説明

描画エラーの検出方法及び描画方法

【目的】故障箇所も特定可能な描画エラーの検証方法を提供することを目的とする。
【構成】本発明の一態様の描画エラーの検出方法は、複数のショットパターンが間に入らない間隔で、かかるショットパターンに成形された荷電粒子ビームを連続してショットする描画工程(S102)と、複数のショットパターンが間に入る間隔で、ショットパターンに成形された荷電粒子ビームをショットする描画工程(S114)と、両描画工程で同位置にショットされたはずのショットパターン同士の位置を比較し、結果を出力する工程(S202)と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、描画エラーの検出方法及び描画方法に関する。例えば、電子ビームを用いて試料に所定のパターンを描画する描画装置でビーム偏向に用いられるデジタル・アナログ変換アンプユニット(DACアンプユニット)の異常を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。これらの半導体デバイスへ所望の回路パターンを形成するためには、高精度の原画パターン(レチクル或いはマスクともいう。)が必要となる。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、高精度の原画パターンの生産に用いられる。
【0003】
図16は、従来の可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
可変成形型電子線(EB:Electron beam)描画装置は、以下のように動作する。第1のアパーチャ410には、電子線330を成形するための矩形例えば長方形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、開口411を通過した電子線330を所望の矩形形状に成形するための可変成形開口421が形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、開口411を通過した電子線330は、偏向器により偏向される。そして、可変成形開口421の一部を通過して、ステージ上に搭載された試料340に照射される。また、ステージは、描画中、所定の一方向(例えば、X方向とする)に連続的に移動する。すなわち、開口411と可変成形開口421との両方を通過できる矩形形状が、連続的に移動するステージ上に搭載された試料340の描画領域に描画される。開口411と可変成形開口421との両方を通過させ、任意形状を作成する方式を可変成形方式という。
【0004】
かかる電子ビーム描画装置では、日単位或いは週単位といった間隔で品質チェック描画を行ない、描画精度の維持を図っている。かかる品質チェック描画で描画された基板は、現像処理及びエッチング処理を行うことでパターン形成が完成した後に、座標測定器およびCD(Critical Dimension)測定器といった2つの異なる装置に順に配置され、描画されたパターンの位置及び寸法が測定される。そして、かかる測定結果を基にして、描画装置の描画精度の評価が行なわれている。しかしながら、かかる手法での評価では、その都度、2つの装置を使って、座標測定及び寸法測定を行なう必要があるため、即座に結果を得ることができず、1回の評価に時間がかかってしまうといった問題があった。また、かかる評価では、仮に描画異常があった場合でも描画装置の故障箇所の特定が困難であった。そのため、描画異常の原因となる描画装置の故障箇所を特定するために、何度も、上述した描画、現像処理、エッチング、座標測定、及び寸法測定を行なう必要があった。
【0005】
ここで、電子ビームの偏向に用いるDACアンプユニットの異常を検出する方法に関連して以下の技術が文献に開示されている(例えば、特許文献1参照)。かかる技術では、1つのDACアンプユニットが静電偏向させるためのデジタル信号を入力して第1のアナログ値に変換し、第1のアナログ値を増幅して第1の電圧値として出力する。そして、別のDACアンプユニットが、上述したデジタル信号と同期してデジタル信号の正負を反転させた逆相信号を入力して第2のアナログ値に変換し、第2のアナログ値を増幅して第2の電圧値として出力する。そして、比較回路で、第1の電圧値と第2の電圧値とを比較することで2つのDACアンプユニットの少なくとも一方が異常であると判定している。しかし、かかる方法では、描画エラーが発生する一態様であるDACアンプユニットの異常を検出するために、現状の描画装置を改良する必要が生じてしまう。
【特許文献1】特開2007−271919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来、日単位或いは週単位といった間隔で品質チェック描画を行なう場合、その都度、2つの異なる測定器で座標測定及び寸法測定を行なう必要があるため、即座に結果を得ることができず、1回の評価に時間がかかってしまうといった問題があった。また、かかる評価では、仮に描画異常があった場合でも描画装置の故障箇所の特定が困難であるといった問題があった。そのため、描画異常の原因となる描画装置の故障箇所を特定するために、何度も、上述した検証作業を行なう必要があった。また、仮に異常が生じた場合でも条件によっては描画を行なうことができる場合もあり得る。その条件を見出すことができれば描画を続行することができる。しかし、従来の評価手法では、かかる条件を見出すことが困難であった。
【0007】
そこで、本発明は、かかる問題を克服すべく、故障箇所も特定可能な描画エラーの検証方法、および描画エラーの検証が可能となる描画方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様の描画エラーの検出方法は、
複数のショットパターンが間に入らない間隔で、かかるショットパターンに成形された荷電粒子ビームを連続してショットする第1の描画工程と、
複数のショットパターンが間に入る間隔で、ショットパターンに成形された荷電粒子ビームをショットする第2の描画工程と、
第1と第2の描画工程で同位置にショットされたはずのショットパターン同士の位置を比較し、結果を出力する工程と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
異なる描画条件で描画されたショットパターン同士の位置をパターン検査装置等で比較する。その結果、位置ずれが生じていれば、描画エラーであることがわかる。さらに、そのショットに寄与したDACアンプユニットが故障していることがわかる。
【0010】
また、第1の描画工程とは、多重度を変えて、複数のショットパターンが間に入る間隔で、前記ショットパターンに成形された荷電粒子ビームをショットする第3の描画工程と、
第1と第3の描画工程で同位置にショットされたはずのショットパターン同士の位置を比較し、結果を出力する工程と、
をさらに備えると好適である。
【0011】
また、第1の描画工程とは、セトリング時間を変えて、複数のショットパターンが間に入る間隔で、ショットパターンに成形された荷電粒子ビームをショットする第4の描画工程と、
第1と第4の描画工程で同位置にショットされたはずのショットパターン同士の位置を比較し、結果を出力する工程と、
をさらに備えると好適である。
【0012】
また、第1の描画工程とは、多重度とセトリング時間を変えて、複数のショットパターンが間に入る間隔で、ショットパターンに成形された荷電粒子ビームをショットする第5の描画工程と、
第1と第5の描画工程で同位置にショットされたはずのショットパターン同士の位置を比較し、結果を出力する工程と、
をさらに備えると好適である。
【0013】
また、本発明の一態様の描画方法は、
複数のショットパターンが間に入らない間隔で、試料にショットパターンに成形された荷電粒子ビームを連続してショットする第1の描画工程と、
複数のショットパターンが間に入る間隔で、かかる試料にショットパターンに成形された荷電粒子ビームをショットする第2の描画工程と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、描画エラーを検証できるだけでなく、描画装置の故障箇所も特定することができる。その結果、何度も検証作業を行なう必要を無くすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームでも構わない。また、荷電粒子ビーム装置の一例として、荷電粒子ビーム描画装置、特に、可変成形型の電子ビーム描画装置について説明する。
【0016】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。図1において、描画装置100は、描画部150と制御部160を備えている。描画装置100は、荷電粒子ビーム描画装置の一例である。描画装置100は、電子ビーム200を用いて試料101に所望するパターンを描画する。描画部150は、電子鏡筒102、及び描画室103を有している。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、第1のアパーチャ203、投影レンズ204、成形偏向器205、第2のアパーチャ206、対物レンズ207、副偏向器212、主偏向器214が配置されている。描画室103内には、XYステージ105が配置されている。XYステージ105上には描画対象となる試料101が配置される。制御部160は、制御計算機220、偏向制御回路224、デジタル・アナログ変換(DAC)アンプユニット226,228を有している。偏向制御回路224は、図示しないバスにより制御計算機220に接続される。DACアンプユニット226,228は、図示しないバスにより偏向制御回路224に接続される。DACアンプユニット226は副偏向器212に、DACアンプユニット228は主偏向器214に、それぞれ接続される。DACアンプユニット226は偏向制御回路224からのデジタル信号をアナログ信号に変換した上で増幅して、偏向電圧として副偏向器212に印加する。DACアンプユニット228は偏向制御回路224からのデジタル信号をアナログ信号に変換した上で増幅して、偏向電圧として主偏向器214に印加する。図1では、本実施の形態1を説明する上で必要な構成部分以外については記載を省略している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれることは言うまでもない。
【0017】
