の500 mg投与量で行なったメトホルミン塩酸塩の500
mgで投与した本発明に従う錠剤は、同じタイプで且つメトホルミン塩酸塩のより低投与量を含む組成物に対して外挿し得るある種の結果を与え、ヒトにおけるメトホルミン塩酸塩吸収は、0から1000 mgまで直線状である。
AUCおよびCmaxに対する外挿は3つの法則に基づいて実施し得、Tmax値は、2時間〜3.25時間の範囲、好ましくは約2.5時間で変化しないままである。
【0020】
本発明に従う調合組成物の活性成分および賦形剤における定量的および定性的組成は、そのような組成物からの錠剤の製造を、種々の方法、それぞれ、乾式造粒もしくは湿式造粒法、または直接圧縮法に従って可能にする。
乾式または湿式造粒のいずれであれ、造粒工程を含む錠剤の製造方法を実施するには、100μm未満の粒度を有する粒子形のメトホルミンまたはその塩を使用する。造粒工程は、活性成分を含有するコアの密度を増大するのを可能にする。
通常のように、本発明に従う錠剤を製造するためには、最終圧縮工程前の最後の最後に、適切量の潤滑剤または潤滑剤混合物を粒子に添加して、錠剤のパンチ表面での付着現象を最低限にする。
即ち、本発明のもう1つの目的は、下記の各工程を含むことを特徴とする、前記で定義したような調合錠剤の製造方法でもある:
a) 前記で定義するようなコア(i)を、必要に応じて塩形のメトホルミン適切量と、44,000〜54,000範囲の分子量を有する水溶性ポリビニルピロリドンとの混合物の湿式造粒により製造する工程;
b) 工程a)で得られた粒状物を乾燥させる工程;
c) 工程b)で得られた粒状物に賦形剤混合物を加えて、前記で定義するような外部層(ii)を形成させる工程;および、
d) 工程c)で得られた粒状物の圧縮を実施する工程。
【0021】
また、本発明は、下記の各工程を含むことを特徴とする、前記で定義するような調合錠剤の製造方法にも関する:
a) 前記で定義するようなコア(i)を、必要に応じて塩形のメトホルミン適切量と、44,000〜54,000範囲の分子量を有する水溶性ポリビニルピロリドンとの混合物の乾式造粒により製造する工程;
b) 工程a)で得られた乾燥粒状物を圧縮する工程;
c) 工程b)で得られた粒状物に賦形剤混合物を加えて、前記で定義するような外部層(ii)を形成させる工程;および、
d) 工程c)で得られた粒状物の圧縮を実施する工程。
また、本発明は、下記の各工程を含むことを特徴とする、前記で定義するような調合錠剤の製造方法にも関する:
a) 前記で定義するようなコア(i)構成成分の混合物を、必要に応じて塩形のメトホルミン適切量と、44,000〜54,000範囲の分子量を有する水溶性ポリビニルピロリドンとの混合物の乾式造粒により製造する工程;
b) 工程b)で得られた粒状物に賦形剤混合物を加えて、前記で定義するような外部層(ii)を形成させる工程;および、
c) 工程a)で得られた粒状物の圧縮を実施する工程。
後者の錠剤製造方法は、好ましくは、メトホルミンまたはその塩が100μmよりも大きい粒度を有する粒子形を有する場合に使用する。
また、本発明を、以下の実施例により、これら実施例に限定することなしに具体的に説明する。
【実施例】
【0022】
[実施例1]
メトホルミンHCl 1000 mg分散性組成物 (湿式造粒法)
1. 成分
‐メトホルミンHCl
‐ポビドン K30 (KOLLIDONR 30)
‐クロスポビドン(KOLLIDONR XL)
‐グレープフルーツ・オレンジ風味料
‐アスパルテーム
‐ステアリン酸マグネシウム
2. 操作方式
‐メトホルミンHClを、ROTOLABRタイプの高速造粒ミキサー中に導入する。
‐ポビドンを精製水中に溶解する(25% m/m)。
‐造粒工程は、3枚ブレード型タイプの撹拌軸を備えたROTOLABR内で、上記ポビドン溶液の活性成分上への混入により生じる。該工程は、満足し得る品質の粒子を得るのに十分な量の水により達成される。
‐このようにして得られた粒子をMini GLATTタイプの流動空気床内で40℃にて約5分間乾燥させて、1.0%に近い残留湿分を有する粒子を得る。
‐粒子を、1.0 mmメッシュ開口直径を有するステンレススチールグリッドを備えたERWEKAタイプの振動グラニュレーターを使用して標準化する。
‐標準化粒子を、TURBULAタイプまたは等価のタンブリング粉末混合容器内に導入する。
‐風味料、甘味料および崩壊剤を混合物に添加する。
‐混合時間を約10分に設定する。
‐潤滑剤を混合物に添加する;混合時間は、約1分である。
‐このようにして得られた最終混合物を、20×9.5成形用パンチを備えたMR6タイプの回転プレス装置の供給ホッパーに導入する。
3. 錠剤特性
‐平均質量:1 100 mg
‐硬度:160 N
‐離散:53秒
