説明

情報提示装置及び情報提示方法とそのプログラム

【課題】共通の投影領域に存在する複数の投影面に対して、それぞれ焦点が合った映像を投影する。
【解決手段】共通の投影領域に向けて基準位置から互いに異なる投写距離に投影面を形成する複数の映像投影装置1が設けられ、情報提示装置1の位置算出部4は、撮像装置3から得られた撮像画像から上記投影領域内に存在する物体の投影面の位置を検出する。また、距離算出部10は、距離計測装置9から上記物体の投影面までの距離情報を取得し、取得された距離情報をもとに各映像投影装置1から物体の投影面までの距離を算出する。映像投影装置選択部5は、上記算出された距離情報に基づいて、複数の映像投影装置のうち物体の投影面までの距離に相当する投写距離を有する映像投影装置を選択する。そして、位置算出部4から得られる物体の投影面の位置情報をもとに、選択された映像投影装置1に映像保持部7から入力される映像を物体の投影面に対して投影させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、投影装置を用いて投影面に情報を提示する情報提示装置及び情報提示方法とそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、プロジェクタなどの投影装置により映像を投影し情報を提供する環境が整いつつある。そこで様々な箇所へ映像を投影するため、凸凹面に歪まない映像を投影する技術や、黒板など色のついた投影面へ正しい色で映像を表示する技術が開発されている。
【0003】
また、プロジェクタにより映像を投影する情報提示装置において、ユーザの体の特定部位を検出することで、その特定部位に映像を投影する情報提示装置が発明されている(例えば、非特許文献1を参照。)。
【0004】
【非特許文献1】石井陽子、小林稔、中山彰、細田真道、“情報との出会いを演出する手の平表示インタフェース”、信学技報、MVE−2005−42、Sep.2005、社団法人電子情報通信学会、pp.89−93
【0005】
【非特許文献2】Yalin Xiong,Steven A.Shafer:“Depth from Focusing and Defocusing”,proceedings CVPR,pp.68−73,New York City,1993
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したような情報提示装置では、複数の特定部位が検出され、プロジェクタから各特定部位までの距離がそれぞれ異なる場合に映像を投影すると、ある部位では焦点(ピント)が外れてしまう。このため、ある部位では、ぼやけてはっきりしない映像が表示される場合がある。
【0007】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、共通の投影領域に存在する複数の投影面に対して、それぞれ焦点が合った映像を投影することができる情報提示装置及び情報提示方法とそのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためにこの発明に関わる情報提示装置及び情報提示方法とそのプログラムは、共通の投影領域に向けて基準位置から互いに異なる投写距離に投影面を形成する複数の投影装置により情報を映像として投影し提示する情報提示装置であって、前記投影領域内に存在する物体を検出する検出手段と、前記基準位置から前記検出された物体の投影面までの距離情報を取得する距離取得手段と、前記取得された距離情報に基づいて前記複数の投影装置のうち前記物体の投影面までの距離に相当する投写距離を有する第1の投影装置を選択する選択手段と、前記選択された第1の投影装置に前記物体の投影面に向けて前記映像を投影させる投影制御手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
上記構成では、検出された物体の投影面に対して、最適な投写距離を有する投影装置を選択するようにしている。したがってこの発明によれば、投影領域に複数の投影面が存在する場合でも、それぞれの投影面に対してピントが合ったはっきりした映像が提示される。これにより、例えば、プロジェクタで投影される文字や画像等の視認性を向上することが可能となる。
【0010】
また、この発明の情報提示装置は、次のような各種構成を備えることも特徴とする。
第1の構成は、前記投影制御手段は、前記物体の投影面までの距離と前記選択された第1の投影装置が有する投写距離との差が所定の閾値を超えるか否かを判定する判定手段と、前記複数の投影装置の輝度をそれぞれ変更する輝度変更手段とを備え、前記判定手段により、前記物体の投影面までの距離と前記第1の投影装置が有する投写距離との差が所定の閾値を超えると判定される場合に、前記取得された距離情報に基づいて前記複数の投影装置のうち前記第1の投影装置の次に前記物体の投影面までの距離に相当する投写距離を有する第2の投影装置を選択し、前記物体の投影面までの距離と、前記選択された投影装置が有する投写距離との差に応じて、前記輝度変更手段により前記第1の投影装置及び第2の投影装置の輝度を変更するようにする。
【0011】
このように構成することにより、例えば、物体の投影面が動的に移動している状態で映像を投影する投影装置を第1の投影装置から第2の投影装置に切り替える必要がある場合に、第1の投影装置と第2の投影装置とで輝度を徐々に変更して映像を投影することで、滑らかな映像を投影し続けることを可能とする。
【0012】
第2の構成は、前記投影制御手段は、前記物体の投影面までの距離と前記選択された第1の投影装置が有する投写距離との差が所定の閾値を超えるか否かを判定する判定手段と、前記複数の投影装置の色度をそれぞれ変更する色度変更手段とを備え、前記判定手段により、前記物体の投影面までの距離と前記第1の投影装置が有する投写距離との差が所定の閾値を超えると判定される場合に、前記取得された距離情報に基づいて前記複数の投影装置のうち前記第1の投影装置の次に前記物体の投影面までの距離に相当する投写距離を有する第2の投影装置を選択し、前記物体の投影面までの距離と、前記選択された投影装置が有する投写距離との差に応じて、前記色度変更手段により前記第1の投影装置及び第2の投影装置の色度を変更するものである。
【0013】
このように構成することにより、例えば、物体の投影面が動的に移動している状態で映像を投影する投影装置を第1の投影装置から第2の投影装置に切り替える必要がある場合に、第1の投影装置と第2の投影装置とで色度を徐々に変更して映像を投影することで、滑らかな映像を投影し続けることを可能とする。
【0014】
第3の構成は、前記距離取得手段は、前記複数の投影装置に前記共通の投影領域に向けて、前記複数の投影装置毎に識別可能な識別画像を投影させる手段と、前記複数の投影装置により識別画像が投影された状態で前記共通の投影領域が撮像された撮像画像を取得する撮像画像取得手段と、前記撮像画像からぼけ具合を検出するぼけ検出手段とを備え、前記検出されたぼけ具合をもとに前記基準位置から前記検出された物体の投影面までの距離情報を取得することを特徴する。
このように構成することで、基準位置から検出された物体の投影面までの距離を測定するために、ステレオカメラや音波距離測定装置等の新たなデバイスを必要としないため、簡易な構成で実現することが可能となる。
【0015】
