説明

操作支援システム及び該システムを搭載する医用診断装置

【課題】操作を行うに際して必要となる情報を操作履歴の情報から抽出し検査業務単位で管理することで、利用者が操作を忘れた場合でも過去の操作履歴の情報に基づいて操作支援を受けることにより医用診断装置の操作性の向上を図ることのできる操作支援システム及び該システムを搭載する医用診断装置を提供する。
【解決手段】動作情報を管理する動作情報管理手段2bと、操作管理する操作情報管理手段2dと、操作情報を抽出するとともに、動作情報の中から操作情報と合致する動作情報を取得する操作シーケンス抽出手段2eと、操作シーケンス抽出手段2eにより抽出された操作シーケンスを登録する操作シーケンス管理手段2gと、操作シーケンス抽出手段2eにより抽出された操作シーケンスと操作シーケンス管理手段2gに登録されている操作シーケンスとを比較し、その差が所定の値である場合に操作者に通知する操作シーケンス比較手段2fとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用診断装置を利用する者に対する操作支援システム及び該システムを搭載する医用診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年においては、例えば、X線診断装置やCT(computed tomography:コンピュータ断層撮影)装置、超音波診断装置、磁気共鳴診断装置、及びガンマカメラやPET(positron-emission tomography:ポジトロン放出断層撮影)等の医用診断装置が普及し、多くの医療機関に導入されるようになっている。
【0003】
しかし、医療機関によってはこれら導入した医用診断装置を頻繁には使用せず、或いはこれらの医用診断装置に設けられている様々な機能の中で特定の機能のみを使用する等、全ての機能が使用されないこともあり、医用診断装置の操作方法を医師、看護士や技師等の医療従事者(利用者)が忘れてしまうことがある。また、医用診断装置を使用する複数人の医療従事者が一定期間ごとに入れ替わることもあり、医用診断装置の操作に習熟するまでに時間がかかるといったこともある。
【0004】
このような場合に機器の操作者に対して行われる操作支援の方法として、例えば、操作履歴保存手段によりオペレータごとに保存された操作履歴を参照して、識別手段により識別されたオペレータに対応した操作環境を設定する手段を具備することにより、各オペレータの操作状況に応じた適切な操作支援を行うことが可能な操作支援システム提案されている(特許文献1参照)。また、ユーザが行った以前の操作履歴に基づいてユーザが入力した特定操作の次に適した操作を予測し、この予測に従ってユーザによる操作入力を支援して操作性の向上を図った情報端末装置、操作支援及び操作支援プログラムも提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
さらに、医用装置からオペレーションを示すデータを収集し、潜在的なトレーニングニーズを示すデータを分析、開示することで、特定の機器や機器のタイプについて特定のトレーニングが必要であることや、トレーニングから恩恵を受けるユーザを特定すること、或いはトレーニングのスケジュールを組むことができる医療スタッフのトレーニングのニーズの自動識別方法も提案されている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2000−259307号公報
【特許文献2】特開2004−152276号公報
【特許文献3】特開2002−92256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1及び2では、操作履歴情報を整理するために、操作日時や操作者の情報を用いて操作履歴情報を識別し、操作履歴保存手段或いは操作履歴記憶部に記憶されている操作者が以前行った操作履歴を基に操作支援を行うこととされており、ユーザがその機器に初めて接する場合や以前の操作履歴が非常に少ない場合等には、操作履歴情報が再利用されず適切な操作支援が行われない可能性がある。
【0007】
また、上記特許文献3においては、医用装置に対象を限定した操作履歴の利用方法が提案されているが、操作履歴情報がどのように管理されるかという点についての具体的な手段については明確にされておらず、上述した課題を解決するには至らない。
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、医用診断装置の操作を行うに際して必要となる情報を操作履歴の情報から抽出して検査業務単位で管理することで、低頻度の機能について使用する利用者や医用診断装置の利用経験の乏しい利用者が医用診断装置の操作を忘れた場合であっても、過去の操作履歴の情報に基づいて操作支援を受けることにより医用診断装置の操作性の向上を図ることのできる操作支援システム及び当該システムを搭載する医用診断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施の形態に係る特徴は、操作支援システムにおいて、装置の動作に関する情報を収集する動作情報収集手段から送信された動作情報を管理する動作情報管理手段と、操作者の操作に関する情報を収集する操作情報収集手段から送信された操作情報の管理する操作情報管理手段と、操作情報管理手段に登録されている操作情報を抽出するとともに、動作情報管理手段に登録されている動作情報の中から操作情報と合致する動作情報を取得する操作シーケンス抽出手段と、操作シーケンス抽出手段により抽出された操作シーケンスを登録する操作シーケンス管理手段と、操作シーケンス抽出手段により抽出された操作シーケンスと操作シーケンス管理手段に登録されているこれまで行われた操作の操作シーケンスとを比較し、その差が所定の値である場合に操作者に通知する操作シーケンス比較手段とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、医用診断装置の操作を行うに際して必要となる情報を操作履歴の情報から抽出して検査業務単位で管理することで、低頻度の機能について使用する利用者や医用診断装置の利用経験の乏しい利用者が医用診断装置の操作を忘れた場合であっても、過去の操作履歴の情報に基づいて操作支援を受けることにより医用診断装置の操作性の向上を図ることのできる操作支援システム及び当該システムを搭載する医用診断装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1に示す医用診断装置1は、CPU(Central Processing Unit)1aと、ROM(Read Only Memory)1bと、RAM(Random Access Memory)1c及び入出力インターフェイス1dがバス1eを介して接続されている。