説明

操作入力装置及びそれを備えた画像形成装置

【課題】キー入力操作を減らし、また操作パネル上でキー入力に係る部材が簡素化され、手入力する数値入力機能の操作性が向上した操作入力装置及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】テンキー3の押圧時間に基づいて、キー入力の種別を判定するための判定基準値を設定する判定基準値設定部12と、判定基準値設定部12により設定された判定基準値に基づいて、キー入力に対して通常入力のキー入力と長押しによるキー入力を判定するキー入力判定部11とを有する。制御手段10は、通常入力によりキー入力された第1の数値データを液晶表示部6に点灯表示した後に、長押しによりキー入力されると、第1の数値データを点滅表示して、その後、通常入力により第2の数値データをキー入力されると、第1の数値データを第2の数値データに変更して表示するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キー入力を行うことができる操作入力装置に関し、特に印刷枚数等を入力する操作入力装置を備えた複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、複写機では印刷枚数や拡大・縮小倍率を数値入力し、またファクシミリでは電話番号等を数値入力する必要があり、これらの数値を数値入力キー(例えば、テンキー)により入力することができるようになっている。例えば特許文献1では、画像形成装置は、操作パネルにクリアキーやストップキーとともに常設されたテンキーと、タッチパネル式の仮想的なテンキーを表示する表示部と、仮想テンキーから入力された数値データに基づいて複写倍率を制御する倍率制御部と、常設テンキーから入力された数値データに基づいて印刷枚数を制御する印刷枚数制御部とを具備している。そしてオペレータが印刷枚数を変更したい場合には、常設テンキーを操作して所望の印刷枚数を入力する。常設テンキーから入力された数値データは、制御手段により検知され、その検知データしたがって印刷枚数を決定され、このとき、表示画面上では、印刷枚数が所望の数値に変更される。
【0003】
しかしながら、通常印刷枚数の入力において、誤って入力した数値を変更して再入力する場合、まず操作パネル上にテンキーとは別設されたクリアキーを押して、表示画面上の誤った数値データを消去し、次にテンキーから変更する数値データを入力することになる。例えば所望の印刷枚数が250枚であるところを、テンキーから数値「251」と誤って入力した場合でも、数値データ「251」を全てクリアキーにより消去して、改めて「250」と3回テンキーから数値データを再入力することが必要である。またファクシミリにおいて1箇所の数値を間違った電話番号を再入力するときにも、市外局番、市内局番、加入者番号の略10桁の数値を入力し直すことになり、一層煩雑な操作を行わなければならないという不都合があった。
【特許文献1】特開平11−282314号公報(段落[0011]―[0015]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、キー入力操作を減らし、また操作パネル上でキー入力に係る部材が簡素化され、手入力する数値入力機能の操作性が向上した操作入力装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明は、キー入力を行うことができる操作入力装置において、数値入力キーと、前記数値入力キーから入力された数値データを表示する表示部と、前記数値入力キーの押圧時間を計測し、該キーの押圧時間に基づいて、キー入力の種別を判定するための判定基準値を設定する判定基準値設定部と、上記判定基準値設定部により設定された判定基準値に基づいて、キー入力に対して2通りの種別を判定するキー入力判定部とを有する制御手段とを備え、前記制御手段は、第1の種別によりキー入力された第1の数字データを前記表示部に点灯表示した後に、第2の種別によりキー入力されると、第1の数字データを前記表示部に前記点灯表示と異なる表示を行い、その後、第1の種別により第2の数値データをキー入力されると、第1の数値データを第2の数値データに変更して前記表示部に表示するように制御することを特徴としている。
【0006】
