説明

情報表示装置

【課題】簡単な構成で、表示部に表示される情報を容易に変更することができる情報表示装置を提供すること。
【解決手段】情報表示装置1は、道路標識または道路交通に関する情報を表示し、道路100近傍に設置して使用されるものである。この情報表示装置1は、前記情報を表示可能な表示部4と、道路100にほぼ鉛直な姿勢で設置され、外形形状が柱状をなす柱状部7と、柱状部7の上端部72に設けられ、表示部4を支持する支持部8とを有する支柱3と、前記情報を画像Mとして投影する投影部5と、投影された画像Mを表示部4まで導く光学系とを備えている。このような構成の情報表示装置1では、画像Mは、投影部5から投影され、光学系を介して表示部4に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路標識または道路交通に関する情報を表示し、道路近傍に設置して使用される情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、道路標識または道路交通に関する情報(以下、単に「情報」という)を表示し、道路近傍に設置して使用される情報表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の情報表示装置は、多数のLED(発光ダイオード)が配置された表示部(標示部)を有するものである。表示部は、一の方向の矢印を示すように配置された第1のLED群と、前記一の方向と反対の方向(他の方向)の矢印を示すように配置された第2のLED群とで構成されている。このような情報表示装置では、第1のLED群と第2のLED群との点灯状態を制御することにより、表示部が「一の方向の矢印」を表示したり、「他の方向の矢印」を表示したりすることができる。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の情報表示装置では、各LEDの配置が固定されているため、表示部に表示される情報に限りがあった、すなわち、前記2種類の矢印以外の情報を表示することは困難であった。
また、特許文献1の情報表示装置では、道路通行者に対する表示部の視認性を向上させるために、通常、表示部が地上から例えば5〜10m上方に設置される。
しかしながら、この情報表示装置では、表示部を構成する部品が多数存在するため、その大きさや重量が、例えば一般に言われる道路標識(金属板に情報を印刷したもの)に比べて増大したものとなり、前述したように上方に位置する表示部の修理、すなわち、故障時の、故障した表示部と未使用の表示部との交換が煩わしかった。
【0004】
【特許文献1】特開平9−147293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、簡単な構成で、表示部に表示される情報を容易に変更することができる情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の情報表示装置は、道路標識または道路交通に関する情報を表示し、道路近傍に設置して使用される情報表示装置であって、
前記情報を表示可能な表示部と、
前記道路にほぼ鉛直な姿勢で設置され、外形形状が柱状をなす柱状部と、該柱状部の上端部に設けられ、前記表示部を支持する支持部とを有する支柱と、
前記情報を画像として投影する投影部と、
前記投影された画像を前記表示部まで導く光学系とを備え、
前記画像は、前記投影部から投影され、前記光学系を介して前記表示部に表示されることを特徴とする。
これにより、簡単な構成で、表示部に表示される情報を容易に変更することができる。
【0007】
本発明の情報表示装置では、前記投影部は、情報伝達手段から伝達された前記情報を受信し、該受信された情報を前記画像として投影することが好ましい。
これにより、情報伝達手段を介して、時々刻々と変化する道路の状態(例えば道路渋滞等)に適した情報を受信することができ、当該受信された情報を画像として確実に投影することができる。
【0008】
本発明の情報表示装置では、前記表示部に表示される前記画像は、それが表示されたとき、平面視でその全体形状がほぼ長方形または正方形をなすように補正されていることが好ましい。
これにより、歪が抑制または防止された画像を得ることができ、よって、当該画像の道路通行者に対する視認性が向上する。
【0009】
本発明の情報表示装置では、前記表示部は、その表示面が凹状に湾曲する部分を有することが好ましい。
これにより、歪が抑制または防止された画像を得ることができ、よって、当該画像の道路通行者に対する視認性が向上する。
本発明の情報表示装置では、前記投影部は、前記柱状部の下端部近傍に設置されていることが好ましい。
