説明

改良された変位測定システム

【課題】
干渉法変位測定において光経路長を低減すること。
【解決手段】
センサヘッド(105)と測定格子(106)とを具備しており、このセンサヘッドは、 光ビームを提供する光源(200)と、光ビームを第1および第2の測定チャネル(400、500)に分割するスプリッタ格子と、第1および第2の測定チャネルを測定格子に戻すように再帰反射するように構成される第1の再帰反射器および第2の再帰反射器(208)と、第1の測定チャネルを受け取るように配置される第1の検出器アレイと、第2の測定チャネルを受け取るように配置される第2の検出器アレイとを備え、測定格子は、各測定チャネルを、第1の照明パスにおいて第1のアーム及び第2のアームに分割し、第2の照明パスにおいて該第1のアームと第2のアームを再結合するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー干渉計に係り、特に改良された変位測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
わずかな変位及び回転を精密に測定するために、基準ビーム及び測定ビームに分割される光のビームを使用するレーザ干渉法の使用が知られている。移動物体に取り付けられたミラーから測定ビームが反射され、且つ固定物体から反射される基準ビームと結合されることにより、位相差が生成される。この位相差は、基準ビームの反射器と測定ビームの反射器との間にもたらされる変位の量に比例する。
【0003】
多くの用途において、測定ビーム経路は空気を通過する。用途によっては、ダブルパス(double pass)ビーム経路が、測定ビーム経路と基準ビーム経路との間の伝播角度の相殺を可能にすることができる。ダブルパスビーム経路は、ビーム経路長を増大させる。さらに、光の光路長は、移動物体の行程の4倍を超える可能性がある。集積回路リソグラフィで使用されるウェハ露光器具では、光路長は2メートル近くになる可能性がある。光が伝わる空気は、温度、圧力及び気体組成に関して適切に制御されなければならないため、ビーム経路が長いことにより、測定に問題が生じる。温度、圧力及び気体組成がすべて空気の屈折率に影響を与えるため、それらのうちのあらゆる変化又は不整合も、位相ずれ、したがって測定誤差又は測定不確実性として現れる。多くの用途では、空気の屈折率の制御は、性能制限因子になってきている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、干渉法変位測定用途において光移動の経路長を低減することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による、課題を解決するための手段は、特許請求の範囲に記載すると共に、以下の詳細な説明に記載している。
【0006】
本教示を、添付図面に関連して以下の詳細な説明から理解することができる。図面において、異なる図面の同様の参照符号は、同じか又は類似の要素を指す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下の詳細な説明では、限定ではなく説明の目的で、本教示による実施形態が理解されるために、特定の詳細を開示する例としての実施形態を示す。しかしながら、本開示の利益を享受した当業者には、本明細書に開示する特定の詳細から逸脱する本教示による他の実施形態が、依然として、添付の特許請求の範囲内にあることが明らかとなろう。さらに、例としての実施形態の説明を不明瞭にしないように、既知の装置及び方法の説明を省略している可能性もある。このような方法及び装置は、明らかに本教示の範囲内にある。
【0008】
特に図面のうちの図1を参照すると、半導体ウェハ100を製造するプロセスの一部として使用されるフォトリソグラフィシステムの一部の側面図が示されている。フォトリソグラフィシステムは、固定基準フレーム101、マスクステージ102、ウェハステージ103及び投影レンズ104を含む。フォトリソグラフィシステムは、本教示による変位測定装置の要素として1つ又は複数のセンサヘッド105及び測定格子106を含むことから利益を得る。図1は、移動ステージ102、103に取り付けられたセンサヘッド105と、固定基準フレーム101に取り付けられた測定格子106とを示す。当業者が理解するように、センサヘッド105を固定基準フレーム101に取り付け、測定格子106を移動ステージ102、103に取り付けることも、同様に適切である。
【0009】
特に図面のうちの図2を参照すると、x−z平面に示される、本教示によるセンサヘッド105及び測定格子106の特定の実施形態のより詳細な側面図が示されている。センサヘッド105は、1つの光周波数を有する光ビーム201を提供する光源又は光搬送ファイバ200を含む。光ビーム201は、スプリッタ格子204に突き当たる前にミラー202から反射されるように示されている。特定の実施形態では、ミラーからの反射は、光源200を水平方向に適合させたいという要求からの人為的な結果である。しかしながら、当業者は、光源200を垂直方向に置くこともまた適切であり、垂直方向では、光をさらに方向付けるためにミラー202が必要でない可能性がある、ということを理解する。ミラー202又は光源200とスプリッタ格子204との間に、コリメータ203等のレンズが配置されることにより、スプリッタ格子204を照明する前の光ビームを必要に応じて(as appropriate)平行にする。