説明

搬送部位置決め方法、及び搬送装置

【課題】簡易な機構で加熱炉内でのワーク又は搬送用キャリアの位置決めが可能となる搬送部位置決め方法の提供。
【解決手段】ワークを固定するキャリアパレット40と、キャリアパレット40を搬送する搬送用コンベア20と、ワークの加熱を行う加熱炉と、加熱炉内でキャリアパレット40の位置決めを行う位置決め機構とを備え、キャリアパレット40を位置決め機構で所定の位置に停止させる搬送部位置決め方法において、加熱炉は、ワークを加熱するハロゲンヒータ30を複数備え、キャリアパレット40に突起及び切欠溝を備え、キャリアストッパにクシ歯状に複数本形成された突起と係合するストッパ突起35aを有し、キャリアストッパを前進させることで、ストッパ突起35aと突起を係合させ、複数枚のキャリアパレット40をハロゲンヒータ30と対応する位置に一度に位置決めし、ワークを加熱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送コンベアで搬送するキャリアを加熱炉内で位置決めするための技術である。
【背景技術】
【0002】
搬送コンベア上のワークやキャリアの位置決めをする技術に関しては、様々な方法が提案されている。例えば特許文献1乃至特許文献3に開示されるような技術が公開されている。
特許文献1には、搬送部品の位置決め機構に関する技術が開示されている。基板搬送用爪金具を進行方向に移動させることで、ワークである基板を移動させ、先頭にある位置決め機構で基板を所定の位置に保持することが可能である。先頭にある位置決め機構は、シリンダの先端に基板を案内する押し子やローラを備えたブロックなどを用いて、基板の位置決めを行う。
このようにすることで、先頭の基板を所定の位置に位置決めすることが可能である。
【0003】
特許文献2には、ハンダボールの搭載装置及び搭載方法に関する技術が開示されている。この中で、搬送コンベアで搬送する基板の位置決めには、ストッパとしてのシリンダが、一定の間隔をおいて4つ設けられている。そして、シリンダロッドが上方に突出することで、基板の位置決めを行うことができる。
このシリンダは、基板1枚当たり1つ用意する必要があり、搬送コンベアに固定されている。
特許文献3には、インサート用筒体の取り付け装置に関する技術が開示されている。インサート用筒体を立てた状態で複数のローラを用いて搬送し、所定の位置でインサート用筒体の搬送方向と直交する方向に突出するストッパを駆動機構で回転させて、インサート用筒体の搬送部に突出させて、インサート用筒体の位置決めを行っている。
【0004】
【特許文献1】実公平1−15199号公報
【特許文献2】特開平8−206825号公報
【特許文献3】特開2002−35920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1乃至特許文献3に記載される技術を加熱炉内の位置決めに用いるには、以下に説明するような課題があると考えられる。
加熱炉にキャリアを搬送し、炉内での位置決め精度を要求されるような場合、キャリアの熱膨張を考慮する必要がある。
特許文献1及び特許文献3のどちらの技術においても、搬送コンベア上に後方のワークから押された状態で搬送されてくるワークを先頭でのみ位置決めする技術である。よって、先頭だけ位置が確定しても、後方のワークの位置は成り行きで決定されることになる。
加熱炉内でこのような方法で、ワークを搬送するキャリアの位置決めを行う場合、キャリアの数が増えるほど、停止位置の誤差が積算されることになる。特に、搬送方向に長いキャリアを用いる場合や、加熱炉内の温度が高くなる場合にはこの誤差は大きくなりやすい。
【0006】
一方、複数のストッパを設ける特許文献2のような構成にしても良いが、この場合はストッパを駆動する駆動機構がワークの数だけ必要となり、コストダウンに向かない他、加熱炉内に駆動機構のスペースを確保する必要がある。また、機構が複雑になるため、メンテナンス性を損なう結果となる。
【0007】
そこで、本発明はこのような課題を解決するために、簡易な機構で加熱炉内でのワーク又は搬送用キャリアの位置決めを行いワークの加熱が可能となる搬送部位置決め方法及び搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明による搬送部位置決め方法は以下のような特徴を有する。
(1)ワークを載置するキャリアと、前記キャリアを搬送する搬送コンベアと、前記搬送コンベアの一部を覆い前記ワークの加熱を行う加熱炉と、前記加熱炉内で前記キャリアの位置決めを行う位置決め機構と、を備え、前記搬送コンベアで運ばれる前記キャリアを前記位置決め機構で所定の位置に位置決めさせ、前記ワークを加熱する、搬送部位置決め方法において、
前記加熱炉がその内部に、前記ワークを加熱する加熱装置を所定間隔に複数備え、前記キャリアに、係合部を備え、前記位置決め機構に、前記係合部と係合するクシ歯状に複数本設けられた位置決め突起を備え、前記位置決め機構の前記位置決め突起を前進させることで、前記位置決め突起と前記係合部を係合させ、複数枚の前記キャリアを前記各加熱装置と対向する位置に一度に位置決めすることを特徴とする。
