説明

携帯型計測装置

携帯型計測装置のための方法及びシステムが記載される。本発明の1実施形態は、第1のリンクと、第1の自由度で移動するように動作可能な第1の連結器によって第1のリンクと連結される第1のプローブと、第2の自由度で移動するように動作可能な第2の連結器によって第1のリンクと連結される第2のプローブと、第1の連結器の動作と関係付けられる第1のセンサ信号を出力するように動作可能な第1のセンサと、第2の連結器の動作と関係付けられる第2のセンサ信号を出力するように動作可能な第2のセンサとを有する装置である。また、実施形態は、第1及び第2のセンサと連絡するプロセッサであって、第1のセンサ信号及び第2のセンサ信号を受信し、且つ少なくとも部分的に第1のセンサ信号及び第2のセンサ信号に基づいて第1のプローブと第2のプローブとの間の距離を判断するように動作可能なプロセッサを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、空間計測装置に関する。より詳細には、本発明は、携帯型計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高精度計測は、長年にわたり製造関連において利用されてきた。例えば、多くの製造業者は、従来、座標測定機(CMM)又はキャリパを利用して、例えば自動車エンジンの製造に関して、製造公差への順守を判断するための測定を提供してきた。CMMは非常に正確であるが、同時に高価であり、大きく、且つその構成は、設計される特定の応用に依存する。
【0003】
キャリパは比較的安価であるが、柔軟性がない。従って、広範にわたる形状及び大きさを測定することが出来ない。
【0004】
約過去10年で、多関節アーム式CMM装置がガントリ式CMMに取って代わり始めている。多関節アーム式装置は、ロボットアームに似た機械的構造を利用する。こうした装置はCMMほどの精度はなく、しかも高価であるが、CMMのそれよりは安価な傾向がある。このような装置は、コンピュータアニメーション、3次元形状デジタル化、計測、及び一部の医療応用に利用される。このような装置は一般に、固定基準面に設置される。よって、別の場所で装置を使用するために、装置は面から分離されて再配置されなければならず、これにより装置の柔軟性が制限される。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態は、携帯型計測装置のための方法及びシステムを提供する。本発明の1実施形態は、第1のリンクと、第1の自由度で移動するように動作可能な第1の連結器によって第1のリンクと連結される第1のプローブと、第2の自由度で移動するように動作可能な第2の連結器によって第1のリンクと連結される第2のプローブと、第1の連結器の動作と関係付けられる第1のセンサ信号を出力するように動作可能な第1のセンサと、第2の連結器の動作と関係付けられる第2のセンサ信号を出力するように動作可能な第2のセンサとを備える装置である。また、実施形態は、第1及び第2のセンサと連絡するプロセッサであって、第1のセンサ信号及び第2のセンサ信号を受信し、且つ少なくとも部分的に第1のセンサ信号及び第2のセンサ信号に基づいて第1のプローブと第2のプローブとの間の距離を判断するように動作可能なプロセッサを有する。
【0006】
本実施形態は、本発明を制限し又は定義するのではなく、その理解を助ける本発明の例示の実施形態を提供するために言及される。実施形態は、詳細な説明において検討され、そこで本発明のさらなる説明が提供される。本発明の多様な実施形態によってもたらされる利点は、本明細書を考察することでさらに理解され得る。
【0007】
本発明のこうした及び他の特徴、側面、及び利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読めばさらに解される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態による2リンク携帯型計測装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態による基部に取り付けられる図1の2リンク携帯型計測装置の斜視図である。
【図3】本発明の1実施形態における計測装置の構成要素のブロック図である。
【図4】本発明の1実施形態を用いて距離を測定する方法の流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態は、携帯型計測装置のための方法及びシステムを提供する。
【0010】
(例示的な携帯型計測装置)
1例示的実施形態において、携帯型計測装置は、連続して取り付けられる複数の関節式剛性リンクを備え、両端が細いスタイラス又は測定プローブで終端される。プローブは、例えば、目盛り付き計測ルビーチップ、硬質先端、溝測定のような特定測定タスク用に形成される先端、又は何らかの他の種類のプローブを含んでもよい。このような装置は、スネークに類似する。
