施設検索装置
【課題】曖昧エリア、旧エリア、誤認エリアのいずれにおいても、それらに属する施設名を音声認識により検索可能とする。
【解決手段】施設検索装置1は、第2の記憶部(施設DB15)を参照し、任意の施設の地図上の座標が、第1の記憶部(曖昧エリアテーブル14)における曖昧エリアに対応する行政区の地図上の座標の集合に一致し、もしくは包含される場合に、曖昧エリア名と施設名の読みとからなる曖昧エリア施設辞書を生成する曖昧エリア辞書生成部16と、生成された曖昧エリア施設辞書を記憶する第3の記憶部(曖昧エリア施設辞書120)と、曖昧エリアの施設名の読みが音声入力された場合に、第3の記憶部を参照して、曖昧エリア範囲に含まれる施設名を検索して出力する検索結果出力部18とにより構成される。
【解決手段】施設検索装置1は、第2の記憶部(施設DB15)を参照し、任意の施設の地図上の座標が、第1の記憶部(曖昧エリアテーブル14)における曖昧エリアに対応する行政区の地図上の座標の集合に一致し、もしくは包含される場合に、曖昧エリア名と施設名の読みとからなる曖昧エリア施設辞書を生成する曖昧エリア辞書生成部16と、生成された曖昧エリア施設辞書を記憶する第3の記憶部(曖昧エリア施設辞書120)と、曖昧エリアの施設名の読みが音声入力された場合に、第3の記憶部を参照して、曖昧エリア範囲に含まれる施設名を検索して出力する検索結果出力部18とにより構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ナビゲーション装置に適用して好適な、施設検索装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置に適用される音声認識装置で施設名検索を行う場合、例えば、「神奈川県 小田原城」、「横浜市 山下公園」のように、施設が属するエリア(都道府県、市区町村等の行政区)を施設名に先行して発話させることが通常行なわれる。
従来、音声認識処理が効率良く実現できるように、特定の地域の認識を試み、認識できなかった場合に隣接する地域の認識処理を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平8−328584号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した背景技術によれば、ユーザは、施設が属する正確な行政区を把握していないケースがあり、そのようなユーザにとっては使い勝手が悪いものになっている。
例えば、「湘南」等、ユーザが知っているエリアが複数の行政区を含むような曖昧エリアになっている場合であったり、例えば、「相模湖町」等、ユーザが知っているエリアが統廃合により現存しなくなった旧エリア(新エリアは相模原市)であったり、例えば、「東京のディズニーランド」等、ユーザが知っているエリアが隣接または周辺エリアと混同されている誤認エリア(正確には千葉のディズニーランド)であったりした場合である。
【0005】
また、特許文献1に開示された技術によれば、誤認識の度に改めて隣接地域の認識開始を行うのは演算量の無駄であり、誤認識の度に全ての隣接地域全体を検索範囲に設定するのは範囲を拡大し過ぎであり、場合によっては所望の地点とは異なる地点を検索する恐れがある。
それよりはあらかじめ誤認識を予測した辞書を用意し、あらかじめ誤認識が予測される境界部分のエリアだけを認識対象とすることで、誤認識後の処理を追加する必要がなく、効率よく隣接エリアを検索範囲に加えることができる。
【0006】
この発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、上記した曖昧エリア、旧エリア、誤認エリアのいずれにおいても、それらに属する施設名を音声認識により検索可能なであり、かつ、使い勝手の向上をはかった施設検索装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る施設検索装置は、意図する行政区の範囲が定義されていないもしくは周知されていない結果、意図する範囲についての認知に個人差が生じるエリアを曖昧エリアとし、少なくとも前記曖昧エリア名およびその読みと、前記曖昧エリアに属する行政区名およびその読みと、前記行政区に含まれる地図上の座標とからなる曖昧エリアテーブルがあらかじめ記憶された第1の記憶部と、少なくとも、施設名の読みと、対応する施設の地図上の座標とからなる施設データが格納された第2の記憶部と、前記第2の記憶部を参照し、任意の施設の地図上の座標が、前記第1の記憶部における曖昧エリアに対応する行政区の地図上の座標の集合に一致し、もしくは包含される場合に、少なくとも前記曖昧エリア名と施設名の読みとからなる曖昧エリア施設辞書を生成する曖昧エリア辞書生成部と、前記生成された曖昧エリア施設辞書を記憶する第3の記憶部と、前記曖昧エリアの施設名の読みが音声入力された場合に、前記第3の記憶部を参照して、前記曖昧エリア範囲に含まれる施設名を検索して出力する検索結果出力部とを備えたものである。
【0008】
この発明に係る施設検索装置は、行政区の統廃合により地図上に現存しないエリアを旧エリアとし、少なくとも、現存しない前記旧エリア名およびその読みと、前記旧エリアに対応する新エリア名である行政区名およびその読みと、前記行政区に含まれる地図からなる旧エリアテーブルがあらかじめ記憶された第4の記憶部と、少なくとも、施設名の読みと、対応する施設の地図上の座標とからなる施設データが格納された第2の記憶部と、前記第2の記憶部を参照し、任意の施設の地図上の座標が、前記第3の記憶部における旧エリアに対応する行政区の地図上の座標の集合に一致し、もしくは包含される場合に、少なくとも前記旧エリア名と施設名の読みとからなる旧エリア施設辞書を生成する旧エリア辞書生成部と、前記生成された旧エリア施設辞書を記憶する第5の記憶部と、前記旧エリアの施設名の読みが音声入力された場合に、前記第5の記憶部を参照して、前記旧エリア範囲に含まれる施設名を検索して出力する検索結果出力部とを備えたものである。
【0009】
この発明に係る施設検索装置は、混同しやすい隣接エリアを含む近傍の周辺エリアを誤認エリアとし、少なくとも、前記誤認エリア名およびその読みと、前記誤認エリアが実際に対応する行政区名およびその読みと、前記行政区近傍の地図上の座標とからなる誤認エリアテーブルがあらかじめ記憶された第6の記憶部と、少なくとも、施設名の読みと、対応する施設の地図上の座標とからなる施設データが格納された第2の記憶部と、前記第2の記憶部を参照し、任意の施設の地図上の座標が、前記第6の記憶部における誤認エリアに対応する行政区近傍の地図上の座標の集合に一致し、もしくは包含される場合に、少なくとも前記誤認エリア名と施設名の読みとからなる誤認エリア施設辞書を生成する誤認エリア辞書生成部と、前記生成された誤認エリア施設辞書を記憶する第7の記憶部と、前記誤認エリアの施設名の読みが音声入力された場合に、前記第7の記憶部を参照して、前記誤認エリア範囲に含まれる施設名を検索して出力する検索結果出力部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、曖昧エリア、旧エリア、誤認エリアのいずれにおいても、それらに属する施設名を音声認識により検索可能であり、また、使い勝手の向上をはかることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。ここでは、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
車載ナビゲーション装置は、図1に示されるように、音声入力部11と、認識辞書12と、音声認識部13と、曖昧エリアテーブル(第1の記憶部)14と、施設DB(第2の記憶部)15と、曖昧エリア施設辞書生成部16と、施設検索部17と、検索結果出力部18とを有する。
【0012】
音声入力部11は、ユーザにより発話される音声をナビゲーション装置1に取込んで音声認識部13へ出力する。認識辞書12は、曖昧エリア施設辞書(第3の記憶部)120と、認識対象となる住所を登録した住所辞書121と、都道府県名または市町村名とそこに属する施設名を登録した施設辞書122と、コマンド辞書123などからなる。音声認識部13は、認識辞書12を参照してユーザの発話内容を認識し、認識結果を得る。
なお、曖昧エリアテーブル14には、あらかじめ、曖昧なエリア名およびその読みと、そこに属する行政区などの地名、読み、地図上の座標データが登録される。施設DB15は、施設名の名称、読み、ジャンル、地図上の座標とからなる。曖昧エリア施設辞書生成部16は、施設DB15と曖昧エリアテーブル14とを参照して曖昧エリア施設辞書を生成する。
【0013】
施設検索部17は、音声認識部13による音声認識結果から県名や施設名を検出して施設検索を行い、検索結果出力部18へ供給する。検索結果出力部18は、施設検索部17による検索結果を例えば不図示のモニタ画面に表示し、あるいは不図示のスピーカに音声出力してユーザに検索結果を提示する。
【0014】
ここで、施設辞書122は、現状の音声認識の性能を考慮して施設が所属する都道府県別または市区町村別に分割されており、階層化されている。そのため、施設名を音声認識するためには、通常、「都道府県名+施設名」、または、「市町村名+施設名」のような形式(都道府県名や市区町村名に続けて施設名を発話する)で、施設が所属する都道府県名または市区町村名の発話が必要となる。
施設DB15は、音声認識、または手動操作により検索される施設を地図上の画面に表示するために必要なデータベースであり、施設の名称、読み、ジャンル、地図上の座標等の情報により構成される。曖昧エリアテーブル14は、上記都道府県や市区町村などの一般的な行政区では括れないような、複数の行政区を含み、あるいは、複数の行政区内を横断するなど、その境界が行政区界に比べて曖昧な地域である曖昧エリアの情報を予め用意されているテーブルである。
【0015】
図21に、曖昧エリアテーブル14のデータ構造の一例が示されている。例えば、「湘南」や、「阪神間」や、「下町」など、きちんとした地区の範囲が定義されていない、または周知されておらず、その結果、対象となる範囲についての認識に個人差が生じているエリアが曖昧エリアに相当する。データ項目は、曖昧エリアの名称と、読み、その曖昧エリアに属する行政区の名称と読み、そしてその行政区を構成する座標の集合などからなる。
曖昧エリアテーブル14における曖昧エリアは一般的な地名ばかりではなく、地名の略称や俗称でもよい。曖昧エリアテーブル14の初期セツトテーブルにおける曖昧エリアは一般的な地名ばかりではなく、地名の略称や俗称でもよい。曖昧エリアテーブル14の初期セットは、統計やアンケートによる集計や、百科事典や歴史書における定義内容を引用することなどでまず決定してもよい。
【0016】
図15に、曖昧エリア施設辞書生成部16による曖昧エリア施設辞書生成のための処理の流れがフローチャートで示されている。
すなわち、曖昧エリア施設辞書生成部16は、曖昧エリア施設辞書120の更新イベント発生の都度(ステップST151“Yes”)、検索対象となる施設名の名称と座標を曖昧エリアテーブル14と照らし合わせる(ステップST152)。ここで、施設名の座標がある曖昧エリアに対応する行政区の座標の集合に一致、または包含される場合に(ステップST153“Yes”)、「曖昧エリア名+施設名」という読みからなる曖昧エリア施設辞書120を生成する(ステップST154)。
【0017】
例えば、「鎌倉プリンスホテル」で曖昧エリアテーブル14を参照すると、当該施設の座標は曖昧エリア「湘南」に対応する「鎌倉(市)」に包含されるため、曖昧エリア施設辞書「湘南+鎌倉プリンスホテル」が作られる。
ここで、曖昧エリア施設辞書120は、「湘南 鎌倉プリンスホテル」、「湘南の鎌倉プリンスホテル」となり、そのような音節を入力することで当該施設が神奈川県や鎌倉市に存在することを意識することなく音声で検索することができる。また、元の施設辞書122で「鎌倉プリンスホテル」の言い換えとして、「プリンスホテル」「プリンス」が登録済みであれば、「湘南のプリンスホテル」「湘南プリンス」といったより曖昧な表現で施設検索を実現できる。
【0018】
このような曖昧エリア施設辞書120が作られることにより、施設が所属する正しい行政区がわからなくても、より曖昧なエリアを付随させた発声によって施設検索できるというユーザメリットを実現することができる。
【0019】
図16に、発話の音声認識から検索結果表示までの処理の流れが示されている。すなわち、図16のフローチャートにおいて、ユーザの発話はマイクを通じて音声入力部11によりナビゲーション装置に入力され(ステップST161)、音声認識部13により認識結果に変換される(ステップST162)。
認識結果の中で曖昧エリア名を含む施設名は、施設検索部17により曖昧エリア名を含む施設辞書122を参照して検出される(ステップST163〜ST165)。そして施設DB15を検索し、検索結果出力部18により、検索結果の名称や地点位置を示す地図などが不図示のモニタに表示され、あるいはスピーカを通じて音声出力される(ステップST166〜ST170)。
【0020】
なお、ステップST163の処理において、曖昧エリアに含まれない場合は(ステップST163“No”)、都道府県名または市区町村名を認識して施設名を認識し(ステップST168、ST169)、施設DB15を検索する(ST166)。そして、検索結果出力部18により、検索結果の名称や地点位置を示す地図などが不図示のモニタに表示され、あるいはスピーカを通じて音声出力される(ステップST166〜ST170)。
また、施設名の代わりにジャンル名やブランド名を対象として、曖昧エリア内に所属するジャンルまたはブランドを音声認識により検索する構成にすることもできる。
【0021】
上記した実施の形態1によれば、ユーザが、施設が存在する正確な都道府県や市区町村などの正確な行政区を知らない、または正確に意識していない場合でも、ユーザが発話しそうな曖昧なエリアと、それに属する施設名を認識可能とすることで、使い勝手が良く、効率的な施設検索が可能になる。このことにより、例えば、「湘南」など曖昧なエリアの場合でもそれらに属する施設名を音声認識により検索することができる。
【0022】
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図2に示されるように、車載ナビゲーション装置は、現存しない古いエリア名と、その現在のエリア名に相当する行政区などの地名の名称・読み・座標データが記録される旧エリアテーブル(第4の記憶部)24と、施設DB(第2の記憶部)15と、旧エリアテーブル24を参照して旧エリア施設辞書220を生成する旧エリア施設辞書生成部26とを有する。音声入力部11、音声認識部13、施設DB15、施設検索部17、検索結果出力部18については実施の形態1と同様であるため、ここでの説明は重複を回避する意味で省略する。
【0023】
旧エリアテーブル24は、昨今の地域統廃合によって現在の地図から消えてしまっている古い行政区などのエリアである旧エリアの情報が予め用意されたテーブルである。