【0009】
(2)(1)に記載の搬送部位置決め方法において、
前記キャリアの前記係合部は、前記キャリアの搬送方向に平行に形成される切欠溝であり、前記切欠溝は、前記位置決め突起の幅よりも広く溝が形成され、前記位置決め突起が、前記切欠溝の前部で挿入され、前記搬送コンベアが前進して前記キャリアが搬送されることで、前記位置決め突起が前記切欠溝の後端部で係合することを特徴とする。
【0010】
また、前記目的を達成するために、本発明による搬送装置は以下のような特徴を有する。
(3)ワークを載置するキャリアと、前記キャリアを搬送する搬送コンベアと、前記搬送コンベアの一部を覆い前記ワークの加熱を行う加熱炉と、前記加熱炉内で前記キャリアの位置決めを行う位置決め機構と、を備える搬送装置において、
前記加熱炉内に、前記ワークを加熱する加熱装置を所定間隔で複数配置し、前記キャリアが、少なくとも一カ所に係合部を有し、前記位置決め機構が、複数の前記キャリアの係合部と係合するクシ歯状に設けられた位置決め突起を有するキャリアストッパと、前記キャリアストッパを前記キャリア側に向かって前進後退させ、前記位置決め突起と複数の前記キャリアの係合部とを係合させる往復動機構と、を備えることを特徴とする。
【0011】
(4)(3)に記載の搬送装置において、
前記キャリアの近接を検知する検出センサと、前記検出センサによる検知情報に基づいて前記往復動機構の駆動を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
(5)(3)又は(4)に記載の搬送装置において、
前記キャリアが、前記キャリアの搬送方向の先端及び後端に前記係合部を有することを特徴とする。
【0013】
(6)(3)乃至(5)のいずれか1つに記載の搬送装置において、
前記キャリアの前記係合部は、前記キャリアの搬送方向に平行に形成される切欠溝であり、前記切欠溝は、前記位置決め突起の幅よりも広く溝が形成され、前記位置決め突起が、前記切欠溝の前部で挿入され、前記搬送コンベアが前進して前記キャリアが搬送されることで、前記位置決め突起が前記切欠溝の後端部で係合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
このような特徴を有する本発明による搬送部位置決め方法により、以下のような作用、効果が得られる。
まず、(1)に記載される発明は、ワークを載置するキャリアと、キャリアを搬送する搬送コンベアと、搬送コンベアの一部を覆いワークの加熱を行う加熱炉と、加熱炉内でキャリアの位置決めを行う位置決め機構と、を備え、搬送コンベアで運ばれるキャリアを位置決め機構で所定の位置に位置決めさせ、ワークを加熱する、搬送部位置決め方法において、加熱炉がその内部に、ワークを加熱する加熱装置を所定間隔に複数備え、キャリアに、係合部を備え、位置決め機構に、係合部と係合するクシ歯状に複数本設けられた位置決め突起を備え、位置決め機構の位置決め突起を前進させることで、位置決め突起と係合部を係合させ、複数枚のキャリアを各加熱装置と対向する位置に一度に位置決めするものである。
【0015】
したがって、加熱炉内で複数のキャリアを、位置決め突起をキャリアの係合部に向かって前進させることで一度に位置決めが可能である。そして、クシ歯状に複数本設けられた位置決め突起が、それぞれのキャリアの係合部と係合して位置決めされることで、停止位置の誤差が積算することが無い。
また、位置決め突起の間隔がキャリアの進行方向の幅より広い間隔で位置決め機構に形成されているので、停止時にキャリア同士が干渉することもない。
複数のワークを複数箇所で一度に加熱する場合、ワークを乗せたキャリアの停止位置にズレが生じ、停止位置の誤差が積算すると、搬送方向に対して後ろ側のキャリアに乗ったワークと加熱装置との位置にもズレが生じて本来必要な部分が加熱できなくなる虞がある。しかし、キャリアを対応する位置決め突起でそれぞれ停止させれば、誤差の積算を防ぐことができる。
また、1つ又は1対の位置決め機構で複数のキャリアを位置決めできるので、コストダウンに貢献する。
【0016】
また、(2)に記載される発明は、(1)に記載の搬送部位置決め方法において、キャリアの係合部は、キャリアの搬送方向に平行に形成される切欠溝であり、切欠溝は、位置決め突起の幅よりも広く溝が形成され、位置決め突起が、切欠溝の前部で挿入され、搬送コンベアが前進してキャリアが搬送されることで、位置決め突起が切欠溝の後端部で係合するものである。
このため、キャリアに係合部として設けられた切欠溝を位置決め突起の幅よりも幅広に形成することで、位置決め突起でのキャリアの位置決めを容易にすることが可能である。
【0017】
また、このような特徴を有する本発明による搬送装置により、以下のような作用、効果が得られる。
まず、(3)に記載される発明は、ワークを載置するキャリアと、キャリアを搬送する搬送コンベアと、搬送コンベアの一部を覆いワークの加熱を行う加熱炉と、加熱炉内でキャリアの位置決めを行う位置決め機構と、を備える搬送装置において、加熱炉内に、ワークを加熱する加熱装置を所定間隔で複数配置し、キャリアが、少なくとも一カ所に係合部を有し、位置決め機構が、複数のキャリアの係合部と係合するクシ歯状に設けられた位置決め突起を有するキャリアストッパと、キャリアストッパをキャリア側に向かって前進後退させ、位置決め突起と複数のキャリアの係合部とを係合させる往復動機構と、を備えるものである。
