説明

急激な金属−絶縁体遷移を行うウェーハ、その熱処理装置及びこれを利用した熱処理方法

急激な金属−絶縁体遷移を行う基板と、基板上に電気伝導度及び熱伝導性の良好なペーストでコーティングまたは蒸着された金属層と、を備える金属−絶縁体遷移を行うウェーハである。これにより、ヒータや基板ホルダーに直接接着せず、直径の大きいウェーハを量産しうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、急激な金属−絶縁体遷移を行うウェーハとその熱処理装置及び熱処理方法に係り、急激な金属−絶縁体遷移を行うウェーハと前記ウェーハを大量で均一に熱処理する装置及びそれを利用した熱処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、相遷移物質を利用したメモリ素子についての研究及び開発が活発に進められている。相遷移物質を利用したメモリ素子のうち、高温で起きる結晶相と非晶質相との構造的な相変化を利用した相変化メモリ(Phase Change Memory:PCM)素子がある。このような相変化メモリ素子は、構造的な相変化を利用するので、メモリ素子として適用されるが、他の分野、例えば、スイッチング素子として使用するには適していない。その理由は、構造的相変化による原子の位置変化によって、速いスイッチング速度が具現できないためである。
【0003】
これを解決するために、急激な金属−絶縁体遷移物質を利用した急激な金属−絶縁体遷移素子が特許文献1に開示されている。急激な金属−絶縁体遷移物質は、モット−ブリンクマン−ライス絶縁体に低濃度の正孔を添加することによって、絶縁体から金属への遷移が連続的でない、急に起きる特性を有する物質である。低濃度の正孔添加による正孔誘導金属−絶縁体理論は、非特許文献1またはhttp://xxx.lanl.gow/abs/cond−mat/0110112で提案されたことがある。
【0004】
急激な金属−絶縁体遷移物質の製造方法は、例えば、スパッタリング法、レーザ蒸着法、ゾル−ゲル法及び原子層蒸着法など多様に開発されてきた。一方、バナジウム酸化物、特に、VOは、結晶性に優れ、急激な金属−絶縁体遷移を行う代表的な物質と知られている。しかし、VOを薄膜形態に大量製造するには、まだ不足な点が多い。それは、バナジウム酸化物は、色々な相が存在し、VO薄膜を製造するための酸素量の調節が非常に難しいためである。これにより、VOの薄膜を製造するために、酸素量の調節と共に、結晶性を向上するための熱処理方法が必須的である。
【0005】
通常的に、VO薄膜を製造する方法はまず、相対的に酸素が多く、容易に製造されるバナジウム酸化物、例えば、V薄膜を液体銀ペーストの塗布されたヒータまたは基板ホルダーに付着する。次いで、ヒータを利用して、V薄膜に熱を加えてVに含まれた酸素を除去し、VO薄膜を形成する。しかし、前記方法は、小さなサイズのVO薄膜、例えば、2×2cmを形成するに適している。それは、前記サイズのVO薄膜は、熱処理の完了後に、容易にヒータや基板ホルダーから取り離すことが容易であるためである。
【0006】
しかし、直径が少なくとも2inch以上のウェーハ状のVO薄膜を液体銀ペーストから取り離すことが容易でない。すなわち、取り離す過程でVO薄膜に残留応力が発生するか、ひいては破れることもある。これにより、液体銀ペーストに接着せず、VO薄膜を量産できる方法が要求されている。
【特許文献1】米国特許第6,624,463号明細書
【非特許文献1】Hyun−Tak Kim、“New Trends in Superconductivity”[NATO Science Series Vol II/67(Kluwer、2002)p137]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、ヒータや基板ホルダーに直接接着せず、直径の大きいウェーハを量産できる急激な金属−絶縁体遷移を行うウェーハ及びその熱処理装置を提供することである。
【0008】
また、本発明が解決しようとする他の技術的課題は、前記熱処理装置を利用して急激な金属−絶縁体遷移を行う薄膜の熱処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を達成するための本発明によるウェーハは、急激な金属−絶縁体遷移を行う基板と、前記基板上に電気伝導度及び熱伝導性が良好であり、ペーストでコーティングされるか、または薄膜で蒸着された金属層と、を備える。
【0010】
前記課題を達成するための本発明による熱処理装置は、一面に熱的に不透明な膜が覆われ、急激な金属−絶縁体遷移を行うウェーハに熱を加えるヒータを備える。前記ヒータの上面のエッジに沿って形成され、前記ウェーハを固定させるための複数の固定手段を備える。
【0011】
前記不透明な膜は、熱を吸収し、吸収された前記熱が自体的に均一に伝導される膜であり、金属薄膜または金属を含むペーストで形成される。前記不透明な膜は、Li、Be、C、Na、Mg、Al、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Ti、Pb、Bi、Po、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Th、U、Np、Pu及びこれらの合金及びこれらの酸化物で形成された多層膜でありうる。
