説明

恒温型の水晶発振器

【課題】水晶振動子の動作温度を直接的に検出してリアルタイムな温度制御を容易にした恒温型発振器を提供する。
【解決手段】第1電源端子21Vccを外底面に有する容器本体と、前記容器本体に密閉封入された水晶片を有する水晶振動子と、前記容器本体に収容されて発振回路を形成するICチップとを有する表面実装発振器15と、前記水晶振動子の加熱抵抗4h及び温度センサ4thを有する温度制御回路3と、これらを配設して第2電源端子8Vccを有する回路基板5とを備え、前記加熱抵抗4h及び前記温度センサ4thの一端は前記第2電源端子8Vccに電気的に接続した恒温型の水晶発振器であって、前記第1電源端子21Vccは前記第2電源端子8Vccに電気的に接続し、前記第1電源端子21Vccと少なくとも前記温度センサ4thの一端とは導電路14によって電気的に直接に接続した構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加熱源をチップ抵抗からなる加熱抵抗とした恒温型の水晶発振器(以下、恒温型発振器とする)を技術分野とし、特に水晶振動子の動作温度をリアルタイムに検出する恒温型発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
恒温型発振器は水晶振動子の動作温度を一定にすることから、これに起因した水晶発振器の周波数温度特性を平坦にする。したがって、例えば0.1ppm(1/1000万)以下やppb(1/10億)オーダでの周波数安定度の求められる基地局等の通信設備(無線装置)に適用される。このようなもの一つに、表面実装用の水晶発振器(以下、表面実装発振器とする)を用いて恒温型発振器としたものがある(特許文献1)。
【0003】
第6図及び第7図は一従来例を説明する図で、第6図(a)は恒温型発振器の断面図、同図(b)は概略の同回路図、第7図は表面実装振動子の断面図、同図(b)は同底面図である。
【0004】
恒温型発振器(第6図)は表面実装振動子1と、発振回路2を形成する発振部2a及び温度制御回路3を形成する各回路素子4と、これらを配設する回路基板5とを有する。そして、ガラス6によって気密化された発振器用ベース7のリード線8によって回路基板5を保持し、抵抗溶接等によって発振器用カバー9を被せてなる。但し、発振器用ベース7及び発振器用カバー9からなる発振器用容器には種々の形態があり、必要に応じて選択される。
【0005】
表面実装振動子1(第7図)は例えば凹状とした容器本体10に水晶片1Aを収容して、金属カバー11によって開口端面の金属リング10aにシーム溶接等によって封止する。容器本体10は例えば積層セラミックからなり、容器本体10の内壁段部に水晶片1Aの図示しない引出電極の延出した一端部両側が固着される水晶保持端子19を有する。符号20は導電性接着剤である。
【0006】
そして、外底面の例えば一組の対角部に水晶片1Aと電気的に接続する実装端子12としての水晶端子12aを有し、他組の対角部にダミー端子12bを有する。ダミー端子12bは金属カバー11と例えば貫通電極14等を含む導電路によって電気的に接続し、通常ではアース電位に接地される。
【0007】
水晶片1Aは例えばSCカットやATカットとし、いずれのカットの場合でも、常温25℃以上の高温側となる80℃近傍に極値を有し、温度よって振動周波数が変化する周波数温度特性を有する。例えばATカットでは三次曲線(第8図の曲線イ)となり、SCカットでは二次曲線(同図の曲線ロとする)となる。なお、図の縦軸は周波数偏差Δf/fで、fは常温での周波数、Δfは常温での周波数fに対する周波数差である。
【0008】
発振回路2(前第6図)は、表面実装振動子1とともに共振回路を形成する図示しない分圧コンデンサやこれを増幅帰還する発振用トランジスタ等の発振部2aを有して所謂コルピッツ型とする。ここでは、例えば発振ループ内に電圧可変容量素子4Cvを有する電圧制御型とする。図中のVccは電源、Voutは出力、Vgndはグランド(アース)VcはAFC電圧等の制御電圧であり、各リード線8を経て接続する。また、電源Vccは発振回路2及び温度制御回路に共通とする。
【0009】
温度制御回路3は、オペアンプ4OAの一方の入力端に温度センサ4th(例えばサーミスタ)4thと抵抗4R1による温度感応電圧Vtを、他方の入力端に抵抗4R2、4R3による基準電圧Vrを印加する。そして、基準電圧Vrと温度感応電圧Vtとの差電圧をパワートランジスタ4Trのベースに印加し、発熱素子としてのチップ抵抗(以下、加熱抵抗4hとする)4hへ電源Vccからの電力を供給する。これにより、温度センサ4thの温度に依存した抵抗値によって加熱抵抗4hへの電力を制御し、表面実装振動子1の動作温度を一定にする。動作温度は例えば常温以上での極小値又は極大値となる80℃近傍とする(前第7図)。
