説明

有機半導体材料

【課題】有機半導体材料となりうる化合物を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるジヒドロインダセン化合物。


(式中、環構造A、Bは、同一又は相異なり、置換されていてもよいベンゼン環、置換されていてもよいチオフェン環等を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジヒドロインダセン化合物等の多環縮環化合物、それらの製造方法、及びそれらを含有する有機半導体材料に関する。
【背景技術】
【0002】
有機薄膜トランジスタに代表される有機半導体デバイスは、省エネルギー、低コスト、フレキシブルなどの有機分子ならではの特徴を有し、電子ペーパーや大画面フラットパネルディスプレイなどの次世代の技術に応用可能な素子として期待されている。有機薄膜トランジスタは、有機半導体活性層、基板、絶縁層、電極等数種類の部材から構成されるが、特にキャリア輸送を担う有機半導体活性層は、デバイスの中で重要な役割を有している。トランジスタの特性は、この有機半導体活性層を構成する有機半導体材料のキャリア輸送能に大きく依存する。
【0003】
有機薄膜トランジスタに用いられる有機半導体材料としては、種々の有機化合物が提案されている。例えば、銅フタロシアニン、ペンタセンなどの低分子系材料、チオフェン6量体などの芳香族5員環や6員環を連結したオリゴマー材料、及びポリアルキルチオフェンなどのようなポリマー材料が報告されている。
【0004】
有機薄膜のトランジスタ特性については、アモルファスシリコン程度の特性を目指して研究が行われている。その他の要求特性としては、安定駆動性、高寿命、塗布性などが挙げられる。しかし、これまでのところ、全ての条件を満たす有機材料の開発には至っていない。
【0005】
例えば、ペンタセンはアモルファスシリコン並みの高いキャリア移動度を有し、優れた半導体デバイス特性を発現することが報告されている(非特許文献1参照)。しかし、ペンタセンは凝集性が強く、難溶解性であり、また安定駆動性や寿命にも問題を抱えている。一方、オリゴマーやポリマー系の材料は、塗布性は比較的高いもののキャリア移動度が1桁程度低いのが現状である(非特許文献2、3参照)。
【0006】
ペンタセンのような多環縮環化合物が高特性デバイスを示す活性層材料になり得る、という分子設計が知られているが、環数が5個以上からなる多環縮環化合物は合成上の問題から報告例は少ない。さらに、ペンタセンが有する問題点(低溶解性・空気酸化性)を克服した多環縮環化合物は限られている。
一方、多環縮環化合物のπ共役系骨格内にヘテロ元素を組み込むことは、有機半導体材料の構造的、電子的、光学的、及び物理的性質を制御するための手法の一つとなっている。例えば、π共役系骨格内に硫黄原子を組み込んだジナフトチエノチオフェンは、高いキャリア移動度及び高安定性のトランジスタであることが報告されている(非特許文献4)。また、窒素原子を組み込んだ5個の縮合環からなるインドロ[3,2−b]カルバゾールは、塗布性・安定性を有する有機半導体材料として報告されている(非特許文献5)。これらの例に見られるように、多環縮環化合物にヘテロ元素を組み込むことは、有機半導体材料の分子設計において有効な手段であるといえる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「ジャーナル オブ アプライド フィジックス」、(米国)、2002年、92巻、5259−5263頁
【非特許文献2】「ジャーナル オブ ザ アメリカン ケミカル ソサエティー」、(米国)、2004年、126巻、13859−13874頁
【非特許文献3】「サイエンス」、(米国)、1998年、280巻、1741−1744頁
【非特許文献4】「ジャーナル オブ ザ アメリカン ケミカル ソサエティー」、(米国)、2007年、129巻、2224−2225頁
【非特許文献5】「ジャーナル オブ ザ アメリカン ケミカル ソサエティー」、(米国)、2005年、127巻、614−618頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような状況下、種々の有機半導体材料の開発が望まれている。本発明は、ヘテロ元素を組み込んだ5個の縮合環を基本骨格とする多環縮環化合物、その製造方法、及び該化合物を含有する有機半導体材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、新規な含ヘテロ元素ジヒドロインダセン及びインダセンジオン誘導体、並びにそれらの製造方法を見出した。加えて、該ジヒドロインダセン及びインダセンジオン誘導体を含有する有機半導体材料及びその薄膜を見出した。さらに、該ジヒドロインダセン及びインダセンジオン誘導体を製造するに好適な前駆化合物であるテレフタル酸誘導体及びテレフタル酸エステル誘導体を見出し、本発明に至った。
【0010】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるジヒドロインダセン化合物、その中間体、それらの製造方法及びジヒドロインダセン化合物及びインダセンジオン化合物の用途を提供するものである。

【0011】
式(1)中、Rは、同一又は相異なり、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアルキルチオ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールチオ、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールアルコキシ、置換されていてもよいアリールアルキルチオ、置換されていてもよいアリールアルケニル、置換されていてもよいアリールアルキニル、置換されていてもよいボリル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいシリルオキシ、置換されていてもよいアリールスルフォニルオキシ、置換されていてもよいアルキルスルフォニルオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリールチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキルチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキニル、置換されていてもよいシクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ又はヒドロキシルを表し、
〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ又はヒドロキシルを表し、
pは、0、1、又は2であり、
環構造A、Bは、同一又は相異なり、置換されていてもよいベンゼン環、置換されていてもよいチオフェン環、置換されていてもよいフラン環、置換されていてもよいセレノフェン環、置換されていてもよいピロール環、置換されていてもよいチアゾール環、置換されていてもよいピリジン環、置換されていてもよいピラジン環、置換されていてもよいピリミジン環又は置換されていてもよいピリダジン環を表す。
但し、AとBが両者ともベンゼン環の場合、及び下記一般式(2)で表される化合物を除く。

