説明

手持ち式装置

【課題】シェル体、回路基板、平面アンテナ及びスイッチを含む手持ち式装置を提供する。
【解決手段】シェル体11は収納空間111を規定し、外表面113を有し、且つこの収納空間111に回路基板13が設置される。平面アンテナ15はこの外表面113にパターニングされ、且つ第1の接続点1511及び第2の接続点1512を含む金属層151を備える。スイッチ17aはこの金属層151のこの第1の接続点1511とこの第2の接続点1512との間に電気的に接続され、この第1の接続点1511とこの第2の接続点1512との間の電気的な接続を制御するための第1の電極171及び第2の電極172を含む。このスイッチ17aをオンする場合に、この平面アンテナ15は第1の中心周波数帯域で作動でき、このスイッチ17aをオフする場合に、この平面アンテナ15は第2の中心周波数帯域で作動できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は手持ち式装置に関する。具体的には、本発明の手持ち式装置の平面アンテナはスイッチを有し、このスイッチを適当にスイッチングすることによって、この平面アンテナは2つの中心周波数帯域で作動できる。
【背景技術】
【0002】
通信産業の発展に従い、今、人々が無線の送信によって連絡またはデータの伝送を行うことができる。近年、多種な無線通信システムが次々に公開されて実用化され、市販されている携帯電話は2種類以上の無線通信システムにより通信を行うことをサポートすることが多い。例えば、市販している携帯電話は、通常、2G及び3G無線通信システムにより通信を行うことをサポートし、即ち、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーション(Global System For Mobile Communication;GSM)及びユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(Universal Mobile Telecommunications System;UMTS)である。2G及び3G無線通信システムに加え、多くのスマートフォンはさらに無線ネットワーク(Wireless LAN, WLAN)及び3GPPロング・ターム・エボリューション(3GPP Long Term Evolution;3GPP LTE)システムによりパッケージ伝送を行い、また、デジタル・ビデオ・ブロードキャスティング(Digital Video Broadcasting, DVB)システムによりマルチメディア信号を受信し、又は、グローバル・ポジショニング・システム(Global Positioning System)により測位を行うことをサポートする。
【0003】
異なる無線通信システムは、通常、異なる周波数帯域を用いて信号の伝送を行う。携帯電話が多周波で作動する機能を持つために、携帯電話のメーカーは通常、携帯電話に複数のアンテナを装着し、それにより携帯電話は異なる無線通信システムが対応する中心周波数帯域で作動する。平面逆Fアンテナ(Planar Inverted−F Antenna;PIFA)は軽くて薄い外観を有するため、通常携帯電話のアンテナとして用いられる。従来の単周波数帯域平面逆Fアンテナは、共振の電流経路として約1/4波長のラジエーターのみを有し、仮にこの単周波数帯域平面逆Fアンテナが、もっと多い中心周波数帯域で作動しようとすると、その他のパラスティックアンテナ素子(Parasitic Antenna Elements)及び/又はその他のブランチ(Branches)を追加して複数の電流経路を形成する必要がある。
【0004】
また、異なる中心周波数帯域で作動するために、従来の単周波数帯域平面逆Fアンテナはアンテナ素子の追加によって、アンテナ素子間に予想外の結合効果が生じ、アンテナの設計上の複雑さが高まるとともに、アンテナ素子の追加によってもアンテナの体積が大きくなって各種の不都合が生じる。一方、従来の単周波数帯域平面逆Fアンテナはスイッチング方式によっては複数の中心周波数帯域で作動することができない。
【0005】
