説明

広告システム及び広告方法

【課題】
通信システムサービスにおける通信費をCMを視聴させることにより低減させるサービスを、サードパーティー的企業が容易に参画することを可能とする。
【解決手段】
発信側ユーザーと着信側ユーザーとの間における通話において、当該通話の料金を低減させるための広告を配信する際に、通信料金を着信側の負担により通話する回線を通じて発信者からの発呼を受信し、発信側ユーザーに対して転送先番号である着信側ユーザーの電話番号の入力を要求して、当該転送先番号を取得し、当該発信側の発呼を転送先電話番号に対して転送し、着信側の呼び出しを実行し、発信側又は着信側、或いはこの両方のユーザーに対し、音声、画像又は文字等による広告を配信し、配信された広告の広告主からの広告料に応じて、当該通話に対する課金に対して割引処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発信側ユーザーと着信側ユーザーとの間における電話や電子メール等の通信において、当該通信の料金を低減させるための広告を配信する広告システム及び広告方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、通信システムサービスの基本料金又は通話料等を割り引く手法として、発呼者が発信先に発呼を行い、相手の呼び出しを行う際に、一定時間のCM音声を視聴させ、そのCMの広告主からの広告料によって通話料の一部を負担し、ユーザーに対して割引サービスを提供するものがある。
【0003】
この種の割引サービスを提供するためのシステムとして、例えば、特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示された技術では、割引サービスを希望するユーザーは、ダイヤルする際に、予め設定された二桁もしくは三桁の識別用番号を通話相手番号の先頭に付加し、この識別番号に基づいてCM割引サービスに接続し、CMを流した後、通話相手番号への接続を行う。
【特許文献1】特開2003−69715号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されたシステムでは、発呼時に通話相手番号の先頭に識別用番号を一体的に付加してダイヤルするものであるため、通話システム側において、ダイヤルされた番号の中から識別用番号を抽出するシステムを設けなければならないという問題がある。近年においては、複数の通信事業者が連携して通信網を構築する傾向があり、上記システムを汎用化させるには、すべての通信事業者に、ダイヤル番号から識別用番号を抽出するシステムを設置しなければならないとともに、識別用番号、及びこれを抽出するための規格を各通信事業者間で取り決めなければならず、通信事業者ではないサードパーティー的な企業が参画することは容易ではない。
【0005】
そこで、本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、通信システムサービスにおける通信費をCMを視聴させることにより低減させるサービスを、サードパーティー的企業が容易に参画することを可能とする広告システム及び広告方法を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、発信側ユーザーと着信側ユーザーとの間における電話や電子メール等の通信において、当該通信の料金を低減させるための広告を配信するに際して、回線を通じて発信者からの発呼を受信し、発信側ユーザーに対して転送先番号である着信側ユーザーの電話番号の入力を要求して、当該転送先番号を取得し、当該発信側の発呼を転送先電話番号に対して転送し、着信側の呼び出しを実行し、発信側又は着信側、或いはこの両方のユーザーに対し、音声、画像又は文字等による広告を配信し、配信された広告の広告主からの広告料に応じて、当該通信に対する課金に対して割引処理を行う。
【0007】
なお、本発明において広告としては、回線を通じた音声による広告の他、携帯電話等のディスプレイに表示される画像や文字、又はこれらの組み合わせ、或いは所定のデータを電子メールによって送信するなどが含まれる。また、本発明における通信料金とは、電話の基本料金、通話に応じた通話料、電子メールのためのプロバイダ料金、パケット料金等が含まれる。
【0008】
このような本発明によれば、回線を通じて、発信側ユーザーの発呼を受信し、広告を配信するとともに、発信側ユーザーに転送するため、既存の着信転送サービスを利用してCMによる割引サービスを提供することができる。
【0009】
上記発明において、通信開始からの経過時間を計測するタイマー部をさらに設け、タイマー部による計測結果に基づいて、無料通信と有料通信とを切り替えることが好ましい。この場合には、広告料によって賄える範囲の通信のみを無料とし、それ以上の通信については通常通りの通信料を課金することができるため、広告料と通信料とのバランスを図ることができる。