入出力インターフェイス1dには、入力手段1fと、表示手段1gと、通信制御手段1hと、記憶手段1iと、リムーバブルディスク1jと、駆動部制御手段1kとが接続されており、駆動部制御手段1kによって医用診断装置1の各駆動部1lが制御される。
【0013】
CPU1aは、入力手段1fからの入力信号に基づいてROM1bから医用診断装置1を起動するためのブートプログラムを読み出して実行し、記憶手段1iに格納されている各種オペレーティングシステムを読み出す。さらにCPU1aは、入力手段1fや入出力インターフェイス1dを介して、図1においては図示していない外部機器からの入力信号に基づいて各種装置の制御を行ったり、RAM1cや記憶手段1i等に記憶されたプログラム及びデータを読み出してRAM1cにロードするとともに、RAM1cから読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、データの計算または加工等、一連の処理を実現する処理装置である。
【0014】
入力手段1fは、医用診断装置1の操作者が各種の操作を入力するキーボード、マウス等の入力デバイスにより構成されており、操作者の操作に基づいて入力信号を作成しバス1eを介してCPU1aに送信される。また、医用診断装置1には、キーボード等だけでなく専用の操作パネルが設けられており、その操作パネル上の入力デバイスを介して操作画面に対する操作を行うこともできる。表示手段1gは、例えば液晶ディスプレイであり、例えばCPU1aからバス1eを介して出力信号を受信し、CPU1aの処理結果等を表示する手段である。
【0015】
通信制御手段1hは、LANカードやモデム等の手段であり、医用診断装置1をインターネットやLAN等の通信ネットワークに接続することを可能とする手段である。通信制御手段1hを介して通信ネットワークと送受信したデータは入力信号または出力信号として、入出力インターフェイス1d及びバス1eを介してCPU1aに送受信される。
【0016】
記憶手段1iは、半導体や磁気ディスクで構成されており、CPU1aで実行されるプログラムやデータが記憶されている。リムーバブルディスク1jは、光ディスクやフレキシブルディスクのことであり、ディスクドライブによって読み書きされた信号は、入出力インターフェイス1d及びバス1eを介してCPU1aに送受信される。
【0017】
本発明の実施の形態における医用診断装置1の記憶手段1iには、例えば、医用診断装置1の操作者に対して操作の支援を行うナビゲーションプログラム等のプログラムやデータが記憶される。また、ナビゲーションプログラム等が医用診断装置1のCPU1aに読み込まれ実行されることにより、操作支援手段2が医用診断装置1に実装される。
【0018】
なお、以下においては、ナビゲーションプログラム等が記憶手段1iに記憶されている場合を例にとって説明するが、このナビゲーションプログラム等はリムーバブルディスク1jに格納されていても良い。
【0019】
図2に示すように、操作支援手段2は、動作情報収集手段2aと、動作情報管理手段2bと、操作情報収集手段2cと、操作情報管理手段2dと、操作シーケンス抽出手段2eと、操作シーケンス比較手段2fと、操作シーケンス管理手段2gと、操作シーケンス登録手段2hとから構成される。
【0020】
動作情報収集手段2aは、医用診断装置1の入力手段1fの動作を収集(モニタ)するためのものである。すなわち、オペレーティングシステムやウインドウ管理システムなどが提供する機能を利用して、入力手段1fが発生させるイベントを検知(フック)することにより動作情報を収集する。その上で、その動作情報をテキスト形式などに変換し、日時情報や現在ログオンしている操作者の情報などを付加して、動作情報管理手段2bを用いて記録する。
【0021】
この動作情報は、例えば図3の動作情報リストに示すように、1行に1操作がタイムスタンプと共に記録される。このタイムスタンプは本発明の実施の形態においては、年月日時分秒ミリ秒で記録されている。動作情報は入力手段1fを構成する例えば、キーボードに関する操作なのか、ポインティングデバイスに関する操作なのかを表す動作名と、その動作に応じて動作の詳細を表す補足情報から構成される。補足情報としては、例えば、「WM_KEYDOWN」はキーボードに関する動作で、キーが押されたことを表わす動作であり、その後の「0x0041」は「A」のキーであることを表す。また、「WM_LBUTTONDOWN」はポインディングデバイスの左ボタンが押されたことを表わす動作であり、その後の(391,214)は、その左ボタンが押された位置座標を表わす。
【0022】
操作情報収集手段2cは、操作者による入力手段1f上での操作や物理的なボタンの操作、或いは、ネットワークやシリアルケーブルからの通信に対応してどのような処理を実行したのかを収集(モニタ)するためのものである。これは、業務アプリケーションが処理の記録として処理の種類を表わす動作に日時情報などを付与して操作情報管理手段2dを用いて記録する。
【0023】
この操作情報は、例えば図4の操作情報リストに示されるように、本実施の形態においては左から「日時」、「操作項目」、「操作内容」、「検査ID」、「操作者」の項目が設けられ、1行に1つの処理がタイムスタンプとともに記録されている。例えば、「2006/01/10 11:24:54」に「ユーザA」が「検査選択ボタン」を押したことが記録されている。この操作内容は、「検査ID」として「6638」の番号が付与された検査を選択したものである。
