説明

新規な感光性樹脂組成物

少なくとも1つのキャップされていないポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー、少なくとも1つのキャップされたポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー、少なくとも1つの感光性剤および少なくとも1つの溶媒のポジ型感光性樹脂組成物、基板上に画像をパターン化するためにこのような組成物を使用すること、ならびに得られる信頼性のあるパターン化された基板およびそれからの電子部品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポジ感光性樹脂組成物に関する。より詳しくは本発明は、マイクロエレクトロニクス分野での応用に好適なポジ型の、水性塩基で現像可能な感光性ポリベンゾオキサゾール(PBO)前駆体組成物、この感光性組成物に関する使用方法、およびこの使用方法によって製造される電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロエレクトロニクスの応用において、高温抵抗を示すポリマーは一般に周知である。このようなポリマーの前駆体、例えばポリイミドおよびポリベンゾオキサゾールは、好適な添加剤によって光反応性にされうる。そのような前駆体は高温への暴露のような既知の技術によって所望のポリマーに転化される。ポリマー前駆体は高度に耐熱性のポリマーの保護層、絶縁層、およびレリーフ構造をつくるために使用される。
【0003】
慣用のポジ型感光性ポリベンゾオキサゾール(PBO)は、アルカリ可溶性のPBO前駆体および米国特許第4,371,685号に示されるジアゾキノン光活性化合物を含有する。ジアゾキノン化合物は水性塩基中へのPBO前駆体の可溶性を阻害する。露光の後、ジアゾキノン化合物は光分解を行い、そしてインデンカルボン酸へと転化し、これがPBO前駆体の水性塩基の溶解性を増強する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
感光性ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂組成物に関する応用では、5ミクロンを越えるフィルム厚さが典型的に必要とされる。結果として感光性組成物による吸光度は典型的に極めて大きく、この結果、より大きい露光が必要となり(この結果製造での処理量がより小さくなる)、また画像の鋭さの劣化が生じる。光活性化剤は感光性ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂組成物の吸光度を上昇させる主要な化学種の1つである。光活性化剤の量が減少することによる吸光度の低下は典型的に、画像の鋭さの低下および露光されていないフィルムの厚さの減少量の増加を生じる。本発明者は、本発明に従って製造されるポジ型感光性処方物は先行技術に比較して、処方物から製造されるフィルムの吸光度を、露光されていないフィルムの溶解に実質的に影響することなく、低下させることを驚くべきことに見いだした。従って本発明によって製造されるポジ感光性処方物では、i−線およびg−線の放射線に暴露される時にフォトスピードが改善される一方、高度のコントラストが維持される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
(a)構造(I):
【化1】

(式中、Ar1は4価の芳香族基、4価の複素環式基、またはこれらの混在するものであり;Ar2は珪素を含んでよい2価の芳香族基、2価の複素環式基、2価の脂環式基もしくは2価の脂肪族基、またはこれらの混在するものであり;Ar3は2価の芳香族基もしくは2価の脂肪族基、2価の複素環式基、またはこれらの混在するものであり;xは約10〜約1000であり;yは0〜約900である)を有する少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー;
(b)構造(II):
【化2】

(式中、Ar1、Ar2、Ar3、xおよびyは上記に規定したとおりであり;Dは以下の部分構造:
【化3】

(式中、RはH、ハロゲン、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基またはC5〜C7のシクロアルキル基であり;k1は約0.5までの任意の正値であることができ、k2は約1.5〜約2の任意の値であることができ、ただし(k1+k2)は2である)
の1つである)
を有する少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー;
(c)少なくとも1つの感光剤;および
(d)少なくとも1つの溶媒
を含有するポジ型感光性樹脂組成物を提供する。
【0006】
本発明は感光性組成物を使用することによりレリーフパターンおよび電子部品をつくる方法、そして得られるレリーフパターンおよび電子部品もまた提供する。この方法は、
(a)構造(I)を有する少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー、構造(II)を有する少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー、少なくとも1つの感光剤および少なくとも1つの溶媒を含有するポジ型感光性組成物を好適な基板上にコートすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベーキングすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する。
【0007】
図面は本発明の組成物および比較用の組成物についてのコントラスト曲線を示す。
【0008】
本発明は、
(a)構造(I):
【化4】

(式中、Ar1は4価の芳香族基、4価の複素環式基、またはこれらの混在するものであり;Ar2は珪素を含んでよい2価の芳香族基、2価の複素環式基、2価の脂環式基もしくは2価の脂肪族基、またはこれらの混在するものであり;Ar3は2価の芳香族基もしくは2価の脂肪族基、2価の複素環式基、またはこれらの混在するものであり;xは約10〜約1000であり;yは0〜約900である)を有する少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー;
(b)構造(II):
【化5】

[式中、Ar1、Ar2、Ar3、xおよびyは上記に規定したとおりであり;Dは以下の部分構造IIIa〜e:
【化6】

(式中、RはH、ハロゲン、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基またはC5〜C7のシクロアルキル基であり;k1は約0.5までの任意の正値であることができ、k2は約1.5〜約2の任意の値であることができ、ただし(k1+k2)は2であり、またk1は0でない)の1つである]
を有する少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー;
(c)少なくとも1つの感光剤;および
(d)少なくとも1つの溶媒
を含有するポジ型感光性樹脂組成物を提供する。
【0009】
構造Iのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーは、構造(IV)(V)および(VI)を有するモノマー
【化7】

(式中、Ar1、Ar2、Ar3、x、およびyはすでに規定したとおりであり、またWはC(O)Cl、COOHまたはC(O)OR9であり、ここでR9はC1〜C4のアルキル基またはC5〜C7のシクロアルキル基である)
の、塩基の存在での反応によって合成することができる。
【0010】
構造(IV)において、Ar1は4価の芳香族基、4価の複素環式基、またはこれらの混在するものである。Ar1の例には、
【化8】

(式中、X1は−O−、−S−、−C(CF32−、−CH2−、−SO2−、−NHCO−または−SiR12−であり、また各々のR1は独立にC1〜C7の線状もしくは分枝状のアルキル基またはC5〜C8のシクロアルキル基である)
があるが、これらに限定されない。R1の例には、−CH3、−C25、n−C37、i−C37、n−C49、t−C49、およびシクロヘキシルがあるが、これらに限定されない。
【0011】
Ar1を含む構造(IV)を有するモノマーの例には、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、4,6−ジアミノレゾルシノール、および2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンがあるが、これらに限定されない。構造IVのモノマー中の2つのヒドロキシ基と2つのアミノ基の置換パターンは、ベンゾオキサゾール環を生成することができるように各々のアミノ基がヒドロキシル基とオルトの関係をもつかぎり、任意の可能な置換パターンであってよい。さらにまた、構造Iのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーは、構造IVによって示される2つまたはそれ以上のモノマーの混合物を使用して合成されることができる。
【0012】
構造(V)でAr2は珪素を含んでよい2価の芳香族基、2価の複素環式基、2価の脂環式基または2価の脂肪族基である。Ar2の例には、
【化9】

