改善された静電放電保護のための方法および装置
【課題】従来技術の短所を克服する異なった電力領域間のインターフェースのESD保護のための領域間保護技術を提供すること。
【解決手段】多数の電力領域を持つ集積回路(IC)の保護のための領域間静電放電(ESD)保護回路を有する装置。ESD事象に応じて、保護回路は異なった電力領域間のESD保護を提供する。特に、保護回路は1つの電力領域に結合された少なくとも1つのクランプを含み、同クランプはESD事象の発生中に電流を伝導して、2つの異なった電力領域間のインターフェース回線に余分な電流を提供する。また、この余分な電流は、インターフェース回線上のインピーダンス要素にかかる電圧を上昇させ、それにより、ESD保護のための設計の余裕を改善し、かつ、IC製品のためのより優れたESD保護能力を提供する。
【解決手段】多数の電力領域を持つ集積回路(IC)の保護のための領域間静電放電(ESD)保護回路を有する装置。ESD事象に応じて、保護回路は異なった電力領域間のESD保護を提供する。特に、保護回路は1つの電力領域に結合された少なくとも1つのクランプを含み、同クランプはESD事象の発生中に電流を伝導して、2つの異なった電力領域間のインターフェース回線に余分な電流を提供する。また、この余分な電流は、インターフェース回線上のインピーダンス要素にかかる電圧を上昇させ、それにより、ESD保護のための設計の余裕を改善し、かつ、IC製品のためのより優れたESD保護能力を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、静電放電(ESD)保護を提供する回路に関し、より詳細には、異なった電力領域間のインターフェースのESD保護を提供するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の電力領域を持つICをESDのストレスから保護する際、IOセルを保護することが、当技術分野では知られている。しかし、ストレスがかかっている間の異なった電力領域間の電圧差は、中核回路の内部の異なった領域間のインターフェースの保護が必要となるほどに激しくなることがある。これは、特に電荷デバイス・モデル(CDM)ストレスの場合である。異なった電力領域間のインターフェースを保護する1つの方法は、領域間保護として知られているものを提供することによる。
【0003】
図1を参照すると、従来技術によるESD保護のための領域間保護回路100が示されている。回路100は、それぞれ、ノード102および103において2つの異なった電圧領域、および、ノード101および116においてそれらの対応する接地電圧を含んでいる。102における2つの電圧領域間のインターフェース回路は、電圧102と接地116との間に個別に接続された好ましくはNMOSトランジスタ107と直列になった好ましくはPMOSトランジスタ106を含んでいる。ノード103におけるインターフェース回路は、好ましくはPMOSトランジスタ108およびNMOSトランジスタ109と並列接続になった2つのESDクランプ104aおよび104bの少なくとも1つを含んでいる。クランプ104aおよび104bならびにトランジスタ108および109が電圧103と接地101との間に接続されていることに注意されたい。同様に、回路100に設けられているのは、図1に示されたように、入力ポート114と(電圧領域102における)トランジスタ106および107のゲートとの間のインターフェース回線115内の抵抗器105である。入力ポート114は2つのESDクランプ104aと104bとの間に配置され、電圧領域103におけるPMOS108およびNMOS109のトランジスタのゲートへの入力となっている。さらに、接地電圧101と116との間のインターフェース回線内には、インピーダンス要素110が設けられている。インピーダンス要素110は、接地電圧101と116との間のインターフェース回線内に設けられている。これは、抵抗器、ダイオード、MOS、SCR、インダクタなどのグループからのいずれの要素とすることもでき、かつ、前記要素の直列または並列のいずれかの接続とすることができる。典型的な場合、これは、(接地バス101のバス抵抗を示す)抵抗器、逆並列に結合された1対のダイオード、および、(接地バス116のバス抵抗を示す)他の抵抗器の直列接続である。
【0004】
図1に示されたように、入力NMOS109およびPMOS108のゲート酸化物が破壊されないようにするインターフェース回線に流れ込むESD電流を制限するための抵抗器105、および、電圧を局所的にクランプするための入力ポート114のゲートにおけるESDクランプ104aおよび104bの使用を、領域間保護が含むことに注意されたい。他の電圧領域103の接地101に関してノード102において陽のESDストレスが発生すると仮定する。ESD電流111aの大部分が電圧ノード102と接地ノード116との間の電力クランプを介して、かつ、接地ノード116および101を介して流れる一方、典型的に僅か数mAの特定の量の電流111bは、トランジスタ106を介して、インターフェース回線115に、入力において抵抗器105およびESDクランプ104bに流れる。電圧領域102の電力クランプならびに接地バス101および116を介した主電流111aは、ノード102と101との間に電圧降下を作り出す。この電圧降下はインターフェース回路により他の電圧領域に転送され、領域間保護なしにトランジスタ109のゲート酸化物にわたって発生し、かつ、トランジスタ109を破壊するために十分大きい。これを防止するために、電圧はESDクランプ104bによりクランプされ、抵抗器105が追加される。このことは、この電圧降下の最大の部分を、トランジスタ109の入力ゲート酸化物の代わりに抵抗器105にわたって発生させる。しかし、この抵抗器を介した電流は、典型的に電圧降下を十分に吸収し、ドライバを破壊から保護するためには十分大きいわけではない。
【0005】
したがって、特定の接地バス電圧降下について、回路において考慮する必要がある少なくとも3つの重要な要素があることが明らかである。1つは、ESDクランプ104bのサイズ、回線抵抗105、および、回線ドライバ・トランジスタ106のサイズである。最も重要なものは回線抵抗105であり、なぜなら、これが、特定のバス電圧に対して回線を介して流れる電流を決定するからである。より大きな電圧降下(より大きなESD)について、インピーダンス105は、同じ回線電流111bについてこれにかかる十分な電圧を得るために、増加される必要がある。しかし、現実的な応用例においては、設計の制約のために、回線抵抗105を増加させることが必ずしも可能ではない。なぜなら、これが、これらのインターフェース回路の速度性能を低下させ、かつ、この回線を駆動するために必要な電力消費量を増加させることがあるからである。他の解決策は、ドライバ・トランジスタ106のサイズを大きくすることであり、そうすれば、同トランジスタ106はより多くの電流を回線内から調達するか、または、回線に流すことができる。しかし、これも望ましくない。なぜなら、これも、電力消費量などの重要な設計仕様に悪影響を及ぼすからである。さらに、これらのパラメータの感度により、回路設計者は、通常、ESD設計者がインターフェース回路自体のいずれをも変更することを許容しない。さらに他の解決策は、ESDクランプのサイズを大きくすることである。しかし、第1に、ESDのサイズを大きくすることにより、このESD保護のために消費されるシリコンの面積を劇的に拡大し、第2に、同じ回線抵抗に対してESDクランプのサイズを大きくすることにより、ドライバのサイズおよびバスの電圧が低下し、必要な電流が増加する。その場合、ドライバは、ドライバがこの余分な電流を扱えない場合に故障する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、当技術分野においては、上記に検討された従来技術の短所を克服する異なった電力領域間のインターフェースのESD保護のための領域間保護技術を提供する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付の図面は本発明の概念を示す目的のためであることは理解されよう。
本発明の一実施形態において、多数の電力領域を持つ集積回路を保護するための静電放電(ESD)保護回路が提供されている。このESD保護回路は、第1の電圧供給回線と第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のMOSトランジスタと、第2の電圧供給回線と、第1の接地電位および第2の接地電位のうちの1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のMOSトランジスタとを含んでいる。この回路は、第1の電圧供給回線と第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のESDクランプも含んでいる。この第1のESDクランプは第1のMOSトランジスタと平行に定置されている。この回路は、第2の電圧供給回線と、第1および第2の接地電位の少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のESDクランプとも含んでいる。第2のESDクランプは、第2のMOSトランジスタと平行に定置されている。この回路は、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタとの間に配置された少なくとも1つのインピーダンス回路であって、第1のESDクランプは電流を伝導し、かつ、ESD事象に応じてインピーダンス回路内に電流の少なくとも一部を供給するインピーダンス回路をさらに含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、添付の図面とともに検討される以下に掲げられた例示的な実施形態の詳細な説明からより容易に理解される。
【0009】
本発明は、IC上の異なった電力領域間のインターフェースのESD保護のための領域間保護技術の改善点を提供する。特に、本発明は、インターフェース回線を介した電流を増加させ、それにより、回線ドライバ自体を変更せずにこの回線にわたる電圧降下を増加させるための解決策を提案する。本発明は、ESD中のインターフェース回線のインピーダンスを増加させ、それにより、同回線にわたる電圧降下を増加させるための手法も提案する。インターフェース回線にかかる電圧の増加は、ESD保護戦略のための設計の余裕を改善し、それにより、IC製品のためのより優れたESD保護能力を提供する。
【0010】
本発明の一実施形態において、図2は、改善された領域間ESD保護回路200の第1の実施形態の一般的な実施を示している。ESD保護回路200は、回路100に対する少数の同様な要素を含んでいるが、抵抗器105に制限されず、かつ、図2に示されたように、インターフェース回線215のいずれかのインピーダンス・デバイス205とすることができる。インピーダンス要素210は、接地電圧201と216との間のインターフェース回線中に設けられている。これは、抵抗器、ダイオード、MOS、SCR、インダクタなどのグループからのいずれかの要素とすることができるか、または、前記要素の直列もしくは並列のいずれかの接続とすることができる。典型的な場合、これは(接地バス201のバス抵抗を示す)抵抗器、逆並列に結合された1対のダイオード、および、(接地バス216のバス抵抗を示す)もう1つの抵抗器の直列接続である。加えて、回路200は2つのESDクランプ・デバイス215aおよび215bも含んでおり、これらは、ESD事象の発生中に二次電流を伝導し、したがって、インターフェース回線215のインピーダンス要素205を介してより多くの電流を流すために追加されているものである(図2A、2B、2C、および、2Dにおける要素211)。したがって、回線インピーダンス205により多くの電流を流すことにより、インピーダンス205の値は、より低い値、好ましくは数百オームに制御され得るか、または、電流量にさほど依存しないようにできる。なぜなら、同じ電圧降下またはインピーダンス・デバイス205にわたる電圧降下が増大され得るからである。今度は、インピーダンス205にわたるこの電圧降下が、トランジスタ209のゲートとドライバとにわたる電圧降下を低下させるか、または、制限し、それにより、トランジスタ209のゲート酸化物またはドライバの破壊を防止する。したがって、この実施は、インピーダンス205におけるより低い回線抵抗および不変の回線ドライバ・トランジスタ206および207を伴ってより優れた領域間保護を可能にし、これは、2つの異なった電圧領域間のいくつかの高速実用例において有意な長所となり得る。たとえ2つのクランプ・デバイス215aおよび215bが図2に示されてはいても、回路200は、好ましくは、ESD事象の発生中に電流を伝導するための1つのクランプ・デバイスのみを含むことができることに注意されたい。例えば、ESD電流が供給回線202から接地回線201に流れる場合、1つのクランプ・デバイス215aのみが、インターフェース回線215に二次電流を供給するために回路200において十分であるとすることができる。他の実施例において、ESD電流が接地回線216から供給回線203に、または、接地回線201に流れる場合、1つのクランプ・デバイス215bのみが、インターフェース回線215に二次電流を供給するために回路200において十分であるとすることができる。他の実施例は、ESD電流が供給回線203から接地216に流れている場合である。この場合、二次電流は、ESDクランプ204a、インピーダンス要素205、および、ESDクランプ215bを介して流れる。
