説明

後発酵茶及びその製造方法

【課題】抗酸化活性が高く、渋味や刺激性が弱く、皮膚外用剤、浴用剤、食品への適用が可能な植物由来の新たな素材を提供する
【解決手段】Camellia sinensis種由来の茶に、茶乾燥重量100重量部に対して110重量部以上の水を加え、糸状菌を接種して生育せしめることにより得られる、スーパーオキシドジスムターゼ(Superoxide Dismutase)活性を固形分換算で2,000units/g以上を有する後発酵茶。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、茶を発酵させて得られる、抗酸化作用を有する後発酵茶、その抽出物及びそれらを含有する皮膚外用剤組成物、浴用剤組成物、食品組成物等に関する。
【背景技術】
【0002】
世界中で愛飲されている緑茶、烏龍茶、紅茶といった茶は、栄養摂取だけではなく、嗜好品としても飲用される。また、ストレス解消や気分転換等を目的としても飲用される。これは茶が、味だけでなく香りをも楽しめる飲料であることを意味する。例えば、紅茶は、発酵工程中に茶葉に含まれる香り成分が増加するため、その香りを堪能する飲料として位置付けられている。
【0003】
茶は、製法の違いから次の4種類に大別される。緑茶に代表される不発酵茶、烏龍茶に代表される半発酵茶、紅茶に代表される完全発酵茶及び黒茶に代表される後発酵茶である。
不発酵茶は生茶葉を蒸熱又は炒熱処理して殺青した後、揉捻、乾燥したものであり、生茶葉自身の持つ酵素群は失われている。それゆえ、カテキン由来の独特の苦味を持つ。
一方、半発酵茶及び完全発酵茶は、殺青を行わず、揉捻して生茶葉自身の持つ酵素群の作用で発酵を行わせた後、加熱により酵素群を失活させて乾燥させたものであり、その発酵の程度により半発酵茶と完全発酵茶に分けられる。一般的に、緑茶と比較し、苦味が少なく、独特の風味を持つものが多い。
また、後発酵茶は、通常、不発酵茶を原料に自然環境の微生物を生育させ、製造されたものである。生育する微生物としては乳酸菌、真菌、酵母等が知られている(非特許文献1)が、発酵工程上、該微生物をコントロールすることは難しい。それゆえ、生育する微生物の種類、発酵期間等により、風味が異なる。
【0004】
また、茶に水を加えて微生物発酵処理する方法に関しては、これまで、例えば特許文献1及び2において、真菌類を用いた技術が開示されている。
【0005】
特許文献1には、麹菌によるスラリー発酵を行い、ガレート基を有するカテキン類を低減させ、没食子酸含有量を高めた後発酵茶飲料が記載されている。そして、この後発酵茶は粉砕した原料茶葉を水に懸濁させた状態で行うスラリー発酵で、かつこのスラリー発酵が、麹菌の酵素は活性を有するが麹菌は生育・増殖しない温度帯で行うことにより製造されている。
【0006】
特許文献2には、β−1,3/1,6−グルカン、キチン、γ−アミノ酪酸等の機能や香気成分産生を目的に、茶葉を25〜80重量%の水分を含むように調整し、真菌類を接種し、生育させ、発酵機能茶を得ることが記載されている。
【0007】
緑茶は、一般的に、カテキン類が豊富で、抗酸化活性が高く、抗がん効果、動脈硬化抑制効果、血圧上昇抑制効果、抗糖尿病効果、肥満予防効果、抗アレルギー効果、抗菌・抗ウイルス効果等が知られている(非特許文献2)。しかし、緑茶の味はカテキン特有の渋みを持ち、食品として使用する場合に有効量を摂取することは非常に困難が伴う。また、化粧品素材として使用する場合も皮膚への刺激性がある。それゆえ、より抗酸化活性が高く、刺激性の少ない素材が求められていた。
【0008】
また、太陽光線に含まれる紫外線は、ヒトの皮膚組織、例えば表皮層、真皮層にまで到達し、これら組織を構成する基底細胞(角化細胞)やメラニン細胞、線維芽細胞に刺激を与えたり、細胞を破壊する事により、皮膚に紅斑を生じさせ、色素沈着や時に炎症、皮膚がんをも発生させる事がある(非特許文献3)。それゆえ、紫外線暴露の影響を抑制するために、紫外線吸収あるいは紫外線散乱作用を有するサンスクリーン剤や、紫外線暴露より発生するフリーラジカルを捕捉する抗酸化剤、紫外線暴露による皮膚組織のダメージを防止あるいは修復する皮膚損傷防止剤/修復剤等の開発が行われてきた。しかしながら、サンスクリーン剤は、皮膚刺激や光毒性の問題、あるいは効果が強いゆえに、人によっては接触性皮膚炎を誘発する場合もある。これらサンスクリーン剤は合成によって得られる高分子化合物や金属化合物であり、それゆえ、より安全性の高い、天然物から得られる紫外線防御剤が求められている。
【0009】
天然物由来の紫外線防御剤としてはケルセチン配糖体(特許文献3)、アカハギンナンソウ抽出物(特許文献4)、マンゴスチン(特許文献5)、キク科植物抽出物(特許文献6)やモクレン科オガタマノキ属植物からの抽出物(特許文献7)が知られている。特許文献3は培養細胞に紫外線を照射することにより紫外線防御作用を証明したものであり、その他の特許文献4〜7は紫外線A波、紫外線B波の吸収波長領域を持つことから紫外線防御作用を示している。
【0010】
後発酵茶に関しては、皮膚外用剤として用いることは知られておらず、ましてや紫外線防御作用についても全く知られていない。
【特許文献1】特開2005−278519号公報
【特許文献2】特開2006−14684号公報