(式中、X1は前記に規定したとおりであり、X2は−O−、−S−、−C(CF32−、−CH2−、−SO2−、または−NHCOであり、またZはHまたはC1〜C8の線状、分枝状もしくは環状のアルキル基であり、またpは1〜6の整数である)
があるが、これらに限定されない。好適なZ基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−オクチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロオクチルがあるがこれらに限定されない。
【0013】
Ar2を含む構造(V)を有するモノマーの例には、5(6)−アミノ−1−(4−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン(DAPI)、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4−トリレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(γ−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、メチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2,5−ジメチルノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、2,11−ジアミノドデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,17−ジアミノエイコサン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−アミノノルボルニル)メタン、3,3’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、および4,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノ−4−トリフルオロメチルピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−メチレン−ビス(o−クロロアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(3−メチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−エチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−メトキシアニリン)、4,4’−オキシ−ジアニリン、4,4’−オキシ−ビス−(2−メトキシアニリン)、4,4’−オキシ−ビス−(2−クロロアニリン)、4,4’−チオ−ジアニリン、4,4’−チオ−ビス−(2−メチルアニリン)、4,4’−チオ−ビス−(2−メトキシアニリン)、4,4’−チオ−ビス−(2−クロロアニリン)、および3,3’−スルホニル−ジアニリンがあるが、これらに限定されない。さらにまた、構造Iのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーは構造Vによって表わされる2つまたはそれ以上のモノマーの混合物を使用して合成されてよい。
【0014】
構造(VI)でAr3は2価の芳香族基、2価の脂肪族基、または2価の複素環式基、またはこれらの混在するものである。Ar3の例には
【化10】

(式中、X2は−O−、−S−、−C(CF32−、−CH2−、−SO2−、または−NHCOである)
があるが、これらに限定されない。
【0015】
構造(VI)で、WはC(O)Cl、COOHまたはC(O)OR9であり、ここで、−R9はC1〜C7の線状もしくは分枝状のアルキル基またはC5〜C8のシクロアルキル基である。R9の例には−CH3、−C25、n−C37、i−C37、n−C49、t−C49、およびシクロヘキシルがあるが、これらに限定されない。構造VIを有するモノマーは二酸、二酸のジクロライドおよびジエステルである。好適なジカルボン酸(WはCOOHである)の例には、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸およびこれらの混合物があるが、これらに限定されない。好適な二酸のクロライド(WはC(O)Cl)の例には、イソフタロイルジクロライド、フタロイルジクロライド、テレフタロイルジクロライド、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド、およびこれらの混合物があるが、これらに限定されない。好適なジカルボン酸エステル(WはCO29)の例には、ジメチルイソフタレート、ジメチルフタレート、ジメチルターフタレート、ジエチルイソフタレート、ジエチルフタレート、ジエチルターフタレートおよびこれらの混合物があるが、これらに限定されない。本発明の一つの好ましい態様は、構造Iのポリマーの合成で使用されるモノマーに構造VIの2つまたはそれ以上のモノマーの混合物が含まれる場合である。処方物の溶媒中のおよび水性現像液中のポリマーの溶解度は使用する特定のモノマーによって変更することができる。構造VIの2つのモノマーの混合物は処方物の溶媒および水をベースとする現像液の双方中の最適な溶解度を実現するのに有用である。
【0016】
構造(I)のポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーは構造(IV)および(V)および(VI)のモノマーの反応によって合成することができる。ジカルボン酸またはそのジクロライドもしくはジエステルを少なくとも1つの芳香族および/または複素環式ジヒドロキシジアミンと、そして場合によっては少なくとも1つのジアミンと反応させるための任意の慣用の方法が用いられてよい。一般に二酸クロライド(WはC(O)Clである)の反応は、大体化学量論的な量のアミン塩基の存在下で約−10〜約30℃で約6〜約48時間実施される。好適なアミン塩基の例には、ピリジン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、ジメチルピリジン、およびジメチルアニリンがあるが、これらに限定されない。構造Iのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーは水中への沈殿によって単離され、濾過によって回収され、そして乾燥されてよい。ジエステルまたは二酸を使用する好適な合成に関する記載は、参照によって本記載に加入されている米国特許第4,395,482号、第4,622,285号、および第5,096,999号に見いだすことができる。
【0017】
好ましい反応溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ガンマ−ブチロラクトン(GBL)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチル−2−ピペリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、およびジグリムである。最も好ましい溶媒はN−メチル−2−ピロリドン(NMP)およびガンマ−ブチロラクトン(GBL)である。
【0018】
構造IV、V、およびVIを有するモノマーは、[(IV)+(V)]/(VI)の比が一般に約0.9〜約1.1であるように用いられる。[(IV)+(V)]/(VI)の比は一般に約0.92〜約1.08であるのが好ましい。構造(IV)を有するモノマーは[(IV)+(V)]の約10〜約100モル%が使用され、また構造(V)を有するモノマーは[(IV)+(V)]の約0〜約90モル%が使用される。構造IVおよびVを有するモノマーから得られるポリマー単位(構造I及びIIにおいてカッコで囲まれた部分)の分布は、ランダムであるかまたはその中でブロックになっていてよい。
【0019】
構造IおよびIIで、xは約10〜約1000の整数であり、yは約0〜約900の整数であり、(x+y)は大体1000より小さい。xに関する好ましい範囲は約10〜約300であり、またyに関する好ましい範囲は約0〜約250である。xに関する一層好ましい範囲は約10〜約100であり、またyに関する一層好ましい範囲は約0〜約100である。xに関する最も好ましい範囲は約10〜約50であり、またyに関する最も好ましい範囲は約0〜約5である。(x+y)の値は構造Iのポリマーの数平均分子量(Mn)を反復単位の平均分子量によって除することにより算出されることができる。Mnの値は、例えばJan Rabek,Experimental Methods in Polymer Chemistry,John Wiley & Sons, New York,1993に記載されているように膜浸透圧法またはゲルパーミエシヨンクロマトグラフィーのごとき標準的な方法によって測定されることができる。
【0020】
構造(I)のポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーは、構造(II)のキャップされたポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーを生成するために約1〜50モル%のジアゾキノン(DCl)と反応されることができる。約1〜40モル%との反応が好ましい。
【化11】