【0011】
どのくらいの量の電流を、ESD事象の発生中にインターフェース回路自体がインターフェース回線に流せるかによっては、クランプ・デバイス215aおよび215bが回線215を介して電流211の小さな、または、大きな部分を伝導することが必要となることに注意されたい。図2Aは、回線215を介して二次電流211のすべてを伝導するクランプ・デバイス215aおよび215bを示している。図示されてはいないが、ドライバ・トランジスタ206および207は電流の幾分かの部分を伝導している可能性があるが、典型的な場合では、この電流は保護デバイスにとって無視できるものである。二次電流211の一部のみがクランプ・デバイスにより伝導されると、出力ドライバ・トランジスタ206および207は、図2B、2C、および、2Dに示されたように電流111bの残り部分を伝導する。図2Bは、クランプ・デバイス215aのみが追加の電流211を伝導する場合の流れを示しており、これは、以下の図3および3Aの実施形態を使用してさらに詳細に説明される。図2Cはクランプ・デバイス215bのみが追加の電流211を伝導する場合の流れを示しており、これは、以下の図4および4Aの実施形態を使用してさらに詳細に説明される。図2Dは双方のクランプ・デバイス215aおよび215bが追加の電流211を伝導する場合の流れを示しており、これは、以下の図4Bおよび図4Cの実施形態を使用してさらに詳細に説明される。
【0012】
さらに、ESDクランプ・デバイス215aおよび215bならびに能動回線インピーダンス205が、好ましくは、コイル、ダイオード、MOS、SCRなどのいずれのデバイスともすることができることに注意されたい。MOSまたはSCRなどの能動デバイスの場合、何らかのトリガ回路も追加することが可能である。本発明が、図2に示された標準的なCMOSインバータに加えて、他のインターフェース構成にも適用可能であることに注意されたい。他のインターフェース構成のいくつかの例は、カスコードNMOS/PMOS構成、オープン・ドレインMOS回路である。
【0013】
図3および3Aを参照すると、本発明の領域間ESD回路300の好ましい実施形態が示されている。回路300は、インピーダンス要素105として機能するための回線抵抗器302、ならびに、回路200のESDクランプ215aおよび215bとして機能するためのGGNMOSトランジスタ301aおよび301bを好ましくは提供する。これは、設計の制約のためにドライバ・トランジスタ206および207に何らの変更も行えないときに必要となることがある。この場合、トランジスタ301bのゲートは接地端末216に接続され、トランジスタ301aのゲートは電圧回線202に接続されている。このことが、双方のトランジスタ301aおよび301bをオフ状態にする。加えて、これらのゲートは、通常の動作中およびESD動作中にトランジスタ301aおよび301bの状態を制御するための回路に接続することができる。例えば、ESD電流111aが電圧回線202から要素210を介して接地回線201に流れる場合を考える。トランジスタ209のゲート酸化物にわたり電圧が生成され、同酸化物に破壊をもたらす。これを防止するために、この電圧はESDクランプ204bにより安全な値にクランプされる。これが発生するや否や、クランプ204bは電流111bを伝導し始める。この電流111bは、図3に示されたように、ドライバ206のPMOSトランジスタから電流111bを引き出す回線から送られなければならない。このトランジスタ206は通常は非常に小さいため、これが調達できる電流は限られている。したがって、ESDの発生中に追加の電流211を伝導するためにPMOSドライバ206に並列に接続されるために、追加のトランジスタ301aが追加されている。そのため、トランジスタ301aにかかる電圧がそのトリガ電圧よりも高くなるや否や、トランジスタ301aは206と並列で電流211を伝導し始める。このことはインターフェース回線215に余分な電流211を供給し、今度は、同回線215が回線抵抗302にかかる電圧を上昇させる。この電流は図3Aに示されている。抵抗回線にかかる電圧を上昇させることにより、ESD保護のための設計の余裕は、回線抵抗302などのように、より大きくなり、したがって、低減できるか、または、最大許容接地バス・インピーダンス・レベル(要素210)を上昇させられることに注意されたい。例えば、ESDストレスが回線216にある場合、トランジスタ301bは過剰な電圧によりオンとされ、かつ、インターフェース回線215の回線インピーダンス205に二次電流211を流すために、同電流211を伝導し始める。
【0014】
図4および4Aを参照すると、本発明のラバー・バンディングESD回路400の他の好ましい実施形態が示されている。回路400は、好ましくは、インピーダンス要素105として機能するための回線抵抗器402、ならびに、回路200のESDクランプ215aおよび215bとして機能するためのダイオード401aおよび401bを提供する。上記に検討されたように、従来技術では、供給回線202から接地回線201へのESDストレス発生中に、電流111aは、電圧回線202と接地バス216との間の電力クランプを介して、接地バス216および201ならびにインピーダンス要素210を介して流れる。このことは、電圧ノード201と202との間に大きな電圧降下を作り出す。その結果、トランジスタ209のゲート酸化物にかかる電圧は危険な値に生成され、この酸化物に破壊をもたらす。これを防止するために、この電圧はESDクランプ204bにより安全な値にクランプされている。これが発生するや否や、クランプ204bは電流111bを伝導し始める。この電流は、図4Aに示されたように、トランジスタ206から引き出すインターフェース回線215から送られる。トランジスタ206を介して流れるこの電流のために、トランジスタ206にかかる電圧が、電圧回線202と入力ポート216との間の電圧よりも高くなることは容易に可能である。これが発生するや否や、図4Aに示されたように、ダイオード401bには順方向バイアスがかかり、かつ、電流211を伝導し、電流211はインターフェース回線215を介してこの電流を増加させる一方、トランジスタ206をさらなるストレスから解放する。したがって、この実施は、トランジスタ206を変化させずにインターフェース回線にさらに多くの電流を調達することができる。さらに、ダイオード401bは、抵抗器302の値をさらに低下させることを再び可能にする抵抗器302を介して流れる電流を増強するようにさらに機能する。
【0015】
図示されてはいないが、同様の状況は、ノード203に関して電圧ノード216においてESDストレスが発生した際に発生する可能性がある。この場合、電流のほとんどは、接地バス201およびインピーダンス要素210を介して、接地バス216に、かつ、電圧回線203と接地バス201との間の電力クランプを介して流れる。この場合、大きな電圧降下がトランジスタ208のゲート酸化物に存在し、かつ、ESDクランプ204aはこの電圧を安全な値にクランプする。これが発生すると、トランジスタ207内の寄生ダイオードにより調達された電流がポート216からインターフェース回線215に流れる。このダイオードが通常は非常に脆弱であるため、ダイオード401bは電流のほとんどを伝導し、したがって、回線抵抗402にわたる電圧降下を増加させる。これが、ESD保護の動作のために、より大きな余裕をさらに作り出す。
【0016】
本発明の他の好ましい実施形態において、それぞれ図4Bおよび図4Cに示されたように、トランジスタ301aはESDクランプ215aとして機能することができ、ダイオード401bはESDクランプ215bとして機能することができる。上記図3Aを参照して検討されたように、同じく、図4Bにおいて、ESD事象の発生中に、トランジスタ301aは206と並列に電流211を伝導し始める。これは、インターフェース回線215に余分な電流211を供給し、同電流211が、今度は回線抵抗302にかかる電圧を上昇させる。同様に、上記の図4Aを参照して検討したように、図4Cと同じく、ESD事象の発生中、ダイオード401bには順方向バイアスがかかり、同じく余分な電流211を伝導し、これが、インターフェース回線215を介した電流を増加させる一方、さらなるストレスからトランジスタ206を解放する。
【0017】
図5を参照すると、本発明の改善された領域間ESD保護回路500の他の実施形態が示されている。回路500において、図2の能動インピーダンス要素105は、トランジスタ501およびトランジスタ503からなるパス・ゲートを使用することにより実現されている。そのため、インピーダンス要素105に対しては、固定値の抵抗を使用する代わりに、トランジスタ501および503からなる要素105の抵抗値がこの要素105が通常の動作中かESDの発生中かにより決定されている。この値はゲート電圧により決定されている。目的は、ESD発生中のインターフェース回線215に高インピーダンス・パスを有することである。しかし、通常の動作中は、回線抵抗105は可能な限り低くあるべきである。図5に示されたように、トランジスタ501のバルクは接地回線216に接続され、トランジスタ503のバルクは供給回線202に接続されている。トランジスタ501のゲートは制御信号502で駆動され、トランジスタ503のゲートは制御信号504で駆動されている。注意されたいことは、制御信号502および504が互いに逆となっていることである。ICの通常の動作中、信号502は論理ハイとなっており、信号504は論理ローとなっている。この条件下で、双方のトランジスタ501および503はオンにされ、パス・ゲートは低いインピーダンスを持つ。この場合、(図示されていない)二次電流211は、パス・ゲートのトランジスタ501および503を介してドレインからソースに自由に流れることができる。しかし、ESD発生中は高インピーダンスが所望される。そのため、この場合、制御器502は論理ローとなるべきであり、制御信号504は論理ハイとなり、したがって、双方のトランジスタ501および503ともオフとされる。この場合、パス・ゲートのこれらのトランジスタ501および503を介してドレインからソースに流れようとしている(図示されていない)ESD二次電流211は高インピーダンスを経験する。
【0018】
図6および6Aを参照すると、本発明の改善された領域間ESD保護回路600の他の実施形態が示されている。回路600においては、図2において設けられているESDクランプ204aおよび204bに加えて、示されたように、追加のESDクランプ204cおよび204dが追加されている。ESDクランプ204cはトランジスタ209のソースと接地201との間に追加され、ESDクランプ204bに直列に接続されてもいる。ESDクランプ204bはトランジスタ208のソースと電圧ノード203との間に追加され、ESDクランプ204aに直列に接続されてもいる。そのため、ESD電流が供給回線202から接地201に流れる場合を考える。この実施形態においては、トランジスタ209のゲートで生成された電圧を制限するために、ESDクランプ204cが追加されており、同クランプ204c自体は幾分かの抵抗を有しており、したがって、インピーダンス要素205とESDクランプ204cとの間で電圧を分割している。そのため、この実施形態においては、図6Aに示されたように、生成された電圧は要素205にかかるだけではなく、要素204cにもかかっている。長所の1つは、高いインピーダンス、例えば1キロオームが必要な場合に、このインピーダンスを要素205と204cとの間で分割できることである。そのため、ESD発生中は、生成された電圧を防止するために、図6Aに示されたように、ESDクランプ204bが電流211を伝導するだけでなく、ESDクランプ204cも電流211を伝導し始める。多くの場合に、トランジスタ209のソースにおけるこのESDクランプ204cのインピーダンスが十分高ければ、単にトランジスタ209のソースにESDクランプ204cを定置することにより、インピーダンス要素205が必要でなくなることに注意されよう。
【0019】
供給回線202と供給回線203との間にESDストレスがあると、上記に検討されたものと同様の実用例が適用されることに注意されたい。この場合、ESD事象の発生中、電流は、供給回線202から215aに、続いて、インピーダンス要素205を介してESDクランプ204aに、続いて、ESDクランプ204dに流れる。この場合の流れにおいて、生成された電圧はインピーダンス要素205とESDクランプ204dとの間で分割される。さらに、たとえ、図示されていないが、他の実施形態において、(高抵抗が必要でない)多くの場合に、要素205、215a、および、215bは回路600から排除することができる。
【0020】