これにより、投影部が道路近傍に位置することとなり、よって、例えば投影部が故障した場合、当該故障した投影部と未使用の投影部との交換を容易に行う、すなわち、修理を容易に行うことができる。
【0010】
本発明の情報表示装置では、前記柱状部には、中空部が形成されており、該中空部を前記投影部から投影された前記画像が通過することが好ましい。
これにより、中空部が、光を表示部まで導く導光路として機能する。
本発明の情報表示装置では、前記柱状部の内周面には、光の反射を防止する反射防止処理が施されていることが好ましい。
これにより、柱状部の中空内で、それを通過する光が反射するのを確実に防止することができ、よって、表示部で鮮明な画像を表示することができる。
【0011】
本発明の情報表示装置では、前記光学系は、前記柱状部の前記中空部内に設置され、前記投影部から投影された前記画像を集光して平行光として出射する投影レンズと、該投影レンズより前記平行光の進行方向前方に位置し、前記平行光を反射する第1のミラーと、該第1のミラーで反射した平行光を前記表示部へ拡大して反射する第2のミラーとを有することが好ましい。
これにより、投影部から投影された画像を表示部まで確実に導くことができる。
【0012】
本発明の情報表示装置では、前記支持部は、前記柱状部に対して前記表示部を回動可能に支持するものであることが好ましい。
表示部に表示された画像が例えば太陽光からの影響により視認し難くなった(視認性が低下した)場合、表示部を回動させることにより、画像の視認性を向上させることができる。
【0013】
本発明の情報表示装置では、前記表示部の少なくとも上方を覆うフード部をさらに備えることが好ましい。
これにより、表示部に表示された画像が太陽光による影響(例えば画像の視認性の低下)を受けるのを抑制または防止することができ、よって、画像の視認性を向上させることができる。
【0014】
本発明の情報表示装置では、前記表示部に表示される前記画像の表示領域が可変であることが好ましい。
これにより、道路通行者に対して注意を促したい情報(画像)を強調して表示することができる。
本発明の情報表示装置では、前記画像と該画像の鏡像とを切り替えて前記表示部に表示可能に構成されていることが好ましい。
これにより、例えば道路を通行する通行者の進行方向(順方向または逆方向)に応じた画像を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の情報表示装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の情報表示装置の第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1に示す情報表示装置を矢印A方向から見た部分縦断面図(正面図)、図3は、図1に示す情報表示装置を矢印B方向から見た部分縦断面図(平面図)、図4は、図1に示す情報表示装置を矢印C方向から見た部分縦断面図(側面図)である。なお、以下では、説明の都合上、図1、図2および図4中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図1中の左右方向を「x軸方向」、上下方向を「z軸方向」、x軸方向およびz軸方向に垂直な方向を「y軸方向」という。
【0016】
各図に示す情報表示装置(以下、単に「表示装置」という)1は、道路標識または道路交通に関する情報を画像Mとして表示し、例えば車両200が通過する道路100近傍に設置して使用される。
「道路標識に関する情報」としては、特に限定されないが、例えば、車両通行止めや最高速度等の規制を表す規制標識、十字路、踏切、横風等の運転上注意が必要な道路状況を表す警戒標識、横断歩道や停止線等の位置を表す指示標識、前記規制標識、前記警戒標識、前記指示標識等の内容を具体的に説明した補助標識等が挙げられる。また、「道路交通に関する情報」としては、特に限定されないが、例えば、渋滞情報、道路工事情報、故障車両や落下物の存在の情報、ETC使用時の高速料金、駐車場の駐車料金や駐車時間等が挙げられる。
【0017】
また、以下、道路標識または道路交通に関する情報を単に「情報」という。
表示装置1は、情報を画像Mとして投影する投影部5と、画像Mを表示可能な表示部(スクリーン)4と、表示部4を支持する支柱3と、投影部5から投影された画像Mを表示部4まで導く光学系14とを有している。以下、各部の構成について説明する。
投影部5は、プロジェクタ(例えば特開平4−147120号公報参照)である。
この投影部5は、それを収納するハウジング2に収納されている。本実施形態では、投影部5は、ハウジング2に収納された状態で、支柱3(柱状部7)の下端部71近傍に設置されている、すなわち、道路100の地下に埋設されている(図1および図2参照)。これにより、投影部5が地表付近(道路100近傍)に位置することとなり、よって、例えば投影部5が故障した場合、当該故障した投影部5と未使用の投影部5との交換を容易に行うことができる。
