説明

情報処理装置、情報処理システム、それらの制御方法

【課題】 部品/ユニットの交換後における画像形成装置の調整処理をサービスマンなどの手をわずらわせることなく、簡単かつ安価に実現する画像形成システムを提供する。
【解決手段】 各部品/ユニットに、各部品/ユニットを特定する特定情報(IDコード)を記憶した読み取り専用の無線ICタグを取り付ける。部品/ユニットの交換時に画像形成装置は、交換した部品/ユニットのIDコードを読み取り、IDコードに対応する部品/ユニットの特性データを保有する情報処理装置に送信して、交換した部品/ユニットの特性データを送信してもらう。そのため、部品/ユニットの交換時に、受信した特性データを用いて画像装置を調整することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続された複数の情報処理装置を含む情報処理システムおよびそれらの制御方法に関する。情報処理システムの一例は、ネットワークに接続されている電子写真方式を用いた複写機、レーザまたはLEDプリンタ、あるいは、レーザまたはLEDファクシミリなどの画像形成装置と、情報処理装置とを有する画像形成システムである。より詳細には、画像形成装置に装着される各部品/ユニットの個々の特性データに基づいて部品/ユニットを装着した後の画像形成装置の調整処理に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、画像形成に重要な部品/ユニットの寿命、または故障などにより、その部品/ユニットを交換する必要がある。この時、交換した部品/ユニットの固有の特性データに応じて個別に最適化しないと、画像不良の原因となったりする。そこで、上記部品/ユニットを交換する場合には、交換する部品/ユニットの固有の特性データをサービスマンが手動で入力することにより、画像形成措置の個別最適化を行ってきた。
【0003】
しかし、手動で入力するために入力ミスが発生する問題もあり、また入力されたデータが正しい値であるか判断できなくなるという問題を抱えていた。それ故、手動入力に替わって、バーコードを用いる手法もあるが、この場合、バーコードリーダを本体に設けることはコスト的に高くなり、バーコードリーダのサイズも大きいため、本体内に配置することが困難であった。
【0004】
また、ユーザ自身が交換するユニット、例えば感光体ドラムや現像器などのカートリッジなどに関しては、従来個別最適化する場合は、各ユニットにそれぞれ最適値が入力されたメモリを設けて、それを画像形成装置で読取り、最適化する手法がとられている。
【0005】
しかし、現在以上に感光体ドラムの特性や現像器などのより詳細な特性データを入手して、個別最適化を実施したい場合には、メモリ容量を大きくする必然性が生まれる。そのためカートリッジなどの交換パーツの価格が高くなり、画像形成装置のランニングコストが悪化するという問題もあった。
【0006】
また、画像形成装置の部品/ユニットに非接触ICチップを使った技術としては、特開2003-5589号公報(特許文献1)に見られるように、書き換え可能な非接触ICチップを用いて部品/ユニットの稼動履歴を入手し、また記録できる実施形態がある。しかしながら、非接触ICチップを書き換え可能とするためと稼動履歴データなど記憶させるに必要なメモリ容量とを必要とするために、ICチップにコスト高や、メモリへと読み書きする送受信部のコスト高という問題があった。
【特許文献1】特開2003-5589号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記説明した画像形成装置の部品/ユニットを寿命、故障などの理由で交換した後に、交換後の画像形成装置を調整する際の手間や費用がかさむという問題点は、一般の情報処理装置においても共通する問題である。すなわち、一般の情報処理装置でも部品/ユニットを交換した場合、交換後の情報処理装置を調整する際の手間や費用がかさむという問題がある。
【0008】
本発明は、上記説明した情報処理装置の部品/ユニットを寿命、故障などの理由で市場において交換した場合、交換後の情報処理装置を調整する際の手間や費用がかさむという従来技術の問題点を解決することを出発点としてなされたものである。その目的は、部品/ユニットの交換後の情報処理装置を調整する処理をユーザやサービスマンの手をわずらわせることなく、簡単かつ安価に実現することができる情報処理装置、情報処理システムおよびそれらの制御方法を提供することである。
【0009】
また、本発明は、上記説明した画像形成装置の部品/ユニットを寿命、故障などの理由で市場において交換し、交換後の画像形成装置を調整する際の手間や費用がかさむという従来技術の問題点を解決することを出発点としてなされたものである。その目的は、部品/ユニットの交換後の画像形成装置を調整する処理をユーザやサービスマンの手をわずらわせることなく、簡単かつ安価に実現することができる画像形成装置、情報処理装置、画像形成システム、およびそれらの制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明の情報処理装置の制御方法は、以下の構成を有する。すなわち、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続された情報処理装置の制御方法であって、ユニット/部品を特定する特定情報を記憶する特定情報記憶手段を備えたユニット/部品を前記情報処理装置に装着する装着工程と、前記ユニット/部品が装着された場合に、前記特定情報記憶手段から前記特定情報を読みとり、読みとられた前記特定情報に基づいて、ネットワークを介して前記他の情報処理装置から前記ユニット/部品の特性データを入手して特性データ記憶手段に記憶する記憶工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の情報処理装置は、以下の構成を有する。すなわち、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続された情報処理装置であって、ユニット/部品を特定する特定情報を記憶する特定情報記憶手段を備えたユニット/部品と、前記ユニット/部品が装着された場合に、前記特定情報記憶手段から前記特定情報を読みとり、読みとられた前記特定情報に基づいて、ネットワークを介して前記他の情報処理装置から前記ユニット/部品の特性データを入手して特性データ記憶手段に記憶する記憶手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の情報処理装置の制御方法は、以下の構成を有する。すなわち、ネットワークに接続され、他の情報処理装置に装着可能なユニット/部品の特性データを保有する情報処理装置の制御方法であって、前記他の情報処理装置にユニット/部品が装着されたときに、前記他の情報処理装置から装着されたユニット/部品を特定する特定情報を受信する工程と、前記受信した特定情報に対応するユニット/部品の特性データをデータベースから検索する検索工程と、前記検索された特性データを読み出して前記他の情報処理装置に送信する送信工程と、を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の情報処理装置は、以下の構成を有する。すなわち、ネットワークに接続され、他の情報処理装置に装着可能なユニット/部品の特性データを保有する情報処理装置であって、前記他の情報処理装置に装着可能なユニット/部品の特性データを記憶するデータベースと、前記他の情報処理装置にユニット/部品が装着されたときに、前記他の情報処理装置から装着されたユニット/部品を特定する特定情報を受信する受信手段と、前記受信した特定情報に対応するユニット/部品の特性データを前記データベースから検索する検索手段と、前記検索された特性データを読み出して前記他の情報処理装置に送信する送信手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の情報処理システムの制御方法は、以下の構成を有する。すなわち、第1の情報処理装置と第2の情報処理装置とがネットワークを介して接続された情報処理システムの制御方法であって、ユニット/部品を特定する特定情報を記憶する特定情報記憶手段を備えたユニット/部品を前記第1の情報処理装置に装着する装着工程と、前記ユニット/部品が前記第1の情報処理装置に装着された場合に、前記特定情報記憶手段から前記特定情報を読みとり、読み取った前記特定情報をネットワークを介して前記第2の情報処理装置に送信する第1の送信工程と、前記特定情報を受信すると、前記受信した特定情報に対応するユニット/部品の特性データをデータベースから検索し、検索された前記特性データを前記第1の情報処理装置に送信する第2の送信工程と、前記特性データを受信すると、受信した前記特性データを特性データ記憶手段に記憶する記憶工程と、を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の情報処理システムは、以下の構成を有する。