説明

情報提供システム、および車載機

【課題】利用者が置かれている状況に適したコンテンツを適切に選別して提供可能な情報提供システムと、その情報提供システムを構成するのに適した車載機を提供すること。
【解決手段】車載機は、位置検出装置により検出された車両の現在位置データに基づき、コンテンツサーバに対してコンテンツデータの配信を要求する(S120)。そして、配信要求を受けたコンテンツサーバ側にてコンテンツデータのうち現在位置データに基づき収集されたものをコンテンツサーバから取得する(S130)。その後、取得したコンテンツデータのうち、利用人数要素84のデータに検出された乗車人数と一致する人数を示すデータが含まれており、且つ、利用可能天候要素のデータに検知された降雨状況と一致するものが含まれているものを抽出し(S170)、抽出したデータに基づいて、施設の情報を表示装置に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両周辺にある施設に関する情報を利用者に対して提供可能な情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載ナビゲーションシステムを利用して、レストラン情報のようなコンテンツを車両外部のサーバから無線通信で取得し、ディスプレイに表示するシステムが提案されている。この種のシステムでは、車載ナビゲーションシステムを利用して取得した車両の現在位置の情報をサーバに伝達することで、車両の現在位置から近い施設に関する情報をサーバから取得し、その情報を利用者に提供する、といったことを実行している(例えば、特許文献1:[0082]〜[0092]参照。)。
【特許文献1】特開2006−24196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のシステムによれば、単に車両の現在位置から近いことだけを基準にして施設の情報を提供しているため、多人数で利用したいのに少人数での利用に適した施設が紹介されたり、雨天であるにもかかわらず晴天時にしか利用できない施設が紹介されたりする。
【0004】
そのため、このような従来のシステムでは、多人数での利用が可能な施設の情報かどうか、雨天時に利用可能な施設の情報かどうか、といったことを、利用者が自ら判断して、必要な情報を選別しなければならないため、その選別作業に多大な手間がかかってしまう、という問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、利用者が置かれている状況に適したコンテンツを適切に選別して提供可能な情報提供システムと、その情報提供システムを構成するのに適した車載機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、本発明において、上記目的を達成するために採用した構成について説明する。
請求項1の情報提供システムにおいて、車載機は、現在位置データ取得手段により取得された現在位置データに基づき、外部サーバに対して施設データを要求する。そして、外部サーバから取得した施設データの内、乗車人数検出手段により検出された乗車人数での利用に適した施設の施設データを選択し、選択された施設データに基づいて施設に関する情報を出力する。
【0007】
したがって、このような情報提供システムによれば、単に車両の現在位置から近いことだけを基準にして施設の情報を提供するシステムとは異なり、車両の乗車人数に応じた施設の情報が出力されるため、利用者は、提供された情報の中から、より簡単に所望の施設を探し出すことができる。
【0008】
次に、請求項2の情報提供システムにおいて、車載機は、外部サーバから取得した施設データの内、降雨検知手段によって検知された降雨状況での利用が可能な施設の施設データを選択し、選択された施設データに基づいて施設に関する情報を出力する。
【0009】
したがって、このような情報提供システムによれば、単に車両の現在位置から近いことだけを基準にして施設の情報を提供するシステムとは異なり、車両の乗車人数、および車両の現在位置での天候に応じた施設の情報が出力されるため、請求項1に記載のシステム以上に出力情報を絞り込むことができ、利用者は、提供された情報の中から、さらに簡単に所望の施設を探し出すことができる。
【0010】
次に、請求項3の情報提供システムにおいて、車載機は、外部サーバから取得した施設データの内、降雨検知手段によって検知された降雨状況での利用が可能な施設の施設データを選択し、選択された施設データに基づいて施設に関する情報を出力する。
【0011】
