説明

情報処理装置、情報処理方法

【課題】 パターン画像を高速に投影して撮像する為の技術を提供すること。
【解決手段】 ストライプ状の模様が記されたパターン画像を定期的に送信するPC201から、該パターン画像を受信する。パターン画像の送信周期内に、パターン画像におけるそれぞれ異なる水平ラインごとに、該水平ライン上の画素群を繰り返し用いて形成される投影画像を投影部207に入力する。投影部207が投影画像を投影する毎に、該投影のタイミングでカメラ103に撮像させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン画像を投影し、投影したパターン画像を撮影することによって物体表面の3次元形状を計測する為の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年は、生産現場において組立の自動化が進み、ロボットによって製品の組立が行われている。製品に使用される部品には様々な形状があり、組立を行うにはロボットに部品形状を認識させ、把持させなければならない。また、ロボットによる組立作業を高速化するためには、部品形状を高速に認識することが必要となる。特許文献1には、投影するパターン画像を減らして高速化する手法が開示されている。また、特許文献2には、振動による計測誤差を小さくするために、同じパターンを繰り返し投影し、高速に撮影する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-139428公報
【特許文献2】特登録04391137号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
3次元距離計測装置において、短時間での計測を行うことが望まれている。3次元距離計測を行う手法として、アクティブに投影パターンを変えて距離情報を取得する手法は公知の技術であり、アクティブに投影パターンを変えることは、空間変調器である小型パネルを搭載したプロジェクタを用いることで可能である。
【0005】
プロジェクタは映像鑑賞用が一般的であり、用いられている小型パネルには、近年では120fps(フレーム毎秒)対応のパネルも使用されているが、プロジェクタが受け付ける映像信号は60fpsであるのが一般的である。そのため、高速化には専用の映像制御回路を作製する必要がある。
【0006】
本発明は以上の問題に鑑みてなされたものであり、パターン画像を高速に投影して撮像する為の技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の情報処理装置は以下の構成を備える。即ち、入力された画像を投影対象に対して投影する投影部と、該投影部により投影された投影像を撮像する撮像部と、を有する情報処理装置であって、ストライプ状の模様が記されたパターン画像を定期的に送信する外部装置から、該パターン画像を受信する受信手段と、前記外部装置による前記パターン画像の送信周期内に、前記パターン画像における水平ライン上の画素群を繰り返し用いて形成される、前記パターン画像と同サイズの画像を投影画像として前記投影部に入力する入力手段と、前記投影部が前記投影画像を前記投影対象に対して投影する毎に、該投影のタイミングで前記撮像部に前記投影対象を撮像させる制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の構成によれば、パターン画像を高速に投影して撮像することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】3次元形状計測装置の構成例を示すブロック図。
【図2】3次元形状測定装置101のより詳細な構成を示すブロック図。
【図3】Rパターン画像を示す図。
【図4】Gパターン画像を示す図。
【図5】Bパターン画像を示す図。
【図6】3次元形状測定装置101のより詳細な構成を示すブロック図。
【図7】投影部207によるパターン画像の切替えと撮像のタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照し、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態は、本発明を具体的に実施した場合の一例を示すもので、特許請求の範囲に記載の構成の具体的な実施例の1つである。
【0011】
[第1の実施形態]
先ず、本実施形態に係る情報処理装置として機能する3次元形状測定装置101の構成例について、図1のブロック図を用いて説明する。本実施形態に係る3次元形状測定装置101は、形状を測定する被測定物に縞状の、いわゆるストライプパターンのパターン画像を投影するプロジェクタ102と、投影したパターン画像(投影パターン画像)を撮像する撮像部であるカメラ103と、を有する。3次元形状測定装置101は、カメラ103により撮像された画像から、三角測量の原理に基づいて被測定物の表面形状を計測する。
【0012】