【0010】
上記発明において、通話開始からの経過時間を計測するタイマー部と、タイマー部による計測結果に基づいて、ユーザーに問い合わせを行い、ユーザーの選択操作に応じて、前記タイマー部の測定時間を延長する継続処理部とを設けることが好ましい。この場合には、広告料によって賄える範囲の通話を無料とし、それ以上の通話を行う場合には、選択操作に基づいて再度広告を配信し、広告料以上の通話料が発生するのを防止することができる。なお、この切断の際には、数秒後に切断される旨のガイダンス等を三者通話或いは発信者側にのみ通知するようにしてもよい。
【0011】
上記発明において、広告配信部は、三者通話機能を備え、発信側と着信側との通話が確立した後に、この通話状態を維持しつつ、広告の配信を発信側及び着信側のユーザーに対して行うことが好ましい。この場合には、通話が確立した後に、三者通話によって、ユーザー間の会話に割り込んで着信側ユーザーと発信側ユーザーの両方に広告を流すことが可能となり、話題性を誘引して広告効果を増大させることができる。なお、このような割り込み広告を行う場合には、割り込み広告を視聴するか否かの問い合わせをユーザーに対して行い、割り込み広告視聴の選択を行った場合にのみ上述した無料又は割引時間を延長するなどのサービスを行うなど、割り込み広告を視聴するインセンティブを喚起させるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明によれば、電話や電子メール等の通信システムサービスにおける通信費をCMを視聴させることにより低減させるサービスを、サードパーティー的企業が容易に参画することを可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
(システム構成)
図1は、本実施形態に係る広告システムの概略構成を示す説明図である。同図に示すように、広告システム3は、通信網上に配置され、発信側ユーザー1と着信側ユーザー2との間における通話において、当該通話の料金を低減させるための広告を配信し、広告主4から取得した広告料を通信事業者に対する通話料にあてがい、発信側ユーザー1に対する通話料を低減するものである。具体的には、電話回線網からアクセス可能なサーバシステムにより実現される。なお、本実施形態では、電話による通話に課金される通話料を霊に説明するが、例えば電子メールのパケット料金等に、本発明を適用することも可能である。
【0015】
ユーザーが使用する端末1a及び1bは、無線通信を利用した、携帯可能な電話機であり、基地局等の中継点と携帯電話機が無線で通信し、通話やデータ通信等の通信サービスを移動しつつ受けることができる。この携帯電話機の通信方式としては、例えば、FDMA方式、TDMA方式、CDMA方式、W-CDMAの他、PHS(Personal Handyphone System)方式等が挙げられる。また、この携帯電話機は、デジタルカメラ機能、アプリケーションソフトの実行機能、あるいはGPS機能等の機能が搭載されていてもよい。また、この端末としては、通信機能及びCPUを備えた演算処理装置であれば種々の装置を用いることができ、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータや、機能を特化させた専用装置、モバイルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話機が含まれる。
【0016】
広告システム3は、WWW(World Wide Web)等のドキュメントシステムにおいて、HTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイル、音声ファイル、音楽ファイルなどの情報送信を行うサーバコンピュータ或いはその機能を持ったソフトウェアを、各種の終端装置を介して電話回線に接続可能な装置である。
【0017】
図2は、広告システム3の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、広告システム3は、着信部301と、ガイダンス挿入部302と、広告配信部303と、転送部304とを備えている。
【0018】
着信部301は、回線を通じて発信者からの発呼を受信するモジュールであり、受信した発呼信号を転送先番号取得部309に送出するとともに、発呼信号に含まれる発信側ユーザー端末1aの電話番号を抽出し、課金処理部307に通知する。また、この着信部301は、発信側のユーザー端末1aから操作信号を受信する機能を備えており、ユーザー1に対して料金切り替えや広告配信可否の問い合わせを行うとともに、受信した操作信号に基づくユーザーの選択結果を課金処理部307に通知する機能を備えている。
【0019】