したがって、このような情報提供システムによれば、単に車両の現在位置から近いことだけを基準にして施設の情報を提供するシステムとは異なり、車両の現在位置の天候に応じた施設の情報が出力されるため、利用者は、提供された情報の中から、より簡単に所望の施設を探し出すことができる。
【0012】
なお、請求項4に記載の車載機によれば、請求項1に記載の外部サーバとともに、請求項1に記載の情報提供システムを構築することができる。
また、請求項5に記載の車載機によれば、請求項3に記載の外部サーバとともに、請求項3に記載の情報提供システムを構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の実施形態について、具体的な例を挙げて説明する。
[情報提供システム全体の構成]
図1は、第1実施形態の情報提供システムの概略構成図である。
【0014】
本実施形態の情報提供システムは、車両1に搭載された車載機3と、この車載機3に対して各種情報を提供するために用意されたコンテンツサーバ5などによって構成される。
車載機3は、この情報提供システム内でクライアントとして機能する装置で、本実施形態においては、車載ナビゲーション装置としての機能を備えたものが採用されている。この車載機3は、無線通信機能に対応しており、無線基地局9との間で無線通信を行うことにより、無線基地局9経由で通信ネットワーク7(例えば、インターネット等)に接続し、コンテンツサーバ5および情報提供サーバに対して各種情報の提供を要求する。
【0015】
コンテンツサーバ5は、後述するコンテンツデータを記憶しているサーバであり、車載機3からの要求に応じて、各種情報を配信する。
[車載機3の構成]
車載機3は、制御装置10、表示装置20、位置検出装置30、音声出力装置40、およびデータ通信装置50を備えている。
【0016】
制御装置10は、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、このマイクロコンピュータがROMやRAMに記憶されたプログラムに従って作動することにより、描画処理部12、地図処理部13、通信制御部14、コンテンツ処理部15等として機能するようになっている。
【0017】
これらのうち、描画処理部12は、表示装置20に表示する表示情報の描画処理を実行する部分である。また、地図処理部13は、経路探索、経路案内、マップマッチング機能などの一般的なナビゲーション処理を実行する部分である。また、通信制御部14は、データ通信装置50を介した車両1の外部機器との通信処理を実行する部分である。さらに、コンテンツ処理部15は、コンテンツサーバ5からコンテンツデータ(詳しくは後述)を取得する処理を実行する部分である。
【0018】
表示装置20は、液晶ディスプレイ23、スイッチ群25を備えている。この液晶ディスプレイ23には、描画処理部12の描画処理および地図処理部13のナビゲーション処理により、車両1の現在位置を示した地図等が表示される。また、スイッチ群25は、メカニカルなキースイッチ等からなり、利用者からの各種指示を入力するためのものである。
【0019】
位置検出装置30は、図示しない地磁気センサ、ジャイロスコープ、距離センサ、GPS受信機等を備え、これら機器により車両1の現在位置を検出するものである。また位置検出装置30は、制御装置10に接続されており、検出結果である現在位置データを制御装置10に出力する。
【0020】
音声出力装置40は、周知のスピーカーからなり、制御装置10での処理結果に基づく地図情報等を音声で出力することができる。
データ通信装置50は、車載機3を無線基地局9経由で通信ネットワーク7に接続するために設けられた装置で、本実施形態においては、車載機3に設けられた接続端子に利用者が所持する携帯電話機を接続することによってデータ通信装置50が構成される。なお、このデータ通信装置50は、無線基地局9との接続を確立できる装置であれば、汎用の携帯電話機を利用したものに限らず、車載機3に内蔵された専用の通信装置や、自動車電話を利用したものとして構成されていてもよい。
【0021】
また、車両1には、着座センサ60および降雨センサ70が設けられ、車載機3は、これら着座センサ60および降雨センサ70から出力される信号を入力可能に構成されている。
【0022】
着座センサ60は、車両1の乗車人数を検出するために設けられたセンサで、定員乗車人数分の着座センサ60が、車両1の全てのシートに配置されている。
降雨センサ70は、車両1外において雨滴を検出可能な箇所に配置され、車両1の現在位置の天候が降雨の状態であることを検知すると、その検知結果を制御装置10に出力する。
【0023】
[コンテンツデータの取得処理]