図22に、旧エリアテーブル24のデータ構造の一例が示されている。例えば、「兵庫県三原町」や「兵庫県南淡町」は合併して「兵庫県南あわじ市」が新たに作られ、また、「兵庫県吉川町」は「兵庫県三木市」に吸収合併されている。この「三原町」や「南淡町」や「吉川町」などは現在の施設DB15や住所辞書121から消えているため、これらの名称を用いた施設検索は難しい。このようにして現存しない地域が旧エリアに相当する。
データ項目は、旧エリアの名称と読み、その旧エリアに対応する現在の行政区の名称と読み、そしてその行政区を構成する座標の集合などからなる。
【0024】
図17に、旧エリア施設辞書生成部26による旧エリア施設辞書生成のための処理の流れがフローチャートで示されている。
旧エリア施設辞書生成部26は、旧エリアテーブル24の更新タイミングが到来すると(ステップST171“Yes”)、まず、検索対象となる施設名の名称と座標を曖昧エリアテーブルと照合する(ステップST172)。施設名の座標がある旧エリアに対応する行政区の座標の集合に一致または包含される場合(ステップST173“Yes”)、「旧エリア名+施設名」という読みからなる旧エリア施設辞書を生成する(ステップST174)。
【0025】
例えば、「人形浄瑠璃博物館」を旧エリアテーブル24に参照させると、当該施設の座標は新エリア「南あわじ市」の一部に対応する「南淡町」に包含されるため、旧エリア施設辞書220「南淡(町)+人形浄瑠璃館」が作られる。
ここで旧エリア施設辞書220は、「南淡町 人形浄瑠璃館」「南淡町」の「人形浄瑠璃館」「南淡の人形浄瑠璃博物館」となり、そのような音声を入力することで当該施設が属する行政区は南淡町でなく南あわじ市に変更されていることを意識することなく音声で検索することができる。また、元の施設辞書122にて「人形浄瑠璃博物館」の言い換え語として「浄瑠璃博物館」「浄瑠璃館」が登録済みであれば「南淡の人形浄瑠璃館」といったより曖昧な表現で施設検索を実現できる。
【0026】
このような旧エリア施設辞書220が作られることにより、施設が所属する現在の新しい行政区名がわからなくても、通常データベースから除かれているような古いエリア名を付随させた発声によって施設検索できるというユーザメリットを実現することができる。以上が施設辞書生成の流れである。
【0027】
図18に、発話の音声認識から検索結果表示までの処理の流れが示されている。すなわち、図18のフローチャートにおいて、ユーザの発話はマイクを通じて音声入力部11により車載ナビゲーション装置に入力され(ステップST181)、音声認識部13により認識結果に変換される(ステップST182)。
認識結果の中で旧エリア名を含む施設名は、施設検索部17により旧エリア名を含む施設名語彙を含む施設辞書220を参照して検出される(ステップST183〜ST185)。そして施設DB15を検索し(ステップST186)、検索結果出力部18により、検索結果の名称や地点位置を示す地図などが不図示のモニタに表示され、あるいはスピーカを通じて音声出力される(ステップST187、ST190)。
【0028】
なお、ステップST183の処理において、旧エリアに含まれない場合は(ステップST183“No”)、都道府県名または市区町村名を認識して施設名を認識し(ステップST188、ST189)、施設DB15を検索する(ステップST186)。なお、施設名の代わりに、ジャンル名やブランド名を対象とし、旧エリア内に所属するジャンルまたはブランドを音声認識により検索する構成にすることもできる。
【0029】
上記した実施の形態2によれば、ユーザが施設の存在する現在の市区町村などの新しい行政区名を知らない、または行政区の変更を意識していない場合でも、ユーザが発話しそうな古いエリア名とそれに属する施設名を認識可能とすることで、ユーザにとって使いやすい効率的な施設検索が可能になる。このことにより、例えば、「兵庫県南淡町」など古いエリアの場合でもそれらに属する施設名を音声認識により検索することができる。
【0030】
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態3に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1、2同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図3に示されるように、隣接または周辺にある間違いやすいエリア名とその本当のエリア名に相当する行政区などの地名の名称・読み・座標データが記録される誤認エリアテーブル34、施設DB15と誤認エリアテーブル34を参照して誤認エリア辞書320を生成する誤認エリア施設辞書生成部36とを有する。音声入力部11、音声認識部13、施設DB15、施設検索部17、検索結果出力部18については実施の形態1、2と同様であるため、ここでの説明は重複を回避する意味で省略する。
【0031】
誤認エリアテーブル(第6の記憶部)34は、隣接または周辺にある間違えやすい行政区などのエリアである誤認エリアの情報を予め用意されているテーブルである。
図23に、誤認エリアテーブル34のデータ構造の一例が示されている。例えば、「横浜市」において「鎌倉市」に隣接される一部の地域は「鎌倉市」、「川崎市」に隣接される一部の地域は「川崎市」として登録される。このような隣接または周辺エリアに間違われる、または間違われやすい地域が誤認エリアに相当する。情報の内容は誤認エリアの名称と読み、その誤認エリアに対応する間違われた行政区の名称と読み、そして、その行政区を構成する座標の集合などからなる。ちなみに座標の集合は当該行政区全域の座標群ではなく、誤認エリアに隣接する境界周辺部分の座標群に限られる。例えば、隣接境界から誤認エリア側に10kmのエリアの座標群などとする。
【0032】
図19に、誤認エリア施設辞書生成部36による誤認エリア施設辞書生成のための処理の流れがフローチャートで示されている。
誤認エリア施設辞書生成部36は、誤認エリアテーブル34の更新タイミングが到来すると(ステップST191“Yes”)、まず、検索対象となる施設名の名称と座標を誤認エリアテーブル34に照らしあわされる(ステップST192)。施設名の座標がある誤認エリアに対応する行政区の座標の集合に一致または包含される場合に(ステップST193“Yes”)、「誤認エリア名+施設名」という読みからなる誤認エリア施設辞書320を生成する(ステップST194)。
【0033】
例えば、横浜市にある「大船ラドン温泉」を誤認エリアテーブル34に参照させると、当該施設の座標は「横浜市」の一部に対応する「鎌倉市」との隣接部分の座標に包含されるため、誤認エリア施設辞書320「鎌倉(市)+大船ラドン温泉」が作られる。
ここで、誤認エリア施設辞書320は、「鎌倉市 大船ラドン温泉」「鎌倉の大船ラドン温泉」となり、そのような音声を入力することで当該施設が属する行政区は実際には鎌倉市ではなく横浜市に所在することを意識することなく音声で検索することができる。また元の施設辞書にて「大船ラドン温泉」の言い換え語として「ラドン温泉」「大船ラドン」が登録済みであれば「鎌倉市のラドン温泉」「鎌倉の大船ラドン」といったより曖昧な表現で施設検索を実現できる。
【0034】
このような誤認エリア施設辞書320が作られることにより、施設が所属する正確な行政区名がわからなくても、多くの人が間違いがちな周辺のエリア名を付随させた発声によって施設検索できるというユーザメリットを実現することができる。
【0035】
図20に、発話の音声認識から検索結果表示までの処理の流れが示されている。すなわち、図20のフローチャートにおいて、ユーザの発話はマイクを通じて音声入力部11によりナビゲーション装置に入力され(ステップST201)、音声認識部13により認識結果に変換される(ステップST202)。
認識結果の中で誤認エリア名を含む施設名は、施設検索部17により誤認エリア名を含む施設名語彙を含む施設辞書322を参照して検出される。この際には施設辞書322を参照して正しいエリア内での検出も同時に行われる。そして、正しいエリア内での認識結果がなければ誤認エリア内での認識結果が検出される(ステップST203、ST204)。
【0036】
例えば、「鎌倉市のラドン温泉」の場合は正しいエリア「鎌倉市」に属する「ラドン温泉」と誤認エリア「鎌倉市」(実際には横浜市や逗子市などの鎌倉市との境界付近)に属する「ラドン温泉」が検索される。正しいエリアと誤認エリアのどちらの認識結果を提示するかは、音響尤度などの音声認識の尺度により決定される。
そして施設DB15を検索し、検索結果出力部18により、検索結果の名称や地点位置を示す地図などがモニタに表示され、スピーカを通じて音声出力される(ステップST205、ST206)。
【0037】
また、施設名の替わりにジャンル名やブランド名を対象とし、誤認エリア内に所属するジャンルまたはブランドを音声認識により検索する構成にすることもできる。また、誤認エリアの項目として実施の形態1で説明した曖昧エリアを対象とすることもできる。例えば、「湘南」の誤認エリアとしては、「湘南」に所属する行政区の誤認エリアが対象となり、「鎌倉市」や「藤沢市」などの誤認エリアが継承される。
但し、同じ曖昧エリアに含まれているエリア、例えば「鎌倉市」の誤認エリアの「藤沢市」所属部分等は、誤認エリア扱いは不要となる。
【0038】
上記した実施の形態3によれば、ユーザが施設の存在する都道府県や市区町村などの正確な行政区名を知らない、または隣接の行政区に存在すると勘違いしているような場合でも、ユーザが発話する可能性の高い誤っているエリア名と検索対象である施設名を認識可能とすることで、使い勝手が向上し、効率的な施設検索が可能になる。このことにより、例えば、「東京都のディズニーランド」のような検索対象エリアが正しくないような場合でも隣接エリアであれば、この組み合わせによって施設名を音声認識により検索できる。
【0039】
実施の形態4.
図4は、この発明の実施の形態4に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜3同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図1に示す実施の形態1との差異は、実施の形態1が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、曖昧エリアテーブル14、施設DB15、曖昧エリア施設辞書生成部16、施設検索部17、検出結果出力部18)に、ユーザに現在曖昧エリアテーブルの内容を提示するテーブル内容表示部41と、ユーザからの入力によって曖昧エリアテーブルの内容を編集できるテーブル内容編集部42が付加されたことにある。テーブル内容表示部41とテーブル内容編集部42とは、ユーザインタフェースとなる、例えば、タッチパネル2に接続される。
【0040】
テーブル内容表示部41は、曖昧エリアテーブル14内の各データ項目をタッチパネル2上に表示する。表示方法としては、タッチパネル2上に「曖昧エリア」メニューを用意し、タッチ操作により当該メニュー選択により曖昧エリア項目をリスト表示し、リスト上の曖昧エリア項目をタッチ操作で選択することにより曖昧エリアに含まれる行政区をリスト表示する方法があげられる。あるいは、リストの替わりに行政区を2次元地図のように表示し、曖昧エリアに含まれる行政区のみ色付きにする等して画面表示する方法も考えられる。テーブル内容編集部42は、リストまたは2次元画面表示された行政区をタッチし、または音声認識により追加または削除することにより編集を行う。
例えば、曖昧エリア「湘南」の場合、リスト上にある「平塚市」をタッチ操作により選択して削除メニューを用いて削除し、あるいは、リスト外項目である「横須賀市」をタッチ操作して追加メニューで削除するなどの方法が考えられる。タッチ操作の代わりに手動キー操作による表示および編集も可能である。
【0041】
また、曖昧エリアテーブル14における曖昧エリアをユーザが新規追加する構成も可能である。その場合は、曖昧エリアの名称と読みはユーザが指定し、座標群は曖昧エリアに含まれる行政区から自動的に生成される。
また、曖昧エリアテーブル14の代わりに旧エリアテーブル24(図2)、曖昧エリア施設辞書生成部16の代わりに旧エリア施設辞書生成部26とし、旧エリアテーブル24のデータ項目を削除する等の編集も同様に可能である。更に、曖昧エリアテーブル14の代わりに誤認エリアテーブル34、曖昧エリア施設辞書生成部16の代わりに誤認エリア施設辞書生成部36(図3)とし、誤認エリアテーブル34のデータ項目を削除する等の編集も同様に可能である。
【0042】
また、タッチパネル操作や手動キー操作による編集の代わりに、音声によるエリアテーブル編集モードに誘導し、例えば、「削除」を認識後に、認識する行政区の入力を促し、「平塚」を認識した場合は「湘南から平塚市を削除します/よろしいですか/はい、またはいいえでお答えください」のように音声認識と音声出力の併用によってテーブルを編集する構成にすることも可能である。
【0043】
上記した実施の形態4によれば、曖昧エリア、旧エリア、および誤認エリアをユーザによってカスタマイズできることができ、ユーザにとってわかりやすい地名をユーザにとってわかりやすい内容に編集することができ、このことにより、より使い勝手の良い音声による施設検索を実現させることができる。
【0044】
実施の形態5.
図5は、この発明の実施の形態5に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜4同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図1に示す実施の形態1との差異は、実施の形態1が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、曖昧エリアテーブル14、施設DB15、曖昧エリア施設辞書生成部16、施設検索部17、検出結果出力部18)に、実施の形態4で説明したテーブル内容編集部42、および音声認識による施設名検索時に、曖昧エリア施設辞書120を参照した場合に曖昧エリアテーブル14の内容をユーザに提示するテーブル内容フィードバック部44を付加したことにある。
【0045】
テーブル内容フィードバック部44は、曖昧エリアによる施設検索が行われた場合、検索結果出力部18で検索結果を提示後、曖昧エリアテーブル14内の当該曖昧エリアの情報に関するフィードバックメッセージを生成し、検索結果出力部18を介して提示する。例えば、フィードバックメッセージとしては、「湘南は鎌倉市、逗子市、〜平塚市からなります。これでよろしいですか」等の問い合わせ音声となる。
これに対するユーザ応答を音声認入力部11が取得し、音声認識部13が内蔵の音声認識辞書を用いて音声認識し、ユーザ応答がYesの場合は当該曖昧エリアに対するフィードバックメッセージの提示は行わない。ユーザ応答がNoの場合はテーブル内容編集モードに誘導し、ユーザに、テーブル内容編集部42による曖昧エリアテーブル14の編集操作を促す。フィードバックメッセージの提示は、各曖昧エリアに対して初回のみとすることができる。
【0046】
上記した実施の形態5によれば、施設名検索時に曖昧エリアの内容をユーザに提示し、曖昧エリアテーブル14に定義されていたら、その地名でよいかをユーザに問い合わせ、編集することができ、ユーザにとって曖昧な情報の解消をさせながら、ユーザにとって使い勝手の良い音声による施設検索を実現させることができる。
【0047】
実施の形態6.
