説明

廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法及びそのシステム

【課題】エネルギー効率に優れた廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法及びそのシステムを提供する。
【解決手段】本発明の廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法は、水分を含む廃棄物を凍結して粉砕する凍結粉砕工程と、該凍結粉砕工程で凍結粉砕した前記廃棄物を略真空状態まで減圧し、その廃棄物に含まれる凍結状態の前記水分を昇華させて除去する真空乾燥工程と、該真空乾燥工程で前記水分を除去した前記廃棄物に常温常圧状態の乾燥空気を導入し、低温低圧状態の前記廃棄物を常温常圧状態に戻す工程と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー効率に優れた廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法及びそのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、廃棄物をガス化させて再利用する技術が開発されている。かかる技術において、特に含水率の高い廃棄物をエネルギー効率良くガス化させるには、予め廃棄物を乾燥させて含水率を約20%以下にしておくこと必要があり、その際には、廃棄物を粉砕しておくことが望ましい。なお、含水率の高い廃棄物として、例えば、生ごみ、下水汚泥、間伐等のバイオマスが挙げられ、その含水率は約50%〜約90%程度である。
【0003】
そこで、従来、例えばバイオマスを乾燥させる場合には、高温の熱風により乾燥させる技術が広く利用されている。また、バイオマスを収納した容器内の気圧を下げることにより水の沸点を低下させて、低温でバイオマスの乾燥を行う真空乾燥法もある(例えば、特許文献1参照)。さらに、LNG(Liquefied Natural Gas:液化天然ガス)の冷熱を利用して凍結と融解を複数繰り返すことにより、バイオマス(下水汚泥)を脱水する技術もある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
一方、バイオマスを粉砕させる場合には、通常カッターミル等が用いられており、例えば、バイオマスを凍結して硬化させた上で、カッターミル等で粉砕する技術が良く知られている。さらに、LNGの冷熱を利用してバイオマス(生ごみ)を凍結粉砕する技術もある(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2002−59117号公報
【特許文献2】特許第2768117号公報
【特許文献3】特開平8−1035号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、バイオマス等のように含水率の高い廃棄物を熱風乾燥させる場合には、100℃以上の高温加熱を要し、多くの熱エネルギーが必要となってしまう。また、かかる廃棄物を真空乾燥させる場合にも40〜60℃程度の加熱が必要となり、エネルギー効率が悪い。また、常温でカッターミルを用いて廃棄物を粉砕する場合、例えば50〜100mm程度に廃棄物を粉砕する場合には、多くの労力と時間が必要となり、同様にエネルギー効率が悪い。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、エネルギー効率に優れた廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法及びそのシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法は、水分を含む廃棄物を凍結して粉砕する凍結粉砕工程と、該凍結粉砕工程で凍結粉砕した前記廃棄物を減圧環境下に置き、その廃棄物に含まれる凍結状態の前記水分を昇華させて除去する真空乾燥工程と、該真空乾燥工程で前記水分を除去した前記廃棄物に常温常圧状態の乾燥空気を導入し、低温低圧状態の前記廃棄物を常温常圧状態に戻す工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の構成によれば、廃棄物に含まれる水分を昇華させる際に昇華潜熱として約20℃〜50℃の加熱空気を廃棄物に供給すれば足り、その結果、50℃以下の低温熱源による加熱だけで廃棄物を乾燥させることが可能となるので、加熱に要する熱エネルギーを大幅に削減できる。なお、このように廃棄物を低温乾燥させる場合には、高温乾燥させる場合と異なり廃棄物に物性変化が生じにくい。また、昇華潜熱を廃棄物に供給する際に、廃棄物は粉砕状態にあるので熱供給が比較的容易となり、昇華乾燥の速度が向上する。さらに、廃棄物に含まれる水分は、氷の状態から融解することなく気体に昇華するので、廃棄物を内部から効率良く乾燥させることが可能となり、エネルギー効率に優れたものとなる。
【0009】
また、本発明に係る廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法において、前記凍結粉砕工程は、前記廃棄物に冷却空気を導入し、その廃棄物を凍結させることを含むものとし、前記冷却空気は、常温常圧状態の乾燥空気をLNGと熱交換させて得られたものが好ましい。
