説明

層間絶縁膜および配線構造と、それらの製造方法

【課題】 リーク電流の発生や熱アニールによる膜の縮小が抑制された、低誘電率で安定な層間絶縁膜を提供することにある。
【解決手段】 層間絶縁膜は、Si原子を含有するハイドロカーボン層とN原子を含有するフルオロカーボン層とを積層してなり、かつ前記ハイドロカーボン層は、C原子数に対するH原子数の比(H/C)が0.8乃至1.2となる割合でH原子とC原子とを含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子、半導体チップ搭載基板、配線基板等の基板の多層配線構造において、特に層間絶縁膜の構造に関し、また当該多層配線構造を有する半導体装置、配線基板、およびそれらを含む電子装置に関する。さらに本発明は当該多層配線構造の製造方法、ならびに当該多層配線構造を有する半導体装置、配線基板、およびそれらを含む電子装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体基板上等の多層配線構造における配線層間の絶縁のために層間絶縁膜が形成されている。
【0003】
このような多層配線構造において、配線間の寄生容量および配線抵抗による信号遅延の問題が無視できなくなってきており、低誘電率(Low−k)を持つ層間絶縁膜を用いることが要求され、種々の構造が提案されている(特許文献1、参照)。
【0004】
特許文献1には、層間絶縁膜として、フルオロカーボン膜(CF)膜が用いられることが提案され、プラズマ発生用のガスとして、He,Ne,Ar,Xe,Krガスを用い、フルオロカーボンガス(以下、CFxガスと呼ぶ、このCFxガスは、例えば、Cガスなどがある)を用いてプラズマ処理装置を用いて成膜されている。そして、特許文献1においては、発生するプラズマの電子密度を調整するために、希ガスに、希釈用としてN,H,NHを併用しており、これによって良好な密着性と成膜形状を得るとしている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−220668号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
低誘電率を持つ層間絶縁膜の一構成例として、比誘電率kが2.0〜2.2の、フルオロカーボン膜(以下、CF膜という。)と、CF膜のバリア層として比誘電率kが3.0程度の、ハイドロカーボン膜(以下、CH膜という。)とを用い、それらの両膜の組合せにより非常に低い誘電率を持つ層間絶縁膜を得ることが提案されている。
【0007】
かかる層間絶縁膜は良好な絶縁膜特性を発揮し得るが、更なるデバイスの特性向上のためには、まだまだ誘電率を下げる必要がある。しかしながら、当該層間絶縁膜において、各膜の比誘電率をさらに低下させようとすると、CF膜では絶縁耐圧が低くなりリーク電流が発生し、CH膜では熱アニールで膜骨格が分解して膜が縮小してしまう(約6%程度も体積が減少する)という問題があることが判明した。
【0008】
従って、本発明の一目的は、リーク電流の発生や熱アニールによる膜の縮小が抑制された、低誘電率で安定な層間絶縁膜を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、前記層間絶縁膜を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究した結果、CF膜にN原子を含有させると、従来と比べて相対的に比誘電率が低下し、絶縁耐圧が向上してリーク電流の発生が抑制されること、CH膜にSi原子を含有させると、従来と比べて相対的に比誘電率が低下し、熱アニールによる膜の縮小が抑制されること、また、それらの膜を積層することにより所望の特性を有する層間絶縁膜が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
即ち、本発明によれば、Si原子を含有するハイドロカーボン層とN原子を含有するフルオロカーボン層とを積層してなり、かつ前記ハイドロカーボン層は、C原子数に対するH原子数の比(H/C)が0.8乃至1.2となる割合でH原子とC原子とを含有することを特徴とする層間絶縁膜が得られる。
【0012】
また、本発明によれば、前記層間絶縁膜において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層を前記Si原子を含有するハイドロカーボン層上に積層してなることを特徴とする層間絶縁膜が得られる。
【0013】
また、本発明によれば、前記層間絶縁膜において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層を前記N原子を含有するフルオロカーボン層上にさらに積層してなることを特徴とする層間絶縁膜が得られる。
【0014】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの層間絶縁膜において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の比誘電率k1は2.8〜3.0であることを特徴とする層間絶縁膜が得られる。
【0015】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの層間絶縁膜において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層はSi原子を2乃至10原子%含有することを特徴とする層間絶縁膜が得られる。
【0016】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの層間絶縁膜において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の比誘電率k2は1.5〜2.2であることを特徴とする層間絶縁膜が得られる。
【0017】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの層間絶縁膜において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、C原子数に対するF原子数の比(F/C)が0.8乃至1.1となる割合でF原子とC原子とを含有し、かつN原子を0.5乃至6原子%含有することを特徴とする層間絶縁膜が得られる。
【0018】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの層間絶縁膜において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の厚さは10〜50nmであることを特徴とする層間絶縁膜が得られる。
【0019】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの層間絶縁膜において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の厚さは50〜500nmであることを特徴とする層間絶縁膜が得られる。
【0020】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの層間絶縁膜において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびH原子を含む少なくとも一種のガスとSi原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする層間絶縁膜が得られる。
【0021】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの層間絶縁膜において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびF原子を含む少なくとも一種のガスとN原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする層間絶縁膜が得られる。
【0022】
また、本発明によれば、Si原子を含有するハイドロカーボン層とN原子を含有するフルオロカーボン層とを積層して層間絶縁膜を形成する成膜方法であって、前記ハイドロカーボン層は、C原子数に対するH原子数の比(H/C)が0.8乃至1.2となる割合でH原子とC原子とを含有することを特徴とする成膜方法が得られる。
【0023】
また、本発明によれば、前記成膜方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層を、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層上に積層してなることを特徴とする成膜方法が得られる。
【0024】
また、本発明によれば、前記成膜方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層を、前記N原子を含有するフルオロカーボン層上にさらに積層することを特徴とする成膜方法が得られる。
【0025】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの成膜方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の比誘電率k1は2.8〜3.0であることを特徴とする成膜方法が得られる。
【0026】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの成膜方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層はSi原子を2乃至10原子%含有することを特徴とする成膜方法が得られる。
