説明

携帯型地図表示装置およびその方法

【課題】専用の保持装置などがない使用者も的確なナビゲーション情報を得て有用に使用すること。
【解決手段】正面方位算出部21は端末の正面方位を算出する。進行方位算出部22は、移動方向検出部12からの携帯機器移動方向情報と、正面方位算出部21からの端末正面方位情報とから、携帯機器の進行方向がどの方位に向かって進行しているのかの情報を得る。選択部23は、端末移動状態検出部13からの情報をもとに、携帯機器が歩行者によって保持されていると判断されているときは正面方位算出部21から得た方位情報を選択し、携帯機器が車載状態であると判断されるときは進行方位検出部22からの方位情報を選択して計算部25に渡す。計算部25は、記憶部24に保存されている地図情報を読み出すとともに、選択部23からの表示方位情報およびGPS33が取得する緯度経度情報をもとに地図情報を処理し、表示部29に送る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型地図表示装置およびその方法に関し、より詳細には特に地磁気センサ等の方位検出部、及び加速度センサ等の加速度検出部を内蔵し歩行ナビゲーション装置として使用することができる携帯機器を、自動車内に持ち込んで簡易自動車ナビゲーション装置として用いる携帯型地図表示装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話に代表されるGPS機能を備えた小型の携帯機器が盛んに開発されている。これらの機器を用いて、携帯機器の現在地を知るためのGPS装置と、内部記憶装置に保持された地図情報もしくは携帯電話網等からの配信地図情報を表示するためのアプリケーションとを連動させて歩行者用のナビゲーションが行われる。
【0003】
歩行者用に歩行ナビゲーション機能を提供する携帯機器には、歩行者の正面方向と地図の表示とを合わせるために、地磁気センサ等の方位検出装置が搭載されているものがある。また、携帯機器の姿勢を検知するために加速度センサ等の加速度検出装置が合わせて搭載されているものもある。
【0004】
この場合、携帯機器を水平に置いた場合の表示部の上向き方向を、使用者が正面を向いている向きである正面方向とみなし、携帯機器内の方位検出手段によりその正面方向の方位を検出し、その方位が使用者の正面方位であるとして使用者の正面方位を基準に地図の演算・描画を行う。すなわち、通常地図は北向きを表示部の上向き方向として描画されるが、例えば使用者が東を向いて画面を見る場合、90度反時計回りに回転変換して地図を描画する。これにより、使用者は自分の向いている向きと地図の表示される向きとが一致して、地勢をより認識しやすくなる訳である。
【0005】
ここで、携帯機器が水平でないとき(通常、使用者は携帯機器を手にもって表示部を見ており、多少傾けてみるため携帯機器が水平状態にあることはむしろ少ない)には、加速度センサにより、携帯機器の傾斜角を知ることにより、地磁気センサより得られた地磁気ベクトルに対し、傾斜角度補正演算を行って使用者の正面方位を知ることができる。歩行者用のナビゲーションの場合は、後述の車載の場合と異なり進行方向ではなく、歩行者の正面方向と一致するように地図を回転表示すると使用者にとって使いやすくなる。
【0006】
一方、これらの携帯機器を自動車内に持ち込み、専用保持装置に設置することにより簡易自動車ナビゲーション装置として用いたシステムも知られている。これは、GPSから得られる携帯機器の位置情報の時間変化から携帯機器の移動方向を求め、それを自動車の進行方向であると推定をして推定された自動車進行方向を基準に地図の演算・描画を行ったり、あらかじめ設定した目的地までの進路に関して、その進路上のいくつかの目標地点への距離や矢印などによる進行方向指示などのナビゲーション情報を画面に表示したりするものである。
【0007】
ここで、このような車載型の使用の場合、自動車が一定以上の移動速度で移動しているときはGPSを用いて精度よく移動方向を求めることができるが、移動速度が少ないとき、たとえば交差点で止まっているとか、交差点を曲がったとき、Uターンしたとき、さらには使用者が自動車を運転し始めたときなどにはGPSを用いて移動方向を推定することができないか、できたとしてもその精度は高くない。したがって、このような場合、従来は携帯機器の正面方向と、自動車の進行方向とが一致するように、専用保持装置に携帯機器を設置する必要があった。
【0008】
【特許文献1】特開2000−339443号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、携帯機器を専用の保持装置にとりつける場合、従来はたとえば保持装置自体がGPS機能を持っているとか、高ゲインの車外アンテナへ接続するなどの場合、すなわち携帯機器にGPS機能を内蔵しない場合が多く、近年のGPS機能を内蔵した携帯電話、PDAなどに適合する専用保持装置がなかった。このため、市販の簡易携帯機器保持装置を自動車内に設置して取り付け、または保持装置につけないままに車中たとえば助手席に置いて交差点などで停止する際に、次の目標地点までの距離や直進・右左折などの運転情報を確認するといった使い方になる。この場合、たとえば携帯機器が自動車の進行方向に対して横を向いている、すなわち表示部の上向き方向が自動車の進行方向と一致しない場合もある。その場合、地図の表示については携帯機器の表示部の上向き方向の方位を検出してそれを正面方位として地図を表示することとなり、およびナビゲーション情報については車両の進行方向を基準に進路指示などを表示するので、携帯機器が横を向いていて次の交差点を直進するような指示を行う場合、携帯機器表示画面上の地図においてはあたかも左折の指示をしているかのような表示となってしまい、運転者が勘違いをしやすい指示となる。