図6は、この発明の実施の形態6に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜5同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図2に示す実施の形態2との差異は、実施の形態2が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、旧エリアテーブル24、施設DB15、旧エリア施設辞書生成部26、施設検索部17、検出結果出力部18)に、音声認識による施設名検索時、旧エリア施設辞書220を参照した場合に旧エリアテーブル24の内容をユーザに提示するテーブル内容フィードバック部45を付加したことにある。
【0048】
テーブル内容フィードバック部45は、旧エリアによる施設検索が行われた場合、検索結果出力部18で検索結果を提示後、旧エリアテーブル24を参照して現在の地名をユーザに伝えるためのフィードバックメッセージを生成し、検索結果出力部18を介してユーザに提示させる。例えば、フィードバックメッセージとしては、「南淡町は合併し、現在南あわじ市です」等の音声内容となる。フィードバックメッセージの提示は、各旧エリアに対して初回のみとすることができる。
【0049】
また、旧エリアテーブル24の代わりに誤認エリアテーブル34、旧エリア施設辞書生成部26の代わりに誤認エリア施設辞書生成部36とすることができ、この場合、テーブル内容フィードバック部45は、誤認エリアによる施設検索が行われた場合、検索結果出力部18で検索結果を提示後、誤認エリアテーブル34を参照して正しい地名をユーザに伝えるためのフィードバックメッセージを生成し、検索結果出力部18を介してユーザに提示する。
例えば、フィードバックメッセージは「町田駅は正式には東京都です」等の音声内容となる。フィードバックメッセージの提示は、各誤認エリアに対して初回のみとすることができる。さらに、フィードバックメッセージを続けて、ユーザに正しい地名を認識させることで確認するダイアログを用意する構成にすることも可能である。例えば「次回は正しい地名で入力していただけますか」と問い合わせを行い、ユーザの対応がNOの場合は変更せず、Yesの場合は、当該誤認エリアを誤認エリアテーブル34から削除して内容を更新する。
【0050】
上記した実施の形態6によれば、施設検索時に旧エリアや誤認エリアの内容をユーザに提示して、旧エリアテーブル24または誤認エリアテーブル34に定義されていたら、ユーザに現在の地名や正しい地名を認識させることができ、ユーザに、鮮度が高い正確な情報提供を行いながら、使い勝手の良い音声による施設検索を実現させることができる。
【0051】
実施の形態7.
図7は、この発明の実施の形態7に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜6同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図2に示す実施の形態2との差異は、実施の形態2が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、旧エリアテーブル24、施設DB15、旧エリア施設辞書生成部26、施設検索部17、検出結果出力部18)に、外部にあるサーバ(不図示)から行政区の統廃合にかかわる改廃情報をインターネット等の通信手段を介して受信する行政区更新情報取得部46と、行政区更新情報取得部46により取得した行政区更新情報を基に旧エリアテーブル24の内容を更新する旧エリアテーブル更新部47とを付加したことにある。
【0052】
行政区更新情報取得部46は、例えば、携帯電話等によりインターネット網をアクセスして得た情報受信などにより、外部サーバから送られる行政区改廃情報を取得する。行政区改廃情報には改廃前後の新旧の行政区名とその読みと改廃時期が含まれている。
旧エリアテーブル更新部47は、その行政区改廃情報を参照して旧エリアテーブル24を更新する。旧エリアテーブル24の更新に関し、名称と読みは行政区改廃情報から取得し、座標群は旧行政区から取得する。旧エリア施設辞書生成部26は、更新された旧エリアテーブル24を参照し、新しいエリア名が施設辞書222にない場合は新エリア名辞書を施設辞書222に作成し、さらに、旧エリアテーブル24を参照して旧エリア施設辞書220を変更する。この変更された施設辞書222と旧エリア施設辞書220は、行政区改廃情報の改廃時期が来たときに有効化することができる。
【0053】
上記した実施の形態7によれば、新旧エリアの両方を認識可能とするエリア辞書を自動生成することができ、行政区の改廃のタイミングに辞書を有効化することができ、最新の行政区改廃に対応した音声による施設検索を実現することができる。
【0054】
実施の形態8.
図8は、この発明の実施の形態8に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜7同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図2に示す実施の形態2との差異は、実施の形態2が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、旧エリアテーブル24、施設DB15、旧エリア施設辞書生成部26、施設検索部17、検出結果出力部18)に、実施の形態7で説明した行政区更新情報取得部46と、ユーザが車載ナビゲーション装置上で設定した目的地履歴を記憶する目的地履歴記憶部48と、新旧住所リストと目的地履歴を参照して過去の目的地がリストに含まれ、且つ住所の変更の時点を経過している場合に旧エリアテーブル24を自動生成する旧エリアテーブル生成部49とを付加したことにある。
【0055】
目的地履歴記憶部48は、ユーザが過去に設定した目的地の情報を記憶する。旧エリアテーブル生成部49は、目的地履歴と行政区更新情報取得部46から取得された新旧住所リストから旧エリアテーブ24を自動生成する。新旧住所リストは、上記した実施の形態7で説明した行政区改廃情報の集成形態とする。
例えば、過去の目的地履歴が存在するエリアと、目的地に設定された時期とから、新旧住所リストを参照して目的地履歴の存在したエリアが旧エリア時代のものか否かを判別し、旧エリア時代だった場合に旧エリアテーブル24を生成する。旧エリアテーブル24の生成の仕方は、上記した実施の形態7と同様であるため、重複を回避する意味でここでの説明は省略する。また、目的地履歴の代わりに、ユーザからの音声認識による住所や施設名の履歴を用いることもでき、音声認識で検索された住所や施設の地点を含むエリアと音声認識された時点から旧エリアテーブル24の生成を行うこともできる。
【0056】
上記した実施の形態8によれば、ユーザが過去に出かけた場所や認識した場所から、ユーザが意図する旧エリアを動的に予測することができ、エリア名変更によるとまどいをユーザに与えることなく、使い勝手の良い音声による施設名検索を実現することができる。
【0057】
実施の形態9.
図9は、この発明の実施の形態9に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜8同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図1に示す実施の形態1との差異は、実施の形態1が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、曖昧エリアテーブル14、施設DB15、曖昧エリア施設辞書生成部16、施設検索部17、検出結果出力部18)に、実施の形態8で説明した目的地履歴記憶部48と、目的地履歴からユーザが頻繁に出かけるエリアを自動判別する行き先エリア判別部50と、行き先エリア判別部51により判別されたユーザが頻繁に出かけるエリアが曖昧エリアテーブル14に定義された曖昧エリアに含まれる場合に、そのエリアのデータ項目を有効化し、それ以外のエリアのデータ項目を無効化するテーブルアクティベイト部51とを付加したことにある。
【0058】
行き先エリア判別部50は、目的地履歴記憶部48に記憶された目的地履歴からユーザが頻繁に出かけるエリアを抽出する。抽出方法は、目的地履歴が含まれるエリアの頻度から上位のみを抽出する方法、目的地履歴の中で過去1年等の一定期間内のものからエリアを抽出する方法などが考えられる。
テーブルアクティベイト部51は、行き先エリア判別部50により判別されるユーザが頻繁に出かけるエリアを参照し、曖昧エリアテーブル14内のデータ項目を有効化し、頻繁にでかけるエリア以外のデータ項目は音声で検索する可能性が低いと判定し、曖昧テーブル14内で無効化し、または削除する。
【0059】
上記した実施の形態9によれば、ユーザがよく行くところに合致した曖昧エリアテーブル14の内容を充実させ整備することができ、ユーザにとって無駄が少なく、ユーザの意図を反映させながら音声による施設検索を実現することができる。
なお、上記した実施の形態9によれば、曖昧エリアテーブル14のテーブルアクティベイトについてのみ説明したが、曖昧エリアテーブル14に限るものではなく、図2に示す旧エリアテーブル24、図3に示す誤認エリアテーブル34のテーブルアクティベイトで代替しても良い。
【0060】
実施の形態10.
図10は、この発明の実施の形態10に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜9同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図2に示す実施の形態2との差異は、実施の形態2が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、旧エリアテーブル24、施設DB15、旧エリア施設辞書生成部26、施設検索部17、検出結果出力部18)に、自宅、実家、勤務先等、ユーザが現在の地名を熟知していると考えられるエリアを抽出するユーザ熟知エリア抽出部52と、ユーザ熟知エリア抽出部52により抽出されたエリアを参照して旧エリア内の当該項目を無効化するユーザ熟知エリア無効化部53とを付加したことにある。
【0061】
ユーザ熟知エリア抽出部52は、自宅、実家、勤務先等が熟知エリアとしてユーザによって登録された時、登録地点の地図上の座標から、自宅は「○○市」、実家は「△△町」のように所在エリアを抽出する。これをユーザ熟知エリアとする。
ユーザ熟知エリア無効化部53は、上記ユーザ熟知エリアと旧エリアテーブル24とを参照し、ユーザ熟知エリアが旧エリアテーブル24内の旧エリアと新エリアの一方に一致する場合に旧エリアテーブル24内の当該データ項目を無効化する。
【0062】
例えば、ユーザ熟知エリアが「南あわじ市」であれば、この項目を無効化する。旧エリア施設辞書生成部26は、旧エリア施設辞書生成時に旧エリアテーブル24の有効部分のみを参照するため、無効化されたデータ項目については旧エリア施設辞書220を生成しない。上記した例では、「南あわじ市」に対応する「三原町」「緑町」「西淡町」「南淡町」等の旧エリア施設辞書220は生成されず、これらの旧エリア名は認識対象外となる(図22参照)。
【0063】
上記した実施の形態10によれば、ユーザが新地名についてよく知っていると思われるエリアを認識対象外とすることができる。また、旧エリア施設辞書生成部26は、旧エリアテーブル24内におけるデータ項目の無効化がユーザ熟知エリアであるためであることを判別し、旧エリア辞書生成時に当該項目に対する旧エリア名については、認識時に検索を行わずにアナウンスだけを提示する設定を付与する。そして、施設検索部17は上記設定を参照し、ユーザ熟知エリアについては検索を行わず、アナウンスだけを提示する形態にすることができる。このことにより、ユーザの自宅、実家、勤務先が含まれるエリアについては、新地名に早く慣れた方がよいと思われるため、ガイダンスだけにとどめて新地名での検索を促すことができる。
【0064】
なお、上記した実施の形態10では、旧エリアテーブル24の更新についてのみ例示したが、実施の形態3における誤認エリアテーブル26でも同様に適用でき、自宅、実家、勤務先などを含むエリア等、ユーザが間違って覚えている可能性が低いエリアについては認識対象外にすることもできる。
【0065】
実施の形態11.
図11は、この発明の実施の形態11に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜10同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図2に示す実施の形態2との差異は、実施の形態2が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、旧エリアテーブル24、施設DB15、旧エリア施設辞書生成部26、施設検索部17、検出結果出力部18)に、実施の形態6で説明したテーブル内容フィードバック部45と、ユーザが旧エリアテーブル24に登録されている旧エリア毎の認識回数を記憶するエリアテーブル内認識回数記憶部54と、認識回数が所定定数を越えた場合、ユーザにテーブル内容のフィードバック通知を行わないテーブル内容フィードバック通知禁止部55とを付加したことにある。
【0066】
エリアテーブル内認識回数記憶部54は、旧エリアテーブル14内の旧エリア項目毎に音声認識による検索が行われた回数を記憶し、施設検索部17において旧エリア内の音声認識による検索が行われた場合、エリアテーブル内認識回数記憶部54は、旧エリアテーブル内の旧エリア項目毎に音声認識による検索が行われた回数を更新する。
テーブル内容フィードバック通知禁止部55は、エリアテーブル内認識回数記憶部54に記憶される旧エリア項目毎の音声認識による検索が行われた回数を参照し、当該回数がシステムの定める所定回数を上回った時に、所定回数以上旧地名で検索した場合はユーザがその名称での検索を希望していると判定し、テーブル内容フィードバック部45で音声フィードバックを実行しないように指示する。
【0067】
上記した実施の形態11によれば、所定回数以上旧エリアで検索された場合は、実施の形態6で説明したユーザへのテーブル内容の提示を省略することができ、旧エリア名での認識をユーザが好む場合にも対応した施設名検索を実現できる。
また、旧エリアテーブル24に限らず、誤認エリアテーブル34も同様、所定回数以上誤認エリアで検索した場合はユーザがその名称で検索希望していると判定し、所定回数以上誤認エリアで検索された場合にテーブル内容のフィードバックを省略することができる。
【0068】
実施の形態12.
図12は、この発明の実施の形態12に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜11同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図2に示す実施の形態2との差異は、実施の形態2が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、旧エリアテーブル24、施設DB15、旧エリア施設辞書生成部26、施設検索部17、検出結果出力部18)に、旧エリアテーブル24内の旧エリア項目毎に、自治体の統廃合により旧エリアが消失した時期を記憶する旧エリア消失時期記憶部56と、自治体消失時期から所定期間経過した場合に、旧地名での認識の実行を禁止する旧エリア名認識禁止部57とを付加したことにある。
【0069】
旧エリア消失時期記憶部56は、旧エリアテーブル24内の旧エリア項目毎に、自治体統廃合による旧エリアが消失した時期を記憶する。旧エリア名認識禁止部57は、旧エリア消失時期記憶部56に記憶された旧エリア消失時期を参照し、旧エリア消失時期より所定定期間を過ぎた旧エリアに対して、旧エリア名による音声認識の打ち切りを行う。
例えば、旧エリア内項目において当該旧エリア項目の無効化、あるいは項目の削除を行う。あるいは旧エリア施設辞書220から当該旧エリア項目に対する旧エリア辞書を削除する。あるいは当該旧エリアによる認識を確認した場合、旧エリアに対する検索を行わず「○○町(旧エリア名)は既に存在しません」等のガイダンス音声を提示するにとどめる。
【0070】
上記した実施の形態12によれば、新地名への移行から一定期間内だけは旧エリアでの検索を受け付け、それ以降は旧エリアでの検索を行わない構成とすることで、旧地名から新地名へ周知が完了する規格のみ旧地名検索のサービスを許し、その後は新地名への検索を促すことができる。すなわち、自治体統廃合から一定期間は新地名が周知されるまでの移行期間と捉え、その間は旧地名での検索を受け付けることができる。
【0071】
実施の形態13.
