説明

断熱性パネル

【課題】 断熱パネルの全体としての引張り強さを増大させる。断熱パネルは、少しねじられた状態に取り付けられる場合に、柔軟に容易に能率よく高精度に取付けられる。
【解決手段】 上面板2と下面板1との間に中間板3を設ける。この中間板3は下面板1および上面板2と共に構造材料として構成する。中間板3にはその左右方向および前後方向の適当間隔置きにそれぞれ貫通孔6…をあける。各貫通孔6…にそれぞれ板連結具7…を上下に貫通させる。各板連結具7…の途中部を中間板3に各中間部固定手段8…で固定する。各板連結具7…の下部を下面板1に各下部固定手段9…で固定する。各板連結具7…の上部を上面板2に各上部固定手段10…で固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建築物・船舶・車両または航空機などの各種の建造物において、側壁・床壁・天井壁などに使用される断熱性パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
[構成]
断熱性パネルとして、従来技術では図7に示すものがある。(特開平9−76036号公報)
図7は従来技術のハニカムパネルを示す。図7(A)は斜視図、図7(B)は図7(A)の一部の縦断正面図である。
【0003】
複数枚の波板(51)を平板(52)を介して積層して形成されたハニカム体(53)が、上面板(54)と下面板(55)で積層方向に挟持される。該上面板(54)と下面板(55)の間には、前記ハニカム体(53)を貫通して、複数本のディスタンスピース(56)が配設されている。
【0004】
前記平板(52)としては、普通鋼、ステンレス鋼、各種非鉄金属の約100μm以下の箔を採用する。波板(51)としては、平板(52)をコルゲート加工したものを採用する。ディスタンスピース(56)としては、上記各種金属の棒材やパイプを採用する。そして、これら各部材を溶接等により接合して金属性ハニカムパネルを形成する。
【0005】
[従来技術の問題点]
上記従来技術では、次の問題がある。
[ 問題点イ. 金属ハニカムパネルに引張り力が作用した場合、この引張り力は、箔から成る平板(52)では実質的に負担されないため、上面板(54)と下面板(55)とは、その引張り力が集中して加わるため、変形・破損し易くなる。 ]
【0006】
前記平板(52)は約100μm以下の箔から成ることから、機械材料の常識上、空気の流通を遮断する機能は有するが、構造材料としての強度を十分に負担する機能は有しない。
金属ハニカムパネルに引張り力が作用した場合、この引張り力は、箔から成る平板(52)では実質的に負担されず、上面板(54)と下面板(55)のみで負担される。このため、上面板(54)と下面板(55)とは、その引張り力が集中して加わるため、変形・破損し易くなる。
【0007】
[ 効果ロ. 金属ハニカムパネルは、引張り強さの割りに曲げ抵抗の大きい柔軟性に劣るものであるから、使用条件によって少しねじられた状態に取り付けられる場合に、柔軟に容易に適合することができず、断熱性パネルの取り付け作業が困難で能率よく行えないうえ、取り付け後の隣り合うパネル端縁同士間での仕上がり状態は、ズレや凹凸度合いの大きい精度の低い美しさに劣るものになる。 ]
【0008】
金属ハニカムパネルの全体として必要な引張り強さは、上記[問題点イ]中に述べたように、上面板(54)と下面板(55)のみで負担する。このため、この上面板(54)と下面板(55)とは、その1枚当りの板厚が厚くなる分だけ、板厚方向の二次断面モーメントが大きくなる。その結果、金属ハニカムパネルは全体として引張り強さの割りに、曲げ抵抗の大きい柔軟性に劣るものとなる。
【0009】
この金属ハニカムパネルは、使用条件によっては、このパネルの両端縁が非平行となって、パネルが少しねじられた状態に取り付けられる場合がある。
【0010】
この金属ハニカムパネルは、上記のように引張り強さの割りに、曲げ抵抗の大きい柔軟性に劣るものであるから、上記のように使用条件によって少しねじられた状態に取り付けられる場合に、柔軟に容易に適合することができない。このため、断熱性パネルの取り付け作業が困難になって能率よく行えないうえ、取り付け後の隣り合うパネル端縁同士間での仕上がり状態は、ズレや凹凸度合いの大きい精度の低い美しさに劣るものになる。
【0011】
【特許文献1】特開平9−76036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、次のようにすることにある。
[イ]. 断熱性パネルに作用する引張り力が下面板・上面板および中間板に、これらを連結固定する各板連結具を介して伝達されて分散されるようにすることにより、断熱パネルの全体としての引張り強さを増大させて、耐久性を高める。
【0013】
[ロ]. 断熱パネルは、引張り強さの割りに曲げ抵抗の小さい柔軟性に富むものにすることにより、少しねじられた状態に取り付けられる場合に、柔軟に容易に適合させて、断熱性パネルの取り付け作業が容易に能率よく行えるうえ、取り付け後の隣り合うパネル端縁同士間での仕上がり状態も、ズレや凹凸度合いの小さい高精度の美しいものになる。
【0014】
[ハ]. 板連結具は貫通孔に押し込むだけの簡単な操作で、中間板に能率よく組み付けていくことができるうえ、 嵌合用周溝への爪先端部の嵌入構造により、中間板への板連結具の連結固定が強固になる。
【0015】
[ニ]. 嵌合用周溝に爪先端部が嵌入することにより、下部断熱空間および上部断熱空間の寸法精度が高くなり、断熱性能の誤差を低減する。
【0016】
