指示部材、光学式位置検出装置、および入力機能付き表示システム
【課題】姿勢や位置にかかわらず、指示部材、該指示部材を検出対象物体とする光学式位置検出装置、および当該位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムを提供すること。
【解決手段】指示部材20は、光学式位置検出装置において検出対象物体とされる部材であり、丸棒状の軸部25と、軸部25の先端に設けられた球体部26とを備えている。指示部材20は、球体部26の外周面、および軸部25において球体部26に接続された軸端部250の外周面が再帰反射部21になっており、軸端部250に対して基端側に接続された部分251は、赤外光を吸収する光吸収部になっている。
【解決手段】指示部材20は、光学式位置検出装置において検出対象物体とされる部材であり、丸棒状の軸部25と、軸部25の先端に設けられた球体部26とを備えている。指示部材20は、球体部26の外周面、および軸部25において球体部26に接続された軸端部250の外周面が再帰反射部21になっており、軸端部250に対して基端側に接続された部分251は、赤外光を吸収する光吸収部になっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置検出の際の検出対象物体とされる指示部材、該指示部材を検出対象物体とする光学式位置検出装置、および当該位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
対象物体を光学的に検出する光学式位置検出装置としては、例えば、点光源からなる複数の光源部の各々に対して離間した位置に受光部を設け、複数の光源部の各々から透光部材を介して対象物体に向けて検出光を出射した際に、対象物体で反射した検出光が透光部材を透過して受光部で検出されるものが提案されている(特許文献1参照)。また、点光源からなる複数の光源部の各々から出射された検出光を、導光板を介して出射し、対象物体で反射した検出光を受光部で検出する方式の光学式位置検出装置も提案されている(特許文献2、3参照)。かかる光学式位置検出装置では、複数の光源部のうちの一部の光源部が点灯した際の受光部での受光強度と、他の一部の光源部が点灯した際の受光部での受光強度との比較結果に基づいて対象物体の位置を検出する。
【0003】
しかしながら、特許文献1、2、3に記載の光学式位置検出装置では、対象物体で散乱あるいは乱反射した検出光を受光部で受光するため、受光部での受光強度が低く、検出精度が低いという問題点がある。かといって、対象物体に正反射する部分を設けても、対象物体の位置によっては受光部での受光強度が著しく低下するだけで、検出精度の向上を図ることは困難である。
【0004】
一方、光学的に位置検出を行う際の検出対象物体として、外周面が再帰反射部とされた丸棒部を先端に備えた指示部材が提案されている(特許文献4参照)。かかる指示部材によれば、光学ユニットの光源部から出射された検出光が指示部材の再帰反射部で反射して確実に光学ユニットの受光部に入射するので、受光部での受光強度が高いという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2003−534554号公報
【特許文献2】特開2010−127671号公報
【特許文献3】特開2009−295318号公報
【特許文献4】特開2011−14107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献4に記載の指示部材では、再帰反射部とされた丸棒部の全体から反射してきた光に基づいて位置検出を行うため、指示部材が傾いているときには、丸棒部の先端が指示位置であるにもかかわらず、丸棒部の長さ方向の中間位置を指示位置と誤検出してしまう。それ故、特許文献4に記載の指示部材では、丸棒部を長くすることができないので、受光部での受光強度を高めるという効果が小さく、検出精度を十分に高めることができないという問題点がある。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、姿勢や位置にかかわらず、指示位置を精度よく検出することができる指示部材、該指示部材を検出対象物体とする光学式位置検出装置、および当該位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る指示部材は、丸棒状の軸部と、該軸部の先端に設けられた球体部と、を備え、前記球体部の外周面、および前記軸部において前記球体部に接続された軸端部の外周面が再帰反射部になっていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る指示部材は、丸棒状の軸部と、軸部の先端に設けられた球体部とを備えており、かかる球体部の外周面は再帰反射部になっている。このため、光源部から出射された検出光が指示部材の再帰反射部で反射すると、かかる反射光は、光源部の近傍に配置された受光部に入射するので、指示部材の先端部(再帰反射部)の位置を光学的に検出することができる。ここで、指示部材の先端側は球体部になっているため、先端が単なる丸棒である場合に比して投影面積が広い。従って、受光部に入射する反射光の光量が大であるので、位置検出精度が高い。また、球体部であれば、指示部材が斜めに傾いても、投影面積に変化がないので、指示部材が傾いても、位置検出精度が高い。さらに、球体部のみで受光部への入射光量を高めるには、球体部を大きくする必要があり、その場合、指示位置が不明確になる等の支障があるが、本発明では、軸部において球体部に接続された軸端部の外周面も再帰反射部になっているため、受光部への入射光量を高めることができる。ここで、指示部材が光源部に近い位置にある場合、球体部のみに検出光が照射され、軸端部には光が照射されないが、指示部材が光源部に近い位置にある場合、軸端部に光が照射されなくても、受光部への入射光量が高いので、指示位置を精度よく検出することができる。これに対して、指示部材が光源部から遠い位置にある場合、球体部および軸端部に検出光が照射される。従って、指示部材が光源部から遠い位置にある場合でも、受光部への入射光量が高いので、指示位置を精度よく検出することができる。その際、指示部材が傾いていると、球体部の位置と軸端部の位置とがずれることになるが、球体部の投影面積は軸端部の投影面積に比して大であるため、検出誤差を小さくすることができる。
【0010】
本発明において、前記再帰反射部は、前記球体部および前記軸端部において先端側から基端側に向かって再帰反射度が増大していることが好ましい。かかる構成によれば、指示部材が光源部に近い場合には、指示部材の先端側のみに検出光が照射される結果、再帰反射部の狭い領域に検出光が照射される。これに対して、指示部材が光源部から遠い場合には、指示部材の先端側から基端側に向かう広い領域に検出光が照射される結果、再帰反射部の広い領域に検出光が照射されることになる。このような場合でも、球体部および軸端部において先端側から基端側に向かって再帰反射度が増大している構成によれば、指示部材が光源部に近い場合に受光部に到達する検出光の光量と、指示部材が光源部から遠い場合に受光部に到達する検出光の光量の差を小さくすることができる。それ故、指示部材が光源部に近い場合と、指示部材が光源部から遠い場合とにおいて、同等の検出精度を実現することができる。
【0011】
本発明において、前記軸端部の長さ寸法は、前記球体部の直径より短いことが好ましい。かかる構成によれば、球体部および軸端部に検出光が照射されている状態で指示部材が傾いても、球体部の位置と軸端部の位置とのずれに起因する検出誤差を小さくすることができる。
【0012】
本発明において、前記軸端部は、前記球体部の内部に進入可能になっていることが好ましい。かかる構成によれば、軸端部の露出面積を変更することができるので、状況にあった状態で支持部材を用いることができる。例えば、指示部材が光源部から近い場合には、軸端部の露出を小さくし、指示部材が光源部から遠い場合には、軸端部の露出を大きくすることができる。
【0013】
本発明において、前記軸端部は、当該軸端部の基端側に接続された筒部内に進入可能になっている構成を採用してもよい。かかる構成によれば、軸端部の露出面積を変更することができるので、状況にあった状態で支持部材を用いることができる。例えば、指示部材が光源部から近い場合には、軸端部の露出を小さくし、指示部材が光源部から遠い場合には、軸端部の露出を大きくすることができる。
【0014】
本発明において、前記軸端部は、径の異なる複数の筒部が多重に設けられた伸縮部になっており、前記複数の筒部の外周面は前記再帰反射部になっていることが好ましい。かかる構成によれば、軸端部の面積を変更することができるので、状況にあった状態で支持部材を用いることができる。例えば、指示部材が光源部から近い場合には、軸端部の露出を小さくし、指示部材が光源部から遠い場合には、軸端部の露出を大きくすることができる。
【0015】
本発明では、前記軸部において前記軸端部の基端側に接続された部分は、光吸収性を有していることが好ましい。かかる構成によれば、指示部材での反射領域を正確に限定することができるので、指示部材が傾いている場合の検出誤差を小さくすることができる。
【0016】
本発明に係る指示部材を位置検出対象とする光学式位置検出装置は、検出光を出射する光源部と、前記検出光の出射空間に位置する前記指示部材の前記再帰反射部により反射された前記検出光を受光する受光部と、該受光部での受光強度に基づいて前記指示部材の位置を検出する位置検出部と、を有することを特徴とする。
【0017】
かかる光学式位置検出装置において、前記光源部は、前記検出光の出射強度が前記出射空間の一方側から他方側に向かって減少する第1点灯動作と、前記検出光の出射強度が前記他方側から前記一方側に向かって減少する第2点灯動作とを異なる期間に行い、前記位置検出部は、前記第1点灯動作時における前記受光部の受光強度と前記第2点灯動作時における前記受光部の受光強度との比較結果に基づいて前記指示部材の位置を検出する構成を採用することができる。
【0018】
この場合、前記位置検出部は、前記第1点灯動作時および前記第2点灯動作時における前記受光部での受光強度が等しくなったときに前記第1点灯動作時に前記光源部に供給した第1駆動電流値と前記第2点灯動作時に前記光源部に供給した第2駆動電流値との比較結果に基づいて前記指示部材の位置を検出することが好ましい。かかる構成によれば、対象物体の位置によって受光部での受光強度が変化するのを単に利用する場合と違って、受光部での受光強度が大であればある程、検出精度が向上するので、指示部材に再帰反射部を設けたことの効果が顕著である。
【0019】
本発明は、入力機能付き表示システム等、各種のシステムに利用することができる。例えば、光学式位置検出装置と、画像が表示される表示面を備えた表示装置を有し、前記表示面に沿う方向の前記指示部材の位置を前記光学式位置検出装置が検出した結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムにおいて、前記光学式位置検出装置として、本発明に係る光学式位置検出装置を用いることができる。また、光学式位置検出装置と、画像を投射する画像投射装置とを有し、前記画像の投射方向と交差する方向における前記指示部材の位置を前記光学式位置検出装置が検出した結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムにおいて、前記光学式位置検出装置として、本発明に係る光学式位置検出装置を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1に係る位置検出システムの主要部を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る位置検出システムに用いた光学式位置検出装置の受発光ユニットの説明図である。
【図3】図2に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。
【図4】図3に示す受発光ユニットに構成した光源部の構成を模式的に示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る位置検出システムに用いた光学式位置検出装置の電気的構成等を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る位置検出システムにおける位置検出原理を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る位置検出システムにおいて対象物体のXY座標データを取得する原理を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る位置検出システムで用いた指示部材の説明図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る指示部材を用いたことの効果を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る位置検出システムで用いた指示部材の説明図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る位置検出システムで用いた指示部材の説明図である。
【図12】本発明の実施の形態4に係る位置検出システムで用いた指示部材の説明図である。
【図13】本発明の実施の形態5に係る位置検出システムで用いた指示部材の説明図である。
【図14】本発明の実施の形態6に係る位置検出システムで用いた指示部材の説明図である。
【図15】本発明の実施の形態7に係る位置検出システムに用いた光学式位置検出装置の受発光ユニットの説明図である。
【図16】図15に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。
【図17】本発明の実施の形態8に係る位置検出システムに用いた光学式位置検出装置の受発光ユニットの説明図である。
【図18】図17に示す受発光ユニットにおける光源部の説明図である。
【図19】本発明の実施の形態9に係る位置検出システムに用いた光学式位置検出装置の受発光ユニットの説明図である。
【図20】本発明を適用した位置検出システムの具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。
【図21】本発明を適用した位置検出システムの具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、互いに交差する方向をX軸方向およびY軸方向とし、X軸方向およびY軸方向に交差する方向をZ軸方向とする。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側とし、Z軸方向の一方側をZ1側とし、他方側をZ2側として表してある。
【0022】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る位置検出システムの主要部を模式的に示す説明図であり、図1(a)、(b)は、位置検出システムを検出光の出射空間側の斜め方向からみたときの説明図、および位置検出システムを正面からみたときの説明図である。
【0023】
図1において、本形態の位置検出システム1は、対象物体Obの位置を検出する光学式位置検出装置10を有しており、かかる光学式位置検出装置10は、XY平面に沿って放射状に出射した検出光L2を利用して、対象物体Obの位置を検出する。本形態において、位置検出システム1は、XY平面に沿って広がる視認面41をZ軸方向の一方側Z1に備えた視認面構成部材40を有しており、光学式位置検出装置10は、視認面41に沿って検出光L2を出射し、視認面構成部材40に対して視認面41側(Z軸方向の一方側Z1)に位置する対象物体Obの位置を検出する。従って、位置検出システム1の検出対象空間10Rは、光学式位置検出装置10において検出光L2が出射される空間である。かかる位置検出システム1は、光学式位置検出装置10によって、後述する検出対象空間10R内における対象物体ObのXY平面における位置(XY座標)を検出する電子黒板等の入力機能付き表示システムや入力機能付き投射型表示システム等として用いることができる。本形態では、対象物体Obとして、後述する指示部材20が用いられる。
【0024】
本形態の位置検出システム1において、光学式位置検出装置10は、視認面41(XY平面)に沿って検出光L2を放射状に出射する線状の光源部12(線状光源部)と、検出光L2の出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光する受光部13とを備えている。
【0025】
本形態においては、光源部12として、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1に離間する位置で検出対象空間10Rに向く第1光源部12Aおよび第2光源部12Bが用いられており、第1光源部12Aと第2光源部12Bとは、X軸方向で離間し、Y軸方向では同一の位置にある。また、本形態においては、受光部13として、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1に離間する位置で検出対象空間10Rに向く第1受光部13Aおよび第2受光部13Bが用いられており、第1受光部13Aと第2受光部13Bとは、X軸方向で離間し、Y軸方向では同一の位置にある。
【0026】
ここで、第1受光部13Aは、第1光源部12Aから放射状に出射される検出光L2(検出光L2a)の放射中心位置に配置されており、第1受光部13Aと第1光源部12Aとは第1受発光ユニット15Aとして一体化されている。また、第2受光部13Bは、第2光源部12Bから放射状に出射される検出光L2(検出光L2b)の放射中心位置に配置されており、第2受光部13Bと第2光源部12Bとは第2受発光ユニット15Bとして一体化されている。
【0027】
後述するように、光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)は各々、LED(発光ダイオード)からなる光源を備えており、ピーク波長が840〜1000nmに位置する赤外光からなる検出光L2(検出光L2a、L2b)を放射状に出射する。なお、受光部13は、受光素子として、フォトダイオードやフォトトランジスター等を備えており、本形態において、受光部13は赤外域に感度ピークを備えたフォトダイオードを備えている。
【0028】
