説明

情報処理装置及びその方法、プログラム、情報処理システム

【課題】スキャンやコピー等を行う時間に応じて利用範囲が異なる情報が含まる原稿を適切に利用させると共に情報の漏洩を防止する仕組みを提供すること。
【解決手段】出力指示されたデータに禁止データが含まれていると判定され、当該出力指示を受け付けた時間が当該禁止データに対応する禁止期間内であると判定され、当該出力指示をしたユーザのユーザ情報が、当該禁止データに対応するユーザ情報と同じと判定された場合に、当該出力指示されたデータの出力を禁止することを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データの出力制御技術に関し、特に機密データの出力制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザ認証さえ成功すれば、デジタル複合機(MFP)が有するコピー機能やスキャナ機能を自由に利用することが出来る。しかし、機密情報などを含む原稿(紙)などのコピー又はスキャンを際限なく許可してしまうと、機密情報が外部へ漏洩してしまうリスクが高まり、セキュリティ上の問題があった。
【0003】
これを改善するため、特許文献1には、原稿に記録されたコピー禁止マークを検出した場合には当該原稿のプリントを禁止させ、原稿に記録されたコピー許可マークを検出した場合にのみ当該原稿のプリントを行うことが提案されている。
【0004】
すなわち、この仕組みでは、一旦、原稿にコピー禁止マークを付してしまうと、その原稿のコピーはその後禁止され、一旦、原稿にコピー許可マークを付してしまうと、その原稿のコピーはその後許可され続けることとなる。
【特許文献1】特開2000−165575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、原稿に含まれる情報が、ある期間は機密情報であるが、その期間を経過すると機密情報ではなくなるような情報もある。したがって、従来技術では、原稿に含まれる情報が機密情報ではなくなった後でも、該原稿のコピーが禁止されてしまうため、該原稿に係る業務が非効率になる恐れがある。
【0006】
また、時間が経過するにつれて開示範囲や利用範囲が異なってくる機密情報が含まれる原稿もある。例えば、時間が経過するにつれて、原稿を閲覧できるユーザ数や利用できるユーザ数が増えてくる場合がある。しかし、上記従来技術では、このような情報が含まれる原稿の利用について考慮されておらず、ユーザは適切に原稿を利用(コピーやスキャン等)することが困難であった。
【0007】
本発明の目的は、スキャンやコピー等を行う時間に応じて利用範囲が異なる情報が含まる原稿を適切に利用させると共に情報の漏洩を防止する仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の情報処理装置は、ユーザを識別するユーザ情報と出力を禁止する禁止データと当該禁止データの出力を禁止する禁止期間とを対応して記憶する出力制御記憶手段と、 前記ユーザにより入力されたユーザ情報を受け付けるユーザ情報受付手段と、データの出力指示を受け付ける出力指示受付手段と、記出力指示受付手段で受け付けたデータに、前記出力制御記憶手段に記憶された禁止データが含まれているかを判定する禁止データ判定手段と、前記出力指示受付手段で出力指示を受け付けた時間が、前記出力制御記憶手段に記憶された、当該禁止データに対応する禁止期間内か否かを判定する期間判定手段と、前記ユーザ情報受付手段で受け付けたユーザ情報が、前記出力制御記憶手段に記憶された、当該禁止データに対応するユーザ情報と同じか否かを判定するユーザ判定手段と、前記禁止データ判定手段と前記期間判定手段と前記ユーザ判定手段との判定結果に従って、前記出力指示受付手段で出力指示されたデータの出力の可否を決定する出力決定手段とを備え、前記出力決定手段は、前記禁止データ判定手段で、前記出力指示受付手段で出力指示されたデータに前記禁止データが含まれていると判定され、前記期間判定手段で、前記出力指示受付手段で出力指示を受け付けた時間が当該禁止データに対応する禁止期間内であると判定され、前記ユーザ判定手段で、前記ユーザ情報受付手段で受け付けたユーザ情報が、当該禁止データに対応するユーザ情報と同じと判定された場合に、前記出力指示受付手段で受け付けたデータの出力を禁止することを決定することを特徴とする。
【0009】
本発明の情報処理装置における制御方法は、出力制御手段が、ユーザを識別するユーザ情報と出力を禁止する禁止データと当該禁止データの出力を禁止する禁止期間とを対応して記憶する出力制御記憶工程と、ユーザ情報受付手段が、前記ユーザにより入力されたユーザ情報を受け付けるユーザ情報受付工程と、出力指示受付手段が、データの出力指示を受け付ける出力指示受付工程と、禁止データ判定手段が、前記出力指示受付工程で受け付けたデータに、前記出力制御記憶工程で記憶された禁止データが含まれているかを判定する禁止データ判定工程と、期間判定手段が、前記出力指示受付工程で出力指示を受け付けた時間が、前記出力制御記憶工程で記憶された、当該禁止データに対応する禁止期間内か否かを判定する期間判定工程と、ユーザ判定手段が、前記ユーザ情報受付工程で受け付けたユーザ情報が、前記出力制御記憶工程で記憶された、当該禁止データに対応するユーザ情報と同じか否かを判定するユーザ判定工程と、出力決定手段が、前記禁止データ判定工程と前記期間判定工程と前記ユーザ判定工程との判定結果に従って、前記出力指示受付工程で出力指示されたデータの出力の可否を決定する出力決定手工程と、を備え、前記出力決定工程は、前記禁止データ判定工程で、前記出力指示受付工程で出力指示されたデータに前記禁止データが含まれていると判定され、前記期間判定工程で、前記出力指示受付工程で出力指示を受け付けた時間が当該禁止データに対応する禁止期間内であると判定され、前記ユーザ判定工程で、前記ユーザ情報受付工程で受け付けたユーザ情報が、当該禁止データに対応するユーザ情報と同じと判定された場合に、前記出力指示受付工程で受け付けたデータの出力を禁止することを決定することを特徴とする。
【0010】
本発明のプログラムは、情報処理装置を、ユーザを識別するユーザ情報と出力を禁止する禁止データと当該禁止データの出力を禁止する禁止期間とを対応して記憶する出力制御記憶手段と、前記ユーザにより入力されたユーザ情報を受け付けるユーザ情報受付手段と、
データの出力指示を受け付ける出力指示受付手段と、前記出力指示受付手段で受け付けたデータに、前記出力制御記憶手段に記憶された禁止データが含まれているかを判定する禁止データ判定手段と、前記出力指示受付手段で出力指示を受け付けた時間が、前記出力制御記憶手段に記憶された、当該禁止データに対応する禁止期間内か否かを判定する期間判定手段と、前記ユーザ情報受付手段で受け付けたユーザ情報が、前記出力制御記憶手段に記憶された、当該禁止データに対応するユーザ情報と同じか否かを判定するユーザ判定手段と、前記禁止データ判定手段と前記期間判定手段と前記ユーザ判定手段との判定結果に従って、前記出力指示受付手段で出力指示されたデータの出力の可否を決定する出力決定手段として機能させ、前記出力決定手段は、前記禁止データ判定手段で、前記出力指示受付手段で出力指示されたデータに前記禁止データが含まれていると判定され、前記期間判定手段で、前記出力指示受付手段で出力指示を受け付けた時間が当該禁止データに対応する禁止期間内であると判定され、前記ユーザ判定手段で、前記ユーザ情報受付手段で受け付けたユーザ情報が、当該禁止データに対応するユーザ情報と同じと判定された場合に、前記出力指示受付手段で受け付けたデータの出力を禁止することを決定することを特徴とする。