第4の構成は、前記距離取得手段は、前記複数の投影装置に前記共通の投影領域に向けて、前記複数の投影装置毎に識別可能な識別画像を投影させる手段と、前記複数の投影装置により識別画像が投影された状態で前記共通の投影領域が撮像された撮像画像を取得する撮像画像取得手段と、前記撮像画像から識別画像の輪郭情報を検出する輪郭検出手段とを備え、前記検出された輪郭情報をもとに前記基準位置から前記検出された物体の投影面までの距離情報を取得するようにする。
このように構成しても、基準位置から検出された物体の投影面までの距離を測定するために、ステレオカメラや音波距離測定装置等の新たなデバイスを必要としないため、簡易な構成で実現することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
要するにこの発明によれば、共通の投影領域に存在する複数の投影面に対して、それぞれ焦点が合った映像を投影することができる情報提示装置及び情報提示方法とそのプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
この発明の第1の実施形態は、共通の投影領域に向けて基準位置から互いに異なる投写距離に投影面を形成する複数の投影装置が設けられ、情報提示装置は、上記投影領域内に存在する物体を検出し、基準位置から検出された物体の投影面までの距離情報を算出し、算出された距離情報に基づいて前記複数の投影装置のうち前記物体の投影面までの距離に相当する投写距離を有する投影装置を選択するものである。
【0018】
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる情報提示装置の構成を示すブロック図である。
情報提示装置101は、位置算出部4と映像投影装置選択部5と複数の映像保持部7と距離算出部10とを備える。また、情報提示装置101には、複数の映像投影装置1と、撮像装置3と、距離計測装置9とが接続されている。なお、映像保持部7は、映像投影装置1と同数設けられる。複数の映像投影装置1は、共通の投影領域に向けて基準位置からそれぞれ異なる焦点、すなわち、異なる投写距離を有するように設置され、各映像保持部7から供給される映像データをもとに、上記共通の投影領域に対して映像を投影する。撮像装置3は、映像投影装置1が提示する映像の投影領域を撮像し、撮像された映像データを位置算出部4に送信している。距離計測装置9は、距離計測装置9から検出された物体の投影面までの距離を計測する。
【0019】
情報提示装置101の位置算出部4は、撮像装置3から供給される映像データを差分処理し、物体が形成する投影面の個数と大きさとを検出する。位置算出部4は、検出された投影面のモーメントを求め物体の中心位置を検出する。位置算出部4は、投影面の個数と大きさと中心位置の情報を距離算出部10と映像投影装置選択部5とへそれぞれ送信する。また、距離算出部10は、距離計測装置9から物体の投影面までの距離情報を距離計測装置9から受け取り、この距離情報と、予め求められている距離計測装置9と複数の映像投影装置1と間のそれぞれの距離情報から、物体の投影面から各映像投影装置1の間の距離をそれぞれ算出する。そして、距離算出部10は、算出された距離情報を映像投影装置選択部5へ送信する。
【0020】
映像投影装置選択部5は、位置算出部4及び距離算出部10から送られる情報に基づいて映像投影装置から映像投影面までの距離と当該映像投影装置の投写距離との差(絶対値)が最小となる映像投影装置を当該映像投影面に映像を投影する映像投影装置として選択する。そして、映像投影装置選択部5は、各映像投影装置1に対して、映像を投影するか否かの指示情報を各映像保持部7を介してそれぞれ送信する。映像保持部7は、映像投影装置選択部5から映像を投影する指示を受けた場合、各映像投影装置1に対し、映像投影指示と共に予め保持している映像情報を送信する。映像投影指示を受けた映像投影装置1は、予め設定された投写距離で指定された物体の投影面に向けて映像を投影する。
【0021】
図2は、情報提示装置101の実装例を示す概略構成図である。映像投影装置1は、4つのプロジェクタ23,24,25,26として実装する。プロジェクタ23〜26は、互いに異なる投写距離を有するように設定される。例えば、プロジェクタ23は最も短い投写距離を有し、順にプロジェクタ24、プロジェクタ25と徐々に長い投写距離を有し、プロジェクタ26が最も長い投写距離を有するようにする。それぞれの投写距離をL1,L2,L3,L4とすると、各投写距離は次の式で表される。
L1<L2<L3<L4
また、同図に示すように、プロジェクタ23〜26は、床面に向けて映像を投影するものとし、それぞれほぼ同じ領域内に映像を投影できるように設置される。また、最も長い投写距離を有するプロジェクタ26が床面に焦点が合うように設定されているものとする。
【0022】
一方、位置算出部4、距離算出部10、及び映像投影装置選択部5は、制御プログラムとしてパーソナル・コンピュータ等の計算機21内に実装されている。また、映像保持部7は、プロジェクタ23〜26と同数設けられ、制御プログラムとして計算機22内にそれぞれ実装される。プロジェクタ23〜26は、計算機22に接続され、さらに計算機21と計算機22との間が接続されている。
【0023】
また、撮像装置3にはビデオカメラ20を用いる。ビデオカメラ20は、計算機21に接続され、上記プロジェクタ23〜26により映像が投影される領域内を全て撮像できる位置に設置される。距離計測装置9は、2眼ステレオカメラ27で構成され、計算機21に接続される。2眼ステレオカメラ27からは、間隔をおいた2つのカメラから撮像される画像情報が得られ、この画像情報の誤差、いわゆる視差を測定することにより、物体との距離を測定することができる。2眼ステレオカメラ27も上記ビデオカメラ20と同様に、プロジェクタ23〜26により映像が投影される領域内を全て撮像できる位置に設置する。
【0024】
次に、このように構成される情報提示装置101の動作について説明する。図3は、情報提示装置101の動作手順とその内容を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、映像が投影される物体の投影面として、人の手の平と床面を対象とする。
ステップS3aにおいて、プロジェクタ26から床面に対して焦点(ピント)の合う映像を投影範囲全体に投影している。この状態で、プロジェクタ23〜26の投影範囲内に人が侵入し、例えばプロジェクタ24の投写距離の投影面上に手の平を差し出すと、その映像がビデオカメラ20により撮像され、計算機21に入力される。
【0025】
先ず、計算機21は、ステップS3bにおいて、上記入力される撮像映像から背景差分抽出処理により人体を抽出する。人体が抽出されると、ステップS3cに移行し、計算機21は、位置算出部4において、抽出された人体の中から、予め定められた閾値を満たす大きさの肌色領域を抽出することでその領域を手の平として検出し、手の平の大きさ、位置、個数を求める。
【0026】
次に、ステップS3dにより、2眼ステレオカメラ27はプロジェクタ23〜26の投影領域内を2つのカメラで撮像し、それぞれ得られた映像の特徴点を抽出することで、2眼ステレオカメラ27から手の平までの距離を計測する。さらに、ステップS3eにより、2眼ステレオカメラ27と各プロジェクタ23〜26との位置関係よりプロジェクタ23〜26の設置されている基準位置から手の平の位置までの距離をそれぞれ算出する。そして、ステップS3fにおいて、計算機21は、算出された距離情報をもとに、映像投影装置選択部5により映像を投影するプロジェクタを決定する。映像投影装置選択部5は、プロジェクタから映像投影面、すなわち、手の平までの距離と当該プロジェクタの投写距離との差(絶対値)が最小となるプロジェクタ24を手の平に映像を投影するプロジェクタとして選択する。
