説明

情報管理システム

【課題】手間が無く理解しやすいシステムにより顧客の興味を確実に惹きつけて会員登録を促進することができる情報管理システムを提供する。
【解決手段】カード会社は、サイト管理者からの要求に応じて使用制限した有価証券としての価値を有するカードを発行し、遊技者がカードに印刷されたサイトにアクセスすることにより会員登録した場合は、カードの使用制限を解除することにより遊技者によるカードの使用を許可するようにしたので、カード自体が金品に相当する品物となり、カードを受け取った時点では、使用不可能であるにもかかわらず顧客に対して使用しなければ損をすると認識させることができる。これにより、顧客の興味を確実にひきつけ、会員登録する顧客を増やすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有価価値を特定可能な情報を記憶するカードを使用した情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の会員獲得手段としては、通常有料である入会金を一定期間無料としたり、会員登録を条件にプレゼントを配布したり、或いはネットワーク上で運営する懸賞サイトへの応募者を会員として登録したりする方法が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−319010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、個人情報の開示に躊躇する者が多い現状、これらの宣伝を知っても会員登録の煩わしさやシステムの複雑さゆえ会員登録をさせるには十分ではなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、手間が無く理解しやすいシステムにより顧客の興味を確実に惹きつけて会員登録を促進することができる情報管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、インターネット上の登録サイトにアクセスする情報が印刷されているか、または当該情報を持つ宣伝広告媒体を展示し若しくは付した状態で、顧客に配布され、有価価値を特定可能な情報を記憶するカードと、前記カードが記憶する情報により特定する有価価値としての使用を予め使用制限する制限手段と、前記登録サイトにアクセスされて所定の会員登録が行われた場合は、前記制限手段による使用制限を解除する解除手段とを備えたものである(請求項1)。
【0005】
上記構成において、カード情報の登録可能な期間は、会員情報の登録時に制限されているようにしてもよい(請求項2)。
また、前記解除手段は、前記登録サイトにアクセスされてメールアドレスを含む会員情報の登録が行われた場合は、前記メールアドレスにカード情報登録サイトを示すメールを送信し、前記カード情報登録サイトにアクセスされてカード情報が入力されたことを条件として前記制限手段による使用制限を解除するようにしてもよい(請求項3)。
また、カード情報の登録可能な期間は、会員情報の登録後の所定期間内に制限されていてもよい(請求項4)。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、カード自体が金品に相当する品物であるため、カードを受け取った時点では、使用不可能であるにもかかわらず顧客に対して使用しなければ損をすると認識させることができる。これにより、顧客の興味を確実にひきつけ、会員登録する顧客を増やすことができる。
【0007】
また、新規オープンやリニューアルオープンなどのイベント時にカードを配布する場合には、イベントへ参加させる動機付けともなり、相乗効果を発揮することができる。既に会員登録している者にカードを配布した場合でも、未登録者の友人などに紹介するなどの効果が期待できる。
【0008】
請求項2の発明によれば、会員情報の登録時にカード情報が入力されるので、カードを有価証券として迅速に使用可能とすることができる。
請求項3の発明によれば、会員登録時にメールアドレスを登録し、そのメールアドレスを受信した顧客が所定の会員情報を入力した場合にカードの使用制限を解除するようにしたので、カード情報を入力することなく会員登録を完了してしまった場合に、会員登録をしたにもかかわらず使用制限を解除できないという事態を回避することができる。
【0009】
請求項4の発明によれば、会員情報を登録してからカード情報の入力を猶予するようにしたので、会員情報を入力してから直ぐにカード情報を入力することができない顧客の利便性を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