【0027】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの成膜方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の比誘電率k2は1.5〜2.2であることを特徴とする成膜方法が得られる。
【0028】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの成膜方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、C原子数に対するF原子数の比(F/C)が0.8乃至1.1となる割合でF原子とC原子とを含有し、かつN原子を0.5乃至6原子%含有することを特徴とする成膜方法が得られる。
【0029】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの成膜方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の厚さは10〜50nmであることを特徴とする成膜方法が得られる。
【0030】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの成膜方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の厚さは50〜500nmであることを特徴とする成膜方法が得られる。
【0031】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの成膜方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびH原子を含む少なくとも一種のガスとSi原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする成膜方法が得られる。
【0032】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの成膜方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびF原子を含む少なくとも一種のガスとN原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする成膜方法が得られる。
【0033】
また、本発明によれば、Si原子を含有するハイドロカーボン層とN原子を含有するフルオロカーボン層とを積層して層間絶縁膜を形成するとともに前記層間絶縁膜に導体層を埋設する多層配線構造の製造方法であって、前記ハイドロカーボン層は、C原子数に対するH原子数の比(H/C)が0.8乃至1.2となる割合でH原子とC原子とを含有することを特徴とする多層配線構造の製造方法が得られる。
【0034】
また、本発明によれば、前記多層配線構造の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層を前記Si原子を含有するハイドロカーボン層上に積層してなることを特徴とする多層配線構造の製造方法が得られる。
【0035】
また、本発明によれば、前記多層配線構造の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層を、前記N原子を含有するフルオロカーボン層上にさらに積層してなることを特徴とする多層配線構造の製造方法が得られる。
【0036】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの多層配線構造の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の比誘電率k1は2.8〜3.0であることを特徴とする多層配線構造の製造方法が得られる。
【0037】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの多層配線構造の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層はSi原子を2乃至10原子%含有することを特徴とする多層配線構造の製造方法が得られる。
【0038】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの多層配線構造の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の比誘電率k2は1.5〜2.2であることを特徴とする多層配線構造の製造方法が得られる。
【0039】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの多層配線構造の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、C原子数に対するF原子数の比(F/C)が0.8乃至1.1となる割合でF原子とC原子とを含有し、かつN原子を0.5乃至6原子%含有することを特徴とする多層配線構造の製造方法が得られる。
【0040】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの多層配線構造の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の厚さは10〜50nmであることを特徴とする多層配線構造の製造方法層が得られる。
【0041】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの多層配線構造の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の厚さは50〜500nmであることを特徴とする多層配線構造の製造方法が得られる。
【0042】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの多層配線構造の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびH原子を含む少なくとも一種のガスとSi原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする多層配線構造の製造方法が得られる。
【0043】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの多層配線構造の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびF原子を含む少なくとも一種のガスとN原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする多層配線構造の製造方法が得られる。
【0044】
また、本発明によれば、Si原子を含有するハイドロカーボン層とN原子を含有するフルオロカーボン層とを積層した層間絶縁膜に導体を埋設してなる配線構造において、前記ハイドロカーボン層は、C原子数に対するH原子数の比(H/C)が0.8乃至1.2となる割合でH原子とC原子とを含有することを特徴とする配線構造が得られる。
【0045】
また、本発明によれば、前記配線構造において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層を、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層上に積層してなることを特徴とする配線構造が得られる。
【0046】
また、本発明によれば、前記配線構造において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層を、前記N原子を含有するフルオロカーボン層上にさらに積層してなることを特徴とする配線構造が得られる。
【0047】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの配線構造において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の比誘電率k1は2.8〜3.0であることを特徴とする配線構造が得られる。
【0048】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの配線構造において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層はSi原子を2乃至10原子%含有することを特徴とする配線構造が得られる。
【0049】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの配線構造において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の比誘電率k2は1.5〜2.2であることを特徴とする配線構造が得られる。
【0050】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの配線構造において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、C原子数に対するF原子数の比(F/C)が0.8乃至1.1となる割合でF原子とC原子とを含有し、かつN原子を0.5乃至6原子%含有することを特徴とする配線構造が得られる。