次に、以上のような情報提供システムにおいて、コンテンツデータを基にコンテンツリストデータを作成する際に車載機3が実行する処理について、図2、および図3を用いて説明する。この処理は、車載機3がバックグラウンドで定期的に実行する処理となる。なお、以下の説明では、施設に関するコンテンツデータを扱うものについて説明する。図2は、コンテンツリストデータの作成時に実行する処理のフローチャートである。図3は、コンテンツデータの概念図である。
【0024】
まず、車載機3は、待機時間が経過したか否かを判断し(S110)、待機時間が経過していないと判断した場合は、待機時間が経過するまで待機する(S110で「NO」)。S110における待機時間は、コンテンツデータの更新頻度に直接影響する時間であり、例えば、待機時間として5分が設定されている場合は、概ね5分毎にコンテンツデータが更新される。また、この待機時間は車速に基づいて動的に変更されてもよく、例えば、車速が高速になるほど待機時間を短くすることで、高速走行時にはコンテンツデータの更新頻度を上げるようにしてもよい。
【0025】
そして、待機時間が経過したと判断した場合は(S110で「YES」)、コンテンツサーバ5に対してコンテンツデータの配信を要求する(S120)。このS120の要求時には、車載機3からコンテンツサーバ5へ、車両の現在位置を示す現在位置データと、取得対象となるコンテンツのカテゴリーを示すカテゴリーデータが伝達される。
【0026】
なお、このカテゴリーデータは、あらかじめ車載機3が備えるROMに記憶されている情報で、「ホテル」、「食べ物」、「買い物」、「遊び」等のカテゴリーの種類を示すキーワードからなる。
【0027】
車載機3側で上記S120が実行されると、コンテンツサーバ5側には、車載機3からコンテンツデータの配信要求が到来する。この配信要求を受けたコンテンツサーバ5は、車載機3からの現在位置データとカテゴリーデータに基づきコンテンツデータを収集し、その収集したコンテンツデータを車載機3に配信する(S200)。
【0028】
S200で作成されるコンテンツデータは、図3に示すように、位置情報要素81、カテゴリー要素82、名称要素83、利用人数要素84、利用可能天候要素、および概要等の複数要素であるコンテンツ内容要素88の各データにより構成されている。
【0029】
位置情報要素81のデータとは、コンテンツデータの示す施設の位置情報のデータである。カテゴリー要素82のデータは、カテゴリーの種類を示すキーワードのデータである。名称要素83のデータは、その施設の名称を示すデータである。利用人数要素84のデータは、その施設を利用する際に適した人数を示すデータである。利用可能天候要素のデータは、その施設の利用が可能である天候を示すデータである(例えば、屋外運動施設等である場合には「非降雨」を示すデータのみであり、屋内運動施設等である場合には「降雨」および「非降雨」を示すデータとなる。)。コンテンツ内容要素88のデータは、その施設の概要、住所、電話番号、予算、メニュー等を示すデータである。
【0030】
ステップS200でコンテンツサーバ5は、まず、コンテンツデータの位置情報要素81のデータと現在位置データを比較して、車両1の現在位置から所定範囲内に位置する施設のコンテンツデータ(本実施形態では、車両1の現在位置から半径5km以内に位置する施設を示すコンテンツデータ)を選択する。そして、選択したコンテンツデータのうち、カテゴリー要素82のデータのキーワードが、カテゴリーデータの示すキーワードに含まれているものを車載機3に送信する。
【0031】
コンテンツサーバ5側で上記S200が実行されると、車載機3側には、コンテンツサーバ5からコンテンツデータが伝送されてくるので、車載機3は、コンテンツサーバ5から配信されたコンテンツデータを取得する(S130)。
【0032】
続いて、車載機3は、着座センサ60により乗車人数(例えば「2人」等)を検出し(S140)、降雨センサ70により降雨状況(「降雨」または「非降雨」)を検知する(S150)。
【0033】
次に、車載機3は、ステップS130で受信したコンテンツデータにおいて、新しいコンテンツデータを取得したか否かを判断する(S160)。また、ステップS140で検出された乗車人数に変化があったか否かを判断する(S163)。さらに、ステップS150で検知した降雨状況に変化があったか否かを判断する(S167)。
【0034】
これらステップS160、ステップS163、ステップS167の判断において、新しいコンテンツデータを取得したか(S160で「YES」)、乗車人数に変化があったか(S163で「YES」)、降雨状況に変化があったか(S167で「YES」)のいずれかであると判断した場合は、乗車人数および降雨状況に基づきコンテンツリストデータを作成する(S170)。