【0024】
次に、「2006/01/10 11:24:55」には、同じ操作者である「ユーザA」が「検査ID」が「6638」の検査について「開始/終了ボタン」を押して撮影を行っていることが記録されている。この「開始/終了ボタン」が押されることによって、画像撮影が行われ、「撮影番号」は「001」である。再度「開始/終了ボタン」が押されることによって、撮影が終了する。そして次撮影ボタンにより次の撮影計画が選択され、撮影手順が繰り返される(「撮影番号=002」)。
【0025】
さらに操作情報リストには、操作者が後述する図9の画面例に示される2つの画像表示ウインドウのうち左側のウインドウを選択し、撮影された画像の階調を調整するためにウインドウ幅(WW)とウインドウレベル(WL)を変更した後、右側のウインドウを選択してから、検査終了ボタンを押したことが記録されており、これで一連の検査が完了したことになる。
【0026】
なお、図4における操作情報リストにおいては、上述の項目に沿って操作者の操作が記録されるが、操作情報管理手段2dに記録される情報の種類や記録内容は特に限定されるものではなく、必要に応じて任意に定めることができる。また、医用診断装置では、一般的に撮影した画像情報が検査単位で管理されていることから、医用診断装置1では検査単位ごとに管理するために医用診断装置1内で検査を識別する情報、例えば、検査IDによって管理されている。操作情報収集手段2cは、この検査IDも操作情報として操作情報管理手段2dに記録する。
【0027】
また、動作情報管理手段2b、或いは操作情報管理手段2dは、操作ログとしてファイルで管理されても構わないし、データベース管理システムなどに管理用のテーブルを用意して、1レコードに1操作情報を格納しても構わない。ファイルとして管理する場合には、操作ログがファイルに追記されていく。
【0028】
操作シーケンス抽出手段2eは、動作情報管理手段2bに記録されている医用診断装置1の入力手段1fの動作情報と、操作情報管理手段2dに記録されている操作者によって行われた操作情報とから同一の検査IDをもつ検査に対して行われた操作履歴を単数、或いは複数抽出する。この抽出された操作履歴を本発明の実施の形態においては、以下、「操作シーケンス」と表わす。
【0029】
この操作シーケンス抽出手段2eによる操作シーケンスの抽出の流れについて、主として図5のフローチャートに基づいて、その他の図面をも適宜使用して説明する。
【0030】
操作シーケンス抽出手段2eは、まず操作シーケンス抽出手段2e内に記録されている「操作項目定義ファイル」にある操作情報を1つ取り出す(ST1)。この「操作項目定義ファイル」は、図6に示すように、例えば、「撮影ボタン」や「開始/終了ボタン」等、操作者による操作の中から注目すべき操作項目を規定したファイルである。操作シーケンス抽出手段2eは、操作項目定義ファイルに規定された操作項目の文字列と操作情報管理手段2dの「操作項目」に記録されている文字列とを比較し、一致する操作情報を抽出する。
【0031】
次に、医用診断装置1の基本的な機能である撮影や観察などの機能のうち、どの機能が用いられているかを識別するために、図7に示す状態遷移図を基に医用診断装置1の現在の状態を決定する(ST2)。この状態遷移図は、電源がオンとなって起動してから電源がオフされてその動作が終了するまでの医用診断装置1の動作状態の遷移を表わした図であり、抽出した操作情報の操作項目と医用診断装置1の動作情報とが定義されている。
【0032】
例えば、図7の状態遷移図において、医用診断装置1は起動処理が完了した時点で、「待機中」の状態に移る。そして、この「待機中」の状態において操作者によって「撮影ボタン」が押された場合には、その操作を認識して「患者検査中」の状態に遷移する。また、「撮影ボタン」を押すという操作により、検査における撮影業務が開始されたと認識することができるので、その操作情報の時刻情報がこの撮影業務の開始時刻として記録される(ST3)。すなわち、この操作は操作情報収集手段2cによって操作者の操作情報として収集され、例えば、図4の操作情報リストに示されるように「2006/01/10 11:24:52」に操作者である「ユーザA」が「撮影ボタン」を押したことが操作情報管理手段2dに記録される。
【0033】
また、この「撮影ボタン」を押すという操作は、医用診断装置1の入力手段1fが発生させるイベントの一つであるといえ、この動作情報が動作情報収集手段2aを介して、例えば、図3に示す動作情報リストのようにタイムスタンプとともに動作情報管理手段2bに記録される。一方、「待機中」の状態から「観察ボタン」が押された場合は、「画像観察中」の状態に遷移することになる。
【0034】
「患者検査中」の状態に遷移すると、まず図8のような画面が表示される。この図8及び次の図9は、医用診断装置1の表示手段1gに表示される基本的な画面例を示している。例えば、本発明の実施の形態における医用診断装置1では、画面左側には例えば、検査予約のための予約ボタン等、医用診断装置1において行う操作を選択するためのボタンが配列されている。また、右側上段には例えば、予定されている検査の一覧や患者の撮影計画等が表示されるリスト部と、下段には撮影された画像を部位ごとに表示する画像表示ウインドウが表示されるようにされている。
【0035】
図8の画面例に示される検査一覧リストの中の先頭の検査が反転表示されている状態で検査選択ボタンが押されることにより、検査IDが確定し、図9に示される具体的な撮影計画と撮影した画像を表示するための画面が現われる。なお、図9の画面に遷移する操作(検査選択ボタンを押す操作)により、検査ID(例えば、図8に示す「6638」)が確定したことになるので、操作情報リスト(図4参照)には「日時」、「操作項目」の他、「操作内容」として検査IDが「6638」である検査が選択されたこと、及びその「検査ID」が記録される(ST4)。同時に医用診断装置1の動作も動作情報として動作情報リスト(図3参照)に記録される。
【0036】