ガイダンス挿入部302は、通信が確立しされている発信側又は着信側のユーザー端末1a又は2aに対して、ガイダンス等のメッセージを流すモジュールであり、三者通話機能により発信側及び着信側のユーザー端末1a及び2aに対して同時にメッセージを流すことも可能である。
【0020】
広告配信部303は、CMコンテンツデータベース306aに蓄積されているCMコンテンツをCM選択部306を通じて呼び出し、当該発信側ユーザー1又は着信側ユーザー2に対して、広告を配信するモジュールであり、三者通話機能により発信側及び着信側のユーザー端末1a及び2aに対して同時に広告を流すことも可能である。なお、本実施形態におけるCMコンテンツとしては、音声、画像又は文字等によるデータの他、電子メール等により配信される情報も含まれる。
【0021】
CM選択部306は、CMコンテンツデータベース306a内のCMコンテンツを選択し、広告配信部303に送出するとともに、送出したCMを識別する識別子を課金処理部307に通知するモジュールである。課金処理部307では、CM選択部306による選択結果に応じて、広告主に対する広告料の算定を行う。なお、CM選択部306に、ユーザーデータベースを設け、発信側又は着信側の電話番号、時間帯等に応じて、ユーザーの種別ごとに広告を選択する機能を付加してもよい。
【0022】
前記転送部304は、転送先番号取得部309から受け取った転送先電話番号に対して、発信側ユーザー1からの発呼を転送し、前記着信側ユーザー2の呼び出しを実行するモジュールである。また、この転送部304は、着信側のユーザー端末2aから操作信号を受信する機能を備えており、ユーザー2に対して料金切り替えや広告配信可否の問い合わせを行うとともに、受信した操作信号に基づくユーザーの選択結果を課金処理部307に通知する機能を備えている。
【0023】
転送先番号取得部309は、着信部301を通じて、発信側ユーザー1に対して着信側ユーザー2の電話番号(転送先番号)の入力を要求し、受信された操作信号から転送先番号を抽出し、転送部304に通知するモジュールである。
【0024】
さらに、広告システム3は、タイマー部305を備えており、これにより通話開始からの経過時間を測定し、ガイダンス挿入部302によるガイダンス挿入のタイミング等を図ることができる。なお、このタイマー部305による測定時間は、課金処理部307に通知され、課金処理に利用される。
【0025】
課金処理部307は、決裁部308と協働して、配信された前記広告の広告主からの広告料に応じて、当該通話に対する課金に対して割引処理を行うモジュールである。具体的に、課金処理部307は、発信側ユーザーの電話番号と、通話時間、配信された広告に応じて、ユーザーごとの利用履歴を蓄積し、その履歴に応じて通話料金、及び割引料を算定する。決裁部308は、課金処理部307による算定結果に応じて、広告主4に広告料を請求したり、通信事業者5に対してユーザー1に対して課金された通話料金の一部を支払ったりする。
【0026】
(広告方法)
以上の構成を有する広告システムを動作させることによって、本発明の広告方法を実施することができる。図3は、本実施形態に係る広告システムの動作を示すシーケンス図である。
【0027】
先ず、発信側ユーザー1から広告システム3に対して、ダイヤル(発呼)処理を実行する。具体的には、広告システム3に接続可能な、広告システム3固有の電話番号にダイヤルする(S101)。この発呼に対して広告システム3側では着信部301において、着信処理がなされる(S302)。
【0028】
次いで、広告システム3内では、ガイダンス挿入部302により、発信側ユーザー1に対して、広告を視聴することによって通話料の一部が無料になる旨、及び転送先番号の入力を促すガイダンスが流される(S103)。このガイダンスに従って、発信側ユーザー1は、転送先番号であるユーザー2の電話番号をダイヤルし、操作信号を送信する(S104)。
【0029】
これと併せて、広告配信部303は、広告の配信を開始し、ユーザー1は、広告を視聴する(S105a及びS105b)。広告を配信している間、転送部304により着信側ユーザー2の呼び出しが開始される(S106)。広告配信及び広告視聴が終了し(S107a及びS107b)、ユーザー2側で着呼処理が完了すると(S108)、一定時間の無料通話が開始される(S109)。なお、広告システム3側で実行される上記広告配信の開始(S105a)、転送開始(S106)、及び広告配信終了(S107a)のタイミングは、CMコンテンツの時間長や、呼び出しまでの所要時間により適宜調整される。
【0030】
上述したように無料通話が開始されると(S109)、タイマー部305により通話時間の測定が開始され(S110)、一定時間の無料通話を行うことができる。そして、無料時間終了間近になると終了・継続処理(S111)が実行される。
【0031】