これに鑑みて、体積が小さく、設計が簡単で、複数の中心周波数帯域で適切に作動できる利点を有する平面アンテナを、どのように設計するかは、業界に差し迫った課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、体積が小さく、設計が簡単で、2つの中心周波数帯域で適切に作動できる利点を有する平面アンテナを備える手持ち式装置を提供することにある。本発明によるこの平面アンテナは、ラジエーターとして手持ち式装置のシェル体にパターニングされた金属層のみを有するため、この平面アンテナの体積は従来の単周波数帯域平面逆Fアンテナの体積に対して相対的に小さくなる。また、本発明の平面アンテナはその他のパラスティックアンテナ素子及び/又はその他のブランチを追加しなくても2つの中心周波数帯域で作動できるため、平面アンテナの設計上の複雑さも低減できる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明はシェル体、回路基板、平面アンテナ及びスイッチを含む手持ち式装置を開示する。このシェル体は収納空間を規定し、外表面を有し、且つこの収納空間にこの回路基板が設置される。この平面アンテナはラジエータとしてこの外表面にパターニングされ、且つ第1の接続点及び第2の接続点を含む金属層を備える。このスイッチはこの金属層のこの第1の接続点とこの第2の接続点との間に電気的に接続され、この第1の接続点とこの第2の接続点との間の電気的な接続を制御するための第1の電極及び第2の電極を含む。このスイッチをオンする場合に、この平面アンテナが第1の中心周波数帯域で作動し、このスイッチをオフする場合に、この平面アンテナが第2の中心周波数帯域で作動する。
【0008】
前記目的、技術特徴、及びメリットをよりわかりやすくするように、以下、好適な実施例および図面に基づいて詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施例の手持ち式装置を示す模式図である。
【図2】本発明の第2の実施例の手持ち式装置を示す模式図である。
【図3】本発明の第3の実施例の手持ち式装置を示す模式図である。
【図4】本発明の第4の実施例の手持ち式装置を示す模式図である。
【図5】本発明の第5の実施例の手持ち式装置を示す模式図である。
【図6】本発明の第6の実施例の手持ち式装置を示す模式図である。
【図7】本発明の第6の実施例の手持ち式装置が異なる周波数帯域で作動する電圧定在波比(VSWR)を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は主に平面アンテナ及びスイッチを含む手持ち式装置に関し、且つこのスイッチが適当に切り替えられてこの平面アンテナが少なくとも2つの中心周波数帯域で作動するようになる。説明すべきことは、以下、実施例は例を挙げて本発明の技術内容を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。なお、以下の実施例及び図面において、本発明に関係ない素子が既に省略して示されず、且つ図面における各素子間の寸法関係はただ分かりやすくするためのものであり、実際の割合を限定するものではない。
【0011】
図1は本発明の第1の実施例の手持ち式装置1を示し、それは携帯電話、ノートパソコン、タブレットパソコン、無線ネットワークルーター又はその他の、多周波で作動する必要がある装置でよい。手持ち式装置1はシェル体11、回路基板13、平面アンテナ15及びスイッチ17を含む。注意すべきことは、説明を簡単化するために、手持ち式装置1のその他の素子、例えば表示モジュール、通信モジュール、入力モジュール、電力供給モジュール及び本発明にあまり関係ない素子は、いずれも図に省略して示されていない。また、本発明の平面アンテナ15は、符号分割多元接続システム(CDMA)、3GPPロング・ターム・エボリューション技術システム(LTE)、グローバル・ポジショニング・システム、デジタル通信システム(Digital Communication System;DCS)、個人通信サービスシステム(Personal Communications Services;PCS)及び通用移動通信システム、デジタル・ビデオ・ブロードキャスティングシステム、グローバル・ポジショニング・システム(Global Positioning System)並びにワールドワイド相互運用マイクロ波アクセス(Worldwide Interoperability for Microwave Access;WiMAX)システム等の各種の通信システムに応用できる。
【0012】