【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ヘテロ元素を組み込んだ新規な5個の縮合環を基本骨格とする多環縮環化合物、その製造方法、及び該化合物を含有する有機半導体材料を提供することが可能になる。また、本発明の製造方法によれば、置換基を導入した多環縮環化合物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明における有機トランジスタの一実施形態を示す端面図である。
【図2】実施例4における2,7−ジヘキシル−4,9−ジヒドロチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェンからなる有機半導体層を有する有機トランジスタの電気特性を示す図である。
【符号の説明】
【0014】
11 基板
12 ゲート電極
13 ゲート絶縁膜
14 ソース電極
15 ドレイン電極
16 有機半導体層
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0016】
本発明の式(1)で表されるジヒドロインダセン化合物(以下、ジヒドロインダセン化合物(1)と称する。)において、Rにおける、「置換されていてもよいアルキル」の「アルキル」としては、直鎖、分枝鎖、環状のいずれでもよく、例えば、炭素数1〜30の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル又は環状のアルキルがあげられる。炭素原子数1〜30のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−ヘキシルオクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、n−ヘンイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ペンタコシル基、n−ヘキサコシル基、n−ヘプタコシル基、n−オクタコシル基、n−ノナコシル基、及びn−トリアコンチル基が例示され、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−ヘキシルオクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基が挙げられ、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、2−ヘキシルオクチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、及びn−ヘキサデシル基が挙げられる。
【0017】
において、ハロゲン置換の炭素原子数1〜30のアルキル基の具体例としては、これらのアルキル基が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたものが例示される。
【0018】
における「置換されていてもよいアルケニル」の「アルケニル」としては、直鎖、分枝鎖又は環状でもよく、例えば、炭素数2〜30の直鎖もしくは分枝鎖状のアルケニルがあげられる。炭素原子数2〜30のアルケニル基の具体例としては、エテニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−シクロヘキセニル基、1−ヘプテニル基、1−オクテニル基、1−ノネニル基、1−デケニル基、1−ウンデケニル基、1−ドデケニル基、1−トリデケニル基、1−テトラデケニル基、1−ペンタデケニル基、1−ヘキサデケニル基、1−ヘプタデケニル基、1−オクタデケニル基、1−ノナデケニル基、1−イコセニル基、1−ヘンイコセニル基、1−ドコセニル基、1−トリコセニル基、1−テトラコセニル基、1−ペンタコセニル基、1−ヘキサコセニル基、1−ヘプタコセニル基、1−オクタコセニル基、1−ノナコセニル基、及び1−トリアコンテニル基が例示され、好ましくはエテニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、1−オクテニル基、1−ノネニル基、1−デケニル基、1−ウンデケニル基、1−ドデケニル基、1−トリデケニル基、1−テトラデケニル基、1−ペンタデケニル基、1−ヘキサデケニル基、1−ヘプタデケニル基、1−オクタデケニル基、1−ノナデケニル基、1−イコセニル基が挙げられ、より好ましくはエテニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、1−オクテニル基、1−ノネニル基、1−デケニル基、1−ウンデケニル基、1−ドデケニル基、1−トリデケニル基、1−テトラデケニル基、1−ペンタデケニル基、1−ヘキサデケニル基が挙げられる。
【0019】
において、ハロゲン置換の炭素原子数2〜30のアルケニル基の具体例としては、これらのアルケニル基が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたものが例示される。
【0020】
における[置換されていてもよいアルキニル]の「アルキニル」としては、直鎖、分枝鎖又は環状でもよく、例えば、炭素数2〜30の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキニルがあげられる。炭素原子数2〜30のアルキニル基の具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1−ヘプチニル基、1−オクチニル基、1−ノニニル基、1−デキニル基、1−ウンデキニル基、1−ドデキニル基、1−トリデキニル基、1−テトラデキニル基、1−ペンタデキニル基、1−ヘキサデキニル基、1−ヘプタデキニル基、1−オクタデキニル基、1−ノナデキニル基、1−イコシニル基、1−ヘンイコシニル基、1−ドコシニル基、1−トリコシニル基、1−テトラコシニル基、1−ペンタコシニル基、1−ヘキサコシニル基、1−ヘプタコシニル基、1−オクタコシニル基、1−ノナコシニル基、及び1−トリアコンチニル基が例示され、好ましくはエチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1−ヘプチニル基、1−オクチニル基、1−ノニニル基、1−デキニル基、1−ウンデキニル基、1−ドデキニル基、1−トリデキニル基、1−テトラデキニル基、1−ペンタデキニル基、1−ヘキサデキニル基、1−ヘプタデキニル基、1−オクタデキニル基、1−ノナデキニル基、1−イコシニル基が挙げられ、より好ましくはエチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1−ヘプチニル基、1−オクチニル基、1−ノニニル基、1−デキニル基、1−ウンデキニル基、1−ドデキニル基、1−トリデキニル基、1−テトラデキニル基、1−ペンタデキニル基、1−ヘキサデキニル基が挙げられる。
【0021】
において、ハロゲン置換の炭素原子数2〜30のアルキニル基の具体例としては、これらのアルキニル基が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたものが例示される。
【0022】
における[置換されていてもよいアルコキシ」の「アルコキシ」としては、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、例えば、炭素数が通常1〜30の直鎖もしくは分枝鎖状のアルコキシがあげられる。その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、2−n−ヘキシル−n−オクチルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基、n−ヘンイコシルオキシ基、n−ドコシルオキシ基、n−トリコシルオキシ基、n−テトラコシルオキシ基、n−ペンタコシルオキシ基、n−ヘキサコシルオキシ基、n−ヘプタコシルオキシ基、n−オクタコシルオキシ基、n−ノナコシルオキシ基、n−トリアコンチルオキシ基などが例示され、好ましくはエトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基が挙げられ、より好ましくはエトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基が挙げられる。
【0023】
において、ハロゲン置換の炭素原子数1〜30のアルコキシ基の具体例としては、これらのアルキル基が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたものが例示される。
【0024】
における[置換されていてもよいアルキルチオ」の「アルキルチオ」としては、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれでもよく、例えば、炭素数が通常1〜30の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキルチオがあげられる。その具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、シクロペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、シクロヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、シクロオクチルチオ基、2−エチル−n−ヘキシルチオ基、n−ノニルチオ基、n−デシルチオ基、n−ウンデシルチオ基、n−ドデシルチオ基、n−トリデシルチオ基、n−テトラデシルチオ基、2−n−ヘキシル−n−オクチルチオ基、n−ペンタデシルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基、n−ヘプタデシルチオ基、n−オクタデシルチオ基、n−ノナデシルチオ基、n−イコシルチオ基、n−ヘンイコシルチオ基、n−ドコシルチオ基、n−トリコシルチオ基、n−テトラコシルチオ基、n−ペンタコシルチオ基、n−ヘキサコシルチオ基、n−ヘプタコシルチオ基、n−オクタコシルチオ基、n−ノナコシルチオ基、及びn−トリアコンチルチオ基などが例示され、好ましくはエチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、シクロヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、シクロオクチルチオ基、2−エチル−n−ヘキシルチオ基、n−ノニルチオ基、n−デシルチオ基、n−ウンデシルチオ基、n−ドデシルチオ基、n−トリデシルチオ基、n−テトラデシルチオ基、2−n−ヘキシル−n−オクチルチオ基、n−ペンタデシルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基、n−ヘプタデシルチオ基、n−オクタデシルチオ基、n−ノナデシルチオ基、n−イコシルチオ基が挙げられ、より好ましくはエチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、シクロヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、シクロオクチルチオ基、2−エチル−n−ヘキシルチオ基、n−ノニルチオ基、n−デシルチオ基、n−ウンデシルチオ基、n−ドデシルチオ基、n−トリデシルチオ基、n−テトラデシルチオ基、2−n−ヘキシル−n−オクチルチオ基、n−ペンタデシルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基が挙げられる。
【0025】
において、ハロゲン置換の炭素原子数1〜30のアルキルチオ基の具体例としては、これらのアルキル基が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたものが例示される。
【0026】
において、「置換されていてもよいアリール」の「アリール」としては、炭素原子数6〜30のアリール基である。置換されていてもよいアリールの具体例としては、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−s−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−ネオペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−n−ヘプチルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、4−(2’−エチルヘキシル)フェニル基、4−n−デシルフェニル基、4−n−ウンデシルフェニル基、4−n−ドデシルフェニル基、4−n−トリデシルフェニル、4−n−テトラデシルフェニル基、4−(2’−ヘキシルオクチル)フェニル基、4−n−ペンタデシルフェニル基、4−n−ヘキサデシルフェニル基、4−n−ヘプタデシルフェニル基、4−n−オクタデシルフェニル基、4−n−ノナデシルフェニル基、4−n−イコシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−n−プロポキシフェニル基、4−n−ブトキシ基、4−n−ペンチルオキシフェニル基、4−n−ヘキシルオキシフェニル基、4−n−ヘプチルオキシフェニル基、4−n−オクチルオキシフェニル基、4−(2’−エチルヘキシル)オキシフェニル基、4−ノニルオキシフェニル基、4−デシルオキシフェニル基、4−n−ウンデシルオキシフェニル基、4−n−ドデシルオキシフェニル基、4−n−トリデシルオキシフェニル基、4−n−テトラデシルオキシフェニル基、4−(2’−n−ヘキシル−n−オクチルオキシ)フェニル基、4−n−ペンタデシルオキシフェニル基、4−n−ヘキサデシルオキシフェニル基、4−n−ヘプタデシルオキシフェニル基、4−n−オクタデシルオキシフェニル基、4−n−ノナデシルオキシフェニル基、4−n−イコシルオキシフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、2−フルオレニル基などが例示され、好ましくはフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−n−ヘプチルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、4−(2’−エチルヘキシル)フェニル基、4−n−デシルフェニル基、4−n−ウンデシルフェニル基、4−n−ドデシルフェニル基、4−n−テトラデシルフェニル基、4−(2’−ヘキシルオクチル)フェニル基、4−n−ペンタデシルフェニル基、4−n−ヘキサデシルフェニル基、4−n−ヘキシルオキシフェニル基、4−n−ヘプチルオキシフェニル基、4−n−オクチルオキシフェニル基、4−(2’−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、4−ノニルオキシフェニル基、4−デシルオキシフェニル基、4−n−ウンデシルオキシフェニル基、4−n−ドデシルオキシフェニル基、4−n−トリデシルオキシフェニル基、4−n−テトラデシルオキシフェニル基、4−(2’−n−ヘキシル−n−オクチルオキシ)フェニル基、4−n−ペンタデシルオキシフェニル基、4−n−ヘキサデシルオキシフェニル基、2−ナフチル基、2−アントラセニル基、2−フルオレニル基が挙げられる。
【0027】
において、ハロゲン置換の炭素原子数6〜30のアリール基の具体例としては、これらのアリール基が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたものが例示される。
【0028】
における「置換されていてもよいアリールオキシ」の「アリールオキシ」としては炭素原子数6〜20のアリールオキシ基が挙げられる。置換されていてもよいアリールオキシの具体例としては、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、4−エチルフェノキシ基、4−n−プロピルフェノキシ基、4−イソプロピルフェノキシ基、4−n−ブチルフェノキシ基、4−s−ブチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、4−n−ヘキシルフェノキシ基、4−n−オクチルフェノキシ基、4−n−デシルフェノキシ基、4−n−テトラデシルフェノキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基、1−アントラセノキシ基、2−アントラセノキシ基、9−アントラセノキシ基、1−フェナントリルオキシ基、2−フェナントリルオキシ基、3−フェナントリルオキシ基、4−フェナントリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、2−フルオレニルオキシ基などが例示され、好ましくはフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−n−ヘキシルフェノキシ基、4−n−オクチルフェノキシ基、4−n−デシルフェノキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基、1−アントラセノキシ基、2−アントラセノキシ基、2−フルオレニルオキシ基が挙げられる。
【0029】
において、ハロゲン置換の炭素原子数6〜20のアリールオキシ基の具体例としては、上記炭素原子数6〜20のアリールオキシ基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換さ置換されたものが例示される。
【0030】
における「置換されていてもよいアリールチオ」の「アリールチオ」としては炭素原子数6〜30のアリールチオ基が挙げられる。置換されていてもよいアリールチオの具体例としては、フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、3−メチルフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2,3−ジメチルフェニルチオ基、2,4−ジメチルフェニルチオ基、2,5−ジメチルフェニルチオ基、2,6−ジメチルフェニルチオ基、3,4−ジメチルフェニルチオ基、3,5−ジメチルフェニルチオ基、2,3,4−トリメチルフェニルチオ基、2,3,5−トリメチルフェニルチオ基、2,3,6−トリメチルフェニルチオ基、2,4,5−トリメチルフェニルチオ基、2,4,6−トリメチルフェニルチオ基、3,4,5−トリメチルフェニルチオ基、2,3,4,5−テトラメチルフェニルチオ基、2,3,4,6−テトラメチルフェニルチオ基、2,3,5,6−テトラメチルフェニルチオ基、ペンタメチルフェニルチオ基、4−エチルフェニルチオ基、4−n−プロピルフェニルチオ基、4−イソプロピルフェニルチオ基、4−n−ブチルフェニルチオ基、4−s−ブチルフェニルチオ基、4−t−ブチルフェニルチオ基、4−n−ヘキシルフェニルチオ基、4−n−オクチルフェニルチオ基、4−n−デシルフェニルチオ基、4−n−テトラデシルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、1−アントラセニルチオ基、2−アントラセニルチオ基、1−フェナントリルチオ基、2−フェナントリルチオ基、9−フェナントリルチオ基、3−フェナントリルチオ基、4−フェナントリルチオ基、9−フェナントリルチオ基、2−フルオレニルチオ基などが例示され、好ましくはフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、4−n−ヘキシルフェニルチオ基、4−n−オクチルフェニルチオ基、4−n−デシルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、1−アントラセニルチオ基、2−アントラセニルチオ基、2−フルオレニルチオ基が挙げられる。
【0031】
において、ハロゲン置換の炭素原子数6〜30のアリールチオ基の具体例としては、上記炭素原子数6〜30のアリールチオ基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたものが例示される。
【0032】
における「置換されていてもよいアリールアルキル」の「アリールアルキル」としては、炭素原子数7〜50のアリールアルキル基が挙げられ、例えば、アリールメチル、アリールエチル、アリールプロピル、アリールブチル、アリールペンチル、アリールヘキシル、アリールヘプチル、アリールオクチルなどのアリールアルキル基が挙げられる。具体例としては、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(4,6−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(4−エチルフェニル)メチル基、(4−n−プロピルフェニル)メチル基、(4−イソプロピルフェニル)メチル基、(4−n−ブチルフェニル)メチル基、(4−s−ブチルフェニル)メチル基、(4−t−ブチルフェニル)メチル基、(4−n−ペンチルフェニル)メチル基、(4−ネオペンチルフェニル)メチル基、(4−n−ヘキシルフェニル)メチル基、(4−n−オクチルフェニル)メチル基、(4−n−デシルフェニル)メチル基、(4−n−デシルフェニル)メチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−アントラセニルメチル基、2−アントラセニルメチル基、9−アントラセニルメチル基、2−フルオレニルメチル基、フェニルエチル基、(2−メチルフェニル)エチル基、(3−メチルフェニル)エチル基、(4−メチルフェニル)エチル基、(2,3−ジメチルフェニル)エチル基、(2,4−ジメチルフェニル)エチル基、(2,5−ジメチルフェニル)エチル基、(2,6−ジメチルフェニル)エチル基、(3,4−ジメチルフェニル)エチル基、(4,6−ジメチルフェニル)エチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)エチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)エチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)エチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)エチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)エチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)エチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)エチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)エチル基、(ペンタメチルフェニル)エチル基、(4−エチルフェニル)エチル基、(4−n−プロピルフェニル)エチル基、(4−イソプロピルフェニル)エチル基、(4−n−ブチルフェニル)エチル基、(4−s−ブチルフェニル)エチル基、(4−t−ブチルフェニル)エチル基、(4−n−ペンチルフェニル)エチル基、(4−ネオペンチルフェニル)エチル基、(4−n−ヘキシルフェニル)エチル基、(4−n−オクチルフェニル)エチル基、(4−n−デシルフェニル)エチル基、(4−n−デシルフェニル)エチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基、1−アントラセニルエチル基、2−アントラセニルエチル基、9−アントラセニルエチル基、2−フルオレニルエチル基、フェニルプロピル基、(2−メチルフェニル)プロピル基、(3−メチルフェニル)プロピル基、(4−メチルフェニル)プロピル基、(2,3−ジメチルフェニル)プロピル基、(2,4−ジメチルフェニル)プロピル基、(2,5−ジメチルフェニル)プロピル基、(2,6−ジメチルフェニル)プロピル基、(3,4−ジメチルフェニル)プロピル基、(4,6−ジメチルフェニル)プロピル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)プロピル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)プロピル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)プロピル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)プロピル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)プロピル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)プロピル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)プロピル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)プロピル基、(ペンタメチルフェニル)プロピル基、(4−エチルフェニル)プロピル基、(4−n−プロピルフェニル)プロピル基、(4−イソプロピルフェニル)プロピル基、(4−n−ブチルフェニル)プロピル基、(4−s−ブチルフェニル)プロピル基、(4−t−ブチルフェニル)プロピル基、(4−n−ペンチルフェニル)プロピル基、(4−ネオペンチルフェニル)プロピル基、(4−n−ヘキシルフェニル)プロピル基、(4−n−オクチルフェニル)プロピル基、(4−n−デシルフェニル)プロピル基、(4−n−デシルフェニル)プロピル基、1−ナフチルプロピル基、2−ナフチルプロピル基、1−アントラセニルプロピル基、2−アントラセニルプロピル基、9−アントラセニルプロピル基、2−フルオレニルプロピル基、フェニルブチル基、(2−メチルフェニル)ブチル基、(3−メチルフェニル)ブチル基、(4−メチルフェニル)ブチル基、(2,3−ジメチルフェニル)ブチル基、(2,4−ジメチルフェニル)ブチル基、(2,5−ジメチルフェニル)ブチル基、(2,6−ジメチルフェニル)ブチル基、(3,4−ジメチルフェニル)ブチル基、(4,6−ジメチルフェニル)ブチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)ブチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)ブチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)ブチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)ブチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)ブチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)ブチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)ブチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)ブチル基、(ペンタメチルフェニル)ブチル基、(4−エチルフェニル)ブチル基、(4−n−プロピルフェニル)ブチル基、(4−イソプロピルフェニル)ブチル基、(4−n−ブチルフェニル)ブチル基、(4−s−ブチルフェニル)ブチル基、(4−t−ブチルフェニル)ブチル基、(4−n−ペンチルフェニル)ブチル基、(4−ネオペンチルフェニル)ブチル基、(4−n−ヘキシルフェニル)ブチル基、(4−n−オクチルフェニル)ブチル基、(4−n−デシルフェニル)ブチル基、(4−n−デシルフェニル)ブチル基、1−ナフチルブチル基、2−ナフチルブチル基、1−アントラセニルブチル基、2−アントラセニルブチル基、9−アントラセニルブチル基、2−フルオレニルブチル基、フェニルペンチル基、(2−メチルフェニル)ペンチル基、(3−メチルフェニル)ペンチル基、(4−メチルフェニル)ペンチル基、(2,3−ジメチルフェニル)ペンチル基、(2,4−ジメチルフェニル)ペンチル基、(2,5−ジメチルフェニル)ペンチル基、(2,6−ジメチルフェニル)ペンチル基、(3,4−ジメチルフェニル)ペンチル基、(4,6−ジメチルフェニル)ペンチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)ペンチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)ペンチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)ペンチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)ペンチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)ペンチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)ペンチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)ペンチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)ペンチル基、(ペンタメチルフェニル)ペンチル基、(4−エチルフェニル)ペンチル基、(4−n−プロピルフェニル)ペンチル基、(4−イソプロピルフェニル)ペンチル基、(4−n−ブチルフェニル)ペンチル基、(4−s−ブチルフェニル)ペンチル基、(4−t−ブチルフェニル)ペンチル基、(4−n−ペンチルフェニル)ペンチル基、(4−ネオペンチルフェニル)ペンチル基、(4−n−ヘキシルフェニル)ペンチル基、(4−n−オクチルフェニル)ペンチル基、(4−n−デシルフェニル)ペンチル基、(4−n−デシルフェニル)ペンチル基、1−ナフチルペンチル基、2−ナフチルペンチル基、1−アントラセニルペンチル基、2−アントラセニルペンチル基、9−アントラセニルペンチル基、2−フルオレニルペンチル基、フェニルヘキシル基、(2−メチルフェニル)ヘキシル基、(3−メチルフェニル)ヘキシル基、(4−メチルフェニル)ヘキシル基、(2,3−ジメチルフェニル)ヘキシル基、(2,4−ジメチルフェニル)ヘキシル基、(2,5−ジメチルフェニル)ヘキシル基、(2,6−ジメチルフェニル)ヘキシル基、(3,4−ジメチルフェニル)ヘキシル基、(4,6−ジメチルフェニル)ヘキシル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)ヘキシル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)ヘキシル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)ヘキシル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)ヘキシル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)ヘキシル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)ヘキシル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)ヘキシル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)ヘキシル基、(ペンタメチルフェニル)ヘキシル基、(4−エチルフェニル)ヘキシル基、(4−n−プロピルフェニル)ヘキシル基、(4−イソプロピルフェニル)ヘキシル基、(4−n−ブチルフェニル)ヘキシル基、(4−s−ブチルフェニル)ヘキシル基、(4−t−ブチルフェニル)ヘキシル基、(4−n−ペンチルフェニル)ヘキシル基、(4−ネオペンチルフェニル)ヘキシル基、(4−n−ヘキシルフェニル)ヘキシル基、(4−n−オクチルフェニル)ヘキシル基、(4−n−デシルフェニル)ヘキシル基、(4−n−デシルフェニル)ヘキシル基、1−ナフチルヘキシル基、2−ナフチルヘキシル基、1−アントラセニルヘキシル基、2−アントラセニルヘキシル基、9−アントラセニルヘキシル基、2−フルオレニルヘキシル基、フェニルヘプチル基、(2−メチルフェニル)ヘプチル基、(3−メチルフェニル)ヘプチル基、(4−メチルフェニル)ヘプチル基、(2,3−ジメチルフェニル)ヘプチル基、(2,4−ジメチルフェニル)ヘプチル基、(2,5−ジメチルフェニル)ヘプチル基、(2,6−ジメチルフェニル)ヘプチル基、(3,4−ジメチルフェニル)ヘプチル基、(4,6−ジメチルフェニル)ヘプチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)ヘプチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)ヘプチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)ヘプチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)ヘプチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)ヘプチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)ヘプチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)ヘプチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)ヘプチル基、(ペンタメチルフェニル)ヘプチル基、(4−エチルフェニル)ヘプチル基、(4−n−プロピルフェニル)ヘプチル基、(4−イソプロピルフェニル)ヘプチル基、(4−n−ブチルフェニル)ヘプチル基、(4−s−ブチルフェニル)ヘプチル基、(4−t−ブチルフェニル)ヘプチル基、(4−n−ペンチルフェニル)ヘプチル基、(4−ネオペンチルフェニル)ヘプチル基、(4−n−ヘキシルフェニル)ヘプチル基、(4−n−オクチルフェニル)ヘプチル基、(4−n−デシルフェニル)ヘプチル基、(4−n−デシルフェニル)ヘプチル基、1−ナフチルヘプチル基、2−ナフチルヘプチル基、1−アントラセニルヘプチル基、2−アントラセニルヘプチル基、9−アントラセニルヘプチル基、2−フルオレニルヘプチル基、フェニルオクチル基、(2−メチルフェニル)オクチル基、(3−メチルフェニル)オクチル基、(4−メチルフェニル)オクチル基、(2,3−ジメチルフェニル)オクチル基、(2,4−ジメチルフェニル)オクチル基、(2,5−ジメチルフェニ
ル)オクチル基、(2,6−ジメチルフェニル)オクチル基、(3,4−ジメチルフェニル)オクチル基、(4,6−ジメチルフェニル)オクチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)オクチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)オクチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)オクチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)オクチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)オクチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)オクチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)オクチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)オクチル基、(ペンタメチルフェニル)オクチル基、(4−エチルフェニル)オクチル基、(4−n−プロピルフェニル)オクチル基、(4−イソプロピルフェニル)オクチル基、(4−n−ブチルフェニル)オクチル基、(4−s−ブチルフェニル)オクチル基、(4−t−ブチルフェニル)オクチル基、(4−n−ペンチルフェニル)オクチル基、(4−ネオペンチルフェニル)オクチル基、(4−n−ヘキシルフェニル)オクチル基、(4−n−オクチルフェニル)オクチル基、(4−n−デシルフェニル)オクチル基、(4−n−デシルフェニル)オクチル基、1−ナフチルオクチル基、2−ナフチルオクチル基、1−アントラセニルオクチル基、2−アントラセニルオクチル基、9−アントラセニルオクチル基、2−フルオレニルオクチル基などが例示され、
好ましくはベンジル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−アントラセニルメチル基、2−アントラセニルメチル基、9−アントラセニルメチル基、2−フルオレニルメチル基、フェニルエチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基、1−アントラセニルエチル基、2−アントラセニルエチル基、9−アントラセニルエチル基、2−フルオレニルエチル基、フェニルプロピル基、1−ナフチルプロピル基、2−ナフチルプロピル基、1−アントラセニルプロピル基、2−アントラセニルプロピル基、9−アントラセニルプロピル基、2−フルオレニルプロピル基、フェニルブチル基、1−ナフチルブチル基、2−ナフチルブチル基、1−アントラセニルブチル基、2−アントラセニルブチル基、9−アントラセニルブチル基、2−フルオレニルブチル基、フェニルペンチル基、1−ナフチルペンチル基、2−ナフチルペンチル基、1−アントラセニルペンチル基、2−アントラセニルペンチル基、9−アントラセニルペンチル基、2−フルオレニルペンチル基、フェニルヘキシル基、1−ナフチルヘキシル基、2−ナフチルヘキシル基、1−アントラセニルヘキシル基、2−アントラセニルヘキシル基、9−アントラセニルヘキシル基、2−フルオレニルヘキシル基、フェニルヘプチル基、1−ナフチルヘプチル基、2−ナフチルヘプチル基、1−アントラセニルヘプチル基、2−アントラセニルヘプチル基、9−アントラセニルヘプチル基、2−フルオレニルヘプチル基、フェニルオクチル基、1−ナフチルオクチル基、2−ナフチルオクチル基、1−アントラセニルオクチル基、2−アントラセニルオクチル基、9−アントラセニルオクチル基、2−フルオレニルオクチル基が挙げられる。
【0033】
なお「アリールアルキル」の「アリール」としては、上記「置換されていてもよいアリール」の炭素原子数6〜30からなるアリール基が挙げられ、また「アリールアルキル」の「アルキル」としては、上記「置換されていてもよいアルキル」の炭素数1〜30の直鎖、分枝鎖又は環状のアルキル基が挙げられる。
【0034】
においてハロゲン置換の炭素原子数7〜50のアリールアルキル基の具体例としてはこれらのアリールアルキル基が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたものが例示される。
【0035】
における「置換されていてもよいアリールアルケニル」の「アリールアルケニル」としては、炭素数8〜50のアリールアルケニルが挙げられ、例えば、アリールビニル、アリールプロペニル、アリールブテニル、アリールペンテニル、アリールヘキセニル、アリールヘプテニル、アリールオクチニルなどのアリールアルケニル基が挙げられる。
【0036】
具体的には、フェニルビニル基、(2−メチルフェニル)ビニル基、(3−メチルフェニル)ビニル基、(4−メチルフェニル)ビニル基、(2,3−ジメチルフェニル)ビニル基、(2,4−ジメチルフェニル)ビニル基、(2,5−ジメチルフェニル)ビニル基、(2,6−ジメチルフェニル)ビニル基、(3,4−ジメチルフェニル)ビニル基、(4,6−ジメチルフェニル)ビニル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)ビニル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)ビニル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)ビニル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)ビニル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)ビニル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)ビニル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)ビニル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)ビニル基、(ペンタメチルフェニル)ビニル基、(4−エチルフェニル)ビニル基、(4−n−プロピルフェニル)ビニル基、(4−イソプロピルフェニル)ビニル基、(4−n−ブチルフェニル)ビニル基、(4−s−ブチルフェニル)ビニル基、(4−t−ブチルフェニル)ビニル基、(4−n−ペンチルフェニル)ビニル基、(4−ネオペンチルフェニル)ビニル基、(4−n−ヘキシルフェニル)ビニル基、(4−n−オクチルフェニル)ビニル基、(4−n−デシルフェニル)ビニル基、(4−n−デシルフェニル)ビニル基、1−ナフチルビニル基、2−ナフチルビニル基、1−アントラセニルビニル基、2−アントラセニルビニル基、9−アントラセニルビニル基、2−フルオレニルビニル基、フェニルプロペニル基、(2−メチルフェニル)プロペニル基、(3−メチルフェニル)プロペニル基、(4−メチルフェニル)プロペニル基、(2,3−ジメチルフェニル)プロペニル基、(2,4−ジメチルフェニル)プロペニル基、(2,5−ジメチルフェニル)プロペニル基、(2,6−ジメチルフェニル)プロペニル基、(3,4−ジメチルフェニル)プロペニル基、(4,6−ジメチルフェニル)プロペニル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)プロペニル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)プロペニル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)プロペニル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)プロペニル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)プロペニル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)プロペニル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)プロペニル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)プロペニル基、(ペンタメチルフェニル)プロペニル基、(4−エチルフェニル)プロペニル基、(4−n−プロピルフェニル)プロペニル基、(4−イソプロピルフェニル)プロペニル基、(4−n−ブチルフェニル)プロペニル基、(4−s−ブチルフェニル)プロペニル基、(4−t−ブチルフェニル)プロペニル基、(4−n−ペンチルフェニル)プロペニル基、(4−ネオペンチルフェニル)プロペニル基、(4−n−ヘキシルフェニル)プロペニル基、(4−n−オクチルフェニル)プロペニル基、(4−n−デシルフェニル)プロペニル基、(4−n−デシルフェニル)プロペニル基、1−ナフチルプロペニル基、2−ナフチルプロペニル基、1−アントラセニルプロペニル基、2−アントラセニルプロペニル基、9−アントラセニルプロペニル基、2−フルオレニルプロペニル基、フェニルブテニル基、(2−メチルフェニル)ブテニル基、(3−メチルフェニル)ブテニル基、(4−メチルフェニル)ブテニル基、(2,3−ジメチルフェニル)ブテニル基、(2,4−ジメチルフェニル)ブテニル基、(2,5−ジメチルフェニル)ブテニル基、(2,6−ジメチルフェニル)ブテニル基、(3,4−ジメチルフェニル)ブテニル基、(4,6−ジメチルフェニル)ブテニル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)ブテニル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)ブテニル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)ブテニル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)ブテニル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)ブテニル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)ブテニル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)ブテニル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)ブテニル基、(ペンタメチルフェニル)ブテニル基、(4−エチルフェニル)ブテニル基、(4−n−プロピルフェニル)ブテニル基、(4−イソプロピルフェニル)ブテニル基、(4−n−ブチルフェニル)ブテニル基、(4−s−ブチルフェニル)ブテニル基、(4−t−ブチルフェニル)ブテニル基、(4−n−ペンチルフェニル)ブテニル基、(4−ネオペンチルフェニル)ブテニル基、(4−n−ヘキシルフェニル)ブテニル基、(4−n−オクチルフェニル)ブテニル基、(4−n−デシルフェニル)ブテニル基、(4−n−デシルフェニル)ブテニル基、1−ナフチルブテニル基、2−ナフチルブテニル基、1−アントラセニルブテニル基、2−アントラセニルブテニル基、9−アントラセニルブテニル基、2−フルオレニルブテニル基、フェニルペンテニル基、(2−メチルフェニル)ペンテニル基、(3−メチルフェニル)ペンテニル基、(4−メチルフェニル)ペンテニル基、(2,3−ジメチルフェニル)ペンテニル基、(2,4−ジメチルフェニル)ペンテニル基、(2,5−ジメチルフェニル)ペンテニル基、(2,6−ジメチルフェニル)ペンテニル基、(3,4−ジメチルフェニル)ペンテニル基、(4,6−ジメチルフェニル)ペンテニル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)ペンテニル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)ペンテニル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)ペンテニル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)ペンテニル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)ペンテニル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)ペンテニル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)ペンテニル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)ペンテニル基、(ペンタメチルフェニル)ペンテニル基、(4−エチルフェニル)ペンテニル基、(4−n−プロピルフェニル)ペンテニル基、(4−イソプロピルフェニル)ペンテニル基、(4−n−ブチルフェニル)ペンテニル基、(4−s−ブチルフェニル)ペンテニル基、(4−t−ブチルフェニル)ペンテニル基、(4−n−ペンチルフェニル)ペンテニル基、(4−ネオペンチルフェニル)ペンテニル基、(4−n−ヘキシルフェニル)ペンテニル基、(4−n−オクチルフェニル)ペンテニル基、(4−n−デシルフェニル)ペンテニル基、(4−n−デシルフェニル)ペンテニル基、1−ナフチルペンテニル基、2−ナフチルペンテニル基、1−アントラセニルペンテニル基、2−アントラセニルペンテニル基、9−アントラセニルペンテニル基、2−フルオレニルペンテニル基、フェニルヘキセニル基、(2−メチルフェニル)ヘキセニル基、(3−メチルフェニル)ヘキセニル基、(4−メチルフェニル)ヘキセニル基、(2,3−ジメチルフェニル)ヘキセニル基、(2,4−ジメチルフェニル)ヘキセニル基、(2,5−ジメチルフェニル)ヘキセニル基、(2,6−ジメチルフェニル)ヘキセニル基、(3,4−ジメチルフェニル)ヘキセニル基、(4,6−ジメチルフェニル)ヘキセニル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)ヘキセニル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)ヘキセニル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)ヘキセニル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)ヘキセニル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)ヘキセニル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)ヘキセニル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)ヘキセニル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)ヘキセニル基、(ペンタメチルフェニル)ヘキセニル基、(4−エチルフェニル)ヘキセニル基、(4−n−プロピルフェニル)ヘキセニル基、(4−イソプロピルフェニル)ヘキセニル基、(4−n−ブチルフェニル)ヘキセニル基、(4−s−ブチルフェニル)ヘキセニル基、(4−t−ブチルフェニル)ヘキセニル基、(4−n−ペンチルフェニル)ヘキセニル基、(4−ネオペンチルフェニル)ヘキセニル基、(4−n−ヘキシルフェニル)ヘキセニル基、(4−n−オクチルフェニル)ヘキセニル基、(4−n−デシルフェニル)ヘキセニル基、(4−n−デシルフェニル)ヘキセニル基、1−ナフチルヘキセニル基、2−ナフチルヘキセニル基、1−アントラセニルヘキセニル基、2−アントラセニルヘキセニル基、9−アントラセニルヘキセニル基、2−フルオレニルヘキセニル基、フェニルヘプテニル基、(2−メチルフェニル)ヘプテニル基、(3−メチルフェニル)ヘプテニル基、(4−メチルフェニル)ヘプテニル基、(2,3−ジメチルフェニル)ヘプテニル基、(2,4−ジメチルフェニル)ヘプテニル基、(2,5−ジメチルフェニル)ヘプテニル基、(2,6−ジメチルフェニル)ヘプテニル基、(3,4−ジメチルフェニル)ヘプテニル基、(4,6−ジメチルフェニル)ヘプテニル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)ヘプテニル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)ヘプテニル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)ヘプテニル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)ヘプテニル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)ヘプテニル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)ヘプテニル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)ヘプテニル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)ヘプテニル基、(ペンタメチルフェニル)ヘプテニル基、(4−エチルフェニル)ヘプテニル基、(4−n−プロピルフェニル)ヘプテニル基、(4−イソプロピルフェニル)ヘプテニル基、(4−n−ブチルフェニル)ヘプテニル基、(4−s−ブチルフェニル)ヘプテニル基、(4−t−ブチルフェニル)ヘプテニル基、(4−n−ペンチルフェニル)ヘプテニル基、(4−ネオペンチルフェニル)ヘプテニル基、(4−n−ヘキシルフェニル)ヘプテニル基、(4−n−オクチルフェニル)ヘプテニル基、(4−n−デシルフェニル)ヘプテニル基、(4−n−デシルフェニル)ヘプテニル基、1−ナフチルヘプテニル基、2−ナフチルヘプテニル基、1−アントラセニルヘプテニル基、2−アントラセニルヘプテニル基、9−アントラセニルヘプテニル基、2−フルオレニルヘプテニル基、フェニルオクテニル基、(2−メチルフェニル)オクテニル基、(3−メチルフェニル)オクテニル基、(4−メチルフェニル)オクテニル基、(2,3−ジメチルフェニル)オクテニル基、(2,4−ジメチルフェニル)オクテニル基、(2,5−ジメチルフェニル)オクテニル基、(2,6−ジメチルフェニル)オクテニル基、(3,4−ジメチルフェニル)オクテニル基、(4,6−ジメチルフェニル)オクテニル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)オクテニル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)オクテニル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)オクテニル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)オクテニル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)オクテニル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)オクテニル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)オクテニル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)オクテニル基、(ペンタメチルフェニル)オクテニル基、(4−エチルフェニル)オクテニル基、(4−n−プロピルフェニル)オクテニル基、(4−イソプロピルフェニル)オクテニル基、(4−n−ブチルフェニル)オクテニル基、(4−s−ブチルフェニル)オクテニル基、(4−t−ブチルフェニル)オクテニル基、(4−n−ペンチルフェニル)オクテニル基、(4−ネオペンチルフェニル)オクテニル基、(4−n−ヘキシルフェニル)オクテニル基、(4−n−オクチルフェニル)オクテニル基、(4−n−デシルフェニル)オクテニル基、(4−n−デシルフェニル)オクテニル基、1−ナフチルオクテニル基、2−ナフチルオクテニル基、1−アントラセニルオクテニル基、2−アントラセニルオクテニル基、9−アントラセニルオクテニル基、2−フルオレニルオクテニル基、などが例示され、
好ましくはフェニルビニル基、1−ナフチルビニル基、2−ナフチルビニル基、1−アントラセニルビニル基、2−アントラセニルビニル基、9−アントラセニルビニル基、2−フルオレニルビニル基、フェニルプロペニル基、1−ナフチルプロペニル基、2−ナフチルプロペニル基、1−アントラセニルプロペニル基、2−アントラセニルプロペニル基、9−アントラセニルプロペニル基、2−フルオレニルプロペニル基、フェニルブテニル基、1−ナフチルブテニル基、2−ナフチルブテニル基、1−アントラセニルブテニル基、2−アントラセニルブテニル基、9−アントラセニルブテニル基、2−フルオレニルブテニル基、フェニルペンテニル基、1−ナフチルペンテニル基、2−ナフチルペンテニル基、1−アントラセニルペンテニル基、2−アントラセニルペンテニル基、9−アントラセニルペンテニル基、2−フルオレニルペンテニル基、フェニルヘキセニル基、1−ナフチルヘキセニル基、2−ナフチルヘキセニル基、1−アントラセニルヘキセニル基、2−アントラセニルヘキセニル基、9−アントラセニルヘキセニル基、2−フルオレニルヘキセニル基、フェニルヘプテニル基、1−ナフチルヘプテニル基、2−ナフチルヘプテニル基、1−アントラセニルヘプテニル基、2−アントラセニルヘプテニル基、9−アントラセニルヘプテニル基、2−フルオレニルヘプテニル基、フェニルオクテニル基、1−ナフチルオクテニル基、2−ナフチルオクテニル基、1−アントラセニルオクテニル基、2−アントラセニルオクテニル基、9−アントラセニルオクテニル基、2−フルオレニルオクテニル基が挙げられる。
【0037】
なお「アリールアルケニル」の「アリール」としては、上記「置換されていてもよいアリール」の炭素原子数6〜30からなるアリール基が挙げられ、また「アリールアルケニル」の「アルケニル」としては、上記「置換されていてもよいアルケニル」の炭素数2〜30の直鎖、分枝鎖又は環状のアルケニル基が挙げられる。
【0038】
において、ハロゲン置換の炭素原子数8〜50のアリールアルケニル基の具体例としてはこれらのアリールアルケニル基が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたものが例示される。
【0039】
における「置換されていてもよいアリールアルキニル」の「アリールアルキニル」としては、炭素数8〜50のアリールアルキニルが挙げられ、例えば、アリールエチニル、アリールプロピニル、アリールブチニル、アリールペンチニル、アリールヘキシニル、アリールへプチニル、アリールオクチニルなどのアリールアルキニル基が挙げられる。
【0040】