すなわち、第1の情報処理装置と第2の情報処理装置とがネットワークを介して接続された情報処理システムであって、ユニット/部品を特定する特定情報を記憶する特定情報記憶手段を備えたユニット/部品と、前記ユニット/部品が前記第1の情報処理装置に装着された場合に、前記特定情報記憶手段から前記特定情報を読みとり、読み取った前記特定情報をネットワークを介して前記第2の情報処理装置に送信する第1の送信手段と、前記特定情報を受信すると、前記受信した特定情報に対応するユニット/部品の特性データをデータベースから検索する検索し、検索された前記特性データを前記第1の情報処理装置に送信する第2の送信手段と、前記特性データを受信すると、受信した前記特性データを記憶する特性データ記憶手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の情報処理システムによれば、部品/ユニットを交換した場合、部品/ユニットの交換後の情報処理装置を調整する処理をユーザやサービスマンの手をわずらわせることなく、簡単かつ安価に実現することができる。すなわち、交換したユニット/部品には、ユニット/部品を特定する特定情報が記憶されているので、交換時に情報処理装置は特定情報を読みとり、ネットワークを介して他の情報処理装置からユニット/部品に特有の特性データを自動で入手することができる。また、情報処理装置は、他の情報処理装置から装着されたユニット/部品を特定する特定情報を受信すると、受信した特定情報に対応するユニット/部品の特性データをデータベースから検索して他の情報処理装置に送信することができる。
【0017】
また、本発明の情報処理システムが情報処理装置と画像形成装置とを含む場合において、部品/ユニットの交換後の画像形成装置を調整する処理をユーザやサービスマンの手をわずらわせることなく、簡単かつ安価に実現することができる。すなわち、交換した画像形成装置のユニット/部品には、それを特定する特定情報が記憶されているので、交換時に画像形成装置は特定情報を読みとり、ネットワークを介して情報処理装置からユニット/部品に特有の特性データを自動で入手することができる。また、情報処理装置は、画像形成装置から装着されたユニット/部品を特定する特定情報を受信すると、受信した特定情報に対応するユニット/部品の特性データをデータベースから検索して画像形成装置に送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の情報処理装置と情報処理装置とがインターネットを介して接続された情報処理システムにおいて、情報処理装置の部品/ユニットを交換した場合における交換後の情報処理装置の調整処理について詳細に説明する。なお、以下の説明では、情報処理システムとして、画像形成装置と情報処理装置とがインターネットを介して接続された画像形成システムを例にとり、画像形成装置の部品/ユニットを交換した場合における画像形成条件の調整処理について詳細に説明する。
【0019】
(本願発明の特徴)
画像形成装置は、画像形成に伴い消耗したあるいは故障した部品/ユニットを交換する必要があるが、交換する部品/ユニットはその製造条件により、最適な画像を形成するための特性が微妙に異なる。そこで、部品/ユニットの製造工場では、製造した各部品/ユニットごとに最適な画像を形成するための特性データを測定して保管している。しかしながら、部品/ユニットの交換時に、交換する部品/ユニットの特性データを各部品/ユニットのメモリに記憶させておき、サービスマンがこの特性データを用いて画像形成装置を調整するのは、交換パーツの価格が高くなり手間もかかる。本画像形成システムは、部品/ユニットの交換時における画像形成装置の調整をユーザやサービスマンの手をわずらわせることなく、簡単かつ安価に実現することを特徴とする。本画像形成システムは、画像形成装置と情報処理装置とからなる。画像形成装置の各部品/ユニットには、それぞれ各部品/ユニットを特定する特定情報(認証(ID)コード)を記憶した無線ICタグが備えつけられている。本無線ICタグは、この特定情報のみ記憶する読み取り専用の非接触ICチップのため、従来の書き換え可能なICチップと比べて、ICチップのコストや受信部のコストを抑えることが可能である。また情報処理装置には、画像形成装置に装着する各部品/ユニットの特性データをデータベースとして保存している。そこで、本画像形成システムでは、部品/ユニットを交換する場合、交換した部品/ユニットのIDコードを読み取り、IDコードに対応する特性データをデータベースから安価にかつ自動で入手することができる。そのため、本画像形成装置では、部品/ユニットの交換時に、入手した特性データを用いて画像形成装置を調整することができる。
【0020】
(用語の説明)
本明細書では、「画像形成装置」とは、電子写真方式を用いた複写機、レーザまたはLEDのプリンタ、レーザまたはLEDのファクシミリなどのことをいうが、本明細書の説明では、主にフルカラープリンタを用いて説明する。「無線ICタグ」とは、画像形成装置の構成要素である部品あるいはカートリッジ化されたユニットに取り付けられ、その部品またはユニットの特定情報(認証(ID)コード)が記憶されている、書き換え不可な非接触ICチップをいう。「部品/ユニット」とは、画像形成装置の重要な構成要素である部品、あるいはカートリッジ化された装着自在のユニットであって、無線ICタグが取り付けられたものをいう。部品の一例は、濃度センサなどの各種センサ類であり、ユニットの一例は、中間転写体(中間転写ベルト)や感光体ドラムなどである。「情報処理装置」とは、画像形成装置の重要な構成要素であるユニット/部品の各特性データ、使用状況をデータベースとして記憶して管理する管理データベース用コンピュータ等を指す。部品/ユニットの「特性データ」の一例は、中間転写体のベルト1周期の厚みムラを示す特性データ、感光体ドラムのドラム1周期のドラム電位ムラを示す特性データである。また、濃度センサにより検出された各色のトナー濃度とセンサ出力の関係を示す特性データでもよい。これらのデータは、各ユニット/部品が交換されたときに画像形成装置を調整するために必要なデータである。
【0021】
<フルカラープリンタ>
以下の説明では、最初に画像形成システムのフルカラープリンタについて説明する。次に、本画像形成システムの制御構成と本画像形成システムを用いて、ユニット/部品を交換したときの交換後の画像形成装置の調整処理について詳細に説明する。以下の説明では、フルカラープリンタの「ユニット/部品」である、1)中間転写体、2)濃度センサ、3)感光体ドラムを交換する場合を例に取り、交換後の画像形成装置の調整処理について、具体的に説明する。
【0022】
(フルカラープリンタの構成:図1)
図1は、フルカラープリンタ30の主要部の構成図である。フルカラープリンタ30は、スキャナ部31とプリンタ本体32とから構成される。感光体ドラム1は図示しないモータで矢印Aの方向に回転できるように設けられている。感光体ドラム1の周囲には、一次帯電器7、露光部(レーザスキャナ制御部)8、色現像手段13、1次転写部(転写帯電器)10、クリーナ部12が配置されている。クリーナ部12の前段には清掃帯電器11が配置されている。
【0023】
色現像手段13はフルカラー現像のための4台の色の回転現像器13Y,13M,13C、13Kを含む回転現像器から構成される。回転現像器13Y,13M,13C,および13Kは、感光体ドラム1上の潜像をそれぞれY、M、C、Kトナーで現像する。各色を現像する際には、図示しないモータによって回転現像器13を矢印方向に回転させ、該当する色の回転現像器が感光体ドラム1に当接するように位置合わせる。続いて、それぞれ現像器の高圧バイアスを制御し、感光体ドラム1上に形成された潜像を各色のトナー像へと現像する。感光体ドラム1上に現像された各色のトナー像は、1次転写部10によって中間転写体としての中間転写ベルト2に順次転写されて、4色のトナー像が重ね合わされる。中間転写ベルト2はローラ17,18,19、20に張架されている。
【0024】
これらのうち、ローラ17は図示しない駆動源に結合されて中間転写ベルト2を駆動する駆動ローラとして機能する。ローラ18及びローラ20は中間転写ベルト2の張力を調節するテンションローラとして機能し、ローラ19は2次転写部としての2次転写ローラ21のバックアップローラとして機能する。中間転写ベルト2を挟んでローラ17と対向する位置にはベルトクリーナ22が設けられていて、中間転写ベルト2上の残留トナーがブレードで掻き落とされる。記録紙カセット23からピックアップローラ24で搬送路に引き出された記録紙はローラ対25、26によってニップ部、つまり2次転写ローラ21と中間転写ベルト2との当接部に給送される。中間転写ベルト2上に形成されたトナー像はこのニップ部で記録紙上に転写され、定着部5で熱定着されて装置外へ排出される。