【0051】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの配線構造において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の厚さは10〜50nmであることを特徴とする配線構造が得られる。
【0052】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの配線構造において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の厚さは50〜500nmであることを特徴とする配線構造が得られる。
【0053】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの配線構造において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびH原子を含む少なくとも一種のガスとSi原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする配線構造が得られる。
【0054】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの配線構造において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびF原子を含む少なくとも一種のガスとN原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする配線構造が得られる。
【0055】
また、本発明によれば、Si原子を含有するハイドロカーボン層とN原子を含有するフルオロカーボン層とを積層して層間絶縁膜を形成するとともに、前記層間絶縁膜に導体を埋設する配線構造の製造方法において、前記ハイドロカーボン層は、C原子数に対するH原子数の比(H/C)が0.8乃至1.2となる割合でH原子とC原子とを含有することを特徴とする配線構造の製造方法が得られる。
【0056】
また、本発明によれば、前記配線構造の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層を、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層上に積層してなることを特徴とする配線構造の製造方法が得られる。
【0057】
また、本発明によれば、前記配線構造の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層を、前記N原子を含有するフルオロカーボン層上にさらに積層してなることを特徴とする配線構造の製造方法が得られる。
【0058】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの配線構造の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の比誘電率k1は2.8〜3.0であることを特徴とする配線構造の製造方法が得られる。
【0059】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの配線構造の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層はSi原子を2乃至10原子%含有することを特徴とする配線構造の製造方法が得られる。
【0060】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの配線構造の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の比誘電率k2は1.5〜2.2であることを特徴とする配線構造の製造方法が得られる。
【0061】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの配線構造の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、C原子数に対するF原子数の比(F/C)が0.8乃至1.1となる割合でF原子とC原子とを含有し、かつN原子を0.5乃至6原子%含有することを特徴とする配線構造の製造方法が得られる。
【0062】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの配線構造の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の厚さは10〜50nmであることを特徴とする配線構造の製造方法が得られる。
【0063】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの配線構造の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の厚さは50〜500nmであることを特徴とする配線構造の製造方法が得られる。
【0064】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの配線構造の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびH原子を含む少なくとも一種のガスとSi原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする配線構造の製造方法が得られる。
【0065】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの配線構造の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびF原子を含む少なくとも一種のガスとN原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする配線構造の製造方法が得られる。
【0066】
また、本発明によれば、Si原子を含有するハイドロカーボン層とN原子を含有するフルオロカーボン層とを積層した層間絶縁膜を備えた電子装置において、かつ前記ハイドロカーボン層は、C原子数に対するH原子数の比(H/C)が0.8乃至1.2となる割合でH原子とC原子とを含有することを特徴とする電子装置層間絶縁膜が得られる。
【0067】
また、本発明によれば、前記電子装置において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層を、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層上に積層してなることを特徴とする電子装置が得られる。
【0068】
また、本発明によれば、前記電子装置において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層を、前記N原子を含有するフルオロカーボン層上にさらに積層してなることを特徴とする電子装置が得られる。
【0069】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの電子装置において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の比誘電率k1は2.8〜3.0であることを特徴とする電子装置が得られる。
【0070】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの電子装置において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層はSi原子を2乃至10原子%含有することを特徴とする電子装置が得られる。
【0071】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの電子装置において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の比誘電率k2は1.5〜2.2であることを特徴とする電子装置が得られる。
【0072】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの電子装置において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、C原子数に対するF原子数の比(F/C)が0.8乃至1.1となる割合でF原子とC原子とを含有し、かつN原子を0.5乃至6原子%含有する請求項1〜6いずれか記載の電子装置が得られる。
【0073】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの電子装置において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の厚さは10〜50nmであることを特徴とする電子装置が得られる。
【0074】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの電子装置において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の厚さは50〜500nmであることを特徴とする電子装置が得られる。
【0075】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの電子装置において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびH原子を含む少なくとも一種のガスとSi原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする電子装置が得られる。
