説明

情報提供システム、端末装置および中継装置

【課題】ユーザの要望に合わせてカスタマイズされた情報を中継装置において加工し、そのユーザの端末装置に提供する情報提供システムを実現する。
【解決手段】端末装置2と、中継装置3と、を備える情報提供システムであって、中継装置3は、固定的な基本情報I1と、ユーザ毎にカスタマイズ可能な付加情報I2と、を保持する情報保持手段4を有し、端末装置2は、情報付加指示CMを送信するする付加指示送信手段11を有し、中継装置3は、受信した情報付加指示CMに対応する付加情報I2を取得して基本情報I1に合体させる情報加工手段13を備えて、合体後の加工情報I3を端末装置2に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報提供システム、例えばマルチメディア情報やカー・ナビゲーションにおける地図情報などを提供するための情報提供システム、ならびにそのシステムを構成する端末装置および中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明はカー・ナビゲーションのような車載端末装置を介在させる情報提供システムに限定することなく、例えば家庭内に設置したパソコンを介在させる情報提供システムにも適用することが可能であるが、ここでは主として上記のカー・ナビゲーションを例にとって説明を始める。
【0003】
例えば従来のカー・ナビゲーション・システムのような、車両用の情報提供システムは、車両に搭載されたCD−ROMやDVDに、予め道路や地形等の地図情報を保持しておき、当該車両が自車内に保持した上記地図情報を読み出してディスプレイ上に表示した地図データ上に、自車位置をマークしていく、という構成のシステムであった。
【0004】
ところがその後、移動体通信網を使用した携帯電話が急速に普及したことから、上記地図情報のデータを自車内で保持するのではなく、上記移動体通信網およびIP(Internet Protocol)網を介して、ナビゲーション情報を保有するサーバ装置から該情報を当該車両にダウンロードする、という通信型のカー・ナビゲーション・システムが主流になりつつある。
【0005】
上記の通信型カー・ナビゲーション・システムによれば、膨大な上記地図情報のデータをそれぞれの車載端末装置で保持する必要がなくなるので、その分、DVD等の記録媒体の設置スペースや設置コストが不要になる、という利点がもたらされる。
【0006】
さらに、上記サーバ装置では、常に最新の情報に更新することが容易であるから、例えば車の渋滞情報や各種イベント情報等、リアルタイム性が必須となる情報をオンラインで各車両ユーザに提供できる、といった利点ももたらされる。
【0007】
このような最近の通信型カー・ナビゲーション・システムに関する公知文献としては、一例として下記の特許文献がある。
【0008】
【特許文献1】特開2002−107169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この特許文献1においても共通に課題としているように、各車載端末装置とサーバ装置との間でかなりの回数の対話形式による通信のやりとりが必要である。
【0010】
そこでこの特許文献1においては、通信量削減のための工夫をすると共に、専用のナビゲーションサーバ、すなわち専用サーバを導入して、地図情報や地点情報(POI)を、各車両ユーザの要求に合わせて送信するという構成をとっている。
【0011】
ところがこの特許文献1においては、次の2つの問題点を有している。
【0012】
(1)第1の問題点は、地図DBやPOI等を含んだ上記の専用サーバを構築していることに見出すことができる。したがって、地図DBやPOI情報を必要とする分、費用がかかってしまう。
【0013】
もしそのような専用サーバを構築しないとすると、複数の汎用サーバから、個々の通信により、所要の各種ナビゲーション情報を取り込まなければならない。すなわち、車載端末装置と、複数の汎用サーバの1つ1つとの間で個別に通信をしなければならない。そうすると、その1つ1つの個別通信の回数分だけ通信費用が増大してしまう。また当然その通信の回数分だけユーザによる通信操作の回数が増えるから、安全運転という観点から好ましくない。
【0014】
結局、複数の汎用サーバとの間で1つ1つ個別に通信を行うため、通信費用が増大してしまう、という問題が内在することになる。
【0015】
(2)第2の問題点は、余計なデータも一緒に取り込まれてしまうことである。
【0016】
車載端末装置が、上記の複数の汎用サーバから各種ナビゲーション情報を取り込もうとすると、当該車載端末装置にとって直接必要のないデータまで一緒に取り込まれてしまう。直接必要のないデータとは、例えばPC向け等の詳細なデータである。
【0017】
結局、車載端末装置はナビゲーションとは直接関係のないデータ量、つまり余計なデータ量までも通信してしまう分、通信費用が増大してしまう、という問題がある。
【0018】
したがって本発明は、複数の汎用サーバの1つ1つと通信することに起因して、また、余計なデータ量が加わることに起因して増大する通信費用を抑えることのできる、情報提供システム、端末装置および中継装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
図1は本発明に係る情報提供システムの基本構成を示す図である。
【0020】
本図において、情報提供システムは参照番号1で示され、ユーザ側に設けられる端末装置2と、ユーザ側に提供すべき情報を生成しこの端末装置2に送信する中継装置3と、を含んで構成される。この情報提供システム1において、中継装置3は、そのユーザ側に提供すべき情報として、ユーザ全般に固定的な基本情報I1と、この基本情報I1に付加される情報であってユーザ毎にカスタマイズ可能な付加情報I2と、を保持する情報保持手段4を有する。これらの情報I1およびI2は、基本情報DB15および付加情報DB16にそれぞれ格納される。
【0021】
また端末装置2は、ユーザの要求に応じ上記の付加情報I2を指示するための情報付加指示CM(command)を中継装置3に対して送信する付加指示送信手段11を有する。
【0022】
さらに中継装置3は、受信した上記の情報付加指示CMに対応する付加情報I2を取得し、これを基本情報I1に付加させる情報加工手段13を備えており、その付加した後の加工情報I3を端末装置2に送信する。
【0023】