【特許文献3】特許第2909522号公報
【特許文献4】特許第2700601号公報
【特許文献5】特開平9−87155号公報
【特許文献6】特2002−128630号公報
【特許文献7】特開2005−68075号公報
【非特許文献1】日本家政学会誌,Vol.45,No.12,p1095〜1101(1994)
【非特許文献2】村松敬一郎、小國伊太郎、伊勢村護、杉山公男、山本(前田)万理編「茶の機能」学会出版センター(2002)P.66〜304
【非特許文献3】宮地良樹、長沼雅子編著「化粧品・外用薬研究者のための皮膚科学」文光堂(2005)P.45〜48
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記の如く、緑茶は、カテキン類が豊富で、抗酸化活性が高く、種々の効果を有するが、カテキン特有の渋みや皮膚への刺激性があるゆえ、より抗酸化活性が高く、刺激性の少ない素材が求められていた。また、従来の紫外線吸収剤に用いられる素材の中には人によっては接触性皮膚炎の誘発や光毒性作用が見られるため、紫外線暴露に起因する皮膚障害を防止でき、より安全性の高い、天然由来の素材が求められていた。一方、現在市場にある碁石茶、阿波番茶、プーアル茶等の後発酵茶は、渋味がなく、刺激性もないが、自然環境中で、微生物を生育させ、製造しているので、製品の品質を安定させることが難しく、また抗酸化活性は低いものである。
従って、本発明の目的は、抗酸化活性が高く、渋味や刺激性が弱く、種々の化粧料、浴用剤や食品等への適用が可能な植物由来の新たな素材を提供することにある。また、当該植物由来の新たな素材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで本発明者らは、抗酸化活性の弱い後発酵茶に着目し種々検討した結果、抗酸化活性の指標の一つであるSOD活性を指標にして、後発酵茶の製造条件を検討した。まず、微生物として糸状菌、乳酸菌、酵母等を用いて茶を発酵させ、SOD活性を指標にスクリーニングしたところ、糸状菌による発酵が最もSOD活性を高めることを見出した。
次いで、該糸状菌を用いて、培養・発酵条件についても鋭意検討を重ねた結果、ある特定の適度な水分を茶に含浸させ、該糸状菌を接種し、生育させることで、SOD活性が著しく高い後発酵茶が得られること、さらに当該発酵茶は渋味が弱く、かつ刺激性が低いため化粧料、浴用剤や食品等の素材として有用であることを見出した。また、当該後発酵茶又はその抽出物は紫外線暴露による皮膚障害を有意に防止する抗紫外線ストレス活性を有するため、紫外線防御剤として有用であることを見出した。
【0013】
すなわち、本発明は以下の発明を提供するものである。
(1)Camellia sinensis種由来の茶に、茶乾燥重量100重量部に対して110重量部以上の水を加え、糸状菌を接種して生育せしめることにより得られる、スーパーオキシドジスムターゼ(Superoxide Dismutase)活性を固形分換算で2,000units/g以上を有する後発酵茶。
(2)Camellia sinensis種由来の茶に、茶乾燥重量100重量部に対して110重量部以上の水を加え、糸状菌を接種し、生育せしめることを特徴とする、スーパーオキシドジスムターゼ(Superoxide Dismutase)活性を固形分換算で2,000units/g以上を有する後発酵茶の製造方法。
(3)(1)記載の後発酵茶から、水、エタノール、含水エタノール、1,3−ブチレングリコール及び含水1,3−ブチレングリコールからなる群より選択される1種又は2種以上の抽出溶媒を用いて抽出した後発酵茶抽出物。
(4)(1)記載の後発酵茶から、水、エタノール、含水エタノール、1,3−ブチレングリコール及び含水1,3−ブチレングリコールからなる群より選択される1種又は2種以上の抽出溶媒を用いて抽出することを特徴とする後発酵茶抽出物の製造方法。
(5)(3)記載の後発酵茶抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤組成物。
(6)(3)記載の後発酵茶抽出物を含有することを特徴とする浴用剤組成物。
(7)(1)記載の後発酵茶又は(3)記載の後発酵茶抽出物を含有することを特徴とする食品組成物。
(8)(3)記載の後発酵茶抽出物を含有することを特徴とする抗酸化剤。
(9)(1)記載の後発酵茶又は(3)の後発酵茶抽出物を含有することを特徴とする紫外線防御剤。
(10)紫外線暴露に起因する皮膚障害を防止するものである(9)記載の紫外線防御剤。
【発明の効果】
【0014】
本発明の後発酵茶及びその抽出物は、優れた抗酸化活性を有し、渋味が弱く、かつ刺激性が少ない。また、当該後発酵茶及びその抽出物は、安全性が高く、紫外線暴露によって誘導される皮膚障害を予防・軽減する効果を有する。従って、当該後発酵茶及びその抽出物は、化粧料等の皮膚外用剤、浴用剤、食品等において抗酸化剤や紫外線防御剤として使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の後発酵茶の原料としての茶は、Camellia sinensis種であれば、特に品種等には限定されない。また、収穫直後の生茶葉、青殺後の茶葉、粗揉後の茶葉、揉捻後の茶葉、中揉後の茶葉、精揉後の茶葉、荒茶等の緑茶であっても、茶茎、茶花及びこれらの粉末品等の加工品等であっても、さらに半発酵茶、完全発酵茶も使用可能であり、原料となる茶は後発酵茶の用途により、適宜選択可能である。このうち、不発酵茶を用いることが、高いSOD活性を有する後発酵茶を得る点から好ましい。