【0076】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの電子装置において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびF原子を含む少なくとも一種のガスとN原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする電子装置が得られる。
【0077】
また、本発明によれば、Si原子を含有するハイドロカーボン層とN原子を含有するフルオロカーボン層とを積層して層間絶縁膜を形成する電子装置の製造方法において、前記ハイドロカーボン層は、C原子数に対するH原子数の比(H/C)が0.8乃至1.2となる割合でH原子とC原子とを含有することを特徴とする電子装置の製造方法が得られる。
【0078】
また、本発明によれば、前記電子装置の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層を、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層上に積層してなることを特徴とする電子装置の製造方法が得られる。
【0079】
また、本発明によれば、前記電子装置の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層を、前記N原子を含有するフルオロカーボン層上にさらに積層してなることを特徴とする電子装置の製造方法が得られる。
【0080】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの電子装置の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の比誘電率k1は2.8〜3.0であることを特徴とする電子装置の製造方法が得られる。
【0081】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの電子装置の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層はSi原子を2乃至10原子%含有することを特徴とする電子装置の製造方法が得られる。
【0082】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの電子装置の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の比誘電率k2は1.5〜2.2であることを特徴とする電子装置の製造方法が得られる。
【0083】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの電子装置の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、C原子数に対するF原子数の比(F/C)が0.8乃至1.1となる割合でF原子とC原子とを含有し、かつN原子を0.5乃至6原子%含有することを特徴とする電子装置の製造方法が得られる。
【0084】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの電子装置の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の厚さは10〜50nmであることを特徴とする電子装置の製造方法が得られる。
【0085】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの電子装置の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の厚さは50〜500nmであることを特徴とする電子装置の製造方法が得られる。
【0086】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの電子装置の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびH原子を含む少なくとも一種のガスとSi原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする電子装置の製造方法が得られる。
【0087】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの電子装置の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびF原子を含む少なくとも一種のガスとN原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする電子装置の製造方法が得られる。
【発明の効果】
【0088】
本発明によれば、低誘電率で安定な半導体装置の層間絶縁膜とその製造方法を提供することができる。
【0089】
また、本発明によれば、絶縁耐圧が向上しリーク電流が低下し体積縮小の少ない低誘電率層間絶縁膜を備えた配線構造とそれを製造する方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0090】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0091】
図1は本発明の実施の形態による配線構造の一例を示す断面図である。図1に示すように、半導体装置において、多数の半導体素子を形成した半導体基板(図示せず)上に設けられた多層配線構造(配線層間の接続部分1箇所のみを示す)10では、バリアキャップ層としてのハイドロカーボン膜(以下、CH膜と呼ぶ)である、Si原子を含有する第1のハイドロカーボン層1の上に、フルオロカーボン膜(以下、CF膜と呼ぶ)としての、N原子を含有するフルオロカーボン層2が積層されており、その上にさらにバリア層としてのCH膜である、Si原子を含有する第2のハイドロカーボン層3が積層され、層間絶縁膜が形成されている。
【0092】
ここで、前記第1及び第2のハイドロカーボン層1及び3は、C原子数に対するH原子数の比(H/C)が0.8乃至1.2となる割合でH原子とC原子とを含有する。一方、前記フルオロカーボン層2としては、C原子数に対するF原子数の比(F/C)が0.8乃至1.1となる割合でF原子とC原子とを含有するのが好ましい。
【0093】
本明細書における膜(又は層)中の各原子の割合は、X線光電子分光法(XPS)若しくはラザフォード後方散乱系/水素前方散乱法(RBS/HFS)により求めることができる。
【0094】
また、前記第1のハイドロカーボン層1と前記フルオロカーボン層2の下部とを貫通してビアホール4が設けられている。このビアホール4の内壁には、Cu配線6の拡散防止層8として、ニッケルのフッ化物、好ましくは2フッ化ニッケル(NiFで示す)膜を、PVDでニッケルを成膜しそれをフッ化処理することにより、またはMOCVDによって直接、形成されている。
【0095】
このビアホール4の内に、Cuからなる電極または配線6が形成されている。前記フルオロカーボン層2の残部(上部)と前記ハイドロカーボン層3とを貫通して溝5が設けられ、溝内壁に同様にCu配線7の拡散防止層9として、ニッケルのフッ化物、好ましくは2フッ化ニッケル(NiFで示す)膜が形成されている。この溝5内にCuからなる配線導体7がこの溝5に埋め込まれている。
【0096】
層間絶縁膜全体としての誘電率を従来の層間絶縁膜と比べて大幅に低下させる観点から、前記第1ハイドロカーボン層1及び前記第2ハイドロカーボン層3を構成するSi原子含有ハイドロカーボン層の比誘電率k1としては2.8〜3.0が好ましい。また、同様の観点から、前記フルオロカーボン層2を構成するN原子含有フルオロカーボン層の比誘電率k2としては1.5〜2.2が好ましい。
【0097】
本明細書における膜(又は層)の比誘電率は、水銀プローブ法等により測定することができる。
【0098】
前記第1及び第2ハイドロカーボン層1及び3を構成するSi原子含有ハイドロカーボン層の厚さとしては、特に限定はないが、通常、10〜50nmであり、前記フルオロカーボン層2を構成するN原子含有フルオロカーボン層の厚さとしては、特に限定はないが、通常、50〜500nmである。
【0099】
図1においては、Si原子を含有する第1ハイドロカーボン層1、N原子を含有するフルオロカーボン層2、Si原子を含有する第2ハイドロカーボン層3の順にCH膜とCF膜を積層してなる層間絶縁膜を示したが、本発明の所望の効果の発現が阻害されない限り、本発明に係るCH膜とCF膜の積層順や積層数は特に限定されるものではなく、また、CH膜とCF膜との間に任意の材料からなる他の膜が挿入されていてもよい。
【0100】
図2は本発明の実施の形態によるプラズマ処理装置の一例を示す概略断面図である。図2を参照すると、マイクロ波17は導波管12を経て、プラズマ処理装置102の容器本体20の上部に絶縁体板15を介して設置されたラジアルラインスロットアンテナ(RLSA)21からその下の絶縁体板15とシャワープレート23とを透過して、プラズマ発生領域16に放射される。プラズマを励起するプラズマ励起用ガスとして、ガス導入管13を介して、通常、Arガス、Xeガス及びKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つの希ガスを上段シャワープレート23からプラズマ発生領域16に均一に吹き出させ、そこに放射されるマイクロ波によってプラズマが励起される。
【0101】
プラズマ処理装置102の拡散プラズマ領域に下段シャワープレート22が設置されている。