【0012】
本発明の前記固定手段は、前記ヒータの上面のエッジに固定され、回転力によって昇降するねじ状のボディと、前記回転力を付与できるハンドルとで形成される。前記固定手段は、前記ヒータの上面のエッジに固定され、弾性力を有する弾性体でありうる。
【0013】
前記ウェーハは、急激な金属−絶縁体遷移を行う物質は、半導体元素(III−V族化合物、II−VI族化合物)、遷移金属元素、希土類元素及びランタン系元素を少なくとも一つ含む、低濃度の正孔が添加されたp型無機物化合物半導体及び絶縁体、低濃度の正孔が添加されたp型有機物半導体及び絶縁体またはこれらの酸化物の基板を備えうる。
【0014】
前記ヒータと前記固定手段との間には、前記ウェーハのエッジに沿って覆いつつ、前記ヒータの上面のエッジに沿って置かれるリング状の固定板をさらに備えうる。
【0015】
前記他の課題を達成するための本発明による熱処理方法はまず、急激な金属−絶縁体遷移を行う基板を準備する。次いで、前記基板の一面に熱的に不透明な膜を覆ってウェーハを形成する。前記不透明な膜が露出されるように、前記ウェーハを複数の固定手段を利用して、ヒータに固定する。前記ウェーハに熱を加える。
【0016】
前記不透明な膜は、前記基板の一面に金属薄膜を蒸着するか、または金属を含むペーストをコーティングして形成しうる。このとき、前記熱は、赤外線によって発生しうる。
【発明の効果】
【0017】
本発明による熱処理装置及び方法によれば、熱的に不透明な膜が覆われ、急激な金属−絶縁体遷移を行うウェーハに、複数の固定手段によって固定させたヒータを利用して熱を加えることにより、ヒータや基板ホルダーに直接接着せず、直径の大きいウェーハを量産しうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付された図面を参照しつつ、本発明の望ましい実施例を詳細に説明する。後述される実施例は、色々な他の形態に変形され、本発明の範囲は、後述される実施例に限定されるものではない。本発明の実施例は、当業者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものである。実施例全体にわたって、同じ参照符号は、同じ構成要素を表す。
【0019】
急激な金属−絶縁体遷移を行う薄膜を熱処理する理由は、多様に存在しうる。例えば、前記薄膜に含まれた一部成分の量を調節することもあり、薄膜の内部に存在する欠陥を除去することもある。本発明の実施例では、VO薄膜を、例えば、酸素量を調節するための熱処理装置及び方法を提示したが、これに限定せず、多様な理由で熱処理を行える。
【0020】
本発明の実施例では、バナジウム酸化膜に含まれた酸素量を調節するためのものであり、例えば、V薄膜で酸素を除去してVO薄膜を製造する装置及び方法を開示する。前記V薄膜を液体銀ペーストによってヒータや基板ホルダーに接着せず、酸素を取り出すことは非常に難しい。一般的に、バルク状のセラミックのような物質は、真空中に温度を上げれば、酸素が欠ける。
【0021】
しかし、直径が少なくとも2インチ以上のウェーハである場合には、温度を上げても酸素量をほとんど調節できない。それは、ウェーハが透明であっても不透明であっても、ウェーハに加えられた熱がウェーハに留まらずに外部に放出されるためである。
【0022】
図1は、本発明の実施例による基板100に不透明な膜102が塗布されたウェーハ104を示す斜視図である。図1を参照すれば、基板100は、急激な金属−絶縁体遷移を行う物質、例えば、半導体元素(III−V族化合物、II−VI族化合物)、遷移金属元素、希土類元素及びランタン系元素を少なくとも一つを含む低濃度の正孔が添加されたp型無機物化合物半導体及び絶縁体、低濃度の正孔が添加されたp型有機物半導体及び絶縁体またはこれらの酸化物でありうる。
【0023】
基板100の一面には、熱的に不透明な膜102が覆われる。ここで、熱的に不透明であるというのは、相対的に熱を透過させず、吸収された熱を自体に均一に伝導することを称す。不透明な膜102は、吸収された熱を均一に分散させる熱伝導性膜である。すなわち、不透明な膜102は、ヒータ200(図2A)から供給された熱を受容して、基板100に熱を均一に分散させて均一な熱処理を誘導する。
【0024】
本発明の実施例による不透明な膜102は、金属薄膜または金属を備えるペーストで形成される。例えば、不透明な膜102は、Li、Be、C、Na、Mg、Al、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Ti、Pb、Bi、Po、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Th、U、Np、Pu及びこれらの合金及びこれらの酸化物で形成された多層膜でありうる。
【0025】
図2Aは、本発明の実施例による熱処理装置を示す斜視図であり、図2Bは、図2Aの2B−2B線による断面図であり、図2Cは、図2Aの固定板204を説明するための平面図である。