図13は、この発明の実施の形態13に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜12同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図3に示す実施の形態3との差異は、実施の形態2が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、誤認エリアテーブル34、施設DB15、誤認エリア施設辞書生成部36、施設検索部17、検出結果出力部18)に、ユーザが誤認エリアテーブル34に登録されている誤認エリア毎に認識させている回数を記憶するエリアテーブル内認識回数記憶部58と、当該回数の頻度により誤認エリアの範囲の増減を決める誤認エリア範囲調整部59とを付加したことにある。
【0072】
エリアテーブル内認識回数記憶部58は、誤認エリアテーブル34内の旧エリア項目毎に音声認識による検索が行われた回数を記憶し、施設検索部17において誤認エリア内の音声認識による検索が行われた場合、エリアテーブル内認識回数記憶部58は、誤認エリアテーブル34内の誤認エリア項目毎に音声認識による検索が行われた回数を更新する。
誤認エリア範囲調整部59は、エリアテーブル内認識回数記憶部58に記憶される誤認エリア項目毎の音声認識による検索が行われた回数を参照し、当該回数と、システムが定めた頻度との比較を行う。すなわち、誤認エリア範囲調整部59は、ユーザの誤認地名の選択頻度により誤認度を判定し、誤認エリアの範囲の増減を決定する。
【0073】
例えば、誤認エリアテーブル34の内容は、行政区界から数キロ以内の全域の座標群を不正解エリアのテーブルの初期セットとする。そして、誤認エリアテーブル34の座標群は、ユーザが間違い地名を選択する頻度に応じて、行政区界からの距離を変更することにより動的に変更される。
ここで、間違いの頻度が大の場合、周辺を含めてより広い範囲でユーザが誤解している可能性が高いと判定し、誤認エリア項目に対する座標群を増やすように調整する。増やし方は、行政区界からのキロ数を10kmから20kmのように増加させる。間違いの頻度が小の場合は、正しく認識しつつある可能性があると判定し、誤認エリア項目に対応する座標群を減らすように調整する。減らし方は、行政区界からのキロ数を10kmから5kmのように減少させる。頻度0の場合は、正しく認識している可能性大と判定し、誤認テーブル34内項目を無効化する。あるいはテーブルから削除する。
【0074】
なお、誤認エリア選択回数と誤認エリア座標群の増減は、誤認エリア選択回数と線形比によって動的に変更することもできる。また、誤認エリア選択回数と誤認エリア座標群の増減は、現時点より例えば1年前までの一定期間内の誤認エリア選択回数から決定することもできる。
【0075】
上記した実施の形態13によれば、ユーザの誤認エリアの検索頻度に応じて、ユーザの誤認エリアを検索する範囲を増減する構成とすることにより、ユーザの間違い地名を選択する頻度からユーザのエリアの間違いやすさを推定し、ユーザの力量に応じて間違いエリアを減少させ、または無効化させることができる。また、ユーザが間違ったエリア名を読み上げる可能性を予測し、その範囲を事前に予測することができる。
【0076】
実施の形態14.
図14は、この発明の実施の形態14に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜13同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図3に示す実施の形態3との差異は、実施の形態2が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、誤認エリアテーブル34、施設DB15、誤認エリア施設辞書生成部36、施設検索部17、検出結果出力部18)に、音声認識による施設名検索時に、誤認エリア施設辞書320を参照した場合に誤認エリアテーブル34の内容をユーザに提示するテーブル内容フィードバック部60と、ユーザからの認識結果が正しい施設名と誤認地点で検索された施設名が両方検索された場合、正施設からの認識結果を優先提示する正施設認識結果優先部61とを付加したことにある。
【0077】
正施設認識結果優先部61は、誤認地名で検索された施設と正地名の施設が両方検索された場合に、正地名の検索結果を優先させる。例えば、正地名「横浜市の西友」(鶴見区など)と誤認地名の「横浜市の西友」(鎌倉市など)が検索結果としてあがった場合、前者だけを提示する、または前者、後者の順で提示する。または前者を提示し、後者に実施例4のフィールドバックをつけて提示する。
【0078】
上記した実施の形態14によれば、検索結果、正しいエリア名と、誤認エリア名での認識結果の両方が提示された場合に、正しいエリア名による提示を段階的に優先提示する構成をとることで、誤認エリアによる検索を容認するだけでなく、正しい認識結果が別にあることをユーザに意識付けすることができる。
【0079】
なお、上記した施設検索装置1を構成する各ブロックがそれぞれ持つ機能は、施設検索装置1が内蔵するメモリに記憶されたプログラムをCPUが読み出し逐次実行することにより達成されるものであって、あくまでも説明の簡略化のために各機能ブロックに分けて表現したものである。CPU、メモリは図示省略してある。また、上記した各ブロックの機能は、全てをソフトウェアによって実現しても、あるいはその少なくとも一部をハードウエアで実現してもよい。
【0080】
また、このとき、上記した曖昧エリアテーブル14、旧エリアテーブル24、誤認エリアテーブル34のそれぞれは、不図示のメモリに割当てられ記憶され(それぞれ第1の記憶部、第4の記憶部、第6の記憶部)、施設DB(第2の記憶部)15、曖昧エリア施設辞書認識辞書(第3の記憶部)120、旧エリア施設辞書(第5の記憶部)220、誤認エリア施設辞書(第7の記憶部)320も同様にメモリに割当てられ格納される。なお、ここで使用されるメモリは、例えば、不揮発性の記憶デバイス(不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置、光ディスク装置など)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(例えばSRAM、DRAM)などによって構成される。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】この発明の実施の形態1に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態2に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態3に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態4に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態5に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態6に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態7に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図8】この発明の実施の形態8に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態9に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図10】この発明の実施の形態10に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図11】この発明の実施の形態11に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図12】この発明の実施の形態12に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図13】この発明の実施の形態13に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図14】この発明の実施の形態14に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図15】この発明の実施の形態1に係る施設検索装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図16】この発明の実施の形態1に係る施設検索装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図17】この発明の実施の形態2に係る施設検索装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図18】この発明の実施の形態2に係る施設検索装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図19】この発明の実施の形態3に係る施設検索装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図20】この発明の実施の形態3に係る施設検索装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図21】この発明の実施の形態1に係る施設検索装置において使用される曖昧エリアテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図22】この発明の実施の形態2に係る施設検索装置において使用される旧エリアテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図23】この発明の実施の形態3に係る施設検索装置において使用される誤認エリアテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0082】
1 施設検索装置(車載ナビゲーション装置)、2 タッチパネル、11 音声入力部、12,22,32 認識辞書、13 音声認識部、14 曖昧エリアテーブル(第1の記憶部)、15 施設DB(第2の記憶部)、16 曖昧エリア施設辞書生成部、17 施設検索部、18 検索結果出力部、24 旧エリアテーブル(第4の記憶部)、26 旧エリア辞書生成部、34 誤認エリアテーブル(第6の記憶部)、36 誤認エリア辞書生成部、120 曖昧エリア施設辞書(第3の記憶部)、220 旧エリア施設辞書(第5の記憶部)、320 誤認エリア施設辞書(第7の記憶部)。
【技術分野】
【0001】
この発明は、ナビゲーション装置に適用して好適な、施設検索装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置に適用される音声認識装置で施設名検索を行う場合、例えば、「神奈川県 小田原城」、「横浜市 山下公園」のように、施設が属するエリア(都道府県、市区町村等の行政区)を施設名に先行して発話させることが通常行なわれる。
従来、音声認識処理が効率良く実現できるように、特定の地域の認識を試み、認識できなかった場合に隣接する地域の認識処理を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平8−328584号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した背景技術によれば、ユーザは、施設が属する正確な行政区を把握していないケースがあり、そのようなユーザにとっては使い勝手が悪いものになっている。
例えば、「湘南」等、ユーザが知っているエリアが複数の行政区を含むような曖昧エリアになっている場合であったり、例えば、「相模湖町」等、ユーザが知っているエリアが統廃合により現存しなくなった旧エリア(新エリアは相模原市)であったり、例えば、「東京のディズニーランド」等、ユーザが知っているエリアが隣接または周辺エリアと混同されている誤認エリア(正確には千葉のディズニーランド)であったりした場合である。
【0005】
また、特許文献1に開示された技術によれば、誤認識の度に改めて隣接地域の認識開始を行うのは演算量の無駄であり、誤認識の度に全ての隣接地域全体を検索範囲に設定するのは範囲を拡大し過ぎであり、場合によっては所望の地点とは異なる地点を検索する恐れがある。
それよりはあらかじめ誤認識を予測した辞書を用意し、あらかじめ誤認識が予測される境界部分のエリアだけを認識対象とすることで、誤認識後の処理を追加する必要がなく、効率よく隣接エリアを検索範囲に加えることができる。
【0006】
この発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、上記した曖昧エリア、旧エリア、誤認エリアのいずれにおいても、それらに属する施設名を音声認識により検索可能なであり、かつ、使い勝手の向上をはかった施設検索装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る施設検索装置は、意図する行政区の範囲が定義されていないもしくは周知されていない結果、意図する範囲についての認知に個人差が生じるエリアを曖昧エリアとし、少なくとも前記曖昧エリア名およびその読みと、前記曖昧エリアに属する行政区名およびその読みと、前記行政区に含まれる地図上の座標とからなる曖昧エリアテーブルがあらかじめ記憶された第1の記憶部と、少なくとも、施設名の読みと、対応する施設の地図上の座標とからなる施設データが格納された第2の記憶部と、前記第2の記憶部を参照し、任意の施設の地図上の座標が、前記第1の記憶部における曖昧エリアに対応する行政区の地図上の座標の集合に一致し、もしくは包含される場合に、少なくとも前記曖昧エリア名と施設名の読みとからなる曖昧エリア施設辞書を生成する曖昧エリア辞書生成部と、前記生成された曖昧エリア施設辞書を記憶する第3の記憶部と、前記曖昧エリアの施設名の読みが音声入力された場合に、前記第3の記憶部を参照して、前記曖昧エリア範囲に含まれる施設名を検索して出力する検索結果出力部とを備えたものである。
【0008】
この発明に係る施設検索装置は、行政区の統廃合により地図上に現存しないエリアを旧エリアとし、少なくとも、現存しない前記旧エリア名およびその読みと、前記旧エリアに対応する新エリア名である行政区名およびその読みと、前記行政区に含まれる地図からなる旧エリアテーブルがあらかじめ記憶された第4の記憶部と、少なくとも、施設名の読みと、対応する施設の地図上の座標とからなる施設データが格納された第2の記憶部と、前記第2の記憶部を参照し、任意の施設の地図上の座標が、前記第3の記憶部における旧エリアに対応する行政区の地図上の座標の集合に一致し、もしくは包含される場合に、少なくとも前記旧エリア名と施設名の読みとからなる旧エリア施設辞書を生成する旧エリア辞書生成部と、前記生成された旧エリア施設辞書を記憶する第5の記憶部と、前記旧エリアの施設名の読みが音声入力された場合に、前記第5の記憶部を参照して、前記旧エリア範囲に含まれる施設名を検索して出力する検索結果出力部とを備えたものである。
【0009】
この発明に係る施設検索装置は、混同しやすい隣接エリアを含む近傍の周辺エリアを誤認エリアとし、少なくとも、前記誤認エリア名およびその読みと、前記誤認エリアが実際に対応する行政区名およびその読みと、前記行政区近傍の地図上の座標とからなる誤認エリアテーブルがあらかじめ記憶された第6の記憶部と、少なくとも、施設名の読みと、対応する施設の地図上の座標とからなる施設データが格納された第2の記憶部と、前記第2の記憶部を参照し、任意の施設の地図上の座標が、前記第6の記憶部における誤認エリアに対応する行政区近傍の地図上の座標の集合に一致し、もしくは包含される場合に、少なくとも前記誤認エリア名と施設名の読みとからなる誤認エリア施設辞書を生成する誤認エリア辞書生成部と、前記生成された誤認エリア施設辞書を記憶する第7の記憶部と、前記誤認エリアの施設名の読みが音声入力された場合に、前記第7の記憶部を参照して、前記誤認エリア範囲に含まれる施設名を検索して出力する検索結果出力部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、曖昧エリア、旧エリア、誤認エリアのいずれにおいても、それらに属する施設名を音声認識により検索可能であり、また、使い勝手の向上をはかることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。ここでは、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
車載ナビゲーション装置は、図1に示されるように、音声入力部11と、認識辞書12と、音声認識部13と、曖昧エリアテーブル(第1の記憶部)14と、施設DB(第2の記憶部)15と、曖昧エリア施設辞書生成部16と、施設検索部17と、検索結果出力部18とを有する。
【0012】