【0011】
本発明の情報処理システムは、データを出力する画像処理装置と、前記画像処理装置による当該データの出力可否を決定する情報処理装置とを備える情報処理システムであって、 前記画像処理装置は、前記ユーザにより入力されたユーザ情報を受け付けるユーザ情報受付手段と、データの出力指示を受け付ける出力指示受付手段と、前記ユーザ情報受付手段で受け付けたユーザ情報と、前記出力指示受付手段で受け付けたデータとを前記情報処理装置に送信する送信手段と、を備え、前記情報処理装置は、ユーザを識別するユーザ情報と出力を禁止する禁止データと当該禁止データの出力を禁止する禁止期間とを対応して記憶する出力制御記憶手段と、前記画像処理装置から、前記画像処理装置のユーザ情報受付手段で受け付けたユーザ情報と前記画像処理装置の出力指示受付手段で受け付けたデータとを受信する受信手段と、前記受信手段で受信したデータに、前記出力制御記憶手段に記憶された禁止データが含まれているかを判定する禁止データ判定手段と、前記受信手段により受信した時間が、前記出力制御記憶手段に記憶された、当該禁止データに対応する禁止期間内か否かを判定する期間判定手段と、前記受信手段で受信したユーザ情報が、前記記憶手段に記憶された、当該禁止データに対応するユーザ情報と同じか否かを判定するユーザ判定手段と、前記禁止データ判定手段と前記期間判定手段と前記ユーザ判定手段との判定結果に従って、前記受信手段で受信したデータの出力の可否を決定する出力決定手段と、を備え、前記出力決定手段は、前記禁止データ判定手段で、前記受信手段で受信したデータに前記禁止データが含まれていると判定され、前記期間判定手段で、前記出力指示受付手段で出力指示を受け付けた時間が当該禁止データに対応する禁止期間内であると判定され、前記ユーザ判定手段で、前記受信手段で受信したユーザ情報が、当該禁止データに対応するユーザ情報と同じと判定された場合に、前記出力指示受付手段で受け付けたデータの出力を禁止することを決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、スキャンやコピー等を行う時間に応じて利用範囲が異なる情報が含まる原稿を適切に利用させると共に情報の漏洩を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
≪図1の説明≫
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の情報処理システムは、1又は複数の複合機100と、ICカード認証サーバ200と、1又は複数のコンピュータ400(例えば、ユーザ毎)と、データ蓄積サーバ300とがネットワーク500(例えば、LAN等)を介して接続される構成となっている。
【0016】
コンピュータ400には、プリンタドライバがインストールされている。このプリンタドライバは、アプリケーションプログラムから受け取ったデータに基づいて印刷データを生成し、該印刷データをデータ蓄積サーバ300へ送信し、データ蓄積サーバ300の所定の格納場所(スプール領域)に格納させることができる。
【0017】
データ蓄積サーバ300は、外部から受信したコマンドに基づいて上記所定の格納場所に格納している印刷データを複合機100に送信する制御を行う。
【0018】
他の構成として、データ蓄積サーバ300の換わりに、複合機100をデータ蓄積サーバとすることも可能である。
【0019】
ICカード認証サーバ200は、ユーザ情報テーブル(図14)を記憶し、複合機100からのICカードによる認証依頼に応じて、該ユーザ情報テーブル(図14)を用いて認証処理を行う。
【0020】
複合機100は、当該認証処理で特定されたユーザの印刷要求を受けると、データ蓄積サーバ300の所定の格納場所に格納された当該ユーザの印刷データを取得し、印刷処理(プリント処理)を実行する。
【0021】
また、印刷処理以外には、複合機100は、ICカードにより認証された場合に、スキャンや複写(コピー)機能等を利用することが可能となる。
【0022】
複合機100は、ICカードのカードIDを取得すると、該カードIDをICカード認証サーバ200に送信する。
【0023】
そして、ICカード認証サーバ200は、受信したカードIDで認証処理を実行し、複合機100に認証結果を送信する。
【0024】
そして、複合機100は、ICカード認証サーバ200から受信した認証結果に従って当該ユーザによる複合機の利用を制御する。
【0025】
≪図2の説明≫
以下、図2を用いて、図1に示したICカード認証サーバ200、データ蓄積サーバ300、コンピュータ400に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
【0026】
図2は、図1に示したICカード認証サーバ200、データ蓄積サーバ300、コンピュータ400に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0027】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0028】
また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0029】
203はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0030】
また、205は入力コントローラで、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。
【0031】
206はビデオコントローラで、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器への表示を制御する。なお、図2では、CRT210と記載しているが、表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。
【0032】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク(HD))や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0033】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワーク500を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0034】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0035】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されている。
【0036】
≪図3の説明≫