【0025】
上記構成によるカラープリンタでは、次のようにして画像が形成される。まず、帯電部7に電圧を印加して感光体ドラム1の表面を予定の帯電部電位で一様にマイナス帯電させる。続いて、帯電された感光体ドラム1上の画像部分が予定の露光部電位になるようにレーザスキャナからなる露光部8で露光を行い潜像が形成される。露光部(レーザスキャナ制御部)8は画像信号に基づいてオン・オフすることにより、画像に対応した潜像を形成する。
【0026】
回転現像部13Y等の現像ローラには各色毎に予め設定された現像バイアスが印加されており、前記潜像は該現像ローラの位置を通過時にトナーで現像され、トナー像として可視化される。トナー像は転写部10で中間転写ベルト2に転写され、さらに2次転写ローラ21で記録紙に転写された後、定着部5に送給される。フルカラープリント時はベルト上で4色のトナーが重ね合わされた後、記録紙に転写される。感光体ドラム1上に残留したトナーは予備清掃装置でトナーの帯電を、クリーニングしやすい状態にし、クリーナ部12で除去・回収され、最後に、感光体ドラム1は除電部(不図示)で一様に0ボルト付近まで除電されて、次の画像形成サイクルに備える。
【0027】
上記カラープリンタの画像形成タイミングは、中間転写ベルト2上の所定位置を基準として制御されている。中間転写ベルト2は駆動ローラ17、テンションローラ18および20、バックアップローラ19からなるローラ類に掛け渡されていて、テンションローラ18及び20によって所定の張力が与えられている。バックアップローラ19とテンションローラ20の間には、基準位置を検知する反射型センサ36が配置されている。反射型センサ36は中間転写ベルト2の外周面端部に設けられた反射テープ等のマーキングを検知して基準マーク信号を出力する。
【0028】
<1.中間転写体を交換する場合の画像形成装置の調整>
次に、「ユニット/部品」として中間転写体を交換する場合において、本画像形成システムの制御構成および本画像形成システムにおける中間転写体交換後の画像形成装置の調整処理について詳細に説明する。
【0029】
(画像形成システムおよび中間転写体を交換する場合の制御構成:図2)
図2は、フルカラープリンタ30と管理データベース用コンピュータ200とがインターネットを介して接続された本画像形成システムの構成の一例を説明する図である。図2には、無線ICタグを備える中間転写体を交換した後に使用開始する際にフルカラープリンタ30が管理データベース用コンピュータ200から取得した中間転写体の「特性データ」を用いて画像形成装置を調整する際の制御構成が示されている。
【0030】
まず、管理データベース用コンピュータ200の制御構成について説明する。管理データベース用コンピュータ200は、通信部201、IDコード照合部202、ユニット使用履歴記憶部203、ユニット特性情報記憶部204、CPU205、ROM206等から構成されている。通信部201は、ネットワークを介して1つ以上のフルカラープリンタ30と通信する。IDコード照合部202では、通信部201より受信した無線ICタグのIDコードと、対応する部品/ユニットの特性データが記憶部に記憶されているIDコードと照合し、受信したIDコードに対応する部品/ユニットの特性データを検索する。
【0031】
ユニット使用履歴記憶部203は、フルカラープリンタ30から送信されるIDコードあるいはフルカラープリンタ30の使用状況の情報などから、無線ICタグが設けられた部品・ユニットの使用状況を記録する。図4Aは、ユニット使用履歴記憶部203に記憶されているデータの一例を示す図である。ユニット特性情報記憶部204には、IDコードにより分別された各部品・ユニットの特性データが記憶されている。この特性データは、各部品・ユニットの生産工程にて測定されたデータであり、部品・ユニットの交換時などに画像形成条件を調整する上で必要なものであり、各部品・ユニットのIDコードとともに記憶されている。図4Bは、ユニット特性情報記憶部204に記憶されているデータの一例を示す図である。
【0032】
次に、中間転写体を交換する場合のフルカラープリンタ30の制御構成について説明する。フルカラープリンタ30は、中間転写体2、プリンタ制御部50、ネットワーク通信部51、無線ICタグ60、IDコード受信器61、モータ駆動制御部62、ベルト駆動モータ63、マーク64、アンテナ65、マーク検出センサ66などから構成される。
【0033】
プリンタ制御部50は、CPU51、ROM52、RAM53などからなり、CPU51は、ROM52に格納された各種制御プログラムに基づいてRAM53を作業領域に使用しながら各部を制御しながら各種処理を実行するものである。各種制御プログラムには、後で詳しく述べる部品・ユニットの交換時の画像形成条件の処理プログラムなどが含まれる。また、ROM52には、無線ICタグ60から読み取られたIDコードを送信するための送信先アドレス情報として、例えば、管理データベース用コンピュータ200のURLが格納されている。RAM53には、例えば、各部品・ユニットの特性データがIDコードと関連づけられて記憶されている。ネットワーク通信部51は、ネットワークを介して管理データベース用コンピュータ200と通信し、取得したIDコードなどを送信し、特性データを受信する。IDコード受信器61は、アンテナ65を介して無線ICタグ60からIDコード受信する。モータ駆動制御部62は、プリンタ制御部50から受信した特性データとマーク検出センサ66によって検出された中間転写体2上の基準位置を示すマーク64とに基づいてベルト駆動モータ63を制御する。その結果、中間転写体2の速度が最適に制御され、画像形成装置が最適に調整される。
【0034】
(中間転写体交換時の画像形成条件の調整処理:図3)
図3は、上記説明した中間転写体2を交換した後の画像形成装置の調整処理が、本画像形成システムのフルカラープリンタ30と管理データベース用コンピュータ200とによって協同して行われることを説明するフローチャートである。
【0035】
図3のステップS101〜110は、フルカラープリンタ30のCPU51がROM52に記憶された制御プログラムに基づいて各部を制御しながら行う処理である。また、図3のステップS201〜205は、管理データベース用コンピュータ200のCPU205がROM206に記憶された制御プログラムに基づいて各部を制御しながら行う処理である。以下、図3の処理を説明する。
【0036】
まず、ステップS101において、図1のプリンタ本体32の電源がONされると、CPU51は、中間転写体2上の無線ICタグ60の認証(ID)コードを読み取るために中間転写体2を制御して1周回転させる。次に、中間転写体2上の無線ICタグ60がアンテナ65近傍を通過するときに、アンテナ65は無線ICタグ60より認証コードを読み取るように制御する。アンテナ65には無線ICタグから認証コードを読み取るための回路であるIDコード受信器61が接続されている。次に、このIDコード受信器61とアンテナ65により読み取られた中間転写体2上の無線ICタグ60に記憶された認証コードが、CPU51に送られるように制御する。
【0037】
次に、ステップS102において、CPU51は、無線ICタグより読み取ったIDコードが、プリンタCPU51に記憶された中間転写体のIDコードと一致するか否かを判定する。ここでIDコードが一致している場合には、中間転写体は以前より使われているものと同じ中間転写体が使われていると判断する。そこで、RAM53に記憶されている中間転写体のベルト1周分の厚みムラデータを用いて、厚みムラによる中間転写体の速度補正処理を行うためにステップS106に進む。
【0038】
一方、ステップS102において、IDコードが一致しないと判断された場合には、ステップS103に進みする。ステップS103では、中間転写体2が新しくフルカラープリンタ30に交換されて組み込まれたものであると判断し、ネットワーク通信部51を介して管理データベース用コンピュータ200に中間転写体2のIDコードをネットワークを介して送信する。
【0039】
次に、管理データベース用コンピュータ200のCPU205は、ステップS200〜205の処理を行う。
【0040】
まず、ステップS200において、フルカラープリンタ30からIDコードが送信されてくるまで待機する。次に、ステップS201において、フルカラープリンタ30から送信されてきたIDコードを通信部201で受信すると、ステップS202に進み、CPU205は、受信したIDコードをIDコード照合部に送る。さらに、CPU205は、受信したIDコードを有する部品・ユニット(中間転写体2)が、管理データベース用コンピュータ200に記憶されたものであるか否かを照合するようにIDコード照合部を制御する。
【0041】