[ホ].貫通孔に対して板連結具がどの半径方向へ押し付ける力が働いた場合においても、その接当面の円弧面形状および円弧面長さがほぼ一定になるため、その接当面部分の強度をほぼ一定に保持して、その耐久性を高める。
【0017】
[へ]. 多数の各板連結具を下面板および上面板に連結固定する取付け作業が、容易に正確に行うことができ、量産性に優れ、安価に実施することができる。
[ト]. 断熱材を設けた分だけ、断熱性パネルの断熱性能を高める。
[チ]. 断熱性パネルが火災時に高熱を受けた場合において、熱硬化性高分子材料製の発泡性断熱材は、火災の高熱で炭化して、断熱性能を保持し、耐火性能を高く発揮する。
【0018】
[リ]. 断熱性パネルは、連結具の引っ張り力と独立気泡の発泡性断熱材の膨張力とが拮抗している強い形状保持力により、変形や剥落が起こりにくくなるので、耐火作用を高く保持し続けて、耐火性能が格段に向上する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の断熱性パネルは、上記課題を解決するために、例えば図1−図3、図4または図5に例示するように、次のように構成したことを特徴とする。
【0020】
図1−図3は本発明の断熱性パネルの実施形態1を示す。図1は断熱性パネルの板連結具の部分の取り出し図であって、図3のI部分の拡大図を示す。図1(A)は断熱性パネルの板連結具の部分の縦断正面図、図1(B)は図1(A)のB−B線断面図、図1(C)は図1(A)のC−C線断面図である。図2は図1の一部省略分解斜視図である。図3は断熱性パネルの一部取り出し斜視図である。
【0021】
図4は本発明の断熱性パネルの実施形態2を示す、断熱性パネルの板連結具の部分の縦断正面図であって、図1(A)に相当する図である。
図5は本発明の断熱性パネルの実施形態3を示し、断熱性パネルの板連結具の部分の取り出し図であって、図3のI部分の拡大図を示す。図5(A)は断熱性パネルの板連結具の部分の縦断正面図であって、図1(A)に相当する図である。図5(B)は図5(A)のB−B線断面図である。
【0022】
図6は本発明の断熱性パネルの実施形態4を示し、断熱性パネルの板連結具の部分の取り出し図であって、図3のI部分の拡大図を示す。図6(A)は断熱性パネルの板連結具の部分の縦断正面図であって、図1(A)に相当する図である。図6(B)は図6(A)のB−B線断面図である。
【0023】
○ 請求項1の発明. 図1−図3、図4参照.
下面板(1)の上側に上面板(2)を設け、この上面板(2)と下面板(1)との間に中間板(3)を設ける。この中間板(3)は下面板(1)および上面板(2)と共に構造材料として構成する。この中間板(3)と下面板(1)との間に下部断熱用空間(4)を設け、中間板(3)と上面板(2)との間に上部断熱用空間(5)を設ける。
【0024】
中間板(3)にはその左右方向および前後方向の適当間隔置きにそれぞれ貫通孔(6)…をあけ、各貫通孔(6)…にそれぞれ板連結具(7)…を上下に貫通させる。
各板連結具(7)…の途中部を中間板(3)に各中間部固定手段(8)…で固定する。各板連結具(7)…の下部を下面板(1)に各下部固定手段(9)…で固定する。各板連結具(7)…の上部を上面板(2)に各上部固定手段(10)…で固定する。
【0025】
下面板(1)・上面板(2)・および中間板(3)は、各板連結具(7)…・各下部固定手段(9)…・各上部固定手段(10)…・および各中間部固定手段(8)…により連結固定して構成したことを特徴とする。
【0026】
なお、前記下面板(1)・上面板(2)・中間板(3)は、例えば、鉄系・鋼系・アルミニウム系・または銅系などの各種の金属材料または合金材料製の板、炭素繊維材料製の板、あるいは高分子材料(合成樹脂材料・合成ゴム材料・および天然ゴム材料を含む上位概念としての材料)製の板、などからなる。
【0027】
また、下面板(1)と上面板(2)との厚みは、必要に応じて互いに同じ厚みにする場合と、異なる厚みにする場合とがある。
【0028】
○ 請求項2の発明. 図5、図6参照.
下面板(1)の上側に上面板(2)を設け、この上面板(2)と下面板(1)との間に中間板(3)を設ける。この中間板(3)は下面板(1)および上面板(2)と共に構造材料として構成する。この中間板(3)と下面板(1)との間に下部断熱用空間(4)を設け、中間板(3)と上面板(2)との間に上部断熱用空間(5)を設ける。
【0029】
中間板(3)にはその左右方向および前後方向の適当間隔置き箇所からそれぞれ板連結具(25)…を一体成形により上下両方向に突出させて設ける。各板連結具(25)…の下部を下面板(1)に各下部固定手段(9)…で固定し、各板連結具(25)…の上部を上面板(2)に各上部固定手段(10)…で固定する。
【0030】
下面板(1)・上面板(2)・および中間板(3)は、各板連結具(25)…・各下部固定手段(9)…・および各上部固定手段(10)…により連結固定して構成したことを特徴とする。
【0031】
○ 請求項3の発明. 図1−図3、図4、図5、図6参照.
この請求項3の発明は、上記請求項1または2の発明において、次の特徴構成を追加したことを特徴とする。
【0032】
前記中間板(3)の厚みは、下面板(1)と上面板(2)とのいずれか一方の厚みの100〜500%の厚みに設定したことを特徴とする。
【0033】
○ 請求項4の発明. 図1−図3、図4、図5、図6参照.
この請求項4の発明は、上記請求項3の発明において、次の特徴構成を追加したことを特徴とする。
【0034】
前記下面板(1)・上面板(2)および中間板(3)の各板の厚みは、互いに同じ厚みに設定したことを特徴とする。
【0035】
○ 請求項5の発明. 図1−図3、図4、図5、図6参照.