当業者は、光ビームが特定の用途の目的に対してすでに十分に集束されている場合、レンズ又はコリメータ203が必要ではない、ということを理解する。別の実施形態では、別個のスプリッタ204素子及びコリメータ203素子を使用する代りに、フレネルレンズ等の単一光学素子を使用して、光ビームを分割し且つ集束させてもよい。スプリッタ格子204の両端に、第1のマルチプレクサ格子205及び第2のマルチプレクサ格子206がある。特定の実施形態では、スプリッタ格子204は、2つのマルチプレクサ格子205、206と隣接し、実質的に同様のピッチを有する。また特定の実施形態では、スプリッタ格子204は、マルチプレクサ格子205、206の溝方向に対して垂直な溝方向によって画定される。特定の実施形態では、マルチプレクサ格子205、206の各々は同様の溝方向を有する。センサヘッド105は、第1の再帰反射器207及び第2の再帰反射器208と、第1の集束レンズ209及び第2の集束レンズ210と、第1の偏光子/位相差板211、第2の偏光子/位相差板212、第3の偏光子/位相差板213及び第4の偏光子/位相差板214と、第1の検出器アレイ215及び第2の検出器アレイ216とを有する。代替実施形態では、マルチプレクサ格子205、206及び集束レンズ209、210によって提供される機能を一体化して、単一光学素子にしてもよい。再帰反射器207、208は、突き当たる光に対して逆平行に光を反射し、特定の実施形態では、キューブコーナ、キャッツアイ又は他のタイプの既知の再帰反射器であってもよい。本明細書で使用する際の「逆平行」という用語は、光ビームが平行であり且つ反対方向に伝播している状態を指す。各再帰反射器207、208、レンズ209、210及び検出器アレイ215、216は、それぞれのマルチプレクサ格子205、206に関連し、特定の実施形態では、各マルチプレクサ格子205、206に関連して2つの偏光子/位相差板211、212及び213、214がある。
【0010】
特に図面のうちの図3を参照すると、y−z平面に示される本教示によるセンサヘッド105及び測定格子106の側面図が示されている。ミラー202、コリメータ203及びスプリッタ格子204は、センサヘッド105のx−z平面に対して幾分か中心に配置され、互いに位置合せされている。第1のマルチプレクサ格子205及び第2のマルチプレクサ格子206は、スプリッタ格子204に隣接し、スプリッタ格子204の両側に配置される。センサヘッド105の両側に、レンズ210、209、偏光子/位相差板対213、214及び211、212、並びに検出器アレイ216、215のそれぞれが、概して位置合せされ、且つセンサヘッドが取り付けられるステージ103又は102によって画定される水平面に対してわずかに傾斜している。再帰反射器208、207は、y方向において他の構成要素から分離され、また同様に、センサヘッドが取り付けられるステージ103又は102によって画定される水平面に対してわずかに傾斜している。再帰反射器208、207は、図2及び図3に示すようにx軸に沿って位置合せされる。同様に、レンズ210、209、偏光子/位相差板213、214及び検出器アレイ216、215は、x軸に沿って位置合せされる。
【0011】
光源200及びミラー202は、光ビーム201がスプリッタ格子204に、x−z平面において垂直に突き当たるように、空間的に配置され且つ構成される。スプリッタ格子204は、光ビーム201を分割し、突き当たる角度に対して角度αで2つの別々の測定チャネル光ビームを形成する。スプリッタ格子204から現れる2つの別々の光ビームを、本明細書では、第1の測定チャネル400及び第2の測定チャネル500と呼ぶ。
【0012】
特に図面のうちの図4を参照すると、スプリッタ格子204と測定格子106との間の第1の測定チャネル400のビーム経路の一部の典型的な図が示されている。第1の測定チャネル400は、スプリッタ格子204を出て、測定格子106に角度αで突き当たる。角度αは、突き当たるビーム400のz成分に対するx成分の比の逆正接として定義される。測定格子106は、光を複数の次数に回折させるように構成される反射位相格子である。第1の測定チャネル400の第1のアーム401は、0次回折(反射経路とも呼ぶ)であり、測定格子106から角度αで反射する。第1の測定ビーム400の第1のアーム401は、マルチプレクサ格子206の後方を通過して第2の再帰反射器208に突き当たる。第2の再帰反射器208は、第1の測定ビーム401の第1のアーム401を逆平行に且つ空間的に分離して反射する。反射された第1のアーム401は、マルチプレクサ格子206の後方を通過して測定格子106に同様に角度αで突き当たる。第1のアーム401は、測定格子106から二度目で且つ再び角度αで反射し、第1のマルチプレクサ205に突き当たる。
【0013】
第1の測定チャネル400の第2のアーム402は、1次回折であり、測定格子に同様に角度αで突き当たった後、格子法に従い且つ測定格子106の特性によって定義される角度βで回折する。角度βは、回折ビームのz成分に対するx成分の比の逆正接として定義される。第2のアーム402は、マルチプレクサ格子205の後方を通過して第1の再帰反射器207に突き当たる。第1の再帰反射器207は、第2のアーム402を、入射ビームに対して逆平行に反射する。第2のアーム402は、第1のマルチプレクサ格子205の後方を通過して測定格子106に角度βで突き当たる。第2のアーム402は、測定格子106から角度αで回折して、第1のアーム401と再結合し同一線上になった後、測定チャネル400として再結合されて第1のマルチプレクサ格子205に突き当たる。