具体的には、フェニルエチニル基、(2−メチルフェニル)エチニル基、(3−メチルフェニル)エチニル基、(4−メチルフェニル)エチニル基、(2,3−ジメチルフェニル)エチニル基、(2,4−ジメチルフェニル)エチニル基、(2,5−ジメチルフェニル)エチニル基、(2,6−ジメチルフェニル)エチニル基、(3,4−ジメチルフェニル)エチニル基、(4,6−ジメチルフェニル)エチニル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)エチニル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)エチニル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)エチニル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)エチニル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)エチニル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)エチニル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)エチニル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)エチニル基、(ペンタメチルフェニル)エチニル基、(4−エチルフェニル)エチニル基、(4−n−プロピルフェニル)エチニル基、(4−イソプロピルフェニル)エチニル基、(4−n−ブチルフェニル)エチニル基、(4−s−ブチルフェニル)エチニル基、(4−t−ブチルフェニル)エチニル基、(4−n−ペンチルフェニル)エチニル基、(4−ネオペンチルフェニル)エチニル基、(4−n−ヘキシルフェニル)エチニル基、(4−n−オクチルフェニル)エチニル基、(4−n−デシルフェニル)エチニル基、(4−n−デシルフェニル)エチニル基、1−ナフチルエチニル基、2−ナフチルエチニル基、1−アントラセニルエチニル基、2−アントラセニルエチニル基、9−アントラセニルエチニル基、2−フルオレニルエチニル基、フェニルプロピニル基、(2−メチルフェニル)プロピニル基、(3−メチルフェニル)プロピニル基、(4−メチルフェニル)プロピニル基、(2,3−ジメチルフェニル)プロピニル基、(2,4−ジメチルフェニル)プロピニル基、(2,5−ジメチルフェニル)プロピニル基、(2,6−ジメチルフェニル)プロピニル基、(3,4−ジメチルフェニル)プロピニル基、(4,6−ジメチルフェニル)プロピニル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)プロピニル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)プロピニル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)プロピニル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)プロピニル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)プロピニル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)プロピニル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)プロピニル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)プロピニル基、(ペンタメチルフェニル)プロピニル基、(4−エチルフェニル)プロピニル基、(4−n−プロピルフェニル)プロピニル基、(4−イソプロピルフェニル)プロピニル基、(4−n−ブチルフェニル)プロピニル基、(4−s−ブチルフェニル)プロピニル基、(4−t−ブチルフェニル)プロピニル基、(4−n−ペンチルフェニル)プロピニル基、(4−ネオペンチルフェニル)プロピニル基、(4−n−ヘキシルフェニル)プロピニル基、(4−n−オクチルフェニル)プロピニル基、(4−n−デシルフェニル)プロピニル基、(4−n−デシルフェニル)プロピニル基、1−ナフチルプロピニル基、2−ナフチルプロピニル基、1−アントラセニルプロピニル基、2−アントラセニルプロピニル基、9−アントラセニルプロピニル基、2−フルオレニルプロピニル基、フェニルブチニル基、(2−メチルフェニル)ブチニル基、(3−メチルフェニル)ブチニル基、(4−メチルフェニル)ブチニル基、(2,3−ジメチルフェニル)ブチニル基、(2,4−ジメチルフェニル)ブチニル基、(2,5−ジメチルフェニル)ブチニル基、(2,6−ジメチルフェニル)ブチニル基、(3,4−ジメチルフェニル)ブチニル基、(4,6−ジメチルフェニル)ブチニル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)ブチニル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)ブチニル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)ブチニル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)ブチニル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)ブチニル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)ブチニル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)ブチニル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)ブチニル基、(ペンタメチルフェニル)ブチニル基、(4−エチルフェニル)ブチニル基、(4−n−プロピルフェニル)ブチニル基、(4−イソプロピルフェニル)ブチニル基、(4−n−ブチルフェニル)ブチニル基、(4−s−ブチルフェニル)ブチニル基、(4−t−ブチルフェニル)ブチニル基、(4−n−ペンチルフェニル)ブチニル基、(4−ネオペンチルフェニル)ブチニル基、(4−n−ヘキシルフェニル)ブチニル基、(4−n−オクチルフェニル)ブチニル基、(4−n−デシルフェニル)ブチニル基、(4−n−デシルフェニル)ブチニル基、1−ナフチルブチニル基、2−ナフチルブチニル基、1−アントラセニルブチニル基、2−アントラセニルブチニル基、9−アントラセニルブチニル基、2−フルオレニルブチニル基、フェニルペンチニル基、(2−メチルフェニル)ペンチニル基、(3−メチルフェニル)ペンチニル基、(4−メチルフェニル)ペンチニル基、(2,3−ジメチルフェニル)ペンチニル基、(2,4−ジメチルフェニル)ペンチニル基、(2,5−ジメチルフェニル)ペンチニル基、(2,6−ジメチルフェニル)ペンチニル基、(3,4−ジメチルフェニル)ペンチニル基、(4,6−ジメチルフェニル)ペンチニル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)ペンチニル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)ペンチニル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)ペンチニル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)ペンチニル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)ペンチニル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)ペンチニル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)ペンチニル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)ペンチニル基、(ペンタメチルフェニル)ペンチニル基、(4−エチルフェニル)ペンチニル基、(4−n−プロピルフェニル)ペンチニル基、(4−イソプロピルフェニル)ペンチニル基、(4−n−ブチルフェニル)ペンチニル基、(4−s−ブチルフェニル)ペンチニル基、(4−t−ブチルフェニル)ペンチニル基、(4−n−ペンチルフェニル)ペンチニル基、(4−ネオペンチルフェニル)ペンチニル基、(4−n−ヘキシルフェニル)ペンチニル基、(4−n−オクチルフェニル)ペンチニル基、(4−n−デシルフェニル)ペンチニル基、(4−n−デシルフェニル)ペンチニル基、1−ナフチルペンチニル基、2−ナフチルペンチニル基、1−アントラセニルペンチニル基、2−アントラセニルペンチニル基、9−アントラセニルペンチニル基、2−フルオレニルペンチニル基、フェニルヘキシニル基、(2−メチルフェニル)ヘキシニル基、(3−メチルフェニル)ヘキシニル基、(4−メチルフェニル)ヘキシニル基、(2,3−ジメチルフェニル)ヘキシニル基、(2,4−ジメチルフェニル)ヘキシニル基、(2,5−ジメチルフェニル)ヘキシニル基、(2,6−ジメチルフェニル)ヘキシニル基、(3,4−ジメチルフェニル)ヘキシニル基、(4,6−ジメチルフェニル)ヘキシニル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)ヘキシニル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)ヘキシニル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)ヘキシニル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)ヘキシニル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)ヘキシニル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)ヘキシニル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)ヘキシニル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)ヘキシニル基、(ペンタメチルフェニル)ヘキシニル基、(4−エチルフェニル)ヘキシニル基、(4−n−プロピルフェニル)ヘキシニル基、(4−イソプロピルフェニル)ヘキシニル基、(4−n−ブチルフェニル)ヘキシニル基、(4−s−ブチルフェニル)ヘキシニル基、(4−t−ブチルフェニル)ヘキシニル基、(4−n−ペンチルフェニル)ヘキシニル基、(4−ネオペンチルフェニル)ヘキシニル基、(4−n−ヘキシルフェニル)ヘキシニル基、(4−n−オクチルフェニル)ヘキシニル基、(4−n−デシルフェニル)ヘキシニル基、(4−n−デシルフェニル)ヘキシニル基、1−ナフチルヘキシニル基、2−ナフチルヘキシニル基、1−アントラセニルヘキシニル基、2−アントラセニルヘキシニル基、9−アントラセニルヘキシニル基、2−フルオレニルヘキシニル基、フェニルへプチニル基、(2−メチルフェニル)へプチニル基、(3−メチルフェニル)へプチニル基、(4−メチルフェニル)へプチニル基、(2,3−ジメチルフェニル)へプチニル基、(2,4−ジメチルフェニル)へプチニル基、(2,5−ジメチルフェニル)へプチニル基、(2,6−ジメチルフェニル)へプチニル基、(3,4−ジメチルフェニル)へプチニル基、(4,6−ジメチルフェニル)へプチニル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)へプチニル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)へプチニル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)へプチニル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)へプチニル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)へプチニル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)へプチニル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)へプチニル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)へプチニル基、(ペンタメチルフェニル)へプチニル基、(4−エチルフェニル)へプチニル基、(4−n−プロピルフェニル)へプチニル基、(4−イソプロピルフェニル)へプチニル基、(4−n−ブチルフェニル)へプチニル基、(4−s−ブチルフェニル)へプチニル基、(4−t−ブチルフェニル)へプチニル基、(4−n−ペンチルフェニル)へプチニル基、(4−ネオペンチルフェニル)へプチニル基、(4−n−ヘキシルフェニル)へプチニル基、(4−n−オクチルフェニル)へプチニル基、(4−n−デシルフェニル)へプチニル基、(4−n−デシルフェニル)へプチニル基、1−ナフチルへプチニル基、2−ナフチルへプチニル基、1−アントラセニルへプチニル基、2−アントラセニルへプチニル基、9−アントラセニルへプチニル基、2−フルオレニルへプチニル基、フェニルオクチニル基、(2−メチルフェニル)オクチニル基、(3−メチルフェニル)オクチニル基、(4−メチルフェニル)オクチニル基、(2,3−ジメチルフェニル)オクチニル基、(2,4−ジメチルフェニル)オクチニル基、(2,5−ジメチルフェニル)オクチニル基、(2,6−ジメチルフェニル)オクチニル基、(3,4−ジメチルフェニル)オクチニル基、(4,6−ジメチルフェニル)オクチニル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)オクチニル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)オクチニル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)オクチニル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)オクチニル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)オクチニル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)オクチニル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)オクチニル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)オクチニル基、(ペンタメチルフェニル)オクチニル基、(4−エチルフェニル)オクチニル基、(4−n−プロピルフェニル)オクチニル基、(4−イソプロピルフェニル)オクチニル基、(4−n−ブチルフェニル)オクチニル基、(4−s−ブチルフェニル)オクチニル基、(4−t−ブチルフェニル)オクチニル基、(4−n−ペンチルフェニル)オクチニル基、(4−ネオペンチルフェニル)オクチニル基、(4−n−ヘキシルフェニル)オクチニル基、(4−n−オクチルフェニル)オクチニル基、(4−n−デシルフェニル)オクチニル基、(4−n−デシルフェニル)オクチニル基、1−ナフチルオクチニル基、2−ナフチルオクチニル基、1−アントラセニルオクチニル基、2−アントラセニルオクチニル基、9−アントラセニルオク
チニル基、2−フルオレニルオクチニル基、などが例示され、
好ましくはフェニルエチニル基、1−ナフチルエチニル基、2−ナフチルエチニル基、1−アントラセニルエチニル基、2−アントラセニルエチニル基、9−アントラセニルエチニル基、2−フルオレニルエチニル基、フェニルプロピニル基、1−ナフチルプロピニル基、2−ナフチルプロピニル基、1−アントラセニルプロピニル基、2−アントラセニルプロピニル基、9−アントラセニルプロピニル基、2−フルオレニルプロピニル基、フェニルブチニル基、1−ナフチルブチニル基、2−ナフチルブチニル基、1−アントラセニルブチニル基、2−アントラセニルブチニル基、9−アントラセニルブチニル基、2−フルオレニルブチニル基、フェニルペンチニル基、1−ナフチルペンチニル基、2−ナフチルペンチニル基、1−アントラセニルペンチニル基、2−アントラセニルペンチニル基、9−アントラセニルペンチニル基、2−フルオレニルペンチニル基、フェニルヘキシニル基、1−ナフチルヘキシニル基、2−ナフチルヘキシニル基、1−アントラセニルヘキシニル基、2−アントラセニルヘキシニル基、9−アントラセニルヘキシニル基、2−フルオレニルヘキシニル基、フェニルヘプチニル基、1−ナフチルヘプチニル基、2−ナフチルヘプチニル基、1−アントラセニルヘプチニル基、2−アントラセニルヘプチニル基、9−アントラセニルヘプチニル基、2−フルオレニルへプチニル基、フェニルオクチニル基、1−ナフチルオクチニル基、2−ナフチルオクチニル基、1−アントラセニルオクチニル基、2−アントラセニルオクチニル基、9−アントラセニルオクチニル基、2−フルオレニルオクチニル基、が挙げられる。
【0041】
なお「アリールアルキニル」の「アリール」としては、上記「置換されていてもよいアリール」の炭素原子数6〜30からなるアリール基が挙げられ、また「アリールアルキニル」の「アルキニル」としては、上記「置換されていてもよいアルキニル」の炭素数2〜30の直鎖、分枝鎖又は環状のアルキニル基が挙げられる。
【0042】
において、ハロゲン置換の炭素原子数8〜50のアリールアルキニル基の具体例としてはこれらのアリールアルキニル基が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたものが例示される。
【0043】
における「置換されていてもよいボリル」の「ボリル」として、具体的には、ジフェニルボリル、2−ジトリルボリル、3−ジトリルボリル、4−ジトリルボリル、ジメシチルボリル、1−ジアントリルボリル、2−ジアントリルボリルなどのジアリールボリル基があげられる。
【0044】
における「置換されていてもよいアミノ」の「アミノ」としては、2つの炭化水素基で置換されたアミノ基であって、ここで炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などの炭素原子数1〜30のアルキル基、フェニル基などのアリール基などが例示され、これらの置換基は互いに結合して環を形成していてもよい。かかる炭素原子数1〜30の炭化水素基で置換されたアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−s−ブチルアミノ基、ジ−t−ブチルアミノ基、ジ−イソブチルアミノ基、t−ブチルイソプロピルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジ−n−デシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビストリメチルシリルアミノ基、ビス−t−ブチルジメチルシリルアミノ基、ピロリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、カルバゾリル基、ジヒドロインドリル基、ジヒドロイソインドリル基などが例示され、好ましくはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基,ピロリジニル基、ピペリジニル基等が挙げられる。これらの置換アミノ基を構成する炭化水素基としては、上記のような炭化水素基のほかにフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換された炭化水素基が例示される。
【0045】
における「置換されていてもよいシリル基」で、炭化水素基で置換されたシリル基の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基などの炭素原子数1〜30のアルキル基、フェニル基などのアリール基などが例示される。かかる炭素原子数1〜30の炭化水素で置換されたシリル基の具体例としては、メチルシリル基、エチルシリル基、フェニルシリル基などの炭素原子数1〜30の一置換シリル基、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジフェニルシリル基などの炭素原子数1〜30の炭化水素基で置換された二置換シリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−s−ブチルシリル基、トリ−t−ブチルシリル基、トリ−イソブチルシリル基、t−ブチル−ジメチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基などの炭素原子数1〜30の炭化水素基で置換された三置換シリル基などが例示され、好ましくはトリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基が挙げられる。これらの置換シリル基を構成する炭化水素基としては、上記のような炭化水素基のほかにフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子などのハロゲン原子で置換された炭化水素基が例示される。
【0046】
における「置換されていてもよいシリルオキシ」としては、トリアルキルシリルオキシ(例えば、トリメチルシリルオキシ、トリエチルシリルオキシ、トリイソプロピルシリルオキシ、ジエチルイソプロピルシリルオキシ、ジメチルイソプロピルシリルオキシ、ジ−t−ブチルメチルシリルオキシ、イソプロピルジメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ、テキシルジメチルシリルオキシなどがあげられる)、トリアルキルアリールシリルオキシ(例えば、ジフェニルメチルシリルオキシ、t−ブチルジフェニルシリルオキシ、t−ブチルジメトキシフェニルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなど等があげられる)などがあげられる。
【0047】
における「置換されていてもよいアリールスルフォニルオキシ」としては、ベンゼンスルフォニルオキシ、p−トルエンスルフォニルオキシ、メシチレンスルフォニルオキシ、ナフタレンスルフォニルオキシなどがあげられる。
【0048】
における「置換されていてもよいアルキルスルフォニルオキシ」としては、メタンスルフォニルオキシ、エタンスルフォニルオキシ、ブタンスルフォニルオキシ、オクタンスルフォニルオキシ、トリフルオロメタンスルフォニルオキシなどがあげられる。
【0049】
における「置換されていてもよいヘテロアリール」の「ヘテロアリール」としては、例えば環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子、セレン原子、テルル原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし5個含有する複素環基などがあげられる。具体的には、フリル、ベンゾ[b]フリル、フラノ[3,2−b]フリル、フラノ[3,2−b]フラノ[2’,3’−d]フリル、ジベンゾフリル、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、チエノ[3,2−b]チエニル、チエノ[3,2−b]チエノ[2’,3’−d]チエニル、ジベンゾチエニル、ピロリル、セレネニル、テルレニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、フラザニル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリル、キナゾリル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、インドリジニル、フルオレニル、などがあげられ、例えばフリル、ベンゾ[b]フリル、フラノ[3,2−b]フリル、フラノ[3,2−b]フラノ[2’,3’−d]フリル、ジベンゾフリル、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、チエノ[3,2−b]チエニル、チエノ[3,2−b]チエノ[2’,3’−d]チエニル、ジベンゾチエニル、ピロリル、チアゾリル、カルバゾリルなどが好ましい。
【0050】
における「置換されていてもよいヘテロアリールオキシ」の「ヘテロアリールオキシ」の「ヘテロアリール」としては、上記「置換されていてもよいヘテロアリール」の環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子、セレン原子、テルル原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし5個含有する複素環基などからなるヘテロアリール基があげられる。
【0051】
における「置換されていてもよいヘテロアリールチオ」の「ヘテロアリールチオ」の「ヘテロアリール」としては、上記「置換されていてもよいヘテロアリール」の環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子、セレン原子、テルル原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし5個含有する複素環基などからなるヘテロアリール基があげられる。
【0052】
における「置換されていてもよいヘテロアリールアルキル」の「ヘテロアリールアルキル」の「ヘテロアリール」としては、上記「置換されていてもよいヘテロアリール」の環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子、セレン原子、テルル原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし5個含有する複素環基などからなるヘテロアリール基があげられ、また「ヘテロアリールアルキル」の「アルキル」としては、上記「置換されていてもよいアルキル」の炭素数1〜30の直鎖、分枝鎖又は環状のアルキル基が挙げられる。
【0053】
における「置換されていてもよいヘテロアリールアルコシキ」の「ヘテロアリールアルコシキ」の「ヘテロアリール」としては、上記「置換されていてもよいヘテロアリール」の環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子、セレン原子、テルル原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし5個含有する複素環基などからなるヘテロアリール基があげられ、また「ヘテロアリールアルコシキ」の「アルコシキ」としては、上記「置換されていてもよいアルコキシ」の炭素数1〜30の直鎖、分枝鎖又は環状のアルコキシ基が挙げられる。
【0054】
における「置換されていてもよいヘテロアリールアルキルチオ」の「ヘテロアリールアルキルチオ」の「ヘテロアリール」としては、上記「置換されていてもよいヘテロアリール」の環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子、セレン原子、テルル原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし5個含有する複素環基などからなるヘテロアリール基があげられ、また「ヘテロアリールアルキルチオ」の「アルキルチオ」としては、上記「置換されていてもよいアルキルチオ」の炭素数1〜30の直鎖、分枝鎖又は環状のアルキルチオ基が挙げられる。
【0055】
における「置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル」の「ヘテロアリールアルケニル」の「ヘテロアリール」としては、上記「置換されていてもよいヘテロアリール」の環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子、セレン原子、テルル原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし5個含有する複素環基などからなるヘテロアリール基があげられ、また「ヘテロアリールアルケニル」の「アルケニル」としては、上記「置換されていてもよいアルケニル」の炭素数2〜30の直鎖、分枝鎖又は環状のアルケニル基が挙げられる。
【0056】
における「置換されていてもよいヘテロアリールアルキニル」の「ヘテロアリールアルキニル」の「ヘテロアリール」としては、上記「置換されていてもよいヘテロアリール」の環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子、セレン原子、テルル原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし5個含有する複素環基などからなるヘテロアリール基があげられ、また「ヘテロアリールアルキニル」の「アルキニル」としては、上記「置換されていてもよいアルキニル」の炭素数2〜30の直鎖、分枝鎖又は環状のアルキニル基が挙げられる。
【0057】
における「置換されていてもよいシクロアルキル」の「シクロアルキル」としては、例えば、炭素数3〜10のシクロアルキルがあげられる。好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3〜8のシクロアルキルである。さらに好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3〜5のシクロアルキルである。具体的な「シクロアルキル」として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチルなどがあげられる。
【0058】
における「ハロゲン」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などがあげられる。
【0059】
〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ又はヒドロキシルであり、上記Rで示した置換基と同じものが挙げられる。
【0060】
環構造A、Bは、同一又は相異なり、5〜7員環で形成される環があげられる。具体的には、置換されていてもよいベンゼン環、2、3位で縮環した置換されていてもよいチオフェン環、3、4位で縮環した置換されていてもよいチオフェン環、2、3位で縮環した置換されていてもよいフラン環、3、4位で縮環した置換されていてもよいフラン環、2、3位で縮環した置換されていてもよいセレノフェン環、3、4位で縮環した置換されていてもよいセレノフェン環、2、3位で縮環した置換されていてもよいピロール環、3、4位で縮環した置換されていてもよいピロール環、置換されていてもよいチアゾール環、2、3位で縮環した置換されていてもよいピリジン環、3、4位で縮環した置換されていてもよいピリジン環、2、3位で縮環した置換されていてもよいピラジン環、4、5位で縮環した置換されていてもよいピリミジン環、3、4位で縮環した置換されていてもよいピリダジン環、4、5位で縮環した置換されていてもよいピリダジン環であり、好ましくは、置換されていてもよいベンゼン環、2、3位で縮環した置換されていてもよいチオフェン環、3、4位で縮環した置換されていてもよいチオフェン環、2、3位で縮環した置換されていてもよいフラン環、3、4位で縮環した置換されていてもよいフラン環、2、3位で縮環した置換されていてもよいセレノフェン環、3、4位で縮環した置換されていてもよいセレノフェン環、2、3位で縮環した置換されていてもよいピロール環、3、4位で縮環した置換されていてもよいピロール環、置換されていてもよいチアゾール環であり、より好ましくは、2、3位で縮環した置換されていてもよいチオフェン環、2、3位で縮環した置換されていてもよいフラン環、2、3位で縮環した置換されていてもよいセレノフェン環が例示される。
【0061】
ジヒドロインダセン化合物(1)として、好ましくは、下記一般式(3)で表されるジヒドロインダセン化合物(以下、ジヒドロインダセン化合物(3)と称する。)が挙げられる。