図1は、情報管理システムの構成を概略的に示している。カード発行会社は、カードを発行した場合は、カードをカード情報管理装置1に登録することにより発行したカードのカード情報を管理する。カード情報管理装置1は、登録受付したカード情報をカード情報管理部2に記憶することにより管理する。カード情報管理装置1は複数のカード読取端末(制限手段、解除手段に相当)3と専用線で接続されている。
カード読取端末3は、全国のコンビニエンスストア、ファミリーレストラン、ドラッグストア、書店等に設置されており、カードの使用可否を示す使用制限データを記憶している。
【0011】
サイト管理者は、インターネット8上に遊技者用の会員登録サイトを公開すると共に会員登録サイトにアクセスした遊技者の会員データを管理するためのサイト管理装置4を設置している。サイト管理装置4は、登録された会員データを会員情報管理部5に記憶することにより管理する。
カード発行会社のカード情報管理装置1とサイト管理者のサイト管理装置4とは専用線で接続されている。サイト管理装置4は、遊技者のPC(パソコン)6、或いは携帯端末としての携帯電話機7とインターネット8と通じて接続可能となっている。
【0012】
サイト管理者は、経営する遊技場における遊技者の会員登録を促進する場合は、カード発行会社に会員登録用のカードの発行を依頼する。
カード発行会社は、カードを発行する場合は、カード情報管理装置1及びカード読取端末3にカード情報(例えばカードの発行番号)を登録する。
【0013】
図8は、カード情報管理装置1の動作を示すフローチャートである。カード情報管理装置1は、カードの登録受付があったか(A1)、カード情報を受信したか(A3)を判断している。カードの登録受付があったときは(A1:YES)、カード情報を解除履歴データに登録する(A2)。
【0014】
図4は、カード情報管理装置1の解除履歴データの一例を示している。解除履歴データは、「カード番号」に対応して、「カードID」、「パスワード」、「解除要求」、「解除日」、「請求額」、「支払状況」の各項目が設定されている。カードの登録受付時にはカード情報として「カード番号」が登録されると共に、「解除要求」に「未」が記憶される。
【0015】
図9は、カード読取端末3の動作を示すフローチャートである。カード読取端末3は、カードの登録を受付けたか(B1)、解除要求信号を受信したか(B4)、カードを読込んだか(B7)を判断している。カードの登録受付があったときは(B1:YES)、カード情報を使用制限データに登録してから(B2)、カード情報に対して使用制限をかける(B3)。
【0016】
図5は、カード読取端末3の使用制限データの一例を示している。使用制限データは、「カード番号」に対応して、「カードID」、「パスワード」、「使用不可」の各項目が設定されている。カードの登録受付時にはカード情報として「カード番号」が登録されると共に、「使用不可」に「不可」が記憶される。このように「使用不可」に不可が記憶された状態では、カードの使用が制限されている。
【0017】
図2は、カード発行会社が発行するカードを示している。カード9にはサイト管理者が運営する会員登録サイトにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を示す2次元コード(例えばQRコード(登録商標))10が印刷されている。
【0018】
さて、サイト管理者は、会員の登録を促進する場合は、遊技場へ来店した遊技者に対してカード9を配布する。
カード9を受取った遊技者が会員登録したい場合は、カード9に印刷されている2次元コード10を携帯電話機7の撮影機能を利用して撮影する。携帯電話機7は、撮影した2次元コード10を解析して当該2次元コード10が示すURLを表示部に表示するので、遊技者は、表示部に表示されたURLを選択することによりインターネット8を通じて当該URLにアクセスする。
【0019】
図6は、サイト管理装置4が公開する会員登録URLにアクセスした場合の会員情報入力画面を示している。会員情報入力画面には、名前入力部11、住所入力部12、メールアドレス入力部13、「会員登録」釦14が表示されている。
【0020】
遊技者が各入力部に必要事項を入力して「会員登録」釦14を選択すると、会員登録完了画面が表示される。このとき、入力された会員登録情報がサイト管理装置4に送信される。
【0021】
図10は、サイト管理装置4の動作を示すフローチャートである。サイト管理装置4は、会員登録を受付けたか(C1)、会員ID及びカード情報の入力が有るか(C4)を判断している。上述のようにして会員登録を受付けたときは(C1:YES)、受付けた会員情報を会員データに登録する(C2)。