図7および7Aを参照すると、本発明の改善された領域間ESD保護回路700の他の実施形態が示されている。回路700において、図2のESDクランプ204aおよび204bは排除されており、代わりに、単一のESDクランプ204eが入力ポート216と入力端末213との間に追加されている。クランプ204aおよび204bを排除して1つのESDクランプ204eのみをトランジスタ208と209との間に定置することの長所の1つは、インターフェース回線214において面積を低減し、かつ、容量をさらに低減することである。インピーダンス要素205の抵抗値は、トランジスタの速度のために制限されている。そのため、高速伝送において、インピーダンス要素205は、ゲート酸化物ならびにESDクランプ204aおよび204bからの拡大された容量とは最早組み合わされない。この容量値がチャンネルの抵抗により増倍された場合、それはインターフェース段の固有の時定数を与える。固有の時定数は送信機が動作できる速度に制限を課す。なぜなら、より高い周波数の信号がフィルタ除去されるからである。
【0021】
図7Aを参照すると、ESD事象の発生中の回路700の電流の流れが示されている。通常の動作中は、ESDクランプ204eがオフとされ、そのため、これが、入力ポート214から端末213に流れ、トランジスタ209および最後に接地201に続く電流を制限する。ESDストレス下では、ノード202における電圧が入力ポート214に転送される。このノードにおける電圧は、クランプ204eのトリガ電圧に達するまで上昇する。続いて、さらに多くの電流111bが、供給回線202からトランジスタ206およびクランプ215aを介して回線インピーダンスに流れることが可能となる。続いて、この電流は、単一のクランプ204eを介して端末213に流れる。この後、電流は入力トランジスタ209を介してドレインからソースに、および、接地201に流れることができる。さらに、たとえ、図示されてはいないが、他の実施形態においては、追加電流を流す能力が必要とされない多くの場合、要素215aおよび215bを回路700から排除することができる。
【0022】
多数の領域間インターフェースがしばしばある。このような接続の例の1つが図8に示されている。例示的な図8において、少なくとも2つのインターフェース保護回路200からなる多領域間接続800が示されていることに注意されたい。この多領域間接続が図8のものに限られないことに注意されたい。当業者は、他の多領域間接続も同じく作成できることを理解されよう。ここで多ESDクランプ204aおよび204bならびに多インピーダンス要素205が必要であるために、図8に示されたように、ESD検出器218が、好ましくは、定置され、かつ、異なったクランプにわたり共有される。図8に示されたように、ESD検出器218をESDクランプ204aおよび204bに接続することにより、クランプ204aおよび204bを遥かに高速にトリガするうえで役立つことに注意されたい。同様に、このESD検出器218が1つのみの接続のためには通常は大きすぎるために、同検出器218は、好ましくは、異なった多数の接続にわたり共有することができ、したがって、領域間保護の総表面積を低減する。それにより、このようにして、1つのみのトリガ回路、すなわち、ESD検出器218が多領域間インターフェース全体のために使用されている。
【0023】
さらに、図8において、2つの回路200の間の接続が、好ましくは、入力に定置された局所クランプ(NMOS)204bのゲートに接続されていることに注意されたい。再び、2つの保護回路200の間の接続がこの局所クランプ204bには限られないことに注意されたい。当業者は、この2つの回路間では他の接続も作成できることを理解されよう。たとえ、図示されていないが、1つの好ましい実施形態においては、ESD検出器216が、好ましくは、クランプ215aおよび215bにも接続することができる。代案として、要素215aおよび215bは接続回路800から排除することもできる。
【0024】
本発明の好ましい実施形態において、図8Aに示されたように、ESD検出器回路218は、抵抗器およびコンデンサからなるRC過渡検出器218aである。再び、ESD検出器218がRC過渡検出器218aに限られないことに注意されたい。当業者は、フィードバック技術もしくはインバータ段と組み合わされたRC過渡検出器などの他のESD検出器、または、過電圧/過電流感知デバイスさえもがトリガ要素として使用でき、かつ、多領域間で共有できることを理解されよう。
【0025】
図9を参照すると、本発明の改善された領域間ESD保護回路900の代案実施形態が示されている。図2に示されたように、電力供給と回路ノード215との間にドライバ206と並列にESDクランプ215aを定置する代わりに、図9においては、ESDクランプ215aが、代わりに、主力ドライバと直列に、したがって、電力回線202とトランジスタ206のソースとの間に定置されていることに注意されたい。同様に、図2に示されたように、接地ノード216と回路ノード215との間にドライバ207と並列にESDクランプ215bを定置する代わりに、図9においては、ESDクランプ215bが、代わりに、接地216とトランジスタ207のソースとの間に出力ドライバと直列に定置されている。インターフェース駆動回路とのESDクランプのこの直列接続が、直列要素にわたる(それらの2つのノードの間のストレスに対して)202と201の間の全ESD電圧の幾分かを定置することにより、回線インピーダンス205が吸収する必要のある電圧降下を低減していることに注意されたい。
【0026】
本発明の好ましい実施形態において、図9Aに示されたように、ESDクランプ215aおよび215bは、それぞれNMOSおよびPMOSである。そのため、カスケード式ドライバが形成されている。それにより、例えばノード202でのESDストレス発生中には、ノード202とインターフェース回線215の間で生成された電圧がESDクランプ215aとPMOS206にかかる電圧に等しく、すなわち、単一のPMOS206にかかる電圧の2倍になる。この余分な電圧降下が、ここでは、回線インピーダンス205により吸収される必要が最早ないため、インピーダンス要素205の抵抗値は低減することができる。
【0027】
本発明の他の実施形態において、図9Aのカスケードになったドライバ215aおよび215bも、好ましくは、図9Bに示されたように、多数のドライバの間で適用および共有することができる。したがって、カスケードになったドライバMOS215aおよび215bは、多数の領域間接続において共有することができる。
【0028】
図10および10Aを参照すると、本発明の改善された領域間ESD保護回路1000の他の実施形態が示されている。この実施形態では、図2の回路200の局所クランプ204aおよび204bも、二次的な保護手法から構成することができる。特に、この回路1000において、それぞれ、図2のクランプ204aは、クランプ204fおよび204gから構成され、図2のクランプ204bは、クランプ204hおよび204iから構成されている。同じく回路に含まれているのは、クランプ204f/204gと204h/204iとの間に配置された抵抗器220である。図10Aに示されたように、電流111bの主な部分はクランプ204hおよび204iにより伝導される一方、この電流の第3の小さな部分は抵抗器218を介して204fおよび204gにより伝導されている。したがって、この実施においては、抵抗器220を介して余分な電圧が供給されている。さらに、たとえ、図示されてはいないが、追加電流を流す能力が必要ではない多くの場合、要素215aおよび215bは回路1000から排除することができる。
【0029】
本発明の教示を組み込んだ様々な実施形態が本明細書において詳細に示され、かつ、説明されたが、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、これらの教示をまだ組み込んだ多くの他の様々な実施形態を直ちに考案できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の従来技術による領域間ESD保護回路のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による改善された領域間ESD保護回路のブロック図である。
【図2A】図2における電流の流れのブロック図である。
【図2B】図2における電流の流れのブロック図である。
【図2C】図2における電流の流れのブロック図である。
【図2D】図2における電流の流れのブロック図である。
【図3】本発明の好ましい実施形態による図2の改善された領域間ESD保護回路の概略図である。
【図3A】図3における電流の流れの概略図である。
【図4】本発明の好ましい実施形態による図2の改善された領域間ESD保護回路の概略図である。
【図4A】図4における電流の流れの概略図である。
【図4B】本発明の1つの好ましい実施形態による図3Aおよび図4Aの組合せの電流の流れの概略図である。
【図4C】本発明の他の好ましい実施形態による図3Aおよび図4Aの組合せの電流の流れの概略図である。
【図5】本発明の第4の実施形態による図2の改善された領域間ESD保護回路の概略図である。
【図6】本発明の第5の実施形態による改善された領域間ESD保護のブロック図である。
【図6A】図6における電流の流れのブロック図である。
【図7】本発明の第6の実施形態による改善された領域間ESD保護のブロック図である。
【図7A】図7における電流の流れのブロック図である。
【図8】本発明の第7の実施形態による改善された領域間ESD保護のブロック図である。
【図8A】図8における電流の流れの概略図である。
【図9】本発明の第8の実施形態による改善された領域間ESD保護のブロック図である。
【図9A】本発明の好ましい実施形態による図9の改善された領域間ESD保護回路の例示的な概略図である。
【図9B】本発明の好ましい実施形態による図9の改善された領域間ESD保護回路の例示的な概略図である。
【図10】本発明の好ましい実施形態による図2の改善された領域間ESD保護回路の概略図である。
【図10A】図10における電流の流れの概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、静電放電(ESD)保護を提供する回路に関し、より詳細には、異なった電力領域間のインターフェースのESD保護を提供するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の電力領域を持つICをESDのストレスから保護する際、IOセルを保護することが、当技術分野では知られている。しかし、ストレスがかかっている間の異なった電力領域間の電圧差は、中核回路の内部の異なった領域間のインターフェースの保護が必要となるほどに激しくなることがある。これは、特に電荷デバイス・モデル(CDM)ストレスの場合である。異なった電力領域間のインターフェースを保護する1つの方法は、領域間保護として知られているものを提供することによる。
【0003】
図1を参照すると、従来技術によるESD保護のための領域間保護回路100が示されている。回路100は、それぞれ、ノード102および103において2つの異なった電圧領域、および、ノード101および116においてそれらの対応する接地電圧を含んでいる。102における2つの電圧領域間のインターフェース回路は、電圧102と接地116との間に個別に接続された好ましくはNMOSトランジスタ107と直列になった好ましくはPMOSトランジスタ106を含んでいる。ノード103におけるインターフェース回路は、好ましくはPMOSトランジスタ108およびNMOSトランジスタ109と並列接続になった2つのESDクランプ104aおよび104bの少なくとも1つを含んでいる。クランプ104aおよび104bならびにトランジスタ108および109が電圧103と接地101との間に接続されていることに注意されたい。同様に、回路100に設けられているのは、図1に示されたように、入力ポート114と(電圧領域102における)トランジスタ106および107のゲートとの間のインターフェース回線115内の抵抗器105である。入力ポート114は2つのESDクランプ104aと104bとの間に配置され、電圧領域103におけるPMOS108およびNMOS109のトランジスタのゲートへの入力となっている。さらに、接地電圧101と116との間のインターフェース回線内には、インピーダンス要素110が設けられている。インピーダンス要素110は、接地電圧101と116との間のインターフェース回線内に設けられている。これは、抵抗器、ダイオード、MOS、SCR、インダクタなどのグループからのいずれの要素とすることもでき、かつ、前記要素の直列または並列のいずれかの接続とすることができる。典型的な場合、これは、(接地バス101のバス抵抗を示す)抵抗器、逆並列に結合された1対のダイオード、および、(接地バス116のバス抵抗を示す)他の抵抗器の直列接続である。
【0004】