次に、図3を用いて、画像処理装置としての複合機100を制御するコントローラユニットのハードウェア構成について説明する。
【0037】
図3は、図1に示した複合機100のコントローラユニットのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0038】
図3において、316はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ部314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部312と接続する一方、LAN(例えば、図1に示したLAN(ネットワーク500))や公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0039】
コントローラユニット316において、301はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。
【0040】
302はRAMで、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
【0041】
303はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。
【0042】
304は外部記憶装置(ハードディスクドライブ(HDD))で、システムを制御するための各種プログラム,画像データ等を格納する。後述するICカード認証モジュール401や出力制御モジュール403や目印データテーブル1100(図11)も外部記憶装置304に記憶されている(目印記憶手段)。
【0043】
目印データテーブル1100(図11)には、データの出力可否の判定対象か否かを示す目印データが記憶されている。
【0044】
307は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部(UI)308とのインタフェース部であり、操作部308に表示する画像データを操作部308に対して出力する。
【0045】
また、操作部I/F307は、操作部308からユーザが入力した情報をCPU301に伝える役割をする。なお、操作部308はタッチパネルを有する表示部を備え、該表示部に表示されたボタンを、ユーザが押下(指等でタッチ)することにより、各種指示を行うことができる。
【0046】
305はネットワークインタフェース(Network I/F)で、ネットワーク500(LAN)に接続し、データの入出力を行う。
【0047】
306はモデム(MODEM)で、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0048】
318は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394,プリンタポート,RS−232C等の外部入力を受け付けるI/F部である。本実施形態においては認証で必要となるICカードの読み取り用のカードリーダ319が、この外部I/F部318に接続されている。そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319によるICカードからの情報読み取りを制御し、該ICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
【0049】
320はイメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。
【0050】
画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
【0051】
310はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。
【0052】
311はプリンタインタフェース(プリンタI/F)で、プリンタ部312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0053】
また、313はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ部314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0054】
317は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0055】
スキャナ部314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、ユーザが操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナ部314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0056】
プリンタ部312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分である。プリンタ部312のプリント方式は、感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。なお、プリンタ部312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0057】
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0058】
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、ユーザのユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。カードリーダ319(後述するICカードリーダ319に対応)は、CPU301からの制御により、ICカード(例えば、ソニー社のフェリカ(FeliCa)(登録商標))内に記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
【0059】
以上のような構成によって、複合機100は、スキャナ部314から読み込んだ画像データをLAN(ネットワーク500)上に送信したり、LAN(ネットワーク500)から受信した印刷データをプリンタ部312により印刷出力することができる。
【0060】
また、スキャナ部314から読み込んだ画像データをモデム306により、公衆回線上にFAX送信したり、公衆回線からFAX受信した画像データをプリンタ部312により出力することできる。
【0061】
≪図4の説明≫
図4は、図1に示した複合機100のソフトウェア構成の一例を示したブロック図であり、図3と同一のものには同一の符号を付してある。
【0062】
図4に示すように、複合機100には、ICカードリーダ319が通信可能に接続されている。
【0063】
複合機100のHDD304又はRAM302等の記憶領域には、ICカード認証モジュール401(プログラム)と出力制御モジュール403(プログラム)とが記憶されている。
【0064】