【0010】
また、携帯機器においては目印の名称やナビゲーション情報などの文字情報と地図とを重ねて表示するが、その場合は地図の向きが自動車の進行方向を画面の上側方向になるように表示するのが自然であるが、進行方向とずれた方位に地図を合わせて表示してしまうため、結果として携帯機器の画面の示すナビゲーション情報が的確でない情報になってしまうという問題がある。
【0011】
本発明は、上記のような問題に鑑み、携帯機器を自動車内に持ち込み簡易ナビゲーション装置として使用する場合、進行方向と携帯電話の正面方向を一致させなくても的確なナビゲーション情報表示をすることを可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、携帯型地図表示装置であって、地図情報を格納した地図情報データベースにアクセスして所望の地図情報を取得する地図情報アクセス手段と、装置の位置を検出する位置検出手段と、装置の正面方向がいずれの方位にあるかを示す正面方位を算出する正面方位算出手段と、装置の進行方向がいずれの方位にあるかを示す進行方位を算出する進行方位算出手段と、地図をディスプレイに表示する際の地図のディスプレイに対する角度を決定する基準として適用する基準方位を正面方位および進行方位のいずれかに選択する適用方位選択手段と、地図情報アクセス手段により取得した、位置検出手段により検出した位置を中心とする所定の範囲の地図情報を前記選択した基準方位と地図の基準方位との差分だけ回転変換してディスプレイに表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の携帯型地図表示装置において、ユーザが装置を携帯して歩行しながら使用している状態にあるか、または車内にて使用している状態にあるかを判定する使用状態判定手段をさらに備え、適用方位選択手段は、使用状態判定手段によって車内にて使用している状態にあると判定された場合、基準方位として進行方位を選択することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の携帯型地図表示装置において、ユーザが装置を携帯して歩行しながら使用している状態にあるか、または車内にて使用している状態にあるかを判定する使用状態判定手段をさらに備え、適用方位選択手段は、使用状態判定手段によってユーザが装置を携帯して歩行しながら使用している状態にあると判定された場合、基準方位として正面方位を選択することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の携帯型地図表示装置において、使用状態判定手段は、位置検出手段により所定の時間間隔における位置の変化を取得して位置の変化から移動速度を算出し、移動速度が所定の速度を超えるときは車内にて使用している状態にあると判定することを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の携帯型地図表示装置において、地球の磁場を検出して磁場の方向を出力する地磁気センサをさらに備え、正面方位算出手段は、地磁気センサが出力する磁場の方向と装置の正面方向とにより正面方位を算出することを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の携帯型地図表示装置において、装置が移動する際の加速度を検出する加速度センサをさらに備え、進行方位算出手段は、加速度センサの出力を積分することにより得られた速度方向と装置の正面方向とにより進行方位を算出することを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の携帯型地図表示装置において、使用状態判定手段は、加速度センサの出力により、装置が重力と垂直な平面上で所定の加速度よりも小さな加速度で加速および減速を繰り返しているときは車内にて使用している状態にあると判定することを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の携帯型地図表示装置において、使用状態判定手段は、加速度センサの出力が、歩行時に特有な所定の周期的振動を示すときはユーザが装置を携帯して歩行しながら使用している状態にあると判定することを特徴とする。
【0020】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の携帯型地図表示装置において、装置の向きの変化として角速度を検出するジャイロセンサをさらに備え、進行方位算出手段は、ジャイロセンサの出力である角速度成分を積分して方位変化を取得することを特徴とする。
【0021】
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の携帯型地図表示装置において、進行方位算出手段は、位置検出手段により得られた直前の位置と現在の位置から移動方向を算出して進行方位とすることを特徴とする。
【0022】
請求項11に記載の発明は、携帯型地図表示装置による表示方法であって、地図情報を格納した地図情報データベースにアクセスして所望の地図情報を取得する地図情報アクセスステップと、装置の位置を検出する位置検出ステップと、装置の正面方向がいずれの方位にあるかを示す正面方位を算出する正面方位算出ステップと、装置の進行方向がいずれの方位にあるかを示す進行方位を算出する進行方位算出ステップと、地図をディスプレイに表示する際の地図のディスプレイに対する角度を決定する基準として適用する基準方位を正面方位および進行方位のいずれかに選択する適用方位選択ステップと、地図情報アクセスステップにより取得した、位置検出ステップにより検出した位置を中心とする所定の範囲の地図情報を前記選択した基準方位と地図の基準方位との差分だけ回転変換してディスプレイに表示する表示ステップとを備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の携帯型地図表示装置による表示方法において、ユーザが装置を携帯して歩行しながら使用している状態にあるか、または車内にて使用している状態にあるかを判定する使用状態判定ステップをさらに備え、適用方位選択ステップは、使用状態判定ステップによって車内にて使用している状態にあると判定された場合、基準方位として進行方位を選択することを特徴とする。
【0024】
請求項13に記載の発明は、請求項11または12に記載の携帯型地図表示装置による表示方法において、ユーザが装置を携帯して歩行しながら使用している状態にあるか、または車内にて使用している状態にあるかを判定する使用状態判定ステップをさらに備え、適用方位選択ステップは、使用状態判定ステップによってユーザが装置を携帯して歩行しながら使用している状態にあると判定された場合、基準方位として正面方位を選択することを特徴とする。
【0025】
請求項14に記載の発明は、請求項12または13に記載の携帯型地図表示装置による表示方法において、使用状態判定ステップは、位置検出ステップにより所定の時間間隔で位置の変化を取得して位置の変化から移動速度を算出し、移動速度が所定の速度を超えるときは車内にて使用している状態にあると判定することを特徴とする。
【0026】
請求項15に記載の発明は、請求項11ないし14のいずれかに記載の携帯型地図表示装置による表示方法において、正面方位算出ステップは、地球の磁場を検出して磁場の方向を出力する地磁気センサが出力する磁場の方向と装置の正面方向とにより正面方位を算出することを特徴とする。
【0027】
請求項16に記載の発明は、請求項11ないし15のいずれかに記載の携帯型地図表示装置による表示方法において、進行方位算出ステップは、装置が移動する際の加速度を検出する加速度センサの出力を積分することにより得られた速度方向と装置の正面方向とにより進行方位を算出することを特徴とする。
【0028】
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の携帯型地図表示装置による表示方法において、使用状態判定ステップは、加速度センサの出力により、装置が重力と垂直な平面上で所定の加速度よりも小さな加速度で加速および減速を繰り返しているときは車内にて使用している状態にあると判定することを特徴とする。
【0029】
請求項18に記載の発明は、請求項16または17に記載の携帯型地図表示装置による表示方法において、使用状態判定ステップは、加速度センサの出力が、歩行時に特有な所定の周期的振動を示すときはユーザが装置を携帯して歩行しながら使用している状態にあると判定することを特徴とする。
【0030】
請求項19に記載の発明は、請求項11ないし18のいずれかに記載の携帯型地図表示装置による表示方法において、進行方位算出ステップは、装置の向きの変化として角速度を検出するジャイロセンサの出力である角速度成分を積分して方位変化を取得することを特徴とする。
【0031】
請求項20に記載の発明は、進行方位算出ステップは、請求項11ないし18のいずれかに記載の携帯型地図表示装置による表示方法において、位置検出ステップにより直前の位置と現在の位置から移動方向を算出して進行方位とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように、本発明によれば、地図をディスプレイに表示する際の地図のディスプレイに対する角度を決定する基準として適用する基準方位を正面方位および進行方位のいずれかに選択する適用方位選択手段と、地図情報アクセス手段により取得した、位置検出手段により検出した位置を中心とする所定の範囲の地図情報を選択した基準方位と地図の基準方位との差分だけ回転変換してディスプレイに表示する表示手段とを備え、自動車の進行方向を検出し、その進行方向に対しての地図表示や進路指示などのナビゲーション情報を表示することができるので、専用の保持装置などがない使用者も的確なナビゲーション情報を得て有用に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態における携帯機器内部の装置の構成を示すブロック図である。図1において、携帯機器は、センサ部30、方位検知部11、移動方向検出部12、携帯機器の所持者が歩行中か自動車搭乗中かなどの端末状態を検出する端末移動状態検出部13、方位算出部20および表示部29を備える。上記各検出部は、センサ部30からのセンサ取得情報を用いて検出処理を行うが、本実施形態においては次のようなセンサ取得情報を用いて検出処理を行う。
