説明

搬送位置決め装置及びラベル貼着装置

【課題】簡単な構造にて容易かつ効率的に対象物を回転及び搬送経路に従って搬送することが可能な搬送位置決め装置及びラベル貼着装置を提供する。
【解決手段】軸線周りに回転可能とされる対象物Wを搬送経路に従って搬送する搬送位置決め装置2であって、前記軸線が通過する軌跡に沿う接触部を有する第1周回ベルト31Aと、前記軌跡に沿う接触部を有し、前記軌跡を挟んで前記第1周回ベルト31Aと反対側に配置される第2周回ベルト32Aと、を含む回転方向調整部30と、回転方向調整部30に接続される制御部40とを備え、前記第1周回ベルト31Aと前記第2周回ベルト32Aは、前記対象物Wを挟むように構成され、前記制御部40は、前記第1周回ベルト31Aと前記第2周回ベルト32Aとを、相対速度差を設けて前進、停止、後退可能に構成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、回転可能な対象物の周方向の位置決めが可能な搬送位置決め装置及びこれを利用したラベル貼着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、コンベア上で円筒形の部位を有する容器を位置決めする場合、コンベアの搬送路に回転ステーションを設け、この回転ステーションの側方に設けた回転装置で容器を挟んで回転させ、容器に形成された突起、窪み、絵柄、文字などの基準をセンサーや画像処理等を用いて検出し、所定の周方向位置に位置決めしてから開放する方法がある。
【0003】
このような回転装置では、容器を回転ステーションで一旦停止して回転させるために一度にひとつの容器しか位置決めをすることができず、容器が連続して搬送された場合には、回転開始から位置決め基準の検出、停止、開放するまでの間、次の容器を処理できないという欠点がある。
【0004】
そこで、処理能力を高めるための第1の方法として、回転ステーション及び回転装置を、搬送する容器の速度と同期して移動させ、周方向位置を位置決めした後に原点位置に復帰させる方法があるが、位置決めが完了した回転ステーション及び回転装置が原点位置に復帰する時間が処理能力の限界になる。
また、第2の方法として、複数の回転装置を旋回テーブル上に配置し、取り込んだ容器が旋回テーブルで回転する間に回転装置により容器の位置決めを行い、位置決めした容器を再び搬送路上に復帰させる方法が考えられる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−77093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、第1の方法によれば、位置決めが完了した回転ステーション及び回転装置が原点位置に復帰する時間が処理能力の限界になるという問題があり、第2の方法によれば、装置全体が大きくなるうえ、構造が複雑になりまた設置コストが多額になるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、簡単な構造にて容易かつ効率的に対象物を回転及び搬送経路に従って搬送することが可能な搬送位置決め装置及びラベル貼着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載の発明は、軸線周りに回転可能とされる対象物を搬送経路に従って搬送しながら位置決めする搬送位置決め装置であって、前記軸線が通過する軌跡に沿う接触部を有する第1周回ベルトと、前記軌跡に沿う接触部を有し、前記軌跡を挟んで前記第1周回ベルトと反対側に配置される第2周回ベルトと、を含む回転方向調整部と、前記回転方向調整部に接続される制御部と、を備え、前記第1周回ベルトと前記第2周回ベルトは、前記対象物を挟むように構成され、前記制御部は、前記第1周回ベルトと前記第2周回ベルトとを、相対速度差を設けて前進、停止、後退可能に構成されていることを特徴とする。
【0009】
この発明に係る搬送位置決め装置によれば、第1周回ベルトと第2周回ベルトが対象物を挟んだ状態で、第1周回ベルトと第2周回ベルトとを相対速度差を設けて前進、停止、後退させることにより対象物を効率的に回転及び搬送経路に従って搬送することができる。
また、第1及び第2周回ベルトを前進、停止、後退させることで対象物を、回転、搬送するので、ひとつの対象物を搬送して次の対象物を搬送する際に、第1及び第2周回ベルトをもとの位置に復帰させるといった動作が必要とされず、即座に次の対象物の搬送を開始することができる。その結果、サイクルタイムを短縮することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の搬送位置決め装置であって、前記制御部は、前記搬送経路上の第1の位置で前記対象物の周方向位置を検出し、前記検出した周方向位置と、前記搬送経路上の第2の位置における周方向目標位置との角度差を算出し、前記第2の位置において、前記対象物の周方向位置と前記周方向目標位置との角度差が、予め設定した設定角度範囲内となるように、前記第1周回ベルトと前記第2周回ベルトとを前進、停止、後退させることを特徴とする。
【0011】
この発明に係る搬送位置決め装置によれば、第1の位置で対象物の周方向位置を検出し、検出した周方向位置と第2の位置における周方向目標位置との角度差を算出し、第2の位置における角度差が設定角度範囲内となるように第1周回ベルトと第2周回ベルトとを相対移動させて対象物を回転させるので、第2の位置における対象物の周方向位置を効率的に設定角度範囲内とすることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の搬送位置決め装置であって、前記制御部は、前記第1周回ベルトと前記第2周回ベルトのうち、前記角度差に基づいて対応するいずれか一方を停止し他方を前進させることで前記対象物の周方向位置を前記周方向目標位置に対して前記設定角度範囲内とし、前記対象物の周方向位置が前記設定角度範囲内となった際に、前記対象物が前記第2の位置以外にある場合には、前記第1周回ベルトと前記第2周回ベルトとを同速度で前進させることを特徴とする。
【0013】
この発明に係る搬送位置決め装置によれば、角度差に基づいて、第1周回ベルトと第2周回ベルトのうち、対応するいずれか一方を停止し他方を前進させるので、対象物の周方向位置を設定角度範囲内とするための回転と、搬送経路に沿った移動を同時に行なうことができる。対象物の周方向位置が、第2の位置以外で設定角度範囲内となった場合には、第1周回ベルトと前記第2周回ベルトとを同速度で前進させることで、対象物に回転を与えずに第2の位置まで移動させる。
この明細書において、第1及び第2周回ベルトの速度とは、周回ベルトの(対象物との)接触面の速度を意味している。また、第1及び第2周回ベルトが同期して駆動されるとは、互いに対向する第1及び第2周回ベルトのそれぞれの接触面が同速度(同じ方向に同じ速さ)で周回、移動することを意味するものとする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の搬送位置決め装置であって、前記第1周回ベルトと前記第2周回ベルトとの間に前記対象物をひとつずつ供給する供給コンベアを備えることを特徴とする。
【0015】