(式中、Ar1、Ar2、Ar3、D、k1、k2、xおよびyはすでに規定したとおりである)
【0021】
構造(I)のポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーと反応することができるジアゾキノン化合物DClの例には、
【化12】

(式中、RはH、ハロゲン、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、またはシクロヘキシルである)
があるが、これらに限定されない。好適なR基の例には、クロロ、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、シクロペンチルまたはシクロヘキシルがあるが、これらに限定されない。
【0022】
一般に反応は塩基の存在下で約0〜約30℃で約3〜約24時間溶媒中で実施される。一般にDClに対する塩基の僅かな過剰が採用される。塩基の例には、アミン塩基例えばピリジン、トリアルキルアミン、メチルピリジン、ルチジン、n−メチルモルホリンなどがあるが、これらに限定されない。最も好ましい塩基はトリエチルアミンである。好ましい反応溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ガンマ−ブチロラクトン(GBL)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチル−2−ピペリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、およびジグリムである。最も好ましい溶媒はN−メチル−2−ピロリドン(NMP)およびガンマ−ブチロラクトン(GBL)である。反応混合物は化学線から保護されるべきである。
【0023】
0.01〜約0.5のk1を得るために、DClのモル量は構造IVのモノマーからのOH基の量の約1〜約50%の範囲であってよい。約0.01〜約0.4のk1を得るために、DCIの好ましい量は構造IVのモノマーからのOH基の量の約1〜約40%である。約0.01〜約0.1のk1を得るために、DCIの一層好ましい量は構造IVのモノマーからのOH基の量の約1〜約10%である。約0.01〜約0.05のk1を得るために、DCIの最も好ましい量は構造IVのモノマーからのOH基の量の約1〜約5%である。
【0024】
構造IIのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーにとって好ましいDはIIIbおよびIIId
【化13】

(式中、RはH、ハロゲン、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、またはC5〜C7のシクロアルキルである)
であり、また構造IIのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーにとって最も好ましいDはIIIdである。好適なR基の例には、クロロ、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、シクロペンチルまたはシクロヘキシルがあるが、これらに限定されない。
【0025】
感光剤は、露光された領域の溶解速度を感光性組成物の露光されていない領域より大きくするために露光に際して反応する1つまたはそれ以上の化合物を含有する。好適な感光剤の例には、1つまたはそれ以上のジアゾキノン部分構造D(上記に述べたような)を含む非ポリマー性化合物(VII)またはジヒドロピリジン化合物(VIII)(下記参照)がある。
【0026】
ジアゾキノン部分構造Dを有する化合物は典型的にフェノール性化合物のジアゾキノンエステルまたは芳香族アミンのアミドである。好適なジアゾキノン化合物VIIの例には、以下の構造:
【化14】

【0027】
【化15】

(式中、QはHまたはすでに規定したDであるが、ただし各々の化合物において少なくとも1つのQはHでないとする)
があるが、これらに限定されない。光活剤VIIにとって好ましいDはIIIbおよびIIIdである。光活性剤VIIにとって最も好ましいDはIIIdである。
【0028】
好ましいジアゾキノン感光剤は、QがHまたはIIIbもしくはIIIdであるとした、VII−e、VII−g、VII−i、VII−j、VII−m、およびVII−oである。一層好ましいジアゾキノン感光剤は、QがHまたはIIIdであるとした、VII−e、VII−g、VII−i、VII−j、VII−m、およびVII−oである。最も好ましいジアゾキノン感光剤は、QがHまたはIIIdであるとした、VII−e、VII−j、VII−m、およびVII−oである。
【0029】
好適なジヒドロピリジン化合物(VIII)は例えば以下の構造:
【化16】

(式中、R3基は同一であるか異なっていてよい、H、OH、COO−(CH2n−CH3、(CH2n−CH3、O−(CH2n−CH3、CO−(CH2n−CH3、(CF2n−CF3、C65、COOH、(CH2n−O−(CH2m−CH3、(CH2n−OH、CH2=CH−(CH2p−CO−CH2、F、Cl、BrまたはIであってよく;mは0〜10であり、nは0〜10であり、またpは0〜4であり;R4はH、C1〜C7の線状または分枝状のアルキル基、C5〜C8のシクロアルキル基、一置換されたまたは非置換のフェニル基である。R4の例には、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニルおよび3−クロロフェニルがあるが、これらに限定されない。R5
【化17】

(式中、R6はR3と同じに規定され、NO2基はジヒドロピリジン環に対してオルト位置にある)
である。
【0030】
例えばジヒドロピリジンは、
【化18】

(式中、YはCN、Cl、Br、I、または、R7が置換されたまたは非置換のC6〜C16の芳香族基、置換されたまたは非置換の線状もしくは分枝状のC1〜C10のアルキル基またはC5〜C10の環状アルキル基であるとした、−OR7である)であってよい。好適なR7基の例には、メチル、エチル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、またはフェナンスリルがあるが、これらに限定されない。好適なジヒドロピリジン化合物の特定の例には、
【化19】

