説明

排気圧力/流量コントローラ

【課題】高い制御性を有し、小型で耐食性、耐久性に優れる排気圧力コントローラを提供する。
【解決手段】排気圧力コントローラの駆動部分にゴム膨張バルブを用いることにより、ダンパー制御を精度良く行うことができる。即ち、貫通流路を有する硬質なボディと、前記貫通流路内に配置される膨張部材と、前記膨張部材を含んで形成される気密空洞と、を有するバルブと、
前記貫通流路の圧力及び/又は流量を測定する圧力/流量計測手段と
前記気密空洞に制御用気体を給気又は排気することにより、前記膨張部材を膨張又は収縮させて前記貫通流路の流路断面積を変化させる給排気制御手段と
を用いて排気圧力コントローラを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所排気装置や乾燥機等の排気圧力や排気流量を制御する排気圧力/流量コントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、各種研究所や半導体製造工場、化学工場等には、有害ガスや臭気等の拡散を防止するために、ドラフトチャンバー等の局所排気装置が設けられている。
【0003】
この局所排気装置は一般に、ダクトの下流側に設けられたファンにより、有害ガスをフードから吸引させる。フードから吸引された有害ガスは、除害処理を行った後、ダクトを通じてファンに送られ、ファンの下流側に設けられた排気ダクトから大気中に排出される。このような局所排気装置のダクトには、排気圧力を制御するためのダンパーが介装されているのが一般的である。
【0004】
図9は、従来の局所排気装置の一例を示す構成図である。図9中、801はフードである。フード801は、ダクト803a、803bを介してファン805の吸引側に接続されている。ファン805の排出側には、排気ダクト807が接続されている。ダクト803aと803bとの間には、ダンパー900が介装されている。901はダンパー900を構成するハウジングであり、その両端開口部はそれぞれダクト803a、803bの一端と気密に接続されている。
【0005】
図10は、従来のダンパー900の一例を示す構成図である。図10中、901は、両端開口の筒状のハウジングであり、その筒内には円盤状の弁体ディスク903が弁軸904の回りに沿って回動可能に取り付けられている。弁体ディスク903は、アクチュエータ905により回動される。弁体ディスク903の回動に応じて弁の開度は変化する。これにより、ハウジング901の両端に接続されるダクトの排気圧力や排気流量を調整する。即ち、排気圧力を下げたい場合(負圧を大きくしたい場合)には弁体ディスク903を回動させてダクト内の流路を広くし、排気圧力を上げたい場合(負圧を小さくしたい場合)にはダクト内の流路を狭くする。同様に排気流量を増やしたい場合には弁体ディスク903を回動させてダクト内の流路を広くし、排気流量を減らしたい場合にはダクト内の流路を狭くする。
【0006】
特許文献1には、このようなダンパーを用いて構成する流量制御バルブが記載されている。このダンパーは、以下に記載する問題を有している。
【0007】
排気圧力や排気流量は、弁体ディスクの回動により生じる弁体ディスクとハウジングとのクリアランスで調整される。僅かなクリアランス変化に対し、調整量の変動が大きいため、圧力センサや流量計でのフィードバック制御に際するPID等の制御定数を求めることが容易でない。また、条件によっては、弁体ディスクの回動が収束せずに設定した圧力値や流量値に対し、実値が設定値前後で変動する。
【0008】
また、弁体ディスクを回転させるためにハウジング外部にアクチュエータが必要になり、ダンパー装置が大型化、重量化する。摺動部を有するため、耐久性に乏しい場合もある。さらに、アクチュエータによる弁体ディスクの回転角度を細かく制御できるように構成する場合、ダンパー装置が高価格になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−31866
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、排気圧力、排気流量を制御するコントローラであって、高い制御性を有し、小型で耐食性、耐久性に優れる排気圧力/流量コントローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、排気圧力/流量コントローラの駆動部分にゴム膨張バルブを用いることに想到した。このゴム膨張バルブは、構成部品が少なく小型で、ダンパー制御を精度良く行うことが可能であり、摺動部を有さないため耐久性、耐食性にも優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
上記目的を達成する本発明は、以下に記載するものである。