この発明に係る搬送位置決め装置によれば、第1周回ベルトと第2周回ベルトの間に対象物をひとつずつ供給するので、それぞれの対象物に周方向位置のばらつきがあっても、それぞれの対象物を個別に回転させることで対象物の周方向位置を調整することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の搬送位置決め装置であって、前記制御部が、前記第1周回ベルトまたは前記第2周回ベルトを前進させる速度を、前記対象物の周方向位置を調整する際に、より高速度に変化させることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の搬送位置決め装置であって、前記制御部が、前記第1周回ベルトまたは前記第2周回ベルトを前進させる速度を、前記対象物が前記搬送経路方向の搬送速度を略同速度に保ちながら前記回転方向調整部を通過するように制御して、前記回転方向調整部から排出された前記対象物の搬送ピッチが略一定にされることを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の搬送位置決め装置であって、前記回転方向調整部が、前記第1周回ベルト及び前記第2周回ベルトにおける前記接触部の撓みを防止するガイド部を有することを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の搬送位置決め装置であって、前記回転方向調整部が、前記搬送経路に沿って複数並設され、各回転方向調整部が、前記対象物の周方向位置の調整を、分担して処理するように構成されていることを特徴とする。
【0020】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の搬送位置決め装置であって、各回転方向調整部による前記対象物の最大回転角度が、それぞれ所定値に制限されるものであることを特徴とする。
【0021】
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の搬送位置決め装置であって、
各回転方向調整部が、前記対象物の周方向位置の調整を、それぞれ間断的に且つ互いに重複なく行なうものであることを特徴とする。
【0022】
請求項11に記載の発明は、ラベル貼着装置であって、請求項1から請求項10の何れかに記載の搬送装置を備えることを特徴とする。
【0023】
この発明に係るラベル貼着装置によれば、回転可能な対象物の所定位置に、正確かつ効率的にラベルを貼着することができる。
【発明の効果】
【0024】
この発明に係る搬送位置決め装置及びラベル貼着装置によれば、第1周回ベルトと第2周回ベルトとによって対象物を挟み、第1周回ベルトと第2周回ベルトとに相対速度差を設けて移動させるので、対象物を効率的に回転及び搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る搬送位置決め装置の概略を示す平面図である。
【図2】一実施形態に係る搬送位置決め装置の概略を示す側面図である。
【図3】一実施形態に係る搬送位置決め装置の制御部の概略構成を示す図である。
【図4】一実施形態に係る搬送位置決め装置の制御部の概略動作を示すフロー図である。
【図5】一実施形態に係る搬送位置決め装置の制御部における角度検出の一例を示す図である。
【図6】一実施形態に係る搬送位置決め装置の作用の一例を示す概略図である。
【図7】他の実施形態に係る搬送位置決め装置の概略を示す平面図である。
【図8】他の実施形態に係る搬送位置決め装置による対象物の搬送位置決め状況を示す図である。
【図9】変形例1に係る搬送位置決め装置の概略を示す平面図である。
【図10】変形例1に係る搬送位置決め装置による対象物の搬送位置決め状況を示す図である。
【図11】変形例2に係る搬送位置決め装置の概略を示す平面図である。
【図12】別実施形態に係る搬送位置決め装置の概略を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図1から図6を参照し、この発明の一実施形態について説明する。
図1、図2は、本発明の一実施形態に係る搬送位置決め装置の概略を示す図であり、符号1はラベル貼着装置を、符号2は搬送位置決め装置を示している。
【0027】
ラベル貼着装置1は、図1、図2に示すように、搬送位置決め装置2と、ラベル貼着ユニット3とを備え、搬送位置決め装置2は、ワーク搬送コンベア10と、ワーク供給部20と、回転方向調整部30と、制御部40とを有しており、ワーク搬送コンベア10に搬入されたPETボトル(対象物)Wを回転方向調整部30で所定の周方向位置に調整し、搬送コンベア10を介して搬送位置決め装置2の後工程であるラベル貼着ユニット3に搬出するようになっている。なお、ラベル貼着ユニット3としては、周知のラベル貼着機を用いることができる。
【0028】
PETボトルWは、例えば、円筒形の胴部の上方に漸次縮径された首部が接続された形態をしており、軸線O周りに回転可能とされ、周方向の特定位置に刻印等の目印が形成され、周方向位置を特定可能とされている。
【0029】
ワーク搬送コンベア10は、第1コンベア11と、第2コンベア12と、第1コンベア11と第2コンベア12とを接続するスライドプレート13とを備え、搬送位置決め装置2の外部から搬入されたPETボトルWを第1コンベア11で受け取り、第2コンベア12を介してラベル貼着ユニット3に搬出するようになっている。なお、スライドプレート13の中央部には、後述する検出カメラC1及び確認カメラC2がPETボトルWの底面を撮影するため開口部が形成されている。
【0030】
第1コンベア11は、PETボトルWの搬送方向と直交するとともに水平方向に平行に配置された一対のローラ11Aと、このローラ11Aに巻回されたベルト11Bとを備え、ベルト11Bの上面に載置されたPETボトルWを前方(RからFに向かう方向)に移動可能とされており、PETボトルWをワーク供給部20に引き渡すようになっている。
【0031】
第2コンベア12は、PETボトルWの搬送方向と直交するとともに水平方向に平行に配置された一対のローラ12Aと、このローラ12Aに巻回されたベルト12Bとを備え、ベルト12Bの上面にPETボトルWを載置して前方に移動させて、ラベル貼着ユニット3に引き渡すようになっている。
【0032】
ワーク供給部20は、第1供給ベルト21と、第2供給ベルト22とを備え、第1供給ベルト21及び第2供給ベルト22は、第1コンベア11上方の左右に配置され、それぞれPETボトルWに面する側が平行(PETボトルWの直径とほぼ同じ間隔)となるように構成されている。
【0033】
第1供給ベルト21は、駆動ベルト21Aと、垂直方向に配置された駆動ローラ21Bと、従動ローラ21Cと、テンションローラ21Dとを有しており、駆動ベルト21Aは、駆動ローラ21B、従動ローラ21C、テンションローラ21Dの外周面に外接して巻回され、駆動ローラ21Bは駆動源(図示せず)に接続されており、駆動源が回転することで駆動ベルト21AのPETボトルWとの接触面を前方に周回、移動するようになっている。
【0034】
第2供給ベルト22は、駆動ベルト22Aと、駆動ローラ22Bと、従動ローラ22Cと、テンションローラ22Dとを有しており、第1供給ベルト21と同様の構成とされている。
また、駆動ローラ21B、22Bは、エンコーダ(図示せず)と接続されていて駆動ローラ21B、22Bの回転量を調整可能とされている。
【0035】
なお、第1供給ベルト21と、第2供給ベルト22と、第1コンベア11とは、回転方向調整部30内にあったPETボトルWが回転方向調整部30から搬出された信号を受けて同期して駆動されるようになっており、第1供給ベルト21と、第2供給ベルト22とは同速度で周回してPETボトルWをひとつずつ回転方向調整部30に供給するようになっている。第1供給ベルト21、第2供給ベルト22の速度は、第1コンベア11よりも遅い速度が好ましい。
【0036】