この終了・継続処理では、図4に示すように、CMを再度視聴することにより無料通話時間を延長するか、CMを視聴することなく有料で通話時間を延長するか、或いは通話を終了するかを選択することができる。
【0032】
すなわち、終了・継続処理が開始されると、ガイダンス挿入部302によりユーザー1及び2に対して、無料通話時間終了の到来を知らせるとともに、継続の可否の問い合わせを行う(S301)。これに対して、ユーザー1及び2は、自分が使用している端末のプッシュ操作等により、選択操作を行う(S302)。
【0033】
広告システム3は、この操作信号を受信し(S303)、選択に応じた処理に移行する(S304〜)。このとき、ユーザー1と2との間で異なる選択がなされた場合には、その旨を通知し、再度入力を要求する。ユーザーが通話の終了を選択した場合には、広告の配信を行うことなく、無料通話時間の終了(S112)とともに、切断処理(S116)及び課金処理(S117)に移行する。
【0034】
一方、ステップS304で継続すると判断された場合には、次いで、無料通話で継続するのか、有料通話で継続するのかを判断する(S305)。有料で継続することを選択したときには、無料通話を終了し(S112)、有料通話を開始する(S113)。
【0035】
また、ステップS305で無料で継続すると選択したときには、広告配信・視聴を開始し(S306a,b)、これが終了した後には(S307a,b)、ステップS110に戻り、タイマーを起動(リセット)し、延長された無料通話を継続するとともに、延長された無料通話の経過時間の測定を開始する。そして、延長時間終了が到来するたびに、上記終了・継続処理(S111)を実行し、繰り返し延長又は終了の問い合わせを行う。
【0036】
有料通話については、有料通話が開始(S113)されてからの経過時間をタイマー部により測定し(S314)、ユーザーの任意の操作により通話を終了すべく切断処理を実行し(S115及びS116)、課金処理に移行する(S117)。
【0037】
(作用・効果)
以上説明した本実施形態に係る広告システム及び広告方法によれば、回線を通じて、発信側ユーザーの発呼を受信し、広告を配信するとともに、発信側ユーザーに転送するため、既存の着信転送サービスを利用して、CMによる割引サービスを提供することができる。
【0038】
特に、上記実施形態においては、通話開始からの経過時間を計測するタイマー部をさらに設け、タイマー部による計測結果に基づいて、無料通話と有料通話とを切り替える操作を要求するため、ユーザーのニーズに応じて、広告料によって賄える範囲の通話のみを無料とし、それ以上の通話については通常通りの通話料金とすることができるため、広告料と通話料とのバランスを図ることができる。
【0039】
さらに、条規実施形態では、三者通話機能により、発信側1と着信側2との通話が確立した後に、この通話状態を維持しつつ、広告の配信を発信側及び着信側のユーザーに対して行うことができるため、ユーザー間の会話に割り込んで着信側ユーザーと発信側ユーザーの両方に広告を流すことが可能となり、話題性を誘引して広告効果を増大させることができる。
【0040】
[第2実施形態]
次いで、本発明の第2実施形態について説明する。
【0041】
(システム構成)
図5は、本実施形態にかかる広告システムの概要を示す説明図である。同図に示すように、本実施形態では、着信側(広告システム3側)が通話料金を負担する回線(例えば、フリーダイヤル)を利用して、上述した第1実施形態のように、終了・継続の問い合わせを行うことなく、強制的に広告の配信を行い、無料通話による継続か、或いは切断かの二者択一的なシステムとしたことを特徴とする。具体的には、図6に示すように、有料接続と無料接続を切り替えるしくみを省略した構成となる。
【0042】
同図に示すように、広告システム3は、着信部301と、ガイダンス挿入部302と、広告配信部303と、転送部304とを備えている。着信部301は、フリーダイヤルのように、通信料金を発信側の負担により通話する回線を通じて発信者からの発呼を受信するモジュールであり、受信した発呼信号を転送先番号取得部309に送出するとともに、発呼信号に含まれる発信側ユーザー端末1aの電話番号を抽出し、課金処理部307に通知する。
【0043】
ガイダンス挿入部302は、通信が確立しされている発信側又は着信側のユーザー端末1a又は2aに対して、ガイダンス等のメッセージを流すモジュールであり、三者通話機能により発信側及び着信側のユーザー端末1a及び2aに対して同時にメッセージを流すことも可能である。
【0044】
広告配信部303は、CMコンテンツデータベース306aに蓄積されているCMコンテンツをCM選択部306を通じて呼び出し、当該発信側ユーザー1又は着信側ユーザー2に対して、広告を配信するモジュールであり、三者通話機能により発信側及び着信側のユーザー端末1a及び2aに対して同時に広告を流すことも可能である。なお、本実施形態におけるCMコンテンツとしては、音声、画像又は文字等によるデータの他、電子メール等により配信される情報も含まれる。
