説明

情報再生装置及び情報再生方法

【課題】この発明は、情報記録媒体に記録された暗号化コンテンツの再生が要求されてから、コンテンツが再生されるまでの時間を極力短縮し、しかも、コンテンツの再生に対する権利情報も遵守し得るようにした実用に好適する情報再生装置及び情報再生方法を提供することを目的としている。
【解決手段】暗号化コンテンツとそれを復号するコンテンツ鍵と復号したコンテンツの再生条件を示す権利情報とを取得する手段(14)と、取得した権利情報に基づいてコンテンツ再生の可否を判別し、再生可能であれば権利情報の更新処理を行なう処理と、取得したコンテンツ鍵により暗号化コンテンツを復号し、復号したコンテンツにデコード処理を行なう処理とを並行して行なう手段(15〜18)と、デコード処理したコンテンツを権利情報の更新処理が完了した状態で再生に供させる手段(19)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報記録媒体に記録された暗号化コンテンツを再生する情報再生装置及び情報再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、近年では、記録されたコンテンツに対する保護機能が高いことから、映像や音声等のコンテンツをSD(secure digital)カードに記録してユーザに配信するサービスが普及している。このコンテンツ配信サービスは、ユーザが店頭に出向き、コンテンツサーバに格納された多数のコンテンツの中から所望のコンテンツを選択する。
【0003】
すると、その選択したコンテンツをコンテンツ鍵で暗号化した暗号化コンテンツと、そのコンテンツ鍵及び選択したコンテンツの再生に関してユーザが有する各種条件を示す権利情報(ユーザが対価を支払って取得する)を、SDカードに保持された固有鍵に基づいてそれぞれ暗号化した暗号化コンテンツ鍵及び暗号化権利情報とが、SDカードに記録されてユーザに渡される。
【0004】
そして、ユーザがSDカードを自宅の再生機器に装着すると、再生機器では、SDカードに保持された固有鍵に基づいて暗号化コンテンツ鍵及び暗号化権利情報を復号し、権利情報を解析してコンテンツの再生が許可されていれば、コンテンツ鍵により暗号化コンテンツを復号してコンテンツの再生を実行する。
【0005】
ところで、上記のようにSDカードを利用したコンテンツ配信サービスは、まだまだ開発途上にある段階であり、細部に亘って実用に適するように改良すべき余地が多々残されている。例えば、再生機器では、権利情報を解析してから暗号化コンテンツを復号して再生するため、コンテンツがユーザの視聴に供されるまでに長い時間を要している。
【0006】
特許文献1には、再生開始要求を受け取ったコンテンツ再生プログラムが、ユーザ認証及び視聴の許諾条件の確認要求に対する認証アプリケーションからの応答メッセージの到着を待たずに、自ノードにキャッシュされた復号鍵で暗号化されたコンテンツの復号を行なうようにした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−129063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、情報記録媒体に記録された暗号化コンテンツの再生が要求されてから、コンテンツが再生されるまでの時間を極力短縮し、しかも、コンテンツの再生に対する権利情報も遵守し得るようにした実用に好適する情報再生装置及び情報再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る情報再生装置は、暗号化コンテンツとそれを復号するコンテンツ鍵と復号したコンテンツの再生条件を示す権利情報とを取得する取得手段と、取得手段で取得した権利情報に基づいてコンテンツ再生の可否を判別し、再生可能であれば権利情報の更新処理を行なう第1の処理手段と、第1の処理手段と並行して、取得手段で取得したコンテンツ鍵により暗号化コンテンツを復号し、復号したコンテンツにデコード処理を行なう第2の処理手段と、第2の処理手段でデコード処理したコンテンツを第1の処理手段による権利情報の更新処理が完了した状態で再生に供させる制御手段とを備えるものである。
【0010】