本発明の構成によれば、廃棄物は冷却空気によって直接凍結されるので、凍結粉砕工程におけるエネルギー効率が向上し、さらに、この凍結粉砕工程においてLNGの冷熱を有効利用することも可能となるので、エネルギー効率に優れたものとなる。
【0010】
また、本発明に係る廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法において、前記乾燥空気を前記LNGと熱交換させた際にLNGが気化して生じるメタンガスを回収し、そのメタンガスを発電機の駆動エネルギー源として利用するとともに、前記発電機を駆動させて得られた電気エネルギーを前記凍結粉砕工程において前記廃棄物を粉砕するためのエネルギー源若しくは前記真空乾燥工程において前記廃棄物を減圧乾燥するためのエネルギー源として再利用することが好ましい。
本発明の構成によれば、前記凍結粉砕工程若しくは前記真空乾燥工程において、常温常圧状態の乾燥空気をLNGと熱交換させた際に生じるメタンガスを有効利用することが可能となるので、よりいっそうエネルギー効率に優れたものとなる。
【0011】
また、本発明に係る廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法において、前記真空乾燥工程は、真空ポンプを用いて前記廃棄物を前記減圧環境下に置き、前記水分を昇華させて水蒸気を吸引するとともに、吸引中の前記水蒸気を冷却凝固させて回収することを含むこととし、前記水蒸気を冷却凝固させる際に、LNGと乾燥空気とを熱交換させて得られた冷却空気を用いることが好ましい。
本発明の構成によれば、吸引した水蒸気を氷の状態にすることで体積を減少させることが可能となり、真空ポンプからの吸引量が少なくても、廃棄物を容易に略真空状態にして乾燥させることができるので、エネルギー効率に優れたものとなる。また、水蒸気を冷却凝固させる際に、LNGと乾燥空気とを熱交換させて得られた冷却空気を用いる場合には、LNGの冷熱を有効利用することが可能となるので、よりいっそうエネルギー効率に優れたものとなる。
【0012】
また、本発明に係る廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法において、前記真空乾燥工程は、真空計を用いて前記廃棄物の圧力状態を測定し、その測定値が前記水分を昇華させる際の測定値よりも低下したことをもって前記乾燥の完了を検知することを特徴とする。
本発明の構成によれば、真空乾燥工程が終了したか否かを即時に判断することが可能となるので、無駄な真空乾燥を省くことによりエネルギー効率に優れたものとなる。
【0013】
また、本発明に係る廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法において、前記廃棄物は、バイオマスであることを特徴とする。
本発明の構成によれば、含水率の高いバイオマスを十分に乾燥させてからガス化することが可能となり、この場合には廃棄物のガス化効率が向上するので、よりいっそうエネルギー効率に優れたものとなる。
【0014】
また、本発明に係る廃棄物の凍結粉砕真空乾燥システムは、水分を含む廃棄物を凍結粉砕し、その廃棄物を減圧環境下に置いて当該廃棄物に含まれる凍結状態の前記水分を昇華させて除去し、その後、前記廃棄物に常温常圧状態の乾燥空気を導入して、低温低圧状態の前記廃棄物を常温常圧状態に戻す前記廃棄物の凍結粉砕真空乾燥装置と、前記廃棄物を凍結させるための冷却空気を前記凍結粉砕真空乾燥装置に供給する冷却空気供給装置と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る廃棄物の凍結粉砕真空乾燥システムにおいて、前記冷却空気供給装置は、常温常圧状態の乾燥空気をLNGと熱交換させるとともに、熱交換させて得られた冷却空気とメタンガスとを分離し、当該冷却空気を前記凍結粉砕真空乾燥装置に供給することとする。
本発明の構成によれば、廃棄物を凍結粉砕する際に、LNGの冷熱を有効利用することが可能となるので、エネルギー効率に優れたものとなる。
【0016】
また、本発明は、廃棄物の凍結粉砕真空乾燥システムであって、水分を含む廃棄物を凍結して粉砕し該廃棄物を乾燥させる凍結粉砕真空乾燥装置と、常温常圧状態の乾燥空気をLNGと熱交換させることにより前記廃棄物を凍結するための冷却空気を得る熱交換器と、凍結粉砕させた前記廃棄物の水分を昇華させるための加熱空気を前記凍結粉砕真空乾燥装置に供給する加熱空気供給装置と、常温常圧状態の乾燥空気を前記熱交換器及び前記凍結粉砕真空乾燥装置に供給する乾燥空気供給装置と、前記凍結粉砕真空乾燥装置で凍結粉砕された前記廃棄物を運搬するベルトコンベアと、前記ベルトコンベアの下流側に配置され前記廃棄物をガス化するガス化炉と、を備え、前記凍結粉砕真空乾燥装置は、前記廃棄物を収納する受入ホッパと、該受入ホッパで収納した前記廃棄物を凍結させるための冷凍槽と、該冷凍槽で凍結した前記廃棄物を粉砕するための粉砕槽と、該粉砕槽で凍結粉砕した前記廃棄物を略真空状態下で乾燥させるための真空乾燥槽と、該真空乾燥槽で真空乾燥させた前記廃棄物を昇温させるための昇温槽と、を有し、これらの各槽が上方から順に配置され、且つ上下の各槽がそれぞれシャッタを介して連結されていることを特徴とする。
