説明

放収音装置

【課題】最適な収音環境をユーザにより分かりやすく提示することができる放収音装置を実現する。
【解決手段】放収音機能装置1は所定位置に設置され、USBケーブル300によりPC2に接続されている。ユーザ900が放収音機能装置1を操作して放収音アプリを起動すると、放収音機能装置1は副筐体11,12の回動量を検出してPC2へ与える。PC2は、取得した回動量に基づいて主筐体10と副筐体11,12との位置関係を算出し、同等の位置関係を有する使用態様を判定する。PC2は、同等の使用態様が有ると判定すると、当該同等の使用態様に基づく、放収音機能装置1の形状、話者数、話者位置、収音範囲を含むインジケータ表示を行う。ユーザ900は、このインジケータ表示を見ることで、最適な話者数や話者位置を確認する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、話者数や話者の在席位置に応じた複数の使用態様を実現する放収音装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遠隔地間で通信ネットワークを介して会議を行うような場合には、それぞれの会議室に放収音装置を設置する。この際、確実に会議者の発言が収音されているか確認するために、例えば、特許文献1に示すように、複数の方向から収音した収音信号の信号レベルを表示するものがある。
【特許文献1】特開平6−233366号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の方法では、収音装置の可動部を回動させ、回動中の信号レベルの変化を見ることで収音方向を決定するものである。このため、回動停止位置すなわち収音方向を決定する基準が収音レベルのみであり、このように回動停止のための情報が少ないと、最適な収音方向を設定する調整が、ユーザにとって難しい。
【0004】
したがって、本発明の目的は、最適な収音環境をユーザにより分かりやすく提示することができる放収音装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の放収音装置は、放音手段および収音手段を備えた主筐体と、それぞれが少なくとも収音手段を備え、主筐体に対してそれぞれ異なる位置から回動可能に設置された複数の副筐体と、を備える。さらに、主筐体に対する複数の副筐体の回動量を検出する回動量検出手段と、回動量に基づいて主筐体と複数の副筐体との実測位置関係を検出し、該実測位置関係に応じた最適な使用態様を判定する使用態様判定手段と、実測位置関係と最適な使用態様とを含む表示データを生成する表示制御手段と、表示データを表示する表示手段と、を備える。
【0006】
この構成では、主筐体と複数の副筐体とに備えられた収音手段で収音を行うが、複数の副筐体が主筐体に対して回動することで、回動状態すなわち、主筐体と各副筐体との位置関係に応じて異なる複数の収音範囲を設定できる。各収音範囲には、収音手段の収音特性に応じて、それぞれに適する使用態様が設定できる。すなわち、使用態様とは収音範囲により設定される放収音装置の周囲に在席する話者数や話者位置等の情報である。この概念を用いて、本発明の放収音装置は、現在の回動量、すなわち、主筐体と副筐体との実測位置関係を取得し、検出した実測位置関係に最適な使用態様を設定して、実測位置関係と使用態様を表示する。これにより、ユーザに対して、現状の装置の設置状態に最適な使用態様(話者数、話者の座る位置等)を提示することができる。
【0007】
また、この発明の放収音装置の使用態様判定手段は、複数の使用態様と各使用態様に応じた主筐体と複数の副筐体との設定位置関係とを関連付けして記憶している。使用態様判定手段は、実測位置関係が、記憶されたいずれかの使用態様の設定位置関係と同等であれば、同等となる使用態様を最適な使用態様に判定する。一方、使用態様判定手段は、実測位置関係が、記憶されたいずれの使用態様の設定位置関係とも同等でなければ、適する使用態様が無いことを判定する。表示制御手段は、適する使用態様が無い場合に、実測位置関係とともに、適する使用態様が無い旨を含む表示データを生成する。
【0008】
この構成では、予め複数の使用態様と設定位置関係とが関連付けされて記憶されており、実測位置関係に最も近い設定位置関係に関連付けされた使用態様が、最適な使用態様として選択される。この際、使用態様判定手段は、実測位置関係と設定位置関係とが同等であるかを、所定条件をもって判定する。例えば、実測位置関係の回動角が設定位置関係で設定された回動角に対して±10度以内であるとかの条件で判定する。そして、使用態様判定手段は、実測位置関係が全ての使用態様の設定位置関係と同等と見なせなければ、現状の主筐体と副筐体との位置関係では、最適な使用態様が提示できないことを表示する。すなわち、予め想定した範囲内の使用方法では、適切な収音が行えない可能性があることを表示する。これにより、ユーザは、現状の装置の設置状態では適切な収音が行えないことを認識して、さらなる副筐体の回動等の操作を行うことができる。
【0009】
また、この発明の放収音装置の使用態様判定手段は、実測位置関係が記憶されたいずれかの使用態様の設定位置関係と類似していれば、類似する使用態様を最適な使用態様に判定する。表示制御手段は、類似する使用態様がある場合に、実測位置関係とともに、類似した使用態様の設定位置関係を含む表示データを生成する。