【0027】
一方、計算機22は、計算機21から映像を投影すべき手の平の大きさと位置の情報と、上記選択されたプロジェクタの選択情報とを受け取る。そして、ステップS3gにおいて、床面に映像を投影しているプロジェクタ26に映像を供給する映像保持部7において手の平の領域をマスクし、マスク処理を行った映像をプロジェクタ26に投影させる。また、ステップS3hにおいて、計算機22は、投影指示を受けたプロジェクタ24から手の平の領域に映像を投影させる。手の平へ映像を投影する際、プロジェクタ24の映像は、手の平の領域以外の部分は塗りつぶしのない透明な背景となるよう黒色とし、プロジェクタ24から投影される映像が手の平からはみ出し、プロジェクタ26から投影される床面の映像に重ならない様にする。
【0028】
そして、ステップS3iにおいて、検出された手の平がまだあるか否かを判定し、あると判定された場合には、ステップS3dに移行して、上記処理を繰り返す。また、検出されたすべての手の平に対して映像が提示されると、ステップS3jに移行して提示処理を繰り返すか否かの判定を行う。ステップS3jにおいて提示処理の終了指示が通知されるまで、上記処理を繰り返し行う。
【0029】
上述したように、第1の実施形態では、共通の投影領域に向けて基準位置から互いに異なる投写距離に投影面を形成する複数の映像投影装置1が設けられ、情報提示装置1の位置算出部4は、撮像装置3から得られた撮像画像から上記投影領域内に存在する物体の投影面の位置を検出する。また、距離算出部10は、距離計測装置9から上記物体の投影面までの距離情報を取得し、取得された距離情報をもとに各映像投影装置1から物体の投影面までの距離を算出する。映像投影装置選択部5は、上記算出された距離情報に基づいて、複数の映像投影装置のうち物体の投影面までの距離に相当する投写距離を有する映像投影装置を選択する。そして、位置算出部4から得られる物体の投影面の位置情報をもとに、選択された映像投影装置1に映像保持部7から入力される映像を物体の投影面に対して投影させるようにしている。
【0030】
したがって上記第1の実施形態によれば、検出された物体の投影面に対して、最適な投写距離を有する投影装置を選択するようにしている。このように構成することで、投影領域に複数の投影面が存在する場合でも、それぞれの投影面に対してピントが合ったはっきりした映像が提示される。これにより、例えば、プロジェクタで投影される文字や画像等の視認性を向上することが可能となる。
なお、上記第1の実施形態では、計算機21,22の2台の計算機を用いたが、1台の計算機に位置算出部4、映像投影装置選択部5、映像保持部7、及び距離算出部10を実装するように構成してもよい。
【0031】
(第2の実施形態)
この発明の第2の実施形態は、上記第1の実施形態で述べた情報提示装置に、さらに輝度変更部を備えることで、例えば、映像投影面が移動している場合に、移動距離に応じて映像投影装置から投影する映像の輝度を変化させて映像を投影させるようにするものである。
図4は、この発明の第2の実施形態に係わる情報提示装置の一実施形態を示すブロック構成図である。なお、上記第1の実施形態の図1と同一構成の部分には同一符号を付し、詳細な説明については省略する。
【0032】
情報提示装置102は、上記第1の実施形態で述べた位置算出部4と、映像投影装置選択部5と、映像保持部7と、距離算出部10とに加え、さらに輝度変更部6を備える。
輝度変更部6は、映像投影装置選択部5から各映像投影装置1が映像を投影するか否かの指示情報と映像を投影する面の位置、大きさ、個数、及び映像投影装置までの距離情報を受け取る。輝度変更部6は、映像投影装置選択部5から送られた情報に基づいて、映像を投影する映像投影装置から映像投影面までの距離と当該映像投影装置の投写距離との差(絶対値)が予め定められた閾値以上である場合に、投影する映像の輝度を変化させる。
【0033】
また、輝度変更部6は、映像を投影する映像投影装置から映像投影面までの距離と当該映像投影装置の投写距離との差(絶対値)が予め定められた閾値以上である場合、映像投影装置から映像投影面までの距離と当該映像投影装置の投写距離との差(絶対値)が次に小さい映像投影装置からも映像を提示するように映像投影装置選択部5から送られた指示情報を変更するとともに、投影する映像の輝度を変更する。輝度変更部6は、決定した輝度の情報と、映像を提示するか否かの命令を映像保持部7へそれぞれ送信する。映像保持部7は、映像を提示する指示を輝度変更部6から受けた場合、保持している映像を指定された輝度に変更した上で映像投影装置1へそれぞれ送信する。映像投影指示を受けた映像投影装置1は、予め設定された投写距離で指定された投影面に向けて映像を投影する。
【0034】
次に、このように構成される情報提示装置102の動作について説明する。図5は、情報提示装置102の動作手順とその内容を示すフローチャートである。また、情報提示装置102の実装例として前記図2に示した概略構成図を用いる。輝度変更部6は、計算機21に設けられる。なお、本実施形態では、映像が投影される物体の投影面として、人の手の平と床面を対象とし、手の平は、プロジェクタ24が形成する投影面とプロジェクタ25が形成する投影面との間で、なおかつ、プロジェクタ25が形成する投影面よりプロジェクタ24が形成する投影面に近い位置に差し出されたものとする。また、図5において、ステップS5a〜S5e及びステップS5k〜S5lの処理は、上記第1の実施形態における図3のステップS3a〜S3e及びS3i〜S3jの処理と同様であるため説明を省略し、ここでは、ステップS5f〜S5hの処理について詳しく説明する。
【0035】
ステップS5fにおいて、映像投影装置選択部5により選択されたプロジェクタ24についてプロジェクタ24から投影面までの距離とプロジェクタ24の投写距離との差が所定の閾値を超えているか否かを判定する。この判定において、手の平である投影面までの距離と投写距離との差が所定の閾値を超えないと判定された場合は、ステップS5hに移行して映像投影装置選択部5により選択されたプロジェクタ24を映像を提示するプロジェクタとして決定する。一方、ステップS5fの判定において投影面までの距離と投写距離との差が所定の閾値を超えると判定された場合は、ステップS5gに移行して輝度変更処理を行う。
【0036】
ここで、輝度変更部6の詳しい動作手順について説明する。
計算機21は、映像投影装置選択部5により選択されたプロジェクタ24から手の平までの距離とプロジェクタ24の投写距離との差(絶対値)が予め定められた所定の閾値以上である場合、プロジェクタ24から手の平までの距離とプロジェクタ24の投写距離との差(絶対値)が大きくなるに従い、投影する映像の輝度を下げる指示を計算機22へ送信する。それと同時に計算機21は、プロジェクタから手の平までの距離とプロジェクタの投写距離との差(絶対値)が次に小さい別のプロジェクタ(ここでは、プロジェクタ25)の輝度を変更する命令を計算機22へ送信する。計算機21は、プロジェクタ25から手の平までの距離とプロジェクタ25の投写距離との差(絶対値)が小さくなるに従い、投影する映像の輝度を上げるように、計算機22へ指示を送信する。
【0037】
