説明

携帯端末装置の捜索方法及び携帯端末装置

【課題】 捜索外の着信による放音防止等を図る。
【解決手段】 携帯電話機1の判定用動作モード切替情報記憶部18に発番号通知有りの回数と発番号通知無しの回数と着信回数設定時間とを予め登録すると共に、報知情報記憶部24に着信音情報及び着信音量を予め登録し、その携帯電話機を紛失したとき、不特定の電話機から掛けられた発番号通知有りの電話と発番号通知無しの電話とをアンテナ11、無線部12、制御部13及び発番号通知判定回路19で受信し、判定用動作モード切替情報記憶部18の着信回数設定時間内に発番号通知有りの着信回数と発番号通知無しの着信回数とが登録されている回数に達したならば、報知情報記憶部24の着信音情報及び音量情報を読み出して着信音情報で決まる着信音を音量情報で決まる音量でスピーカ17から放音する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末装置の捜索方法及び携帯端末装置に関し、詳しくは紛失した携帯端末装置を探し出す手段を提供する携帯端末装置の捜索方法及びその機能を備えた携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機を紛失した場合に、その携帯電話機近くにいる人にその旨を合図する技術が、例えば、特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載される技術は、オフフックされていない状態で着信したときの着信回数を予め記憶し、着信があったときオフフックされていない状態を判定し、該判定が肯定で着信される電話番号通知の電話番号が一致する着信回数を計数し、予め定められた時間内に、計数した着信回数が記憶されている上記着信回数に達したとき携帯電話機の存在を示すための鳴動動作を所定時間行い、紛失した携帯電話機を探し出すのに役立てようとする技術である。
【特許文献1】特許第3621612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載される技術は、紛失した携帯電話機に対して捜索するための電話を掛けてその在り処を知らせることはできる。
しかしながら、紛失した携帯電話機がオフフック状態でその携帯電話機の呼び出し状態を設定するのに必要な手段として、電話番号通知の電話を掛けることが必要不可欠である。
したがって、電話番号通知の電話は、携帯電話機が紛失した状態でなくても、故意に、その携帯電話機に電話を掛けると、その携帯電話機の呼び出しが行われてしまうという技術的課題が存在する。
【0004】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、同種の捜索信号には応答せず、的確な呼び出しを行い得る携帯端末装置の捜索方法及び携帯端末装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、携帯端末装置を捜索する方法に係り、複数種類の発呼信号からなる捜索信号を無線回線を介して上記携帯端末装置へ送信し、上記携帯端末装置側では受信された上記捜索信号の適正を判断し、上記捜索信号が適正であるとの結果が得られれば、当該携帯端末装置の所在を知らせる報知音を出力することを特徴としている。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の携帯端末装置の捜索方法に係り、上記携帯端末装置側では、適正な捜索信号と一致する参照信号を予め参照信号記憶手段に記憶しておき、上記捜索信号を受信すると、上記参照信号記憶手段に記憶されている上記参照信号を読み出して当該参照信号と受信した上記捜索信号とが一致しているか否かを判断し、一致しているときは当該携帯端末装置の所在を知らせる報知音を出力することを特徴としている。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の携帯端末装置の捜索方法に係り、上記捜索信号は、発番号有りの信号と発番号無しの信号とからなり、上記参照信号は、上記発番号有りの上記信号の判定用着信回数及び上記発番号無しの上記信号の判定用着信回数並びに所定の着信時間であり、上記報知音は、所定の上記着信時間内に上記発番号有りの上記信号の着信回数と上記発番号無しの上記信号の着信回数とが、各々、対応する上記判定用着信回数になるとき出力されることを特徴としている。