かかる第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは、視認面構成部材40よりZ軸方向の一方側Z1に突出した位置にある。また、第1受発光ユニット15Aと第2受発光ユニット15Bとは異なるタイミングで動作する。より具体的には、第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源部12Aから検出光L2aが出射された際、第1受光部13Aは、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2a(反射光L3)を受光する。かかる動作とは異なるタイミングで、第2受発光ユニット15Bにおいて、第2光源部12Bから検出光L2bが出射された際、第2受光部13Bは、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2b(反射光L3)を受光する。
【0029】
(光源部12の具体的構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る位置検出システム1に用いた光学式位置検出装置10の受発光ユニットの説明図である。図3は、図2に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。図4は、図3に示す受発光ユニットに構成した光源部12の構成を模式的に示す説明図であり、第1点灯動作時に検出光L2が出射される様子を示す説明図、および第2点灯動作時に検出光L2が出射される様子を示す説明図である。
【0030】
図2に示すように、本形態の光学式位置検出装置10において、第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは同一の構成を有しており、それ故、第1光源部12Aおよび第2光源部12Bも同一の構成を有している。より具体的には、第1受発光ユニット15Aは、Z軸方向からみたときに扇形形状あるいは半円形状を有する光源支持部材150を有している。かかる光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151および第2光源支持部材152は各々、扇形形状あるいは半円形状の鍔部156a、156bを備えている。鍔部156a、156bにより挟まれた部分は、第1光源部12Aから検出光L2が出射される出射部になっており、鍔部156a、156bは、Z軸方向における検出光L2の出射範囲を制限している。
【0031】
第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源部12Aは、検出光L2の出射部として、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えている。第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とによってZ軸方向で挟まれた部分は透光性の導光部128になっており、かかる導光部128の奥にフォトダイオードを備えた第1受光部13Aが配置されている。ここで、第1受発光ユニット15Aは、光源支持部材150の中心角が概ね180°であり、第1光源部12Aは、概ね180°の角度範囲にわたって形成されている。第2受発光ユニット15Bも、第1受発光ユニット15Aと同様な構成を有しているため、説明を省略する。
【0032】
図3に示すように、第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、発光ダイオード等の発光素子からなる光源120、および円弧状のライトガイドLGを備えている。第2受発光ユニット15Bにおいても、第1受発光ユニット15Aと同様、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、発光ダイオード等の発光素子からなる光源120、および円弧状のライトガイドLGを備えている。
【0033】
より具体的には、図4に示すように、第1光源モジュール126は、光源120として、赤外光を出射する発光ダイオード等の発光素子からなる第1光源121を備えているとともに、円弧状のライトガイドLGを備えており、第1光源121は、ライトガイドLGの一方の端部LG1に配置されている。また、第1光源モジュール126は、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3に沿って、光学シートPSおよびルーバーフィルムLF等を備えた円弧状の照射方向設定部LEを備え、ライトガイドLGの円弧状の内周面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。第2光源モジュール127も、第1光源モジュール126と同様、光源120として、赤外光を出射する発光ダイオード等の発光素子からなる第2光源122を備えているとともに、円弧状のライトガイドLGを備えており、第2光源122は、ライトガイドLGの他方の端部LG2に配置されている。また、第2光源モジュール127も、第1光源モジュール126と同様、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3に沿って、光学シートPSおよびルーバーフィルムLF等を備えた円弧状の照射方向設定部LEを備え、ライトガイドLGの円弧状の内周面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。なお、ライトガイドLGの外周面LG3および内周面LG4のうちの少なくとも一方には、ライトガイドLGからの検出光L2の出射効率を調整するための加工が施されており、かかる加工手法としては、例えば反射ドットを印刷する方式や、スタンパーやインジェクションにより凹凸を付す成型方式や、溝加工方式を採用することができる。第2受発光ユニット15Bも、第1受発光ユニット15Aと同様な構成を有しているため、説明を省略する。
【0034】
(位置検出部等の構成)
図5は、本発明の実施の形態1に係る位置検出システム1に用いた光学式位置検出装置10の電気的構成等を示す説明図である。
【0035】
本形態の位置検出システム1に用いた光学式位置検出装置10において、図1〜図4等を参照して説明した第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは、図5に示す制御用IC70に電気的接続されている。ここで、制御用IC70は、第1受発光ユニット15Aに電気的接続された第1制御用IC70Aと、第2受発光ユニット15Bに電気的接続された第2制御用IC70Bとからなり、第1受発光ユニット15Aの第1光源部12Aおよび第1受光部13Aは、第1制御用IC70Aに電気的接続されている。また、第2受発光ユニット15Bの第2光源部12Bおよび第2受光部13Bは、第2制御用IC70Bに電気的接続されている。
【0036】
第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70Bは、同一構成を有しており、いずれも共通の制御装置60に電気的接続されている。まず、第1制御用IC70Aは、基準クロック、A相基準パルス、B相基準パルス、タイミング制御パルス、同期クロック等を生成する複数の回路(図示せず)を有している。また、第1制御用IC70Aは、A相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75aと、B相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75bと、パルス発生器75aおよびパルス発生器75bが生成した駆動パルスを第1光源部12Aの第1光源121および第2光源122の何れに印加するかを制御するスイッチ部76とを有している。かかるパルス発生器75a、75b、およびスイッチ部76は光源駆動部51を構成している。
【0037】
また、第1制御用IC70Aは、第1受光部13Aでの検出結果を増幅する増幅部等を備えた受光量測定部73と、受光量測定部73での測定結果に基づいてパルス発生器75a、75bを制御して第1光源部12Aの光源120(第1光源121および第2光源122)に供給する駆動パルスの駆動電流値(第1駆動電流値)を調整する調整量算出部74とを備えている。かかる受光量測定部73および調整量算出部74は、位置検出部50の一部の機能を担っている。
【0038】
第2制御用IC70Bも、第1制御用IC70Aと同様、第2受光部13Bでの検出結果を増幅する増幅部等を備えた受光量測定部73や、受光量測定部73での測定結果に基づいてパルス発生器75a、75bを制御して第2光源部12Bの光源120(第1光源121および第2光源122)に供給する第2駆動電流値を調整する調整量算出部74等を備えている。かかる受光量測定部73および調整量算出部74は、位置検出部50の一部の機能を担っている。
【0039】
第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70Bは、パーソナルコンピューター等の上位の制御装置60の制御部61によって制御されており、かかる制御装置60は、受光量測定部73および調整量算出部74とともに位置検出部50を構成する座標データ取得部55を有している。従って、本形態において、位置検出部50は、制御用IC70(第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70B)の受光量測定部73および調整量算出部74と、上位の制御装置60(パーソナルコンピューター)の座標データ取得部55とによって構成されている。
【0040】
本形態では、光源部12として、互いに離間した位置に配置された第1光源部12Aと第2光源部12Bとを有している。従って、座標データ取得部55は、第1光源部12Aに対する駆動結果に基づいて、第1光源部12Aの放射中心に対する対象物体Obの角度位置を検出する第1角度位置検出部551と、第2光源部12Bに対する駆動結果に基づいて、第2光源部12Bの放射中心に対する対象物体Obの角度位置を検出する第2角度位置検出部552とを有している。また、座標データ取得部55は、第1角度位置検出部551で得られた対象物体Obの角度位置と、第2角度位置検出部552で得られた対象物体Obの角度位置とに基づいて対象物体ObのXY座標データを確定する座標データ確定部553を備えている。
【0041】
なお、本形態では、第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bに対して1対1の関係をもって2つの制御用IC70(第1制御用IC70A、第2制御用IC70B)を用いたが、制御用IC70を多チャンネル化し、1つの制御用IC70によって第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bを駆動してもよい。
【0042】
(座標検出原理)
図6は、本発明の実施の形態1に係る位置検出システム1における位置検出原理を示す説明図であり、図6(a)、(b)は光強度分布の説明図、および対象物体が存在する位置情報(方位情報)を取得する方法の説明図である。図7は、本発明の実施の形態1に係る位置検出システム1において対象物体ObのXY座標データを取得する原理を示す説明図である。
【0043】
図4に示すように、本形態の光学式位置検出装置10において、図5を参照して説明した光源駆動部51は、光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)のいずれにおいても、第1期間において検出光L2の出射強度が検出光L2の出射角度範囲の一方側から他方側に向かって減少する第1点灯動作と、第1期間とは重ならない第2期間において検出光L2の出射強度が検出光L2の出射角度範囲の他方側から一方側に向かって減少する第2点灯動作とを行わせる。
【0044】
より具体的には、光源駆動部51は、第1光源部12Aに対して、第1点灯動作時には、第1光源モジュール126の第1光源121を点灯させ、検出対象空間10Rに検出光L2を出射させる。その際、第2光源122は消灯状態にある。その結果、検出対象空間10Rには第1光強度分布LID1が形成される。かかる第1光強度分布LID1は、図4(a)に矢印の長さにより出射光の強度を示すように、一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。
【0045】
また、光源駆動部51は、第1光源部12Aに対して、第2点灯動作時には、第2光源モジュール127の第2光源122を点灯させ、検出対象空間10Rに検出光L2を出射させる。その際、第1光源121は消灯状態にある。その結果、検出対象空間10Rには第2光強度分布LID2が形成される。かかる第2光強度分布LID2は、図4(b)に矢印の長さにより出射光の強度を示すように、他方の端部LG2に対応する角度方向から一方の端部LG1に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。
【0046】
なお、第2光源部12Bにおいて、第1光源モジュール126の第1光源121が点灯した第1点灯動作時、および第2光源モジュール127の第2光源122が点灯した第2点灯動作時にも、第1光源部12Aと同様、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2が形成される。従って、後述するように、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を利用すれば、第1光源部12Aおよび第2光源部12Bの中心PEの距離DS(図6参照)が固定であるので、対象物体Obの位置を検出することができる。
【0047】
(対象物体Obの角度位置の検出)
まず、第1光源部12Aの第1光源モジュール126において、第1光強度分布LID1を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図6(a)に線E1で示す直線関係にある。また、第1光源部12Aの第2光源モジュール127において、第2光強度分布LID2を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図6(a)に線E2で示す直線関係にある。ここで、図6(b)および図7に示すように、第1光源部12Aの中心PE(第1光源モジュール126の中心/検出光L2の放射中心位置)からみて角度θの方向に対象物体Obが存在するとする。この場合、第1光強度分布LID1を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINTaとなる。これに対して、第2光強度分布LID2を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINTbとなる。従って、第1光強度分布LID1を形成した際の第1受光部13Aでの検出強度と、第2光強度分布LID2を形成した際の第2受光部13Bでの検出強度とを比較して、強度INTa、INTbの関係を求めれば、図6(b)および図7に示すように、第1光源部12Aの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1/角度位置)を求めることができる。
【0048】
かかる原理を利用して、対象物体Obの角度位置(角度θ1)を検出するにあたって、本形態では、第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126によって第1光強度分布LID1を形成した際の第1受光部13Aでの検出強度と、第2光源モジュール127によって第2光強度分布LID2を形成した際の第1受光部13Aでの検出強度とが等しくなるように、第1光源121に対する第1駆動電流値、および第2光源122に対する第2駆動電流値を調整する。ここで、第1光源部12Aからの検出光L2の出射強度は、第1光源121に対する第1駆動電流値、および第2光源122に対する第2駆動電流値に比例する。従って、第1光源121に対する第1駆動電流値、および第2光源122に対する第2駆動電流値を調整した後の第1駆動電流値と第2光源122との比や差、あるいは駆動電流値を調整した際の調整量の比や差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求めることができる。
【0049】
より具体的には、まず、図5に示す第1制御用IC70Aの光源駆動部51は、第1点灯動作として第1光源121を点灯させて第1光強度分布LID1を形成した後、第2点灯動作として第2光源122を点灯させて第2光強度分布LID2を形成する。この際、第1光強度分布LID1と第2光強度分布LID2とは強度変化の向きは逆向きであるが、強度レベルは同一である。そして、図5に示す位置検出部50の調整量算出部74は、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTaと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTbとを比較し、受光強度INTa、INTbが相違している場合、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTaと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTbとが等しくなるように、第1光源121に対する第1駆動電流値、および第2光源122に対する第2駆動電流値を調整する。そして、再度、第1点灯動作と第2点灯動作とを行った際に、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTaと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTbとが等しければ、図5に示す第1角度位置検出部551は、かかる調整を行った後の第1光源121および第2光源122に対する駆動電流の比や差、あるいは駆動電流の調整量の比や差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求める。
【0050】
かかる動作を第2光源部12Bにおいても行えば、図5に示す第2角度位置検出部552は、第2光源部12Bの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ2/角度位置)を求めることができる。
【0051】
従って、図5に示す座標データ確定部553は、第1角度位置検出部551で検出した角度位置(角度θ1の方向)と、第2角度位置検出部552で検出した角度位置(角度θ2の方向)の交点に相当する位置を対象物体Obが位置するXY座標データとして取得する。
【0052】
(指示部材の構成)
図8は、本発明の実施の形態1に係る位置検出システム1で用いた指示部材の説明図であり、図8(a)、(b)は、指示部材の使用態様等を示す説明図、再帰反射部の一例を示す説明図、および再帰反射の原理を示す説明図である。
【0053】