音声入力部11は、ユーザにより発話される音声をナビゲーション装置1に取込んで音声認識部13へ出力する。認識辞書12は、曖昧エリア施設辞書(第3の記憶部)120と、認識対象となる住所を登録した住所辞書121と、都道府県名または市町村名とそこに属する施設名を登録した施設辞書122と、コマンド辞書123などからなる。音声認識部13は、認識辞書12を参照してユーザの発話内容を認識し、認識結果を得る。
なお、曖昧エリアテーブル14には、あらかじめ、曖昧なエリア名およびその読みと、そこに属する行政区などの地名、読み、地図上の座標データが登録される。施設DB15は、施設名の名称、読み、ジャンル、地図上の座標とからなる。曖昧エリア施設辞書生成部16は、施設DB15と曖昧エリアテーブル14とを参照して曖昧エリア施設辞書を生成する。
【0013】
施設検索部17は、音声認識部13による音声認識結果から県名や施設名を検出して施設検索を行い、検索結果出力部18へ供給する。検索結果出力部18は、施設検索部17による検索結果を例えば不図示のモニタ画面に表示し、あるいは不図示のスピーカに音声出力してユーザに検索結果を提示する。
【0014】
ここで、施設辞書122は、現状の音声認識の性能を考慮して施設が所属する都道府県別または市区町村別に分割されており、階層化されている。そのため、施設名を音声認識するためには、通常、「都道府県名+施設名」、または、「市町村名+施設名」のような形式(都道府県名や市区町村名に続けて施設名を発話する)で、施設が所属する都道府県名または市区町村名の発話が必要となる。
施設DB15は、音声認識、または手動操作により検索される施設を地図上の画面に表示するために必要なデータベースであり、施設の名称、読み、ジャンル、地図上の座標等の情報により構成される。曖昧エリアテーブル14は、上記都道府県や市区町村などの一般的な行政区では括れないような、複数の行政区を含み、あるいは、複数の行政区内を横断するなど、その境界が行政区界に比べて曖昧な地域である曖昧エリアの情報を予め用意されているテーブルである。
【0015】
図21に、曖昧エリアテーブル14のデータ構造の一例が示されている。例えば、「湘南」や、「阪神間」や、「下町」など、きちんとした地区の範囲が定義されていない、または周知されておらず、その結果、対象となる範囲についての認識に個人差が生じているエリアが曖昧エリアに相当する。データ項目は、曖昧エリアの名称と、読み、その曖昧エリアに属する行政区の名称と読み、そしてその行政区を構成する座標の集合などからなる。
曖昧エリアテーブル14における曖昧エリアは一般的な地名ばかりではなく、地名の略称や俗称でもよい。曖昧エリアテーブル14の初期セツトテーブルにおける曖昧エリアは一般的な地名ばかりではなく、地名の略称や俗称でもよい。曖昧エリアテーブル14の初期セットは、統計やアンケートによる集計や、百科事典や歴史書における定義内容を引用することなどでまず決定してもよい。
【0016】
図15に、曖昧エリア施設辞書生成部16による曖昧エリア施設辞書生成のための処理の流れがフローチャートで示されている。
すなわち、曖昧エリア施設辞書生成部16は、曖昧エリア施設辞書120の更新イベント発生の都度(ステップST151“Yes”)、検索対象となる施設名の名称と座標を曖昧エリアテーブル14と照らし合わせる(ステップST152)。ここで、施設名の座標がある曖昧エリアに対応する行政区の座標の集合に一致、または包含される場合に(ステップST153“Yes”)、「曖昧エリア名+施設名」という読みからなる曖昧エリア施設辞書120を生成する(ステップST154)。
【0017】
例えば、「鎌倉プリンスホテル」で曖昧エリアテーブル14を参照すると、当該施設の座標は曖昧エリア「湘南」に対応する「鎌倉(市)」に包含されるため、曖昧エリア施設辞書「湘南+鎌倉プリンスホテル」が作られる。
ここで、曖昧エリア施設辞書120は、「湘南 鎌倉プリンスホテル」、「湘南の鎌倉プリンスホテル」となり、そのような音節を入力することで当該施設が神奈川県や鎌倉市に存在することを意識することなく音声で検索することができる。また、元の施設辞書122で「鎌倉プリンスホテル」の言い換えとして、「プリンスホテル」「プリンス」が登録済みであれば、「湘南のプリンスホテル」「湘南プリンス」といったより曖昧な表現で施設検索を実現できる。
【0018】
このような曖昧エリア施設辞書120が作られることにより、施設が所属する正しい行政区がわからなくても、より曖昧なエリアを付随させた発声によって施設検索できるというユーザメリットを実現することができる。
【0019】
図16に、発話の音声認識から検索結果表示までの処理の流れが示されている。すなわち、図16のフローチャートにおいて、ユーザの発話はマイクを通じて音声入力部11によりナビゲーション装置に入力され(ステップST161)、音声認識部13により認識結果に変換される(ステップST162)。
認識結果の中で曖昧エリア名を含む施設名は、施設検索部17により曖昧エリア名を含む施設辞書122を参照して検出される(ステップST163〜ST165)。そして施設DB15を検索し、検索結果出力部18により、検索結果の名称や地点位置を示す地図などが不図示のモニタに表示され、あるいはスピーカを通じて音声出力される(ステップST166〜ST170)。
【0020】
なお、ステップST163の処理において、曖昧エリアに含まれない場合は(ステップST163“No”)、都道府県名または市区町村名を認識して施設名を認識し(ステップST168、ST169)、施設DB15を検索する(ST166)。そして、検索結果出力部18により、検索結果の名称や地点位置を示す地図などが不図示のモニタに表示され、あるいはスピーカを通じて音声出力される(ステップST166〜ST170)。
また、施設名の代わりにジャンル名やブランド名を対象として、曖昧エリア内に所属するジャンルまたはブランドを音声認識により検索する構成にすることもできる。
【0021】
上記した実施の形態1によれば、ユーザが、施設が存在する正確な都道府県や市区町村などの正確な行政区を知らない、または正確に意識していない場合でも、ユーザが発話しそうな曖昧なエリアと、それに属する施設名を認識可能とすることで、使い勝手が良く、効率的な施設検索が可能になる。このことにより、例えば、「湘南」など曖昧なエリアの場合でもそれらに属する施設名を音声認識により検索することができる。
【0022】
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図2に示されるように、車載ナビゲーション装置は、現存しない古いエリア名と、その現在のエリア名に相当する行政区などの地名の名称・読み・座標データが記録される旧エリアテーブル(第4の記憶部)24と、施設DB(第2の記憶部)15と、旧エリアテーブル24を参照して旧エリア施設辞書220を生成する旧エリア施設辞書生成部26とを有する。音声入力部11、音声認識部13、施設DB15、施設検索部17、検索結果出力部18については実施の形態1と同様であるため、ここでの説明は重複を回避する意味で省略する。
【0023】
旧エリアテーブル24は、昨今の地域統廃合によって現在の地図から消えてしまっている古い行政区などのエリアである旧エリアの情報が予め用意されたテーブルである。
図22に、旧エリアテーブル24のデータ構造の一例が示されている。例えば、「兵庫県三原町」や「兵庫県南淡町」は合併して「兵庫県南あわじ市」が新たに作られ、また、「兵庫県吉川町」は「兵庫県三木市」に吸収合併されている。この「三原町」や「南淡町」や「吉川町」などは現在の施設DB15や住所辞書121から消えているため、これらの名称を用いた施設検索は難しい。このようにして現存しない地域が旧エリアに相当する。
データ項目は、旧エリアの名称と読み、その旧エリアに対応する現在の行政区の名称と読み、そしてその行政区を構成する座標の集合などからなる。
【0024】
図17に、旧エリア施設辞書生成部26による旧エリア施設辞書生成のための処理の流れがフローチャートで示されている。
旧エリア施設辞書生成部26は、旧エリアテーブル24の更新タイミングが到来すると(ステップST171“Yes”)、まず、検索対象となる施設名の名称と座標を曖昧エリアテーブルと照合する(ステップST172)。施設名の座標がある旧エリアに対応する行政区の座標の集合に一致または包含される場合(ステップST173“Yes”)、「旧エリア名+施設名」という読みからなる旧エリア施設辞書を生成する(ステップST174)。
【0025】
例えば、「人形浄瑠璃博物館」を旧エリアテーブル24に参照させると、当該施設の座標は新エリア「南あわじ市」の一部に対応する「南淡町」に包含されるため、旧エリア施設辞書220「南淡(町)+人形浄瑠璃館」が作られる。
ここで旧エリア施設辞書220は、「南淡町 人形浄瑠璃館」「南淡町」の「人形浄瑠璃館」「南淡の人形浄瑠璃博物館」となり、そのような音声を入力することで当該施設が属する行政区は南淡町でなく南あわじ市に変更されていることを意識することなく音声で検索することができる。また、元の施設辞書122にて「人形浄瑠璃博物館」の言い換え語として「浄瑠璃博物館」「浄瑠璃館」が登録済みであれば「南淡の人形浄瑠璃館」といったより曖昧な表現で施設検索を実現できる。
【0026】
このような旧エリア施設辞書220が作られることにより、施設が所属する現在の新しい行政区名がわからなくても、通常データベースから除かれているような古いエリア名を付随させた発声によって施設検索できるというユーザメリットを実現することができる。以上が施設辞書生成の流れである。
【0027】
図18に、発話の音声認識から検索結果表示までの処理の流れが示されている。すなわち、図18のフローチャートにおいて、ユーザの発話はマイクを通じて音声入力部11により車載ナビゲーション装置に入力され(ステップST181)、音声認識部13により認識結果に変換される(ステップST182)。
認識結果の中で旧エリア名を含む施設名は、施設検索部17により旧エリア名を含む施設名語彙を含む施設辞書220を参照して検出される(ステップST183〜ST185)。そして施設DB15を検索し(ステップST186)、検索結果出力部18により、検索結果の名称や地点位置を示す地図などが不図示のモニタに表示され、あるいはスピーカを通じて音声出力される(ステップST187、ST190)。
【0028】
なお、ステップST183の処理において、旧エリアに含まれない場合は(ステップST183“No”)、都道府県名または市区町村名を認識して施設名を認識し(ステップST188、ST189)、施設DB15を検索する(ステップST186)。なお、施設名の代わりに、ジャンル名やブランド名を対象とし、旧エリア内に所属するジャンルまたはブランドを音声認識により検索する構成にすることもできる。
【0029】
上記した実施の形態2によれば、ユーザが施設の存在する現在の市区町村などの新しい行政区名を知らない、または行政区の変更を意識していない場合でも、ユーザが発話しそうな古いエリア名とそれに属する施設名を認識可能とすることで、ユーザにとって使いやすい効率的な施設検索が可能になる。このことにより、例えば、「兵庫県南淡町」など古いエリアの場合でもそれらに属する施設名を音声認識により検索することができる。
【0030】
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態3に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1、2同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図3に示されるように、隣接または周辺にある間違いやすいエリア名とその本当のエリア名に相当する行政区などの地名の名称・読み・座標データが記録される誤認エリアテーブル34、施設DB15と誤認エリアテーブル34を参照して誤認エリア辞書320を生成する誤認エリア施設辞書生成部36とを有する。音声入力部11、音声認識部13、施設DB15、施設検索部17、検索結果出力部18については実施の形態1、2と同様であるため、ここでの説明は重複を回避する意味で省略する。
【0031】
誤認エリアテーブル(第6の記憶部)34は、隣接または周辺にある間違えやすい行政区などのエリアである誤認エリアの情報を予め用意されているテーブルである。
図23に、誤認エリアテーブル34のデータ構造の一例が示されている。例えば、「横浜市」において「鎌倉市」に隣接される一部の地域は「鎌倉市」、「川崎市」に隣接される一部の地域は「川崎市」として登録される。このような隣接または周辺エリアに間違われる、または間違われやすい地域が誤認エリアに相当する。情報の内容は誤認エリアの名称と読み、その誤認エリアに対応する間違われた行政区の名称と読み、そして、その行政区を構成する座標の集合などからなる。ちなみに座標の集合は当該行政区全域の座標群ではなく、誤認エリアに隣接する境界周辺部分の座標群に限られる。例えば、隣接境界から誤認エリア側に10kmのエリアの座標群などとする。
【0032】
図19に、誤認エリア施設辞書生成部36による誤認エリア施設辞書生成のための処理の流れがフローチャートで示されている。
誤認エリア施設辞書生成部36は、誤認エリアテーブル34の更新タイミングが到来すると(ステップST191“Yes”)、まず、検索対象となる施設名の名称と座標を誤認エリアテーブル34に照らしあわされる(ステップST192)。施設名の座標がある誤認エリアに対応する行政区の座標の集合に一致または包含される場合に(ステップST193“Yes”)、「誤認エリア名+施設名」という読みからなる誤認エリア施設辞書320を生成する(ステップST194)。
【0033】
例えば、横浜市にある「大船ラドン温泉」を誤認エリアテーブル34に参照させると、当該施設の座標は「横浜市」の一部に対応する「鎌倉市」との隣接部分の座標に包含されるため、誤認エリア施設辞書320「鎌倉(市)+大船ラドン温泉」が作られる。
ここで、誤認エリア施設辞書320は、「鎌倉市 大船ラドン温泉」「鎌倉の大船ラドン温泉」となり、そのような音声を入力することで当該施設が属する行政区は実際には鎌倉市ではなく横浜市に所在することを意識することなく音声で検索することができる。また元の施設辞書にて「大船ラドン温泉」の言い換え語として「ラドン温泉」「大船ラドン」が登録済みであれば「鎌倉市のラドン温泉」「鎌倉の大船ラドン」といったより曖昧な表現で施設検索を実現できる。
【0034】
このような誤認エリア施設辞書320が作られることにより、施設が所属する正確な行政区名がわからなくても、多くの人が間違いがちな周辺のエリア名を付随させた発声によって施設検索できるというユーザメリットを実現することができる。
【0035】
図20に、発話の音声認識から検索結果表示までの処理の流れが示されている。すなわち、図20のフローチャートにおいて、ユーザの発話はマイクを通じて音声入力部11によりナビゲーション装置に入力され(ステップST201)、音声認識部13により認識結果に変換される(ステップST202)。
認識結果の中で誤認エリア名を含む施設名は、施設検索部17により誤認エリア名を含む施設名語彙を含む施設辞書322を参照して検出される。この際には施設辞書322を参照して正しいエリア内での検出も同時に行われる。そして、正しいエリア内での認識結果がなければ誤認エリア内での認識結果が検出される(ステップST203、ST204)。
【0036】
例えば、「鎌倉市のラドン温泉」の場合は正しいエリア「鎌倉市」に属する「ラドン温泉」と誤認エリア「鎌倉市」(実際には横浜市や逗子市などの鎌倉市との境界付近)に属する「ラドン温泉」が検索される。正しいエリアと誤認エリアのどちらの認識結果を提示するかは、音響尤度などの音声認識の尺度により決定される。
そして施設DB15を検索し、検索結果出力部18により、検索結果の名称や地点位置を示す地図などがモニタに表示され、スピーカを通じて音声出力される(ステップST205、ST206)。
【0037】
また、施設名の替わりにジャンル名やブランド名を対象とし、誤認エリア内に所属するジャンルまたはブランドを音声認識により検索する構成にすることもできる。また、誤認エリアの項目として実施の形態1で説明した曖昧エリアを対象とすることもできる。例えば、「湘南」の誤認エリアとしては、「湘南」に所属する行政区の誤認エリアが対象となり、「鎌倉市」や「藤沢市」などの誤認エリアが継承される。
但し、同じ曖昧エリアに含まれているエリア、例えば「鎌倉市」の誤認エリアの「藤沢市」所属部分等は、誤認エリア扱いは不要となる。
【0038】
上記した実施の形態3によれば、ユーザが施設の存在する都道府県や市区町村などの正確な行政区名を知らない、または隣接の行政区に存在すると勘違いしているような場合でも、ユーザが発話する可能性の高い誤っているエリア名と検索対象である施設名を認識可能とすることで、使い勝手が向上し、効率的な施設検索が可能になる。このことにより、例えば、「東京都のディズニーランド」のような検索対象エリアが正しくないような場合でも隣接エリアであれば、この組み合わせによって施設名を音声認識により検索できる。
【0039】
実施の形態4.