本実施形態では、それぞれ幅の異なるストライプパターンをプロジェクタ102で投影し、投影像であるそれぞれのストライプパターンをカメラ103で撮像し、撮像した画像から場所毎に符号化する空間符号化に適した3次元形状計測技術を説明する。
【0013】
次に、3次元形状測定装置101のより詳細な構成について、図2のブロック図を用いて説明する。プロジェクタ102には、上記のようなパターン画像を生成し、生成したパターン画像を定期的に送信する、外部装置としてのPC(パーソナルコンピュータ)201が接続されている。
【0014】
パターン画像は映像信号202としてPC201からプロジェクタ102に送信され、この映像信号はプロジェクタ102内の不図示のA/D変換器などにより画像データ204に変換され、記憶部203に格納される。
【0015】
なお、本実施形態では、パターン画像はPC201が生成するものとして説明するが、信号発生器等のパターン画像発生器や同様の機能を有した装置を用いてパターン画像を生成しても良い。もちろん、このような装置はプロジェクタ102の外部に設けても良いし、プロジェクタ102の内部に設けても良く、プロジェクタ102がパターン画像を取得できるのであれば、様々な形態を採用しても良い。
【0016】
プロジェクタ102は、2次元空間変調器であるパネル205と、投影レンズ206と、不図示の照明部と、で構成される二点鎖線で示す投影部207を有している。パネル205にはDMD(Digital Mirror Device)が使用されており、入力する画像に応じた任意のパターン画像が表示できる。特にDMDはパターン切り替えの応答性に優れており、360fpsでのパターン切り替えはもとより、540fpsや、さらに高速で切り換えることが可能な応答性を有している。パネル205は前述したDMD以外でも、強誘電液晶のような同様の機能を有するものであれば、如何なるデバイスであっても良い。本実施形態では、パネル205の解像度はSVGAとし、水平方向に800画素、垂直方向に600画素を有するものとする。パネル205は、不図示の光源によって照明され、投影レンズ206を介して、パネル205に表示されたパターン画像が投影部207から投影される。投影対象はもちろん、3次元形状測を測定する対象となる物体である。
【0017】
カメラ103の解像度は、パネル205の解像度の2倍以上が望ましい。そのため、本実施形態では、カメラ103の解像度は1600×1200ピクセルを有する192万画素の撮像素子を用いている。撮像素子には広く知られているCCD(Charge Coupled Device Image Sensor)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いれば良い。しかし、同様の機能を有するものであれば、この限りでない。
【0018】
制御部209は、プロジェクタ102を構成する各部の動作制御、及びカメラ103の動作制御を行う。制御部209の動作については、以下に詳細に説明する。
【0019】
次に、PC201よりパターン画像が3次元形状測定装置101に送られてから、カメラ103で投影部207から投影される投影パターン画像を撮像するまでの流れについて説明する。
【0020】
PC201側で生成されたパターン画像は、映像信号202として60fpsの周期で3次元形状測定装置101に送信される。なお、このPC201側で生成されるパターン画像の解像度は、パネル205の解像度と同じとする。通常は信号を変換させる必要をなくすために、それぞれの解像度を合わせておくことが一般的である。しかし、それぞれの解像度が異なる場合であっても良く、その場合、PC201側で生成されたパターン画像の解像度をスケーラーチップ等を用いて解像度変換させても良い。
【0021】
ここで、R(赤)成分の信号のみで作成されたパターン画像(Rパターン画像)、G(緑)成分の信号のみで作成されたパターン画像(Gパターン画像)、B(青)成分の信号のみで作成されたパターン画像(Bパターン画像)をそれぞれ、図3,4,5に示す。PC201からは、Rパターン画像、Gパターン画像、Bパターン画像がパラレルで送信されるため、この3枚のパターン画像が同時にPC201から3次元形状測定装置101に送信されることになる。
【0022】
PC201から映像信号202として送信された3枚のパターン画像は、何れも画像データ204としてプロジェクタ102が有する記憶部203内の対応するメモリ領域に記録される。以下では、Rパターン画像の画像データを記録するためのメモリ領域をR領域、Gパターン画像の画像データを記録するためのメモリ領域をG領域、Bパターン画像の画像データを記録するためのメモリ領域をB領域と呼称する。
【0023】
なお、PC201からはこのような3枚のパターン画像が映像信号202として60fpsの周期で送信されると共に、第1のV-sync208が送信される。制御部209は、この第1のV-sync208を受信すると、制御信号210を記憶部203に対して送出し、R領域、G領域、B領域のそれぞれに記録されている画像データを以下に説明する手順で投影部207に対して送出する。