ここで理解を早めるために、上記の基本情報I1および付加情報I2の一般的な一例を挙げると、基本情報I1はナビゲーションにおける地図情報であり、付加情報I2はコンビニエンスストア、レストラン、遊園地等の施設情報である。前述の情報付加指示CMが「レストラン」であったとすると、上記の情報I1およびI2を合体させた加工情報I3は、カー・ナビゲーション・システムのディスプレイ上において、目的とするレストランの候補名(1つまたは複数)を、ランドマークとして、その周辺地図(I1)上に重畳して表示する。
【0024】
このように情報提供システム1を構成する端末装置2および中継装置3を分離してそれぞれ個別に注目すると、下記(i)および(ii)のようになる。
【0025】
(i)端末装置2は、ユーザ側に設けられ、このユーザ側に提供すべき情報を生成する中継装置3からその生成情報を受信する端末装置である。この装置2は、
ユーザ全般に固定的な基本情報I1と、この基本情報I1に付加される情報であってユーザ毎にカスタマイズ可能な付加情報I2とを保持する中継装置3に対し、そのユーザの要求に応じ付加情報I2を指示するための情報付加指示CMを送信する付加指示送信手段11と、
その情報付加指示CMに対応する付加情報I2を基本情報I1に付加させるように加工する中継装置3から、その付加した後の加工情報I3を受信する加工情報受信手段12と、を備えて構成されるものである。
【0026】
(ii)中継装置3は、ユーザ側に提供すべき情報を生成し、これをそのユーザ側の端末装置2に送信する中継装置である。この中継装置3は、
ユーザ側に提供すべき上記の情報として、ユーザ全般に固定的な基本情報I1と、この基本情報I1に付加される情報であってユーザ毎にカスタマイズ可能な付加情報I2と、を保持する情報保持手段4と、
そのユーザの要求に応じ付加情報I2を指示するための情報付加指示CMを端末装置2から受信して、この情報付加指示CMに対応する付加情報I2を取得し、これをその基本情報I1に付加させる情報加工手段13と、
その付加した後の加工情報I3をその端末装置2に送信する加工情報送信手段14と、を備えて構成されるものである。
【発明の効果】
【0027】
従前の車載端末装置が、外部から受信できる情報は、テレビ、ラジオ等の放送系であった。これは、放送側から一方的に情報を流すのみであった。これに対し、上記の本発明によれば、車載端末装置を、インターネットと接続可能な情報端末装置と位置付けることができ、いわばサーバ連係システムを構築可能である。
【0028】
そして、そのサーバ連係システムの中で、車載端末装置側からの要求(上記の情報付加指示CM)に従って、サービス情報を加工(上記の加工情報I3)することができる。これにより、放送局からの一方通行的な情報提供のみならず、サーバと端末装置の相互間で情報のコミュニケーションが可能となり、ユーザ側が欲する情報のみをオンデマンドで提供可能となる。
【0029】
このことは、ユーザの嗜好に合わせた必要な情報のみに限定したサービスを提供することになり、前述した通信費用の増大といった問題を同時に解消可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、具体的に本発明を説明する。
【0031】
図2は図1の基本構成をやや具体化した一例を示す図である。なお全図を通じて、同様の構成要素には同一の参照番号または記号を付して示す。
【0032】
図2において新たに示される構成要素は、携帯電話5、Webサーバ6、情報処理部7、外部サーバ8−1、8−2、および各種情報DB17である。
【0033】
端末装置2と中継装置3との間は、携帯電話5とWebサーバ(I/O)6を介して接続され、これら携帯電話5とサーバ6との間には、例えば一般ISP(Internet Service Provider )とインターネット網(例えば図27に示すIP)が介在する。
【0034】
このWebサーバ6はまた、中継装置3の中心をなす情報処理部7に接続する。この情報処理部7は、前述した情報加工手段13と加工情報送信手段14とを少なくとも含み、前述した基本情報DB15および付加情報DB16と協働する。さらには各種情報DB17とも協働する。この各種情報DB17には、端末情報、車両情報、顧客情報、課金情報等が格納されるが、これらについては後述する。
【0035】
中継装置3は、これに連携する上述した複数の外部サーバ8−1、8−2を、前述の情報保持手段4としてさらに有することができる。これら複数の外部サーバのうち、少なくとも1つは上記の基本情報I1を保持し、他の少なくとも1つは上記の付加情報I2を保持する。基本情報I1や付加情報I2は多岐に亘って膨大であり、また、日本全国にその情報源が分布することから、このようにさらなる各種の外部サーバ8−1、8−2等と連携するのが好ましい。中継装置3は、必要に応じて上記の外部サーバに各種情報取得の要求を出し、その応答として所望の各種情報を受け取る。
【0036】
上記のように構成された情報提供システム1内における、端末装置2と中継装置3との間での情報のやり取りの各種態様をシーケンス図にて以下に表す。
【0037】
図3はシステム1内での情報のやり取りの第1の態様を示すシーケンス図である。
【0038】
本図において、参照番号2は前記の端末装置(ただし図中、単に「端末」と表記する)を表し、3は前記の中継装置を表し、4は前記の情報保持手段を表し、7は前記の情報処理部を表し、15は前記の基本情報DBを表し、16は前記の付加情報DBを表す(以下、図4〜図15において同様)。
【0039】
まずユーザは、端末装置2から自己の欲する付加情報を、情報付加指示CMとして、ポータルサーバである中継装置3に送る。
【0040】
これを受けた中継装置3は、情報提供の基本となる情報I1を基本情報DB15から取得すると共に、上記の情報付加指示CMに対応する、基本情報I1に付加すべき付加情報I2を付加情報DB16から取得する。
【0041】
ここに取得した両情報I1およびI2は、情報処理部7において加工され、加工後の加工情報I3(=I1+I2)を、上記ユーザに返送する。
【0042】
図4はシステム1内での情報のやり取りの第2の態様を示すシーケンス図である。
【0043】
この第2の態様において、基本情報I1は地図情報であり、情報付加指示CMに従う付加情報I2はその地図情報による地図上に重畳して端末装置2側のディスプレイに表示すべき情報である。これにより、ユーザにとって余分な情報は排除される。
【0044】