さらには、シェル体11は収納空間111を規定し、且つ内表面112(図示せず)及び外表面113を有する。回路基板13は収納空間111内に設置される。説明すべきことは、前記収納空間111はシェル体11によって被覆された内部空間であり、外表面113は外方に露出したシェル体11のいずれかの表面層であり、内表面112は外表面113に対向し、且つ内方に隠されたシェル体11のいずれかの表面層である。平面アンテナ15は、ラジエーターとして外表面113にパターニングされ、且つ第1の接続点1511及び第2の接続点1512を含む金属層151を備える。説明を簡単化するために、本発明の以下の内容は、主に平面アンテナ15が外表面113に配置されたものを実施例とするが、これに限られない。この技術を熟知するものは勿論、平面アンテナ15をシェル体11の内表面112に配置し、又は、射出成形等の方式で平面アンテナ15をシェル体11内に嵌め入れてもよい。しかしながら、手持ち式装置に最適な受信効果を持たせるために、平面アンテナ15を外表面113に配置することが好ましい実施形態である。
【0013】
金属層151は二重プラスチック射出又はレーザー彫刻技術(Laser Direct Structuring;LDS)等のプロセスにより外表面113にパターニングすることができるが、この2種類のプロセスに限られないため、金属層151を外表面113にパターニングできるプロセスのいずれも本発明の範囲に含まれる。金属層151はラジエーターとして共振の電流経路を形成し、且つ電磁波の放射を起こし、本実施例に記載のパターニングとは、外表面113に所定のパターンの金属層151を形成することを指し、且つ前記所定のパターンは平面アンテナ15が電磁波を放射できる輪郭を広く指すものであり、言い換えれば、従来の平面逆Fアンテナ輪廓又は従来の平面逆Fアンテナ輪廓に基づいて設計した輪廓のいずれも本発明の範囲に含まれる。
【0014】
詳細には、金属層151は接地接続部151a及びフィードイン接続部151bを含む。第1の接続点1511は接地接続部151aにより回路基板13の接地端131に結合され、第2の接続点1512はフィードイン接続部151bにより回路基板13の無線周波数信号端133に結合され、金属層151は平面逆Fアンテナに類似した方式で表現され、且つ電流経路の端点1518を有する。回路基板13は手持ち式装置1全体のシステム接地面と見なされてもよい。スイッチ17は第1の電極171及び第2の電極172を含み、且つ回路基板13に設けられ、第1の電極171は接地接続部151aにより第1の接続点1511に結合され、且つ第2の電極172はフィードイン接続部151bにより第2の接続点1512に結合され、即ち、第1の電極171及び第2の電極172は第1の接続点1511と第2の接続点1512との間に電気的に接続される。このように、スイッチ17のオフとオンによって第1の接続点1511と第2の接続点1512との間の電気的な接続を制御できる。
【0015】
スイッチ17をオンする場合に、平面アンテナ15は第1の中心周波数帯域で作動でき、且つスイッチ17、第1の電極171及び第2の電極172は平面アンテナ15の一部のラジエーターとなり、金属層151と同じ放射機能を持ち、言い換えれば、金属層151、スイッチ17、第1の電極171及び第2の電極172はいずれも平面アンテナ15の一部の電流経路と見なされてもよい。このため、スイッチ17をオンする場合に、電流経路は、基本的に、まず接地端131から始まり、接地接続部151aを経て第1の接続点1511に達し、そして端点1518に延在した第1の部分と、接地端131からも始まり、第1の電極171、スイッチ17及び第2の電極172を経て、そしてフィードイン接続部151bに沿って第2の接続点1512に達し、そして端点1518に延在した第2の部分と、の少なくとも両部分を含み、このため、電流経路は上述した両部分の総和になる。
【0016】
一方、スイッチ17をオフする場合に、平面アンテナ15は第2の中心周波数帯域で作動でき、電流経路はただ接地端131から始まり、接地接続部151aを経て第1の接続点1511に達し、そして端点1518に延在すると計算される。これによって、スイッチ17をオンする場合は、スイッチ17をオフする場合よりも平面アンテナ15の電流経路が長いことが分かった。言い換えれば、平面アンテナ15が第1の中心周波数帯域で作動する周波数は第2の中心周波数帯域で作動する周波数よりも低い。