本形態の位置検出システム1において、対象物体Obとしては、図8(a)に示す棒状の指示部材20が用いられ、かかる指示部材20は、基端側を使用者が握って先端側で所定の位置を指示する。本形態において、指示部材20は、丸棒状の軸部25と、軸部25の先端に設けられた球体部26とを備えており、球体部26の外径寸法は軸部25の外径寸法より大である。ここで、指示部材20は、球体部26の外周面、および軸部25において球体部26に接続された軸端部250の外周面が再帰反射部21になっている。また、軸部25において、再帰反射部21となっている軸端部250に対して基端側に接続された部分251は、検出光L2として用いた赤外光を吸収する光吸収部になっている。
【0054】
再帰反射部21は、例えば、図8(b)に示すように、球体部26の外周面、および軸端部250の外周面に対してガラスビーズ等の透光性の球体29を複数、樹脂層27等で固定した構成を有しており、矢印で示すように、入射した光を、入射した角度にかかわらず、再び、入射した方向に反射する再帰反射性を有している。より具体的には、図8(c)に示すように、球体29に入射した光は、球体29に入射する際の屈折、球体29内における球体29と樹脂層27との界面での反射、および球体29から出射する際の屈折によって、入射した方向に反射する。従って、図1〜図7を参照して説明した位置検出システム1において、光源部12から放射状に検出光L2が出射された際、指示部材20(対象物体Ob)に照射された検出光L2は、指示部材20(対象物体Ob)がいずれの位置にあっても、指示部材20の再帰反射部21により、光源部12の中心PE(放射中心位置)に向けて反射され、受光部13で受光される。なお、再帰反射部21は、半球状のガラスビーズやプリズム片の集合体等を用いて構成される場合もある。
【0055】
(本形態の主な効果)
図9は、本発明の実施の形態1に係る指示部材20を用いたことの効果を示す説明図であり、図9(a)、(b)、(c)は、全体が丸棒状で先端側が再帰反射部21Aになっている参考例1に係る指示部材20Aを用いた様子を示す説明図、丸棒状の軸部25Bの先端に球体部26Bを備え、球体部26Bのみが再帰反射部21Bになっている参考例2に係る指示部材20Bを用いた様子を示す説明図、および本発明を適用した指示部材20を用いた様子を示す説明図である。なお、図9の上半部には、指示部材20A、20B、20が視認面41に対して直角姿勢である場合を示し、図9の下半部には、指示部材20A、20B、20が視認面41に対して斜め姿勢である場合を示してある。
【0056】
図1〜図8を参照して説明したように、本形態の位置検出システム1において、光学式位置検出装置10では、光源部12が検出光L2を出射した際、受光部13は、検出光L2の出射空間に位置する対象物体Obで反射された検出光L2(反射光L3)を受光し、位置検出部50は、受光部13での受光強度に基づいて対象物体Obの位置を検出する。
【0057】
ここで、対象物体Obは、図8および図9(c)に示すように、外周面に再帰反射部21を備えた指示部材20であり、再帰反射部21では、検出光L2が照射された方向に検出光を反射する。このため、対象物体Obの位置にかかわらず、対象物体Obに照射された検出光L2が反射する方向が定まっているので、本形態のように、光源部12が位置する方向に受光部13を配置すれば、指示部材20で反射した検出光L2は、十分な強度をもって受光部13に到達する。特に本形態において、光源部12は、検出光L2を放射状に出射する線状光源部であるため、受光部13は、検出光L2の放射中心位置(中心PE)に配置してある。このため、光源部12から出射された検出光L2は、指示部材20の再帰反射部21で反射して光源部12の放射中心に向けて再帰反射してくることになる。従って、対象物体Obの位置にかかわらず、指示部材20で反射した検出光L2は、十分な強度をもって受光部13に到達するので、検出精度を向上することができる。
【0058】
また、本形態の指示部材20は、丸棒状の軸部25と、軸部25の先端に設けられた球体部26とを備えており、かかる球体部26の外周面は再帰反射部21になっている。このため、図9(a)に示す指示部材20Aのように、先端が単なる丸棒である場合に比して再帰反射部21の投影面積が広い。従って、本形態によれば、受光部13に入射する反射光L3の光量が大であるので、位置検出精度が高い。また、図9(a)に示す指示部材20Aの場合、指示部材20Aが傾いているときには、丸棒部の先端が指示位置であるにもかかわらず、丸棒部の長さ方向の中間位置を指示位置と誤検出してしまう。しかるに本形態では、図9(c)に示すように、本形態の指示部材20の場合、指示部材20が斜めに傾いても、先端の球体部26が広い投影面積を有するので、指示部材20の姿勢にかかわらず、指示位置(指示部材20の先端(球体部26))の位置を正確に検出することができる。
【0059】
さらに、本形態の指示部材20は、球体部26の外周面および軸部25の軸端部250の外周面が再帰反射部21になっている。このため、図9(b)に示す指示部材20Bのように、球体部26B(再帰反射部21B)のみで受光部13への入射光量を高めるには、球体部26Bを大きくする必要があり、その場合、指示位置が不明確になる等の支障があるが、本形態では、球体部26に接続された軸端部250の外周面も再帰反射部21になっているため、受光部13への入射光量を高めることができる。それ故、指示部材20の先端の位置を精度よく検出することができる。
【0060】
また、指示部材20が光源部12に近い場合には、受光部13での受光強度が大となる傾向にある一方、球体部26の先端側のみに検出光L2が照射される分、再帰反射部21の狭い領域に検出光L2が照射される。これに対して、指示部材20が光源部12から遠い場合には、受光部13での受光強度が小となる傾向にある一方、指示部材20の先端側から基端側に向かう広い領域に検出光L2が照射される結果、再帰反射部21の広い領域に検出光L2が照射されることになる。従って、指示部材20が光源部12に近い場合に受光部13に到達する検出光の光量と、指示部材20が光源部12から遠い場合に受光部13に到達する検出光L2の光量の差を小さくすることができる。それ故、指示部材20が光源部12に近い場合と、指示部材20が光源部12から遠い場合とにおいて、同等の検出精度を実現することができる。
【0061】
ここで、指示部材20が光源部12に近い位置にある場合、球体部26のみに検出光L2が照射され、軸端部250には検出光L2が照射されないことから、本形態の指示部材20は、図9(b)に示す指示部材20Bと同程度の効果しか得られない。ここで、指示部材20が光源部12に近い位置にある場合、軸端部250に検出光L2が照射されなくても、受光部13への入射光量が高いので、指示位置を精度よく検出することができる。
【0062】
これに対して、指示部材20が光源部12から遠い位置にある場合、本形態では、球体部26および軸端部250の双方に検出光が照射される。従って、図9(b)に示す指示部材20Bと違って、本形態の指示部材20では、指示部材20が光源部12から遠い位置にある場合でも、球体部26および軸端部250での反射光L3が受光部13に入射する。従って、本形態によれば、受光部13での受光強度が高いので、指示位置を精度よく検出することができる。その際、指示部材20が傾いていると、球体部26の位置と軸端部250の位置とがずれることになるが、球体部26の投影面積は軸端部250の投影面積に比して大であるため、検出誤差は極めて小さい。
【0063】
また、本形態の指示部材20の軸部25において、軸端部250に基端側に接続された部分251は光吸収性を有している。このため、指示部材20での反射領域を正確に限定することができるので、指示部材20が傾いている場合の検出誤差を小さくすることができる。
【0064】
また、本形態において、位置検出部50は、光源部12での第1点灯動作時および第2点灯動作時における受光部13での受光強度が等しくなるように第1点灯動作時に光源部12に供給する第1駆動電流値と、第2点灯動作時に光源部12に供給する第2駆動電流値との比較結果に基づいて角度位置を検出する。かかる構成によれば、対象物体Obの位置によって受光部13での受光強度が変化するのを直接利用して対象物体Obの角度位置を検出する場合と違って、受光部13での受光強度が大であればある程、検出精度が向上するので、再帰反射部21を備えた指示部材20を用いた場合の効果が大きい。
【0065】
また、本形態では、光源部12を2つ備え、2つの光源部12の各々の放射中心位置に受光部13が配置されている。従って、2つの光源部のいずれにおいても、光源部12から出射された検出光L2は、指示部材20の再帰反射部21で反射して光源部12の放射中心に向けて再帰反射してくることになる。従って、対象物体Obの位置にかかわらず、指示部材20で反射した検出光は、十分な強度をもって受光部13に到達するので、検出精度を向上することができる。
【0066】
さらに、検出光L2は赤外光であるため、視認されない。従って、視認面41に情報が表示されている場合でも、検出光L2が情報の視認を妨げないという利点がある。
【0067】
[実施の形態2]
図10は、本発明の実施の形態2に係る位置検出システム1で用いた指示部材20の説明図であり、図10(a)、(b)、(c)は、指示部材20の先端側を模式的に示す説明図、指示部材20が光源部12に近い場合の様子を示す説明図、および指示部材20が光源部12から遠い場合の様子を示す説明図である。なお、本形態および後述する実施の形態3〜6の指示部材20の基本的な構成や、位置検出システム1および光学式位置検出装置10の基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、対応する部分には同一の符号を付して、それらの説明を省略する。
【0068】
図10(a)に示すように、本形態の指示部材20も、実施の形態1と同様、丸棒状の軸部25と、軸部25の先端に設けられた球体部26とを備えており、球体部26の外周面および軸端部250の外周面が再帰反射部21になっている。ここで、再帰反射部21は、球体部26および軸端部250において先端側から基端側に向かって再帰反射度が連続的あるいは段階的に増大している。本形態では、球体部26および軸端部250において先端側から基端側に向かって再帰反射度が段階的に増大している。
【0069】
このため、図10(b)に示すように、指示部材20が光源部12に近い場合には、受光部13での受光強度が大となる傾向にある一方、再帰反射部21のうち、再帰反射度が低い先端側のみに検出光L2が照射される。これに対して、図10(c)に示すように、指示部材20が光源部12から遠い場合には、受光部13での受光強度が小となる傾向にある一方、再帰反射部21のうち、再帰反射度が高い部分まで検出光L2が照射される。従って、指示部材20が光源部12に近い場合に受光部13に到達する検出光の光量と、指示部材20が光源部12から遠い場合に受光部13に到達する検出光L2の光量の差を小さくすることができる。それ故、指示部材20が光源部12に近い場合と、指示部材20が光源部12から遠い場合とにおいて、同等の検出精度を実現することができる。
【0070】
[実施の形態3]
図11は、本発明の実施の形態3に係る位置検出システム1で用いた指示部材20の説明図である。図11に示すように、本形態の指示部材20も、実施の形態1と同様、丸棒状の軸部25と、軸部25の先端に設けられた球体部26とを備えており、球体部26の外周面および軸端部250の外周面が再帰反射部21になっている。
【0071】
ここで、軸端部250の長さ寸法は、球体部26の直径より短い。このため、図9(c)に示すように、指示部材20が光源部12から遠い位置にあって、球体部26および軸端部250に検出光が照射されている状態で、指示部材20が傾いても、球体部26の位置と軸端部250の位置とのずれに起因する検出誤差を小さくすることができる。
【0072】
[実施の形態4]
図12は、本発明の実施の形態4に係る位置検出システム1で用いた指示部材20の説明図であり、図12(a)、(b)は、軸端部250の長さ寸法が長い場合の説明図、および軸端部250の長さ寸法を短くした場合の説明図である。図12(a)に示すように、本形態の指示部材20も、実施の形態1と同様、丸棒状の軸部25と、軸部25の先端に設けられた球体部26とを備えており、球体部26の外周面および軸端部250の外周面が再帰反射部21になっている。
【0073】
ここで、軸端部250は、矢印S1で示すように、球体部26の内部に進入可能になっている。このため、軸端部250の露出面積を変更することができる、例えば、指示部材20で光源部12に近い位置を指示する場合、矢印S1で示すように、軸端部250を球体部26の内部に進入させて、図12(b)に示すように、軸端部250の露出面積(長さ寸法)を狭くすることができる。また、指示部材20で光源部12から遠い位置を指示する場合、矢印T1で示すように、軸端部250を球体部26から引き出して、図12(a)に示すように、軸端部250の露出面積(長さ寸法)を広くすることができる。それ故、指示部材20が傾いても、球体部26の位置と軸端部250の位置とのずれに起因する検出誤差を小さくすることができる。
【0074】
[実施の形態5]
図13は、本発明の実施の形態5に係る位置検出システム1で用いた指示部材20の説明図であり、図13(a)、(b)は、軸端部250の長さ寸法が長い場合の説明図、および軸端部250の長さ寸法を短くした場合の説明図である。図13(a)に示すように、本形態の指示部材20も、実施の形態1と同様、丸棒状の軸部25と、軸部25の先端に設けられた球体部26とを備えており、球体部26の外周面および軸端部250の外周面が再帰反射部21になっている。
【0075】
ここで、軸部25において軸端部250の基端側に接続された部分251は、軸端部250の外径寸法よりやや大きな内径寸法を有する筒部253になっている。このため、軸端部250は、矢印S2で示すように、筒部253の内部に進入可能になっている。従って、軸端部250の露出面積を変更することができる。例えば、指示部材20で光源部12に近い位置を指示する場合、矢印S2で示すように、軸端部250を筒部253の内部に進入させて、図13(b)に示すように、軸端部250の露出面積(長さ寸法)を狭くすることができる。また、指示部材20で光源部12から遠い位置を指示する場合、矢印T2で示すように、軸端部250を筒部253から引き出して、図13(a)に示すように、軸端部250の露出面積(長さ寸法)を広くすることができる。それ故、指示部材20が傾いても、球体部26の位置と軸端部250の位置とのずれに起因する検出誤差を小さくすることができる。
【0076】
[実施の形態6]
図14は、本発明の実施の形態6に係る位置検出システム1で用いた指示部材20の説明図であり、図14(a)、(b)、(c)は、軸端部250の太さが中程度である場合の説明図、軸端部250が細い場合の説明図、軸端部250が太い場合の説明図、および軸端部250の内部構造を示す半断面図である。図14(a)に示すように、本形態の指示部材20も、実施の形態1と同様、丸棒状の軸部25と、軸部25の先端に設けられた球体部26とを備えており、球体部26の外周面および軸端部250の外周面が再帰反射部21になっている。
【0077】
ここで、指示部材20は、図14(b)に示すように、軸端部250を細くした状態と、図14(c)に示すように、軸端部250を太くした状態とに切り換えて使用することができる。このため、光源部12からの距離等に応じて、指示部材20の再帰反射量を切り換えて使用することができる。かかる構成は、例えば、軸端部250を、径の異なる複数の筒部が多重に設けられた伸縮部により構成し、かかる複数の筒部の外周面を再帰反射部21にしておくことによって実現することができる。より具体的には、図14(d)に示すように、軸端部250は、細軸部241と、径の異なる複数の筒部242、243とが多重に設けられた伸縮部24になっており、細軸部241および筒部242、243の外周面は再帰反射部21になっている。また、細軸部241、筒部242、243、および軸端部250の基端側に接続された筒状の部分251の径は、以下に示す関係
細軸部241の外径寸法<筒部242の内径寸法
筒部242の外径寸法<筒部243の内径寸法
筒部243の外径寸法<軸端部250に接続された部分251の内径寸法
になっている。ここで、細軸部241および筒部242、243の基端側には大径部241a、242a、243aが設けられ、筒部242、243および接続された部分251の先端側には、細軸部241および筒部242、243の大径部241a、242a、243aが引っ掛かる抜け防止用の凸部が設けられている。
【0078】
かかる構成によれば、細軸部241および筒部242、243のいずれを露出させるかによって、図14(a)、(b)、(c)に示すように、軸端部250の径を切り換えることができる。また、細軸部241および筒部242、243のいずれを露出させるかによって、軸端部250の長さ寸法を切り換えることもできる。
【0079】
[実施の形態7]
図15は、本発明の実施の形態7に係る位置検出システム1に用いた光学式位置検出装置10の受発光ユニットの説明図である。図16は、図15に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0080】
実施の形態1では、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)はいずれも、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えている構成であったが、図15および図16に示す形態では、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)はいずれも、1つの光源モジュールからなる。すなわち、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)のいずれにおいても、1つのライトガイドLGの一方の端部LG1および他方の端部LG2の各々に光源120(第1光源121および第2光源122)が配置されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0081】
かかる構成でも、第1点灯動作時に第1光源121が点灯すると、図4(a)および図6(a)に示す第1光強度分布LID1を形成することができ、第2点灯動作時に第2光源122が点灯すると、図4(b)および図6(a)に示す第2光強度分布LID2を形成することができる。
【0082】
なお、図15および図16に示す形態では、光源部12の中心PEに受光部13を設けると、受光部13への検出光L2の入射が光源部12によって妨げられることになる。このような構成でも、光源部12の中心PEに対してZ軸方向に重なる位置(放射中心位置)に受光部13を設ければ、再帰反射部21で反射した検出光L2を十分な強度をもって受光部13に入射させることができる。
【0083】
[実施の形態8]