回転方向調整部30は、第1調整部31と、第2調整部32とを備え、PETボトルWの周方向位置を検出カメラC1で検出して、第1調整部31及び第2調整部32で回転、移動させて、PETボトルWの周方向位置が基準に対して許容範囲内となったことを確認カメラC2で確認するようになっている。
【0037】
第1調整部31及び第2調整部32は、スライドプレート13上方の左右に配置され、それぞれPETボトルWに面する面が平行に構成されている。PETボトルWは、第1調整部31及び第2調整部32により回転、移動される際には、スライドプレート13に対して摺動するようになっている。
【0038】
第1調整部31は、第1周回ベルト31Aと、垂直方向に配置された駆動ローラ31Bと、従動ローラ31Cと、テンションローラ31Dとを有しており、第1周回ベルト31Aは、駆動ローラ31B、従動ローラ31C、テンションローラ31Dの外周面に外接して巻回され、駆動源(図示せず)に接続された駆動ローラ31Bが回転することで第1周回ベルト31AのPETボトルWと接触する側の面(接触部)が前方に移動するようになっている。
なお、この実施形態において、第1周回ベルト31AがPETボトルWと有効に接触する長さは、PETボトルWの半径と円周率の積よりもわずかに長く構成されている。
【0039】
第2調整部32は、第2周回ベルト32Aと、駆動ローラ32Bと、従動ローラ32Cと、テンションローラ32Dとを有しており、第1調整部31と同様の構成とされている。
また、駆動ローラ31B、32Bは、エンコーダ(図示せず)と接続されていて駆動ローラ31B、32Bの回転量を調整可能とされている。
【0040】
回転方向調整部30は、例えば、
1)第1周回ベルト31Aと第2周回ベルト32Aとを、同期して同速度で周回、移動させることにより、PETボトルWを回転させずに前方又は後方に移動させること
2)第1周回ベルト31Aと第2周回ベルト32Aとを、相対速度を設けて同方向に周回、移動させることにより、PETボトルWを回転させながら前方又は後方に移動させること
3)第1周回ベルト31Aと第2周回ベルト32Aとを、逆方向に周回、移動させてPETボトルWを前方又は後方に移動(逆方向に同じ速さで周回、移動させた場合にはPETボトルWは一定位置で回転)させること
ができるようになっている。
【0041】
検出カメラC1は、回転方向調整部30の第1周回ベルト31A及び第2周回ベルト32Aの間のPETボトルWの受入位置近傍のスライドプレート13の下方にレンズを上方に向けて配置され、スライドプレート13の開口を介してPETボトルWを下方から撮影することができるようになっている。なお、この検出カメラC1が配置される位置は、周方向位置検出ステーション(第1の位置)P1とされている。
【0042】
確認カメラC2は、回転方向調整部30の第1周回ベルト31A及び第2周回ベルト32Aの間のPETボトルWの受入位置よりも後方側の周方向位置確認ステーション(第2の位置)P2にレンズを上方に向けて配置され、スライドプレート13の開口を介してPETボトルWを下方から撮影することができるようになっている。
【0043】
また、回転方向調整部30は、後工程のラベル貼着ユニット3の動きと同期して作動するようになっており、例えば、ラベル貼着ユニット3内でPETボトルWにラベルが貼着され、このPETボトルWが移動して次のPETボトルWを受け入れることが可能となったことを受けて駆動されるようになっている。
【0044】
なお、各駆動ベルト21A、22A、第1周回ベルト31A、第2周回ベルト32AのPETボトルWとの接触面は、PETボトルWが回転及び搬送経路に沿う方向の移動においてスリップによる誤差が生じるのを抑制するために、例えば、ゴムや柔らかい樹脂などを用いて形成されていることが好適である。
【0045】
制御部40は、図3に示すように、入力部41と、メモリ42と、演算部43と、出力部44と、通信線45と、各駆動ローラ21B、22B、31B、32Bと接続されたエンコーダと、を備え、入力部41、メモリ42、演算部43、出力部44は通信線45により相互にデータ等を通信可能に接続されている。
【0046】
入力部41は、例えば、図示しないキーボード等のデータ入力機器を有していて設定等を演算部43に出力可能とされるとともに、駆動ローラ21B、22B、31B、32Bと接続されたエンコーダ(図示せず)からの信号と、検出カメラC1及び確認カメラC2からの画像信号が入力され、入力された信号を演算部43に出力するようになっている。
【0047】
演算部43は、メモリ42の記憶媒体(例えば、ROM)に格納されたプログラムを読み込んで実行し、ワーク搬送コンベア10に搬入されたPETボトルWを第1コンベア11で供給部20に移動し、供給部20によってPETボトルWを回転方向調整部30にひとつずつ供給し、回転方向調整部30において検出カメラC1により検出したPETボトルWの周方向の基準画像に対する角度差を許容範囲内にしてから第2コンベア12に移動して、PETボトルWを第2コンベア12によってラベル貼着ユニット3に搬送するようになっている。なお、PETボトルWの周方向位置の目標である基準画像は、例えば、メモリ42の記憶媒体に格納されている。
【0048】
出力部44は、駆動ローラ21B、22B、31B、32Bに接続されており、演算部43から出力された制御信号を、ドライバ(図示せず)を介して駆動ローラ21B、22B、31B、32Bに出力するようになっている。
【0049】
この実施の形態においては、第1周回ベルト31Aと第2周回ベルト32Aは、PETボトルWの周方向位置を調整する場合に、いずれか一方を停止し他方を前進させることでPETボトルWの周方向位置を目標位置の設定角度範囲内とし、PETボトルWの周方向位置が設定角度範囲内となった際に周方向位置確認ステーションP2以外にある場合には、第1周回ベルト31Aと第2周回ベルト32Aを同期して移動させるようになっている。
【0050】
次に、図4から図6を参照して、回転方向調整部30の動作について説明する。
なお、図4に示したフロー図は、便宜のため、PETボトルWが供給部20から回転方向調整部30に搬入されたことによりスタートする。
また、図5は、PETボトルWを検出カメラC1により下方から撮影した図を、図6は、回転方向調整部30におけるPETボトルWの動作を平面視、すなわち上方から見た図である。
1)まず、図6(A)に示すように、回転方向調整部30の受入位置にPETボトルWが搬入されると、第1周回ベルト31A及び第2周回ベルト32AがPETボトルWを左右から挟み込み、PETボトルWを前方F側に同期して搬送し、周方向検出ステーションP1に到達したら停止する。(S1)
2)PETボトルWが周方向検出ステーションP1に到達したら、PETボトルWの底面を検出カメラC1によって撮影する。周方向検出ステーションP1でPETボトルWを停止させずに撮影することもできる。(S2)
3)検出カメラC1によって撮影した画像を、入力部41を経由して演算部43に取り込み、検出位置におけるPETボトルWの周方向位置と基準画像とを比較して、目標(基準位置)に対する角度差を算出する。(S3)
図5に示したのは、検出カメラC1によりPETボトルWを下方から撮影し、検出位置におけるPETボトルWの周方向位置A1を基準画像の基準位置(周方向目標位置)A0と比較した概念図であり、角度差をθで示している。
4)演算部43は、算出した角度差に基づいて、PETボトルWを確認位置に移動した場合にPETボトルWの基準画像との角度差を許容範囲内とするためのパルスを算出する。なお、算出したパルス換算値を、角度差が許容範囲内となったかどうかを判定に用いるためメモリ42に格納する。(S4)