【0102】
ここで、上段シャワープレート23にガス導入管13を介して前記希ガスを、下段シャワープレート22にガス導入管26からSiHガスを流せば、基板、たとえば、シリコンウェハ14の表面でシリコン(Si)膜が形成される。
【0103】
また、上段シャワープレート23から前記希ガスを、下段シャワープレート22から、C原子及びF原子を含む化合物のガス、通常、フッ化炭素化合物ガスを流せばCF膜が形成される。本発明では、下段シャワープレート22からフッ化炭素化合物ガスと同時にN原子を含むガス(通常、Nガス、NFガス、及びNHガスからなる群より選ばれた少なくとも一つ)を流してN原子含有フルオロカーボン層を形成する。フッ化炭素化合物ガスとしては、特に限定はないが、重合という観点から、式:C(式中、pとqは、p≧4、1.5≦q/p≦2.0を満たす。)で示される化合物からなるガスが好ましく、C、C及びCからなる群より選ばれた少なくとも一つの化合物からなるガスがより好ましい。Cとしては、例えば、ヘキサフルオロブタジエン及びヘキサフルオロ−2−ブチン等が、Cとしては、例えば、オクタフルオロシクロブタン及びオクタフルオロ−2−ブテン等が、Cとしては、例えば、オクタフルオロシクロペンテン、オクタフルオロ−2−ペンチン、オクタフルオロ−1,4−ペンタジエン、オクタフルオロ−1,3−ペンタジエン、及びオクタフルオロ(イソプレン)等が、それぞれ挙げられる。
【0104】
一方、上段シャワープレート23から前記希ガスを、下段シャワープレート22から、C原子及びH原子を含む化合物のガス、通常、炭化水素化合物ガスとSi原子を含むガス(通常、Siガス)を流してSi原子含有ハイドロカーボン層を形成する。炭化水素化合物ガスとしては、特に限定はないが、重合という観点から、式:C2m−2(式中、mは4〜6である。)で示される不飽和炭化水素からなるガスが好ましく、C、C及びC10からなる群より選ばれた少なくとも一つの化合物からなるガスがより好ましい。Cとしては、例えば、ブタジエン、2−ブチン及びシクロブテン等が、Cとしては、例えば、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、イソプレン、シクロペンテン、1−ペンチン及び2−ペンチン等が、C10としては、例えば、3−メチル−1−ペンチン、3,3−ジメチル−1−ブチン及びシクロヘキセン等が、それぞれ挙げられる。
【0105】
また、処理室31内の排ガスは、図示しない排気ポートを介して、排気ダクト内を通り、小型ポンプへのいずれかの流入口から、小型ポンプへと夫々導かれる。
【0106】
次に、本発明の実施の形態による図1の配線構造の製造方法について説明する。この構造を製作するには、まずバリアキャップ層であるSi原子を含有するハイドロカーボン層1、N原子を含有するフルオロカーボン層2、及び他のバリア層であるSi原子を含有するハイドロカーボン層3をこの順で連続成膜する。この連続成膜は、図2に示されるプラズマ処理装置102内において、上段シャワープレート23に前記希ガスを、下段シャワープレート22から炭化水素化合物ガスとSi原子を含むガスを流してSi原子を含有するハイドロカーボン層1をCVD成膜し、次いで下段シャワープレート22から流すガスをフッ化炭素化合物ガスとN原子を含むガスとの混合ガスに切り替えてN原子を含有するフルオロカーボン層2をCVD成膜し、次いで下段シャワープレート22から流すガスを炭化水素化合物ガスとSi原子を含むガスに切り替えてSi原子を含有するハイドロカーボン層3をCVD成膜することにより行うことができる。
【0107】
次に、Si原子を含有するハイドロカーボン層1とN原子を含有するフルオロカーボン層2の下部とを貫通するビアホール4、およびN原子を含有するフルオロカーボン層2の残部(上部)とSi原子を含有するハイドロカーボン層3とを貫通する溝5を形成し、それらの内壁を電極金属の層間絶縁膜への拡散を防止するバリア層として、ニッケルのフッ化物、好ましくは2フッ化ニッケル(NiFで示す)膜8および9を、PVDでニッケルを成膜しそれをフッ化処理することにより、またはMOCVDによって直接、形成する。ビアホール4と溝5の形成は、まず、溝5を形成しその内壁上に所定厚さのマスクをしてビアホール4を形成しても良いし、ビアホール4と同じ内径の孔を貫通させ、次いでビアホール4部分の内部をマスクして上部の穴を広げて溝5としてもよい。その後Cuをビアホール4と溝5とに充填して、導体6および7を形成して層間配線構造10が完成する。
【0108】
次に、本発明の実施形態に係るN原子含有CF膜(N原子含有フルオロカーボン層に相当)及びSi原子含有CH膜(Si原子含有ハイドロカーボン層に相当)の物性についてさらに詳しく説明する。
【0109】
図3は本発明の実施の形態に係るN原子含有CF膜におけるN原子添加による比誘電率k2値の変化を示す図である。なお、図3乃至図6に示されたN原子含有CF膜は、図2の装置において280ミリトール(mTorr)(=37.2Pa)の圧力、1500Wのマイクロ波出力の条件で、基板温度は350℃とし、Arの流量を480sccm、C(オクタフルオロシクロペンテン)の流量を50sccmとし、N原子を含むガスとしてNガス、NFガス、または両者の混合ガス〔N/NF=1/1(体積比)〕を用いてそれらN原子を含むガスの流量を変化させてCVD成膜したものである。
【0110】
図3に示されるように、N原子を含むガスを流すことによって、N原子含有CF膜のk2値が2.2から1.5程度まで低くなることがわかる。ガス別に見ると、NFガスでは比較的少ない流量(6〜8sccm)で低い誘電率(k=1.6程度)が得られる。この場合、N原子含有CF膜中、N原子の含有量は約0.7原子%であり、C原子数に対するF原子数の比(F/C)は1.04程度とF原子が多くなっている。Nガスではその程度の流量では低い誘電率は得られないが、流量を多くしていくと14〜16sccmの流量でk2=1.5程度という驚嘆すべき低誘電率が得られている。この場合、N原子含有CF膜中、N原子の含有量は約4.3原子%であり、F/C比は0.85程度である。NFガスとNガスの混合ガスでは、流量と誘電率の関係は各ガスの中間の傾向である。
【0111】
図4を参照すると、N原子を含むガスを流すことによってN原子含有CF膜の絶縁耐圧が2.0MV/cmから4.0MV/cmまで、約2倍になることがわかる。ガス別に見ると、NFガスでは比較的少ない流量(6〜8sccm)で高い耐圧(3.50MV/cm程度)が得られること、Nガスではその程度の流量では高い耐圧は得られないが、流量を多くするとより高い耐圧(4.0MV/cm程度)が得られることがわかる。両者の混合ガスを用いると、その中間の傾向である。
【0112】
本明細書における膜(又は層)の絶縁耐圧は、水銀プローブ法等により測定することができる。
【0113】
図5を参照すると、N原子を含むガスを流すことによってN原子含有CF膜のリーク電流が低下することがわかる。ガス別に見ると、NFガスでは比較的少ない流量(8sccm)でリーク電流が小さくなり、Nガスではその程度の流量では低いリーク電流は得られないが、流量を多くするとリーク電流を減少させられることがわかる。両者の混合ガスを用いると、やはりその中間の傾向である。
【0114】
本明細書における膜(又は層)のリーク電流は、水銀プローブ法等により測定することができる。
【0115】
図6は、NFガスを用いて上記のようにして作製したN原子含有CF膜を400℃でアニールした場合の残膜率を示す。チャンバー内の圧力を400mTorr(=53.2Pa)として成膜した場合、NFの流量が6sccmで、k2値が1.58、残膜率は86%であった。
【0116】
本明細書における膜(又は層)の残膜率はアニール前後の膜厚測定により求めることができる。
【0117】
以上より、フッ化炭素化合物ガスに対するN原子を含むガスの使用量を調節することにより、N原子含有CF膜の誘電率、絶縁耐圧及びリーク電流量等を適宜調節可能であることが分かる。具体的には、所望のフッ化炭素化合物ガス及びN原子を含むガスを用い、図3乃至図6に係る操作条件を参照して適宜条件を調整しCF膜を作製することにより、CF膜の各種特性を調節可能である。N原子含有CF膜の比誘電率k2としては1.5〜2.2が好適であるが、その場合、該CF膜の絶縁耐圧及びリーク電流量も適当であり、該CF膜は、F/C比が0.8乃至1.1となる割合でF原子とC原子とを含有しており、かつN原子を0.5乃至6原子%含有する。
【0118】
CF膜とCH膜とを積層してなる層間絶縁膜において、CF膜は比較的厚く形成するので、ある程度の残膜率でも実用可能であるが、CH膜は誘電率も比較的高いから、できるだけ薄く形成しなければならない。そのためにCH膜の残膜率をできるだけ高く、すなわち縮小率をできるだけ小さくしなければならない。次に、本発明に係るSi原子含有CH膜の物性について説明する。
【0119】
図7は本発明の実施の形態によるバリア層であるSi原子含有CH膜のSi原子添加による比誘電率k1値および熱アニールによる膜の縮小率の変化を示す図である。この図に示されたSi原子含有CH膜は、図2の装置において40mTorr(=37.2Pa)の圧力、3000Wのマイクロ波出力の条件で、基板温度は380℃とし、Arの流量を200sccm、C(2−ブチン)ガスとSiガスの流量をそれぞれ80〜240sccmおよび2〜5sccmに変化させてCVD成膜したものである。図7に示すように、Cガスの流量が大きいほどk1値は改善されるが、一方、Siガスは多いほどシュリンクは改善される傾向にある。なお、ここでシュリンクとは、(アニール前の膜厚−アニール後の膜厚/(アニール前の膜厚)である。しかしながら、Cガスの流量220sccm、Siガスの流量4.5sccmで、縮小率が0.7%、k1値が2.88という実用的な値が得られた。このときのリーク電流は2.5×E−8(A/cm)であり(1MV/cmの際)、膜中のSi原子含有量は7原子%、C原子含有量は43原子%、H原子含有量は46.9原子%であり、その他にO原子が2.9原子%含まれていた。膜の密度は1.26g/cm(=1260kg/m)であった。
