説明

携帯端末および車載情報端末

【課題】無駄な通信を低減するとともに車両停車中に短時間で操作情報の通信を行うことができる携帯端末および車載情報端末を提供する。
【解決手段】車両に搭載されたナビゲーション装置を操作可能な携帯電話において、前記車両が走行中か否かを判定するステップS05を備え、ステップS05にて走行中と判定された場合は、ナビゲーション装置への入力に関する操作を禁止するステップS06とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両に搭載された情報端末を操作可能な携帯端末およびこの携帯端末からの操作入力を受け付ける車載情報端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用のナビゲーション装置などの車載情報端末を遠隔操作するいわゆるリモコンとして利用可能な携帯端末が知られている(例えば、特許文献1参照)。この携帯端末では、アプリケーションサーバに接続してナビゲーション装置を操作するための操作アプリケーションをダウンロードすることで、リモコンとしての機能が付加されるようになっている。
【特許文献1】特開2005−265572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述の車載情報端末においては、一般に、車両が走行中である場合は安全確保のために車載情報端末の操作を制限するようになっている。しかしながら、上記携帯端末は車両が走行中であっても操作が可能であるため、操作者は車載情報端末に対して操作情報を送信してしまう。操作者は、ナビゲーション装置から操作が制限されている旨の返信がされて初めて携帯端末側でナビゲーション装置の操作が制限されていることを認識できるので、この送受信の分だけ無駄な通信を行ってしまうこととなる。
【0004】
そこで、この発明は、無駄な通信を低減することができる携帯端末および車載情報端末を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、車両(例えば、実施の形態における車両1)に搭載された情報端末(例えば、実施の形態におけるナビゲーション装置2)を操作可能な携帯端末(例えば、実施の形態における携帯電話20)において、前記車両が走行中か否かを判定する第1の走行判定手段(例えば、実施の形態におけるステップS05、ステップS14)を備え、前記第1の走行判定手段にて走行中と判定された場合は、前記情報端末への入力に関する操作を禁止する操作禁止手段(例えば、実施の形態におけるステップS06)を備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載した発明は、前記第1の走行判定手段が、GPS信号を受信するGPS受信手段(例えば、実施の形態におけるGPSモジュール25)による受信結果に基づいて走行判定することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載した発明は、前記第1の走行判定手段が、接続先の基地局(例えば、実施の形態における基地局30)の変更を認識する基地局変更認識手段(例えば、実施の形態におけるステップS04)による認識結果に基づいて走行判定することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載した発明は、前記第1の走行判定手段は、無線通信手段(例えば、実施の形態における無線通信モジュール26、IrDAモジュール27、近接型無線通信モジュール28)によって前記情報端末と無線通信可能か否かを判定し、該判定の結果に基づいて車両の走行判定を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載した発明は、前記情報端末が、前記車両が走行中か否かを判定する第2の走行判定手段(例えば、実施の形態におけるGPSモジュール3)を備え、前記第1の走行判定手段が、前記第2の走行判定手段による判定結果を定期的に受信し、該受信結果に基づいて車両の走行判定を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載した発明は、携帯端末と通信可能な車載情報端末において、請求項1〜4のいずれかに記載の携帯端末と通信可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載した発明によれば、第1の走行判定手段によって車両が走行可能か否かを判定して、車両が走行中であると判定された場合に、操作禁止手段によって操作を禁止することができるため、情報端末で操作が制限されている場合に情報端末に対して操作情報が送信されるのを防止して無駄な通信を低減することができる効果がある。
【0012】
請求項2に記載した発明によれば、GPS受信手段による受信結果に基づいて第1の走行判定手段が走行判定を行うので、情報端末側での操作制限の有無にかかわらず車両の走行判定を行い車両が走行中である場合に操作禁止手段によって操作を禁止することができるため、車両走行中に操作情報が送信されるのを防止することができる効果がある。
【0013】
