説明

携帯電話用アダプタ、携帯電話用アダプタを用いた情報処理システムおよび情報処理方法

【課題】 携帯電話に接続することで、種々の情報をプッシュボタン信号に変換してサーバ等へ伝送するができる多機能型の携帯電話用アダプタを得る。
【解決手段】 携帯電話20に接続されて情報を授受する接続手段11を経て携帯電話による通信を制御する制御手段(制御部)12と、無線タグ40が有する情報を受信し該情報を読取るタグ情報読取り部(RFIDモジュール部)16を備える。制御手段は、所定の通信先30へのダイヤル発信を携帯電話へ指令するとともに接続確立を確認する機能と、携帯電話に記録された顧客固有情報を読出し所定の変換規則に基づいてプッシュボタン信号の列に変換して伝送させる変換伝送手段により通信先に伝送して認証を受ける機能と、タグ情報を含む送信情報を変換伝送手段により変換して通信先に伝送する機能を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話等の情報処理端末に接続することで、データをプッシュボタン信号(いわゆるPB信号)に変換してセンター等に伝送することができる携帯電話用アダプタ、これを用いた情報処理システムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理および通信技術の発達に伴って携帯電話(携帯型電話端末装置等の情報処理端末の意味で、通信機能を備えておればよく、PHS等も含む。以下同じ)の普及がめざましい。この種の携帯電話の規格には、国や地域、通信サービス会社(キャリア)、技術規格の世代などに応じ、PDC、CDMA、GMS、PHSなどがあるが、ほとんどの機種では、その規格に応じた端部コネクタ等の外部インタフェースを備えている。
【0003】
このような携帯電話の外部インタフェースに装着し、携帯電話の持つダイヤル発信機能やWebアクセス機能を使って所定の電話番号やWebサイトへ接続したり、そのような接続先と情報をやり取りして情報処理を行う外部機器をアダプタと呼ぶ。この種のアダプタとしては、携帯に便利な掌中タイプの小型品や、また、他の情報機器と携帯電話との間を仲介するものも考えられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記のような外部インタフェースから信号を送り込んで制御できる携帯電話の機能のうち、制御信号形式等にキャリアや機種間の違いがない基本機能として、ダイヤル発信機能がある。このような携帯電話のダイヤル発信機能を用いる外部機器は、物理的なコネクタの形状や信号ピン配列などが共通する限り、互いに異なる複数のキャリアや機種に共用の製品として実現可能であり、その代表例は、各社PDC携帯と接続して所定の電話番号への自動ダイヤル発信を行わせるユニットなどがある。
【0005】
一方、携帯電話の機能のうち、Webアクセスやメール送信など比較的高度又は付加的な機能(以下、「付加機能」と呼ぶ)については、そのような付加機能を全く用意しない携帯電話やキャリアがあるだけでなく、送受信コマンドなどの規格や仕様がキャリアや機種ごとに異なる。このため、付加機能を用いるアダプタ等の外部機器は、個々のキャリアや機種群ごとの専用品にしたり、キャリアの違いや携帯電話の機種の違いを識別して制御内容を変えることで実施している。
【0006】
【特許文献1】特開2002−223311
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、上述したようなWebアクセスやメール送信などの付加機能を用いるアダプタ等の外部機器では、個々のキャリアの違いや、携帯電話の機種毎の違いを認識し、携帯電話の制御方法を変える必要があり、しかも、これらの機能を全く受け付けられない携帯電話も現行機に於いても複数存在してしまうという問題があった。
また、新規の携帯電話が発売されれば、それに対応したプログラムをアダプタに実装しなければならないため、アダプタ発売後のプログラムの更新を如何にするかという問題も発生する。
【0008】
さらに、この種のアダプタを利用するアプリケーションを開発する段階で、上述したようなWebアクセスやメールの機能を利用しなくても、情報をセンター側に送ることができれば、機能的に充分に満足できるアプリケーションもあることから、このような点を考慮し、何らかの対策を講じることが望まれている。
【0009】