【0011】
各プローブと各リンクとの間の連結器は、例えば高分解能位置エンコーダ等のセンサを備える。センサは、連結器の両側でリンクの相対位置を測定し、且つその情報を含むセンサ信号をプロセッサに提供することが出来る。このような装置の1つにおいて、連結器は、高品質アンギュラ(回転関節)軸受及び/又はリニア(直動関節)軸受を含む。
【0012】
例示の実施形態は携帯型であり、小領域で使うことが出来るように比較的に小型である。このような装置は、絶対的及び相対的な測定を行うことが出来る。装置がハンドヘルドである場合、装置の反対端部にある2つのプローブ端の間の2点間の距離を測定することが出来る。複数の自由度は、それが物体の周囲を「取り囲み(wrap)」、カルテシアン座標測定機(「CMM」)又は標準的なキャリパでは到達出来ない場所を測定することを可能にする。
【0013】
1実施形態において、プローブの1つは、固定基部に設置され得る。これにより、装置は固定基部に対する絶対位置を測定出来る。この構成では、装置は、多関節ア−ム式CMMに類似する。基部は、スネークの基部端のスタイラスに対して運動学的取付けを提供して、スタイラスの位置が正確に把握されることを確実にする。さらに、基部は、スネークの中のバッテリへの充電を提供し、且つホストコンピュータへの通信リンクとして機能することが出来る。
【0014】
例示の実施形態は、プロセッサを備える。プロセッサは、2つのプローブ間の直線距離を決定して、組み込みディスプレイに結果を表示することが出来る。装置は、特定の測定タスク(例えば、孔内部の直径の測定、ボルト孔パターンの測定、又は表面形状のキャプチャ)を実行するように選択的にプログラムされてもよい。ディスプレイは、ユーザに測定タスクを案内するために情報を選択的に提示することが出来る。ディスプレイは、文字及び/又は図形情報を提示するための視覚スクリーン、状態及び測定情報を示す表示灯を含む、1つ以上の要素を備えてもよい。また、例示の実施形態は、測定タスク及び結果並びに装置状態に関連する情報を提供する音声及び触覚フィードバック要素を備えてもよい。また、装置は、より高度な測定応用のためにホストコンピュータと通信(無線及び/又は有線)することが可能であってもよい。
【0015】
この例示は、読者を本明細書で検討される一般的な主題に案内するために与えられる。本発明は、この例示に限定されない。以下の節は、表示されたデータ項目の表現を活動させる方法及びシステムの多様な追加の実施形態及び例示を記載する。
【0016】
(2リンク携帯型計測装置)
図1は、本発明の1実施形態による2リンク携帯型計測装置の斜視図である。図1の実施形態に示される計測装置100は、第1のリンク102及び第2のリンク104を備える。リンク102、104は、例えば金属、炭素複合材、又はプラスチック等の任意の適切な材料を備えてもよい。
【0017】
図示のリンク102、104は固定型リンクであるが、一部の実施形態は、1つ以上の拡張可能(例えば、リンクの軸に沿った直動関節を介して)又は回転可能(例えば、回転関節を介して軸上で捻れる)リンクを備える。1つのこのような実施形態において、拡張型リンクは、リンクの長さ又はリンクの拡張を判断するセンサを備えるため、適切な測定を判断する際に長さ又は拡張が考慮され得る。
【0018】
リンク102、104は、連結器106を介して結合する。連結器106は、1つの自由度で移動可能である。図示の自由度は、リンク102、104と平行な旋回自由度である。他の実施形態において、リンクは、捻り自由度で結合されてもよい。さらに他の実施形態において、各連結器は、2つ以上の自由度で移動可能であってもよい。図示の実施形態において、連結器106は、リンクの一体部分である。言い換えれば、別個の連結器は示されない。他の実施形態において、連結器は、リンクの平滑末端部にスナップし或は取り付けられる要素等の完全に別個の要素を備えてもよく、又はリンク及び必要な自由度を提供する1つ以上の別個の要素と統合される連結器の組み合わせであってもよい。
【0019】
センサ(図示せず)が、各連結器に組み込まれる。センサは、1つ以上の自由度において連結器の移動を感知し、且つ移動を反映する1つ以上のセンサ信号を生成することが出来る。1実施形態において、センサは、間接によって接続される2つのリンク間の角度位置に関する情報を提供する光学エンコーダを備える。他の実施形態において、他の適切な種類のセンサが利用されてもよい。
【0020】