ICカード認証モジュール401は認証部402を備えており、認証部402は、ICカードリーダ319を介して取得した、ユーザが所有しているICカードに記憶されたカードIDをICカード認証サーバ200に送信することにより認証依頼を行い、ICカード認証サーバ200から受信した認証結果に従って認証処理を行う機能を備えている。
【0065】
ここで、カードIDとは、例えば、ICカードの製造番号UID(ユニークな番号)を示す情報であり、複合機100を利用するユーザを特定することができるユーザ情報である。
【0066】
また、出力制御モジュール403は、送信部404と、認識部405と、受信部406と、出力部407とを備えている。
【0067】
送信部404は、複合機100から出力指示されたデータの解析結果である解析データや認証部402で認証を行ったカードID(ユーザ情報)の送信を行う機能を備えている。
【0068】
認識部405は、コピーやスキャンにより読み取った原稿の画像内に含まれる文字を認識するOCR処理や、該原稿の画像内に含まれる画像を認識する画像解析処理を行う機能を備えている。また、認識部405は、後述する目印データが該原稿内に含まれているかを解析する機能を備えている。
【0069】
受信部406は、ユーザにより出力指示されたデータの出力を許可するか否かを示すデータをデータ蓄積サーバ300から受信する機能を備えている。
【0070】
出力部407は、受信部406で受信したデータに従って、ユーザにより出力指示されたデータを出力する機能を備えている。
【0071】
≪図5の説明≫
図5は、図1に示したデータ蓄積サーバ300のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0072】
データ蓄積サーバ300は、図2に示した外部メモリ211やRAM203の記憶領域に対応する記憶部505、オペレーティングシステム(OS)508、出力判定アプリケーション501を備えている。
【0073】
記憶部505には、後述する出力許可データ506(図12)と、印刷制御データ507(図13)とを記憶している(出力許可記憶手段)(出力制御記憶手段)。
【0074】
また、オペレーティングシステム508は、現在の日時(日付)を提供する時計部510を備えている。
【0075】
また、出力判定アプリケーション501には、受信部502と判定部503と送信部504とを備えている。
【0076】
受信部502は、複合機100からICカードの識別情報であるカードID(ユーザ情報)や解析データを受信する機能を備えている。
【0077】
判定部503は、受信部502で受信したカードIDや解析データと、時計部510から取得した現在の日時と、出力許可データ、印刷制御データとから、複合機100からのデータの出力を許可するか否かを判定する機能を備えている。
【0078】
送信部504は、判定部503での判定結果を複合機100に送信する機能を備えている。
【0079】
≪図6の説明≫
以下、図6のフローチャートを参照して、複合機100のCPUが実行する処理を説明する。
【0080】
図6は、第1の実施形態に係る複合機100の処理を示すフローチャートである。
【0081】
図6に示すステップS601とステップS602の処理は、図4に示した複合機100に記憶されたICカード認証モジュール401による処理に対応する。
【0082】
また、図6に示すステップS603からステップS613からステップS614の処理は、図4に示した複合機100に記憶された出力制御モジュール403による処理に対応する。
【0083】
即ち、図6に示すフローチャートの処理は、図3に示した複合機100のCPU301がROM303又はHDD304からRAM302等に読み出したICカード認証モジュール401と出力制御モジュール403を実行することにより実現される。
【0084】
まず、ユーザがコンピュータ400から複合機100に対して印刷を行う場合について説明する。
【0085】
コンピュータ400から複合機100に対するデータの印刷指示が行われると、コンピュータ400は、データ蓄積サーバ300に当該データの印刷データと該コンピュータ400を利用しているユーザ名とを送信する。そして、データ蓄積サーバ300は、コンピュータ400から受信した該印刷データと該ユーザ名と対応づけて外部メモリなどの記憶手段に記憶する。
【0086】
このようにして、コンピュータ400から印刷を行う場合は、予め印刷したい印刷データがデータ蓄積サーバ300に記憶される。
【0087】
次に、図6に示す認証処理(ステップS601)について説明する。
【0088】
複合機100のCPU301は、ユーザが所有しているICカードがカードリーダ319にかざされると、カードリーダ319を介して、当該ICカードのカードIDを取得する。
【0089】
そして、複合機100のCPU301は、ICカード認証サーバ200に取得したカードIDを送信し、ユーザの認証依頼を行う。
【0090】
当該認証依頼を受けたICカード認証サーバ200のCPU201は、ICカード認証サーバ200の外部メモリ211に記憶されているユーザ情報テーブル1400(図14)に、複合機100から受信したカードIDが含まれているかを判定することにより認証を行う。ここで、図14に示すユーザ情報テーブル1400は、ユーザ情報であるカードIDと、当該カードIDに対応づけられたユーザ名とが記憶されている。このように、図14に示すユーザ情報テーブル1400には、複合機100の認証を行うためのユーザ情報が含まれており、ユーザ情報テーブル1400に登録されているユーザ情報のユーザは認証されることを示している。
【0091】
ICカード認証サーバ200のCPU201は、認証処理を行った後、その認証結果を複合機100に送信する。
【0092】
複合機100のCPU301は、認証結果をICカード認証サーバ200から受信すると、受信した認証結果が認証されたことを示す情報か否かを判定する(ステップS602)。すなわち、認証結果が認証されたことを示す情報であれば認証されたと判定し、認証結果が認証されなかったことを示す情報であれば認証されなかったと判定する。
【0093】
複合機100のCPU301は、ステップS602において、認証されたと判定された場合は、ユーザからコピー又はスキャン又は印刷(プリント)の出力指示を受け付ける(ステップS603)(出力指示受付手段)。一方、認証されなかったと判定された場合は、ステップS601に処理を移行し、ユーザからのコピー又はスキャン又は印刷(プリント)の指示を受け付けることが出来ないように制御する。
【0094】
そして、複合機100のCPU301は、ステップS603で、ユーザからプリントの出力指示を受け付けたか否かを判定し(ステップS604)、プリントの出力指示を受け付けたと判定した場合は、データ蓄積サーバ300から、ステップS601で取得したカードIDに対応するユーザ名の印刷データを取得する(ステップS607)。そして、複合機100のCPU301は、処理をステップS606に移行する。
【0095】
また、複合機100のCPU301は、ステップS604で、ユーザからプリントの出力指示を受け付けていないと判定された場合、即ち、コピー又はスキャナの出力指示をユーザから受け付けたと判定された場合、複合機100にセットされた原稿をスキャンして、該原稿の画像を読み取る画像読取処理を実行する(ステップS605)。