5)PETボトルWの角度差を許容範囲内に調整する際に、平面視して、左回転と右回転のいずれによるのかを判定する。具体的には、角度差が180°未満であるかどうかを比較することにより行なわれ、角度差が、180°未満の場合、S6に移行してPETボトルWを左回転し、角度差が180°以上の場合にはS16に移行してPETボトルWを右回転させる。(S5)
6)第2周回ベルト32Aを停止する。(S6)
7)第1周回ベルト31Aを前方F側に周回し、エンコーダからのパルスを入力部41を介して演算部43に入力し周回に係るパルス数をカウントする。(S7)
8)演算部43においてカウントした第1周回ベルト31Aの周回に係るパルスがメモリ42に格納されたパルス換算値に到達したら、カウントアップする。(S8)
9)S8におけるカウントアップが完了したら、第2周回ベルト32Aを駆動して第1周回ベルト31A及び第2周回ベルト32AによりPETボトルWを左右から挟み込み同期して前方F側に移動する。(S9)
10)S5において、角度差が180°以上の場合にはS16に移行し、第1周回ベルト31Aを停止する。(S16)
11)第2周回ベルト32Aを前方F側に周回し、エンコーダからのパルスを入力部41を介して演算部43に入力し周回に係るパルス数をカウントする。(S17)
12)演算部43においてカウントした第2周回ベルト32Aの周回に係るパルスがメモリ42に格納されたパルス換算値に到達したら、カウントアップする。(S18)
13)S18におけるカウントアップが完了したら、第1周回ベルト31Aを駆動して第1周回ベルト31A及び第2周回ベルト32AによりPETボトルWを左右から挟み込み同期して前方F側に移動する。(S19)
なお、この実施形態では、周方向位置確認ステーションP2において、任意にPETボトルWの周方向位置を確認することが可能とされており、係る場合、S8とS9の間、又はS18とS19の間にて、周方向位置を調整したPETボトルWを前方F側に搬送する前に周方向位置確認ステーションP2で一端停止し、確認カメラC2で撮影したPETボトルWを基準画像の基準位置A0と比較して、確認カメラC2で撮影したPETボトルWの周方向位置が許容範囲内となっていることを確認する。周方向位置確認ステーションP2でPETボトルWを停止させずに撮影することもできる。
【0051】
搬送位置決め装置2によれば、第1周回ベルト31Aと第2周回ベルト32AによりPETボトルWを挟んだ状態で、第1周回ベルト31Aと第2周回ベルト32Aとを相対速度差を設けて前進、停止することができるので、PETボトルWを効率的に周方向位置の調整及び搬送を行なうことができる。
【0052】
また、ひとつのPETボトルWを搬送した後に、第1周回ベルト31A及び第2周回ベルト32Aを原点位置に戻すという動作がないため、次のPETボトルWの搬送をすぐに開始することができ、サイクルタイムを、例えば、約1/2程度に短縮することができる。
【0053】
また、搬送位置決め装置2によれば、周方向位置検出ステーションP1においてPETボトルWの周方向位置と周方向位置確認ステーションP2における目標との角度差を算出して、その角度差に基づいてPETボトルWを回転させるので、PETボトルWの周方向位置を容易に設定角度範囲内とすることができる。
【0054】
ラベル貼着装置1によれば、PETボトルWを効率的に目標の周方向位置に調整してからラベル貼着ユニット3に供給するので、正確かつ効率的にラベルを貼着することができる。
また、小さな設置スペースによりPETボトルWの回転及び搬送を行なうことができる。
ラベル貼着ユニットをはじめとする種々の装置に、容易に接続することができる。
【0055】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
例えば、上記実施の形態においては、PETボトルWが対象物である場合について説明したが、例えば、軸線O方向のいずれかの位置が円形とされた缶体、多段円筒状の容器、一部の形状が軸線Oに関して非対称とされた容器等を対象物としてもよい。
【0056】
また、上記実施の形態においては、エンコーダのパルスをカウントすることによってPETボトルWを回転する場合について説明したが、パルスに代えて第1周回ベルト31A、第2周回ベルト32Aの周回時間等、他のパラメータに換算して制御してもよい。
【0057】
また、搬送位置決め装置2においては、周方向位置を検出する目印が刻印である場合について説明したが、刻印に代えて、例えば、取手付の容器の取手、ヒンジ付持ち上げキャップのついたプラスチック容器のキャップ、プルタブ容器のプルタブ、容器に取り付けられたキャップ、注ぎ口や本体の一部に表示された模様、文字等によって周方向位置を検出する構成としてもよい。
【0058】
また、ラベル貼着装置1に代えて、キャンペーンシール等を貼付する装置、インクジェットによるマーキング装置、ペイントによるマーキング装置、レーザマーキング装置、刻印装置、目盛を刻まれた製薬容器の目盛を外した位置へのラベル貼付、又はキャッピング装置等、周方向位置を調整して処理する種々の装置に適用することができる。
【0059】
なお、この実施の形態においては、回転方向調整部30が、PETボトルWの周方向位置を調整する場合に、第1周回ベルト31Aと第2周回ベルト32Aのいずれか一方を停止し他方を前進させる構成とされる場合について説明したが、例えば、第1周回ベルト31Aと第2周回ベルト32Aとを逆方向に周回させてPETボトルWの周方向位置を調整するように構成してもよい。
【0060】
また、上記実施の形態においては、第1周回ベルト31Aと第2周回ベルト32AのPETボトルWとの接触面(接触部)が、PETボトルWの半径と円周率の積よりも長い場合について説明したが、例えば、第1周回ベルト31Aと第2周回ベルト32Aとを互いに逆方向に回転することにより、これより短い接触面(接触部)としてもよい。
【0061】
上記実施の形態においては、対象物の周方向位置を検出する検出カメラC1と、周方向位置を確認するための確認カメラC2がともに対象物であるPETボトルWの底面を撮影する場合について説明したが、検出カメラC1及び確認カメラC2が撮影する位置を、対象物の底面以外の箇所、例えば、側面又は上面としてもよく、係る場合に、対象物において相対位置が予め確認された別々の箇所、例えば、周方向位置の検出を底面に形成されたマークとし、周方向位置の確認を、底面のマークとの相対的位置関係が一定とされ側面に形成されたマークを撮影することにより行なうような構成としてもよい。
【0062】
<他の実施形態>
本発明の他の実施形態に係る搬送位置決め装置102について、図7〜図8を参照して説明する。図7は、搬送位置決め装置102の概略を示す平面図であり、図8は、搬送位置決め装置102による対象物Wの搬送位置決め状況を示す図である(上記実施形態と共通する構成には同一の符号を付している;以下の図において同じ)。
【0063】
搬送位置決め装置102は、図7に示すように、搬送コンベア10と、供給部20と、回転方向調整部130と、を備える。回転方向調整部130には、上記実施形態と同様にして構成される制御部(図示せず)が接続されている。対象物Wは、搬送コンベア10により、後方Rから前方Fに向かう搬送経路に従って、一列直線状に水平搬送される。搬送コンベア10は、単一の無端ベルトから構成されていてもよい。対象物Wの転倒防止のために、図示しないガードレール等を搬送コンベア10上方に適宜設置することもできる。
【0064】
対象物Wの形状等は、上記のとおり限定されるものではないが、少なくとも一部に平面視円形状の外周面が形成されているものが好ましい。この実施形態で例示する対象物Wは、軸線Oを中心線とする円筒状の胴部と、胴部上方に漸次縮径して設けられる首部と、を有する容器であり、搬送位置決め装置102の図示しない前工程において内容物を充填され、直立姿勢で搬送されている。対象物Wの首部には、図7に示すように、ヒンジh付きのキャップが被装されており、このヒンジhを目印として、所定の搬送位置決めの処理が行なわれる。