【0010】
この構成では、上述のように実測位置関係が設定位置関係と同等でない場合に、類似する設定位置関係を検出する。この際、使用態様判定手段は、実測位置関係と設定位置関係とが類似であるかを、同等であるかの場合のように所定条件をもって判定する。例えば、実測位置関係の回動角が設定位置関係で設定された回動角に対して±30度以内であるとかの条件で判定する。そして、類似する設定位置関係が得られれば、実測位置関係とともに、類似する使用態様と当該類似する使用態様の設定位置関係を表示する。これにより、ユーザは、現状の実測位置関係に近い使用態様と、この使用態様の主筐体と副筐体との位置関係とを認識できる。そして、選択された類似の使用態様の設定位置関係となるように副筐体をさらに回動させることが、表示を見ながら容易に行える。
【0011】
また、この発明の放収音装置の回動量検出手段は回動量の変化を検出する。使用態様判定手段は、回動量の変化に応じた実測位置関係の変化を検出する。表示制御手段は、実測位置関係の変化に準じた表示データを生成する。
【0012】
この構成では、回動中も回動量が常時検出されて表示される。これにより、上述のように、副筐体を設定位置まで回動させるような場合に、ユーザは、副筐体が設定位置に近づいているか、設定位置と同等の位置まで回動させたか等を、表示を見ながら容易に確認することができる。
【0013】
また、この発明の放収音装置の回動量検出手段はロータリエンコーダである。
【0014】
この構成では、回動量検出手段として汎用的なロータリエンコーダを用いる。これにより、入手しやすく正確に回動量を検出できる機構を備え、上述の作用効果を奏する放収音装置を容易に実現できる。
【0015】
また、この発明の放収音装置の回動量検出手段は、放音手段からの放音音声を、主筐体の収音手段および複数の副筐体の収音手段でそれぞれ収音して得られる収音音声信号の遅延関係から回動量を検出する。
【0016】
この構成では、放収音装置が放音手段、収音手段を当然に備え、且つ、放音手段からの放音を各収音手段が収音することで得られる収音パターンが主筐体と副筐体との位置関係(回動量)に依存することを利用する。すなわち、各回動量に対応する収音パターンを予め取得しておき、実測した収音パターンと比較することで、回動量を検出する。これにより、ロータリエンコーダ等の機構部品を用いることなく、元々放収音装置に備えられている放音手段と収音手段と、収音パターンを記憶、解析するメモリおよび演算素子とが有ればよく、実質的に放収音機能に対する追加構成を殆ど行うことなく、回動量を検出することができる。
【0017】
また、この発明の放収音装置は、主筐体に対して副筐体を回動させる回動手段と、該回動手段の回動の操作入力を受け付ける回動操作入力手段と、を備える。放収音装置は、所定位置に固定設置される本体装置と、移動可能で且つ本体装置と通信可能な操作用装置とからなる。本体装置には、少なくとも、主筐体、副筐体、回動量検出手段、および回動手段が備えられる。操作用装置は、少なくとも、表示手段と、回動操作入力手段とが備えられる。
【0018】
この構成では、回動操作入力手段と表示手段とが、ユーザの手元等におけるPCやリモコンに備えられ、回動が遠隔操作される。これにより、例えば、ユーザは、座席にすわったまま副筐体の回動操作を行え、適する使用態様を認識することができる。また、選択された使用態様を手元で見ながら、各話者の着席位置を確認することができる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、ユーザに対して、現状の装置の設置状態に最適な使用態様(話者数、話者の座る位置等)が提示されるので、各話者はこの表示を見て、最適な位置へ容易にかつ正確に着席することができる。これにより、各話者の発言は、放収音装置により確実に収音される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施形態に係る放収音装置について図を参照して説明する。放収音装置は、主として放音、収音、回動量検出を行う放収音機能装置1と、主として使用態様選択、使用態様表示等を行うPC2とからなる。
図1は本実施形態の放収音機能装置1の基本姿勢での平面図である。
図2は本実施形態の放収音機能装置1とPC2とからなる放収音装置の機能ブロック図である。
放収音機能装置1は、機構的に、主筐体1と当該主筐体1に対して回動可能に設置された二個の副筐体11,12とにより構成される。なお、以下の説明では、主筐体1および副筐体11,12にそれぞれ設置されるマイクMIC数は四台ずつであり、主筐体1に設置さえるスピーカSP数は二台であるが、マイクMIC数およびスピーカSP数は仕様に応じて適宜設定すればよい。
【0021】
主筐体10は、平面視した形状が略三角形状であり、側壁に沿ってマイクMICが設置できる程度の厚みからなる。主筐体10には、三つの側壁があり、正面方向側壁(図1における下方向に壁面を有する側壁)の内側には、四台のマイクMICが正面方向側壁から外方に向く方向を収音方向として設置されている。四台のマイクMICは正面方向側壁に平行に所定間隔で配列され、これら四台のマイクにより正面方向側壁から外方を収音領域とするマイクアレイ1160が構成される。