【0096】
そして、複合機100のCPU301は、ステップS605で読み取った画像、又はステップS607で取得した印刷データに対してOCR処理(文字認識処理)、及び画像解析処理を行い、当該画像内の文字や画像を認識する(ステップS606)。
【0097】
複合機100のCPU301は、ステップS606で認識したデータ(文字データ又は/及び画像データ)の中に、目印データ(図11)があるかを検索する(ステップS608)。
【0098】
ここで、図11に示す目印データテーブル1100に記憶された目印データは、出力を許可するか否かの判定を行う対象であることを示すデータである。すなわち、例えば、目印データが記載された原稿は出力を許可するか否かの判定対象となる。目印データテーブル1100(図11)には、目印データとして、「開示範囲」という文字列と、「開示範囲」という画像データとが記憶されている。すなわち、「開示範囲」という文字列又は「開示範囲」という画像データが原稿に含まれていた場合、その原稿は出力を許可するか否かの判定を行う対象であると判定されることとなる。
【0099】
以降、ステップS606で認識したデータを解析データと呼ぶ。
【0100】
そして、複合機100のCPU301は、検索の結果、該解析データから、図11に示す目印データが検索(検出)されたか否かを判定し(ステップS609)、目印データが検索されたと判定された場合、処理をステップS610に移行し、一方、目印データが検索されなかったと判定された場合、処理をステップS614に移行する。
【0101】
複合機100のCPU301は、ステップS610において、ステップS610で取得したカードID(ユーザ情報)と解析データとをデータ蓄積サーバ300に送信することにより、データを出力許可するか否かの判定依頼を行う。
【0102】
次に、複合機100のCPU301は、データ蓄積サーバ300から、データを出力許可するか否かを示す判定結果を受信する(ステップS611)。ここで受信する判定結果の情報は、データの出力を禁止する出力禁止情報、又はデータの出力を許可する出力許可情報である。
【0103】
複合機100のCPU301は、ステップS611で、データ蓄積サーバ300から判定結果を受信すると、当該判定結果に従って、出力許可するか否かを判定する(ステップS612)。
【0104】
すなわち、受信した判定結果の情報が、出力禁止情報であると判定された場合は(ステップS612:NO)、ユーザから指示されたデータの出力処理を禁止する(ステップS613)。一方。受信した判定結果の情報が、出力許可情報であると判定された場合は(ステップS612:YES)、ユーザから指示されたデータの出力処理を実行する(ステップS613)。ステップS613では、ステップS603でユーザから受け付けたコピー又はスキャン又は印刷(プリント)の出力処理を実行する。
【0105】
≪図7の説明≫
以下、図7のフローチャートを参照して、データ蓄積サーバ300の処理を説明する。
【0106】
図7は、第1の実施形態に係るデータ蓄積サーバ300の処理を示すフローチャートである。
【0107】
図7に示すステップS701からステップS710までの処理は、図5に示したデータ蓄積サーバ300に記憶された出力判定アプリケーション501による処理に対応する。
【0108】
即ち、図7に示すフローチャートの処理は、図2に示したデータ蓄積サーバ300のCPU301がROM303又はHDD304からRAM302等に読み出した出力判定アプリケーション501を実行することにより実現される。
【0109】
まず、データ蓄積サーバ300のCPU201は、図6のステップS610で複合機100から送信されたユーザ情報と解析データを受け付ける(ステップS701)(ユーザ情報受付手段)。
【0110】
そして、データ蓄積サーバ300のCPU201は、複合機100から当該ユーザ情報と解析データを受け付けたか(受信したか)否かを判定し(ステップS702)、受信していないと判定した場合は(ステップS702:NO)、ステップS701に処理を移行する。一方、複合機100から当該ユーザ情報と解析データを受信したと判定した場合は(ステップS702:YES)、データ蓄積サーバ300の外部メモリ211に記憶された判定データを取得する。
【0111】
ここで、判定データについて説明する。
【0112】
判定データとは、図12に示す出力許可データテーブル1200に記憶された出力許可データと、図13に示す印刷制御データテーブル1300に記憶された禁止データと禁止期間とユーザ情報とを含むデータである。
【0113】
ここで、出力許可データを含む原稿又はデータは出力を許可される。
【0114】
例えば、出力許可データテーブル1200(図12)には、出力許可データとして、「開示範囲無し」という文字列(テキストデータ)と、「開示範囲無し」という画像データとが記憶されている。したがって、出力しようとするデータ又は原稿に、「開示範囲無し」という文字列(テキストデータ)又は、「開示範囲無し」という画像データが含まれている場合は、当該データ又は原稿の出力を許可する。
【0115】
また、印刷制御データテーブル1300(図13)には、「禁止データ」と、「禁止期間」と、「ユーザ情報(カードID)」とがそれぞれ対応して記憶されている。「禁止データ」には、例えば、「K525」の画像データ、「決算発表資料」などのテキストデータが含まれている。また、「禁止期間」には、当該禁止データが含まれるデータ又は原稿の出力を禁止する期間が設定されている。また、「ユーザ情報(カードID)」には、カードIDが記憶されている。すなわち、図13は、ユーザ毎に、禁止データが含まれるデータ又は原稿の出力を禁止する期間が設定されている。
【0116】
以下、図7のフローチャートの説明に戻る。
【0117】
次に、判定データを外部メモリ211から取得したデータ蓄積サーバ300のCPU201は、現在の日時をOS508の時計部509から取得する(ステップS704)。そして、データ蓄積サーバ300のCPU201は、ステップS701で受信した解析データ内に、ステップS703で取得した出力許可データが含まれているかを判定する(ステップS705)。
【0118】
そして、データ蓄積サーバ300のCPU201は、ステップS701で受信した解析データに、出力許可データが含まれていないと判定された場合(ステップS705:NO)、ステップS706に処理を移行し、一方、出力許可データが含まれていると判定された場合(ステップS705:YES)、ステップS710に処理を移行する。
【0119】
次に、データ蓄積サーバ300のCPU201は、ステップS706において、ステップS701で受信した解析データ内に、ステップS703で取得した禁止データが含まれているかを判定する。
【0120】
そして、データ蓄積サーバ300のCPU201は、ステップS701で受信した解析データに、ステップS703で取得した禁止データが含まれていると判定された場合は(ステップS706:YES)、ステップS707に処理を移行し、一方、禁止データが含まれていないと判定された場合は(ステップS706:NO)、ステップS710に処理を移行する。
【0121】