次に、ステップS203において、CPU205は、照合されたIDコードよって、ユニット特性情報記憶部204に記憶された特性データを読み出す。続いて、ステップS204に進み、読み出した特性データを、フルカラープリンタ30のネットワーク通信部51に送信するように通信部201を制御する。
【0042】
次に、ステップS205において、図4Aに一例を示すユニット使用履歴記憶部203の使用状況の欄に、中間転写体の使用開始日時などを記憶してから、一連の作業を終了する。
【0043】
次に、ステップS104a〜ステップS110の処理について説明する。すなわち、CPU50が管理データベース用コンピュータ200より受信した中間転写体2の特性データ、あるいはユニット特性情報記憶部204に記憶されている特性データを用いて行う中間転写体2交換時の画像形成装置の調整処理について説明する。
【0044】
まず、ステップS104aにおいて、管理データベース用コンピュータ200より中間転写体2の特性データを受信するまで待機する。次に、ステップS104において、管理データベース用コンピュータ200より中間転写体2の特性データを受信すると、ステップS105に進み、CPU51は受信した中間転写体2の特性データをRAM53に格納するように制御する。
【0045】
(中間転写体の特性データ:図5)
図5は、受信した中間転写体2の特性データの一例であり、中間転写体2のベルト位置Xとベルト厚みTBの関係を示す特性データである。図において、TB(x)は、基準位置(0)からXmm離れたベルト位置Xにおけるベルト厚み(μm)であり、TBaは、ベルト1周期の厚みムラの平均値である。本実施形態の中間転写体は図2に示すようにベルト形状であり、ベルトの厚みの違いによって、中間転写体とドラムの接する箇所における中間転写体の速度は微妙に変化する。このため中間転写体の速度のムラが、画像形成における画像の位置ズレや色ズレの原因になる。そこで本実施形態では、図5に示すベルト1周期の厚みムラのデータに基づいて、ベルト駆動モータの速度を補正する。
【0046】
次に、図3のステップS106において、CPU51はRAM53に記憶した中間転写体のベルト1周の厚みムラデータを読み出し、モータ駆動部62に送信する。次に、ステップS107において、CPU51は、モータ駆動制御部62が中間転写体2上にある基準位置マーク64をマーク検出センサ66にて読み取る。次に、ステップS108に進み、その基準位置マークに基づき、モータ駆動制御部62がベルトの厚みによる速度ムラを補正するための速度補正カーブを作成するように制御する。
【0047】
図6は、受信した中間転写体2の特性データに基づいて、中間転写体2の各ベルト位置Xにおける速度が目標速度Vtとなるように制御する方法を説明する図である。まず、図5の受信した中間転写体2の特性データに基づいて、ベルト位置Xにおける速度V(x)の速度補正カーブVcf(x)を算出する。そして、算出した速度補正カーブVcf(x)を用いてベルト位置Xにおける速度V(x)を補正する。この結果、中間転写体が常に一定の目標速度Vtとなるように制御することができる。
【0048】
次に、ステップS109において、CPU51は図6の速度補正カーブVcf(x)を用いてベルト駆動モータ63の回転速度を補正し、中間転写体2が常に一定速度で回転するようにモータ駆動制御部62を制御する。次に、ステップS110において、補正された画像形成条件に基づいて画像形成してから一連の作業を終了する。
【0049】
以上説明した処理により、画像形成時における中間転写体の交換に起因する画像の位置ズレや色ずれを無くすことができるので、鮮明な画像形成が可能となる。
【0050】
従来、中間転写体の寿命、故障などによって中間転写体を交換した場合には、サービスマンは、交換した中間転写体の特性データを手入力して画像形成条件を調整しなければならなかったため手間がかかり、ミスを生じる場合もあった。
【0051】
しかしながら、上記説明したように、本画像形成システムでは中間転写体に中間転写体を特定する特定情報(認証(ID)コード)を記憶した無線ICタグを取り付けている。そこで、交換した中間転写体による画像形装置を調整する際には、認証コードに対応する特性データをデータベースから自動で入手することができる。そのため、従来、中間転写体の交換時に、サービスマンにより入力により行われていた画像形成装置の調整処理を安価で、容易に、ミスなく自動で行うことができる。
【0052】
<2.濃度センサを交換する場合の画像形成装置の調整>
次に、「ユニット/部品」として濃度センサを交換する場合において、本画像形成システムの制御構成および本画像形成システムにおける濃度センサ交換後の画像形成装置の調整処理について詳細に説明する。なお、以下の説明では、図1〜図6を用いて説明した中間転写体を交換する場合の制御構成とその処理の説明と共通する部分についての説明は重複するのでその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0053】
(画像形成システムおよび濃度センサを交換する場合の制御構成:図9)
図9は、フルカラープリンタ30と管理データベース用コンピュータ200とがインターネットを介して接続された本画像形成システムの構成の一例を説明する図である。図9には、無線ICタグを備える濃度センサを交換した後に使用開始する際にフルカラープリンタ30が管理データベース用コンピュータ200から取得した濃度センサの「特性データ」を用いて画像形成装置を調整する際の制御構成が示されている。
【0054】
管理データベース用コンピュータ200の制御構成については、図2の中間転写体2を交換する場合の説明と共通するのでその説明は省略する。
【0055】
次に、濃度センサを交換する場合のフルカラープリンタ30の制御構成について説明する。フルカラープリンタ30は、濃度センサ70、プリンタ制御部50、ネットワーク通信部51、無線ICタグ60、IDコード受信器61、トナー補給制御部81、トナー補給モータ82、アンテナ65などから構成される。
【0056】
なお、プリンタ制御部50の説明は、図2の中間転写体2を交換する場合の説明と共通するのでその説明は省略する。ネットワーク通信部51は、ネットワークを介して管理データベース用コンピュータ200と通信し、取得したIDコードなどを送信し、特性データを受信する。IDコード受信器61は、アンテナ65を介して無線ICタグ60からIDコード受信する。トナー補給制御部81は、プリンタ制御部50から受信した濃度センサの特性データに基づいてトナー補給モータ82を制御する。その結果、濃度センサによって検出されるトナー濃度が最適に制御され、画像形成装置が最適に調整される。
【0057】
(濃度センサ:図7、8)
次に、図7、8を用いて、濃度センサ70について詳細に説明する。図7に示すように濃度センサ70は、中間転写体2の上方に配置され、中間転写体2上に形成されたトナーパッチ画像の濃度の濃度を検出する。図8は、中間転写体2に形成されたトナーパッチ80の濃度を濃度センサ70によって検出する構成をより詳細に示した図である。濃度センサ70にはトナーパッチ80を光で照射するための発光素子(LED)72があり、LED72からの光は偏光板79を通してトナーパッチ80に光を照射させると同時に、偏光板79により反射された光は受光素子(フォトセンサ)77に入力される。フォトセンサ77に入力される光量をモニタし、この光量が一定になるようにLED72から発する光量を制御するようになっている。トナーパッチ80に照射された光は、反射し、2つのフォトセンサ、正反射用フォトセンサ76、拡散光フォトセンサ78に入射される。このそれぞれのフォトセンサに入射される光の量によって、中間転写体2上のトナーパッチの濃度を検出する。なお、75は偏光板あって、トナーパッチ80により反射され入射された光を正反射分と拡散光へと分光するためのものである。また濃度センサ70には、無線ICタグ60が設けられており、個々の濃度センサにそれぞれ個別の認証(ID)コードが記憶されている。この無線ICタグ60は図5中のアンテナ65によって、そのIDコードを読み込むことができる。
【0058】
(濃度センサ交換時の画像形成装置の調整処理:図10)
図10は、上記説明した濃度センサ70を交換した後の画像形成装置の調整処理が、本画像形成システムのフルカラープリンタ30と管理データベース用コンピュータ200とによって協同して行われることを説明するフローチャートである。
【0059】
図10のステップS1101〜1110は、フルカラープリンタ30のCPU51がROM52に記憶された制御プログラムに基づいて各部を制御しながら行う処理である。また、図3のステップS201〜205は、管理データベース用コンピュータ200のCPU205がROM206に記憶された制御プログラムに基づいて各部を制御しながら行う処理である。以下、図10の処理を説明する。