‐粒子微細度 (< 710μm):適合
【0023】
[実施例2]
メトホルミンHCl 500 mg分散性組成物 (湿式造粒法)
1. 成分
‐メトホルミンHCl
‐コポビドン (KOLLIDONR VA64)
‐水和シリカ
‐オレンジ風味料
‐クエン酸
‐L-HPC 11
‐ステアリン酸マグネシウム
2. 操作方式
‐メトホルミンHClを、上記TURBULAを使用して、コポビドン、水和シリカ、風味料、クエン酸およびL-HPC 11と10分間混合する。
‐その後、混合物を圧縮し、次いで、3.5 mmに、さらに1.0 mmに標準化する。その後、粒子を約3分間ステアリン酸マグネシウムと混合する。
‐その後、最終混合物を、20×9.5成形用パンチを備えたMR6タイプの回転プレス装置で圧縮する。
‐また、最終混合物の画分も12R16サイズパンチで圧縮する。
3. 錠剤特性
‐平均質量:1 200 mg
‐硬度:250 N
‐離散:1分30秒
‐粒子微細度 (< 710μm):適合
【0024】
[実施例3]
湿式造粒により製造したメトホルミンHCl 1000 mg投与量分散性組成物およびmgのグリピジド
1. 成分
‐メトホルミンHCl
‐グリピジド
‐ポビドン K30 (KOLLIDONR 30)
‐クロスポビドン(KOLLIDONR XL)
‐グレープフルーツ・オレンジ風味料
‐アスパルテーム
‐ステアリン酸マグネシウム
2. 操作方式
‐メトホルミンHClとグリピジドを、ROTOLABRタイプの高速造粒ミキサー中に導入する。
‐ポビドンを精製水中に溶解する(25% m/m)。
‐造粒操作は、3枚ブレード型タイプの撹拌軸を備えたROTOLABR内で、上記ポビドン溶液の活性成分上への混入により実施する。該操作は、満足し得る品質の粒子を得るのに十分な量の水により達成される。
‐このようにして得られた粒子をMini GLATTタイプの流動空気床内で40℃にて約5分間乾燥させて、1.0%に近い残留湿分を有する粒子を得る。
‐粒子を、1.0 mmメッシュ開口直径を有するステンレススチールグリッドを備えたERWEKAタイプの振動グラニュレーターを使用して標準化する。
‐標準化粒子を、TURBULAタイプまたは等価のタンブラー粉末混合容器内に導入する。
‐風味料、甘味料および崩壊剤を混合物に添加する。
‐混合時間を約10分に設定する。
‐潤滑剤を混合物に添加する;混合時間は、約1分である。
‐このようにして得られた最終混合物を、20×9.5成形用パンチを備えたMR6タイプの回転プレス装置の供給ホッパーに導入する。
3. 錠剤特性
‐平均質量:1 100 mg
‐硬度:160 N
‐離散:53秒
‐粒子微細度 (< 710μm):適合
【0025】
[実施例4]
メトホルミンHCl 1000 mg分散性組成物 (湿式造粒法)
1. 成分
‐メトホルミンHCl
‐ポビドン K30 (KOLLIDONR 30)
‐クロスポビドン(KOLLIDONR XL)
‐グレープフルーツ・オレンジ風味料
‐キシリトール 10 (70% m/m)
‐サッカリン酸ナトリウム 0.1% (1% m/m)
‐ステアリン酸マグネシウム
2. 操作方式
‐メトホルミンHClを、ROTOLABRタイプの高速造粒ミキサー中に導入する。
‐ポビドンを精製水中に溶解する(25% m/m)。
‐造粒工程を、3枚ブレード型タイプの撹拌軸を備えたROTOLABR内で、上記ポビドン溶液の活性成分上への混入により実施する。該工程は、満足し得る品質の粒子を得るのに十分な量の水により達成される。
‐このようにして得られた粒子をMini GLATTタイプの流動空気床内で40℃にて約5分間乾燥させて、1.0%に近い残留湿分を有する粒子を得る。
‐粒子を、1.0 mmメッシュ開口直径を有するステンレススチールグリッドを備えたERWEKAタイプの振動グラニュレーターを使用して標準化する。
‐標準化粒子を、TURBULAタイプまたは等価のタンブリング粉末混合容器内に導入する。
‐風味料、甘味料および崩壊剤を混合物に添加する。
‐混合時間を約10分に設定する。
‐潤滑剤を混合物に添加する;混合時間は、約1分である。
‐このようにして得られた最終混合物を、20×9.5成形用パンチを備えたMR6タイプの回転プレス装置の供給ホッパーに導入する。
3. 錠剤特性
‐平均質量:1 100 mg
‐硬度:160 N
‐離散:53秒
‐粒子微細度 (< 710μm):適合
【0026】
[実施例5〜10]
実施例5〜10における各組成物の活性成分および賦形剤の定性的および定量的組成、並びにそのような組成物の他の試験特性を、下記の表1に詳述する。
硬度、水溶液中での錠剤崩壊時間および活性成分放出時間の双方の観点から、最良の特性を有する錠剤の製造を可能にした調合組成物は、実施例7における組成物である。