【0120】
以上より、炭化水素化合物ガスに対するSi原子を含むガスの使用量を調節することにより、Si原子含有CH膜の誘電率、及び膜の縮小率等を適宜調節可能であることが分かる。具体的には、所望の炭化水素化合物ガス及びSi原子を含むガスを用い、図7に係る操作条件を参照して適宜条件を調整しCH膜を作製することにより、CH膜の各種特性を調節可能である。Si原子含有CH膜の比誘電率k1としては2.8〜3.0が好適であるが、その場合、膜の縮小率も適当であり、該CH膜は、H/C比が0.8乃至1.2となる割合でH原子とC原子とを含有しており、かつSi原子を2乃至10原子%含有する。
【産業上の利用可能性】
【0121】
以上説明したように、本発明に係る層間絶縁膜およびその製造方法と、配線構造及びその製造方法は、低誘電率の層間絶縁膜および配線構造を備えた半導体装置、配線基板、またはそれらを含む電子装置に最適である。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の実施の形態による配線構造を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態によるプラズマ処理装置を示す概略断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るN原子含有CF膜におけるN原子添加による比誘電率k2値の変化を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るN原子含有CF膜におけるN原子添加による比誘電率k2値の変化を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るN原子含有CF膜におけるN原子添加による比誘電率k2値の変化を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るN原子含有CF膜におけるN原子添加による比誘電率k2値の変化を示す図である。
【図7】図7は本発明の実施の形態によるバリア層であるSi原子含有CH膜のSi原子添加による比誘電率k1値および熱アニールによる膜の縮小率の変化を示す図である。
【符号の説明】
【0123】
1 Si原子を含有するハイドロカーボン層
2 N原子を含有するフルオロカーボン層
3 Si原子を含有するハイドロカーボン層
4 ビアホール
5 溝
6 電極または配線
7 配線導体(Cu)
10 配線構造
12 導波管
13 ガス導入管
14 シリコンウェハ
21 ラジアルラインスロットアンテナ(RLSA)
22 下段シャワープレート
23 上段シャワープレート
26 ガス導入管
31 処理室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Si原子を含有するハイドロカーボン層とN原子を含有するフルオロカーボン層とを積層してなり、かつ前記ハイドロカーボン層は、C原子数に対するH原子数の比(H/C)が0.8乃至1.2となる割合でH原子とC原子とを含有することを特徴とする層間絶縁膜。
【請求項2】
請求項1に記載の層間絶縁膜において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層を前記Si原子を含有するハイドロカーボン層上に積層してなることを特徴とする層間絶縁膜。
【請求項3】
請求項2に記載の層間絶縁膜において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層を前記N原子を含有するフルオロカーボン層上にさらに積層してなることを特徴とする層間絶縁膜。
【請求項4】
請求項1〜3の内のいずれか一項に記載の層間絶縁膜において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の比誘電率k1は2.8〜3.0であることを特徴とする層間絶縁膜。
【請求項5】
請求項1〜4の内のいずれか一項に記載の層間絶縁膜において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層はSi原子を2乃至10原子%含有することを特徴とする層間絶縁膜。
【請求項6】
請求項1〜5の内のいずれか一項に記載の層間絶縁膜において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の比誘電率k2は1.5〜2.2であることを特徴とする層間絶縁膜。
【請求項7】
請求項1〜6の内のいずれか一項に記載の層間絶縁膜において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、C原子数に対するF原子数の比(F/C)が0.8乃至1.1となる割合でF原子とC原子とを含有し、かつN原子を0.5乃至6原子%含有することを特徴とする層間絶縁膜。
【請求項8】
請求項1〜7の内のいずれか一項に記載の層間絶縁膜において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の厚さは10〜50nmであることを特徴とする層間絶縁膜。
【請求項9】
請求項1〜8の内のいずれか一項に記載の層間絶縁膜において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の厚さは50〜500nmであることを特徴とする層間絶縁膜。
【請求項10】
請求項1〜9の内のいずれか一項に記載の層間絶縁膜において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびH原子を含む少なくとも一種のガスとSi原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする層間絶縁膜。
【請求項11】
請求項1〜10の内のいずれか一項に記載の層間絶縁膜において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびF原子を含む少なくとも一種のガスとN原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする層間絶縁膜。
【請求項12】
Si原子を含有するハイドロカーボン層とN原子を含有するフルオロカーボン層とを積層して層間絶縁膜を形成する成膜方法であって、前記ハイドロカーボン層は、C原子数に対するH原子数の比(H/C)が0.8乃至1.2となる割合でH原子とC原子とを含有することを特徴とする成膜方法。
【請求項13】
請求項12に記載の成膜方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層を前記Si原子を含有するハイドロカーボン層上に積層してなることを特徴とする成膜方法。
【請求項14】
請求項13に記載の成膜方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層を前記N原子を含有するフルオロカーボン層上にさらに積層することを特徴とする成膜方法。
【請求項15】
請求項12〜14の内のいずれか一項に記載の成膜方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の比誘電率k1は2.8〜3.0であることを特徴とする成膜方法。
【請求項16】
請求項12〜15の内のいずれか一項に記載の成膜方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層はSi原子を2乃至10原子%含有することを特徴とする成膜方法。
【請求項17】
請求項12〜16の内のいずれか一項に記載の成膜方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の比誘電率k2は1.5〜2.2であることを特徴とする成膜方法。
【請求項18】
請求項12〜17の内のいずれか一項に記載の成膜方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、C原子数に対するF原子数の比(F/C)が0.8乃至1.1となる割合でF原子とC原子とを含有し、かつN原子を0.5乃至6原子%含有することを特徴とする成膜方法。
【請求項19】
請求項12〜18の内のいずれか一項に記載の成膜方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の厚さは10〜50nmであることを特徴とする成膜方法。
【請求項20】
請求項12〜19の内のいずれか一項に記載の成膜方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の厚さは50〜500nmであることを特徴とする成膜方法。
【請求項21】
請求項12〜20の内のいずれか一項に記載の成膜方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびH原子を含む少なくとも一種のガスとSi原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする成膜方法。
【請求項22】