【0060】
まず、ステップS1101において、図1のプリンタ本体32の電源がONされると、CPU51は、中間転写体2上の無線ICタグ60の認証コードを読み取るために中間転写体2を制御して1周回転させる。次に、濃度センサ70上の無線ICタグ60がアンテナ65近傍を通過するときに、アンテナ65は無線ICタグ60より認証コードを読み取るように制御する。アンテナ65には無線ICタグから認証コードを読み取るための回路であるIDコード受信器61が接続されている。次に、このIDコード受信器61とアンテナ65により読み取られた濃度センサ70上の無線ICタグ60に記憶された認証(ID)コードが、CPU51に送られるように制御する。
【0061】
次に、ステップS1102において、CPU51は、無線ICタグより読み取ったIDコードが、プリンタCPU51に記憶された濃度センサ70のIDコードと一致するか否かを判定する。ここでIDコードが一致している場合には、濃度センサ70は以前より使われているものと同じ濃度センサ70が使われていると判断する。そこで、RAM53に記憶されている濃度センサ70の特性データを用いて、厚みムラによる中間転写体の速度補正処理を行うためにステップS1106に進む。
【0062】
一方、ステップS1102において、IDコードが一致しないと判断された場合には、ステップS1103に進む。ステップS1103では、中間転写体2が新しくフルカラープリンタ30に交換されて組み込まれたものであると判断し、ネットワーク通信部51を介して管理データベース用コンピュータ200に中間転写体2のIDコードをネットワークを介して送信する。
【0063】
次に、管理データベース用コンピュータ200のCPU205は、ステップS200〜205の処理を行う。
【0064】
まず、ステップS200において、フルカラープリンタ30からIDコードが送信されてくるまで待機する。次に、ステップS201において、フルカラープリンタ30から送信されてきたIDコードを通信部201で受信すると、ステップS202に進み、CPU205は、受信したIDコードをIDコード照合部に送る。また、CPU205は、受信したIDコードを有する部品・ユニット(濃度センサ70)が、管理データベース用コンピュータ200に記憶されたものであるか否かを照合するようにIDコード照合部を制御する。
【0065】
次に、ステップS203において、CPU205は、照合されたIDコードよって、ユニット特性情報記憶部204に記憶された特性データを読み出す。続いて、ステップS204に進み、読み出した特性データを、フルカラープリンタ30のネットワーク通信部51に送信するように通信部201を制御する。次に、ステップS205において、図4に一例を示すユニット使用履歴記憶部203の使用状況の欄に、濃度センサ70の使用開始日時などを記憶してから、一連の作業を終了する。
【0066】
次に、ステップS1104a〜ステップS1110の処理について説明する。すなわち、CPU50が管理データベース用コンピュータ200より受信した濃度センサ70の特性データ、あるいはユニット特性情報記憶部204に記憶されている特性データを用いて行う濃度センサ70交換時の画像形成装置の調整処理について説明する。
【0067】
まず、ステップS1104aにおいて、管理データベース用コンピュータ200より中間転写体2の特性データを受信するまで待機する。次に、ステップS1104において、管理データベース用コンピュータ200より濃度センサ70の特性データを受信すると、ステップS1105に進み、CPU51は受信した濃度センサ70の特性データをRAM53に格納するように制御する。
【0068】
(濃度センサの特性データ:図11,12)
図11は、ある濃度センサが読み取ったシアントナーの濃度データを示す特性データの一例であり、図12は、同じ濃度センサによって読み取られたブラックトナーの濃度データを示す特性データの一例である。図11および図12中のVos、およびVopは、それぞれ拡散光フォトセンサ78、および正反射用フォトセンサ76により検出されたセンサ出力値である。濃度センサ70は、構成する部品や製造上のばらつきによって、図11、および図12にみられるトナー濃度に対する検出レベルが微妙に異なる。それゆれ、濃度センサにより検出された値により画像のトナー濃度を補正する場合には、濃度センサのトナー濃度検出に対する検出特性により、画像のトナー濃度が微妙に異なってくる。そこで、本実施形態では、個々の濃度センサによって異なる検出レベルの微妙な違いである特性データを、濃度センサ70に設けた無線ICタグ60に記憶されたIDコードを基に、ネットワークを介して管理データベース用コンピュータ200から入手する。続いて入手した特性データによって、画像形成上のトナー濃度、すなわち、現像器に補給するトナー量を調整することによって画像濃度を制御することができる。
【0069】
次に、ステップS1106において、CPU51はトナーパッチ80の濃度を検出するように濃度センサを制御する。次に、ステップS1107において、CPU51は、濃度センサによって検出されたトナーパッチ80の濃度と、メモリより読み出した濃度センサの特性データを用いて、トナーパッチの正確な濃度を計算する。
【0070】
次に、ステップS1108において、CPU51は、トナー補給制御部81へトナー補給指令をだすと、ステップS1109において、トナー補給制御部81は、トナー補給モータ82を駆動して、現像器へとトナーを補給するように制御する。そうすることによって、画像のトナー濃度を一定に保ち、鮮明な画像を形成することが可能となる。次に、ステップS1110において、補正された画像形成条件に基づいて画像が形成されたのち、一連の作業が終了する。
【0071】
以上説明した処理により、画像形成時において濃度センサを交換しても画像のトナー濃度を一定に保つことができるので、鮮明な画像形成が可能となる。
【0072】
従来、濃度センサの寿命、故障などによって濃度センサを交換した場合には、サービスマンは、交換した濃度センサの特性データを手入力して画像形成装置を調整しなければならなかったため手間がかかり、ミスを生じる場合もあった。しかしながら、上記説明したように、本画像形成システムでは濃度センサに濃度センサを特定する特定情報(認証(ID)コード)を記憶した無線ICタグを取り付けている。そこで、交換した濃度センサによる画像形成装置を調整する際には、認証コードに対応する特性データをデータベースから自動で入手することができる。そのため、従来、濃度センサの交換時に、サービスマンにより入力により行われていた画像形成装置の調整処理を安価で、容易に、ミスなく自動で行うことができる。
【0073】
<3.感光体ドラムを交換する場合の画像形成装置の調整>
次に、「ユニット/部品」として感光体ドラムを交換する場合において、本画像形成システムの制御構成および本画像形成システムを用いた画像形成装置の調整処理について詳細に説明する。なお、以下の説明では、図1〜図6を用いて説明した中間転写体を交換する場合の制御構成とその処理の説明と共通する部分についての説明は重複するのでその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0074】
(画像形成システムおよび感光体ドラムを交換する場合の制御構成:図14)
図14は、フルカラープリンタ30と管理データベース用コンピュータ200とがインターネットを介して接続された本画像形成システムの構成の一例を説明する図である。
【0075】
図14には、無線ICタグを備える感光体ドラムを交換した後に使用開始する際にフルカラープリンタ30が管理データベース用コンピュータ200から取得した感光体ドラムの「特性データ」を用いて画像形成装置を調整する際の制御構成が示されている。
【0076】
管理データベース用コンピュータ200の制御構成については、図2の中間転写体2を交換する場合の説明と共通するのでその説明は省略する。感光体ドラムを交換する場合のフルカラープリンタ30の制御構成について説明する。
【0077】
フルカラープリンタ30は、感光体ドラム1、HPセンサ93、HPフラグ94、電位センサ3、電位センサ出力部92、プリンタ制御部50、ネットワーク通信部51、無線ICタグ60、IDコード受信器61を有する。フルカラープリンタ30は、更に、電位ムラ補正部(レーザ光量制御部)91、レーザスキャナ制御部8、アンテナ65なども有する。プリンタ制御部50の説明は、図2の中間転写体2を交換する場合の説明と共通するのでその説明は省略する。
【0078】
ネットワーク通信部51は、ネットワークを介して管理データベース用コンピュータ200と通信し、取得したIDコードなどを送信し、特性データを受信する。IDコード受信器61は、アンテナ65を介して無線ICタグ60からIDコード受信する。電位ムラ補正部(レーザ光量制御部)91は、プリンタ制御部50から受信した感光体ドラムの特性データに基づいてレーザスキャナ制御部を制御する。その結果、感光体ドラムのドラム電位ムラがレーザ光量を補正することにより最適に制御され、画像形成装置が最適に調整される。