【0014】
代替実施形態では、光ビームは、図4に関して説明した経路と同様の経路を辿るが、測定格子106は、突き当たる光ビームを角度αが角度βと等しいように回折する。この代替実施形態は、z方向における変位の変化に影響され難い。
【0015】
特に図面のうちの図5を参照すると、スプリッタ格子204と測定格子106との間における第2の測定チャネル500のビーム経路の典型的な図が示されている。第2の測定チャネル500は、図示するように、第1の測定チャネル400とは反対方向にxベクトル成分を有する方向においてスプリッタ格子204から出て、測定格子106に角度αで突き当たる。第1のアーム501は、0次回折(反射経路とも呼ぶ)であり、測定格子106から角度αで反射する。第2の測定チャネル500の第1のアーム501は、第1のマルチプレクサ格子205の後方を通過して第1の再帰反射器207に突き当たる。第1の再帰反射器207は、第2の測定チャネル500の第1のアーム501を逆平行に且つ空間的に分離して反射する。反射された逆平行の第1のアーム501は、マルチプレクサ格子205の後方を通過して、測定格子106に同様に角度αで突き当たる。第1のアーム501は、測定格子106から2度目で再び角度αで反射し、第2のマルチプレクサ格子206に突き当たる。
【0016】
第2の測定チャネル500の第2のアーム502は、角度βで回折された1次回折である。第2のアーム502は、スプリッタ格子204の後方を通過して第2の再帰反射器208に突き当たる。第2の再帰反射器208は、第2のアーム502を入射ビームに対して逆平行に反射する。第2のアーム502は、第2のマルチプレクサ格子206の後方を通過して測定格子106に角度βで突き当たる。第2のアーム502は、測定格子106から角度αで回折して、第1のアーム501と再結合し且つ同一線上になった後、第2のマルチプレクサ格子206に突き当たる。
【0017】
特に図面のうちに図3を参照すると、センサヘッドと、y−z平面における第1の測定チャネル400及び第2の測定チャネル500のビーム経路との側面図が示されている。両測定チャネル400、500の両アーム401、402及び501、502は、y−z平面において整列する。特定の実施形態では、反射ビーム及び回折ビームは、y−z平面において測定格子106に角度φで入射し、y−z平面において角度φで反射/回折する。x−z平面における反射及び回折は、図4に関して説明した通りである。y−z平面において角度φを変更することにより、x−z平面における角度α及びβの定義は変化しない。
【0018】
特に図面のうちの図6を参照すると、第2の測定チャネルがマルチプレクサ格子206に突き当たった後の、y−z平面における第2の測定チャネル500のビーム経路のより詳細な図が示されている。第1の測定チャネル400は、関連するそれぞれの素子を通る類似のビーム経路を辿る。したがって、当業者は、第2のチャネル500に対するビーム経路の利益を得ることにより、第1のチャネル400に対するビーム経路を再現することができる。第2の測定チャネル500は、第2のマルチプレクサ格子206に突き当たる。第2のマルチプレクサ格子206は、光を第1の検出器ビーム601及び第2の検出器ビーム602に分割し、それらは、y−z平面においてマルチプレクサ格子206から現れる。場合によっては、比較的径の大きいビームを使用してステージの並進及び回転のより広い動作範囲を得て、測定格子106における空間周波数誤差を平均することが有益である。マルチプレクサ格子205、206のピッチは、便宜上選択されており、所望の分離角によって決まる。ビーム径を大きくするためには、マルチプレクサとビームが突き当たる次の素子との間の同じ距離に対して、より大きい分離角が必要である。径の大きいビームが使用される場合、各検出器ビーム601、602は、任意にレンズ201によって集束されてもよい。そして、各集束ビーム601、602は、一定の位相オフセットを提供するそれぞれの第1の偏光子/位相差板213及び第2の偏光子/位相差板214を通過する。特定の実施形態では、一定の位相オフセットは、検出器アレイ216に突き当たる前、第1の検出器ビーム601と第2の検出器ビーム602との間で実質的に90度であってもよい。
【0019】
特定のホモダイン実施形態では、検出器アレイ216は、検出される各ビームに対し第1の検出器素子603及び第2の検出器素子604を備える。各検出器ビーム601、602は、動的位相差、すなわちセンサヘッド105に対する測定格子106の位置によって変化する位相差を有する。動的位相差は、1つのマルチプレクサからのすべての信号に対して共通である。各検出器ビーム601、602はまた、1つのマルチプレクサからの他のすべての信号とは無関係の一定の位相差も有する。ホモダインシステムは、位置の変化の方向感覚を維持するために、少なくとも2つの検出器ビームから利益を得る。代替実施形態に対してより多くの検出器が適切な場合もあり、その場合、各ビームに対する偏光子/位相差板が、その検出器の数に対して適切な一定の位相差を有する。N個(N>2)の検出器の場合、隣接する検出器の間の位相差は、360/N度に等しい可能性がある。ヘテロダインの実施形態では、検出器アレイ215又は216において単一の検出器素子があってもよい。