本発明では、冷却を行う容器と加熱を行う容器とをそれぞれ別個にした上で、廃棄物の凍結粉砕及び真空乾燥を流れ作業によって連続的に処理している。そのため、同一の容器内で冷却と加熱を繰り返す場合と比べると、エネルギー効率がよりいっそう向上する。
【0017】
また、本発明は、廃棄物の凍結粉砕真空乾燥システムであって、水分を含む廃棄物を凍結して粉砕し該廃棄物を乾燥させる凍結粉砕真空乾燥装置と、常温常圧状態の乾燥空気をLNGと熱交換させることにより前記廃棄物を凍結させるための冷却空気を得る熱交換器と、凍結粉砕させた前記廃棄物の水分を昇華させるための加熱空気を前記凍結粉砕真空乾燥装置に供給する加熱空気供給装置と、常温常圧状態の乾燥空気を前記熱交換器及び前記凍結粉砕真空乾燥装置に供給する乾燥空気供給装置と、を備え、前記凍結粉砕真空乾燥装置は、バイオマス運搬用の容器と、該容器を運搬するベルトコンベアと、を有し、該ベルトコンベアの上方において上流側から下流側に向けて順に、前記容器に装着可能な受入ホッパと、前記容器に装着可能な冷凍用の蓋と、前記容器に装着可能な粉砕用の蓋と、前記容器に装着可能な真空乾燥用の蓋と、を備えていることを特徴とする。
本発明では、冷却を行う容器と加熱を行う容器とを同一にした上で、廃棄物の凍結粉砕及び真空乾燥をベルトコンベア上で分業している。そのため、廃棄物は、流れ作業によって連続的に処理されることとなり、エネルギー効率がよりいっそう向上する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、エネルギー効率に優れた廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法及びそのシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、廃棄物としてバイオマスを例に挙げつつ、本発明の各実施形態について説明する。
【0020】
===本発明の基本構成===
図1及び図2を参照しながら、本発明の第一実施におけるバイオマスの凍結粉砕真空乾燥システムについて説明する。図1は、本発明の第一実施におけるバイオマスの凍結粉砕真空乾燥システムの基本構成を示す図、図2は本発明のシステムフローを示す図である。
【0021】
図1に示すように、バイオマスの凍結粉砕真空乾燥システム100は、凍結粉砕真空乾燥装置10と、熱交換器11と、真空ポンプ12と、加熱空気供給装置13と、乾燥空気供給装置14と、を備えている。そして、熱交換器11、真空ポンプ12、及び加熱空気供給装置13、乾燥空気供給装置14は、それぞれ配管21、22、23、24を介して凍結粉砕真空乾燥装置10に連結されており、各配管にはそれぞれバルブ31、32、33、34が設けられている。配管22の途中には、凝縮器15が設けられ、凝縮器15は、配管26を介して配管21に接続されている。なお、乾燥空気供給装置14は、配管25を介して熱交換器11に連結されている。
【0022】
凍結粉砕真空乾燥装置10は、バイオマス4を収納する真空容器1と、真空容器1内に熱を放出する放熱ジャケット2とを有し、真空容器1内には攪拌粉砕用の回転刃3が設けられている。また、凍結粉砕真空乾燥装置10には、真空容器1内の圧力を測定するための真空計5が設けられている。
【0023】
熱交換器11は、常温常圧状態の乾燥空気をLNG(約−161℃)と熱交換させるものであり、この熱交換器11によって、乾燥空気が冷却された冷却空気(約−120℃の極冷空気)と、LNGが気化したメタンガス(CHgas)とが得られる。冷却空気は、バイオマス4の凍結粉砕及び真空乾燥に利用されるとともに、凝縮器15において利用される。なお、メタンガスについては、後述するように発電機の駆動エネルギー源として利用することが好ましい。
【0024】
真空ポンプ12は、真空容器1内の空気を吸引してその圧力を略真空状態にするためのポンプである。加熱空気供給装置13は、加熱空気(20〜50℃)を放熱ジャケット2に供給するための装置である。また、乾燥空気供給装置14は、常温常圧状態の乾燥空気を熱交換器11及び真空容器1に供給するための装置である。
【0025】
次に、図2を参照しながら、本実施形態における処理フローについて説明する。
図2に示すように、真空容器1内にバイオマス4(例えば、脱水汚泥、木質系、生ごみ等)を収納する(S200)。そして、バルブ31を開状態、バルブ32,33,34を閉状態にする。熱交換器11で得られた冷却空気は、配管21内を流れ、開状態のバルブ31を通って真空容器1内に供給される。真空容器1内は、冷却空気が供給されると冷凍状態になる(S201)。なお、真空容器1内に冷却空気を供給する際、回転刃3を回転させてバイオマス4を十分に攪拌する。バイオマス4は、含水率が高い廃棄物の一種であり、冷却空気が供給されると凍結し、これに含まれる水分が氷になる。凍結したバイオマス4は、真空容器1内に設けられた回転刃3の回転によって粉砕される(S202)。
【0026】
次に、バルブ31を閉じて、バルブ32を開状態にする。そして、真空ポンプ12を用いて真空容器1内の真空引きを行う(S203)。これにより、真空容器1内の冷却空気は、開状態のバルブ32を通って配管22内を流れ、真空ポンプ12を介して排気される。真空容器1内の圧力状態は、真空状態に近い状態(例えば、10Pa)まで減圧される。
【0027】
次に、バルブ32を開状態のまま、バルブ33を開ける。加熱空気供給装置13から供給された加熱空気(約20〜50℃)は、配管23内を流れ、バルブ33を通って加熱ジャケット2内に供給される(S204)。加熱空気は、加熱ジャケット2を介して凍結粉砕したバイオマス4に対し、昇華潜熱として供給される。略真空状態で昇華潜熱が供給されると、バイオマス4の水分は昇華して氷から水蒸気に変化する(S205)。この水蒸気は、前述した真空引きにより、バルブ32を通って配管22内を流れ、真空ポンプ12を介して排気される。配管22の途中には、凝縮器15が設けられているため、配管22内を流れる水蒸気は、凝縮器15で冷却されて凝縮するとともに、さらに冷却されて凝固する。なお、凝縮器15には、配管26を介してLNGの冷熱である冷却空気が分配供給されるようになっており、LNGの冷熱が有効利用される。
【0028】
なお、バイオマス4に含まれていた水分の昇華が完了すると、バイオマス4の真空乾燥が終結し、真空容器1内の圧力が低下し始める。そこで、真空計5を用いて真空容器1内の圧力状態を測定し、その測定値が昇華時の測定値よりも低下したことをもって乾燥の完了を検知する。
【0029】
次に、バイオマス4の乾燥が完了すると、バルブ32を閉じてバルブ34を開ける。バルブ33は、閉状態にしてもよく、或いは開状態にしてもよい。乾燥空気供給装置14から供給された常温常圧状態の乾燥空気は、配管24及び開状態のバルブ34を介して真空容器1内に供給される(S206)。真空容器1内のバイオマス4に常温常圧状態の乾燥空気を導入することにより、低温低圧状態のバイオマス4を常温常圧状態に戻す。これにより、バイオマス4の粉砕及び乾燥が完了する。このようにして得られたバイオマスは、含水率が低く20%以下であり、しかも粉砕状態にあるので、ガス化のためのエネルギー効率が良い。
【0030】
===連続処理システム===
図3及び図4を参照しながら、本発明のバイオマスの凍結粉砕真空乾燥システムについて説明する。なお、各図に示すシステムは、いずれもバイオマスの凍結粉砕及び真空乾燥を流れ作業によって連続的に処理するものであり、それぞれ以下に説明する別の実施形態に相当する。但し、図4は本発明の主要部のみを図示している。
【0031】
<第二実施形態>
まず、図3を参照しながら、本発明の第二実施形態について説明する。
図3に示すように、バイオマスの凍結粉砕真空乾燥システム300は、凍結粉砕真空乾燥装置10と、熱交換器11と、真空ポンプ12と、加熱空気供給装置13と、乾燥空気供給装置14と、ベルトコンベア111と、バイオマスガス化炉112と、を備えている。
【0032】
凍結粉砕真空乾燥装置10は、バイオマス4を収納する受入ホッパ101と、受入ホッパ101で収納したバイオマスを凍結させる冷凍槽102と、冷凍槽102で凍結したバイオマスを粉砕するための粉砕槽103と、粉砕槽103で凍結粉砕したバイオマスを略真空状態下で乾燥させるための真空乾燥槽104とを有し、各槽が上方から順に配置され、且つ上下の各槽がそれぞれシャッタ106〜108を介して連結されている。なお、真空乾燥槽104の下部には、シャッタ109が設けられており、このシャッタ109を開放すると真空乾燥槽104の収納物がベルトコンベア111の上に落下して、バイオマスガス化炉112まで運ばれるようになっている。
【0033】
冷凍槽102には、バイオマスを攪拌するための攪拌羽根113が設けられ、他方、粉砕槽103には、凍結したバイオマスを粉砕するための粉砕刃114が設けられている。真空乾燥槽104は、バイオマスを収納する真空容器115と、真空容器115に対して熱を放出する放熱ジャケット116とを有する。
【0034】
熱交換器11は、配管21を介して冷凍槽102内と連結されている。真空ポンプ12は、配管22を介して真空乾燥槽104の真空容器115内と連結されている。配管22の途中には、凝縮器15が設けられ、凝縮器15は、配管26を介して配管21に接続されている。加熱空気供給装置13は、配管23を介して真空乾燥槽104の放熱ジャケット116内と連結されている。乾燥空気供給装置14は、配管24を介して真空乾燥槽104の真空容器115内と連結されており、さらに配管25を介して熱交換器11と連結されている。なお、同図に示す加熱空気供給装置13は、配管27を介して配管24に接続されている。また、配管21、配管22、配管23、配管24には、それぞれ所定の箇所にバルブ31、バルブ32、バルブ33、バルブ34が設けられている。
【0035】
以上の構成において、バイオマス4は、まず受入ホッパ101内に収納される。シャッタ106を開放すると、受入ホッパ101内に収納されたバイオマスは、落下して冷凍槽102内に収納される。次に、シャッタ106を閉鎖してバルブ31を開ける。これにより冷凍槽102内には、熱交換器11で得られた冷却空気(約−120℃の極冷空気)が導入される。冷凍槽102内に収納されたバイオマスは、攪拌羽根113で攪拌されながら凍結する。