【0079】
(感光体ドラム:図13)
図13は図1のフルカラープリンタ30の画像形成部をより詳細に示す図であり、無線ICタグ60を感光体ドラム1に取り付けた場合の一例を示す。感光体ドラム1の上方には、無線ICタグ60に記憶さえたIDコードを読み取るためのアンテナ65がクリーナ12と帯電器7の間に設けられている。感光体ドラム1には製造上のばらつきにより生まれる感光した際に発生する電位ムラがある。電位ムラがあると画像形成において、トナーの濃度ムラとして画像上に影響がでてしまう。本実施形態では、感光体ドラムの電位ムラを、無線ICタグ60に記憶されたIDコードをネットワーク通信で送信し、IDコードに対応する電位ムラデータを簡単に入手する。そして、入手した電位ムラデータを基に、トナー像として形成される画像の濃度の補正する。
【0080】
(感光体ドラム交換時の画像形成装置の調整処理:図15)
図15は、上記説明した感光体ドラム1を交換した後の画像形成装置の調整処理が、本画像形成システムのフルカラープリンタ30と管理データベース用コンピュータ200とによって協同して行われることを説明するフローチャートである。
【0081】
図15のステップS2101〜2112は、フルカラープリンタ30のCPU51がROM52に記憶された制御プログラムに基づいて各部を制御しながら行う処理である。また、図15のステップS201〜205は、管理データベース用コンピュータ200のCPU205がROM206に記憶された制御プログラムに基づいて各部を制御しながら行う処理である。以下、図15の処理を説明する。
【0082】
まず、ステップS2101において、図1のプリンタ本体32の電源がONされると、CPU51は、感光体ドラム2上の無線ICタグ60の認証コードを読み取るために感光体ドラム1を制御して1周回転させる。次に、感光体ドラム1上の無線ICタグ60がアンテナ65近傍を通過するときに、アンテナ65は無線ICタグ60より認証コードを読み取るように制御する。アンテナ65には無線ICタグから認証コードを読み取るための回路であるIDコード受信器61が接続されている。次に、このIDコード受信器61とアンテナ65により読み取られた感光体ドラム1上の無線ICタグ60に記憶された認証(ID)コードが、CPU51に送られるように制御する。
【0083】
次に、ステップS2102において、CPU51は、無線ICタグより読み取ったIDコードが、プリンタCPU51に記憶された感光体ドラムのIDコードと一致するか否かを判定する。ここでIDコードが一致している場合には、感光体ドラムは以前より使われているものと同じ感光体ドラムが使われていると判断する。そこで、RAM53に記憶されている感光体ドラムのドラム電位ムラデータを用いて、感光体ドラムのドラム電位ムラによるトナー濃度の補正(レーザ光量の補正)処理を行うためにステップS2106に進む。
【0084】
一方、ステップS2102において、IDコードが一致しないと判断された場合には、ステップS2103に進み、感光体ドラムが交換されてフルカラープリンタ30に組み込まれたものであると判断する。続いて、ネットワーク通信部51を介して管理データベース用コンピュータ200に感光体ドラム1のIDコードをネットワークを介して送信する。
【0085】
次に、管理データベース用コンピュータ200のCPU205は、ステップS200〜205の処理を行う。
【0086】
まず、ステップS200において、フルカラープリンタ30からIDコードが送信されてくるまで待機する。次に、ステップS201において、フルカラープリンタ30から送信されてきたIDコードを通信部201で受信すると、ステップS202に進み、CPU205は、受信したIDコードをIDコード照合部に送る。また、CPU205は、受信したIDコードを有する部品・ユニット(感光体ドラム1)が、管理データベース用コンピュータ200に記憶されたものであるか否かを照合するようにIDコード照合部を制御する。
【0087】
次に、ステップS203において、CPU205は、照合されたIDコードよって、ユニット特性情報記憶部204に記憶された特性データを読み出す。続いて、ステップS204に進み、読み出した特性データを、フルカラープリンタ30のネットワーク通信部51に送信するように通信部201を制御する。
【0088】
次に、ステップS205において、図4に一例を示すユニット使用履歴記憶部203の使用状況の欄に、感光体ドラムの使用開始日時などを記憶してから、一連の作業を終了する。
【0089】
次に、ステップS2104a〜ステップS2112の処理について説明する。すなわち、CPU50が管理データベース用コンピュータ200より受信した感光体ドラム1の特性データ、あるいはユニット特性情報記憶部204に記憶されている特性データを用いて行う感光体ドラム1交換時の画像形成装置の調整処理について説明する。
【0090】
まず、ステップS2104aにおいて、管理データベース用コンピュータ200より中間転写体2の特性データを受信するまで待機する。次に、ステップS2104において、管理データベース用コンピュータ200より中間転写体2の特性データを受信すると、ステップS2105に進み、CPU51は受信した感光体ドラム1の特性データをRAM53に格納するように制御する。
【0091】
(感光体ドラムの特性データ:図16)
図16は、感光体ドラム1に特有のドラム電位ムラの一例であり、感光体ドラム1のドラム位置Xとドラム電位Vの関係を示す特性データである。図は、感光体ドラム1周分の電位ムラをドラムの手前、中央、奥の3つの電位ムラ特性データを表している。すなわち、Vdc(x)、Vdr(x)、Vdf(x)は、基準位置(0)からXmm離れたドラム位置Xにおけるドラム中央の電位、ドラム奥側の電位、ドラム手前側の電位であり、Vaは、ドラム電位の平均値である。図14中の電位センサ3は、図16中のドラム中央の電位ムラと同じ位置を測定するように位置されている。また、電位センサ3によって測定されたドラム中央の電位ムラは、生産工場にて測定された電位ムラの形状とが等しくなるか否かを判断するためにも使用される。
【0092】
本実施形態の感光体ドラムは、図16に示すようにドラム電位が微妙に異なる。それゆれ、ドラム電位ムラにより感光体ドラムに形成される画像のトナー濃度が微妙に異なってくる。このため、ドラム電位ムラは画像形成におけるトナー濃度の変動の原因になる。そこで、本実施形態では、図16に示すドラム電位ムラのデータに基づいてドラム電位ムラを補正するためのドラム電位補正カーブを作成するように制御する。
【0093】
図17は、受信した感光体ドラムの特性データに基づいて、感光体ドラムの各ドラム位置Xにおけるレーザ光量をドラム電位ムラに対応させて変更させて目標レーザ光量La(μW)となるように制御する方法を説明する図である。まず、図16において受信した感光体ドラムの特性データに基づいて、ドラム位置Xにおけるレーザ光量の補正カーブであるドラム手前側Ldf(x)、ドラム中央Ldc(x)、ドラム奥側Ldr(x)を算出する。そして、算出した各レーザ光量(μW)の補正カーブLdf(x)、Ldc(x)、Ldr(x)を用いて各ドラム位置Xにおけるレーザ光量を補正する。この結果、中間転写体が常に一定の目標レーザ光量Laとなるように制御することができる。
【0094】
次に、ステップS2106において、CPU51は感光体ドラム1を回転させ、感光体ドラム1上に設けられたホームポジションフラグ(HPフラグ)94をホームポジションセンサ(HPセンサ)93にてドラムの回転位置(基準位置)を検出する。また、図1中にある帯電器7にて感光体ドラム1を帯電させ、電位センサ3にて感光体ドラム1の中央付近の帯電電位レベルとドラム電位ムラをモニターするように制御する。
【0095】
次に、ステップS2107において、CPU51は、検出されたHPフラグと電位ムラから、メモリより読み出した感光体ドラムの電位ムラデータが、交換した感光体ドラムの電位ムラの形状と一致するか否かを判断する。
【0096】
次に、ステップS2108において、電位センサ3により測定された感光体ドラム1の電位ムラがデータベースより受信しメモリに記憶されたデータと同じ形状であると確認された場合は、ステップS2109に進む。ステップS109おいて、プリンタCPU51は電位ムラにより発生する画像の濃度ムラを補正するための画像濃度補正制御をONにし、メモリに格納された電位ムラとHPセンサよりの出力とを電位ムラ補正部91へと送信する。
【0097】