【0022】
主筐体10の上面(図1で平面視される面)には、複数の操作子からなる操作部115が設置されている。複数の操作子は、例えば図1に示すように正面方向側壁に平行に配列される。ここで、複数の操作子は、例えば、後述する放収音アプリの起動や終了を受け付ける操作子や、予め設定したアサインを受け付ける操作子や、放音音声のボリューム調整を受け付ける操作子や、マイクミュートを受け付ける操作子等である。
【0023】
主筐体10を平面視した三角形の略中心付近の内部には、二台のスピーカSPが正面方向側壁に平行で且つダイポールスピーカ制御が可能な間隔で設置されている。
主筐体10の上面壁の操作部115以外の領域および正面方向側壁はメッシュ加工されている。
【0024】
主筐体10の正面方向側壁の対角に相当する部分には、図示しないが、入出力I/F111(図2)として、USB接続端子、アナログオーディオIN端子、アナログオーディオOUT端子、および電源入力端子が設置されている。
主筐体10の正面方向側壁の両端の角に相当する部分のそれぞれは、副筐体11,12との回動接続部13A,13Bであり、当該回動接続部13A,13Bを回動中心として、副筐体11,12が主筐体10に対して回動する。この回動接続部13A,13Bには、ロータリエンコーダ1171,1172(図2)が設置されており、ロータリエンコーダ1171で副筐体11の回動量に応じた検出信号を取得し、ロータリエンコーダ1172で副筐体12の回動量に応じた検出信号を取得する。
【0025】
副筐体11,12は、長辺方向の長さが主筐体10の三角形の一辺と略同じであり、短辺方向の長さが所定長からなり、厚みが主筐体10と同じ略直方体形状からなる。副筐体11,12は、長辺方向の一端が回動接続部13A、13Bで主筐体10に接続されている。そして、副筐体11,12は、主筐体10に長辺方向の全辺が当接する状態を回動範囲の一方端とし、長辺方向と主筐体10の正面方向側壁とが平行になる位置を経て、主筐体10の正面方向側壁よりさらに正面方向へ突出する所定角度となる位置を回動範囲の他方端とする範囲で回動する。
【0026】
副筐体11には、主筐体10の一側壁(図1の場合、向かって右上側になる側壁)に当接した状態で、主筐体10側と反対の外方(図1の場合の向かって右上側方向)を収音方向として、四台のマイクMICが設置されている。これらのマイクMICは、副筐体11の長辺方向に沿って所定間隔で配列され、これら四台のマイクMICにより副筐体11のマイクMIC設置側面から外方を収音領域とするマイクアレイ1161が構成される。
【0027】
副筐体12には、主筐体10の一側壁(図1の場合、向かって左上側になる側壁)に当接した状態で、主筐体10側と反対の外方(図1の場合の向かって左上側方向)を収音方向として、四台のマイクMICが設置されている。これらのマイクMICは、副筐体12の長辺方向に沿って所定間隔で配列され、これら四台のマイクMICにより副筐体12のマイクMIC設置側面から外方を収音領域とするマイクアレイ1162が構成される。これらマイクアレイ1161,1162の各マイクMICでの収音信号は、回動接続部13A,13Bを介して主筐体11の収音制御部113へ与えられる。
【0028】
さらに図2に示すように、放収音機能装置1は、上述の入出力I/F111、操作部115、マイクアレイ1160,1161,1162、ロータリエンコーダ1171,1172とともに、主筐体10内に機能部として、制御部110、放音制御部112、収音制御部113、エコーキャンセラ114、スピーカSPを備える。
【0029】
制御部110は、放収音機能装置1の全体制御を行う。制御部110は、操作部115の各操作子により入力されたコマンドに基づいて制御を行う。例えば、制御部110は、放収音アプリの起動や放収音アプリの終了の操作入力を受け付けると、入出力I/F111を介してUSBケーブル300で接続されるPC2へ、放収音アプリ起動制御および放収音アプリ終了制御を行う。制御部110は、アサインの操作入力を受け付けると、PC2に対してアサインの実行制御を行う。制御部110は、放音音声のボリューム調整を受け付けると、放音制御部112に対してボリューム調整の放音制御指示を行う。制御部110は、マイクミュートの操作入力を受け付けると、例えば収音制御部113に対して出力収音信号の出力停止指示を行う。
【0030】
また、制御部110は、使用態様が決定すると当該使用態様に応じた収音指向性を形成させる収音指向性指示を収音制御部113へ与える。制御部110は、入出力I/F111で入力された放音指向性情報付きの放音音声信号から放音指向性情報を取得し、放音制御部112へ放音指向性指示を与える。
また、制御部110は、ロータリエンコーダ1171,1172からの検出信号に基づいて回動量を検出して、PC2へ出力する。
【0031】