【0036】
次に、シャッタ107を開放すると、冷凍槽102内で凍結したバイオマスは、落下して粉砕槽103内に収納される。そして、シャッタ107を閉鎖して粉砕刃114を駆動させると、粉砕槽103内に収納された凍結状態のバイオマスは、粉砕される。
【0037】
次に、シャッタ108を開放すると、粉砕槽103内で粉砕され凍結状態のバイオマスは、落下して真空乾燥槽104の真空容器115内に収納される。次に、シャッタ108を閉鎖してバルブ32を開放し、真空ポンプ12を用いて真空容器115内の真空引きを行う。これにより、真空容器115内の冷却空気は、開状態のバルブ32を通って配管22内を流れ、真空ポンプ12を介して排気される。その結果、真空容器115内の圧力状態は、真空状態に近い状態(例えば、10Pa)まで減圧される。
【0038】
次に、バルブ32を開状態にしたまま、バルブ33を開ける。加熱空気供給装置13から供給された加熱空気(約20〜50℃)は、配管23内を流れ、バルブ33を通って加熱ジャケット116内に供給される。加熱空気が有する熱は、加熱ジャケット116を介して真空容器115内のバイオマスに対し、昇華潜熱として供給される。略真空状態で昇華潜熱が供給されると、バイオマスの水分は、昇華して氷から水蒸気に変化する。この水蒸気は、前述した真空引きにより、バルブ32を通って配管22内を流れ、真空ポンプ12を介して排気される。配管22の途中には、凝縮器15が設けられているため、配管22内を流れる水蒸気は、凝縮器15で冷却されて凝縮するとともに、さらに冷却されて凝固する。凝縮器15には、図1の場合と同様、配管26を介してLNGの冷熱である冷却空気が分配供給されるようになっており、LNGの冷熱が有効利用される。なお、図示していないが、図1と同様の真空計5を用いて真空容器115内の圧力状態を測定し、その測定値が昇華時の測定値よりも低下したことをもって乾燥の完了を検知してもよい。
【0039】
バイオマスの乾燥が完了すると、バルブ32、バルブ33を閉じてバルブ34を開ける。バルブ34を開けると、真空乾燥槽104の真空容器115内に収納されたバイオマスに対して、乾燥空気供給装置14から乾燥空気が供給される。真空容器115内のバイオマスに常温常圧状態の乾燥空気を導入することにより、低温低圧状態のバイオマスは、常温常圧状態に戻る。
【0040】
次に、シャッタ109を開放する。常温常圧状態に戻ったバイオマスは、ベルトコンベア111上に落下する。このバイオマスは、ベルトコンベア111によってバイオマスガス化炉112まで運搬される。運搬されたバイオマスは、バイオマスガス化炉112に投入されてガス化される。投入されるバイオマスは、含水率が低く20%以下であり、しかも粉砕状態にあるので、ガス化のためのエネルギー効率が良い。さらに、本実施形態の場合には、冷却と加熱を行う容器をそれぞれ別個にした上で、バイオマスの凍結粉砕及び真空乾燥を流れ作業によって連続的に処理している。そのため、同一の容器内で冷却と加熱を繰り返す図1の場合と比べると、エネルギー効率がよりいっそう向上する。
【0041】
<第三実施形態>
次に、図4を参照しながら、本発明の第三実施形態について説明する。
図4に示すように、バイオマスの凍結粉砕真空乾燥システムの主要部は、ベルトコンベア111と、バイオマス運搬用の容器200と、受入ホッパ201と、冷凍用の蓋202と、粉砕用の蓋203と、真空乾燥用の蓋204とを備えており、さらに、図示していないが加熱空気供給手段を備えている。
【0042】
容器200は、上部側が開口形成された容器である。また、受入ホッパ201、冷凍用の蓋202、粉砕用の蓋203、及び真空乾燥用の蓋204は、それぞれベルトコンベア111に沿って上流側から順に配置され、いずれも上下方向に移動可能であるとともに、容器200の上部側に密閉した状態で接続する。
受入ホッパ201は、バイオマス4を収納するためのものであり、その下部にはシャッタ106が設けられている。
【0043】
冷凍用の蓋202は、容器200内に収納されたバイオマスを凍結させるためのものである。冷凍用の蓋202は、配管21を介して冷却空気供給装置41と連結されており、配管21には、バルブ31が設けられている。なお、冷却空気供給装置41は、容器200内に冷却空気(約―120℃の極冷空気)を供給するための装置である。また、冷凍用の蓋202には、モーターで駆動する攪拌羽根113が設けられている。
粉砕用の蓋203は、冷容器200内に収納されたバイオマスを粉砕するためのものであり、モーターで駆動する粉砕刃114が設けられている。
【0044】
真空乾燥用の蓋204は、冷容器200内に収納されたバイオマスを真空乾燥するためのものである。真空乾燥用の蓋204は、配管22を介して真空ポンプ12と連結されており、配管22には、バルブ32が設けられている。また、真空乾燥用の蓋204は、配管23を介して乾燥空気供給装置14と連結されており、配管23には、バルブ33が設けられている。なお、乾燥空気供給装置14は、容器200内のバイオマスに常温常圧状態の乾燥空気を供給するための装置である。
【0045】