【0062】
式(3)中、R〜R及びpは、式(1)におけるR〜R及びpの説明で記載したものと同じであり、
〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアルキルチオ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールチオ、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールアルコキシ、置換されていてもよいアリールアルキルチオ、置換されていてもよいアリールアルケニル、置換されていてもよいアリールアルキニル、置換されていてもよいボリル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいシリルオキシ、置換されていてもよいアリールスルフォニルオキシ、置換されていてもよいアルキルスルフォニルオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリールチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキルチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキニル、置換されていてもよいシクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ又はヒドロキシルを表し、上記Rで示した置換基と同じものが挙げられる。
Xは、同一又は相異なり、硫黄、酸素、セレン、テルル原子、SO、又はN−R10で表される基を表し、
10は、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、又は置換されていてもよいヘテロアリールを表し、上記Rで示した置換基と同じものが挙げられる。
【0063】
ジヒドロインダセン化合物(3)のうち好ましい化合物群としては、以下のものが挙げられる。
【0064】
・式(3)で表されるジヒドロインダセン化合物において、Rが水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルケニル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルキニル、又は炭素数1〜30の置換されていてもよいアルコキシであり、
〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルケニル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルキニル、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルコキシ、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいヘテロアリール又はハロゲンであり、
〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、又は炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキルであり、
Xは、同一又は相異なり、硫黄、酸素、セレン、又はSOであるジヒドロインダセン化合物。
【0065】
・式(3)で表されるジヒドロインダセン化合物において、R及びRが、同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール又はハロゲンであるジヒドロインダセン化合物。
【0066】
・式(3)で表されるジヒドロインダセン化合物において、R〜R、R、及びRが、同一又は相異なり、水素原子、メチル又はエチルであるジヒドロインダセン化合物。
【0067】
式(3)で表されるジヒドロインダセン化合物において、Xは、好ましくは硫黄原子である。Xが硫黄原子であるものとしては、以下のものが挙げられる。
【0068】
・式(3)で表されるジヒドロインダセン化合物において、Xが硫黄原子であり、R〜R、R及びRが、それぞれ水素原子を表し、p=2、R及びRが、それぞれ、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基である、ジヒドロインダセン化合物。この化合物群のなかでも炭素数1〜20のアルキル基が、n−ヘキシルであるものがより好ましい。
【0069】
・式(3)で表されるジヒドロインダセン化合物において、Xが、硫黄原子であり、R〜R、R及びRが、それぞれ水素原子を表し、p=2、R及びRが、それぞれ、5−(C1−20アルキル)チオフェン−2−イルであるジヒドロインダセン化合物。この化合物群のなかでも5−(C1−20アルキル)チオフェン−2−イル基が、5−n−ヘキシルチオフェン−2−イルであるものがより好ましい。
【0070】
・式(3)で表されるジヒドロインダセン化合物において、Xが、硫黄原子であり、R〜R、R及びRが、それぞれ水素原子を表し、p=2、R及びRが、それぞれ、4−(C1−20アルキル)フェニル−1−イル、又は4−(C1−20)アルコキシフェニル−1−イルであるジヒドロインダセン化合物。この化合物群の中でも4−(C1−20アルキル)フェニル−1−イル、が、4−n−へキシルフェニルである化合物、又は4−(C1−20)アルコキシフェニル−1−イルが4−n−ヘキシルオキシフェニルである化合物がより好ましい。
【0071】
本発明のジヒドロインダセン化合物(3)の具体例としては、下記一般式(3−1)〜(3−144)で表される化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。式中、nは同一又は相異なり、0〜30の整数を表す。
【0072】