【0017】
具体的には、スイッチ17をオン・オフする場合に、金属層151上の電流経路が変更されることによって、平面アンテナ15が第1の中心周波数帯域と第2の中心周波数帯域という2つの異なる中心周波数帯域で作動できるようになる。説明すべきことは、スイッチ17は機械スイッチ、電子スイッチ又は第1の接続点1511と第2の接続点1512との間の電気的な接続を制御できるいずれかの素子でよい。なお、本実施例の接地端131と無線周波数信号端133が回路基板13に位置する箇所は単に本発明の手持ち式装置1の一実施形態であり、その他の実施例において、接地端131と無線周波数信号端133が回路基板13に位置する箇所を入れ替えててもよい。また、本発明の実施例に前記した「接続部」は金属導体であり、金属層151が直接延在してなる金属スプリング(Spring)、分離する金属ピン(Pin)、スプリング、金属ポゴピン(Pogo pin)又は金属層151の接続点を回路基板13に電気的に接続できる、いずれかの金属導体でよい。
【0018】
本発明の第2の実施例による手持ち式装置2を図2に示す。説明すべきことは、本実施例において、第1の実施例と同一の素子は同一の素子符号で一部の素子を示し、本実施例に特に説明しない限り、これらの一部の素子のプロセス、特性及び接続等の定義はいずれも第1の実施例に記載したものと同一である。言い換えれば、これらの一部の素子は第1の実施例に同一符号の素子と同じであり、このため、第1の実施例と同一符号の一部の素子の記述はここで再度述べない。
【0019】
具体的には、第2の実施例で第1の実施例と異なるのは、第2の実施例による手持ち式装置2は回路基板13に設置される直流抵抗素子18及び無線周波数抵抗素子19をさらに含み、且つスイッチ17はダイオード素子17aであることにある。ダイオード素子17aの第2の電極172は直流抵抗素子18及びフィードイン接続部151bにより第2の接続点1512に結合され、ダイオード素子17aの第1の電極171は接地接続部151aにより第1の接続点1511に結合される。また、ダイオード素子17aの第2の電極172はさらに無線周波数抵抗素子19により回路基板13の直流信号端135に結合されてダイオード素子17aをオンするかどうかを制御する直流信号を受信する。
【0020】
説明すべきことは、ダイオード素子17aの第2の電極172及び回路基板13の無線周波数信号端133に電気的に接続された直流抵抗素子18は、直流制御信号が回路基板13の無線周波数信号端133に伝達されることを遮断するためのものである。直流抵抗素子18はキャパシタンス素子、直流信号の通過を遮断できるいずれかの素子や素子の組合せでよい。なお、ダイオード素子17aの第2の電極172及び回路基板13の直流信号端135に電気的に接続された無線周波数抵抗素子19は、無線周波数信号流が回路基板13の直流信号端135に伝達することを遮断するためのものである。無線周波数抵抗素子19は、キャパシタンス素子とインダクタンス素子の組合せ、無線周波数信号の通過を遮断できるいずれかの単一素子や素子の組合せでよい。
【0021】
さらには、ダイオード素子17aをオンする場合に、平面アンテナ15は第1の中心周波数帯域で作動し、ダイオード素子17aをオフする場合に、平面アンテナ15は第2の中心周波数帯域で作動する。言い換えれば、ダイオード素子17aをオンするかどうかにより、金属層151に2種類の共振の電流経路が形成され、このため、平面アンテナ15はダイオード素子17aをオンするかどうかを制御することにより、第1の中心周波数帯域と第2の中心周波数帯域で作動する。同様にして、ダイオード素子17aをオンする場合は、ダイオード素子17aをオフする場合よりも平面アンテナ15の電流経路が長い。言い換えれば、平面アンテナ15が第1の中心周波数帯域で作動する周波数は第2の中心周波数帯域で作動する周波数よりも低い。
【0022】
本発明の第3の実施例による手持ち式装置3を図3に示す。第2の実施例と異なり、第3の実施例による手持ち式装置3の金属層151は2つのブロックにパターニングされ、且つ第3の接続点1513及び第1の接続部151cをさらに含み、第1の接続点1511は接地接続部151aにより回路基板13の接地端131に結合され、且つ第2の接続点1512はフィードイン接続部151bにより回路基板13の無線周波数信号端133に電気的に接続される。また、手持ち式装置3は回路基板13に設置される直流抵抗素子18及び無線周波数抵抗素子19をさらに含み、直流抵抗素子18は接地接続部151a及びフィードイン接続部151bにより第1の接続点1511と第2の接続点1512との間に電気的に接続される。