【0018】
投影部5は、例えば光ファイバで構成された情報伝達手段6に接続されている。この情報伝達手段6は、表示装置1に情報を提供する例えばテレビ局、警察署等に接続されている。これにより、情報伝達手段6を介して、時々刻々と変化する道路100の状態(例えば道路渋滞等)に適した情報を受信することができ、当該受信された情報を画像として確実に投影することができる。
【0019】
支柱3は、ハウジング2の上部21側に設置された柱状部7と、柱状部7の上端部72に設けられた支持部8とを有している。
柱状部7は、例えば金属材料で構成された、外形形状が柱状をなすものである。この柱状部7は、道路100に対して、ほぼ鉛直な(軸線がz軸方向に平行な)姿勢で設置されている。
【0020】
支持部8は、表示部4を支持する部位である。この支持部8は、柱状部7の上端部72からy軸負方向に延在する支持部本体81と、支持部本体81と表示部4とを連結する4本の連結部82とを有している。支持部本体81は、柱状部7とほぼ同様に、例えば金属材料で構成された、外形形状が柱状をなすものである。また、各連結部82は、支持部本体81からx軸負方向に突出したものであり、支持部本体81の長手方向に沿って、互いに間隔をおいて設置されている。
【0021】
図2〜図4に示すように、柱状部7には中空部73が形成されており、支持部本体81には中空部811が形成されている。また、中空部73と中空部811とは、互いに連通している。このような中空部73および中空部811は、それぞれ、投影部5から投影された光L(画像M)が通過する通過路(光路)として機能する。
また、柱状部7の内周面74および支持部本体81の内周面812には、光Lの反射を防止する反射防止処理が施されているのが好ましい。これにより、柱状部7の中空部73および支持部本体81の中空部811内で、それらを通過する光Lが反射するのを確実に防止することができ、よって、表示部4で鮮明な画像Mを表示することができる。なお、反射防止処理としては、特に限定されないが、例えば、黒、濃紺、濃緑等の暗色の塗料等の塗布等が挙げられる。
【0022】
また、支持部8に支持された表示部4は、支持部8(支持部本体81)を介して柱状部7に対してy軸回りに回動可能となっている。表示部4に表示された画像Mが例えば太陽光からの影響により視認し難くなった(視認性が低下した)場合、表示部4を回動させて当該表示部4の姿勢を変位させることにより、画像Mの視認性を向上させることができる。なお、表示部4の回動は、例えばモータ駆動によるものが挙げられる。
【0023】
支持部8には、平板状の表示部4が支持されている。この表示部4は、フレネルレンズやマイクロレンズ等の複数のレンズ基板で構成されたものであり、x軸方向に対して垂直な姿勢で設置されている。これにより、情報を画像Mとして表示することができ、よって、当該画像Mの道路通行者(例えば車両200の運転者)に対する視認性が向上する。
図2〜図4に示すように、光学系14は、投影部5側に設置された投影レンズ10と、2つの第1のミラー11aおよび11bと、1つの第2のミラー13とを有している。
【0024】
投影レンズ10は、凸レンズで構成されたものである。また、投影レンズ10は、柱状部7の下端部71の中空部73内に設置されている。このような投影レンズ10は、投影部5から投影された光L(画像M)を集光して平行光として出射する。
第1のミラー11aは、その鏡面が平面状をなすものである。また、第1のミラー11aは、柱状部7の上端部72の中空部73内に設置されている。図2に示すように、第1のミラー11aの鏡面の法線は、y軸方向およびz軸方向のそれぞれに対して45度の傾斜角度をなしている。このような第1のミラー11aは、投影レンズ10で平行光となった、z軸正方向に直進する光Lをy軸負方向(第1のミラー11b側)に反射する。
【0025】
第1のミラー11bは、第1のミラー11aと同様に、その鏡面が平面状をなすものである。また、第1のミラー11bは、支持部本体81の中央部813の中空部811内に設置されている。図2に示すように、第1のミラー11bの鏡面の法線は、第1のミラー11aの鏡面の法線に対して90度の傾斜角度をなしている。このような第1のミラー11bは、第1のミラー11aで反射してy軸負方向に直進する光L(平行光)をx軸正方向(第2のミラー13側)に反射する。
【0026】
図3および図4に示すように、第2のミラー13は、湾曲凸状をなす鏡面を有するものである。第2のミラー13は、第1のミラー11bに対してx軸正方向に位置している。また、第2のミラー13は、支持部本体81の中央部813に形成されたカバー9内に設置されている。このような第2のミラー13は、第1のミラー11bで反射してx軸正方向に直進する光Lを表示部4へ拡大して反射する。