電子銃201から放出された電子ビーム200は、照明レンズ202により矩形例えば長方形の穴を持つ第1のアパーチャ203全体を照明する。ここで、電子ビーム200をまず矩形例えば長方形に成形する。そして、第1のアパーチャ203を通過した第1のアパーチャ像の電子ビーム200は、投影レンズ204により第2のアパーチャ206上に投影される。かかる第2のアパーチャ206上での第1のアパーチャ像の位置は、偏向器205によって偏向制御され、ビーム形状と寸法を変化させることができる。そして、第2のアパーチャ206を通過した第2のアパーチャ像の電子ビーム200は、対物レンズ207により焦点を合わせ、偏向制御回路224に制御された2つの偏向器(主偏向器214及び副偏向器212)によって偏向され、連続的に移動するXYステージ105に追従しながら照射位置が決められる。そして、移動可能に配置されたXYステージ105上の試料101の所望する位置に照射される。ここでは、例えば、8極静電偏向器を用いる。8極の静電偏向器を用いることで電子ビーム200を高速かつ高精度に制御することができる。
【0018】
図2は、実施の形態1における主偏向領域と副偏向領域とを示す概念図である。図2に示すように、描画装置100にて所望のパターンを描画する場合には、試料101となる例えばマスクの描画領域は、主偏向器214により偏向可能な幅で例えばY方向にストライプ状の複数の描画領域(ストライプ)10に分割される。そして、各ストライプ10においてX方向にもストライプのY方向の幅と同じ幅で区切られる。この区切られた領域が、主偏向器214により偏向可能な主偏向領域20となる。また、主偏向領域20をさらに細分化した領域が副偏向領域30(またはサブフィールドと呼ぶ)となる。
【0019】
副偏向器212は、ショット毎の電子ビーム200の位置を高速かつ高精度に制御するために用いられる。そのため、偏向範囲は図2に示すように狭く、マスクブランク上で、副偏向領域30に限定され、その領域を超える偏向は主偏向器214で副偏向領域30の位置を移動することによって行なう。一方、主偏向器214は、副偏向領域30の位置を制御するために用いられ、複数の副偏向領域30が含まれる範囲(主偏向領域20)内で移動する。また、描画中はXYステージ105がX方向に連続的に移動しているため、主偏向器214で副偏向領域30の描画原点を随時移動(トラッキング)することでXYステージ105の移動に追従させることができる。
【0020】
図3は、実施の形態1における副偏向器の各極に偏向方向を説明するための図である。副偏向器212として、ここでは、例えば8極の静電偏向器を用いる。図3に示すように、例えば、XY方向の所定の方向に偏向させるにあたって、−90°方向の電極(5)と対極の90°方向の電極(1)とによって±y方向(90°,−90°方向)に電子ビーム200を偏向する。また、0°方向の電極(3)と対極の180°方向の電極(7)とによって±x方向(0°,180°方向)に電子ビーム200を偏向する。また、45°方向の電極(2)と対極の225°方向の電極(6)とによって±(x+y)方向(45°,225°方向)に電子ビーム200を偏向する。また、−45°方向の電極(4)と対極の135°方向の電極(8)とによって±(x−y)方向(−45°,135°方向)に電子ビーム200を偏向する。これら8つの電極それぞれにDACアンプユニット226が配置される。よって、図3のように8極の電極をもつ偏向器の場合、8つのDACアンプユニット226が必要となる。電子ビーム200を偏向するにあたり、通常、対極関係にある電極には、符号を反転させた電圧が該当するDACアンプユニット226から印加される。
【0021】
描画エラーの原因の1つとして、副偏向器212用のDACアンプユニット226の異常或いは故障が挙げられる。そこで、実施の形態1では、描画エラーを検証すると共に、特に、その原因となる異常或いは故障した副偏向器212用のDACアンプユニット226を特定する。そのために、実施の形態1では、試料101の代わりに評価用基板をXYステージ105上に配置した上で以下に示す評価パターンを評価用基板上に描画する。或いは、製品となる試料101上の製品として使用するパターンが描画されない位置に以下に示す評価パターンを描画する。
【0022】
図4は、実施の形態1における評価パターンの一例を示す概念図である。図4では、セトリング時間と多重度とショット間の間隔を変えたパターンを副偏向器212で偏向するそれぞれの方向に描画する。図4では、3つのグループ50,52,54のパターン群を描画する場合を示している。各パターンは主偏向領域20サイズにして、複数の同じ副偏向領域30の副偏向領域パターンを主偏向領域20内の各位置で描画すると、位置に依存するショット位置の変動分を把握することができるため好適である。
【0023】
まず、グループ50では、1つに、セトリング時間が基準値に設定され、多重度(パス)が1に設定され、ショット間隔が可変、すなわち、複数のショットパターンが間に入る間隔でショットパターンに成形された荷電粒子ビームがショットされる描画条件でパターンを描画する。かかる描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン302を描画する。同様の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン304を描画する。同様の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン306を描画する。同様の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン308を描画する。
【0024】
グループ50では、さらに、セトリング時間を基準値の2倍にして、多重度(パス)が1に設定された条件で、ショット間隔が可変となる描画条件でパターンを描画する。かかる描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン312を描画する。同様の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン314を描画する。同様の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン316を描画する。同様の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン318を描画する。
【0025】
グループ50では、さらに、セトリング時間を基準値の2倍にして、多重度(パス)が4に設定された条件で、ショット間隔が複数のショットパターンが間に入らない間隔でショットパターンに成形された荷電粒子ビームが連続してショットされる描画条件でパターンを描画する。かかる描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン322を描画する。同様の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン324を描画する。同様の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン326を描画する。同様の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン328を描画する。
【0026】
そして、グループ52では、1つに、セトリング時間が基準値に設定され、多重度(パス)が2に設定され、ショット間隔が可変となる描画条件でパターンを描画する。かかる描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン332を描画する。同様の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン334を描画する。同様の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン336を描画する。同様の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン338を描画する。
【0027】
グループ52では、さらに、セトリング時間を基準値の2倍にして、多重度(パス)が2に設定された条件で、ショット間隔が可変となる描画条件でパターンを描画する。かかる描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン342を描画する。同様の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン344を描画する。同様の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン346を描画する。同様の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン348を描画する。
【0028】
グループ52では、さらに、セトリング時間を基準値の2倍にして、多重度(パス)が4に設定された条件で、ショット間隔が複数のショットパターンが間に入らない間隔でショットパターンに成形された荷電粒子ビームが連続してショットされる描画条件でパターンを描画する。かかる描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン352を描画する。同様の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていくパターン主偏向領域354を描画する。同様の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン356を描画する。同様の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン358を描画する。
【0029】
そして、グループ54では、1つに、セトリング時間が基準値に設定され、多重度(パス)が4に設定され、ショット間隔が可変となる描画条件でパターンを描画する。かかる描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン362を描画する。同様の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン364を描画する。同様の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン366を描画する。同様の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン368を描画する。
【0030】
グループ54では、さらに、セトリング時間を基準値の2倍にして、多重度(パス)が4に設定された条件で、ショット間隔が可変となる描画条件でパターンを描画する。かかる描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン372を描画する。同様の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン374を描画する。同様の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン376を描画する。同様の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン378を描画する。