【0023】
同様に、第3の実施例において、スイッチ17はまたダイオード素子17aである。ダイオード素子17aの第1の電極171は接地接続部151aにより金属層151の第1の接続点1511に電気的に接続され、且つダイオード素子17aの第2の電極172は第1の接続部151cにより金属層151の第3の接続点1513に電気的に接続される。第3の接続点1513はさらに第2の接続点1512、フィードイン接続部151b及び無線周波数抵抗素子19により回路基板13の直流信号端135に電気的に接続され、上述した経路方式により第1の接続部151cによってダイオード素子17aに伝達され、且つダイオード素子17aをオンするかどうかを制御するための直流信号を受信する。
【0024】
本発明の第4の実施例による手持ち式装置4を図4に示す。第2の実施例と異なり、第4の実施例による手持ち式装置4の金属層151は2つのブロックにパターニングされ、且つ第3の接続点1513、第4の接続点1514、第1の接続部151c及び第2の接続部151dをさらに含み、第2の接続点1512はフィードイン接続部151bにより回路基板13の無線周波数信号端133に電気的に接続され、且つ第4の接続点1514は接地接続部151aにより回路基板13の接地端131に電気的に接続される。同様に、手持ち式装置4は回路基板13に設置される直流抵抗素子18及び無線周波数抵抗素子19を含み、直流抵抗素子18はこの第1の接続部151c及びフィードイン接続部151bにより第1の接続点1511と第2の接続点1512との間に電気的に接続される。
【0025】
また、スイッチ17はダイオード素子17aである。ダイオード素子17aの第1の電極171は第1の接続部151cにより金属層151の第1の接続点1511に電気的に接続され、且つダイオード素子17aの第2の電極172は第2の接続部151dにより金属層151の第3の接続点1513に電気的に接続される。第3の接続点1513はさらに第2の接続点1512、フィードイン接続部151b及び無線周波数抵抗素子19により回路基板13の直流信号端135に結合される。直流信号は上述した経路方式により第2の接続部151dによってダイオード素子17aに伝達され、且つダイオード素子17aをオンするかどうかを制御するために受信される。
【0026】
本発明の第5の実施例による手持ち式装置5を図5に示す。第2の実施例と異なり、本実施例による手持ち式装置5の金属層151は2つのブロックにパターニングされ、且つ第3の接続点1513、第4の接続点1514、第5の接続点1515、第6の接続点1516、第1の接続部151c、第2の接続部151d、第3の接続部151e及び第4の接続部151fをさらに含み、第2の接続点1512はフィードイン接続部151bにより回路基板13の無線周波数信号端133に電気的に接続され、且つ第4の接続点1514は接地接続部151aにより回路基板13の接地端131に電気的に接続される。さらに、手持ち式装置5は回路基板13に設置される直流抵抗素子18及び無線周波数抵抗素子19をさらに含み、直流抵抗素子18は第3の接続部151e及び第4の接続部151fにより第5の接続点1515と第6の接続点1516との間に結合される。
【0027】
また、スイッチ17もダイオード素子17aであり、ダイオード素子17aの第1の電極171は第1の接続部151cにより金属層151の第1の接続点1511に電気的に接続され、ダイオード素子17aの第2の電極172は第2の接続部151dにより金属層151の第3の接続点1513に電気的に接続され、第3の接続点1513がさらに第2の接続点1512、フィードイン接続部151b及び無線周波数抵抗素子19により回路基板13の直流信号端135に電気的に接続される。直流信号は上述した経路方式により第2の接続部151dによってダイオード素子17aに伝達され、且つダイオード素子17aをオンするかどうかを制御するために受信される。
【0028】