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の携帯端末装置の捜索方法に係り、上記発呼信号は、2値信号列に変換可能な信号であり、上記報知音は、変換された上記二値信号列の各々が所定の関係になるとき出力されることを特徴としている。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一に記載の携帯端末装置の捜索方法に係り、上記報知音は、記憶手段に記憶される報知音情報に基づいて出力されることを特徴としている。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の携帯端末装置の捜索方法に係り、上記報知音情報は、着信音及び音量に関する情報であることを特徴としている。
【0011】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の携帯端末装置の捜索方法に係り、上記着信音及び音量に関する情報は、上記記憶手段から読み出されるとき、時系列上で異なる値となるように構成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項8記載の発明は、請求項6記載の携帯端末装置の捜索方法に係り、上記着信音及び音量に関する情報は、上記記憶手段から読み出されるとき、時系列上で異なる頻度となるように構成されていることを特徴としている。
【0013】
請求項9記載の発明は、自機の所在を知らせる報知手段を有する携帯端末装置に係り、複数種類の発呼信号からなる捜索信号を受信する受信手段と、上記受信手段で受信される上記捜索信号の適正を判断する判断手段と、該判断手段によって上記捜索信号が適正であるとの判断が得られるとき当該携帯端末装置の所在を知らせる報知音を出力する報知音出力手段とを備えてなることを特徴としている。
【0014】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の携帯端末装置に係り、適正な参照信号を記憶する参照信号記憶手段を有し、上記判断手段は、上記受信手段で上記捜索信号を受信すると、上記参照信号記憶手段の参照信号を読み出して当該参照信号と受信した上記捜索信号とが一致しているか否かを判断し、上記報知音出力手段は、上記判断手段が一致を示すとき当該携帯端末装置の所在を知らせる報知音を出力することを特徴としている。
【0015】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の携帯端末装置に係り、上記捜索信号は、発番号有りの信号と発番号無しの信号とからなり、上記参照信号は、上記発番号有りの上記信号の判定用着信回数及び上記発番号無しの上記信号の判定用着信回数並びに所定の着信時間であり、上記報知音出力手段は、所定の上記着信時間内に上記発番号有りの上記信号の着信回数と上記発番号無しの上記信号の着信回数とが、各々、対応する上記判定用着信回数になるとき上記報知音を出力することを特徴としている。
【0016】
請求項12記載の発明は、請求項9記載の携帯端末装置に係り、上記発呼信号は、2値信号列に変換可能な信号であり、上記報知音出力手段は、変換された上記二値信号列の各々が所定の関係になるとき上記報知音を出力することを特徴としている。
【0017】
請求項13記載の発明は、請求項9、10、11又は12記載の携帯端末装置に係り、上記報知音出力手段は、報知音情報を記憶する記憶手段を有し、上記報知音は、上記記憶手段の上記報知音情報に基づいて出力されることを特徴としている。
【0018】
請求項14記載の発明は、請求項13記載の携帯端末装置に係り、上記報知音情報は、着信音及び音量に関する情報であることを特徴としている。
【0019】
請求項15記載の発明は、請求項14記載の携帯端末装置に係り、上記着信音及び音量に関する情報は、上記記憶手段から読み出されるとき、時系列上で異なる値となるように構成されていることを特徴としている。
【0020】
請求項16記載の発明は、請求項14記載の携帯端末装置に係り、前記着信音及び音量に関する情報は、前記記憶手段から読み出されるとき、時系列上で異なる頻度となるように構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、携帯端末装置の紛失時に、複数種類の発呼信号からなる捜索信号を携帯端末装置外から携帯端末装置の受信手段に対して送信し、送信されて来る捜索信号の適否を判断し、その判断結果が肯定であれば、報知音を報知音出力手段から出力するようにしているから、同種の捜索信号には応答しなくなり、同種の捜索信号を送信する場合に比して、的確な報知を行うのに役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