請求項3に記載した発明によれば、基地局変更認識手段により携帯端末と無線で接続されている基地局の変更が検知された場合、例えば、携帯端末が現在の基地局の通信エリアから隣の基地局の通信エリアに移動したことが分かるので、この基地局が変更された情報に基づいて走行判定手段により車両が走行していることを判定して、車両の走行状態を検出することができるため、車両走行中に操作情報が送信されるのを防止することができる効果がある。
【0014】
請求項4に記載した発明によれば、無線通信手段により情報端末と無線通信を行い、無線通信が可能な場合には情報端末の近傍すなわち車両内に携帯端末が存在していることが分かり、一方、無線通信が不能である場合には、携帯端末の近傍に情報端末が存在しないことが分かるので、走行中であっても、例えば電車や他の乗り物に乗っている場合には携帯端末を操作可能状態にすることができる。したがって、例えば、電車や他の乗り物に乗っている間に操作入力を行っておき、車両に搭乗して即座に操作情報の送信を行うことなどができるため、車両に搭乗してから操作入力を始める場合と比較して無駄なアイドリングを抑制することができる効果がある。
【0015】
請求項5に記載した発明によれば、第1の走行判定手段が情報端末の第2走行判定手段の判定結果を定期的に受信して走行判定を行うことができるので、携帯端末の配置によって車両の外部からの通信環境が良好でない場合でも、車両が走行中であるか否かを確実に判定することができる効果がある。
【0016】
請求項6に記載した発明によれば、使い慣れた携帯端末の入力機能などを有効利用して迅速に入力操作を行うことができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、この発明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、車両(VEHICLE)1に搭載された情報端末であるナビゲーション装置(NAVI)2、および携帯端末である携帯電話20の概略構成を示したものである。
【0018】
車両1に搭載されたナビゲーション装置2は、GPS衛星からの信号を受信して車両1の現在位置を検出するGPSモジュール3と、地図情報などの情報が記憶されたハードディスクドライブやメモリなどの記憶媒体4と、タッチパネル式のディスプレイ(図示せず)とを備えている。ナビゲーション装置2は、ナビ制御部5を備えており、ディスプレイからの操作入力情報に基づいてアプリケーションを実行し、例えば、目的地までの経路誘導や、情報検索などを行い、この結果をディスプレイに表示するように設定されている。なお、ディスプレイはタッチパネル式に限られるものではなく、操作入力を行う操作ボタンなどをディスプレイとは個別に設けるようにしてもよい。
【0019】
また、ナビゲーション装置2は、後述する携帯電話20の携帯インターフェース6に対応したナビインターフェース7を備えており、このナビインターフェース7には信号識別部8が接続され、この信号識別部8において携帯電話20から送信されてきた情報を識別してナビ制御部5に出力するようになっている。ここで、信号識別部8では、受信情報の種類を識別した後、ナビ制御部5に入力可能なデータ形式の変換を行っている。
【0020】
また、ナビゲーション装置2には、車両1のメータ類9、スマートキー10、エンジンECU11およびその他センサ類12などの情報が入力されるように構成されており、これらメータ類9、スマートキー10、エンジンECU11およびその他センサ類12からの出力を利用してナビ制御部5において車両1の状態、すなわち、走行状態、乗員の乗降、エンジンのON・OFFなどを検出する。そして、ナビ制御部5は、車両1のメータ類9、スマートキー10、エンジンECU11およびその他センサ類12の情報に基づいて車両1の走行状態を検出する走行検出部(第2の走行判定手段)13を備え、車両が走行状態の場合には、操作入力を受け付けずに、ディスプレイ上に操作の受付が禁止されている旨を表示させる。
【0021】
一方、携帯電話20は、液晶パネルなどの表示部21と、操作入力を行う複数の操作ボタン22aからなる操作部22とを備えている。この携帯電話20は、最寄の基地局30との間で電話回線が開設されるようになっており、通常の電話機能に加えて、操作部22を操作することでインターネットの閲覧やeメールの送受信などを可能としている。また、携帯電話20には、GPSモジュール25が内蔵され、GPS衛星からの信号を受信して現在位置を検出する。
【0022】
さらに携帯電話20には、複数の異なる方式の無線モジュールとして、Bluetooth(登録商標)などの無線通信を行う無線通信モジュール26、赤外線短距離通信を行うIrDAモジュール27、Felica(登録商標)など近接型無線通信を行う近接型無線通信モジュール28が内蔵され、これらの無線方式に対応した外部の機器との間で双方向通信を行う。
【0023】
また、携帯電話20には、様々なアプリケーションを実行する携帯制御部29が設けられている。この携帯制御部29には、上述したGPSモジュール25、無線通信モジュール26、IrDAモジュール27および近接型無線通信モジュール28が接続されている。そして、GPSモジュール25、無線通信モジュール26、IrDAモジュール27および近接型無線通信モジュール28には、それぞれアンテナや赤外線送受信用の光電変換素子などからなる携帯インターフェース(I/O)6が接続されている。さらに、携帯電話20においては、基地局30を介してアプリケーションサーバ(図示せず)からアプリケーションがダウンロード可能に構成され、このダウンロードされたアプリケーションがメモリなどの記憶媒体(図示せず)に記憶される。