請求項12〜21の内のいずれか一項に記載の成膜方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびF原子を含む少なくとも一種のガスとN原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする成膜方法。
【請求項23】
Si原子を含有するハイドロカーボン層とN原子を含有するフルオロカーボン層とを積層して層間絶縁膜を形成するとともに前記層間絶縁膜に導体層を埋設する多層配線構造の製造方法であって、前記ハイドロカーボン層は、C原子数に対するH原子数の比(H/C)が0.8乃至1.2となる割合でH原子とC原子とを含有することを特徴とする多層配線構造の製造方法。
【請求項24】
請求項23に記載の多層配線構造の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層を前記Si原子を含有するハイドロカーボン層上に積層してなることを特徴とする多層配線構造の製造方法。
【請求項25】
請求項24に記載の多層配線構造の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層を前記N原子を含有するフルオロカーボン層上にさらに積層してなることを特徴とする多層配線構造の製造方法。
【請求項26】
請求項23〜25の内のいずれか一項に記載の多層配線構造の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の比誘電率k1は2.8〜3.0であることを特徴とする多層配線構造の製造方法。
【請求項27】
請求項23〜26の内のいずれか一項に記載の多層配線構造の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層はSi原子を2乃至10原子%含有することを特徴とする多層配線構造の製造方法。
【請求項28】
請求項23〜27の内のいずれか一項に記載の多層配線構造の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の比誘電率k2は1.5〜2.2であることを特徴とする多層配線構造の製造方法。
【請求項29】
請求項23〜28の内のいずれか一項に記載の多層配線構造の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、C原子数に対するF原子数の比(F/C)が0.8乃至1.1となる割合でF原子とC原子とを含有し、かつN原子を0.5乃至6原子%含有することを特徴とする多層配線構造の製造方法。
【請求項30】
請求項23〜29の内のいずれか一項に記載の多層配線構造の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の厚さは10〜50nmであることを特徴とする多層配線構造の製造方法。
【請求項31】
請求項23〜30の内のいずれか一項に記載の多層配線構造の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の厚さは50〜500nmであることを特徴とする多層配線構造の製造方法。
【請求項32】
請求項23〜31の内のいずれか一項に記載の多層配線構造の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびH原子を含む少なくとも一種のガスとSi原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする多層配線構造の製造方法。
【請求項33】
請求項23〜32の内のいずれか一項に記載の多層配線構造の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびF原子を含む少なくとも一種のガスとN原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする多層配線構造の製造方法。
【請求項34】
Si原子を含有するハイドロカーボン層とN原子を含有するフルオロカーボン層とを積層した層間絶縁膜に導体を埋設してなる配線構造において、前記ハイドロカーボン層は、C原子数に対するH原子数の比(H/C)が0.8乃至1.2となる割合でH原子とC原子とを含有することを特徴とする配線構造。
【請求項35】
請求項34に記載の配線構造において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層を前記Si原子を含有するハイドロカーボン層上に積層してなることを特徴とする配線構造。
【請求項36】
請求項35に記載の配線構造において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層を前記N原子を含有するフルオロカーボン層上にさらに積層してなることを特徴とする配線構造。
【請求項37】
請求項34〜36の内のいずれか一項に記載の配線構造において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の比誘電率k1は2.8〜3.0であることを特徴とする配線構造。
【請求項38】
請求項34〜37の内のいずれか一項に記載の配線構造において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層はSi原子を2乃至10原子%含有することを特徴とする配線構造。
【請求項39】
請求項34〜38の内のいずれか一項に記載の配線構造において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の比誘電率k2は1.5〜2.2であることを特徴とする配線構造。
【請求項40】
請求項34〜39の内のいずれか一項に記載の配線構造において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、C原子数に対するF原子数の比(F/C)が0.8乃至1.1となる割合でF原子とC原子とを含有し、かつN原子を0.5乃至6原子%含有することを特徴とする配線構造。
【請求項41】
請求項34〜40の内のいずれか一項に記載の配線構造において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の厚さは10〜50nmであることを特徴とする配線構造。
【請求項42】
請求項34〜41の内のいずれか一項に記載の配線構造において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の厚さは50〜500nmであることを特徴とする配線構造。
【請求項43】
請求項34〜42の内のいずれか一項に記載の配線構造において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびH原子を含む少なくとも一種のガスとSi原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする配線構造。
【請求項44】
請求項34〜43の内のいずれか一項に記載の配線構造において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびF原子を含む少なくとも一種のガスとN原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする配線構造。
【請求項45】
Si原子を含有するハイドロカーボン層とN原子を含有するフルオロカーボン層とを積層して層間絶縁膜を形成するとともに、前記層間絶縁膜に導体を埋設する配線構造の製造方法において、前記ハイドロカーボン層は、C原子数に対するH原子数の比(H/C)が0.8乃至1.2となる割合でH原子とC原子とを含有することを特徴とする配線構造の製造方法。
【請求項46】
請求項45に記載の配線構造の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層を前記Si原子を含有するハイドロカーボン層上に積層してなることを特徴とする配線構造の製造方法。
【請求項47】
請求項46に記載の配線構造の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層を前記N原子を含有するフルオロカーボン層上にさらに積層してなることを特徴とする配線構造の製造方法。
【請求項48】
請求項45〜47の内のいずれか一項に記載の配線構造の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の比誘電率k1は2.8〜3.0であることを特徴とする配線構造の製造方法。
【請求項49】
請求項45〜48の内のいずれか一項に記載の配線構造の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層はSi原子を2乃至10原子%含有することを特徴とする配線構造の製造方法。
【請求項50】
請求項45〜49の内のいずれか一項に記載の配線構造の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の比誘電率k2は1.5〜2.2であることを特徴とする配線構造の製造方法。
【請求項51】
請求項45〜50の内のいずれか一項に記載の配線構造の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、C原子数に対するF原子数の比(F/C)が0.8乃至1.1となる割合でF原子とC原子とを含有し、かつN原子を0.5乃至6原子%含有することを特徴とする配線構造の製造方法。