また、この発明に係る情報再生方法は、暗号化コンテンツとそれを復号するコンテンツ鍵と復号したコンテンツの再生条件を示す権利情報とを取得する第1の工程と、第1の工程で取得した権利情報に基づいてコンテンツ再生の可否を判別し、再生可能であれば権利情報の更新処理を行なう第2の工程と、第2の工程と並行して、第1の工程で取得したコンテンツ鍵により暗号化コンテンツを復号し、復号したコンテンツにデコード処理を行なう第3の工程と、第3の工程でデコード処理したコンテンツを第2の工程による権利情報の更新処理が完了した状態で再生に供させる第4の工程とを有するものである。
【発明の効果】
【0011】
上記した発明によれば、権利情報の確認処理や更新処理と、暗号化コンテンツの復号処理や復号後のコンテンツのデコード処理とを並行して実行し、権利情報によってコンテンツの再生可能が確認され権利情報の更新処理が完了したとき、デコード処理後のデータを再生に供させるようにしたので、暗号化コンテンツの再生が要求されてから再生されるまでの時間を極力短縮し、しかも、コンテンツの再生に対する権利情報も遵守することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態を示すもので、コンテンツ再生装置の信号処理系を説明するために示すブロック構成図。
【図2】同実施の形態におけるコンテンツ再生装置がSDカードから暗号化コンテンツ、コンテンツ鍵及び権利情報を取得する動作の一例を説明するために示す図。
【図3】同実施の形態におけるコンテンツ再生装置が行なう主要な処理動作の一例を説明するために示すフローチャート。
【図4】同実施の形態におけるコンテンツ再生装置が行なう主要な処理動作の他の例を説明するために示すフローチャート。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態で説明する。コンテンツ再生装置11の信号処理系を示している。すなわち、このコンテンツ再生装置11は、情報記録媒体としてのSDカード12を着脱可能とするカード装着部13を備えている。
【0014】
この場合、SDカード12には、映像や音声等のコンテンツをコンテンツ鍵で暗号化した暗号化コンテンツと、そのコンテンツ鍵をSDカード12に保持された固有鍵に基づいて暗号化した暗号化コンテンツ鍵と、コンテンツの再生に関してユーザが有する各種条件を示す権利情報を、コンテンツ鍵と同様に上記固有鍵に基づいて暗号化した暗号化権利情報とが記録されている。
【0015】
そして、カード装着部13に装着されたSDカード12に対して、ユーザの操作によりコンテンツの再生が要求されると、情報取得部14が、SDカード12から暗号化コンテンツと暗号化コンテンツ鍵と暗号化権利情報とをそれぞれ読み取る。
【0016】
また、この情報取得部14は、読み取った暗号化コンテンツ鍵と暗号化権利情報とを上記固有鍵に基づいて復号し、コンテンツ鍵と権利情報とを取得する。この場合、権利情報としては、例えばURC(usage rules contents)等が使用される。
【0017】
その後、この情報取得部14は、暗号化コンテンツとコンテンツ鍵とを復号処理部15に出力し、権利情報を確認処理部16に出力する。このうち、復号処理部15は、入力された暗号化コンテンツを入力されたコンテンツ鍵で復号することにより、映像成分のコンテンツと音声成分のコンテンツとをそれぞれ得ている。
【0018】
そして、この復号処理部15で得られた映像成分のコンテンツと音声成分のコンテンツとは、デコード処理部17に供給されて、例えば伸張処理等を含む各種のデコード処理が施されることにより、デジタルの映像データと音声データとに復元される。これらの映像データ及び音声データは、復号処理部15に内蔵されたメモリ17aに蓄積される。
【0019】
一方、上記確認処理部16は、入力された権利情報を解析することにより、上記復号処理部15で復号された映像成分及び音声成分の各コンテンツに対して、現時点での再生の可否、つまり、再生する権利が存在しているか否かを確認している。そして、この確認処理部16は、その確認結果を更新処理部18に出力している。
【0020】
この更新処理部18は、確認処理部16から供給された確認結果がコンテンツを再生する権利が存在している旨を示している場合、権利情報に含まれている各種条件、例えばコンテンツに対する再生回数、再生開始時期、再生期限等を更新した上で、出力許可を示す信号を出力部19に出力する。
【0021】
この出力部19は、更新処理部18から出力許可を示す信号が供給されたとき、デコード処理部17のメモリ17aから、そこに蓄積された映像及び音声のデータを読み取り、映像表示及び音声再生に必要な各種のデータ処理を施している。
【0022】