次に、データ蓄積サーバ300のCPU201は、ステップS707において、ステップS704で取得した現在の日時が、ステップS706で、ステップS701で受信した解析データに含まれると判定された禁止データに対応する、ステップS703で取得した禁止期間内であるか否かを判定する(期間判定手段)。
【0122】
そして、データ蓄積サーバ300のCPU201は、ステップS704で取得した現在の日時が、解析データに含まれると判定された禁止データに対応する禁止期間内であると判定された場合(ステップS707:YES)、処理をステップS708に移行し、一方、現在の日時が、該禁止データに対応する禁止期間外であると判定された場合(ステップS707:NO)、処理をステップS710に移行する。
【0123】
次に、データ蓄積サーバ300のCPU201は、ステップS708において、ステップS701で受信したユーザ情報(カードID)が、ステップS707で現在日時が禁止時間内と判定された該禁止期間に対応する、ステップS703で取得したユーザ情報(カードID)と同じか否かを判定する。
【0124】
そして、データ蓄積サーバ300のCPU201は、当該禁止期間に対応するユーザ情報が、ステップS701で受信したユーザ情報(カードID)と同じであると判定された場合(ステップS708:NO)、処理をステップS709に移行する。一方、当該禁止期間に対応するユーザ情報が、ステップS701で受信したユーザ情報(カードID)と異なると判定された場合(ステップS708:YES)、処理をステップS710に移行する。
【0125】
データ蓄積サーバ300のCPU201は、ステップS709において、判定結果である出力禁止情報を複合機100に対して送信する。また、データ蓄積サーバ300のCPU201は、ステップS710において、判定結果である出力許可情報を複合機100に対して送信する。
【0126】
このようにして、ステップS705、ステップS706、ステップS707、ステップS708での判定により、データの複合機での出力可否(出力を許可するか禁止するか)を決定する(出力決定手段)。
【0127】
≪図8、図9の説明≫
図9は、判定データを、データ蓄積サーバ300に記憶された出力許可データテーブル1200又は/及び印刷制御データテーブル1300に登録する処理を示すフローチャートである。
【0128】
図9は、目印データと出力許可データと禁止データと禁止期間とユーザ情報とを、目印データテーブル1100(図11)と出力許可データテーブル1200(図12)と印刷制御データテーブル1300(図13)に記憶(登録)する処理を示すフローチャートである。
【0129】
まず、管理者が操作するコンピュータ400(管理者端末)を起動すると、管理者端末のCPU201は、図8に示す判定データ登録画面800をCRT210等の表示部に表示する。
【0130】
判定データ登録画面800(図8)には、目印データテーブル1100(図11)に記憶する目印データの入力欄801と、出力許可データテーブル1200(図12)に記憶する出力許可データの入力欄804と、印刷制御データテーブル1300(図13)に記憶する禁止データと禁止期間とユーザ情報の入力欄807と、登録ボタン813とが表示される。
【0131】
目印データの入力欄801には、目印データである文字(列)(テキストデータ)の入力を受け付ける入力部802と、目印データである画像(画像データ)を選択する参照ボタン803とが表示されている。
【0132】
ユーザにより参照ボタン803が押下されると、通信可能な記憶装置に記憶された画像の中から、目印データとして画像を選択することができる。
【0133】
また、出力許可データの入力欄804には、出力許可データである文字(列)(テキストデータ)の入力を受け付ける入力部805と、出力許可データである画像(画像データ)を選択する参照ボタン806とが表示されている。
【0134】
ユーザにより参照ボタン806が押下されると、通信可能な記憶装置に記憶された画像の中から、出力許可データとして画像を選択することができる。
【0135】
また、入力欄807には、禁止データである文字(列)(テキストデータ)の入力を受け付ける入力部808と、禁止データである画像(画像データ)を選択する参照ボタン809と、禁止期間の入力を受け付ける入力部(810,811)と、ユーザ情報であるカードIDの入力を受け付ける入力部812とが表示されている。
【0136】
ユーザにより参照ボタン809が押下されると、通信可能な記憶装置に記憶された画像の中から、禁止データとして画像を選択することができる。
【0137】
なお、810は禁止期間の開始日時の入力欄であり、811は禁止期間の終了日時の入力欄である。
【0138】
管理者端末のCPU201は、判定データ登録画面800を介して、登録する判定データの入力をユーザから受け付ける。
【0139】
そして、管理者端末のCPU201は、管理者から、判定データ登録画面800の各入力欄に入力され、登録ボタン813が押下されると(ステップS902)、複合機100又は/及びデータ蓄積サーバ300に、判定データ登録画面800に入力された判定データを送信する(ステップS903)。
【0140】
すなわち、管理者端末のCPU201は、入力欄801に目印データが入力され、登録ボタン813がユーザにより押下された場合は、当該入力された目印データを、複合機100の記憶手段に記憶すべく、複合機100に送信する。
【0141】
そして、複合機100のCPUは、管理者端末から受信した目印データを、複合機100の目印データテーブル(図11)に記憶(登録)する(ステップS905)。
【0142】
そして、目印データを登録した複合機100のCPUは、管理者端末に対して、登録完了の通知を行う(ステップS906)。
【0143】
また、管理者端末のCPU201は、入力欄804に出力許可データが入力され、及び/又は入力欄807に印刷制御データが入力され、登録ボタン813が押下された場合は、当該入力された出力許可データ及び/又は印刷制御データを、データ蓄積サーバ300の記憶手段に記憶すべく、データ蓄積サーバ300に送信する。
【0144】
そして、データ蓄積サーバ300のCPU201は、管理者端末から受信した出力許可データをデータ蓄積サーバ300の出力許可データテーブル1200に記憶し、また、管理者端末から受信した出力制御データをデータ蓄積サーバ300の印刷制御データテーブル1300に記憶(登録)する(ステップS905)。
【0145】
そして、出力許可データ及び/又は印刷制御データを登録したデータ蓄積サーバ300のCPUは、管理者端末に対して、登録完了の通知を行う(ステップS906)。そして、管理者端末は、複合機100及び/又はデータ蓄積サーバ300から当該登録完了の通知を受信する(ステップS907)。
【0146】
以上説明したように、本実施の形態によれば、スキャンやコピー等を行う時間に応じて利用範囲が異なる情報が含まる原稿を適切に利用させると共に情報の漏洩を防止することができる。
【0147】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、出力しようとするデータに目印データが含まれるか否かを複合機100で判定し、目印データが含まれると判定された場合に、データ蓄積サーバ300に対して当該データの出力が許可されるか否かを問い合わせする形態について説明した。