【0024】
なお、本実施形態では、制御部209は、第1のV-sync208を受信すると記憶部203からパターン画像を送出するものとして説明するが、V-syncに限らず、H-syncを受信すると記憶部203からパターン画像を送出するようにしても良い。また、その他にも、パターン画像がPC201から送られることを示すタイミング信号であれば良い。
【0025】
次に、記憶部203から投影部207に対してパターン画像を送出する方法について説明する。空間符号化で用いるパターン画像にはストライプ状の模様が記されており、図3〜5に示す如く、何れのパターン画像も、2つのパターン画像から成る。
【0026】
Rパターン画像の場合、図3に示す如く、上半分の領域のパターン画像R1と下半分のパターン画像R2と、から成る。図3において横方向をX方向とし、縦方向をY方向とすると、パターン画像R1は1ライン目(最上ライン)から300ライン目までの領域内の画像、パターン画像R2は301ライン目から600ライン目(最下ライン)までの領域内の画像となる。パターン画像R1,パターン画像R2の何れも、Y方向の画素値は同じである。
【0027】
Gパターン画像の場合、図4に示す如く、上半分の領域のパターン画像G1と下半分のパターン画像G2と、から成る。図4において横方向をX方向とし、縦方向をY方向とすると、パターン画像G1は1ライン目(最上ライン)から300ライン目までの領域内の画像、パターン画像G2は301ライン目から600ライン目(最下ライン)までの領域内の画像となる。パターン画像G1,パターン画像G2の何れも、Y方向の画素値は同じである。
【0028】
Bパターン画像の場合、図5に示す如く、上半分の領域のパターン画像B1と下半分のパターン画像B2と、から成る。図5において横方向をX方向とし、縦方向をY方向とすると、パターン画像B1は1ライン目(最上ライン)から300ライン目までの領域内の画像、パターン画像B2は301ライン目から600ライン目(最下ライン)までの領域内の画像となる。パターン画像B1,パターン画像B2の何れも、Y方向の画素値は同じである。
【0029】
即ち、記憶部203には、パターン画像R1,R2,G1,G2,B1,B2の6枚のパターン画像が格納されていることになる。本実施形態では、この6枚のパターン画像を、パターン画像R1、R2、G1、G2、B1、B2の順で投影部207に送出する。
【0030】
制御部209は、PC201から第1のV-sync208を受信すると、先ずは記憶部203からパターン画像R1を読み出して投影部207に対して送出する。上記のように、本実施形態ではパネル205は800×600ピクセルのSVGAの解像度を有している。一方、パターン画像R1の水平方向の画素数は、パネル205の水平方向の画素数と等しいが、パターン画像R1の垂直方向の画素数は、パネル205の垂直方向の画素数の半分である。そのため、制御部209は、パターン画像R1を投影部207に送出した後、更にもう一度このパターン画像R1を投影部207に送出する。即ち、R領域の1ライン目から300ライン目までのデータ(パターン画像R1)を読み出して投影部207に送出した後、再度、R領域の1ライン目から300ライン目までのデータ(パターン画像R1)を読み出して投影部207に送出する。このように、1ライン目から300ライン目のパターン画像R1を2回投影部207に送信することで、パターン画像R1を縦に2個繋げたパターン画像(Y方向に600ライン分のパターン画像)を投影部207に送信することが可能になる。
【0031】
次に制御部209は、記憶部203からパターン画像R2を読み出して投影部207に対して送出する。このときもパターン画像R1と同様、パターン画像R2を2回投影部207に対して送信する。即ち、R領域の301ライン目から600ライン目までのデータ(パターン画像R2)を読み出して投影部207に送出した後、再度、R領域の301ライン目から600ライン目までのデータ(パターン画像R2)を読み出して投影部207に送出する。これより、パターン画像R1を送信したのと同様に、パターン画像R2においても、パターン画像R2を縦に2個繋げたパターン画像(600ライン分のパターン画像)を記憶部203から投影部207に送信することが可能となる。
【0032】
そして以降も同様にして、パターン画像G1,G2,B1,B2のそれぞれを記憶部203から読み出して投影部207に送出する。なお、6枚のパターン画像の送信順序は上記の順序に限定するものではなく、パターン画像R1、G1、B1、R2、G2、B2のような順序でも良い。即ち、6枚のパターン画像の送信順序は如何なる順序であっても良い。
【0033】