【0031】
グループ54では、さらに、セトリング時間を基準値の2倍にして、多重度(パス)が4に設定された条件で、ショット間隔が複数のショットパターンが間に入らない間隔でショットパターンに成形された荷電粒子ビームが連続してショットされる描画条件でパターンを描画する。かかる描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン382を描画する。同様の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン384を描画する。同様の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン386を描画する。同様の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン388を描画する。
【0032】
図4では、セトリング時間を基準値か基準値の2倍かの違いにしたが、これに限るものではなく、3倍以上の違いにしても構わない。セトリング時間が異なる条件で描画されればよい。但し、従来の描画装置の設定において、基準値の2倍にすれば、通常、十分長いセトリング時間とみなすことができる。また、多重度についても1,2,4の違いにしたが、これに限るものではなく、多重度が異なる条件で描画されればよい。多重度が大きくなればなるほど一般的に平均化効果でショット位置の誤差を小さくすることができる。
【0033】
また、図4に示すように、1つの評価用基板300上に各グループ50,52,54のパターン群を描画すると好適である。1つの評価用基板300上に描画することで、後述する検査装置でパターン検査を行う際に、基板1枚分の検査動作で描画エラー及び故障箇所の特定を行うことができる。但し、これに限るものではなく、グループ毎に異なる基板に描画しても構わない。また、図4において、主偏向領域パターン322,352,382は、同じ主偏向領域パターンとなる。同様に、主偏向領域パターン324,354,384は、同じ主偏向領域パターンとなる。同様に、主偏向領域パターン326,356,386は、同じ主偏向領域パターンとなる。同様に、主偏向領域パターン328,358,388は、同じ主偏向領域パターンとなる。これらの主偏向領域パターンは、描画エラーを評価するにあたって基準となる主偏向領域パターンとなる。各グループのパターン群は他のグループのパターンよりも互いに近くに描画されるため、グループ毎に基準となる主偏向領域パターンを描画することで位置に依存するショット位置誤差を回避することができる。但し、これに限るものではなく、各方向について基準となる主偏向領域パターンを1回だけ描画して、すべてのグループで共通に使用する場合を排除するものではない。
【0034】
図5は、実施の形態1における描画エラーの検出方法の要部工程を示すフローチャート図である。図5において、実施の形態1における描画エラーの検出方法は、多重度:1、セトリング時間:基準値、ショット間隔:可変の描画条件での描画工程(S102)と、多重度:1、セトリング時間:基準値の2倍、ショット間隔:可変の描画条件での描画工程(S104)と、多重度:2、セトリング時間:基準値、ショット間隔:可変の描画条件での描画工程(S106)と、多重度:2、セトリング時間:基準値の2倍、ショット間隔:可変の描画条件での描画工程(S108)と、多重度:4、セトリング時間:基準値、ショット間隔:可変の描画条件での描画工程(S110)と、多重度:4、セトリング時間:基準値の2倍、ショット間隔:可変の描画条件での描画工程(S112)と、多重度:4、セトリング時間:基準値の2倍、ショット間隔:連続の描画条件での描画工程(S114)と、現像/エッチング工程(S200)と、パターン検査工程(S202)といった一連の工程を実施する。但し、S102〜S114までの各工程について、その順序は図5に示す順序と異なる順序にしても構わない。最終的に、図4に示した各パターンが描画できればよい。
【0035】
ステップ(S)102において、多重度:1、セトリング時間:基準値、ショット間隔:可変の描画条件での描画工程として、セトリング時間が基準値に設定され、多重度(パス)が1に設定され、ショット間隔が可変、すなわち、複数のショットパターンが間に入る間隔でショットパターンに成形された荷電粒子ビームがショットされる描画条件でレジストが塗布された評価用基板300上に複数のショットパターンを描画する。かかる描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていくことで主偏向領域パターン302を描画する。同様の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン304を描画する。同様の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン306を描画する。同様の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン308を描画する。以下、各方向についてショットパターンのショット順序について説明する。
【0036】
図6は、実施の形態1におけるショット間隔が可変の描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていく場合のショット順序の一例を示す図である。図6では、主偏向領域パターン302内の1つの副偏向領域パターンを示している。図6において、多数の四角形の1つが1つのショットパターンを示している。ショットパターン内の数字はショット順序を示している。最終的には、xy方向に1ショット分ずつの隙間をあけて規則的に配置されるすべてのショットパターン(ここでは例えば1024個のショットパターン)を描画することになるが、そのショット順序を次のようにする。まず、1番目のショットパターンは副偏向領域30の左下にショットし、2番目のショットパターンはx方向に一番離れた副偏向領域30の右下にショットする。このように、複数のショットパターンが間に入る間隔で各ショットを行う。そして、3番目のショットパターンは1番目のショットパターンに対しy方向に1ショット分間をあけてショットし、4番目のショットパターンはx方向に一番離れた2番目のショットパターンに対しy方向に1ショット分間あけた位置にショットする。同様の間隔でy方向に1ショット分ずつずれながら複数回ショットを繰り返す。そして、次に、例えば、17番目のショットパターンは15番目のショットパターンに対しy方向に1ショット分間をあけてショットし、18番目のショットパターンはx方向に離れる間隔を短くして16番目のショットパターンに対しy方向に1ショット分間あけた位置にショットする。同様の間隔でy方向に1ショット分ずつずれながら複数回ショットを繰り返す。そして、次に、例えば、33番目のショットパターンは31番目のショットパターンに対しy方向に1ショット分間をあけてショットし、34番目のショットパターンはx方向に離れる間隔をさらに短くして32番目のショットパターンに対しy方向に1ショット分間あけた位置にショットする。同様の間隔でy方向に1ショット分ずつずれながら複数回ショットを繰り返す。そして、次に、例えば、49番目のショットパターンは47番目のショットパターンに対しy方向に1ショット分間をあけてショットし、50番目のショットパターンはx方向に離れる間隔をさらに短くして48番目のショットパターンに対しy方向に1ショット分間あけた位置にショットする。同様の間隔でy方向に1ショット分ずつずれながら複数回ショットを繰り返す。このようにして、±x方向のショット間の間隔が複数の異なる間隔となるように副偏向領域30のy方向の最終列まで描画した後、図6において白抜きで示す残るショットパターンを描画する。残るショットパターンの描画順序は特に限定しなくてよい。以上のようにして1つの副偏向領域30分の±x方向についての評価用の副偏向領域パターンを描画する。図6では、副偏向領域30の左下をショット位置の基点にしてそれ以降のショット位置を決めているが、これに限るものではない。ショット間隔が可変の描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットできればよい。
【0037】
図7は、実施の形態1におけるショット間隔が可変の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく場合のショット順序の一例を示す図である。図7では、主偏向領域パターン304内の1つの副偏向領域パターンを示している。図7において、多数の四角形の1つが1つのショットパターンを示している。ショットパターン内の数字はショット順序を示している。最終的には、xy方向に1ショット分ずつの隙間をあけて規則的に配置されるすべてのショットパターン(ここでは例えば1024個のショットパターン)を描画することになるが、そのショット順序を次のようにする。まず、1番目のショットパターンは副偏向領域30の左下にショットし、2番目のショットパターンはy方向に一番離れた副偏向領域30の左上にショットする。このように、複数のショットパターンが間に入る間隔で各ショットを行う。そして、3番目のショットパターンは1番目のショットパターンに対しx方向に1ショット分間をあけてショットし、4番目のショットパターンはy方向に一番離れた2番目のショットパターンに対しx方向に1ショット分間あけた位置にショットする。同様の間隔でx方向に1ショット分ずつずれながら複数回ショットを繰り返す。そして、次に、例えば、17番目のショットパターンは15番目のショットパターンに対しx方向に1ショット分間をあけてショットし、18番目のショットパターンはy方向に離れる間隔を短くして16番目のショットパターンに対しx方向に1ショット分間あけた位置にショットする。同様の間隔でx方向に1ショット分ずつずれながら複数回ショットを繰り返す。そして、次に、例えば、33番目のショットパターンは31番目のショットパターンに対しx方向に1ショット分間をあけてショットし、34番目のショットパターンはx方向に離れる間隔をさらに短くして32番目のショットパターンに対しx方向に1ショット分間あけた位置にショットする。同様の間隔でx方向に1ショット分ずつずれながら複数回ショットを繰り返す。そして、次に、例えば、49番目のショットパターンは47番目のショットパターンに対しx方向に1ショット分間をあけてショットし、50番目のショットパターンはy方向に離れる間隔をさらに短くして48番目のショットパターンに対しx方向に1ショット分間あけた位置にショットする。同様の間隔でx方向に1ショット分ずつずれながら複数回ショットを繰り返す。このようにして、±y方向のショット間の間隔が複数の異なる間隔となるように副偏向領域30のx方向の最終列まで描画した後、図7において白抜きで示す残るショットパターンを描画する。残るショットパターンの描画順序は特に限定しなくてよい。以上のようにして1つの副偏向領域30分の±y方向についての評価用の副偏向領域パターンを描画する。図7では、副偏向領域30の左下をショット位置の基点にしてそれ以降のショット位置を決めているが、これに限るものではない。ショット間隔が可変の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットできればよい。