【0013】
〔1〕
貫通流路を有する硬質なボディと、前記貫通流路内に配置される膨張部材と、少なくとも前記膨張部材を含んで形成される気密空洞と、を有するバルブと、
前記貫通流路内の圧力及び/又は流量を測定する圧力/流量計測手段と
前記気密空洞に制御用気体を給気又は排気することにより、前記膨張部材を膨張又は収縮させて前記貫通流路の流路断面積を変化させる給排気制御手段と、
を有することを特徴とする排気圧力/流量コントローラ。
【0014】
〔2〕
前記バルブが
貫通流路を有する硬質なボディと、
前記貫通流路の流路方向とその軸心とを平行にして前記貫通流路内に挿入され、その両端側が前記ボディに形成される貫通流路の貫通方向における両端側と気密に接続される筒状のゴム製チューブと、
からなる〔1〕に記載の排気圧力/流量コントローラ。
【0015】
〔3〕
前記圧力/流量計測手段が差圧センサを用いており、前記差圧センサをパージする機構を備える圧力/流量計測手段である〔1〕に記載の排気圧力/流量コントローラ。
【発明の効果】
【0016】
本発明の排気圧力/流量コントローラ(以下、「本排気圧力/流量コントローラ」ともいう)はダンパー制御を精度良く行うことが可能であり、摺動部を有さないため耐久性、耐食性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本排気圧力/流量コントローラの一構成例を示す説明図である。
【図2】図2は、ゴム膨張バルブの内部構造の一例を示す説明図である。
【図3】図3(a)〜(c)は、ゴム膨張バルブの貫通流路の流路方向に直交する面を示す断面図である。
【図4】図4は、本排気圧力/流量コントローラの駆動部の構造を示す(a)が正面図、(b)が側面図、(c)が背面図である。
【図5】図5は、本発明の排気圧力/流量コントローラを組み込まれて構成される局所排気装置の一例を示す構成図である。
【図6】図6は、ゴム膨張バルブの内部構造の他の例を示す断面図である。
【図7】図7は、本排気圧力/流量コントローラの他の構成例を示す説明図である。
【図8】図8は、差圧式流量計の構成例を示す部分断面図である。
【図9】図9は、従来の局所排気装置の一例を示す構成図である。
【図10】図10は、従来のダンパーの一構成例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、2つの実施態様を挙げて本発明を詳細に説明する。
【0019】
〈第1実施態様〉
図1は本発明の排気圧力/流量コントローラの一構成例を示す説明図である。図1中、100は排気圧力コントローラである。この排気圧力コントローラ100は、駆動部70とこれを制御する給排気コントローラ33及び圧力計測部38とから構成される。
【0020】
駆動部70は、貫通流路71が形成されているハウジング21と、ハウジング21の貫通流路71の流れ方向両端部に形成されているダクト接続部17、31と、ハウジング21内に装填されているゴム膨張バルブ50とから構成される。
【0021】
ダクト接続部17、31は筒状であり(図1においては円筒形状)、それぞれ一端(ダクトと接続される側)が開口し、他端はハウジング21の貫通流路71の両端でハウジング21にそれぞれ気密に接続されている。
【0022】
ダクト接続部17には、ダクト内の貫通流路と連通する圧力検出孔19が形成されている。圧力検出孔19には接続口25を介してパージ管29の一端が取り付けられている。パージ管29の他端は、圧力計測部38に取り付けられている。圧力計測部38には差圧センサが内蔵されており(不図示)、供給管37の一端が接続されている。供給管37の他端は圧力源(不図示)に接続されている。
【0023】
給排気コントローラ33には供給管35の一端が接続されている。供給管35の他端は圧力源(不図示)に接続されている。
【0024】
ハウジング21には、給排気管接続口23が形成されており、この給排気管接続口23には給排気管27の一端が取り付けられている。給排気管27の他端は給排気コントローラ33に接続されている。
【0025】
ハウジング21内にはゴム膨張バルブ50が装填されている。図2は、ゴム膨張バルブ50の内部構造を示す説明図である。図2中、11はステンレスなどの硬質な材料からなり、両端に開口を有する円筒形状のバルブボディである。13は両端開口の円筒形状のゴム製チューブ(膨張部材)である。ゴム製チューブ13は、その開口方向をバルブボディ11の開口方向と同一にしてバルブボディ11の円筒内に挿入されている。
【0026】
ゴム製チューブ13の両端部は、バルブボディ11の両端部と気密に接続されている。これにより、バルブボディ11の内周面とゴム製チューブ13の外周面との間に気密な空洞12が形成される。バルブボディ11には、空洞12内に制御用気体を給排気させる給排気口14が形成されている。この給排気口14から制御用気体を給排気させることにより、ゴム製チューブ13を膨張又は収縮させることができる。