この請求項5の発明は、上記請求項1・2・3・または4の発明において、次の特徴構成を追加したことを特徴とする。
【0036】
前記板連結具(7)の途中部の中間部固定手段(8)の構成として、次のようにする。
前記板連結具(7)の途中部の外周面に沿って嵌合用周溝(11)を形成する。中間板(3)の貫通孔(6)の周囲の孔周囲肉壁(12)の周方向に沿って複数個の分断部(13)…と複数個の係合爪(14)…とを交互に並設する。
【0037】
各係合爪(14)…の各爪先端部(15)…が上下方向へ弾性変形した状態では、前記貫通孔(6)の直径が大きくなって、この貫通孔(6)内での板連結具(7)の移動を許容するのに対して、 各爪先端部(15)…が弾性復帰した状態では、各爪先端部(15)…が嵌合用周溝(11)に嵌入して、板連結具(7)を上下方向にも水平方向にも連結固定するように構成したことを特徴とする。
【0038】
○ 請求項6の発明. 図1−図3、図4、図5、図6参照.
この請求項6の発明は、上記請求項1・2・3・4または5の発明において、次の特徴構成を追加したことを特徴とする。
【0039】
前記中間板(3)の各貫通孔(6)…と各板連結具(7)…との嵌合面の横断面形状は、円形に形成したことを特徴とする。
【0040】
○ 請求項7の発明. 図1−図3、図4、図5、図6参照.
この請求項7の発明は、上記請求項1から6のうちのどれか1項の発明において、次の特徴構成を追加したことを特徴とする。
【0041】
前記下面板(1)の上面に下部接合用材料層(16)を形成する。この下部接合用材料層(16)の接合用材料により下面板(1)と前記各板連結具(7)…(25)…の下部とを接合固定したもので前記各下部固定手段(9)…を構成する。
【0042】
前記上面板(2)の下面に上部接合用材料層(17)を形成する。この上部接合用材料層(17)の接合用材料により上面板(2)と前記各板連結具(7)…(25)…の上部とを接合固定したもので前記各上部固定手段(10)…を構成したことを特徴とする。
【0043】
なお、前記下部接合用材料層(16)および上部接合用材料層(17)としては、例えば合成樹脂系接着剤・ゴム系接着剤・ロー付け用材料・または溶接用材料、などから適宜任意に選択したもの、或いはその他のものから成り、高周波加熱またはその他の加熱により溶融させて接合させる。
【0044】
○ 請求項8の発明. 図1−図3、図4、図5、図6参照.
この請求項8の発明は、上記請求項1から7のうちのどれか1項の発明において、次の特徴構成を追加したことを特徴とする。
【0045】
前記下部断熱用空間(4)と上部断熱用空間(5)との少なくとも一方に断熱材(20)を設けたことを特徴とする。
【0046】
○ 請求項9の発明. 図1−図3、図4、図5、図6参照.
この請求項9の発明は、上記請求項8の発明において、次の特徴構成を追加したことを特徴とする。
【0047】
前記断熱材(20)は高分子材料製の発泡性断熱材(21)から成ることを特徴とする。
なお、ここで云う高分子材料とは、合成樹脂材料・合成ゴム材料・および天然ゴム材料を含む上位概念としての材料を意味するものである。
【0048】
○ 請求項10の発明. 図1−図3、図4、図5、図6参照.
この請求項10の発明は、上記請求項9の発明において、次の特徴構成を追加したことを特徴とする。
【0049】
前記高分子材料製の発泡性断熱材(21) は、熱硬化性高分子材料製の発泡性断熱材(22)から成ることを特徴とする。
【0050】
○ 請求項11の発明. 図1−図3、図4、図5、図6参照.
この請求項11の発明は、上記請求項10の発明において、次の特徴構成を追加したことを特徴とする。
【0051】
前記熱硬化性高分子材料製の発泡性断熱材(22)は、 熱硬化性高分子材料製の独立気泡の発泡性断熱材(23)から成ることを特徴とする。
【0052】
この熱硬化性高分子材料製の独立気泡の発泡性断熱材(23)の材質としては、例えば、フェノール樹脂・メラミン樹脂・エポキシ樹脂・またはユリア樹脂、などがある。
【発明の効果】
【0053】
本発明の断熱性パネルは、つぎの効果を奏する。
○ 請求項1の発明.