【0026】
図2Aないし図2Cを参照すれば、熱処理装置は、ウェーハ104に熱を加えるヒータ200及びヒータ200の上面のエッジに沿って形成されてウェーハ104を固定させるための複数の固定手段206を備える。固定手段206は、図示したように、ヒータ200の上面のエッジに固定されて回転力によって昇降するねじ状のボディと、回転力を付与できるハンドルとで形成される、すなわち、固定手段206は、固定溝208に沿って昇降する。また、図示されていないが、固定手段206は、ヒータ200の上面のエッジに固定され、弾性力を有する弾性体で形成される。
【0027】
ヒータ200は、ウェーハ104を載置させるために、上面の内側に所定の深さほどリセスされた領域210を備えうる。リセスされた領域210は、ウェーハ104で発生するガス、例えば、酸素が排出されるようにリセスされた領域210の側壁とウェーハ104との間に空間が形成されるほどの直径を有しうる。また、ヒータ200と固定手段206との間には、リセスされた領域210に載置されたウェーハ104のエッジに沿って覆いつつ、ヒータ200の上面のエッジに沿って置かれるリング状の固定板204を配しうる。202は、ヒータ200に熱を発生させるための、例えば、電圧を印加する導線である。
【0028】
図3は、本発明の実施例による熱処理方法を示すフローチャートである。
【0029】
図3を参照すれば、熱処理する方法は、まず、急激な金属−絶縁体遷移を行う基板100を準備する(S10)。基板100は、バナジウム酸化物、特にVOで形成される。次いで、基板100の一面に熱的に不透明な膜102を覆う(S20)。不透明な膜102は、基板100の一面に金属薄膜を蒸着するか、または金属を含むペーストをコーティングして形成しうる。不透明な膜102が覆われた基板100をウェーハ104と称す。不透明な膜102が露出されるように、ウェーハ104を複数の固定手段106を利用してヒータ200に固定する(S30)。必要な場合、ヒータ200に別途の基板ホルダー(図示せず)を設置しうる。次いで、ウェーハ104に熱を加える(S40)。このとき、熱は、赤外線によって発生しうる。熱処理が終わったウェーハ104は、不透明な膜102を適切な化学溶液を利用して除去するか、または除去せずに後続工程を行える。
【0030】
図4は、図3の熱処理方法を経たVO薄膜の温度による抵抗の変化を示すグラフである。
【0031】
図4を参照すれば、VO薄膜の温度による抵抗は、約340K以下では絶縁体特性を示し、約340Kの近くで急激に抵抗が変わる。約340Kの近くで約105Ωに近接した抵抗が350Kの近くで102Ω以下に急激に落ちる。すなわち、本発明の熱処理方法を適用すれば、金属−絶縁体遷移特性が優秀であり、直径が少なくとも2インチ以上である大径ウェーハが得られる。
【0032】
以上、本発明は、望ましい実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で当業者によって色々な変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による基板に不透明な膜が塗布されたウェーハを示す斜視図である。
【図2A】本発明による熱処理装置を示す斜視図である。
【図2B】図2Aの2B−2B線による断面図である。
【図2C】図2Aの固定板を説明するための平面図である。
【図3】本発明の実施例による熱処理方法を示すフローチャートである。
【図4】図3の熱処理方法を経たVO薄膜の温度による抵抗の変化を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
急激な金属−絶縁体遷移を行う基板と、
前記基板上に電気伝導度及び熱伝導性の良好なペーストでコーティングまたは蒸着された金属層と、を備えることを特徴とする金属−絶縁体遷移を行うウェーハ。
【請求項2】
前記金属層は、Li、Be、C、Na、Mg、Al、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Ti、Pb、Bi、Po、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Th、U、Np、Pu、Oなどの元素を含むか、または前記元素で構成された多層薄膜あるいは合金あるいは化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の金属−絶縁体遷移を行うウェーハ。
【請求項3】
一面に熱的に不透明な膜が覆われ、急激な金属−絶縁体遷移を行うウェーハに熱を加えるヒータと、
前記ヒーターの上面のエッジに沿って形成され、前記ウェーハを固定させるための複数の固定手段と、を備えることを特徴とする金属−絶縁体遷移を行うウェーハの熱処理装置。
【請求項4】
前記不透明な膜は、熱を吸収し、吸収された熱が自体に均一に伝導されることを特徴とする請求項3に記載の金属−絶縁体遷移を行うウェーハの熱処理装置。
【請求項5】
前記不透明な膜は、金属薄膜または金属を含むペーストで形成されたことを特徴とする請求項3に記載の金属−絶縁体遷移を行うウェーハの熱処理装置。