そして、データ処理後の映像データは、出力端子20を介してモニタ21に供給されて映像表示に供され、データ処理後の音声データは、出力端子22を介してスピーカ23に供給されて音声再生に供される。
【0023】
なお、上記更新処理部18で更新された後の権利情報は、SDカード12に対する図示しないデータ書き込み経路により、SDカード12に保持された固有鍵に基づいて暗号化された後、SDカード12に書き込まれ保存されることになる。
【0024】
また、上記更新処理部18は、確認処理部16から供給された確認結果がコンテンツを再生する権利が存在していない旨を示している場合、出力の不許可を示す信号を出力部19に出力する。
【0025】
そして、上記出力部19は、更新処理部18から出力の不許可を示す信号が供給されたとき、デコード処理部17のメモリ17aに対して映像及び音声データの読み取りを行なうことなく、映像及び音声データが出力端子20,22を介して外部に出力されないように制限している。
【0026】
ここで、このコンテンツ再生装置11は、上記したコンテンツの再生動作を含むその全ての動作を制御部24によって統括的に制御されている。この制御部24は、CPU(central processing unit)24aを内蔵しており、操作部25からの操作情報を受け、または、リモートコントローラ26から送出され受光部27で受信した操作情報を受けることにより、その操作内容が反映されるように各部をそれぞれ制御している。
【0027】
この場合、制御部24は、メモリ部24bを利用している。このメモリ部24bは、主として、CPU24aが実行する制御プログラムを格納したROM(read only memory)と、該CPU24aに作業エリアを提供するRAM(random access memory)と、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリとを備えている。
【0028】
また、上記制御部24は、通信制御部28により、入出力端子29を介してネットワーク30に接続された特定のサーバ31に対してデータ通信が可能になっている。これにより、例えばSDカード12に記録されているコンテンツに対して、再生する権利が消失したような場合、ユーザは、操作部25またはリモートコントローラ26を操作し、サーバ31にアクセスして権利情報を取得(購入)することが可能となる。
【0029】
上記したコンテンツ再生装置11では、復号処理部15における暗号化コンテンツの復号処理及びデコード処理部17におけるコンテンツのデコード処理と、確認処理部16における権利情報の確認処理及び更新処理部18における権利情報の更新処理とを並行して行ない、更新処理部18から出力許可を示す信号が供給された時点で、出力部19から映像及び音声データを出力するようにしている。
【0030】
すなわち、権利情報の確認処理や更新処理が行なわれている間に、暗号化コンテンツの復号処理や復号後のコンテンツのデコード処理を並行して実行しているので、権利情報によってコンテンツの再生許可が確認され、権利情報の更新処理が完了したときには、直ちにデコード処理後の映像及び音声データを出力することが可能となる。このため、SDカード12に記録された暗号化コンテンツの再生が要求されてから、コンテンツが再生されるまでの時間を極力短縮することができる。
【0031】
また、確認処理部16によってコンテンツの再生許可が確認され、更新処理部18による権利情報の更新処理が完了してコンテンツの再生が可能な状態になるまでは、デコード処理部17のメモリ17aに蓄積されたデータが出力されないように制御しているので、コンテンツの再生に対する権利情報も遵守することが可能となる。
【0032】
さらに、当然のことながら、確認処理部16による権利情報の確認処理の結果、コンテンツの再生が許可されていないことが確認されたときには、デコード処理部17におけるデコード処理後の映像及び音声データを出力させないように制御しているので、コンテンツの再生に対する権利情報を遵守することが可能となる。
【0033】
なお、このコンテンツ再生装置11において、コンテンツ鍵や権利情報、暗号化コンテンツ鍵や暗号化権利情報及びそれらを復号するための各種の情報、復号処理後の映像及び音声コンテンツ、デコード処理後の映像及び音声データ等は、いずれも、不正なコピーや改竄等を防止するために、外部からのアクセスに対して、ハードウエア的及びソフトウエア的な手法を用いて十分に保護されていることはもちろんである。
【0034】