入出力I/F111は、上述のような構成からなり、本実施形態では、USBケーブル300を介してPC2の機器I/F211に接続する。入出力I/F111は、放音音声信号の受信、出力用収音信号の送信を行う。入出力I/F111は、放音音声信号とともに放音指向性情報を受信すると、放音指向性情報を制御部110へ与え、エコーキャンセラ114を介して放音音声信号を放音制御部112へ与える。入出力I/F111は、出力用収音信号を送信する際には、制御部110から収音指向性情報を取得して、出力用収音信号に関連付けして送信する。また、入出力I/F111は、制御部110とPC2との間の各種制御信号送受信を行う。
【0032】
放音制御部112は、PC2および入出力I/F111を介して取得した放音音声信号と、制御部110からの放音指向性指示とに基づいて、二つのスピーカSPのそれぞれに与える個別放音駆動信号を生成する。具体的には、放音制御部112は、指示された放音指向性指示に基づいて、二台のスピーカSPに与える個別放音駆動信号間の遅延関係を決定する。放音制御部112は、当該遅延関係に応じた遅延処理を、分割した二つの放音音声信号に対して行い、それぞれ個別放音駆動信号として二台のスピーカSPへ出力する。この際、放音制御部112は、ボリューム調整の放音制御指示に応じて、個別放音駆動信号の信号レベル制御を行う。
【0033】
二台のスピーカSPは、上述のような予め設定された間隔で配置され、個別放音駆動信号により放音する。二台のスピーカSPの間隔と、それぞれに与えられる個別放音駆動信号とは、予めダイポールスピーカとして機能するように設定されており、これらの条件により、複数の放音指向性を実現する。
【0034】
主筐体10に設置されたマイクアレイ1160の四台のマイクMICは、主筐体10の正面方向側壁の外方の所定領域を収音領域として、当該収音領域での音声を収音して収音信号を生成する。
副筐体11に設置されたマイクアレイ1161の四台のマイクMICは、副筐体11におけるマイクアレイ1161が設置された側の外方の所定領域を収音領域として、当該収音領域での音声を収音して収音信号を生成する。
同様に、副筐体12に設置されたマイクアレイ1162の四台のマイクMICは、副筐体12におけるマイクアレイ1162が設置された側の外方の所定領域を収音領域として、当該収音領域での音声を収音して収音信号を生成する。
【0035】
収音制御部113は、各マイクアレイ1160,1161,1162のマイクMICでの収音信号に対して、制御部110から与えられた収音指向性指示に基づく遅延処理や加算処理を行うことで、指示された収音指向性で収音されてなる出力用収音信号を生成して、エコーキャンセラ114へ出力する。収音制御部113は、収音方向を取得できる場合には収音指向性情報を制御部110へ与える。この際、複数の話者が同時に話していれば、それぞれ個別に出力用収音信号や収音指向性情報を生成する。
【0036】
エコーキャンセラ114は、適応型フィルタと、加算器を含むポストプロセッサとを備える。適応型フィルタは放音音声信号に基づく疑似回帰音信号を生成して、ポストプロセッサの加算器へ疑似回帰音信号を与える。ポストプロセッサの加算器は、出力用収音信号から疑似回帰音信号を減算することでエコーキャンセルして、入出力I/F111へ出力する。この際、ポストプロセッサは、出力結果を適応型フィルタにフィードバックする。
【0037】
PC2は、例えば汎用のパーソナルコンピュータであり、CPU210、機器I/F211、通信I/F212、記憶媒体213、RAM214、操作部215、表示部216を備える。
【0038】
CPU210は、RAM214を一時記憶領域および作業領域として利用し、操作部215の入力等に基づいてネットワーク通信等を含む各種の汎用処理を実行する。CPU210は、放収音機能装置1から放収音アプリの起動制御を受け付けると、記憶媒体213に記憶されている放収音アプリケーションプログラムを読み出して実行する。放収音アプリは、インジケータアプリと位置関係検出アプリとを含む。この際、CPU210は、記憶媒体213に記憶されている位置関係データと使用態様データとに基づき、取得した回動量から、主筐体10と副筐体11,12との位置関係を算出し、使用態様を選択する。CPU210は、選択された使用態様を表示する画像等の放収音アプリによる画像や、汎用処理に基づく画像等を表示部216へ出力する。なお、放収音アプリによる詳細な実行内容は後述する。
【0039】
機器I/F211は、本実施形態ではUSB端子であり、USBケーブル300を介して放収音機能装置1の入出力I/F111に接続し、CPU210と放収音機能装置1との間の通信を制御する。
通信I/F212は、所謂LAN端子であり、ネットワークケーブルを介してネットワーク400へ接続する。
【0040】
記憶媒体213は、所謂ハードディスクドライブHDD等からなり、PCとしての汎用の処理プログラムを格納するとともに、放収音アプリ、使用態様データ、位置関係データ等を記憶する。使用態様データでは、話者数、話者位置、主筐体と副筐体との位置関係、適応収音範囲を含むデータであり、放収音アプリ実行時に参照される。位置関係DBは、回動量と位置関係との関連付けデータベースである。
操作部215は、所謂キーボードやマウスであり、ユーザからの操作入力を受け付けてCPU210へ与える。
表示部216は、所謂液晶表示パネル等からなり、制御部210からのアプリ画像等を表示する。
【0041】