【0065】
供給部20は、図7に示すように、対象物Wの胴部を搬送経路の左右から挟持するとともに、一定のタイミングで回転方向調整部130に対象物Wを供給する。供給部20の第1供給ベルト21、第2供給ベルト22は、搬送コンベア10よりも遅い速度で、且つ前方Fに向け同速度で同期して周回される。これにより対象物Wは、供給部20の入口付近から一時的に連接状態となるが、供給部20を出る瞬間に再び搬送コンベア10と一体搬送されることで、互いに所定間隔をあけて回転方向調整部130に順次供給されるようになっている。
【0066】
搬送コンベア10上方の適宜箇所には、検出カメラC1及び確認カメラC2が配設される。検出カメラC1、確認カメラC2は、例えばCCD等のイメージセンサ(撮像素子)を用いてなり、上記制御部に接続され、搬送中の対象物Wに対して高速の画像処理を行なえるようになっている。この実施形態では、対象物Wのキャップ(ヒンジh)が上方から撮影されるが、対象物Wの底面側にのみ特徴がある(下方からしか対象物Wの周方向位置を特定できない)ような場合には、上記実施形態の如く搬送コンベア10下方に検出カメラC1及び確認カメラC2を配設することもできる。
【0067】
回転方向調整部130は、図7に示すように、一対の第1調整部131及び第2調整部132を備える。第1調整部131は、第1周回ベルト31A、駆動ローラ31B、従動ローラ31C、テンションローラ31Dによって構成され、第2調整部132は、第2周回ベルト32A、駆動ローラ32B、従動ローラ32C、テンションローラ32Dによって構成される。駆動ローラ31B、32Bには、サーボモータ等の駆動源31M、32Mがそれぞれ接続され、これらの駆動源31M、32Mに上記制御部がさらに接続されている。駆動ローラ31B、32Bとサーボモータ等の駆動源31M、32Mとの間には、図示しないロータリエンコーダや減速機が適宜介設される。
【0068】
図7に示すように、第1周回ベルト31Aにおいて従動ローラ31C、テンションローラ31D間に巻架される部分、及び第2周回ベルト32Aにおいて従動ローラ32C、テンションローラ32D間に巻架される部分には、対象物Wの胴部と接触する接触部51及び52が形成される。接触部51、52は、対向する鉛直面をなし、搬送経路に平行して配設されるとともに、対象物Wの胴部半径と円周率の積よりもわずかに長い全長(前後長さ)をそれぞれ有している。接触部51、52(第1周回ベルト31A、第2周回ベルト32A)の表面は、対象物Wの胴部に対して適度の挟持性(グリップ性)を発揮し得る材質のものが好ましい。
【0069】
回転方向調整部130は、図7に示す如くガイド部61、62を有する。ガイド部61、62は、金属や合成樹脂等からなる比較的堅牢な板状体ないしブロック片等によって構成され、第1周回ベルト31A、第2周回ベルト32Aの接触部51、52に平行する摺接面71、72をそれぞれ備える。ガイド部61、62は、これらの摺接面71、72が接触部51、52の裏面にそれぞれ摺接するように支持されている。
【0070】
なお、対象物Wの胴部径寸法は、対象物Wごとにばらつきが生じていることがある。そのため、回転方向調整部130の接触部51、52は、生じ得るもっとも小さい対象物Wの胴部径寸法に対応できるような間隔で、且つ対象物Wの胴部を弾力的に挟持できるように配設されるのがよい。これによれば、対象物Wの胴部に対する挟持性も向上し、スリップによる位置決め誤差の抑制にも繋がる。
より具体的には、第1周回ベルト31A、第2周回ベルト32Aの何れか一方(好ましくは両方)の表面を、例えばスポンジ等の弾性変形可能な部材によって構成する。あるいは、第1調整部131、第2調整部132の何れか一方(好ましくは両方)を、図示しない公知のばね機構ないしショックアブソーバー機構に連結し、接触部51や52を搬送経路に直交する方向に水平移動自在に構成してもよく、特にこのような構成とする場合には、上記スポンジ等の消耗によって接触部51、52の表面状態が変質してしまうのを防止できる。
【0071】
搬送位置決め装置102の動作について、図8を参照してさらに説明する。搬送位置決め装置102は、上記実施形態と同様の要領で、回転方向調整部130の第1周回ベルト31A、第2周回ベルト32Aのいずれか一方を停止させ他方を前進させて、対象物Wの搬送位置決めの処理を行なうが、とりわけそれらの前進速度を変化させるようになされている。搬送位置決めの処理は、対象物Wを搬送経路に従って搬送しながら、対象物Wの周方向位置を目標位置に対して設定角度範囲内とすること(対象物Wの周方向位置を調整すること)によって、行なわれるものである。
【0072】
図8(a)に示すように、回転方向調整部130の第1周回ベルト31A、第2周回ベルト32Aは通常、前方Fに向け同速度Vで同期して周回されている。回転方向調整部130には、供給部20によって、任意の周方向位置をなす対象物Wが一定のタイミングで順次供給される。対象物Wは、所定の搬送速度VW0(搬送コンベア10と同速度)で回転方向調整部130に供給されている。第1周回ベルト31A、第2周回ベルト32Aの上記速度Vは、この搬送速度VW0と略同速度であることが好ましい。
この実施形態では、対象物Wの胴部が、第1周回ベルト31A、第2周回ベルト32Aの接触部51、52に接触挟持された瞬間(図8(a)の状態)に、検出カメラC1で対象物Wの周方向位置が画像撮影され、位置決めが開始される。そして同時に、既に位置決めを完了した前方の対象物Wが、回転方向調整部130からちょうど排出されるようになっている。供給される対象物Wの搬送速度VW0が非常に高速度である等の場合には、搬送経路のより上流側に検出カメラC1を配置するようにしてもよい。
【0073】
対象物Wは、回転方向調整部130を通過する間に位置決めの処理が行なわれる。この実施形態では、図8(b)に示すように、第2周回ベルト32Aが停止され、第1周回ベルト31Aは前進を続けており、対象物Wの胴部が、接触部51によって所定方向(軸線O周り)に回転されるとともに、接触部52に接触しつつ前方Fに向かって転動する。これにより、対象物Wは、搬送コンベア10上を摺動され、且つ接触部51、52間を搬送経路方向に搬送速度VW1で搬送されながら周方向位置の調整が行なわれる。回転方向調整部130では、このとき第1周回ベルト31Aの前進速度が、上記速度Vよりも高速度(例えば速度Vの2倍速程度)の速度Vに変化するように制御される。速度Vは、対象物Wの搬送速度VW1が、第1周回ベルト31A(第2周回ベルト32A)の上記速度Vと略同速度となるようなものであることが好ましい。
ここで、回転方向調整部130は所定のガイド部61、62を有するため、対象物Wの位置決めに際して、対象物Wの胴部により、第1周回ベルト31Aの接触部51が、従動ローラ31Cとテンションローラ31Dとの間に押し込まれる、あるいは第2周回ベルト32Aの接触部52が、従動ローラ32Cとテンションローラ32Dとの間に押し込まれる、といったことがない。このように接触部51、52の撓みが防止されることで、対象物Wの非常に高精度の位置決めが可能となっている。
【0074】
上記において、第2周回ベルト32Aを停止させず、相対速度差を設けて(速度Vよりも遅い速度にて)前進を続けさせるようにしてもよいが、停止させることで、対象物Wを位置決めするために要する搬送経路方向の距離を短くできる。また、第2周回ベルト32Aの周回を逆転させ、後方Rに向け後退させるようにすれば、この距離をさらに短くすることも理論的には可能であるが、正逆運転の切り換えにより、対象物Wの胴部と接触部52とのスリップが生じ易くなるため、位置決めの精度が悪くなり、サーボモータ等の駆動源32Mにかかる負荷も過大となって、処理能力が低下するおそれがある。