【0035】
このステップS170において、車載機3は、まず、取得したコンテンツデータにおいて、利用人数要素84のデータに検出された乗車人数と一致する人数を示すデータが含まれているもので、且つ、利用可能天候要素のデータに検知された降雨状況と一致するものが含まれているものを選択する。
【0036】
そして、選択した複数のコンテンツデータの名称要素83のみを抽出し、車両1の現在位置から近い位置にある施設から順番に、リスト化してコンテンツリストデータを作成する。
【0037】
なお、以上のようなS170を終えたら、ステップS110に戻り、上述と同様のコンテンツデータの取得処理を実行する。
一方、新しいコンテンツデータを取得しておらず(S160で「NO」)、且つ、乗車人数が変化しておらず(S163で「NO」)、且つ、降雨状況も変化していない(S167で「NO」)と判断した場合は、新しいコンテンツリストデータを作成しないで、そのままステップS110に戻る。
【0038】
以上説明したような処理を車載機3が実行すると、車載機3はバックグラウンドで定期的にコンテンツリストを作成することになり、特に、新しいコンテンツデータを取得した場合、あるいは、乗車人数または天気が変化した場合には、新しいコンテンツリストデータを作成することになる。
【0039】
[表示装置20における表示処理]
次に、車載機3がコンテンツ内容を表示装置20に出力する際に実行する処理について図4〜図6を用いて説明する。図4は、コンテンツ内容を表示する時に実行する処理のフローチャートである。図5(a)は、カテゴリーリストを表示した時の表示装置20の一例を示した説明図であり、図5(b)は、コンテンツリストを表示した時の表示装置20の一例を示した説明図である。図6(a)は、コンテンツ内容を表示した時の表示装置20の一例を示した説明図であり、図6(b)は、最小化モード時の表示装置20の一例を示した説明図である。
【0040】
まず、車両1がON状態となると、車載機3は、カテゴリーデータに基づくカテゴリーリストを表示装置20に表示する(S310)。ここで、表示装置20がカテゴリーリストを表示した場合には、図5(a)に示すように、液晶ディスプレイ23に地図とともにコンテンツウインドウ90が表示される。
【0041】
コンテンツウインドウ90には、利用者の操作により選択決定可能な複数のカテゴリー項目(「1:ホテル」、「2:食べ物」等のカテゴリーの種類の名称)と「最小化」項目91が表示される。なお、コンテンツウインドウ90に表示される「最小化」項目91については、後述する。
【0042】
次に、利用者によりいずれかのカテゴリー項目の選択決定があったか否かを判断し(S320)、カテゴリー項目の選択決定があったと判断するまで、表示装置20の表示をそのままにして待機する(S320で「NO」)。そして、ステップS320でカテゴリー項目の選択決定があったと判断した場合は(S320で「YES」)、所定のコンテンツリストを表示装置20に表示する(S330)。所定のコンテンツリストとは、コンテンツリストデータのうち選択決定されたカテゴリーの種類に対応する部分のことである。
【0043】
ここで、表示装置20がコンテンツリストを表示した場合は、図5(b)に示すように、コンテンツウインドウ90に、利用者の操作により選択決定可能なコンテンツ項目(「2−1:Aレストラン」、「2−2:Bレストラン」等の施設の名称)、「最小化」項目91、および「戻る」項目92が表示される。
【0044】
次に、利用者の操作があったか否かを判断する(S340)。このS340で検出対象となる操作は、コンテンツ項目の選択決定、または「戻る」項目92の選択決定であり、これらいずれかの操作があったと判断されるまで、待機する(S340で「NO」)。
【0045】
そして、ステップS340で利用者の操作があったと判断された場合は(S340で「YES」)、その操作がコンテンツ項目の選択決定であるか否かを判断する(S350)。その操作がコンテンツ項目の選択決定でないと判断した場合、つまり、「戻る」項目92の選択決定である場合には(S350で「NO」)、ステップS310に戻り、表示装置20にカテゴリーリストを表示する。
【0046】
一方、ステップS350で利用者の操作がコンテンツ項目の選択決定であると判断した場合は(S350で「YES」)、コンテンツ内容を表示する(S360)。ここで、表示装置20がコンテンツ内容を表示した場合は、図6(a)に示すように、コンテンツウインドウ90に、選択決定されたコンテンツ項目に対応するコンテンツ内容(コンテンツデータにおけるコンテンツ内容要素88のデータ)、「戻る」項目92、「終了」項目93、および「最小化」項目91が表示される。