つまり、計算機22は、プロジェクタ24及び25が投影面に投影する映像をHSV変換により、各成分に分解し、その中からV成分(明度:Value of Brightness)である輝度情報を抽出する。そして、抽出したV成分を変更した映像を生成し、投影する映像とする。プロジェクタ24の投写距離に丁度合致する位置にある手の平へは、輝度1(=元画像の輝度:輝度0とは輝度のまったくない暗い画像を指す)の映像をプロジェクタ24から投影し、手の平がプロジェクタ24の投写距離に合致する位置から徐々に離れるにつれ、その離れた距離が所定の閾値を超えるとプロジェクタ24から手の平に投影する映像の輝度を0.9、0.8、0.7と下げて行く。それと同時にプロジェクタから手の平までの距離と当該プロジェクタの投写距離との差(絶対値)が次に小さい別のプロジェクタ25からも同じ映像を手の平へ投影しはじめ、その輝度を0.1、0.2、0.3と徐々に上げる。手の平がさらにプロジェクタ25の投写距離に合致する位置に近づき、ある閾値を超えると、プロジェクタ24から映像を投影することをやめ、プロジェクタ25のみから輝度1の映像を手の平へ投影する。映像投影面が動的に移動している状態で映像を投影するプロジェクタを切り替える必要がある場合、この様に輝度を変更しながら映像を投影することで、滑らかな映像を投影し続けることを可能とする。輝度は次の式を満たしながら変化する。
【0038】
At+Bt=1
ただし、0≦|At|≦1,0≦|Bt|≦1
At:プロジェクタAより投影されている映像の輝度
Bt:プロジェクタBより投影されている映像の輝度
計算機22は、計算機21から映像を投影すべき手の平の大きさと位置の情報と、どのプロジェクタからどの程度の輝度の映像を投影するかを表す指示情報を受け取る。そして、ステップS5iにおいて、床面に映像を投影しているプロジェクタ26に映像を供給する映像保持部7において手の平の領域をマスクし、マスク処理を行った映像をプロジェクタ26に投影させる。また、ステップS5jにおいて、計算機22は、映像投影指示を受けたプロジェクタ24,25から、それぞれ輝度を変化させた映像を投影する。手の平へ映像を投影する際、プロジェクタ24の映像は、手の平の領域以外の部分は塗りつぶしのない透明な背景となるよう黒色とし、プロジェクタ24から投影される映像が手の平からはみ出し、プロジェクタ26から投影される床面の映像に重ならない様にする。
【0039】
このように、第2の実施形態では、情報提示装置102に輝度変更部6を設け、映像投影面が動的に移動している状態で映像を投影するプロジェクタを切り替える必要がある場合に、投影しているプロジェクタと切り替えるプロジェクタで輝度を徐々に変更して映像を投影することで、滑らかな映像を投影し続けることを可能とする。
【0040】
(第3の実施形態)
この発明の第3の実施形態は、上記第2の実施形態で述べた情報提示装置の輝度変更部を色度変更部に置き換えることで、例えば、映像投影面が移動している場合に、移動距離に応じて映像投影装置から投影する映像の色度を変化させて映像を投影させるようにするものである。
図6は、この発明の第3の実施形態に係わる情報提示装置の一実施形態を示すブロック構成図である。なお、上記第1の実施形態の図1と同一構成の部分には同一符号を付し、詳細な説明については省略する。
【0041】
情報提示装置103は、上記第1の実施形態で述べた位置算出部4と、映像投影装置選択部5と、映像保持部7と、距離算出部10とに加え、さらに色度変更部11を備える。
色度変更部11は、映像投影装置選択部5から映像を投影するか否かの指示情報と映像を投影する面の位置、大きさ、個数、及び映像投影装置までの距離情報を受け取る。色度変更部11は、映像投影装置選択部5から送られた情報に基づいて、映像を投影する映像投影装置から映像投影面までの距離と当該映像投影装置の投写距離との差(絶対値)が予め定められた閾値以上である場合に、投影する映像の色度を変化させる。
【0042】
また、色度変更部11は、映像を投影する映像投影装置から映像投影面までの距離と当該映像投影装置の投写距離との差(絶対値)が予め定められた閾値以上である場合、映像投影装置から映像投影面までの距離と当該映像投影装置の投写距離との差(絶対値)が次に小さい映像投影装置からも映像を提示するように映像投影装置選択部5から送られた指示情報を変更するとともに、投影する映像の色度を変更する。色度変更部11は、決定した色度の情報と、映像を投影するか否かの命令を映像保持部7へそれぞれ送信する。映像保持部7は、映像を投影する指示を色度変更部11から受けた場合、保持している映像を指定された色度に変更した上で映像投影装置1へそれぞれ送信する。映像投影指示を受けた映像投影装置1は、予め設定された投写距離で指定された投影面に向けて映像を投影する。
【0043】
次に、以上のように構成される情報提示装置103の動作について説明する。図7は、情報提示装置103の動作手順とその内容を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、映像が投影される物体の投影面として、人の手の平と床面を対象とし、手の平は、プロジェクタ24が形成する投影面とプロジェクタ25が形成する投影面との間で、なおかつ、プロジェクタ25が形成する投影面よりプロジェクタ24が形成する投影面に近い位置に差し出されたものとする。また、図7において、ステップS7a〜S7e及びステップS7k〜S7lの処理は、上記第1の実施形態における図3のステップS3a〜S3e及びS3i〜S3jの処理と同様であるため説明を省略し、ここでは、ステップS7f〜S7hの処理について詳しく説明する。
【0044】
ステップS7fにおいて、映像投影装置選択部5により選択されたプロジェクタ24についてプロジェクタ24から投影面までの距離とプロジェクタ24の投写距離との差が所定の閾値を超えているか否かを判定する。この判定において、手の平である投影面までの距離と投写距離との差が所定の閾値を超えないと判定された場合は、ステップS7hに移行して映像投影装置選択部5により選択されたプロジェクタ24を映像を提示するプロジェクタとして決定する。一方、ステップS7fの判定において投影面までの距離と投写距離との差が所定の閾値を超えると判定された場合は、ステップS7gに移行して色度変更処理を行う。
【0045】
ここで、色度変更部11の詳しい動作手順について説明する。
計算機21は、映像投影装置選択部5により選択されたプロジェクタ24から手の平までの距離とプロジェクタ24の投写距離との差(絶対値)が予め定められた所定の閾値以上である場合、プロジェクタ24から手の平までの距離とプロジェクタ24の投写距離との差(絶対値)が大きくなるに従い、投影する映像の色度を下げる指示を計算機22へ送信する。それと同時に計算機21は、プロジェクタから手の平までの距離とプロジェクタの投写距離との差(絶対値)が次に小さい別のプロジェクタ(ここでは、プロジェクタ25)の色度を変更する命令を計算機22へ送信する。計算機21は、プロジェクタ25から手の平までの距離とプロジェクタ25の投写距離との差(絶対値)が小さくなるに従い、投影する映像の色度を上げるように、計算機22へ指示を送信する。
【0046】