図4は、この発明の実施の形態4に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜3同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図1に示す実施の形態1との差異は、実施の形態1が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、曖昧エリアテーブル14、施設DB15、曖昧エリア施設辞書生成部16、施設検索部17、検出結果出力部18)に、ユーザに現在曖昧エリアテーブルの内容を提示するテーブル内容表示部41と、ユーザからの入力によって曖昧エリアテーブルの内容を編集できるテーブル内容編集部42が付加されたことにある。テーブル内容表示部41とテーブル内容編集部42とは、ユーザインタフェースとなる、例えば、タッチパネル2に接続される。
【0040】
テーブル内容表示部41は、曖昧エリアテーブル14内の各データ項目をタッチパネル2上に表示する。表示方法としては、タッチパネル2上に「曖昧エリア」メニューを用意し、タッチ操作により当該メニュー選択により曖昧エリア項目をリスト表示し、リスト上の曖昧エリア項目をタッチ操作で選択することにより曖昧エリアに含まれる行政区をリスト表示する方法があげられる。あるいは、リストの替わりに行政区を2次元地図のように表示し、曖昧エリアに含まれる行政区のみ色付きにする等して画面表示する方法も考えられる。テーブル内容編集部42は、リストまたは2次元画面表示された行政区をタッチし、または音声認識により追加または削除することにより編集を行う。
例えば、曖昧エリア「湘南」の場合、リスト上にある「平塚市」をタッチ操作により選択して削除メニューを用いて削除し、あるいは、リスト外項目である「横須賀市」をタッチ操作して追加メニューで削除するなどの方法が考えられる。タッチ操作の代わりに手動キー操作による表示および編集も可能である。
【0041】
また、曖昧エリアテーブル14における曖昧エリアをユーザが新規追加する構成も可能である。その場合は、曖昧エリアの名称と読みはユーザが指定し、座標群は曖昧エリアに含まれる行政区から自動的に生成される。
また、曖昧エリアテーブル14の代わりに旧エリアテーブル24(図2)、曖昧エリア施設辞書生成部16の代わりに旧エリア施設辞書生成部26とし、旧エリアテーブル24のデータ項目を削除する等の編集も同様に可能である。更に、曖昧エリアテーブル14の代わりに誤認エリアテーブル34、曖昧エリア施設辞書生成部16の代わりに誤認エリア施設辞書生成部36(図3)とし、誤認エリアテーブル34のデータ項目を削除する等の編集も同様に可能である。
【0042】
また、タッチパネル操作や手動キー操作による編集の代わりに、音声によるエリアテーブル編集モードに誘導し、例えば、「削除」を認識後に、認識する行政区の入力を促し、「平塚」を認識した場合は「湘南から平塚市を削除します/よろしいですか/はい、またはいいえでお答えください」のように音声認識と音声出力の併用によってテーブルを編集する構成にすることも可能である。
【0043】
上記した実施の形態4によれば、曖昧エリア、旧エリア、および誤認エリアをユーザによってカスタマイズできることができ、ユーザにとってわかりやすい地名をユーザにとってわかりやすい内容に編集することができ、このことにより、より使い勝手の良い音声による施設検索を実現させることができる。
【0044】
実施の形態5.
図5は、この発明の実施の形態5に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜4同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図1に示す実施の形態1との差異は、実施の形態1が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、曖昧エリアテーブル14、施設DB15、曖昧エリア施設辞書生成部16、施設検索部17、検出結果出力部18)に、実施の形態4で説明したテーブル内容編集部42、および音声認識による施設名検索時に、曖昧エリア施設辞書120を参照した場合に曖昧エリアテーブル14の内容をユーザに提示するテーブル内容フィードバック部44を付加したことにある。
【0045】
テーブル内容フィードバック部44は、曖昧エリアによる施設検索が行われた場合、検索結果出力部18で検索結果を提示後、曖昧エリアテーブル14内の当該曖昧エリアの情報に関するフィードバックメッセージを生成し、検索結果出力部18を介して提示する。例えば、フィードバックメッセージとしては、「湘南は鎌倉市、逗子市、〜平塚市からなります。これでよろしいですか」等の問い合わせ音声となる。
これに対するユーザ応答を音声認入力部11が取得し、音声認識部13が内蔵の音声認識辞書を用いて音声認識し、ユーザ応答がYesの場合は当該曖昧エリアに対するフィードバックメッセージの提示は行わない。ユーザ応答がNoの場合はテーブル内容編集モードに誘導し、ユーザに、テーブル内容編集部42による曖昧エリアテーブル14の編集操作を促す。フィードバックメッセージの提示は、各曖昧エリアに対して初回のみとすることができる。
【0046】
上記した実施の形態5によれば、施設名検索時に曖昧エリアの内容をユーザに提示し、曖昧エリアテーブル14に定義されていたら、その地名でよいかをユーザに問い合わせ、編集することができ、ユーザにとって曖昧な情報の解消をさせながら、ユーザにとって使い勝手の良い音声による施設検索を実現させることができる。
【0047】
実施の形態6.
図6は、この発明の実施の形態6に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜5同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図2に示す実施の形態2との差異は、実施の形態2が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、旧エリアテーブル24、施設DB15、旧エリア施設辞書生成部26、施設検索部17、検出結果出力部18)に、音声認識による施設名検索時、旧エリア施設辞書220を参照した場合に旧エリアテーブル24の内容をユーザに提示するテーブル内容フィードバック部45を付加したことにある。
【0048】
テーブル内容フィードバック部45は、旧エリアによる施設検索が行われた場合、検索結果出力部18で検索結果を提示後、旧エリアテーブル24を参照して現在の地名をユーザに伝えるためのフィードバックメッセージを生成し、検索結果出力部18を介してユーザに提示させる。例えば、フィードバックメッセージとしては、「南淡町は合併し、現在南あわじ市です」等の音声内容となる。フィードバックメッセージの提示は、各旧エリアに対して初回のみとすることができる。
【0049】
また、旧エリアテーブル24の代わりに誤認エリアテーブル34、旧エリア施設辞書生成部26の代わりに誤認エリア施設辞書生成部36とすることができ、この場合、テーブル内容フィードバック部45は、誤認エリアによる施設検索が行われた場合、検索結果出力部18で検索結果を提示後、誤認エリアテーブル34を参照して正しい地名をユーザに伝えるためのフィードバックメッセージを生成し、検索結果出力部18を介してユーザに提示する。
例えば、フィードバックメッセージは「町田駅は正式には東京都です」等の音声内容となる。フィードバックメッセージの提示は、各誤認エリアに対して初回のみとすることができる。さらに、フィードバックメッセージを続けて、ユーザに正しい地名を認識させることで確認するダイアログを用意する構成にすることも可能である。例えば「次回は正しい地名で入力していただけますか」と問い合わせを行い、ユーザの対応がNOの場合は変更せず、Yesの場合は、当該誤認エリアを誤認エリアテーブル34から削除して内容を更新する。
【0050】
上記した実施の形態6によれば、施設検索時に旧エリアや誤認エリアの内容をユーザに提示して、旧エリアテーブル24または誤認エリアテーブル34に定義されていたら、ユーザに現在の地名や正しい地名を認識させることができ、ユーザに、鮮度が高い正確な情報提供を行いながら、使い勝手の良い音声による施設検索を実現させることができる。
【0051】
実施の形態7.
図7は、この発明の実施の形態7に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜6同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図2に示す実施の形態2との差異は、実施の形態2が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、旧エリアテーブル24、施設DB15、旧エリア施設辞書生成部26、施設検索部17、検出結果出力部18)に、外部にあるサーバ(不図示)から行政区の統廃合にかかわる改廃情報をインターネット等の通信手段を介して受信する行政区更新情報取得部46と、行政区更新情報取得部46により取得した行政区更新情報を基に旧エリアテーブル24の内容を更新する旧エリアテーブル更新部47とを付加したことにある。
【0052】
行政区更新情報取得部46は、例えば、携帯電話等によりインターネット網をアクセスして得た情報受信などにより、外部サーバから送られる行政区改廃情報を取得する。行政区改廃情報には改廃前後の新旧の行政区名とその読みと改廃時期が含まれている。
旧エリアテーブル更新部47は、その行政区改廃情報を参照して旧エリアテーブル24を更新する。旧エリアテーブル24の更新に関し、名称と読みは行政区改廃情報から取得し、座標群は旧行政区から取得する。旧エリア施設辞書生成部26は、更新された旧エリアテーブル24を参照し、新しいエリア名が施設辞書222にない場合は新エリア名辞書を施設辞書222に作成し、さらに、旧エリアテーブル24を参照して旧エリア施設辞書220を変更する。この変更された施設辞書222と旧エリア施設辞書220は、行政区改廃情報の改廃時期が来たときに有効化することができる。
【0053】
上記した実施の形態7によれば、新旧エリアの両方を認識可能とするエリア辞書を自動生成することができ、行政区の改廃のタイミングに辞書を有効化することができ、最新の行政区改廃に対応した音声による施設検索を実現することができる。
【0054】
実施の形態8.
図8は、この発明の実施の形態8に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜7同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図2に示す実施の形態2との差異は、実施の形態2が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、旧エリアテーブル24、施設DB15、旧エリア施設辞書生成部26、施設検索部17、検出結果出力部18)に、実施の形態7で説明した行政区更新情報取得部46と、ユーザが車載ナビゲーション装置上で設定した目的地履歴を記憶する目的地履歴記憶部48と、新旧住所リストと目的地履歴を参照して過去の目的地がリストに含まれ、且つ住所の変更の時点を経過している場合に旧エリアテーブル24を自動生成する旧エリアテーブル生成部49とを付加したことにある。
【0055】
目的地履歴記憶部48は、ユーザが過去に設定した目的地の情報を記憶する。旧エリアテーブル生成部49は、目的地履歴と行政区更新情報取得部46から取得された新旧住所リストから旧エリアテーブ24を自動生成する。新旧住所リストは、上記した実施の形態7で説明した行政区改廃情報の集成形態とする。
例えば、過去の目的地履歴が存在するエリアと、目的地に設定された時期とから、新旧住所リストを参照して目的地履歴の存在したエリアが旧エリア時代のものか否かを判別し、旧エリア時代だった場合に旧エリアテーブル24を生成する。旧エリアテーブル24の生成の仕方は、上記した実施の形態7と同様であるため、重複を回避する意味でここでの説明は省略する。また、目的地履歴の代わりに、ユーザからの音声認識による住所や施設名の履歴を用いることもでき、音声認識で検索された住所や施設の地点を含むエリアと音声認識された時点から旧エリアテーブル24の生成を行うこともできる。
【0056】
上記した実施の形態8によれば、ユーザが過去に出かけた場所や認識した場所から、ユーザが意図する旧エリアを動的に予測することができ、エリア名変更によるとまどいをユーザに与えることなく、使い勝手の良い音声による施設名検索を実現することができる。
【0057】
実施の形態9.
図9は、この発明の実施の形態9に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜8同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図1に示す実施の形態1との差異は、実施の形態1が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、曖昧エリアテーブル14、施設DB15、曖昧エリア施設辞書生成部16、施設検索部17、検出結果出力部18)に、実施の形態8で説明した目的地履歴記憶部48と、目的地履歴からユーザが頻繁に出かけるエリアを自動判別する行き先エリア判別部50と、行き先エリア判別部51により判別されたユーザが頻繁に出かけるエリアが曖昧エリアテーブル14に定義された曖昧エリアに含まれる場合に、そのエリアのデータ項目を有効化し、それ以外のエリアのデータ項目を無効化するテーブルアクティベイト部51とを付加したことにある。
【0058】
行き先エリア判別部50は、目的地履歴記憶部48に記憶された目的地履歴からユーザが頻繁に出かけるエリアを抽出する。抽出方法は、目的地履歴が含まれるエリアの頻度から上位のみを抽出する方法、目的地履歴の中で過去1年等の一定期間内のものからエリアを抽出する方法などが考えられる。
テーブルアクティベイト部51は、行き先エリア判別部50により判別されるユーザが頻繁に出かけるエリアを参照し、曖昧エリアテーブル14内のデータ項目を有効化し、頻繁にでかけるエリア以外のデータ項目は音声で検索する可能性が低いと判定し、曖昧テーブル14内で無効化し、または削除する。
【0059】
上記した実施の形態9によれば、ユーザがよく行くところに合致した曖昧エリアテーブル14の内容を充実させ整備することができ、ユーザにとって無駄が少なく、ユーザの意図を反映させながら音声による施設検索を実現することができる。
なお、上記した実施の形態9によれば、曖昧エリアテーブル14のテーブルアクティベイトについてのみ説明したが、曖昧エリアテーブル14に限るものではなく、図2に示す旧エリアテーブル24、図3に示す誤認エリアテーブル34のテーブルアクティベイトで代替しても良い。
【0060】
実施の形態10.