【0045】
CM選択部306は、CMコンテンツデータベース306a内のCMコンテンツを選択し、広告配信部303に送出するとともに、送出したCMを識別する識別子を課金処理部307に通知するモジュールである。課金処理部307では、CM選択部306による選択結果に応じて、広告主に対する広告料の算定を行う。なお、CM選択部306に、ユーザーデータベースを設け、発信側又は着信側の電話番号、時間帯等に応じて、ユーザーの種別ごとに広告を選択する機能を付加してもよい。
【0046】
前記転送部304は、転送先番号取得部309から受け取った転送先電話番号に対して、発信側ユーザー1からの発呼を転送し、前記着信側ユーザー2の呼び出しを実行するモジュールである。
【0047】
転送先番号取得部309は、着信部301を通じて、発信側ユーザー1に対して着信側ユーザー2の電話番号(転送先番号)の入力を要求し、受信された操作信号から転送先番号を抽出し、転送部304に通知するモジュールである。
【0048】
さらに、広告システム3は、タイマー部305を備えており、これにより通話開始からの経過時間を測定し、ガイダンス挿入部302によるガイダンス挿入のタイミング等を図ることができる。なお、このタイマー部305による測定時間は、課金処理部307に通知され、課金処理に利用される。
【0049】
課金処理部307は、決裁部308と協働して、配信された前記広告の広告主からの広告料によって、フリーダイヤル利用料金を決済するモジュールである。すなわち、本実施形態では、通話料金の負担は、広告システム3側がすべて持つため、広告主から徴収した広告料金の一部を、フリーダイヤル利用料にあてがい、通信事業者に対する支払いを行う。
【0050】
(広告方法)
以上の構成を有する広告システムを動作させることによって、本発明の広告方法を実施することができる。図7は、本実施形態に係る広告システムの動作を示すシーケンス図である。
【0051】
先ず、発信側ユーザー1から広告システム3に対して、フリーダイヤルによりダイヤル(発呼)処理を実行する。具体的には、広告システム3に接続可能な、広告システム3固有のフリーダイヤル電話番号にダイヤルする(S201)。この発呼に対して広告システム3側では着信部301において、着信処理がなされる(S202)。
【0052】
次いで、広告システム3内では、ガイダンス挿入部302により、発信側ユーザー1に対して、広告を視聴することによって通話料が無料になる旨、及び転送先番号の入力を促すガイダンスが流される(S203)。このガイダンスに従って、発信側ユーザー1は、転送先番号であるユーザー2の電話番号をダイヤルし、操作信号を送信する(S204)。
【0053】
これと併せて、広告配信部303は、広告の配信を開始し、ユーザー1は、広告を視聴する(S205a及びS205b)。広告を配信している間、転送部304により着信側ユーザー1の呼び出しが開始される(S206)。広告配信及び広告視聴が終了し(S207a及びS207b)、ユーザー2側で着呼処理が完了すると(S208)、一定時間の無料通話が開始される(S209)。なお、広告システム3側で実行される上記広告配信の開始(S205a)、転送開始(S206)、及び広告配信終了(S207a)のタイミングは、CMコンテンツの時間長や、呼び出しまでの所要時間により適宜調整される。
【0054】
上述したように無料通話が開始されると(S209)、タイマー部305により通話時間の測定が開始され(S210)、一定時間の無料通話を行うことができる。そして、無料時間終了間近になるとCMを再度視聴することにより無料通話時間を延長できる旨のガイダンスが挿入され(S211)、ユーザーが通話を切断(ステップS212における”N”→S215)しない限り、広告配信・視聴が開始され(S213a,b)、これが終了した後には(S214a,b)、ステップS210に戻り、タイマーを起動(リセット)し、延長された無料通話を継続するとともに、延長された無料通話の経過時間の測定を開始する。そして、延長時間終了が到来するたびに、上記終了・継続処理(S211〜S214)を実行し、繰り返し延長又は終了を問い合わせを二者択一的に行う。
【0055】
(作用・効果)
以上説明した本実施形態に係る広告システム及び広告方法によれば、フリーダイヤルにより通話料金はすべて広告システム側が広告料により負担するため、ユーザー側の料金負担がないこととなり、ユーザーに対する決済手続がシンプルとなり、無用な手数料や人件費を削減することができる。また、強制的にCMを視聴させることにより無料通話を延長するため、ユーザー側における選択操作が不要となる。
【0056】