つまり、計算機22は、プロジェクタ24及び25が投影面に投影する映像をHSV変換により、各成分に分解し、その中からH成分(色相:Hue)である色度情報を抽出する。そして、抽出したH成分を変更した映像を生成し、投影する映像とする。プロジェクタ24の投写距離に丁度合致する位置にある手の平へは、元画像の色度の映像をプロジェクタ24から投影し、手の平がプロジェクタ24の投写距離に合致する位置から徐々に離れるにつれ、その離れた距離が所定の閾値を超えるとプロジェクタ24から手の平に投影する映像の色度を徐々に下げていく。下げる限界値は0までとする。それと同時にプロジェクタから手の平までの距離と当該プロジェクタの投写距離との差(絶対値)が次に小さい別のプロジェクタ25からも同じ映像を手の平に投影しはじめ、その色度を徐々に上げる。上げる上限値は、現画像の色度の値までとする。手の平がさらにプロジェクタBの投写距離に合致する位置に近づき、ある閾値を超えると、プロジェクタ24から映像を投影することをやめ、プロジェクタ25のみ元画像の色度を持つ映像を手の平へ投影する。映像投影面が動的に移動しているため映像を投影するプロジェクタを切り替える必要がある場合、この様に色度を変更しながら映像を投影することで、滑らかな映像を投影し続けることを可能とする。色度は常にプラスの値を指すものとし、次の式を満たしながら変化する。
【0047】
Ai+Bi=I
ただし、0≦Ai≦1、0≦Bi≦1
I:元画像が元々持つ色度
Ai:プロジェクタAより投影されている映像の色度
Bi:プロジェクタBより投影されている映像の色度
計算機22は、計算機21から映像を投影すべき手の平の大きさと位置の情報と、どのプロジェクタからどの程度の色度の映像を投影するかを表す指示情報を受け取る。そして、ステップS5iにおいて、床面に映像を投影しているプロジェクタ26に映像を供給する映像保持部7において手の平の領域をマスクし、マスク処理を行った映像をプロジェクタ26に投影させる。また、ステップS7jにおいて、計算機22は、映像投影指示を受けたプロジェクタ24,25から、それぞれ色度を変化させた映像を投影する。手の平へ映像を投影する際、プロジェクタ24の映像は、手の平の領域以外の部分は塗りつぶしのない透明な背景となるよう黒色とし、プロジェクタ24から投影される映像が手の平からはみ出し、プロジェクタ26から投影される床面の映像に重ならない様にする。
【0048】
このように、第3の実施形態では、情報提示装置102に色度変更部11を設け、映像投影面が動的に移動している状態で映像を投影するプロジェクタを切り替える必要がある場合に、投影しているプロジェクタと切り替えるプロジェクタで色度を徐々に変更して映像を投影することで、滑らかな映像を投影し続けることを可能とする。
【0049】
(第4の実施形態)
この発明の第4の実施形態は、距離計測装置に音波距離測定装置を用いて物体の投影面までの距離を計測し、計測された距離情報から映像投影装置と物体の投影面との間の距離を算出するものである。
図8は、この発明の第4の実施形態に係わる情報提示装置の一実施形態を示す概略構成図である。本実施形態において、映像投影装置1はプロジェクタ41,42,43として実装する。プロジェクタ41〜43は、共通の投影領域に向けて基準位置から互いに異なる投写距離を有するように設置される。プロジェクタ41は、最も近い投写距離を持ち、順にプロジェクタ42、プロジェクタ43と徐々に長い投写距離を持つ。それぞれの投写距離をL8,L9,L10とすると、各投写距離は、次の式で表される。
【0050】
L8<L9<L10
プロジェクタ41〜43は、床面に向けて映像を投影するものとし、それぞれほぼ同じ領域内に映像を投影できるよう設置される。また、最も長い投写距離を有するプロジェクタ43が床面に焦点が合うように設定されているものとする。
【0051】
一方、位置算出部4、距離算出部10、映像投影装置選択部5は制御プログラムとしてパーソナル・コンピュータ等の計算機44内に実装されている。映像保持部7は、プロジェクタ41〜43と同数設けられ、制御プログラムとして計算機45内に実装されている。プロジェクタ41〜43は、計算機45に接続され、さらに計算機44と計算機45との間が接続されている。
【0052】
また、撮像装置3にはビデオカメラ46を用いる。ビデオカメラ46は、計算機44に接続され、上記プロジェクタ41〜43により映像が投影される領域内を全て撮像できる位置に設置される。距離計測装置9は、音波による音波距離測定装置47を用いる。音波距離測定装置47は、プロジェクタ41〜43で映像が投影されている領域内全てにおいて距離が計測できる位置に設置する。
【0053】
次に、このように構成される第4の実施形態の情報提示装置の動作について説明する。図9は、情報提示装置の動作手順とその内容を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、映像が投影される物体の投影面として、人の手の平と床面を対象とする。
ステップS9aにおいて、プロジェクタ43から床面に対して焦点(ピント)の合う映像を投影範囲全体に投影している。この状態で、プロジェクタ23〜26の投影範囲内を撮像し、その映像がビデオカメラ46により撮像され、計算機44に入力される。
【0054】
次に、ステップS9bにおいて、計算機44は、位置算出部4において、上記入力される撮像映像から画像処理により物体48,49を検出し、物体の大きさ、位置、個数を求める。音波距離測定装置47は、ステップS9cにより、先ず、位置算出部4により求められた物体48の位置へ向けて音波を発生させ、音の反射を計測することで音波距離測定装置47から物体48までの距離をそれぞれ測定する。
【0055】
さらに、ステップS9dにより、音波距離測定装置47と各プロジェクタ41〜43との位置関係よりプロジェクタ41〜43の設置されている基準位置から物体48の投影面の位置までの距離をそれぞれ算出する。そして、ステップS9eにおいて、計算機44は、算出された距離情報をもとに、映像投影装置選択部5により映像を投影するプロジェクタを決定する。映像投影装置選択部5は、プロジェクタから物体48の投影面、すなわち、物体48までの距離と当該プロジェクタの投写距離との差(絶対値)が最小となるプロジェクタ41を物体48に映像を投影するプロジェクタとして選択する。
【0056】
一方、計算機45は、計算機44から映像を投影すべき物体48の大きさと位置の情報と、上記選択されたプロジェクタの選択情報とを受け取る。そして、ステップS9fにおいて、床面に映像を投影しているプロジェクタ43に映像を供給する映像保持部7において物体48の領域をマスクし、マスク処理を行った映像をプロジェクタ43に投影させる。また、ステップS9gにおいて、計算機45は、投影指示を受けたプロジェクタ41から物体48の領域に映像を投影させる。物体48へ映像を投影する際、プロジェクタ41の映像は、物体48の領域以外の部分は塗りつぶしのない透明な背景となるよう黒色とし、プロジェクタ41から投影される映像が物体48からはみ出し、プロジェクタ43から投影される床面の映像に重ならない様にする。
【0057】
そして、ステップS9hにおいて、検出された物体がまだあるか否かを判定し、あると判定された場合には、ステップS9cに移行して、上記処理を繰り返す。ここで、上記同様に、物体49の投影面に対してもプロジェクタ42から映像が投影される。また、検出されたすべての物体に対して映像が提示されると、ステップS9iに移行して提示処理を繰り返すか否かの判定を行う。ステップS9iにおいて提示処理の終了指示が通知されるまで、上記処理を繰り返し行う。
【0058】
