説明

情報処理端末、個人認証方法およびプログラム

【課題】ユーザによるパスワードの記憶が容易であり、かつ、セキュリティの向上を図ることができる情報処理端末を提供する。
【解決手段】情報処理端末は、表示部3と、画像データが格納されるとともに、表示部3にて表示される上記画像データに基づく表示画像上における任意に設定された許容範囲の位置情報およびパスワードが照合用データとして格納されるメモリ部6と、情報の入力および表示部3にて表示される画像上における位置の指定が可能な入力部5と、個人認証時に、表示部3にて表示された画像上における、入力部5を通じてユーザにより指定された部分の位置情報が、メモリ部6に格納された上記照合用データの許容範囲に含まれ、かつ、入力部5を通じてユーザにより入力された文字列がメモリ部6に格納された上記照合用データのパスワードと一致した場合にのみ、認証成功と判定する制御部1を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータや携帯電話機などの情報処理端末に関し、特に、個人認証機能を備えた情報処理端末に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話機の個人認証手段として、パスワードによる照合方法が利用されている。パスワードは、通常、数字の組合せであるため、ユーザは、自身の電話番号や誕生日のように覚えやすい数字をパスワードとして設定することが多い。しかし、そのようなパスワードによる照合では、第三者が、そのパスワードを容易に見破ることができる。ユニークな数字の組合せをパスワードとして設定することで、第三者がパスワードを見破ることが困難になる。
【0003】
また、最近では、セキュリティを高めるために、画像データを用いた照合を行うものも提案されている。
【0004】
特許文献1には、画像データを用いてパスワードを設定することができるパスワード照合方式が記載されている。このパスワード照合方式では、ユーザが、ポインティングデバイスを使用して、画面上に表示された絵の中の対象物の一点を指定する。指定された点を含む対象物部分の拡大された絵が表示される。ユーザが、ピンポイントデバイスを使用して、その拡大された絵の中の一点を指定する。このような操作を複数回繰り返すことによりパスワードを入力する。こうして入力したパスワードを予め設定されている登録パスワードと比較照合する。
【0005】
特許文献2には、画像とパスワードとを組み合わせたユーザ認証システムが記載されている。このユーザ認証システムでは、画像情報による照合が成功した場合に、パスワードによる照合が行われる。画像情報による照合では、表示画像の任意の部分をユーザに指定させ、その指定部分の画像情報と予めユーザが指定した参照画像情報とを比較し、それら画像情報が一致した場合に、照合が成功する。表示画像上の特定の形状の図形(丸、四角、三角、菱形、星形等)を複数選択し、それら図形の画像データとその選択順序とを参照画像情報として用いてもよい。この場合は、選択順序に従って、指定画像と参照画像情報の照合を行う。
【0006】
特許文献3には、パスワードと特定の画像を一組の照合用データとして用いる携帯通信端末のセキュリティ機能が記載されている。このセキュリティ機能では、ユーザが入力したパスワードを、照合用データとして登録したパスワードと照合する。このパスワード照合が成功した場合に、続いて、ユーザが指定した画像を、照合用データとして登録した特定の画像と照合する。この画像照合が成功した場合に、携帯通信端末のロックを解除する。
【特許文献1】特開平10−124458号公報
【特許文献2】特開2007−249344号公報
【特許文献3】特開2007−306350号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ユニークな数字の組合せをパスワードとして用いる照合方法においては、第三者がパスワードを見破ることが困難になるものの、ユニークな数字の組合せは覚え難いため、ユーザが、設定したパスワードを忘れてしまう可能性が高い。
【0008】
特許文献1に記載のパスワード照合方式においては、ユーザは、照合に際し、複数の画像データ、及び拡大された画像の部分を記憶する必要があるため、上記のパスワードによる照合の場合と同様、ユーザがそれらの情報を忘れる可能性が高い。
【0009】
特許文献2に記載のユーザ認証システムにおいては、指定部分の画像情報と予めユーザが指定した参照画像情報とを比較するために、画像の特徴量を算出する画像処理を行う必要がある。このような画像処理は、演算量が多いために、処理に時間がかかる。
【0010】
また、表示画像上の特定の形状の図形(丸、四角、三角、菱形、星形等)を複数選択する場合において、ユーザは、無意味な図形と選択の順番を記憶する必要がある。このため、上記のパスワードによる照合の場合と同様、ユーザがそれらの情報を忘れる可能性が高い。
【0011】
特許文献3に記載の携帯通信端末においては、パスワードによる照合に加えて、複数の画像の中から選択した画像が予め登録した照合用の画像であるかの照合を行っているだけある。照合用の画像は、複数の画像のいずれかと一致することから、例えば、各画像を個別に選択して照合を行うことで、どの画像が照合用の画像であるかを容易に見破ることができる。このように、特許文献3に記載の携帯通信端末では、第三者によって、照合用の画像およびパスワードを見破られる可能性が高い。
【0012】
本発明の目的は、上記の課題を解決し、ユーザによるパスワードの記憶が容易であり、かつ、セキュリティの向上を図ることができる、情報処理端末、個人認証方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の情報処理端末は、
表示部と、
画像データが格納されるとともに、前記表示部にて表示される前記画像データに基づく表示画像上における任意に設定された許容範囲の位置情報およびパスワードが照合用データとして格納される記憶部と、
情報の入力および前記表示部にて表示される画像上における位置の指定が可能な入力部と、
個人認証時に、前記表示部にて表示された画像上における、前記入力部を通じてユーザにより指定された部分の位置情報が、前記記憶部に格納された前記照合用データの許容範囲に含まれ、かつ、前記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が前記記憶部に格納された前記照合用データのパスワードと一致した場合にのみ、認証成功と判定する制御部を有する。
【0014】
本発明の別の情報処理端末は、
出力部と、
楽曲データが格納されるとともに、該楽曲データの任意のフレーズの開始点および終了点を示すフラグ情報およびパスワードが照合用データとして格納される記憶部と、
情報の入力が可能であり、前記楽曲データに基づく再生信号が前記出力部から出力される再生期間における任意のタイミングを指定可能な入力部と、
個人認証時に、前記楽曲データに基づく再生信号を前記出力部から出力させ、前記入力部を通じてユーザにより指定されたタイミングが、前記記憶部に格納された前記照合用データのフラグ情報に基づくフレーズの再生期間内に含まれ、かつ、前記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が前記記憶部に格納された前記照合用データのパスワードと一致した場合にのみ、認証成功と判定する制御部を有する。
【0015】
本発明の他の情報処理端末は、
表示部と、
出力部と、
画像データおよび楽曲データが格納されるとともに、前記表示部にて表示される前記画像データに基づく表示画像上の任意に設定された許容範囲の位置情報、前記楽曲データの任意のフレーズの開始点および終了点を示すフラグ情報およびパスワードが照合用データとして格納される記憶部と、
情報の入力、前記表示部にて表示される画像上における位置の指定、および前記楽曲データに基づく再生信号が前記出力部から出力される再生期間における任意のタイミングの指定がそれぞれ可能な入力部と、
個人認証を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、前記表示部にて表示された画像上における、前記入力部を通じてユーザにより指定された部分の位置情報が、前記記憶部に格納された前記照合用データの許容範囲に含まれ、かつ、前記楽曲データに基づく再生信号を前記出力部から出力させ、前記入力部を通じてユーザにより指定されたタイミングが、前記記憶部に格納された前記照合用データのフラグ情報に基づくフレーズの再生期間内に含まれ、かつ、前記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が前記記憶部に格納された前記照合用データのパスワードと一致した場合にのみ、認証成功と判定する。
【0016】
本発明の個人認証方法は、
画像データが格納されるとともに、表示部にて表示される前記画像データに基づく表示画像上における任意に設定された許容範囲の位置情報およびパスワードが照合用データとして格納される記憶部と、情報の入力および前記表示部にて表示される画像上における位置の指定が可能な入力部と、を有する情報処理端末において行われる個人認証方法であって、
制御部が、前記表示部にて表示された画像上における、前記入力部を通じてユーザにより指定された部分の位置情報が、前記記憶部に格納された前記照合用データの許容範囲内に含まれているか否かを判定する第1のステップと、