特に、実施形態では、三者通話機能により、発信側1と着信側2との通話が確立した後に、この通話状態を維持しつつ、広告の配信を発信側及び着信側のユーザーに対して行うことができるため、ユーザー間の会話に割り込んで着信側ユーザーと発信側ユーザーの両方に広告を流すことが可能となり、話題性を誘引して広告効果を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】第1実施形態に係る広告システムの概略構成を示す説明図である。
【図2】第1実施形態に係る広告システムの内部構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る広告システムの動作を示すシーケンス図である。
【図4】第1実施形態に係る広告システムの終了・継続処理の動作を示すシーケンス図である。
【図5】第2実施形態に係る広告システムの概要を示す説明図である。
【図6】第2実施形態に係る広告システムの内部構成を示すブロック図である。
【図7】第2実施形態に係る広告システムの動作を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0058】
1…発信側ユーザー
1a,2a…ユーザー端末
2…着信側ユーザー
2a…ユーザー端末
3…広告システム
4…広告主
5…通信事業者
301…着信部
302…ガイダンス挿入部
303…広告配信部
304…転送部
305…タイマー部
306…CM選択部
306a…CMコンテンツデータベース
307…課金処理部
308…決裁部
309…転送先番号取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信側ユーザーと着信側ユーザーとの間における電話や電子メール等の通信において、当該通信の料金を低減させるための広告を配信する広告システムであって、
回線を通じて発信者からの発信を受信する着信部と、
前記発信側ユーザーに対して転送先番号である前記着信側ユーザーの電話番号又は電子メールアドレス等の入力を要求し、当該転送先番号を取得する転送先番号取得部と、
当該発信側ユーザーに対して、音声、画像又は文字等による広告を配信する広告配信部と、
当該発信側の発呼を前記転送先電話番号に対して転送し、前記着信側の呼び出しを実行する転送部と、
配信された前記広告の広告主からの広告料に応じて、当該通信に対する課金に対して割引処理を行う課金処理部と
を有することを特徴とする広告システム。
【請求項2】
通信開始からの経過時間を計測するタイマー部をさらに有し、
前記転送部は、前記タイマー部による計測結果に基づいて、無料通信と有料通信とを切り替える機能を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の広告システム。
【請求項3】
通信開始からの経過時間を計測するタイマー部と、
前記タイマー部による計測結果に基づいて、ユーザーに問い合わせを行い、ユーザーの選択操作に応じて、再度広告を配信するとともに、前記タイマー部の測定時間を延長する継続処理部と
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の広告システム。
【請求項4】
前記広告配信部は、三者通話機能を備え、前記発信側と前記着信側との通話が確立した後に、この通話状態を維持しつつ、前記広告の配信を該発信側及び該着信側のユーザーに対して行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の広告システム。
【請求項5】
発信側ユーザーと着信側ユーザーとの間における電話や電子メール等の通信において、当該通信の料金を低減させるための広告を配信する広告方法であって、
回線を通じて発信者からの発信を受信するステップと、
前記発信側ユーザーに対して転送先番号である前記着信側ユーザーの電話番号の入力を要求し、当該転送先番号を取得するステップと、
当該発信側の発呼を前記転送先電話番号に対して転送し、前記着信側の呼び出しを実行するステップと、
発信側又は着信側、もしくは両方のユーザーに対し、音声、画像又は文字等による広告を配信するステップと
配信された前記広告の広告主からの広告料に応じて、当該通信に対する課金に対して割引処理を行うステップと
を有することを特徴とする広告方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−165743(P2006−165743A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−350957(P2004−350957)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【出願人】(505435383)
【Fターム(参考)】