以上の構成において、まず受入ホッパ201にバイオマス4を収納する。次に、受入ホッパ201のシャッタ106を開放し、受入ホッパ201に収納されたバイオマスを落下させて、その直下に配置された容器200に収納する。次に、ベルトコンベアを駆動して、バイオマスを収納した容器200を冷凍用の蓋202の真下まで移動させる。冷凍用の蓋202を下方側に移動させて、容器200と接続させる。次に、バルブ31を開けて、容器200内のバイオマスに冷却空気を導入し、攪拌羽根113で攪拌しながらバイオマスを凍結させる。バイオマスの凍結が完了すると、冷凍用の蓋202を上方側に移動させる。
【0046】
次に、ベルトコンベアを駆動して、バイオマスを収納した容器200を粉砕用の蓋203の真下まで移動させる。粉砕用の蓋203を下方側に移動させて、容器200と接続させる。そして、粉砕用の蓋203の粉砕刃114を駆動して、凍結状態のバイオマスを粉砕する。バイオマスの粉砕が完了すると、粉砕用の蓋203を上方側に移動させる。
【0047】
同様に、ベルトコンベアを駆動して、バイオマスを収納した容器200を真空乾燥用の蓋204の真下まで移動させる。真空乾燥用の蓋204を下方側に移動させて、容器200と接続させる。次に、バルブ33を閉じた状態でバルブ32を開け、真空ポンプ12を用いて容器200内の真空引きを行う。これにより、容器200内の圧力状態は、略真空状態(例えば、10Pa)まで減圧される。次に、図示しない加熱空気供給装置13を用いて、容器200内に昇華潜熱気(約20〜50℃の加熱空気)を供給する。バイオマスの水分は、略真空状態で昇華潜熱が供給されると、昇華を始めて氷から水蒸気に変化する。この水蒸気は、前述した真空引きにより、バルブ32を通って配管22内を流れ、真空ポンプ12を介して排気される。なお、図4には示していないが、真空引きを効率良く行うには、前述したように、配管22の途中に凝縮器15を設けておくことが好ましい。
【0048】
次に、バルブ32を閉じてバルブ33を開け、乾燥空気供給装置14を用いて容器200内に乾燥空気を供給する。これにより、容器200内のバイオマスは、低温低圧状態から常温常圧状態になる。
【0049】
以上のように、バイオマスの凍結粉砕真空乾燥システムによれば、乾燥状態(含水率が20%以下)で、且つ粉砕状態のバイオマスを効率良く得ることができる。また、本実施形態の場合には、冷却と加熱を行う容器を同一にした上で、バイオマスの凍結粉砕及び真空乾燥をベルトコンベア上で分業している。そのため、バイオマスは、流れ作業によって連続的に処理されることとなり、エネルギー効率がよりいっそう向上する。
【0050】
===各種の適用例===
次に、図5〜図7を参照しながら、本発明に係る凍結粉砕真空乾燥装置の各適用例について説明する。図5は天然ガス発電所への適用例を示す図、図6はデュアル・フューエル・ディーゼル発電機への適用例を示す図、図7はごみ処理場への適用例を示す図である。
【0051】
<適用例1:天然ガス発電所への適用例>
まず、凍結粉砕真空乾燥装置10の天然ガス発電所への適用例について説明する。
図5に示すように、凍結粉砕真空乾燥装置10は、熱交換器11、バイオマスガス化炉51と連結されている。熱交換器11は、乾燥空気供給装置14及びLNGタンク56と連結されている。熱交換器11及びバイオマスガス化炉51は、ガス混合器52と連結されており、さらにガス混合器52は、ガスタービン53と連結されている。ガスタービン53は、蒸気タービン54と連結され、さらに蒸気タービン54は、発電機55と連結されている。ガスタービン53及び蒸気タービン54は、バイオマスガス化炉51に連結されている。発電機55は、凍結粉砕真空乾燥装置10と連結されている。
【0052】
以上のように、凍結粉砕真空乾燥装置10を天然ガス発電所に適用した場合には、熱交換器11によってLNG冷熱を利用して極冷空気を生成させた上で、この極冷空気を凍結粉砕真空乾燥装置10において有効利用できる。また、凍結粉砕真空乾燥装置10によってバイオマスを粉砕、乾燥することで、バイオマスガス化炉51においてバイオマスを効率良くガス化できる。さらに、ガス混合器52によってバイオガス(例えば、CO,CH,H)及び天然ガス(例えば、CH)を混合燃料とすることで、これらのガスを有効利用できる。また、ガスタービン53及び蒸気タービン54で発生した排熱をバイオマスガス化炉51の熱源として有効利用できる。さらに、発電機55で発生した電力を凍結粉砕真空乾燥装置10の電力源として有効利用できる。
【0053】
<適用例2:デュアル・フューエル・ディーゼル発電機への適用例>
次に、凍結粉砕真空乾燥装置10のデュアル・フューエル・ディーゼル発電機への適用例について説明する。
【0054】
図6に示すように、凍結粉砕真空乾燥装置10は、熱交換器11、バイオマスガス化炉51と連結されている。熱交換器11は、乾燥空気供給装置14及びLNGタンク56と連結されている。熱交換器11及びバイオマスガス化炉51は、ガス混合器52と連結されており、さらにガス混合器52は、吸気口57を介してディーゼルエンジン58と連結されている。ディーゼルエンジン58は、バイオマスガス化炉51、発電機55、重油タンク59と連結されている。発電機55は、凍結粉砕真空乾燥装置10と連結されている。
【0055】