【0016】
これらの茶の発酵に用いられる微生物は、高いSOD活性を有する後発酵茶を得る点から糸状菌であるのが好ましい。糸状菌としては、醸造食品や発酵食品等の食品に使用可能な糸状菌の中から選抜することが可能である。例えば、Aspergillus属、Eurotium属、Rhizopus属等を使用することができ、より好ましくはAspergillus oryzae、Aspergillus niger、Eurotium cristatum、Rhizopus oligosporus等が挙げられ、さらには該糸状菌から誘導される変異株であっても使用することができる。これらを単独で若しくはそれらを組合せて使用してもよい。これらの菌株は、IFO、IAM、ATCC、NRRC等の菌株分譲機関、日本醸造協会や市販の種菌株販売会社等から入手可能である。
【0017】
本発明においては、Camellia sinensis種由来の茶に、茶乾燥重量100重量部に対して110重量部以上、好ましくは150重量部以上、より好ましくは200重量部以上、最適には300〜400重量部の水を加える。ここでの水分量の調整は原料となる茶に、水を加え、馴染ませ、糸状菌が生育できる条件にすることを意味する。例えば、荒茶を使用した場合、該荒茶はすでに約3〜5重量%の水分を既に含んでおり、加える水分量は、茶が含んでいる水分を考慮して調整する必要がある。また、生茶葉のように水分を70〜80重量%含んでいるものについては、加水しなくても良い。上記の水分含量は、培養・発酵に用いる糸状菌が繁殖又は発酵可能な量であり、かつ本発明の高いSOD活性を有する後発酵茶を得るために重要である。該糸状菌を優先的に繁殖させることで、雑菌汚染をより防止することができる。該水分調整後に、殺菌工程を加えることが好ましい。該殺菌条件は、例えば、80〜100℃で30〜60分間、あるいは100〜121℃で15〜30分間等の条件で加熱殺菌を行うことが挙げられる。該殺菌後は、冷却し、該茶を殺菌済み培養・発酵槽に移し、下記の植菌工程を行う。なお、該殺菌工程は、茶の水分量が変化しないように密閉系で行うのが好ましい。
【0018】
水分含量を調整した茶に、糸状菌を接種し、一般に20〜40℃で3〜30日間、好ましくは25〜37℃で3〜7日間培養・発酵する。ここで培養・発酵方法は、通常用いられる方法であれば、液体培養・発酵法、固体培養・発酵法等いずれの方法でも良い。次いで、殺菌工程を加えることが好ましい。該殺菌条件は、例えば、80〜100℃で30〜60分間、あるいは100〜121℃で15〜30分間等の条件で加熱殺菌を行うこと、又は、80〜120℃で加熱乾燥し該糸状菌を殺菌するとともに、水分含量を10重量%以下、好ましくは5重量%以下にする。これにより、本発明のSOD活性の高い後発酵茶が製造される。
【0019】
本発明の後発酵茶は、そのままの形態でも利用可能であるが、加熱、乾熱、マイクロ波等で殺菌を行い、さらに粉砕後、粉末、ペーストの形で、あるいは溶媒を用いて抽出し、後発酵茶抽出物として利用できる。さらに、当該後発酵茶抽出物を、スプレードライヤー、ドラムドライヤー、フリーズドライヤー、エアードライヤー等を用いて乾燥し、粉末化を行うことで、後発酵茶抽出物末とすることができる。また、必要に応じて造粒機等を用いて顆粒品とすることができる。
【0020】
上記抽出の際に用いる溶媒としては、水又は炭素数1〜6のアルコール類若しくはグリコール類を単独で若しくはこれら溶媒の2つ以上の組合せが使用でき、例えば水、エタノール、含水エタノール、1,3―ブチレングリコール、含水1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。好ましくは含水エタノール若しくは含水1,3−ブチレングリコール、より好ましくは水とエタノールの5〜95:95〜5の混合物(v/v)、水と1,3−ブチレングリコールの5〜95:95〜5の混合物(v/v)が使用できる。
抽出条件としては、約20〜70℃で0.1〜5時間抽出し、ろ過を行い、得られたろ液を80〜95℃で30分間の条件で加熱処理を行い冷却することが好ましい。
上記抽出物は、適宜、不活性な不純物を除去するため、例えば液々分液、固液分液、濾過膜、活性炭、吸着樹脂、イオン交換樹脂等の公知の分離・精製方法によって、更に精製してもよい。具体的には、抽出物末を上記抽出溶媒を用いて再度抽出することが挙げられる。
【0021】
上記の製造方法により得られた後発酵茶又はその抽出物は、抗酸化活性の一つの指標であるSOD活性を、後発酵茶固形分1g当り2,000units以上、好ましくは8,000units以上、より好ましくは9,000units以上、さらに好ましくは9,000〜500,000units有する。例えば、原料としての茶に緑茶を、Aspergillus oryzaeを用いて本発明の製造方法にて製造した後発酵茶は、SOD活性を、後発酵茶固形分1g当り9,000units以上を有している。
【0022】