この構成によれば、第1の数値データを第2の数値データに変更して入力する場合に、第2の種別によりキー入力すると、点灯表示された第1の数値データが点灯表示と異なる表示に変り、この状態で、第1の種別により第2の数値データがキー入力されると、点滅している第1の数値データが第2の数値データに変更される。
【0007】
また、本発明は、上記の構成の操作入力装置において、前記制御手段は、前記数値入力キーから第2の種別によりキー入力されると、該数値データを点滅表示することを特徴としている。この構成によれば、入力変更する数値データが点灯表示から点滅表示に変わる。
【0008】
また、本発明は、上記の構成の操作入力装置において、前記制御手段は、第1の種別によりキー入力された2桁以上の第1の数値データを前記表示部に点灯表示した後に、第2の種別によりキー入力が継続されると、第1の数値データを前記表示部に順次点滅表示して、その後、所望の第1の数値データが点滅しているときに、第2の種別によるキー入力が終了されて、第1の種別により第2の数値がキー入力されると、所望の第1の数値データを第2の数値データに変更して前記表示部に表示するように制御することを特徴としている。この構成によれば、桁数が大きい数値データを変更して入力する場合に、第2の種別によりキー入力すると、2桁以上の第1の数値データが順次点滅表示され、その数値データの中から、変更すべき数値データが点滅した直後に第2の種別の入力を止めて、第1の種別によりキー入力されると、変更すべき数値データが第2の数値データに変更される。
【0009】
また、本発明は、上記の構成の操作入力装置において、第2の種別によるキー入力は、前記数値入力キーを所定時間以上押す操作であることを特徴としている。この構成によれば、数値入力キーを所定時間以上押すと、表示部に点灯表示していた数値データが点滅表示等の点灯表示と異なる表示に変わる。
【0010】
また、本発明は、上記の構成の操作入力装置より入力された数値データに応じて所定の画像形成処理を実行する画像形成装置において、前記制御手段は、前記第1の種別によりキー入力された数値データを印刷枚数として処理し、該数値データに基づいて印刷を実行する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、第1の数値データを第2の数値データに変更して入力する場合に、第2の種別によりキー入力すると、点灯表示された第1の数値データが点灯表示と異なる表示に変り、この状態で、第1の種別により第2の数値データがキー入力されると、点滅している第1の数値データが第2の数値データに変更されるので、誤った数値データを消去するクリアキーを採用しなくてもよいので、操作パネルの操作部材が簡素化される。また数値入力キーの操作のみで数値データが修正されるので、キー入力の誤りを簡単に修正することができ、手入力する数値入力機能の操作性が向上する。
【0012】
また、請求項2に記載の発明によれば、入力変更する数値データが点灯表示から点滅表示に変わるので、クリアキーを採用しなくてもよいので、操作パネルの操作部材が簡素化され、修正する数値データが分かり易く、手入力する数値入力機能の操作性が向上する。
【0013】
また、請求項3に記載の発明によれば、第2の種別によりキー入力すると、2桁以上の第1の数値データが順次点滅表示し、その数値データの中から、変更すべき数値データが点滅した直後に第2の種別の入力を止めて、第1の種別によりキー入力されると、変更すべき数値データが第2の数値データに変更されるので、ファクシミリにおける電話番号や数が多い印刷枚数の設定等の桁数が大きい数値データを変更して入力する場合において、数値データの修正入力を簡単に行うことができ、手入力する数値入力機能の操作性が向上する。
【0014】
また、請求項4に記載の発明によれば、数値入力キーを所定時間以上押すと、表示部に点灯表示していた数値データが点滅表示等の点灯表示と異なる表示に変わるので、クリアキー等別の操作部材を操作することなく、数値入力キーのみで数値データの修正入力を行うことができ、手入力する数値入力機能の操作性が向上する。
【0015】