図9の画面では、リスト部に撮影計画のリストが表示され、先頭のリストが反転表示された状態となる。続いて、「検査開始/終了ボタン」が押されることになるが、この操作における検査IDがこれまで記録されている検査IDと一致するか否かを判断し(ST5)、一致しない場合はここまで行ってきた検査とは異なる検査であると判断できるので、再度ステップ1に戻って操作項目定義ファイルにある動作情報を取り出す。一方、検査IDが一致する場合であって発生時刻も業務開始時刻以降である場合は、操作情報管理手段2dから操作情報を取得して、その操作情報の発生時刻にもっとも時間的に近いイベントを動作情報管理手段2bから検索して動作情報を抽出する(ST6)。そして、操作項目、動作情報の組を順序の情報も含めて記憶しておく(ST7)。
【0037】
図7に示す状態遷移図における「患者検査中」の状態において、「検査終了ボタン」を押すという操作がされると、まず全ての動作情報についての上述した処理が終了したか否かを判断し(ST8)、終了したのであれば「待機中」の状態に戻るので、この検査業務が完了したと認識することができる。そこで、検査業務の時刻を業務終了時刻として記録するとともに(ST9)、操作シーケンス抽出手段2eは、それまで記憶していた時刻、検査項目、イベント情報の組みを時間順に並べなおして、1つの操作シーケンスとして関連づけて保存する(ST10)。すなわち、例えば、図10に示すように、操作者による操作の情報(例えば、「検査選択ボタン」)とこの操作に対応する動作情報(例えば、「WM_LBUTTONDBCLK(281,164)」とが関連づけられて一つの操作シーケンスを構成する。操作シーケンス抽出手段2eは、操作項目定義ファイルにある操作項目であって、検査の流れの例を示す図4の操作情報リストに挙げられている操作項目と合致する操作ごとに上述したステップを繰り返す。
【0038】
なお、本発明の実施の形態では、動作情報の選別規則として、検査IDと操作の発生時刻を使用して一連の業務の中の操作群であることを判定しているが、選別規則については、検査IDと発生時刻を利用した場合に限らず、操作情報に記録したその他の情報を使用してもよい。また、すでに確認した操作情報や動作情報を重複して処理することがないように、例えば前回処理した情報の日付を記憶しておき、その日付以降の情報を処理するようにすることもできる。
【0039】
操作シーケンス比較手段2fは、操作シーケンス抽出手段2eで取得した操作シーケンス(図10参照)と、操作シーケンス管理手段2gに保存されているこれまで行われた操作シーケンスとを比較する。そして、比較した上で操作シーケンス抽出手段2eが抽出した操作シーケンスが操作シーケンス管理手段2gに保存されている操作シーケンスからどのくらい新規な操作シーケンスであるかを算出する。すなわち、両者の差異を便宜的に「距離」に置き換えて、その距離があらかじめ定められた値より小さければ類似であると判定し、その値より大きければ新規であると判定する。
【0040】
具体的には、例えば、「操作シーケンス管理手段の操作シーケンス」と「操作シーケンス抽出手段の操作シーケンス」の操作シーケンス同士を比較して、最初の操作シーケンスと最後の操作シーケンスが異なる場合には、距離が無限大である(比較不能)とし、最初の操作シーケンスと最後の操作シーケンスが同じ場合には、その中間の操作シーケンスの出現順番を比較して、一致しない操作シーケンスの数の総計を操作シーケンス間の距離と定義する。
【0041】
例えば、図11を例に取って説明する。図11には上下2段に分けて(a)、(b)としてそれぞれ「操作シーケンス管理手段の操作シーケンス」と「操作シーケンス抽出手段の操作シーケンス」が挙げられている。2つの操作シーケンスが存在したときに、あらかじめ決められた状態遷移に従って操作シーケンスを抽出しているので、操作シーケンスの先頭の「操作項目/イベント」と最後の「操作項目/イベント」が同じでない場合には、比較せず無限大を表すと決めた数字(例えば、9999)を返す。次に、操作シーケンスの先頭の「操作項目/イベント」と最後の「操作項目/イベント」を対応させたのち、比較元の「操作シーケンス管理手段の操作シーケンス」に記録されている操作シーケンスの2番目以降の「操作項目/イベント」と比較先の「操作シーケンス抽出手段の操作シーケンス」に記録されている操作シーケンスの2番目以降の「操作項目/イベント」とを順次比較していき、最初に同じになった「操作項目/イベント」と対応付けていく。
【0042】
図11(a)の「操作シーケンス管理手段の操作シーケンス」には、1ないし8の操作シーケンスが記憶されており、操作情報と動作情報とがそれぞれ対応付けられている。一方「操作シーケンス抽出手段の操作シーケンス」には、「操作シーケンス管理手段の操作シーケンス」と比較して、「操作シーケンス管理手段の操作シーケンス」に記録されている5ないし7の手続が欠けた状態で操作シーケンスが抽出されている。すなわち、「操作シーケンス抽出手段の操作シーケンス」は「操作シーケンス管理手段の操作シーケンス」よりも3つ操作が少ないことになり、この状態を「距離」として「−3」と置く。
【0043】
また、図11(b)の「操作シーケンス管理手段の操作シーケンス」には8つの操作シーケンスが記録されているが、「操作シーケンス抽出手段の操作シーケンス」には「操作シーケンス管理手段の操作シーケンス」の7つ目と8つ目の操作の間に新たに3つの操作シーケンスが追加されている。この状態を「距離」として「+3」と置く。あらかじめ指定された閾値を例えば1とすると、図11における「操作シーケンス抽出手段の操作シーケンス」の例は、いずれも類似していない新規な操作シーケンスであると判定される。
【0044】
なお、操作シーケンス間の距離の計算は、操作項目ごとに重みをつけておき、この重みを考慮して計算する方法でもよいし、出現順序に応じて重みを付けて重みを考慮して計算する方法でも構わない。また、距離の計算に先頭から順番に対応付けて行き、異なる数を距離とする計算方法でも構わない。さらに、新規な操作シーケンスであるか否かを判断する閾値は医用診断装置1の操作者によって任意に定めることが可能である。
【0045】