【0022】
図3は、会員データの一例を示している。会員データとしては、「登録日」に対応して、「会員ID」、「カードID」、「パスワード」、「氏名」、「住所」、「e-mail」の各項目が設定されている。上述のように会員登録を受付けた場合は、「氏名」、「住所」、「e-mail」に会員情報入力画面で入力された会員情報を登録することになる。
【0023】
次に、サイト管理装置4は、登録されたメールアドレス宛にURLを示す会員登録確認メールを送信する(C3)。
遊技者の携帯電話機7はサイト管理装置4からのメールを受信し、操作に応じて受信したメールを表示する。
【0024】
図7は、遊技者の携帯電話機が受信した会員登録確認メールを示している。会員登録確認メールには、会員登録されたことを示すメッセージと、配布されたカードを使用可能とするための情報としてカード情報入力用URL15が示されている。
【0025】
遊技者は、会員情報を入力してカードの使用を有効としたい場合は、会員登録確認メールが示すカード情報入力用URL15を選択する。
携帯電話機7が選択されたカード情報入力用URL15にアクセスすると、遊技者の携帯電話機7の表示部には、カード情報入力画面が表示される。
【0026】
カード情報入力画面には、カードID入力部16、パスワード入力部17、「完了」釦18が表示される。
遊技者は、カードを使用したい場合は、所望のカードID及びパスワードを入力してから、「完了」釦18を選択する。
【0027】
サイト管理装置4は、図10に示すように会員ID及びカード情報の入力が有ったときは(C4:YES)、会員IDに基づいて新規会員(会員登録から10日以内)か否かの判定を行い(C5)、新規会員と判定した場合は(C5:YES)、入力されたカード情報を会員データに追加してから(C6)、カード情報をカード情報管理装置1に送信する(C7)。尚、新規会員と判定しなかった場合は(C5:NO)、有効期限が切れた旨を表示する(C8)。
【0028】
カード情報管理装置1は、図8に示すようにサイト管理装置4からカード情報を受信したときは(A3:YES)、解除要求信号をカード読取端末3に送信してから(A4)、受信したカード情報を会員データに登録する(A5)。この解除要求信号は、該当するカード番号、入力されたカードID、パスワードを示すものである。
【0029】
カード読取端末3は、図9に示すようにカード情報管理装置1から解除要求信号を受信したときは(B4:YES)、該当するカード番号の使用制限を解除し(B5)、そのことを使用制限データに記録する(B6)。
【0030】
図4に示す例では、「カードID」、「パスワード」を記憶すると共に、「解除要求」に「済」を記憶する。
遊技者は、上述のようにしてカード9の使用制限が解除された場合は、カードは有価証券としての価値を有するので、遊技場に設置されているカード読取端末3に読込ませ、予め登録されている会員ID及びパスワードを入力する。
【0031】
カード読取端末3は、カード9を読込んだ場合は(B7:YES)、図5に示す使用制限データに基づいて読込んだカード9の使用可否を判断し(B8)、使用可能な場合は(B8:YES)、500円分を精算する(B9)。尚、カード9が使用不可の場合は(B8:NO)、使用不可能な表示を行う(B10)。
【0032】
カード発行会社は、図5に示す使用制限データを基に使用制限を解除した場合は、図4に示す解除履歴データの「解除日」に本日の年月日を記憶し、「請求額」として例えば500円を記憶し、「支払状況」に「未」を記憶する。カードの使用可能額相当(一件につき例えば500円)をサイト管理者に請求し、支払われた場合は、図4に示す解除履歴データの「支払状況」に「済」を記憶する。
【0033】
以上のようにして、サイト管理者は、カード9を配ることにより遊技者の会員登録データを収集することができると共に、カード発行会社は、遊技者が会員登録することによりカード代金をサイト管理者から回収することができ、さらに遊技者は、カード9を有価証券として使用することが可能となる。
【0034】
このような実施例によれば、カード会社は、サイト管理者からの要求に応じて使用制限された有価証券としての価値を有するカード9を発行し、遊技者がカード9に印刷されたサイトにアクセスすることにより会員登録した場合は、所定のカード情報を登録することを条件としてカード9の使用制限を解除することにより遊技者によるカード9の使用を許可するようにしたので、カード9自体が金品に相当する品物となり、カード9を受け取った時点では、使用不可能であるにもかかわらず顧客に対して使用しなければ損をすると認識させることができる。これにより、顧客の興味を確実にひきつけ、会員登録する顧客を増やすことができる。