一部の実施形態において、運動感覚又は振動触覚アクチュエータが、計測装置に触覚フィードバックを提供する。このようなアクチュエータは、連結器若しくはリンクの移動に抵抗するために使用され、又は装置の状態の何らかの指示を提供する。例えば、1実施形態において、計測装置は、バッテリの残量が少なくなると低周波振動を生成する。別の実施形態において、ユーザは、距離測定用に上限及び下限を設定することが出来る。2つのプローブ間の距離がこの距離の範囲外になると、装置は、距離測定が限界の1つに接近するにつれて増大する低周波で振動する。距離測定が限界点又はその間である場合、より高周波の振動が出力されて、限界が満たされていることの指示をユーザに提供する。別の実施形態において、運動感覚又は振動触覚フィードバックは、例えば装置におけるリンクの機械的特異点等において、測定装置が測定に不適切な構成に配向されることをユーザに示すために使用され得る。
【0021】
また、図示の実施形態は、2つのプローブ108、110を備える。各プローブ108、110は、連結器112、114によってリンク102、104に結合される。連結器112、114は、2つのリンク102、104を結合する連結器106に類似する。他の実施形態において、多様な種類の連結器が混合され、且つ携帯型計測装置用の所望の種類の関節を達成するために適合されてもよい。
【0022】
図1に示される実施形態において、先端116、118が各プローブ108、110の端部に連結される。図示の先端116、118は、計測ルビーチップである。他の実施形態において、他の種類の先端が利用されてもよい。例えば、一部の実施形態において、先端は、硬質先端、例えば溝測定等の特定測定タスク用に形成された先端、例えば手術の前に患者の体に印を付ける際に使用されるマーカ、又は他の何らかの種類の先端を含んでもよい。他の実施形態において、先端は、レーザ、錐、針、刃、カメラ、光源、鉗子若しくは手術道具、渦電流センサ、聴覚若しくはドップラーセンサ、又は磁石を備えてもよい。図1に示される先端116、118がプローブ108、110に連結される別個の要素である一方で、他の実施形態において、先端116、118は、プローブ108、110の一体部分であってもよい。
【0023】
図1に示されるリンク、連結器、プローブ、及び先端は、計測装置を形成するために全て互いに結び付けられる。このような要素は、個別の要素が互いから分離され得るように連結されてもよい。このようにして、追加の要素(すなわち、リンク、連結器、プローブ、及び先端)が代替され、又は装置に追加されることが可能であり、それによって装置が構成要素の異なる形状及び大きさを測定することが出来る。また、このような連結器は、装置が小さく格納されることを可能にする。
【0024】
例えば、本発明の1実施形態は、複数のリンク、複数の連結器、複数のプローブ、及び複数の先端を備える。所定の場合、要素は格納されて、ユーザが、携帯型計測装置の使用を望む場合、個別要素を選択して使用前に連結する。このような実施形態は、ユーザが、装置を使用することを計画する特定の応用に向けて、大きさ及び装置の能力を調整することを可能にする。
【0025】
(固定基部携帯型計測装置)
図2は、本発明の1実施形態による基部に取り付けられる図1の2リンク携帯型計測装置の斜視図である。図1に示された計測装置200と同様に、図2に示される計測装置200は、2つのリンク102、104、3つの連結器106、112、114、及び2つのプローブ108、110を備える。また、図示の実施形態は、先端118を備える。
【0026】
図2に示される装置では、プローブ110の1つが固定基部202に挿入される。この構成では、装置は、多関節ア−ム式CMMに類似する。基部202は、計測装置の1つのプローブに対して運動学的取付けを提供して、先端118の位置が正確に把握されることを確実にすることが出来る。計測装置200は、単純に基部202に押し込まれて、摩擦によりそこに保持される。例えば、1実施形態において、基部202は、計測装置を保持するためのゴム挿入物を備える。別の実施形態において、基部202は、計測装置200を基部202に保持するために、例えば固定環等の固定機構を備える。
【0027】
さらに、基部202は、計測装置200の中の、例えば1つ以上のバッテリ等の電源に充電を提供することが出来る。また、基部202は、ディスプレイ又はコンピュータと通信し且つ/又は測定データの履歴をダウンロードするための通信設備を備えてもよい。このような通信は、無線又は有線通信の形態であってもよい。
【0028】
(単一リンク携帯型計測装置)
図3は、本発明の1実施形態における計測装置の構成要素のブロック図である。図3に示される計測装置300は、プロセッサ302を備える。プロセッサ302は、測定を行い、情報を表示し、情報を送信し、且つ計測装置の他の機能を実行するために1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行する。
【0029】