【0010】
回路基板5は図示しない回路パターンが形成され、表面実装振動子1を含む各回路素子4が両主面に配設される。この例では、表面実装振動子1と、温度補償回路のうちの加熱抵抗4h、パワートランジスタ4Tr及び温度センサ4thとが回路基板5の下面に配設される。表面実装振動子1は中央領域として、加熱抵抗4hが、パワートランジスタ4Tr及び温度センサ4thはその外周に配設される。
【0011】
但し、ここでは、温度に依存して特性の変化が大きい電圧可変容量素子4Cvが表面実装振動子1の外周に配設される。これらの表面実装振動子1及びこれらの回路素子(4t、4Tr、4th、4cv)は熱伝導性樹脂13によって覆われる。あるいは、表面実装振動子1及びこれらの回路素子(4t、4Tr、4th、4Cv)間に熱伝導性樹脂13を充填して熱的に結合する。
【0012】
そして、これら以外の発振出力回路2及び温度補償回路の回路素子4が回路基板5の上面に配設される。この場合、例えば発振周波数の調整用コンデンサ等は回路基板5の上面に配設され、調整を容易にする。そして、特に、発振周波数に影響を及ぼす発振段2aの各回路素子4は熱伝導性樹脂13で覆われた領域に対向した回路基板5の上面に配置される。
【特許文献1】特開2006−311496号公報
【特許文献2】US7253694B2号公報
【特許文献3】US2007/0268079A1号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成の恒温型発振器では、加熱抵抗4hと水晶振動子1とを熱伝導性樹脂13によって熱的に結合するものの、熱伝導性樹脂13の熱伝導率は、回路パターンとしての導電路例えば金(Au)や銅(Cu)等の金属に比較して1/100以下であり、水晶振動子に対する伝熱効率に劣る問題があった。ちなみに、熱伝導性樹脂13例えばKE−3467の熱伝導率は2.4であり、導電路としてのAuは319、Cuは403となる。
【0014】
これに対し、温度制御回路3の加熱抵抗4hと温度センサ4thとはいずれも一端側を電源(Vcc)側とし、第9図(回路パターン)に示したように回路基板5の導電路14によって電気的に直接に接続する。したがって、加熱抵抗4hによる発熱温度は熱伝導率の高い導電路(金属、Au)を経て直接的に温度センサ4thに伝熱され、両者の温度は一致(接近)する。
【0015】
一方、温度制御回路2と発振回路3とはこれらの電源Vccを同一として接続しても、加熱抵抗4hと表面実装振動子1の水晶端子12aとは発振回路2を経て電気的に接続する。したがって、加熱抵抗4hによる発熱温度は発振部2aの回路素子4によって吸熱され、表面実装振動子1(容器本体10)には直接的に伝熱されない。これにより、表面実装振動子1の動作温度は、加熱抵抗4hによる発熱温度よりも低下して時間的に遅れて発熱温度に接近する。
【0016】
このことから、加熱抵抗4hの発熱温度と温度センサ4thの検出温度とは一致しても、温度センサ4thの検出温度は表面実装振動子1の動作温度とは一致せず、これより高い発熱温度を動作温度として検出する。そして、温度センサ4thの検出温度は、時間の経過ととともに、水晶振動子の動作温度に接近する。したがって、特に、温度センサ4thの検出温度が表面実装振動子1の動作温度に一致しないことから、周囲温度に対してリアルタイムな温度制御を困難にする問題があった。
【0017】
また、これらの恒温型発振器では、表面実装振動子1を採用するものの、他の回路素子4はディスクリート部品として回路基板5に配設されるので、簡素化を阻害する問題もあった。
【0018】
(発明の目的)
本発明は水晶振動子の動作温度を直接的に検出してリアルタイムな温度制御を容易にした恒温型発振器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
(着目技術及び問題点)
本発明は、特許文献1に示されるように、表面実装振動子(容器本体)の外底面の浮き端子とした実装端子(通常のアース端子)に温度センサの一端を電気的に接続する。これにより、電気的接続としての例えばAuとした金属からなる熱伝導率の高い導電路によって、水晶振動子の動作を直接に検出する技術に着目した。しかし、この場合は、本来、無用な導電路を形成するので、配線パターンを複雑にする問題を生じる。