【0034】
なお、本実施形態で用いる携帯機器の一例を図5に示す。図5は、本発明の一実施形態の携帯機器を示すブロック図である。携帯機器51は、通常の携帯端末が備える表示部29、キーパッド(図示せず)およびCPU(図示せず)の他に、本実施形態で用いる各種センサ部、すなわち地磁気センサ31、GPS33および加速度センサを備える。これらの各センサ部からの出力に基づき、図5には示さない各種検出部、算出部は所定の処理を行って本実施形態を実施する。
【0035】
(システムの構成)
方位検出部11では、地磁気センサ31が取得する地磁気情報や加速度センサ32が取得する加速度情報をもとに、携帯端末の上面方向、すなわち表示部の上方向の地磁気方位を算出し、携帯機器の端末方位情報とするとともに端末の姿勢の情報を取得する。移動方向検出部12では、加速度センサ32が取得する携帯機器が受けた加速度の情報から携帯機器がどちらの方向に移動したかを算出する。端末移動状態検出部13は、加速度センサ32が取得する携帯機器が受けた加速度の情報から携帯機器の所持者が歩行中か、自動車搭乗中かなどの端末状態を推定する。
【0036】
方位算出部20は、正面方位算出部21、進行方位算出部22、選択部23、記憶部24、計算部25を備え、携帯機器の制御・演算を行なう。正面方位算出部21は、方位検出部11からの端末方位情報と傾斜情報、さらには端末状況検出部14を用いて端末の正面方位を算出する。たとえば、携帯電話が折りたたみ式であって、地磁気センサ31および加速度センサ32が端末画面側に設置されていた場合、端末が折りたたまれている状態にあっても、進行方位算出部22は、移動方向検出部12からの携帯機器移動方向情報と、正面方位算出部21からの端末正面方位情報とから、携帯機器の進行方向がどの方位に向かって進行しているのかの情報を得ることができる。
【0037】
選択部23は、端末移動状態検出部13からの情報をもとに、携帯機器が歩行者によって保持されていると判断されるときは正面方位算出部21から得た方位情報を選択し、携帯機器が車載状態であると判断されるときは進行方位検出部22からの方位情報を選択して計算部25に渡す。
【0038】
計算部25は、記憶部24に保存されている地図情報を読み出すとともに、選択部23からの表示方位情報およびセンサ部30、特にGPS33が取得する緯度経度情報をもとに、図1の表示方位情報側が画面の上方向になるように地図情報を処理し、表示部29に送る。ここで、本実施形態では記憶部24に地図情報が格納されているが、これに限られず外部の記憶装置等に地図情報を格納しておくこともできる。この場合、別途地図情報アクセス部(図示せず)を設けてこれを介して地図情報を入手するよう構成することができる。
【0039】
地磁気センサ31は地磁気方位を算出するための必要情報が入手できるものなら何でもいいが、2軸もしくは3軸以上の磁気成分を検知できることが望ましい。また、加速度センサ32は、携帯機器の傾斜や、移動方向、さらには端末状態を算出するための必要情報が入手できるものなら何でもいいが、2軸もしくは3軸以上の加速度成分を検知できることが望ましい。
【0040】
(システムの処理)
次に、本実施形態における一連の処理を、より詳細に説明する。使用者が携帯機器を手に持って歩いているときは、携帯機器は歩行者の正面方位を検出し、その方位と地図の方位が一致するように地図を回転させて表示するのが自然である。すなわち、歩行者の正面方位が南であったならば、地図を北側が携帯端末画面の手前側もしくは下側になるように回転させるとともに、地図上の文字情報は、携帯機器画面上では回転させないようにして正しく表示させることができる。
【0041】
このため、携帯機器内の地磁気センサ31が地磁気を検出し、および加速度センサ32が加速度を検出し、方位検出部11はその双方の情報から携帯機器の、たとえば頂点面の向いている地磁気方位と、携帯端末の傾斜角度とを算出する。この情報をもとに、正面方位算出部21は、携帯端末の使用者の正面方位を算出する。たとえば、使用者が携帯端末を水平状態に保持している場合は、携帯端末の頂点方向(上向き)を正面方位とし、水平状態でなく立てて保持した場合には、底面方向(下向き)すなわち表示部とは逆側の方位を正面方位として算出する。
【0042】
端末移動状態検出部13は、加速度センサ32の出力情報を処理することにより、歩行時に特有の周期的な振動が検知されると、携帯機器を所持している使用者が歩行状態にあると判定する。このような周期的な振動としては、例えば図6に示すような一定間隔で上下するような振動が考えられる。選択部23は、端末移動状態検出部13からの情報をもとに、正面方位算出部21の出力する情報を表示方位情報として計算部25に送る。計算部25は、GPS33が受信し演算した緯度経度情報をもとに、表示する地図データとその表示位置を特定して記憶部24から地図データを読み出す。すなわち、緯度経度情報で示される地点を中心とする所定の領域を特定して、その領域の地図情報を読み出す一方、表示方位情報に基づいて地図の表示方向を回転させ、表示すべき画像情報として表示部29に送る。
【0043】