また、上述したような情報の授受を必要とするものに、タグ(ICカード、その他の無線タグ)がある。このタグの情報を読むには、RFIDリーダ/ライタと呼ばれる機器が必要となるが、このRFIDリーダ/ライタは、PC(パーソナルコンピュータ)等の端末がないと、タグの情報を取得して他の場所、環境(センター等)に送ることができないものであって、何らかの対策を講じることが望まれている。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、携帯電話に接続することにより、データをプッシュボタン信号に変換してサーバ等へ伝送することにより、携帯電話のキャリアや機種を問わず機器やプログラムを汎用化可能な場合を飛躍的に増大させ、使い勝手やコストも効果的に改善することができるとともに、タグの情報の取得、センター等への送信等も行うことができる携帯電話用アダプタ、これを用いた情報処理システムおよび情報処理方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的に応えるために本発明(請求項1記載の発明)に係る携帯電話用アダプタは、携帯電話に接続されて情報を授受する接続手段と、前記接続手段を経て前記携帯電話による通信を制御する制御手段と、無線タグが有する情報を受信し該情報を読取るタグ情報読取り部とを備え、前記制御手段は、前記接続手段を経て所定の通信先へのダイヤル発信を前記携帯電話へ指令するとともに前記通信先との接続確立を確認する機能と、前記携帯電話に記録された顧客固有情報をその携帯電話から読出し該顧客固有情報を所定の変換規則に基づいてプッシュボタン信号の列に変換して伝送させる変換伝送手段により通信先に伝送することにより認証を受ける機能と、前記無線タグの情報を含む送信情報を前記変換伝送手段により変換して通信先に伝送する機能を備えてなることを特徴とする。
【0012】
本発明(請求項2記載の発明)に係る携帯電話用アダプタは、請求項1において、前記変換伝送手段は、前記処理手段により、送信データを変換したプッシュボタン信号の列を発生させるためのダイヤル操作指令コードの列を前記携帯電話へ送ることによってデータ伝送を行わせることを特徴とする。
【0013】
本発明(請求項3記載の発明)に係る携帯電話用アダプタを用いた情報処理システムは、請求項1または請求項2記載の携帯電話用アダプタと、この携帯電話用アダプタを接続する携帯電話と、この携帯電話と携帯電話回線を含む電話回線により接続される通信先と、前記携帯電話用アダプタに近接させることにより近距離無線通信により情報の授受を行う無線タグとを備えてなることを特徴とする。
【0014】
本発明(請求項4記載の発明)に係る情報処理方法は、請求項3記載の情報処理システムを用いた情報処理方法であって、携帯電話に接続手段を介して携帯電話用アダプタを接続し、この状態において、該アダプタに無線タグを接近させて近距離無線通信によりタグの情報をタグ情報読取り部で読取り、次で、携帯電話のダイヤル発信による通信先との接続を確認した後、前記タグの情報を含む送信情報を所定の変換規則に基づいてプッシュボタン信号の列に変換して伝送させる変換伝送手段により通信先に伝送し、通信先で該プッシュボタン信号による受信信号を復元することにより情報の授受を行うことを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、携帯電話用アダプタを用いることにより、プロトコルを問わずどのようなデータでも音声信号であるプッシュボタン信号として伝送することにより、Webアクセスやメール送信などにおけるようなキャリアや機種、新機種等の違いや固有規格に依存したり個別対応することなく、タグの情報やアプリケーションプログラムなどを、キャリアや機種不問の汎用品として実現可能な場合が飛躍的に増大させることができるのであり、使い勝手やコストも効果的に改善できる。
【0016】
また、本発明によれば、プッシュボタンのピポパ音をアダプタではなく、携帯電話側の回路で発生させるので、通信先のサーバ側へ伝送させる波形に劣化が少なく、情報伝送精度や伝送速度の改善が容易になる。さらに、本発明では、携帯電話から読出した顧客固有情報をプッシュボタン音で送ることにより、キャリアや機種の固有規格に影響されることなく認証を受けることが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明に係る携帯電話用アダプタおよび情報処理システムによれば、携帯電話に接続することにより、種々の情報、データをプッシュボタン信号に変換してセンター等の通信先に伝送することができるものであり、携帯電話のキャリアや機種を問わず、機器やプログラムの汎用化可能な場合を飛躍的に増大させ、使い勝手やコストも効果的に改善することができるという優れた効果を奏する。
【0018】
特に、本発明に係る携帯電話用アダプタによれば、RFIDリーダ/ライタの機能を備え、タグを接近させたり接触させたりすることで、該タグの情報を読取り、これをPB信号を利用して通信先であるセンター側に送信することができるものであり、PC等を用いることなく、タグの情報をきわめて簡単にセンター側に送信することができるという効果がある。また、一部の3G携帯電話は除くが、キャリアや機種間の違いによる個別のプログラム対応がなくなり、新機種への対応もプログラム変更をせずに確認のみで対応可能となる等の利点がある。
【0019】