したがって、加熱炉内で複数のキャリアを、位置決め突起をキャリアの係合部に向かって前進させることで位置決めすることが可能である。そして、クシ歯状に複数本設けられた位置決め突起が、それぞれのキャリアの係合部と係合して位置決めされることで、停止位置の誤差が積算することが無い。
【0018】
また、(4)に記載される発明は、(3)に記載の搬送装置において、キャリアの近接を検知する検出センサと、検出センサによる検知情報に基づいて往復動機構の駆動を制御する制御手段と、を備えるものである。
キャリア搬送方向に直交するキャリア側面、或いはその付近には、係合部が備えられており、この係合部とクシ歯状の位置決め突起が契合される。検出センサによって正確にパレットの位置を検出することができ、パレットの係合部に対してクシ歯状の位置決め突起を必要なタイミングで前進させ、係合部と係合することが可能となる。
【0019】
また、(5)に記載される発明は、(3)又は(4)に記載の搬送装置において、キャリアが、キャリア搬送方向の先端及び後端に係合部を有するものである。
キャリアの先端及び後端に係合部を有する形状とすることで、キャリアの前後方向が不問となり、投入ミスなどの防止に貢献する。
【0020】
また、(6)に記載される発明は、(3)乃至(5)のいずれか1つに記載の搬送装置において、キャリアの係合部は、キャリアの搬送方向に平行に形成される切欠溝であり、切欠溝は、位置決め突起の幅よりも広く溝が形成され、位置決め突起が、切欠溝の前部で挿入され、搬送コンベアが前進してキャリアが搬送されることで、位置決め突起が切欠溝の後端部で係合するものである。
このため、キャリアに係合部として設けられた切欠溝を、位置決め突起の幅よりも幅広に形成することで、位置決め突起でのキャリアの位置決めを容易にすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態の搬送装置10の断面図を示す。また、図2に、搬送装置10の内部を示した平面図を示す。また、図3に、搬送用コンベア20の拡大図を示す。
搬送装置10は、加熱炉13、搬送用コンベア20、及び位置決め機構を備えている。
加熱炉13は、主に炉本体であるチャンバー17と加熱装置であるハロゲンヒータ30とで構成される。チャンバー17内は、石英ガラス板11によりに分割され、石英ガラス板11の上方が加熱室16、石英ガラス板11の下方が減圧室15となる。この減圧室15に固定してハロゲンヒータ30が設けられる。加熱室16の内部は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気とされる。
【0022】
加熱装置であるハロゲンヒータ30は、石英ガラス管の中にハロゲンガスを充満し内部にタングステンフィラメントを用いた一般的なもので、ハロゲンヒータ30にて赤外線を照射することでワークを加熱することができる。加熱炉13で加熱されるワークはインバータ部品50であり、加熱することでインバータ部品50のハンダ付けを行うことができる。
ハロゲンヒータ30は、加熱炉13の下部に備えられる石英ガラス板11に隔離された減圧室15に固定されている。
搬送用コンベア20と隔離されることで、ゴミなどがハロゲンヒータ30に入り込むことを防止することができる。また、減圧室15に窒素などの不活性ガスを充填し、ハロゲンヒータ30が劣化しにくいように配慮することが望ましい。
【0023】
加熱炉13のチャンバー17は、ワークの搬送方向上流側にキャリアパレット搬入口を、ワークの搬送方向下流側にキャリアパレット搬出口を備える。チャンバー17内における加熱室16の下方には、キャリアパレット搬入口からキャリアパレット搬出口に渉って、ワークの搬送方向に沿って左右2列の搬送用コンベア20が設けられる。
加熱炉13のチャンバー17内部に設けられる搬送用コンベア20は、複数個の搬送用ローラ21がキャリア搬送方法に配列されたいわゆるローラコンベアである。
キャリアパレット40は、図2に示すキャリア搬送方向D1と直交する方向の両端部に被支持部40aを備えている。被支持部40aは図3に示されている。このキャリアパレット40の被支持部40aが搬送用ローラ21上に載置され、搬送用ローラ21にて支持される。搬送用ローラ21を回転させることでキャリアパレット40を前進させることができる。なお、キャリア搬送方向D1は前述のワークの搬送方向と同じ方向である。
【0024】
加熱炉13の内部には、搬送用ローラ21が加熱炉13の両端に左右対称に1列ずつ設けられている。搬送用コンベア20の搬送用ローラ21は、図1又は図3に示されるように、石英ガラス板11から離れた位置に配置されている。
加熱炉13内には、キャリアパレット40の停止位置が6カ所設けられ、ハロゲンヒータ30も6カ所に設けられている。したがって、加熱炉13内部で一度に処理できるインバータ部品50の数は6つということになる。この処理数は加熱炉13の大きさとインバータ部品50の大きさの兼ね合いなどで決定されるため、増減することを妨げない。ただし、加熱処理自体に数分の時間を要するため、処理時間の短縮を図るためには処理数が多い方が好ましい。