次に、ステップS2110で、電位ムラ補正部91は、CPU51から受信した電位ムラとHPセンサよりの出力からレーザ光量を電位ムラデータを用いてHPセンサのタイミングと同期させながらレーザスキャナ部8へ補正制御信号を送信する。このとき、図17で説明した方法でレーザ光量を補正する。次に、ステップS2111において、レーザスキャナ制御部8は補正制御信号を受信すると、その信号に応じてレーザの光量を可変して、感光体ドラム1に特有の電位ムラによって発生する画像の濃度ムラを補正する。
【0098】
一方、ステップS2108において、電位ムラの形状がメモリに記憶された電位ムラと一致しない場合は、ステップS2112に進み、メモリのデータを用いた濃度補正制御を行わない。次に、ステップS2112において、補正された画像形成条件により画像形成処理が行われ、一連の作業が終了する。
【0099】
以上説明した処理により、画像形成時において感光体ドラムを交換しても画像のトナー濃度を一定に保つことができるので、鮮明な画像形成が可能となる。
【0100】
従来、濃度センサの寿命、故障などによって感光体ドラムを交換した場合には、サービスマンは、交換した感光体ドラムの特性データを手入力して画像形成装置を調整しなければならなかったため手間がかかり、ミスを生じる場合もあった。
【0101】
しかしながら、上記説明したように、感光体ドラムにIDコードを記憶した無線ICタグを取り付た本画像形成システムを使用することにより、交換した感光体ドラムの画像形成条件の最適化に必要な詳細な特性データを安価にかつ自動で入手できる。そのため、従来、感光体ドラムの交換後に、サービスマンにより入力により行われていた画像形成装置の調整処理を容易にかつミスなく行うことができる。
【0102】
[他の実施の形態]
上記説明では、ROM52には、無線ICタグ60から読み取られたIDコードを送信するための送信先アドレス情報として、管理データベース用コンピュータ200のURLが格納されている例を説明した。しかし、送信先アドレス情報は、1つに限ることはなく、複数としてもよい。この場合には、複数の管理データベース用コンピュータが、部品/ユニットの各製造工場にそれぞれ配置される。そして、各製造工場にて製造した部品/ユニットの特性データを測定し、測定した特性データは各管理データベース用コンピュータのデータベースに保管される。そのため、各製造工場において、部品/ユニットの特性データの保管や管理が容易になる。
【0103】
また、上記説明では、送信先アドレス情報は、ROM52に格納する例を示したが、送信先アドレス情報を無線ICタグに格納する構成としても良い。この場合には、無線ICタグには、各部品/ユニットの製造工場に配置される管理データベース用コンピュータの送信先アドレス情報が格納される。この場合も、各製造工場における部品/ユニットの特性データの保管や管理が容易になる。
【0104】
また、本発明の目的は、実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給してもよい。その場合、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
【0105】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0106】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RWを用いることができる。また、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0107】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される。しかし、それ以外にも、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0108】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0109】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現される。これ以外にも、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も、本発明に含まれることは言うまでもない。
【0110】
この場合、上記プログラムは、該プログラムを記憶した記憶媒体から直接、又はインターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続された不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより供給される。
【0111】
上記実施の形態では、画像形成装置の印刷方式を電子写真方式とした場合を例に挙げたが、本発明は、電子写真方式に限定されるものではなく、インクジェット方式、熱転写方式、感熱方式、静電方式、放電破壊方式など各種印刷方式に適用することができる。
【0112】
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OS(オペレーティングシステム)に供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の画像形成装置の一例であるフルカラープリンタの主要部の構成を示す図である。
【図2】画像形成装置と管理用情報処理装置とがインターネットを介して接続された本画像形成システムの構成の一例と、無線ICタグを取り付けた中間転写体を交換した後に画像形成装置を調整する際の本画像形成システムの制御を説明するブロック図である。
【図3】図2に示す本画像形成システムにおいて、中間転写体を交換した後に画像形成装置を調整する際の画像形成装置と管理用情報処理装置とによってそれぞれ行われる処理を説明するフローチャートである。
【図4A】管理用情報処理装置の記憶部に記憶されているデータベースの一例を示す図であり、データベースとして画像形成装置の各部品/ユニットごとにIDコードと使用情報が記憶されている。
【図4B】管理用情報処理装置の記憶部に記憶されているデータベースの一例を示す図であり、データベースとして画像形成装置の各部品/ユニットごとにIDコードと特性データが記憶されている。
【図5】図4Bのデータベースに記憶されている中間転写体の特性データの一例として、中間転写体のベルト1周期の厚みムラを示す特性データが記憶されていることを説明する図である。
【図6】画像形成装置が管理用情報処理装置から図5に示す特性データを受信して、ベルト駆動モータの速度を補正する速度補正カーブを算出した一例を説明する図である。
【図7】無線ICタグを取り付けられた濃度センサを含む中間転写体の構成の一例を説明するブロック図である。
【図8】中間転写体上のトナー濃度を検出する濃度センサの詳細を説明する図である。
【図9】画像形成装置と管理用情報処理装置とがインターネットを介して接続された本画像形成システムの構成の一例、および、本画像形成システムを用いて濃度センサを交換した後に画像形成装置を調整する際の制御を説明するブロック図である。
【図10】図9に示す本画像形成システムにおいて、濃度センサを交換した後に画像形成装置を調整する際の画像形成装置と管理用情報処理装置とによってそれぞれ行われる処理を説明するフローチャートである。
【図11】図4Bのデータベースに記憶されている濃度センサの特性データの一例として、ある濃度センサにより検出されたシアントナーのトナー濃度とセンサ出力の関係を示す特性データが記憶されていることを説明する図である。
【図12】図4Bのデータベースとして記憶されている濃度センサの特性データの一例を示す図であり、ある濃度センサにより検出されたブラックトナーのトナー濃度とセンサ出力の関係を示す特性データがデータベースに記憶されていることを説明する図である。
【図13】無線ICタグが取り付けられている感光体ドラムを用いたフルカラープリンタの画像形成部をより詳細に説明する図である。
【図14】画像形成装置と管理用情報処理装置とがインターネットを介して接続された本画像形成システムの構成の一例、および、本画像形成システムを用いて感光体ドラムを交換した後に画像形成装置を調整する際の制御を説明するブロック図である。
【図15】図14に示す本画像形成システムにおいて、感光体ドラムを交換した後に画像形成装置を調整する際の画像形成装置と管理用情報処理装置とによってそれぞれ行われる処理を説明するフローチャートである。
【図16】図4のデータベースに記憶されている感光体ドラムの特性データの一例として、感光体ドラムのドラム1周期のドラム電位ムラを示す特性データが記憶されていることを説明する図である。
【図17】画像形成装置が管理用情報処理装置から図16に示す特性データを受信して、レーザ光量(ドラム電位ムラ)を補正するレーザ光量補正カーブを算出した一例を説明する図である。
【符号の説明】
【0114】
1:像担持体
2:中間転写体(中間転写ベルト)
3:電位センサ
5:定着部
7:帯電部(コロナ帯電器)
8:レーザスキャナ制御部
10:1次転写部