次に、本実施形態の特徴である放収音アプリケーション(以下、単に「放収音アプリ」と称する。)の実行フローを図3に示すフローチャートを参照して説明する。なお、以下では、放収音アプリに関する操作を受け付ける操作子を放収音アプリ用操作子と称し、当該放収音アプリ用操作子をもって、放収音アプリの起動と放収音アプリの終了との双方が可能である場合について説明する。
図3は放収音アプリの実行フローを示すフローチャートである。
まず、放収音機能装置1とPC2とが既に起動されており、放収音機能装置1とPC2とがUSBケーブル300で接続された状態で、ユーザの操作によりPC2によるネットワーク通信が確立される。この状態で、ユーザが放収音機能装置1の放収音アプリ用操作子を操作すると、放収音機能装置1は、この操作を受け付けて(S101:Y)、放収音アプリ起動指示をPC2へ送信する。放収音機能装置1は、放収音アプリ用操作子による起動入力を受けるまでは、PC2へ放収音アプリ起動指示を送信しない(S101:N)。すなわち、放収音アプリ起動指示を受けなければ、放収音機能装置1は、PC2からネットワーク400を介して接続される多地点の放収音装置との間で、単に音声通信を行って放収音のみを行う装置として機能する。
【0042】
PC2のCPU210は、放収音アプリ起動指示を受け付けると、記憶媒体213に記憶されている放収音アプリを読み出して実行する(S102)。放収音アプリには、インジケータアプリと位置関係検出アプリとが含まれており、CPU210は、位置関係検出アプリを実行することで、放収音機能装置1へ回動量検出指示を送信する。放収音機能装置1は、回動量検出指示に応じて回動量の検出を開始し、検出した回動量をPC2へ送信する(S103)。放収音機能装置1は、回動量の検出開始以降、ロータリエンコーダ1171,1172から検出信号を受け付ける毎に、回動量をPC2へ送信する。
【0043】
CPU210は、回動量を取得する、すなわち主筐体10に対する副筐体11や副筐体12の回動を検出すると(S104:Y)、位置関係データを読み出して主筐体10と副筐体11,12との位置関係を算出する(S105)。この算出された位置関係は、記憶媒体213に更新記憶される。一方、回動量を取得しなければ、新たに回動量を取得するまでS105以降の処理を行わない(S104:N→S103)。
【0044】
CPU210は、記憶媒体213に記憶された使用態様データを読み出し、算出した位置関係と同等の位置関係を含む使用態様が有るかどうか検出する。同等であるかどうかは、例えば、算出した位置関係すなわち主筐体10と各副筐体11,12との成す角が、使用態様データとして記憶された各使用態様に対応する主筐体10と各副筐体11,12との成す角に対して±10度以内であるかどうか等により判定する。
【0045】
CPU210は、同等の位置関係を含む使用態様を検出すると(S106:Y)、当該使用態様の話者数、話者位置、適応収音範囲を読み出し、例えば図4(B)に示すようなインジケータ表示データを生成して、表示部216に表示させる(S107)。ユーザは、このインジケータ表示を見ることで、現状の放収音機能装置1の状態に最適な、話者数、話者着席位置や収音範囲を認識することができ、このインジケータ表示に基づいて着席することができる。そして、このインジケータ表示に基づいて着席することで、最適な収音環境で会議を行うことができる。
【0046】
CPU210は、同等の位置関係を含む使用態様が検出できなければ(S106:N)、類似する使用態様を検出する。例えば、算出した位置関係すなわち主筐体10と各副筐体11,12との成す角が、使用態様データとして記憶された各使用態様に対応する主筐体10と各副筐体11,12との成す角に対して±30度以内であるかどうか等により判定する。
【0047】
CPU210は、類似の位置関係を含む使用態様を検出すると(S108:Y)、当該使用態様の話者数、話者位置、適応収音範囲を読み出し、さらに類似の位置関係と算出した位置関係とを含む例えば、図6(B)に示すようなインジケータ表示データを生成して、表示部216に表示させる(S109)。ユーザは、このインジケータ表示を見ることで、現状の放収音機能装置1の状態に最適な使用態様が無く、類似する使用態様が有ることを認識できる。そして、類似する使用態様になるように副筐体11,12をさらに回動させることができる。この際、CPU210は、さらに、検出した現状の位置関係を類似した位置関係に一致させるための回動量や回動方向を同時に表示させることで、ユーザは、より容易に、類似する使用態様の状態まで副筐体11,12を回動させることができる。この際、この回動をインジケータ表示に反映させる、すなわち回動に連動して位置関係の表示を徐々に変化させることで、ユーザにより分かりやすく、類似の使用態様への操作を提示することができる。そして、この追加の回動操作後に、インジケータ表示に準じて着席することで、最適な収音環境で会議を行うことができる。
【0048】
CPU210は、同等の位置関係を含む使用態様も類似の位置関係を含む使用態様も検出できなければ(S108:N)、例えば、図9(C)に示すように、現在の位置関係では適する使用態様がないことと、現在の位置関係で収音する場合の収音範囲とをインジケータ表示する(S110)。ユーザは、このインジケータ表示を見ることで、現状の放収音機能装置1の状態では、適する使用態様がなく、放収音に問題が有る可能性を含むことを認識することができる。そして、ユーザは、このインジケータ表示を見て副筐体11,12をさらに適宜回動操作する。