操作シーケンス登録手段2hは、上述した計算方法を用いて操作シーケンス抽出手段2eによって新規な操作シーケンスであると判断された場合、操作者に対して新しい操作シーケンスが検出された旨の通知を行い、その操作シーケンスを登録するか否かについて操作者に問い合わせる。図12(a)は新規な操作シーケンスが検出されたことを操作者に通知する画面の一例である。この画面例では、新規な操作シーケンスを操作シーケンス管理手段2gに登録するか否かを選択するボタンと図12(b)に示す新規な操作シーケンスであると判断された操作シーケンスについての詳細を確認することができるボタンが設けられている。この詳細画面では、操作シーケンスを識別するためのIDや名前を付けられるようにしても構わないし、操作シーケンスを分類するための分類名を付与して、階層的に検索できるようにしても構わない。操作者が新規な操作シーケンスを登録する場合は、登録ボタン(図12では「YES」のボタン)を押すことで新規な操作シーケンスが操作シーケンス管理手段2gへ登録(記録)される。
【0046】
なお、図12では操作者に新規な操作シーケンスが検出されたことを通知した後、登録の有無を操作者に選択させる画面構成となっているが、新規な操作シーケンスが検出されると操作者に通知後、自動的に操作シーケンス登録手段2hが登録を行う構成としてもよい。また、操作シーケンス登録手段2hは、定期的に操作シーケンス抽出手段2eに新しい操作シーケンスの有無を照会しても構わないし、操作シーケンス抽出手段2eから新しい操作シーケンスの登録を通知されてから処理を行っても構わない。或いは、医用診断装置1の停止間際など指定されたタイミングで操作シーケンス抽出手段2eに照会しても構わない。また、例えば、図8または図9に示した操作画面上に操作シーケンスの登録などのボタンなどを備え、そのボタンを実行するとそれまでの操作履歴を基に抽出以降の作業を実施する方法などでもよい。また、操作者への新規な操作シーケンスが検出されたことの通知は、医用診断装置の状態に応じて通知しても構わないし、任意のタイミングで通知しても構わない。さらに、本発明の実施の形態では、新規性の判定を機械的に行ったが、機械的な判定を行わず、新規の操作シーケンスがないかどうかを確認する手段(確認ボタンなど)を設け、その確認手段が選択されると、例えば、その日に実施した全ての検査について抽出以下の作業を行い、抽出した検査の操作シーケンスの一覧と算出した新規度を一緒に表示して、その内容を確認できるようにし、ユーザがその時点で登録有無を判定することもできる。
【0047】
操作シーケンス管理手段2gは、操作シーケンス抽出手段2eにより抽出された操作シーケンスを保存管理するためのものである。操作シーケンス管理手段2gには、予め登録されている操作シーケンスと、上述した操作シーケンス登録手段2hにより登録される新規な操作シーケンスが保存される。操作シーケンス管理手段2gで保存される情報は、識別するIDと名称、登録日時などがあり、それぞれの操作シーケンスに対して、操作項目と動作情報の系列が登録されている。
【0048】
なお、操作項目を一意に識別することができれば、例えば、操作項目を識別するのに数字を識別子として用いたり、名称を付与することとしても良い。また操作シーケンスを格納するために、ディレクトリ構造を持たせて容易に管理できるようにしてもよく、識別ID、名称、登録日時、操作シーケンス(操作項目とイベントの系列)以外の情報を記録しても構わない。
【0049】
このような構成を採用し、医用診断装置の操作を行うに際して必要となる情報を操作履歴の情報から抽出して検査業務単位で管理することで、低頻度の機能について使用する利用者や医用診断装置の利用経験の乏しい利用者が医用診断装置の操作を忘れた場合であっても、過去の操作履歴の情報に基づいて操作支援を受けることにより医用診断装置の操作性の向上を図ることのできる操作支援システム及び当該システムを搭載する医用診断装置を提供することができる。
【0050】
なお、本発明の実施の形態においては医用診断装置1を例に取って説明を加えたが、例えば、医用診断装置1ではないHIS(Hospital Information System)、RIS(Radiological Information System)及びPACS(Picture Archiving Communication System)等において設けられていてもよい。また、医用診断装置1とこれらを2つ以上複合し、インターネットなどの通信接続を行い、ネットワークシステムとして構成してもよい。
【0051】
また、現在医用診断装置1を操作している操作者を識別するための操作者識別手段を設けても良く、識別する方法は、操作者の指紋等の生体的特徴を利用する方法やICカード等を利用する方法等を採用することができる。
【0052】
(第2の実施の形態)
次に本発明における第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
【0053】
第2の実施の形態においては、第1の実施の形態における操作支援手段2に操作シーケンス選択手段2i及び操作シーケンス再生手段2jとが付加された構成となっている。
【0054】
以下、第2の実施の形態における操作支援(ナビゲート)の流れ説明する。
【0055】
操作シーケンス選択手段2iは、操作者が医用診断装置1を操作する際に操作の操作支援をしてもらいたい操作を選択する手段である。図14は、操作支援を行う操作の一覧を示す画面例である。操作シーケンス選択手段2iは、操作シーケンス管理手段2gから登録されている操作シーケンスの情報を取得して(図15のST21参照)、操作シーケンスを識別するための名称または識別IDと登録日付を表示する。これによって操作者が参照したい操作シーケンスが選択されたことになる(ST22)。操作者によって「詳細ボタン」が押された場合には、その操作シーケンスに登録されている「操作項目」の系列を表示する。例えば、図14の画面例では、最上段に操作支援が可能な操作として「頭部一般検査」が挙げられ、この検査は「2005年4月5日」に行われたことが示されている。
【0056】