図2は、上記情報取得部14が、SDカード12から暗号化コンテンツ、コンテンツ鍵及び権利情報を取得する動作の一例を示している。すなわち、SDカード12の記憶領域は、システム領域12a、秘匿領域12b、保護領域12c、ユーザデータ領域12dに分類されている。また、SDカード12は、暗号化/復号部12eを備えている。
【0035】
このうち、システム領域14には、鍵管理情報MKB(media key block)及びメディア識別子IDmが記憶されている。また、秘匿領域12bには、メディア固有鍵Kmuが記憶されている。さらに、保護領域12cには、暗号化ユーザ鍵Enc(Kmu、Ku)が記憶されている。
【0036】
また、ユーザデータ領域12dには、暗号化コンテンツ鍵Enc(Ku、Kc)及び暗号化権利情報Enc(Ku、J)と、暗号化コンテンツEnc(Kc、C)とが記憶されている。なお、Enc(A、B)の表記は、本明細書中ではデータ(鍵とも称する)Aにより暗号化されたデータBを意味する。
【0037】
ここで、ユーザ鍵Kuは、コンテンツ鍵Kc及び権利情報Jに対する暗号化/復号鍵であり、同一のSDカード12では、複数個の暗号化コンテンツ鍵Enc(Ku、Kc1),Enc(Ku、Kc2),……や、複数個の暗号化権利情報Enc(Ku、J1),Enc(Ku、J2),……に対しても、共通に使用される。
【0038】
また、上記システム領域12aは、読み取り専用であり、SDカード12の外部からコンテンツ再生装置11等がアクセス可能な領域である。さらに、上記秘匿領域12bは、読み取り専用であり、SDカード12自身が参照する領域であって、外部からのアクセスが一切不可となっている。また、上記保護領域12cは、認証に成功した場合にSDカード12の外部からデータの読み取りや書き込みが可能な領域である。
【0039】
さらに、上記ユーザデータ領域12dは、SDカード12の外部から自由にデータの読み取りや書き込みが可能な領域である。また、上記暗号化/復号部12eは、保護領域12cとSDカード12の外部との間で、認証,鍵交換及び暗号通信等の処理を行なうものであり、暗号化処理や復号処理を行なう機能を有している。
【0040】
このようなSDカード12に対し、コンテンツ再生装置11の情報取得部14は、以下のように論理的に動作する。すなわち、情報取得部14では、SDカード12のシステム領域12aから読み出した鍵管理情報MKBを、予め設定されたデバイス鍵KdによりMKB処理し(ステップS1)、メディア鍵Kmを得る。
【0041】
次に、情報取得部14は、このメディア鍵Kmと、SDカード12のシステム領域12aから読み出したメディア識別子IDmとを共にハッシュ処理し(ステップS2)、メディア固有鍵Kmuを得る。
【0042】
その後、情報取得部14は、このメディア固有鍵Kmuに基づいて、SDカード12の暗号化/復号部12eとの間で認証及び鍵交換(AKE: authentication key exchange)処理を実行し(ステップS3)、SDカード12との間でセッション鍵Ksを共有する。
【0043】
なお、ステップS3における認証及び鍵交換処理は、暗号化/復号部12eに参照される秘匿領域12b内のメディア固有鍵Kmuと、情報取得部14で生成されたメディア固有鍵Kmuとが一致するときに成功し、セッション鍵Ksが共有される。
【0044】
次に、情報取得部14は、セッション鍵Ksを用いた暗号通信を介して、SDカード12の保護領域12cから暗号化ユーザ鍵Enc(Kmu、Ku)を読み出し(ステップS4)、この暗号化ユーザ鍵Enc(Kmu、Ku)をメディア固有鍵Kmuにより復号処理して(ステップS5)、ユーザ鍵Kuを得る。
【0045】
その後、情報取得部14は、SDカード12のユーザデータ領域12dから暗号化コンテンツ鍵Enc(Ku、Kc)と暗号化権利情報Enc(Ku、J)とを読み出し、これらをユーザ鍵Kuにより復号処理し(ステップS6)、コンテンツ鍵Kcと権利情報Jとを得る。
【0046】
さらに、情報取得部14は、SDカード12のユーザデータ領域20から暗号化コンテンツEnc(Kc、C)を読み出して取得する。これにより、情報取得部14が、暗号化コンテンツEnc(Kc、C)、コンテンツ鍵Kc及び権利情報J等を取得することができる。
【0047】
図3は、上記コンテンツ再生装置11が行なう主要な処理動作をまとめたフローチャートを示している。この処理は、ユーザの操作によりSDカード12に記録されたコンテンツの再生が要求されることより開始(ステップS11)される。
【0048】