図5はシステム1内での情報のやり取りの第3の態様を示すシーケンス図である。
【0045】
本態様において、端末装置2は車載用の端末装置である(図中は「車載端末」と表記する)。ここに基本情報I1が地図情報であり、また、情報付加指示CMが当該車両9(図28)に関する車両情報であるとき、中継装置3からの加工情報I3は、その車両情報に適合させた地図情報である。
【0046】
この車両情報とは例えば、当該車両9が大型/中型/小型といった型別情報であってもよい。もし上記情報付加指示CMが「大型」を示しているとしたら、加工情報I3は、車幅制限や車高制限をクリアできる道路のみに絞った地図情報となる。
【0047】
かくして車両の状況に合わせた情報が得られる。
【0048】
図6はシステム1内での情報のやり取りの第4の態様を示すシーケンス図である。
【0049】
本態様において、地図情報による地図上に重畳してディスプレイに表示すべき情報は、現時点から所定期間経過時点までの間でのみ有効なリアルタイム情報である。
【0050】
リアルタイム情報とはリアルタイム性のある情報のことである。その代表例としては、イベント情報や天気情報等が挙げられる。この他、車の渋滞情報やデパートの大売出し情報やお祭り情報も挙げられる。とにかく、その時が過ぎてしまったら全く意味がなくなる情報がリアルタイム情報である。
【0051】
これはまさしく、インターネットを介したサーバ連係システムの効果が十二分に発揮される態様である。
【0052】
図7はシステム1内での情報のやり取りの第5の態様を示すシーケンス図である。
【0053】
本態様は、上記第4の態様と対をなすものであり、中継装置3は上記のリアルタイム情報に対しさらにその有効期限データを付加して送信し、端末装置2は受信して保持したそのリアルタイム情報を、その有効期限に従って自ら消去するようにしたものである。
【0054】
リアルタイム性を維持するためである。
【0055】
図8はシステム1内での情報のやり取りの第6の態様を示すシーケンス図である。
【0056】
本態様においては、端末装置2が自らを示す端末固有情報を、情報付加指示CMとして、中継装置3に送信し、中継装置3はその端末固有情報を受信してこれに対応する端末属性に適合させた加工情報I3を生成して端末装置2に送信するようにしたものである。
【0057】
本態様が有益な一例を挙げると次のとおりである。
【0058】
例えば外部サーバ8−1、(8−2)には、各々端末装置2を保有するユーザA、ユーザB・・・ユーザZのそれぞれの端末情報が格納されている。この端末情報の一つの例は、上記各ユーザが所有するカー・ナビゲーション機器におけるディスプレイの画面サイズである。ユーザAは大画面、ユーザBは小画面・・・といった具合である。
【0059】
今上記ユーザBがその端末装置2より、情報付加指示CMに含めて地図情報を中継装置3に要求したとすると、中継装置3はその情報付加指示CMからユーザBの端末固有情報を得、これに相当するB端末情報DBを検索する。そうするとユーザBのナビゲーション機器におけるディスプレイの画面は小画面であることが分かるので、中継装置3は加工情報I3としてユーザBの端末装置2に送るべき地図情報としては、その情報量を減らすように加工したものを送る。
【0060】
小画面のディスプレイに情報量の多い精密地図情報を送るといった無駄を解消することができる。
【0061】
図9はシステム1内での情報のやり取りの第7の態様を示すシーケンス図である。
【0062】
本態様は、前述の端末固有情報を、端末装置2に割り当てられたIDコードとするものである。そして、中継装置3は、そのIDコードに対応させて前述の端末属性を保持するようにする。
【0063】
この端末属性は前述したディスプレイの画面サイズであったり、その画素数であったり、画面に表示するHTML文書の版数であったり等、多種に及ぶ。
【0064】
本態様によってIDコードを採用することにより、端末装置2および中継装置3間のデータ量を減らすことができ、前述した通信費の抑制につながる。
【0065】
図10はシステム1内での情報のやり取りの第8の態様を示すシーケンス図である。
【0066】
本態様においては、端末装置2は車載用の端末装置である。そして基本情報I1が地図情報であり前述の端末属性が当該車両9に関する車両情報であるとき、中継装置3から端末装置2に送信すべき加工情報I3は、その車両情報に適合させた地図情報とするものである。
【0067】
一例を挙げると、その車両情報に当該車両が「大型車」である旨の記述があったとする。そして仮に当該ユーザAから目的地周辺の「駐車場」について情報提供の依頼があったとすると、加工情報I3としては、大型車は不可とする駐車場は全て排除した地図情報を提供することになる。また別の例としては、夜間走行の場合、その加工情報I3により、大型車夜間通行禁止の道路を除いた経路案内をすることができる。
【0068】
かくしてユーザの車両に適合した情報のみを選択して提供することができ、ひいては通信費の削減にもつながる。
【0069】
図11はシステム1内での情報のやり取りの第9の態様を示すシーケンス図である。
【0070】
本態様では、前述の端末属性が、端末装置2に接続される音響機器の規模と性能を示す情報であるとき、中継装置3からの加工情報I3は、その音響機器の規模と性能に適合させた音源情報であるようにする。
【0071】
例えばユーザAからある音楽の配信(ダウンロード)を要求されたとき、図11に示すところによれば、ユーザAが保有する音響機器はステレオ機器である。そうすると、その配信すべき音楽としてはステレオ仕様のもので十分であり、例えばユーザB向けに適した5.1ch仕様の音源を配信したとすれば無駄になる。
【0072】
かくしてユーザ機器のハードウェアスペックに応じた音源を提供可能である。
【0073】
図12はシステム1内での情報のやり取りの第10の態様を示すシーケンス図である。
【0074】
本態様においては、前述の端末属性が、端末装置2側ユーザの嗜好情報であるとき、中継装置3から端末装置2に送信すべき加工情報I3は、その嗜好情報に適合させたメディア配信情報とするものである。
【0075】
その嗜好情報とは、例えば、映画、音楽、ニュース、スポーツ等々多岐に及ぶ。さらに音楽1つをとってみても、ジャズ、ポップス、ライブ、演歌等々いろいろある。これらはいわば顧客情報である。
【0076】