前記制御部が、前記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が前記記憶部に格納された前記照合用データのパスワードと一致するか否かを判定する第2のステップと、
前記第1のステップで、ユーザにより指定された部分が前記許容範囲に含まれていると判定され、かつ、前記第2のステップで、ユーザにより入力された文字列が前記パスワードと一致すると判定された場合にのみ、前記制御部が、個人認証が成功した判定する第3のステップと、を含む。
【0017】
本発明の別の個人認証方法は、
楽曲データが格納されるとともに、該楽曲データの任意のフレーズの開始点および終了点を示すフラグ情報およびパスワードが照合用データとして格納される記憶部と、情報の入力が可能であり、前記楽曲データに基づく再生信号が出力部から出力される再生期間における任意のタイミングを指定可能な入力部と、を有する情報処理端末において行われる個人認証方法であって、
制御部が、前記楽曲データに基づく再生信号を前記出力部から出力させ、前記入力部を通じてユーザにより指定されたタイミングが、前記記憶部に格納された前記照合用データのフラグ情報に基づくフレーズの再生期間内に含まれているか否かを判定する第1のステップと、
前記制御部が、前記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が前記記憶部に格納された前記照合用データのパスワードと一致するか否かを判定する第2のステップと、
前記第1のステップで、ユーザにより指定されたタイミングが前記フラグ情報に基づくフレーズ内に含まれていると判定され、かつ、前記第2のステップで、ユーザにより入力された文字列が前記パスワードと一致すると判定された場合にのみ、前記制御部が、個人認証が成功した判定する第3のステップと、を含む。
【0018】
本発明の他の個人認証方法は、
画像データおよび楽曲データが格納されるとともに、前記表示部にて表示される前記画像データに基づく表示画像上の任意に設定された許容範囲の位置情報、前記楽曲データの任意のフレーズの開始点および終了点を示すフラグ情報およびパスワードが照合用データとして格納される記憶部と、情報の入力、前記表示部にて表示される画像上における位置の指定、および前記楽曲データに基づく再生信号が前記出力部から出力される再生期間における任意のタイミングの指定がそれぞれ可能な入力部と、を有する情報処理端末において行われる個人認証方法であって、
制御部が、前記表示部にて表示された画像上における、前記入力部を通じてユーザにより指定された部分の位置情報が、前記記憶部に格納された前記照合用データの許容範囲内に含まれているか否かを判定する第1のステップと、
前記制御部が、前記楽曲データに基づく再生信号を前記出力部から出力させ、前記入力部を通じてユーザにより指定されたタイミングが、前記記憶部に格納された前記照合用データのフラグ情報に基づくフレーズの再生期間内に含まれているか否かを判定する第2のステップと、
前記制御部が、前記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が前記記憶部に格納された前記照合用データのパスワードと一致するか否かを判定する第3のステップと、
前記第1のステップで、ユーザにより指定された部分が前記許容範囲に含まれていると判定され、かつ、前記第2のステップで、ユーザにより指定されたタイミングが前記フラグ情報に基づくフレーズ内に含まれていると判定され、かつ、前記第3のステップで、ユーザにより入力された文字列が前記パスワードと一致すると判定された場合にのみ、前記制御部が、個人認証が成功した判定する第4のステップと、を含む。
【0019】
本発明のプログラムは、
画像データが格納されるとともに、表示部にて表示される前記画像データに基づく表示画像上における任意に設定された許容範囲の位置情報およびパスワードが照合用データとして格納される記憶部と、情報の入力および前記表示部にて表示される画像上における位置の指定が可能な入力部と、を有する情報処理端末において用いられるプログラムであって、
前記表示部にて表示された画像上における、前記入力部を通じてユーザにより指定された部分の位置情報が、前記記憶部に格納された前記照合用データの許容範囲内に含まれているか否かを判定する第1の処理と、
前記制御部が、前記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が前記記憶部に格納された前記照合用データのパスワードと一致するか否かを判定する第2の処理と、
前記第1の処理で、ユーザにより指定された部分が前記許容範囲に含まれていると判定され、かつ、前記第2の処理で、ユーザにより入力された文字列が前記パスワードと一致すると判定された場合にのみ、前記制御部が、個人認証が成功した判定する第3の処理と、を含む。
【0020】
本発明の別のプログラムは、
楽曲データが格納されるとともに、該楽曲データの任意のフレーズの開始点および終了点を示すフラグ情報およびパスワードが照合用データとして格納される記憶部と、情報の入力が可能であり、前記楽曲データに基づく再生信号が出力部から出力される再生期間における任意のタイミングを指定可能な入力部と、を有する情報処理端末において用いられるプログラムであって、
制御部が、前記楽曲データに基づく再生信号を前記出力部から出力させ、前記入力部を通じてユーザにより指定されたタイミングが、前記記憶部に格納された前記照合用データのフラグ情報に基づくフレーズの再生期間内に含まれているか否かを判定する第1の処理と、
前記制御部が、前記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が前記記憶部に格納された前記照合用データのパスワードと一致するか否かを判定する第2の処理と、
前記第1の処理で、ユーザにより指定されたタイミングが前記フラグ情報に基づくフレーズ内に含まれていると判定され、かつ、前記第2の処理で、ユーザにより入力された文字列が前記パスワードと一致すると判定された場合にのみ、前記制御部が、個人認証が成功した判定する第3の処理と、を含む。
【0021】
本発明の他のプログラムは、
画像データおよび楽曲データが格納されるとともに、前記表示部にて表示される前記画像データに基づく表示画像上の任意に設定された許容範囲の位置情報、前記楽曲データの任意のフレーズの開始点および終了点を示すフラグ情報およびパスワードが照合用データとして格納される記憶部と、情報の入力、前記表示部にて表示される画像上における位置の指定、および前記楽曲データに基づく再生信号が前記出力部から出力される再生期間における任意のタイミングの指定がそれぞれ可能な入力部と、を有する情報処理端末において用いられるプログラムであって、
制御部が、前記表示部にて表示された画像上における、前記入力部を通じてユーザにより指定された部分の位置情報が、前記記憶部に格納された前記照合用データの許容範囲内に含まれているか否かを判定する第1の処理と、
前記制御部が、前記楽曲データに基づく再生信号を前記出力部から出力させ、前記入力部を通じてユーザにより指定されたタイミングが、前記記憶部に格納された前記照合用データのフラグ情報に基づくフレーズの再生期間内に含まれているか否かを判定する第2の処理と、
前記制御部が、前記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が前記記憶部に格納された前記照合用データのパスワードと一致するか否かを判定する第3の処理と、
前記第1の処理で、ユーザにより指定された部分が前記許容範囲に含まれていると判定され、かつ、前記第2の処理で、ユーザにより指定されたタイミングが前記フラグ情報に基づくフレーズ内に含まれていると判定され、かつ、前記第3の処理で、ユーザにより入力された文字列が前記パスワードと一致すると判定された場合にのみ、前記制御部が、個人認証が成功した判定する第4の処理と、を含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、画像データまたは楽曲データもしくはこれらデータに基づく照合と、パスワードによる照合とにより個人認証を行うので、パスワードだけの照合に比較して、さらにセキュリティを向上することができる。
【0023】
また、画像データにおける特定画像または楽曲データにおける特定フレーズからイメージされる文字列をパスワードとして設定することで、ユーザは、照合時に、特定画像または特定フレーズからパスワードを容易に思い出すことができ、これにより、パスワードを忘れるといったことを抑制することができる。
【0024】
さらに、画像認識、画像処理等の特別な仕組みを用いる必要がなく、許容範囲の指定またはフレーズの開始点および終了点の指定だけで、画像データの照合または楽曲データの照合を実現できるので、コスト増大の問題を回避することができる。
【0025】
また、単に画像データや楽曲データを選択するだけでなく、その特定範囲またはその特定フレーズを指定することで照合を行うので、第三者が照合用の特定画像または特定フレーズを見破ることは困難である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0027】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態である携帯端末の構成を示すブロック図である。この携帯端末は、プログラムにより動作するコンピュータ装置であって、その主要部は、制御部1、無線通信部2、表示部3、カメラ部4、入力部5、メモリ部6およびカードインタフェース部7からなる。