【0027】

【0028】

【0029】

【0030】

【0031】

【0032】
[実施例11]
メトホルミンHCl 500 mgおよび1000 mgの分散性組成物
500 mg (バッチ23421)および1000 mg (バッチ23422)で投与する2バッチのメトホルミン錠剤を、同じ混合物(バッチ23419)から、実施例1〜4に記載した手順に合せて製造した。これら500 mgおよび1000 mgで投与する錠剤の活性成分および賦形剤の定性的および定量的濃度を下記の表2に示す。


【0033】
得られた各錠剤は、下記の表3に示す要件を満たさなければならない。


【0034】
a) 得られた粒子の薬物工学特性
上記粒子の薬物工学特性を下記の表4に示す。


【0035】
b) 重ね合せ篩いでの粒子の粒度分布
粒子の粒度分布を下記の表5に示す。


【0036】
c) 圧縮前の最終混合物の薬物工学特性
最終混合物の薬物工学特性を下記の表6に示す。


【0037】
d) 重ね合せ篩いでの粒子の粒度分布
粒子の粒度分布を下記の表7に示す。


【0038】
得られた錠剤は、下記の表8に示す特性を示す。


【0039】
[実施例12]
バッチ 23421からの錠剤の生体外放出プロフィール
バッチ 23421からの錠剤の放出プロフィールを時間に対して測定した。測定値を下記の表9に要約し、図1に図示している。錠剤を、圧縮工程の開始時、中間時および終了時で分析した。


【0040】
[実施例13]
バッチ 23422からの錠剤の生体外放出プロフィール
バッチ 23422からの錠剤の放出プロフィールを時間に対して測定した。測定値を下記の表10に要約し、図2に図示している。錠剤を、圧縮工程の開始時、中間時および終了時で分析した。


【0041】
[実施例14]
本発明に従う500 mgで投与するメトホルミン錠剤と同じ投与量の商品名グルコファージ(GlucophageR)として市販されているメトホルミン錠剤との生体内薬物動態の比較分析
年齢18〜55歳の1群の26名の個々人を本試験のために選択し、それぞれ本発明に従う500 mgで投与する口内分散性または分散性メトホルミン錠剤で治療する第1群および商品名グルコファージ(GlucophageR)として市販されている2つのフィルムコーティーングメトホルミン錠剤で治療する第2下位群の2つの下位群に分けた(交差無作為化試験)。
静脈血液の10 mlサンプルを、各個々人から、錠剤の経口服用前、および上記フェノブレート錠剤服用後の0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、2.33時間、2.67時間、3時間、3,33時間、3.67時間、4時間、4.5時間、5時間、6時間、8時間、10時間、12時間、16時間、24時間および36時間の時点で採血した。
ng/mlで表すメトホルミン濃度を、各採血サンプルにおいて測定した。
また、個々人全てにおけるメトホルミンの平均濃度も、本発明に従う500 mgで投与するメトホルミン錠剤による治療(500
mgの2回服用での投与)後および商品名グルコファージ(GlucophageR)として市販されている500 mgで投与するフィルムコーティーングメトホルミン錠剤による治療(500 mgの2回服用での投与)後において算出した。時間に対する血漿フェノフィビリン酸算術平均濃度の変化曲線をプロットし、図3に示している。
時間に対するメトホルミン血漿濃度のネーピア対数(Ln)の変化グラフを図4に示している。
最高血漿濃度(Cmax)、最高血漿濃度に達するまでの時間(Tmax)および血漿濃度曲線の下の領域(AUC)を各治療において測定した。
これら変動値の値、その平均および範囲を各治療処置において算出し、下記の表11に示している。
【0042】