【0027】
次にこのゴム膨張バルブ50の動作を説明する。図3a〜cは、ゴム膨張バルブ50の貫通流路15の流路方向に直交する面を示す断面図である。図3aは、ゴム膨張バルブ50の空洞12内に制御用気体が給気されていない状態である。この状態においては、バルブボディ内周面に、チューブ13の外周は密着しており、従って貫通流路15の断面積は最大に拡がっている(最大流路断面積値)。この状態から、空洞12内に制御用気体を給気していくとゴム製チューブ13は膨張し、これにより貫通流路15の流路断面積が減少する(図3b)。この状態からさらに空洞12内に制御用気体を給気していくと、ゴム製チューブ13はさらに膨張し、貫通流路15の流路断面積がさらに減少する(図3c、最小流路断面積値)。一方、空洞12内の制御用気体を排気していくとゴム製チューブ13の収縮により貫通流路15の流路断面積が増大する。上記最大流路断面積値は最小流路断面積値の2倍以上であり、5倍以上が好ましい。
【0028】
給排気コントローラ33(給排気制御手段)の内部には電空変換器、比較制御回路が内蔵されており(不図示)、圧力計測部38で計測される圧力値が設定圧力値と一致するように駆動部70を制御する。すなわち、ゴム膨張バルブ50に制御用気体を給排気することにより、ゴム膨張バルブ50に形成される貫通流路15の流路断面積を自在に制御している。
【0029】
この排気圧力コントローラ100は局所排気装置に組み込まれて使用される。図5は、本発明の排気圧力コントローラ100が組み込まれて構成される局所排気装置の一例を示す構成図である。図5中、501はフードである。フード501は、ダクト503aの一端に接続され、ダクト503aの他端は、ダクト接続部17に接続されている。ダクト接続部31には、ダクト503bの一端が接続され、ダクト503bの他端は、ファン505の吸引側に接続されている。ファン505の排出側には、排気ダクト507の一端が接続され、排気ダクト507の他端は開放されている。
【0030】
フード501から吸引される有害ガスは、ダクト503a、503bを通って、ファン505へ移動し、排気ダクト507から大気に放出される。この際、排気圧力コントローラ100により、排気圧力は適宜調整される。
【0031】
排気圧力コントローラ100の上流側(ダクト501側)の排気圧力を上げる場合(負圧を小さくする場合)には、ゴム膨張バルブ50の流路断面積を小さくする。圧力源から供給管35を経由して給排気コントローラ33に供給される圧縮気体(制御用気体)は、給排気管27を通ってハウジング21に送られる。ハウジング21に送られた制御用気体は、ゴム膨張バルブ50の空洞12内に供給され、ゴム製チューブ13を膨張させ、この状態を保持させる。これにより、流路15の流路断面積は小さくなる。
【0032】
排気圧力コントローラ100の上流側(ダクト501側)の排気圧力を下げる場合(負圧を大きくする場合)には、ゴム膨張バルブ50の流路断面積を大きくする。ゴム膨張バルブ50の空洞12内に供給されている制御用気体を空洞12内から外部に排出させる。即ち、給排気コントローラ33は圧力保持状態を解除し、給排気管27を通して空洞12内の制御用ガスを外部に排出させる。ゴム製チューブは、空洞12内に充填されて保持されている制御用気体が排出されると、ゴムの弾性力により収縮する。その結果、流路15の流路断面積は大きくなる。
【0033】
排気圧力は、圧力/流量計測手段により計測される。
【0034】
圧力計測部38内の差圧センサ部(不図示)は圧力検出孔19によりダクト内流路と連通している。そのため、流路内を流れるガス等の種類によっては、差圧センサ部に粉塵やミストが付着したり、腐蝕性のガスに曝されたりする場合がある。これを防ぐため、パージ管29を通じて圧力検出孔19から一定流量のパージガスを送る構成を取ることが好ましい。これにより、粉塵やミスト、腐蝕性ガスが圧力検出孔19から進入することを防ぎ、差圧センサ部の耐久性、耐食性を向上させることができる。
【0035】
〈第2実施態様〉
図7は本発明の第2実施態様にかかる排気圧力/流量コントローラの一構成例を示す説明図である。図7中、300は排気流量コントローラである。この排気流量コントローラ300は、駆動部とこれを制御する給排気制御手段及び流量計測手段とから構成される。
【0036】
図7中、321は筒状のハウジングで、内部にはゴム膨張バルブ350がその軸心をハウジング321内の貫通方向と同一にして装填されている。ハウジング321の一端には、差圧式流量計340(圧力/流量計測手段)の一端側が気密に接続されている。ハウジング321の他端には、ダクト接続部317が気密に接続されている。差圧式流量計340の他端側には、ダクト接続部331が気密に接続されている。