【0075】
対象物Wが所定距離だけ搬送経路方向に従って搬送され、所定角度だけ回転されて、対象物Wの位置決めが完了する瞬間には、図8(c)に示すように、第1周回ベルト31Aの前進速度が速度Vに戻されるとともに、停止していた第2周回ベルト32Aが速度Vにて前進を再開される。これにより、位置決めされた対象物Wは、接触部51、52間に挟持されたまま回転することなく、搬送経路方向に搬送速度VW2(=V)で搬送され、回転方向調整部130から排出される。対象物Wは、好ましくは搬送コンベア10と略同速度の速度VW2(=V)をもって回転方向調整部130から排出され、搬送ピッチd(図7参照)をなして搬送コンベア10と一体搬送される。そして、対象物Wが回転方向調整部130から排出されると同時に、次の対象物Wが供給部20を介して回転方向調整部130に供給され、以後これが繰り返される。回転方向調整部130から排出された対象物Wは、確認カメラC2で画像撮影され、周方向位置が許容範囲内となっていない場合には、不良品として搬送経路外に適宜送出される。
以上説明した搬送位置決め装置102の一連の動作では、対象物Wの後方Rから前方Fに向かう移動を途中全く停止させる必要はなく、搬送位置決め装置102においては、対象物Wが搬送経路に従って連続的に(途中一旦停止等することなく)搬送されている。
なお、検出カメラC1で検出される対象物Wの周方向位置によっては、回転方向調整部130において、第1周回ベルト31Aの方が停止され、第2周回ベルト32Aが前進を続けることもあるのは、上記実施形態で述べたとおりである。万一、対象物Wの周方向位置が既に設定角度範囲内にある場合には、第1周回ベルト31A、第2周回ベルト32Aは、何れも停止されずに上記速度Vのまま同期して周回され、対象物Wが回転されることなく回転方向調整部130を通過することになる。
【0076】
搬送位置決め装置102によれば、回転方向調整部130を介して、対象物Wを搬送経路に従って連続的に(途中一旦停止等することなく)搬送しながら、位置決めするものであるため、短時間で大量の対象物Wを効率よく処理することが可能である。しかも搬送位置決め装置102は、上記したとおりの簡易な構造でありながら、任意の周方向位置をなして供給される対象物Wを、回転方向調整部130で確実に位置決めすることができる。搬送位置決め装置102であれば、既存の生産ラインに容易に組み込むこともできる。
【0077】
搬送位置決め装置102では、接触部51、52の前後長さ方向(搬送経路方向)に沿って対象物Wを回転させながら位置決めが行なわれるため、接触部51、52の撓みは、対象物Wの軸線Oの軌跡を不安定にし、却って位置決め誤差を生む要因となり得るが、上記ガイド部61、62によって、非常に高精度の位置決めが可能となっている。
また、搬送位置決め装置102によれば、接触部51、52の撓みが防止されていても、対象物Wの胴部に対する挟持性が損なわれるおそれは低いものとなっている。これは、回転方向調整部130に供給された対象物Wが、搬送経路に従って搬送速度VW1で前方Fに搬送されるとともに、前進を続ける第1周回ベルト31A(接触部51)または第2周回ベルト32A(接触部52)によって所定方向の回転力を与えられることから、対象物Wの胴部に接触部51、52が平面視接線状に当接しても、対象物Wに慣性力が作用し難く、対象物Wの胴部と接触部51、52とのスリップが誘引されないためと考えられる。
【0078】
対象物Wを回転させて周方向位置を調整する際に、第1周回ベルト31A(第2周回ベルト32A)の前進速度が速度Vのまま不変であると、回転方向調整部130における対象物Wの搬送速度VW1は、回転に伴って速度Vよりも低下するため、対象物Wどうしの間隔が詰まり、対象物Wの滞留が発生し易くなる。搬送位置決め装置102によれば、第1周回ベルト31A(第2周回ベルト32A)の前進速度が、対象物Wの周方向位置を調整する際に、速度Vから、より高速度の速度Vに変化するように制御されていることから、対象物Wを回転させることに伴う搬送速度VW1の低下が緩和され、対象物Wの滞留を防ぐことが可能となる。
また、供給部20から、対象物Wが一定のタイミングで供給されても、対象物Wごとに周方向位置の目標位置までの角度差が異なり得るため、対象物Wの回転量の違いにより、回転方向調整部130から排出された対象物Wの搬送ピッチdに差異が生じる可能性がある。これに対しては、上記のとおり、第1周回ベルト31A(第2周回ベルト32A)の前進速度を、通常は速度Vに、対象物Wの周方向位置を調整する際には速度Vに、それぞれ制御して、対象物Wが搬送経路方向の搬送速度VW1、VW2を速度Vと同速度ないし略同速度に保ちながら回転方向調整部130を通過するように構成することで、回転方向調整部130から排出された対象物Wの搬送ピッチdを略一定にすることが可能となる。このような構成のものは、回転方向調整部130から排出された対象物Wどうしが所定間隔をあけている必要がある場合、例えば、回転方向調整部130の後工程として、対象物Wを等間隔に収容し、ラベル貼着その他適宜の処置を施すためのスターホイール(図示せず)が配置されている場合等においてきわめて有用となる。
【0079】
<変形例1>
上記した搬送位置決め装置102の変形例について、図9〜図10を参照して説明する。図9は、この変形例に係る搬送位置決め装置202の概略を示す平面図であり、図10は、搬送位置決め装置202による対象物Wの搬送位置決め状況を示す図である。
【0080】
搬送位置決め装置202は、図9に示すように、搬送コンベア10と、供給部20と、搬送経路に沿って直列状に並設される回転方向調整部230a及び230bと、を備える。回転方向調整部230a、230bは互いに同様の構成をなし、第1周回ベルト31A、駆動ローラ31B、従動ローラ31C、テンションローラ31Dによってそれぞれ構成される第1調整部231a、第1調整部231bと、第2周回ベルト32A、駆動ローラ32B、従動ローラ32C、テンションローラ32Dによってそれぞれ構成される第2調整部232a、第2調整部232bと、を備えている。回転方向調整部230a、230bの駆動ローラ31B、32Bにはサーボモータ等の駆動源31M、32Mがそれぞれ接続されており、これらの駆動源31M、32Mに所定の制御部(図示せず)がさらに接続されている。また、搬送コンベア10上方の適宜箇所には、回転方向調整部230a用の検出カメラC1a及び回転方向調整部230b用の検出カメラC1bと、確認カメラC2が配設される。
【0081】
搬送位置決め装置202では、各回転方向調整部230a、230bが、対象物Wの周方向位置の調整を、分担して処理するように構成されている。より具体的には、各回転方向調整部230a、230bによる対象物Wの最大回転角度が、制御部を介してそれぞれ所定値に制限されるようになっている。
【0082】
搬送位置決め装置202の動作について、図10を参照してさらに説明する。各回転方向調整部230a、230bの基本的な動作は、上記した回転方向調整部130と同様であるが、この変形例の搬送位置決め装置202は、回転方向調整部230aが対象物Wを最大でも90°しか回転(左回転または右回転)させず、目標位置までの角度差が残ったときには、これを回転方向調整部230bが処理するものである。なお、以下では、対象物Wを左回転させる場合について説明している。
【0083】