12:クリーナ部
13:回転現像器
17:駆動ローラ
18、および20:テンションローラ
19:バックアップローラ
21:2次転写ローラ
22:中間転写ベルトクリーナ
23:給紙カセット
24、25、26:給紙ローラ
30:フルカラープリンタ
31:スキャナ部
32:プリンタ本体
50:プリンタ制御部
51:ネットワーク通信部
60:無線ICタグ
61:IDコード受信器
62:モータ駆動制御部
63:ベルト駆動モータ
64:マーク
65:アンテナ
66:マーク検出センサ
70:濃度センサ
72:LED
73:濃度センサよりのセンサ出力
75、79:偏光板
76:正反射光用フォトセンサ
77:LED光量モニタ用フォトセンサ
78:拡散光用フォトセンサ
80:トナーパッチ
81:トナー補給制御部
82:トナー補給モータ
91:電位ムラ補正部
92:電位センサ出力
93:ホームポジションセンサ
94:ホームポジションフラグ
200:管理データベース用コンピュータ
201:通信部
202:IDコード照合部
203:ユニット使用履歴記憶部
204:ユニット特性情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して他の情報処理装置と接続された情報処理装置の制御方法であって、
ユニット/部品を特定する特定情報を記憶する特定情報記憶手段を備えたユニット/部品を前記情報処理装置に装着する装着工程と、
前記ユニット/部品が装着された場合に、前記特定情報記憶手段から前記特定情報を読みとり、読みとられた前記特定情報に基づいて、ネットワークを介して前記他の情報処理装置から前記ユニット/部品の特性データを入手して特性データ記憶手段に記憶する記憶工程と、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項2】
ネットワークを介して他の情報処理装置と接続された情報処理装置であって、
ユニット/部品を特定する特定情報を記憶する特定情報記憶手段を備えたユニット/部品と、
前記ユニット/部品が装着された場合に、前記特定情報記憶手段から前記特定情報を読みとり、読みとられた前記特定情報に基づいて、ネットワークを介して前記他の情報処理装置から前記ユニット/部品の特性データを入手して特性データ記憶手段に記憶する記憶手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記特定情報とは、前記各ユニット/部品の種類と製造番号とを特定するIDコードであることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定情報記憶手段は、書き換え不可な非接触ICチップであることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置が画像形成装置であることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記部品/ユニットとはカートリッジ化された中間転写体であり、前記特定情報に対応するユニット/部品の特性データとは、前記中間転写体のベルト1周期分の厚みムラであることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記部品/ユニットとは中間転写体上に形成されるトナーパッチ画像の濃度を測定する濃度センサであり、前記特定情報に対応するユニット/部品の特性データとは、前記濃度センサのトナー濃度とセンサ出力の関係を示すデータであることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記部品/ユニットとはカートリッジ化された感光体ドラムであり、前記特定情報に対応するユニット/部品の特性データとは、前記感光体ドラムのドラム1周期分の電位ムラであることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項9】
ネットワークに接続され、他の情報処理装置に装着可能なユニット/部品の特性データを保有する情報処理装置の制御方法であって、
前記他の情報処理装置にユニット/部品が装着されたときに、前記他の情報処理装置から装着されたユニット/部品を特定する特定情報を受信する工程と、
前記受信した特定情報に対応するユニット/部品の特性データをデータベースから検索する検索工程と、
前記検索された特性データを読み出して前記他の情報処理装置に送信する送信工程と、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項10】
ネットワークに接続され、他の情報処理装置に装着可能なユニット/部品の特性データを保有する情報処理装置であって、
前記他の情報処理装置に装着可能なユニット/部品の特性データを記憶するデータベースと、
前記他の情報処理装置にユニット/部品が装着されたときに、前記他の情報処理装置から装着されたユニット/部品を特定する特定情報を受信する受信手段と、
前記受信した特定情報に対応するユニット/部品の特性データを前記データベースから検索する検索手段と、
前記検索された特性データを読み出して前記他の情報処理装置に送信する送信手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
前記特定情報とは、前記各ユニット/部品の種類と製造番号とを特定するIDコードであることを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記他の情報処理装置が画像形成装置であることを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記部品/ユニットとはカートリッジ化された中間転写体であり、前記特定情報に対応するユニット/部品の特性データとは、前記中間転写体のベルト1周期分の厚みムラであることを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記部品/ユニットとは中間転写体上に形成されるトナーパッチ画像の濃度を測定する濃度センサであり、前記特定情報に対応するユニット/部品の特性データとは、前記濃度センサのトナー濃度とセンサ出力の関係を示すデータであることを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記部品/ユニットとはカートリッジ化された感光体ドラムであり、前記特定情報に対応するユニット/部品の特性データとは、前記感光体ドラムのドラム1周期分の電位ムラであることを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項16】
第1の情報処理装置と第2の情報処理装置とがネットワークを介して接続された情報処理システムの制御方法であって、
ユニット/部品を特定する特定情報を記憶する特定情報記憶手段を備えたユニット/部品を前記第1の情報処理装置に装着する装着工程と、
前記ユニット/部品が前記第1の情報処理装置に装着された場合に、前記特定情報記憶手段から前記特定情報を読みとり、読み取った前記特定情報をネットワークを介して前記第2の情報処理装置に送信する第1の送信工程と、
前記特定情報を受信すると、前記受信した特定情報に対応するユニット/部品の特性データをデータベースから検索し、検索された前記特性データを前記第1の情報処理装置に送信する第2の送信工程と、
前記特性データを受信すると、受信した前記特性データを特性データ記憶手段に記憶する記憶工程と、
を有することを特徴とする情報処理システムの制御方法。
【請求項17】
第1の情報処理装置と第2の情報処理装置とがネットワークを介して接続された情報処理システムであって、
ユニット/部品を特定する特定情報を記憶する特定情報記憶手段を備えたユニット/部品と、
前記ユニット/部品が前記第1の情報処理装置に装着された場合に、前記特定情報記憶手段から前記特定情報を読みとり、読み取った前記特定情報をネットワークを介して前記第2の情報処理装置に送信する第1の送信手段と、
前記特定情報を受信すると、前記受信した特定情報に対応するユニット/部品の特性データをデータベースから検索する検索し、検索された前記特性データを前記第1の情報処理装置に送信する第2の送信手段と、
前記特性データを受信すると、受信した前記特性データを記憶する特性データ記憶手段と、
を有することを特徴とする情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−188022(P2007−188022A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−7923(P2006−7923)
【出願日】平成18年1月16日(2006.1.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】