【0047】
次に、利用者の操作があったか否かを判断する(S370)。このS370で検出対象となる操作は、「終了」項目93の選択決定、または「戻る」項目92の選択決定であり、これらいずれかの操作があったと判断されるまで、待機する(S370で「NO」)。
【0048】
そして、ステップS370で利用者の操作があったと判断された場合は(S370で「YES」)、その操作が「終了」項目93の選択決定であったか否かを判断する(S380)。その操作が「終了」項目93の選択決定でないと判断した場合、つまり、「戻る」項目92の選択決定であった場合には(S380で「NO」)、ステップS330に戻り、表示装置20にコンテンツリストを表示する。一方、ステップS380で利用者の操作が「終了」項目93の選択決定であったと判断した場合は(S380で「YES」)、ステップS310に戻り表示装置20にカテゴリーリストを表示する。
【0049】
なお、表示装置20にカテゴリーリスト、コンテンツリスト、コンテンツ内容のいずれかが表示された場合に、コンテンツウインドウ90には、「最小化」項目91が表示される。この「最小化」項目91を利用者が選択決定した場合、液晶ディスプレイ23の表示形態は、図6(b)に示す「最小化モード」に移行する。「最小化モード」の場合、表示装置20には、地図と選択決定可能な「コンテンツモード」項目95が表示され、コンテンツウインドウ90が非表示になる。一方、「最小化モード」の時に利用者が「コンテンツモード」項目95を選択決定した場合には、表示装置20には、コンテンツウインドウ90が表示され、「最小化モード」に移行する前の表示形態に戻る。
【0050】
[本実施形態の作用・効果]
以上のような本実施形態の情報提供システムであれば、図2および図3に示した処理を制御装置10が実行することにより、車載ナビゲーションは、車両1の現在位置だけでなく、車両1の乗車人数および車両1の現在位置の天候に応じたコンテンツを抽出し、出力することになる。つまり、利用者が置かれている状況に応じてより選別されたコンテンツを出力することになる。したがって、利用者は、利用者が置かれている状況に適したコンテンツを得ることができ、従来に比べて、利用者の希望に合致するコンテンツを簡単に選べることができる。
【0051】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
【0052】
上記の実施形態では、着座センサからの乗車人数と降雨センサからの降雨状況との両方に基づきコンテンツリストデータを作成しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、車両が、着座センサおよび降雨センサの内、いずれか一方のみを備え、乗車人数、降雨状況のいずれかに基づきコンテンツリストデータを作成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1実施形態の情報提供システムの概略構成図である。
【図2】コンテンツリストデータの作成時に実行する処理のフローチャートである。
【図3】コンテンツデータの概念図である。
【図4】コンテンツ内容を表示する時に実行する処理のフローチャートである。
【図5】(a)は、カテゴリーリストを表示した時の表示装置の一例を示した説明図であり、(b)は、コンテンツリストを表示した時の表示装置の一例を示した説明図である。
【図6】(a)は、コンテンツ内容を表示した時の表示装置の一例を示した説明図であり、(b)は、最小化モード時の表示装置の一例を示した説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1・・・車両、3・・・車載機、5・・・コンテンツサーバ、7・・・通信ネットワーク、9・・・無線基地局、10・・・制御装置、12・・・描画処理部、13・・・地図処理部、14・・・通信制御部、15・・・コンテンツ処理部、20・・・表示装置、23・・・液晶ディスプレイ、25・・・スイッチ群、30・・・位置検出装置、40・・・音声出力装置、50・・・データ通信装置、60・・・着座センサ、70・・・降雨センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車載機と、前記車両の外部に設けられた外部サーバとを備えてなり、前記車載機が、前記外部サーバから伝送されてくるデータに基づいて前記車両の現在位置周辺にある施設に関する情報を出力することにより、当該情報を利用者に対して提供可能に構成された情報提供システムであって、
前記車載機は、