図10は、この発明の実施の形態10に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜9同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図2に示す実施の形態2との差異は、実施の形態2が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、旧エリアテーブル24、施設DB15、旧エリア施設辞書生成部26、施設検索部17、検出結果出力部18)に、自宅、実家、勤務先等、ユーザが現在の地名を熟知していると考えられるエリアを抽出するユーザ熟知エリア抽出部52と、ユーザ熟知エリア抽出部52により抽出されたエリアを参照して旧エリア内の当該項目を無効化するユーザ熟知エリア無効化部53とを付加したことにある。
【0061】
ユーザ熟知エリア抽出部52は、自宅、実家、勤務先等が熟知エリアとしてユーザによって登録された時、登録地点の地図上の座標から、自宅は「○○市」、実家は「△△町」のように所在エリアを抽出する。これをユーザ熟知エリアとする。
ユーザ熟知エリア無効化部53は、上記ユーザ熟知エリアと旧エリアテーブル24とを参照し、ユーザ熟知エリアが旧エリアテーブル24内の旧エリアと新エリアの一方に一致する場合に旧エリアテーブル24内の当該データ項目を無効化する。
【0062】
例えば、ユーザ熟知エリアが「南あわじ市」であれば、この項目を無効化する。旧エリア施設辞書生成部26は、旧エリア施設辞書生成時に旧エリアテーブル24の有効部分のみを参照するため、無効化されたデータ項目については旧エリア施設辞書220を生成しない。上記した例では、「南あわじ市」に対応する「三原町」「緑町」「西淡町」「南淡町」等の旧エリア施設辞書220は生成されず、これらの旧エリア名は認識対象外となる(図22参照)。
【0063】
上記した実施の形態10によれば、ユーザが新地名についてよく知っていると思われるエリアを認識対象外とすることができる。また、旧エリア施設辞書生成部26は、旧エリアテーブル24内におけるデータ項目の無効化がユーザ熟知エリアであるためであることを判別し、旧エリア辞書生成時に当該項目に対する旧エリア名については、認識時に検索を行わずにアナウンスだけを提示する設定を付与する。そして、施設検索部17は上記設定を参照し、ユーザ熟知エリアについては検索を行わず、アナウンスだけを提示する形態にすることができる。このことにより、ユーザの自宅、実家、勤務先が含まれるエリアについては、新地名に早く慣れた方がよいと思われるため、ガイダンスだけにとどめて新地名での検索を促すことができる。
【0064】
なお、上記した実施の形態10では、旧エリアテーブル24の更新についてのみ例示したが、実施の形態3における誤認エリアテーブル26でも同様に適用でき、自宅、実家、勤務先などを含むエリア等、ユーザが間違って覚えている可能性が低いエリアについては認識対象外にすることもできる。
【0065】
実施の形態11.
図11は、この発明の実施の形態11に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜10同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図2に示す実施の形態2との差異は、実施の形態2が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、旧エリアテーブル24、施設DB15、旧エリア施設辞書生成部26、施設検索部17、検出結果出力部18)に、実施の形態6で説明したテーブル内容フィードバック部45と、ユーザが旧エリアテーブル24に登録されている旧エリア毎の認識回数を記憶するエリアテーブル内認識回数記憶部54と、認識回数が所定定数を越えた場合、ユーザにテーブル内容のフィードバック通知を行わないテーブル内容フィードバック通知禁止部55とを付加したことにある。
【0066】
エリアテーブル内認識回数記憶部54は、旧エリアテーブル14内の旧エリア項目毎に音声認識による検索が行われた回数を記憶し、施設検索部17において旧エリア内の音声認識による検索が行われた場合、エリアテーブル内認識回数記憶部54は、旧エリアテーブル内の旧エリア項目毎に音声認識による検索が行われた回数を更新する。
テーブル内容フィードバック通知禁止部55は、エリアテーブル内認識回数記憶部54に記憶される旧エリア項目毎の音声認識による検索が行われた回数を参照し、当該回数がシステムの定める所定回数を上回った時に、所定回数以上旧地名で検索した場合はユーザがその名称での検索を希望していると判定し、テーブル内容フィードバック部45で音声フィードバックを実行しないように指示する。
【0067】
上記した実施の形態11によれば、所定回数以上旧エリアで検索された場合は、実施の形態6で説明したユーザへのテーブル内容の提示を省略することができ、旧エリア名での認識をユーザが好む場合にも対応した施設名検索を実現できる。
また、旧エリアテーブル24に限らず、誤認エリアテーブル34も同様、所定回数以上誤認エリアで検索した場合はユーザがその名称で検索希望していると判定し、所定回数以上誤認エリアで検索された場合にテーブル内容のフィードバックを省略することができる。
【0068】
実施の形態12.
図12は、この発明の実施の形態12に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜11同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図2に示す実施の形態2との差異は、実施の形態2が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、旧エリアテーブル24、施設DB15、旧エリア施設辞書生成部26、施設検索部17、検出結果出力部18)に、旧エリアテーブル24内の旧エリア項目毎に、自治体の統廃合により旧エリアが消失した時期を記憶する旧エリア消失時期記憶部56と、自治体消失時期から所定期間経過した場合に、旧地名での認識の実行を禁止する旧エリア名認識禁止部57とを付加したことにある。
【0069】
旧エリア消失時期記憶部56は、旧エリアテーブル24内の旧エリア項目毎に、自治体統廃合による旧エリアが消失した時期を記憶する。旧エリア名認識禁止部57は、旧エリア消失時期記憶部56に記憶された旧エリア消失時期を参照し、旧エリア消失時期より所定定期間を過ぎた旧エリアに対して、旧エリア名による音声認識の打ち切りを行う。
例えば、旧エリア内項目において当該旧エリア項目の無効化、あるいは項目の削除を行う。あるいは旧エリア施設辞書220から当該旧エリア項目に対する旧エリア辞書を削除する。あるいは当該旧エリアによる認識を確認した場合、旧エリアに対する検索を行わず「○○町(旧エリア名)は既に存在しません」等のガイダンス音声を提示するにとどめる。
【0070】
上記した実施の形態12によれば、新地名への移行から一定期間内だけは旧エリアでの検索を受け付け、それ以降は旧エリアでの検索を行わない構成とすることで、旧地名から新地名へ周知が完了する規格のみ旧地名検索のサービスを許し、その後は新地名への検索を促すことができる。すなわち、自治体統廃合から一定期間は新地名が周知されるまでの移行期間と捉え、その間は旧地名での検索を受け付けることができる。
【0071】
実施の形態13.
図13は、この発明の実施の形態13に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜12同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図3に示す実施の形態3との差異は、実施の形態2が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、誤認エリアテーブル34、施設DB15、誤認エリア施設辞書生成部36、施設検索部17、検出結果出力部18)に、ユーザが誤認エリアテーブル34に登録されている誤認エリア毎に認識させている回数を記憶するエリアテーブル内認識回数記憶部58と、当該回数の頻度により誤認エリアの範囲の増減を決める誤認エリア範囲調整部59とを付加したことにある。
【0072】
エリアテーブル内認識回数記憶部58は、誤認エリアテーブル34内の旧エリア項目毎に音声認識による検索が行われた回数を記憶し、施設検索部17において誤認エリア内の音声認識による検索が行われた場合、エリアテーブル内認識回数記憶部58は、誤認エリアテーブル34内の誤認エリア項目毎に音声認識による検索が行われた回数を更新する。
誤認エリア範囲調整部59は、エリアテーブル内認識回数記憶部58に記憶される誤認エリア項目毎の音声認識による検索が行われた回数を参照し、当該回数と、システムが定めた頻度との比較を行う。すなわち、誤認エリア範囲調整部59は、ユーザの誤認地名の選択頻度により誤認度を判定し、誤認エリアの範囲の増減を決定する。
【0073】
例えば、誤認エリアテーブル34の内容は、行政区界から数キロ以内の全域の座標群を不正解エリアのテーブルの初期セットとする。そして、誤認エリアテーブル34の座標群は、ユーザが間違い地名を選択する頻度に応じて、行政区界からの距離を変更することにより動的に変更される。
ここで、間違いの頻度が大の場合、周辺を含めてより広い範囲でユーザが誤解している可能性が高いと判定し、誤認エリア項目に対する座標群を増やすように調整する。増やし方は、行政区界からのキロ数を10kmから20kmのように増加させる。間違いの頻度が小の場合は、正しく認識しつつある可能性があると判定し、誤認エリア項目に対応する座標群を減らすように調整する。減らし方は、行政区界からのキロ数を10kmから5kmのように減少させる。頻度0の場合は、正しく認識している可能性大と判定し、誤認テーブル34内項目を無効化する。あるいはテーブルから削除する。
【0074】
なお、誤認エリア選択回数と誤認エリア座標群の増減は、誤認エリア選択回数と線形比によって動的に変更することもできる。また、誤認エリア選択回数と誤認エリア座標群の増減は、現時点より例えば1年前までの一定期間内の誤認エリア選択回数から決定することもできる。
【0075】
上記した実施の形態13によれば、ユーザの誤認エリアの検索頻度に応じて、ユーザの誤認エリアを検索する範囲を増減する構成とすることにより、ユーザの間違い地名を選択する頻度からユーザのエリアの間違いやすさを推定し、ユーザの力量に応じて間違いエリアを減少させ、または無効化させることができる。また、ユーザが間違ったエリア名を読み上げる可能性を予測し、その範囲を事前に予測することができる。
【0076】
実施の形態14.
図14は、この発明の実施の形態14に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1〜13同様、ここでも、施設検索装置1として、音声認識による住所や施設などの目的地検索を可能とする車載ナビゲーション装置が例示されている。
図3に示す実施の形態3との差異は、実施の形態2が持つ構成(音声入力部11、認識辞書12、音声認識部13、誤認エリアテーブル34、施設DB15、誤認エリア施設辞書生成部36、施設検索部17、検出結果出力部18)に、音声認識による施設名検索時に、誤認エリア施設辞書320を参照した場合に誤認エリアテーブル34の内容をユーザに提示するテーブル内容フィードバック部60と、ユーザからの認識結果が正しい施設名と誤認地点で検索された施設名が両方検索された場合、正施設からの認識結果を優先提示する正施設認識結果優先部61とを付加したことにある。
【0077】
正施設認識結果優先部61は、誤認地名で検索された施設と正地名の施設が両方検索された場合に、正地名の検索結果を優先させる。例えば、正地名「横浜市の西友」(鶴見区など)と誤認地名の「横浜市の西友」(鎌倉市など)が検索結果としてあがった場合、前者だけを提示する、または前者、後者の順で提示する。または前者を提示し、後者に実施例4のフィールドバックをつけて提示する。
【0078】
上記した実施の形態14によれば、検索結果、正しいエリア名と、誤認エリア名での認識結果の両方が提示された場合に、正しいエリア名による提示を段階的に優先提示する構成をとることで、誤認エリアによる検索を容認するだけでなく、正しい認識結果が別にあることをユーザに意識付けすることができる。
【0079】
なお、上記した施設検索装置1を構成する各ブロックがそれぞれ持つ機能は、施設検索装置1が内蔵するメモリに記憶されたプログラムをCPUが読み出し逐次実行することにより達成されるものであって、あくまでも説明の簡略化のために各機能ブロックに分けて表現したものである。CPU、メモリは図示省略してある。また、上記した各ブロックの機能は、全てをソフトウェアによって実現しても、あるいはその少なくとも一部をハードウエアで実現してもよい。
【0080】
また、このとき、上記した曖昧エリアテーブル14、旧エリアテーブル24、誤認エリアテーブル34のそれぞれは、不図示のメモリに割当てられ記憶され(それぞれ第1の記憶部、第4の記憶部、第6の記憶部)、施設DB(第2の記憶部)15、曖昧エリア施設辞書認識辞書(第3の記憶部)120、旧エリア施設辞書(第5の記憶部)220、誤認エリア施設辞書(第7の記憶部)320も同様にメモリに割当てられ格納される。なお、ここで使用されるメモリは、例えば、不揮発性の記憶デバイス(不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置、光ディスク装置など)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(例えばSRAM、DRAM)などによって構成される。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】この発明の実施の形態1に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態2に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態3に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態4に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態5に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態6に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態7に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図8】この発明の実施の形態8に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態9に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図10】この発明の実施の形態10に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図11】この発明の実施の形態11に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図12】この発明の実施の形態12に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図13】この発明の実施の形態13に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図14】この発明の実施の形態14に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図15】この発明の実施の形態1に係る施設検索装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図16】この発明の実施の形態1に係る施設検索装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図17】この発明の実施の形態2に係る施設検索装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図18】この発明の実施の形態2に係る施設検索装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図19】この発明の実施の形態3に係る施設検索装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図20】この発明の実施の形態3に係る施設検索装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図21】この発明の実施の形態1に係る施設検索装置において使用される曖昧エリアテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図22】この発明の実施の形態2に係る施設検索装置において使用される旧エリアテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図23】この発明の実施の形態3に係る施設検索装置において使用される誤認エリアテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0082】