【0043】
表11の変動値を下記の表12において比較している。



上記表12の集約結果は、本発明に従う500 mgで投与したメトホルミン錠剤(500
mgの2回服用で投与)により治療した個々人におけるメトホルミンの生体内薬物動態プロフィールが、商品名GlucophageRとして市販されているフィルムコーティーングメトホルミン錠剤により治療した個々人の薬物動態プロフィールと同等であることを示している。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に従う500 mgで投与したメトホルミン錠剤の生体外崩壊プロフィールの種々の時点での比較試験を示すグラフである。3つのグラフ(圧縮の開始時、中間時、終了時)を示しており、23421バッチからの錠剤を圧縮工程に供した時間を表す。 この試験は、下記の生体外崩壊パラメーターに従って実施した: ‐回転棚を有する崩壊装置 SOTAX AT 7 (または等価装置) ‐ラムダ分光光度計 20 PERKIN ELMER (または等価計器) ‐媒質:500 mlの生理緩衝溶液 pH 6.8 ‐波長 260 nm ‐1 cmの光路長を有する石英タンク ‐棚回転速度:75 rpm
【図2】本発明に従う1000 mgで投与したメトホルミン錠剤の生体外崩壊プロフィールの種々の時点での比較試験を示すグラフである。3つのグラフ(圧縮の開始時、中間時、終了時)を示しており、23422バッチからの錠剤を圧縮工程に供した時間を表す。 この試験は、下記の生体外崩壊パラメーターに従って実施した: ‐回転棚を有する崩壊装置 SOTAX AT 7 (または等価装置) ‐ラムダ分光光度計 20 PERKIN ELMER (または等価計器) ‐媒質:500 mlの生理緩衝溶液 pH 6.8 ‐波長 260 nm ‐1 cmの光路長を有する石英タンク ‐棚回転速度:75 rpm
【図3】500 mgの別々の投与で得た、本発明に従う500mgで投与した口内分散性または分散性メトホルミン錠剤と商品名グルコファージ(GlucophageR)として市販されている2回の別々の500mg投与量で投与した500 mg投与のフィルムコーティーングメトホルミン錠剤との生体内薬物動態プロフィールの比較試験を示すグラフである。
【図4】図3からのグラフのネーピア対数(Ln)図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を含むことを特徴とする、710μm未満の粒度を有する粒子形を有し、メトホルミン活性成分を含有する分散性および口内分散性固形調合組成物(下記の質量パーセントは該組成物の総質量基準で表す):
a) 65質量%〜90質量%の必要に応じて塩形のメトホルミン活性成分またはメトホルミン活性成分と血糖降下活性成分との混合物;
b) 0.5質量%〜4質量%の結合剤または結合剤混合物;
c) 1質量%〜12質量%の崩壊剤または崩壊剤混合物;
d) 0〜10質量%の希釈剤または希釈剤混合物;
e) 0.05質量%〜3質量%の甘味化剤または甘味化剤混合物;および、
f) 1種以上のさらなる賦形剤。
【請求項2】
0.01質量%〜6質量%の風味剤または風味剤混合物も含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記結合剤(1種以上)が、ポリビニルピロリドン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリエチレンオキサイドの中から選ばれる、請求項1または2のいずれか1項記載の組成物。
【請求項4】
前記崩壊剤(1種以上)が、ナトリウムクロスカルメローセ、架橋ポリビニルピロリドン、澱粉グリコール酸ナトリウム、小麦またはトウモロコシ澱粉、および事前ゼラチン化澱粉の中から選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
前記希釈剤(1種以上)が、ラクトース、マンニトール、セルロース、微結晶性セルロースおよび炭酸カルシウムの中から選ばれる、請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
前記甘味化剤(1種以上)が、グルコン酸塩、アスパルテーム、チクロ、サッカリン酸ナトリウム、キシリトールおよびマルチトールの中から選ばれる、請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
前記風味剤(1種以上)が、フルーツ風味料、ミント風味料、アニス風味料、ハチミツ風味料、バニラ風味料、茶風味料、およびバーベナ風味料の中から選ばれる、請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