【0025】
搬送用ローラ21は、回転軸23の一端に固定されている。搬送用ローラ21は、水素脆性などを考慮して素材中に炭素の含有量が少ないステンレス鋼、例えばSUS304を用いて形成されている。
回転軸23は隔壁24と支持壁27に設けられたベアリング軸受によって回転可能に保持されている。回転軸23周りの隔壁24と支持壁27の間には、駆動用プーリー22が設けられている。
回転軸23に取り付けられた駆動用プーリー22は、搬送用ローラ21よりも外側(石英ガラス板11と反対側)に配置されている。これは、駆動用プーリー22にかけられるベルト26が樹脂製であり、耐熱性に劣るためである。加熱炉13の内部は加熱効率も考えてコンパクトであることが望ましいが、駆動用プーリー22及びベルト26は、可能な限り外側に配置されることが望ましい。
駆動用プーリー22は、ベルト26によって伝えられる加熱炉13の外部に取り付けられたモータ12の回転を、回転軸23に伝えている。したがって、駆動用プーリー22の回転によって、回転軸23に固定される搬送用ローラ21も回転する。
【0026】
図4に、搬送用コンベア20の斜視図を示す。
キャリアストッパ35は、その下端位置(後述する位置決め突起に当たるキャリアストッパ35の下端位置)が搬送用コンベア20の搬送面高さとほぼ同じになるように、かつ搬送用コンベア20に隣接して設けられる。各キャリアストッパ35は、図2に示すように、平行に設けられた一対の往復動機構であるストッパシャフト36の一端側に接続され、これらのストッパシャフト36は加熱炉13のチャンバー17を貫通して設けられる。
各ストッパシャフト36の他端側は、直動ガイドであるシャフトガイド38で保持される。両シャフトガイド38の間にシリンダ37が配置される。シリンダ37のピストンロッド37aの先端には、連結部材39が接続されており、この連結部材39にシャフトガイド38が連結される。
シリンダ37の駆動に伴うピストンロッド37aの伸縮に連動して両ストッパシャフト36がキャリアパレット40に向かって前後に直動する。
このような構成の往復動機構は、キャリアストッパ35の側部に設けることが望ましいが、上部に設けても良い。また、前述したハロゲンヒータ30が加熱炉13の上部に設けられている場合は、往復動機構をキャリアストッパ35の下部に設けても良い。なお、図面では省略されているが、キャリアストッパ35は、加熱炉13の左右に1カ所ずつ2つ、つまり合計4カ所に設けられている。
【0027】
ストッパシャフト36はシャフトガイド38で保持されており、キャリアストッパ35はストッパシャフト36がシャフトガイド38に保持されて直動することで、キャリアパレット40の搬送方向に直交する方向に動作することが可能である。
キャリアストッパ35には、ストッパ突起35aが長手方向に沿ってクシ歯状に複数個、かつ搬送用ローラ21側に突出するように形成されており、これらのストッパ突起35aが各キャリアパレット40の切欠溝42(後述)と係合する。
キャリアストッパ35にクシ歯状に設けられたストッパ突起35aの間隔は、キャリアパレット40の幅よりも十分に広くすることが好ましい。
例えばキャリアパレット40の進行方向の幅が120mm程度であれば、ストッパ突起35aの間隔は125mm程度にすることで、キャリアパレット40とキャリアストッパ35が係合して、キャリアパレット40を位置決めした際に、搬送用コンベア20上にキャリアパレット40が一定の間隔で停止することが望ましい。
仮ストッパ60は、キャリアストッパ35と組み合わせて動作するキャリアパレット40を停止させるストッパである。
【0028】
図5に、キャリアパレット40の平面図を示す。
キャリアパレット40には、係合部である一対の突起41が構成する切欠溝42が2カ所設けられている。この切欠溝42はキャリアパレット40(キャリア搬送方向D1と直交する方向の両側部)に設けられており、切欠溝42の形成に伴う機械加工によって突起41が精度良く形成される。すなわち、キャリアパレット40の切欠溝42を挟んで、キャリア搬送方向D1の前後端のそれぞれに突起41を有する。
キャリアパレット40の被支持部40aは、図1又は図3に示したように、上方に折曲された段差形状となっている。このキャリアパレット40の両側に形成される被支持部40aには、それぞれ突起41及び切欠溝42が形成されている。そして被支持部40aが左右2列の搬送用ローラ21上に載置される。
なお、キャリアパレット40に機械加工を施して切欠溝42を形成し、突起41を設けても良いが、キャリアパレット40に部材を取り付け、突起41を設けても良い。
キャリアパレット40の中央部には、ワークであるインバータ部品50が断熱部材43を介して載置されている。また、キャリアパレット40には位置決めピン44が設けられており、キャリアパレット40に対してインバータ部品50が精度良く位置決めされることとなる。
【0029】