【請求項6】
前記不透明な膜は、Li、Be、C、Na、Mg、Al、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Ti、Pb、Bi、Po、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Th、U、Np、Pu及びこれらの合金及びこれらの酸化物で形成された多層膜であることを特徴とする請求項3に記載の金属−絶縁体遷移を行うウェーハの熱処理装置。
【請求項7】
前記固定手段は、前記ヒータの上面のエッジに固定され、回転力によって昇降するねじ状のボディと、前記回転力を付与できるハンドルとで形成されたことを特徴とする請求項3に記載の金属−絶縁体遷移を行うウェーハの熱処理装置。
【請求項8】
前記固定手段は、前記ヒータの上面のエッジに固定され、弾性力を有する弾性体で形成されたことを特徴とする請求項3に記載の金属−絶縁体遷移を行うウェーハの熱処理装置。
【請求項9】
前記ウェーハは、急激な金属−絶縁体遷移を行う物質は、半導体元素(III−V族化合物、II−VI族化合物)、遷移金属元素、希土類元素及びランタン系元素を少なくとも一つ含む、低濃度の正孔が添加されたp型無機物化合物半導体及び絶縁体、低濃度の正孔が添加されたp型有機物半導体及び絶縁体またはこれらの酸化物の基板を含むことを特徴とする請求項3に記載の金属−絶縁体遷移を行うウェーハの熱処理装置。
【請求項10】
前記基板は、バナジウム酸化物で形成されたことを特徴とする請求項3に記載の金属−絶縁体遷移を行うウェーハの熱処理装置。
【請求項11】
前記ヒータは、前記ウェーハを定着させるために上面の内側に所定の深さほどリセスされた領域を含むことを特徴とする請求項3に記載の金属−絶縁体遷移を行うウェーハの熱処理装置。
【請求項12】
前記リセスされた領域は、前記ウェーハで発生するガスが排出されるように、前記リセスされた領域の側壁と前記ウェーハとの間に空間が形成されるほどの直径を有することを特徴とする請求項11に記載の金属−絶縁体遷移を行うウェーハの熱処理装置。
【請求項13】
前記ヒータと前記固定手段との間には、前記ウェーハのエッジに沿って覆いつつ、前記ヒータの上面のエッジに沿って置かれるリング状の固定板をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の金属−絶縁体遷移を行うウェーハの熱処理装置。
【請求項14】
急激な金属−絶縁体遷移を行う基板を準備するステップと、
前記基板の一面に熱的に不透明な膜を覆ってウェーハを形成するステップと、
前記不透明な膜が露出されるように前記ウェーハを複数の固定手段を利用してヒーターに固定するステップと、
前記ウェーハに熱を加えるステップと、を含む金属−絶縁体遷移を行うウェーハの熱処理方法。
【請求項15】
前記不透明な膜は、前記ウェーハの一面に金属薄膜を蒸着するか、または金属を含むペーストをコーティングして形成することを特徴とする請求項14に記載の金属−絶縁体遷移を行うウェーハの熱処理方法。
【請求項16】
前記不透明な膜は、Li、Be、C、Na、Mg、Al、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Ti、Pb、Bi、Po、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Th、U、Np、Pu及びこれらの合金及びこれらの酸化物で形成された多層膜であることを特徴とする請求項14に記載の金属−絶縁体遷移を行うウェーハの熱処理方法。
【請求項17】
前記基板は、急激な金属−絶縁体遷移を行う物質は、半導体元素(III−V族化合物、II−VI族化合物)、遷移金属元素、希土類元素及びランタン系元素を少なくとも一つ含む、低濃度の正孔が添加されたp型無機物化合物半導体及び絶縁体、低濃度の正孔が添加されたp型有機物半導体及び絶縁体またはこれらの酸化物であることを特徴とする請求項14に記載の金属−絶縁体遷移を行うウェーハの熱処理方法。
【請求項18】
前記熱は、赤外線によって発生することを特徴とする請求項14に記載の金属−絶縁体遷移を行うウェーハの熱処理方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2009−503842(P2009−503842A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523790(P2008−523790)
【出願日】平成18年7月4日(2006.7.4)
【国際出願番号】PCT/KR2006/002605
【国際公開番号】WO2007/055453
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(596099882)エレクトロニクス アンド テレコミュニケーションズ リサーチ インスチチュート (179)
【氏名又は名称原語表記】ELECTRONICS AND TELECOMMUNICATIONS RESEARCH INSTITUTE
【Fターム(参考)】