例えばジャズを好みとするユーザAが情報付加指示CMとして「メディア配信」特に「音楽配信」を指定すれば、加工情報I3としては、好みのジャズのジャンルから選択された音源が提供される。
【0077】
かくして常に顧客の嗜好に合ったメディアを提供可能である。
【0078】
図13はシステム1内での情報のやり取りの第11の態様を示すシーケンス図である。
【0079】
本態様によれば、中継装置3が、前述した端末固有情報に対応させた課金情報を累積して保持する課金情報保持手段を備える。そしてこの端末固有情報毎に、加工情報I3の送信がある都度、中継装置3側にてその課金情報を累積させるようにする。なお、上記の課金情報保持手段は、図2に示す各種情報DB17にて実現できる。
【0080】
この図2を参照すると、中継装置3が端末装置2側のユーザに課金するサービス料金と、端末装置2に専属の携帯電話5が中継装置3との間で行う通信に関して通信業者に対して支払うべき通信料金と、がある。もし、この通信料金が定額制であったとすれば、本発明による情報提供サービスを受けたユーザ本人(複数人のうち一人)が、その提供サービスに応じた分の支払いをすべきである。
【0081】
このとき、例えばパスワードで区別されたユーザ別の課金処理を中継装置3側で自動的に行うようにすれば各ユーザは自己の負担分の計算に煩わされることなく、快適な情報提供サービスを受けることができる。
【0082】
最後に、第12の態様と第13の態様について簡単に説明する。詳細な説明については図28以降において述べる。
【0083】
図14はシステム1内での情報のやり取りの第12の態様を示すシーケンス図であり、
図15はシステム1内での情報のやり取りの第13の態様を示すシーケンス図である。
【0084】
これら第12および第13の態様は共に、情報付加指示CMに従う付加情報I2は任意の端末装置2から任意に発信される端末発信情報であり、この場合の基本情報はどのようなものでも良いが、最適には前述の地図情報である。
【0085】
なお、上記の端末発信情報を、各端末装置2対応に保持する端末発信情報保持手段を必要とするが、これは図2に示す各種情報DB17で実現することができる。
【0086】
第12の態様(図14)の具体例としては、複数のユーザがグループを作ってドライブに出掛けるような場合を挙げることができる。このような場合、各ユーザが各自の現在地(POI)を中継装置3にアップロードしておくと、各ユーザはそのグループ内の他のユーザの位置を地図上に表示されたランドマークとして知ることができる。
【0087】
また第13の態様(図15)の具体例としては、上記の場合、そのグループ内の各ユーザが、そのグループ内の他の各ユーザに上記端末発信情報として任意のコメントを配布することができる。例えば、そのグループ内のリーダ格のユーザが、グループの全員に対し次の集合場所をコメントとして指示するといった場合に適用できる。中継装置3はそのようなコメントが入力されれば、そのコメント情報を上記DB17に格納する。
【0088】
グループ内の各ユーザは、他のユーザからコメントが中継装置3に上がっているか否か、時折のぞき見ることとする。
【0089】
このようなコメントはグループ内のコメントとしては非公開的情報であることが望ましいが、必ずしもグループ内に限る必要はない。例えば本発明に係る情報提供システム1に加入できる端末装置2を備えた全てのユーザが、各々他の全てのユーザに向けて端末発信情報を提供し、これを他の全てのユーザが見ることができるようにしてもよい。このときのコメントは公開的情報である。例えば、あるユーザの目前で交通事故が発生したとすると、その事故現場周辺ではやがて交通規制が行われるであろうから、そのことをコメントとして、その事故現場のPOIを伴って、中継装置3にアップロードすれば、他の全てのユーザはその事実を認識し、必要であれば、その地点を迂回する経路を選択することができる。
【0090】
このとき、その迂回経路をナビゲーション情報として、全てのユーザに報知できるようにシステム1を構成してもよい。
【0091】
以上のシーケンス図では、中継装置3は1台ということで示したが、上述した第12および第13の態様のように、多数のユーザ同士が連係し合うことになると情報提供システム1としては、中継装置3が1台ではかなり能力不足となる。
【0092】
そこでこの中継装置3をメインサーバとして、サブサーバを少なくとも1台追加して連携し合うようにすることが必要である。既述の図2ではこのような状況を見込んで、かかるサブサーバを2台示している。これが外部サーバ8−1および8−2である。
【0093】
図16は複数のサーバによってシステム1を構築した場合のシーケンス図である。
【0094】
本シーケンス図では、これまでのシーケンス図に比べ、第1のサブサーバ(外部サーバ)8−1と第2のサブサーバ(外部サーバ)8−2とが新たに追加されている。またこれに対応して、付加情報DB16−1および16−2が設けられる。
【0095】
ここに図2における外部サーバ8−1についての各種情報要求および各種情報応答は、図16において、それぞれ情報付加指示1および情報付加応答1として示されており、また図2における外部サーバ8−2についての各種情報要求および各種情報応答は、図16において、それぞれ情報付加指示2および情報付加応答2として示されている。
【0096】
次に、図16の構成に対して、既述の第2の態様(図4)および第4の態様(図6)をそれぞれ適用した場合について示しておく。
【0097】
図17は図16に第2の態様(図4)を適用した場合のシーケンス図であり、
図18は図16に第4の態様(図6)を適用した場合のシーケンス図である。
【0098】
図17においては、基本情報I1を地図情報とした場合を示す。カー・ナビゲーション・システムの構築を意図したものである。
【0099】
図18もまた、カー・ナビゲーション・システムの構築を意図したものであるが、特に付加情報I2をリアルタイム情報(イベント情報や天気情報)としたものである。この場合、サブサーバ8−1はリアルタイムなイベント情報のDBを持ち、サブサーバ8−2はリアルタイムな天気情報のDBを持つ。
【0100】
以上述べた諸態様において、その中心的役割を果たすのは中継装置3であり、とりわけその中で情報処理部7(図2)が重要である。そこでこの情報処理部7を主体として本発明の動作例を説明する。
【0101】
図19は図5,6,7,14および15に示す各態様を実行する場合の動作フロー図(その1)であり、
図20は同図(その2)である。
【0102】