現在考えられるアプリケーションとしては、たとえば、携帯電話を利用した勤怠管理システムで、出退勤のフラグ、日時、アダプタ個々に割り振ったID、携帯電話の電話番号等、必要な情報を送ることができるもの、さらには、健康器具に内蔵すれば、日時、アダプタ個々に割り振ったID、かざしたタグの情報、接続した携帯電話の電話番号、測定値を送ることができるもの、等があり、それ以外にも、色々な用途に流用可能と考える。
【0020】
また、本発明に係る情報処理方法によれば、携帯電話に携帯電話用アダプタを接続した状態において、ダイヤル後、接続を確認し、ダイヤルの電文として、読込んだタグの情報を携帯電話に送ることにより、通信先のセンター側では、PB信号として受信できるため、PB信号に送りたい情報をマッピングし、センター側で復元することで情報の受信を行うことができるのであり、タグの情報の授受を携帯電話を活用してきわめて簡単に行うことができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は本発明に係る携帯電話用アダプタ、これを用いた情報処理システムおよび情報処理方法の一実施形態を示す。
図において、符号10は、携帯電話20に装着して用いる着脱可能な携帯電話用アダプタ(以下、単に「アダプタ」と呼ぶ)である。このアダプタ10は、種々の情報、データをプッシュボタン信号(PB信号)に変換し、携帯電話回線を介して、通信先となるセンター設備等のサーバシステム(以下、単に「サーバ」と呼ぶ)等を備えたセンター30側に伝送する機能を備えている。なお、上述した携帯電話20とセンター30との間の電話回線としては、携帯電話回線に限らず、一般加入電話回線、IP電話回線等を適宜組み合わせて接続されるものであればよい。
【0022】
本実施形態におけるアダプタ10は、図1に示すように、携帯電話20に設けられているPDC等の外部インタフェース21と接続し情報を授受するインタフェース11などの接続手段と、前記接続手段を経て携帯電話20による通信を制御する図示しないCPUやメモリなどの処理手段とを備える。この処理手段(携帯電話制御およびRFID制御部12;以下、単に「制御部」と呼ぶ)は、より具体的には、アダプタ10に内蔵の電子回路が、または組込み等のプログラムがメモリやCPUを備えるマイコン等のコンピュータを制御することにより、後述する機能、処理、作用を実現、実行する各要素(13,14)等を構成するものである。
【0023】
すなわち、アダプタ10は、携帯電話20に接続されたときに、該携帯電話20の情報、たとえば電話番号等を読取る携帯情報読取り部13や、その情報を符号化するデータコード化部14等を備え、制御部12による情報制御によって携帯電話20からセンター30側への情報伝送を行うように構成されている。
【0024】
また、本実施形態におけるアダプタ10は、ICカード等の無線タグ40から適宜の情報を受け取るRFIDアンテナ部15と、該タグ40の情報を読取るリード/ライタ機能を有するRFIDモジュール部16を備えている。したがって、適宜のタグ40を、アダプタ10に近接させたり、接触させたりすることで、該タグ40の情報をアダプタ10が取り込むことができ、これにより制御部12による情報の伝送が可能となるものである。
【0025】
なお、上記のアダプタ10としては、携帯電話20以外のさらに他の外部機器と接続するとともに前記処理手段がその外部機器から前記送信データの入力を受け付けるための第二の接続手段として、例えば、USB等の外部インタフェース(図示せず)を備えるものであってもよい。
【0026】
また、センター30側は、電話回線と接続し電話の着信を受け付ける着信受付回路などの受付手段と、前記着信受付回路による外部との通信及び情報処理を行う処理手段とを備えるものであればよい。
【0027】
以上の構成による携帯電話用アダプタ10を用いた情報処理システムは、次のようにして情報の授受を行う。
すなわち、ユーザは、本実施形態におけるアダプタ10を用いてセンター30側へデータ送信を行おうとする場合、携帯電話20の外部インタフェース21にアダプタ10のインタフェース11を装着した状態で、アダプタ10に所定の操作を行うと、アダプタ10は図2のフローチャートに示すように通信を行う。
【0028】
まず、アダプタ10では、携帯情報読取り部13が、前記処理手段である制御部12により、電話番号、ユーザID、端末製造番号などの顧客固有情報を、所定の読出し指令を用いて携帯電話20から読出す(図2のS1)。
【0029】
続いて、アダプタ10に対してタグ40を接近させてかざす(S2)と、アダプタ10内のRFIDモジュール部16は、RFIDアンテナ部15を介してタグ40の情報を取得する(S3)。
【0030】
続いて、制御部12が接続手段であるインタフェース11を経て、所定の通信先へのダイヤル発信を携帯電話20へ指令するとともに(S4)、前記通信先であるセンター30側との接続確立を確認する(S5)。
【0031】