この発明は、複数種類の発呼信号からなる捜索信号の携帯端末装置外からの送信と、その捜索信号の適否判断と、その判断の肯定により、報知音を出力することとにより構成される。
【実施例1】
【0023】
図1は、この発明の実施例1である携帯電話機の電気的構成を示す図、図2は、同携帯電話機の動作モードを捜索モードへ切り替えるのに用いられる判定用動作モード切替情報の設定を示す図、図3は、同携帯電話機の報知情報の設定を示す図、また、図4は、同携帯電話機の動作順序を示すフローチャートである。
この実施例の携帯電話機1は、紛失した携帯電話機の捜索に際して、携帯電話機の動作モードを捜索モードへ切り替え、切り替えられた捜索モードにおいてその呼び出しを捜索に役立つ着信音及び音量で行う電話機に係り、図1に示すように、アンテナ11と、無線部12と、制御部13と、表示部14と、キー操作部15と、バイブレータ16と、スピーカ17と、判定用動作モード切替情報記憶部18と、発番号通知判定回路19と、Aカウンター20と、Bカウンター21と、タイマー22と、判定回路23と、報知情報記憶部24とから概略構成されている。
【0024】
アンテナ11は、基地局(図示せず)との間で電波を送受信する素子である。
無線部12は、アンテナ11で受信した電気信号をベースバンドの信号に変換して復調する回路部である。制御部13は、プログラムを記憶するメモリを有し、そのプログラムを実行するCPUを含んで構成されて各部を制御する手段である。
表示部14は、メッセージ等を表示する回路部である。キー操作部15は、メッセージ等を入力する操作部である。バイブレータ16は、携帯電話機1を振動させる起振部である。スピーカ17は、着信音等を放音する素子である。
【0025】
判定用動作モード切替情報記憶部18は、制御部13の動作モードを捜索モードへ切り替えさせる切替条件(判定用動作モード切替情報)、すなわち、発番号通知有り回数:m回、発番号通知無し回数:n回及び監視時間:T分を記憶する手段である。
発番号通知判定回路19は、着信時に着信先が発番号通知して来るか否かを判定する回路である。
【0026】
Aカウンター20は、発番号通知有り回数を計数する回路である。Bカウンター21は、発番号通知無し回数を計数する回路である。タイマー22は、着信回数の経過時間を計時する回路である。
【0027】
判定回路23は、切替条件の成否、すなわち、判定用動作モード切替情報と動作モード切替情報との符合を判定する回路である。報知情報記憶部24は、捜索モードでの呼び出し条件(報知情報)、すなわち、着信音及び音量を記憶する手段である。
【0028】
次に、図1乃至図4を参照して、この実施例の動作を説明する。
先ず、紛失した携帯電話機1の捜索に備えて、判定用動作モード切替情報及び報知情報の登録について説明する。
携帯電話機1が待ち受け状態において(図4のステップS1)、キー操作部15の操作により判定用動作モード切替情報、すなわち、発番号通知有り回数:m回、発番号通知無し回数:n回及び着信回数設定時間:T分を制御部13の制御の下に判定用動作モード切替情報記憶部18に登録し(ステップS2、図2)、続いて報知情報、すなわち、着信音及び音量を選択して制御部13の制御の下に報知情報記憶部24に登録する(ステップS3、図3)。
【0029】
上述のようにして、判定用動作モード切替情報及び報知情報を登録している携帯電話機1を紛失したとき、その携帯電話機1に対して不特定の電話機(紛失した携帯電話機1を探すのに用いれる装置)から発番号通知有り又は発番号通知無しで電話を掛ける(ステップS4)。発番号通知有り又は発番号通知無しの発呼で送信される信号が、特許請求の範囲及び明細書でいう発呼信号の例である。
携帯電話機1は、その電波をアンテナ11で受信し、無線部12で復調して制御部13で着信を認識する(ステップS5)。
【0030】
携帯電話機1の応答があるときは(ステップS6のYES)、通常の通話に入り、その終了を行う(ステップS7、ステップS8)。
着信があっても、応答がないときには(ステップS6のNO)、捜索モードが開始されて(ステップS9)その着信が発番号通知有りであるか又は発番号通知無しであるかを発番号通知判定回路19で判定する(ステップS9)。