【0028】
無線通信部2は、外部装置(例えば無線基地局やアクセスポイント等)と無線通信を行う。メモリ部6は、制御部2によって実行されるプログラムやデータを記憶する。
メモリ部6は、携帯端末が通常の動作時に利用するデータ(例えば電話帳データ)や個人認証に必要なデータ等を保存する領域やその他の情報を保存するための領域を有する。個人認証に必要なデータは、カードインタフェース部7から読み込まれたデータ、無線通信部2を介して外部装置からダウンロードした画像データ、カメラ部4で撮影した画像データなどを含む。
【0029】
入力部5は、複数のキーや複数のボタンを有しており、ユーザは、これらキーやボタンを用いて、携帯端末の操作やデータの入力を行うことができる。表示部3は、液晶ディスプレイに代表される表示装置であって、画像や情報を表示する。カメラ部4は、固体撮像素子(エリアイメージセンサ)を備え、固体撮像素子により取得した画像データを出力する。カードインタフェース部7は、SDカードやCF(Compact Flash)カードなどの半導体メモリに代表されるメモリカードのインタフェースである。
【0030】
制御部1は、入力部5からの入力信号を受け付けて、携帯端末の各部(無線通信部2、表示部3、カメラ部4、メモリ部6およびカードインタフェース部7)における動作を制御する。また、制御部1は、個人認証機能を含む各種機能を提供する。個人認証機能による処理は、パスワード登録処理、パスワード照合処理およびパスワード編集処理を含む。
【0031】
制御部1は、その内部に、タイマー8を有している。タイマー8は、パスワード照合処理時に、パスワードの入力を受け付ける期間を規定した有効時間をカウントするためのものである。一定時間内に正当なパスワードの入力が完了しない場合は、制御部1は、タイムアウトの通知を表示部3にて行う。
【0032】
図2は、本実施形態の携帯端末の外観図である。携帯端末の筐体10の表示画面部11が設けられた面上に、入力部5のキーやボタンが配置されている。入力部5は、十字キー12、入力キー13、設定ボタン14、画像表示ボタン15、画像範囲ボタン16および入力文字完了ボタン17を含む。表示画面部11は、表示部3の表示画面である。
【0033】
十字キー12は、表示画面部11上に表示されるカーソルの移動方向を指示するためのキーである。入力キー13は、数字や文字を入力するためのキーである。設定ボタン14は、画像を選択するためのボタンである。画像表示ボタン15は、メモリ部6に登録されている画像データを表示部3にて表示させるための指示ボタンである。画像範囲ボタン16は、表示画面部11上にマトリックス状の罫線を表示させるための指示ボタンである。入力文字完了ボタン17は、入力文字をパスワードとして決定するための指示ボタンである。
【0034】
カメラ部4は、制御部1の制御により、カメラフレーム毎に画像データを制御部1に出力する。カメラファインダ時は、制御部1は、カメラ部4から供給される画像データを表示データ形式に変換し、その変換画像データを表示部3にて表示させる。ユーザが、入力部5にて、撮影した画像データを保存するための入力操作を行うと、制御部1は、カメラ部4から供給された画像データをメモリ部6に格納する。
【0035】
図3は、メモリ部6に登録された画像の格納イメージを示す模式図である。制御部1は、メモリ部6に登録されている画像の格納イメージとして、図3に示すような複数の写真が1枚1枚重ねられた状態のイメージ画像を表示部3にて表示させる。このイメージ画像は、元の画像データの圧縮画像データであり、ユーザによる画像選択時に用いられる。ユーザが、入力部5にて、画像順序を入れ替えるための入力操作を行うと、制御部1は、その入力操作に応じて、格納イメージ画像上の画像順序を入れ替える。メモリ部6に登録されている画像は、カメラ部4で撮影した画像、カードインタフェース部7を通してメモリカードから読み込んだ画像や無線通信部2にて外部装置からダウンロードした画像などを含む。
【0036】
次に、本実施形態の携帯端末の個人認証機能に関連する処理(パスワード登録処理、パスワード照合処理およびパスワード編集処理)について具体的に説明する。
【0037】
(1)パスワード登録
図4は、カメラ部4にて撮影した画像の一例を示す模式図である。この画像は、晴れた日の山の風景写真であって、山の中腹に何本かの杉の木が写っている。このようなカメラ部4にて撮影した画像がメモリ部6に登録されている。
【0038】
ユーザが画像表示ボタン15を押下すると、制御部1は、図3に示したような登録画像の格納イメージを表示部3にて表示させる。ユーザは、格納イメージ上で、パスワードの照合で使用する画像を選択する。具体的には、ユーザは、十字キー12を用いて、格納イメージ上の画像をスクロールし、特に印象の強い画像を選択する。画像の決定は、設定ボタン14を押下することで行う。
【0039】
設定ボタン14の押下により選択画像が決定されると、制御部1は、その選択画像の元画像データをメモリ部6から読み出し、その元画像データに基づく画像を表示部3に表示させる。ユーザは、十字キー12を用いて、表示画像上でカーソルを移動させて、カーソル許容範囲を設定するための領域を指定する。
【0040】
図5に、カーソルにより指定される領域の一例を示す。この例では、図4に示した画像(風景写真)が表示されており、山の中の1本の杉の位置に、カーソル許容範囲を設定するための領域(四角い枠)が設定されている。
【0041】
ユーザが、画像範囲ボタン16を押下すると、制御部1は、元画像データからカーソルで指定された領域の画像データを抽出して、その抽出画像データに基づく拡大画像をマトリックス状の罫線とともに表示部3に表示する。
【0042】
図6に、指定された杉の部分の拡大画像と罫線の関係を模式的に示す。なお、マトリックス状の罫線は画像全体に対して設定されており、図6には、その一部を拡大したものが示されている。
【0043】
ユーザは、十字キー12を用いて、拡大画像上でカーソルを移動させ、カーソル許容範囲としての有効範囲を指定する。有効範囲の決定は、十字キー12の中央部に設けられた決定ボタンを押下することで行う。例えば、図6に示した拡大画像上の、縦の列(X軸)の「072」と横の行(Y軸)の「K」により示される位置の枡上にカーソルを移動させ、この状態で、十字キー12の決定ボタンを押下する。同様の手順で、X軸の「072」とY軸の「L」〜「P」により示される位置の各枡、X軸の「073」とY軸の「K」〜「P」により示される位置の各枡、X軸の「074」とY軸の「K」〜「P」により示される位置の各枡をそれぞれ決定する。これにより、杉を囲む範囲が有効範囲として設定される。
【0044】
有効範囲の設定後、ユーザが入力部5を通じて有効範囲の設定を確定する旨の入力操作を行うと、制御部1は、確定した有効範囲の位置情報(X軸の「072」〜「0074およびY軸の「K」〜「P」)を元画像データの識別情報とともに照合用位置データとしてメモリ部6に登録する。
【0045】
照合用位置データの登録後、制御部1は、パスワードの入力画面を表示部3に表示させる。図7に、パスワード入力画面の一例を示す。このパスワード入力画面は、照合用位置データとして有効範囲が登録された画像を表示する領域と、パスワードを入力するための枠とを有する。ユーザは、入力部5を通じて、表示画像からイメージされる文字列(使用者しか知らない文字コード)を入力する。例えば、図5に示した画像の杉を含む領域を有効範囲として設定した場合は、「武蔵山の小杉」といった文字コードを入力する。
【0046】
文字コードの入力後、ユーザが、入力文字完了ボタン17を押下すること、制御部1は、その入力文字コードを照合用文字データとしてメモリ部6に登録する。このとき、制御部1は、上記の照合用位置データとして登録した位置情報および画像識別情報と、照合用文字データとして登録した入力文字コードを1つのセットとし、それを照合用データとして管理する。
【0047】
図8に、照合用位置データと元画像データの関係を示す。この例によれば、有効範囲は、画像データ毎に設定可能となっている。例えば、最前面の画像について、設定した有効範囲の位置情報とその画像の識別情報「画像1」が照合用位置データとして登録される。照合用位置データは、照合用文字データと関連付けられて制御部1によって管理される。なお、選択されなかった他の画像データに対しては、データ未設定であることを示す「00」のデータが登録される。
【0048】
以上の手順により、選択画像データの識別情報およびカーソル許容範囲の位置情報と入力コードを含む照合用データがメモリ部6に登録される。
【0049】
携帯端末において、ユーザが、メニュー画面上で、照合用データ設定画面を選択することで、上述した照合用データの登録を行うための処理が制御部1によって実行される。一度、照合用データの登録処理が完了すると、それ以降は、携帯端末の起動時に、その照合用データを用いたパスワード照合が行われ、この照合が成功した場合にのみ、携帯端末の利用が可能となる。
【0050】
(2)パスワード照合