このようにして、使用者が携帯機器を手に持って歩いているときには、歩行者の正面方位に一致した地図が画面に表示される。
【0044】
図2は、このように歩行者が携帯端末を持っている場合の画面表示を表したもので、図2(a)と図2(b)のように歩行者の正面方位が異なる場合、それぞれ画面に表示される地図も正面方位に合わせて図2(c)と図2(d)のように回転処理を施して表示される。
【0045】
次に、使用者が携帯機器を自動車内に持ち込み、保持装置(図示せず)に固定をした場合の動作を説明する。この場合、携帯機器の画面に地図を表示するときは、自動車の進行方向に合わせて画面を回転して表示するのが自然である。ここで保持装置は、携帯機器を車内に固定的に接続できるものであればいずれの方式のものも使用することができる。携帯機器の保持装置のなかには、図3(a)に示すように、携帯機器の正面方向と自動車の正面方向が一致するように携帯機器を固定するものがあるが、このままだと運転者が画面を見づらいために、画面が運転者側に向くように携帯機器を回転させる機能を持つ保持装置(図示せず)を考案することもできる。
【0046】
携帯機器の画面を見やすく調整できる保持装置を用いた場合の概念図を図3(b)に示す。このような場合は、携帯機器の正面方向が自動車の進行方向と一致するとは限らず、携帯機器が自らの進行方向を検出し、携帯機器の正面方位から進行方位を計算して表示することとなる。すなわち、携帯機器内の地磁気センサ31が地磁気を検出し、加速度センサ32が加速度を検出し、方位検出部11はその双方の情報から携帯機器の、たとえば携帯電話の頂点面(表示部の上向き方向)の地磁気方位と、携帯端末の傾斜角度とを算出する。この情報をもとに、正面方位算出部21は携帯端末の使用者の正面方位を算出する。
【0047】
端末移動状態検出部13は、加速度センサ32からの出力を処理し、携帯機器が重力とは垂直な方向に滑らかな加速、減速を繰り返していることを検出すると、携帯機器が車載状態にあると判定する。すなわち、図7に示すように所定の加速度よりも小さい加速度で一定面を加速および減速しているときは車載状態にあると判定する。移動方向検出部12は、加速度センサ32の出力情報を処理し、重力とは垂直の加速度成分を積分処理して移動速度成分をもとめ、移動速度の大きい方向を端末移動方向として端末座標系のもとで算出するとともに、正面方位算出部21からの携帯機器の正面方位情報と、端末移動方向情報とから、携帯機器進行方位情報を算出する。携帯機器は車内に固定されているので、ここで算出する携帯機器進行方位は、自動車の進行方位と一致する。
【0048】
選択部23は、端末移動状態検出部13からの情報をもとに、携帯機器進行方位情報を選択して表示方位情報として計算部25に送る。計算部25は、GPS33が受信し演算した緯度経度情報をもとに、表示する地図データとその表示位置を特定し、記憶部24から地図データを読み出す。一方、表示方位情報に基づいて表示方向を変えて地図を描画するように地図データの回転処理を行い、表示すべき画像情報として表示部29に送る。
【0049】
以上のように、使用者が携帯機器を車内に持ち込み、図3(a)のように保持装置に固定している場合、携帯機器進行方位すなわち自動車進行方位に一致した地図が画面に表示される。この様子を図3(c)に示す。ここで、図3(b)に示すように携帯機器の保持装置を運転者が操作し、画面を見やすいように運転者側に向けた場合は、画面を地磁気方位だけで求めた正面方位を基準に演算して描画すると、図3(d)のように自動車正面方位と異なり端末の正面の方位にあった地図を表示してしまうが、進行方位を基準に演算・描画することにより図3(e)のような地図表示を得ることができる。
【0050】
また、本実施形態においては、加速度センサ32からの出力に歩行時に特有の周期的な振動が見られた場合は歩行時、携帯機器が重力とは垂直な方向に滑らかな加速、減速を繰り返していることを検出すると車載時と判定するようにしたが、加速度センサ出力を別の視点で解析することにより、歩行時と車載時の区別をつけることも考えられる。その場合も、明らかに本発明の範囲に含まれる。
【0051】
(第2実施形態)
上記の第1実施形態においては、方位検出部11における検出のため地磁気センサ31からの情報と加速度センサ32からの情報とを用い、移動方向検出部12と端末移動状態検出部13における検出には加速度センサ32からの情報を用いる例を説明したが、これとはまったく別の方法により方位、移動、端末状態の各情報を検出することが可能である。以下には、それら別の方法を用いた本発明の好適な第2実施形態を説明する。
【0052】
本実施形態においては、あえて第1実施形態と別の方法を説明するが、各検出部の構成はこれに限定するものではない。また、第1実施形態で説明したセンサ情報と、第2実施形態のセンサ情報とを混在させたり組み合わせたりすることも本発明の範囲を逸脱しないことは明白である。
【0053】
本実施形態では、方位検出部11は、ジャイロセンサ(図示せず)を用いて角速度成分を検出し、角速度成分を積分することにより角度変化分が検出できることを利用し、直前の移動方向検出部12が検出する端末移動方位からの相対的な方位変化を検出する。このとき、加速度センサ32を用いて重力と垂直な平面を求め、その平面上での角速度成分を検出するのがよい。したがって、ジャイロセンサは、重力と垂直な平面の成分とを検出する1軸検出品でもよいが、固定角度によらずに重力と垂直な平面の成分を検出できる2軸もしくは3軸のものがより好ましい。