図1に示されたように、入力NMOS109およびPMOS108のゲート酸化物が破壊されないようにするインターフェース回線に流れ込むESD電流を制限するための抵抗器105、および、電圧を局所的にクランプするための入力ポート114のゲートにおけるESDクランプ104aおよび104bの使用を、領域間保護が含むことに注意されたい。他の電圧領域103の接地101に関してノード102において陽のESDストレスが発生すると仮定する。ESD電流111aの大部分が電圧ノード102と接地ノード116との間の電力クランプを介して、かつ、接地ノード116および101を介して流れる一方、典型的に僅か数mAの特定の量の電流111bは、トランジスタ106を介して、インターフェース回線115に、入力において抵抗器105およびESDクランプ104bに流れる。電圧領域102の電力クランプならびに接地バス101および116を介した主電流111aは、ノード102と101との間に電圧降下を作り出す。この電圧降下はインターフェース回路により他の電圧領域に転送され、領域間保護なしにトランジスタ109のゲート酸化物にわたって発生し、かつ、トランジスタ109を破壊するために十分大きい。これを防止するために、電圧はESDクランプ104bによりクランプされ、抵抗器105が追加される。このことは、この電圧降下の最大の部分を、トランジスタ109の入力ゲート酸化物の代わりに抵抗器105にわたって発生させる。しかし、この抵抗器を介した電流は、典型的に電圧降下を十分に吸収し、ドライバを破壊から保護するためには十分大きいわけではない。
【0005】
したがって、特定の接地バス電圧降下について、回路において考慮する必要がある少なくとも3つの重要な要素があることが明らかである。1つは、ESDクランプ104bのサイズ、回線抵抗105、および、回線ドライバ・トランジスタ106のサイズである。最も重要なものは回線抵抗105であり、なぜなら、これが、特定のバス電圧に対して回線を介して流れる電流を決定するからである。より大きな電圧降下(より大きなESD)について、インピーダンス105は、同じ回線電流111bについてこれにかかる十分な電圧を得るために、増加される必要がある。しかし、現実的な応用例においては、設計の制約のために、回線抵抗105を増加させることが必ずしも可能ではない。なぜなら、これが、これらのインターフェース回路の速度性能を低下させ、かつ、この回線を駆動するために必要な電力消費量を増加させることがあるからである。他の解決策は、ドライバ・トランジスタ106のサイズを大きくすることであり、そうすれば、同トランジスタ106はより多くの電流を回線内から調達するか、または、回線に流すことができる。しかし、これも望ましくない。なぜなら、これも、電力消費量などの重要な設計仕様に悪影響を及ぼすからである。さらに、これらのパラメータの感度により、回路設計者は、通常、ESD設計者がインターフェース回路自体のいずれをも変更することを許容しない。さらに他の解決策は、ESDクランプのサイズを大きくすることである。しかし、第1に、ESDのサイズを大きくすることにより、このESD保護のために消費されるシリコンの面積を劇的に拡大し、第2に、同じ回線抵抗に対してESDクランプのサイズを大きくすることにより、ドライバのサイズおよびバスの電圧が低下し、必要な電流が増加する。その場合、ドライバは、ドライバがこの余分な電流を扱えない場合に故障する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、当技術分野においては、上記に検討された従来技術の短所を克服する異なった電力領域間のインターフェースのESD保護のための領域間保護技術を提供する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付の図面は本発明の概念を示す目的のためであることは理解されよう。
本発明の一実施形態において、多数の電力領域を持つ集積回路を保護するための静電放電(ESD)保護回路が提供されている。このESD保護回路は、第1の電圧供給回線と第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のMOSトランジスタと、第2の電圧供給回線と、第1の接地電位および第2の接地電位のうちの1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のMOSトランジスタとを含んでいる。この回路は、第1の電圧供給回線と第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のESDクランプも含んでいる。この第1のESDクランプは第1のMOSトランジスタと平行に定置されている。この回路は、第2の電圧供給回線と、第1および第2の接地電位の少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のESDクランプとも含んでいる。第2のESDクランプは、第2のMOSトランジスタと平行に定置されている。この回路は、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタとの間に配置された少なくとも1つのインピーダンス回路であって、第1のESDクランプは電流を伝導し、かつ、ESD事象に応じてインピーダンス回路内に電流の少なくとも一部を供給するインピーダンス回路をさらに含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、添付の図面とともに検討される以下に掲げられた例示的な実施形態の詳細な説明からより容易に理解される。
【0009】
本発明は、IC上の異なった電力領域間のインターフェースのESD保護のための領域間保護技術の改善点を提供する。特に、本発明は、インターフェース回線を介した電流を増加させ、それにより、回線ドライバ自体を変更せずにこの回線にわたる電圧降下を増加させるための解決策を提案する。本発明は、ESD中のインターフェース回線のインピーダンスを増加させ、それにより、同回線にわたる電圧降下を増加させるための手法も提案する。インターフェース回線にかかる電圧の増加は、ESD保護戦略のための設計の余裕を改善し、それにより、IC製品のためのより優れたESD保護能力を提供する。
【0010】
本発明の一実施形態において、図2は、改善された領域間ESD保護回路200の第1の実施形態の一般的な実施を示している。ESD保護回路200は、回路100に対する少数の同様な要素を含んでいるが、抵抗器105に制限されず、かつ、図2に示されたように、インターフェース回線215のいずれかのインピーダンス・デバイス205とすることができる。インピーダンス要素210は、接地電圧201と216との間のインターフェース回線中に設けられている。これは、抵抗器、ダイオード、MOS、SCR、インダクタなどのグループからのいずれかの要素とすることができるか、または、前記要素の直列もしくは並列のいずれかの接続とすることができる。典型的な場合、これは(接地バス201のバス抵抗を示す)抵抗器、逆並列に結合された1対のダイオード、および、(接地バス216のバス抵抗を示す)もう1つの抵抗器の直列接続である。加えて、回路200は2つのESDクランプ・デバイス215aおよび215bも含んでおり、これらは、ESD事象の発生中に二次電流を伝導し、したがって、インターフェース回線215のインピーダンス要素205を介してより多くの電流を流すために追加されているものである(図2A、2B、2C、および、2Dにおける要素211)。したがって、回線インピーダンス205により多くの電流を流すことにより、インピーダンス205の値は、より低い値、好ましくは数百オームに制御され得るか、または、電流量にさほど依存しないようにできる。なぜなら、同じ電圧降下またはインピーダンス・デバイス205にわたる電圧降下が増大され得るからである。今度は、インピーダンス205にわたるこの電圧降下が、トランジスタ209のゲートとドライバとにわたる電圧降下を低下させるか、または、制限し、それにより、トランジスタ209のゲート酸化物またはドライバの破壊を防止する。したがって、この実施は、インピーダンス205におけるより低い回線抵抗および不変の回線ドライバ・トランジスタ206および207を伴ってより優れた領域間保護を可能にし、これは、2つの異なった電圧領域間のいくつかの高速実用例において有意な長所となり得る。たとえ2つのクランプ・デバイス215aおよび215bが図2に示されてはいても、回路200は、好ましくは、ESD事象の発生中に電流を伝導するための1つのクランプ・デバイスのみを含むことができることに注意されたい。例えば、ESD電流が供給回線202から接地回線201に流れる場合、1つのクランプ・デバイス215aのみが、インターフェース回線215に二次電流を供給するために回路200において十分であるとすることができる。他の実施例において、ESD電流が接地回線216から供給回線203に、または、接地回線201に流れる場合、1つのクランプ・デバイス215bのみが、インターフェース回線215に二次電流を供給するために回路200において十分であるとすることができる。他の実施例は、ESD電流が供給回線203から接地216に流れている場合である。この場合、二次電流は、ESDクランプ204a、インピーダンス要素205、および、ESDクランプ215bを介して流れる。
【0011】
どのくらいの量の電流を、ESD事象の発生中にインターフェース回路自体がインターフェース回線に流せるかによっては、クランプ・デバイス215aおよび215bが回線215を介して電流211の小さな、または、大きな部分を伝導することが必要となることに注意されたい。図2Aは、回線215を介して二次電流211のすべてを伝導するクランプ・デバイス215aおよび215bを示している。図示されてはいないが、ドライバ・トランジスタ206および207は電流の幾分かの部分を伝導している可能性があるが、典型的な場合では、この電流は保護デバイスにとって無視できるものである。二次電流211の一部のみがクランプ・デバイスにより伝導されると、出力ドライバ・トランジスタ206および207は、図2B、2C、および、2Dに示されたように電流111bの残り部分を伝導する。図2Bは、クランプ・デバイス215aのみが追加の電流211を伝導する場合の流れを示しており、これは、以下の図3および3Aの実施形態を使用してさらに詳細に説明される。図2Cはクランプ・デバイス215bのみが追加の電流211を伝導する場合の流れを示しており、これは、以下の図4および4Aの実施形態を使用してさらに詳細に説明される。図2Dは双方のクランプ・デバイス215aおよび215bが追加の電流211を伝導する場合の流れを示しており、これは、以下の図4Bおよび図4Cの実施形態を使用してさらに詳細に説明される。
【0012】
さらに、ESDクランプ・デバイス215aおよび215bならびに能動回線インピーダンス205が、好ましくは、コイル、ダイオード、MOS、SCRなどのいずれのデバイスともすることができることに注意されたい。MOSまたはSCRなどの能動デバイスの場合、何らかのトリガ回路も追加することが可能である。本発明が、図2に示された標準的なCMOSインバータに加えて、他のインターフェース構成にも適用可能であることに注意されたい。他のインターフェース構成のいくつかの例は、カスコードNMOS/PMOS構成、オープン・ドレインMOS回路である。
【0013】
図3および3Aを参照すると、本発明の領域間ESD回路300の好ましい実施形態が示されている。回路300は、インピーダンス要素105として機能するための回線抵抗器302、ならびに、回路200のESDクランプ215aおよび215bとして機能するためのGGNMOSトランジスタ301aおよび301bを好ましくは提供する。これは、設計の制約のためにドライバ・トランジスタ206および207に何らの変更も行えないときに必要となることがある。この場合、トランジスタ301bのゲートは接地端末216に接続され、トランジスタ301aのゲートは電圧回線202に接続されている。このことが、双方のトランジスタ301aおよび301bをオフ状態にする。加えて、これらのゲートは、通常の動作中およびESD動作中にトランジスタ301aおよび301bの状態を制御するための回路に接続することができる。例えば、ESD電流111aが電圧回線202から要素210を介して接地回線201に流れる場合を考える。トランジスタ209のゲート酸化物にわたり電圧が生成され、同酸化物に破壊をもたらす。これを防止するために、この電圧はESDクランプ204bにより安全な値にクランプされる。これが発生するや否や、クランプ204bは電流111bを伝導し始める。この電流111bは、図3に示されたように、ドライバ206のPMOSトランジスタから電流111bを引き出す回線から送られなければならない。このトランジスタ206は通常は非常に小さいため、これが調達できる電流は限られている。したがって、ESDの発生中に追加の電流211を伝導するためにPMOSドライバ206に並列に接続されるために、追加のトランジスタ301aが追加されている。そのため、トランジスタ301aにかかる電圧がそのトリガ電圧よりも高くなるや否や、トランジスタ301aは206と並列で電流211を伝導し始める。このことはインターフェース回線215に余分な電流211を供給し、今度は、同回線215が回線抵抗302にかかる電圧を上昇させる。この電流は図3Aに示されている。抵抗回線にかかる電圧を上昇させることにより、ESD保護のための設計の余裕は、回線抵抗302などのように、より大きくなり、したがって、低減できるか、または、最大許容接地バス・インピーダンス・レベル(要素210)を上昇させられることに注意されたい。例えば、ESDストレスが回線216にある場合、トランジスタ301bは過剰な電圧によりオンとされ、かつ、インターフェース回線215の回線インピーダンス205に二次電流211を流すために、同電流211を伝導し始める。