があるが、これらに限定されない。
【0031】
本発明のポジ型の感光性組成物は、構造Iの少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー、構造IIの少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー、少なくとも1つの感光剤、および少なくとも1つの溶媒を包含する。好適な溶媒は極性有機溶媒である。極性有機溶媒の好適な例には、N−メチルピロリドン(NMP)、ガンマ−ブチロラクトン(GBL)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチル−2−ピペリドン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、およびこれらの混合物があるが、これらに限定されない。好ましい溶媒はガンマ−ブチロラクトンおよびN−メチル−2−ピロリドンである。最も好ましい溶媒はガンマ−ブチロラクトンである。
【0032】
感光性組成物中の構造Iのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーの量は、組成物の全重量に基づき約2.5〜約35重量%である。ポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー(
I)の好ましい量は、約10〜約30重量%であり、また一層好ましい量は、約15〜約25重量%である。
【0033】
感光性組成物中の構造IIのキャップされたポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーの量は、組成物の全量に基づき約2.5〜約35重量%である。ポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー(I)の好ましい量は、約10〜約30重量%であり、そしてさらに好ましい量は、約15〜約25重量%である。
【0034】
構造IIのポリマーに対する構造Iのポリマーの比は一般に約1:87.5〜約87.5:1である。構造IIのポリマーに対する構造Iのポリマーの好ましい比は約20:80〜約80:20である。構造IIのポリマーに対する構造Iのポリマーの一層好ましい比は約25:75〜約75:25である。構造IIのポリマーに対する構造Iのポリマーの最も好ましい比は約35:65〜約65:35である。
【0035】
別な態様で、構造IまたはIIのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーの量の25%までが、他の有機溶媒に可溶な、水性塩基に可溶な、芳香族基または複素環式基ポリマーまたはコポリマーによって置換されてよい。有機溶媒に可溶な、水性塩基に可溶な、芳香族基または複素環式基ポリマーまたはコポリマーの例には、ポリイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリトリゾール、ポリキナゾロン、ポリキナゾリンジオン、ポリキナクリドン、ポリベンキサジノン、ポリアントラゾリン、ポリオキサジアゾール、ポリヒダントイン、ポリインドフェナジン、またはポリチアジアゾールが含まれるであろう。
【0036】
本組成物中で使用されるジアゾキノン化合物(VII)の量は、それが使用されるなら組成物の全量の約1〜約20重量%、好ましくは約2〜約10重量%、そして最も好ましくは約3〜約5重量%である。用いる量は使用する構造IIのポリマーの量によって影響される。処方物中で使用される構造IIのポリマーが多ければ多いほど、十分なフォトスピードを維持し、そして高い吸光度による画像劣化を防止するために、一般により少ない量のジアゾキノン化合物(VII)が用いられる。
【0037】
本組成物中で使用されるジヒドロピリジン化合物(VII)の量は、それが使用されるなら組成物の全重量の約1〜約20重量%である。好ましい濃度は約2〜約10重量%であり、そして最も好ましい濃度は約3〜約5重量%である。ジアゾキノン化合物およびジヒドロピリジン化合物の双方が使用されるなら、この組成物中の2つを一緒にした量は組成物の全重量の約1〜約20重量%である。好ましい範囲は約2〜約10重量%であり、また最も好ましい範囲は約3〜約5重量%である。ジヒドロピリジン化合物に対するジアゾキノン化合物の比は約5:95〜約95:5の範囲にあるであろう。
【0038】
溶媒は感光性組成物の約40〜約80重量%を占める。好ましい溶媒範囲は約45〜約70重量%である。最も好ましい溶媒範囲は約50〜約65重量%である。
【0039】
場合によっては、感光性組成物中に接着促進剤が含められてよい。好適な接着促進剤には例えばアミノシラン、およびその混合物または誘導体が含まれる。使用される場合、接着促進剤の量は約0.1〜約2重量%の範囲である。接着促進剤の好ましい量は約0.2〜約1.5重量%である。接着促進剤の一層好ましい量は約0.3〜約1重量%である。好適な接着促進剤には、例えばアミノシラン、およびこれの混合物または誘導体がある。本発明で使用されうる好適な接着促進剤の例は構造IX:
【化20】

(式中、各々のR10は独立にC1〜C4のアルキル基またはC5〜C7のシクロアルキル基であり、また各々のR11は独立にC1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、またはC5〜C7のシクロアルキル基であり;dは0〜3の整数であり、nは1〜約6の整数である)
によって表わされることができる。R12は以下の部分構造:
【化21】

(式中、R13およびR14は各々独立にC1〜C4のアルキル基またはC5〜C7のシクロアルキル基であり、またR15はC1〜C4のアルキル基およびC5〜C7のシクロアルキル基である)
の1つである。好ましい接着促進剤は、R12
【化22】

であるものである。一層好ましい接着促進剤は、R12
【化23】

であるものである。最も好ましい接着促進剤は
【化24】

である。
【0040】
本発明の感光性組成物はさらに他の添加剤を含有してよい。好適な添加剤には例えば平坦化剤、溶解防止剤などがある。このような添加剤は、光活化性剤並びにポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーIおよびIIとの重量の合計の約0.1〜10重量%の量で感光性組成物中に含められてよい。
【0041】
さらにまた、本発明は感光性組成物を使用してレリーフパターンを形成する方法に関する。この方法は
(a)構造(I)を有する少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー;構造(II)を有する少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー;少なくとも1つの感光剤;および少なくとも1つの溶媒を含有するポジ型感光性化合物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することにより、コートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベーキングすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する。
【0042】
この方法は場合によっては、高められた温度でコートされ暴露された基板を現像に先立って暴露後ベーキングする段階を包含してよい。さらに別な場合による段階は、現像された基板を硬化に先立ってリンスすることである。
【0043】
本発明のポジ型光活性樹脂は好適な基板上にコートされる。基板は例えばシリコンウェーファまたはセラミック基板、ガラス、金属もしくはプラスチックのような半導体材料であってよい。コーティングの方法には、噴霧コーティング、スピンコーティング、オフセット印刷、ローラーコーティング、スクリーン印刷、押し出しコーティング、メニスカスコーティング、カーテンコーティング、および浸漬コーティングがあるが、これらに限定されない。得られるフィルムは高められた温度でプリベーキングされる。ベーキングは、その方法に応じて数分から1/2時間までにわたって約70〜約120℃のベーク温度内の1つまたはそれ以上の温度で完了し、残留する溶媒が蒸発されるであろう。任意の好適なベーキング手段が用いられてよい。好適なベーキング手段の例には、ホットプレートおよび対流オーブンがあるが、これらに限定されない。得られる乾燥フィルムは約3〜約20ミクロンまたは好ましくは約4〜約15ミクロンまたは最も好ましくは約5〜約10ミクロンの厚さを有する。
【0044】
ベーキング段階の後、得られる乾燥フィルムはマスクを通じて好ましいパターンへと化学線に対して暴露される。化学線としてX線、電子ビーム、紫外線、可視光線などが使用できる。最も好ましい化学線は波長436nm(g−線)および波長365nm(i−線)のものである。
【0045】
化学線への暴露に続き場合による段階において、コートされ、そして暴露された基板を約70〜120℃の間の温度に加熱するのが有利であろう。コートされ、そして暴露された基板はこの温度範囲で短時間、典型的には数秒から数分加熱され、また任意の好適な加熱手段を用いて実施されてよい。好ましい手段には、ホットプレート上または対流オーブン内でのベーキングが含まれる。このプロセス段階は技術上、暴露後ベーキングと称される。
【0046】
化学線への暴露に続いて、暴露されまたコートされた基板を約70〜120℃の温度に加熱するのが有利である。暴露されまたコートされた基板はこの温度範囲に短時間、典型的には数秒から数分加熱される。このプロセス段階は技術上、露光後ベーキングと称される。
【0047】
次に水性現像液を使用してフィルムが現像され、そしてレリーフパターンが形成される。水性現像液は水性塩基を含有する。好適な塩基には、無機アリカリ(例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア水)、第1級アミン(例えばエチルアミン、n−プロピルアミン)、第2級アミン(例えばジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン)、第3級アミン(例えばトリエチルアミン)、アルコールアミン(例えばトリエタノールアミン)、第4級アンモニウム塩(例えばテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド)、およびこれらの混合物があるが、これらに限定されない。使用される塩基の濃度は、使用されるポリマーの塩基溶解度および使用される特定の塩基に応じて変化するであろう。最も好ましい現像液はテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)を含有するものである。TMAHの好適な濃度は約1〜約5%の範囲にある。加えて、好適な量の界面活性剤が現像液に添加されてよい。現像は浸漬、噴霧、パッドリング、または他の類似する現像方法によって約10〜40℃の温度で約30秒〜約5分にわたって実施されることができる。現像の後、レリーフパターンは脱イオン水を使用して場合によってはリンスされ、スピニングによりホットプレート上での、オーブン内でのベーキング、または他の好適な手段によって乾燥されてよい。
【0048】
最終的な高耐熱性のパターンを得るために、未硬化レリーフパターンを硬化することによりベンゾオキサゾール環が次に形成される。
【化25】