なお、上記の例では、3枚のパターン画像から6枚のパターン画像を用意し、更に6枚のパターン画像のそれぞれを2回読み出して800×600ピクセルのパターン画像を投影部207に送出した。しかし、3枚のパターン画像から他の方法により800×600ピクセルのパターン画像を用意しても良い。
【0034】
例えば、パターン画像R(、G、B)の1ライン目を600回読み出して投影部207に送出することで、結果として、読み出したラインを垂直方向に600ライン分並べた800×600ピクセルのパターン画像を投影部207に送出しても良い。この場合、1枚のパターン画像からそのライン数分のパターン画像を生成できるため、本実施形態のように、1枚のパターン画像から2枚のパターン画像を作成するよりも多くのパターン画像を生成することができる。
【0035】
更には、R領域、G領域、B領域の各領域に記憶されているパターン画像から、任意のラインを投影部207に送信することで、多種多様なパターン画像を再作成して送ることも可能である。
【0036】
ようは、PC201によるパターン画像の送信周期内に、パターン画像におけるそれぞれ異なる水平ラインごとに、該水平ライン上の画素群を繰り返し用いて形成される、パターン画像と同サイズの画像を投影画像として投影部207に入力する。
【0037】
前述したように、PC201からは60fpsの周期で3次元形状測定装置101の記憶部203に6枚のパターン画像が送られてくるために、記憶部203から投影部207には360fpsの周期でパターン画像を送信することになる。したがって、PC201から一般的な映像信号202である60fpsの周期でパターン画像が3次元形状測定装置101に送られても、3次元形状測定装置101では360fpsの周期で計測することが可能となる。
【0038】
次に、カメラ103の動作について説明する。3次元形状測定装置101は、投影部207による投影のタイミングに合わせて投影パターン画像を撮像する必要がある。PC201からの第1のV-sync208に同期を合わせ、第1のV-sync208の送信周期を、送信周期間に投影部207が投影する投影パターン画像の枚数(上記の場合6枚)に等間隔に分割した時間間隔で繰り返し撮像しても良い。
【0039】
撮像周期が60fps程度であれば、前述した手法でも、同期ずれの誤差は全体に占める割合が小さいために、あまり問題にならない。しかし、360fpsや、更に高速にパターン画像を切り換えて投影し、投影タイミングに同期を合わせて撮像を正確に行う為には、同期ずれの誤差が問題になる。そのため、パターン画像が投影されるタイミングに対して、高精度に同期を合わせる必要がある。そのための手法について説明する。
【0040】
制御部209は、パネル205に表示するパターン画像を切り替えさせるための第2のV-sync211を生成し、パネル205及びカメラ103に対して送出する。パネル205は、この第2のV-sync211を受けると、現在表示しているパターン画像を、次に記憶部203から出力されたパターン画像に切り替える。一方、カメラ103は、第2のV-sync211を受けると、この受けたタイミングで撮像を行う。即ち、パネル205及びカメラ103は、第2のV-sync211と同期して動作するため、結果として、投影部207による投影タイミングに合わせてカメラ103は撮像を行うことができる。これにより、投影部207で高速にパターン画像を切り換えて投影しても、精度良く同期を合わせてカメラ103で撮像することが可能となる。
【0041】
以上の説明により、本実施形態によれば、3次元形状測定装置101に入力されるパターン画像から複数枚のパターン画像を作成することによって、高速にパターン画像を切り換えて投影し、撮像することができる。
【0042】
[第2の実施形態]
本実施形態に係る3次元形状測定装置は、図6に示す如く、第1の実施形態の3次元形状測定装置101が有する記憶部203を記憶部601に置き換えたものである。図6において、図2に示した構成用件と同じ構成用件には同じ参照番号を付しており、その説明は省略する。以下では、第1の実施形態と異なる点のみについて説明する。
【0043】
記憶部601は、SVGAの解像度である800×600ピクセルのパターン画像を6枚分記憶できる容量を有しており、記憶部203の2倍の記憶領域を有する。より具体的には、R領域、G領域、B領域のそれぞれの記憶容量が第1の実施形態の倍となっている。なお、記憶部601の代わりに、記憶部203を2個用意しても良い。
【0044】
PC201からは第1の実施形態と同様に3枚のパターン画像が映像信号202として60fpsの周期で送信されると共に、第1のV-sync208が送信される。制御部209は、この第1のV-sync208を受信すると、制御信号210を記憶部601に対して送出し、記憶部601に格納されている画像データを以下に説明する手順で投影部207に対して送出する。
【0045】
次に、PC201から送出されたRパターン画像、Gパターン画像、Bパターン画像のそれぞれを記憶部601に格納するために制御部209が行う処理について説明する。なお、Rパターン画像、Gパターン画像、Bパターン画像は第1の実施形態で説明したものと同じであり、それぞれ図3〜5に示す如く、2つのパターン画像から成る。