図17は、本発明の実施の形態8に係る位置検出システム1に用いた光学式位置検出装置10の受発光ユニットの説明図である。図18は、図17に示す受発光ユニットにおける光源部の説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0084】
実施の形態1では、光源部12にライトガイドLGを用いたが、本形態では、ライトガイドを用いずに、実施の形態1と同様な原理で対象物体ObのXY座標を検出する。より具体的には、図17に示すように、本形態の光学式位置検出装置10の光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)はいずれも、複数の光源120(第1光源121および第2光源122)と、複数の光源120が実装された帯状のフレキシブル基板180と、長さ方向(円周方向)で湾曲した形状をもって延在する凸曲面155を備えた扇形形状あるいは半円形状の光源支持部材150とを備えている。本形態において、凸曲面155は、その長さ方向(円周方向)で円弧形状に湾曲した形状を有している。
【0085】
本形態においては、フレキシブル基板180として、帯状の第1フレキシブル基板181と、第1フレキシブル基板181に対して幅方向(Z軸方向)で並列する帯状の第2フレキシブル基板182とが用いられている。第1フレキシブル基板181には、その長さ方向に、複数の光源120として、複数の第1光源121が実装されており、第2フレキシブル基板182には、その長さ方向に、複数の光源120として、複数の第2光源122が実装されている。光源120にはいずれも、LEDが用いられている。
【0086】
また、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)のいずれにおいても、光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とはZ軸方向で互いに対称な構成を有している。第1光源支持部材151は、凸曲面155の上半部を構成する円弧状の凸曲面155aと、凸曲面155aにおいて第2光源支持部材152が位置する側とは反対側の端部で凸曲面155aから突出する扇形形状あるいは半円形状の鍔部156aとを備えており、凸曲面155aに第1フレキシブル基板181が重ねて配置されている。第2光源支持部材152は、凸曲面155の下半部を構成する円弧状の凸曲面155bと、凸曲面155bにおいて第1光源支持部材151が位置する側とは反対側の端部で凸曲面155bから突出する扇形形状あるいは半円形状の鍔部156bとを備えており、凸曲面155bに第2フレキシブル基板182が重ねて配置されている。ここで、第1フレキシブル基板181と第2フレキシブル基板182とによってZ軸方向で挟まれた部分は透光性の導光部128になっており、かかる導光部128の奥にフォトダイオードを備えた受光部13が配置されている。
【0087】
このように構成した光学式位置検出装置10において、検出対象空間10Rにおける対象物体Obの位置を検出するには、第1フレキシブル基板181に実装されている複数の第1光源121と、第2フレキシブル基板182に実装されている複数の第2光源122とを異なるタイミングで点灯させる。その際、複数の第1光源121を全て点灯させ、複数の第2光源122を全て消灯させる第1点灯動作では、図18(a)に出射強度の高低を矢印Paで示すように、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する側から他方側の端部181eが位置する側に向かって第1光源121の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第1光強度分布LID1では、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する角度方向では光強度が高く、そこから、他方側の端部181eが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0088】
これに対して、複数の第2光源122を全て点灯させ、複数の第1光源121を全て消灯させる第2点灯動作では、図18(b)に出射強度の高低を矢印Pbで示すように、第2フレキシブル基板182の長さ方向の一方側の端部182fが位置する側から他方側の端部182eが位置する側に向かって第2光源122の出射強度を増大させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第2光強度分布LID2では、第2フレキシブル基板182の長さ方向の他方側の端部182eが位置する角度方向では光強度が高く、そこから、一方側の端部182fが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0089】
それ故、第1点灯動作および第2点灯動作を第1光源部12Aおよび第2光源部12Bの各々において実行すれば、実施の形態1と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標)を検出することができる。その際、複数の第1光源121に供給する駆動電流の和(第1駆動電流値)、および複数の第2光源122に供給する駆動電流の和(第2駆動電流値)に基づいて対象物体Obの角度位置を検出すればよい。また、複数の光源120の出射強度を変えるにあたっては、抵抗素子等により、駆動電流を光源120毎に変えればよい。かかる形態によれば、光源部12から離間した位置に対しても十分な強度をもって検出光を出射することができるという利点がある。
【0090】
[実施の形態9]
図19は、本発明の実施の形態9に係る位置検出システム1に用いた光学式位置検出装置10の受発光ユニットの説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態7と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0091】
実施の形態8では、第1点灯動作では第1光源121を点灯させ、第2点灯動作では第2光源122を点灯させたが、本形態では、図19に示すように、1系統の光源120のみが用いられている。かかる構成でも、第1点灯動作時と第2点灯動作時において光源120に供給する駆動電流を変えれば、実施の形態1と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標)を検出することができる。すなわち、第1点灯動作では、図18(a)に出射強度の高低を矢印Paで示すように、フレキシブル基板180の長さ方向の一方側の端部が位置する側から他方側の端部が位置する側に向かって光源120の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第1光強度分布LID1では、フレキシブル基板180の長さ方向の一方側の端部が位置する角度方向では光強度が高く、そこから、他方側の端部が位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。また、第2点灯動作では、図18(b)に出射強度の高低を矢印Pbで示すように、フレキシブル基板180の長さ方向の他方側の端部が位置する側から一方側の端部が位置する側に向かって光源120の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第2光強度分布LID2では、フレキシブル基板180の長さ方向の他方側の端部が位置する角度方向では光強度が高く、そこから、一方側の端部が位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0092】
それ故、第1点灯動作および第2点灯動作を第1光源部12Aおよび第2光源部12Bの各々において実行すれば、実施の形態1と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標)を検出することができる。その際、第1点灯動作における光源120への駆動電流の和(第1駆動電流値)、および第2点灯動作における光源120への駆動電流の和(第1駆動電流値)に基づいて対象物体Obの角度位置を検出すればよい。
【0093】
なお、図18に示す形態では、光源部12の中心PEに受光部13を設けると、受光部13への検出光L2の入射が光源部12によって妨げられることになる。このような構成でも、光源部12の中心PEに対してZ軸方向に重なる位置(放射中心位置)に受光部13を設ければ、再帰反射部21で反射した検出光L2を十分な強度をもって受光部13に入射させることができる。
【0094】
[他の実施の形態]
上記実施の形態1〜9で説明した構成については各々を組み合わせてもよい。また、上記実施の形態では、2つの光源部12を用いたが、1つの光源部12を用いて対象物体Obの位置を検出してもよい。また、上記実施の形態では、第1点灯動作時の受光結果と第2点灯動作時の受光結果とを直接、比較したが、検出対象空間10Rを介さずに受光部に入射する参照光を出射する参照用光源を設けてもよい。かかる構成の場合、第1点灯動作時における受光結果と参照光の受光結果とを比較し、第2点灯動作時における受光結果と参照光の受光結果とを比較し、参照光の受光結果を基準に、第1点灯動作時の受光結果と第2点灯動作時の受光結果とを間接的に比較する。より具体的には、第1点灯動作時における受光部13の検出光L2(反射光L3)の検出強度と受光部13の参照光の検出強度との差を、第1点灯動作時における受光部13の検出強度として処理し、第2点灯動作時における受光部13の検出光L2(反射光L3)の検出強度と受光部13の参照光の検出強度との差を、第2点灯動作時における受光部13の検出強度として処理する。かかる構成によれば、外光等の影響を、参照光を受光した際の強度によって相殺することができるという利点がある。
【0095】
[位置検出システムの構成例]
(位置検出システム1の具体例1)
図20は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。なお、本形態の入力機能付き表示システムにおいて、位置検出システム1および光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図19を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0096】
上記実施の形態に係る位置検出システム1において、図20に示すように、視認面構成部材40として表示装置110を用い、かかる表示装置110に、図1〜図19を参照して説明した光学式位置検出装置10を設ければ、電子黒板やデジタルサイネージ等といった入力機能付き表示システム100として用いることができる。ここで、表示装置110は、直視型表示装置や、視認面構成部材40をスクリーンとする背面型投射型表示装置である。
【0097】
かかる入力機能付き表示システム100において、光学式位置検出装置10は、表示面110a(視認面41)に沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Ob(再帰反射部付きの指示部材)で反射した検出光L2(反射光L3)を検出する。このため、表示装置110で表示された画像の一部に対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0098】
(位置検出システム1の具体例2)
図21を参照して、視認面構成部材40としてスクリーンを用い、位置機能付き投射型表示システムを構成した例を説明する。図21は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。なお、本形態の位置機能付き投射型表示システムにおいて、位置検出システム1および光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図19を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0099】
図21に示す入力機能付き投射型表示システム700(入力機能付き表示システム)では、液晶プロジェクターあるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画像投射装置750(画像生成装置)からスクリーン80(視認面構成部材40)に画像が投射される。かかる入力機能付き投射型表示システム700において、画像投射装置750は、筐体740に設けられた投射レンズ系710からスクリーン80に向けて画像表示光Piを拡大投射する。ここで、画像投射装置750は、Y軸方向に対してわずかに傾いた方向から画像表示光Piをスクリーン80に向けて投射する。従って、スクリーン80において画像が投射されるスクリーン面80aによって、情報が視認される視認面41が構成されている。
【0100】
かかる入力機能付き投射型表示システム700において、光学式位置検出装置10は、画像投射装置750に付加されて一体に構成されている。このため、光学式位置検出装置10は、投射レンズ系710とは異なる箇所から、スクリーン面80aに沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Ob(再帰反射部付きの指示部材)で反射した反射光L3を検出する。このため、スクリーン80に投射された画像の一部に対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置(投射方向に交差する方向の位置/XY座標)を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0101】
なお、光学式位置検出装置10とスクリーン80とを一体化させれば、入力機能付きスクリーン装置を構成することができる。
【0102】
(位置検出システム1の他の具体例)
本発明において、視認面構成部材40は、展示品を覆う透光部材である構成を採用することができ、この場合、視認面41は、透光部材において展示品が配置される側とは反対側で展示品が視認される面である。かかる構成によれば、入力機能付きウインドウシステム等として構成することができる。
【0103】
また、視認面構成部材40は、移動する遊技用媒体を支持する基盤である構成を採用することができ、この場合、視認面41は、基盤において基盤と遊技用媒体との相対位置が視認される側の面である。かかる構成によれば、パチンコ台やコインゲーム等のアミューズメント機器を入力機能付きアミューズメントシステム等として構成することができる。
【符号の説明】
【0104】
1・・位置検出システム、10・・光学式位置検出装置、10R・・検出対象空間、12・・光源部、12A・・第1光源部、12B・・第2光源部、13・・受光部、13A・・第1受光部、13B・・第2受光部、20・・指示部材、21・・再帰反射部、25・・軸部、26・・球体部、40・・視認面構成部材、41・・視認面、50・・位置検出部、100・・入力機能付き表示システム、120・・光源、121・・第1光源、122・・第2光源、241・・細軸部、242、243・・筒部、250・・軸端部、251・・軸端部に接続された部分、700・・入力機能付き投射型表示システム、750・・画像投射装置、Ob・・対象物体
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置検出の際の検出対象物体とされる指示部材、該指示部材を検出対象物体とする光学式位置検出装置、および当該位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
対象物体を光学的に検出する光学式位置検出装置としては、例えば、点光源からなる複数の光源部の各々に対して離間した位置に受光部を設け、複数の光源部の各々から透光部材を介して対象物体に向けて検出光を出射した際に、対象物体で反射した検出光が透光部材を透過して受光部で検出されるものが提案されている(特許文献1参照)。また、点光源からなる複数の光源部の各々から出射された検出光を、導光板を介して出射し、対象物体で反射した検出光を受光部で検出する方式の光学式位置検出装置も提案されている(特許文献2、3参照)。かかる光学式位置検出装置では、複数の光源部のうちの一部の光源部が点灯した際の受光部での受光強度と、他の一部の光源部が点灯した際の受光部での受光強度との比較結果に基づいて対象物体の位置を検出する。
【0003】
しかしながら、特許文献1、2、3に記載の光学式位置検出装置では、対象物体で散乱あるいは乱反射した検出光を受光部で受光するため、受光部での受光強度が低く、検出精度が低いという問題点がある。かといって、対象物体に正反射する部分を設けても、対象物体の位置によっては受光部での受光強度が著しく低下するだけで、検出精度の向上を図ることは困難である。
【0004】
一方、光学的に位置検出を行う際の検出対象物体として、外周面が再帰反射部とされた丸棒部を先端に備えた指示部材が提案されている(特許文献4参照)。かかる指示部材によれば、光学ユニットの光源部から出射された検出光が指示部材の再帰反射部で反射して確実に光学ユニットの受光部に入射するので、受光部での受光強度が高いという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2003−534554号公報
【特許文献2】特開2010−127671号公報
【特許文献3】特開2009−295318号公報
【特許文献4】特開2011−14107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献4に記載の指示部材では、再帰反射部とされた丸棒部の全体から反射してきた光に基づいて位置検出を行うため、指示部材が傾いているときには、丸棒部の先端が指示位置であるにもかかわらず、丸棒部の長さ方向の中間位置を指示位置と誤検出してしまう。それ故、特許文献4に記載の指示部材では、丸棒部を長くすることができないので、受光部での受光強度を高めるという効果が小さく、検出精度を十分に高めることができないという問題点がある。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、姿勢や位置にかかわらず、指示位置を精度よく検出することができる指示部材、該指示部材を検出対象物体とする光学式位置検出装置、および当該位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る指示部材は、丸棒状の軸部と、該軸部の先端に設けられた球体部と、を備え、前記球体部の外周面、および前記軸部において前記球体部に接続された軸端部の外周面が再帰反射部になっていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る指示部材は、丸棒状の軸部と、軸部の先端に設けられた球体部とを備えており、かかる球体部の外周面は再帰反射部になっている。このため、光源部から出射された検出光が指示部材の再帰反射部で反射すると、かかる反射光は、光源部の近傍に配置された受光部に入射するので、指示部材の先端部(再帰反射部)の位置を光学的に検出することができる。ここで、指示部材の先端側は球体部になっているため、先端が単なる丸棒である場合に比して投影面積が広い。従って、受光部に入射する反射光の光量が大であるので、位置検出精度が高い。また、球体部であれば、指示部材が斜めに傾いても、投影面積に変化がないので、指示部材が傾いても、位置検出精度が高い。さらに、球体部のみで受光部への入射光量を高めるには、球体部を大きくする必要があり、その場合、指示位置が不明確になる等の支障があるが、本発明では、軸部において球体部に接続された軸端部の外周面も再帰反射部になっているため、受光部への入射光量を高めることができる。ここで、指示部材が光源部に近い位置にある場合、球体部のみに検出光が照射され、軸端部には光が照射されないが、指示部材が光源部に近い位置にある場合、軸端部に光が照射されなくても、受光部への入射光量が高いので、指示位置を精度よく検出することができる。これに対して、指示部材が光源部から遠い位置にある場合、球体部および軸端部に検出光が照射される。従って、指示部材が光源部から遠い位置にある場合でも、受光部への入射光量が高いので、指示位置を精度よく検出することができる。その際、指示部材が傾いていると、球体部の位置と軸端部の位置とがずれることになるが、球体部の投影面積は軸端部の投影面積に比して大であるため、検出誤差を小さくすることができる。