図9は、パスワード照合の一手順を示すフローチャートである。
【0051】
ユーザが画像表示ボタン15を押下すると、制御部1は、図3に示したような登録画像の格納イメージを表示部3にて表示させる。そして、ユーザは、十字キー12を用いて、格納イメージ上の画像をスクロールして画像を選択する。選択画像の決定は、設定ボタン14を押下することで行う(ステップS1)。
【0052】
また、画像表示ボタン15の押下に応じて、制御部1は、タイマー8を起動する(ステップS2)。
【0053】
選択画像が決定されると、続いて、ユーザは、十字キー12を用いて、表示画像上でカーソルを所望の位置に移動させる(ステップS3)。カーソルによる位置の指定後、制御部1は、パスワード入力画面を表示部3に表示させる。制御部1は、タイマー8による計測時間を逐次監視しており、パスワード入力画面の表示後、タイマー8による計測時間が所定の時間に達するまでにパスワードの入力が完了した否かを判定する(ステップS5、S6)。
【0054】
計測時間が所定の時間に達するまでにパスワードの入力が完了した場合は、制御部1は、ステップS3で所望の位置に移動したカーソルの表示画像上における位置情報を取得する。具体的には、制御部1は、図6に示したマトリクス状の罫線によって画像を区画し、カーソルが位置する枡の座標を位置情報として取得する。画像を区画する各枡の座標は、上述の「(1)パスワード登録処理」の有効範囲の設定時に用いた画像を区画する各枡の座標と一対一で対応する。
【0055】
制御部1は、取得したカーソルの位置情報が、照合用データとして登録してある照合用位置データに含まれるカーソル許容範囲の位置情報に含まれるか否かを判定する(ステップS7)。
【0056】
カーソルの位置情報がカーソル許容範囲の位置情報に含まれている場合は、制御部1は、ステップS4〜S6でユーザが入力したパスワードが、照合用データとして登録してある照合用文字データと一致するか否かを判定する(ステップS8)。入力したパスワードが照合用文字データと一致した場合は、制御部1は、認証が成功したと判定する(ステップS9)。その後、制御部1は、タイマー8を停止する(ステップS11)。
【0057】
ステップS4〜S6において、計測時間が所定の時間に達するまでにパスワードの入力が完了しなかった場合(タイムオーバー)は、制御部1は、認証失敗と判定する(ステップS10)。その後、制御部1は、ステップS11のタイマー停止の処理を行う。
【0058】
ステップS7において、カーソルの位置情報がカーソル許容範囲の位置情報に含まれていない場合は、または、ステップS8において、パスワードが一致しない場合は、制御部1は、ステップS10、S11の処理を行う。
【0059】
以上のパスワード照合の手順が携帯端末の起動時に実行される。
【0060】
(3)パスワード編集
携帯端末を起動し、パスワード照合による認証が成功した場合は、ユーザは、携帯端末の全ての機能を利用することができる。ユーザが、入力部5を通じて、パスワード編集処理を実行するための入力操作を行うと、制御部1は、パスワード編集用画面を表示部3に表示する。
【0061】
パスワード編集用画面は、照合データとして登録されている照合用文字データを編集するための編集項目、照合データの一部または全部を消去するための消去項目、照合データを追加登録するための追加登録項目などからなるメニュー項目を含む。ユーザは、入力部5にて、メニュー項目から所望の項目を選択することができる。
【0062】
編集項目が選択されると、制御部1は、メモリ部6に格納されている全ての照合データの内容を表示部3に表示させる。ユーザは、入力部5を通じて、表示された内容のうちの照合用文字データを自由に編集することができる。制御部1は、照合用文字データの編集が行われると、その編集内容を照合用データに反映させる。
【0063】
消去項目が選択されると、制御部1は、メモリ部6に格納されている照合データの一覧を表示部3に表示させる。ユーザは、入力部5を通じて、表示された一覧のうちから消去すべき照合データを指定する。制御部1は、ユーザが指定した照合用データをメモリ部6に格納されている照合データから削除する。
【0064】
追加登録項目が選択されると、制御部1は、上述した「(1)パスワード登録」と同様の手順を実行し、照合用データをメモリ部6に格納する。
【0065】
以上説明した本実施形態の携帯端末によれば、照合用位置データと照合用文字データの組み合わせにより個人認証を行うので、パスワードだけの照合に比較して、さらにセキュリティを向上することができる。
【0066】
また、照合用文字データ(パスワード)として、照合用位置データとして用いた画像に関連する文字列(例えば、「武蔵山の小杉」)を設定することができるので、ユーザは、パスワードを容易に思い出すことができる。
【0067】
さらに、画像認識、画像処理等の特別な仕組みを用いる必要がなく、カーソル許容範囲の指定だけで画像データの照合を実現できるので、コスト増大の問題を回避することができる。
【0068】
また、照合用位置データとして登録するカーソル許容範囲は自由に設定可能である。カーソル許容範囲を狭くすると、セキュリティ性能が高くなり、カーソル許容範囲を広くすると、セキュリティ性能が低くなる。例えば、図6の杉の写真におけるカーソル許容範囲をX軸の「073」とY軸の「M」により指定される位置の枡に設定した場合、そのカーソル許容範囲は非常に狭くなるため、第三者がその位置を推測することが非常に困難と成る。カーソル許容範囲を変えることにより、セキュリティ性能の程度を自由に変更できる。これにより、ユーザにとって使い勝手の良い携帯端末を提供することができる。
【0069】
例えば、カーソル許容範囲を狭くすると、パスワード照合におけるカーソルによる位置の指定において、より高い精度での位置の指定(操作性)が要求されることになる。ユーザは、操作性とセキュリティの程度を考慮して、カーソル許容範囲を設定可能であるので、使い勝手が向上する。
【0070】
なお、上述した携帯端末は本発明の一例であり、その構成は適宜に変更可能である。
【0071】
例えば、同一画像上で複数のカーソル許容範囲を設定してもよい。この場合は、各カーソル許容範囲の位置情報を含む照合用位置データと、各カーソル許容範囲の画像からイメージされる文字列をパスワードとして設定した照合用文字データとの組み合わせを照合用データとしてメモリ部6に登録する。パスワード照合の際は、図9のステップS3において、各カーソル許容範囲に対応する位置をそれぞれカーソルで指定する。そして、ステップS7で、カーソルで指定した各位置情報がそれぞれ、照合用データとして登録してある照合用位置データに含まれる各カーソル許容範囲の位置情報に含まれるか否かを判定する。カーソルで指定した各位置情報の全てが各カーソル許容範囲の位置情報に含まれる場合にのみ、ステップS8の処理を行う。
【0072】
上記の場合は、パスワード照合の際に、複数のカーソル許容範囲に対応する位置をそれぞれ指定し、全ての指定位置情報が照合用位置データに含まれる各カーソル許容範囲の位置情報に含まれる必要がある。よって、1つのカーソル許容範囲による照合よりも、セキュリティ性能は向上する。
【0073】
また、同一画像上で複数のカーソル許容範囲を設定し、カーソル許容範囲毎に、該カーソル許容範囲の位置情報を含む照合用位置データと、該カーソル許容範囲の画像からイメージされる文字列をパスワードとして設定した照合用文字データとの組み合わせを照合用データとしてメモリ部6に登録してもよい。この場合は、複数の照合用データがメモリ部6に登録される。照合用データのそれぞれに対して、ロックすべき機能を割り当てる。例えば、起動時用の照合用データと、メール起動用の照合用データといった割り当てを行う。これにより、種々の機能へのロックが可能となり、機能毎に、細かなセキュリティの設定が可能となる。この場合は、機能毎に、図9に示した手順でパスワード照合が行われる。
【0074】
上記の場合、機能の秘匿性の高さに応じて、カーソル許容範囲の大きさを変えることもできる。例えば、秘匿性の高い機能に対しては、カーソル許容範囲を狭くし、秘匿性の低い機能に対しては、カーソル許容範囲を大きくする。このように、ユーザは、操作性とセキュリティの程度を考慮して、機能毎に、カーソル許容範囲を設定可能であるので、使い勝手が向上する。
【0075】
加えて、機能毎に照合用データを登録することで、一部の機能(アプリケーション)だけを他人に許可するといった形態への適用が可能となる。
【0076】
表示部3をタッチパネル構造の表示部としてもよい。この場合は、カーソル許容範囲の設定において、タッチパネル上で指やスタイラスペンにより位置の指定を行う。例えば、タッチパネル上に表示された画像において、指やスタイラスペンによりその画像に含まれる人物の領域の縁をなぞることで、人物の領域をカーソル許容範囲として指定する。このタッチパネルを用いた位置の指定は、カーソルを用いた位置の指定に比べて簡単である。
【0077】
(第2の実施形態)
図10は、本発明の第2の実施形態である携帯端末の構成を示すブロック図である。この携帯端末は、プログラムにより動作するコンピュータ装置であって、その主要部は、制御部1、無線通信部2、表示部3、入力部5、メモリ部6、カードインタフェース部7およびスピーカ9からなる。無線通信部2、表示部3、入力部5、メモリ部6およびカードインタフェース部7は、基本的には、第1の実施形態で説明したものと同じである制御部1による個人認証機能に関連する処理(パスワード登録処理、パスワード照合処理およびパスワード編集処理)が第1の実施形態のものと異なる。