前記メトホルミン活性成分が、リン酸塩、硫酸塩、塩酸塩、サリチル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、エタン二スルホン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クロロフェノキシ酢酸塩、エンボネートおよびグリコール酸塩の中から選ばれる塩の形を有する、請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
前記血糖降下活性成分が、存在する場合、グリカジド、グリピジド、クロルプロパミド、グリメピリド、グリベンクラミド、およびこれらの誘導体の中から選ばれる、請求項1〜8のいずれか1項記載の組成物。
【請求項10】
さらに、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、バラグリタゾンおよびこれらの誘導体から選ばれる、PPARガンマ作用薬(ペルオキシソーム増殖剤活性化レセプターガンマ)即ちグリタゾンを含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の組成物。
【請求項11】
さらに、テラプグリタザル、ムラグリタザル、ラガグリタザルおよびこれらの誘導体の中から選ばれる、PPARガンマおよびアルファ作用薬即ちグリタザルを含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の組成物。
【請求項12】
さらに、フェノビブレートおよびその誘導体のようなフィブレートタイプのコレステロール降下剤を含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の組成物。
【請求項13】
さらに、ジペプチジルペプチダーゼインヒビター(DPPIV)の中から選ばれた活性成分を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項14】
さらに、アクラボスまたはその誘導体を含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の組成物。
【請求項15】
下記を含む、請求項1〜14のいずれか1項記載の組成物(下記の質量パーセントは該組成物の総質量基準で表す):
a) 65質量%〜80質量%の必要に応じて塩形のメトホルミン活性成分またはメトホルミン活性成分と血糖降下活性成分との混合物;
b) 0.5質量%〜4質量%の44,000〜54,000範囲の分子量を有する水溶性ポリビニルピロリドン;
c) 1質量%〜10質量%の水不溶性架橋ポリビニルピロリドン;
d) 0.5質量%〜10質量%の希釈剤または希釈剤混合物;
e) 0.05質量%〜3質量%の甘味化剤または甘味化剤混合物;および、
f) 1種以上のさらなる賦形剤。
【請求項16】
(i) 1種以上の賦形剤と一緒に活性成分または活性成分混合物を含む内部コアおよび(ii) 甘味化剤を含む外部層からなる、請求項1〜15のいずれか1項記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物の総質量基準で、前記内部コアが75質量%〜85質量%を占め、前記外部層が15質量%〜25質量%を占める、請求項16記載の組成物。
【請求項18】
それぞれ下記からなる、請求項16または17のいずれか1項記載の組成物(下記の質量パーセントは該組成物の総質量基準で表す):
(i) 下記を含む内部コア:
a) 65質量%〜80質量%の必要に応じて塩形のメトホルミン活性成分またはメトホルミン活性成分と血糖降下活性成分との混合物;および、
b) 0.5質量%〜4質量%の結合剤または結合剤混合物;並びに、
(ii) 下記を含む外部非フィルムコーティーング層:
a) 0質量%〜10質量%の希釈剤または希釈剤混合物;
b) 1質量%〜10質量%の崩壊剤または崩壊剤混合物;および、
c) 0.05質量%〜3質量%の甘味化剤または甘味化剤混合物。
【請求項19】
前記結合剤が、44,000〜54,000範囲の分子量を有する水溶性ポリビニルピロリドンである、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
前記崩壊剤が、水不溶性架橋ポリビニルピロリドンである、請求項18または19のいずれか1項記載の組成物。
【請求項21】
下記を含む、請求項18〜20のいずれか1項記載の組成物(下記の質量パーセントは該組成物の総質量基準で表す):
(i) 下記を含む内部コア:
a) 76質量%〜77質量%の必要に応じて塩形のメトホルミン活性成分またはメトホルミン活性成分と血糖降下活性成分との混合物;および、
b) 2.5質量%〜3.5質量%の44,000〜54,000範囲の分子量を有する水溶性ポリビニルピロリドン;並びに、
(ii) 下記を含む外部非フィルムコーティーング層:
a) 6.5質量%〜7.5質量%の希釈剤または希釈剤混合物;
b) 4.5質量%〜5.5質量%の水不溶性架橋ポリビニルピロリドン;および、
c) 0.5質量%〜2.5質量%の甘味化剤または甘味化剤混合物。