【0010】
本発明において、前記再帰反射部は、前記球体部および前記軸端部において先端側から基端側に向かって再帰反射度が増大していることが好ましい。かかる構成によれば、指示部材が光源部に近い場合には、指示部材の先端側のみに検出光が照射される結果、再帰反射部の狭い領域に検出光が照射される。これに対して、指示部材が光源部から遠い場合には、指示部材の先端側から基端側に向かう広い領域に検出光が照射される結果、再帰反射部の広い領域に検出光が照射されることになる。このような場合でも、球体部および軸端部において先端側から基端側に向かって再帰反射度が増大している構成によれば、指示部材が光源部に近い場合に受光部に到達する検出光の光量と、指示部材が光源部から遠い場合に受光部に到達する検出光の光量の差を小さくすることができる。それ故、指示部材が光源部に近い場合と、指示部材が光源部から遠い場合とにおいて、同等の検出精度を実現することができる。
【0011】
本発明において、前記軸端部の長さ寸法は、前記球体部の直径より短いことが好ましい。かかる構成によれば、球体部および軸端部に検出光が照射されている状態で指示部材が傾いても、球体部の位置と軸端部の位置とのずれに起因する検出誤差を小さくすることができる。
【0012】
本発明において、前記軸端部は、前記球体部の内部に進入可能になっていることが好ましい。かかる構成によれば、軸端部の露出面積を変更することができるので、状況にあった状態で支持部材を用いることができる。例えば、指示部材が光源部から近い場合には、軸端部の露出を小さくし、指示部材が光源部から遠い場合には、軸端部の露出を大きくすることができる。
【0013】
本発明において、前記軸端部は、当該軸端部の基端側に接続された筒部内に進入可能になっている構成を採用してもよい。かかる構成によれば、軸端部の露出面積を変更することができるので、状況にあった状態で支持部材を用いることができる。例えば、指示部材が光源部から近い場合には、軸端部の露出を小さくし、指示部材が光源部から遠い場合には、軸端部の露出を大きくすることができる。
【0014】
本発明において、前記軸端部は、径の異なる複数の筒部が多重に設けられた伸縮部になっており、前記複数の筒部の外周面は前記再帰反射部になっていることが好ましい。かかる構成によれば、軸端部の面積を変更することができるので、状況にあった状態で支持部材を用いることができる。例えば、指示部材が光源部から近い場合には、軸端部の露出を小さくし、指示部材が光源部から遠い場合には、軸端部の露出を大きくすることができる。
【0015】
本発明では、前記軸部において前記軸端部の基端側に接続された部分は、光吸収性を有していることが好ましい。かかる構成によれば、指示部材での反射領域を正確に限定することができるので、指示部材が傾いている場合の検出誤差を小さくすることができる。
【0016】
本発明に係る指示部材を位置検出対象とする光学式位置検出装置は、検出光を出射する光源部と、前記検出光の出射空間に位置する前記指示部材の前記再帰反射部により反射された前記検出光を受光する受光部と、該受光部での受光強度に基づいて前記指示部材の位置を検出する位置検出部と、を有することを特徴とする。
【0017】
かかる光学式位置検出装置において、前記光源部は、前記検出光の出射強度が前記出射空間の一方側から他方側に向かって減少する第1点灯動作と、前記検出光の出射強度が前記他方側から前記一方側に向かって減少する第2点灯動作とを異なる期間に行い、前記位置検出部は、前記第1点灯動作時における前記受光部の受光強度と前記第2点灯動作時における前記受光部の受光強度との比較結果に基づいて前記指示部材の位置を検出する構成を採用することができる。
【0018】
この場合、前記位置検出部は、前記第1点灯動作時および前記第2点灯動作時における前記受光部での受光強度が等しくなったときに前記第1点灯動作時に前記光源部に供給した第1駆動電流値と前記第2点灯動作時に前記光源部に供給した第2駆動電流値との比較結果に基づいて前記指示部材の位置を検出することが好ましい。かかる構成によれば、対象物体の位置によって受光部での受光強度が変化するのを単に利用する場合と違って、受光部での受光強度が大であればある程、検出精度が向上するので、指示部材に再帰反射部を設けたことの効果が顕著である。
【0019】
本発明は、入力機能付き表示システム等、各種のシステムに利用することができる。例えば、光学式位置検出装置と、画像が表示される表示面を備えた表示装置を有し、前記表示面に沿う方向の前記指示部材の位置を前記光学式位置検出装置が検出した結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムにおいて、前記光学式位置検出装置として、本発明に係る光学式位置検出装置を用いることができる。また、光学式位置検出装置と、画像を投射する画像投射装置とを有し、前記画像の投射方向と交差する方向における前記指示部材の位置を前記光学式位置検出装置が検出した結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムにおいて、前記光学式位置検出装置として、本発明に係る光学式位置検出装置を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1に係る位置検出システムの主要部を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る位置検出システムに用いた光学式位置検出装置の受発光ユニットの説明図である。
【図3】図2に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。
【図4】図3に示す受発光ユニットに構成した光源部の構成を模式的に示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る位置検出システムに用いた光学式位置検出装置の電気的構成等を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る位置検出システムにおける位置検出原理を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る位置検出システムにおいて対象物体のXY座標データを取得する原理を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る位置検出システムで用いた指示部材の説明図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る指示部材を用いたことの効果を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る位置検出システムで用いた指示部材の説明図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る位置検出システムで用いた指示部材の説明図である。
【図12】本発明の実施の形態4に係る位置検出システムで用いた指示部材の説明図である。
【図13】本発明の実施の形態5に係る位置検出システムで用いた指示部材の説明図である。
【図14】本発明の実施の形態6に係る位置検出システムで用いた指示部材の説明図である。
【図15】本発明の実施の形態7に係る位置検出システムに用いた光学式位置検出装置の受発光ユニットの説明図である。
【図16】図15に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。
【図17】本発明の実施の形態8に係る位置検出システムに用いた光学式位置検出装置の受発光ユニットの説明図である。
【図18】図17に示す受発光ユニットにおける光源部の説明図である。
【図19】本発明の実施の形態9に係る位置検出システムに用いた光学式位置検出装置の受発光ユニットの説明図である。
【図20】本発明を適用した位置検出システムの具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。
【図21】本発明を適用した位置検出システムの具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、互いに交差する方向をX軸方向およびY軸方向とし、X軸方向およびY軸方向に交差する方向をZ軸方向とする。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側とし、Z軸方向の一方側をZ1側とし、他方側をZ2側として表してある。
【0022】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る位置検出システムの主要部を模式的に示す説明図であり、図1(a)、(b)は、位置検出システムを検出光の出射空間側の斜め方向からみたときの説明図、および位置検出システムを正面からみたときの説明図である。
【0023】
図1において、本形態の位置検出システム1は、対象物体Obの位置を検出する光学式位置検出装置10を有しており、かかる光学式位置検出装置10は、XY平面に沿って放射状に出射した検出光L2を利用して、対象物体Obの位置を検出する。本形態において、位置検出システム1は、XY平面に沿って広がる視認面41をZ軸方向の一方側Z1に備えた視認面構成部材40を有しており、光学式位置検出装置10は、視認面41に沿って検出光L2を出射し、視認面構成部材40に対して視認面41側(Z軸方向の一方側Z1)に位置する対象物体Obの位置を検出する。従って、位置検出システム1の検出対象空間10Rは、光学式位置検出装置10において検出光L2が出射される空間である。かかる位置検出システム1は、光学式位置検出装置10によって、後述する検出対象空間10R内における対象物体ObのXY平面における位置(XY座標)を検出する電子黒板等の入力機能付き表示システムや入力機能付き投射型表示システム等として用いることができる。本形態では、対象物体Obとして、後述する指示部材20が用いられる。
【0024】
本形態の位置検出システム1において、光学式位置検出装置10は、視認面41(XY平面)に沿って検出光L2を放射状に出射する線状の光源部12(線状光源部)と、検出光L2の出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光する受光部13とを備えている。
【0025】
本形態においては、光源部12として、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1に離間する位置で検出対象空間10Rに向く第1光源部12Aおよび第2光源部12Bが用いられており、第1光源部12Aと第2光源部12Bとは、X軸方向で離間し、Y軸方向では同一の位置にある。また、本形態においては、受光部13として、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1に離間する位置で検出対象空間10Rに向く第1受光部13Aおよび第2受光部13Bが用いられており、第1受光部13Aと第2受光部13Bとは、X軸方向で離間し、Y軸方向では同一の位置にある。
【0026】
ここで、第1受光部13Aは、第1光源部12Aから放射状に出射される検出光L2(検出光L2a)の放射中心位置に配置されており、第1受光部13Aと第1光源部12Aとは第1受発光ユニット15Aとして一体化されている。また、第2受光部13Bは、第2光源部12Bから放射状に出射される検出光L2(検出光L2b)の放射中心位置に配置されており、第2受光部13Bと第2光源部12Bとは第2受発光ユニット15Bとして一体化されている。
【0027】
後述するように、光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)は各々、LED(発光ダイオード)からなる光源を備えており、ピーク波長が840〜1000nmに位置する赤外光からなる検出光L2(検出光L2a、L2b)を放射状に出射する。なお、受光部13は、受光素子として、フォトダイオードやフォトトランジスター等を備えており、本形態において、受光部13は赤外域に感度ピークを備えたフォトダイオードを備えている。
【0028】
かかる第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは、視認面構成部材40よりZ軸方向の一方側Z1に突出した位置にある。また、第1受発光ユニット15Aと第2受発光ユニット15Bとは異なるタイミングで動作する。より具体的には、第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源部12Aから検出光L2aが出射された際、第1受光部13Aは、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2a(反射光L3)を受光する。かかる動作とは異なるタイミングで、第2受発光ユニット15Bにおいて、第2光源部12Bから検出光L2bが出射された際、第2受光部13Bは、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2b(反射光L3)を受光する。
【0029】
(光源部12の具体的構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る位置検出システム1に用いた光学式位置検出装置10の受発光ユニットの説明図である。図3は、図2に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。図4は、図3に示す受発光ユニットに構成した光源部12の構成を模式的に示す説明図であり、第1点灯動作時に検出光L2が出射される様子を示す説明図、および第2点灯動作時に検出光L2が出射される様子を示す説明図である。
【0030】
図2に示すように、本形態の光学式位置検出装置10において、第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは同一の構成を有しており、それ故、第1光源部12Aおよび第2光源部12Bも同一の構成を有している。より具体的には、第1受発光ユニット15Aは、Z軸方向からみたときに扇形形状あるいは半円形状を有する光源支持部材150を有している。かかる光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151および第2光源支持部材152は各々、扇形形状あるいは半円形状の鍔部156a、156bを備えている。鍔部156a、156bにより挟まれた部分は、第1光源部12Aから検出光L2が出射される出射部になっており、鍔部156a、156bは、Z軸方向における検出光L2の出射範囲を制限している。
【0031】
第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源部12Aは、検出光L2の出射部として、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えている。第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とによってZ軸方向で挟まれた部分は透光性の導光部128になっており、かかる導光部128の奥にフォトダイオードを備えた第1受光部13Aが配置されている。ここで、第1受発光ユニット15Aは、光源支持部材150の中心角が概ね180°であり、第1光源部12Aは、概ね180°の角度範囲にわたって形成されている。第2受発光ユニット15Bも、第1受発光ユニット15Aと同様な構成を有しているため、説明を省略する。
【0032】
図3に示すように、第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、発光ダイオード等の発光素子からなる光源120、および円弧状のライトガイドLGを備えている。第2受発光ユニット15Bにおいても、第1受発光ユニット15Aと同様、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、発光ダイオード等の発光素子からなる光源120、および円弧状のライトガイドLGを備えている。
【0033】
より具体的には、図4に示すように、第1光源モジュール126は、光源120として、赤外光を出射する発光ダイオード等の発光素子からなる第1光源121を備えているとともに、円弧状のライトガイドLGを備えており、第1光源121は、ライトガイドLGの一方の端部LG1に配置されている。また、第1光源モジュール126は、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3に沿って、光学シートPSおよびルーバーフィルムLF等を備えた円弧状の照射方向設定部LEを備え、ライトガイドLGの円弧状の内周面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。第2光源モジュール127も、第1光源モジュール126と同様、光源120として、赤外光を出射する発光ダイオード等の発光素子からなる第2光源122を備えているとともに、円弧状のライトガイドLGを備えており、第2光源122は、ライトガイドLGの他方の端部LG2に配置されている。また、第2光源モジュール127も、第1光源モジュール126と同様、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3に沿って、光学シートPSおよびルーバーフィルムLF等を備えた円弧状の照射方向設定部LEを備え、ライトガイドLGの円弧状の内周面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。なお、ライトガイドLGの外周面LG3および内周面LG4のうちの少なくとも一方には、ライトガイドLGからの検出光L2の出射効率を調整するための加工が施されており、かかる加工手法としては、例えば反射ドットを印刷する方式や、スタンパーやインジェクションにより凹凸を付す成型方式や、溝加工方式を採用することができる。第2受発光ユニット15Bも、第1受発光ユニット15Aと同様な構成を有しているため、説明を省略する。