【0054】
[ 効果イ. 断熱性パネルに作用する引張り力が下面板(1)・上面板(2)および中間板(3)に、これらを連結固定する各板連結具(7)…を介して伝達されて分散される分だけ、断熱パネルの全体としての引張り強さが増大し、耐久性が高まる。 ]
【0055】
請求項1の発明は、つぎの特徴構成を有する。
下面板(1)の上側に上面板(2)を設け、この上面板(2)と下面板(1)との間に中間板(3)を設ける。この中間板(3)は下面板(1)および上面板(2)と共に構造材料として構成する。この中間板(3)と下面板(1)との間に下部断熱用空間(4)を設け、中間板(3)と上面板(2)との間に上部断熱用空間(5)を設ける。
【0056】
中間板(3)にはその左右方向および前後方向の適当間隔置きにそれぞれ貫通孔(6)…をあける。各貫通孔(6)…にそれぞれ板連結具(7)…を上下に貫通させる。
各板連結具(7)…の途中部を中間板(3)に各中間部固定手段(8)…で固定し、各板連結具(7)…の下部を下面板(1)に各下部固定手段(9)…で固定し、各板連結具(7)…の上部を上面板(2)に各上部固定手段(10)…で固定する。
【0057】
下面板(1)・上面板(2)・および中間板(3)は、各板連結具(7)…・各下部固定手段(9)…・各上部固定手段(10)…・および各中間部固定手段(8)…により連結固定する。
【0058】
この特徴構成から、断熱性パネルに引張り力が作用した場合、この引張り力は下面板(1)・上面板(2)および中間板(3)に、これらを連結固定する各板連結具(7)…を介して伝達されて分散される。
【0059】
このため、下面板(1)・上面板(2)および中間板(3)のいずれかにその引張り力が集中して、そのいずれかの板を変形・破損することが無くなる分だけ、断熱パネルの全体としての引張り強さが増大し、耐久性が高まる。
【0060】
[ 効果ロ. 断熱パネルは、引張り強さの割りに曲げ抵抗の小さい柔軟性に富むものであるから、少しねじられた状態に取り付けられる場合に、柔軟に容易に適合するため、断熱性パネルの取り付け作業が容易に能率よく行えるうえ、取り付け後の隣り合うパネル端縁同士間での仕上がり状態も、ズレや凹凸度合いの小さい高精度の美しいものになる。 ]
【0061】
断熱性パネルの全体として必要な引張り強さは、上記[効果イ]中に述べたように、下面板(1)・上面板(2)および中間板(3)が分担するので、これらの各板(1)・(2)・(3)はその1枚当りの板厚が薄くなる分だけ、板厚方向の二次断面モーメントが小さくなる。このため、断熱性パネルは全体として引張り強さの割りに、曲げ抵抗の小さい柔軟性に富むものとなる。
【0062】
この断熱性パネルは、使用条件によっては、このパネルの両端縁が非平行となって、パネルが少しねじられた状態に取り付けられる場合がある。
【0063】
この請求項1の断熱性パネルは、上記のように引張り強さの割りに、曲げ抵抗の小さい柔軟性に富むものであるから、上記のように使用条件によって少しねじられた状態に取り付けられる場合に、柔軟に容易に適合するため、断熱性パネルの取り付け作業が容易に能率よく行えるうえ、取り付け後の隣り合うパネル端縁同士間での仕上がり状態も、ズレや凹凸度合いの小さい高精度の美しいものになる。
【0064】
○ 請求項2・請求項3および請求項4の発明.
この請求項2・請求項3および請求項4の発明は、上記請求項1の発明の[効果イ]および[効果ロ]を奏する。
【0065】
○ 請求項5の発明.
この請求項5の発明は、上記請求項1の発明の[効果イ]および[効果ロ]に加えて、つぎの効果を奏する。
【0066】
[ 効果ハ. 板連結具(7)は貫通孔(6)に押し込むだけの簡単な操作で、中間板(3)に能率よく組み付けていくことができるうえ、 嵌合用周溝(11)への爪先端部(15)の嵌入構造により、中間板(3)への板連結具(7)の連結固定が強固になる。 ]
【0067】
請求項5の発明は、つぎの特徴構成を有する。
前記板連結具(7)の途中部の中間部固定手段(8)の構成として、次のように構成する。
前記板連結具(7)の途中部の外周面に沿って嵌合用周溝(11)を形成する。中間板(3)の貫通孔(6)の周囲の孔周囲肉壁(12)の周方向に沿って複数個の分断部(13)…と複数個の係合爪(14)…とを交互に並設する。
【0068】
各係合爪(14)…の各爪先端部(15)…が上下方向へ弾性変形した状態では、前記貫通孔(6)の直径が大きくなって、この貫通孔(6)内での板連結具(7)の移動を許容するのに対して、 各爪先端部(15)…が弾性復帰した状態では、各爪先端部(15)…が嵌合用周溝(11)に嵌入して、板連結具(7)を上下方向にも水平方向にも連結固定する。
【0069】
この特徴構成から、板連結具(7)の端部を貫通孔(6)に押し込んでいくだけで、爪先端部(15)が弾性変形して貫通孔(6)の直径が大きくなり、板連結具(7)をそのまま差し込んで行くことができる。この差し込み途中で嵌合用周溝(11)に爪先端部(15)が弾性復帰して嵌入し、連結固定される。
【0070】
このため、板連結具(7)は貫通孔(6)に押し込むだけの簡単な操作で、中間板(3)に能率よく組み付けていくことができる。そのうえ、嵌合用周溝(11)への爪先端部(15)の嵌入構造により、中間板(3)への板連結具(7)の連結固定が強固になる。
【0071】
[ 効果ニ. 嵌合用周溝(11)に爪先端部(15)が嵌入することにより、下部断熱空間(4)および上部断熱空間(5)の寸法精度が高くなり、断熱性能の誤差を低減する。 ]
【0072】
嵌合用周溝(11)に爪先端部(15)が嵌入することにより、連結具(7)を介して中間板(3)が下面板(1)および上面板(2)に対して位置決めされる位置決め精度が高くなる分だけ、下部断熱空間(4)および上部断熱空間(5)の寸法精度が高くなり、断熱性能の誤差を低減することができる。
【0073】
○ 請求項6の発明.