本発明の後発酵茶又はその抽出物は、後記実施例に示すように優れたSOD活性を有することから、皮膚外用剤組成物、浴用剤組成物、食品組成物等における抗酸化剤として有用である。また、本発明の後発酵茶又はその抽出物は抗酸化活性及び抗紫外線ストレス活性を有するとともに、皮膚刺激が少なく、渋味も弱いことから、皮膚外用剤又は浴用剤に応用した場合、肌の老化防止効果、抗炎症効果、抗アレルギー効果、紫外線防御効果、紫外線暴露に起因する皮膚障害の防止効果等の機能が、食品に応用した場合、内臓脂肪低減効果、血糖値上昇抑制効果、糖尿病抑制効果、血圧上昇抑制効果等の機能、紫外線暴露に起因する皮膚障害の防止効果が、さらに、消臭剤としての機能が期待できる。
ここで、抗紫外線ストレス活性とは、紫外線照射により生じる細胞傷害に対する抑制活性をいう。また、紫外線暴露に起因する障害としては、紫外線暴露により生じる種々の皮膚疾患、例えば、光線過敏症等が挙げられる。
【0023】
本発明でいう皮膚外用剤とは、皮膚に適用しうる剤形のものであって、クリーム、化粧水、乳液、パック料、美容液、ファンデーション、パウダー、リップクリーム等の化粧料、抗炎症剤、抗真菌剤、鎮痛剤、抗掻痒剤、ステロイド剤等を含む医薬品・医薬部外品、シャンプー、リンス等の洗浄剤等を指す。
【0024】
皮膚外用剤組成物の形態としては特に限定されず、例えば、薬用又は/及び化粧品用の化粧水、乳液、クリーム、軟膏、ローション、オイル、パック等の基礎化粧料;洗顔料や皮膚洗浄料、マッサージ用剤、クレンジング用剤、除毛剤、脱毛剤、髭剃り処理料、アフターシェーブローション、プレショーブローション、シェービングクリーム、シャンプー剤、リンス剤、トリートメント剤、パーマネント剤、染毛料、整髪料、ヘアートニック剤、育毛・養毛料等が挙げられる。その他、消臭・防臭剤や衛生用品、衛生綿類、ウエットテッシュ等に応用できる。
これらの皮膚外用剤の調製にあたっては、水、界面活性剤、キレート剤、油剤、乳化剤、保湿剤、増粘剤、多価アルコール、アルコール類、美白剤、防腐剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、香料等を適宜配合することができる。
【0025】
浴用剤組成物の形態としては、粉末状、顆粒状、液状、ゲル状、錠剤状等が挙げられる。また、食品組成物の形態としては、アンプル状、カプセル状、丸剤状、錠剤状、粉末状、顆粒状、固形状、液状、ゲル状、気泡状等の他、各種食品中に配合することもできる。これらの組成物の調製にあたっては、賦形剤、結合剤、滑沢剤等を適宜配合することができる。
【0026】
また、皮膚外用剤、浴用剤及び食品への本発明後発酵茶又はその抽出物の配合量は、固形分(乾燥重量)換算で0.0001〜20重量%、0.01〜10重量%が好ましく、特に0.01〜5重量%が好ましい。
【実施例】
【0027】
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、本発明は以下の例によって限定されるものではない。
【0028】
[試験例1]
緑茶(荒茶)500gを100重量部としてそれぞれ0重量部、50重量部、70重量部、80重量部、100重量部、200重量部、300重量部、350重量部、400重量部、500重量部、700重量部の水を加え、混合後、密閉系で、80℃で60分間加熱殺菌を行った。30℃まで冷却後、該緑茶葉を、予め殺菌済みの培養・発酵槽に移し、厚み5cmになるように堆積し、Aspergillus oryzae IFO5238を植菌した。植菌後、30℃で7日間培養した後、乾燥させ、後発酵茶を得た。該後発酵茶に5,000mLの50%(体積/体積)エタノールを添加し、撹拌抽出を行った。ろ過により固液分離を行い、得られたろ液を固形分30%(重量/体積)まで濃縮し、80℃で30分間加熱処理を行い冷却して、後発酵茶抽出物を得た。該後発酵茶抽出物に関して、SOD Assay Kit−WST(同仁化学社製)を用いてSOD活性を測定し、後発酵茶固形分当たりに換算した。結果を表1に示す。
【0029】
SOD活性の測定は以下の通り行った。まず、試料となる後発酵茶抽出物を蒸留水で希釈し、0.075mg/mL、0.0375mg/mL、0.0075mg/mL、及び0.00375mg/mLになるようにサンプル溶液を調製した。このサンプル溶液を96well プレートの各wellに20μLずつ分注した。次に、SOD Assay Kit−WSTに同封されているTechnical Informationに従い調製したWST working solutionを200μLずつ加えよく混合した。さらに、SOD Assay Kit−WSTに付属のTechnical Informationに従い調整したEnzyme working solutionを20μLずつマルチチャンネルピペットにて加え、プレートリーダー中で37℃、20分間インキュベートし、450nmの波長で吸光度を測定した。尚、各々にはEnzyme working solutionの代わりに付属のDilution bufferを用いたブランクを設けた。さらに、サンプル溶液の代わりに蒸留水を用いたコントロール及びそのブランクを設けた。測定した吸光度から、「スーパーオキシド」と「WST−1」から「WST−1 formazan」が生成される反応の阻害率を求め、さらにサンプルのIC50値(単位:g/mL)を算出した。