【0054】
移動方向検出部12は、GPS33が検出する緯度経度情報の時間変化から、端末の移動方向を検出する。GPS33では移動方向の絶対方位がわかるが、短時間の変化は分からないので、直前の移動方向絶対方位をGPS33で求め、ジャイロセンサからの信号で短時間の方向変化分を求めてその組み合わせから進行方位を算出する。
【0055】
また、端末移動状態検出部13は、GPS33による緯度経度の時間変化から移動速度を求め、たとえば時速5km以上で移動していることが検出された場合は自動車に設置されている状態にあり、そうでなければ歩行時であると判定する。
【0056】
以上のようにして各部に入力される情報を用いて、第1実施形態と同様に、方位算出部20は画面表示情報を算出して表示させることができる。
【0057】
(第3実施形態)
上記第1及び第2実施形態においては、携帯機器において地図を表示する例で説明したが、本実施形態では進行方向を示す矢印を表示するナビゲーションの例を説明する。装置の構成は第1実施形態にて説明したものとほぼ同じである。方位検出部11は地磁気センサ31及び加速度センサ32の出力情報を元に端末方位を計算し、正面方位算出部22はその端末方位情報および端末状況検出部14からの情報をもとに携帯機器正面方位を算出する。
【0058】
端末移動状態検出部13は、加速度センサ出力を処理し、歩行時に特有の周期的な振動が検知されると、携帯機器を所持している使用者が歩行状態であると判定し、携帯機器が重力とは垂直な方向に滑らかな加速、減速を繰り返している場合は、車載状態にあると判定する。
【0059】
移動方向検出部12はGPS33が検出する緯度経度情報の時間変化から、端末の移動方向情報を算出し、端末移動方向を端末座標系に基づいて算出する。進行方位算出部22は、正面方位算出部21から送られる携帯機器の正面方位情報と端末移動方向情報とから、携帯機器進行方位情報を算出する。選択部23は、端末移動状態検出部からの情報により携帯機器を歩行者が所持していると判定されるときは、正面方位情報を表示方位情報として選択し、携帯機器が車載状態であるときは進行方位情報を表示方位情報とし選択して計算部25に送る。計算部25は、GPS33が受信し演算した緯度経度情報をもとに、表示する地図データとその表示位置を特定し、記憶部から地図データを呼び出し、表示方位情報に基づいて表示方向を変化させた地図を描画するように回転処理される。一方、通信部26よりナビゲーション情報を受信し、受信した情報、たとえば進行方向の指示などを地図に重ね合わせて表示すべき画像情報として表示部29に送る。
【0060】
車載時に図4(b)に示すように、携帯機器が助手席の上などにあり、自動車の進行方向に対して横向きにおいてあった場合、まず画面表示方位として地磁気情報をもとにした正面方位のみを用いたときは、以下のような処理となってしまう。すなわち、保持装置において自動車進行方位と端末正面方位とが一致しているときには、進行方位情報と地磁気方位情報とが一致しているため、画面に表示される地図は実際の自動車進行方位となる。したがって、ナビゲーション情報として進路指示の情報をあわせて表示しても、図4(c)に示すようにその指示内容は画面の地図の向きと矛盾しない。
【0061】
しかしながら、携帯機器は自動車の移動方向に対して横向きであるために、地図の描画される方位は、携帯電話の横方向が進行方位と一致するように表示されることになる。ここで、ナビゲーション情報である進路指示は、画面描画の向きとは関係なく、携帯端末が通常の姿勢であるとして表示されるので、たとえば直進の場合ならば画面にはキーパッド側から頂点面側(画面上向き方向)に矢印が表示される。このような場合、使用者は、地図に描画される方位とナビゲーション情報とが一致しないために混乱をきたす可能性があり、良好な使用感が得られない。
【0062】
本実施形態においては、画面表示方位は正面方位と移動方向とに基づいた進行方位を基準にするため、携帯電話を横方向に置いた場合であっても、移動方向と地磁気方位とが(図4に示す例では)略90度ずれていることがわかることから、地図は地磁気方位から略90度さらに回転処理して進行方位と一致させて表示されることとなり、地図の方位とナビゲーション情報(この場合は矢印による進路指示)とが一致して表示され、使用者が混乱することはない。
【0063】
以上、本発明を実施するための好適な実施例について説明してきたが、これら実施形態に示したようにセンサ部内の方位検出部11、移動方向検出部12、端末状況検出部14、端末移動状態検出部13としてさまざまなものが考えられる。しかし、このようなセンサや検出部の構成の差異や、検出に基づくセンサ信号の質・振る舞いは、本発明の本質とは関係なく、その作用および効果はセンサ部がいずれであるかによらないのは明白である。
【0064】
したがって、端末状態検出部13は上記実施形態で説明したようにセンサ部からの出力により状態を判定するだけでなく、単に使用者がボタンやメニュー選択などにて歩行時モードと車載時モードとを選択するようにすることもできる。また、携帯機器の保持装置や、車載用の専用表示画面などの車載時に特有な装置に接続されると車載状態にあると検出するといった方法もある。
【0065】