この請求項6の発明は、上記請求項1の発明の[効果イ]・[効果ロ]、および請求項5の発明の[効果ハ]・[効果ニ]に加えて、つぎの効果を奏する。
【0074】
[ 効果ホ.貫通孔(6)に対して板連結具(7)がどの半径方向へ押し付ける力が働いた場合においても、その接当面の円弧面形状および円弧面長さがほぼ一定になるため、その接当面部分の強度をほぼ一定に保持して、その耐久性を高める。 ]
【0075】
請求項6の発明は、前記中間板(3)の各貫通孔(6)…と各板連結具(7)…との嵌合面の横断面形状は、円形に形成した。
【0076】
この特徴構成から、貫通孔(6)に対して板連結具(7)がどの半径方向へ押し付ける力が働いた場合においても、その接当面の円弧面形状および円弧面長さがほぼ一定になる。このため、その接当面部分がその押し付け方向によって特異的に大きくなって破損することが無くなり、その接当面部分の強度をほぼ一定に保持して、その耐久性を高めることができる。
【0077】
○ 請求項7の発明.
この請求項7の発明は、上記請求項1の発明の[効果イ]および[効果ロ]に加えて、つぎの効果を奏する。
【0078】
[ 効果へ. 多数の各板連結具(7)…(25)…を下面板(1)および上面板(2)に連結固定する取付け作業が、容易に正確に行うことができ、量産性に優れ、安価に実施できる。 ]
【0079】
請求項7の発明は、つぎの特徴構成を有する。
前記下面板(1)の上面に下部接合用材料層(16)を形成する。この下部接合用材料層(16)の接合用材料により下面板(1)と前記各板連結具(7)…(25)…の下部とを接合固定したもので前記各下部固定手段(9)…を構成する。
【0080】
前記上面板(2)の下面に上部接合用材料層(17)を形成する。この上部接合用材料層(17)の接合用材料により上面板(2)と前記各板連結具(7)…(25)…の上部とを接合固定したもので前記各上部固定手段(10)…を構成した。
【0081】
この特徴構成から、多数の各板連結具(7)…(25)…は、下面板(1)に対しては下部接合用材料層(16)の接合用材料で一挙に接合できるうえ、上面板(2)に対しては上部接合用材料層(17)の接合用材料で一挙に接合できる。
このため、多数の各板連結具(7)…(25)…を下面板(1)および上面板(2)に連結固定する取付け作業が、容易に正確に行うことができ、量産性に優れ、安価に実施することができる。
【0082】
○ 請求項8の発明.
この請求項8の発明は、上記請求項1の発明の[効果イ]および[効果ロ]に加えて、つぎの効果を奏する。
【0083】
[ 効果ト. 断熱材(20)を設けた分だけ、断熱性パネルの断熱性能を高める。 ]
請求項8の発明は、前記下部断熱用空間(4)と上部断熱用空間(5)との少なくとも一方に断熱材(20)を設けた。 この特徴構成から、断熱材(20)を設けた分だけ、断熱性パネルの断熱性能を高めることができる。
【0084】
○ 請求項9の発明.
この請求項9の発明は、上記請求項1の発明の[効果イ]・[効果ロ]および請求項8の発明の[効果ト]を奏する。
【0085】
○ 請求項10の発明.
この請求項10の発明は、上記請求項1の発明の[効果イ]・[効果ロ]、および請求項8の発明の[効果ト]に加えて、つぎの効果を奏する。
【0086】
[ 効果チ. 断熱性パネルが火災時に高熱を受けた場合において、熱硬化性高分子材料製の発泡性断熱材(22)は、火災の高熱で炭化して、断熱性能を保持し、耐火性能を高く発揮する。 ]
【0087】
請求項10の発明は、前記高分子材料製の発泡性断熱材(21) は、熱硬化性高分子材料製の発泡性断熱材(22)から成る。
【0088】
この特徴構成から、建物などの火災発生時に、ここに使用された断熱性パネルが火災の高熱を受けた場合において、熱硬化性高分子材料製の発泡性断熱材(22)は、火災の高熱で炭化して、断熱性能を保持し、耐火性能を高く発揮することができる。
【0089】
○ 請求項11の発明.
この請求項11の発明は、上記請求項1の発明の[効果イ]・[効果ロ]、請求項8の発明の[効果ト]、および請求項10の発明の[効果チ]に加えて、つぎの効果を奏する。
【0090】
[ 効果リ. 断熱性パネルは、連結具(7)…の引っ張り力と独立気泡の発泡性断熱材(23)の膨張力とが拮抗している強い形状保持力により、変形や剥落が起こりにくくなるので、耐火作用を高く保持し続けて、耐火性能が格段に向上する。 ]
【0091】
請求項11の発明は、前記熱硬化性高分子材料製の発泡性断熱材(22)は、 熱硬化性高分子材料製の独立気泡の発泡性断熱材(23)から成る。
【0092】
この特徴構成から、建物などの火災発生時に、ここに使用された断熱性パネルが火災の高熱を受けた場合において、熱硬化性高分子材料製の独立気泡の発泡性断熱材(23)は、火災の高熱を受けて、その独立気泡内の熱膨張力で膨張しながら炭化していく。
【0093】
下面板(1)・上面板(2)および中間板(3)は、各板連結具(7)…で互いに連結固定されている状態において、この膨張する独立気泡の発泡性断熱材(23)で膨らまされようとするため、連結具(7)…の引っ張り力と独立気泡の発泡性断熱材(23)の膨張力とが拮抗して、断熱性パネルに強い形状保持力が発生する。
【0094】
このように、断熱性パネルは、この連結具(7)…の引っ張り力と独立気泡の発泡性断熱材(23)の膨張力とが拮抗している強い形状保持力により、変形や剥落が起こりにくくなるので、耐火作用を高く保持し続けて、耐火性能が格段に向上するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0095】
以下、本発明の断熱性パネルの実施の形態を、図面に基づき説明する。
○ 実施形態1. 請求項1・3−11. 図1−図3参照.