その判定が、発番号通知有りであるならば(ステップS10のYES)、Aカウンター20で発番号通知有りの回数を計数し(ステップS11)、上記判定が、発番号通知無しであるならば(ステップS10のNO)、Bカウンター21で発番号通知無しの回数を計数する(ステップS12)。
【0031】
そして、判定回路23において、着信回数設定時間T内に発番号通知有りの回数と発番号通知無しの回数が、それぞれ所定の回数、例えば、発番号通知有りの回数がm=5回で、発番号通知無しの回数がn=3回になっているか否かを判定し(ステップS13)、その判定が否定であるならば(ステップS13のNO)、待ち受け状態に戻って(ステップS4)同様の処理を行う。
【0032】
上記判定が肯定である、すなわち、捜索モードへの切替条件が満たされるならば(ステップS13のYES)、判定回路23から制御部13へモード切替信号が供給される。そのモード切替信号に応答して制御部13の動作モードは捜索モードに切り替えられ、制御部13が、報知情報記憶部24から報知情報、例えば、着信音情報及びその音量情報を読み出してその着信音情報に従った着信音で、かつ、音量情報に従った音量でスピーカー17から放音する(ステップS14)。
【0033】
このように、この実施例の構成によれば、携帯電話機に発番号通知有りの回数と、発番号通知無しの回数と、着信回数設定時間とを予め登録すると共に、着信音情報及び着信音量を予め登録し、その携帯電話機を紛失したとき、不特定の電話機から紛失した携帯電話機に発番号通知有りの電話と、発番号通知無しの電話とを掛け、着信回数設定時間内に発番号通知有りの着信回数と発番号通知無しの着信回数とが登録されている回数に達したならば、登録されている着信音情報及び音量情報を読み出して着信音情報で決まる着信音を音量情報で決まる音量で放音するようにしたので、携帯電話機探し以外の作為的な着信(故意による着信)に基づく呼び出しを排しつつ、紛失した携帯電話機に対する的確な呼び出しを行うのに役立つ。
【実施例2】
【0034】
図5は、この発明の実施例2である携帯電話機の電気的構成を示す図である。
この実施例の構成が、実施例1のそれと大きく異なる点は、捜索モードへ切り替えられたときの報知情報の着信音情報と音量情報とを時系列上で異ならしめる情報に構成した点である。
すなわち、この実施例の携帯電話機1Aは、図5に示すように、報知情報記憶部24Aに予め登録されるべき報知情報の着信音情報と音量情報とを時系列上で異ならしめる情報にして登録するようにしたことにこの実施例の特徴部分がある。
この構成以外のこの実施例の構成は、実施例1と同じであるので、同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その逐一の説明は省略する。
【0035】
次に、図5を参照して、この実施例の動作について説明する。
この実施例において、携帯電話機1Aに予め登録されるべき情報は、報知情報を除いて実施例1と同じである。
報知情報は、着信音情報と音量情報とを時系列上で異ならしめる情報にして報知情報記憶部24Aに予め登録される。
【0036】
そして、携帯電話機1Aを紛失したときに、その携帯電話機1Aに電話を掛ける態様も、実施例1と同じである。
携帯電話機1Aに掛けられる電話により、当該携帯電話機1Aの動作モードが捜索モードへ切り替えられる処理も、実施例1と同じである。
捜索モードへ切り替えられると、制御部13は報知情報記憶部24Aの読み出しを行う。
【0037】
この読み出しにより、時系列上で異ならしめられて登録されている着信音情報と音量情報とからなる報知情報が報知情報記憶部24Aから読み出されてその着信音情報で決まる着信音であって音量情報で決まる音量の放音信号が制御部13からスピーカー17に供給されてスピーカー17から上記音量の着信音が放音される。
【0038】
このように、この実施例の構成によれば、着信音情報と音量情報とが時系列上で異ならしめられて構成されているから、実施例1で得られる効果が失われることなく、放音される着信音に気付き易く、紛失した携帯電話機探しをし易くする効果が得られる。
【実施例3】
【0039】
図6は、この発明の実施例3である携帯電話機の電気的構成を示す図である。
この実施例の構成が、実施例1のそれと大きく異なる点は、捜索モードへ切り替えられたときの報知情報を、放音される着信音の放音頻度を時系列上で異ならしめる情報に構成した点である。