【請求項52】
請求項45〜51の内のいずれか一項に記載の配線構造の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の厚さは10〜50nmであることを特徴とする配線構造の製造方法。
【請求項53】
請求項45〜52の内のいずれか一項に記載の配線構造の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の厚さは50〜500nmであることを特徴とする配線構造の製造方法。
【請求項54】
請求項45〜53の内のいずれか一項に記載の配線構造の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびH原子を含む少なくとも一種のガスとSi原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする配線構造の製造方法。
【請求項55】
請求項45〜54の内のいずれか一項に記載の配線構造の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびF原子を含む少なくとも一種のガスとN原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする配線構造の製造方法。
【請求項56】
Si原子を含有するハイドロカーボン層とN原子を含有するフルオロカーボン層とを積層した層間絶縁膜を備えた電子装置において、かつ前記ハイドロカーボン層は、C原子数に対するH原子数の比(H/C)が0.8乃至1.2となる割合でH原子とC原子とを含有することを特徴とする電子装置。
【請求項57】
請求項56に記載の電子装置において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層を前記Si原子を含有するハイドロカーボン層上に積層してなることを特徴とする電子装置。
【請求項58】
請求項57に記載の電子装置において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層を前記N原子を含有するフルオロカーボン層上にさらに積層してなることを特徴とする電子装置。
【請求項59】
請求項56〜58の内のいずれか一項に記載の電子装置において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の比誘電率k1は2.8〜3.0であることを特徴とする電子装置。
【請求項60】
請求項56〜59の内のいずれか一項に記載の電子装置において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層はSi原子を2乃至10原子%含有することを特徴とする電子装置。
【請求項61】
請求項56〜60の内のいずれか一項に記載の電子装置において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の比誘電率k2は1.5〜2.2であることを特徴とする電子装置。
【請求項62】
請求項56〜61の内のいずれか一項に記載の電子装置において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、C原子数に対するF原子数の比(F/C)が0.8乃至1.1となる割合でF原子とC原子とを含有し、かつN原子を0.5乃至6原子%含有することを特徴とする電子装置。
【請求項63】
請求項56〜62の内のいずれか一項に記載の電子装置において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の厚さは10〜50nmであることを特徴とする電子装置。
【請求項64】
請求項56〜63の内のいずれか一項に記載の電子装置において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の厚さは50〜500nmであることを特徴とする電子装置。
【請求項65】
請求項56〜64の内のいずれか一項に記載の電子装置において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびH原子を含む少なくとも一種のガスとSi原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする電子装置。
【請求項66】
請求項56〜65の内のいずれか一項に記載の電子装置において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびF原子を含む少なくとも一種のガスとN原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする電子装置。
【請求項67】
Si原子を含有するハイドロカーボン層とN原子を含有するフルオロカーボン層とを積層して層間絶縁膜を形成する電子装置の製造方法において、前記ハイドロカーボン層は、C原子数に対するH原子数の比(H/C)が0.8乃至1.2となる割合でH原子とC原子とを含有することを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項68】
請求項67に記載の電子装置の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層を、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層上に積層してなることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項69】
請求項68に記載の電子装置の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層を、前記N原子を含有するフルオロカーボン層上にさらに積層してなることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項70】
請求項67〜69の内のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の比誘電率k1は2.8〜3.0であることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項71】
請求項67〜70の内のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層はSi原子を2乃至10原子%含有することを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項72】
請求項67〜71の内のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の比誘電率k2は1.5〜2.2であることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項73】
請求項67〜72の内のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、C原子数に対するF原子数の比(F/C)が0.8乃至1.1となる割合でF原子とC原子とを含有し、かつN原子を0.5乃至6原子%含有することを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項74】
請求項67〜73の内のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層の厚さは10〜50nmであることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項75】
請求項67〜74の内のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層の厚さは50〜500nmであることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項76】
請求項67〜75の内のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法において、前記Si原子を含有するハイドロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびH原子を含む少なくとも一種のガスとSi原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項77】
請求項67〜76の内のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法において、前記N原子を含有するフルオロカーボン層は、Arガス、XeガスおよびKrガスからなる群より選ばれた少なくとも一つのガスを用いて発生させたプラズマ中で、C原子およびF原子を含む少なくとも一種のガスとN原子を含むガスとを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする電子装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−218507(P2008−218507A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−50236(P2007−50236)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【出願人】(000229117)日本ゼオン株式会社 (1,870)
【Fターム(参考)】