【0078】
メモリ部6は、制御部2によって実行されるプログラムやデータを記憶する。メモリ部6には、カードインタフェース部7から読み込まれた楽曲データや無線通信部2を介して外部装置からダウンロードした楽曲データなどが格納される。さらに、メモリ部6には、楽曲データと文字列の組み合わせからなる照合用データが格納される。
【0079】
図11は、本発明の第2の実施形態である携帯端末の外観図である。入力部5を構成するキー及びボタンの配置において、画像表示ボタン15および画像範囲ボタン16に代えて楽曲表示ボタン25およびフレーズ範囲ボタン26が設けられている点が、図2に示したボタン配置と異なる。
【0080】
以下、本実施形態の携帯端末における個人認証機能について説明する。
【0081】
(1)パスワード登録
ユーザが楽曲表示ボタン25を押下すると、制御部1は、メモリ部6に格納されている楽曲データの項目(楽曲名)の一覧を表示部3に表示させる。ユーザは、表示された楽曲データの項目一覧を参照し、パスワードの照合で使用する楽曲データを選択する。
【0082】
設定ボタン14の押下により選択項目が決定されると、制御部1は、その選択項目に対応する楽曲データをメモリ部6から読み出し、その楽曲データをスピーカ9に出力する。
【0083】
ユーザは、スピーカ9から出力される曲を聴きながら、フレーズ範囲ボタン26により所望のフレーズの開始点および終了点を順に指定する。具体的には、ユーザは、フレーズの開始点および終了点の指定前に、楽曲データを再生してその曲がどのような曲であるのかを確認しておく。確認後に、ユーザは、再度、楽曲データを再生して、その曲の気に入った部分の開始および終了のタイミングでフレーズ範囲ボタン26を押下する。
【0084】
フレーズ範囲ボタン26が押下されると、制御部1は、その押下のタイミングで、再生中の楽曲データに開始点を示す第1のフラグをセットする。続いて、フレーズ範囲ボタン26が押下されると、制御部1は、その押下のタイミングで、再生中の楽曲データに終了点を示す第2のフラグをセットする。これら第1および第2のフラグの間のデータが、第1の実施形態におけるカーソル許容範囲(有効範囲)に対応する。
【0085】
フレーズの開始点および終了点の指定後、ユーザは、入力部5を通じてそれら開始点および終了点(有効範囲)の指定を確定する旨の入力操作を行う。この入力操作に応じて、制御部1は、楽曲データ中の第1および第2のフラグがセットされた位置を示す情報をその楽曲データの識別情報とともに照合用位置データとしてメモリ部6に登録する。
【0086】
照合用位置データの登録後、制御部1は、パスワードの入力画面を表示部3に表示させる。ユーザは、入力部5を通じて、上記の有効範囲として設定したフレーズからイメージされる文字列(使用者しか知らない文字コード)を入力する。
【0087】
文字コードの入力後、ユーザが、入力文字完了ボタン17を押下すること、制御部1は、その入力文字コードを照合用文字データとしてメモリ部6に登録する。このとき、制御部1は、上記の照合用位置データとして登録したフラグの位置情報および楽曲データ識別情報と、照合用文字データとして登録した入力文字コードを1つのセットとし、それを照合用データとして管理する。
【0088】
以上の手順により、楽曲データの識別情報およびフラグの位置情報と入力コードを含む照合用データがメモリ部6に登録される。
【0089】
携帯端末において、ユーザが、メニュー画面上で、照合用データ設定画面を選択することで、上述した照合用データの登録を行うための処理が制御部1によって実行される。一度、照合用データの登録処理が完了すると、それ以降は、携帯端末の起動時に、その照合用データを用いたパスワード照合が行われ、この照合が成功した場合にのみ、携帯端末の利用が可能となる。
【0090】
(2)パスワード照合
図12は、パスワード照合の一手順を示すフローチャートである。
【0091】
ユーザが楽曲表示ボタン25を押下すると、制御部1は、メモリ部6に格納されている楽曲データの項目(楽曲名)の一覧を表示部3に表示させる。ユーザは、表示された楽曲データの項目一覧を参照し、パスワードの照合で使用する楽曲データを選択する(ステップS21)。また、楽曲表示ボタン25の押下に応じて、制御部1は、タイマー8を起動する(ステップS22)。
【0092】
設定ボタン14の押下により選択項目が決定されると、制御部1は、その選択項目に対応する楽曲データをメモリ部6から読み出し、その楽曲データをスピーカ9に出力する。ユーザは、スピーカ9から出力される曲を聴きながら、照合用データとして登録したフレーズに対応するデータの再生間期間内の任意のタイミング(位置)を、フレーズ範囲ボタン26により指定する(ステップS23)。
【0093】
任意のタイミングの指定後、制御部1は、パスワード入力画面を表示部3に表示させる。制御部1は、タイマー8による計測時間を逐次監視しており、パスワード入力画面の表示後、タイマー8による計測時間が所定の時間に達するまでにパスワードの入力が完了した否かを判定する(ステップS24〜S26)。
【0094】
計測時間が所定の時間に達するまでにパスワードの入力が完了した場合は、制御部1は、ステップS23で指定したタイミング(位置)が、特定フレーズ(許容範囲)内に含まれるか否かを判定する(ステップS27)。特定フレーズ(許容範囲)は、照合用データとして登録してある照合用位置データに含まれる第1および第2のフラグの位置から定まる。
【0095】
指定したタイミングが許容範囲内である場合は、制御部1は、ステップS25でユーザが入力したパスワードが、照合用データとして登録してある照合用文字データと一致するか否かを判定する(ステップS28)。入力したパスワードが照合用文字データと一致した場合は、制御部1は、認証が成功したと判定する(ステップS29)。その後、制御部1は、タイマー8を停止する(ステップS31)。
【0096】
ステップS24〜S26において、計測時間が所定の時間に達するまでにパスワードの入力が完了しなかった場合(タイムオーバー)は、制御部1は、認証失敗と判定する(ステップS30)。その後、制御部1は、ステップS31のタイマー停止の処理を行う。
【0097】
ステップS27において、ステップS23で指定したタイミング(位置)が許容範囲外である場合、または、ステップS28において、パスワードが一致しない場合は、制御部1は、ステップS30、S31の処理を行う。
【0098】
以上のパスワード照合の手順が携帯端末の起動時に実行される。
【0099】
(3)パスワード編集
携帯端末を起動し、パスワード照合による認証が成功した場合は、ユーザは、携帯端末の全ての機能を利用することができる。ユーザが、入力部5を通じて、パスワード編集処理を実行するための入力操作を行うと、制御部1は、パスワード編集用画面を表示部3に表示する。
【0100】
パスワード編集用画面は、照合データとして登録されている照合用文字データを編集するための編集項目、照合データの一部または全部を消去するための消去項目、照合データを追加登録するための追加登録項目などからなるメニュー項目を含む。編集項目および消去項目による処理は、画像データに代えて楽曲データを用いる点を除いて、第1の実施形態の場合と同様の処理である。追加登録項目による処理では、上述のパスワード登録処理と同様の手順を実行し、照合用データをメモリ部6に格納する。
【0101】
以上説明した本実施形態の携帯端末によれば、照合用位置データと照合用文字データの組み合わせにより個人認証を行うので、パスワードだけの照合に比較して、さらにセキュリティを向上することができる。
【0102】
また、照合用文字データ(パスワード)として、照合用位置データとして用いたフレーズに関連する文字列を設定することができるので、ユーザは、パスワードを容易に思い出すことができる。
【0103】
さらに、フレーズの開始点および終了点の指定だけで楽曲データによる照合を実現できるので、コスト増大の問題を回避することができる。
【0104】
また、照合用位置データとして登録する第1および第2のフラグの位置は自由に設定可能である。第1および第2のフラグによる許容範囲を狭くすると、セキュリティ性能が高くなり、許容範囲を広くすると、セキュリティ性能が低くなる。許容範囲が狭くなればなるほど、第三者はその位置(タイミング)を推測することが困難になる。許容範囲を変えることにより、セキュリティ性能の程度を自由に変更できる。これにより、ユーザにとって使い勝手の良い携帯端末を提供することができる。
【0105】
なお、上述した携帯端末は本発明の一例であり、その構成は適宜に変更可能である。
【0106】
例えば、同一楽曲データについて複数の許容範囲(複数の特定フレーズ)を設定してもよい。この場合は、各許容範囲の位置情報を含む照合用位置データと、各許容範囲のフレーズからイメージされる文字列をパスワードとして設定した照合用文字データとの組み合わせを照合用データとしてメモリ部6に登録する。パスワード照合の際は、図12のステップS23において、各許容範囲に対応するタイミングをそれぞれ指定する。そして、ステップS27で、許容範囲毎に、指定したタイミングが許容範囲内であるか否かを判定する。各許容範囲について、指定したタイミングが許容範囲内である場合にのみ、ステップS28の処理を行う。