すると、上記制御部24は、ステップS12で、情報取得部14により、SDカード12から暗号化コンテンツを読み取らせて取得させるとともに、暗号化コンテンツ鍵と暗号化権利情報とを読み取らせて復号処理することによりコンテンツ鍵と権利情報とを取得させる。
【0049】
その後、制御部24は、ステップS13で、復号処理部15により、コンテンツ鍵を用いて暗号化コンテンツを復号させコンテンツを得る。そして、制御部24は、ステップS14で、デコード処理部17により、コンテンツに対してデコード処理を行なわせ、デコード処理後のデータをメモリ17aに蓄積させる。
【0050】
一方、上記ステップS12の後、制御部24は、ステップS15で、確認処理部16により、権利情報を解析させて、現在復号されているコンテンツを再生する権利が存在しているか否かを確認させ、再生権利がないことが確認された場合(NO)、処理を終了(ステップS19)する。
【0051】
また、上記ステップS15でコンテンツを再生する権利の存在が確認された場合(YES)、制御部24は、ステップS16で、更新処理部18により、権利情報の更新を行なわせる。
【0052】
そして、制御部24は、ステップS17で、権利情報の更新が完了してコンテンツの再生が可能な状態になったか否かを判別し、再生可能でないと判断された場合(NO)、ステップS16の処理に戻され、権利情報の更新処理が継続される。
【0053】
また、上記ステップS17で再生可能な状態になったと判断された場合(YES)、制御部24は、ステップS18で、出力部19により、デコード処理部17のメモリ17aに蓄積されたデータに映像表示及び音声再生に必要な各種のデータ処理を施して出力させ、処理を終了(ステップS19)する。
【0054】
上記した実施の形態によれば、権利情報の確認処理や更新処理が行なわれている間に、暗号化コンテンツの復号処理や復号後のコンテンツのデコード処理を並行して実行するようにしている。
【0055】
このため、権利情報によってコンテンツの再生許可が確認され、権利情報の更新処理が完了したときには、直ちにデコード処理後のデータを出力することができ、コンテンツの再生が要求されてから再生されるまでの時間を大幅に短縮することができる。
【0056】
また、権利情報によってコンテンツの再生許可が確認され、権利情報の更新処理が完了してコンテンツの再生が可能な状態になるまでは、デコード処理後のデータが出力されないので、コンテンツの再生に対する権利情報も遵守することが可能となる。
【0057】
さらに、当然のことながら、権利情報の確認処理の結果、コンテンツの再生が許可されていないことが確認されたときには、デコード処理後のデータを出力させないようにしているので、コンテンツの再生に対する権利情報を遵守することが可能となる。
【0058】
図4は、上記コンテンツ再生装置11が行なう主要な処理動作の他の例をまとめたフローチャートを示している。図4において、図3と同一のステップには同一符号を付して説明すると、上記ステップS15において、コンテンツを再生する権利のないことが確認された場合(NO)、制御部24は、ステップS20で、ユーザの操作により、上記サーバ31にアクセスして権利情報を取得する。
【0059】
その後、制御部24は、ステップS21で、権利情報の取得が完了してコンテンツの再生が可能な状態になったか否かを判別し、再生可能でないと判断された場合(NO)、ステップS20の処理に戻され、権利情報の取得処理が継続される。
【0060】
また、上記ステップS21で再生可能な状態になったと判断された場合(YES)、制御部24は、ステップS18で、出力部19により、デコード処理部17のメモリ17aに蓄積されたデータに映像表示及び音声再生に必要な各種のデータ処理を施して出力させ、処理を終了(ステップS19)する。
【0061】
図4に示した変形例によれば、SDカード12から取得した権利情報にコンテンツの再生権利が存在しなくても、ユーザがネットワーク30を介してサーバ31から権利情報を取得して、コンテンツの再生を行なうことができるので、ユーザにとっての取り扱いを便利にすることができる。
【0062】
ここで、上記した実施の形態では、コンテンツ再生装置11がモニタ21やスピーカ23を外付けするタイプのものとして説明したが、これに限らず、例えば映像表示部や音声再生部等を内蔵したタイプの再生装置でも良いことはもちろんである。
【0063】
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【符号の説明】
【0064】