【0014】
図4および4Aを参照すると、本発明のラバー・バンディングESD回路400の他の好ましい実施形態が示されている。回路400は、好ましくは、インピーダンス要素105として機能するための回線抵抗器402、ならびに、回路200のESDクランプ215aおよび215bとして機能するためのダイオード401aおよび401bを提供する。上記に検討されたように、従来技術では、供給回線202から接地回線201へのESDストレス発生中に、電流111aは、電圧回線202と接地バス216との間の電力クランプを介して、接地バス216および201ならびにインピーダンス要素210を介して流れる。このことは、電圧ノード201と202との間に大きな電圧降下を作り出す。その結果、トランジスタ209のゲート酸化物にかかる電圧は危険な値に生成され、この酸化物に破壊をもたらす。これを防止するために、この電圧はESDクランプ204bにより安全な値にクランプされている。これが発生するや否や、クランプ204bは電流111bを伝導し始める。この電流は、図4Aに示されたように、トランジスタ206から引き出すインターフェース回線215から送られる。トランジスタ206を介して流れるこの電流のために、トランジスタ206にかかる電圧が、電圧回線202と入力ポート216との間の電圧よりも高くなることは容易に可能である。これが発生するや否や、図4Aに示されたように、ダイオード401bには順方向バイアスがかかり、かつ、電流211を伝導し、電流211はインターフェース回線215を介してこの電流を増加させる一方、トランジスタ206をさらなるストレスから解放する。したがって、この実施は、トランジスタ206を変化させずにインターフェース回線にさらに多くの電流を調達することができる。さらに、ダイオード401bは、抵抗器302の値をさらに低下させることを再び可能にする抵抗器302を介して流れる電流を増強するようにさらに機能する。
【0015】
図示されてはいないが、同様の状況は、ノード203に関して電圧ノード216においてESDストレスが発生した際に発生する可能性がある。この場合、電流のほとんどは、接地バス201およびインピーダンス要素210を介して、接地バス216に、かつ、電圧回線203と接地バス201との間の電力クランプを介して流れる。この場合、大きな電圧降下がトランジスタ208のゲート酸化物に存在し、かつ、ESDクランプ204aはこの電圧を安全な値にクランプする。これが発生すると、トランジスタ207内の寄生ダイオードにより調達された電流がポート216からインターフェース回線215に流れる。このダイオードが通常は非常に脆弱であるため、ダイオード401bは電流のほとんどを伝導し、したがって、回線抵抗402にわたる電圧降下を増加させる。これが、ESD保護の動作のために、より大きな余裕をさらに作り出す。
【0016】
本発明の他の好ましい実施形態において、それぞれ図4Bおよび図4Cに示されたように、トランジスタ301aはESDクランプ215aとして機能することができ、ダイオード401bはESDクランプ215bとして機能することができる。上記図3Aを参照して検討されたように、同じく、図4Bにおいて、ESD事象の発生中に、トランジスタ301aは206と並列に電流211を伝導し始める。これは、インターフェース回線215に余分な電流211を供給し、同電流211が、今度は回線抵抗302にかかる電圧を上昇させる。同様に、上記の図4Aを参照して検討したように、図4Cと同じく、ESD事象の発生中、ダイオード401bには順方向バイアスがかかり、同じく余分な電流211を伝導し、これが、インターフェース回線215を介した電流を増加させる一方、さらなるストレスからトランジスタ206を解放する。
【0017】
図5を参照すると、本発明の改善された領域間ESD保護回路500の他の実施形態が示されている。回路500において、図2の能動インピーダンス要素105は、トランジスタ501およびトランジスタ503からなるパス・ゲートを使用することにより実現されている。そのため、インピーダンス要素105に対しては、固定値の抵抗を使用する代わりに、トランジスタ501および503からなる要素105の抵抗値がこの要素105が通常の動作中かESDの発生中かにより決定されている。この値はゲート電圧により決定されている。目的は、ESD発生中のインターフェース回線215に高インピーダンス・パスを有することである。しかし、通常の動作中は、回線抵抗105は可能な限り低くあるべきである。図5に示されたように、トランジスタ501のバルクは接地回線216に接続され、トランジスタ503のバルクは供給回線202に接続されている。トランジスタ501のゲートは制御信号502で駆動され、トランジスタ503のゲートは制御信号504で駆動されている。注意されたいことは、制御信号502および504が互いに逆となっていることである。ICの通常の動作中、信号502は論理ハイとなっており、信号504は論理ローとなっている。この条件下で、双方のトランジスタ501および503はオンにされ、パス・ゲートは低いインピーダンスを持つ。この場合、(図示されていない)二次電流211は、パス・ゲートのトランジスタ501および503を介してドレインからソースに自由に流れることができる。しかし、ESD発生中は高インピーダンスが所望される。そのため、この場合、制御器502は論理ローとなるべきであり、制御信号504は論理ハイとなり、したがって、双方のトランジスタ501および503ともオフとされる。この場合、パス・ゲートのこれらのトランジスタ501および503を介してドレインからソースに流れようとしている(図示されていない)ESD二次電流211は高インピーダンスを経験する。
【0018】
図6および6Aを参照すると、本発明の改善された領域間ESD保護回路600の他の実施形態が示されている。回路600においては、図2において設けられているESDクランプ204aおよび204bに加えて、示されたように、追加のESDクランプ204cおよび204dが追加されている。ESDクランプ204cはトランジスタ209のソースと接地201との間に追加され、ESDクランプ204bに直列に接続されてもいる。ESDクランプ204bはトランジスタ208のソースと電圧ノード203との間に追加され、ESDクランプ204aに直列に接続されてもいる。そのため、ESD電流が供給回線202から接地201に流れる場合を考える。この実施形態においては、トランジスタ209のゲートで生成された電圧を制限するために、ESDクランプ204cが追加されており、同クランプ204c自体は幾分かの抵抗を有しており、したがって、インピーダンス要素205とESDクランプ204cとの間で電圧を分割している。そのため、この実施形態においては、図6Aに示されたように、生成された電圧は要素205にかかるだけではなく、要素204cにもかかっている。長所の1つは、高いインピーダンス、例えば1キロオームが必要な場合に、このインピーダンスを要素205と204cとの間で分割できることである。そのため、ESD発生中は、生成された電圧を防止するために、図6Aに示されたように、ESDクランプ204bが電流211を伝導するだけでなく、ESDクランプ204cも電流211を伝導し始める。多くの場合に、トランジスタ209のソースにおけるこのESDクランプ204cのインピーダンスが十分高ければ、単にトランジスタ209のソースにESDクランプ204cを定置することにより、インピーダンス要素205が必要でなくなることに注意されよう。
【0019】
供給回線202と供給回線203との間にESDストレスがあると、上記に検討されたものと同様の実用例が適用されることに注意されたい。この場合、ESD事象の発生中、電流は、供給回線202から215aに、続いて、インピーダンス要素205を介してESDクランプ204aに、続いて、ESDクランプ204dに流れる。この場合の流れにおいて、生成された電圧はインピーダンス要素205とESDクランプ204dとの間で分割される。さらに、たとえ、図示されていないが、他の実施形態において、(高抵抗が必要でない)多くの場合に、要素205、215a、および、215bは回路600から排除することができる。
【0020】
図7および7Aを参照すると、本発明の改善された領域間ESD保護回路700の他の実施形態が示されている。回路700において、図2のESDクランプ204aおよび204bは排除されており、代わりに、単一のESDクランプ204eが入力ポート216と入力端末213との間に追加されている。クランプ204aおよび204bを排除して1つのESDクランプ204eのみをトランジスタ208と209との間に定置することの長所の1つは、インターフェース回線214において面積を低減し、かつ、容量をさらに低減することである。インピーダンス要素205の抵抗値は、トランジスタの速度のために制限されている。そのため、高速伝送において、インピーダンス要素205は、ゲート酸化物ならびにESDクランプ204aおよび204bからの拡大された容量とは最早組み合わされない。この容量値がチャンネルの抵抗により増倍された場合、それはインターフェース段の固有の時定数を与える。固有の時定数は送信機が動作できる速度に制限を課す。なぜなら、より高い周波数の信号がフィルタ除去されるからである。
【0021】
図7Aを参照すると、ESD事象の発生中の回路700の電流の流れが示されている。通常の動作中は、ESDクランプ204eがオフとされ、そのため、これが、入力ポート214から端末213に流れ、トランジスタ209および最後に接地201に続く電流を制限する。ESDストレス下では、ノード202における電圧が入力ポート214に転送される。このノードにおける電圧は、クランプ204eのトリガ電圧に達するまで上昇する。続いて、さらに多くの電流111bが、供給回線202からトランジスタ206およびクランプ215aを介して回線インピーダンスに流れることが可能となる。続いて、この電流は、単一のクランプ204eを介して端末213に流れる。この後、電流は入力トランジスタ209を介してドレインからソースに、および、接地201に流れることができる。さらに、たとえ、図示されてはいないが、他の実施形態においては、追加電流を流す能力が必要とされない多くの場合、要素215aおよび215bを回路700から排除することができる。
【0022】
多数の領域間インターフェースがしばしばある。このような接続の例の1つが図8に示されている。例示的な図8において、少なくとも2つのインターフェース保護回路200からなる多領域間接続800が示されていることに注意されたい。この多領域間接続が図8のものに限られないことに注意されたい。当業者は、他の多領域間接続も同じく作成できることを理解されよう。ここで多ESDクランプ204aおよび204bならびに多インピーダンス要素205が必要であるために、図8に示されたように、ESD検出器218が、好ましくは、定置され、かつ、異なったクランプにわたり共有される。図8に示されたように、ESD検出器218をESDクランプ204aおよび204bに接続することにより、クランプ204aおよび204bを遥かに高速にトリガするうえで役立つことに注意されたい。同様に、このESD検出器218が1つのみの接続のためには通常は大きすぎるために、同検出器218は、好ましくは、異なった多数の接続にわたり共有することができ、したがって、領域間保護の総表面積を低減する。それにより、このようにして、1つのみのトリガ回路、すなわち、ESD検出器218が多領域間インターフェース全体のために使用されている。
【0023】
さらに、図8において、2つの回路200の間の接続が、好ましくは、入力に定置された局所クランプ(NMOS)204bのゲートに接続されていることに注意されたい。再び、2つの保護回路200の間の接続がこの局所クランプ204bには限られないことに注意されたい。当業者は、この2つの回路間では他の接続も作成できることを理解されよう。たとえ、図示されていないが、1つの好ましい実施形態においては、ESD検出器216が、好ましくは、クランプ215aおよび215bにも接続することができる。代案として、要素215aおよび215bは接続回路800から排除することもできる。
【0024】
本発明の好ましい実施形態において、図8Aに示されたように、ESD検出器回路218は、抵抗器およびコンデンサからなるRC過渡検出器218aである。再び、ESD検出器218がRC過渡検出器218aに限られないことに注意されたい。当業者は、フィードバック技術もしくはインバータ段と組み合わされたRC過渡検出器などの他のESD検出器、または、過電圧/過電流感知デバイスさえもがトリガ要素として使用でき、かつ、多領域間で共有できることを理解されよう。
【0025】
図9を参照すると、本発明の改善された領域間ESD保護回路900の代案実施形態が示されている。図2に示されたように、電力供給と回路ノード215との間にドライバ206と並列にESDクランプ215aを定置する代わりに、図9においては、ESDクランプ215aが、代わりに、主力ドライバと直列に、したがって、電力回線202とトランジスタ206のソースとの間に定置されていることに注意されたい。同様に、図2に示されたように、接地ノード216と回路ノード215との間にドライバ207と並列にESDクランプ215bを定置する代わりに、図9においては、ESDクランプ215bが、代わりに、接地216とトランジスタ207のソースとの間に出力ドライバと直列に定置されている。インターフェース駆動回路とのESDクランプのこの直列接続が、直列要素にわたる(それらの2つのノードの間のストレスに対して)202と201の間の全ESD電圧の幾分かを定置することにより、回線インピーダンス205が吸収する必要のある電圧降下を低減していることに注意されたい。