高耐熱性を付与するベンゾオキサゾール環を得るために、現像され、未硬化レリーフパターンを感光性組成物のガラス転移温度Tgまたはそれを越える温度でベーキングすることにより硬化が実施される。典型的に約200℃を越える温度が用いられる。約250〜約400℃の温度を用いるのが好ましい。硬化時間は、用いる特定の加熱方法に応じて約15分〜約24時間である。硬化時間の一層好ましい範囲は約20分〜約5時間であり、また硬化時間の最も好ましい範囲は約30分〜約3時間である。硬化は空気中でまたは好ましくは窒素遮蔽下で行われ、また任意の好適な加熱装置によって実施されることができる。好ましい装置にはホットプレート上または対流オーブン内でのベーキングが含まれる。
【0049】
加えて、本発明にはその組成物を使用することにより得られる電子部品が含まれる。
【0050】
本発明を説明するために以下の実施例を提示する。本発明は記載する実施例に限定されないことを理解すべきである。
【実施例】
【0051】
合成例1
構造Iaを有するポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーの製造
【化26】

機械式撹拌機、窒素流入口および添加漏斗を備えた100mLの3つ口丸底のフラスコに、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.66g(10ミリモル)、ピリジン1.70g(21ミリモル)およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)15gを入れた。すべての固形物が溶解するまで溶液を室温で撹拌し、次に0〜5℃の氷水浴中で冷却した。この溶液にNMP10g中に溶解したイソフタロイルクロライド1.01g(5ミリモル)および1,4−オキシジベンゾイルクロライド1.477g(5ミリモル)を滴加した。添加終了後、得られる混合物を室温で18時間撹拌した。激しく撹拌した脱イオン水800mL中で粘稠な溶液を沈殿させた。ポリマーを濾過によって収集し、そして脱イオン水でまた水/メタノール(50/50)混合物で洗浄した。ポリマーを真空下、105℃で24時間乾燥した。収率はほとんど定量的であり、またポリマーの固有粘度は、NMP中で濃度0.5g/dL、25℃で測定して0.36dL/gであった。
【0052】
合成例2
構造IIaを有するポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーの製造
機械式撹拌機を備えた100mLの3つ口丸底のフラスコに合成例1で得たポリマー5.42g(10.0ミリモル)とテトラヒドロフラン(THF)50mLとを入れた。混合物を10分間撹拌し、そして固形物を完全に溶解した。次に2,1−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライド0.53g(2ミリモル)を添加し、そして混合物をさらに10分撹拌した。トリエチルアミン0.2g(2ミリモル)を15分以内で徐々に添加し、次いで反応混合物を5時間撹拌した。次に激しく撹拌した脱イオン水500mL中に反応混合物を徐々に添加した。沈殿した生成物を濾過によって分離し、そして脱イオン水200mLで洗浄した。生成物に更に脱イオン水600mLを添加し、生成物を30分間激しく撹拌した。濾過の後、生成物を脱イオン水100mLで洗浄した。単離した生成物を40℃で一晩乾燥した。収率は91%であった。
【0053】
リソグラフィーの実施例1
本発明の感光性組成物のリソグラフィー上の性能
以下のポジ型感光性組成物を調製した:合成例1で得たポリマー1g、合成例2で得たポリマー1g、構造Xを有するPAC0.25gをNMP8g中に溶解し、そして濾過した。構造Xにおいて、Q2は下記に示す構造についてH20%およびジアゾキノン80%である。
【化27】