各位置決め機構のキャリア搬送方向D1の前方側には、キャリアパレット40の仮止めを行う仮止め機構を設けることが好ましい。仮止め機構は一組の仮止め装置70を対向して設けてなり、各仮止め装置は以下のような構成を有する。
仮止用シリンダ61がチャンバー17に取り付けられ、仮止用シリンダ61の出力軸であるストッパ駆動シャフト62がチャンバー17を貫通して設けられる。また、隔壁24及び支持壁27にストッパガイドケース63が取り付けられる。
ストッパガイドケース63の中央にシャフト穴64が設けられ、このシャフト穴64に駆動シャフト65が挿通される。シャフト穴64の両側にガイド穴66が設けられ、ガイド穴66にストッパガイドシャフト67がスライド自在に支持される。駆動シャフト65の先端に、キャリア搬送方向D1に延びる仮ストッパ60が取り付けられる。
【0030】
仮ストッパ60の両端部分には、ストッパ駆動シャフト61と平行に設けられるストッパガイドシャフト67が取り付けられる。仮ストッパ60の少なくとも搬送方向後端側にはキャリアパレット40の突起41と係合するための図示しない突起が設けられる。
ここで、仮ストッパ60の搬送方向後端の突起と前述したキャリアストッパ35との離間距離は、後述するように、仮ストッパ60にてキャリアパレット40を仮停止させたときに、キャリアストッパ35のストッパ突起35aがキャリアパレット40の切欠溝42に入り込むように調整される。
チャンバー17の、仮ストッパ60の搬送方向後端位置とキャリアストッパ35の搬送方向前端位置との間に、後述する検出センサ45が設けられる。
【0031】
本実施形態は前述した構成であるので、以下に説明するような作用を示す。
加熱炉13の内部に搬送用コンベア20によってキャリアパレット40に乗せたインバータ部品50を搬送する。
インバータ部品50は、キャリアパレット40上に位置決めピン44によって位置決めされ、断熱部材43を介して載置されている。
図6には、マウント部50a上に置かれる治具56の(a)側面断面図と(b)上面図を示す。また、図7には、マウント部50a上に配置されるハンダ箔52と素子51の(a)側面図と(b)上面図を示す。
インバータ部品50には、その表面に素子51を実装させる必要があるため、マウント部50aが設けられており、素子51はその上に配置される。このため、キャリアパレット40は精度良く加工される必要があり、キャリアパレット40に対してインバータ部品50は精度良く位置決めされていなければならない。
【0032】
したがって、インバータ部品50には加熱炉13内に運ばれる前に、マウント部50aに合わせて治具56を配置する。治具56はカーボン製の治具であり、内部に素子51等を配置するための配置孔56aと、治具56を位置決めするための外枠56bが形成されている。
なお、インバータ部品50上に形成されるマウント部50aの上面には、図7に示されるように、絶縁基板54がロウ55によってロウ付けされ、絶縁基板54の上面にアルミパターン53が形成されているものとする。なお、絶縁基板54の接合方法については、ロウ付けの他にハンダ付け等の接合方法でも良く特に限定されるものではない。
そして、治具56を用いてハンダ箔52及び素子51を配置孔56aの内部に配置し、インバータ部品50を加熱炉13内に搬送する。
【0033】
こうして、搬送用コンベア20を用いてキャリアパレット40に固定されたインバータ部品50が加熱炉13内に搬送されると、加熱炉13内でキャリアパレット40は位置決めされる。
位置決めは、次のような手順で行われる。
図8に、キャリアパレット40の位置決めの第1ステップについての説明図を示す。図9は、第2ステップを示し、図10は、第3ステップを示し、図11は、第4ステップを示す。なお、搬送用コンベア20は説明のため簡略化している。
搬送用コンベア20には、キャリアパレット40を検出するための検出センサ45が備えられている。検出センサ45の種類は近接センサでも光電管(光電センサ)でも良いが、本実施形態では光電管を用いている。
なお、光電管を用いた具体例としては、レーザ照射装置を用いて、キャリア搬送方向D1と直交する方向の一方側が照射部、他方側が受光部とされ、レーザ照射光の有無によってキャリアパレット40の接近、通過が検知される方法がある。なお、この検出センサ45は、周囲の使用環境や検出物に合わせて適宜変更されるべきである。
【0034】
第1ステップでは、まず、チャンバー17の両側に備えられた仮止用シリンダ61を駆動させ、仮ストッパ60をキャリアパレット40側に予め前進、突出させておく。その後、搬送用コンベア20を駆動させてキャリアパレット40を搬送させる。停止センサである検出センサ45がキャリアパレット40を検出することで、制御手段である制御機器75がキャリアパレット40の近接を確認する。
キャリアパレット40の近接を確認後、制御機器75により搬送用コンベア20の駆動を停止させる。これにより、仮ストッパ60の後端側の突起にキャリアパレット40の前方側の突起41が当たり、キャリアパレット40が仮停止される。