さらに、歩行状態であることの検出方法としては、上述の歩行時特有の周期を加速度センサ信号により検出する、移動時の平均速度を算出するなどの方法以外にも、方位変化や地磁気変化のパターンなどを検出してそれらの情報から判定するような方法を用いてもいい。
【0066】
移動方向の検出も、加速度センサ32やGPS33に限らず、無線信号や磁気マーキングなどの外部からの情報、マップマッチング、カメラによる画像入力などさまざまな方法が可能である。同様に、方位検出部11も地磁気やジャイロセンサ以外に、自動車の操舵角情報を用いる方法などが考えられる。さらに、現在使われていない、または公知になってはいないさまざまな方法を用いても、それが上記情報の検出に使われる限り、本発明の範疇であることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本実施形態における携帯機器内部の装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態の歩行者が携帯端末を持っている場合の画面表示を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態の携帯端末を自動車内で使用する場合の画面表示を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態の携帯端末を自動車内で使用する場合の画面表示を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態の携帯機器を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態の歩行時の加速度センサの出力の一例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態の車載時の加速度センサの出力の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
11 方位検知部
12 移動方向検出部
13 端末移動状態検出部
20 方位算出部
21 正面方位算出部
22 進行方位算出部
23 選択部
24 記憶部
25 計算部
29 表示部
30 センサ部
31 地磁気センサ
33 GPS
51 携帯機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報を格納した地図情報データベースにアクセスして所望の地図情報を取得する地図情報アクセス手段と、
装置の位置を検出する位置検出手段と、
装置の正面方向がいずれの方位にあるかを示す正面方位を算出する正面方位算出手段と、
装置の進行方向がいずれの方位にあるかを示す進行方位を算出する進行方位算出手段と、
地図をディスプレイに表示する際の地図のディスプレイに対する角度を決定する基準として適用する基準方位を前記正面方位および前記進行方位のいずれかに選択する適用方位選択手段と、
前記地図情報アクセス手段により取得した、前記位置検出手段により検出した位置を中心とする所定の範囲の地図情報を前記選択した基準方位と地図の基準方位との差分だけ回転変換して前記ディスプレイに表示する表示手段と
を備えたことを特徴とする携帯型地図表示装置。
【請求項2】
ユーザが装置を携帯して歩行しながら使用している状態にあるか、または車内にて使用している状態にあるかを判定する使用状態判定手段をさらに備え、
前記適用方位選択手段は、前記使用状態判定手段によって車内にて使用している状態にあると判定された場合、前記基準方位として前記進行方位を選択することを特徴とする請求項1に記載の携帯型地図表示装置。
【請求項3】
ユーザが装置を携帯して歩行しながら使用している状態にあるか、または車内にて使用している状態にあるかを判定する使用状態判定手段をさらに備え、
前記適用方位選択手段は、前記使用状態判定手段によってユーザが装置を携帯して歩行しながら使用している状態にあると判定された場合、前記基準方位として前記正面方位を選択することを特徴とする請求項1または2に記載の携帯型地図表示装置。
【請求項4】
前記使用状態判定手段は、前記位置検出手段により所定の時間間隔における位置の変化を取得して該位置の変化から移動速度を算出し、該移動速度が所定の速度を超えるときは車内にて使用している状態にあると判定することを特徴とする請求項2または3に記載の携帯型地図表示装置。
【請求項5】
地球の磁場を検出して磁場の方向を出力する地磁気センサをさらに備え、
前記正面方位算出手段は、前記地磁気センサが出力する磁場の方向により前記正面方位を算出することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の携帯型地図表示装置。
【請求項6】
装置が移動する際の加速度を検出する加速度センサをさらに備え、
前記進行方位算出手段は、前記加速度センサの出力を積分することにより得られた速度方向と装置の正面方向とにより前記進行方位を算出することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の携帯型地図表示装置。
【請求項7】
前記使用状態判定手段は、前記加速度センサの出力により、装置が重力と垂直な平面上で所定の加速度よりも小さな加速度で加速および減速を繰り返しているときは車内にて使用している状態にあると判定することを特徴とする請求項6に記載の携帯型地図表示装置。