【0026】
本発明の好ましい実施形態において、図9Aに示されたように、ESDクランプ215aおよび215bは、それぞれNMOSおよびPMOSである。そのため、カスケード式ドライバが形成されている。それにより、例えばノード202でのESDストレス発生中には、ノード202とインターフェース回線215の間で生成された電圧がESDクランプ215aとPMOS206にかかる電圧に等しく、すなわち、単一のPMOS206にかかる電圧の2倍になる。この余分な電圧降下が、ここでは、回線インピーダンス205により吸収される必要が最早ないため、インピーダンス要素205の抵抗値は低減することができる。
【0027】
本発明の他の実施形態において、図9Aのカスケードになったドライバ215aおよび215bも、好ましくは、図9Bに示されたように、多数のドライバの間で適用および共有することができる。したがって、カスケードになったドライバMOS215aおよび215bは、多数の領域間接続において共有することができる。
【0028】
図10および10Aを参照すると、本発明の改善された領域間ESD保護回路1000の他の実施形態が示されている。この実施形態では、図2の回路200の局所クランプ204aおよび204bも、二次的な保護手法から構成することができる。特に、この回路1000において、それぞれ、図2のクランプ204aは、クランプ204fおよび204gから構成され、図2のクランプ204bは、クランプ204hおよび204iから構成されている。同じく回路に含まれているのは、クランプ204f/204gと204h/204iとの間に配置された抵抗器220である。図10Aに示されたように、電流111bの主な部分はクランプ204hおよび204iにより伝導される一方、この電流の第3の小さな部分は抵抗器218を介して204fおよび204gにより伝導されている。したがって、この実施においては、抵抗器220を介して余分な電圧が供給されている。さらに、たとえ、図示されてはいないが、追加電流を流す能力が必要ではない多くの場合、要素215aおよび215bは回路1000から排除することができる。
【0029】
本発明の教示を組み込んだ様々な実施形態が本明細書において詳細に示され、かつ、説明されたが、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、これらの教示をまだ組み込んだ多くの他の様々な実施形態を直ちに考案できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の従来技術による領域間ESD保護回路のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による改善された領域間ESD保護回路のブロック図である。
【図2A】図2における電流の流れのブロック図である。
【図2B】図2における電流の流れのブロック図である。
【図2C】図2における電流の流れのブロック図である。
【図2D】図2における電流の流れのブロック図である。
【図3】本発明の好ましい実施形態による図2の改善された領域間ESD保護回路の概略図である。
【図3A】図3における電流の流れの概略図である。
【図4】本発明の好ましい実施形態による図2の改善された領域間ESD保護回路の概略図である。
【図4A】図4における電流の流れの概略図である。
【図4B】本発明の1つの好ましい実施形態による図3Aおよび図4Aの組合せの電流の流れの概略図である。
【図4C】本発明の他の好ましい実施形態による図3Aおよび図4Aの組合せの電流の流れの概略図である。
【図5】本発明の第4の実施形態による図2の改善された領域間ESD保護回路の概略図である。
【図6】本発明の第5の実施形態による改善された領域間ESD保護のブロック図である。
【図6A】図6における電流の流れのブロック図である。
【図7】本発明の第6の実施形態による改善された領域間ESD保護のブロック図である。
【図7A】図7における電流の流れのブロック図である。
【図8】本発明の第7の実施形態による改善された領域間ESD保護のブロック図である。
【図8A】図8における電流の流れの概略図である。
【図9】本発明の第8の実施形態による改善された領域間ESD保護のブロック図である。
【図9A】本発明の好ましい実施形態による図9の改善された領域間ESD保護回路の例示的な概略図である。
【図9B】本発明の好ましい実施形態による図9の改善された領域間ESD保護回路の例示的な概略図である。
【図10】本発明の好ましい実施形態による図2の改善された領域間ESD保護回路の概略図である。
【図10A】図10における電流の流れの概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の電力領域を持つ集積回路を保護するための静電放電(ESD)保護回路であって、
第1の電圧供給回線と第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のMOSトランジスタと、
第2の電圧供給回線と、前記第1の接地電位および第2の接地電位のうちの1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のMOSトランジスタと、
前記第1の電圧供給回線と前記第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のESDクランプであって、前記少なくとも1つの第1のESDクランプは前記少なくとも1つの第1のMOSトランジスタと平行に定置されている第1のESDクランプと、
前記第2の電圧供給と、前記第1および第2の接地電位のうちの前記少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のESDクランプであって、前記少なくとも1つの第2のESDクランプは前記少なくとも1つの第2のMOSトランジスタと平行に定置されている第2のESDクランプと、
前記少なくとも第1のMOSトランジスタと前記少なくとも第2のMOSトランジスタとの間に配置された少なくとも1つのインピーダンス回路であって、前記少なくとも1つの第1のESDクランプは電流を伝導し、かつ、ESD事象に応じて前記インピーダンス回路内に前記電流の少なくとも一部を供給するインピーダンス回路とを含むESD保護回路。
【請求項2】
前記インピーダンス回路、前記少なくとも第1のMOSトランジスタ、および、前記少なくとも第2のMOSトランジスタは、前記第1と前記第2の電圧供給回線の間にインターフェースを形成する請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項3】
前記インピーダンス回路は、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、および、ダイオードのうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項4】
前記インピーダンス回路は少なくとも1つの能動デバイスを含む請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項5】
前記インピーダンス回路は、制御可能なインピーダンス値を有する可変インピーダンス要素を含む請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1のESDクランプは少なくとも1つのMOSトランジスタを含む請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1のESDクランプは少なくとも1つのダイオードを含む請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項8】
前記インピーダンス回路は前記少なくとも1つの第1のMOSトランジスタのドレインを前記少なくとも1つの第2のMOSトランジスタのゲートに接続する請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項9】
前記電流の前記少なくとも一部は、前記少なくとも第1および第2のMOSトランジスタのうちの1つの破壊を防止するために、前記インピーダンス回路にかかる電圧を上昇させる請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項10】
前記少なくとも第2のESDクランプに直列に配置された少なくとも1つの第3のESDクランプをさらに含み、前記少なくとも第3のESDクランプは前記ESD事象に応じて電流を伝導する請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第3のESDクランプは、前記第1および第2の接地電位のうちの前記少なくとも1つと前記少なくとも第2のMOSトランジスタとの間に結合されている請求項9に記載のESD保護回路。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第3のESDクランプは、前記第2の電圧供給回線と前記少なくとも1つの第2のMOSトランジスタとの間に結合されている請求項9に記載のESD保護回路。
【請求項13】
前記第1と前記第2の接地電位の間に配置された第2のインピーダンス回路をさらに含む請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項14】
前記第2のESDクランプは、間に抵抗器が配置された2つのESDクランプを含む請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項15】
多数の電力領域を持つ集積回路を保護するための静電放電(ESD)保護回路であって、
第1の電圧供給回線と第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のMOSトランジスタと、
第2の電圧供給回線と、前記第1の接地電位および第2の接地電位のうちの1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のMOSトランジスタと、
前記第1の電圧供給回線と前記第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のESDクランプであって、前記少なくとも第1のESDクランプは前記少なくとも第1のMOSトランジスタと平行に定置されている第1のESDクランプと、
前記少なくとも第1のMOSトランジスタと前記少なくとも第2のMOSトランジスタとの間に配置された少なくとも1つのインピーダンス回路と、
前記第2のMOSトランジスタのドレインと前記第2のMOSトランジスタのゲートとの間に定置された少なくとも1つの第2のESDクランプであって、前記少なくとも第1および第2のESDクランプは電流を伝導し、かつ、ESD事象に応じて前記インピーダンス回路内に前記電流の少なくとも一部を供給する第2のESDクランプとを含むESD保護回路。
【請求項16】
前記インピーダンス回路、前記少なくとも第1のMOSトランジスタ、および、前記少なくとも第2のMOSトランジスタは、前記第1と第2の電圧供給回線の間にインターフェースを形成する請求項15に記載のESD保護回路。
【請求項17】
前記第1と前記第2の接地電位の間に配置された第2のインピーダンス回路をさらに含む請求項15に記載のESD保護回路。
【請求項18】
多数の電力領域を持つ集積回路を保護するための静電放電(ESD)保護回路であって、
第1の保護回路であって、
第1の電圧供給回線と第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のMOSトランジスタと、
第2の電圧供給回線と、前記第1および第2の接地電位のうちの少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のMOSトランジスタと、
前記第1の電圧供給回線と前記第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のESDクランプであって、前記少なくとも第1のESDクランプは前記少なくとも第1のMOSトランジスタと平行に定置されている第1のESDクランプと、
前記第2の電圧供給回線と、前記第1および前記第2の接地電位のうちの前記少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のESDクランプであって、前記少なくとも第2のMOSトランジスタと平行に定置されている第2のESDクランプと、
前記少なくとも第1のMOSトランジスタと前記少なくとも第2のMOSトランジスタとの間に配置された少なくとも1つの第1のインピーダンス回路であって、前記少なくとも第1のESDクランプは電流を伝導し、かつ、ESD事象に応じて前記インピーダンス回路内に前記電流の少なくとも一部を供給する第1のインピーダンス回路とを含む第1の保護回路と、