【0034】
(位置検出部等の構成)
図5は、本発明の実施の形態1に係る位置検出システム1に用いた光学式位置検出装置10の電気的構成等を示す説明図である。
【0035】
本形態の位置検出システム1に用いた光学式位置検出装置10において、図1〜図4等を参照して説明した第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは、図5に示す制御用IC70に電気的接続されている。ここで、制御用IC70は、第1受発光ユニット15Aに電気的接続された第1制御用IC70Aと、第2受発光ユニット15Bに電気的接続された第2制御用IC70Bとからなり、第1受発光ユニット15Aの第1光源部12Aおよび第1受光部13Aは、第1制御用IC70Aに電気的接続されている。また、第2受発光ユニット15Bの第2光源部12Bおよび第2受光部13Bは、第2制御用IC70Bに電気的接続されている。
【0036】
第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70Bは、同一構成を有しており、いずれも共通の制御装置60に電気的接続されている。まず、第1制御用IC70Aは、基準クロック、A相基準パルス、B相基準パルス、タイミング制御パルス、同期クロック等を生成する複数の回路(図示せず)を有している。また、第1制御用IC70Aは、A相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75aと、B相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75bと、パルス発生器75aおよびパルス発生器75bが生成した駆動パルスを第1光源部12Aの第1光源121および第2光源122の何れに印加するかを制御するスイッチ部76とを有している。かかるパルス発生器75a、75b、およびスイッチ部76は光源駆動部51を構成している。
【0037】
また、第1制御用IC70Aは、第1受光部13Aでの検出結果を増幅する増幅部等を備えた受光量測定部73と、受光量測定部73での測定結果に基づいてパルス発生器75a、75bを制御して第1光源部12Aの光源120(第1光源121および第2光源122)に供給する駆動パルスの駆動電流値(第1駆動電流値)を調整する調整量算出部74とを備えている。かかる受光量測定部73および調整量算出部74は、位置検出部50の一部の機能を担っている。
【0038】
第2制御用IC70Bも、第1制御用IC70Aと同様、第2受光部13Bでの検出結果を増幅する増幅部等を備えた受光量測定部73や、受光量測定部73での測定結果に基づいてパルス発生器75a、75bを制御して第2光源部12Bの光源120(第1光源121および第2光源122)に供給する第2駆動電流値を調整する調整量算出部74等を備えている。かかる受光量測定部73および調整量算出部74は、位置検出部50の一部の機能を担っている。
【0039】
第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70Bは、パーソナルコンピューター等の上位の制御装置60の制御部61によって制御されており、かかる制御装置60は、受光量測定部73および調整量算出部74とともに位置検出部50を構成する座標データ取得部55を有している。従って、本形態において、位置検出部50は、制御用IC70(第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70B)の受光量測定部73および調整量算出部74と、上位の制御装置60(パーソナルコンピューター)の座標データ取得部55とによって構成されている。
【0040】
本形態では、光源部12として、互いに離間した位置に配置された第1光源部12Aと第2光源部12Bとを有している。従って、座標データ取得部55は、第1光源部12Aに対する駆動結果に基づいて、第1光源部12Aの放射中心に対する対象物体Obの角度位置を検出する第1角度位置検出部551と、第2光源部12Bに対する駆動結果に基づいて、第2光源部12Bの放射中心に対する対象物体Obの角度位置を検出する第2角度位置検出部552とを有している。また、座標データ取得部55は、第1角度位置検出部551で得られた対象物体Obの角度位置と、第2角度位置検出部552で得られた対象物体Obの角度位置とに基づいて対象物体ObのXY座標データを確定する座標データ確定部553を備えている。
【0041】
なお、本形態では、第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bに対して1対1の関係をもって2つの制御用IC70(第1制御用IC70A、第2制御用IC70B)を用いたが、制御用IC70を多チャンネル化し、1つの制御用IC70によって第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bを駆動してもよい。
【0042】
(座標検出原理)
図6は、本発明の実施の形態1に係る位置検出システム1における位置検出原理を示す説明図であり、図6(a)、(b)は光強度分布の説明図、および対象物体が存在する位置情報(方位情報)を取得する方法の説明図である。図7は、本発明の実施の形態1に係る位置検出システム1において対象物体ObのXY座標データを取得する原理を示す説明図である。
【0043】
図4に示すように、本形態の光学式位置検出装置10において、図5を参照して説明した光源駆動部51は、光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)のいずれにおいても、第1期間において検出光L2の出射強度が検出光L2の出射角度範囲の一方側から他方側に向かって減少する第1点灯動作と、第1期間とは重ならない第2期間において検出光L2の出射強度が検出光L2の出射角度範囲の他方側から一方側に向かって減少する第2点灯動作とを行わせる。
【0044】
より具体的には、光源駆動部51は、第1光源部12Aに対して、第1点灯動作時には、第1光源モジュール126の第1光源121を点灯させ、検出対象空間10Rに検出光L2を出射させる。その際、第2光源122は消灯状態にある。その結果、検出対象空間10Rには第1光強度分布LID1が形成される。かかる第1光強度分布LID1は、図4(a)に矢印の長さにより出射光の強度を示すように、一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。
【0045】
また、光源駆動部51は、第1光源部12Aに対して、第2点灯動作時には、第2光源モジュール127の第2光源122を点灯させ、検出対象空間10Rに検出光L2を出射させる。その際、第1光源121は消灯状態にある。その結果、検出対象空間10Rには第2光強度分布LID2が形成される。かかる第2光強度分布LID2は、図4(b)に矢印の長さにより出射光の強度を示すように、他方の端部LG2に対応する角度方向から一方の端部LG1に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。
【0046】
なお、第2光源部12Bにおいて、第1光源モジュール126の第1光源121が点灯した第1点灯動作時、および第2光源モジュール127の第2光源122が点灯した第2点灯動作時にも、第1光源部12Aと同様、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2が形成される。従って、後述するように、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を利用すれば、第1光源部12Aおよび第2光源部12Bの中心PEの距離DS(図6参照)が固定であるので、対象物体Obの位置を検出することができる。
【0047】
(対象物体Obの角度位置の検出)
まず、第1光源部12Aの第1光源モジュール126において、第1光強度分布LID1を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図6(a)に線E1で示す直線関係にある。また、第1光源部12Aの第2光源モジュール127において、第2光強度分布LID2を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図6(a)に線E2で示す直線関係にある。ここで、図6(b)および図7に示すように、第1光源部12Aの中心PE(第1光源モジュール126の中心/検出光L2の放射中心位置)からみて角度θの方向に対象物体Obが存在するとする。この場合、第1光強度分布LID1を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINTaとなる。これに対して、第2光強度分布LID2を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINTbとなる。従って、第1光強度分布LID1を形成した際の第1受光部13Aでの検出強度と、第2光強度分布LID2を形成した際の第2受光部13Bでの検出強度とを比較して、強度INTa、INTbの関係を求めれば、図6(b)および図7に示すように、第1光源部12Aの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1/角度位置)を求めることができる。
【0048】
かかる原理を利用して、対象物体Obの角度位置(角度θ1)を検出するにあたって、本形態では、第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126によって第1光強度分布LID1を形成した際の第1受光部13Aでの検出強度と、第2光源モジュール127によって第2光強度分布LID2を形成した際の第1受光部13Aでの検出強度とが等しくなるように、第1光源121に対する第1駆動電流値、および第2光源122に対する第2駆動電流値を調整する。ここで、第1光源部12Aからの検出光L2の出射強度は、第1光源121に対する第1駆動電流値、および第2光源122に対する第2駆動電流値に比例する。従って、第1光源121に対する第1駆動電流値、および第2光源122に対する第2駆動電流値を調整した後の第1駆動電流値と第2光源122との比や差、あるいは駆動電流値を調整した際の調整量の比や差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求めることができる。
【0049】
より具体的には、まず、図5に示す第1制御用IC70Aの光源駆動部51は、第1点灯動作として第1光源121を点灯させて第1光強度分布LID1を形成した後、第2点灯動作として第2光源122を点灯させて第2光強度分布LID2を形成する。この際、第1光強度分布LID1と第2光強度分布LID2とは強度変化の向きは逆向きであるが、強度レベルは同一である。そして、図5に示す位置検出部50の調整量算出部74は、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTaと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTbとを比較し、受光強度INTa、INTbが相違している場合、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTaと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTbとが等しくなるように、第1光源121に対する第1駆動電流値、および第2光源122に対する第2駆動電流値を調整する。そして、再度、第1点灯動作と第2点灯動作とを行った際に、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTaと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTbとが等しければ、図5に示す第1角度位置検出部551は、かかる調整を行った後の第1光源121および第2光源122に対する駆動電流の比や差、あるいは駆動電流の調整量の比や差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求める。
【0050】
かかる動作を第2光源部12Bにおいても行えば、図5に示す第2角度位置検出部552は、第2光源部12Bの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ2/角度位置)を求めることができる。
【0051】
従って、図5に示す座標データ確定部553は、第1角度位置検出部551で検出した角度位置(角度θ1の方向)と、第2角度位置検出部552で検出した角度位置(角度θ2の方向)の交点に相当する位置を対象物体Obが位置するXY座標データとして取得する。
【0052】
(指示部材の構成)
図8は、本発明の実施の形態1に係る位置検出システム1で用いた指示部材の説明図であり、図8(a)、(b)は、指示部材の使用態様等を示す説明図、再帰反射部の一例を示す説明図、および再帰反射の原理を示す説明図である。
【0053】
本形態の位置検出システム1において、対象物体Obとしては、図8(a)に示す棒状の指示部材20が用いられ、かかる指示部材20は、基端側を使用者が握って先端側で所定の位置を指示する。本形態において、指示部材20は、丸棒状の軸部25と、軸部25の先端に設けられた球体部26とを備えており、球体部26の外径寸法は軸部25の外径寸法より大である。ここで、指示部材20は、球体部26の外周面、および軸部25において球体部26に接続された軸端部250の外周面が再帰反射部21になっている。また、軸部25において、再帰反射部21となっている軸端部250に対して基端側に接続された部分251は、検出光L2として用いた赤外光を吸収する光吸収部になっている。
【0054】
再帰反射部21は、例えば、図8(b)に示すように、球体部26の外周面、および軸端部250の外周面に対してガラスビーズ等の透光性の球体29を複数、樹脂層27等で固定した構成を有しており、矢印で示すように、入射した光を、入射した角度にかかわらず、再び、入射した方向に反射する再帰反射性を有している。より具体的には、図8(c)に示すように、球体29に入射した光は、球体29に入射する際の屈折、球体29内における球体29と樹脂層27との界面での反射、および球体29から出射する際の屈折によって、入射した方向に反射する。従って、図1〜図7を参照して説明した位置検出システム1において、光源部12から放射状に検出光L2が出射された際、指示部材20(対象物体Ob)に照射された検出光L2は、指示部材20(対象物体Ob)がいずれの位置にあっても、指示部材20の再帰反射部21により、光源部12の中心PE(放射中心位置)に向けて反射され、受光部13で受光される。なお、再帰反射部21は、半球状のガラスビーズやプリズム片の集合体等を用いて構成される場合もある。
【0055】
(本形態の主な効果)
図9は、本発明の実施の形態1に係る指示部材20を用いたことの効果を示す説明図であり、図9(a)、(b)、(c)は、全体が丸棒状で先端側が再帰反射部21Aになっている参考例1に係る指示部材20Aを用いた様子を示す説明図、丸棒状の軸部25Bの先端に球体部26Bを備え、球体部26Bのみが再帰反射部21Bになっている参考例2に係る指示部材20Bを用いた様子を示す説明図、および本発明を適用した指示部材20を用いた様子を示す説明図である。なお、図9の上半部には、指示部材20A、20B、20が視認面41に対して直角姿勢である場合を示し、図9の下半部には、指示部材20A、20B、20が視認面41に対して斜め姿勢である場合を示してある。
【0056】
図1〜図8を参照して説明したように、本形態の位置検出システム1において、光学式位置検出装置10では、光源部12が検出光L2を出射した際、受光部13は、検出光L2の出射空間に位置する対象物体Obで反射された検出光L2(反射光L3)を受光し、位置検出部50は、受光部13での受光強度に基づいて対象物体Obの位置を検出する。
【0057】
ここで、対象物体Obは、図8および図9(c)に示すように、外周面に再帰反射部21を備えた指示部材20であり、再帰反射部21では、検出光L2が照射された方向に検出光を反射する。このため、対象物体Obの位置にかかわらず、対象物体Obに照射された検出光L2が反射する方向が定まっているので、本形態のように、光源部12が位置する方向に受光部13を配置すれば、指示部材20で反射した検出光L2は、十分な強度をもって受光部13に到達する。特に本形態において、光源部12は、検出光L2を放射状に出射する線状光源部であるため、受光部13は、検出光L2の放射中心位置(中心PE)に配置してある。このため、光源部12から出射された検出光L2は、指示部材20の再帰反射部21で反射して光源部12の放射中心に向けて再帰反射してくることになる。従って、対象物体Obの位置にかかわらず、指示部材20で反射した検出光L2は、十分な強度をもって受光部13に到達するので、検出精度を向上することができる。
【0058】
また、本形態の指示部材20は、丸棒状の軸部25と、軸部25の先端に設けられた球体部26とを備えており、かかる球体部26の外周面は再帰反射部21になっている。このため、図9(a)に示す指示部材20Aのように、先端が単なる丸棒である場合に比して再帰反射部21の投影面積が広い。従って、本形態によれば、受光部13に入射する反射光L3の光量が大であるので、位置検出精度が高い。また、図9(a)に示す指示部材20Aの場合、指示部材20Aが傾いているときには、丸棒部の先端が指示位置であるにもかかわらず、丸棒部の長さ方向の中間位置を指示位置と誤検出してしまう。しかるに本形態では、図9(c)に示すように、本形態の指示部材20の場合、指示部材20が斜めに傾いても、先端の球体部26が広い投影面積を有するので、指示部材20の姿勢にかかわらず、指示位置(指示部材20の先端(球体部26))の位置を正確に検出することができる。
【0059】