操作者によって操作支援してほしい操作シーケンスが選択された場合には(ST22)、例えば、選択された操作名が画面上反転するとともに、操作シーケンス再生手段2jは、その操作シーケンスを識別する名称または識別IDを操作シーケンス選択手段2iから取得する(ST23)。また操作シーケンス再生手段2jは、操作シーケンス選択手段2iからの情報を基にその操作シーケンスの詳細情報を操作シーケンス管理手段2gから直接取得するようにしても構わない。
【0057】
さらに、操作シーケンス再生手段2jは、動作情報収集手段2aが検知した動作情報を取得するとともに、操作情報収集手段2cが検知した操作者の操作情報も取得する(ST24)。当該操作情報が操作項目定義ファイルに記載されている操作項目に合致する場合には、動作情報及び操作情報と、選択された操作シーケンスの中に登録されている操作項目を比較する(ST25)。そして、再度動作情報及び操作情報を取得して現在行われている操作を把握し(ST26)、ナビゲートを開始する(ST27)。具体的には、その次の操作項目の動作情報を基に、次の操作を促すために例えば、ポインディングデバイスをそのイベント情報に記述された位置情報のところに移動させたり、その動作情報に記述された位置情報のところにチップヘルプを表示したりして、操作者の操作を操作支援する。操作者による操作が終わったか否かを判断して(ST28)、操作が継続して行われている場合は、ナビゲートを続ける。一方で、操作が終了した場合は、ナビゲートも終了する(ST29)。
【0058】
図16は、操作支援の例を示す画面例である。図16では、次に操作するボタンの近隣にメッセージを表示するようにしたものである。なお、操作支援の方法としては、このほかに、例えば、次に操作するボタンの濃度を変えたり、“次操作を行う”ボタンを設け、そのボタンを選択するだけで行うべき次の操作対象を表示したり、操作を自動実行したりする方法も挙げることができる。また、第2の実施の形態では、操作画面上でのナビゲーションについて説明したが、操作画面に映し出す方法のほか、例えば、音声ガイダンスで操作支援を行うことも可能である。
【0059】
このようにすることで、医用診断装置の操作を行うに際して必要となる情報を操作履歴の情報から抽出して検査業務単位で管理することによって、低頻度の機能について使用する利用者や医用診断装置の利用経験の乏しい利用者が医用診断装置の操作を忘れた場合であっても、過去の操作履歴の情報に基づいて操作支援を受けることにより医用診断装置の操作性の向上を図ることのできる操作支援システム及び当該システムを搭載する医用診断装置を提供することができる。
【0060】
(第3の実施の形態)
次に本発明における第3の実施の形態について説明する。なお、第3の実施の形態において、上述の第1または第2の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
【0061】
大きな操作支援の流れは上述の実施の形態と同様であるが、第3の実施の形態においては、図17に示すように、特に操作支援手段2内の操作シーケンス登録手段2hに操作者指定手段2kを接続することで、医用診断装置1の操作についての操作支援を行うに当たって、登録されている操作シーケンスを操作者ごとに指定することが可能とされている点に特徴がある。
【0062】
すなわち、ある操作者が医用診断装置1の操作について操作支援を求める場合に、その操作手順を選択するだけではなく、その参照しようとしている操作を行った操作者までも指定することができる。また、このように参照しようとしている操作を行った操作者を指定する前提として、操作者指定手段2kが操作シーケンス登録手段2hに登録されているその操作者の操作シーケンスをフィルタリングする。
【0063】
例えば、操作者指定手段2kは、操作シーケンス管理手段2gに登録されている操作者管理情報を基に、操作者のID、或いは操作者名をリスト表示し、操作シーケンスを抽出したい操作者をフィルタリングして指定する。操作シーケンス比較手段2fは操作シーケンス抽出手段2eからの動作情報及び操作情報と、操作シーケンス管理手段2g内に記録されている操作シーケンスのうち、操作者指定手段2kから指定された操作者が行った操作シーケンスとを比較する。すなわち、上述の実施の形態においては動作情報及び操作情報と比較される対象が操作シーケンス管理手段2g内に記録されている操作シーケンスであって、この操作シーケンスについては何の指定もされていなかったが、第3の実施の形態においては比較される操作シーケンスが、操作者が指定したある特定の操作者が行った操作の操作シーケンスとなる。
【0064】
さらに、操作者指定手段2kは、医用診断装置1の操作者が複数に渡る場合に、特定の操作者の操作シーケンスを抽出してその操作者の操作シーケンスとして操作シーケンス登録手段2hに登録する。
【0065】
このようにすることで、医用診断装置の操作を行うに際して必要となる情報を操作履歴の情報から抽出して検査業務単位で管理することで、低頻度の機能について使用する利用者や医用診断装置の利用経験の乏しい利用者が医用診断装置の操作を忘れた場合であっても、過去の操作履歴の情報、特にある特定の操作者が行った操作履歴情報に基づいて操作支援を受けることにより、これまで以上に医用診断装置の操作性の向上を図ることのできる操作支援システム及び当該システムを搭載する医用診断装置を提供することができる。
【0066】
(第4の実施の形態)
次に本発明における第4の実施の形態について説明する。なお、第4の実施の形態において、上述の第1ないし第3の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
【0067】
第4の実施の形態においては、図18に示すように、ネットワーク30を介して医用診断装置10aないし10c及び管理サーバ20が接続されている。第4の実施の形態においては、上述した各実施の形態において医用診断装置1が持っていた動作情報及び操作情報の収集、操作シーケンスの抽出、比較、管理、登録といった各機能のうち、操作シーケンスの比較、管理、登録の各機能を管理サーバに移し、医用診断装置には各情報の収集と管理サーバとの間での情報の送受信及びナビゲート機能のみを有する構成とした点に特徴がある。なお、図18では医用診断装置10が複数台ネットワーク30に接続されているが、医用診断装置10は単数でも複数でも良い。