【0037】
図7中、333は給排気コントローラである。給排気コントローラ333には、外部(不図示)から供給される制御用気体の供給管接続口335が設けられている。給排気コントローラ333には給排気管327の一端が接続されており、給排気管327の他端はハウジング321に設けられた給排気管接続口323に接続されている。外部から給排気コントローラ333に供給された制御用気体は、給排気管327を通ってハウジング321に設けられた給排気管接続口323を介して内部のゴム膨張バルブ350に供給される。
【0038】
外部(不図示)から供給されるパージガスは、接続口337から差圧式流量計340に導入される。
【0039】
ゴム膨張バルブ350、給排気コントローラ333の構造及び動作は前記第1実施態様と同一である。
【0040】
次に、差圧式流量計340について説明する。
図8は、差圧式流量計340の一例を示す部分断面図である。図8中、401は筒状の流路管であり、貫通流路403が形成されている。流路管401の端部はハウジング321、ダクト接続口331にそれぞれ気密に接続されている。図8において、有害ガス等の処理ガスが流れる方向は図中矢印の方向である。流路管401の管壁部には、静圧検出孔411、ピトー管挿入孔412が形成されている。流路管401の静圧検出孔411、ピトー管挿入孔412が形成されている部分には、圧力検出管405が気密に接続されている。
【0041】
圧力検出管405には、静圧検出路415と後流圧検出路417とが形成されている。流路管401に形成される静圧検出孔411は、圧力検出管405に形成される静圧検出路415と連通している。圧力検出管405内において、静圧検出路415は2本に分岐し、一方は差圧センサ407に接続され、他方はパージ管接続部424に接続されている。
【0042】
流路管401のピトー管挿入孔412には、後流ピトー管409が流路管内部に向けて挿入されている。後流ピトー管409には、流路管401を流れる処理ガスの流れ方向の逆向きの位置に後流圧検出孔413が形成されており、圧力検出管405に形成される後流圧検出路417の一端と連通している。圧力検出管405内において、後流圧検出路417は2本に分岐し、一方は差圧センサ407に接続され、他方はパージ管接続部423に接続されている。
【0043】
差圧センサ407には、差圧センサポート419、421が設けられており、419が圧力のHigh側、421が圧力のLow側となる。図8中、矢印方向に流れる有害ガス等の処理ガスは、差圧センサ407によってそれぞれ静圧、後流圧が測定され、排気流量が算出される。
【0044】
パージ管接続部423、424には、パージ管329の一端がそれぞれ接続されており、パージ管329の他端は接続口337(図7)に接続されている。これにより、静圧検出路415、後流圧検出路417にそれぞれパージガスを供給する。静圧検出路415、後流圧検出路417に供給されたパージガスは、静圧検出孔411、後流圧検出孔413から流路管401内に排出される。パージガスの供給量は、流量調整部425、426によりそれぞれ調整される。
【0045】
貫通流路403を流れるガスの種類によっては、差圧センサ407に粉塵やミストが付着したり、腐蝕性のガスに曝されたりする場合がある。これを防ぐため、パージガスを、静圧検出孔411、後流圧検出孔413から常時排出させる。これにより、粉塵やミスト、腐蝕性ガス等が静圧検出孔411、後流圧検出孔413から静圧検出路415、後流圧検出路417に進入することを防ぐ。その結果、差圧センサ407の耐久性、耐食性を向上させることができる。
【0046】
〈ゴム膨張バルブ〉
ゴム膨張バルブ50のバルブボディ11は、制御用気体の圧力によってその形態が変化しない程度の硬さを有していることを要する。例えば、ステンレスや鉄、硬質プラスチック等の材料で構成することができる。
【0047】
ゴム膨張バルブ50のゴム製チューブ13は、制御用気体の圧力によって膨張させることができる材料によって構成されていることを要する。例えば、シリコンゴムやクロロプレンゴムの材料で構成することができる。
【0048】
このようなゴム膨張バルブ50は市販品を用いてもよい。例えば、空気圧により部品等を握持する空気圧ホルダー(ブリジストン株式会社製、エアグリッパー品番G050GCA等)を使用して構成することができる。
【0049】
ゴム膨張バルブとしては、上記ゴム膨張バルブ50の構成以外にも、以下のような構成が考えられる。図6は、ゴム膨張バルブの内部構造の他の例を示す断面図である。
【0050】