さらに、本形態の指示部材20は、球体部26の外周面および軸部25の軸端部250の外周面が再帰反射部21になっている。このため、図9(b)に示す指示部材20Bのように、球体部26B(再帰反射部21B)のみで受光部13への入射光量を高めるには、球体部26Bを大きくする必要があり、その場合、指示位置が不明確になる等の支障があるが、本形態では、球体部26に接続された軸端部250の外周面も再帰反射部21になっているため、受光部13への入射光量を高めることができる。それ故、指示部材20の先端の位置を精度よく検出することができる。
【0060】
また、指示部材20が光源部12に近い場合には、受光部13での受光強度が大となる傾向にある一方、球体部26の先端側のみに検出光L2が照射される分、再帰反射部21の狭い領域に検出光L2が照射される。これに対して、指示部材20が光源部12から遠い場合には、受光部13での受光強度が小となる傾向にある一方、指示部材20の先端側から基端側に向かう広い領域に検出光L2が照射される結果、再帰反射部21の広い領域に検出光L2が照射されることになる。従って、指示部材20が光源部12に近い場合に受光部13に到達する検出光の光量と、指示部材20が光源部12から遠い場合に受光部13に到達する検出光L2の光量の差を小さくすることができる。それ故、指示部材20が光源部12に近い場合と、指示部材20が光源部12から遠い場合とにおいて、同等の検出精度を実現することができる。
【0061】
ここで、指示部材20が光源部12に近い位置にある場合、球体部26のみに検出光L2が照射され、軸端部250には検出光L2が照射されないことから、本形態の指示部材20は、図9(b)に示す指示部材20Bと同程度の効果しか得られない。ここで、指示部材20が光源部12に近い位置にある場合、軸端部250に検出光L2が照射されなくても、受光部13への入射光量が高いので、指示位置を精度よく検出することができる。
【0062】
これに対して、指示部材20が光源部12から遠い位置にある場合、本形態では、球体部26および軸端部250の双方に検出光が照射される。従って、図9(b)に示す指示部材20Bと違って、本形態の指示部材20では、指示部材20が光源部12から遠い位置にある場合でも、球体部26および軸端部250での反射光L3が受光部13に入射する。従って、本形態によれば、受光部13での受光強度が高いので、指示位置を精度よく検出することができる。その際、指示部材20が傾いていると、球体部26の位置と軸端部250の位置とがずれることになるが、球体部26の投影面積は軸端部250の投影面積に比して大であるため、検出誤差は極めて小さい。
【0063】
また、本形態の指示部材20の軸部25において、軸端部250に基端側に接続された部分251は光吸収性を有している。このため、指示部材20での反射領域を正確に限定することができるので、指示部材20が傾いている場合の検出誤差を小さくすることができる。
【0064】
また、本形態において、位置検出部50は、光源部12での第1点灯動作時および第2点灯動作時における受光部13での受光強度が等しくなるように第1点灯動作時に光源部12に供給する第1駆動電流値と、第2点灯動作時に光源部12に供給する第2駆動電流値との比較結果に基づいて角度位置を検出する。かかる構成によれば、対象物体Obの位置によって受光部13での受光強度が変化するのを直接利用して対象物体Obの角度位置を検出する場合と違って、受光部13での受光強度が大であればある程、検出精度が向上するので、再帰反射部21を備えた指示部材20を用いた場合の効果が大きい。
【0065】
また、本形態では、光源部12を2つ備え、2つの光源部12の各々の放射中心位置に受光部13が配置されている。従って、2つの光源部のいずれにおいても、光源部12から出射された検出光L2は、指示部材20の再帰反射部21で反射して光源部12の放射中心に向けて再帰反射してくることになる。従って、対象物体Obの位置にかかわらず、指示部材20で反射した検出光は、十分な強度をもって受光部13に到達するので、検出精度を向上することができる。
【0066】
さらに、検出光L2は赤外光であるため、視認されない。従って、視認面41に情報が表示されている場合でも、検出光L2が情報の視認を妨げないという利点がある。
【0067】
[実施の形態2]
図10は、本発明の実施の形態2に係る位置検出システム1で用いた指示部材20の説明図であり、図10(a)、(b)、(c)は、指示部材20の先端側を模式的に示す説明図、指示部材20が光源部12に近い場合の様子を示す説明図、および指示部材20が光源部12から遠い場合の様子を示す説明図である。なお、本形態および後述する実施の形態3〜6の指示部材20の基本的な構成や、位置検出システム1および光学式位置検出装置10の基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、対応する部分には同一の符号を付して、それらの説明を省略する。
【0068】
図10(a)に示すように、本形態の指示部材20も、実施の形態1と同様、丸棒状の軸部25と、軸部25の先端に設けられた球体部26とを備えており、球体部26の外周面および軸端部250の外周面が再帰反射部21になっている。ここで、再帰反射部21は、球体部26および軸端部250において先端側から基端側に向かって再帰反射度が連続的あるいは段階的に増大している。本形態では、球体部26および軸端部250において先端側から基端側に向かって再帰反射度が段階的に増大している。
【0069】
このため、図10(b)に示すように、指示部材20が光源部12に近い場合には、受光部13での受光強度が大となる傾向にある一方、再帰反射部21のうち、再帰反射度が低い先端側のみに検出光L2が照射される。これに対して、図10(c)に示すように、指示部材20が光源部12から遠い場合には、受光部13での受光強度が小となる傾向にある一方、再帰反射部21のうち、再帰反射度が高い部分まで検出光L2が照射される。従って、指示部材20が光源部12に近い場合に受光部13に到達する検出光の光量と、指示部材20が光源部12から遠い場合に受光部13に到達する検出光L2の光量の差を小さくすることができる。それ故、指示部材20が光源部12に近い場合と、指示部材20が光源部12から遠い場合とにおいて、同等の検出精度を実現することができる。
【0070】
[実施の形態3]
図11は、本発明の実施の形態3に係る位置検出システム1で用いた指示部材20の説明図である。図11に示すように、本形態の指示部材20も、実施の形態1と同様、丸棒状の軸部25と、軸部25の先端に設けられた球体部26とを備えており、球体部26の外周面および軸端部250の外周面が再帰反射部21になっている。
【0071】
ここで、軸端部250の長さ寸法は、球体部26の直径より短い。このため、図9(c)に示すように、指示部材20が光源部12から遠い位置にあって、球体部26および軸端部250に検出光が照射されている状態で、指示部材20が傾いても、球体部26の位置と軸端部250の位置とのずれに起因する検出誤差を小さくすることができる。
【0072】
[実施の形態4]
図12は、本発明の実施の形態4に係る位置検出システム1で用いた指示部材20の説明図であり、図12(a)、(b)は、軸端部250の長さ寸法が長い場合の説明図、および軸端部250の長さ寸法を短くした場合の説明図である。図12(a)に示すように、本形態の指示部材20も、実施の形態1と同様、丸棒状の軸部25と、軸部25の先端に設けられた球体部26とを備えており、球体部26の外周面および軸端部250の外周面が再帰反射部21になっている。
【0073】
ここで、軸端部250は、矢印S1で示すように、球体部26の内部に進入可能になっている。このため、軸端部250の露出面積を変更することができる、例えば、指示部材20で光源部12に近い位置を指示する場合、矢印S1で示すように、軸端部250を球体部26の内部に進入させて、図12(b)に示すように、軸端部250の露出面積(長さ寸法)を狭くすることができる。また、指示部材20で光源部12から遠い位置を指示する場合、矢印T1で示すように、軸端部250を球体部26から引き出して、図12(a)に示すように、軸端部250の露出面積(長さ寸法)を広くすることができる。それ故、指示部材20が傾いても、球体部26の位置と軸端部250の位置とのずれに起因する検出誤差を小さくすることができる。
【0074】
[実施の形態5]
図13は、本発明の実施の形態5に係る位置検出システム1で用いた指示部材20の説明図であり、図13(a)、(b)は、軸端部250の長さ寸法が長い場合の説明図、および軸端部250の長さ寸法を短くした場合の説明図である。図13(a)に示すように、本形態の指示部材20も、実施の形態1と同様、丸棒状の軸部25と、軸部25の先端に設けられた球体部26とを備えており、球体部26の外周面および軸端部250の外周面が再帰反射部21になっている。
【0075】
ここで、軸部25において軸端部250の基端側に接続された部分251は、軸端部250の外径寸法よりやや大きな内径寸法を有する筒部253になっている。このため、軸端部250は、矢印S2で示すように、筒部253の内部に進入可能になっている。従って、軸端部250の露出面積を変更することができる。例えば、指示部材20で光源部12に近い位置を指示する場合、矢印S2で示すように、軸端部250を筒部253の内部に進入させて、図13(b)に示すように、軸端部250の露出面積(長さ寸法)を狭くすることができる。また、指示部材20で光源部12から遠い位置を指示する場合、矢印T2で示すように、軸端部250を筒部253から引き出して、図13(a)に示すように、軸端部250の露出面積(長さ寸法)を広くすることができる。それ故、指示部材20が傾いても、球体部26の位置と軸端部250の位置とのずれに起因する検出誤差を小さくすることができる。
【0076】
[実施の形態6]
図14は、本発明の実施の形態6に係る位置検出システム1で用いた指示部材20の説明図であり、図14(a)、(b)、(c)は、軸端部250の太さが中程度である場合の説明図、軸端部250が細い場合の説明図、軸端部250が太い場合の説明図、および軸端部250の内部構造を示す半断面図である。図14(a)に示すように、本形態の指示部材20も、実施の形態1と同様、丸棒状の軸部25と、軸部25の先端に設けられた球体部26とを備えており、球体部26の外周面および軸端部250の外周面が再帰反射部21になっている。
【0077】
ここで、指示部材20は、図14(b)に示すように、軸端部250を細くした状態と、図14(c)に示すように、軸端部250を太くした状態とに切り換えて使用することができる。このため、光源部12からの距離等に応じて、指示部材20の再帰反射量を切り換えて使用することができる。かかる構成は、例えば、軸端部250を、径の異なる複数の筒部が多重に設けられた伸縮部により構成し、かかる複数の筒部の外周面を再帰反射部21にしておくことによって実現することができる。より具体的には、図14(d)に示すように、軸端部250は、細軸部241と、径の異なる複数の筒部242、243とが多重に設けられた伸縮部24になっており、細軸部241および筒部242、243の外周面は再帰反射部21になっている。また、細軸部241、筒部242、243、および軸端部250の基端側に接続された筒状の部分251の径は、以下に示す関係
細軸部241の外径寸法<筒部242の内径寸法
筒部242の外径寸法<筒部243の内径寸法
筒部243の外径寸法<軸端部250に接続された部分251の内径寸法
になっている。ここで、細軸部241および筒部242、243の基端側には大径部241a、242a、243aが設けられ、筒部242、243および接続された部分251の先端側には、細軸部241および筒部242、243の大径部241a、242a、243aが引っ掛かる抜け防止用の凸部が設けられている。
【0078】
かかる構成によれば、細軸部241および筒部242、243のいずれを露出させるかによって、図14(a)、(b)、(c)に示すように、軸端部250の径を切り換えることができる。また、細軸部241および筒部242、243のいずれを露出させるかによって、軸端部250の長さ寸法を切り換えることもできる。
【0079】
[実施の形態7]
図15は、本発明の実施の形態7に係る位置検出システム1に用いた光学式位置検出装置10の受発光ユニットの説明図である。図16は、図15に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0080】
実施の形態1では、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)はいずれも、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えている構成であったが、図15および図16に示す形態では、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)はいずれも、1つの光源モジュールからなる。すなわち、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)のいずれにおいても、1つのライトガイドLGの一方の端部LG1および他方の端部LG2の各々に光源120(第1光源121および第2光源122)が配置されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0081】
かかる構成でも、第1点灯動作時に第1光源121が点灯すると、図4(a)および図6(a)に示す第1光強度分布LID1を形成することができ、第2点灯動作時に第2光源122が点灯すると、図4(b)および図6(a)に示す第2光強度分布LID2を形成することができる。
【0082】
なお、図15および図16に示す形態では、光源部12の中心PEに受光部13を設けると、受光部13への検出光L2の入射が光源部12によって妨げられることになる。このような構成でも、光源部12の中心PEに対してZ軸方向に重なる位置(放射中心位置)に受光部13を設ければ、再帰反射部21で反射した検出光L2を十分な強度をもって受光部13に入射させることができる。
【0083】
[実施の形態8]
図17は、本発明の実施の形態8に係る位置検出システム1に用いた光学式位置検出装置10の受発光ユニットの説明図である。図18は、図17に示す受発光ユニットにおける光源部の説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0084】
実施の形態1では、光源部12にライトガイドLGを用いたが、本形態では、ライトガイドを用いずに、実施の形態1と同様な原理で対象物体ObのXY座標を検出する。より具体的には、図17に示すように、本形態の光学式位置検出装置10の光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)はいずれも、複数の光源120(第1光源121および第2光源122)と、複数の光源120が実装された帯状のフレキシブル基板180と、長さ方向(円周方向)で湾曲した形状をもって延在する凸曲面155を備えた扇形形状あるいは半円形状の光源支持部材150とを備えている。本形態において、凸曲面155は、その長さ方向(円周方向)で円弧形状に湾曲した形状を有している。
【0085】
本形態においては、フレキシブル基板180として、帯状の第1フレキシブル基板181と、第1フレキシブル基板181に対して幅方向(Z軸方向)で並列する帯状の第2フレキシブル基板182とが用いられている。第1フレキシブル基板181には、その長さ方向に、複数の光源120として、複数の第1光源121が実装されており、第2フレキシブル基板182には、その長さ方向に、複数の光源120として、複数の第2光源122が実装されている。光源120にはいずれも、LEDが用いられている。
【0086】
また、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)のいずれにおいても、光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とはZ軸方向で互いに対称な構成を有している。第1光源支持部材151は、凸曲面155の上半部を構成する円弧状の凸曲面155aと、凸曲面155aにおいて第2光源支持部材152が位置する側とは反対側の端部で凸曲面155aから突出する扇形形状あるいは半円形状の鍔部156aとを備えており、凸曲面155aに第1フレキシブル基板181が重ねて配置されている。第2光源支持部材152は、凸曲面155の下半部を構成する円弧状の凸曲面155bと、凸曲面155bにおいて第1光源支持部材151が位置する側とは反対側の端部で凸曲面155bから突出する扇形形状あるいは半円形状の鍔部156bとを備えており、凸曲面155bに第2フレキシブル基板182が重ねて配置されている。ここで、第1フレキシブル基板181と第2フレキシブル基板182とによってZ軸方向で挟まれた部分は透光性の導光部128になっており、かかる導光部128の奥にフォトダイオードを備えた受光部13が配置されている。
【0087】
このように構成した光学式位置検出装置10において、検出対象空間10Rにおける対象物体Obの位置を検出するには、第1フレキシブル基板181に実装されている複数の第1光源121と、第2フレキシブル基板182に実装されている複数の第2光源122とを異なるタイミングで点灯させる。その際、複数の第1光源121を全て点灯させ、複数の第2光源122を全て消灯させる第1点灯動作では、図18(a)に出射強度の高低を矢印Paで示すように、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する側から他方側の端部181eが位置する側に向かって第1光源121の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第1光強度分布LID1では、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する角度方向では光強度が高く、そこから、他方側の端部181eが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0088】
これに対して、複数の第2光源122を全て点灯させ、複数の第1光源121を全て消灯させる第2点灯動作では、図18(b)に出射強度の高低を矢印Pbで示すように、第2フレキシブル基板182の長さ方向の一方側の端部182fが位置する側から他方側の端部182eが位置する側に向かって第2光源122の出射強度を増大させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第2光強度分布LID2では、第2フレキシブル基板182の長さ方向の他方側の端部182eが位置する角度方向では光強度が高く、そこから、一方側の端部182fが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0089】