上記第4の実施形態では、距離計測装置9に音波距離測定装置47を用いて物体の投影面までの距離を計測し、計測された距離情報から映像投影装置1と物体の投影面との間の距離を算出している。このように構成することで、投影されている映像に影響を与えることなく、物体の投影面までの距離を計測することが可能となる。
また、上記第4の実施形態では、計算機44、45の2台の計算機を用いたが、1台の計算機に位置算出部4、映像投影装置選択部5、映像保持部7、及び距離算出部10を実装するように構成してもよい。
【0059】
(第5の実施形態)
この発明の第5の実施形態は、距離計測装置に照明装置を用いて物体の投影面を照らし、この状態が撮像された撮像画像から得られる照度情報をもとに物体の投影面までの距離を算出するものである。
図8は、この発明の第5の実施形態に係わる情報提示装置の一実施形態を示す概略構成図である。本実施形態において、上記第4の実施形態の前記図8と同一構成部分には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。距離計測装置9として、照明装置50を用いる。照明装置50は、プロジェクタ41〜43により映像が投影されている領域内全てにおいて照明を当てられる位置に設置される。
【0060】
次に、このように構成される第5の実施形態の情報提示装置の動作について説明する。図11は、情報提示装置の動作手順とその内容を示すフローチャートである。なお、図11において、ステップS11a〜S11b及びステップS11e〜S11iの処理は、上記第4の実施形態における図9のステップS9a〜S9b及びステップS9e〜S9iの処理と同様であるため説明を省略し、ここでは、ステップS11c〜S11dの処理について詳しく説明する。
【0061】
ステップS11cにおいて、情報提示装置は、位置算出部4により算出された物体48,49の位置情報から、照明装置50はライトを点ける。ビデオカメラ46は、物体48,49の位置の照度を撮影する。距離算出部10は、得られた照度情報から照明装置50から物体48及び49までの距離を算出する。さらに、ステップS11dにおいて、照明装置50とプロジェクタ41〜43との位置関係から、プロジェクタ41〜43と物体48,49までの距離をそれぞれ導き出す。計算機44は、算出結果の距離情報から、映像投影装置選択部5により映像を投影するプロジェクタを決定する。
【0062】
上記第5の実施形態では、距離計測装置9に照明装置50を用いて物体の投影面を照らし、この状態をビデオカメラ46により撮像した撮像画像から得られる照度情報をもとに物体の投影面までの距離を算出するようにしている。このように構成することで、簡易な構成で物体の投影面までの距離を計測することが可能となる。
【0063】
(第6の実施形態)
この発明の第6の実施形態は、距離計測装置の替わりにぼけ検出技術を用いるもので、複数の投影装置に、投影装置毎に識別可能な識別画像を共通の投影領域に向けて投影させ、この状態が撮像された撮像画像からぼけ具合を検出し、検出されたぼけ具合をもとに物体の投影面までの距離を算出するものである。
図12は、この発明の第6の実施形態に係わる情報提示装置の一実施形態を示す概略構成図である。本実施形態において、上記第4の実施形態の前記図8と同一構成部分には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。距離計測装置9としてぼけ検出部を用いる。ぼけ検出部は、ソフトウェアとして計算機44に実装されている。ぼけ検出の処理には、例えば、非特許文献2に挙げるような、撮像画像を分析することでぼけ具合を求める手法などを用いる。
【0064】
距離計測装置9は、プロジェクタ41〜43よりそれぞれ異なった色の映像を一度に投影させる。ビデオカメラ46は、物体48,49に上記映像が投影された様子を撮像し、映像投影装置選択部5に入力する。映像投影装置選択部5は、この撮像画像から各色ごとにぼけ検出処理を行い、その中で最もはっきりとした映像を検出し、その映像の色に対応するプロジェクタを、プロジェクタから映像投影面までの距離と当該プロジェクタの投写距離との差(絶対値)が最小となるプロジェクタとして検出する。
【0065】
次に、このように構成される第6の実施形態の情報提示装置の動作について説明する。図13は、情報提示装置の動作手順とその内容を示すフローチャートである。なお、図13において、ステップS13a〜S13b及びステップS13f〜S13jの処理は、上記第4の実施形態における図9のステップS9a〜S9b及びステップS9e〜S9iの処理と同様であるため説明を省略し、ここでは、ステップS13c〜S13eの処理について詳しく説明する。
【0066】
ステップS13cにおいて、距離計測装置9は、計算機44は位置算出部4により算出された物体48,49の情報から、その位置へ向けてプロジェクタ41〜43より格子状の映像を投影する様に、計算機45へ指示する。計算機45は受け取った情報をプロジェクタ41〜43へ送信し、プロジェクタ41〜43はそれぞれ互いに異なった色の格子を物体48,49へ向けて投影する。この様子を図14に示す。
【0067】
ステップS13dにおいて、ビデオカメラ46は、物体48,49に投影された映像の様子を撮像する。計算機44は、ビデオカメラ46で撮像された映像を受け取り、各色ごとにぼけ検出処理を行い、最もぼけの少ない映像を検出する。そして、ステップS13eにより、映像投影装置選択部5は、物体に対して最もぼけの少ない映像を投影しているプロジェクタをその物体に映像を投影するプロジェクタとして決定する。
【0068】
このように第6の実施形態は、距離計測装置9の替わりにぼけ検出技術を用いるもので、複数の映像投影装置1に、装置毎に識別可能な識別画像を共通の投影領域に向けて投影させ、この状態をビデオカメラ46により撮像した撮像画像からぼけ具合を検出し、検出されたぼけ具合をもとに物体の投影面までの距離を算出するものである。
このように構成することで、基準位置から検出された物体の投影面までの距離を測定するために、ステレオカメラや音波距離測定装置等の新たなデバイスを必要としないため、簡易な構成で実現することが可能となる。
【0069】
また、今回、ぼけ検出処理の高速化を可能とするため、プロジェクタ毎に投影するのではなく、各プロジェクタで異なる色を一度に投影して画像処理を行った。なお、本実施形態においては色以外に、互いに異なる形の映像を各プロジェクタで投影するようにしても良い。
【0070】
(第7の実施形態)
この発明の第6の実施形態は、距離計測装置の替わりに輪郭検出技術を用いるもので、複数の投影装置に、投影装置毎に識別可能な識別画像を共通の投影領域に向けて投影させ、この状態が撮像された撮像画像から輪郭情報を検出し、検出された輪郭情報をもとに物体の投影面までの距離を算出するものである。
図15は、この発明の第7の実施形態に係わる情報提示装置の一実施形態を示す概略構成図である。本実施形態において、映像投影装置1はプロジェクタ31,32,33として実装する。プロジェクタ31〜33は、共通の投影領域に向けて基準位置から互いに異なる投写距離を有するように設置される。プロジェクタ31は、最も近い投写距離を持ち、順にプロジェクタ32、プロジェクタ33と徐々に長い投写距離を持つ。それぞれの投写距離をL5,L6,L7とすると、各投写距離は、次の式で表される。
【0071】
L5<L6<L7
プロジェクタ31〜33は、床面に向けて映像を投影するものとし、それぞれほぼ同じ領域内に映像を投影できるよう設置される。また、最も長い投写距離を有するプロジェクタ26が床面に焦点が合うように設定されているものとする。