【0054】
処方物をシリコンウェーファ上にスピンコートし、そしてコートされたウェーファを120℃で3分ソフトベークして、厚さ約3μmのフィルムを得た。次にCannon4000 14i−線ステッパーを使用してフィルムを露光し、そして露光されたフィルムを、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)の0.145Nの水溶液を使用して20秒現像することによりレリーフ画像を得た。暗色のまたは未露光フィルムの厚さの保持率は89.7%であり、またEoつまり無くなるまでの露光エネルギーは200mJ/cm2であった。比較用のリソグラフィー実施例2でコントラスト曲線のデータを作成し、そして図面上に表示した。
【0055】
比較用のリソグラフィー実施例1
以下のポジ型感光性組成物を調製した:合成例2で得たポリマー2gをNMP8g中に溶解し、そして濾過した。処方物をシリコンウェーファ上にコートし、120℃で3分ソフトベークして厚さ2.6μmのフィルムを得た。Cannon4000 IEi−線ステッパーを使用してフィルムを露光し、TMAHの0.145N水溶液を使用して20秒現像した。未露光フィルム厚さの保持率は97%であり、Eoは470mJ/cm2であった。比較用のリソグラフィー実施例2でコントラスト曲線のデータを作成し、図面上に表示した。
【0056】
比較用のリソグラフィー実施例2
以下のポジ型感光性組成物を調製した:合成例1で得たポリマー2gおよび構造Xを有するPAC0.5gをNMP8g中に溶解し、濾過した。
【0057】
処方物をシリコンウェーファ上にコートし、120℃で3分ソフトベークして厚さ4μmのフィルムを得た。Cannon4000 IEi−線ステッパーを使用してフィルムを露光し、そしてTMAHの0.145N水溶液を使用して20秒現像した。未露光フィルム厚さの保持率は85.3%であり、またEoは240mJ/cm2であった。
【0058】
実施例1ならびに比較例1および2から得るコントラスト曲線を図1に示す。比較例1に関するコントラスト曲線(円形)は極めて大きなフィルム保持率および露光に関して溶解の急激な増加(大きなコントラスト)を示すが、感光性コーティングを完全に現像するには大きな露光線量が必要である。比較例2に関するコントラスト曲線(四角形)は、より小さいが許容できる未露光フィルム保持率を示し、露光エネルギーに関して溶解は一層徐々に増大する(低コントラスト)。実施例1に関するコントラスト曲線(三角形)は、比較例2に比べて改善された未露光フィルム保持率および大きなコントラストをともに示す。驚くべきことに、感光性組成物を完全に除去するために必要な露光もまた同時に減少し、またいずれの比較例よりも少ない。この結果、加工の許容範囲が一層良くなる。従って、本発明の感光性組成物は比較例に比べて優れたリソグラフィー性能を有する。
【0059】
合成例3
別のモノマー比を有する構造(Ia)のポリベンゾオキサゾールポリマー前駆体の合成
合成例1を反復したが、ただしヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンに対する比を1から0.903に変更した。収率は定量的であり、ポリマーの固有粘度はNMP中で濃度0.5g/dL、25℃で測定して0.202dL/gであった。
【0060】
合成例4
別のモノマー比および別のkを有する構造(IIa)のポリベンゾオキサゾールポリマー前駆体の合成
合成例2を反復したが、ただし合成例3からのポリマーを使用し、ポリマーのOH基の数の全体に対する2,1−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドの比を0.05に変更した。収率は94%であり、またポリマーの固有粘度はNMP中で濃度0.5g/dL、25℃で測定して0.192dL/gであった。
【0061】
合成例5
別のモノマー比を有する構造(Ia)のポリベンゾオキサゾールポリマー前駆体の合成
合成例1を反復したが、ただしクロライドのヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンに対する比を1から0.87に変更した。収率は定量的であり、またポリマーの固有粘度はNMP中で濃度0.5g/dL、25℃で測定して0.185dL/gであった。
【0062】
合成例6
別のモノマー比および別のkを有する構造(IIa)のポリベンゾオキサゾールポリマー前駆体の合成
合成例2を反復したが、ただし合成例5からのポリマーを使用し、ポリマーのOH基の数の全体に対する2,1−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドの比を0.035に変更した。収率は93%であり、またポリマーの固有粘度はNMP中で濃度0.5g/dL、25℃で測定して0.172dL/gであった。
【0063】
合成例7
構造Ibのポリベンゾオキサゾールポリマー前駆体の合成
【化28】

機械式撹拌機、窒素流入口および熱電対を備えた20Lの反応器に、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン1500g(4.09モル)、ピリジン622g(7.86モル)およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)7250gを入れた。すべての固形物が溶解するまで溶液を室温で撹拌し、次に氷水浴中で0〜5℃で冷却した。この溶液にNMP2760g中に溶解したテレフタロイルクロライド291g(1.43モル)および1,4−オキシジベンゾイルクロライド634.5g(2.15モル)をダイアフラムポンプおよびテフロン(登録商標)移送管を使用して添加した。NMP200gを使用してポンプおよびテフロン(登録商標)移送管を洗滌した。
添加完了後、得られる混合物を室温で18時間撹拌した。激しく撹拌した脱イオン水140L中で粘稠な溶液を沈殿させた。ポリマーを濾過によって収集し、そして脱イオン水35Lで、そして水/メタノール(50/50)混合物で洗浄した。ポリマーを真空下75℃で24時間乾燥した。収率はほとんど定量的であり、またポリマーの固有粘度は、NMP中で濃度0.5g/dL、25℃で測定して0.183dL/gであった。
【0064】
合成例8
構造IIbのポリベンゾオキサゾールポリマー前駆体の合成
合成例2を反復したが、ただし合成例7からのポリマーを使用し、ポリマーのOH基の数の全体に対する2,1−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドの比を0.02に変更した。収率は96%であり、またポリマーの固有粘度はNMP中で濃度0.5g/dL、25℃で測定して0.201dL/gであった。
【0065】
合成例9
構造Icのポリベンゾオキサゾールポリマー前駆体の合成
【化29】

機械式撹拌機、窒素流入口および熱電対を備えた20Lの反応器に、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン1500g(4.09モル)、ピリジン622g(7.86モル)およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)5000gを入れた。すべての固形物が溶解するまで溶液を室温で撹拌し、次に氷水浴中で0〜5℃で冷却した。この溶液にNMP2960g中に溶解したテレフタロイルクロライド212.0g(1.04モル)、イソフタロイルクロライド212.0g(1.04モル)および1,4−オキシジベンゾイルクロライド411.0g(1.39モル)をダイアフラムポンプおよびテフロン(登録商標)移送管を使用して添加した。NMP200gを使用してポンプおよびテフロン(登録商標)移送管を洗滌した。添加完了後、得られる混合物を室温で18時間撹拌した。激しく撹拌した脱イオン水140L中で粘稠な溶液を沈殿させた。ポリマーを濾過によって収集し、そして脱イオン水35Lで、そして水/メタノール(50/50)混合物で洗浄した。ポリマーを真空下75℃で24時間乾燥した。収率はほとんど定量的であり、またポリマーの固有粘度は、NMP中で濃度0.5g/dL、25℃で測定して0.205dL/gであった。
【0066】
合成例10
構造IIcのポリベンゾオキサゾールポリマー前駆体の合成
合成例2を反復したが、ただし合成例9からのポリマーを使用し、ポリマーのOH基の数の全体に対する2,1−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドの比を0.025に変更した。収率は96%であり、またポリマーの固有粘度はNMP中で濃度0.5g/dL、25℃で測定して0.201dL/gであった。
【0067】
一般的なリソグラフィーの手順1
感光性ポリベンゾオキサゾール前駆体処方物をシリコンウェーファ上にスピンコートし、そしてホットプレート上で4分120℃でベーキングした。得られるフィルムの厚さをプロフィルメータで測定した。次いでCannon 4000 I4 i−線ステッパーを利用してフィルムを露光した。出発時の露光エネルギーが実施例に規定されていて、隣接する四角形のフレームが段階的に増加される露光エネルギー(10mJ/cm2)を受容する配列を生じるように、ウェーファの一部分を個別的に露光した。次にウェーファをArch Chemicalsから入手されるOPD4262つまり0.262Nの水性テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド現像液を使用して現像した。ウェーファを現像液をウェーファの表面上に流し、そして実施例で規定した時間にわたって現像することによりウェーファを現像した。現像液はフィルムから数秒にわたってスピニングにより除去され、次いで新しい現像液をウェーファ上に流した。次にフィルムを同じ時間増分にわたってさらに現像し、次に現像液をスピニングにより除去した。次に100rpmで回転しつつウェーファをDI H2Oによって12秒リンスし、その後3500rpmの回転段階が10秒続いた。この現像によって残留する感光性組成物がないまたはこれを含む露光されたフレームの配列が生じる。これらのフレームを、配列フレームが完全に無くなる最小の露光エネルギーについて視覚的に検査した。次に現像に際してのフィルムの厚さの減少を算出するためにフィルム厚さを再度測定した。
【0068】
リソグラフィーの例2
合成例3で得たポリマー85部、合成例4で得たポリマー15部、ビスフェノール AP PAC(下記に示す構造XI)11.6部、ジフェノールシランジオール2.45部およびガンマ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン2.9部をGBLに溶解し、そして濾過した。
【0069】
一般的なリソグラフィー手順1に従って処方物をリソグラフィー的に試験した。使った回転速度は毎分1170回転であった。得られた厚さは13.89μmであった。出発時の露光エネルギーは600mJ/cm2であった。各々のパッドルサイクルについての現像時間は26秒であった。処方物は630mJ/cm2の線量でフレームからなくなった。未露光フィルムの厚さは8.08ミクロンへと5.81ミクロン減少した(フィルム厚さの減少は41.83%)。
【化30】