また、請求項5に記載の発明によれば、第1の種別によりキー入力された数値データを印刷枚数として処理し、該数値データに基づいて印刷を実行するので、操作パネルの操作部材が簡素化され、手入力する数値入力機能の操作性が向上した画像形成装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、この実施形態に限定されない。本発明の実施形態は発明の最も好ましい形態を示すものであり、また発明の用途やここで示す用語等はこれに限定されるものではない。
【0017】
図1は、本発明の実施形態である画像形成装置の主要部を示すブロック図であり、図2は、操作パネルを示す平面図である。画像形成装置1は、操作パネル2、制御手段10、画像読取部30、画像形成部32、記憶部34を備え構成される。
【0018】
画像読取部30は、複写時に原稿を照明するスキャナランプや原稿からの反射光の光路を変更するミラーが搭載された走査光学系、原稿からの反射光を集光して結像する集光レンズ、及び結像された画像光を電気信号に変換するCCD等から構成される。画像読取部30で読み取られた画像信号はAD変換されてデジタル信号に変換された後、後述する記憶部34内の画像メモリ60に送出される。
【0019】
画像形成部32は、AD変換されたデジタル画像信号をもとに、画像書込部が感光体ドラムに光ビームを照射させ、感光体ドラムの表面上に静電潜像を形成し、現像装置により現像した後に、転写部により用紙上にトナー像を転写する。
【0020】
記憶部34は、画像メモリ60、RAM61、及びROM62を備えて、画像メモリ60は、画像読取部30で読み取られ、デジタル変換された画像信号を記憶し、制御手段10に送出する。RAM61及びROM62は、制御手段10の処理プログラムや処理内容等が記憶されている。
【0021】
操作パネル2は、印刷枚数や複写倍率等の数値入力用のテンキー3とその他のキー5を備える操作部と、設定条件や装置の状態等を表示する液晶表示部6とから構成される。図2に示すように、操作パネル2は、コピー・ファクシミリ等の機能設定キー、複写倍率、用紙サイズ、画質等の印刷条件設定キー、ストップ/クリアキー、スタートキー等のその他のキー5を備え、オペレータが印刷条件等の設定を行う他、テンキー3から入力されたファクシミリにおける電話番号を記憶部34にファクシミリ送信先として登録し、さらに登録された送信先の読み出しや書き換えを行う等の種々の設定にも使用される。
【0022】
図1に戻り、制御手段10は、印刷枚数制御部13とその他の制御部14を備える。その他の制御部14は、RAM61及びROM62に記憶されたプログラムに従って、画像読取部30、画像形成部32、及びそれらを駆動するモータを全般的に制御するとともに、画像読取部30で読み取られた画像信号を、必要に応じて変倍処理或いは階調処理して画像データに変換する。また、その他の制御部14は、その他のキー5から入力されるデータに基づき、コピー・ファクシミリ等の機能を制御して、それらの機能を液晶表示部6に表示させるとともに、テンキー3から入力された数値データに基づき、拡大・縮小倍率等印刷条件を制御し、それらの印刷条件等を液晶表示部6に表示させる。印刷枚数制御部13は、テンキー3から入力された数値データに基づいて印刷枚数を制御する。
【0023】
印刷枚数制御部13の印刷枚数の制御に先立って、キー入力判定部11がテンキー3からキー入力される種別を判定する。キー入力の種別判定について、図3〜図6を用いて説明する。
【0024】
図3は、本発明の実施形態である画像形成装置におけるキー入力の判定基準値設定モード時における液晶表示部の表示態様を示す平面図であり、図4は、判定基準値設定モード時の制御手段による処理を示すフローチャートであり、図5は、印刷枚数をキー入力する時のキー入力判定部による制御を示すフローチャートであり、図6は、液晶表示部による印刷枚数の表示態様を示す平面図である。
【0025】
まず、キー入力の種別の基準を設定するために、画像形成を開始する前に、オペレータは判定基準値設定モードを選定すると、図3に示すように、液晶表示部6に、複数(たとえば、8つ)のキー7が表示される。各キー7には、それぞれ異なる数値(たとえば、「1」〜「8」の通し番号)が対応付けて表示されており、これらの数値がランダムになるように各キー7が配置される。また、液晶表示部6には、各キー7を、対応付けて表示されている数値の順序に従って押圧するよう促すためのメッセージ8が表示される。
【0026】