前記車両の現在位置を示す現在位置データを取得する現在位置データ取得手段と、
前記車両の乗車人数を検出する乗車人数検出手段と、
前記現在位置データ取得手段により取得された前記現在位置データを前記外部サーバに伝達して、前記車両の現在位置周辺にある施設に関する施設データの伝送を前記外部サーバに対して要求するデータ要求手段と、
前記施設の位置を示す施設位置データ、および前記施設を利用する際に適した人数を示す利用人数データが各組に含まれる複数組の前記施設データが、前記データ要求手段からの要求に応じた前記外部サーバから伝送されてきたら、当該複数組の前記施設データを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段によって取得された複数組の前記施設データの中から、各組に含まれる前記利用人数データを参照して、前記乗車人数検出手段により検出された前記乗車人数での利用に適した施設の前記施設データを選択するデータ選択手段と、
前記データ選択手段によって選択された前記施設データに基づいて、前記施設に関する情報を出力する情報出力手段と
を備え、
前記外部サーバは、
前記車載機からの要求があった場合に、当該要求に伴って伝達される前記現在位置データに基づいて、当該現在位置データが示す位置の周辺にある施設に関する前記施設データを、前記車載機に対して配信するデータ配信手段
を備えることを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記車載機は、
前記車両の現在位置での降雨を検知する降雨検知手段
を備え、
前記データ取得手段は、降雨時に前記施設の利用が可能か否かを示す降雨時利用データが各組に含まれる複数組の前記施設データを取得し、
前記データ選択手段は、前記データ取得手段によって取得された複数組の前記施設データの中から、各組に含まれる前記降雨時利用データを参照して、前記降雨検知手段によって検知された降雨状況での利用が可能な施設の前記施設データを選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
車両に搭載された車載機と、前記車両の外部に設けられた外部サーバとを備えてなり、前記車載機が、前記外部サーバから伝送されてくるデータに基づいて前記車両の現在位置周辺にある施設に関する情報を出力することにより、当該情報を利用者に対して提供可能に構成された情報提供システムであって、
前記車載機は、
前記車両の現在位置を示す現在位置データを取得する現在位置データ取得手段と、
前記車両の現在位置での降雨を検知する降雨検知手段と、
前記現在位置データ取得手段により取得された前記現在位置データを前記外部サーバに伝達して、前記車両の現在位置周辺にある施設に関する施設データの伝送を前記外部サーバに対して要求するデータ要求手段と、
前記施設の位置を示す施設位置データ、および降雨時に前記施設の利用が可能か否かを示す降雨時利用データが各組に含まれる複数組の前記施設データが、前記データ要求手段からの要求に応じた前記外部サーバから伝送されてきたら、当該複数組の前記施設データを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段によって取得された複数組の前記施設データの中から、各組に含まれる前記降雨時利用データを参照して、前記降雨検知手段によって検知された降雨状況での利用が可能な施設の前記施設データを選択するデータ選択手段と、
前記データ選択手段によって選択された前記施設データに基づいて、前記施設に関する情報を出力する情報出力手段と
を備えることを特徴とする情報提供システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報提供システムを構成可能な車載機であって、
前記現在位置データ取得手段、前記乗車人数検出手段、前記データ要求手段、前記データ取得手段、前記データ選択手段、および前記情報出力手段
を備えることを特徴とする車載機。
【請求項5】
請求項3に記載の情報提供システムを構成可能な車載機であって、
前記現在位置データ取得手段、前記降雨検知手段、前記データ要求手段、前記データ取得手段、前記データ選択手段、および前記情報出力手段
を備えることを特徴とする車載機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−8072(P2010−8072A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164367(P2008−164367)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】