当業者には周知にように、このようなアプリケーションは、任意の適切なコンピュータ可読媒体に存在し、且つ任意の適切なプロセッサで実行してもよい。このようなプロセッサは、マイクロプロセッサ、ASIC、状態マシン、又は他のプロセッサを含んでもよく、例えば、カリフォルニア州サンラクララのインテル社(Intel Corporation)製及びイリノイ州ショウンバーグのモトローラ社(Motorola Corporation)製のプロセッサ等の複数のコンピュータプロセッサのうち任意のものであり得る。コンピュータ可読媒体は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに本明細書に記載されるステップを実行させる命令を記憶する。
【0030】
コンピュータ可読媒体の実施形態は、制限されないが、電子、光学、磁気、若しくは他の記憶装置又は伝送、又は何らかの種類の記憶装置であり且つプロセッサにコンピュータ可読媒体を提供することが出来る他の装置を備える。適切な媒体の他の例示は、制限されないが、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVD、磁気ディスク、メモリチップ、ROM、RAM、RPOM、EPROM、EEPROM、ASIC、構成プロセッサ、全ての光学媒体、全ての磁気媒体又はコンピュータプロセッサが命令を読み取ることが出来る任意の他の媒体を含む。また、多様な他の形態のコンピュータ可読媒体は、ルータ、私設若しくは公設ネットワーク、又は他の伝送装置若しくはチャネル、有線及び無線の双方を含む、コンピュータに命令を送信又は伝送し得る装置に組み込まれる。命令は、例えば、C、C++、C#、ビジュアルベーシック(Visual Basic)、ジャバ(Java(登録商標))、パイソン(Python)、パール(Perl)、及びジャバスクリプト(JavaScript)を含む、任意の適切なコンピュータプログラム言語によるコードを含んでもよい。
【0031】
また、図3に示される計測装置300は、プロセッサ302と連絡する複数のセンサを備える。計測装置300は、第1の連結センサ304を備える。単一の回転自由度で動作可能な連結器を備える本発明の実施形態において、連結センサ304は、連結器の角度を含む信号を生成する。連結器が1つより多くの自由度で動作可能な他の実施形態において、第1の連結センサ304は、複数の角度を含む信号を生成する。プロセッサ302は、信号を受信して、計測装置300の各端部の位置を判断するためにそれを利用する。
【0032】
また、図示の実施形態は、第2の連結センサ306を備える。第2の連結センサ306は、第1の連結センサ304と同じ種類のセンサであってもよく、又は計測装置300の構成次第で異なる種類であってもよい。
【0033】
また、図3に示される計測装置300は、リンクセンサ308を備える。図示のリンクセンサ308は、リンク部分の長さ又は度数又は回転を含むセンサ信号を提供してもよい。例えば、1実施形態において、リンクは、内部直動関節を介して第1の最小長から第2の最大長まで拡張可能である。このような実施形態において、リンクセンサからのセンサ信号は、信号が生成されると、リンク部分の長さの指示を提供する。リンクの長軸に沿って捻れることが可能なリンクを有する実施形態において、リンクセンサは、互いに対するリンクの端部の回転度を示すセンサ信号を提供する。
【0034】
また、図3に示される実施形態は、ディスプレイ310を備える。ディスプレイ310は、リンク又は連結器の端部に取り付けられる2つのプローブの端部又は先端の間の測定値を示すように構成されてもよい。ディスプレイ310は、さらに他の情報を示してもよい。また、1実施形態において、計測装置300は、計測装置300を設定し又は入力を必要とし得る他の機能を実行するためにディスプレイ310と共に使用され得るボタンを含む。別の実施形態において、ディスプレイ310は、タッチスクリーンを備える。ユーザは、タッチスクリーンを使用して、装置300の設定を修正し、又は入力を必要とし得る他の機能を実行することが出来る。図3に示される実施形態はディスプレイを備えるが、本発明の多様な他の実施形態は、ディスプレイを備えない。
【0035】
また、計測装置300は、RF(無線周波数)送信機312を備える。RF送信機312は、例えば操作者コンピュータ314等のコンピュータ、又は他の装置に信号を送信して、他の装置が計測装置からの長さ測定値を判断又は使用することが出来るようにする。例えば、操作者コンピュータ314は、RF送信機312から測定信号を受信して、計測装置からの一連の測定値を追跡するためにその信号を使用してもよい。別の実施形態において、計測装置300は、ディスプレイを備えておらず、操作者コンピュータ314は、計測装置300用のディスプレイとしての機能を果たすパーソナルデジタルアシスタント又は外部コンピュータ及びコンピュータディスプレイを備える。図3に示される実施形態はRF送信機312を備えるが、例えばパラレル、シリアル、赤外線、ブルートゥース(Bluetooth)、及びその他の種類のインターフェースが計測装置300から外部装置に信号を伝送するために利用されてもよい。図3に示される実施形態はRF送信機を備えるが、本発明の多様な他の実施形態は、RF送信機又は任意の他の形態の有線若しくは無線通信を備えない。