【0049】
上述の各処理は、放収音機能装置1で放収音アプリ用操作子により放収音アプリ終了操作を受け付けるまで、継続的に実行される(S111:N)。従って、放収音アプリが実行されている間は、ユーザが副筐体11,12を回動操作すれば、この回動により使用態様が再評価されて、再評価の内容に準じたインジケータ表示が行われる。
【0050】
一方、放収音機能装置1で放収音アプリ用操作子により放収音アプリ終了操作を受け付けると(S111:Y)、CPU210は、放収音アプリの終了処理を行い、上述のインジケータ表示を消去する(S112)。
【0051】
なお、上述の説明では、同等、類似の使用態様を順に判定する例を示したが、類似の使用態様の判定を行わず、同等の使用態様があるかないかだけの判定を行い、インジケータ表示を行うようにしてもよい。これにより、より簡潔且つ素早くに最適な使用態様であるかどうかをユーザに提示することができる。
【0052】
次に、設定時と実使用時(会議時)との状態を、図を用いてより詳細に説明する。
実施例1(同等の使用態様が存在した場合)
なお、実施例1では、副筐体11,12を主筐体10の三角形の辺に沿って当接させた場合を例に示す。
図4(A)は本実施例、すなわち副筐体11,12を主筐体10に沿わせて設置させた時の設定状況を示す図であり、(B)は(A)に示す設置状況でのPC2のインジケータ表示画面を示した図であり、(C)はシステム設定表示画面を示した図である。
図5は、図4の設定を行った後に、実際にユーザが着席した状況を示す図である。
【0053】
ユーザ900は、放収音機能装置1を所定の場所、例えば、会議室の会議テーブル上に設置する。この際、ユーザ900は、適当に副筐体11,12の主筐体10に対する位置を決めて設置する。例えば、図4(A)に示すように、副筐体11,12を主筐体10に沿わせて設置する。ユーザ900は、放収音機能装置1と、例えば手元に置いたPC2とをUSBケーブル300で接続し、放収音機能装置1とPC2とを起動する。さらに、ユーザ900は、放収音機能装置1に対して放収音アプリ用操作子を操作し、放収音アプリを起動、実行する。放収音アプリが実行されると、回動量が検出されて主筐体10と副筐体11,12との位置関係が検出される。位置関係が検出されると、同等の使用態様が選択される。使用態様は予め複数種類が設定されており、本実施例1の場合は、主筐体10の三角形の各辺に対応して会議者が着席する「360度モード」が同等と判定される。このように、同等と判定された使用態様が存在すると、図4(B)に示すようにインジケータ表示内に、同等の使用態様に基づく放収音機能装置1の形状(主筐体10と副筐体11,12との位置関係)と、収音範囲(図中の淡色塗りつぶし部)と、推奨される最適な話者数および話者位置と、がグラフィカルに表示される。この際、図4(B)に示すように、モードの概要説明を表示させても良い。
【0054】
このように、インジケータ表示を行うことで、設定するユーザ900に対して、現状の放収音機能装置1の形状に応じた最適な使用方法を提示することができる。
【0055】
ユーザ900は、このインジケータ表示を見て、推奨されたモードの話者数や話者位置、収音範囲で問題ないと判断すれば、図5に示すように、他のユーザ901,902とともに、推奨される話者位置に着席して会議を開始する。これにより、各ユーザ900〜902に対して確実に収音および放音を行うことができる。
【0056】
なお、図4(C)に示すように、インジケータ表示とは別ウィンドウでシステム設定画面を設けても良い。このシステム設定画面では、上述のアサインの設定や、エコーキャンセラの設定、これら設定を記憶する記憶先や予め設定された内容の読み出し先を表示し、これら設定に関する操作をGUI制御で可能にしたものである。このようなシステム設定用のウィンドウをインジケータ表示と同時に設けることで、ユーザ900は、設置設定と、システム設定とを一元的に容易に行うことができる。
【0057】
実施例2(同等の使用態様が無く、類似の使用態様が存在した場合)
なお、実施例2では、副筐体11,12を主筐体10の正面方向側壁に平行にならない程度に回動させた場合を例に示す。
図6(A)は本実施例、すなわち副筐体11,12を主筐体10に沿わせて設置させた時の設定状況を示す図であり、(B)は(A)に示す設置状況でのPC2のインジケータ表示画面を示した図である。
図7は、さらなる回動操作を行った場合のインジケータ表示の変化を示した図である。
図8は、図6の設定を行った後に、実際にユーザが着席した状況を示す図である。
【0058】
実施例1の場合と同様に、ユーザ900は、放収音機能装置1を設置してPC2と接続し、放収音アプリを起動する。この際、本実施例では、図6(A)に示すように、副筐体11,12を主筐体10に対して所定量回動させる。放収音アプリが実行されると、回動量が検出されて主筐体10と副筐体11,12との位置関係が検出される。位置関係が検出されると、同等の使用態様があるか判定され、同等の使用態様がなければ類似する使用態様があるか判定される。本実施例2の場合は、主筐体10の正面方向側壁側に三人の会議者が着席する「片側3人モード」が類似であると判定される。