図21は図5,9,11,12および13に示す各態様を実行する場合の動作フロー図(その1)であり、
図22は同図(その2)であり、
図23は同図(その3)である。
【0103】
図24は図16および17に示す各態様を実行する場合の動作フロー図(その1)であり、
図25は同図(その2)である。
【0104】
図26は図18に示す態様を実行する場合の動作フロー図(その1)であり、
図27は同図(その2)である。
【0105】
まず上記図19および図20を参照すると、上記情報処理部7において、初めに「付加情報の入手」が行われる。この付加情報I2入手は、付加情報DB16(図2)に対して行われる。図19および20に示す動作フローにおいては、この付加情報DB16の中から、次のいずれかの情報を取得する。
【0106】
すなわち、車両情報(図5の場合)、イベント情報/天気情報(図6の場合)、他端末位置情報(図14の場合)および「他端末位置情報+コメント情報」(図15の場合)である。
【0107】
上記「付加情報の入手」の後、図7の場合にあっては、
「付加情報は有効期限内か否か」の判断が加わる。
【0108】
有効期限外であれば、「エラー出力」(図20)を実行して情報の加工を終了してしまうが、有効期限内であればさらに、
「付加情報と連携する地図情報の検索」を実行する。このとき基本情報DB15として地図情報が検索される。
【0109】
図20を参照すると、その検索の結果、該当する地図情報が無ければ、上記の「エラー出力」を実行して情報の加工を終了してしまうが、「地図情報有り」であれば、さらに「付加情報と地図情報の加工」が実行される。例えば、上記CMとしてイベントを要求したとすると、地図の上に、今行われているお祭りや大売出し中の店等をランドマークとして表示するように、データの加工を行う。
【0110】
かくして加工が完了すると、「加工結果の出力」が行われ、一旦、情報加工手段13(図2)内のデータベース13DBに格納される。その後、加工情報送信手段14によって、該当端末装置2との間に通信パスが張られ、当該ユーザに対して、要求された情報が提供される。
【0111】
図21、22および23についても、上述した図19および20の動作フローと同様の動作フローが実行される。
【0112】
なお図22は、図21における端末固有情報DB(各種情報DB)17内の内容を具体的に示し、また、図23は、図21における基本情報DB15内の内容を具体的に示す。
【0113】
図24〜図27についてもまた、上述した図19および23の動作フローと同様の動作フローが実行される。
【0114】
なお図25は、図24における「入手」(S1)および「検索」(S2)が、インターネット網IPを介して、それぞれ外部サーバ(サブサーバ)8−1および8−2との連携で行われることを表している。このことは、図26につながる図27についても同様である。
【0115】
前記図14および図15は、第12の態様と第13の態様とをそれぞれ簡単に説明するものであったが、前述したとおり、ここでこれら第12および第13の態様についてもう少し詳しく説明する。
【0116】
改めて第12および第13の態様のポイントを確認しておくと、これらの態様においては、情報付加指示CMに対応する付加情報I2が、任意の端末装置2から発信される端末発信情報であることを特徴としている。その背景として最適には、複数のユーザが各自の車でグループを作って、商用あるいはレジャーに出掛けるような状況を想定している。
【0117】
かかる状況下でグループ内の複数のユーザがお互いの状態を知り合う必要が生じた場合、あるいはそのグループ内の1ユーザが他のユーザ全員にある事項を連絡したいと欲したとする。このような場合、従前においては、ユーザ間同士が直接、例えば携帯電話などにより通信し合うしか方法はなかった。このような方法は言うまでもなく不便であり、また車両の安全運行上も好ましいものではない。
【0118】
その後、既に述べたように通信型のカー・ナビゲーション・システムが普及し始め、車載用通信端末の性能がかなり高度になってきている。しかし、このような高度な通信端末を、上記グループの各ユーザが具備しているとしても、依然、上述した従前の問題を解決することはできない。なぜなら、かかる通信型のカー・ナビゲーション・システムは、情報源となるセンター側から端末側への一方的な下り情報の提供しかできないからである。
【0119】
そこで本発明による情報提供システムを適用すれば、上記第12および第13の態様のように、グループ内のユーザ間同士で簡単に情報交換が行えることになる。これは、中継装置3においてグループ内の全ユーザからの情報を集約することができ、したがって、これら全ユーザ間同士があらゆる情報をお互いに共有できるからである。
【0120】
図28の(a)および(b)は端末発信情報の第1および第2のモデルをそれぞれ例示する図である。
【0121】
まずその端末発信情報を総括的に定義してみると次のことが言える。ここに端末装置2が車載用の端末装置であるものとすると、その端末発信情報は、
(1)当該車両9の位置情報、
(2)当該車両9の速度情報、
(3)任意の端末装置2から発信される公開的な報知情報および
(4)複数の端末装置2の各ユーザ同士で1つのグループを形成するとき、このグループ内のユーザ間にのみ配信される非公開のグループ共有情報、
の4つの情報のうち少なくとも1つを含むものである。
【0122】
図28の(a)を参照すると、車両9−Xは自車位置(POI)の情報を、例えば所定距離走行する毎に、自動的に、中継装置3に送信し、該装置3はこの情報を例えば付加情報DB16に登録する。図示しないが、本図中、車両9−Yについても同様にして該登録が行われる。以上のことは、上記定義(1)の「車両9の位置情報」に相当する。
【0123】
これにより、今車両9−Yが仲間の車両9−Xの現在地が知りたいとき、この車両9−Yの端末装置2からその旨の情報付加指示CMを中継装置3に向けて送信すれば、中継装置3からは、上記加工情報I3として、車両9−Xをランドマークとして表示したその周辺の地図を車両9−Yの端末装置2に送信してくるので、これをディスプレイ上に表示すれば、所望の車両9−Xの地図上の位置が短時間のうちに判明する。
【0124】
また図28(b)のモデルにより、端末発信情報の上記定義(3)または(4)を説明することができる。
【0125】
本図の地点Pに差し掛かったある車両9が、例えばこの地点Pで火災が発生していることを発見したならば、その事実(イベント)をPOIと共に中継装置3に送信する。