【0096】
図1−図3は本発明の断熱性パネルの実施形態1を示す。図1は断熱性パネルの板連結具の部分の取り出し図であって、図3のI部分の拡大図を示す。図1(A)は断熱性パネルの板連結具の部分の縦断正面図、図1(B)は図1(A)のB−B線断面図、図1(C)は図1(A)のC−C線断面図である。図2は図1の一部省略分解斜視図である。図3は断熱性パネルの一部取り出し斜視図である。
【0097】
この断熱性パネルは、図1−図3に示すように、次のように構成される。
図1−図3において、符号(1)は下面板、(2)は上面板、(3)は中間板である。この下面板(1)・上面板(2)・中間板(3)は、例えば、鉄系・鋼系・アルミニウム系・または銅系などの各種の金属材料または合金材料製の板、炭素繊維材料製の板、あるいは高分子材料(合成樹脂材料・合成ゴム材料・および天然ゴム材料を含む上位概念としての材料)製の板、などからなる。
【0098】
下面板(1)の上側に上面板(2)を設け、この上面板(2)と下面板(1)との間に中間板(3)を1枚だけ設ける。この中間板(3)は下面板(1)および上面板(2)と共に構造材料として構成する。この中間板(3)と下面板(1)との間に下部断熱用空間(4)を設け、中間板(3)と上面板(2)との間に上部断熱用空間(5)を設ける。
【0099】
中間板(3)にはその左右方向および前後方向の適当間隔置きにそれぞれ貫通孔(6)…をあけ、各貫通孔(6)…にそれぞれ板連結具(7)…を上下に貫通させる。この板連結具(7)…は、例えば鉄系・鋼系・アルミニウム系・または銅系などの各種の金属材料または合金材料製のパイプ、炭素繊維材料製のパイプ、あるいは高分子材料製のパイプ、などからなる。
【0100】
各板連結具(7)…の途中部を中間板(3)に各中間部固定手段(8)…で固定する。各板連結具(7)…の下部を下面板(1)に各下部固定手段(9)…で固定し、各板連結具(7)…の上部を上面板(2)に各上部固定手段(10)…で固定する。
【0101】
下面板(1)・上面板(2)・および中間板(3)は、各板連結具(7)…・各下部固定手段(9)…・各上部固定手段(10)…・および各中間部固定手段(8)…により連結固定する。
【0102】
前記中間板(3)の厚みは、下面板(1)と上面板(2)とのいずれか一方の厚みの100〜500%の厚みに設定する。さらに、前記下面板(1)・上面板(2)および中間板(3)の各板の厚みは、互いに同じ厚みに設定する。
【0103】
前記板連結具(7)の途中部の中間部固定手段(8)の構成として、次のようにする。
前記板連結具(7)の途中部の外周面に沿って嵌合用周溝(11)を形成する。中間板(3)の貫通孔(6)の周囲の孔周囲肉壁(12)の周方向に沿って複数個の分断部(13)…と複数個の係合爪(14)…とを交互に並設する。
【0104】
各係合爪(14)…の各爪先端部(15)…が上下方向へ弾性変形した状態では、前記貫通孔(6)の直径が大きくなって、この貫通孔(6)内での板連結具(7)の移動を許容するのに対して、 各爪先端部(15)…が弾性復帰した状態では、各爪先端部(15)…が嵌合用周溝(11)に嵌入して、板連結具(7)を上下方向にも水平方向にも連結固定するように構成したものである。
【0105】
前記中間板(3)の各貫通孔(6)…と各板連結具(7)…との嵌合面の横断面形状は、円形に形成する。
【0106】
前記下面板(1)の上面に下部接合用材料層(16)を形成する。この下部接合用材料層(16)の接合用材料により下面板(1)と前記各板連結具(7)…の下部とを接合固定したもので前記各下部固定手段(9)…を構成する。
【0107】
前記上面板(2)の下面に上部接合用材料層(17)を形成する。この上部接合用材料層(17)の接合用材料により上面板(2)と前記各板連結具(7)…の上部とを接合固定したもので前記各上部固定手段(10)…を構成する。
【0108】
前記下部接合用材料層(16)および上部接合用材料層(17)としては、例えば合成樹脂系接着剤・ゴム系接着剤・ロー付け用材料・または溶接用材料、などから適宜任意に選択したもの、或いはその他のものから成り、高周波加熱により溶融させて接合させる。
【0109】
前記下部断熱用空間(4)と上部断熱用空間(5)との両方にそれぞれ断熱材(20)を設ける。この断熱材(20)は高分子材料製の発泡性断熱材(21)から成る。この高分子材料とは、合成樹脂材料・合成ゴム材料・および天然ゴム材料を含む上位概念としての材料を意味する。
【0110】
さらに、この高分子材料製の発泡性断熱材(21)は、熱硬化性高分子材料製の発泡性断熱材(22)から成る。
【0111】
さらに、前記熱硬化性高分子材料製の発泡性断熱材(22)は、 熱硬化性高分子材料製の独立気泡の発泡性断熱材(23)から成るものである。この熱硬化性高分子材料製の独立気泡の発泡性断熱材(23)の材質としては、例えば、フェノール樹脂・メラミン樹脂・エポキシ樹脂・またはユリア樹脂、などの熱硬化性合成樹脂がある。
【0112】
○ 実施形態2. 請求項1・3−11. 図4参照.