【0107】
上記の場合は、パスワード照合の際に、複数の許容範囲に対応する位置(タイミング)の照合が行われるので、1つの許容範囲に対応する位置(タイミング)の照合よりも、セキュリティ性能は向上する。
【0108】
また、同一楽曲データに複数の許容範囲を設定してもよい。この場合は、許容範囲毎に、該許容範囲の位置情報を含む照合用位置データと、該許容範囲のフレーズからイメージされる文字列をパスワードとして設定した照合用文字データとの組み合わせが照合用データとしてメモリ部6に登録される。このように、複数の照合用データがメモリ部6に登録されるので、照合用データのそれぞれに対して、ロックすべき機能を割り当てることができる。例えば、起動時用の照合用データと、メール起動用の照合用データといった割り当てが可能である。これにより、種々の機能へのロックが可能となり、機能毎に、細かなセキュリティの設定が可能となる。この場合は、機能毎に、図12に示した手順でパスワード照合が行われる。
【0109】
上記の場合、機能の秘匿性の高さに応じて、許容範囲の広さを変えることもできる。例えば、秘匿性の高い機能に対しては、許容範囲を狭くし、秘匿性の低い機能に対しては、許容範囲を大きくする。このように、ユーザは、操作性とセキュリティの程度を考慮して、機能毎に、許容範囲を設定可能であるので、使い勝手が向上する。
【0110】
加えて、機能毎に照合用データを登録することで、一部の機能(アプリケーション)だけを他人に許可するといった形態への適用が可能となる。
【0111】
また、本実施形態では、所望のフレーズの開始点および終了点を指定して許容範囲を設定するようになっているが、これに代えて、選択した楽曲データの識別情報とその楽曲データからイメージされる文字列を照合用データとして用いても良い。この場合は、パスワードの照合時に、ユーザが、楽曲データを選択し、パスワードを入力する。選択した楽曲データの識別情報が照合用データとして登録されている楽曲データの識別情報と一致し、かつ、入力パスワードが照合用データとして登録してある文字列と一致した場合にのみ、携帯端末の利用が可能となる。
【0112】
上述した第1および第2の実施形態の構成の一部または全部を組み合わせることができる。例えば、照合用位置データとして、第1の実施形態における画像データの照合用位置データおよび第2の実施形態における楽曲データの照合用位置データを用いても良い。この場合は、画像データおよび楽曲データの各照合用位置データと、その画像データの特定画像または楽曲データの特定フレーズからイメージされる文字列を含む照合用文字データとから照合用データが構成される。そして、画像データによる照合、楽曲データによる照合および文字列による照合の3つが行われる。
【0113】
また、第1の実施形態における画像データによる照合と第2の実施形態における楽曲データによる照合とにより個人認証を行っても良い。この場合は、パスワードは不要となる。
【0114】
また、各実施形態の携帯端末において、図9や図12に示した認証処理は、メモリ部に格納されているプログラムをコンピュータが実行することで提供することができる。
【0115】
本発明の一態様による情報処理端末は、表示部、記憶部、入力部および制御部を有する。上記記憶部には、画像データが格納されるとともに、表示部にて表示される上記画像データに基づく表示画像上における任意に設定された許容範囲の位置情報およびパスワードが照合用データとして格納される。上記入力部は、情報の入力および上記表示部にて表示される画像上における位置の指定が可能である。上記制御部は、個人認証時に、上記表示部にて表示された画像上における、上記入力部を通じてユーザにより指定された部分の位置情報が、上記記憶部に格納された上記照合用データの特定範囲に含まれ、かつ、上記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が上記記憶部に格納された上記照合用データのパスワードと一致した場合にのみ、認証成功と判定する。ここで、記憶部は図1に示したメモリ部6に対応する。
【0116】
上記の情報処理端末において、複数の画像データが上記記憶部に格納されてもよい。この場合は、上記制御部が、パスワードの設定時に、上記複数の画像データのうち、ユーザが上記入力部を通じて選択した画像データを上記表示部に表示させ、該表示画像上における、上記入力部を通じてユーザにより指定された範囲を上記照合用データの許容範囲として上記記憶部に格納してもよい。
【0117】
また、上記の情報処理端末は、撮像手段をさらに備えていてもよい。この場合、上記制御部が、上記撮像手段からの画像データを上記記憶部に格納してもよい。ここで、撮像手段は図1に示したカメラ部4に対応する。
【0118】
さらに、上記の情報処理端末は、通信手段をさらに備えていてもよい。この場合、上記制御部が、上記通信手段を通じて外部装置から取得した画像データを上記記憶部に格納してもよい。ここで、通信手段は、図1に示した無線通信部2に対応する。また、モデム等の通信装置を備えるパーソナルコンピュータへ適用した場合は、通信手段は通信装置に対応する。
【0119】
さらに、上記の情報処理端末は、メモリカードが挿入されるカードインタフェース部をさらに備えていてもよい。この場合、上記制御部が、上記カードインタフェースを通じて上記メモリカードから取得した画像データを上記記憶部に格納してもよい。
【0120】
本発明の別の態様による情報処理端末は、出力部、記憶部、入力部および制御部を有する。上記記憶部には、楽曲データが格納されるとともに、該楽曲データの任意のフレーズの開始点および終了点を示すフラグ情報およびパスワードが照合用データとして格納される。上記入力部は、情報の入力が可能であり、さらに、上記楽曲データに基づく再生信号が上記出力部から出力される再生期間における任意のタイミングを指定可能である。上記制御部は、個人認証時に、上記楽曲データに基づく再生信号を上記出力部から出力させ、上記入力部を通じてユーザにより指定されたタイミングが、上記記憶部に格納された上記照合用データのフラグ情報に基づくフレーズの再生期間内に含まれ、かつ、上記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が上記記憶部に格納された上記照合用データのパスワードと一致した場合にのみ、認証成功と判定する。ここで、記憶部および出力部は、図10に示したメモリ部6およびスピーカ9に対応する。
【0121】
上記の情報処理端末において、複数の楽曲データが上記記憶部に格納されてもよい。この場合は、上記制御部が、パスワードの設定時に、上記複数の楽曲データのうち、ユーザが上記入力部を通じて選択した楽曲データの再生信号を上記出力部に供給し、該再生信号における、上記入力部を通じてユーザにより指定されたフレーズの開始点および終了点を示すフラグ情報を上記照合用データのフラグ情報として上記記憶部に格納してもよい。
【0122】
また、上記の情報処理端末は、通信手段をさらに備えていてもよい。この場合は、上記制御部が、上記通信手段を通じて外部装置から取得した楽曲データを上記記憶部に格納してもよい。ここで、通信手段は、図1に示した無線通信部2に対応する。また、モデム等の通信装置を備えるパーソナルコンピュータへ適用した場合は、通信手段は通信装置に対応する。
【0123】
さらに、上記の情報処理端末は、メモリカードが挿入されるカードインタフェース部をさらに備えていてもよい。この場合は、上記制御部が、上記カードインタフェースを通じて上記メモリカードから取得した楽曲データを上記記憶部に格納してもよい。
【0124】
本発明の他の態様による情報処理端末は、表示部、出力部、記憶部、入力部および個人認証を行う制御部を有する。上記記憶部には、画像データおよび楽曲データが格納されるとともに、上記表示部にて表示される上記画像データに基づく表示画像上の任意に設定された許容範囲の位置情報、上記楽曲データの任意のフレーズの開始点および終了点を示すフラグ情報およびパスワードが照合用データとして格納される。上記入力部は、情報の入力、上記表示部にて表示される画像上における位置の指定、および上記楽曲データに基づく再生信号が上記出力部から出力される再生期間における任意のタイミングの指定がそれぞれ可能である。上記制御部は、上記表示部にて表示された画像上における、上記入力部を通じてユーザにより指定された部分の位置情報が、上記記憶部に格納された上記照合用データの特定範囲に含まれ、かつ、上記楽曲データに基づく再生信号を上記出力部から出力させ、上記入力部を通じてユーザにより指定されたタイミングが、上記記憶部に格納された上記照合用データのフラグ情報に基づくフレーズの再生期間内に含まれ、かつ、上記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が上記記憶部に格納された上記照合用データのパスワードと一致した場合にのみ、認証成功と判定する。ここで、記憶部は図1および図10に示したメモリ部6に対応する。
【0125】
上記の情報処理端末において、複数の画像データが上記記憶部に格納されてもよい。この場合は、上記制御部が、パスワードの設定時に、上記複数の画像データのうち、ユーザが上記入力部を通じて選択した画像データを上記表示部に表示させ、該表示画像上における、上記入力部を通じてユーザにより指定された範囲を上記照合用データの許容範囲として上記記憶部に格納してもよい。