すなわち、この実施例の携帯電話機1Bは、図6に示すように、報知情報記憶部24Bに予め登録されるべき報知情報を、捜索モードへの切替時に放音される着信音の放音頻度を時系列上で異ならしめる情報にして登録するようにしたことにこの実施例の特徴部分がある。
この構成以外のこの実施例の構成は、実施例1と同じであるので、同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その逐一の説明は省略する。
【0040】
次に、図6を参照して、この実施例の動作について説明する。
この実施例において、携帯電話機1Bに予め登録されるべき情報は、報知情報を除いて実施例1と同じである。
報知情報は、着信音の放音頻度を時系列上で異ならしめる情報にして報知情報記憶部24Bに予め登録される。
【0041】
そして、携帯電話機1Bを紛失したときに、その携帯電話機1Bに電話を掛ける態様も、実施例1と同じである。
携帯電話機1Bに掛けられる電話により、当該携帯電話機1Bの動作モードが捜索モードへ切り替えられる処理も、実施例1と同じである。
捜索モードへ切り替えられると、制御部13は報知情報記憶部24Bの読み出しを行う。
【0042】
この読み出しにより、着信音の放音頻度を時系列上で異ならしめる情報としての報知情報が報知情報記憶部24Bから読み出されてその情報で決まる頻度の着信音の放音信号が制御部13からスピーカー17に供給されてスピーカー17から上記頻度の着信音が放音される。
【0043】
このように、この実施例の構成によれば、着信音の頻度が時系列上で異ならしめられて構成されているから、実施例1で得られる効果が失われることなく、放音される着信音に気付き易く、紛失した携帯電話機探しをし易くする効果が得られる。
【実施例4】
【0044】
図7は、この発明の実施例4である携帯電話機の電気的構成を示す図である。
この実施例の構成が、実施例1のそれと大きく異なる点は、着信したとき留守番電話機能部を介して受信した判定用動作モード切替情報を記憶部に記憶させ、予め登録されている判定用動作モード切替情報と受信した動作モード切替情報とを比較判定して一致するとき報知情報に基づく放音を行うようにした点である。
【0045】
すなわち、この実施例の携帯電話機1Cは、図7に示すように、留守番電話機能部31と、動作モード切替情報記憶部32と、読み出し部33と、判定部34と、判定用動作モード切替情報記憶部18Aとをその特徴部分として有して構成される。
留守番機能部31は、留守番電話に切り替えられた後に、送信されて来る動作モード切替情報(例えば、特殊記号コード及び数字コードからなる情報)を動作モード切替情報記憶部32に記憶させると共に、この記憶終了時に終了信号を読み出し部33に送出する。
読み出し部33は、終了信号に応答して動作モード切替情報記憶部32の読み出しを行って読み出された動作モード切替情報を判定部34に転送する。
【0046】
判定部34は、転送されて来た動作モード切替情報と判定用動作モード切替情報記憶部18Aの判定用動作モード切替情報との符合が得られたとき捜索モードへのモード切替信号を制御部13に送出する。
この構成以外のこの実施例の構成は、実施例1と同じであるので、同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その逐一の説明は省略する。
【0047】
次に、図7を参照して、この実施例の動作について説明する。
先ず、携帯電話機1Cの紛失に備えて、捜索モードへの切替に用いる判定用動作モード切替情報を判定用動作モード切替情報記憶部18Aに登録する。報知情報記憶部24への登録は、実施例1と同じである。
【0048】
この登録後に、不特定の電話機から携帯電話機1Cに着信があり、応答がない場合に、留守番電話機能部31に設定されている所定の時間経過すると、留守番電話機能部31が動作し始め、不特定の電話機から動作モード切替情報が送信されて来る。
その動作モード切替情報は、留守番機能部31から動作モード切替情報記憶部32に転送されてそこに記憶される。その記憶終了時に、終了信号が、留守番機能部31から読み出し部33に送出される。
【0049】
読み出し部33は、動作モード切替情報記憶部32の動作モード切替情報を読み出して判定部34に転送する。判定部34は、転送されて来た動作モード切替情報と、判定用動作モード切替情報記憶部18Aから読み出した判定用動作モード切替情報との符合を取る。