【0027】
このような構成の光学系14により、投影部5から投影された光Lを表示部4まで確実に導くことができる。
また、表示装置1では、光学系14の各ミラーで画像Mが上下反転および左右反転されるが、このような反転を考慮して、表示部4に表示される画像Mの上下左右が正常となるように、投影部5から画像Mを投影するよう構成されている。
【0028】
また、表示装置1では、画像Mは、表示部4に表示されたとき、平面視でその全体形状がほぼ長方形(または正方形)をなすように補正されている(図2参照)。これにより、歪が抑制または防止された画像Mを得ることができ、よって、当該画像Mの道路通行者に対する視認性が向上する。なお、画像Mの補正方法として、本実施形態の表示装置1では、投影部5により画像Mに対して台形補正を行うよう構成されている。
【0029】
次に、表示装置1の作動について説明する。
情報伝達手段6から伝達された情報は、まず、投影部5に入力される。この入力された情報は、画像Mとして、投影部5からz軸正方向に向けて投影される。
投影部5から投影された光L(画像M)は、前述したように、第1のミラー11aおよび11bで順次反射し、さらに、第2のミラー13で反射する。第2のミラー13で反射した光Lは、画像Mとして表示部4に表示される。
【0030】
このような構成の表示装置1では、前述した投影部5としてプロジェクタを用いている。これにより、表示部4に表示される画像M(情報)を容易に変更することができる。また、表示装置1では、投影部5に従来の構成のプロジェクタを用いることができ、よって、当該投影部5が簡単な構成ものとなる。
また、表示装置1では、投影部5と表示部4とが互いに離間した位置関係となっている、すなわち、投影部5が支柱3の下側に位置し、表示部4が支柱3の上側に位置している。これにより、投影部5および表示部4をそれぞれ独立して修理する(交換する)ことができ、よって、その作業を容易かつ安価に行うことができる。
【0031】
<第2実施形態>
図5は、本発明の情報表示装置の第2実施形態を示す平面図である。
以下、この図を参照して本発明の情報表示装置の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、表示部の形状が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0032】
図5に示す表示装置1Aの表示部4Aは、その下端部42に、表示面が凹状に湾曲する湾曲部41を有している。すなわち、表示部4Aは、その上端部43から下端部42に向かって表示面が徐々に湾曲したものとなっている。
このような表示部4Aにより、画像Mは、表示部4に表示されたとき、平面視でその全体形状が確実にほぼ長方形(または正方形)をなす。これにより、歪が抑制または防止された画像Mを得ることができ、よって、当該画像Mの道路通行者に対する視認性が向上する。また、前記第1実施形態の表示装置1では画像Mに対して台形補正を行っていたが、この補正を行うのを省略することができる。
【0033】
<第3実施形態>
図6は、本発明の情報表示装置の第3実施形態を示す側面図である。
以下、この図を参照して本発明の情報表示装置の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、表示装置がフード部をさらに備えること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0034】
図6に示す表示装置1Bは、フード部(遮光部)20をさらに備えている。フード部20は、天板201と、天板201にその下方に設置された脚部202とで構成されている。天板201は、そのほとんどが水平な姿勢となっているが、図6の構成のように一部が湾曲していてもよい。脚部202は、支持部本体81に対して天板201を支持する部位である。
このようなフード部20により、表示部4の上方を確実に覆うことができる。これにより、表示部4に表示された画像Mが太陽光による影響(例えば画像Mの視認性の低下)を受けるのを抑制または防止することができ、よって、画像Mの視認性を向上させることができる。
【0035】
<第4実施形態>
図7は、本発明の情報表示装置の第4実施形態を示す正面図である。
以下、この図を参照して本発明の情報表示装置の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、表示部に表示される画像の表示領域が可変であること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0036】