【0036】
また、図3に示される実施形態は、触覚出力装置316を備える。触覚出力装置316は、アクチュエータ信号に応答するアクチュエータを有しており、装置300のユーザに触覚フィードバックを提供する。アクチュエータは、例えば、圧電性アクチュエータ、ソレノイド、ページャモータ、又は他の種類のアクティブ又はパッシブアクチュエータを含んでもよい。図3に示される実施形態は1つの触覚出力装置316を備えるが、他の実施形態において、計測装置300は、複数の触覚出力装置を備えてもよく、又は触覚出力装置を全く備えなくてもよい。
【0037】
また、図3に示される実施形態は、音声出力318を備える。図示の実施形態において、音声出力318は、音声を出力するための拡声器を備える。このような音声出力318は、バッテリ残量低下のような状態、最終測定値のような動作結果、又はユーザのための他の使用情報をユーザに提供する。また、音声出力318は、特定の種類の測定の実行のようなタスクを遂行するためにユーザに段階的な指示を提供するために使用されてもよい。
【0038】
(測定方法)
図4は、本発明の1実施形態を用いて距離を測定する方法を示す流れ図である。図示の実施形態において、プロセッサは、装置の関節又は連結器から信号を受信する(402)。こうした信号は、1つ以上の自由度で連結器又は間接の回転度に対応する1つ以上の測定値を含んでもよい。例えば、連結器又は関節が1つの自由度で回転可能である場合、関節センサは、開始位置からの度数での測定値を含むセンサ信号を生成してもよい。
【0039】
また、プロセッサは、計測装置における1つ又は複数のリンクから1つ以上のセンサ信号を受信する(404)。例えば、リンクが拡張可能である実施形態において、プロセッサは、リンクの全長(over length)又はリンクの拡張量に対応する寸法を受信してもよい。リンクが回転可能である場合、リンクセンサは、開始位置からのリンクの回転に対応する信号を生成してもよい。例えば、開始位置は、リンクの端部が整列するときであってもよい。一部の実施形態において、リンクはセンサを含まず、又は、複数のセンサを含んでもよい。特定の測定タスクに適合する装置を構築するために、複数の異なる長さのリンクが選択され且つ互いに接続され得る装置の実施形態において、リンクは、リンクに記憶され又はリンクから導出される電子識別コードを介して自身の幾何学的パラメータをプロセッサに報告することが出来る。
【0040】
次に、プロセッサは、計測装置の2つの端部においてプローブ間の距離を判断する(406)。判断を行うときに、プロセッサは、全ての関節及びリンクセンサ信号を利用する。多関節アームの端部間の距離を計算する方法は、当業者には周知であるため、本明細書には記載しない。
【0041】
次に、プロセッサによって、2つの端部間の距離がディスプレイに表示される(408)。ディスプレイは、計測装置に不可欠であってもよく、又は遠隔装置の中に保持されてもよい。このような実施形態において、計測装置は、携帯型装置に距離を送信し、次に携帯型装置は、測定値を表示する。
【0042】
(携帯型計測装置の応用)
本発明の実施形態は、多様な応用に利用されてもよい。こうした応用は、例えば、計測、デジタル化、医療、製造、及び地図作成応用を含む。例えば、本発明による計測装置は、構成要素の内側又は外側直径を測定するために利用されてもよい。現在の計測装置を用いてこのような測定を行うのは非常に困難であり、又は単一の特定測定タスクを実行するように設計された特別な器具を必要とし得る。
【0043】
また、本発明の実施形態による計測装置は、リバースエンジニアリングに使用されてもよく、それにより技術者又は専門家が装置の絶対的及び相対的な測定を行うことが出来るようになる。このような装置は、標準的なキャリバに取って代わることが可能であって、標準的リニアキャリパが測定することが出来ない場所を測定する能力を提供する。
【0044】
また、本発明の実施形態は、医療環境で利用されてもよい。例えば、このような実施形態は、患者の生体測定のような人体の外部測定を行うために使用されてもよい。固定基部を利用する構成では、本発明の実施形態は、超音波プローブ又は刃及び錐のような平坦位置の工具(even position tool)を導入するために使用されてもよい。
【0045】
1実施形態において、先端又はプローブの1つは、マーカ又はペンに置換される。このような実施形態を用いて、外科医、例えば整形外科医は、手術に備えて患者の皮膚、骨、又は他の身体部位にインク跡を作ることが出来る。このような装置は、現在利用されている複雑な多関節アーム測定装置の設定要求を排除することが可能であり得る。別の実施形態において、内視鏡手術を行うために計測装置の1つの端部にカメラが利用されてもよい。