【0046】
Rパターン画像をR領域に格納する場合、制御部209は、Rパターン画像の1ライン目から300ライン目までのデータをR領域内のR1領域内の「1ライン目から300ライン目」用の領域、「301ライン目から600ライン目」用の領域に格納する。即ち、パターン画像R1を縦に2個繋げた800×600ピクセルのパターン画像をR1領域内に格納することになる。次に制御部209は、Rパターン画像の301ライン目から600ライン目までのデータをR領域内のR2領域内の「1ライン目から300ライン目」用の領域、「301ライン目から600ライン目」用の領域に格納する。即ち、パターン画像R2を縦に2個繋げた800×600ピクセルのパターン画像をR2領域内に格納することになる。
【0047】
Gパターン画像をG領域に格納する場合、制御部209は、Gパターン画像の1ライン目から300ライン目までのデータをG領域内のG1領域内の「1ライン目から300ライン目」用の領域、「301ライン目から600ライン目」用の領域に格納する。即ち、パターン画像G1を縦に2個繋げた800×600ピクセルのパターン画像をG1領域内に格納することになる。次に制御部209は、Gパターン画像の301ライン目から600ライン目までのデータをG領域内のG2領域内の「1ライン目から300ライン目」用の領域、「301ライン目から600ライン目」用の領域に格納する。即ち、パターン画像G2を縦に2個繋げた800×600ピクセルのパターン画像をG2領域内に格納することになる。
【0048】
Bパターン画像をB領域に格納する場合、制御部209は、Bパターン画像の1ライン目から300ライン目までのデータをB領域内のB1領域内の「1ライン目から300ライン目」用の領域、「301ライン目から600ライン目」用の領域に格納する。即ち、パターン画像B1を縦に2個繋げた800×600ピクセルのパターン画像をB1領域内に格納することになる。次に制御部209は、Bパターン画像の301ライン目から600ライン目までのデータをB領域内のB2領域内の「1ライン目から300ライン目」用の領域、「301ライン目から600ライン目」用の領域に格納する。即ち、パターン画像B2を縦に2個繋げた800×600ピクセルのパターン画像をB2領域内に格納することになる。
【0049】
これにより、パターン画像R1,R2,G1,G2,B1,B2の6枚のパターン画像を、800×600ピクセルのパターン画像として記憶部601に格納することができる。
【0050】
なお、パターン画像R1,R2,G1,G2,B1,B2の6枚のパターン画像を、800×600ピクセルのパターン画像として記憶部601に格納させる為の方法としては、様々な方法が考え得る。
【0051】
例えばRパターン画像をR領域に格納する場合、Rパターン画像の1ライン目から300ライン目までのデータをR領域内のR1領域内の奇数ライン(1ライン目、3ライン目、…、597ライン目、599ライン目)用の領域に格納する。更にRパターン画像の1ライン目から300ライン目までのデータをR1領域内の偶数ライン(2ライン目、4ライン目、…、598ライン目、600ライン目)用の領域に格納する。即ち、同じラインを2回ずつ格納する。次に、Rパターン画像の301ライン目から600ライン目までのデータをR領域内のR2領域内の奇数ライン用の領域、偶数ライン用の領域に格納する。これをGパターン画像、Bパターン画像についても同様にして行う。
【0052】
また、このほかの方法としては、1ライン目だけをパネル205の垂直方向の解像度と合うように繰り返して記憶させるようにしても良い。具体的には、本実施形態におけるパネル205の垂直方向の解像度を用いると、パターン画像の1ライン目を600回繰り返して記憶させる。この場合、本実施形態のようにパターン画像を1つのパターン画像から2枚を作成するだけでなく、PC201から送られるパターン画像のライン数分だけ、パターン画像を作成することが可能となる。
【0053】
そして、記憶部203から投影部207に対してパターン画像を送出する際には、パターン画像R1、R2、G1、G2、B1、B2の順で投影部207に送出する。もちろん、送出順についてはこれに限るものではない。以降については第1の実施形態と同じである。
【0054】
[第3の実施形態]
本実施形態では、次の点のみが第1の実施形態と異なる。即ち、本実施形態では、投影部207から投影するパターン画像の切り換え速度が180fpsで、カメラ103の撮像周期が120fpsとする。
【0055】
本実施形態においても、PC201からは60fpsの周期で3枚のパターン画像が3次元形状測定装置101に対して送信される。ここではRパターン画像を第1のパターン画像、Gパターン画像を第2のパターン画像、Bパターン画像をブランクの画像である第3のパターン画像と呼称する。然るに記憶部203には、ブランクの画像も含め、3枚のパターン画像が格納されることになる。