【0059】
類似と判定された使用態様が存在すると、図6(B)に示すようにインジケータ表示内に、類似の使用態様に基づく最適な副筐体11,12の回動位置(図中の点線表示)と、収音範囲と、推奨される最適な話者数および話者位置と、検出した現状の位置関係に基づく放収音機能装置1の形状とがグラフィカルに表示される。この際、モードの概要説明とともに、類似の使用態様への回動方法や、さらなる注意事項を表示させるとよい。
【0060】
このように、インジケータ表示を行うことで、設定するユーザ900に対して、現状の放収音機能装置1の形状に近い最適な使用態様と当該最適な使用態様への調整方法とを提示することができる。
【0061】
ユーザ900は、このインジケータ表示を見て、推奨された類似の使用態様となるように、図7(A)に示すように副筐体11,12をさらに回動させる。このようなさらなる回動操作が行われると、インジケータ表示では、図7(B)に示すように副筐体11,12の回動に連動して表示上での副筐体も回動するように表示される。これにより、ユーザは、副筐体が類似する使用態様にどれだけ近づいたか、一致したかを容易に確認することができる。このような回動操作を行った後、図8に示すように、他のユーザ901,902とともに、推奨される話者位置に着席して、会議を開始する。これにより、各ユーザ900〜902に対して確実に収音および放音を行うことができる。この際、さらに、推奨される位置にPC2や会議用に用意した他のディスプレイを設置することで、テレビ会議を行う際に、各ユーザ900〜902が確実に映像を見ることができる。なお、このような回動に連動した副筐体の表示変化とともに、収音範囲の変化や話者位置の変化を同時に表示させてもよい。
【0062】
さらに、上述の二つの実施例は、本放収音装置の実現できる使用態様の例の一部であり、他の使用態様も可能である。そして、それぞれの使用態様に応じてインジケータ表示も異なる。また、現状の放収音機能装置の形状では最適な使用態様が無い場合でもインジケータ表示は行われる。図9にさらなる例の一部を示す。
【0063】
図9(A),(B)は他の使用態様でのインジケータ表示を示し、(C)は適する使用態様がない場合のインジケータ表示を示す。
【0064】
図9(A)は「片側2人モード」の場合を示す。片側2人モードの場合、主筐体10の正面方向側壁と副筐体11,12の長辺方向とが平行になる形状が適用される。そして、このような形状と同等の主筐体10と副筐体11,12との位置関係が検出されれば、図9(A)のインジケータ表示が行われる。
【0065】
図9(B)は「1人モード」の場合を示す。1人モードの場合、主筐体10の正面方向側壁よりもさらに正面方向側壁から外方へ副筐体11,12が回動した形状が適用される。そして、このような形状と同等の主筐体10と副筐体11,12との位置関係が検出されれば、図9(B)のインジケータ表示が行われる。
【0066】
図9(C)は適する使用態様が無い場合を示す。適する使用態様がない場合、現状の主筐体10と副筐体11,12との位置関係が表示されるとともに、この位置関係で可能な推定収音範囲が表示される。さらには、この推定収音範囲で実現可能な話者位置と、この話者位置での注意事項も表示される。このような表示を行うことで、適する使用態様に属さないことや、このまま会議を行えば、ユーザの発言を収音できないこともありえることを、ユーザに提示することができる。
【0067】
なお、前述の実施形態では、汎用のPCを用いてインジケータ表示や使用態様の選択、判定を行う場合を示したが、放収音機能装置1に専用のリモコンを用いても良い。この場合、リモコンにはインジケータ表示機能とこの表示機能に付随する操作入力機能のみを与え、使用態様の選択等を含む放収音アプリの実行に関する処理や記憶媒体、さらには通信機能を放収音機能装置1に行わせるようにする。これにより、上述のように放収音機能装置1とPC2とからなる放収音装置を、実質的に放収音機能装置1のみで実現することができる。
【0068】
また、前述の実施形態では、ロータリエンコーダを用いて回動量を検出したが、スピーカSPからテスト音を放音し、マイクMICでテスト音を収音することで回動量を検出してもよい。この場合、放収音機能装置1は、各マイクアレイ1160,1161,1162のマイクMICの収音信号に、それぞれ異なるパターンからなる遅延制御を行うことで複数の収音ビーム信号を形成する。放収音機能装置1は、副筐体11,12の回動量すなわち主筐体10と副筐体11,12との位置関係毎に、複数の収音ビーム信号のレベル分布を記憶している。放収音機能装置1は、取得した複数の収音ビーム信号のレベル分布を算出し、記憶されているレベル分布と比較することで、回動量を検出する。このような放収音機能で回動量を検出することで、ロータリエンコーダのような放収音機能には直接関係しない部品を取り付けることなく、回動量を検出することができる。これにより、放収音機能装置1の部品構成を簡素化することができる。
【0069】