【0038】
図8は、実施の形態1におけるショット間隔が可変の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく場合のショット順序の一例を示す図である。図8では、主偏向領域パターン306内の1つの副偏向領域パターンを示している。図8において、多数の四角形の1つが1つのショットパターンを示している。ショットパターン内の数字はショット順序を示している。最終的には、xy方向に1ショット分ずつの隙間をあけて規則的に配置されるすべてのショットパターン(ここでは例えば1024個のショットパターン)を描画することになるが、そのショット順序を次のようにする。まず、1番目のショットパターンは副偏向領域30の左下にショットし、2番目のショットパターンはxy方向(45°方向)に一番離れた副偏向領域30の右上にショットする。このように、複数のショットパターンが間に入る間隔で各ショットを行う。そして、3番目のショットパターンは1番目のショットパターンに対しx方向に1ショット分間をあけてショットし、4番目のショットパターンはxy方向(45°方向)に離れる間隔を短くして2番目のショットパターンに対し−y方向に1ショット分間あけた位置にショットする。同様の間隔で奇数番目のショットはx方向に、偶数番目のショットは−y方向に1ショット分ずつずれながら複数回ショットを繰り返す。そして、次に、例えば、61番目のショットパターンは59番目のショットパターンに対しx方向に1ショット分間をあけてショットし、62番目のショットパターンは(x+y)方向(45°方向)に離れる間隔を短くして60番目のショットパターンに対し−y方向に1ショット分間あけた位置にショットする。そして、63番目のショットパターンは副偏向領域30の右下にショットする。このようにして、±(x+y)方向のショット間の間隔が複数の異なる間隔となるように副偏向領域30の右下端まで描画した後、図8において白抜きで示す残るショットパターンを描画する。残るショットパターンの描画順序は特に限定しなくてよい。以上のようにして1つの副偏向領域30分の±(x+y)方向についての評価用の副偏向領域パターンを描画する。図8では、副偏向領域30の左下をショット位置の基点にしてそれ以降のショット位置を決めているが、これに限るものではない。ショット間隔が可変の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットできればよい。
【0039】
図9は、実施の形態1におけるショット間隔が可変の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく場合のショット順序の一例を示す図である。図9では、主偏向領域パターン308内の1つの副偏向領域パターンを示している。図9において、多数の四角形の1つが1つのショットパターンを示している。ショットパターン内の数字はショット順序を示している。最終的には、xy方向に1ショット分ずつの隙間をあけて規則的に配置されるすべてのショットパターン(ここでは例えば1024個のショットパターン)を描画することになるが、そのショット順序を次のようにする。まず、1番目のショットパターンは副偏向領域30の左下にショットし、2番目のショットパターンはy方向に1ショット分空けてショットする。そして、3番目のショットパターンは−45°方向にあって1番目のショットパターンに対しx方向に1ショット分間をあけた位置にショットする。そして、4番目のショットパターンは2番目のショットパターンに対しy方向に1ショット分空けてショットし、5番目のショットパターンは−45°方向に離れる間隔を長くして3番目のショットパターンに対しx方向に1ショット分間をあけた位置にショットする。そして、6番目のショットパターンは4番目のショットパターンに対しy方向に1ショット分空けてショットし、7番目のショットパターンは−45°方向に離れる間隔をさらに長くして5番目のショットパターンに対しx方向に1ショット分間をあけた位置にショットする。以降、このように、複数のショットパターンが間に入る間隔で各ショットを行う。同様の間隔で偶数番目のショットはy方向に、奇数番目のショットはx方向に1ショット分ずつずれながら複数回ショットを繰り返す。そして、例えば、62番目のショットパターンは60番目のショットパターンに対しy方向に1ショット分間をあけてショットし、63番目のショットパターンは−45°方向に離れる間隔を最大にして61番目のショットパターンに対しx方向に1ショット分間あけた位置にショットする。このようにして、±(x−y)方向のショット間の間隔が複数の異なる間隔となるように副偏向領域30の右下端まで描画した後、図9において白抜きで示す残るショットパターンを描画する。残るショットパターンの描画順序は特に限定しなくてよい。以上のようにして1つの副偏向領域30分の±(x−y)方向についての評価用の副偏向領域パターンを描画する。図9では、副偏向領域30の左下をショット位置の基点にしてそれ以降のショット位置を決めているが、これに限るものではない。ショット間隔が可変の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットできればよい。
【0040】
S104において、多重度:1、セトリング時間:基準値の2倍、ショット間隔:可変の描画条件での描画工程として、セトリング時間が基準値の2倍に設定され、多重度(パス)が1に設定され、ショット間隔が可変、すなわち、複数のショットパターンが間に入る間隔でショットパターンに成形された荷電粒子ビームがショットされる描画条件でレジストが塗布された評価用基板300上に、先の描画工程の後に続けて複数のショットパターンを描画する。かかる描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていくことで主偏向領域パターン312を描画する。同様の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン314を描画する。同様の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン316を描画する。同様の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン318を描画する。各方向についてショットパターンのショット順序については、±x方向について図6で、±y方向について図7で、±(x+y)方向について図8で、±(x−y)方向について図9で説明した通りである。主偏向領域パターン312,314,316,318は、グループ50として、主偏向領域パターン302,304,306,308の下側に隙間を空けて描画する。
【0041】
S106において、多重度:2、セトリング時間:基準値、ショット間隔:可変の描画条件での描画工程として、セトリング時間が基準値に設定され、多重度(パス)が2に設定され、ショット間隔が可変、すなわち、複数のショットパターンが間に入る間隔でショットパターンに成形された荷電粒子ビームがショットされる描画条件でレジストが塗布された評価用基板300上に、先の描画工程の後に続けて複数のショットパターンを描画する。かかる描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていくことで主偏向領域パターン332を描画する。同様の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン334を描画する。同様の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン336を描画する。同様の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン338を描画する。各方向についてショットパターンのショット順序については、±x方向について図6で、±y方向について図7で、±(x+y)方向について図8で、±(x−y)方向について図9で説明した通りである。主偏向領域パターン332,334,336,338は、グループ52として、グループ50のパターン群の下側に隙間を空けて描画する。
【0042】
S108において、多重度:2、セトリング時間:基準値の2倍、ショット間隔:可変の描画条件での描画工程として、セトリング時間が基準値の2倍に設定され、多重度(パス)が2に設定され、ショット間隔が可変、すなわち、複数のショットパターンが間に入る間隔でショットパターンに成形された荷電粒子ビームがショットされる描画条件でレジストが塗布された評価用基板300上に、先の描画工程の後に続けて複数のショットパターンを描画する。かかる描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていくことで主偏向領域パターン342を描画する。同様の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン344を描画する。同様の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン346を描画する。同様の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン348を描画する。各方向についてショットパターンのショット順序については、±x方向について図6で、±y方向について図7で、±(x+y)方向について図8で、±(x−y)方向について図9で説明した通りである。主偏向領域パターン342,344,346,348は、グループ52として、主偏向領域パターン332,334,336,338の下側に隙間を空けて描画する。
【0043】