【0020】
センサヘッド105に接続される電子回路は、各検出器アレイ215又は216において測定される位相差の動的部分を抽出する。2つの測定チャネル400、500があるため、各センサヘッド105に対して2つの位相差が測定される。2つの位相差は、Na及びNb(ここで、小文字aはNの添え字である小さな文字Aの代用、小文字bはNの添え字である小さな文字Bの代用として用いている。)が波単位である場合、Na及びNbとして表される。測定格子106に関連するセンサヘッド105の位置は、以下の式によって得られる。
【0021】
x=(p/4)(Nb−Na)
z=(p/4)(Nb+Na)cot{(1/2)(β−α)}
【0022】
ここで、pは測定格子ピッチであり、αは、スプリッタ格子からのビームと測定格子法線との間の角度であり、βは、回折経路と測定格子法線との間の角度である。
【0023】
アッベ誤差補償を含むステージの精密位置測定では、少なくとも6自由度、すなわちX軸、Y軸及びZ軸に沿った並進と共にX軸、Y軸及びZ軸を中心とする回転を最適に測定する。本教示によるセンサヘッド105を使用して、2自由度、特にX軸及びZ軸に沿った並進を測定してもよい。Y軸及びZ軸を中心とする回転も測定する本教示による別の実施形態では、別個の光ビームが、第1のセンサヘッドと同じ測定格子106、又はピッチが同じ軸に沿って位置合せされる第2の独立した測定格子のいずれかに突き当たるように、第2のセンサヘッドが別個の位置に配置される。たとえば、第1のセンサヘッド105からの光ビームが、ピッチがX軸に沿って位置合せされる測定格子106に突き当たる場合、第2のセンサヘッドは、同じ測定格子106又はピッチがX軸に沿って位置合せされる別個の測定格子に突き当たる光ビームを生成する。第1のセンサヘッド及び第2のセンサヘッドからの測定値を結合して、Y方向及びZ方向を中心とする回転と共にX方向及びZ方向における並進を測定することができるように、第2のセンサヘッドの位置を選択してもよい。第3のセンサヘッドが、残りのY方向並進及びX軸を中心とする回転を提供して(deliver)もよく、これは、その第3のセンサヘッドが、最初の2つのセンサヘッドに関してZ軸を中心におよそ90度回転し、Y軸に沿ったピッチを有する測定格子に突き当たる場合である。このY方向測定格子は、最初2つのセンサヘッドが突き当たる測定格子(複数可)とは別個の光学部品であってもよく、又は、X軸に沿ったピッチだけでなくY軸に沿ったピッチも有する同じ格子であってもよい。この構成では、すべてのセンサヘッドが、同様に動作し、動きの方向に対して平行に格子ピッチから回折される光ビームを測定する。さらに別の実施形態では、測定格子は、非直交方向に沿ったピッチを有する。
【0024】
本明細書では、教示の実施形態を、変位測定装置について説明する添付図面に関連して例として説明している。本教示の利益を得る当業者には、本教示の他の変形、適応及び実施形態が思いつくであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本教示による特定の実施形態での使用に適切なフォトリソグラフィ適用の実施形態のブロック図である。
【図2】本教示による距離測定システムの一部である、x−z平面におけるセンサヘッドの特定の実施形態のブロック図である。
【図3】y−z平面における且つビーム経路を示す図2の特定の実施形態のブロック図である。
【図4】本教示による特定の実施形態における第1の測定チャネル経路の図である。
【図5】本教示による特定の実施形態における第2の測定チャネル経路の図である。
【図6】本教示による特定の実施形態におけるビーム経路の一部のより詳細な図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
センサヘッド(105)と測定格子(106)とを具備し、
前記センサヘッドは、
光ビーム(201)を提供するように構成される光源(200)と、
前記光ビーム(201)を第1の測定チャネル(400)及び第2の測定チャネル(500)に分割するスプリッタ格子(204)と、
前記第1の測定チャネル(400)及び第2の測定チャネル(500)を前記測定格子(106)に戻すように再帰反射するように構成される第1の再帰反射器(207)と、
前記第1の測定チャネル(400)及び第2の測定チャネル(500)を前記測定格子(106)に戻すように再帰反射するように構成される第2の再帰反射器(208)と、
前記第1の測定チャネル(400)を受け取るように配置される第1の検出器アレイ(215)と、
前記第2の測定チャネル(500)を受け取るように配置される第2の検出器アレイ(216)と
を備え、
前記測定格子(106)は、各測定チャネル(400、500)を、第1の照明パスにおいて第1のアーム(401、501)及び第2のアーム(402、502)に分割し、第2の照明パスにおいて該第1のアーム(401、501)及び該第2のアーム(402、502)を再結合するように構成される、装置。
【請求項2】