図7に示す表示装置1Cは、表示部4に表示される画像Mの表示領域の大きさを変更することができるよう構成されている。例えば、画像Mで表示する情報量に応じて、画像Mの表示領域を図7(a)に示す状態と、図7(b)に示す状態とに変更する。これにより、例えば、道路通行者に対して注意を促したい情報(画像M)を強調して表示することができる。
【0037】
なお、画像Mの表示領域を可変とする方法としては、特に限定されないが、例えば、投影部5の制御による方法、光Lの光路(柱状部7の中空部73)の途中にズームレンズを設置する方法が挙げられる。
また、表示部4における、表示領域が小さくなった画像Mの表示箇所は、図7(b)の構成では表示部4のほぼ中央部44であるが、これに限定されず、例えば、上端部43または下端部44であってもよい。
【0038】
<第5実施形態>
図8は、本発明の情報表示装置(第5実施形態)の使用状態の一例を示す平面図である。
以下、この図を参照して本発明の情報表示装置の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0039】
本実施形態は、表示装置が画像と当該画像の鏡像とを切り替えて表示部に表示可能に構成されていること以外は前記第1実施形態と同様である。
表示装置1Dは、画像Mと画像Mの鏡像M’とを切り替えて表示部4に表示可能に構成されたものである。ここで、「画像Mの鏡像」とは、画像Mの左右を反転させた画像である。
【0040】
図8では、5つの道路100a、100b、100c、100d、100eが図示されている。各道路100a〜100eに、それぞれ、表示装置1Dが設置されている。また、本実施形態では、道路100aおよび100bを通過する車両200は、矢印D方向(順方向)に走行する。また、道路100dおよび100eを通過する車両200は、矢印E方向(逆方向)に走行する。また、道路100cでは、例えば時間帯による交通量の増減に応じて通過可能な車両200の走行方向が、矢印D方向と矢印E方向とに切り替わる。
【0041】
このように道路100cに表示装置1Dが設置されている場合、車両200が矢印D方向に走行するときには表示部4に画像Mを表示し、車両200が矢印E方向に走行するときには表示部4に鏡像M’を表示することができる。
なお、鏡像M’を得る方法としては、特に限定されないが、例えば、光学系14におけるミラーの設置数や設置箇所を適宜変更する方法、投影部5の制御による方法等が挙げられる。
【0042】
以上、本発明の情報表示装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、情報表示装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の情報表示装置は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0043】
また、投影部は、地下に埋設されているが、これに限定されず、例えば、道路上に設置されていてもよい。
また、投影部は、前記各実施形態では有線による遠隔操作されるものであるが、これに限定されず、無線により遠隔操作されるものであってもよい。
また、投影部は、情報伝達手段からの情報を画像として投影するものであるのに限定されず、例えば、予め複数の情報が記憶されたハードディスクやEEPROM等の記憶手段を有し、当該記憶手段の各情報を画像として投影するものであってもよい。また、投影部は、情報伝達手段からの情報と前記記憶手段からの情報とを適宜選択し、選択された情報を画像として投影するよう構成されたものであってもよい。
【0044】
また、投影部は、画像の輝度を変えることができるよう構成されていてもよい。これにより、表示部に表示された画像が例えば太陽光からの影響により視認し難くなった(視認性が低下した)場合、この場合の画像より輝度を高く変更し、画像の視認性を向上させることができる。
また、支持部は、柱状部に対して表示部をy軸回りに回動可能に支持するよう構成されているのに限定されず、例えば表示部をz軸回りに回動可能に支持するよう構成されていてもよいし、表示部をy軸回りおよびz軸回りにそれぞれ回動可能に支持するよう構成されていてもよい。
【0045】
また、表示部は、多数の発光ダイオードが配置された部位を有してもよい。例えば、この部位を、内容が一定の(不変の)情報を表示する部位として用いることができる。
また、本発明の表示装置は、信号機にも適用することができる。例えば、青色、黄色および赤色の3灯以外に青色または黄色の矢印が表示される矢印式信号機に適用し、前記矢印の画像を表示してもよい。このように画像を補助的に表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の情報表示装置の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す情報表示装置を矢印A方向から見た部分縦断面図(正面図)である。