本発明の第6の実施例による手持ち式装置6を図6に示す。第2の実施例と異なる第6の実施例で、第2の実施例と異なるのは、第6の実施例による手持ち式装置6は第2の接続点1512から外表面113の縁に向け、且つ縁に沿って徐々に延在する補助金属層151’をさらに含み、且つ電流経路の端点1517を有し、言い換えれば、補助金属層151’は金属層151及び第2の接続点1512に電気的に接続され、且つ補助金属層151’は外表面113に延在することにある。電流経路全体に基づく構成は補助金属層151’の追加によって変更され、第6の実施例の平面アンテナ15は中心周波数帯域で高周波電流経路と低周波電流経路で同時に作動できる二重周波数モードを達成できる。本発明の技術特徴を説明しやすくために、この金属層および補助金属層の長さ/幅はいずれも模式的に示すものであり、この技術に熟知するものは本発明の精神及び構成で、そのパターニングされた輪郭や範囲を任意に調節できる。
【0029】
さらには、ダイオード素子17aをオンする場合に、平面アンテナ15は第1の低周波電流経路及び第1の高周波電流経路を含む第1の中心周波数帯域で作動できる。この第1の低周波電流経路は、基本的に、まず接地端131から始まり、接地接続部151aを経て第1の接続点1511に達し、そして端点1518に延在した第1の部分と、接地端131からも始まり、第1の電極171、ダイオード素子17a及び第2の電極172を経て、そしてフィードイン接続部151bに沿って第2の接続点1512に達し、そして端点1518に延在した第2の部分との、少なくとも両部分を含み、このため、第1の低周波電流経路は上述した両部分の総和になる。一方、第1の高周波電流経路は、基本的に、まず接地端131から始まり、接地接続部151aを経て第1の接続点1511に達し、そして第2の接続点1512に沿って端点1517に延在した第1の部分と、接地端131からも始まり、第1の電極171、スイッチ17及び第2の電極172を経て、そしてフィードイン接続部151bに沿って第2の接続点1512に達し、そして端点1517に延在した第2の部分との、少なくとも両部分を含み、このため、第1の高周波電流経路は上述した両部分の総和になる。ダイオード素子17aをオンする場合に、平面アンテナ15は二重周波数作動モードを達成できることは明らかである。
【0030】
一方、スイッチ17をオフする場合に、平面アンテナ15は第2の低周波電流経路及び第2の高周波電流経路を含む第2の中心周波数帯域で作動できる。この第2の低周波電流経路はただ接地端131から始まり、接地接続部151aを経て第1の接続点1511に達し、そして端点1518に延在すると計算され、この第2の高周波電流経路も接地端131から始まり、接地接続部151aを経て第1の接続点1511に達し、そして第2の接続点1512に沿って端点1517に延在すると計算方される。同様に、ダイオード素子17aをオフする場合に、平面アンテナ15も二重周波数作動モードを達成できる。これによると、第6の実施例による手持ち式装置6は4種類の作動可能な周波数帯域のモードを含む。
【0031】
例えば、図7は第6の実施例による手持ち式装置6が異なる周波数帯域で作動する電圧定在波比(VSWR)を示す模式図である。図7に示すように、スイッチをオンする場合に、手持ち式装置6の平面アンテナ15は低周波電流経路(LTEシステムで作動できる基本周波数f1)及び高周波電流経路(LTEシステムで作動できる倍増周波数f2)を有する第1の中心周波数帯域で作動できる。スイッチをオフする場合に、手持ち式装置6の平面アンテナ15は低周波電流経路(CDMAシステムで作動できる基本周波数f3)及び2つの高周波電流経路(CDMAシステムで作動できる倍増周波数f4及f5)を有する第2の中心周波数帯域で作動できる。
【0032】
このため、第1、第2の中心周波数帯域は、それぞれ低周波(即ち、基本周波数(fundamental))電流経路と少なくとも1つの高周波(即ち倍増周波数(harmonic))電流経路を有してよい二重周波数作動である。説明すべきことは、図7に示す第1の中心周波数帯域は例えばLTE周波数帯域であり、且つ第2の中心周波数帯域は例えばCDMA850周波数帯域であるが、第1、第2の中心周波数帯域はこれらに限られない。これによって、本発明の第6の実施例は、異なる設計要求に応じて、且つ位置した環境によって、平面アンテナを異なる中心周波数帯域に適応してスイッチングすることができるだけでなく、個別の周波数帯域で少なくとも二重周波数の作動モードを有することで、平面アンテナの信号受信効果及び手持ち式装置の利便性を大幅に向上したことが分かった。