それ故、第1点灯動作および第2点灯動作を第1光源部12Aおよび第2光源部12Bの各々において実行すれば、実施の形態1と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標)を検出することができる。その際、複数の第1光源121に供給する駆動電流の和(第1駆動電流値)、および複数の第2光源122に供給する駆動電流の和(第2駆動電流値)に基づいて対象物体Obの角度位置を検出すればよい。また、複数の光源120の出射強度を変えるにあたっては、抵抗素子等により、駆動電流を光源120毎に変えればよい。かかる形態によれば、光源部12から離間した位置に対しても十分な強度をもって検出光を出射することができるという利点がある。
【0090】
[実施の形態9]
図19は、本発明の実施の形態9に係る位置検出システム1に用いた光学式位置検出装置10の受発光ユニットの説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態7と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0091】
実施の形態8では、第1点灯動作では第1光源121を点灯させ、第2点灯動作では第2光源122を点灯させたが、本形態では、図19に示すように、1系統の光源120のみが用いられている。かかる構成でも、第1点灯動作時と第2点灯動作時において光源120に供給する駆動電流を変えれば、実施の形態1と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標)を検出することができる。すなわち、第1点灯動作では、図18(a)に出射強度の高低を矢印Paで示すように、フレキシブル基板180の長さ方向の一方側の端部が位置する側から他方側の端部が位置する側に向かって光源120の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第1光強度分布LID1では、フレキシブル基板180の長さ方向の一方側の端部が位置する角度方向では光強度が高く、そこから、他方側の端部が位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。また、第2点灯動作では、図18(b)に出射強度の高低を矢印Pbで示すように、フレキシブル基板180の長さ方向の他方側の端部が位置する側から一方側の端部が位置する側に向かって光源120の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第2光強度分布LID2では、フレキシブル基板180の長さ方向の他方側の端部が位置する角度方向では光強度が高く、そこから、一方側の端部が位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0092】
それ故、第1点灯動作および第2点灯動作を第1光源部12Aおよび第2光源部12Bの各々において実行すれば、実施の形態1と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標)を検出することができる。その際、第1点灯動作における光源120への駆動電流の和(第1駆動電流値)、および第2点灯動作における光源120への駆動電流の和(第1駆動電流値)に基づいて対象物体Obの角度位置を検出すればよい。
【0093】
なお、図18に示す形態では、光源部12の中心PEに受光部13を設けると、受光部13への検出光L2の入射が光源部12によって妨げられることになる。このような構成でも、光源部12の中心PEに対してZ軸方向に重なる位置(放射中心位置)に受光部13を設ければ、再帰反射部21で反射した検出光L2を十分な強度をもって受光部13に入射させることができる。
【0094】
[他の実施の形態]
上記実施の形態1〜9で説明した構成については各々を組み合わせてもよい。また、上記実施の形態では、2つの光源部12を用いたが、1つの光源部12を用いて対象物体Obの位置を検出してもよい。また、上記実施の形態では、第1点灯動作時の受光結果と第2点灯動作時の受光結果とを直接、比較したが、検出対象空間10Rを介さずに受光部に入射する参照光を出射する参照用光源を設けてもよい。かかる構成の場合、第1点灯動作時における受光結果と参照光の受光結果とを比較し、第2点灯動作時における受光結果と参照光の受光結果とを比較し、参照光の受光結果を基準に、第1点灯動作時の受光結果と第2点灯動作時の受光結果とを間接的に比較する。より具体的には、第1点灯動作時における受光部13の検出光L2(反射光L3)の検出強度と受光部13の参照光の検出強度との差を、第1点灯動作時における受光部13の検出強度として処理し、第2点灯動作時における受光部13の検出光L2(反射光L3)の検出強度と受光部13の参照光の検出強度との差を、第2点灯動作時における受光部13の検出強度として処理する。かかる構成によれば、外光等の影響を、参照光を受光した際の強度によって相殺することができるという利点がある。
【0095】
[位置検出システムの構成例]
(位置検出システム1の具体例1)
図20は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。なお、本形態の入力機能付き表示システムにおいて、位置検出システム1および光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図19を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0096】
上記実施の形態に係る位置検出システム1において、図20に示すように、視認面構成部材40として表示装置110を用い、かかる表示装置110に、図1〜図19を参照して説明した光学式位置検出装置10を設ければ、電子黒板やデジタルサイネージ等といった入力機能付き表示システム100として用いることができる。ここで、表示装置110は、直視型表示装置や、視認面構成部材40をスクリーンとする背面型投射型表示装置である。
【0097】
かかる入力機能付き表示システム100において、光学式位置検出装置10は、表示面110a(視認面41)に沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Ob(再帰反射部付きの指示部材)で反射した検出光L2(反射光L3)を検出する。このため、表示装置110で表示された画像の一部に対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0098】
(位置検出システム1の具体例2)
図21を参照して、視認面構成部材40としてスクリーンを用い、位置機能付き投射型表示システムを構成した例を説明する。図21は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。なお、本形態の位置機能付き投射型表示システムにおいて、位置検出システム1および光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図19を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0099】
図21に示す入力機能付き投射型表示システム700(入力機能付き表示システム)では、液晶プロジェクターあるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画像投射装置750(画像生成装置)からスクリーン80(視認面構成部材40)に画像が投射される。かかる入力機能付き投射型表示システム700において、画像投射装置750は、筐体740に設けられた投射レンズ系710からスクリーン80に向けて画像表示光Piを拡大投射する。ここで、画像投射装置750は、Y軸方向に対してわずかに傾いた方向から画像表示光Piをスクリーン80に向けて投射する。従って、スクリーン80において画像が投射されるスクリーン面80aによって、情報が視認される視認面41が構成されている。
【0100】
かかる入力機能付き投射型表示システム700において、光学式位置検出装置10は、画像投射装置750に付加されて一体に構成されている。このため、光学式位置検出装置10は、投射レンズ系710とは異なる箇所から、スクリーン面80aに沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Ob(再帰反射部付きの指示部材)で反射した反射光L3を検出する。このため、スクリーン80に投射された画像の一部に対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置(投射方向に交差する方向の位置/XY座標)を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0101】
なお、光学式位置検出装置10とスクリーン80とを一体化させれば、入力機能付きスクリーン装置を構成することができる。
【0102】
(位置検出システム1の他の具体例)
本発明において、視認面構成部材40は、展示品を覆う透光部材である構成を採用することができ、この場合、視認面41は、透光部材において展示品が配置される側とは反対側で展示品が視認される面である。かかる構成によれば、入力機能付きウインドウシステム等として構成することができる。
【0103】
また、視認面構成部材40は、移動する遊技用媒体を支持する基盤である構成を採用することができ、この場合、視認面41は、基盤において基盤と遊技用媒体との相対位置が視認される側の面である。かかる構成によれば、パチンコ台やコインゲーム等のアミューズメント機器を入力機能付きアミューズメントシステム等として構成することができる。
【符号の説明】
【0104】
1・・位置検出システム、10・・光学式位置検出装置、10R・・検出対象空間、12・・光源部、12A・・第1光源部、12B・・第2光源部、13・・受光部、13A・・第1受光部、13B・・第2受光部、20・・指示部材、21・・再帰反射部、25・・軸部、26・・球体部、40・・視認面構成部材、41・・視認面、50・・位置検出部、100・・入力機能付き表示システム、120・・光源、121・・第1光源、122・・第2光源、241・・細軸部、242、243・・筒部、250・・軸端部、251・・軸端部に接続された部分、700・・入力機能付き投射型表示システム、750・・画像投射装置、Ob・・対象物体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
丸棒状の軸部と、該軸部の先端に設けられた球体部と、を備え、
前記球体部の外周面、および前記軸部において前記球体部に接続された軸端部の外周面が再帰反射部になっていることを特徴とする指示部材。
【請求項2】
前記再帰反射部は、前記球体部および前記軸端部において先端側から基端側に向かって再帰反射度が増大していることを特徴とする請求項1に記載の指示部材。
【請求項3】
前記軸端部の長さ寸法は、前記球体部の直径より短いことを特徴とする請求項1または2に記載の指示部材。
【請求項4】
前記軸端部は、前記球体部の内部に進入可能になっていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の指示部材。
【請求項5】
前記軸端部は、当該軸端部において前記軸端部の基端側に接続された筒部内に進入可能になっていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の指示部材。
【請求項6】
前記軸端部は、径の異なる複数の筒部が多重に設けられた伸縮部になっており、
前記複数の筒部の外周面は前記再帰反射部になっていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の指示部材。
【請求項7】
前記軸部において前記軸端部の基端側に接続された部分は、光吸収性を有していることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の指示部材。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の指示部材を位置検出対象とする光学式位置検出装置であって、
検出光を出射する光源部と、
前記検出光の出射空間に位置する前記指示部材の前記再帰反射部により反射された前記検出光を受光する受光部と、
該受光部での受光強度に基づいて前記指示部材の位置を検出する位置検出部と、
を有することを特徴とする光学式位置検出装置。
【請求項9】
前記光源部は、前記検出光の出射強度が前記出射空間の一方側から他方側に向かって減少する第1点灯動作と、前記検出光の出射強度が前記他方側から前記一方側に向かって減少する第2点灯動作とを異なる期間に行い、
前記位置検出部は、前記第1点灯動作時における前記受光部の受光強度と前記第2点灯動作時における前記受光部の受光強度との比較結果に基づいて前記指示部材の位置を検出することを特徴とする請求項8に記載の光学式位置検出装置。
【請求項10】
前記位置検出部は、前記第1点灯動作時および前記第2点灯動作時における前記受光部での受光強度が等しくなったときに前記第1点灯動作時に前記光源部に供給した第1駆動電流値と前記第2点灯動作時に前記光源部に供給した第2駆動電流値との比較結果に基づいて前記指示部材の位置を検出することを特徴とする請求項9に記載の光学式位置検出装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の光学式位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムであって、
画像が表示される表示面を備えた表示装置を有し、
前記表示面に沿う方向の前記指示部材の位置を前記光学式位置検出装置が検出した結果に基づいて前記画像が切り換えられることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【請求項12】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の光学式位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムであって、
画像を投射する画像投射装置を有し、
前記画像の投射方向と交差する方向における前記指示部材の位置を前記光学式位置検出装置が検出した結果に基づいて前記画像が切り換えられることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【請求項1】
丸棒状の軸部と、該軸部の先端に設けられた球体部と、を備え、
前記球体部の外周面、および前記軸部において前記球体部に接続された軸端部の外周面が再帰反射部になっていることを特徴とする指示部材。
【請求項2】
前記再帰反射部は、前記球体部および前記軸端部において先端側から基端側に向かって再帰反射度が増大していることを特徴とする請求項1に記載の指示部材。
【請求項3】
前記軸端部の長さ寸法は、前記球体部の直径より短いことを特徴とする請求項1または2に記載の指示部材。
【請求項4】
前記軸端部は、前記球体部の内部に進入可能になっていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の指示部材。
【請求項5】
前記軸端部は、当該軸端部において前記軸端部の基端側に接続された筒部内に進入可能になっていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の指示部材。
【請求項6】
前記軸端部は、径の異なる複数の筒部が多重に設けられた伸縮部になっており、
前記複数の筒部の外周面は前記再帰反射部になっていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の指示部材。
【請求項7】
前記軸部において前記軸端部の基端側に接続された部分は、光吸収性を有していることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の指示部材。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の指示部材を位置検出対象とする光学式位置検出装置であって、
検出光を出射する光源部と、
前記検出光の出射空間に位置する前記指示部材の前記再帰反射部により反射された前記検出光を受光する受光部と、
該受光部での受光強度に基づいて前記指示部材の位置を検出する位置検出部と、
を有することを特徴とする光学式位置検出装置。
【請求項9】
前記光源部は、前記検出光の出射強度が前記出射空間の一方側から他方側に向かって減少する第1点灯動作と、前記検出光の出射強度が前記他方側から前記一方側に向かって減少する第2点灯動作とを異なる期間に行い、
前記位置検出部は、前記第1点灯動作時における前記受光部の受光強度と前記第2点灯動作時における前記受光部の受光強度との比較結果に基づいて前記指示部材の位置を検出することを特徴とする請求項8に記載の光学式位置検出装置。
【請求項10】
前記位置検出部は、前記第1点灯動作時および前記第2点灯動作時における前記受光部での受光強度が等しくなったときに前記第1点灯動作時に前記光源部に供給した第1駆動電流値と前記第2点灯動作時に前記光源部に供給した第2駆動電流値との比較結果に基づいて前記指示部材の位置を検出することを特徴とする請求項9に記載の光学式位置検出装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の光学式位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムであって、
画像が表示される表示面を備えた表示装置を有し、
前記表示面に沿う方向の前記指示部材の位置を前記光学式位置検出装置が検出した結果に基づいて前記画像が切り換えられることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【請求項12】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の光学式位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムであって、
画像を投射する画像投射装置を有し、
前記画像の投射方向と交差する方向における前記指示部材の位置を前記光学式位置検出装置が検出した結果に基づいて前記画像が切り換えられることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−12113(P2013−12113A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145371(P2011−145371)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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