【0020】
(解決手段)
本発明は、特許請求の範囲(請求項1)に示したように、第1電源端子を含む表面実装用の第1実装端子を外底面に有する容器本体と、前記容器本体に密閉封入された水晶片を有する水晶振動子と、前記容器本体に収容されて少なくとも前記水晶振動子とともに発振回路を形成するICチップとを有する表面実装発振器と、前記水晶振動子を加熱するチップ素子からなる加熱抵抗及び前記水晶振動子の動作温度を検出する温度センサを少なくとも有する温度制御回路と、前記表面実装発振器と前記加熱抵抗と前記温度センサを少なくとも配設して第2電源端子を含む第2実装端子とを有する回路基板とを備え、前記加熱抵抗及び前記温度センサの一端は前記第2電源端子に電気的に接続した恒温型の水晶発振器であって、前記加熱抵抗及び前記温度センサの一端とともに前記表面実装発振器の第1電源端子は前記回路基板の第2電源端子に電気的に接続し、前記表面実装発振器の第1電源端子と少なくとも前記温度センサの一端とは導電路によって電気的に直接に接続した構成とする。
【発明の効果】
【0021】
このような構成であれば、表面実装発振器の容器本体の外底面に設けられた第1電源端子は、回路基板に配設された加熱抵抗及び温度センサの一端とともに、回路基板の第2電源端子に電気的に接続する。そして、表面実装発振器(容器本体)の第1電源端子と温度センサとの一端は導電路によって電気的に直接に接続する。
【0022】
したがって、水晶片の密閉封入された容器本体(水晶振動子)と温度センサとの温度は熱伝導率の高い導電路によって熱的に結合するので、水晶振動子の動作温度を直接に検出できる。これにより、周囲温度に対してリアルタイムな温度制御を容易にする。なお、表面実装発振器の第1電源と加熱抵抗及び温度線の一端は、元々、電気的に接続するので、新たな導電路を設ける必要がないので、回路基板の配線を容易にする。
【0023】
(実施態様項)
本発明の請求項2では、請求項1において、前記加熱抵抗及び前記温度センサの一端とともに前記表面実装発振器の第1電源端子は前記回路基板の第2電源端子に前記第2回路基板の導電路によって電気的に直接に接続する。これにより、表面実装発振器(容器本体)の水晶振動子と加熱抵抗及び温度センサは導電路によって熱的に結合する。したがって、水晶振動子の動作温度と温度センサの検出温度及び加熱抵抗の発熱温度のいずれもが同一温度に接近するので、リアルタイムな温度制御をさらに容易にする。
【0024】
同請求項3では、請求項1において、前記温度センサと前記加熱抵抗との一端間には定電圧回路を有し、前記表面実装発振器の第1電源端子と前記温度センサの一端とは導電路によって電気的に直接に接続する。これにより、電源に含まれるノイズを除去して発振回路の出力を良好にする。また、第1電源端子と前記温度センサの一端とは導電路によって接続するので、請求項1での効果を維持する。
【0025】
同請求項4では、請求項1において、前記温度制御回路は、前記第2電源端子に一端が接続した温度センサによる制御電圧と基準電圧を入力されるオペアンプと、前記オペアンプの出力をベースに印加されてコレクタの出力電流を制御されるエミッタ接地としたパワートランジスタと、前記パワートランジスタのコレクタと前記第2電源端子との間に配置された前記加熱抵抗とからなる。これにより、温度制御回路を明確にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(第1実施形態)
第1図は本発明の第1実施形態を説明する恒温型発振器の図で、同図(a)は同断面図、同図(b)は同回路図、同図(c)は模式的な回路素子と導電路との接続図である。なお、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
【0027】
恒温型発振器は、従来例の表面実装振動子1に代わる表面実装発振器15及び従来同様の回路素子4を回路基板5に配設し、発振器用ベース7のリード線8に保持して発振器用カバー9を被せてなる。表面実装発振器15は、例えば第2図に示したように、積層セラミックからなる凹状とした容器本体16の内底面にICチップ17をバンプ18によってフリップチップボンディングする。ICチップ17は少なくとも前述した発振部2a及び電圧可変容量素子4Cvを集積化し、電圧制御型の発振回路2を形成する。
【0028】