【0033】
以上述べたことをまとめれば、本発明はスイッチを設置することによって平面アンテナの電流経路を変更する。このスイッチはダイオード素子により実現でき、且つ直流信号によりダイオード素子をオンするかどうかを制御する。また、本発明は平面アンテナの金属層(即ち、ラジエーター)を手持ち式装置のシェル体の表面に形成し、且つダイオード素子、直流抵抗素子及び無線周波数抵抗素子を回路基板に設置し、接続部により平面アンテナの金属層に電気的に接続され、このように、回路基板上の電子素子が平面アンテナの特性に影響を与えることを避け、且つ、電子素子を平面アンテナに配置してシェル体の外に露出させると、手持ち式装置全体の設計外観に不適当な影響を与えるだけでなく、これらの電子素子は外力による損傷や人体との接触による影響をさらに受けやすくなって保護されず、有るべき効果を果たすことができなくなる。これらのことから、本発明による手持ち式装置の平面アンテナは、体積が小さく、設計が簡単で、2つの中心周波数帯域で適当に作動できる利点を有する。最も重要なのは、平面アンテナの設計に対して弾力性を持ち、シェル体の外観や形状にかかわらず、シェル体に任意にパターニングすることができ、同時に、アンテナの高度を増加し、これによって、信号受信効果を改善、向上でき、電子素子に限制されて手持ち式装置の内部の回路基板または搭載部に配置しなければならなということがない。
【0034】
本発明の実施様態及び技術特徴を前記実施例を例として開示したが、これは決して本発明を限定するものではなく、当該分野の技術を熟知しているものであれば、本発明の精神と領域を逸脱しない範囲内で、多様な変更や修正を加えることができる。従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0035】
1:手持ち式装置
11:シェル体
111:収納空間
113:外表面
13:回路基板
131:接地端
133:無線周波数信号端
135:直流信号端
15:平面アンテナ
151:金属層
151’:補助金属層
1511:第1の接続点
1512:第2の接続点
1513:第3の接続点
1514:第4の接続点
1515:第5の接続点
1516:第6の接続点
1517:端点
1518:端点
151a:接地接続部
151b:フィードイン接続部
151c:第1の接続部
151d:第2の接続部
151e:第3の接続部
151f:第4の接続部
17:スイッチ
171:第1の電極
172:第2の電極
17a:ダイオード素子
18:直流抵抗素子
19:無線周波数抵抗素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納空間を規定し、外表面を有するシェル体と、
前記収納空間に設置される回路基板と、
前記外表面にパターニングされ、且つ第1の接続点及び第2の接続点を含む金属層を備える平面アンテナと、
前記金属層の前記第1の接続点と前記第2の接続点との間に電気的に接続され、前記第1の接続点と前記第2の接続点との間の電気的な接続を制御するための第1の電極及び第2の電極を含むスイッチと、を備える手持ち式装置であって、
前記スイッチをオンする場合に、前記平面アンテナが第1の中心周波数帯域で作動でき、前記スイッチをオフする場合に、前記平面アンテナが第2の中心周波数帯域で作動できる手持ち式装置。
【請求項2】
前記平面アンテナは接地接続部及びフィードイン接続部をさらに含み、前記第1の接続点は前記接地接続部により前記回路基板の接地端に電気的に接続され、前記第2の接続点は前記フィードイン接続部により前記回路基板の無線周波数信号端に電気的に接続され、前記第1の電極及び前記第2の電極はそれぞれ前記接地接続部及び前記フィードイン接続部により前記金属層の前記第1の接続点と前記第2の接続点との間に電気的に接続される請求項1に記載の手持ち式装置。
【請求項3】
前記回路基板に設置される直流抵抗素子及び無線周波数抵抗素子をさらに含み、前記スイッチは前記回路基板に設置されるダイオード素子であり、前記ダイオード素子の前記第2の電極は前記直流抵抗素子及び前記フィードイン接続部により前記第2の接続点に電気的に接続され、前記ダイオード素子の前記第1の電極は前記接地接続部により前記第1の接続点に電気的に接続され、前記ダイオード素子の前記第2の電極はさらに前記無線周波数抵抗素子により前記回路基板の直流信号端に電気的に接続されて前記ダイオード素子のオン状態を制御するための直流信号を受信する請求項2に記載の手持ち式装置。