【0024】
ここで、携帯制御部29で実行するアプリケーション(アプリ)としては、漢字変換や予測文字入力などの文字変換を行うものを備え、さらに、上述したナビゲーション装置2を遠隔操作するいわゆるリモコンとして携帯電話20を機能させるものも備えている。携帯電話20の利用者は、携帯電話20をナビゲーション装置2のリモコンとして利用したい場合には、リモコン用のアプリケーションを種々のアプリケーションの中から選択して起動する。ここで、上記予測文字入力とは、操作部22によって文字入力されている途中で入力文字を予測するものであり、文字の入力完了までの時間を短縮させることができるものである。
【0025】
また、上述したリモコンの機能としては、例えば、携帯電話20の操作部22を操作して入力した文字列の変換などを行い、この変換した文字列をナビゲーション装置2に一括送信する機能を備えている。なお、リモコンとして携帯電話20を用いる場合の通信方式は、携帯電話20が備える無線通信モジュール26、IrDAモジュール27および近接型無線通信モジュール28のうち、いずれの方式を用いることができるかを、実際に送受信を行ったうえで自動認識させたり、利用者が手動で選択するようにしてもよい。
【0026】
次に、上述した実施の形態の携帯制御部29において実行するキー押し後処理を図2のフローチャートに基づいて説明する。なお、このキー押し後処理は、携帯電話の操作部22の操作が行われた後に携帯制御部29において操作を制限するか否かを判定するものである。
まず、ステップS01において、携帯電話20の操作ボタン5a(キー)が押下されたらステップS02に進む。
ステップS02においては、乗降判定処理を行いステップS03に進む。
【0027】
ここで、ステップS02の乗降判定処理は、携帯電話20が操作されたのが車内か否かを判定する処理であり、例えば、ナビゲーション装置2との通信が可能か否かを判定して、通信が可能である場合にはナビゲーション装置2が携帯電話20の近傍にあるため、当該携帯電話20が車内にあると判定し、通信不能である場合は、ナビゲーション装置2が携帯電話20の近傍にないため、当該携帯電話20が車外にあると判定する。なお、乗降判定処理は、携帯電話20が車内または車外にあることを通信の可否に基づいて行うものに限られるものではなく、ナビゲーション装置2と携帯電話20との相対的な位置関係が判別できれば、例えば、近接センサなどを用いるようにしてもよい。
【0028】
ステップS03においては、携帯電話20が車内にあるか否かを判定する。ステップS03の判定結果が「YES」(車内)である場合はステップS04に進み、判定結果が「NO」(車外)である場合はステップS07に進む。
ステップS04においては、走行中判定処理を行いステップS05に進む。
【0029】
ここで、ステップS04における走行中判定処理は、複数の走行検出手段のうちいずれか1つの情報に基づいて走行判定を行っており、複数の走行検出手段としては、GPSモジュール25による受信結果すなわち車内にある携帯電話20の現在位置に基づいて車両1の走行を判定する走行検出手段や、携帯電話20と通信を行う最寄の基地局30が隣の基地局30に切り換わった場合に車両1が基地局30のエリア外に移動したことが検知できるのでこの情報に基づいて車両の走行を判定する走行検出手段や、ナビゲーション装置2の走行検出部13から車両の走行状態の情報を受信して車両の走行を判定する走行検出手段がある。なお、上述した全ての走行検出手段によって並列に判定するようにして、いずれか一つでも車両の走行を検出した場合に車両が走行していると判定するようにしてもよい。
【0030】
ステップS05においては、車両が走行中か否かを判定する。ステップS05の判定結果が「YES」(走行中)である場合はステップS06に進み、判定結果が「NO」(走行していない)である場合はステップS07に進む。
ステップS06においては、操作部22からの入力を不可(操作禁止)にして、例えば、ディスプレイ状に「入力できません」等の警告表示を行いステップS01にリターンする。
【0031】
ステップS07においては、操作部22の入力受付(操作許可)をしてステップS01に戻り上述した処理を繰り返す。ここで、操作部22からの入力を受け付けた携帯制御部29は、ナビゲーション装置2に対して操作部22の入力に対応した操作指令を送信する。
【0032】
すなわち、乗員が携帯電話20を所持した状態で、携帯電話20を操作してナビゲーション装置2を遠隔操作しようとすると、携帯電話20が車内にあり(ステップS03でYes)且つ車両1が走行中(ステップS05でYes)であることを携帯電話20の携帯制御部29で判定して操作部22からの入力が不可状態となる。一方、携帯電話20が車外にある(ステップS03でNo)場合や、車両1が走行中ではない(ステップS05でNo)場合には、何ら操作部22の制限がかかることなく操作部22からの入力を受け付けて携帯電話20は、ナビゲーション装置2に向けて操作指令を出力する。
【0033】