また、サンプル溶液の代わりにSOD標準品を用い、SOD濃度と阻害率の関数にて検量線を作成した。作成した検量線から、SODのIC50値(単位:units/mL)を算出した。
上記の「サンプルのIC50値」及び「SODのIC50値」からサンプルのSOD活性を算出した。計算式は以下の通りである。
(サンプルのSOD活性 単位:units/g)=(SODのIC50値)÷(サンプルのIC50値)
【0030】
【表1】

【0031】
表1より、水添加量200〜500重量部の範囲で高いSOD活性を、300〜400重量部でより高いSOD活性を示すことがわかる。
【0032】
また、得られた後発酵茶抽出物を皮膚に塗布したところほとんど刺激性がなかった。また、味も渋味が低く良好であった。
【0033】
また、同様の方法で、従来から飲用されている後発酵茶のSOD活性を測定した結果を
表2に示す。
【0034】
【表2】

【0035】
表2より、本発明の後発酵茶が、従来の後発酵茶に比べて高いSOD活性を有することがわかる。
【0036】
[実施例1]
緑茶(荒茶)500gに、1,750mLの水を加え混合後、密閉系で、80℃で60分間加熱殺菌を行った。30℃まで冷却後、該緑茶を、予め殺菌済みの培養・発酵槽に移し、厚み4cmになるように堆積し、Aspergillus oryzae IFO5238を植菌した。植菌後、30℃で7日間培養・発酵させた。培養・発酵完了後、送風乾燥機にて乾燥させ、本発明の後発酵茶486gを得た。次いで、該後発酵茶に、5,000mLの水を添加し、50℃で1時間、撹拌抽出を行った。ろ過により固液分離を行い、得られたろ液を固形分30%まで濃縮し、80℃で30分間加熱処理を行い冷却して、後発酵茶水抽出物を得た。得られた後発酵茶水抽出物をフリーズドライヤーにて乾燥することで、後発酵茶水抽出物末を得た(108g)。得られた後発酵茶水抽出物末に関して、SOD Assay Kit−WSTを用いSOD活性を測定した結果、後発酵茶固形分1g当たり、20,062units(後発酵茶水抽出物末1g当たり80,238units)であった。得られた抽出物末は、渋味もなく、苦味もなく、皮膚刺激性もなく、良好であった。
【0037】
[実施例2]
緑茶(荒茶)500gに、2,500mLの水を加え混合後、密閉系で、80℃で60分間加熱殺菌を行った。30℃まで冷却後、該緑茶を、予め殺菌済みの培養・発酵槽に移し、厚み5cmになるように堆積し、Aspergillus oryzae IFO5238を植菌した。植菌後、30℃で7日間培養・発酵した。培養・発酵完了後、送風乾燥機にて乾燥させ、本発明の後発酵茶492gを得た。次いで、5,000mLの50%エタノール(以下50%EtOHという)を添加し、50℃で1時間、撹拌抽出を行った。ろ過により固液分離を行い、得られたろ液を固形分30%まで濃縮し、80℃で30分間加熱処理を行い、冷却して後発酵茶50%EtOH抽出物を得た。得られた後発酵茶50%EtOH抽出物をフリーズドライヤーにて乾燥することで、後発酵茶50%EtOH抽出物末を得た(110g)。得られた後発酵茶50%EtOH抽出物末に関して、SOD Assay Kit−WSTを用いSOD活性を測定した結果、後発酵茶固形分1g当たり、19,884units(後発酵茶50%EtOH抽出物末1g当たり90,384units)であった。得られた抽出物末は、渋味もなく、苦味もなく、皮膚刺激性もなく、良好であった。
【0038】
[実施例3]
収穫した直後の生茶葉(水分含量:78重量%)500gを水にて洗浄後、よく水をきり、密閉系で、80℃で60分間加熱殺菌を行った。30℃まで冷却後、該茶葉を、予め殺菌済みの培養・発酵槽に移し、厚み4cmになるように堆積し、Aspergillus oryzae IFO5238を植菌した。植菌後、30℃で7日間培養・発酵させた。培養・発酵完了後、送風乾燥機にて乾燥させ、本発明の後発酵茶93gを得た。次いで、該後発酵茶に、1,000mLの水を添加し、撹拌抽出を行った。ろ過により固液分離を行い、得られたろ液を固形分30%まで濃縮し、80℃で30分間加熱処理を行い、冷却して後発酵茶水抽出物を得た。得られた後発酵茶水抽出物をフリーズドライヤーにて乾燥することで、後発酵茶水抽出物末を得た(18g)。得られた後発酵茶水抽出物末に関して、SOD Assay Kit−WSTを用いSOD活性を測定した結果、後発酵茶固形分1g当たり、9,100units(後発酵茶水抽出物末1g当たり37,000units)であった。得られた抽出物末は、渋味もなく、苦味もなく、皮膚刺激性もなく、良好であった。
【0039】
[実施例4] 実施例2で得られた後発酵茶50%EtOH抽出物末100gに50%1,3−ブチレングリコール(以下50%BGという)を5,000g添加し、50℃で30分間抽出を行った。次いでろ過を行いろ液を得た。得られたろ液について精密ろ過を行い、50%BGにて後発酵茶抽出物固形分1%になるように希釈し、後発酵茶50%BG抽出物を得た。得られた後発酵茶50%BG抽出物に関して、SOD Assay Kit−WSTを用いSOD活性を測定した結果、抽出物1g当たり890units(固形分1g当たり89,000units)であった。得られた抽出物は、皮膚刺激性がなく、良好であった。
【0040】