以上のように、凍結粉砕真空乾燥装置10をデュアル・フューエル・ディーゼル発電機に適用した場合には、図5の場合と同様の効果を奏し、LNG冷熱の有効利用及びガス化効率の向上を図ることができる。また、ガス混合器52で得られた混合ガス、すなわちバイオマスガス炉51で発生したバイオガスと熱交換器11で発生した天然ガスとの混合ガスをさらに大気と混合させた上で、これらのガスを重油タンク59から供給されたディーゼル油とともにディーゼルエンジン58において有効利用できる。さらに、ディーゼルエンジン58で発生した排熱をバイオマスガス炉51の熱源として有効利用できる。また、発電機55で発生した電力を凍結粉砕真空乾燥装置10の電力源として有効利用できる。
【0056】
<適用例3:ごみ処理場への適用例>
次に、凍結粉砕真空乾燥装置10のごみ処理場への適用例について説明する。
図7に示すように、凍結粉砕真空乾燥装置10は、熱交換器11、バイオマスガス化炉51と連結されており、バイオマスガス化炉51には、例えば乾燥可燃ごみやプラスチック類などの乾燥系ごみが供給される。熱交換器11は、乾燥空気供給装置14及びLNGタンク56と連結されている。熱交換器11及びバイオマスガス化炉51は、ガス混合器52と連結されている。ガス混合器52は、ガスエンジン61と連結され、さらにガスエンジン61は、発電機55と連結されている。ガスエンジン61は、バイオマスガス化炉51と連結されている。発電機55は、凍結粉砕真空乾燥装置10と連結されている。
【0057】
以上のように、凍結粉砕真空乾燥装置10をごみ処理場に適用した場合には、図5及び図6の場合と同様の効果を奏し、LNG冷熱の有効利用及びガス化効率の向上を図ることができる。さらに、バイオマスガス化炉51において、乾燥系ごみを有効利用できる。また、ガス混合器52で得られた混合ガス、すなわちバイオマスガス炉51で発生したバイオガスと熱交換器11で発生した天然ガスとの混合ガスをガスエンジン61において有効利用できる。さらに、ガスエンジン61で発生した排熱をバイオマスガス炉51の熱源として有効利用できる。また、発電機55で発生した電力を凍結粉砕真空乾燥装置10の電力源として有効利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第一実施形態におけるバイオマスの凍結粉砕真空乾燥システムの基本構成を示す図である。
【図2】本発明の第一実施形態における処理フローを示す図である。
【図3】本発明の第二実施形態におけるバイオマスの凍結粉砕真空乾燥システムを示す図である。
【図4】本発明の第三実施形態におけるバイオマスの凍結粉砕真空乾燥システムの主要部を示す図である。
【図5】本発明に係る凍結粉砕真空乾燥装置を天然ガス発電所に適用した場合の適用例1を示す図である。
【図6】本発明に係る凍結粉砕真空乾燥装置をデュアル・フューエル・ディーゼル発電機に適用した場合の適用例2を示す図である。
【図7】本発明に係る凍結粉砕真空乾燥装置をごみ処理場に適用した場合の適用例3を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1 真空容器
2 放熱ジャケット
3 攪拌粉砕用の回転刃
4 バイオマス
5 真空計
10 凍結粉砕真空乾燥装置
100 バイオマスの凍結粉砕真空乾燥システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分を含む廃棄物を凍結して粉砕する凍結粉砕工程と、
該凍結粉砕工程で凍結粉砕した前記廃棄物を減圧環境下に置き、その廃棄物に含まれる凍結状態の前記水分を昇華させて除去する真空乾燥工程と、
該真空乾燥工程で前記水分を除去した前記廃棄物に常温常圧状態の乾燥空気を導入し、低温低圧状態の前記廃棄物を常温常圧状態に戻す工程と、
を有することを特徴とする廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法。
【請求項2】
請求項1に記載の廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法であって、
前記凍結粉砕工程は、前記廃棄物に冷却空気を導入し、その廃棄物を凍結させることを含むことを特徴とする廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法。
【請求項3】
請求項2に記載の廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法であって、
前記冷却空気は、常温常圧状態の乾燥空気をLNGと熱交換させて得られたものであることを特徴とする廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法。
【請求項4】
請求項3に記載の廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法であって、
前記乾燥空気を前記LNGと熱交換させた際にLNGが気化して生じるメタンガスを回収し、そのメタンガスを発電機の駆動エネルギー源として利用するとともに、前記発電機を駆動させて得られた電気エネルギーを前記凍結粉砕工程において前記廃棄物を粉砕するためのエネルギー源若しくは前記真空乾燥工程において前記廃棄物を減圧乾燥するためのエネルギー源として再利用することを特徴とする廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法であって、