したがって、上述した第1の実施の形態によれば、ステップS05によって車両が走行可能か否かを判定することができ、車両が走行中であると判定された場合に、ステップS06によって操作部22の入力操作が不可状態となる(禁止される)ため、ナビゲーション装置2で操作が制限されている場合にナビゲーション装置2に対して携帯電話20から操作指令が送信されるのを防止して無駄な通信を低減することができる。
【0034】
また、携帯電話20とナビゲーション装置2が通信可能であるため、例えば、携帯電話20で入力した文字情報をナビゲーション装置2に送信するだけで、文字入力を完了させることができ、この結果、ナビゲーション装置2に対する文字入力の時間を短縮することができる。
【0035】
さらに、GPSモジュール25による受信結果に基づいてステップS05が走行判定を行うことが可能なので、ナビゲーション装置2側における操作制限の有無にかかわらず車両1の走行判定を行い車両1が走行中である場合にステップS06によって操作部22の操作入力を不可状態にすることができるため、車両走行中に携帯電話20からナビゲーション装置2に操作指令が送信されるのを確実に防止することができる。
【0036】
そして、携帯電話20に無線で接続されている基地局30の変更が検知された場合、携帯電話20が現在の基地局30の通信エリアから隣の基地局30の通信エリアに移動したことが分かるので、この基地局30が変更された情報に基づいてステップS05により車両1が走行していることを判定することができるため、車両1の走行状態をより確実に検出することができる。
【0037】
また、無線通信モジュール26、IrDAモジュール27および近接型無線通信モジュール28によりナビゲーション装置2と無線通信を行い、無線通信が可能な場合にはナビゲーション装置2の近傍すなわち車両内に携帯電話20が存在し、一方、無線通信が不能である場合には、ナビゲーション装置2の近傍に携帯電話20が存在しないことが分かるので、車内に携帯電話20がない場合にはステップS05による判定を行わないことができ、この結果、走行中であっても、電車や他の乗り物に乗っている場合には操作部22の入力を受付することが可能になる。
【0038】
また、携帯電話20は、ナビゲーション装置2の走行判定手段の判定結果を定期的に受信して走行判定を行うことができるので、携帯電話20がGPSモジュール25を備えていない場合でも、車両1が走行中であるか否かを確実に判定することができる。
【0039】
さらに、携帯電話20の予測変換機能などの文字入力機能を用いることができるため、例えば、短い停車時間である場合であっても、ナビゲーション装置2に対して迅速に文字入力を行うことができる。また、車両1に乗車する以前にナビゲーション装置2に送信する文字情報を入力しておくことで、乗車時に文字情報を一括して即座に送信することができるため、無駄なアイドリングを抑制することができる。
【0040】
次に、この発明の第2の実施の形態を図3に基づいて説明する。なお、この第2の実施の形態は、上述した第1の実施の形態と、携帯制御部における走行制限処理が常時行われる点で相違するだけであるため、図1を援用するとともに重複する説明を省略する。
【0041】
まずステップS11において、乗降判定処理を行いステップS12に進む。このステップS11の乗降判定処理は、上述した第1の実施の形態のステップS02と同様の処理である。
ステップS12においては、携帯電話20が車内にあるか否かを判定する。ステップS12における判定結果が「YES」(車内)である場合はステップS13に進み、判定結果が「NO」(車外)である場合はステップS18に進む。
【0042】
ステップS13においては、上述した第1の実施の形態のステップS04と同様に走行判定処理を行いステップS14に進む。
ステップS14においては、車両が走行中か否かを判定する。ステップS14の判定結果が「YES」(走行中)である場合はステップS15に進み、判定結果が「NO」(走行していない)である場合はステップS18に進む。
【0043】
ステップS15においては、操作部22の入力を不可(操作禁止)にするとともに入力不可である旨の表示をディスプレイに行いステップS16に進む。
ステップS16においては、状態更新用のインターバルタイマーにより所定時間経過したか否かを判定する。ステップS16の判定結果が「YES」(経過した)である場合はこの処理の最初のステップであるステップS11にリターンし、判定結果が「NO」(経過していない)である場合はステップS15に戻り上述の処理を繰り返す。
【0044】
一方、ステップS18においては、携帯電話20が車内に存在せず、車両1が走行中でもないので、操作部22からの操作を受け付ける(操作許可)状態に設定し、ディスプレイ上に入力可能な状態表示である通常表示を行う。
ステップS17においては、状態更新用のインターバルタイマーにより所定時間経過したか否かを判定する。ステップS17の判定結果が「YES」(経過した)である場合はこの処理の最初のステップであるステップS11にリターンし、判定結果が「NO」(経過していない)である場合はステップS18に戻り上述した処理を繰り返す。
【0045】
すなわち、携帯電話20が車内に存在し(ステップS12でYes)、且つ、車両1が走行中(ステップS14)の場合に携帯電話20のディスプレイに入力不可である旨のインターバルタイマーにより計時して所定時間表示を保持し、所定時間経過後、再び携帯電話20が車内に存在するか否かを判定する。一方、携帯電話20が車内にない場合および車両が走行中でない場合、入力可能な状態表示(通常表示)をインターバルタイマーにより計時して所定時間表示を保持し、所定時間経過後、再び携帯電話20が車内に存在するか否かを判定することとなる。