【0046】
また、本発明の実施形態は、製造に関連して利用されてもよい。例えば、本発明の実施形態は、完成品を造るのに使用される構成部品を測定するために利用されてもよい。固定基部を有する計測装置の構成では、このような実施形態は、経路計画及び制御ソフトウェアによる誘導トレース及び工具配置に利用されてもよい。
【0047】
(総則)
上述の本発明の実施形態の記載は、例示及び説明のためにのみ提示されているのであって、網羅的であり又は本発明を開示された厳密な形態に限定することは意図されていない。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者には、多くの変形及び適応が明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のリンクと、
第1の自由度で移動するように動作可能な第1の連結器によって前記第1のリンクと連結される第1のプローブと、
第2の自由度で移動するように動作可能な第2の連結器によって前記第1のリンクと連結される第2のプローブと、
前記第1の連結器の動作と関係付けられる第1のセンサ信号を出力するように動作可能な第1のセンサと、
前記第2の連結器の動作と関係付けられる第2のセンサ信号を出力するように動作可能な第2のセンサと、
前記第1及び第2のセンサと連絡するプロセッサであって、前記第1のセンサ信号及び前記第2のセンサ信号を受信し、且つ少なくとも部分的に前記第1のセンサ信号及び前記第2のセンサ信号に基づいて前記第1のプローブと前記第2のプローブとの間の距離を判断するように動作可能なプロセッサと
を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
第3の自由度で移動するように動作可能な第3の連結器により前記第1のリンクと前記第1の連結器との間に連結される第2のリンクと、
前記第1の連結器の動作と関係付けられる第3のセンサ信号を出力するように動作可能な第3のセンサと
をさらに備え、
前記プロセッサが、前記第3のセンサ信号を受信して、少なくとも部分的に前記第1のセンサ信号、前記第2のセンサ信号及び前記第3のセンサ信号に基づいて前記第1のプローブと前記第2のプローブとの間の距離を判断するようにさらに動作可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プロセッサに連結されるディスプレイであって、前記距離を受信し、且つ前記距離を表示するように動作可能なディスプレイをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のプローブを収容し、且つ固定位置で前記第1のプローブを維持するように構成される基部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記基部が、前記第1のセンサ、前記第2のセンサ及び前記プロセッサに連結される電源を充電するためにさらに動作可能であることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記電源がバッテリを含むことを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの自由度が、捻りの自由度を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の自由度が、旋回の回転自由度を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の連結器が、第4の自由度で移動するようにさらに動作可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の自由度が、捻りの自由度を含み、且つ前記第4の自由度が、旋回する回転自由度を含むことを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のリンクが、拡張可能リンクを備え、且つ前記プロセッサと連絡するリンク長センサをさらに備え、前記リンク長センサが、前記第1のリンクの長さを感知して前記プロセッサに前記長さを出力するように動作可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のセンサと前記プロセッサとの間の通信が無線であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記プロセッサが、第1のプロセッサを備えており、前記第1のプロセッサと連絡し且つ前記第1のプロセッサから前記距離を受信するように動作可能な第2のプロセッサをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記第1のリンクに連結され且つユーザの第1の指に配置されるように動作可能な第1の環と、