【図3】図1に示す情報表示装置を矢印B方向から見た部分縦断面図(平面図)である。
【図4】図1に示す情報表示装置を矢印C方向から見た部分縦断面図(側面図)である。
【図5】本発明の情報表示装置の第2実施形態を示す平面図である。
【図6】本発明の情報表示装置の第3実施形態を示す側面図である。
【図7】本発明の情報表示装置の第4実施形態を示す正面図である。
【図8】本発明の情報表示装置(第5実施形態)の使用状態の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0047】
1、1A、1B、1C、1D……情報表示装置(表示装置) 2……ハウジング 21……上部 3……支柱 4、4A……表示部(スクリーン) 41……湾曲部 42……下端部 43……上端部 44……中央部 5……投影部 6……情報伝達手段 7……柱状部 71……下端部 72……上端部 73……中空部 74……内周面 8……支持部 81……支持部本体 811……中空部 812……内周面 813……中央部 82……連結部 9……カバー 10……投影レンズ 11a、11b……第1のミラー 13……第2のミラー 14……光学系 20……フード部(遮光部) 201……天板 202……脚部 100、100a、100b、100c、100d、100e……道路 200……車両 M……画像 M’……鏡像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路標識または道路交通に関する情報を表示し、道路近傍に設置して使用される情報表示装置であって、
前記情報を表示可能な表示部と、
前記道路にほぼ鉛直な姿勢で設置され、外形形状が柱状をなす柱状部と、該柱状部の上端部に設けられ、前記表示部を支持する支持部とを有する支柱と、
前記情報を画像として投影する投影部と、
前記投影された画像を前記表示部まで導く光学系とを備え、
前記画像は、前記投影部から投影され、前記光学系を介して前記表示部に表示されることを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記投影部は、情報伝達手段から伝達された前記情報を受信し、該受信された情報を前記画像として投影する請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記表示部に表示される前記画像は、それが表示されたとき、平面視でその全体形状がほぼ長方形または正方形をなすように補正されている請求項1または2に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記表示部は、その表示面が凹状に湾曲する部分を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の情報表示装置。
【請求項5】
前記投影部は、前記柱状部の下端部近傍に設置されている請求項1ないし4のいずれかに記載の情報表示装置。
【請求項6】
前記柱状部には、中空部が形成されており、該中空部を前記投影部から投影された前記画像が通過する請求項5に記載の情報表示装置。
【請求項7】
前記柱状部の内周面には、光の反射を防止する反射防止処理が施されている請求項6に記載の情報表示装置。
【請求項8】
前記光学系は、前記柱状部の前記中空部内に設置され、前記投影部から投影された前記画像を集光して平行光として出射する投影レンズと、該投影レンズより前記平行光の進行方向前方に位置し、前記平行光を反射する第1のミラーと、該第1のミラーで反射した平行光を前記表示部へ拡大して反射する第2のミラーとを有する請求項6または7に記載の情報表示装置。
【請求項9】
前記支持部は、前記柱状部に対して前記表示部を回動可能に支持するものである請求項1ないし8のいずれかに記載の情報表示装置。
【請求項10】
前記表示部の少なくとも上方を覆うフード部をさらに備える請求項1ないし9のいずれかに記載の情報表示装置。
【請求項11】
前記表示部に表示される前記画像の表示領域が可変である請求項1ないし10のいずれかに記載の情報表示装置。
【請求項12】
前記画像と該画像の鏡像とを切り替えて前記表示部に表示可能に構成されている請求項1ないし11のいずれかに記載の情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−279857(P2007−279857A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−102559(P2006−102559)
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】