【0073】




【0074】




【0075】



【0076】




【0077】




【0078】




【0079】



【0080】






【0081】



【0082】




【0083】




【0084】
ジヒドロインダセン化合物(3)としては、好ましくは、式(3−1)、(3−4)、(3−7)、(3−10)、(3−13)、(3−16)、(3−19)、(3−22)、(3−25)、(3−28)、(3−31)、(3−34)、(3−37)、(3−40)、(3−43)、(3−46)、(3−49)、(3−52)、(3−55)、(3−58)、(3−61)、(3−64)、(3−67)、(3−70)、(3−73)、(3−76)、(3−79)、(3−82)、(3−85)、(3−88)、(3−91)、(3−94)、(3−97)、(3−100)、(3−103)、(3−106)、(3−109)、(3−111)、(3−113)、(3−115)、(3−117)、(3−119)、(3−121)、(3−123)、(3−125)、(3−127)、(3−129)、(3−131)、(3−133)、(3−135)、(3−137)、(3−139)、(3−141)、(3−143)で表される化合物が挙げられ、さらに好ましくは、式(3−1)、(3−7)、(3−13)、(3−19)、(3−25)、(3−31)、(3−37)、(3−43)、(3−49)、(3−55)、(3−61)、(3−67)、(3−73)、(3−79)、(3−85)、(3−91)、(3−97)、(3−103)、(3−109)、(3−111)、(3−113)、(3−115)、(3−117)、(3−119)、(3−121)、(3−123)、(3−125)、(3−127)、(3−129)、(3−131)、(3−133)、(3−135)、(3−137)、(3−139)、(3−141)、(3−143)で表される化合物が挙げられる。
【0085】
ジヒドロインダセン化合物(3)(但し、R〜Rは全て水素)は、下記一般式(4)で表されるジヒドラゾン化合物(以下、ジヒドラゾン化合物(4)と称する。)に塩基性試薬を作用させることにより製造することができる。