【請求項22】
下記からなる、請求項1〜21のいずれか1項記載の組成物(下記の質量パーセントは該組成物の総質量基準で表す):
(i) 下記を含む内部コア:
a) 76.92質量%の塩酸メトホルミン活性成分;および、
b) 3.08質量%の44,000〜54,000範囲の分子量を有する水溶性ポリビニルピロリドン;並びに、
(ii) 下記を含む外部非フィルムコーティーング層:
a) 7質量%の希釈剤または希釈剤混合物;
b) 5質量%の水不溶性架橋ポリビニルピロリドン;
c) 2質量%の甘味化剤または甘味化剤混合物;
d) 5質量%の風味剤または風味剤混合物;および、
e) 1質量%の防腐剤。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれか1項記載の組成物からなる、水分散性非フィルムコーティーング調合錠剤。
【請求項24】
各々500 mgで2回投与した錠剤から確立した薬物動態プロフィールが、生体内で測定した血漿濃度曲線の下の領域(AUC)が10000 ng.h/ml〜16250 ng.h/mlの範囲、好ましくは約12500
ng.h/mlであることに特徴を有する、請求項23記載の錠剤。
【請求項25】
各々500 mgで2回投与した錠剤から確立した薬物動態プロフィールが、最高血漿濃度値(Cmax)が1600 ng/ml〜2600 ng/mlの範囲、好ましくは約2000 ng.h/mlであることに特徴を有する、請求項23または24記載の錠剤。
【請求項26】
各々500 mgで2回投与した錠剤から確立した薬物動態プロフィールが、Tmax値が2時間〜3.25時間、好ましくは約2.5時間であることに特徴を有する、請求項23〜25のいずれか1項記載の錠剤。
【請求項27】
メトホルミン塩酸塩の500 mgで投与し、同じタイプで且つメトホルミン塩酸塩のより低投与量を含む組成物に対して外挿し得る結果を与え、ヒトにおけるメトホルミン塩酸塩吸収が0から1000 mgまで直線状である、請求項23〜26のいずれか1項記載の錠剤。
【請求項28】
500 mgで投与し、前記活性成分投与量の50%〜100%、好ましくは、メトホルミン塩酸塩投与量の少なくとも80%を37℃の生理学的緩衝媒質 pH 6.8において5分間で放出する、請求項23〜26のいずれか1項記載の錠剤。
【請求項29】
下記の各工程を含むことを特徴とする、請求項23〜28のいずれか1項記載の調合錠剤の製造方法:
a) 請求項16に記載するようなコア(i)を、必要に応じて塩形のメトホルミン適切量またはメトホルミン活性成分と血糖降下活性成分との混合物と、結合剤との混合物の湿式造粒により製造する工程;
b) 工程a)で得られた粒状物を乾燥させる工程;
c) 工程b)で得られた粒状物に賦形剤混合物を加えて、請求項16に記載するような外部層(ii)を形成させる工程;および、
d) 工程c)で得られた粒状物の圧縮を実施する工程。
【請求項30】
下記の各工程を含むことを特徴とする、請求項23〜28のいずれか1項記載の調合錠剤の製造方法:
a) 請求項16に記載するようなコア(i)を、必要に応じて塩形のメトホルミン適切量またはメトホルミン活性成分と血糖降下活性成分との混合物と、結合剤との混合物の乾式造粒により製造する工程;
b) 工程a)で得られた乾燥粒状物を圧縮する工程;
c) 工程b)で得られた粒状物に賦形剤混合物を加えて、請求項16に記載するような外部層(ii)を形成させる工程;および、
d) 工程c)で得られた粒状物の圧縮を実施する工程。
【請求項31】
下記の各工程を含むことを特徴とする、請求項23〜28のいずれか1項記載の調合錠剤の製造方法:
a) 請求項16に記載するようなコア(i)を、必要に応じて塩形のメトホルミン適切量またはメトホルミン活性成分と血糖降下活性成分との混合物と、結合剤との混合物の乾式造粒により製造する工程;
b) 工程a)で得られた粒状物に賦形剤混合物を加えて、請求項16に記載するような外部層(ii)を形成させる工程;および、
c) 工程b)で得られた粒状物の圧縮を実施する工程。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−501205(P2007−501205A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522382(P2006−522382)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【国際出願番号】PCT/FR2004/050376
【国際公開番号】WO2005/013957
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(505325213)ソシエテ ア レスポンサビリテ リミテ ガルニクス イノヴァシオン (3)
【出願人】(506041604)
【Fターム(参考)】