【0126】
中継装置3は、地点Pの周辺地図上に「火災」の文字をランドマークとして重畳した加工情報I3を作成し、データベース13DB(図24等参照)に一旦格納する。この情報は上記定義(3)に相当する「公開的な報知情報」である。
【0127】
かくして情報提供システム1に加入している全ユーザは潜在的に、上記の火災発生(イベント)情報を、当該POIと合わせて、共有することができる。したがって、上記全ユーザのうち地点P方面でのリアルタイムなイベント情報を求めるユーザが、中継装置3に対しリアルタイム情報を情報付加指示CMとして中継装置3に送信すれば、該ユーザはその火災の事実を知ることができる。そこで適当な迂回経路を設定すれば、火災による渋滞に巻き込まれることなく目的地に向かうことができる。この場合、中継装置3は情報処理部7において、その迂回経路までもナビゲーション情報としてそのユーザに提供するようにしてもよい。
【0128】
また、上記の火災の例に限らず、「特定の施設」を上記の公開的な報知情報としてもよい。この特定の施設とは、例えば大売出し中のデパートや特別公演のある遊園地などである。
【0129】
図28(b)のモデルは、上記グループ内ユーザ間同士で行われるコミュニケーションとしても当てはまる。
【0130】
例えば昼食時間帯に上記グループの全ユーザが走行中、そのうちのあるユーザが地点Pに差し掛かったときたまたま、グループ全員で食事をするのに最適なレストランを見付けたとする。
【0131】
そのユーザは早速、その旨をその地点PのPOIと共に、中継装置3へアップロードしておく。なおこのアップロードされる情報は、発信端末情報の上記定義のうち、(4)「非公開的なグループ共有情報」に相当する。
【0132】
そろそろ昼食時ということで何らかの連絡を求めてグループ内ユーザは各々中継装置3に対し、「共有情報取得」を情報付加指示CMとしてアクセスすると、中継装置3から各ユーザには、上記のレストランをランドマークとし、かつ、「ここで12時半頃)昼食にします」といったコメントも重畳させた地点P周辺の地図が配信され、グループの全員がそのレストランに集合できる。この場合、非公開的な情報を中継装置3に対して求めるので、上記のアクセスには何らかのパスワードを必要とする。ただし、予めグループ登録という形でサービスが受けられるようにしておけば、そのようなパスワードは不要である。
【0133】
上記事例の「昼食のためのレストランへの集合」についてさらに説明を補足すると、当該グループのユーザが多数に及ぶ場合、そのレストランまで到達するための経路が、一般道路であるユーザもいれば、それが高速道路であるユーザもいる。このような場合には、上記グループ共有情報の中の1つとして、「各ユーザ毎の車両の速度情報」を含ませておくこともできる。これは、端末発信情報の上記定義(2)に相当する。
【0134】
かくして各車両の速度が分かれば、上記レストランへの各ユーザのおおよその到着時刻を推定することができ、その時刻に合わせれば全員が一緒に食事をとることができる。
【0135】
図29は端末装置2と中継装置3間での通信の1シーケンス例を示す図である。
【0136】
前述したグループ内のあるユーザが「データ登録要求」、例えば前述した火災発生情報登録の要求、をしたものとする。
【0137】
そうすると該ユーザ側の端末装置2から中継装置3に向けて、通信パスの「接続要求」を行う。
【0138】
これに対して中継装置3から、その接続を受け付けた旨の「接続応答」が返る。この応答を得て初めて所望のデータ送信、例えば「公開情報データ送信」が開始する。
【0139】
上記公開情報の受信が中継装置3で行われると、中継装置3はまず当該受信データに対して「認証実施」を行う。
【0140】
認証が済むと、前記公開情報を新たに受信したことにより、例えば付加情報DB16に対し、「データベース更新」を行う。
【0141】
その更新が済むと、他の端末装置2側に送信すべき「送信データの選別」が行われる。上記の例では、その送信データは公開情報であるから、全てのユーザに対し、求めがあれば、配信を許す。これとは反対に、もしその送信データがグループ内だけの非公開情報ならば、その配信にはグループ内のみ、という一定の制限が加えられる。
【0142】
その後、上記公開情報の発信元である端末装置2へ、上記「データ登録要求」に対するアクナリッジである「データ登録応答」を返して、一連のシーケンスは終了する。
【0143】
以上述べた各種端末発信情報(1)〜(4)について要約すると次のとおりである。
【0144】
中継装置3は、その4つの情報(1)〜(4)のうち少なくとも1つを当該車両9の位置を示す地図情報と一体にした加工情報I3として端末装置2に送信することができる。
【0145】
これを受信した端末装置2は、その4つの情報(1)〜(4)のうち少なくとも1つを、当該車両9の位置を示す地図に重畳させたランドマークとして、ディスプレイ上に表示することができる。
【0146】
このような端末発信情報の情報量が膨大になったり、また、本システム1への加入者が全国的に拡大したとすると、中継装置3が1台ではとても対応し切れなくなることが予想される。そこで次の図30に示すように対応する。
【0147】
図30は中継装置(サーバ)の一変形例を示すシステム構成図である。
【0148】
本図に示すとおり、中継装置3は、同様の構成を有する複数(図では3台)の中継装置3A、3Bおよび3Cからなる。そしてこれら複数の中継装置3A〜3C間で、前述した諸情報の交換を行い、情報を共有し合うようにする。いわば複数サーバによる負荷分散であり、該サーバをなす中継装置3A〜3Cは、例えば異なる地区a、地区bおよび地区cにそれぞれ配置することができる。
【0149】
最後に中継装置3から端末装置2側へ転送される送信データの形式について若干説明を加える。
【0150】
端末装置2は、自らを示す端末固有情報と自らが発信する公開的な報知情報とを含む前述の端末発信情報を、まず中継装置3に登録してもらう。
【0151】
上記端末固有情報を例えば「ニックネーム」とし、上記報知情報を例えば「コメント」とすると、
「ニックネーム」+「コメント」
を登録してもらう。
【0152】
登録した「ニックネーム」+「コメント」を、中継装置3が端末装置2側に配信するときは、その配信すべき情報は、
「ニックネーム」+「 」+「コメント」
のように、真中にスペースを挟んだ一文字列として構成する。
【0153】