11…コンテンツ再生装置、12…SDカード、12a…システム領域、12b…秘匿領域、12c…保護領域、12d…ユーザデータ領域、12e…暗号化/復号部、13…カード装着部、14…情報取得部、15…復号処理部、16…確認処理部、17…デコード処理部、17a…メモリ、18…更新処理部、19…出力部、20…出力端子、21…モニタ、22…出力端子、23…スピーカ、24…制御部、24a…CPU、24b…メモリ部、25…操作部、26…リモートコントローラ、27…受光部、28…通信制御部、29…入出力端子、30…ネットワーク、31…サーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
暗号化コンテンツとそれを復号するコンテンツ鍵と復号したコンテンツの再生条件を示す権利情報とを取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した権利情報に基づいてコンテンツ再生の可否を判別し、再生可能であれば前記権利情報の更新処理を行なう第1の処理手段と、
前記第1の処理手段と並行して、前記取得手段で取得したコンテンツ鍵により暗号化コンテンツを復号し、復号したコンテンツにデコード処理を行なう第2の処理手段と、
前記第2の処理手段でデコード処理したコンテンツを前記第1の処理手段による権利情報の更新処理が完了した状態で再生に供させる制御手段とを具備することを特徴とする情報再生装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1の処理手段による権利情報の更新処理が完了した状態で、前記第2の処理手段でデコード処理したコンテンツに対して、映像表示及び音声再生の少なくともいずれかに供させるためのデータ処理を施すことを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。
【請求項3】
前記第2の処理手段は、デコード処理したコンテンツを蓄積する記録媒体を備え、
前記制御手段は、前記第1の処理手段による権利情報の更新処理が完了した状態で、前記記録媒体に記録されたコンテンツを出力させることを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記暗号化コンテンツ,前記コンテンツ鍵及び前記権利情報を、情報記録媒体から取得することを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記情報記録媒体から取得した権利情報がコンテンツ再生の不可を示している場合、新たな権利情報をネットワーク経由で取得することを特徴とする請求項4記載の情報再生装置。
【請求項6】
前記取得手段は、前記暗号化コンテンツ及び前記コンテンツ鍵を情報記録媒体から取得し、前記権利情報をネットワーク経由で取得することを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。
【請求項7】
前記情報記録媒体はSDカードであることを特徴とする請求項4乃至6いずれかに記載の情報再生装置。
【請求項8】
暗号化コンテンツとそれを復号するコンテンツ鍵と復号したコンテンツの再生条件を示す権利情報とを取得する第1の工程と、
前記第1の工程で取得した権利情報に基づいてコンテンツ再生の可否を判別し、再生可能であれば前記権利情報の更新処理を行なう第2の工程と、
前記第2の工程と並行して、前記第1の工程で取得したコンテンツ鍵により暗号化コンテンツを復号し、復号したコンテンツにデコード処理を行なう第3の工程と、
前記第3の工程でデコード処理したコンテンツを前記第2の工程による権利情報の更新処理が完了した状態で再生に供させる第4の工程とを有することを特徴とする情報再生方法。
【請求項9】
前記第1の工程は、前記暗号化コンテンツ,前記コンテンツ鍵及び前記権利情報を情報記録媒体から取得し、前記情報記録媒体から取得した権利情報がコンテンツ再生の不可を示している場合、新たな権利情報をネットワーク経由で取得することを特徴とする請求項8記載の情報再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−239436(P2010−239436A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85885(P2009−85885)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】