【0046】
したがって、第2の実施の形態によれば、携帯電話20の携帯制御部29により携帯電話20の所在と車両の走行とを常時監視している場合に、現在携帯電話20の操作部22が入力受付状態か、入力を受け付けない状態か、を表示部21の表示から認識することができるため、無駄に操作部22を操作するのを抑制することができる。
【0047】
なお、この発明は上述した各実施の形態に限られるものではなく、携帯電話20が車内にあり、且つ車両1が走行中である場合に、例えば、携帯電話20をリモコンとして用いるアプリケーションを強制終了するようにしてもよい。
【0048】
また、上記各実施の形態ではナビゲーション装置2の走行検出部13の検出情報に基づいて車両1の走行判定を行うことについて説明したが、例えば、携帯電話20のGPSモジュール25でGPS信号を受信できない場合に、これの代替としてナビゲーション装置2の走行検出部13の検出情報を受信するようにしてもよい。
【0049】
そして、上述の各実施の形態では、携帯電話20をリモコンとして利用する場合について説明したが、携帯電話20以外に、無線通信用のモジュールと操作ボタンとを備えリモコン用のアプリケーションが実行可能な携帯端末であれば、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)やマルチメディアプレーヤーなどであってもよい。
【0050】
また、上述の各実施の形態では、車両1のナビゲーション装置2を遠隔操作する場合について説明したが、携帯電話20などの携帯端末で操作可能なものであれば、例えば、ハンズフリーユニットなどの車載デバイスを遠隔操作する場合に用いてもよい。
【0051】
さらに、上述した各実施の形態の他の態様として、例えば、ナビゲーション装置2との赤外線通信などにより携帯電話20の車内での位置が特定可能な場合には、運転席以外の場所から操作する際に車両1が走行中であっても操作部22の入力を受け付けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施の形態における携帯電話と車両の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるキー押し後処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態における常時状態監視処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
1 車両
2 ナビゲーション装置(情報端末)
3 GPSモジュール
13 走行判定部(第2の走行判定手段)
20 携帯電話(携帯端末)
25 GPSモジュール(GPS受信手段)
26 無線通信モジュール(無線通信手段)
27 IrDAモジュール(無線通信手段)
28 近接型無線通信モジュール(無線通信手段)
30 基地局
ステップS04 基地局変更認識手段
ステップS05、ステップS14 第1の走行判定手段
ステップS06 操作禁止手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された情報端末を操作可能な携帯端末において、
前記車両が走行中か否かを判定する第1の走行判定手段を備え、
前記第1の走行判定手段にて走行中と判定された場合は、前記情報端末への入力に関する操作を禁止する操作禁止手段を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記第1の走行判定手段は、GPS信号を受信するGPS受信手段による受信結果に基づいて走行判定することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記第1の走行判定手段は、接続先の基地局の変更を認識する基地局変更認識手段による認識結果に基づいて走行判定することを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記第1の走行判定手段は、無線通信手段によって前記情報端末と無線通信可能か否かを判定し、該判定の結果に基づいて車両の走行判定を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項5】
前記情報端末は、前記車両が走行中か否かを判定する第2の走行判定手段を備え、
前記第1の走行判定手段は、前記第2の走行判定手段による判定結果を定期的に受信し、該受信結果に基づいて車両の走行判定を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の携帯端末と通信可能であることを特徴とする車載情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−224616(P2008−224616A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−67273(P2007−67273)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】