前記センサヘッドは、第1の軸に沿った変位を測定するように配置される第1のセンサヘッド(105)であると共に、該第1の軸に対して直交する軸に沿った変位を測定するように配置される第2のセンサヘッドをさらに具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のセンサヘッド(105)及び前記第2のセンサヘッド(105)は、前記測定格子(106)に突き当たる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記測定格子(106)は、2つの直交する軸に沿って位置合せされるピッチを有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記測定格子(106)は第1の測定格子であり、前記第1のセンサヘッド(105)は該第1の測定格子(106)に突き当たり、前記第2のセンサヘッドは第2の測定格子に突き当たる、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のアーム(401)は、前記測定格子(106)から角度αで反射し、前記第2のアーム(402)は、該測定格子(106)から角度βで回折する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記角度αは、前記角度βに等しくない、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記角度αは、前記角度βに実質的に等しい、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記光ビームは1つの光周波数を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記光ビーム(201)は、2つの光周波数成分を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記光ビーム(201)は、偏光によって分離される2つの光周波数成分を有する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記光源(200)と前記スプリッタ格子(204)との間に配置されるコリメータ(203)をさらに具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記スプリッタ格子(204)は、分割部分と、第1の多重化部分(205)及び第2の多重化部分(206)とを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
第1のレンズ(209)及び第2のレンズ(210)が、前記スプリッタ格子(204)とそれぞれ前記第1の検出器アレイ(215)及び前記第2の検出器アレイ(216)との間に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記スプリッタ格子(204)は、前記マルチプレクサ格子(205、206)と隣接する、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記測定格子(106)は、動いている物体に取り付けられ、前記センサヘッド(105)は固定されている、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記センサヘッド(105)は、動いている物体に取り付けられ、前記測定格子(106)は固定されている、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記センサヘッド(105)及び前記測定格子(106)は、それぞれの動いている物体に取り付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記x方向は、前記測定格子(106)の平面にあり且つ前記格子の溝に対して垂直であり、前記z方向は、該測定格子(106)に対して垂直であり、該x方向における変位は、前記第1の測定チャネル(400)から検出される位相差と前記第2の測定チャネル(500)から検出される位相差との間の差に比例し、前記z方向における変位は、該第1の測定チャネル(400)から検出される位相差と該第2の測定チャネル(500)から検出される位相差との和に比例する、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記検出器アレイ(215、216)は、Na及びNbとして表される前記第1の測定チャネル(400)及び前記第2の測定チャネル(500)に対する位相差を測定し、x変位は、
x=(p/4)(Nb−Na)
として計算され、z変位は、
z=(p/4)(Nb+Na)cot{(1/2)(β−α)}
として計算され、ここで、pは前記測定格子のピッチであり、αは、前記測定格子(106)の法線に対する前記測定チャネル(400)の該測定格子(106)への突き当たる角度であり、βは、該測定格子(106)の該法線に対する前記第2のアーム(402)の回折の角度である、請求項19に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−224664(P2008−224664A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−49551(P2008−49551)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(399117121)アジレント・テクノロジーズ・インク (710)
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
【Fターム(参考)】