そして、容器本体の内壁段部に図示しない励振電極から引出電極の延出した水晶片1Aの一端部両側を固着する。内壁段部には水晶保持端子19を有し、水晶片1Aの引出電極と導電性接着剤20によって電気的・機械的に接続する。そして、開口端面に設けた金属リング16aに例えばシーム溶接によって金属カバー11を接合する。これにより、水晶片1Aを密閉封入して水晶振動子を形成する。
【0029】
容器本体10の外底面にはICチップ17の回路機能面の図示しないIC端子と導電路によって電気的に接続した表面実装用の第1実装端子21を4角部に有する。これらの実装端子21は第1電源、出力、アース及び制御端子(Vcc、Vout、Vgnd、Vc)からなる。
【0030】
そして、第1実施形態では、表面実装発振器15(容器本体16)の第1電源端子21Vccは、温度制御回路3の温度センサ4th及び加熱抵抗4hの一端とともに、回路基板5の電源端子8Vccに電気的に接続する。ここでは、回路基板5の導電路14によって電気的に直接に接続する。なお、導電路14は回路基板5をガラスエポキシ材とした場合はCuとし、セラミックとした場合は下地電極をWとしてNi及びAuがメッキされる。
【0031】
このような構成であれば、表面実装発振器15の容器本体16の外底面に設けられた第1電源端子21Vccは、回路基板5に配設された加熱抵抗4h及び温度センサ4thの一端とともに、回路基板5の第2電源端子8Vccに電気的に接続する。ここでは、表面実装発振器15の第1電源端子21Vccと、加熱抵抗4h及び温度センサ4thの一端と、回路基板5の第2電源端子8Vccとは導電路14によって直接に電気的に接続する。
【0032】
したがって、水晶片1Aの密閉封入された容器本体16即ち水晶振動子と、温度センサ4thと、加熱抵抗4hとは熱伝導率の高い導電路によって熱的に結合するので、これらの温度はそれぞれ接近する。これにより、周囲温度に対してリアルタイムな温度制御を容易にする。
【0033】
そして、表面実装発振器15の第1電源端子21Vccと加熱抵抗4h及び温度センサ4thの一端は、元々、電気的に接続する。したがって、新たな導電路を設ける必要もなく、回路基板5の導電路による配線パターンを容易にする。また、表面実装振動子1に代えて表面実装発振器15とするので、恒温型発振器の構造を簡易にして回路基板5に対する配置を容易にする。但し、調整用部品等はディスクリートして回路基板5の上面に配置する。
【0034】
なお、例えば第2図(b)に示したように、表面実装発振器15(容器本体16)の第1電源端子21Vccと金属カバー11とを貫通電極22を経て電気的に接続する。さらに、容器本体16の底壁を積層構造として第1電源端子21Vccと接続する金属膜23を設けてもよい。これらの場合、金属カバー11及び金属膜23によって容器本体16の加熱を容易にするので、さらにリアルタイムな温度制御が可能になる。
【0035】
(第2実施形態)
第3図は本発明の第2実施形態を説明する恒温型発振器の回路図である。なお、第1実施形態と同一部分の説明は省略する。
【0036】
第2実施形態は、温度補償回路3の発熱抵抗4hと基準電圧Vrを形成する第2抵抗の一端との間となる電源ラインに従来同様に定電圧回路24を設け電源Vccに含まれるノイズを除去して発振回路の出力を良好にする。この場合でも、表面実装発振器15の第1電源端子21Vccと温度センサ4thの一端とは導電路によって接続する。
【0037】
したがって、水晶片1Aの収容された容器本体16(水晶振動子)と温度センサ4thとは導電路によって熱的に結合する。これにより、温度センサ4thは水晶振動子の動作温度を直接的に検出するので、従来よりも、温度制御回路3による温度補償動作を良好にできる。
【0038】
(第3実施形態)
第4図は本発明の第3実施形態の恒温型発振器を説明する特に表面実装発振器の模式的な図である。なお、前実施形態と同一部分の説明は省略する。
【0039】
第3実施形態では、表面実装発振器15は温度補償型所謂TCXOとする。すなわち、ICチップ17は発振部2aに加えて少なくとも温度センサ(例えばリニア抵抗)を有する温度補償機構を集積化して、電圧可変容量素子4Cvに温度補償電圧を印加する。この場合、温度補償電圧は制御端子21Vcからの制御電圧Vcと加算器25によって合成されて印加される。このようなものでは、TCXOによって予め温度補償された周波数温度特性を、さらに恒温型とする温度制御回路3によって微細に制御するので、周波数安定度を高められる。
【0040】
(他の事項)