図10(a)に示すように、周方向位置A1と目標位置A0との角度差θについて、検出カメラC1aで90°<θ(<180°)として検出された場合、供給部20を介して供給された対象物Wが、回転方向調整部230aによって角度差θ(=90°)だけ回転され、排出される。次いで、回転方向調整部230bに搬入された対象物Wが、回転方向調整部230bによって残りの角度差θ(=θ−θ)だけ回転されることで、位置決めを完了した対象物Wが、回転方向調整部230bから排出される。検出カメラC1bは、周方向位置A1から目標位置A0までの残りの角度差(θ)を検出している。検出カメラC1bを省略した構成とすることもできるが、検出カメラC1bを設けることで、より確実な位置決めが可能となる。
【0084】
これに対して、図10(b)に示すように、上記角度差θについて、検出カメラC1aで90°≧θ(>0°)として検出された場合、供給部20を介して供給された対象物Wが、回転方向調整部230aによって角度差θ(=θ)だけ回転され、排出される。この時点で対象物Wの位置決めは完了しているため、回転方向調整部230bに搬入された対象物Wは、回転されることなく(第1周回ベルト31A、第2周回ベルト32Aが前方Fに向け同速度Vのまま同期して周回される)、回転方向調整部230bから排出される。検出カメラC1bは、周方向位置A1から目標位置A0までの残りの角度差がゼロ(θ=0°)ないし設定角度範囲内であることを確認的に検出している。
【0085】
このように、搬送位置決め装置202における各回転方向調整部230a、230bは、対象物Wを最大でも90°または90°弱ずつしか回転させる必要がない。
回転方向調整部230a、230bは、上記回転方向調整部130と同様にして、各回転方向調整部230a、230bから排出された対象物Wの搬送ピッチが略一定化されるような構成とすることが好ましい。回転方向調整部230aから排出された対象物Wの搬送ピッチを略一定にすることで、回転方向調整部230bにおける対象物Wの搬送位置決めをスムーズに行なうことが可能となる。
【0086】
上記した搬送位置決め装置102では、供給される対象物Wの搬送速度VW0や搬送コンベア10の速度を上げると、検出カメラC1、サーボモータ等の駆動源31M、32Mの性能によっては、処理が追いつかない可能性がある。搬送位置決め装置202によれば、各回転方向調整部230a、230bにおけるそれぞれの処理時間を減らすことができるため、検出カメラC1(C1a、C1b)等の性能に依存し過ぎることなく、全体として、短時間できわめて大量の対象物Wを処理することが可能となる。
また、搬送位置決め装置202の場合、各回転方向調整部230a、230bの第1周回ベルト31A、第2周回ベルト32Aの各接触部51、52の必要有効長さ(=L+L;図9参照)は、対象物Wの胴部半径×円周率で得られる長さ程度で足りるため、非常にコンパクトな構成とすることができる。
【0087】
なお、各回転方向調整部230a、230bによる対象物Wの最大回転角度は、必ずしも互いに均衡していなくてもよく、任意に設定することができる。例えば、回転方向調整部230aが対象物Wを最大でも60°しか回転させず、残りを回転方向調整部230bが処理する、というような構成としてもよい。また、この変形例では、回転方向調整部を二つ(230a、230b)並設する例を示したが、三つ以上並設した構成とすることもできる。
【0088】
<変形例2>
上記した搬送位置決め装置102の他の変形例について、図11を参照して説明する。図11は、この変形例に係る搬送位置決め装置302の概略を示す平面図である。
【0089】
搬送位置決め装置302は、上記搬送位置決め装置202と同様の構成を有するもので、図11に示すように、搬送コンベア10と、供給部20と、搬送経路に沿って直列状に並設される回転方向調整部330a及び330bと、を備える。回転方向調整部330a、330bは、第1周回ベルト31A、駆動ローラ31B、従動ローラ31C、テンションローラ31Dによってそれぞれ構成される第1調整部331a、第1調整部331bと、第2周回ベルト32A、駆動ローラ32B、従動ローラ32C、テンションローラ32Dによってそれぞれ構成される第2調整部332a、第2調整部332bと、を備えている。回転方向調整部330a、330bの駆動ローラ31B、32Bにはサーボモータ等の駆動源31M、32Mがそれぞれ接続されており、これらの駆動源31M、32Mに所定の制御部(図示せず)がさらに接続されている。
【0090】
搬送位置決め装置302でも、上記搬送位置決め装置202と同様に、各回転方向調整部330a、330bが、対象物Wの周方向位置の調整を、分担して処理するように構成されている。但し、搬送位置決め装置302は、その具体的手段として他の異なる手段を採用しており、各回転方向調整部330a、330bが、対象物Wの周方向位置の調整を、制御部を介してそれぞれ間断的に且つ互いに重複なく(全体として漏れなく)行なうようになっている。
【0091】
搬送位置決め装置302の動作について、さらに説明する。各回転方向調整部330a、330bの基本的な動作も、上記した回転方向調整部130と同様であるが、この変形例の搬送位置決め装置302は、回転方向調整部330aが、対象物Wのうち偶数順番の対象物Wを処理し、回転方向調整部330bが、奇数順番の対象物Wを処理するものである。
【0092】
すなわち、図11に示すように、供給部20を介して供給された対象物Wは、検出カメラC1aによる検出を元に、回転方向調整部330aによって、所定角度だけ回転され、排出される。これにより対象物Wの位置決めは完了するため、回転方向調整部330bに搬入される上記対象物Wは、回転されることなく(第1周回ベルト31A、第2周回ベルト32Aが前方Fに向け同速度Vのまま同期して周回される)、回転方向調整部330bから排出される。一方で、供給部20を介して供給された対象物Wは、回転方向調整部330aによっては回転されることなく(第1周回ベルト31A、第2周回ベルト32Aが前方Fに向け同速度Vのまま同期して周回される)、回転方向調整部330aから排出される。そして、回転方向調整部330bに搬入される上記対象物Wは、検出カメラC1bによる検出を元に、回転方向調整部330bによって、所定角度だけ回転され、位置決めを完了したうえで回転方向調整部330bから排出される。
各回転方向調整部330a、330bから排出された対象物W(W、W)の搬送ピッチが略一定化されるような構成とすることが好ましいのは、上記搬送位置決め装置202の場合と同様である。
【0093】
このように、搬送位置決め装置302における各回転方向調整部330a、330bは、それぞれ対象物Wを連続して処理しなくて済む。
上記した搬送位置決め装置102では、サーボモータ等の駆動源31M、32Mの性能によっては、第1周回ベルト31Aや第2周回ベルト32Aの前進速度を変化(上昇・下降)させたり停止させたりすることのできる単位時間あたりの回数が制限されることがある。搬送位置決め装置302によれば、各回転方向調整部330a、330bにおけるそれぞれの単位時間あたりの処理回数(対象物Wの処理数量)を1/2ずつに減らすことができるため、サーボモータ等の駆動源31M、32Mの性能が然程高くない場合であっても、全体として、短時間できわめて大量の対象物Wを処理することが可能となる。
【0094】
なお、各回転方向調整部330a、330bによる対象物Wの処理数量は、必ずしも互いに均衡していなくてもよく、任意に設定することができる。例えば、回転方向調整部330aに、対象物Wのうち1、4、7、10…の順番のものを処理させ、回転方向調整部330bに、残りの順番のものを処理させる、というような構成としてもよい。また、この変形例では、回転方向調整部を二つ(330a、330b)並設する例を示したが、三つ以上並設した構成とすることもできる。