【0126】
また、複数の楽曲データが上記記憶部に格納されてもよい。この場合は、上記制御部が、パスワードの設定時に、上記複数の楽曲データのうち、ユーザが上記入力部を通じて選択した楽曲データの再生信号を上記出力部に供給し、該再生信号における、上記入力部を通じてユーザにより指定されたフレーズの開始点および終了点を示すフラグ情報を上記照合用データのフラグ情報として上記記憶部に格納してもよい。
【0127】
さらに、上記の情報処理端末は、撮像手段をさらに備えていてもよい。この場合は、上記制御部が、上記撮像手段からの画像データを上記記憶部に格納してもよい。ここで、撮像手段は図1に示したカメラ部4に対応する。
【0128】
さらに、上記の情報処理端末は、通信手段をさらに備えていてもよい。この場合は、上記制御部が、上記通信手段を通じて外部装置から取得した画像データまたは楽曲データを上記記憶部に格納してもよい。ここで、通信手段は、図1に示した無線通信部2に対応する。また、モデム等の通信装置を備えるパーソナルコンピュータへ適用した場合は、通信手段は通信装置に対応する。
【0129】
さらに、上記の情報処理端末は、メモリカードが挿入されるカードインタフェース部をさらに備えていてもよい。この場合は、上記制御部が、上記カードインタフェースを通じて上記メモリカードから取得した画像データまたは楽曲データを上記記憶部に格納してもよい。
【0130】
本発明は、携帯電話機や携帯情報端末に代表される携帯端末だけでなく、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置全般に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明の第1の実施形態である携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態である携帯端末の外観図である。
【図3】図1に示す携帯端末のメモリ部に登録される画像の格納イメージを示す模式図である。
【図4】図1に示す携帯端末のカメラ部にて撮影した画像の一例を示す模式図である。
【図5】カーソルにより指定される領域の一例を示す模式図である。
【図6】カーソルにより指定された部分の拡大画像と罫線の関係を示す模式図である。
【図7】パスワード入力画面の一例を示す模式図である。
【図8】照合用位置データと元画像データの関係を示す模式図である。
【図9】本発明の第1の実施形態である携帯端末にて行われるパスワード照合の一手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態である携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施形態である携帯端末の外観図である。
【図12】本発明の第2の実施形態である携帯端末にて行われるパスワード照合の一手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0132】
1 制御部
2 無線通知部
3 表示部
4 カメラ部
5 入力部
6 メモリ部
7 カードインタフェース部
8 タイマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
画像データが格納されるとともに、前記表示部にて表示される前記画像データに基づく表示画像上における任意に設定された許容範囲の位置情報およびパスワードが照合用データとして格納される記憶部と、
情報の入力および前記表示部にて表示される画像上における位置の指定が可能な入力部と、
個人認証時に、前記表示部にて表示された画像上における、前記入力部を通じてユーザにより指定された部分の位置情報が、前記記憶部に格納された前記照合用データの許容範囲に含まれ、かつ、前記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が前記記憶部に格納された前記照合用データのパスワードと一致した場合にのみ、認証成功と判定する制御部を有する情報処理端末。
【請求項2】
複数の画像データが前記記憶部に格納されており、
前記制御部は、パスワードの設定時に、前記複数の画像データのうち、ユーザが前記入力部を通じて選択した画像データを前記表示部に表示させ、該表示画像上における、前記入力部を通じてユーザにより指定された範囲を前記照合用データの許容範囲として前記記憶部に格納する、請求項1に記載の情報処理端末。
【請求項3】
撮像手段を備え、
前記制御部は、前記撮像手段からの画像データを前記記憶部に格納する、請求項1または2に記載の情報処理端末。
【請求項4】
通信手段を備え、
前記制御部は、前記通信手段を通じて外部装置から取得した画像データを前記記憶部に格納する、請求項1から3のいずれかに記載の情報処理端末。
【請求項5】
メモリカードが挿入されるカードインタフェース部を備え、
前記制御部は、前記カードインタフェースを通じて前記メモリカードから取得した画像データを前記記憶部に格納する、請求項1から4のいずれかに記載の情報処理端末。
【請求項6】
出力部と、
楽曲データが格納されるとともに、該楽曲データの任意のフレーズの開始点および終了点を示すフラグ情報およびパスワードが照合用データとして格納される記憶部と、
情報の入力が可能であり、前記楽曲データに基づく再生信号が前記出力部から出力される再生期間における任意のタイミングを指定可能な入力部と、
個人認証時に、前記楽曲データに基づく再生信号を前記出力部から出力させ、前記入力部を通じてユーザにより指定されたタイミングが、前記記憶部に格納された前記照合用データのフラグ情報に基づくフレーズの再生期間内に含まれ、かつ、前記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が前記記憶部に格納された前記照合用データのパスワードと一致した場合にのみ、認証成功と判定する制御部を有する情報処理端末。
【請求項7】
複数の楽曲データが前記記憶部に格納されており、
前記制御部は、パスワードの設定時に、前記複数の楽曲データのうち、ユーザが前記入力部を通じて選択した楽曲データの再生信号を前記出力部に供給し、該再生信号における、前記入力部を通じてユーザにより指定されたフレーズの開始点および終了点を示すフラグ情報を前記照合用データのフラグ情報として前記記憶部に格納する、請求項6に記載の情報処理端末。
【請求項8】
通信手段を備え、
前記制御部は、前記通信手段を通じて外部装置から取得した楽曲データを前記記憶部に格納する、請求項6または7に記載の情報処理端末。
【請求項9】
メモリカードが挿入されるカードインタフェース部を備え、
前記制御部は、前記カードインタフェースを通じて前記メモリカードから取得した楽曲データを前記記憶部に格納する、請求項6から8のいずれかに記載の情報処理端末。
【請求項10】
表示部と、
出力部と、
画像データおよび楽曲データが格納されるとともに、前記表示部にて表示される前記画像データに基づく表示画像上の任意に設定された許容範囲の位置情報、前記楽曲データの任意のフレーズの開始点および終了点を示すフラグ情報およびパスワードが照合用データとして格納される記憶部と、
情報の入力、前記表示部にて表示される画像上における位置の指定、および前記楽曲データに基づく再生信号が前記出力部から出力される再生期間における任意のタイミングの指定がそれぞれ可能な入力部と、
個人認証を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、前記表示部にて表示された画像上における、前記入力部を通じてユーザにより指定された部分の位置情報が、前記記憶部に格納された前記照合用データの許容範囲に含まれ、かつ、前記楽曲データに基づく再生信号を前記出力部から出力させ、前記入力部を通じてユーザにより指定されたタイミングが、前記記憶部に格納された前記照合用データのフラグ情報に基づくフレーズの再生期間内に含まれ、かつ、前記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が前記記憶部に格納された前記照合用データのパスワードと一致した場合にのみ、認証成功と判定する、情報処理端末。
【請求項11】
複数の画像データが前記記憶部に格納されており、
前記制御部は、パスワードの設定時に、前記複数の画像データのうち、ユーザが前記入力部を通じて選択した画像データを前記表示部に表示させ、該表示画像上における、前記入力部を通じてユーザにより指定された範囲を前記照合用データの許容範囲として前記記憶部に格納する、請求項10に記載の情報処理端末。
【請求項12】
複数の楽曲データが前記記憶部に格納されており、
前記制御部は、パスワードの設定時に、前記複数の楽曲データのうち、ユーザが前記入力部を通じて選択した楽曲データの再生信号を前記出力部に供給し、該再生信号における、前記入力部を通じてユーザにより指定されたフレーズの開始点および終了点を示すフラグ情報を前記照合用データのフラグ情報として前記記憶部に格納する、請求項10または11に記載の情報処理端末。
【請求項13】
撮像手段を備え、
前記制御部は、前記撮像手段からの画像データを前記記憶部に格納する、請求項10から12のいずれか1項に記載の情報処理端末。