【0072】
一方、位置算出部4、距離算出部10、映像投影装置選択部5は制御プログラムとしてパーソナル・コンピュータ等の計算機34内に実装されている。映像保持部7は、プロジェクタ31〜33と同数設けられ、制御プログラムとして計算機35内に実装されている。プロジェクタ31〜33は、計算機35に接続され、さらに計算機34と計算機35との間が接続されている。
【0073】
また、撮像装置3にはビデオカメラ36を用いる。ビデオカメラ36は、計算機34に接続され、上記プロジェクタ31〜33により映像が投影される領域内を全て撮像できる位置に設置される。距離計測装置9として、プロジェクタ31〜33により予め定めた色と形の映像を投影面へ投影し、各投影面に投影された映像の輪郭とその映像の大きさを計測することで距離を測定する手法を用いる。
【0074】
本実施形態において、映像が投影される投影面としては、位置、高さ、大きさの異なる物体37及び38と床面を対象とする。
次に、このように構成される第7の実施形態の情報提示装置の動作について説明する。図16は、情報提示装置の動作手順とその内容を示すフローチャートである。
【0075】
ステップS16aにおいて、プロジェクタ33からは床面に対して焦点(ピント)の合う映像を画面全体に投影している。ビデオカメラ36は、映像の投影範囲内を撮像し、その映像を計算機34へ送信する。計算機34はビデオカメラ36により撮像された映像を受信する。次に、ステップS16bにおいて、計算機34は位置算出部4により、撮像された映像の中から背景差分抽出や色検出処理などにより物体37,38を検出し、物体の映像が投影される面の大きさ、位置、個数を求める。そして、計算機34は、算出結果のデータを計算機35へ送信する。
【0076】
ステップS16cにおいて、計算機35は、上記受信したデータに基づき、物体37、38へ向けて、プロジェクタ31〜33により順番に映像を投影する。ステップS16dにおいて、ビデオカメラ36は、物体37,38に投影された映像の様子を撮像する。そして、計算機34はビデオカメラ36で撮像された映像を受け取り、ステップS16eにおいて、距離算出部10により距離を算出する。
【0077】
具体的には、各プロジェクタ31〜33の投影映像が撮像された映像を受信し、各プロジェクタ31〜33から投影された物体37,38に投影されている映像のエッジを抽出する。そして、ステップS16fにおいて、計算機34は、映像投影装置選択部5により投影すべき映像のエッジ抽出データと、各プロジェクタにより投影された映像のエッジ抽出データをそれぞれ比較し、投影すべき映像のエッジ抽出データにより近いエッジ抽出データを持つプロジェクタを選択する。このように構成することで、距離測定のために新たなデバイスを必要としない。
【0078】
一方、計算機35は、計算機34から映像を投影すべき物体37の大きさと位置の情報と、上記選択されたプロジェクタの選択情報とを受け取る。そして、ステップS16fにおいて、床面に映像を投影しているプロジェクタ33に映像を供給する映像保持部7において物体48の領域をマスクし、マスク処理を行った映像をプロジェクタ33に投影させる。また、ステップS16gにおいて、計算機35は、投影指示を受けたプロジェクタ31から物体37の領域に映像を投影させる。物体37へ映像を投影する際、プロジェクタ31の映像は、物体37の領域以外の部分は塗りつぶしのない透明な背景となるよう黒色とし、プロジェクタ31から投影される映像が物体37からはみ出し、プロジェクタ33から投影される床面の映像に重ならない様にする。
【0079】
そして、ステップS16hにおいて、検出された物体がまだあるか否かを判定し、あると判定された場合には、ステップS16cに移行して、上記処理を繰り返す。ここで、上記同様に、物体37の投影面に対してもプロジェクタ32から映像が投影される。また、検出されたすべての物体に対して映像が提示されると、ステップS16iに移行して提示処理を繰り返すか否かの判定を行う。ステップS16iにおいて提示処理の終了指示が通知されるまで、上記処理を繰り返し行う。
【0080】
上記第7の実施形態では、距離計測装置9の替わりに輪郭検出技術を用いるもので、複数の映像投影装置1に、装置毎に識別可能な識別画像を共通の投影領域に向けて投影させ、この状態をビデオカメラ46により撮像した撮像画像から輪郭情報を検出し、検出された輪郭情報をもとに物体の投影面までの距離を算出するものである。
このように構成しても、基準位置から検出された物体の投影面までの距離を測定するために、ステレオカメラや音波距離測定装置等の新たなデバイスを必要としないため、簡易な構成で実現することが可能となる。
【0081】
また、上記第7の実施形態では、計算機34、35の2台の計算機を用いたが、1台の計算機に位置算出部4、映像投影装置選択部5、映像保持部7、及び距離算出部10を実装するように構成することもできる。また、プロジェクタ31〜33により順番に予め定めた色と形の映像を物体の投影面へ投影するように構成したが、プロジェクタ毎に異なる識別画像を一度に投影するようにして、この状態が撮像された撮像画像からプロジェクタそれぞれの輪郭情報を検出するようにしてもよい。このようにるすと、物体の投影面までの距離を短時間で算出することが可能となる。
【0082】
なお、この発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本発明の情報提示装置は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、通信ネットワークを通じて提供することも可能である。その他、情報提示装置の構成および各部の動作手順とその内容についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0083】
要するにこの発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わる情報提示装置の一実施形態を示すブロック構成図。
【図2】図1に示す情報提示装置の実装例を示す概略構成図。
【図3】図1に示す情報提示装置の動作手順とその内容を示すフローチャート。
【図4】この発明の第2の実施形態に係わる情報提示装置の一実施形態を示すブロック構成図。
【図5】図4に示す情報提示装置の動作の手順とその内容を示すフローチャート。
【図6】この発明の第3の実施形態に係わる情報提示装置の一実施形態を示すブロック構成図。
【図7】図6に示す情報提示装置の動作手順とその内容を示すフローチャート。
【図8】この発明の第4の実施形態に係わる情報提示装置の概略構成図。
【図9】図8に示す情報提示装置の動作手順とその内容を示すフローチャート。
【図10】この発明の第5の実施形態に係わる情報提示装置の概略構成図。
【図11】図10に示す情報提示装置の動作手順とその内容を示すフローチャート。
【図12】この発明の第6の実施形態に係わる情報提示装置の概略構成図。
【図13】図12に示す情報提示装置の動作手順とその内容を示すフローチャート。
【図14】図12に示す情報提示装置から物体に映像を投影した様子を示す図。
【図15】この発明の第7の実施形態に係わる情報提示装置の概略構成図。
【図16】図15に示す情報提示装置の動作手順とその内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0085】