S110において、多重度:4、セトリング時間:基準値、ショット間隔:可変の描画条件での描画工程として、セトリング時間が基準値に設定され、多重度(パス)が4に設定され、ショット間隔が可変、すなわち、複数のショットパターンが間に入る間隔でショットパターンに成形された荷電粒子ビームがショットされる描画条件でレジストが塗布された評価用基板300上に、先の描画工程の後に続けて複数のショットパターンを描画する。かかる描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていくことで主偏向領域パターン362を描画する。同様の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン364を描画する。同様の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン366を描画する。同様の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン368を描画する。各方向についてショットパターンのショット順序については、±x方向について図6で、±y方向について図7で、±(x+y)方向について図8で、±(x−y)方向について図9で説明した通りである。主偏向領域パターン362,364,366,368は、グループ54として、グループ52のパターン群の下側に隙間を空けて描画する。
【0044】
S112において、多重度:4、セトリング時間:基準値の2倍、ショット間隔:可変の描画条件での描画工程として、セトリング時間が基準値の2倍に設定され、多重度(パス)が4に設定され、ショット間隔が可変、すなわち、複数のショットパターンが間に入る間隔でショットパターンに成形された荷電粒子ビームがショットされる描画条件でレジストが塗布された評価用基板300上に、先の描画工程の後に続けて複数のショットパターンを描画する。かかる描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていくことで主偏向領域パターン372を描画する。同様の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン374を描画する。同様の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン376を描画する。同様の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン378を描画する。各方向についてショットパターンのショット順序については、±x方向について図6で、±y方向について図7で、±(x+y)方向について図8で、±(x−y)方向について図9で説明した通りである。主偏向領域パターン372,374,376,378は、グループ54として、主偏向領域パターン362,364,366,368の下側に隙間を空けて描画する。
【0045】
S114において、多重度:4、セトリング時間:基準値の2倍、ショット間隔:連続の描画条件での描画工程として、セトリング時間が基準値の2倍に設定され、多重度(パス)が4に設定され、ショット間隔が連続、すなわち、複数のショットパターンが間に入らない間隔でショットパターンに成形された荷電粒子ビームが連続でショットされる描画条件でレジストが塗布された評価用基板300上に、先の描画工程の後に続けて複数のショットパターンを描画する。かかる描画条件で、まず、グループ50用に、±x方向に向かってショットパターンをショットしていくことで主偏向領域パターン322を描画する。同様の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン324を描画する。同様の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン326を描画する。同様の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン328を描画する。ここでは、セトリング時間を基準値の2倍とすることでDACアンプユニットに十分なセトリング時間を与え、さらに、多重度を4とすることで、平均化効果を多重度1の4倍にすることで、より正確な位置にショットすることができる。この描画条件で評価の基準となる主偏向領域パターンを各方向に対して描画する。主偏向領域パターン322,324,326,328は、グループ50として、主偏向領域パターン312,314,316,318の下側に隙間を空けて描画する。以下、各方向についてショットパターンのショット順序について説明する。
【0046】
図10は、実施の形態1におけるショット間隔が連続、すなわち、複数のショットパターンが間に入らない間隔の描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていく場合のショット順序の一例を示す図である。図10では、主偏向領域パターン322内の1つの副偏向領域パターンを示している。図10において、多数の四角形の1つが1つのショットパターンを示している。ショットパターン内の数字はショット順序を示している。最終的には、xy方向に1ショット分ずつの隙間をあけて規則的に配置されるすべてのショットパターン(ここでは例えば1024個のショットパターン)を描画することになるが、そのショット順序を次のようにする。まず、1番目のショットパターンは副偏向領域30の左下にショットし、2番目のショットパターンはx方向に1ショット分離れた位置にショットする。そして、3番目のショットパターンは2番目のショットパターンに対しx方向に1ショット分間をあけてショットし、4番目のショットパターンは3番目のショットパターンに対しx方向に1ショット分間をあけてショットする。このように、複数のショットパターンが間に入らない間隔で各ショットを連続して行う。そして、副偏向領域30の右下端の位置までショットパターンがショットされた後、例えば、33番目のショットパターンは1番目のショットパターンに対しy方向に1ショット分間をあけてショットし、それ以降、x方向に1ショット分間をあけて連続に複数回ショットを繰り返す。このようにして、副偏向領域30のすべての位置にショットパターンを描画する。以上のようにして1つの副偏向領域30分の±x方向についての基準の副偏向領域パターンを描画する。図10では、副偏向領域30の左下をショット位置の基点にしてそれ以降のショット位置を決めているが、これに限るものではない。ショット間隔が連続の描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットできればよい。
【0047】
図11は、実施の形態1におけるショット間隔が連続、すなわち、複数のショットパターンが間に入らない間隔の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく場合のショット順序の一例を示す図である。図11では、主偏向領域パターン324内の1つの副偏向領域パターンを示している。図11において、多数の四角形の1つが1つのショットパターンを示している。ショットパターン内の数字はショット順序を示している。最終的には、xy方向に1ショット分ずつの隙間をあけて規則的に配置されるすべてのショットパターン(ここでは例えば1024個のショットパターン)を描画することになるが、そのショット順序を次のようにする。まず、1番目のショットパターンは副偏向領域30の左下にショットし、2番目のショットパターンはy方向に1ショット分離れた位置にショットする。そして、3番目のショットパターンは2番目のショットパターンに対しy方向に1ショット分間をあけてショットし、4番目のショットパターンは3番目のショットパターンに対しy方向に1ショット分間をあけてショットする。このように、複数のショットパターンが間に入らない間隔で各ショットを連続して行う。そして、副偏向領域30の左上端の位置までショットパターンがショットされた後、例えば、33番目のショットパターンは1番目のショットパターンに対しx方向に1ショット分間をあけてショットし、それ以降、y方向に1ショット分間をあけて連続に複数回ショットを繰り返す。このようにして、副偏向領域30のすべての位置にショットパターンを描画する。以上のようにして1つの副偏向領域30分の±y方向についての基準の副偏向領域パターンを描画する。図11では、副偏向領域30の左下をショット位置の基点にしてそれ以降のショット位置を決めているが、これに限るものではない。ショット間隔が連続の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットできればよい。
【0048】
図12は、実施の形態1におけるショット間隔が連続、すなわち、複数のショットパターンが間に入らない間隔の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく場合のショット順序の一例を示す図である。図12では、主偏向領域パターン326内の1つの副偏向領域パターンを示している。図12において、多数の四角形の1つが1つのショットパターンを示している。ショットパターン内の数字はショット順序を示している。最終的には、xy方向に1ショット分ずつの隙間をあけて規則的に配置されるすべてのショットパターン(ここでは例えば1024個のショットパターン)を描画することになるが、そのショット順序を次のようにする。まず、1番目のショットパターンは副偏向領域30の左下にショットし、2番目のショットパターンは45°方向に1ショット分離れた位置にショットする。そして、3番目のショットパターンは2番目のショットパターンに対し45°方向に1ショット分間をあけてショットし、4番目のショットパターンは3番目のショットパターンに対し45°方向に1ショット分間をあけてショットする。このように、複数のショットパターンが間に入らない間隔で各ショットを連続して行う。そして、副偏向領域30の右上端の位置までショットパターンがショットされた後、例えば、33番目のショットパターンは1番目のショットパターンに対しx方向に1ショット分間をあけてショットし、それ以降、45°方向に1ショット分間をあけて連続に複数回ショットを繰り返す。このようにして、副偏向領域30の左下と右上の対角を結ぶ対角線より下側(右側)のすべての位置にショットパターンを描画する。その後、残るショットパターンを描画する。残るショットパターンの描画順序は特に限定しなくてよい。以上のようにして1つの副偏向領域30分の±(x+y)方向についての基準の副偏向領域パターンを描画する。図12では、副偏向領域30の左下をショット位置の基点にしてそれ以降のショット位置を決めているが、これに限るものではない。ショット間隔が連続の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットできればよい。
【0049】