また、制御部12は、所定の認証IDや上記のように読出したそれら顧客固有情報をデータコード化部14により変換してセンター30側に伝送することにより認証を受ける(S6,S7)。
そして、認証通過後にタグ40の情報等といった目的のデータを伝送する際、データコード化部14は、送信データを変換したプッシュボタン信号の列を発生させるためのダイヤル操作指令コードの列を携帯電話20へ送ることによってデータ伝送を行わせる。
【0032】
より具体的には、データコード化部14は制御部12により、送信データをいったんメモリ等の記憶手段に蓄積のうえ、所定の変換規則に基づいてプッシュボタン信号、すなわちDTMF(Dial Tone Multi Frequency)信号の列に変換(マッピング)してインタフェース11及び携帯電話20を経て通信先のセンター30側へ伝送させる(S8)。通信終了後(S9)は、携帯電話20からアダプタ10を取り外せばよい。
【0033】
なお、センター30側での情報の受信処理は、以下のように行われる。
すなわち、携帯電話20からの電話の着信を検出すると、その携帯電話20から伝送されるプッシュボタン信号をもとに所定の変換規則に基づいて受信データが復元され、センター30側での本人認証、情報受信などの情報処理が、復元された受信データに基づいて行われる。
ここで、このセンター30側での登録完了通知をメールまたはコールにより返信するように構成してもよい。
【0034】
具体的には、センター30側の情報処理部は、携帯電話20からの着信があったときに、発信者番号通知、またはその携帯電話20からプッシュボタン信号として伝送されデータ復元部で復元された受信データに含まれるID等の顧客固有情報の少なくとも一方または適宜の組合せに基づいて正規ユーザからのアクセスか否か認証を行う。そのうえで、さらに上記と同様に、音声データ中のプッシュボタン信号の形で伝送及び復元された目的の伝送データを、任意のアプリケーション処理に用いる。
【0035】
ここで、プッシュボタン信号(ピポパ音によるPB信号)を用いたデータ伝送の一例を示す。
すなわち、携帯電話20は、PB信号として、「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,*、#」の12種類の信号を送信できる。したがって、例えば、数値データは、PB信号「0」「1」「2」…「8」「9」で各桁にそのまま対応させ、「*」「#」は単独で、又は「*1」「#2」のような組合せにより数値区切りや小数点などを表す等の変換規則を用いることで、一又は二以上の整数や実数等の数値を伝送できる。
【0036】
また、数値以外のデータを送る場合は、送りたいデータとPB信号の割付を所定の規則性でマッピングすることにより自由に伝送できる。また、HEX値(16進数)を転送する場合も、常に2つのPB信号を割り当てれば転送できる。
例えば文字列の場合、ページャ(登録商標:ポケットベル)等におけるカナ入力の要領に準じ、例えば、カナ英数記号一文字を数字2桁で表して伝送できる。一例として、送信データである文字列「アシタ」を元に、「ア」→11、「シ」→32、「タ」→41のように置き換えれば、「113241」というプッシュボタン音(ピポパ音)の並びとして伝送し、受信側で逆変換することによりもとの文字列「アシタ」が復元できる。また、2進数、16進数などどのような表現形式のバイナリデータ、ヘキサデータでも、プッシュボタン信号「0」「1」「2」…「8」「9」「*」「#」の12値による12進数との間で進数変換など目的に合わせた所望の変換(マッピング)を行えば伝送が実現する。
【0037】
以上、本実施形態では、図3に簡略化して示すシーケンス図のように、タグ40からアダプタ10に対し、情報の伝送が行われるとともに、アダプタ10から携帯電話20に対し、フックスイッチのON、OFF、ダイヤル発信の他に、プッシュボタン(PB)信号を、データ伝送のために用いて行われることになる。
【0038】
上記のようなタグ40の情報を含むデータ伝送を適用可能な応用分野すなわちアプリケーションは無限であり、具体的に限定するものではないが、一例として、従来はキャリアや機種への依存性があった電子メールや各種インスタント・メッセージ等の他にも、携帯電話を利用した勤怠管理システムにおける出退勤のフラグや日時、健康管理器具などにおける日時、測定値など、各種数値等時系列データのほか、アダプタ個々に割り振ったID、携帯電話の電話番号といったユーザごと固有の所望のデータを、外部機器からアダプタへ提供し、PB信号に変換してサーバシステムへ送ることが考えられる。
【0039】
なお、セキュリティ等具体的な事情に応じて実現態様はどのようにも変形可能であり、例えば、データ等の登録完了通知をセンターから、電子メールやコールバックなどにより携帯電話へ送るなどの例も本発明の範囲内であり、このようにすればなりすまし等の不正アクセスなども効果的に防止できる。
【0040】