図4に基づいて、判定基準値設定モードの処理を説明する。制御手段10の判定基準値設定部12(図1参照)は、図3に示すような態様で液晶表示部6に表示を行うことにより、液晶表示部6に複数のキー7を表示させ(ステップP1)、それらのキー7が押圧されるかどうか(キー入力があるかどうか)を監視する(ステップP2)。
【0027】
液晶表示部6に表示されているキー7のいずれかが押圧され(ステップP2でYES)、そのキー7が各キー7に対応付けて表示されている数値の順序に従って押されている場合には(ステップP3でYES)、判定基準値設定部12は、そのキー7が押圧されている時間、すなわち、そのキー7にオペレータの指が触れてから離されるまでの時間を計測する(ステップP4)。
【0028】
判定基準値設定部12は、上記のようなステップP1〜P4の制御を、液晶表示部6に表示されているすべてのキー7が押圧されるまで繰り返し、すべてのキー7が押圧されると(ステップP5でYES)、下記の計算式(1)により、キー7の押圧時間の平均値TBを算出する(ステップP6)。
TB=ΣTN/n ・・・(1)
TN:各キー7の押圧時間TN(N=1〜8)
n:キー7の押圧回数
その後、判定基準値設定部12は、下記の計算式(2)により、標準偏差σを算出する(ステップP7)。
σ=√(Σ(TN−TB)2/n) ・・・(2)
【0029】
この実施形態では、判定基準値設定モードにおいて、通常入力によるキー入力と、通常入力による長い時間押し続ける長押しによるキー入力とをそれぞれ判定するための判定基準値(通常入力用判定基準値TS、長押し用判定基準値TL)が設定される。すなわち、判定基準値設定部12は、標準偏差σを算出した後(ステップP7)、下記の計算式(3)、(4)により、通常入力用判定基準値TS、長押し用判定基準値TLを算出し(ステップP8〜P9)、判定基準値設定モードを終了する。
TS=TB−3σ ・・・(3)
TL=TB+3σ ・・・(4)
【0030】
上記のようにして設定される判定基準値は、オペレータごとに設定されるようになっていてもよいし、複数のオペレータからなるグループ(部門)ごとに設定されるようになっていてもよい。また、液晶表示部6にタッチパネル式の仮想的なテンキーを表示したが、これに替えて、液晶表示部6に表示されるメッセージ8に従って、テンキー3を順次押圧するようにしてもよい。
【0031】
次に、上記の判定基準値設定モードで設定された判定基準値に基づいて、キー入力判定部11がキー入力の種別を判定する処理を、図1、図6を参照しながら、図5のステップに従い説明する。
【0032】
先ず、テンキー3のキーが通常入力された場合と長押しされた場合とで異なる機能が割り付けられる。ここでは、第1の種別としての通常入力では、入力された数値データを液晶表示部6に点灯表示する。一方、第2の種別としての長押し入力では、既に入力された数値データを点滅表示し、複数桁の数値データが既に入力されているなら、それらの数値データを上位桁から順次点滅表示するように割り付けられる。
【0033】
そして、図5に示すように、印刷枚数の入力設定時に、テンキー3からキー入力があるかどうかを監視し(ステップQ1)、テンキー3からキー入力があった場合には(ステップQ1でYES)、キー入力判定部11は、その押圧時間tが長押し用判定基準値TLよりも小さいかどうかを確認する(ステップQ2)。そして、キーの押圧時間tが長押し用判定基準値TL以上である場合には(ステップQ2でNO)、キー入力判定部11は、そのキー入力を長押しによるキー入力と判定するが、最初のキー入力では、まだ印刷枚数が設定されていないので、液晶表示部6に通常入力で再度キー入力するよう促す表示をして(ステップQ3)。再入力を待つ。
【0034】
ステップQ2で、キーの押圧時間tが長押し用判定基準値TLよりも小さい場合には(ステップQ2でYES)、キー入力判定部11は、そのキー入力を通常入力によるキー入力と判定し(ステップQ4)、液晶表示部6に入力された数値データを点灯表示する(ステップQ5)。
【0035】
尚、t<TLの判定ステップでは、キーの押圧時間tが通常入力用判定基準値TSよりも大きいかどうかも確認して、キーの押圧時間tが通常入力用判定基準値TS以下である場合には、そのキー入力を外乱(たとえば、誤ってキーに一瞬触れた場合などのオペレータが意図せぬ入力)と判定して、そのキー入力を受け付けない処理も行う。