【0070】
リソグラフィーの例3
合成例3で得たポリマー70部、合成例4で得たポリマー30部、ビスフェノール AP PAC11.6部、ジフェニルシランジオール2.45部およびガンマ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン2.9部をGBLに溶解し、そして濾過した。
【0071】
一般的なリソグラフィー手順1に従って処方物をリソグラフィー的に試験した。使った回転速度は毎分1160回転であった。得られた厚さは13.88μmであった。出発時の露光エネルギーは600mJ/cm2であった。各々のパッドルサイクルについての現像時間は30秒であった。処方物は690mJ/cm2の線量でフレームからなくなった。未露光フィルムの厚さは8.47ミクロンへと5.41ミクロン減少した(フィルム厚さの減少は38.98%)。
【0072】
リソグラフィーの例4
合成例3で得たポリマー35部、合成例4で得たポリマー65部、ビスフェノール AP PAC11.6部、ジフェニルシランジオール2.45部およびガンマ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン2.9部をGBLに溶解し、そして濾過した。
【0073】
一般的なリソグラフィー手順1に従って処方物をリソグラフィー的に試験した。使った回転速度は毎分1120回転であった。得られた厚さは14.03μmであった。出発時の露光エネルギーは800mJ/cm2であった。各々のパッドルサイクルについての現像時間は45秒であった。処方物は900mJ/cm2の線量でフレームからなくなった。未露光フィルムの厚さは9.56ミクロンへと4.47ミクロン減少した(フィルム厚さの減少は31.86%)。
【0074】
リソグラフィーの例5
合成例3で得たポリマー35部、合成例4で得たポリマー65部、ビスフェノール AP PAC11.6部、ジフェニルシランジオール2.45部およびガンマ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン2.9部をGBLに溶解し、そして濾過した。
【0075】
一般的なリソグラフィー手順1に従って処方物をリソグラフィー的に試験した。使った回転速度は毎分1120回転であった。得られた厚さは13.95μmであった。出発時の露光エネルギーは600mJ/cm2であった。各々のパッドルサイクルについての現像時間は60秒であった。処方物は690mJ/cm2の線量でフレームからなくなった。露光されていないフィルムの厚さは8.12ミクロンへと5.83ミクロン減少した(フィルム厚さの減少は41.79%)。
【0076】
リソグラフィーの例6
合成例5で得たポリマー7.15部、合成例6で得たポリマー92.85部、ビスフェノール AP PAC11.6部、ジフェニルシランジオール2.45部およびガンマ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン2.9部をGBLに溶解し、そして濾過した。
【0077】
一般的なリソグラフィー手順1に従って処方物をリソグラフィー的に試験した。使った回転速度は毎分960回転であった。得られた厚さは14.13μmであった。出発時の露光エネルギーは800mJ/cm2であった。各々のパッドルサイクルについての現像時間は20秒であった。処方物は860mJ/cm2の線量でフレームからなくなった。露光されていないフィルムの厚さは9.10ミクロンへと5.03ミクロン減少した(フィルム厚さの減少は35.60%)。
【0078】
リソグラフィーの例7
合成例7で得たポリマー25部、合成例8で得たポリマー75部、構造Xで示したPAC15部およびガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2.0部をNMPに溶解し、そして濾過した。
【0079】
一般的なリソグラフィー手順1に従って処方物をリソグラフィー的に試験したが、ただし露光の増分は50mJ/cm2であった。使った回転速度は毎分1390回転であった。得られた厚さは13.95μmであった。出発時の露光エネルギーは100mJ/cm2であった。各々のパッドルサイクルについての現像時間は20秒であった。処方物は300mJ/cm2の線量でフレームからなくなった。未露光フィルムの厚さは4.43ミクロンへと減少した。
【0080】
リソグラフィーの例8
合成例9で得たポリマー12.5部、合成例10で得たポリマー87.5部、構造Xで示したPAC31.5部、ガンマ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン5.0部およびジフェニルシランジオール5部をNMPに溶解し、そして濾過した。
【0081】
一般的なリソグラフィー手順1に従って処方物をリソグラフィー的に試験した。使った回転速度は毎分1390回転であった。得られた厚さは21.46μmであった。出発時の露光エネルギーは1000mJ/cm2であった。各々のパッドルサイクルについての現像時間は70秒であった。処方物は2600mJ/cm2の線量でフレームからなくなった。未露光フィルムの厚さは11.19ミクロンへと減少した。
【0082】
本発明をその特定の態様を参照しつつ説明してきたが、ここに記載する発明概念の趣意および範囲から逸脱することなく変化、変更および改変がなされうることが理解できよう。従って、付属する特許請求の範囲の趣意および範囲に属するこのような変化、変更および改変はすべて包含されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の組成物および比較用の組成物についてのコントラスト曲線を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)構造(I):
【化1】

(式中、Ar1は4価の芳香族基、4価の複素環式基、およびこれらの混在するものからなる群から選択され;Ar2は珪素を含んでよい2価の芳香族基、2価の複素環式基、2価の脂環式基もしくは2価の脂肪族基、およびこれらの混在するものからなる群から選択され;Ar3は2価の芳香族基、2価の脂肪族基、2価の複素環式基、およびこれらの混在するものからなる群から選択され;xは約10〜約1000であり;yは0〜約900である)
を有する少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー;
(b)構造(II):
【化2】