そしてさらにその一文字列をなすデータの形態を、一般に地図情報に重畳される施設情報等を構成するデータの形態と同じにして、端末装置2側に送信する。ここに言うデータの形態とは、通常のテキストデータのことである。
【0154】
上記のように「 」(スペース)を入れることにより、そのスペースの前後がそれぞれ、「ニックネーム」および「コメント」であることを、ディスプレイ画面上においてユーザに対しはっきりと区別させることができる。つまり情報種別の切り分けが明確になる。
【0155】
そして上記のようにデータの形態を統一化することにより、API(Application Programming Interface )・ソフトウェア処理が共通化される。このため、中継装置3のみならず端末装置2においても、本発明により新たに導入される「ニックネーム」や「コメント」の扱いのために、わざわざ専用のソフトウェア処理を導入するには及ばない。
【0156】
以上詳しく説明したように本発明により、例えばカー・ナビゲーション・システムの場合、ユーザの求める地図情報(I1)に対する加工によってさらにそのユーザの求め(CM)に見合った付加情報(I2)を加えるようにしているので、カスタマイズされた地図情報(I3)をそのユーザは取得することができる。
【0157】
これは必要最小限のサービスに限定して、ユーザの嗜好に合った、また車両に合った、さらにリアルタイムな情報に加工したものであり、究極は、通信料金の適正化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】本発明に係る情報提供システムの基本構成を示す図である。
【図2】図1の基本構成をやや具体化した一例を示す図である。
【図3】システム1内での情報のやり取りの第1の態様を示すシーケンス図である。
【図4】システム1内での情報のやり取りの第2の態様を示すシーケンス図である。
【図5】システム1内での情報のやり取りの第3の態様を示すシーケンス図である。
【図6】システム1内での情報のやり取りの第4の態様を示すシーケンス図である。
【図7】システム1内での情報のやり取りの第5の態様を示すシーケンス図である。
【図8】システム1内での情報のやり取りの第6の態様を示すシーケンス図である。
【図9】システム1内での情報のやり取りの第7の態様を示すシーケンス図である。
【図10】システム1内での情報のやり取りの第8の態様を示すシーケンス図である。
【図11】システム1内での情報のやり取りの第9の態様を示すシーケンス図である。
【図12】システム1内での情報のやり取りの第10の態様を示すシーケンス図である。
【図13】システム1内での情報のやり取りの第11の態様を示すシーケンス図である。
【図14】システム1内での情報のやり取りの第12の態様を示すシーケンス図である。
【図15】システム1内での情報のやり取りの第13の態様を示すシーケンス図である。
【図16】複数のサーバによってシステム1を構築した場合のシーケンス図である。
【図17】図16に第2の態様(図4)を適用した場合のシーケンス図である。
【図18】図16に第4の態様(図6)を適用した場合のシーケンス図である。
【図19】図5,6,7,14および15に示す各態様を実行する場合の動作フロー図(その1)である。
【図20】図5,6,7,14および15に示す各態様を実行する場合の動作フロー図(その2)である。
【図21】図5,9,11,12および13に示す各態様を実行する場合の動作フロー図(その1)である。
【図22】図5,9,11,12および13に示す各態様を実行する場合の動作フロー図(その2)である。
【図23】図5,9,11,12および13に示す各態様を実行する場合の動作フロー図(その3)である。
【図24】図16および17に示す各態様を実行する場合の動作フロー図(その1)である。
【図25】図16および17に示す各態様を実行する場合の動作フロー図(その2)である。
【図26】図18に示す態様を実行する場合の動作フロー図(その1)である。
【図27】図18に示す態様を実行する場合の動作フロー図(その2)である。
【図28】(a)および(b)は、端末発信情報の第1および第2のモデルをそれぞれ例示する図である。
【図29】端末装置2と中継装置3間での通信の1シーケンス例を示す図である。
【図30】中継装置(サーバ)の一変形例を示すシステム構成図である。
【符号の説明】
【0159】
1 情報提供システム
2 端末装置
3 中継装置
4 情報保持手段
5 携帯電話
7 情報処理部
8−1、8−2 外部サーバ
9 車両
11 付加指示送信手段
12 加工情報受信手段
13 情報加工手段
14 加工情報送信手段
15 基本情報DB
16 付加情報DB
17 各種情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ側に設けられる端末装置と、該ユーザ側に提供すべき情報を生成し該端末装置に送信する中継装置と、を備える情報提供システムにおいて、
前記中継装置は、前記ユーザ側に提供すべき前記情報として、ユーザ全般に固定的な基本情報と、該基本情報に付加される情報であってユーザ毎にカスタマイズ可能な付加情報と、を保持する情報保持手段を有し、
前記端末装置は、ユーザの要求に応じ前記付加情報を指示するための情報付加指示情報を前記中継装置に対して送信する付加指示送信手段を有し、
前記中継装置は、受信した前記情報付加指示情報に対応する前記付加情報を取得し、これを前記基本情報に付加させる情報加工手段をさらに備えて、その付加後の加工情報を前記端末装置に送信することを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記中継装置は、これに連携する複数の外部サーバから前記基本情報および前記付加情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記基本情報は地図情報であり、前記情報付加指示情報に従う前記付加情報は該地図情報による地図上に重畳して表示すべき情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記端末装置は車載用の端末装置であって、前記情報付加指示情報が当該車両に関する車両情報であるとき、前記中継装置は、前記情報加工手段において前記車両情報に基づいた情報に加工することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