第2の保護回路であって、
第3の電圧供給回線と第3の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第3のMOSトランジスタと、
第4の電圧供給回線と、前記第3および第4の接地電位のうちの前記少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第4のMOSトランジスタと、
前記第3の電圧供給回線と前記第3の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第3のESDクランプであって、前記少なくとも第3のESDクランプは前記少なくとも第3のMOSトランジスタと平行に定置されている第3のESDクランプと、
前記第4の電圧供給回線と、前記第3および前記第4の接地電位のうちの前記少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第4のESDクランプであって、前記少なくとも第4のMOSトランジスタと平行に定置されている第4のESDクランプと、
前記少なくとも第3のMOSトランジスタと前記少なくとも第4のMOSトランジスタとの間に配置された少なくとも1つの第2のインピーダンス回路であって、前記少なくとも第3のESDクランプは電流を伝導し、かつ、ESD事象に応じて前記インピーダンス回路内に前記電流の少なくとも一部を供給する第2のインピーダンス回路とを含む第2の保護回路と、
前記第1の保護回路および前記第2の保護回路に結合されたESD検出器とを含むESD保護回路。
【請求項19】
前記ESD検出器は過渡状態検出器である請求項18に記載のESD保護回路。
【請求項20】
前記ESD検出器は、前記第1の保護回路の前記第1のESDクランプおよび前記第2の保護回路の前記第2のESDクランプに結合されている請求項18に記載のESD保護回路。
【請求項21】
前記ESD検出器は、前記第1の保護回路の前記第3のESDクランプおよび前記第2の保護回路の前記第5のESDクランプに結合されている請求項18に記載のESD保護回路。
【請求項22】
多数の電力領域を持つ集積回路を保護するための静電放電(ESD)保護回路であって、
第1の保護回路であって、
第1の電圧供給回線と第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のMOSトランジスタと、
第2の電圧供給回線と、前記第1および第2の接地電位のうちの少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のMOSトランジスタと、
前記少なくとも第1のMOSトランジスタと前記少なくとも第2のMOSトランジスタとの間に配置された少なくとも1つの第1のインピーダンス回路と、
前記第2の電圧供給回線と前記第1および前記第2の接地電位のうちの前記少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第1のESDクランプであって、前記少なくとも第1のESDクランプは前記少なくとも第2のMOSトランジスタと平行に定置され、かつ、ESD事象に応じて電流を伝導する第1のESDクランプとを含む第1の保護回路と、
第2の保護回路であって、
第3の電圧供給回線と第3の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第3のMOSトランジスタと、
第4の電圧供給回線と、前記第3および第4の接地電位のうちの前記少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第4のMOSトランジスタと、
前記少なくとも第3のMOSトランジスタと前記少なくとも第4のMOSトランジスタとの間に配置された少なくとも1つの第2のインピーダンス回路と、
前記第4の電圧供給回線と前記第3および前記第4の接地電位のうちの前記少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のESDクランプであって、前記少なくとも1つの第4のMOSトランジスタと平行に定置され、かつ、ESD事象に応じて電流を伝導する第2のESDクランプとを含む第2の保護回路と、
前記第1の保護回路および前記第2の保護回路に結合されたESD検出器とを含むESD保護回路。
【請求項23】
多数の電力領域を持つ集積回路を保護するための静電放電(ESD)保護回路であって、
第1の電圧供給回線と第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のMOSトランジスタと、
第2の電圧供給回線と、前記第1および第2の接地電位のうちの少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のMOSトランジスタと、
前記第1の電圧供給回線と前記少なくとも第1のMOSトランジスタとの間に直列に結合された少なくとも1つの第1のESDクランプと、
前記第2の電圧供給回線と前記第1および前記第2の接地電位のうちの前記少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のESDクランプであって、前記少なくとも第2のMOSトランジスタと平行に定置されている第2のESDクランプと、
前記少なくとも第1のMOSトランジスタと前記少なくとも第2のMOSトランジスタとの間に配置された少なくとも1つのインピーダンス回路であって、前記少なくとも第1のESDクランプは電流を伝導し、かつ、ESD事象に応じて前記インピーダンス回路内に前記電流の少なくとも一部を供給するインピーダンス回路とを含むESD保護回路。
【請求項24】
前記第1のESDクランプはMOSトランジスタを含む請求項23に記載のESD保護回路。
【請求項25】
前記第1と前記第2の接地電位との間に定置された第2のインピーダンス回路をさらに含む請求項23に記載のESD保護回路。
【請求項26】
多数の電力領域を持つ集積回路を保護するための静電放電(ESD)保護回路であって、
第1の保護回路であって、
第1の電圧供給回線と第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のMOSトランジスタと、
第2の電圧供給回線と、前記第1および第2の接地電位のうちの少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のMOSトランジスタと、
前記第1の電圧供給回線と前記少なくとも第1のMOSトランジスタとの間に直列に結合された少なくとも1つの第1のESDクランプと、
前記第2の電圧供給回線と前記第1および前記第2の接地電位のうちの前記少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のESDクランプであって、前記少なくとも第2のMOSトランジスタと平行に定置された第2のESDクランプと、
前記少なくとも第1のMOSトランジスタと前記少なくとも第2のMOSトランジスタとの間に配置された少なくとも1つの第1のインピーダンス回路であって、前記少なくとも第1のESDクランプは電流を伝導し、かつ、ESD事象に応じて前記少なくとも1つの第1のインピーダンス回路内に前記電流の少なくとも一部を供給する第1のインピーダンス回路とを含む第1の保護回路と、
第2の保護回路であって、
前記少なくとも第1のESDクランプおよび前記第1の接地電位に直列に結合された少なくとも1つの第3のMOSトランジスタと、
第3の電圧供給回線と第3の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第4のMOSトランジスタと、
前記第3の電位と前記第3の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第4のESDクランプであって、前記少なくとも1つの第4のMOSトランジスタと平行に定置された第4のESDクランプと、
前記少なくとも第3のMOSトランジスタと前記少なくとも第4のMOSトランジスタとの間に配置された少なくとも1つの第2のインピーダンス回路とを含む第2の保護回路とを含み、
前記第1の保護回路の前記少なくとも第1のESDクランプは電流を伝導し、かつ、ESD事象に応じて前記第2の保護ユニットの前記少なくとも1つの第2のインピーダンス回路内に前記電流の少なくとも一部を供給するESD保護回路。
【請求項27】
前記第1のESDクランプはMOSトランジスタを含む請求項24に記載のESD保護回路。
【請求項1】
多数の電力領域を持つ集積回路を保護するための静電放電(ESD)保護回路であって、
第1の電圧供給回線と第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のMOSトランジスタと、
第2の電圧供給回線と、前記第1の接地電位および第2の接地電位のうちの1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のMOSトランジスタと、
前記第1の電圧供給回線と前記第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のESDクランプであって、前記少なくとも1つの第1のESDクランプは前記少なくとも1つの第1のMOSトランジスタと平行に定置されている第1のESDクランプと、
前記第2の電圧供給と、前記第1および第2の接地電位のうちの前記少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のESDクランプであって、前記少なくとも1つの第2のESDクランプは前記少なくとも1つの第2のMOSトランジスタと平行に定置されている第2のESDクランプと、
前記少なくとも第1のMOSトランジスタと前記少なくとも第2のMOSトランジスタとの間に配置された少なくとも1つのインピーダンス回路であって、前記少なくとも1つの第1のESDクランプは電流を伝導し、かつ、ESD事象に応じて前記インピーダンス回路内に前記電流の少なくとも一部を供給するインピーダンス回路とを含むESD保護回路。
【請求項2】
前記インピーダンス回路、前記少なくとも第1のMOSトランジスタ、および、前記少なくとも第2のMOSトランジスタは、前記第1と前記第2の電圧供給回線の間にインターフェースを形成する請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項3】
前記インピーダンス回路は、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、および、ダイオードのうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項4】
前記インピーダンス回路は少なくとも1つの能動デバイスを含む請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項5】
前記インピーダンス回路は、制御可能なインピーダンス値を有する可変インピーダンス要素を含む請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1のESDクランプは少なくとも1つのMOSトランジスタを含む請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1のESDクランプは少なくとも1つのダイオードを含む請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項8】
前記インピーダンス回路は前記少なくとも1つの第1のMOSトランジスタのドレインを前記少なくとも1つの第2のMOSトランジスタのゲートに接続する請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項9】
前記電流の前記少なくとも一部は、前記少なくとも第1および第2のMOSトランジスタのうちの1つの破壊を防止するために、前記インピーダンス回路にかかる電圧を上昇させる請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項10】
前記少なくとも第2のESDクランプに直列に配置された少なくとも1つの第3のESDクランプをさらに含み、前記少なくとも第3のESDクランプは前記ESD事象に応じて電流を伝導する請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第3のESDクランプは、前記第1および第2の接地電位のうちの前記少なくとも1つと前記少なくとも第2のMOSトランジスタとの間に結合されている請求項9に記載のESD保護回路。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第3のESDクランプは、前記第2の電圧供給回線と前記少なくとも1つの第2のMOSトランジスタとの間に結合されている請求項9に記載のESD保護回路。
【請求項13】
前記第1と前記第2の接地電位の間に配置された第2のインピーダンス回路をさらに含む請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項14】