その符合が得られたとき、判定部34は、モード切替信号を制御部13に送出する。
【0050】
制御部13での動作モードを捜索モードへ切り替える処理も、実施例1と同じである。
捜索モードへ切り替えられると、制御部13は報知情報記憶部24の読み出しを行う。
この読み出しによる携帯電話機1Cの捜索に供される着信音の放音処理は、実施例1と同じである。
【0051】
このように、この実施例の構成によれば、紛失した携帯電話機探しをしようとする他の電話機から動作モード切替情報を送るようにしても、実施例1と同効が得られる。
【0052】
以上、この発明の実施例を、図面を参照して詳述してきたが、この発明の具体的な構成は、これらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもそれらはこの発明に含まれる。
例えば、紛失した携帯電話機の在り処を知らせるのに、上記いずれの実施例でも、着信音の放音を使用しているが、バイブレータで代替をしてもよい。また、発光で代替してもよい。紛失場所によっては、これらの組み合わせを用いてもよい。
【0053】
上記実施例4における動作モード切替情報は、捜索のために予め用意された情報列で、その情報列の同定処理乃至情報列の適否処理を行い、その肯定が得られたとき報知情報に基づく呼び出しを行うようにしてもよく、その場合には、受信した動作モード切替情報の登録を必要としない。
また、上記実施例は、いずれも、携帯電話機についての実施例であるが、これに限られるものではなく、PDA等の携帯端末装置でもこの発明を実施し得る。
【産業上の利用可能性】
【0054】
ここに開示している携帯端末装置の捜索方法及びその装置は、呼び出し可能な各種の携帯装置でも利用し得る。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】この発明の実施例1である携帯電話機の電気的構成を示す図である。
【図2】同携帯電話機の動作モードを捜索モードへ切り替えるのに用いられる判定用動作モード切替情報の設定を示す図である。
【図3】同携帯電話機の報知情報の設定を示す図である。
【図4】同携帯電話機の動作順序を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施例2である携帯電話機の電気的構成を示す図である。
【図6】この発明の実施例3である携帯電話機の電気的構成を示す図である。
【図7】この発明の実施例4である携帯電話機の電気的構成を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1、1A、1B、1C 携帯電話機(携帯端末装置)
11 アンテナ(受信手段の一部)
12 無線部(受信手段の一部)
13 制御部(受信手段の一部、報知音出力手段の一部)
17 スピーカ(報知音出力手段の残部)
18、18A 判定用動作モード切替情報記憶部(判断手段の一部、)
19 発番号通知判定回路(受信手段の残部)
20 Aカウンター(判断手段の一部)
21 Bカウンター(判断手段の一部)
22 タイマー(判断手段の一部)
23 判定回路(判断手段の残部)
24 報知情報記憶部(報知音記憶手段)
31 留守番電話機能部(判断手段の一部)
32 記憶部(判断手段の一部)
33 読み出し部(判断手段の一部)
34 判定部(判断手段の残部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末装置を捜索する方法であって、
複数種類の発呼信号からなる捜索信号を無線回線を介して前記携帯端末装置へ送信し、
前記携帯端末装置側では受信された前記捜索信号の適正を判断し、
前記捜索信号が適正であるとの結果が得られれば、当該携帯端末装置の所在を知らせる報知音を出力することを特徴とする携帯端末装置の捜索方法。
【請求項2】
前記携帯端末装置側では、適正な捜索信号と一致する参照信号を予め参照信号記憶手段に記憶しておき、前記捜索信号を受信すると、前記参照信号記憶手段に記憶されている前記参照信号を読み出して当該参照信号と受信した前記捜索信号とが一致しているか否かを判断し、一致しているときは当該携帯端末装置の所在を知らせる報知音を出力することを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置の捜索方法。
【請求項3】
前記捜索信号は、発番号有りの信号と発番号無しの信号とからなり、