1 施設検索装置(車載ナビゲーション装置)、2 タッチパネル、11 音声入力部、12,22,32 認識辞書、13 音声認識部、14 曖昧エリアテーブル(第1の記憶部)、15 施設DB(第2の記憶部)、16 曖昧エリア施設辞書生成部、17 施設検索部、18 検索結果出力部、24 旧エリアテーブル(第4の記憶部)、26 旧エリア辞書生成部、34 誤認エリアテーブル(第6の記憶部)、36 誤認エリア辞書生成部、120 曖昧エリア施設辞書(第3の記憶部)、220 旧エリア施設辞書(第5の記憶部)、320 誤認エリア施設辞書(第7の記憶部)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
意図する行政区の範囲が定義されていないもしくは周知されていない結果、意図する範囲についての認知に個人差が生じるエリアを曖昧エリアとし、少なくとも前記曖昧エリア名およびその読みと、前記曖昧エリアに属する行政区名およびその読みと、前記行政区に含まれる地図上の座標とからなる曖昧エリアテーブルがあらかじめ記憶された第1の記憶部と、
少なくとも、施設名の読みと、対応する施設の地図上の座標とからなる施設データが格納された第2の記憶部と、
前記第2の記憶部を参照し、任意の施設の地図上の座標が、前記第1の記憶部における曖昧エリアに対応する行政区の地図上の座標の集合に一致し、もしくは包含される場合に、少なくとも前記曖昧エリア名と施設名の読みとからなる曖昧エリア施設辞書を生成する曖昧エリア辞書生成部と、
前記生成された曖昧エリア施設辞書を記憶する第3の記憶部と、
前記曖昧エリアの施設名の読みが音声入力された場合に、前記第3の記憶部を参照して、前記曖昧エリア範囲に含まれる施設名を検索して出力する検索結果出力部と、
を備えたことを特徴とする施設検索装置。
【請求項2】
行政区の統廃合により地図上に現存しないエリアを旧エリアとし、少なくとも、現存しない前記旧エリア名およびその読みと、前記旧エリアに対応する新エリア名である行政区名およびその読みと、前記行政区に含まれる地図からなる旧エリアテーブルがあらかじめ記憶された第4の記憶部と、
少なくとも、施設名の読みと、対応する施設の地図上の座標とからなる施設データが格納された第2の記憶部と、
前記第2の記憶部を参照し、任意の施設の地図上の座標が、前記第3の記憶部における旧エリアに対応する行政区の地図上の座標の集合に一致し、もしくは包含される場合に、少なくとも前記旧エリア名と施設名の読みとからなる旧エリア施設辞書を生成する旧エリア辞書生成部と、
前記生成された旧エリア施設辞書を記憶する第5の記憶部と、
前記旧エリアの施設名の読みが音声入力された場合に、前記第5の記憶部を参照して、前記旧エリア範囲に含まれる施設名を検索して出力する検索結果出力部と、
を備えたことを特徴とする施設検索装置。
【請求項3】
混同しやすい隣接エリアを含む近傍の周辺エリアを誤認エリアとし、少なくとも、前記誤認エリア名およびその読みと、前記誤認エリアが実際に対応する行政区名およびその読みと、前記行政区近傍の地図上の座標とからなる誤認エリアテーブルがあらかじめ記憶された第6の記憶部と、
少なくとも、施設名の読みと、対応する施設の地図上の座標とからなる施設データが格納された第2の記憶部と、
前記第2の記憶部を参照し、任意の施設の地図上の座標が、前記第6の記憶部における誤認エリアに対応する行政区近傍の地図上の座標の集合に一致し、もしくは包含される場合に、少なくとも前記誤認エリア名と施設名の読みとからなる誤認エリア施設辞書を生成する誤認エリア辞書生成部と、
前記生成された誤認エリア施設辞書を記憶する第7の記憶部と、
前記誤認エリアの施設名の読みが音声入力された場合に、前記第7の記憶部を参照して、前記誤認エリア範囲に含まれる施設名を検索して出力する検索結果出力部と、
を備えたことを特徴とする施設検索装置。
【請求項4】
前記第1の記憶部に記憶された曖昧エリアテーブル、前記第4の記憶部に記憶された旧エリアテーブル、前記第6の記憶部に記憶された誤認エリアテーブルの少なくとも一つにかかわるデータ項目を表示するテーブル内容表示部と
前記表示されたデータ項目に対して編集を行い、前記曖昧エリアテーブル、旧エリアテーブル、誤認エリアテーブルの内容追加、もしくは削除を行うテーブル内容編集部と、
を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の施設検索装置。
【請求項5】
音声認識による施設名検索時に、前記第3の記憶部に記憶された曖昧エリア施設辞書を参照し、前記検索結果表示部が検索結果を表示した場合に、前記第1の記憶部に記憶された曖昧エリアテーブルの内容についてのフィードバックメッセージを生成して音声出力し、前記問い合わせに対する音声入力を取得して前記テーブル内容編集部による前記曖昧エリアテーブルの編集操作を促すテーブル内容フィードバック部と、
を備えたことを特徴とする請求項1または請求項4記載の施設検索装置。
【請求項6】
音声認識による施設名検索時に、前記第5の記憶部に記憶された旧エリア施設辞書を参照し、前記検索結果出力部が検索結果を出力した場合に、前記第4の記憶部に記憶された旧エリアテーブルを参照して現在の地名をユーザに通知するフィードバックメッセージを生成し、前記検索結果出力部により出力するテーブル内容フィードバック部と、
を備えたことを特徴とする請求項2または請求項4記載の施設検索装置。
【請求項7】
通信により外部から行政区の統廃合情報を取得する行政区更新情報取得部と、
前記統廃合情報に基づき前記第4の記憶部に記憶された旧エリアテーブルを更新する旧エリアテーブル更新部と、
を備えたことを特徴とする請求項2項記載の施設検索装置。
【請求項8】
過去の目的地設定履歴を記憶する目的地履歴記憶部と、
前記目的地設定履歴と、前記行政区更新情報取得部を介して取得される新旧住所リストとを参照して過去に目的地設定された住所が前記新旧住所リストに含まれ、かつ、住所変更時点を経過している場合に前記旧エリアテーブルを生成する旧エリアテーブル生成部と、
を備えたことを特徴とする請求項2または請求項7項記載の施設検索装置。
【請求項9】
過去の目的地設定履歴を記憶する目的地履歴記憶部と、
前記目的地設定履歴からユーザが出かける頻度の高いエリアを判別する行き先エリア判別部と、
前記行き先エリア判別部により判別されたエリアが、前記曖昧エリアテーブル、前記旧エリアテーブル、前記誤認エリアテーブルの各なくとも一つに含まれる場合、前記曖昧エリアテーブル、前記旧エリアテーブル、前記誤認エリアテーブルにおいて、前記出かける頻度が高いエリアのデータ項目を除くデータ項目を無効化し、もしくは削除するテーブルアクティベイト部と、
を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の施設検索装置。
【請求項10】
ユーサが熟知しているエリアを抽出するユーザ熟知エリア抽出部と、
前記抽出されたエリアを参照して前記旧エリアテーブル、もしくは前記誤認エリアテーブルに記憶された当該エリアのデータ項目を無効化するユーザ熟知エリア無効化部と、
を備えたことを特徴とする請求項2または請求項3記載の施設検索装置。
【請求項11】
前記旧エリアテーブルに記憶されている旧エリア毎の認識回数を記憶する旧エリアテーブル内認識回数記憶部と、
前記認識回数が所定回数を超えた場合に、前記旧エリアテーブル内容のフィードバック通知を禁止するテーブル内容フィードバック通知禁止部と、
を備えたことを特徴とする請求項6記載の施設検索装置。
【請求項12】
前記旧エリアテーブルを構成する旧エリア項目毎に、行政区の統廃合により旧エリア名が消失した時期を記憶する旧エリア消失時期記憶部と、
前記行政区の消失時期から所定時間経過した場合に旧地名に基づく音声認識を行わないように制御する旧エリア名認識禁止部と、
を備えたことを特徴とする請求項2記載の施設検索装置。
【請求項13】
前記誤認エリアテーブルに記憶されている誤認エリア毎の認識回数を記憶する誤認エリアテーブル認識回数記憶部と、
前記誤認エリアテーブルの認識頻度により誤認エリアの範囲の増減を決定する誤認エリア範囲調整部と、
を備えたことを特徴とする請求項3記載の施設検索装置。
【請求項14】
施設名検索時、認識結果が正しい施設名と誤認地点で検索された施設名が共に検索された場合、前記正しい施設名からの認識結果を優先して提示する正施設認識結果優先部と、
を備えたことを特徴とする請求項3記載の施設検索装置。
【請求項1】
意図する行政区の範囲が定義されていないもしくは周知されていない結果、意図する範囲についての認知に個人差が生じるエリアを曖昧エリアとし、少なくとも前記曖昧エリア名およびその読みと、前記曖昧エリアに属する行政区名およびその読みと、前記行政区に含まれる地図上の座標とからなる曖昧エリアテーブルがあらかじめ記憶された第1の記憶部と、
少なくとも、施設名の読みと、対応する施設の地図上の座標とからなる施設データが格納された第2の記憶部と、
前記第2の記憶部を参照し、任意の施設の地図上の座標が、前記第1の記憶部における曖昧エリアに対応する行政区の地図上の座標の集合に一致し、もしくは包含される場合に、少なくとも前記曖昧エリア名と施設名の読みとからなる曖昧エリア施設辞書を生成する曖昧エリア辞書生成部と、
前記生成された曖昧エリア施設辞書を記憶する第3の記憶部と、
前記曖昧エリアの施設名の読みが音声入力された場合に、前記第3の記憶部を参照して、前記曖昧エリア範囲に含まれる施設名を検索して出力する検索結果出力部と、
を備えたことを特徴とする施設検索装置。
【請求項2】
行政区の統廃合により地図上に現存しないエリアを旧エリアとし、少なくとも、現存しない前記旧エリア名およびその読みと、前記旧エリアに対応する新エリア名である行政区名およびその読みと、前記行政区に含まれる地図からなる旧エリアテーブルがあらかじめ記憶された第4の記憶部と、
少なくとも、施設名の読みと、対応する施設の地図上の座標とからなる施設データが格納された第2の記憶部と、
前記第2の記憶部を参照し、任意の施設の地図上の座標が、前記第3の記憶部における旧エリアに対応する行政区の地図上の座標の集合に一致し、もしくは包含される場合に、少なくとも前記旧エリア名と施設名の読みとからなる旧エリア施設辞書を生成する旧エリア辞書生成部と、
前記生成された旧エリア施設辞書を記憶する第5の記憶部と、
前記旧エリアの施設名の読みが音声入力された場合に、前記第5の記憶部を参照して、前記旧エリア範囲に含まれる施設名を検索して出力する検索結果出力部と、
を備えたことを特徴とする施設検索装置。
【請求項3】
混同しやすい隣接エリアを含む近傍の周辺エリアを誤認エリアとし、少なくとも、前記誤認エリア名およびその読みと、前記誤認エリアが実際に対応する行政区名およびその読みと、前記行政区近傍の地図上の座標とからなる誤認エリアテーブルがあらかじめ記憶された第6の記憶部と、
少なくとも、施設名の読みと、対応する施設の地図上の座標とからなる施設データが格納された第2の記憶部と、
前記第2の記憶部を参照し、任意の施設の地図上の座標が、前記第6の記憶部における誤認エリアに対応する行政区近傍の地図上の座標の集合に一致し、もしくは包含される場合に、少なくとも前記誤認エリア名と施設名の読みとからなる誤認エリア施設辞書を生成する誤認エリア辞書生成部と、
前記生成された誤認エリア施設辞書を記憶する第7の記憶部と、
前記誤認エリアの施設名の読みが音声入力された場合に、前記第7の記憶部を参照して、前記誤認エリア範囲に含まれる施設名を検索して出力する検索結果出力部と、
を備えたことを特徴とする施設検索装置。
【請求項4】
前記第1の記憶部に記憶された曖昧エリアテーブル、前記第4の記憶部に記憶された旧エリアテーブル、前記第6の記憶部に記憶された誤認エリアテーブルの少なくとも一つにかかわるデータ項目を表示するテーブル内容表示部と
前記表示されたデータ項目に対して編集を行い、前記曖昧エリアテーブル、旧エリアテーブル、誤認エリアテーブルの内容追加、もしくは削除を行うテーブル内容編集部と、
を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の施設検索装置。
【請求項5】
音声認識による施設名検索時に、前記第3の記憶部に記憶された曖昧エリア施設辞書を参照し、前記検索結果表示部が検索結果を表示した場合に、前記第1の記憶部に記憶された曖昧エリアテーブルの内容についてのフィードバックメッセージを生成して音声出力し、前記問い合わせに対する音声入力を取得して前記テーブル内容編集部による前記曖昧エリアテーブルの編集操作を促すテーブル内容フィードバック部と、
を備えたことを特徴とする請求項1または請求項4記載の施設検索装置。
【請求項6】
音声認識による施設名検索時に、前記第5の記憶部に記憶された旧エリア施設辞書を参照し、前記検索結果出力部が検索結果を出力した場合に、前記第4の記憶部に記憶された旧エリアテーブルを参照して現在の地名をユーザに通知するフィードバックメッセージを生成し、前記検索結果出力部により出力するテーブル内容フィードバック部と、
を備えたことを特徴とする請求項2または請求項4記載の施設検索装置。
【請求項7】
通信により外部から行政区の統廃合情報を取得する行政区更新情報取得部と、
前記統廃合情報に基づき前記第4の記憶部に記憶された旧エリアテーブルを更新する旧エリアテーブル更新部と、
を備えたことを特徴とする請求項2項記載の施設検索装置。
【請求項8】
過去の目的地設定履歴を記憶する目的地履歴記憶部と、
前記目的地設定履歴と、前記行政区更新情報取得部を介して取得される新旧住所リストとを参照して過去に目的地設定された住所が前記新旧住所リストに含まれ、かつ、住所変更時点を経過している場合に前記旧エリアテーブルを生成する旧エリアテーブル生成部と、
を備えたことを特徴とする請求項2または請求項7項記載の施設検索装置。
【請求項9】
過去の目的地設定履歴を記憶する目的地履歴記憶部と、
前記目的地設定履歴からユーザが出かける頻度の高いエリアを判別する行き先エリア判別部と、
前記行き先エリア判別部により判別されたエリアが、前記曖昧エリアテーブル、前記旧エリアテーブル、前記誤認エリアテーブルの各なくとも一つに含まれる場合、前記曖昧エリアテーブル、前記旧エリアテーブル、前記誤認エリアテーブルにおいて、前記出かける頻度が高いエリアのデータ項目を除くデータ項目を無効化し、もしくは削除するテーブルアクティベイト部と、
を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の施設検索装置。
【請求項10】
ユーサが熟知しているエリアを抽出するユーザ熟知エリア抽出部と、
前記抽出されたエリアを参照して前記旧エリアテーブル、もしくは前記誤認エリアテーブルに記憶された当該エリアのデータ項目を無効化するユーザ熟知エリア無効化部と、
を備えたことを特徴とする請求項2または請求項3記載の施設検索装置。
【請求項11】
前記旧エリアテーブルに記憶されている旧エリア毎の認識回数を記憶する旧エリアテーブル内認識回数記憶部と、
前記認識回数が所定回数を超えた場合に、前記旧エリアテーブル内容のフィードバック通知を禁止するテーブル内容フィードバック通知禁止部と、
を備えたことを特徴とする請求項6記載の施設検索装置。
【請求項12】
前記旧エリアテーブルを構成する旧エリア項目毎に、行政区の統廃合により旧エリア名が消失した時期を記憶する旧エリア消失時期記憶部と、
前記行政区の消失時期から所定時間経過した場合に旧地名に基づく音声認識を行わないように制御する旧エリア名認識禁止部と、
を備えたことを特徴とする請求項2記載の施設検索装置。
【請求項13】
前記誤認エリアテーブルに記憶されている誤認エリア毎の認識回数を記憶する誤認エリアテーブル認識回数記憶部と、
前記誤認エリアテーブルの認識頻度により誤認エリアの範囲の増減を決定する誤認エリア範囲調整部と、
を備えたことを特徴とする請求項3記載の施設検索装置。
【請求項14】
施設名検索時、認識結果が正しい施設名と誤認地点で検索された施設名が共に検索された場合、前記正しい施設名からの認識結果を優先して提示する正施設認識結果優先部と、
を備えたことを特徴とする請求項3記載の施設検索装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−152560(P2008−152560A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−340228(P2006−340228)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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