以上のようなアダプタ10を用いた情報処理システムでは、プロトコルを問わずどのようなデータでも音声信号であるプッシュボタン信号として伝送することにより、Webアクセスやメール送信などにおけるようなキャリアや機種、新機種等の違いや固有規格に依存したり個別対応することなく、アダプタ等の外部機器やアプリケーションプログラムなどを、キャリアや機種不問の汎用品として実現可能な場合が飛躍的に増大し、使い勝手やコストも効果的に改善できる。
【0041】
また、本実施形態では、上記ダイヤル操作指令コードなどを用いて、プッシュボタンのピポパ音をアダプタや外部機器ではなく、携帯電話側の回路で発生させることにより、通信先のサーバ側へ伝送させる波形に劣化が少なく、情報伝送精度や伝送速度の改善が容易になる。
【0042】
また、本実施形態では、携帯電話から読出した顧客固有情報をプッシュボタン音で送ることにより、キャリアや機種の固有規格に影響されることなく認証を受けることが可能となる。
【0043】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するもの及びそれ以外のものを含む他の実施形態も含むものである。例えば、本発明の適用対象は、狭義の携帯電話には限定されず、PHSなども含む。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る携帯電話用アダプタの一実施の形態を示すシステム全体の概略構成図である。
【図2】本発明に係る携帯電話用アダプタを用いた情報送信手順を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明に係る携帯電話用アダプタを用いた際の通信を簡略化して示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0045】
10…携帯電話用アダプタ、11…インタフェース、12…携帯電話制御およびRFID制御部(制御部)、13…携帯情報読取り部、14…データコード化部、15…RFIDアンテナ部、16…RFIDモジュール部、20…携帯電話、21…外部インタフェース、30…通信先であるセンター、40…タグ(ICカード)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話に接続されて情報を授受する接続手段と、
前記接続手段を経て前記携帯電話による通信を制御する制御手段と、
無線タグが有する情報を受信し該情報を読取るタグ情報読取り部とを備え、
前記制御手段は、前記接続手段を経て所定の通信先へのダイヤル発信を前記携帯電話へ指令するとともに前記通信先との接続確立を確認する機能と、前記携帯電話に記録された顧客固有情報をその携帯電話から読出し該顧客固有情報を所定の変換規則に基づいてプッシュボタン信号の列に変換して伝送させる変換伝送手段により通信先に伝送することにより認証を受ける機能と、前記無線タグの情報を含む送信情報を前記変換伝送手段により変換して通信先に伝送する機能を備えてなることを特徴とする携帯電話用アダプタ。
【請求項2】
請求項1記載の携帯電話用アダプタにおいて、
前記変換伝送手段は、前記処理手段により、送信データを変換したプッシュボタン信号の列を発生させるためのダイヤル操作指令コードの列を前記携帯電話へ送ることによってデータ伝送を行わせることを特徴とする携帯電話用アダプタ。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の携帯電話用アダプタと、
この携帯電話用アダプタを接続する携帯電話と、
この携帯電話と携帯電話回線を含む電話回線により接続される通信先と、
前記携帯電話用アダプタに近接させることにより近距離無線通信により情報の授受を行う無線タグとを備えてなることを特徴とする携帯電話用アダプタを用いた情報処理システム。
【請求項4】
請求項3記載の情報処理システムを用いた情報処理方法であって、
携帯電話に接続手段を介して携帯電話用アダプタを接続し、
この状態において、該アダプタに無線タグを接近させて近距離無線通信によりタグの情報をタグ情報読取り部で読取り、
次で、携帯電話のダイヤル発信による通信先との接続を確認した後、
前記タグの情報を含む送信情報を所定の変換規則に基づいてプッシュボタン信号の列に変換して伝送させる変換伝送手段により通信先に伝送し、
通信先で該プッシュボタン信号による受信信号を復元することにより情報の授受を行うことを特徴とする情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−339708(P2006−339708A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−158529(P2005−158529)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(390005223)株式会社タムラ製作所 (526)
【Fターム(参考)】