なお、検出センサ45よりも搬送方向上流側の位置に減速センサを設け、この減速センサがキャリアパレット40の近接を検出したら、搬送用コンベア20による搬送速度を減速するようにしても良い。これによって、より確実に仮ストッパ60の突起でキャリアパレット40を仮停止させることができる。
【0035】
そして、第2ステップで、仮止め機構の仮止用シリンダ61を再び駆動させて、仮ストッパ60を後退させると共に、シリンダ37を駆動することで両キャリアストッパ35をキャリアパレット40側へそれぞれ前進させる。キャリアストッパ35は、加熱炉13の左右に同じような構成で設けられており、制御機器75によってシリンダ37の駆動に連動して、キャリアストッパ35が同時に前進する。
キャリアストッパ35の前進により、ストッパ突起35aがキャリアパレット40の切欠溝42に入り込む。このようにキャリアパレット40を仮止めした後、キャリアストッパ35を前進させることで、ストッパ突起35aをキャリアパレット40の切欠溝42に確実に入り込ませることができる。
なお、図8乃至図11では省略されているが、キャリアストッパ35は2対存在し、4つあるキャリアストッパ35は全て同期して動作する。また、仮ストッパ60はキャリアストッパ35に同期して退避する。
【0036】
そして、第3ステップで、搬送用コンベア20を稼働させて搬送用ローラ21を再び回転させ、キャリアパレット40が搬送用コンベア20によってキャリア搬送方向D1に搬送される。キャリアパレット40は、搬送方向上流側のものから順にキャリアストッパ35のストッパ突起35aに当たって位置決めされ、停止する。
そして、第4ステップで、キャリアパレット40が全てキャリアストッパ35にて位置決めされた後、搬送用コンベア20の駆動を停止し、ハロゲンヒータ30での加熱を開始する。
インバータ部品50は、ハロゲンヒータ30に加熱されることでインバータ部品50上に設置されたハンダ箔52が溶解する。
そして、キャリアストッパ35による位置決めを解除し、加熱炉13からキャリアパレット40上に固定されたインバータ部品50が搬送用コンベア20によって搬出され、ハンダ箔52が凝固して素子51がインバータ部品50にハンダ付けされる。
【0037】
本実施形態は前述した構成及び作用を有するので、下記に説明する効果を奏する。
第1の効果として、キャリアパレット40の停止位置の誤差が積算しないという点が挙げられる。
インバータ部品50を載置するキャリアパレット40と、キャリアパレット40を搬送する搬送用コンベア20と、搬送用コンベア20上の一部を覆いインバータ部品50の加熱を行う加熱炉13と、加熱炉13内でキャリアパレット40の位置決めを行う位置決め機構と、を備え、搬送用コンベア20で運ばれるキャリアパレット40を位置決め機構で所定の位置に停止させる搬送部位置決め方法において、加熱炉13は、インバータ部品50を加熱するハロゲンヒータ30を複数備え、キャリアパレット40は、突起41及び切欠溝42を備え、キャリアストッパ35は、クシ歯状にキャリアパレット40の進行方向の幅よりも広い間隔で複数本形成された突起41と係合するストッパ突起35aを有し、キャリアストッパ35のストッパ突起35aを前進させることで、キャリアストッパ35と突起41を係合させ、複数枚のキャリアパレット40をハロゲンヒータ30と対応する位置に一度に位置決めするものである。
【0038】
加熱炉13内にインバータ部品50を運ぶキャリアパレット40は、耐熱性を要求されるために金属系の材料を用いられる場合が多い。セラミックスなどを用いればより耐熱性を確保できるが、衝撃に弱いなどの欠点もあるため金属系の材料の方が好ましい。
本実施形態では、キャリアパレット40にアルミニウムを用いているが、ハンダ箔52を溶解させるために、キャリアパレット40は400℃弱程度まで温度が上昇する。このため、キャリアパレット40が数mm程度は膨張してしまう。
加熱炉13内では6つのインバータ部品50を処理しているため、キャリアパレット40の位置を先頭位置決めで決定すると、徐々に停止位置にズレが生じて、ハロゲンヒータ30からの赤外線が均等にインバータ部品50に当たらない虞がある。
しかし、本実施形態のように、キャリアストッパ35にクシ歯状にストッパ突起35aを設け、キャリアパレット40を一度に位置決めできる構成であれば、キャリアパレット40の膨張の影響を最小限で抑えることが可能となる。
【0039】
図12に、位置決めされたキャリアパレット40とハロゲンヒータ30の関係を示した側面図を示す。
加熱炉13内で停止するキャリアパレット40の数が多ければ多いほど、キャリアパレット40の熱膨張による影響は大きい。アルミニウムの線膨張係数は24×10―6程度であるが、キャリアパレット40の大きさによってはこの誤差の積算によるズレは大きな影響を及ぼす虞がある。
ハロゲンヒータ30による赤外線の照射でのインバータ部品50の昇温を図る場合、赤外線の当たらない部分は、インバータ部品50中を熱伝達することで昇温することになり、赤外線が当たる部分が先に昇温するので、インバータ部品50の中で温度勾配が生じる虞がある。
素子51の耐熱性もあるため、温度が上がりすぎることは好ましくなく、一方、ハンダ箔52を溶かすのに必要な最低温度まで短時間で均等に昇温できることが望ましいため、このような温度勾配は好ましくない。