【請求項4】
前記平面アンテナは接地接続部、フィードイン接続部、第3の接続点及び第1の接続部をさらに含み、前記第1の接続点は前記接地接続部により前記回路基板の接地端に電気的に接続され、前記第2の接続点は前記フィードイン接続部により前記回路基板の無線周波数信号端に電気的に接続され、前記第1の電極は前記接地接続部により前記第1の接続点に電気的に接続され、前記第2の電極は前記第1の接続部及び第3の接続点により前記第2の接続点に電気的に接続されることによって、前記第1の電極及び前記第2の電極は前記金属層の前記第1の接続点と前記第2の接続点との間に電気的に接続される請求項1に記載の手持ち式装置。
【請求項5】
前記回路基板に設置される直流抵抗素子及び無線周波数抵抗素子をさらに含み、前記直流抵抗素子は前記接地接続部及び前記フィードイン接続部により前記第1の接続点と前記第3の接続点との間に電気的に接続され、前記スイッチは前記回路基板に設置されるダイオード素子であり、前記第2の接続点はさらに前記フィードイン接続部及び前記無線周波数抵抗素子により前記回路基板の直流信号端に電気的に接続されて前記ダイオード素子のオン状態を制御するための直流信号を受信する請求項4に記載の手持ち式装置。
【請求項6】
前記平面アンテナは接地接続部、フィードイン接続部、第3の接続点、第4の接続点、第1の接続部及び第2の接続部をさらに含み、前記第2の接続点は前記フィードイン接続部により前記回路基板の無線周波数信号端に電気的に接続され、前記第4の接続点は前記接地接続部により前記回路基板の接地端に電気的に接続され、前記第1の電極は前記第1の接続部により前記第1の接続点に電気的に接続され、前記第2の電極は前記第2の接続部及び第3の接続点により前記第2の接続点に電気的に接続されることによって、前記第1の電極及び前記第2の電極は前記金属層の前記第1の接続点と前記第2の接続点との間に電気的に接続される請求項1に記載の手持ち式装置。
【請求項7】
前記回路基板に設置される直流抵抗素子及び無線周波数抵抗素子をさらに含み、前記直流抵抗素子は前記第1の接続部及び前記フィードイン接続部により前記第1の接続点と前記第3の接続点との間に電気的に接続され、前記スイッチは前記回路基板に設置されるダイオード素子であり、前記第2の接続点はさらに前記フィードイン接続部及び前記無線周波数抵抗素子により前記回路基板の直流信号端に電気的に接続されて前記ダイオード素子のオン状態を制御するための直流信号を受信する請求項6に記載の手持ち式装置。
【請求項8】
前記回路基板に設置される直流抵抗素子及び無線周波数抵抗素子をさらに含み、前記金属層は第5の接続点、第6の接続点、第3の接続部及び第4の接続部をさらに含み、前記直流抵抗素子は前記第3の接続部及び前記第4の接続部により前記第5の接続点と前記第6の接続点との間に電気的に接続され、前記スイッチは前記回路基板に設置されるダイオード素子であり、前記第2の接続点はさらに前記フィードイン接続部及び前記無線周波数抵抗素子により前記回路基板の直流信号端に電気的に接続されて前記ダイオード素子のオン状態を制御するための直流信号を受信する請求項6に記載の手持ち式装置。
【請求項9】
前記平面アンテナは補助金属層をさらに含み、前記補助金属層は前記金属層及び前記第2の接続点に電気的に接続され、前記補助金属層は前記外表面に延在し、前記スイッチをオンする場合に、前記平面アンテナが前記第1の中心周波数帯域の第1の低周波電流経路及び第1の高周波電流経路で作動でき、前記スイッチをオフする場合に、前記平面アンテナが前記第2の中心周波数帯域の第2の低周波電流経路及び第2の高周波電流経路で作動できる請求項1に記載の手持ち式装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−186777(P2012−186777A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116319(P2011−116319)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(509196132)宏達國際電子股▲分▼有限公司 (4)
【Fターム(参考)】