【0148】
すなわち、当該データの出力の許可/禁止の判定をデータ蓄積サーバ300で行う形態であった。
【0149】
第2の実施形態では、当該データの出力が許可されるか否かの問い合わせをデータ蓄積サーバ300に行わず、複合機100のCPUが、出力しようとするデータに目印データが含まれるか否かを判定し、更に、当該データの出力の許可/禁止の判定を行う。
【0150】
したがって、第2の実施形態では、出力許可データテーブル(図12)及び、印刷制御データテーブル(図13)は、複合機100のHDD304(記憶手段)に記憶されている。すなわち、図10に示すステップS703の処理では、判定データを複合機100の記憶手段から取得する。
【0151】
以下、本発明の第2の実施の形態について図10を参照して説明する。
【0152】
図10は、第2の実施形態に係る複合機100の処理を示すフローチャートである。
【0153】
すなわち、複合機100のCPUが図10に示すフローチャートの処理を実行する。
【0154】
図10のステップS601からステップS608までの処理と、ステップS703からステップS708までの処理と、ステップS613とステップS614の処理は、第1の実施形態で説明した図6及び図7と同様であるので、説明を省略する。なお、同一処理については同じ符号を付している。
ステップS601では、カードリーダを介してユーザのユーザ情報の入力を受付け、該ユーザ情報を取得する(ユーザ情報受付手段)。
【0155】
複合機100のCPU301は、ステップS609で、解析データから、図11に示す目印データが検索(検出)されたか否かを判定し(ステップS609)、目印データが検索されたと判定された場合(ステップS609:YES)、処理をステップS703に移行し、一方、目印データが検索されなかったと判定された場合(ステップS609:NO)、処理をステップS614に移行する。
【0156】
複合機100のCPU301は、ステップS705でYES、ステップS706でNO、ステップS707でNO、ステップS708でYESと判定された場合は、ステップS614を実行し、ステップS708でNOと判定された場合は、ステップS613を実行する。
【0157】
以上説明したように、本実施の形態によれば、スキャンやコピー等を行う時間に応じて利用範囲が異なる情報が含まる原稿を適切に利用させると共に情報の漏洩を防止することができる。
【0158】
以上、本発明の一実施形態を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置(例えば、複合機100(画像処理装置)とデータ蓄積サーバ300(情報処理装置)を一つの装置に統合した形態、又は、複合機100とデータ蓄積サーバ300とICカード認証サーバ200とを一つの装置に統合した形態)に適用しても良い。
【0159】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0160】
この場合、記憶媒体から読み出された、コンピュータ読み取り実行可能なプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0161】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0162】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(基本システム或いはオペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0163】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示したICカード認証サーバ200、データ蓄積サーバ300、コンピュータ400に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した複合機100のコントローラユニットのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図1に示した複合機100のソフトウェア構成の一例を示したブロック図である。
【図5】データ蓄積サーバ300のソフトウエア構成の一例を示したブロック図である。
【図6】第1の実施形態に係る複合機100の処理を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態に係るデータ蓄積サーバ300の処理を示すフローチャートである。
【図8】判定データを登録するための判定データ登録画面の一例である。
【図9】判定データを複合機100又は/及びデータ蓄積サーバ300に登録する処理を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施形態に係る複合機100の処理を示すフローチャートである。
【図11】判定データである目印データを記憶した目印データテーブルの一例を示す図である。
【図12】判定データである許可データを記憶した許可データテーブルの一例を示す図である。
【図13】判定データである印刷制御データを記憶した印刷制御データテーブルの一例を示す図である。
【図14】ICカード認証サーバ200の外部メモリ211に記憶されたユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0165】
100 複合機
200 ICカード認証サーバ
300 データ蓄積サーバ
400 コンピュータ
500 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを識別するユーザ情報と出力を禁止する禁止データと当該禁止データの出力を禁止する禁止期間とを対応して記憶する出力制御記憶手段と、
前記ユーザにより入力されたユーザ情報を受け付けるユーザ情報受付手段と、
データの出力指示を受け付ける出力指示受付手段と、
前記出力指示受付手段で受け付けたデータに、前記出力制御記憶手段に記憶された禁止データが含まれているかを判定する禁止データ判定手段と、
前記出力指示受付手段で出力指示を受け付けた時間が、前記出力制御記憶手段に記憶された、当該禁止データに対応する禁止期間内か否かを判定する期間判定手段と、
前記ユーザ情報受付手段で受け付けたユーザ情報が、前記出力制御記憶手段に記憶された、当該禁止データに対応するユーザ情報と同じか否かを判定するユーザ判定手段と、
前記禁止データ判定手段と前記期間判定手段と前記ユーザ判定手段との判定結果に従って、前記出力指示受付手段で出力指示されたデータの出力の可否を決定する出力決定手段と、
を備え、
前記出力決定手段は、前記禁止データ判定手段で、前記出力指示受付手段で出力指示されたデータに前記禁止データが含まれていると判定され、前記期間判定手段で、前記出力指示受付手段で出力指示を受け付けた時間が当該禁止データに対応する禁止期間内であると判定され、前記ユーザ判定手段で、前記ユーザ情報受付手段で受け付けたユーザ情報が、当該禁止データに対応するユーザ情報と同じと判定された場合に、前記出力指示受付手段で受け付けたデータの出力を禁止することを決定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