101…情報提示装置、1…映像投影装置、3…撮像装置、4…位置算出部、5…映像投影装置選択部、7…映像保持部、9…距離計測装置、10…距離算出部、20…ビデオカメラ、21、22…計算機、23,24,25,26…プロジェクタ、27…2眼ステレオカメラ、6…輝度変更部、7…色度変更部、41,42,43…プロジェクタ、44、45…計算機、46…ビデオカメラ、47、音波距離測定装置、48,49…物体、50…照明装置、31,32,33…プロジェクタ、34、35…計算機、36…ビデオカメラ、37,38…物体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通の投影領域に向けて基準位置から互いに異なる投写距離に投影面を形成する複数の投影装置により情報を映像として投影し提示する情報提示装置であって、
前記投影領域内に存在する物体を検出する検出手段と、
前記基準位置から前記検出された物体の投影面までの距離情報を取得する距離取得手段と、
前記取得された距離情報に基づいて前記複数の投影装置のうち前記物体の投影面までの距離に相当する投写距離を有する第1の投影装置を選択する選択手段と、
前記選択された第1の投影装置に前記物体の投影面に向けて前記映像を投影させる投影制御手段と
を具備することを特徴とする情報提示装置。
【請求項2】
前記投影制御手段は、前記物体の投影面までの距離と前記選択された第1の投影装置が有する投写距離との差が所定の閾値を超えるか否かを判定する判定手段と、前記複数の投影装置の輝度をそれぞれ変更する輝度変更手段とを備え、前記判定手段により、前記物体の投影面までの距離と前記第1の投影装置が有する投写距離との差が所定の閾値を超えると判定される場合に、前記取得された距離情報に基づいて前記複数の投影装置のうち前記第1の投影装置の次に前記物体の投影面までの距離に相当する投写距離を有する第2の投影装置を選択し、前記物体の投影面までの距離と、前記選択された投影装置が有する投写距離との差に応じて、前記輝度変更手段により前記第1の投影装置及び第2の投影装置の輝度を変更することを特徴とする請求項1記載の情報提示装置。
【請求項3】
前記投影制御手段は、前記物体の投影面までの距離と前記選択された第1の投影装置が有する投写距離との差が所定の閾値を超えるか否かを判定する判定手段と、前記複数の投影装置の色度をそれぞれ変更する色度変更手段とを備え、前記判定手段により、前記物体の投影面までの距離と前記第1の投影装置が有する投写距離との差が所定の閾値を超えると判定される場合に、前記取得された距離情報に基づいて前記複数の投影装置のうち前記第1の投影装置の次に前記物体の投影面までの距離に相当する投写距離を有する第2の投影装置を選択し、前記物体の投影面までの距離と、前記選択された投影装置が有する投写距離との差に応じて、前記色度変更手段により前記第1の投影装置及び第2の投影装置の色度を変更することを特徴とする請求項1記載の情報提示装置。
【請求項4】
前記距離取得手段は、前記複数の投影装置に前記共通の投影領域に向けて、前記複数の投影装置毎に識別可能な識別画像を投影させる手段と、前記複数の投影装置により識別画像が投影された状態で前記共通の投影領域が撮像された撮像画像を取得する撮像画像取得手段と、前記撮像画像からぼけ具合を検出するぼけ検出手段とを備え、
前記検出されたぼけ具合をもとに前記基準位置から前記検出された物体の投影面までの距離情報を取得することを特徴する請求項1記載の情報提示装置。
【請求項5】
前記距離取得手段は、前記複数の投影装置に前記共通の投影領域に向けて、前記複数の投影装置毎に識別可能な識別画像を投影させる手段と、前記複数の投影装置により識別画像が投影された状態で前記共通の投影領域が撮像された撮像画像を取得する撮像画像取得手段と、前記撮像画像から識別画像の輪郭情報を検出する輪郭検出手段とを備え、
前記検出された輪郭情報をもとに前記基準位置から前記検出された物体の投影面までの距離情報を取得することを特徴する請求項1記載の情報提示装置。
【請求項6】
共通の投影領域に向けて基準位置から互いに異なる投写距離に投影面を形成する複数の投影装置により情報を映像として投影し提示する情報提示装置で用いられ、
前記投影領域内に存在する物体を検出する検出ステップと、
前記基準位置から前記検出された物体の投影面までの距離情報を取得する距離取得ステップと、
前記取得された距離情報に基づいて前記複数の投影装置のうち前記物体の投影面までの距離に相当する投写距離を有する第1の投影装置を選択する選択ステップと、
前記選択された第1の投影装置に前記物体の投影面に向けて前記映像を投影させる投影制御ステップと
を具備することを特徴とする情報提示方法。
【請求項7】
前記投影制御ステップは、前記物体の投影面までの距離と前記選択された第1の投影装置が有する投写距離との差が所定の閾値を超えるか否かを判定する判定ステップと、前記複数の投影装置の輝度をそれぞれ変更する輝度変更ステップとを備え、
前記判定ステップにより、前記物体の投影面までの距離と前記第1の投影装置が有する投写距離との差が所定の閾値を超えると判定される場合に、前記取得された距離情報に基づいて前記複数の投影装置のうち前記第1の投影装置の次に前記物体の投影面までの距離に相当する投写距離を有する第2の投影装置を選択し、前記物体の投影面までの距離と、前記選択された投影装置が有する投写距離との差に応じて、前記輝度変更ステップにより前記第1の投影装置及び第2の投影装置の輝度を変更することを特徴とする請求項6記載の情報提示方法。
【請求項8】
前記投影制御ステップは、前記物体の投影面までの距離と前記選択された第1の投影装置が有する投写距離との差が所定の閾値を超えるか否かを判定する判定ステップと、前記複数の投影装置の色度をそれぞれ変更する色度変更ステップとを備え、
前記判定ステップにより、前記物体の投影面までの距離と前記第1の投影装置が有する投写距離との差が所定の閾値を超えると判定される場合に、前記取得された距離情報に基づいて前記複数の投影装置のうち前記第1の投影装置の次に前記物体の投影面までの距離に相当する投写距離を有する第2の投影装置を選択し、前記物体の投影面までの距離と、前記選択された投影装置が有する投写距離との差に応じて、前記色度変更ステップにより前記第1の投影装置及び第2の投影装置の色度を変更することを特徴とする請求項6記載の情報提示方法。
【請求項9】
共通の投影領域に向けて基準位置から互いに異なる投写距離に投影面を形成する複数の投影装置により情報を映像として投影し提示する、コンピュータを備える情報提示装置で使用されるプログラムであって、
前記投影領域内に存在する物体を検出する検出処理と、
前記基準位置から前記検出された物体の投影面までの距離情報を取得する距離取得処理と、
前記取得された距離情報に基づいて前記複数の投影装置のうち前記物体の投影面までの距離に相当する投写距離を有する投影装置を選択する選択処理と、
前記選択された投影装置に前記物体の投影面に向けて前記映像を投影させる投影制御処理と
を、前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−156325(P2007−156325A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−354901(P2005−354901)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】