【0036】
次に、テンキー3からキー入力があると(ステップQ6でYES)、そのキーの押圧時間tが長押し用判定基準値TLよりも小さい場合には(ステップQ7でYES)、キー入力判定部11は、そのキー入力を通常入力によるキー入力と判定し(ステップQ4)、液晶表示部6に既に入力された数値データの下の桁に今回の数値データを点灯表示する(ステップQ5)。
【0037】
ステップQ7で、キーの押圧時間tが長押し用判定基準値TL以上である場合には(ステップQ7でNO)、キー入力判定部11は、そのキー入力を長押しによるキー入力と判定し(ステップQ8)、数値データの入力を受け付けずに、既に入力された数値データを点滅表示する(ステップQ9)。その長押し入力が継続していると(ステップQ10でNO)、数値データを点滅表示し続けて(ステップQ9)、長押し入力が停止されると(ステップQ10でYES)、数値データを点滅表示する(ステップQ11)。
【0038】
尚、点滅表示について、1桁の数値データの表示では、ステップQ10の長押し入力を継続しているときの点滅表示1(ステップQ9の表示)と長押し入力の停止後の点滅表示2(ステップQ11の表示)とは、ともに同じ形態の点滅表示である。しかし、2桁以上の数値データの表示である場合には、点滅表示1(ステップQ9の表示)は、数値データを上位桁から順次点滅表示する形態であり、点滅表示2(ステップQ11の表示)は、長押し入力を停止する直前の桁の数値データのみを点滅表示するように制御される。
【0039】
ステップQ11で数値データを点滅表示している状態で、テンキー3からキー入力があり(ステップQ12でYES)、そのキーの押圧時間tが長押し用判定基準値TL以上である場合には(ステップQ13でNO)、ステップQ9からステップQ12に戻り、数値データの点滅表示を継続する。
【0040】
ステップQ13で、キーの押圧時間tが長押し用判定基準値TLよりも小さい場合には(ステップQ13でYES)、そのキー入力を通常入力によるキー入力と判定し(ステップQ14)、点滅している数値データを今回入力された数値データに変更して、数値データを点灯表示する(ステップQ15)。
【0041】
そして、次のキー入力を待ち、キー入力がないのなら(ステップQ6でNO)、一連の処理を終了して、図1に示す印刷枚数制御部13に数値データを出力する。印刷枚数制御部13は入力された枚数の印刷を実行する。
【0042】
ここで、図6に示すように、「126」の3桁の数値データが入力され、液晶表示部6に表示された状態で、2桁目の数値データ[2]を変更する場合について説明する。図5に示すフローチャートのステップQ1からステップQ7の処理を繰り返し、数値データ「126」入力された状態で、テンキー3を長押しする(ステップQ7でNO)。
【0043】
そうすると、キー入力判定部11は、そのキー入力を長押しによるキー入力と判定し(ステップQ8)、数値データの入力を受け付けずに、既に入力された数値データを図6(a)に示すように、3桁目の数値データ「1」から1桁目の数値データ「6」に順次点滅表示し(ステップQ9)、その長押し入力が継続していると(ステップQ10でNO)、数値データの順次点滅を数値データ「1」から「6」の間で循環させて表示して(ステップQ9)、数値データ「2」の点滅の直後に長押し入力を停止すると(ステップQ10でYES)、図6(b)に示すように数値データ「2」のみを点滅表示させる(ステップQ11)。
【0044】
数値データ「2」のみが点滅表示している状態において、長押し用判定基準値TLよりも短い時間で、変更する数値データ、例えば「3」のキーが押圧されると(ステップQ13でYES)、そのキー入力を通常入力によるキー入力と判定し(ステップQ14)、点滅している数値データ「2」を今回入力された数値データ「3」に変更して、数値データ「136」を点灯表示する(ステップQ15)。
【0045】
そして、次のキー入力を待ち、キー入力がないのなら(ステップQ6でNO)、一連の処理を終了して、図1に示す印刷枚数制御部13に数値データを出力する。印刷枚数制御部13は入力された枚数の印刷を実行する。
【0046】