【0040】
したがって、図12に示すように、キャリアストッパ35にクシ歯状にキャリアパレット40と係合するストッパ突起35aが設けられ、その間隔がキャリアパレット40の進行方向の幅よりも広ければ、キャリアパレット40は一定の間隔で、搬送用コンベア20上に位置決めされることになり、このような温度による膨張の影響を最小限に抑えることが可能である。
つまり、突起41とストッパ突起35aの接触部でキャリアパレット40の位置が決定されるため、キャリアパレット40が膨張したとしても、突起41とストッパ突起35aの接触部分を中心に位置がずれることになる。この部分はキャリアパレット40の内側にあるため、より膨張の影響を受け難い。
また、キャリアストッパ35で一度に複数のキャリアパレット40を停止させることができるため、駆動機構が少なくて済み、コスト的にもメリットが高い。
複数の駆動機構が設けられると、同期させる際に制御が複雑になるほか、加熱炉13の構造が複雑になるなどの弊害も考えられるので、複数のキャリアパレット40をキャリアストッパ35で一度に停止させることができることは望ましい。
【0041】
また、第2の効果として、キャリアパレット40の位置決めを容易にできるという点が挙げられる。
キャリアパレット40の突起41及び切欠溝42は、キャリアパレット40の搬送方向に平行に形成される切欠溝42であり、切欠溝42は、ストッパ突起35aの幅よりも広く溝が形成され、ストッパ突起35aが、切欠溝42の前部で挿入され、搬送用コンベア20が前進してキャリアパレット40が搬送されることで、ストッパ突起35aが切欠溝42の後端部で突起41と係合するものである。
このため、キャリアパレット40に係合部として設けられた切欠溝42を、位置決め突起の幅よりも幅広に形成することで、ストッパ突起35aでのキャリアパレット40の位置決めを容易にすることが可能である。
【0042】
切欠溝42の幅がストッパ突起35aの幅よりも十分に広く形成されていることで、搬送用コンベア20で搬送中のキャリアパレット40の位置にズレが生じていても、所定の位置に位置決めをすることが可能となる。
搬送用コンベア20で搬送されるキャリアパレット40は、搬送用コンベア20に備えられる搬送用ローラ21との接触により搬送される。搬送用ローラ21とキャリアパレット40の間の摩擦により、搬送用ローラ21の回転の力がキャリアパレット40に伝達されるが、この力よりも大きい力が逆方向にかかると、滑ってしまってキャリアパレット40が進まなくなる。
例えば、前に搬送されるキャリアパレット40と後に搬送されるキャリアパレット40が衝突などすると、その反力でキャリアパレット40同士の間に隙間が空くようなこともある。
【0043】
このようにキャリアパレット40は常に同じ間隔で運ばれるとは限らず、キャリアパレット40に形成される切欠溝42に対してキャリアストッパ35に形成されるストッパ突起35aの間隔がタイトであると、ストッパ突起35aが切欠溝42に挿入されない虞もある。
また、キャリアパレット40は搬送用コンベア20上を密に並んでほぼくっついた状態で運ばれてくることもあるため、並んで運ばれるキャリアパレット40の隙間は殆ど無い状態である。
しかし、キャリアストッパ35によって位置決めされたキャリアパレット40は、前述した膨張などの影響を避けるために、所定の間隔を空けることが望ましい。こうした間隔を確実に空けるためにも、ストッパ突起35aの幅よりも切欠溝42の幅は十分に広い事が望ましい。
【0044】
なお、突起41及び切欠溝42の形状は、本実施形態の形状に限定される必要はない。例えば、キャリアパレット40の上面に切欠溝42となる溝を設けて、キャリアパレット40の上部から切欠溝42に係合するピンを挿入するような形態でも良い。
この場合も、キャリアストッパ35に形成されるストッパ突起35aと同様の形態で、キャリアストッパ35にストッパ突起35aの代わりとなる挿入ピンが埋め込まれていれば良い。
【0045】
以上、本実施形態に則して発明を説明したが、この発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更することにより実施することもできる。
例えば、キャリアストッパ35を上部から搬送用コンベア20に近接させるような構成としても良いし、搬送用コンベア20側から突出するような形態にしても良い。
また、キャリアパレット40の形状もインバータ部品50以外のワークに対応させるために変更することを妨げない。
また、搬送装置10の構成や搬送用コンベア20の形状、及び搬送方法などを変更することを妨げない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本実施形態の、搬送装置10の断面図を示している。
【図2】本実施形態の、搬送装置10の内部を示した平面図を示している。
【図3】本実施形態の、搬送用コンベア20の拡大図を示している。
【図4】本実施形態の、搬送用コンベア20の斜視図を示している。
【図5】本実施形態の、キャリアパレット40の平面図を示している。