図13は、実施の形態1におけるショット間隔が連続、すなわち、複数のショットパターンが間に入らない間隔の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく場合のショット順序の一例を示す図である。図13では、主偏向領域パターン328内の1つの副偏向領域パターンを示している。図13において、多数の四角形の1つが1つのショットパターンを示している。ショットパターン内の数字はショット順序を示している。最終的には、xy方向に1ショット分ずつの隙間をあけて規則的に配置されるすべてのショットパターン(ここでは例えば1024個のショットパターン)を描画することになるが、そのショット順序を次のようにする。まず、1番目のショットパターンは副偏向領域30の左下にショットする。そして、2番目のショットパターンは1番目のショットパターンに対しy方向に1ショット分間をあけてショットし、3番目のショットパターンは2番目のショットパターンに対し−45°方向に1ショット分間をあけてショットする。そして、4番目のショットパターンは2番目のショットパターンに対しy方向に1ショット分間をあけてショットし、5番目のショットパターンは4番目のショットパターンに対し−45°方向に1ショット分間をあけてショットし、6番目のショットパターンは5番目のショットパターンに対し−45°方向に1ショット分間をあけてショットする。このように、複数のショットパターンが間に入らない間隔で各ショットを連続して行う。このようにして、副偏向領域30の左上と右下の対角を結ぶ対角線より下側(左側)のすべての位置にショットパターンを描画する。その後、残るショットパターンを描画する。残るショットパターンの描画順序は特に限定しなくてよい。以上のようにして1つの副偏向領域30分の±(x−y)方向についての基準の副偏向領域パターンを描画する。図13では、副偏向領域30の左下をショット位置の基点にしてそれ以降のショット位置を決めているが、これに限るものではない。ショット間隔が連続の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットできればよい。
【0050】
次に、グループ52用に、同様の描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていくことで主偏向領域パターン352を描画する。同様の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン354を描画する。同様の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン356を描画する。同様の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン358を描画する。各方向についてショットパターンのショット順序については、±x方向について図10で、±y方向について図11で、±(x+y)方向について図12で、±(x−y)方向について図13で説明した通りである。評価の基準となる主偏向領域パターン352,354,356,358は、グループ52として、主偏向領域パターン342,344,346,348の下側に隙間を空けて描画する。
【0051】
次に、グループ54用に、同様の描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていくことで主偏向領域パターン382を描画する。同様の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン384を描画する。同様の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン386を描画する。同様の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく主偏向領域パターン388を描画する。各方向についてショットパターンのショット順序については、±x方向について図10で、±y方向について図11で、±(x+y)方向について図12で、±(x−y)方向について図13で説明した通りである。評価の基準となる主偏向領域パターン382,384,386,388は、グループ54として、主偏向領域パターン372,374,376,378の下側に隙間を空けて描画する。
【0052】
ここでは、各グループの評価の基準となる主偏向領域パターンを1つの描画工程で続けて描画したが、これに限るものではない。いずれかのグループについて評価用の主偏向領域パターンと評価の基準となる主偏向領域パターンを描画した後、他のグループについて評価用の主偏向領域パターンと評価の基準となる主偏向領域パターンを描画するようにしても構わない。
【0053】
以上のようにして、レジストが塗布された1つの評価用基板300上に、3つのグループ50,52,54のパターン群を描画する。
【0054】
S200において、現像/エッチング工程として、描画が終了した評価用基板300を現像し、得られたレジストパターンをマスクにして、下層の膜をエッチングする。その後、レジストパターンを除去することで評価用マスクを作製する。かかる評価用マスクを用いて、描画エラーとその原因となるDACアンプユニットの特定とを行う。
【0055】
S202において、パターン検査工程として、上述したショット間隔が可変の描画条件で描画した主偏向領域パターンと、ショット間隔が連続の描画条件で描画した主偏向領域パターンとにおける同位置にショットされたはずのショットパターン同士の位置を比較する。すなわち、複数のショットパターンが間に入る間隔での描画と複数のショットパターンが間に入らない間隔での描画によって得られた同位置にショットされたはずのショットパターン同士の位置を比較する。比較は、同じ方向同士で行う。そして、その結果を出力する。
【0056】
図14は、実施の形態1におけるパターン検査装置の構成を示す概念図である。図14において、パターン検査装置140は、光学画像取得部141と制御系回路148を備えている。光学画像取得部141は、XYθテーブル142、光源143、拡大光学系144、フォトダイオードアレイ145、センサ回路106、レーザ測長システム122、オートローダ130、及び照明光学系170を備えている。制御系回路148では、装置全体制御の機能を持つ制御計算機110が、データ伝送路となるバス120を介して、位置回路107、比較部の一例となる比較回路108、オートローダ制御回路113、テーブル制御回路114、記憶装置の一例となる磁気ディスク装置109、磁気テープ装置115、フレシキブルディスク装置(FD)116、CRT117、パターンモニタ118、及びプリンタ119に接続されている。また、XYθテーブル142は、X軸モータ、Y軸モータ、θ軸モータにより駆動される。図14では、本実施の形態1を説明する上で必要な構成部分以外については記載を省略している。パターン検査装置140にとって、通常、必要なその他の構成が含まれることは言うまでもない。
【0057】
作製した評価用基板300は、XYθ各軸のモータによって水平方向及び回転方向に移動可能に設けられたXYθテーブル142上に載置され、評価用基板300に形成されたパターンには、XYθテーブル142の上方に配置されている適切な光源143によって光が照射される。光源143から照射される光束は、照明光学系170を介して評価用基板300を照射する。評価用基板300の下方には、拡大光学系144、フォトダイオードアレイ145及びセンサ回路106が配置されており、評価用基板300を透過した光は拡大光学系144を介して、フォトダイオードアレイ145に光学像として結像し、入射する。拡大光学系144は図示しない自動焦点機構により自動的に焦点調整がなされていてもよい。
【0058】
図15は、実施の形態1における光学画像の取得手順を説明するための図である。図15では、グループ50のパターン群を一例として示している。被検査領域は、図15に示すように、y方向に向かって、スキャン幅Wの短冊状の複数の検査ストライプに仮想的に分割され、更にその分割された各検査ストライプが連続的に走査されるようにXYθテーブル142の動作が制御され、x方向に移動しながら光学画像が取得される。図15では、評価の基準となる主偏向領域パターン322,324,326,328の一部にかかる検査ストライプ42と評価用の主偏向領域パターン302,304,306,308の一部にかかる検査ストライプ44とを一例として示している。フォトダイオードアレイ145では、図15に示されるような各検査ストライプの画像を連続的に入力する。
【0059】
フォトダイオードアレイ145上に結像されたパターンの像は、フォトダイオードアレイ145によって光電変換され、更にセンサ回路106によってA/D(アナログデジタル)変換される。フォトダイオードアレイ145には、TDI(タイムディレイインテグレータ)センサのようなセンサが設置されている。ステージとなるXYθテーブル142をX軸方向に連続的に移動させることにより、TDIセンサは試料となる評価用基板300のパターンを撮像する。これらの光源143、拡大光学系144、フォトダイオードアレイ145、センサ回路106により高倍率の検査光学系が構成されている。
【0060】
XYθテーブル142は、制御計算機110の制御の下にテーブル制御回路114により駆動される。X方向、Y方向、θ方向に駆動する3軸(X−Y−θ)モータの様な駆動系によって移動可能となっている。これらの、Xモータ、Yモータ、θモータは、例えばステップモータを用いることができる。そして、XYθテーブル142の移動位置はレーザ測長システム122により測定され、位置回路107に供給される。また、XYθテーブル142上の評価用基板300はオートローダ制御回路113により駆動されるオートローダ130により自動的に搬送され、オペレータが楽に評価用基板300の出し入れが行えるものとなっている。XYθテーブル142の可動範囲には拡大光学系144とは別のレビュー用の撮像光学系を持ち、検査装置が検出した欠陥をITV(工業用テレビ)カメラ付の顕微鏡でオペレータが目視確認することが可能になっている。
【0061】
センサ回路106から出力された測定データ(光学画像)は、位置回路107から出力されたXYθテーブル142上における評価用基板300の位置を示すデータとともに比較回路108に送られる。測定データは例えば8ビットの符号なしデータであり、各画素の明るさの階調を表現している。
【0062】
そして、実施の形態1では、例えば、グループ50における±x方向について、評価用の主偏向領域パターン302の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン322の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。同様に、±y方向について、評価用の主偏向領域パターン304の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン324の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。同様に、±(x+y)方向について、評価用の主偏向領域パターン306の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン326の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。同様に、±(x−y)方向について、評価用の主偏向領域パターン308の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン328の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。