上記実施形態によれば、手操作により入力された数値データに応じて所定の画像形成処理を実行する数値入力機能を備えた画像形成装置1において、テンキー3と、テンキー3から入力された数値データを表示する液晶表示部6と、テンキー3の押圧時間を計測し、このキーの押圧時間に基づいて、キー入力の種別を判定するための判定基準値を設定する判定基準値設定部12と、判定基準値設定部12により設定された判定基準値に基づいて、キー入力に対して通常入力のキー入力と長押しによるキー入力を判定するキー入力判定部11とを有する制御手段10とを備える。制御手段10は、通常入力によりキー入力された第1の数値データを液晶表示部6に点灯表示した後に、長押しによりキー入力されると、第1の数値データを液晶表示部6に点滅表示して、その後、通常入力により第2の数値データがキー入力されると、第1の数値データを第2の数値データに変更して液晶表示部6に表示するように制御する。
【0047】
この構成によれば、第1の数値データを第2の数値データに変更して入力する場合に、長押しによりキー入力すると、点灯表示された第1の数値データが点滅表示に変り、この状態で、通常入力により第2の数値データがキー入力されると、点滅している第1の数値データが第2の数値データに変更されることによって、誤った数値データを消去するクリアキーを採用しなくてもよいので、操作パネルの操作部材が簡素化される。また、テンキー3の操作のみで数値データが修正されるので、キー入力の誤りを簡単に修正することができ、手入力する数値入力機能の操作性が向上する。
【0048】
また、この構成によれば、入力変更する数値データが点灯表示から点滅表示に変わるので、修正する数値データが分かり易く、手入力する数値入力機能の操作性が向上する。
【0049】
また、この構成によれば、長押しによりキー入力すると、液晶表示部6に点灯表示していた数値データが点滅表示に変わるので、クリアキー等別の操作部材を操作することなく、テンキー3のみで数値データの修正入力を行うことができ、手入力する数値入力機能の操作性が向上する。
【0050】
また、上記実施形態によれば、制御手段10は、通常入力によりキー入力された2桁以上の第1の数値データを液晶表示部6に点灯表示した後に、長押しによりキー入力が継続されると、第1の数値データを液晶表示部6に順次点滅表示して、その後、所望の第1の数値データが点滅しているときに、長押しによるキー入力を終了されて、通常入力により第2の数値がキー入力されると、所望の第1の数値データを第2の数値データに変更して液晶表示部6に表示するように制御する。このことによって、桁数が大きい数値データを変更して入力する場合に、長押し入力により順次点滅表示した複数の数値データの中から、変更すべき数値データが点滅した直後に長押し入力を止め、第2の数値データを通常入力によりキー入力するとよいので、ファクシミリにおける電話番号や数が多い印刷枚数の設定において、数値データの修正入力を簡単に行うことができ、手入力する数値入力機能の操作性が向上する。
【0051】
尚、上記実施形態では、画像形成装置1の印刷枚数を入力する操作入力装置に適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、画像形成装置1の倍率を入力する操作入力装置に適用してもよいし、ファクシミリにおける電話番号の操作入力装置に適用してもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、画像形成装置1の操作入力装置に適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、固定・携帯電話、電子式卓上計算機の数値データの操作入力装置に適用してもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、操作パネルに設けたテンキー3により数値データを入力する構成を示したが、本発明はこれに限らず、液晶表示部6にタッチパネル式の仮想的なテンキーを表示し、そのテンキーから数値データを入力するようにしてもよい。この場合も上記同様に効果を奏することができる。
【0054】