【図6】(a)本実施形態の、マウント部50a上に置かれる治具56の側面断面図を示している。(b)本実施形態の、マウント部50a上に置かれる治具56の上面図を示している。
【図7】(a)本実施形態の、マウント部50a上に配置されるハンダ箔52と素子51の断面図を示している。(b)本実施形態の、マウント部50a上に配置されるハンダ箔52と素子51の上面図を示している。
【図8】本実施形態の、キャリアパレット40の位置決めの第1ステップについての説明図を示している。
【図9】本実施形態の、キャリアパレット40の位置決めの第2ステップについての説明図を示している。
【図10】本実施形態の、キャリアパレット40の位置決めの第3ステップについての説明図を示している。
【図11】本実施形態の、キャリアパレット40の位置決めの第4ステップについての説明図を示している。
【図12】本実施形態の、キャリアパレット40がキャリアストッパ35によって位置決めされた状態の側面図を示している。
【符号の説明】
【0047】
10 搬送装置
13 加熱炉
11 石英ガラス板
30 ハロゲンヒータ
35 キャリアストッパ
35a ストッパ突起
36 ストッパシャフト
37 シリンダ
38 シャフトガイド
40 キャリアパレット
41 突起
42 切欠溝
43 断熱部材
44 位置決めピン
45 検出センサ
50 インバータ部品
50a マウント部
51 素子
52 ハンダ箔
53 アルミパターン
54 絶縁基板
55 ロウ
56 治具


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを載置するキャリアと、前記キャリアを搬送する搬送コンベアと、前記搬送コンベアの一部を覆い前記ワークの加熱を行う加熱炉と、前記加熱炉内で前記キャリアの位置決めを行う位置決め機構と、を備え、前記搬送コンベアで運ばれる前記キャリアを前記位置決め機構で所定の位置に位置決めさせ、前記ワークを加熱する、搬送部位置決め方法において、
前記加熱炉がその内部に、前記ワークを加熱する加熱装置を所定間隔に複数備え、
前記キャリアに、係合部を備え、
前記位置決め機構に、前記係合部と係合するクシ歯状に複数本設けられた位置決め突起を備え、
前記位置決め機構の前記位置決め突起を前進させることで、前記位置決め突起と前記係合部を係合させ、複数枚の前記キャリアを前記各加熱装置と対向する位置に一度に位置決めすることを特徴とする搬送部位置決め方法。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送部位置決め方法において、
前記キャリアの前記係合部は、前記キャリアの搬送方向に平行に形成される切欠溝であり、前記切欠溝は、前記位置決め突起の幅よりも広く溝が形成され、
前記位置決め突起が、前記切欠溝の前部で挿入され、前記搬送コンベアが前進して前記キャリアが搬送されることで、前記位置決め突起が前記切欠溝の後端部で係合することを特徴とする搬送部位置決め方法。
【請求項3】
ワークを載置するキャリアと、前記キャリアを搬送する搬送コンベアと、前記搬送コンベアの一部を覆い前記ワークの加熱を行う加熱炉と、前記加熱炉内で前記キャリアの位置決めを行う位置決め機構と、を備える搬送装置において、
前記加熱炉内に、前記ワークを加熱する加熱装置を所定間隔で複数配置し、
前記キャリアが、少なくとも一カ所に係合部を有し、
前記位置決め機構が、
複数の前記キャリアの係合部と係合するクシ歯状に設けられた位置決め突起を有するキャリアストッパと、
前記キャリアストッパを前記キャリア側に向かって前進後退させ、前記位置決め突起と複数の前記キャリアの係合部とを係合させる往復動機構と、
を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項4】
請求項3に記載の搬送装置において、
前記キャリアの近接を検知する検出センサと、前記検出センサによる検知情報に基づいて前記往復動機構の駆動を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の搬送装置において、
前記キャリアが、前記キャリアの搬送方向の先端及び後端に前記係合部を有することを特徴とする搬送装置。
【請求項6】
請求項3乃至請求項5のいずれか1つに記載の搬送装置において、
前記キャリアの前記係合部は、前記キャリアの搬送方向に平行に形成される切欠溝であり、前記切欠溝は、前記位置決め突起の幅よりも広く溝が形成され、
前記位置決め突起が、前記切欠溝の前部で挿入され、前記搬送コンベアが前進して前記キャリアが搬送されることで、前記位置決め突起が前記切欠溝の後端部で係合することを特徴とする搬送装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2009−186158(P2009−186158A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−48113(P2008−48113)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(391032358)平田機工株式会社 (107)
【Fターム(参考)】