【0068】
図19は、説明の便宜ために医用診断装置10内に設けられる第1の操作支援手段2xと管理サーバ内に設けられる第2の操作支援手段2yとがネットワーク30を介して接続されていることを示す説明図である。
【0069】
第1の操作支援手段2x内には、動作情報収集手段2aと、動作情報管理手段2bと、操作情報収集手段2cと、操作情報管理手段2dと、操作シーケンス抽出手段2eと、操作シーケンス選択手段2iと、操作シーケンス再生手段2jと、操作シーケンス情報要求手段2mとから構成される。
【0070】
第1の操作支援手段2xにおける動作情報収集手段2a、動作情報管理手段2b、操作情報収集手段2c、操作情報管理手段2d、操作シーケンス抽出手段2e、操作シーケンス選択手段2i及び操作シーケンス再生手段2jの各機能は上述した通りである。すなわち、操作シーケンス抽出手段2eによって、収集された動作情報及び操作情報を基に操作シーケンスが抽出される。第4の実施の形態では、この抽出された操作シーケンスが、通信制御手段1hからネットワーク30を介して管理サーバ20内の第2の操作支援手段2yへ送信される。
【0071】
第2の操作支援手段2yは、操作シーケンス比較手段2fと、操作シーケンス管理手段2gと、操作シーケンス登録手段2hと、操作シーケンス受信手段2nと、操作シーケンス情報応答手段2oとから構成される。
【0072】
第2の操作支援手段2yにおいては、医用診断装置10側から送信されてきた操作シーケンスを操作シーケンス受信手段2nで受信し、この操作シーケンスと操作シーケンス管理手段2g内に記録されている操作シーケンスとを操作シーケンス比較手段2fにおいて比較する。新規な操作シーケンスであることが判明した場合には、操作シーケンス登録手段2hによって操作シーケンス管理手段2gへ登録される。
【0073】
一方、具体的な操作の操作支援が行われる場合の流れは、基本的には上述の実施の形態において説明したものと同様である。すなわち、操作シーケンス管理手段2gに記録されている操作シーケンスの中から操作のナビゲートが要求されている操作シーケンスが操作シーケンス選択手段2iによって選択され、操作シーケンス再生手段2jにおいて動作情報収集手段2a及び操作情報収集手段2cからの動作情報及び操作情報に同期して操作のナビゲートが行われる。
【0074】
第4の実施の形態においては、操作シーケンスの比較、管理、登録の各機能は管理サーバ20に移され、医用診断装置10には動作情報及び操作情報の収集と管理サーバ20との間でのこれらの情報の送受信及び操作支援機能のみを有する構成としていることから、操作シーケンスを再生するに当たっても、医用診断装置10と管理サーバ20との間で操作シーケンスのやり取りが行われる。
【0075】
まず、操作シーケンス選択手段2iは、操作シーケンス管理手段2gに記録されている操作シーケンスの中から操作の操作支援が要求されている操作シーケンスを選択するために、操作シーケンス情報要求手段2mから通信制御手段1h及びネットワーク30を介して管理サーバ20内にある操作シーケンス管理手段2gに選択された操作シーケンスに関する情報の要求を行う。
【0076】
次に、管理サーバ20側では、操作シーケンス情報応答手段2oが医用診断装置10からの情報要求を受信し、操作シーケンス管理手段2gに要求された操作シーケンスを問い合わせる。そして操作シーケンス情報応答手段2oは、操作シーケンス管理手段2gから該当する操作シーケンスを受け取り、操作シーケンス情報要求手段2mへ送信する。操作シーケンス選択手段2iは操作シーケンス情報要求手段2mから該当する操作シーケンスを受信し、操作シーケンス再生手段2jにおいて操作支援を開始する。
【0077】
このようにすることで、医用診断装置の操作を行うに際して必要となる情報を操作履歴の情報から抽出して検査業務単位で管理することによって、低頻度の機能について使用する利用者や医用診断装置の利用経験の乏しい利用者が医用診断装置の操作を忘れた場合であっても、過去の操作履歴の情報に基づいて操作支援を受けることにより医用診断装置の操作性の向上を図ることのできる操作支援システム及び当該システムを搭載する医用診断装置を提供することができる。
【0078】
特に、上述したように、管理サーバ20がネットワーク30を介して複数の医用診断装置10と接続された場合、例えばHISに操作手順マスタ記憶手段が存在し、HIS上において操作手順マスタの管理と操作手順の指示を行うことが可能となる。すなわち、1台の管理サーバからネットワーク30に接続される全ての医用診断装置10の操作手順を管理できるようになり、複数台の医用診断装置10に対する操作シーケンス連携も可能となる。
【0079】
また、この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】医用診断装置の内部構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態における操作支援手段の内部構成を示すブロック図である。
【図3】動作情報リストの記録例を示す説明図である。
【図4】操作情報リストの記録例を示す説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における操作シーケンス抽出手段による操作シーケンスの抽出の流れを示すフローチャートである。
【図6】操作項目定義ファイルの例を示す説明図である。
【図7】医用診断装置の状態遷移を示す図である。
【図8】医用診断装置の表示手段に表示される基本的な画面例を示す模式図である。
【図9】医用診断装置の表示手段に表示される基本的な画面例を示す模式図である。
【図10】抽出された操作シーケンスを表わす模式図である。
【図11】抽出された操作シーケンスの新規度の計算について説明する説明図である。
【図12】新規な操作シーケンスの登録時に表示される画面例を示す模式図である。
【図13】第2の実施の形態における操作支援手段の内部構成を示すブロック図である。