前記第2のリンクに連結され且つユーザの第2の指に配置されるように動作可能な第2の環と
をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記第1のプローブが、マーカ、レーザ、錐、針、刃、カメラ、光源、鉗子若しくは手術道具、渦電流センサ、聴覚若しくはドップラーセンサ、又は磁石の1つを備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
前記第1のプローブが、前記第1のリンクに取り外し可能に連結されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
音声出力をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
触覚フィードバックを提供するアクチュエータをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
第1のプローブを有する第1のリンクと、
前記第1のリンクに連結される第1の関節であって、少なくとも1つの自由度で移動するように動作可能であり且つ前記少なくとも1つの自由度で前記第1の関節の動作に関係付けられる第1のセンサ信号を出力するように動作可能な第1のセンサを有する第1の関節と、
第2のプローブを有し、且つ前記第1の関節に連結される第2のリンクと、
前記第1のセンサに連結されるプロセッサであって、前記第1のプローブと前記第2のプローブとの間の距離を判断し、且つ前記距離を出力するように動作可能なプロセッサと、
第1のリンクと、
第1のプローブを有する第1のリンクと、
第2のプローブを有する第2のリンクと、
前記第1のプローブ及び前記第2のプローブに連結され且つ第1の自由度で移動するように動作可能な第1の連結器と、
前記第1の連結器の動作と関係付けられる第1のセンサ信号を出力するように動作可能な第1のセンサと、
前記第1のセンサと連絡するプロセッサであって、前記第1のセンサ信号を受信し、且つ少なくとも部分的に前記第1のセンサ信号に基づいて前記第1のプローブと前記第2のプローブとの間の距離を判断するように動作可能なプロセッサと
を備えることを特徴とする装置。
【請求項19】
第1のリンクと、
第1の自由度で移動するように動作可能な第1の連結器によって前記第1のリンクと連結されるように構成される第1のプローブと、
第2の自由度で移動するように動作可能な第2の連結器によって前記第1のリンクと連結されるように構成される第2のプローブと、
前記第1の連結器の動作と関係付けられる第1のセンサ信号を出力するように動作可能な第1のセンサと、
前記第2の連結器の動作と関係付けられる第2のセンサ信号を出力するように動作可能な第2のセンサと、
前記第1のセンサ信号及び前記第2のセンサ信号を受信し、且つ少なくとも部分的に前記第1のセンサ信号及び前記第2のセンサ信号に基づいて前記第1のプローブと前記第2のプローブとの間の距離を判断するように動作可能なプロセッサと
を備えることを特徴とする装置。
【請求項20】
第1のリンクと、
第1の自由度で移動するように動作可能な第1の連結器によって前記第1のリンクと連結される第1のプローブと、
第2の自由度で移動するように動作可能な第2の連結器によって前記第1のリンクと連結される第2のプローブと、
前記第1の連結器の動作と関係付けられる第1のセンサ信号を出力するように動作可能な第1のセンサと、
前記第2の連結器の動作と関係付けられる第2のセンサ信号を出力するように動作可能な第2のセンサと、
前記第1及び第2のセンサと連絡する送信機であって、前記第1のセンサ信号及び前記第2のセンサ信号を受信し、且つ少なくとも部分的に前記第1のセンサ信号及び前記第2のセンサ信号に基づいて前記第1のプローブと前記第2のプローブとの間の距離を判断するように構成されるプロセッサに前記第1のセンサ信号及び前記第2のセンサ信号を送信するように動作可能な送信機と
を備えることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−504226(P2011−504226A)
【公表日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532095(P2010−532095)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/072194
【国際公開番号】WO2009/058452
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.JavaScript
【出願人】(399047149)イマージョン コーポレイション (57)
【Fターム(参考)】