ゴム製チューブ113の両端部は、バルブボディ111の両端側と気密に接続されている。これにより、バルブボディ111の周面とゴム製チューブ113の外周面との間に気密な空洞112が形成される。この給排気口114から空洞112に制御用気体を給排気させることにより、流路115の流路断面積を自在に変化させることが出来る。
【0051】
〈圧力、流量の計測手段〉
上記第2実施態様では圧力/流量計測手段として差圧式流量計を用いたが、これに限らず熱線式流量計、カルマン渦式流量計など公知の圧力/流量計測手段を用いることができる。特に好ましいのは差圧式流量計であり、ピトー、アニューバ、オリフィス、ベンチュリー等の方式の差圧式流量計が採用される。また、差圧式流量計には、上述のように、差圧センサを処理ガスから保護するためのパージ機構を備えることが好ましい。
【0052】
パージ機構としては、差圧センサ部にパージガスを送り、圧力検出孔から排出させる方式が好ましい。パージガスの流量は、10〜1000mL/分であり、100〜500mL/分が好ましく、200〜400mL/分が特に好ましい。
【0053】
〈給排気コントローラ〉
給排気コントローラとしては、任意の量の制御用気体を空洞12内に供給して保持できる物であればどのような物を用いても良い。圧力源や差圧検出手段は給排気コントローラと一体であってもよい。
【0054】
〈制御用気体、パージガス〉
制御用気体やパージガスはどのような物であっても良いが、経済性の観点から空気や窒素ガスが好ましい。
【符号の説明】
【0055】
100・・・排気圧力コントローラ
70・・・駆動部
71・・・貫通流路
50・・・ゴム膨張バルブ
11、111・・・バルブボディ
12、112・・・空洞
13、113・・・ゴム製チューブ
14、114・・・給排気口
15、115・・・貫通流路
21・・・ハウジング
17、31・・・ダクト接続部
19・・・圧力検出孔
23・・・給排気管接続口
25・・・パージ管接続口
27・・・給排気管
29・・・パージ管
33・・・給排気コントローラ
35、37・・・供給管
300・・・排気圧力/流量コントローラ
317、331・・・ダクト接続口
321・・・ハウジング
323・・・給排気管接続口
327・・・給排気管
329・・・パージ管
333・・・給排気コントローラ
335、337・・・供給管接続口
338・・・圧力計測部
340・・・圧力/流量計測手段(差圧式流量計)
401・・・流路管
403・・・貫通流路
405・・・圧力検出管
407・・・差圧センサ
409・・・後流ピトー管
411・・・静圧検出孔
412・・・ピトー管挿入孔
413・・・後流圧検出孔
415・・・静圧検出路
417・・・後流圧検出路
419・・・差圧センサポート(圧力High側)
421・・・差圧センサポート(圧力Low側)
423、424・・・パージ管接続部
425、426・・・流量調整部
500・・・局所排気装置
501・・・フード
503a、503b・・・ダクト
505・・・ファン
507・・・排気ダクト
800・・・局所排気装置
801・・・フード
803a、803b・・・ダクト
805・・・ファン
807・・・排気ダクト
900・・・ダンパー
901・・・ハウジング
903・・・弁体ディスク
904・・・弁軸
905・・・アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通流路を有する硬質なボディと、前記貫通流路内に配置される膨張部材と、少なくとも前記膨張部材を含んで形成される気密空洞と、を有するバルブと、
前記貫通流路内の圧力及び/又は流量を測定する圧力/流量計測手段と
前記気密空洞に制御用気体を給気又は排気することにより、前記膨張部材を膨張又は収縮させて前記貫通流路の流路断面積を変化させる給排気制御手段と、
を有することを特徴とする排気圧力/流量コントローラ。
【請求項2】
前記バルブが
貫通流路を有する硬質なボディと、
前記貫通流路の流路方向とその軸心とを平行にして前記貫通流路内に挿入され、その両端側が前記ボディに形成される貫通流路の貫通方向における両端側と気密に接続される筒状のゴム製チューブと、
からなる請求項1に記載の排気圧力/流量コントローラ。
【請求項3】
前記圧力/流量計測手段が差圧センサを用いており、前記差圧センサをパージする機構を備える圧力/流量計測手段である請求項1に記載の排気圧力/流量コントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−53530(P2012−53530A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193595(P2010−193595)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(399054745)株式会社エー・シー・イー (6)
【Fターム(参考)】