前記真空乾燥工程は、真空ポンプを用いて前記廃棄物を前記減圧環境下に置き、前記水分を昇華させて水蒸気を吸引するとともに、吸引中の前記水蒸気を冷却凝固させて回収することを含むことを特徴とする廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法。
【請求項6】
請求項5に記載の廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法であって、
前記水蒸気を冷却凝固させる際に、常温常圧状態の乾燥空気をLNGと熱交換させて得られた冷却空気を用いることを特徴とする廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法。
【請求項7】
請求項1〜6に記載の廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法であって、
前記真空乾燥工程は、真空計を用いて前記廃棄物の圧力状態を測定し、その測定値が前記水分を昇華させる際の測定値よりも低下したことをもって前記乾燥の完了を検知することを特徴とする廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法。
【請求項8】
請求項1〜7に記載の廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法であって、
前記廃棄物は、バイオマスであることを特徴とする廃棄物の凍結粉砕真空乾燥方法。
【請求項9】
水分を含む廃棄物を凍結粉砕し、その廃棄物を減圧環境下に置いて当該廃棄物に含まれる凍結状態の前記水分を昇華させて除去し、その後、前記廃棄物に常温常圧状態の乾燥空気を導入して、低温低圧状態の前記廃棄物を常温常圧状態に戻す前記廃棄物の凍結粉砕真空乾燥装置と、
前記廃棄物を凍結させるための冷却空気を前記凍結粉砕真空乾燥装置に供給する冷却空気供給装置と、
を備えることを特徴とする廃棄物の凍結粉砕真空乾燥システム。
【請求項10】
請求項9に記載の廃棄物の凍結粉砕真空乾燥システムであって、
前記冷却空気供給装置は、常温常圧状態の乾燥空気をLNGと熱交換させるとともに、熱交換させて得られた冷却空気とメタンガスとを分離し、当該冷却空気を前記凍結粉砕真空乾燥装置に供給することを特徴とする廃棄物の凍結粉砕真空乾燥システム。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の廃棄物の凍結粉砕真空乾燥システムであって、
水分を含む廃棄物を凍結して粉砕し該廃棄物を乾燥させる凍結粉砕真空乾燥装置と、常温常圧状態の乾燥空気をLNGと熱交換させることにより前記廃棄物を凍結するための冷却空気を得る熱交換器と、凍結粉砕させた前記廃棄物の水分を昇華させるための加熱空気を前記凍結粉砕真空乾燥装置に供給する加熱空気供給装置と、常温常圧状態の乾燥空気を前記熱交換器及び前記凍結粉砕真空乾燥装置に供給する乾燥空気供給装置と、前記凍結粉砕真空乾燥装置で凍結粉砕された前記廃棄物を運搬するベルトコンベアと、前記ベルトコンベアの下流側に配置され前記廃棄物をガス化するガス化炉と、を備え、
前記凍結粉砕真空乾燥装置は、
前記廃棄物を収納する受入ホッパと、該受入ホッパで収納した前記廃棄物を凍結させるための冷凍槽と、該冷凍槽で凍結した前記廃棄物を粉砕するための粉砕槽と、該粉砕槽で凍結粉砕した前記廃棄物を略真空状態下で乾燥させるための真空乾燥槽と、該真空乾燥槽で真空乾燥させた前記廃棄物を昇温させるための昇温槽と、を有し、
これらの各槽が上方から順に配置され、且つ上下の各槽がそれぞれシャッタを介して連結されていることを特徴とする廃棄物の凍結粉砕真空乾燥システム。
【請求項12】
請求項9又は10に記載の廃棄物の凍結粉砕真空乾燥システムであって、
水分を含む廃棄物を凍結して粉砕し該廃棄物を乾燥させる凍結粉砕真空乾燥装置と、常温常圧状態の乾燥空気をLNGと熱交換させることにより前記廃棄物を凍結させるための冷却空気を得る熱交換器と、凍結粉砕させた前記廃棄物の水分を昇華させるための加熱空気を前記凍結粉砕真空乾燥装置に供給する加熱空気供給装置と、常温常圧状態の乾燥空気を前記熱交換器及び前記凍結粉砕真空乾燥装置に供給する乾燥空気供給装置と、を備え、
前記凍結粉砕真空乾燥装置は、
バイオマス運搬用の容器と、該容器を運搬するベルトコンベアと、を有し、該ベルトコンベアの上方において上流側から下流側に向けて順に、前記容器に装着可能な受入ホッパと、前記容器に装着可能な冷凍用の蓋と、前記容器に装着可能な粉砕用の蓋と、前記容器に装着可能な真空乾燥用の蓋と、を備えていることを特徴とする廃棄物の凍結粉砕真空乾燥システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−6380(P2008−6380A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−179901(P2006−179901)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】