[比較例1]
緑茶(荒茶)500gに、6,750mLの水を添加し撹拌抽出を行った。ろ過により固液分離を行い、得られたろ液を固形分30%(重量/体積)まで濃縮し、80℃で30分間加熱処理を行い冷却し、緑茶抽出物を得た。得られた緑茶抽出物をフリーズドライヤーにて乾燥することで、緑茶抽出物末を得た。得られた緑茶抽出物末に関して、SOD Assay Kit−WSTを用いSOD活性を測定した結果、緑茶固形分1g当たり、4,760units(緑茶抽出物末1g当たり19,800units)であった。ただし、この抽出物は渋味、苦味が強く、皮膚刺激性も強いものであった。
【0041】
[試験例2]抗紫外線ストレス試験
紫外線は皮膚を構成する細胞の中の一種である線維芽細胞にストレスを与える要因の一つである。そのストレスにより線維芽細胞にDNA損傷を起こし、8−OHdGの生成量を増加させる。紫外線A波(320nm〜400nm)は皮膚の表皮を通過し線維芽細胞の存在する真皮まで到達するので、紫外線A波をヒト正常線維芽細胞へ照射することにより細胞にストレスを与えることができる。
それゆえ、ヒト正常線維芽細胞を用いて、実施例2で得られた後発酵茶50%EtOH抽出物末の抗紫外線ストレス活性を、デオキシリボ核酸(以下DNAという)損傷マーカーである8−ヒドロキシデオキシグアノシン(以下8−OHdGという)を測定することにより検討した。
【0042】
ヒト正常線維芽細胞の培養条件は、以下の通りとした。
ヒト正常線維芽細胞は、10%ウシ胎児血清(シグマ社製)(以下FBSという)添加ダルベッコ改変イーグル培地(ナカライテスク社製)(以下DMEMという)を培地として使用し、CO2インキュベーター(5%CO2、37℃)内で、週2回の培地交換を行い、培養した。
【0043】
サンプル溶液の調製は、以下の通り行った。
実施例2で得られた後発酵茶50%EtOH抽出物末100mgを秤量し、10mLの増殖培地に完全に溶解させた。その後、0.2μm滅菌フィルターを用いて滅菌ろ過し、1%溶液とした。この1%溶液を増殖培地で希釈し、0.0001%、及び0.00005%のサンプル溶液を調製した。
【0044】
抗紫外線ストレス試験は、以下の通り行った。
ヒト正常線維芽細胞を10%FBS添加DMEMで3×105cells/mLに調製し、10mLを10cm dishに播種した(3×106cells/dish)。翌日、0.0001%及び0.00005%のサンプルを添加した10%FBS添加DMEM10mLと交換した。1時間培養後、紫外線A波を70分間照射した(紫外線A波強度:10J/cm2)。直ちに、培養上清を除去し、トリプシン処理により細胞をdishより剥し、ピペットにて細胞懸濁液を1.5mLエッペンドルフチューブに移した。
回収した細胞から、DNA Extractor WB Kit(和光純薬工業社製)を用いてDNAを次のように抽出した。
まず、1.5mLエッペンドルフチューブを遠心分離後、上清捨て、リン酸緩衝生理食塩水(以下PBSという)を加え混合し、遠心(3,000g、5分)後、上清を除去した。得られた細胞ペレットに、Lysis Solution(DNA Extractor WB Kitに付属)を1mL加え、Vortexにて撹拌後、遠心(10,000g、20秒)し、上清を除去した。上記操作を2回繰り返した後、Enzyme Reaction Solution(DNA Extractor WB Kitに付属)を200μLとProtease(DNA Extractor WB Kitに付属)を10μLを加えて混合し、37℃で1時間インキュベートした。その後、Sodium Iodide Solution(DNA Extractor WB Kitに付属)を300μL加えて混合し、更にイソプロピルアルコール(和光純薬工業社製)0.5mLを加えて、白い綿状のDNAが完全に見えてくるまで静置した。遠心(10,000g、10分)後、上清を除去し、得られたDNAに洗浄液(A)(DNA Extractor WB Kitに付属)を1mL加え混合し、遠心(10,000g、5分)した後、上清を除去し、更に洗浄液(B)(DNA Extractor WB Kitに付属)を1mL加え混合し、遠心(10,000g、5分)した後、上清を除去し、沈殿物(DNA)を軽く減圧乾燥した後、50μLの滅菌超純水に溶解した(DNA水溶液)。
次に、50μLのDNA水溶液に、200mM酢酸ナトリウム(pH4.8)を5.5μL、1mg/mLに超純粋にて濃度を調製したnuclease P1(和光純薬工業社製)水溶液を5.5μL(2units)加え、37℃で1時間インキュベートした。更に、Tris−HCl(1M、pH7.4)を5.5μL、Alkaline phosphatase(タカラ社製)を1μL(2units)添加し、37℃にて更に1時間インキュベートしDNAを加水分解した。DNA加水分解液の260nm、280nm、320nmにおける吸光度を分光光度計で測定し、DNA水溶液の濃度、純度をチェックした。
最後に、DNA加水分解液中に含まれる8−OHdGを、高感度8−OHdG check(日本老化制御研究所製)を用いたELISAにより測定した。