【0095】
<別実施形態>
上記から明らかなように、本発明の技術的思想は様々な形態として具現化され得る。本発明のさらに別実施形態(搬送位置決め装置402)について、図12に例示する。図12は、搬送位置決め装置402の概略を示す平面図である。
【0096】
搬送位置決め装置402は、図12に示すように、搬送コンベア10と、回転方向調整部430と、を備える。回転方向調整部430の前後には、公知の構造を有するラベル貼着ユニット403a、403bがそれぞれ搬送経路に沿って配設され、ラベル貼着装置401が構成されている。ラベル貼着装置401は、対象物Wの胴部周面等に第1ラベル473aを貼着したのち、これを基準とする対象物Wの適宜位置に第2ラベル473bを貼着するものであり、この実施形態では、第1ラベル473aと第2ラベル473bとが、対象物Wの胴部周面において互いに反転した位置に貼着される。
【0097】
ラベル貼着装置401では、図12に示すように、ラベル貼着ユニット403aによって、任意の胴部周面に第1ラベル473aを貼着された対象物Wが、回転方向調整部430に搬入される。回転方向調整部430の第1周回ベルト31A、第2周回ベルト32Aは、前方Fに向けそれぞれ一定の速度V41、V42で周回されるが、速度V41が速度V42よりも高速度となるように制御されている。これにより第1周回ベルト31Aと第2周回ベルト32Aとに相対速度差が設けられ、対象物Wを搬送経路に従って搬送しながら一定角度(この実施形態では180°)だけ回転させることができるようになっている。回転方向調整部430からは、このようにして位置決めを完了した対象物Wが排出され、さらにラベル貼着ユニット403bによって第2ラベル473bが貼着されている。第1周回ベルト31A、第2周回ベルト32Aの上記速度V41、V42を適宜設定することで、第1ラベル473aと第2ラベル473bの相対位置を自在に変更することもできる。
【0098】
搬送位置決め装置402(ラベル貼着装置401)によれば、対象物Wを搬送経路に従って搬送しながら回転させ、効率よく位置決めを行なえるとともに、対象物Wの所定位置に、第1ラベル473a及び第2ラベル473bを簡単に貼着することが可能である。また、検出カメラC1等を設ける必要もないため、非常に低コストで手軽に導入できる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
この搬送位置決め装置及びラベル貼着装置によれば、回転可能な対象物を、容易かつ効率的に回転及び搬送することができるので、産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0100】
O 軸線
W 対象物
C1 検出カメラ
A1 検出した周方向位置
A0 周方向目標位置
θ 角度差
P1 周方向位置検出ステーション(第1の位置)
P2 周方向位置確認ステーション(第2の位置)
1 ラベル貼着装置
2 搬送位置決め装置
20 ワーク供給部(供給部)
31 第1調整部
31A 第1周回ベルト
32 第2調整部
32A 第2周回ベルト
40 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線周りに回転可能とされる対象物を搬送経路に従って搬送しながら位置決めする搬送位置決め装置であって、
前記軸線が通過する軌跡に沿う接触部を有する第1周回ベルトと、前記軌跡に沿う接触部を有し、前記軌跡を挟んで前記第1周回ベルトと反対側に配置される第2周回ベルトと、を含む回転方向調整部と、
前記回転方向調整部に接続される制御部と、を備え、
前記第1周回ベルトと前記第2周回ベルトは、前記対象物を挟むように構成され、
前記制御部は、
前記第1周回ベルトと前記第2周回ベルトとを、相対速度差を設けて前進、停止、後退可能に構成されていることを特徴とする搬送位置決め装置。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送位置決め装置であって、
前記制御部は、
前記搬送経路上の第1の位置で前記対象物の周方向位置を検出し、
前記検出した周方向位置と、前記搬送経路上の第2の位置における周方向目標位置との角度差を算出し、
前記第2の位置において、前記対象物の周方向位置と前記周方向目標位置との角度差が、予め設定した設定角度範囲内となるように、前記第1周回ベルトと前記第2周回ベルトとを前進、停止、後退させることを特徴とする搬送位置決め装置。
【請求項3】
請求項2に記載の搬送位置決め装置であって、
前記制御部は、
前記第1周回ベルトと前記第2周回ベルトのうち、前記角度差に基づいて対応するいずれか一方を停止し他方を前進させることで前記対象物の周方向位置を前記周方向目標位置に対して前記設定角度範囲内とし、
前記対象物の周方向位置が前記設定角度範囲内となった際に、前記対象物が前記第2の位置以外にある場合には、前記第1周回ベルトと前記第2周回ベルトとを同速度で前進させることを特徴とする搬送位置決め装置。
【請求項4】
請求項3に記載の搬送位置決め装置であって、
前記第1周回ベルトと前記第2周回ベルトとの間に前記対象物をひとつずつ供給する供給部を備えることを特徴とする搬送位置決め装置。
【請求項5】
請求項4に記載の搬送位置決め装置であって、
前記制御部が、
前記第1周回ベルトまたは前記第2周回ベルトを前進させる速度を、前記対象物の周方向位置を調整する際に、より高速度に変化させることを特徴とする搬送位置決め装置。
【請求項6】
請求項5に記載の搬送位置決め装置であって、
前記制御部が、
前記第1周回ベルトまたは前記第2周回ベルトを前進させる速度を、前記対象物が前記搬送経路方向の搬送速度を略同速度に保ちながら前記回転方向調整部を通過するように制御して、
前記回転方向調整部から排出された前記対象物の搬送ピッチが略一定にされることを特徴とする搬送位置決め装置。
【請求項7】
請求項6に記載の搬送位置決め装置であって、
前記回転方向調整部が、
前記第1周回ベルト及び前記第2周回ベルトにおける前記接触部の撓みを防止するガイド部を有することを特徴とする搬送位置決め装置。
【請求項8】
請求項7に記載の搬送位置決め装置であって、
前記回転方向調整部が、前記搬送経路に沿って複数並設され、
各回転方向調整部が、
前記対象物の周方向位置の調整を、分担して処理するように構成されていることを特徴とする搬送位置決め装置。
【請求項9】
請求項8に記載の搬送位置決め装置であって、
各回転方向調整部による前記対象物の最大回転角度が、それぞれ所定値に制限されるものであることを特徴とする搬送位置決め装置。
【請求項10】
請求項8に記載の搬送位置決め装置であって、
各回転方向調整部が、前記対象物の周方向位置の調整を、それぞれ間断的に且つ互いに重複なく行なうものであることを特徴とする搬送位置決め装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10の何れかに記載の搬送位置決め装置を備えることを特徴とするラベル貼着装置。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−11914(P2011−11914A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119084(P2010−119084)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(390020156)三晴精機株式会社 (6)
【Fターム(参考)】