図4は本発明の断熱性パネルの実施形態2を示す、断熱性パネルの板連結具の部分の縦断正面図であって、図1(A)に相当する図である。
【0113】
この実施形態2の断熱性パネルは、上記実施形態1の断熱性パネルの構成において、その一部を次のように変更したものである。
【0114】
前記上面板(2)と下面板(1)との間に中間板(3)…を2枚(または3枚・4枚・若しくは5枚、などの複数枚)、等間隔置きに設ける。これらの中間板(3)…は下面板(1)および上面板(2)と共に構造材料として構成する。
【0115】
これらの中間板(3)…同士の間にそれぞれ中間断熱用空間(31)を設ける。これらの各中間断熱用空間(31)には、それぞれ熱硬化性高分子材料製の独立気泡の発泡性断熱材(23)を設けたものである。
【0116】
○ 実施形態3. 請求項2−11. 図5参照.
図5は本発明の断熱性パネルの実施形態3を示し、断熱性パネルの板連結具の部分の取り出し図であって、図3のI部分の拡大図を示す。図5(A)は断熱性パネルの板連結具の部分の縦断正面図であって、図1(A)に相当する図である。図5(B)は図5(A)のB−B線断面図である。
【0117】
この実施形態3の断熱性パネルは、上記実施形態1の断熱性パネルの構成において、その一部を次のように変更したものである。
【0118】
下面板(1)の上側に上面板(2)を設ける。この上面板(2)と下面板(1)との間に一枚の中間板(3)を設ける。この中間板(3)は下面板(1)および上面板(2)と共に構造材料として構成する。この中間板(3)と下面板(1)との間に下部断熱用空間(4)を設け、中間板(3)と上面板(2)との間に上部断熱用空間(5)を設ける。
【0119】
前記中間板(3)にはその左右方向および前後方向の適当間隔置き箇所からそれぞれ円柱状の板連結具(25)…を一体成形により上下両方向に突出させて設ける。各板連結具(25)…の下部を下面板(1)に各下部固定手段(9)…で固定し、各板連結具(25)…の上部を上面板(2)に各上部固定手段(10)…で固定する。
【0120】
下面板(1)・上面板(2)・および中間板(3)は、各板連結具(25)…・各下部固定手段(9)…・および各上部固定手段(10)…により連結固定して構成したことを特徴とするものである。
【0121】
○ 実施形態4. 請求項2−11. 図6参照.
図6は本発明の断熱性パネルの実施形態4を示し、断熱性パネルの板連結具の部分の取り出し図であって、図3のI部分の拡大図を示す。図6(A)は断熱性パネルの板連結具の部分の縦断正面図であって、図1(A)に相当する図である。図6(B)は図6(A)のB−B線断面図である。
【0122】
この実施形態4の断熱性パネルは、上記実施形態1の断熱性パネルの構成において、その一部を次のように変更したものである。
【0123】
下面板(1)の上側に上面板(2)を設ける。この上面板(2)と下面板(1)との間に上下二枚の中間板(3)(3)を設ける。この中間板(3)(3)は下面板(1)および上面板(2)と共に構造材料として構成する。下側の中間板(3)と下面板(1)との間に下部断熱用空間(4)を設け、上側の中間板(3)と上面板(2)との間に上部断熱用空間(5)を設ける。上下二枚の中間板(3)(3)同士間に中間部断熱空間(31)を設ける。
【0124】
前記上下二枚の両中間板(3)(3)には、その左右方向および前後方向の適当間隔置き箇所から、それぞれ四角柱状の板連結具(25)…を一体成形により上下両方向に貫通状に突出させて設ける。各板連結具(25)…の下部を下面板(1)に各下部固定手段(9)…で固定し、各板連結具(25)…の上部を上面板(2)に各上部固定手段(10)…で固定する。
【0125】
下面板(1)・上面板(2)・および両中間板(3)(3)は、各板連結具(25)…・各下部固定手段(9)…・および各上部固定手段(10)…により連結固定して構成したことを特徴とするものである。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明のエンジンの断熱性パネルは、例えば建築物・船舶・車両または航空機などの各種の建造物において、側壁・床壁・天井壁などに使用されるのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】図1−図3は本発明の断熱性パネルの実施形態1を示す。図1は断熱性パネルの板連結具の部分の取り出し図であって、図3のI部分の拡大図を示す。図1(A)は断熱性パネルの板連結具の部分の縦断正面図、図1(B)は図1(A)のB−B線断面図、図1(C)は図1(A)のC−C線断面図である。
【図2】図1の一部省略分解斜視図。
【図3】断熱性パネルの一部取り出し斜視図。
【0128】
【図4】図4は本発明の断熱性パネルの実施形態2を示す、断熱性パネルの板連結具の部分の縦断正面図であって、図1(A)に相当する図である。
【図5】図5は本発明の断熱性パネルの実施形態3を示し、断熱性パネルの板連結具の部分の取り出し図であって、図3のI部分の拡大図を示す。図5(A)は断熱性パネルの板連結具の部分の縦断正面図であって、図1(A)に相当する図である。図5(B)は図5(A)のB−B線断面図である。
【0129】
【図6】図6は本発明の断熱性パネルの実施形態4を示し、断熱性パネルの板連結具の部分の取り出し図であって、図3のI部分の拡大図を示す。図6(A)は断熱性パネルの板連結具の部分の縦断正面図であって、図1(A)に相当する図である。図6(B)は図6(A)のB−B線断面図である。
【0130】
【図7】図7は従来技術のハニカムパネルを示す。図7(A)は斜視図、図7(B)は図7(A)の一部の縦断正面図である。
【符号の説明】
【0131】