前記第2のESDクランプは、間に抵抗器が配置された2つのESDクランプを含む請求項1に記載のESD保護回路。
【請求項15】
多数の電力領域を持つ集積回路を保護するための静電放電(ESD)保護回路であって、
第1の電圧供給回線と第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のMOSトランジスタと、
第2の電圧供給回線と、前記第1の接地電位および第2の接地電位のうちの1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のMOSトランジスタと、
前記第1の電圧供給回線と前記第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のESDクランプであって、前記少なくとも第1のESDクランプは前記少なくとも第1のMOSトランジスタと平行に定置されている第1のESDクランプと、
前記少なくとも第1のMOSトランジスタと前記少なくとも第2のMOSトランジスタとの間に配置された少なくとも1つのインピーダンス回路と、
前記第2のMOSトランジスタのドレインと前記第2のMOSトランジスタのゲートとの間に定置された少なくとも1つの第2のESDクランプであって、前記少なくとも第1および第2のESDクランプは電流を伝導し、かつ、ESD事象に応じて前記インピーダンス回路内に前記電流の少なくとも一部を供給する第2のESDクランプとを含むESD保護回路。
【請求項16】
前記インピーダンス回路、前記少なくとも第1のMOSトランジスタ、および、前記少なくとも第2のMOSトランジスタは、前記第1と第2の電圧供給回線の間にインターフェースを形成する請求項15に記載のESD保護回路。
【請求項17】
前記第1と前記第2の接地電位の間に配置された第2のインピーダンス回路をさらに含む請求項15に記載のESD保護回路。
【請求項18】
多数の電力領域を持つ集積回路を保護するための静電放電(ESD)保護回路であって、
第1の保護回路であって、
第1の電圧供給回線と第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のMOSトランジスタと、
第2の電圧供給回線と、前記第1および第2の接地電位のうちの少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のMOSトランジスタと、
前記第1の電圧供給回線と前記第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のESDクランプであって、前記少なくとも第1のESDクランプは前記少なくとも第1のMOSトランジスタと平行に定置されている第1のESDクランプと、
前記第2の電圧供給回線と、前記第1および前記第2の接地電位のうちの前記少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のESDクランプであって、前記少なくとも第2のMOSトランジスタと平行に定置されている第2のESDクランプと、
前記少なくとも第1のMOSトランジスタと前記少なくとも第2のMOSトランジスタとの間に配置された少なくとも1つの第1のインピーダンス回路であって、前記少なくとも第1のESDクランプは電流を伝導し、かつ、ESD事象に応じて前記インピーダンス回路内に前記電流の少なくとも一部を供給する第1のインピーダンス回路とを含む第1の保護回路と、
第2の保護回路であって、
第3の電圧供給回線と第3の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第3のMOSトランジスタと、
第4の電圧供給回線と、前記第3および第4の接地電位のうちの前記少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第4のMOSトランジスタと、
前記第3の電圧供給回線と前記第3の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第3のESDクランプであって、前記少なくとも第3のESDクランプは前記少なくとも第3のMOSトランジスタと平行に定置されている第3のESDクランプと、
前記第4の電圧供給回線と、前記第3および前記第4の接地電位のうちの前記少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第4のESDクランプであって、前記少なくとも第4のMOSトランジスタと平行に定置されている第4のESDクランプと、
前記少なくとも第3のMOSトランジスタと前記少なくとも第4のMOSトランジスタとの間に配置された少なくとも1つの第2のインピーダンス回路であって、前記少なくとも第3のESDクランプは電流を伝導し、かつ、ESD事象に応じて前記インピーダンス回路内に前記電流の少なくとも一部を供給する第2のインピーダンス回路とを含む第2の保護回路と、
前記第1の保護回路および前記第2の保護回路に結合されたESD検出器とを含むESD保護回路。
【請求項19】
前記ESD検出器は過渡状態検出器である請求項18に記載のESD保護回路。
【請求項20】
前記ESD検出器は、前記第1の保護回路の前記第1のESDクランプおよび前記第2の保護回路の前記第2のESDクランプに結合されている請求項18に記載のESD保護回路。
【請求項21】
前記ESD検出器は、前記第1の保護回路の前記第3のESDクランプおよび前記第2の保護回路の前記第5のESDクランプに結合されている請求項18に記載のESD保護回路。
【請求項22】
多数の電力領域を持つ集積回路を保護するための静電放電(ESD)保護回路であって、
第1の保護回路であって、
第1の電圧供給回線と第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のMOSトランジスタと、
第2の電圧供給回線と、前記第1および第2の接地電位のうちの少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のMOSトランジスタと、
前記少なくとも第1のMOSトランジスタと前記少なくとも第2のMOSトランジスタとの間に配置された少なくとも1つの第1のインピーダンス回路と、
前記第2の電圧供給回線と前記第1および前記第2の接地電位のうちの前記少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第1のESDクランプであって、前記少なくとも第1のESDクランプは前記少なくとも第2のMOSトランジスタと平行に定置され、かつ、ESD事象に応じて電流を伝導する第1のESDクランプとを含む第1の保護回路と、
第2の保護回路であって、
第3の電圧供給回線と第3の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第3のMOSトランジスタと、
第4の電圧供給回線と、前記第3および第4の接地電位のうちの前記少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第4のMOSトランジスタと、
前記少なくとも第3のMOSトランジスタと前記少なくとも第4のMOSトランジスタとの間に配置された少なくとも1つの第2のインピーダンス回路と、
前記第4の電圧供給回線と前記第3および前記第4の接地電位のうちの前記少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のESDクランプであって、前記少なくとも1つの第4のMOSトランジスタと平行に定置され、かつ、ESD事象に応じて電流を伝導する第2のESDクランプとを含む第2の保護回路と、
前記第1の保護回路および前記第2の保護回路に結合されたESD検出器とを含むESD保護回路。
【請求項23】
多数の電力領域を持つ集積回路を保護するための静電放電(ESD)保護回路であって、
第1の電圧供給回線と第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のMOSトランジスタと、
第2の電圧供給回線と、前記第1および第2の接地電位のうちの少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のMOSトランジスタと、
前記第1の電圧供給回線と前記少なくとも第1のMOSトランジスタとの間に直列に結合された少なくとも1つの第1のESDクランプと、
前記第2の電圧供給回線と前記第1および前記第2の接地電位のうちの前記少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のESDクランプであって、前記少なくとも第2のMOSトランジスタと平行に定置されている第2のESDクランプと、
前記少なくとも第1のMOSトランジスタと前記少なくとも第2のMOSトランジスタとの間に配置された少なくとも1つのインピーダンス回路であって、前記少なくとも第1のESDクランプは電流を伝導し、かつ、ESD事象に応じて前記インピーダンス回路内に前記電流の少なくとも一部を供給するインピーダンス回路とを含むESD保護回路。
【請求項24】
前記第1のESDクランプはMOSトランジスタを含む請求項23に記載のESD保護回路。
【請求項25】
前記第1と前記第2の接地電位との間に定置された第2のインピーダンス回路をさらに含む請求項23に記載のESD保護回路。
【請求項26】
多数の電力領域を持つ集積回路を保護するための静電放電(ESD)保護回路であって、
第1の保護回路であって、
第1の電圧供給回線と第1の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第1のMOSトランジスタと、
第2の電圧供給回線と、前記第1および第2の接地電位のうちの少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のMOSトランジスタと、
前記第1の電圧供給回線と前記少なくとも第1のMOSトランジスタとの間に直列に結合された少なくとも1つの第1のESDクランプと、
前記第2の電圧供給回線と前記第1および前記第2の接地電位のうちの前記少なくとも1つとの間に結合された少なくとも1つの第2のESDクランプであって、前記少なくとも第2のMOSトランジスタと平行に定置された第2のESDクランプと、
前記少なくとも第1のMOSトランジスタと前記少なくとも第2のMOSトランジスタとの間に配置された少なくとも1つの第1のインピーダンス回路であって、前記少なくとも第1のESDクランプは電流を伝導し、かつ、ESD事象に応じて前記少なくとも1つの第1のインピーダンス回路内に前記電流の少なくとも一部を供給する第1のインピーダンス回路とを含む第1の保護回路と、
第2の保護回路であって、
前記少なくとも第1のESDクランプおよび前記第1の接地電位に直列に結合された少なくとも1つの第3のMOSトランジスタと、
第3の電圧供給回線と第3の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第4のMOSトランジスタと、
前記第3の電位と前記第3の接地電位との間に結合された少なくとも1つの第4のESDクランプであって、前記少なくとも1つの第4のMOSトランジスタと平行に定置された第4のESDクランプと、
前記少なくとも第3のMOSトランジスタと前記少なくとも第4のMOSトランジスタとの間に配置された少なくとも1つの第2のインピーダンス回路とを含む第2の保護回路とを含み、
前記第1の保護回路の前記少なくとも第1のESDクランプは電流を伝導し、かつ、ESD事象に応じて前記第2の保護ユニットの前記少なくとも1つの第2のインピーダンス回路内に前記電流の少なくとも一部を供給するESD保護回路。
【請求項27】
前記第1のESDクランプはMOSトランジスタを含む請求項24に記載のESD保護回路。
【図1】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図8A】
【図9】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図10A】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図8A】
【図9】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図10A】
【公開番号】特開2008−235886(P2008−235886A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−57606(P2008−57606)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(599134012)サーノフ コーポレーション (59)
【出願人】(506408449)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−57606(P2008−57606)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(599134012)サーノフ コーポレーション (59)
【出願人】(506408449)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]