【0056】
そして第1の実施形態と同様、制御部209は第1のV-sync208を受信すると、制御信号210を記憶部203に対して送出し、パターン画像を投影部207に対して送出する。更に制御部209は第1の実施形態と同様、第2のV-sync211をパネル205及びカメラ103に対して送出する。
【0057】
PC201からは60fpsの周期で3枚のパターン画像が送られてくるため、記憶部203から投影部207へは3倍の180fpsでパターン画像が送られ、投影部207より投影される。本実施形態では、前述したようにカメラ103の撮像速度は120fpsであり、投影部207より投影されるパターン画像の切り換わる周期と異なるため、同期合わせの精度が必要となる。
【0058】
投影部207によるパターン画像の切替えと撮像のタイミングチャートを図7に示す。投影部207において第1のパターン画像を投影している際、カメラ103は制御部209から送出された第2のV-sync211を受信すると同時に撮像を開始すればよい。しかし、カメラ103は120fpsでしか撮像することができないために、投影部207が第2のパターン画像を投影する第2のV-sync211に対して、2.777ms遅延して撮像することになる。PC201からパターン画像と共に送られる第1のV-sync208とカメラ103の撮像タイミングの同期を合わせることも可能である。しかし本実施形態のように、制御部209で作成される第2のV-sync211からカメラ103の撮像タイミングの同期を合わせることで、投影部207によるパターン画像の切り換わりとカメラ103の撮像タイミングを精度良く合わせることができる。
【0059】
以上の説明では、投影部207におけるパターン画像の切り換え速度が180fpsで、カメラ103の撮像周期を120fpsとしたが、それぞれの速度はこの限りでない。さらに高速に切り換えを行う場合や、高速に撮像する場合において、より効果が大きくなる。
【0060】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された画像を投影対象に対して投影する投影部と、該投影部により投影された投影像を撮像する撮像部と、を有する情報処理装置であって、
ストライプ状の模様が記されたパターン画像を定期的に送信する外部装置から、該パターン画像を受信する受信手段と、
前記外部装置による前記パターン画像の送信周期内に、前記パターン画像におけるそれぞれ異なる水平ラインごとに、該水平ライン上の画素群を繰り返し用いて形成される、前記パターン画像と同サイズの画像を投影画像として前記投影部に入力する入力手段と、
前記投影部が前記投影画像を前記投影対象に対して投影する毎に、該投影のタイミングで前記撮像部に前記投影対象を撮像させる制御手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記入力手段は、前記送信周期内に、前記パターン画像の水平ラインごとに、該水平ラインの画素群を繰り返し用いて形成される前記パターン画像と同サイズの画像を投影画像として前記投影部に入力することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記入力手段は、前記送信周期内に、前記パターン画像の上半分の領域、下半分の領域、の領域ごとに、該領域内の画素群を繰り返し用いて形成される前記パターン画像と同サイズの画像を投影画像として前記投影部に入力することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
入力された画像を投影対象に対して投影する投影部と、該投影部により投影された投影像を撮像する撮像部と、を有する情報処理装置が行う情報処理方法であって、
前記情報処理装置の受信手段が、ストライプ状の模様が記されたパターン画像を定期的に送信する外部装置から、該パターン画像を受信する受信工程と、
前記情報処理装置の入力手段が、前記外部装置による前記パターン画像の送信周期内に、前記パターン画像におけるそれぞれ異なる水平ラインごとに、該水平ライン上の画素群を繰り返し用いて形成される、前記パターン画像と同サイズの画像を投影画像として前記投影部に入力する入力工程と、
前記情報処理装置の制御手段が、前記投影部が前記投影画像を前記投影対象に対して投影する毎に、該投影のタイミングで前記撮像部に前記投影対象を撮像させる制御工程と
を備えることを特徴とする情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−163371(P2012−163371A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22076(P2011−22076)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】