【請求項8】
前記使用状態判定手段は、前記加速度センサの出力が、歩行時に特有な所定の周期的振動を示すときはユーザが装置を携帯して歩行しながら使用している状態にあると判定することを特徴とする請求項6または7に記載の携帯型地図表示装置。
【請求項9】
装置の向きの変化として角速度を検出するジャイロセンサをさらに備え、
前記進行方位算出手段は、ジャイロセンサの出力である角速度成分を積分して方位変化を取得することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の携帯型地図表示装置。
【請求項10】
前記進行方位算出手段は、前記位置検出手段により得られた直前の位置と現在の位置から移動方向を算出して前記進行方位とすることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の携帯型地図表示装置。
【請求項11】
地図情報を格納した地図情報データベースにアクセスして所望の地図情報を取得する地図情報アクセスステップと、
装置の位置を検出する位置検出ステップと、
装置の正面方向がいずれの方位にあるかを示す正面方位を算出する正面方位算出ステップと、
装置の進行方向がいずれの方位にあるかを示す進行方位を算出する進行方位算出ステップと、
地図をディスプレイに表示する際の地図のディスプレイに対する角度を決定する基準として適用する基準方位を前記正面方位および前記進行方位のいずれかに選択する適用方位選択ステップと、
前記地図情報アクセスステップにより取得した、前記位置検出ステップにより検出した位置を中心とする所定の範囲の地図情報を前記選択した基準方位と地図の基準方位との差分だけ回転変換して前記ディスプレイに表示する表示ステップと
を備えたことを特徴とする携帯型地図表示装置による表示方法。
【請求項12】
ユーザが装置を携帯して歩行しながら使用している状態にあるか、または車内にて使用している状態にあるかを判定する使用状態判定ステップをさらに備え、
前記適用方位選択ステップは、前記使用状態判定ステップによって車内にて使用している状態にあると判定された場合、前記基準方位として前記進行方位を選択することを特徴とする請求項11に記載の携帯型地図表示装置による表示方法。
【請求項13】
ユーザが装置を携帯して歩行しながら使用している状態にあるか、または車内にて使用している状態にあるかを判定する使用状態判定ステップをさらに備え、
前記適用方位選択ステップは、前記使用状態判定ステップによってユーザが装置を携帯して歩行しながら使用している状態にあると判定された場合、前記基準方位として前記正面方位を選択することを特徴とする請求項11または12に記載の携帯型地図表示装置による表示方法。
【請求項14】
前記使用状態判定ステップは、前記位置検出ステップにより所定の時間間隔で位置の変化を取得して該位置の変化から移動速度を算出し、該移動速度が所定の速度を超えるときは車内にて使用している状態にあると判定することを特徴とする請求項12または13に記載の携帯型地図表示装置による表示方法。
【請求項15】
前記正面方位算出ステップは、地球の磁場を検出して磁場の方向を出力する地磁気センサが出力する磁場の方向により前記正面方位を算出することを特徴とする請求項11ないし14のいずれかに記載の携帯型地図表示装置による表示方法。
【請求項16】
前記進行方位算出ステップは、装置が移動する際の加速度を検出する加速度センサの出力を積分することにより得られた速度方向と装置の正面方向とにより前記進行方位を算出することを特徴とする請求項11ないし15のいずれかに記載の携帯型地図表示装置による表示方法。
【請求項17】
前記使用状態判定ステップは、前記加速度センサの出力により、装置が重力と垂直な平面上で所定の加速度よりも小さな加速度で加速および減速を繰り返しているときは車内にて使用している状態にあると判定することを特徴とする請求項16に記載の携帯型地図表示装置による表示方法。
【請求項18】
前記使用状態判定ステップは、前記加速度センサの出力が、歩行時に特有な所定の周期的振動を示すときはユーザが装置を携帯して歩行しながら使用している状態にあると判定することを特徴とする請求項16または17に記載の携帯型地図表示装置による表示方法。
【請求項19】
前記進行方位算出ステップは、装置の向きの変化として角速度を検出するジャイロセンサの出力である角速度成分を積分して方位変化を取得することを特徴とする請求項11ないし18のいずれかに記載の携帯型地図表示装置による表示方法。
【請求項20】
前記進行方位算出ステップは、前記位置検出ステップにより直前の位置と現在の位置から移動方向を算出して前記進行方位とすることを特徴とする請求項11ないし18のいずれかに記載の携帯型地図表示装置による表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−108326(P2007−108326A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−297842(P2005−297842)
【出願日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【出願人】(303046277)旭化成エレクトロニクス株式会社 (840)
【Fターム(参考)】