データの出力を許可することを示す出力許可データを記憶する出力許可記憶手段と、
前記出力指示受付手段で受け付けたデータに、前記出力許可記憶手段に記憶されている出力許可データが含まれるか否かを判定する許可データ判定手段と、
を更に備え、
前記出力決定手段は、前記許可データ判定手段で、前記出力指示受付手段で受け付けたデータに、前記出力許可記憶手段に記憶されている出力許可データが含まれると判定された場合に、前記出力指示受付手段で受け付けたデータの出力を許可することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
データの出力可否の判定対象か否かを示す目印データを記憶する目印記憶手段と、
前記出力指示受付手段で受け付けたデータの中から、前記目印記憶手段に記憶された目印データを検出する検出手段と、
を更に備え、
前記禁止データ判定手段は、前記検出手段で、前記出力指示受付手段で受け付けたデータの中から目印データを検出した場合に実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
出力制御手段が、ユーザを識別するユーザ情報と出力を禁止する禁止データと当該禁止データの出力を禁止する禁止期間とを対応して記憶する出力制御記憶工程と、
ユーザ情報受付手段が、前記ユーザにより入力されたユーザ情報を受け付けるユーザ情報受付工程と、
出力指示受付手段が、データの出力指示を受け付ける出力指示受付工程と、
禁止データ判定手段が、前記出力指示受付工程で受け付けたデータに、前記出力制御記憶工程で記憶された禁止データが含まれているかを判定する禁止データ判定工程と、
期間判定手段が、前記出力指示受付工程で出力指示を受け付けた時間が、前記出力制御記憶工程で記憶された、当該禁止データに対応する禁止期間内か否かを判定する期間判定工程と、
ユーザ判定手段が、前記ユーザ情報受付工程で受け付けたユーザ情報が、前記出力制御記憶工程で記憶された、当該禁止データに対応するユーザ情報と同じか否かを判定するユーザ判定工程と、
出力決定手段が、前記禁止データ判定工程と前記期間判定工程と前記ユーザ判定工程との判定結果に従って、前記出力指示受付工程で出力指示されたデータの出力の可否を決定する出力決定工程と、
を備え、
前記出力決定工程は、前記禁止データ判定工程で、前記出力指示受付工程で出力指示されたデータに前記禁止データが含まれていると判定され、前記期間判定工程で、前記出力指示受付工程で出力指示を受け付けた時間が当該禁止データに対応する禁止期間内であると判定され、前記ユーザ判定工程で、前記ユーザ情報受付工程で受け付けたユーザ情報が、当該禁止データに対応するユーザ情報と同じと判定された場合に、前記出力指示受付工程で受け付けたデータの出力を禁止することを決定することを特徴とする情報処理装置における制御方法。
【請求項5】
情報処理装置を、
ユーザを識別するユーザ情報と出力を禁止する禁止データと当該禁止データの出力を禁止する禁止期間とを対応して記憶する出力制御記憶手段と、
前記ユーザにより入力されたユーザ情報を受け付けるユーザ情報受付手段と、
データの出力指示を受け付ける出力指示受付手段と、
前記出力指示受付手段で受け付けたデータに、前記出力制御記憶手段に記憶された禁止データが含まれているかを判定する禁止データ判定手段と、
前記出力指示受付手段で出力指示を受け付けた時間が、前記出力制御記憶手段に記憶された、当該禁止データに対応する禁止期間内か否かを判定する期間判定手段と、
前記ユーザ情報受付手段で受け付けたユーザ情報が、前記出力制御記憶手段に記憶された、当該禁止データに対応するユーザ情報と同じか否かを判定するユーザ判定手段と、
前記禁止データ判定手段と前記期間判定手段と前記ユーザ判定手段との判定結果に従って、前記出力指示受付手段で出力指示されたデータの出力の可否を決定する出力決定手段として機能させ、
前記出力決定手段は、前記禁止データ判定手段で、前記出力指示受付手段で出力指示されたデータに前記禁止データが含まれていると判定され、前記期間判定手段で、前記出力指示受付手段で出力指示を受け付けた時間が当該禁止データに対応する禁止期間内であると判定され、前記ユーザ判定手段で、前記ユーザ情報受付手段で受け付けたユーザ情報が、当該禁止データに対応するユーザ情報と同じと判定された場合に、前記出力指示受付手段で受け付けたデータの出力を禁止することを決定することを特徴とするコンピュータ読み取り実行可能なプログラム。
【請求項6】
データを出力する画像処理装置と、前記画像処理装置による当該データの出力可否を決定する情報処理装置とを備える情報処理システムであって、
前記画像処理装置は、
ユーザにより入力されたユーザ情報を受け付けるユーザ情報受付手段と、
データの出力指示を受け付ける出力指示受付手段と、
前記ユーザ情報受付手段で受け付けたユーザ情報と、前記出力指示受付手段で受け付けたデータとを前記情報処理装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記情報処理装置は、
ユーザを識別するユーザ情報と出力を禁止する禁止データと当該禁止データの出力を禁止する禁止期間とを対応して記憶する出力制御記憶手段と、
前記画像処理装置から、前記画像処理装置のユーザ情報受付手段で受け付けたユーザ情報と前記画像処理装置の出力指示受付手段で受け付けたデータとを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信したデータに、前記出力制御記憶手段に記憶された禁止データが含まれているかを判定する禁止データ判定手段と、
前記受信手段により受信した時間が、前記出力制御記憶手段に記憶された、当該禁止データに対応する禁止期間内か否かを判定する期間判定手段と、
前記受信手段で受信したユーザ情報が、前記記憶手段に記憶された、当該禁止データに対応するユーザ情報と同じか否かを判定するユーザ判定手段と、
前記禁止データ判定手段と前記期間判定手段と前記ユーザ判定手段との判定結果に従って、前記受信手段で受信したデータの出力の可否を決定する出力決定手段と、
を備え、
前記出力決定手段は、前記禁止データ判定手段で、前記受信手段で受信したデータに前記禁止データが含まれていると判定され、前記期間判定手段で、前記出力指示受付手段で出力指示を受け付けた時間が当該禁止データに対応する禁止期間内であると判定され、前記ユーザ判定手段で、前記受信手段で受信したユーザ情報が、当該禁止データに対応するユーザ情報と同じと判定された場合に、前記出力指示受付手段で受け付けたデータの出力を禁止することを決定することを特徴とする情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−146432(P2010−146432A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−324990(P2008−324990)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(592135203)キヤノンITソリューションズ株式会社 (528)
【Fターム(参考)】