【図14】ナビゲートする操作の一覧を示す画面例の模式図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態における操作シーケンス抽出手段による操作シーケンスの抽出の流れを示すフローチャートである。
【図16】ナビゲートする操作の一覧を示す画面例の模式図である。
【図17】第3の実施の形態における操作支援手段の内部構成を示すブロック図である。
【図18】第4の実施の形態におけるネットワーク構成を表わす模式図である。
【図19】第4の実施の形態における操作支援手段の内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0081】
1 医用診断装置
2 操作支援手段
2a 動作情報収集手段
2b 動作情報管理手段
2c 操作情報収集手段
2d 操作情報管理手段
2e 操作シーケンス抽出手段
2f 操作シーケンス比較手段
2g 操作シーケンス管理手段
2h 操作シーケンス登録手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の動作に関する情報を収集する動作情報収集手段から送信された動作情報を管理する動作情報管理手段と、
操作者の操作に関する情報を収集する操作情報収集手段から送信された操作情報を管理する操作情報管理手段と、
前記操作情報管理手段に登録されている操作情報を抽出するとともに、前記動作情報管理手段に登録されている動作情報の中から前記操作情報と合致する動作情報を取得する操作シーケンス抽出手段と、
前記操作シーケンス抽出手段により抽出された操作シーケンスを登録する操作シーケンス管理手段と、
前記操作シーケンス抽出手段により抽出された操作シーケンスと前記操作シーケンス管理手段に登録されているこれまで行われた操作の操作シーケンスとを比較し、その差が所定の値である場合に操作者に通知する操作シーケンス比較手段と、
を備えることを特徴とする操作支援システム。
【請求項2】
前記操作シーケンス比較手段による比較の結果、前記操作シーケンス抽出手段により抽出された操作シーケンスを前記操作シーケンス管理手段に登録する操作シーケンス登録手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の操作支援システム。
【請求項3】
前記操作シーケンス管理手段に登録されている操作シーケンスの中から操作支援の要求対象となる操作シーケンスを選択する操作シーケンス選択手段と、
前記動作情報収集手段からの動作情報に合致する前記操作シーケンス選択手段によって選択された操作シーケンスを前記操作情報収集手段からの操作情報の取得に同期させて再生を行う操作シーケンス再生手段と、
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の操作支援システム。
【請求項4】
装置を操作する操作者を識別する操作者識別手段からの操作者情報及び装置の動作に関する情報を収集する動作情報収集手段から送信された動作情報を管理する動作情報管理手段と、
前記操作者の操作に関する情報を収集する操作情報収集手段から送信された操作情報を管理する操作情報管理手段と、
前記操作情報管理手段に登録されている操作情報を抽出するとともに、前記動作情報管理手段に登録されている動作情報の中から前記操作情報と合致する動作情報を取得する操作シーケンス抽出手段と、
前記操作シーケンス抽出手段により抽出された操作シーケンスを登録する操作シーケンス管理手段と、
前記操作シーケンス抽出手段により抽出された操作シーケンスと前記操作シーケンス管理手段に登録されているこれまでの操作シーケンスとを比較し、その差が所定の値である場合に操作者に通知する操作シーケンス比較手段と、
前記操作シーケンス比較手段による比較の結果、前記操作シーケンス抽出手段により抽出された操作シーケンスを前記操作シーケンス管理手段に登録する操作シーケンス登録手段と、
前記操作シーケンス登録手段に登録されている操作シーケンスの中から参照する操作シーケンスの基となった操作を行った操作者を選択する操作者指定手段と、
を備えることを特徴とする操作支援システム。
【請求項5】
装置を操作する操作者を識別する操作者識別手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の操作支援システム。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の操作支援システムを備えることを特徴とする医用診断装置。
【請求項7】
装置の動作に関する情報を収集する動作情報収集手段から送信された動作情報を管理する動作情報管理手段と、操作者の操作に関する情報を収集する操作情報収集手段から送信された操作情報を管理する操作情報管理手段と、前記操作情報管理手段に登録されている操作情報を抽出するとともに、前記動作情報管理手段に登録されている動作情報の中から前記操作情報と合致する動作情報を取得する操作シーケンス抽出手段と、操作シーケンスの中から操作支援の要求対象となる操作シーケンスを選択する操作シーケンス選択手段と、前記動作情報収集手段からの動作情報に合致する前記操作シーケンス選択手段によって選択された操作シーケンスを前記操作情報収集手段からの操作情報の取得に同期させて再生を行う操作シーケンス再生手段とを備える医用診断装置と、
前記操作シーケンス抽出手段により抽出された操作シーケンスを登録する操作シーケンス管理手段と、前記操作シーケンス抽出手段により抽出された操作シーケンスと前記操作シーケンス管理手段に登録されているこれまで行われた操作の操作シーケンスとを比較し、その差が所定の値である場合に操作者に通知する操作シーケンス比較手段とを備える管理サーバと、
前記医用診断装置と前記管理サーバとが接続されるネットワークと、
を備えることを特徴とする操作支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−26939(P2008−26939A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−195270(P2006−195270)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】