【0086】
式(4)中、R及びR〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアルキルチオ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールチオ、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールアルコキシ、置換されていてもよいアリールアルキルチオ、置換されていてもよいアリールアルケニル、置換されていてもよいアリールアルキニル、置換されていてもよいボリル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいシリルオキシ、置換されていてもよいアリールスルフォニルオキシ、置換されていてもよいアルキルスルフォニルオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリールチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキルチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキニル、置換されていてもよいシクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ又はヒドロキシルであり、
pは、0、1、又は2であり、
11〜R14は、同一又は相異なり、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールスルホニル、置換されていてもよいシリルであり、
Xは、同一又は相異なり、硫黄、酸素、セレン、テルル原子、SO、N−R10で表される基であり、
10は、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、又は置換されていてもよいヘテロアリールである。
【0087】
本発明のジヒドラゾン化合物(4)の置換基について、さらに詳しく述べる。
及びpは、式(1)におけるR及びpの説明で記載したものと同じものである。
〜R10及びXは、式(3)におけるR〜R10及びXの説明で記載したものと同じものである。
11〜R14は、同一又は相異なり、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールスルホニル、又は置換されていてもよいシリルを表す。
【0088】
11〜R14で表される、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリールは、上記Rで示した置換基と同じものが挙げられる。
【0089】
11〜R14において、「置換されていてもよいアリールスルホニル」の「アリールスルホニル」としては、炭素原子数6〜30のアリールスルホニル基が挙げられ、その具体例としては、フェニルスルホニル基、2−トリルスルホニル基、3−トリルスルホニル基、4−トリルスルホニル基、2,3−キシリルスルホニル基、2,4−キシリルスルホニル基、2,5−キシリルスルホニル基、2,6−キシリルスルホニル基、3,4−キシリルスルホニル基、3,5−キシリルスルホニル基、2,3,4−トリメチルフェニルスルホニル基、2,3,5−トリメチルフェニルスルホニル基、2,3,6−トリメチルフェニルスルホニル基、2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル基、3,4,5−トリメチルフェニルスルホニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニルスルホニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニルスルホニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニルスルホニル基、ペンタメチルフェニルスルホニル基、エチルフェニルスルホニル基、n−プロピルフェニルスルホニル基、イソプロピルフェニルスルホニル基、n−ブチルフェニルスルホニル基、s−ブチルフェニルスルホニル基、t−ブチルフェニルスルホニル基、n−ペンチルフェニルスルホニル基、ネオペンチルフェニルスルホニル基、n−ヘキシルフェニルスルホニル基、n−オクチルフェニルスルホニル基、n−デシルフェニルスルホニル基、n−ドデシルフェニルスルホニル基、n−テトラデシルフェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、アントラセニルスルホニル基、フルオレニルスルホニル基などが例示され、好ましくはフェニルスルホニル基、4−トリルスルホニル基、n−ヘキシルフェニルスルホニル基、n−オクチルフェニルスルホニル基、n−デシルフェニルスルホニル基、n−ドデシルフェニルスルホニル基、n−テトラデシルフェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、アントラセニルスルホニル基、フルオレニルスルホニル基が挙げられる。
11〜R14において、ハロゲン置換の炭素原子数6〜30のアリールスルホニル基の具体例としては、これらのアリールスルホニル基が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたものが例示される。
【0090】
11〜R14における「置換されてもよいシリル基」としては、炭化水素基で置換されたシリル基が挙げられ、その炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基などの炭素原子数1〜30のアルキル基、フェニル基などのアリール基などが例示される。かかる炭素原子数1〜30の炭化水素で置換されたシリル基の具体例としては、メチルシリル基、エチルシリル基、フェニルシリル基などの炭素原子数1〜30の一置換シリル基、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジフェニルシリル基などの炭素原子数1〜30の炭化水素基で置換された二置換シリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−s−ブチルシリル基、トリ−t−ブチルシリル基、トリ−イソブチルシリル基、t−ブチル−ジメチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基などの炭素原子数1〜30の炭化水素基で置換された三置換シリル基などが例示され、好ましくはトリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基が挙げられる。
11〜R14において、ハロゲン置換の炭素原子数6〜30のシリル基の具体例としては、上記のような炭化水素基のほかにフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたものが例示される。
【0091】
ジヒドラゾン化合物(4)のうち好ましい化合物群としては、以下のものが挙げられる。
【0092】
・式(4)で表されるジヒドラゾン化合物において、Rは水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルケニル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルキニル、又は炭素数1〜30の置換されていてもよいアルコキシであり、
〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルケニル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルキニル、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルコキシ、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいヘテロアリール又はハロゲンであり、
〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、又は炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキルであり、
Xは、同一又は相異なり、硫黄、酸素、セレン、又はSOであり、
11〜R14は、同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリールスルホニル、又は置換されていてもよいシリルであるジヒドラゾン化合物。
【0093】
・式(4)で表されるジヒドラゾン化合物において、R及びRは、同一又は相異なり、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール又はハロゲンであるジヒドラゾン化合物。
【0094】
・式(4)で表されるジヒドラゾン化合物において、R、R、及びRは、同一又は相異なり、水素原子、メチル、又はエチルであるジヒドラゾン化合物。
・式(4)で表されるジヒドラゾン化合物において、Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基であるジヒドラゾン化合物。
・式(4)で表されるジヒドラゾン化合物において、Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、5−(C1−20アルキル)チオフェン−2−イルであるジヒドラゾン化合物。
【0095】
・式(4)で表されるジヒドラゾン化合物において、Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、4−(C1−20アルキル)フェニル−1−イル又は4−(C1−20)アルコキシフェニル−1−イルであるジヒドラゾン化合物。
・式(4)で表されるジヒドラゾン化合物において、Xが、硫黄原子であるジヒドラゾン化合物。
・式(4)で表されるジヒドラゾン化合物において、Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、それぞれ、n−ヘキシルであるジヒドラゾン化合物。
【0096】
・式(4)で表されるジヒドラゾン化合物において、Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、それぞれ、5−n−ヘキシルチオフェン−2−イルであるジヒドラゾン化合物。
・式(4)で表されるジヒドラゾン化合物において、Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、それぞれ、4−n−ヘキシルフェニルであるジヒドラゾン化合物。
【0097】
ジヒドラゾン化合物(4)としては、具体的には、下記一般式(4−1)〜(4−74)で表される化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。式中、nは同一又は相異なり、0〜30の整数を表す。
【0098】








【0099】




【0100】


【0101】




【0102】




【0103】




【0104】




【0105】




【0106】






【0107】
ジヒドラゾン化合物(4)としては、好ましくは、式(4−1)、(4−3)、(4−5)、(4−7)、(4−9)、(4−11)、(4−13)、(4−15)、(4−17)、(4−19)、(4−21)、(4−23)、(4−25)、(4−27)、(4−29)、(4−31)、(4−33)、(4−35)、(4−37)、(4−39)、(4−41)、(4−43)、(4−45)、(4−47)、(4−49)、(4−51)、(4−53)、(4−55)、(4−57)、(4−59)、(4−61)、(4−63)、(4−65)、(4−67)、(4−69)、(4−71)、(4−73)で表される化合物が挙げられ、さらに好ましくは、式(4−1)、(4−3)、(4−5)、(4−7)、(4−9)、(4−11)、(4−13)、(4−29)、(4−31)、(4−37)、(4−39)、(4−41)、(4−43)、(4−45)、(4−47)、(4−49)、(4−67)、(4−69)で表される化合物が挙げられる。
【0108】
ジヒドラゾン化合物(4)に塩基性試薬を作用させる反応は、通常、溶媒中で行う。反応溶媒の例としては、例えば、水、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、デカリン、ジクロロメタン、クロロホルム等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、THF、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のエーテル類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類、DMSO等が挙げられる。使用する溶媒の好ましいものとしては、水、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、THF、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、n−ブタノール、t−ブタノール、DMSOが挙げられ、さらに好ましくはトルエン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、t−ブタノール、DMSO等が挙げられる。これらの溶媒は単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
【0109】
反応に用いられる塩基性試薬としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、リチウム水素化アルミニウムなどが挙げられる。塩基性試薬は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合してもよい。
【0110】
塩基性試薬の使用量は、ジヒドラゾン化合物(4)に対して、通常、0.5モル倍から25モル倍、好ましくは2モル倍から20モル倍、更に好ましくは5モル倍から15モル倍である。塩基性試薬の使用量が少なすぎると、一方のヒドラゾンのみメチレンに変換された化合物の割合が増加する。
【0111】
ジヒドラゾン化合物の反応溶液の濃度は特に限定されないが、通常溶媒1リットル当たり0.0001モルから10モル、好ましくは0.001モルから5モル、更に好ましくは0.01モルから1モルの範囲である。
【0112】
滴下する塩基性試薬の溶液の濃度は特に限定されないが、通常溶媒1リットル当たり0.001モルから20モル、好ましくは0.01モルから10モル、更に好ましくは0.1モルから5モルの範囲である。
【0113】
塩基性試薬とジヒドラゾン化合物との反応は、通常、塩基性試薬の溶液とジヒドラゾン化合物の溶液を混合することで行うことができる。混合は、双方の溶液を一度に混ぜ合わせることでも行うことができるが、反応を制御する観点からは、一方の溶液をもう一方の溶液へ滴下することで行うことが好ましい。滴下時間は特に制限されないが、反応熱による内温上昇が制御できる範囲内で滴下することが好ましい。
【0114】
塩基性試薬とジヒドラゾン化合物との反応における、滴下時の温度は、通常、−78℃から溶媒の沸点、好ましくは0℃から溶媒の沸点、更に好ましくは50℃から溶媒の沸点の範囲である。
【0115】
滴下終了後の温度は特に制限されないが、滴下時の温度を保ったまま反応を行っても良いし、溶媒の沸点まで昇温して反応を行っても良い。反応時間は特に制限されないが、通常、1分から72時間である。
【0116】
本反応を停止させる場合は、反応液に例えば、水、希塩酸などを添加する。反応停止後、通常の後処理、例えば抽出、洗浄等の操作を行うことで、ジヒドロインダセン化合物の粗生成物を得ることができる。ジヒドロインダセン化合物の粗生成物は、晶析、昇華、各種クロマトグラフィーなどの操作をすることにより精製を行ってもよい。
【0117】
式(3)において、R及びRが、水素以外のジヒドロインダセン化合物のその他の製造法として、R及びRが、臭素又はヨウ素であるジヒドロインダセン化合物を用いて製造するクロスカップリング法がある。例えば、「オーガニック レターズ」(米国、2005年、7巻、25号、795−797頁)に記載の通り、ジブロモインデノフルオレンを用いて、鈴木カップリング反応を行うことにより製造することができる。
【0118】
式(3)において、R〜Rが、水素以外であるジヒドロインダセン化合物の製造法としては、種々の方法が用いられる。例えば、「ジャーナル オブ ザ アメリカン ケミカル ソサエティー」(米国、2005年、127巻、11763−11768頁)に記載のように、R〜Rが水素であるジヒドロインダセン化合物に塩基性試薬存在下でハロゲンアルキルを作用させることにより、R〜Rがアルキル基であるジヒドロインダセン化合物を製造することもできる。
【0119】
ジヒドラゾン化合物(4)は、下記一般式(5)で表されるインダセンジオン化合物(以下、インダセンジオン化合物(5)と称する。)にヒドラジン類試薬を作用させることにより、得ることができる。

【0120】
式(5)中、R及びR〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアルキルチオ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールチオ、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールアルコキシ、置換されていてもよいアリールアルキルチオ、置換されていてもよいアリールアルケニル、置換されていてもよいアリールアルキニル、置換されていてもよいボリル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいシリルオキシ、置換されていてもよいアリールスルフォニルオキシ、置換されていてもよいアルキルスルフォニルオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリールチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキルチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキニル、置換されていてもよいシクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ又はヒドロキシルであり、
pは、0,1、又は2であり、
Xは、同一又は相異なり、硫黄、酸素、セレン、テルル原子、SO、N−R10で表される基であり、
10は、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、又は置換されていてもよいヘテロアリールである。
但し、X=S、R=H、p=2、R=R=ヘキシルの場合、及びX=S、R=オクチル、p=2、R〜R=Hの場合は除く。
【0121】
式(5)において、R、p、及びXは、式(1)におけるR、p、及びXの説明で記載したものと同じものがあげられ、同様のものが好ましい。
〜R10は、式(3)におけるR〜R10の説明で記載したものと同じものがあげられ、同様のものが好ましい。
【0122】
式(5)のインダセンジオン化合物のうち好ましい化合物群としては、以下のものが挙げられる。
【0123】
・Rは水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルケニル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルキニル、又は炭素数1〜30の置換されていてもよいアルコキシであり、
〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルケニル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルキニル、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルコキシ、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいヘテロアリール又はハロゲンであり、
Xは、同一又は相異なり、硫黄、酸素、セレン、又はSOであるインダセンジオン化合物。
【0124】
・R及びRは、同一又は相異なり、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール又はハロゲンであるインダセンジオン化合物。
・R、R、及びRは、同一又は相異なり、水素原子、メチル、又はエチルであるインダセンジオン化合物。
・式(5)のインダセンジオン化合物において、Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基であるインダセンジオン化合物。
・式(5)のインダセンジオン化合物において、Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、5−(C1−20アルキル)チオフェン−2−イルであるインダセンジオン化合物。
【0125】
・式(5)のインダセンジオン化合物において、Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、4−(C1−20アルキル)フェニル−1−イル又は4−(C1−20)アルコキシフェニル−1−イルであるインダセンジオン化合物。
・式(5)のインダセンジオン化合物においてX=Sであるインダセンジオン化合物。
・式(5)のインダセンジオン化合物においてR=R=H、p=2、且つR=R=n−ヘキシルであるインダセンジオン化合物。
・式(5)のインダセンジオン化合物においてX=S、R=R=R=H、p=2、且つR=R=5−n−ヘキシルチオフェン−2−イルであるインダセンジオン化合物。
・式(5)のインダセンジオン化合物においてX=S、R=R=R=H、p=2、且つR=R=4−n−ヘキシルフェニルであるインダセンジオン化合物。
【0126】
式(5)で表されるインダセンジオン化合物としては、具体的には、下記一般式(5−1)〜(5−36)で表される化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。式中、nは同一又は相異なり、0〜30の整数を表す。
【0127】