[式中、Ar1、Ar2、Ar3、xおよびyは上記に規定したとおりであり;Dは以下の部分構造:
【化3】

(式中、RはH、ハロゲン、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基およびC5〜C7のシクロアルキル基からなる群から選択される)
の1つからなる基から選択され;k1は約0.5までの任意の正値であることができ、k2は約1.5〜約2の任意の値であることができ、ただし(k1+k2)は2である]
を有する少なくとも1つのポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー;
(c)少なくとも1つの感光剤;および
(d)少なくとも1つの溶媒
を含有するポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項2】
前駆体ポリマー(II)に対する前駆体ポリマー(I)の量の比が約20:80〜約80:20である、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前駆体ポリマー(II)に対する前駆体ポリマー(I)の量の比が約35:65〜約65:35である、請求項2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前駆体ポリマー(I)および(II)においてx+yが約1000より小さい、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項5】
xが約10〜約300であり、yが約0〜250である、請求項4に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項6】
xが約10〜約50であり、yが約0〜5である請求項5に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項7】
1が約0.01〜約0.4である、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項8】
1が約0.01〜約0.05である、請求項7に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項9】
組成物が接着促進剤を追加的に含有する、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項10】
組成物がアミノシランを含む接着促進剤を追加的に含有する、請求項9に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項11】
組成物が、式:
【化4】

[式中、各々のR10はC1〜C4のアルキル基およびC5〜C7のシクロアルキル基からなる群から独立に選択され;各々のR11はC1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、およびC5〜C7のシクロアルキル基からなる群から独立に選択され;dは0〜3の整数であり、nは1〜約6の整数であり、R12は以下の部分構造:
【化5】

(式中、各々のR13およびR14はC1〜C4のアルキル基およびC5〜C7のシクロアルキル基からなる群から独立に選択され;R15はC1〜C4のアルキル基およびC5〜C7のシクロアルキル基からなる群から選択される)
からなる群から選択される]
の接着促進剤を追加的に含有する、請求項9に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項12】
12
【化6】

からなる群から選択される部分構造である、請求項11に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項13】
接着促進剤が
【化7】

からなる群から選択される、請求項11に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項14】
Ar1
【化8】

[式中、X1は−O−、−S−、−C(CF32−、−CH2−、−SO2−、−NHCO−および−SiR12−からなる群から選択され、各々のR1はC1〜C7の線状もしくは分枝状のアルキル基およびC5〜C8のシクロアルキル基からなる群から独立に選択される]からなる群から選択される部分構造である、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項15】
Ar3
【化9】

[式中、X2は−O−、−S−、−C(CF32−、−CH2−、−SO2−、または−NHCO−である]
からなる群から選択される部分構造である、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項16】
Ar1が、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、4,6−ジアミノレゾルシノール、および2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンからなる群から選択される反応剤から誘導される部分構造であり、またAr3が、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、イソフタロイルジクロライド、フタロイルジクロライド、テレフタロイルジクロライド、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド、ジメチルイソフタレート、ジメチルフタレート、ジメチルターフタレート、ジエチルイソフタレート、ジエチルフタレート、ジエチルターフタレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される反応剤から誘導される部分構造である、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項17】
Dが、Rはハロゲン、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基およびC5〜C7のシクロアルキル基からなる群から選択されるとした構造IIIbおよびIIIdからなる群から選択される、請求項16に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項18】
少なくとも1つの感光剤が
【化10】

【化11】

【化12】

(式中、QはHまたはDであるが、ただし少なくとも1つの化合物において少なくとも1つのQはHでなく、またDは以下の部分構造:
【化13】

(式中、RはH、ハロゲン、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基およびC5〜C7のシクロアルキル基からなる群から選択される)
の1つからなる基から選択される)
からなる群から選択される、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項19】
(a)請求項1に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にレリーフパターンを形成する方法。
【請求項20】
(a)請求項2に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にレリーフパターンを形成する方法。
【請求項21】
(a)請求項3に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にレリーフパターンを形成する方法。
【請求項22】
(a)請求項4に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にレリーフパターンを形成する方法。
【請求項23】
(a)請求項5に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にレリーフパターンを形成する方法。
【請求項24】
(a)請求項6に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にレリーフパターンを形成する方法。
【請求項25】
(a)請求項7に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にレリーフパターンを形成する方法。
【請求項26】
(a)請求項8に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にレリーフパターンを形成する方法。
【請求項27】
(a)請求項9に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にレリーフパターンを形成する方法。
【請求項28】
(a)請求項10に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にレリーフパターンを形成する方法。
【請求項29】
(a)請求項11に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にレリーフパターンを形成する方法。
【請求項30】
(a)請求項12に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にレリーフパターンを形成する方法。
【請求項31】
(a)請求項13に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にレリーフパターンを形成する方法。
【請求項32】
(a)請求項14に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にレリーフパターンを形成する方法。
【請求項33】
(a)請求項15に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にレリーフパターンを形成する方法。
【請求項34】
(a)請求項16に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にレリーフパターンを形成する方法。
【請求項35】
(a)請求項17に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にレリーフパターンを形成する方法。
【請求項36】
(a)請求項18に記載のポジ型感光性組成物を好適な基板上にコーティングすることによりコートされた基板をつくり;
(b)コートされた基板をプリベークし;
(c)コートされプリベークされた基板を化学線に暴露し;
(d)コートされ暴露された基板を水性現像液で現像することによりコートされた基板上に未硬化レリーフ画像を形成し;そして
(e)コートされ現像された基板を高められた温度でベークすることによりレリーフ画像を硬化する
段階を包含する、基板上にレリーフパターンを形成する方法。
【請求項37】
請求項19に記載の方法によって作成されるパターン化された画像を有する基板。
【請求項38】
請求項29に記載の方法によって作成されるパターン化された画像を有する基板。
【請求項39】
請求項35に記載の方法によって作成されるパターン化された画像を有する基板。
【請求項40】
請求項36に記載の方法によって作成されるパターン化された画像を有する基板。

【図1】
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【公表番号】特表2007−525687(P2007−525687A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509067(P2006−509067)
【出願日】平成16年3月4日(2004.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/006544
【国際公開番号】WO2004/081663
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(305037086)フジフィルム・エレクトロニック・マテリアルズ・ユーエスエイ・インコーポレイテッド (29)
【Fターム(参考)】