【0063】
例えば、ストライプ42の測定データ(光学画像)とストライプ44の測定データ(光学画像)とが、位置回路107から出力されたXYθテーブル142上における評価用基板300の位置を示すデータとともに比較回路108に送られる。そして、比較回路108内にて、まず、測定データ同士の位置合わせを行なう。そして、それぞれの測定データの対応する位置の各画素データを画素毎に所定のアルゴリズムに従って比較し、欠陥の有無を判定する。そして、比較された結果は出力される。比較された結果は、例えば、磁気ディスク装置109、磁気テープ装置115、FD116、CRT117、パターンモニタ118、或いはプリンタ119に出力される。或いは、外部に出力されても構わない。
【0064】
そして、同様の検査手法で、グループ50における±x方向について、評価用の主偏向領域パターン312の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン322の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。同様に、±y方向について、評価用の主偏向領域パターン314の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン324の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。同様に、±(x+y)方向について、評価用の主偏向領域パターン316の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン326の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。同様に、±(x−y)方向について、評価用の主偏向領域パターン318の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン328の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。
【0065】
そして、同様の検査手法で、例えば、グループ52における±x方向について、評価用の主偏向領域パターン332の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン352の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。同様に、±y方向について、評価用の主偏向領域パターン334の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン354の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。同様に、±(x+y)方向について、評価用の主偏向領域パターン336の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン356の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。同様に、±(x−y)方向について、評価用の主偏向領域パターン338の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン358の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。
【0066】
そして、同様の検査手法で、グループ52における±x方向について、評価用の主偏向領域パターン342の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン352の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。同様に、±y方向について、評価用の主偏向領域パターン344の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン354の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。同様に、±(x+y)方向について、評価用の主偏向領域パターン346の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン356の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。同様に、±(x−y)方向について、評価用の主偏向領域パターン348の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン358の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。
【0067】
そして、同様の検査手法で、例えば、グループ54における±x方向について、評価用の主偏向領域パターン362の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン382の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。同様に、±y方向について、評価用の主偏向領域パターン364の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン384の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。同様に、±(x+y)方向について、評価用の主偏向領域パターン366の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン386の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。同様に、±(x−y)方向について、評価用の主偏向領域パターン368の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン388の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。
【0068】
そして、同様の検査手法で、グループ54における±x方向について、評価用の主偏向領域パターン372の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン382の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。同様に、±y方向について、評価用の主偏向領域パターン374の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン384の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。同様に、±(x+y)方向について、評価用の主偏向領域パターン376の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン386の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。同様に、±(x−y)方向について、評価用の主偏向領域パターン378の光学画像と評価の基準となる主偏向領域パターン388の光学画像とを比較するダイ−ツー−ダイ検査を行う。
【0069】
ここで、±x方向について、主偏向領域パターン302の光学画像と主偏向領域パターン322の光学画像とを比較した結果、主偏向領域パターン302を描画した際に、描画順序が指定されたいずれかのショットパターンが、同位置の主偏向領域パターン322のショットパターンに対して位置ずれが生じている場合、或いは、主偏向領域パターン302を描画した際に、描画順序が指定されたいずれかのショットパターンが、描画されていない場合、どちらも描画エラーであると共に、±x方向用の副偏向用DACアンプユニット226に異常が生じているか、若しくは±x方向用の副偏向用DACアンプユニット226のセトリング時間の設定が短すぎている可能性があることがわかる。
【0070】
また、副偏向用DACアンプユニット226のセトリング時間は、距離に依存する。実施の形態1では、主偏向領域パターン302を描画した際に、ショット間隔を複数の異なる間隔で描画している。そのため、位置ずれが生じているショットパターンをショットした際のショット間隔からどの程度セトリング時間が足りていないのかを想定することができる。
【0071】
そして、次に、主偏向領域パターン312の光学画像と主偏向領域パターン322の光学画像とを比較した結果、描画エラーとなった箇所で位置ずれが生じていない場合、±x方向用の副偏向用DACアンプユニット226のセトリング時間の設定が短すぎていたことが描画エラーの原因であると特定することができる。また、セトリング時間を長くすることで描画装置100を停止して修理しなくても製品への描画を行なうことができる。その結果、描画装置100の稼働率を向上させることができる。
【0072】
或いは、主偏向領域パターン332の光学画像と主偏向領域パターン352の光学画像とを比較した結果、主偏向領域パターン302の光学画像と主偏向領域パターン322の光学画像との間で描画エラーとなった箇所で位置ずれが生じていない場合、±x方向用の副偏向用DACアンプユニット226の異常或いはセトリング時間の設定異常があったとしても多重度を2倍に上げることで描画エラーを解消できることがわかる。その結果、描画装置100を停止して修理しなくても製品への描画を行なうことができる。その結果、描画装置100の稼働率を向上させることができる。
【0073】
さらに、主偏向領域パターン342の光学画像と主偏向領域パターン352の光学画像とを比較した結果、主偏向領域パターン332の光学画像と主偏向領域パターン352の光学画像との間でも描画エラーとなった箇所で位置ずれが生じていない場合、±x方向用の副偏向用DACアンプユニット226のセトリング時間を長くし、多重度を2倍に上げることで描画エラーを解消できることがわかる。その結果、描画装置100を停止して修理しなくても製品への描画を行なうことができる。その結果、描画装置100の稼働率を向上させることができる。
【0074】