上記実施形態では表面実装発振器は容器本体16の一主面の凹部内にICチップ17と水晶片1Aとを収容したが、例えば第5図に示したようにしてもよい。すなわち、容器本体16の一主面の凹部に水晶片1Aを収容して密閉封入し、他主面の凹部にICチップ17を収容してもよい。この場合でも、第1電源端子21Vccが少なくとも温度センサ4thの一端とともに第2電源8Vccに導電路によって接続するので、水晶振動子の動作温度を直接的に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施形態を説明する恒温型発振器の図で、同図(a)は同断面図、同図(b)は同回路図、同図(c)は模式的な回路素子と導電路との接続図である。
【図2】本発明に適用する表面実装発振器の断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態を説明する恒温型発振器の回路図である。
【図4】本発明の第3実施形態の恒温型発振器を説明する特に表面実装発振器の模式的な図である。
【図5】本発明に適用する他例の表面実装発振器の断面図である。
【図6】従来例を説明する図で、同図(a)は恒温型発振器の断面図、同図(b)は概略の同回路図である。
【図7】従来例を説明する表面実装振動子の図で、同図(a)は断面図、同図(b)は同底面図である。
【図8】従来例を説明する水晶振動子(水晶発振器)の周波数温度特性図である。
【図9】従来例を説明する模式的な回路素子と導電路との接続図である。
【符号の説明】
【0042】
1 表面実装振動子、2 発振回路、3 温度補償回路、4 回路素子、5 回路基板、6 ガラス、7 金属ベース、8 リード線、9 カバー、10、16 容器本体、11 金属カバー、12 実装端子、13 熱伝導性樹脂、14 導電路、15 表面実装発振器、17 ICチップ、18 バンプ、19 水晶保持端子、20 導電性接着剤、21 第1実装端子、22 貫通電極、23 金属膜、24 定電圧回路、25 加算器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電源端子を含む表面実装用の第1実装端子を外底面に有する容器本体と、前記容器本体に密閉封入された水晶片を有する水晶振動子と、前記容器本体に収容されて少なくとも前記水晶振動子とともに発振回路を形成するICチップとを有する表面実装発振器と、
前記水晶振動子を加熱するチップ素子からなる加熱抵抗及び前記水晶振動子の動作温度を検出する温度センサを少なくとも有する温度制御回路と、
前記表面実装発振器と前記加熱抵抗と前記温度センサを少なくとも配設して第2電源端子を含む第2実装端子とを有する回路基板とを備え、
前記加熱抵抗及び前記温度センサの一端は前記第2電源端子に電気的に接続した恒温型の水晶発振器であって、
前記加熱抵抗及び前記温度センサの一端とともに前記表面実装発振器の第1電源端子は前記回路基板の第2電源端子に電気的に接続し、
前記表面実装発振器の第1電源端子と少なくとも前記温度センサの一端とは導電路によって電気的に直接に接続したことを特徴とする恒温型の水晶発振器。
【請求項2】
請求項1において、前記加熱抵抗及び前記温度センサの一端とともに前記表面実装発振器の第1電源端子は前記回路基板の第2電源端子に前記第2回路基板の導電路によって電気的に直接に接続したことを特徴とする恒温型の水晶発振器。
【請求項3】
請求項1において、前記温度センサと前記加熱抵抗との一端間には定電圧回路を有し、前記表面実装発振器の第1電源端子と前記温度センサの一端とは導電路によって電気的に直接に接続した恒温型の水晶発振器。
【請求項4】
請求項1において、前記温度制御回路は、前記第2電源端子に一端が接続した温度センサによる制御電圧と基準電圧を入力されるオペアンプと、前記オペアンプの出力をベースに印加されてコレクタの出力電流を制御されるエミッタ接地としたパワートランジスタと、前記パワートランジスタのコレクタと前記第2電源端子との間に配置された前記加熱抵抗とからなる恒温型の水晶発振器。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【図5】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−119031(P2010−119031A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292302(P2008−292302)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】