【0035】
また、新規オープンやリニューアルオープンなどのイベント時にカード9を配布する場合には、イベントへ参加させる動機付けともなり、相乗効果を発揮することができる。既に会員登録している者にカードを配布した場合でも、未登録者の友人などに紹介するなどの効果が期待できる。
【0036】
また、会員登録時にメールアドレスを登録し、そのメールアドレスを受信した顧客が所定の会員情報を入力した場合にカードの使用制限を解除するようにしたので、カード情報を入力することなく会員登録を完了してしまった場合に、会員登録をしたにもかかわらず使用制限を解除できないという事態を回避することができる。
【0037】
さらに、会員情報を登録した場合であっても、会員情報の入力の有効期間を設けるようにしたので、直ぐに会員情報を入力することができない顧客の利便性を図ることができる。
【0038】
本発明は、上記実施例に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
新規会員登録時に手持ちのカード9のカード番号を入力させ、会員登録完了と同時に該カード9の使用制限を解除することとしても良い。
【0039】
カード9の印刷するURLを示す2次元コード10に代えて、URLそのものを印刷しても良い。
カード会社は、遊技者が会員登録した場合にサイト管理者に代金を請求するのに代えて、カード9を発行した際に請求するようにしても良い。
【0040】
遊技者がカードを使用した際に、使用相当額を請求するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施例におけるシステムの全体構成を示すブロック図
【図2】カードの正面図
【図3】会員データの一例を示す図
【図4】解除履歴データの一例を示す図
【図5】使用制限データの一例を示す図
【図6】携帯電話機の会員情報入力画面を示す図
【図7】携帯電話機の会員登録確認メールを示す図
【図8】カード情報管理装置の動作を示すフローチャート
【図9】カード読取端末の動作を示すフローチャート
【図10】サイト管理装置の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0042】
図面中、1はカード情報管理装置、3はカード読取端末(制限手段、解除手段)、4はサイト管理装置、6はPC、7は携帯電話機、8はインターネットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット上の登録サイトにアクセスする情報が印刷されているか、または当該情報を持つ宣伝広告媒体を展示し若しくは付した状態で、顧客に配布され、有価価値を特定可能な情報を記憶するカードと、
前記カードが記憶する情報により特定する有価価値としての使用を予め使用制限する制限手段と、
前記登録サイトにアクセスされて所定の会員登録が行われた場合は、会員登録の確認が行われたことを条件として前記制限手段による使用制限を解除する解除手段とを備えたことを特徴とする情報管理システム。
【請求項2】
カード情報の登録可能な期間は、会員情報の登録時に制限されていることを特徴とする請求項1記載の情報管理システム。
【請求項3】
前記解除手段は、前記登録サイトにアクセスされてメールアドレスを含む会員情報の登録が行われた場合は、前記メールアドレスにカード情報登録サイトを示すメールを送信し、前記カード情報登録サイトにアクセスされてカード情報が入力されたことを条件として前記制限手段による使用制限を解除することを特徴とする請求項1記載の情報管理システム。
【請求項4】
カード情報の登録可能な期間は、会員情報の登録後の所定期間内に制限されていることを特徴とする請求項1または3記載の情報管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−86710(P2009−86710A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−251704(P2007−251704)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【特許番号】特許第4185153号(P4185153)
【特許公報発行日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(507321945)DIXEO株式会社 (2)
【Fターム(参考)】