また、上記実施形態では、第2の種別によるキー入力として長押し操作を示したが、本発明はこれに限らず、第2の種別によるキー入力を連続クリックによるキー入力操作としてもよい。この場合、連続クリックは、事前に測定して設定した通常入力用判定基準値TSより短い時間間隔で同一のキーが連続して入力されるものとして、判定基準値設定部12に設定されるようにすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、数値データのキー入力を行うことができる操作入力装置に関し、特に印刷枚数等を入力する操作入力装置を備えた複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】は、本発明の実施形態である画像形成装置の主要部を示すブロック図である。
【図2】は、本発明の実施形態である画像形成装置の操作パネルを示す平面図である。
【図3】は、本発明の実施形態である画像形成装置の判定基準値設定モード時における液晶表示部の表示態様を示す平面図である。
【図4】は、本発明の実施形態である画像形成装置の判定基準値設定モード時の制御手段による処理を示すフローチャートである。
【図5】は、本発明の実施形態である画像形成装置のオペレータによる印刷枚数のキー入力時の制御手段によるキー入力判定の処理を示すフローチャートである。
【図6】は、本発明の実施形態である画像形成装置の液晶表示部による印刷枚数の表示態様を示す平面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 画像形成装置
3 テンキー(数値入力キー)
6 液晶表示部
10 制御手段
11 キー入力判定部
12 判定基準値設定部
13 印刷枚数制御部
14 その他の制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キー入力を行うことができる操作入力装置において、
数値入力キーと、
前記数値入力キーから入力された数値データを表示する表示部と、
前記数値入力キーの押圧時間を計測し、該キーの押圧時間に基づいて、キー入力の種別を判定するための判定基準値を設定する判定基準値設定部と、上記判定基準値設定部により設定された判定基準値に基づいて、キー入力に対して2通りの種別を判定するキー入力判定部とを有する制御手段とを備え、
前記制御手段は、第1の種別によりキー入力された第1の数字データを前記表示部に点灯表示した後に、第2の種別によりキー入力されると、第1の数字データを前記表示部に前記点灯表示と異なる表示を行い、その後、第1の種別により第2の数値データをキー入力されると、第1の数値データを第2の数値データに変更して前記表示部に表示するように制御することを特徴とする操作入力装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記数値入力キーから第2の種別によりキー入力されると、該数字データを点滅表示することを特徴とする請求項1に記載の操作入力装置。
【請求項3】
前記制御手段は、第1の種別によりキー入力された2桁以上の第1の数字データを前記表示部に点灯表示した後に、第2の種別によりキー入力が継続されると、第1の数字データを前記表示部に順次点滅表示して、その後、所望の第1の数字データが点滅しているときに、第2の種別によるキー入力が終了されて、第1の種別により第2の数字がキー入力されると、所望の第1の数字データを第2の数字データに変更して前記表示部に表示するように制御することを特徴とする請求項2に記載の操作入力装置。
【請求項4】
第2の種別によるキー入力は、前記数値入力キーを所定時間以上押す操作であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の操作入力装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の操作入力装置より入力された数値データに応じて所定の画像形成処理を実行する画像形成装置において、前記制御手段は、前記第1の種別によりキー入力された数値データを印刷枚数として処理し、該数値データに基づいて印刷を実行することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−53779(P2009−53779A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−217758(P2007−217758)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】