【請求項14】
通信手段を備え、
前記制御部は、前記通信手段を通じて外部装置から取得した画像データまたは楽曲データを前記記憶部に格納する、請求項10から13のいずれかに記載の情報処理端末。
【請求項15】
メモリカードが挿入されるカードインタフェース部を備え、
前記制御部は、前記カードインタフェースを通じて前記メモリカードから取得した画像データまたは楽曲データを前記記憶部に格納する、請求項10から14のいずれかに記載の情報処理端末。
【請求項16】
画像データが格納されるとともに、表示部にて表示される前記画像データに基づく表示画像上における任意に設定された許容範囲の位置情報およびパスワードが照合用データとして格納される記憶部と、情報の入力および前記表示部にて表示される画像上における位置の指定が可能な入力部と、を有する情報処理端末において行われる個人認証方法であって、
制御部が、前記表示部にて表示された画像上における、前記入力部を通じてユーザにより指定された部分の位置情報が、前記記憶部に格納された前記照合用データの許容範囲内に含まれているか否かを判定する第1のステップと、
前記制御部が、前記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が前記記憶部に格納された前記照合用データのパスワードと一致するか否かを判定する第2のステップと、
前記第1のステップで、ユーザにより指定された部分が前記許容範囲に含まれていると判定され、かつ、前記第2のステップで、ユーザにより入力された文字列が前記パスワードと一致すると判定された場合にのみ、前記制御部が、個人認証が成功した判定する第3のステップと、を含む、個人認証方法。
【請求項17】
楽曲データが格納されるとともに、該楽曲データの任意のフレーズの開始点および終了点を示すフラグ情報およびパスワードが照合用データとして格納される記憶部と、情報の入力が可能であり、前記楽曲データに基づく再生信号が出力部から出力される再生期間における任意のタイミングを指定可能な入力部と、を有する情報処理端末において行われる個人認証方法であって、
制御部が、前記楽曲データに基づく再生信号を前記出力部から出力させ、前記入力部を通じてユーザにより指定されたタイミングが、前記記憶部に格納された前記照合用データのフラグ情報に基づくフレーズの再生期間内に含まれているか否かを判定する第1のステップと、
前記制御部が、前記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が前記記憶部に格納された前記照合用データのパスワードと一致するか否かを判定する第2のステップと、
前記第1のステップで、ユーザにより指定されたタイミングが前記フラグ情報に基づくフレーズ内に含まれていると判定され、かつ、前記第2のステップで、ユーザにより入力された文字列が前記パスワードと一致すると判定された場合にのみ、前記制御部が、個人認証が成功した判定する第3のステップと、を含む、個人認証方法。
【請求項18】
画像データおよび楽曲データが格納されるとともに、前記表示部にて表示される前記画像データに基づく表示画像上の任意に設定された許容範囲の位置情報、前記楽曲データの任意のフレーズの開始点および終了点を示すフラグ情報およびパスワードが照合用データとして格納される記憶部と、情報の入力、前記表示部にて表示される画像上における位置の指定、および前記楽曲データに基づく再生信号が前記出力部から出力される再生期間における任意のタイミングの指定がそれぞれ可能な入力部と、を有する情報処理端末において行われる個人認証方法であって、
制御部が、前記表示部にて表示された画像上における、前記入力部を通じてユーザにより指定された部分の位置情報が、前記記憶部に格納された前記照合用データの許容範囲内に含まれているか否かを判定する第1のステップと、
前記制御部が、前記楽曲データに基づく再生信号を前記出力部から出力させ、前記入力部を通じてユーザにより指定されたタイミングが、前記記憶部に格納された前記照合用データのフラグ情報に基づくフレーズの再生期間内に含まれているか否かを判定する第2のステップと、
前記制御部が、前記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が前記記憶部に格納された前記照合用データのパスワードと一致するか否かを判定する第3のステップと、
前記第1のステップで、ユーザにより指定された部分が前記許容範囲に含まれていると判定され、かつ、前記第2のステップで、ユーザにより指定されたタイミングが前記フラグ情報に基づくフレーズ内に含まれていると判定され、かつ、前記第3のステップで、ユーザにより入力された文字列が前記パスワードと一致すると判定された場合にのみ、前記制御部が、個人認証が成功した判定する第4のステップと、を含む、個人認証方法。
【請求項19】
画像データが格納されるとともに、表示部にて表示される前記画像データに基づく表示画像上における任意に設定された許容範囲の位置情報およびパスワードが照合用データとして格納される記憶部と、情報の入力および前記表示部にて表示される画像上における位置の指定が可能な入力部と、を有する情報処理端末において用いられるプログラムであって、
前記表示部にて表示された画像上における、前記入力部を通じてユーザにより指定された部分の位置情報が、前記記憶部に格納された前記照合用データの許容範囲内に含まれているか否かを判定する第1の処理と、
前記制御部が、前記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が前記記憶部に格納された前記照合用データのパスワードと一致するか否かを判定する第2の処理と、
前記第1の処理で、ユーザにより指定された部分が前記許容範囲に含まれていると判定され、かつ、前記第2の処理で、ユーザにより入力された文字列が前記パスワードと一致すると判定された場合にのみ、前記制御部が、個人認証が成功した判定する第3の処理と、を含む、プログラム。
【請求項20】
楽曲データが格納されるとともに、該楽曲データの任意のフレーズの開始点および終了点を示すフラグ情報およびパスワードが照合用データとして格納される記憶部と、情報の入力が可能であり、前記楽曲データに基づく再生信号が出力部から出力される再生期間における任意のタイミングを指定可能な入力部と、を有する情報処理端末において用いられるプログラムであって、
制御部が、前記楽曲データに基づく再生信号を前記出力部から出力させ、前記入力部を通じてユーザにより指定されたタイミングが、前記記憶部に格納された前記照合用データのフラグ情報に基づくフレーズの再生期間内に含まれているか否かを判定する第1の処理と、
前記制御部が、前記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が前記記憶部に格納された前記照合用データのパスワードと一致するか否かを判定する第2の処理と、
前記第1の処理で、ユーザにより指定されたタイミングが前記フラグ情報に基づくフレーズ内に含まれていると判定され、かつ、前記第2の処理で、ユーザにより入力された文字列が前記パスワードと一致すると判定された場合にのみ、前記制御部が、個人認証が成功した判定する第3の処理と、を含む、プログラム。
【請求項21】
画像データおよび楽曲データが格納されるとともに、前記表示部にて表示される前記画像データに基づく表示画像上の任意に設定された許容範囲の位置情報、前記楽曲データの任意のフレーズの開始点および終了点を示すフラグ情報およびパスワードが照合用データとして格納される記憶部と、情報の入力、前記表示部にて表示される画像上における位置の指定、および前記楽曲データに基づく再生信号が前記出力部から出力される再生期間における任意のタイミングの指定がそれぞれ可能な入力部と、を有する情報処理端末において用いられるプログラムであって、
制御部が、前記表示部にて表示された画像上における、前記入力部を通じてユーザにより指定された部分の位置情報が、前記記憶部に格納された前記照合用データの許容範囲内に含まれているか否かを判定する第1の処理と、
前記制御部が、前記楽曲データに基づく再生信号を前記出力部から出力させ、前記入力部を通じてユーザにより指定されたタイミングが、前記記憶部に格納された前記照合用データのフラグ情報に基づくフレーズの再生期間内に含まれているか否かを判定する第2の処理と、
前記制御部が、前記入力部を通じてユーザにより入力された文字列が前記記憶部に格納された前記照合用データのパスワードと一致するか否かを判定する第3の処理と、
前記第1の処理で、ユーザにより指定された部分が前記許容範囲に含まれていると判定され、かつ、前記第2の処理で、ユーザにより指定されたタイミングが前記フラグ情報に基づくフレーズ内に含まれていると判定され、かつ、前記第3の処理で、ユーザにより入力された文字列が前記パスワードと一致すると判定された場合にのみ、前記制御部が、個人認証が成功した判定する第4の処理と、を含む、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−97413(P2010−97413A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−267685(P2008−267685)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】