また、前述の説明では、手動で副筐体11,12を回動させる例を示したが、モータとギア等を組み合わせ、自動で副筐体11,12を回動させるようにしてもよい。この場合、回動させるための操作入力手段をPC2やリモコンに備えれば、ユーザは、インジケータ表示を見ながらの回動操作をより簡単に行うことができる。さらには、類似した使用態様がある場合には、放収音機能装置1を自動で回動させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本実施形態の放収音機能装置1の基本姿勢での平面図である。
【図2】本実施形態の放収音機能装置1とPC2とからなる放収音装置の機能ブロック図である。
【図3】放収音アプリの実行フローを示すフローチャートである。
【図4】実施例1の設定状況を示す図、およびこの設置状況でのPC2のインジケータ表示画面を示した図である。
【図5】図4の設定を行った後に、実際にユーザが着席した状況を示す図である。
【図6】実施例2の設定状況を示す図、およびこの設置状況でのPC2のインジケータ表示画面を示した図である。
【図7】さらなる回動操作を行った場合のインジケータ表示の変化を示した図である。
【図8】図6の設定を行った後に、実際にユーザが着席した状況を示す図である。
【図9】他の使用態様でのインジケータ表示および最適な使用態様がない場合のインジケータ表示を示す。
【符号の説明】
【0071】
1−放収音機能装置、10−主筐体、11,12−副筐体、110−制御部、111−入出力I/F、112−放音制御部、113−収音制御部、114−エコーキャンセラ、115−操作部、1160,1161,1162−マイクアレイ、1171,1172−ロータリエンコーダ、MIC−マイク、SP−スピーカ、2−PC、210−CPU、211−機器I/F、212−通信I/F、213−記憶媒体、214−RAM、215−操作部、216−表示部、300−USBケーブル、400−ネットワーク、900〜902−ユーザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放音手段および収音手段を備えた主筐体と、
それぞれが少なくとも収音手段を備え、前記主筐体に対してそれぞれ異なる位置から回動可能に設置された複数の副筐体と、
前記主筐体に対する前記複数の副筐体の回動量を検出する回動量検出手段と、
前記回動量に基づいて前記主筐体と前記複数の副筐体との実測位置関係を検出し、該実測位置関係に応じた最適な使用態様を判定する使用態様判定手段と、
前記実測位置関係と前記最適な使用態様とを含む表示データを生成する表示制御手段と、
前記表示データを表示する表示手段と、
を備えた放収音装置。
【請求項2】
前記使用態様判定手段は、複数の使用態様と各使用態様に応じた前記主筐体と前記複数の副筐体との設定位置関係とを関連付けして記憶しておき、
前記実測位置関係が、記憶されたいずれかの使用態様の設定位置関係と同等であれば、同等となる使用態様を前記最適な使用態様に判定し、
前記実測位置関係が、記憶されたいずれの使用態様の設定位置関係とも同等でなければ、適する使用態様が無いことを判定し、
前記表示制御手段は、適する使用態様が無い場合に、前記実測位置関係とともに、適する使用態様が無い旨を含む表示データを生成する、
請求項1に記載の放収音装置。
【請求項3】
前記使用態様判定手段は、実測位置関係が記憶されたいずれかの使用態様の設定位置関係と類似していれば、類似する使用態様を前記最適な使用態様に判定し、
前記表示制御手段は、類似する使用態様がある場合に、前記実測位置関係とともに、類似した使用態様の設定位置関係を含む表示データを生成する、
請求項2に記載の放収音装置。
【請求項4】
前記回動量検出手段は、前記回動量の変化を検出し、
前記使用態様判定手段は、前記回動量の変化に応じた実測位置関係の変化を検出し、
前記表示制御手段は、前記実測位置関係の変化に準じた表示データを生成する、
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の放収音装置。
【請求項5】
前記回動量検出手段はロータリエンコーダである、
請求項1〜4のいずれかに記載の放収音装置。
【請求項6】
前記回動量検出手段は、前記放音手段からの放音音声を、前記主筐体の前記収音手段および前記複数の副筐体の前記収音手段でそれぞれ収音して得られる収音音声信号の遅延関係から回動量を検出する、請求項1〜4のいずれかに記載の放収音装置。
【請求項7】
前記主筐体に対して前記副筐体を回動させる回動手段と、
該回動手段の回動の操作入力を受け付ける回動操作入力手段と、を備え、
少なくとも、前記主筐体、前記副筐体、前記回動量検出手段、および前記回動手段が、所定位置に固定設置される本体装置に備えられ、
少なくとも、前記表示手段と、前記回動操作入力手段とが、前記本体装置とは別体から成り、移動可能で且つ前記本体装置と通信可能な操作用装置に備えられている、
請求項1〜6のいずれかに記載の放収音装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−65228(P2009−65228A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−228683(P2007−228683)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】