1…下面板、 2…上面板、 3…中間板、 4…下部断熱用空間、 5…上部断熱用空間、 6…貫通孔、 7…板連結具、 8…中間部固定手段、 9…下部固定手段、 10…上部固定手段、 11…嵌合用周溝、 12…孔周囲肉壁、 13…分断部、 14…係合爪、 15…爪先端部、 16…下部接合用材料層、 20…断熱材、 21…高分子材料製の発泡性断熱材、 22…熱硬化性高分子材料製の発泡性断熱材、 23… 熱硬化性高分子材料製の独立気泡の発泡性断熱材、25…板連結具。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面板(1)の上側に上面板(2)を設け、この上面板(2)と下面板(1)との間に中間板(3)を設け、この中間板(3)は下面板(1)および上面板(2)と共に構造材料として構成し、この中間板(3)と下面板(1)との間に下部断熱用空間(4)を設け、中間板(3)と上面板(2)との間に上部断熱用空間(5)を設け、
中間板(3)にはその左右方向および前後方向の適当間隔置きにそれぞれ貫通孔(6)…をあけ、各貫通孔(6)…にそれぞれ板連結具(7)…を上下に貫通させ、
各板連結具(7)…の途中部を中間板(3)に各中間部固定手段(8)…で固定し、各板連結具(7)…の下部を下面板(1)に各下部固定手段(9)…で固定し、各板連結具(7)…の上部を上面板(2)に各上部固定手段(10)…で固定し、
下面板(1)・上面板(2)・および中間板(3)は、各板連結具(7)…・各下部固定手段(9)…・各上部固定手段(10)…・および各中間部固定手段(8)…により連結固定し、
て構成したことを特徴とする断熱性パネル。
【請求項2】
下面板(1)の上側に上面板(2)を設け、この上面板(2)と下面板(1)との間に中間板(3)を設け、この中間板(3)は下面板(1)および上面板(2)と共に構造材料として構成し、この中間板(3)と下面板(1)との間に下部断熱用空間(4)を設け、中間板(3)と上面板(2)との間に上部断熱用空間(5)を設け、
中間板(3)にはその左右方向および前後方向の適当間隔置き箇所からそれぞれ板連結具(25)…を一体成形により上下両方向に突出させて設け、各板連結具(25)…の下部を下面板(1)に各下部固定手段(9)…で固定し、各板連結具(25)…の上部を上面板(2)に各上部固定手段(10)…で固定し、
下面板(1)・上面板(2)・および中間板(3)は、各板連結具(25)…・各下部固定手段(9)…・および各上部固定手段(10)…により連結固定し、
て構成したことを特徴とする断熱性パネル。
【請求項3】
請求項1または2に記載の断熱性パネルにおいて、
前記中間板(3)の厚みは、下面板(1)と上面板(2)とのいずれか一方の厚みの100〜500%の厚みに設定した、
ことを特徴とする断熱性パネル。
【請求項4】
請求項3に記載の断熱性パネルにおいて、
前記下面板(1)・上面板(2)および中間板(3)の各板の厚みは、互いに同じ厚みに設定した、
ことを特徴とする断熱性パネル。
【請求項5】
請求項1・2・3または4に記載の断熱性パネルにおいて、
前記板連結具(7)の途中部の中間部固定手段(8)の構成として、
前記板連結具(7)の途中部の外周面に沿って嵌合用周溝(11)を形成し、中間板(3)の貫通孔(6)の周囲の孔周囲肉壁(12)の周方向に沿って複数個の分断部(13)…と複数個の係合爪(14)…とを交互に並設し、
各係合爪(14)…の各爪先端部(15)…が上下方向へ弾性変形した状態では、前記貫通孔(6)の直径が大きくなって、この貫通孔(6)内での板連結具(7)の移動を許容するのに対して、 各爪先端部(15)…が弾性復帰した状態では、各爪先端部(15)…が嵌合用周溝(11)に嵌入して、板連結具(7)を上下方向にも水平方向にも連結固定する、
ように構成したことを特徴とする断熱性パネル。
【請求項6】
請求項1・2・3・4または5に記載の断熱性パネルにおいて、
前記中間板(3)の各貫通孔(6)…と各板連結具(7)…との嵌合面の横断面形状は、円形に形成した、
ことを特徴とする断熱性パネル。
【請求項7】
請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の断熱性パネルにおいて、
前記下面板(1)の上面に下部接合用材料層(16)を形成し、この下部接合用材料層(16)の接合用材料により下面板(1)と前記各板連結具(7)…(25)…の下部とを接合固定したもので前記各下部固定手段(9)…を構成し、
前記上面板(2)の下面に上部接合用材料層(17)を形成し、この上部接合用材料層(17)の接合用材料により上面板(2)と前記各板連結具(7)…(25)…の上部とを接合固定したもので前記各上部固定手段(10)…を構成した、
ことを特徴とする断熱性パネル。
【請求項8】
請求項1から7のうちのいずれか1項に記載の断熱性パネルにおいて、
前記下部断熱用空間(4)と上部断熱用空間(5)との少なくとも一方に断熱材(20)を設けた、
ことを特徴とする断熱性パネル。
【請求項9】
請求項8に記載の断熱性パネルにおいて、
前記断熱材(20)は高分子材料製の発泡性断熱材(21)から成る、
ことを特徴とする断熱性パネル。
【請求項10】
請求項9に記載の断熱性パネルにおいて、
前記高分子材料製の発泡性断熱材(21) は、熱硬化性高分子材料製の発泡性断熱材(22)から成る、
ことを特徴とする断熱性パネル。
【請求項11】
請求項10に記載の断熱性パネルにおいて、
前記熱硬化性高分子材料製の発泡性断熱材(22)は、 熱硬化性高分子材料製の独立気泡の発泡性断熱材(23)から成る、
ことを特徴とする断熱性パネル。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−22485(P2006−22485A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−199051(P2004−199051)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(504260508)株式会社ミヤテック (2)
【Fターム(参考)】