記地図情報による地図上に重畳して表示すべき情報は、時間に応じて変動するリアルタイム情報であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記中継装置は前記リアルタイム情報に対しさらにその有効期限データを付加して送信し、前記端末装置は受信して保持した該リアルタイム情報を、その有効期限に応じて消去することを特徴とする請求項5に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記中継装置は、各端末装置の端末属性を記憶するデータベースを有し、前記端末装置は自らを示す端末固有情報を、前記情報付加指示情報として、前記中継装置に送信し、前記中継装置は前記端末固有情報を受信し前記情報加工手段において前記端末固有情報に対応する端末属性に基づいた情報に加工して前記端末装置に前記加工情報を送信することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記端末固有情報は前記端末装置に割り当てられたIDコードであって、前記中継装置はそのIDコードに対応させて前記端末属性を保持することを特徴とする請求項7に記載の情報提供システム。
【請求項9】
前記端末装置は車載用の端末装置であって、前記端末属性が当該車両に関する車両情報であるとき、前記中継装置は、前記情報加工手段において前記車両情報に基づいた情報に加工することを特徴とする請求項7に記載の情報提供システム。
【請求項10】
前記端末属性が、前記端末装置に接続された音響機器の規模と性能を示す情報であるとき、前記中継装置は、前記情報加工手段において前記音響機器の規模と性能に基づいた情報に加工することを特徴とする請求項7に記載の情報提供システム。
【請求項11】
前記端末属性が、前記端末装置側ユーザの嗜好情報であるとき、前記中継装置は、前記情報加工手段において前記嗜好情報に基づいた情報に加工することを特徴とする請求項7に記載の情報提供システム。
【請求項12】
前記中継装置は前記端末固有情報に対応する課金情報を累積して保持する課金情報保持手段を備えて、該端末固有情報毎に前記加工情報の送信がある都度、前記課金情報を累積することを特徴とする請求項7〜11のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項13】
前記情報付加指示情報に従う前記付加情報は任意の端末装置から任意に発信される端末発信情報であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項14】
前記中継装置は、前記端末発信情報を前記端末装置毎に保持する端末発信情報保持手段を有することを特徴とする請求項13に記載の情報提供システム。
【請求項15】
前記端末装置は車載用の端末装置であって、前記端末発信情報は、(1)当該車両の位置情報、(2)当該車両の速度情報、(3)任意の前記端末装置から発信される公開的な報知情報および(4)複数の前記端末装置の各ユーザ同士で1つのグループを形成するとき、該グループ内のユーザ間にのみ配信される非公開のグループ共有情報、の4つの情報のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項13に記載の情報提供システム。
【請求項16】
前記公開的な報知情報は、特定の施設あるいはイベントに関する各種情報を含むことを特徴とする請求項15に記載の情報提供システム。
【請求項17】
前記端末装置は前記4つの情報のうち少なくとも1つを、当該車両の位置を示す地図に重畳させたランドマークとして、ディスプレイ上に表示することを特徴とする請求項15に記載の情報提供システム。
【請求項18】
前記端末装置は前記端末装置自らを示す端末固有情報を前記中継装置に送信し、前記中継装置は、前記端末固有情報と前記端末発信情報とをスペースを挟んだ一文字列として構成すると共に、該一文字列をなすデータの形態を、前記地図情報に重畳される施設情報を構成するデータの形態と同じにして前記端末装置側に送信することを特徴とする請求項13に記載の情報提供システム。
【請求項19】
前記中継装置は同様の構成を有する複数の中継装置からなり、これら複数の中継装置間で、前記諸情報の交換を行い、情報を共有し合うことを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項20】
ユーザ側に設けられ、該ユーザ側に提供すべき情報を生成する中継装置からその生成情報を受信する端末装置であって、
ユーザ全般に固定的な基本情報と、該基本情報に付加される情報であってユーザ毎にカスタマイズ可能な付加情報とを保持する前記中継装置に対し、該ユーザの要求に応じ前記付加情報を指示するための情報付加指示情報を送信する付加指示送信手段と、
前記情報付加指示情報に対応する前記付加情報を前記基本情報に付加させるように加工する前記中継装置から、その付加後の加工情報を受信する加工情報受信手段と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項21】
ユーザ側に提供すべき情報を生成し、これを該ユーザ側の端末装置に送信する中継装置であって、
前記ユーザ側に提供すべき前記情報として、ユーザ全般に固定的な基本情報と、該基本情報に付加される情報であってユーザ毎にカスタマイズ可能な付加情報と、を保持する情報保持手段と、
ユーザの要求に応じ前記付加情報を指示するための情報付加指示情報を前記端末装置から受信して、該情報付加指示情報に対応する前記付加情報を取得し、これを前記基本情報に付加させる情報加工手段と、
その付加後の加工情報を前記端末装置に送信する加工情報送信手段と、
を備えることを特徴とする中継装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2008−116477(P2008−116477A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−16886(P2008−16886)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【分割の表示】特願2003−154482(P2003−154482)の分割
【原出願日】平成15年5月30日(2003.5.30)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】