或いは、主偏向領域パターン362の光学画像と主偏向領域パターン382の光学画像とを比較した結果、主偏向領域パターン332の光学画像と主偏向領域パターン352の光学画像との間でも描画エラーとなった箇所で位置ずれが生じていない場合、±x方向用の副偏向用DACアンプユニット226の異常或いはセトリング時間の設定異常があったとしても多重度を4倍に上げることで描画エラーを解消できることがわかる。その結果、描画装置100を停止して修理しなくても製品への描画を行なうことができる。その結果、描画装置100の稼働率を向上させることができる。
【0075】
さらに、主偏向領域パターン372の光学画像と主偏向領域パターン382の光学画像とを比較した結果、主偏向領域パターン362の光学画像と主偏向領域パターン382の光学画像との間でも描画エラーとなった箇所で位置ずれが生じていない場合、±x方向用の副偏向用DACアンプユニット226のセトリング時間を長くし、多重度を4倍に上げることで描画エラーを解消できることがわかる。その結果、描画装置100を停止して修理しなくても製品への描画を行なうことができる。その結果、描画装置100の稼働率を向上させることができる。
【0076】
そして、いずれの検査でも位置ずれが解消しない場合には、±x方向用の副偏向用DACアンプユニット226を交換することで描画エラーを解消できることがわかる。その結果、すみやかに±x方向用の副偏向用DACアンプユニット226を交換すれば、描画装置100の停止時間を短くすることができ、その分、稼働率を向上させることができる。
【0077】
その他の方向(±y方向、±(x+y)方向、及び±(x−y)方向)についても、±x方向に対する検査手法と同様の手法で、それぞれの方向での描画エラーの検出及び描画エラーの原因となる副偏向用DACアンプユニット226の異常若しくはセトリング時間の設定不良を特定することができる。そして、セトリング時間や多重度といった描画条件を変えることで描画装置100を停止して修理しなくても製品への描画を行なうことができる条件を見出すことができ得る。また、検査の結果、副偏向領域30自体の位置にずれが生じていた場合には、描画エラーの検出と共に、描画エラーが生じた方向の主偏向用DACアンプユニット228の異常若しくはセトリング時間の設定不良を特定することができる。
【0078】
以上のように、評価用基板300に評価パターンを描画することで、描画エラーを検出すると共に、どの方向の副偏向用DACアンプユニット226が描画エラーの原因となっているのかを特定することができる。そして、描画エラーを検出したとしても、セトリング時間や多重度といった描画条件を変えることで描画装置100を停止して修理しなくても製品への描画を行なうことができる条件を見出すことができ得る。
【0079】
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
【0080】
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100やパターン検査装置140を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる構成等を適宜選択して用いることは言うまでもない。
【0081】
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての描画エラーの検出方法及び描画方法は、本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。
【図2】実施の形態1における主偏向領域と副偏向領域とを示す概念図である。
【図3】実施の形態1における副偏向器の各極に偏向方向を説明するための図である。
【図4】実施の形態1における評価パターンの一例を示す概念図である。
【図5】実施の形態1における描画エラーの検出方法の要部工程を示すフローチャート図である。
【図6】実施の形態1におけるショット間隔が可変の描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていく場合のショット順序の一例を示す図である。
【図7】実施の形態1におけるショット間隔が可変の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく場合のショット順序の一例を示す図である。
【図8】実施の形態1におけるショット間隔が可変の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく場合のショット順序の一例を示す図である。
【図9】実施の形態1におけるショット間隔が可変の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく場合のショット順序の一例を示す図である。
【図10】実施の形態1におけるショット間隔が連続、すなわち、複数のショットパターンが間に入らない間隔の描画条件で、±x方向に向かってショットパターンをショットしていく場合のショット順序の一例を示す図である。
【図11】実施の形態1におけるショット間隔が連続、すなわち、複数のショットパターンが間に入らない間隔の描画条件で、±y方向に向かってショットパターンをショットしていく場合のショット順序の一例を示す図である。
【図12】実施の形態1におけるショット間隔が連続、すなわち、複数のショットパターンが間に入らない間隔の描画条件で、±(x+y)方向に向かってショットパターンをショットしていく場合のショット順序の一例を示す図である。
【図13】実施の形態1におけるショット間隔が連続、すなわち、複数のショットパターンが間に入らない間隔の描画条件で、±(x−y)方向に向かってショットパターンをショットしていく場合のショット順序の一例を示す図である。
【図14】実施の形態1におけるパターン検査装置の構成を示す概念図である。
【図15】実施の形態1における光学画像の取得手順を説明するための図である。
【図16】従来の可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
【符号の説明】
【0083】
10 ストライプ
20 主偏向領域
30 副偏向領域
42,44 検査ストライプ
50,52,54 グループ
100 描画装置
101,340 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
106 センサ回路
107 位置回路
108 比較回路
109 磁気ディスク装置
110 制御計算機
113 オートローダ制御回路
114 テーブル制御回路
115 磁気テープ装置
116 FD
117 CRT
118 パターンモニタ
119 プリンタ
120 バス
122 レーザ測長システム
130 オートローダ
140 検査装置
141 光学画像取得部
142 XYθテーブル
143 光源
144 拡大光学系
145 フォトダイオードアレイ
148 制御系回路
150 描画部
160 制御部
170 照明光学系
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203,410 第1のアパーチャ
204 投影レンズ
205 偏向器
206,420 第2のアパーチャ
207 対物レンズ
212 副偏向器
214 主偏向器
220 制御計算機
224 偏向制御回路
226,228 DACアンプユニット
300 評価用基板
302,304,306,308 主偏向領域パターン
312,314,316,318 主偏向領域パターン
322,324,326,328 主偏向領域パターン
332,334,336,338 主偏向領域パターン
342,344,346,348 主偏向領域パターン
352,354,356,358 主偏向領域パターン
362,364,366,368 主偏向領域パターン
372,374,376,378 主偏向領域パターン
382,384,386,388 主偏向領域パターン
330 電子線
340 試料
411 開口
421 可変成形開口
430 荷電粒子ソース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のショットパターンが間に入らない間隔で、前記ショットパターンに成形された荷電粒子ビームを連続してショットする第1の描画工程と、
前記複数のショットパターンが間に入る間隔で、前記ショットパターンに成形された荷電粒子ビームをショットする第2の描画工程と、
第1と第2の描画工程で同位置にショットされたはずのショットパターン同士の位置を比較し、結果を出力する工程と、
を備えたことを特徴とする描画エラーの検出方法。
【請求項2】
前記第1の描画工程とは、多重度を変えて、前記複数のショットパターンが間に入る間隔で、前記ショットパターンに成形された荷電粒子ビームをショットする第3の描画工程と、
第1と第3の描画工程で同位置にショットされたはずのショットパターン同士の位置を比較し、結果を出力する工程と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の描画エラーの検出方法。
【請求項3】
前記第1の描画工程とは、セトリング時間を変えて、前記複数のショットパターンが間に入る間隔で、前記ショットパターンに成形された荷電粒子ビームをショットする第4の描画工程と、
第1と第4の描画工程で同位置にショットされたはずのショットパターン同士の位置を比較し、結果を出力する工程と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の描画エラーの検出方法。
【請求項4】
前記第1の描画工程とは、多重度とセトリング時間を変えて、前記複数のショットパターンが間に入る間隔で、前記ショットパターンに成形された荷電粒子ビームをショットする第5の描画工程と、
第1と第5の描画工程で同位置にショットされたはずのショットパターン同士の位置を比較し、結果を出力する工程と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3記載の描画エラーの検出方法。
【請求項5】
複数のショットパターンが間に入らない間隔で、試料に前記ショットパターンに成形された荷電粒子ビームを連続してショットする第1の描画工程と、
前記複数のショットパターンが間に入る間隔で、前記試料に前記ショットパターンに成形された荷電粒子ビームをショットする第2の描画工程と、
を備えたことを特徴とする描画方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−74039(P2010−74039A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−242276(P2008−242276)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(504162958)株式会社ニューフレアテクノロジー (669)
【Fターム(参考)】