50μLのDNA加水分解水溶液(約20〜30μg)を、8−OHdGを固相化しているマイクロプレート用モジュール(高感度8−OHdG checkに付属)のウェルに分注した。続いて各ウェルに、8−OHdGと特異的に反応するモノクローナル抗体である第一抗体溶液(高感度8−OHdG checkに付属)を50μLずつ添加し、プレートを左右に振動させ、よく混合した。4℃で一晩反応させた後、ウェルから反応液を捨て、洗浄液(高感度8−OHdG checkに付属)で洗浄した。次に、各ウェルにモノクローナル抗体と結合する酵素標識抗体である第二抗体溶液(高感度8−OHdG checkに付属)を100μLずつ分注し、よく混合した。常温で1時間反応後、ウェルから反応液を捨て、洗浄液(高感度8−OHdG checkに付属)で洗浄した。各ウェルに反応停止液(高感度8−OHdG checkに付属)を100μL加え、反応を停止させた。マイクロプレートリーダーを使用して450nmにおける各ウェルの吸光度を測定した。
【0045】
抗紫外線ストレス試験の結果は図1に示す。
サンプル溶液で培養後、紫外線A波照射処理した細胞のDNAにおける8−OHdG生成量を、サンプル溶液無添加で紫外線A波照射処理した陰性コントロールのそれと比較したところ、サンプル溶液は紫外線A波照射に対する抗紫外線ストレス活性を有していることが示唆された。特に、0.0001%においては、サンプル無添加で紫外線A波無照射のブランクと近い値となり、最も抗紫外線ストレス活性を示した。
以上より、後発酵茶抽出物は、紫外線A波に対する抗紫外線ストレス活性があると判断した。
【0046】
以下に上述の実施例品を用いた配合例を示すが、各々の配合例は各製品の製造における常法により製造したもので、配合量のみを記した。また、単位は%(重量/重量)で記す。
【0047】
[配合例1]皮膚外用剤組成物(ローション)
後発酵茶50%BG抽出物(実施例4) 5.0
エタノール 15.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
防腐剤 0.1
精製水 79.8
【0048】
[配合例2]皮膚外用剤組成物(乳液)
後発酵茶50%BG抽出物(実施例4) 5.0
ステアリン酸 0.2
セタノール 1.5
ワセリン 3.0
流動パラフイン 7.0
POE(10)モノオレイン酸エステル 1.5
酢酸トコフェロール 0.2
グリセリン 5.0
トリエタノールアミン 0.1
防腐剤 0.1
精製水 76.4
【0049】
[配合例3]皮膚外用剤組成物(透明化粧水)
後発酵茶50%BG抽出物(実施例4) 5.0
1,3−ブチレングリコール 6.0
グリセリン 4.0
オレイルアルコール 0.1
POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 0.5
POE(15)ラウリルアルコールエーテル 0.5
エタノール 10.0
香料 適量
色剤 適量
防腐剤 適量
褐色防止剤 適量
緩衝剤 適量
精製水 100とする残余
【0050】
[配合例4]皮膚外用剤組成物(柔軟化粧水)
後発酵茶50%BG抽出物(実施例4) 0.5
ソルビット 4.0
ジプロピレングリコール 6.0
PEG 1500 5.0
POE(20)オレイルアルコールエーテル 0.5
メチルセルロース 0.2
クインスシード 0.1
エタノール 10.0
香料 適量
色剤 適量
防腐剤 適量
キレート剤 適量
褐色防止剤 適量
緩衝剤 適量
精製水 100とする残余
【0051】
[配合例5]皮膚外用剤組成物(半透明マイクロエマルション化粧水)
後発酵茶50%BG抽出物(実施例4) 5.0
1,3−ブチレングリコール 6.0
グリセリン 5.0
PEG 4000 3.0
オリーブ油 0.5
POE(20)ソルビタンモノステアリン酸エステル 1.5
POE(5)オレイルアルコールエーテル 0.3
エタノール 10.0
香料 適量
色剤 適量
防腐剤 適量
緩衝剤 適量
褐色防止剤 適量
精製水 100とする残余
【0052】
[配合例6]皮膚外用剤組成物(収斂化粧水)
後発酵茶50%BG抽出物(実施例4) 5.0
ジプロピレングリコール 1.0
ソルビット 1.0
POE(20)オレイルアルコールエーテル 1.0
スルホ石炭酸亜鉛 0.2
クエン酸 0.1
エタノール 15.0
香料 適量
防腐剤 適量
緩衝剤 適量
色剤 適量
褐色防止剤 適量
精製水 100とする残余
【0053】
[配合例7]皮膚外用剤組成物(エモリエントローション)
後発酵茶50%BG抽出物(実施例4) 5.0
ステアリン酸 2.0
セチルアルコール 1.5
ワセリン 4.0
スクワラン 5.0
グリセロールトリ−2−エチルヘキサン酸エステル 2.0
ソルビタンモノオレイン酸エステル 2.0
ジプロピレングリコール 5.0
PEG 1500 3.0
トリエタノールアミン 1.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 100とする残余
【0054】
[配合例8]皮膚外用剤組成物(シャンプー)
後発酵茶50%BG抽出物(実施例4) 5.0
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 5.0
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン
3.0
ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム 2.0
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 2.0
2−アルキルーN―カルボキシメチルーN―ヒドロキシエチルイ
ミダゾリニウムベタイン 2.0
ポリオキシエチレンラウリルエーテル 1.0
ジステアリン酸エチレングリコール 3.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 1.0
メチルポリシロキサン 0.5
ジイソステアリン酸ポリグリセリル 2.0
混合植物抽出液(10) 0.5
加水分解ケラチン末 0.3
アスコルビン酸ナトリウム 0.1
ピロクトンオラミン 0.5
メチルパラベン 0.3
塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体
0.1
塩化O−(2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル)
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
センサマーCI−50 3.0
精製水 100とする残余
【0055】
[配合例9]浴用剤組成物(粉末タイプ)
後発酵茶水抽出物末(実施例1) 1.0
硫酸ナトリウム 49.5
炭酸水素ナトリウム 49.5
【0056】
[配合例10]浴用剤組成物(錠剤タイプ)
後発酵茶水抽出物末(実施例1) 1.0
硫酸ナトリウム 44.6
炭酸水素ナトリウム 14.7
コハク酸 21.7
滑沢剤 適量
色剤 適量
香料 適量
【0057】
[配合例11]食品組成物(あめ)
後発酵茶水抽出物末(実施例1) 0.2
砂糖 50.0
水飴 33.0
クエン酸 2.0
香料 0.2
水 14.6
【0058】
[配合例12]食品組成物(茶飲料(1))
後発酵茶水抽出物末(実施例1) 0.3
緑茶抽出物 0.7
ビタミンC 0.1
水 98.9
【0059】
[配合例13]食品組成物(茶飲料(2))
後発酵茶水抽出物末(実施例1) 1.0
ビタミンC 0.1
水 98.9
【0060】
【表3】

【0061】
【表4】

【0062】
【表5】

【0063】
【表6】

【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】後発酵茶50%EtOH抽出物(実施例2)における紫外線A波照射後の細胞から抽出したDNA中の8−OHdG量を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Camellia sinensis種由来の茶に、茶乾燥重量100重量部に対して110重量部以上の水を加え、糸状菌を接種して生育せしめることにより得られる、スーパーオキシドジスムターゼ(Superoxide Dismutase)活性を固形分換算で2,000units/g以上を有する後発酵茶。
【請求項2】
Camellia sinensis種由来の茶に、茶乾燥重量100重量部に対して110重量部以上の水を加え、糸状菌を接種し、生育せしめることを特徴とする、スーパーオキシドジスムターゼ(Superoxide Dismtuase)活性を固形分換算で2,000units/g以上を有する後発酵茶の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の後発酵茶から、水、エタノール、含水エタノール、1,3−ブチレングリコール及び含水1,3−ブチレングリコールからなる群より選択される1種又は2種以上の抽出溶媒を用いて抽出した後発酵茶抽出物。
【請求項4】
請求項1記載の後発酵茶から、水、エタノール、含水エタノール、1,3−ブチレングリコール及び含水1,3−ブチレングリコールからなる群より選択される1種又は2種以上の抽出溶媒を用いて抽出することを特徴とする後発酵茶抽出物の製造方法。
【請求項5】
請求項3記載の後発酵茶抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤組成物。
【請求項6】
請求項3記載の後発酵茶抽出物を含有することを特徴とする浴用剤組成物。
【請求項7】
請求項1記載の後発酵茶又は請求項3記載の後発酵茶抽出物を含有することを特徴とする食品組成物。
【請求項8】
請求項3記載の後発酵茶抽出物を含有することを特徴とする抗酸化剤。
【請求項9】
請求項1記載の後発酵茶又は請求項3記載の後発酵茶抽出物を含有することを特徴とする紫外線防御剤。
【請求項10】
紫外線暴露に起因する皮膚障害を防止するものである請求項9記載の紫外線防御剤。

【図1】
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【公開番号】特開2008−212136(P2008−212136A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−157494(P2007−157494)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(000210067)池田食研株式会社 (35)
【Fターム(参考)】