前記参照信号は、前記発番号有りの前記信号の判定用着信回数及び前記発番号無しの前記信号の判定用着信回数並びに所定の着信時間であり、
前記報知音は、所定の前記着信時間内に前記発番号有りの前記信号の着信回数と前記発番号無しの前記信号の着信回数とが、各々、対応する前記判定用着信回数になるとき出力されることを特徴とする請求項2記載の携帯端末装置の捜索方法。
【請求項4】
前記発呼信号は、2値信号列に変換可能な信号であり、
前記報知音は、変換された前記二値信号列の各々が所定の関係になるとき出力されることを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置の捜索方法。
【請求項5】
前記報知音は、記憶手段に記憶される報知音情報に基づいて出力されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の携帯端末装置の捜索方法。
【請求項6】
前記報知音情報は、着信音及び音量に関する情報であることを特徴とする請求項5記載の携帯端末装置の捜索方法。
【請求項7】
前記着信音及び音量に関する情報は、前記記憶手段から読み出されるとき、時系列上で異なる値となるように構成されていることを特徴とする請求項6記載の携帯端末装置の捜索方法。
【請求項8】
前記着信音及び音量に関する情報は、前記記憶手段から読み出されるとき、時系列上で異なる頻度となるように構成されていることを特徴とする請求項6記載の携帯端末装置の捜索方法。
【請求項9】
自機の所在を知らせる報知手段を有する携帯端末装置であって、
複数種類の発呼信号からなる捜索信号を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信される前記捜索信号の適正を判断する判断手段と、
該判断手段によって前記捜索信号が適正であるとの判断が得られるとき当該携帯端末装置の所在を知らせる報知音を出力する報知音出力手段とを備えてなることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項10】
適正な参照信号を記憶する参照信号記憶手段を有し、前記判断手段は、前記受信手段で前記捜索信号を受信すると、前記参照信号記憶手段の参照信号を読み出して当該参照信号と受信した前記捜索信号とが一致しているか否かを判断し、前記報知音出力手段は、前記判断手段が一致を示すとき当該携帯端末装置の所在を知らせる報知音を出力することを特徴とする請求項9記載の携帯端末装置。
【請求項11】
前記捜索信号は、発番号有りの信号と発番号無しの信号とからなり、
前記参照信号は、前記発番号有りの前記信号の判定用着信回数及び前記発番号無しの前記信号の判定用着信回数並びに所定の着信時間であり、
前記報知音出力手段は、所定の前記着信時間内に前記発番号有りの前記信号の着信回数と前記発番号無しの前記信号の着信回数とが、各々、対応する前記判定用着信回数になるとき前記報知音を出力することを特徴とする請求項10記載の携帯端末装置。
【請求項12】
前記発呼信号は、2値信号列に変換可能な信号であり、
前記報知音出力手段は、変換された前記二値信号列の各々が所定の関係になるとき前記報知音を出力することを特徴とする請求項9記載の携帯端末装置。
【請求項13】
前記報知音出力手段は、報知音情報を記憶する記憶手段を有し、前記報知音は、前記記憶手段の前記報知音情報に基づいて出力されることを特徴とする請求項9、10、11又は12記載の携帯端末装置。
【請求項14】
前記報知音情報は、着信音及び音量に関する情報であることを特徴とする請求項13記載の携帯端末装置。
【請求項15】
前記着信音及び音量に関する情報は、前記記憶手段から読み出されるとき、時系列上で異なる値となるように構成されていることを特徴とする請求項14記載の携帯端末装置。
【請求項16】
前記着信音及び音量に関する情報は、前記記憶手段から読み出されるとき、時系列上で異なる頻度となるように構成されていることを特徴とする請求項14記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−332874(P2006−332874A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−151180(P2005−151180)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】