【0128】
【化1】




【0129】




【0130】







【0131】
インダセンジオン化合物(5)としては、好ましくは、式(5−1)、(5−3)、(5−5)、(5−7)、(5−9)、(5−11)、(5−13)、(5−15)、(5−17)、(5−19)、(5−21)、(5−23)、(5−25)、(5−27)、(5−29)、(5−31)、(5−33)、(5−35)で表される化合物が挙げられ、さらに好ましくは、式(5−1)、(5−3)、(5−5)、(5−7)、(5−9)、(5−11)、(5−13)、(5−15)、(5−17)、(5−19)、(5−21)、(5−23)、(5−25)、(5−27)、(5−29)、(5−31)で表される化合物が挙げられる。
【0132】
インダセンジオン化合物(5)のヒドラゾン化反応の反応条件は、特に限定されないが、例えば、「オーガニック レターズ」(米国、2001年、3巻、23号、3647−3650頁)に記載の通り、ケトン化合物とフェニルヒドラジンを酢酸中で攪拌することにより、ヒドラゾン化合物を得ることができる。調製されたヒドラゾン化合物は単離した後に次の反応に用いてもよいし、「オーガニック レターズ」(米国、2002年、4巻、13号、2157−2159頁)に記載のようにそのまま用いてもよい。
【0133】
反応溶媒の例としては、例えば、水、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、デカリン、ジクロロメタン、クロロホルム等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、THF、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類、DMSO等が挙げられる。
【0134】
使用する溶媒の好ましいものとしては、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、THF、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、n−ブタノール、t−ブタノール、DMSOが挙げられ、さらに好ましくはベンゼン、トルエン、THF、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、n−ブタノール、t−ブタノール、DMSOが挙げられる。これらの溶媒は単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
【0135】
反応に用いるヒドラジン類としては、ヒドラジン、ヒドラジン一水和物、ヒドラジン水和物、フェニルヒドラジン、トシルヒドラジン等のアリール置換ヒドラジン類、N−t−ブチルジメチルシリルヒドラジン等が挙げられる。
【0136】
ヒドラジン類の使用量は、インダセンジオン化合物(5)に対して、通常、1.5モル倍から100モル倍、好ましくは2モル倍から50モル倍、更に好ましくは2モル倍から25モル倍である。ヒドラジン類の使用量が少なすぎると、一方のケトンのみヒドラゾン化された化合物の割合が増加する。
【0137】
ヒドラジン類とインダセンジオン化合物(5)との反応における、反応の温度は、通常、−78℃から溶媒の沸点、好ましくは0℃から溶媒の沸点、更に好ましくは50℃から溶媒の沸点の範囲である。反応時間は特に制限されないが、通常、1分から24時間である。
【0138】
本反応を停止させる場合は、反応液に例えば、水、弱酸性水溶液などを添加する。反応停止後、通常の後処理、例えば抽出、洗浄等の操作を行うことで、ジヒドラゾン化合物の粗生成物を得ることができる。次の脱窒素過程の反応は、ジヒドラゾン化合物の粗生成物を供しても良いし、晶析、各種クロマトグラフィーなどの操作をすることにより精製した後、脱窒素工程の反応に供しても良い。
【0139】
インダセンジオン化合物(5)は、下記一般式(6)で表されるテレフタル酸化合物(以下、テレフタル酸化合物と称する。)に酸性試薬を作用させることにより得ることができる。

【0140】
式(6)中、R及びR〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアルキルチオ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールチオ、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールアルコキシ、置換されていてもよいアリールアルキルチオ、置換されていてもよいアリールアルケニル、置換されていてもよいアリールアルキニル、置換されていてもよいボリル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいシリルオキシ、置換されていてもよいアリールスルフォニルオキシ、置換されていてもよいアルキルスルフォニルオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリールチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキルチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキニル、置換されていてもよいシクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ又はヒドロキシルであり、
pは、0,1、又は2であり、
Xは、同一又は相異なり、硫黄、酸素、セレン、テルル原子、SO、N−R10で表される基であり、
10は、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、又は置換されていてもよいヘテロアリールである。
但し、R=H、p=2、R=R=n−ヘキシル、R=R=n−ヘキシルもしくは水素、X=S、の場合は除く。
【0141】
テレフタル酸化合物(6)の置換基について、さらに述べる。
及びpは、式(1)におけるR及びp、の説明で記載したものと同じものが挙げられる。
〜R10及びXは、式(3)におけるR〜R10及びXの説明で記載したものと同じものがあげられる。式(6)において、式(3)に関して好ましい化合物群として示した化合物群と同様の置換基を有する化合物群が好ましい。
【0142】
テレフタル酸化合物(6)のうち好ましい化合物群としては、以下のものが挙げられる。
【0143】
・式(6)において、Rは水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルケニル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルキニル、又は炭素数1〜30の置換されていてもよいアルコキシであり、
〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルケニル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルキニル、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルコキシ、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいヘテロアリール又はハロゲンであり、
Xは、同一又は相異なり、硫黄、酸素、セレン、又はSOであるテレフタル酸化合物。
式(6)で表されるテレフタル酸化合物において、R及びRは、同一又は相異なり、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール又はハロゲンであるテレフタル酸化合物。
【0144】
・式(6)で表されるテレフタル酸化合物において、R、R、及びRは、同一又は相異なり、水素原子、メチル、又はエチルであるテレフタル酸化合物。
・式(6)のテレフタル酸化合物において、Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基であるテレフタル酸化合物。
・式(6)のテレフタル酸化合物において、Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、5−(C1−20アルキル)チオフェン−2−イルであるテレフタル酸化合物。
【0145】
・式(6)のテレフタル酸化合物において、Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、4−(C1−20アルキル)フェニル−1−イル又は4−(C1−20)アルコキシフェニル−1−イルであるテレフタル酸化合物。
・式(6)で表されるテレフタル酸化合物において、Xが、硫黄原子であるテレフタル酸化合物。
・式(6)で表されるテレフタル酸化合物において、Xが硫黄原子であり、R、R及びRが水素原子であり、p=2、且つR及びRがn−ヘキシルであるテレフタル酸化合物。
【0146】
・式(6)で表されるテレフタル酸化合物において、Xが硫黄原子であり、R、R及びRが水素原子であり、p=2、且つR及びRが5−n−ヘキシルチオフェン−2−イルであるテレフタル酸化合物。
・式(6)で表されるテレフタル酸化合物において、Xが硫黄原子であり、R、R及びRが水素原子であり、p=2、且つR及びRが4−n−ヘキシルフェニルであるテレフタル酸化合物。
【0147】
テレフタル酸化合物としては、具体的には、下記一般式(6−1)〜(6−36)で表される化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。式中、nは同一又は相異なり、0〜30の整数を表す。





【0148】




【0149】




【0150】




【0151】




【0152】
テレフタル酸化合物(6)としては、好ましくは、式(6−1)、(6−3)、(6−5)、(6−7)、(6−9)、(6−11)、(6−13)、(6−15)、(6−17)、(6−19)、(6−21)、(6−23)、(6−25)、(6−27)、(6−29)、(6−31)、(6−33)、(6−35)で表される化合物が挙げられ、さらに好ましくは、式(6−1)、(6−3)、(6−5)、(6−7)、(6−9)、(6−11)、(6−13)、(6−15)、(6−17)、(6−19)、(6−21)、(6−23)、(6−25)、(6−27)、(6−29)、(6−31)で表される化合物が挙げられる。
【0153】
テレフタル酸化合物(6)の分子内アシル化反応の反応条件は、特に限定されないが、例えば、上記文献「オーガニック レターズ」(米国、2002年、4巻、13号、2157−2159頁)に記載の通り、テレフタル酸化合物を硫酸中で攪拌することによりインダセンジオン化合物(5)を得ることができる。
【0154】
使用する酸性試薬としては、例えば、ゼオライト、トリフルオロメタンスルホン酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、五酸化二リン、三ハロゲン化アルミニウム、ランタノイドトリフラート、三塩化鉄、二塩化亜鉛、四塩化チタン、四塩化スズ、三塩化ビスマス、二塩化水銀などが挙げられる。これらの試薬は単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
【0155】
使用する溶媒の好ましいものとしては、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、クロロベンゼン、ニトロメタン、ニトロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、トルエン、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、THF、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、n−ブタノール、t−ブタノール、DMSOが挙げられ、さらに好ましくはベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、THF、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、n−ブタノール、t−ブタノール、DMSOが挙げられる。これらの溶媒は単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよいし、溶媒を用いずに酸性試薬を用いてもよい。
【0156】
酸性試薬の使用量は、テレフタル酸化合物(6)に対して、通常、1.5モル倍以上、好ましくは5モル倍以上である。酸性試薬の使用量が少なすぎると、片方のみ分子内アシル化された化合物の割合が増加する。酸性試薬の溶液の濃度は特に限定されない。
【0157】
酸性試薬とテレフタル酸化合物(6)との反応における、反応の温度は、通常、−78℃から250℃、好ましくは0℃から225℃、更に好ましくは20℃から200℃の範囲である。反応時間は特に制限されないが、通常、1分から48時間である。
【0158】
本反応を停止させる場合は、反応液に例えば、水、弱塩基性水溶液などを添加する。反応停止後、通常の後処理、例えば抽出、洗浄等の操作を行うことで、インダセンジオン化合物の粗生成物を得ることができる。次のヒドラゾン化反応は、インダセンジオン化合物の粗生成物を供しても良いし、晶析、昇華、各種クロマトグラフィーなどの操作をすることにより精製した後、ヒドラゾン化反応に供しても良い。
【0159】
テレフタル酸化合物(6)は、下記一般式(7)で表されるテレフタル酸エステル化合物(以下、テレフタル酸エステル化合物(7)と称する。)に塩基性試薬を作用させることにより得ることができる。

【0160】
式(7)中、R及びR〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアルキルチオ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールチオ、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールアルコキシ、置換されていてもよいアリールアルキルチオ、置換されていてもよいアリールアルケニル、置換されていてもよいアリールアルキニル、置換されていてもよいボリル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいシリルオキシ、置換されていてもよいアリールスルフォニルオキシ、置換されていてもよいアルキルスルフォニルオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリールチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキルチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキニル、置換されていてもよいシクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ又はヒドロキシルであり、
15及びR16は、同一又は相異なり、置換されていてもよいアルキルであり、
pは、0,1、又は2であり、
Xは、同一又は相異なり、硫黄、酸素、セレン、テルル原子、SO、N−R10で表される基であり、
10は、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、又は置換されていてもよいヘテロアリールである。
但し、R=R〜R=H、p=2、X=S、R15=R16=メチルもしくはエチルの場合、及びR=H、p=2、X=S、R=R=n−ヘキシル、R=R=n−ヘキシルもしくはトリメチルシリルもしくは水素、R15=R16=メチルの場合は除く。
【0161】
テレフタル酸エステル化合物(7)の置換基について、さらに述べる。
及びpは、式(1)におけるR及びpの説明で記載したものと同じものがあげられる。
〜R10及びXについては、式(3)におけるR〜R10及びXについての説明で記載したものと同じものがあげられ、式(7)のテレフタル酸エステル化合物において、式(3)の化合物に関して好ましい化合物群として示した化合物群と同様の置換基を有する化合物群が好ましい。
15及びR16における、「置換されていてもよいアルキル」の「アルキル」としては、上記Rで示した置換基と同じものが挙げられる。
【0162】
式(7)のテレフタル酸エステル化合物のうち好ましい化合物群としては、以下のものが挙げられる。
【0163】
・式(7)のテレフタル酸エステル化合物において、
は水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルケニル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルキニル、又は炭素数1〜30の置換されていてもよいアルコキシであり、
〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルケニル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルキニル、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルコキシ、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいヘテロアリール又はハロゲンであり、
Xは、同一又は相異なり、硫黄、酸素、セレン、又はSOであり、
15及びR16は、同一又は相異なり、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキルであるテレフタル酸エステル化合物。
【0164】
・式(7)のテレフタル酸エステル化合物において、
及びRは、同一又は相異なり、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール又はハロゲンであるテレフタル酸エステル化合物。
・式(7)のテレフタル酸エステル化合物において、
、R、及びRは、同一又は相異なり、水素原子、メチル、又はエチルであるテレフタル酸エステル化合物。
【0165】
・式(7)のテレフタル酸エステル化合物において、Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基であるテレフタル酸エステル化合物。
・式(7)のテレフタル酸エステル化合物において、Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、5−(C1−20アルキル)チオフェン−2−イルであるテレフタル酸エステル化合物。
・式(7)のテレフタル酸エステル化合物において、Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、4−(C1−20アルキル)フェニル−1−イル又は4−(C1−20)アルコキシフェニル−1−イルであるテレフタル酸エステル化合物。
【0166】
・式(7)のテレフタル酸エステル化合物において、X=Sであるテレフタル酸エステル化合物。
・式(7)のテレフタル酸エステル化合物において、Xは硫黄原子を表し、R、R及びRは水素原子を表し、pは2であり、、R及びRはn−ヘキシルであり、且つR15及びR16はメチルであるテレフタル酸エステル化合物。
・式(7)のテレフタル酸エステル化合物において、Xは、硫黄原子を表し、R、R、及びRは、水素原子を表し、pは2を表し、R及びRは5−n−ヘキシルチオフェン−2−イルを表し、且つR15及びR16はメチルであるテレフタル酸エステル化合物。
・式(7)のテレフタル酸エステル化合物においてXは硫黄原子を表し、R、R及びRは水素電子を表し、pは、2であり、R及びRは、4−n−ヘキシルフェニルであり、且つR15及びR16はメチルであるテレフタル酸エステル化合物。
【0167】
テレフタル酸エステル化合物(7)としては、具体的には、下記一般式(7−)〜(7−)で表される化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。式中、nは同一又は相異なり、0〜30の整数を表す。

【0168】




【0169】




【0170】




【0171】






【0172】
テレフタル酸エステル化合物(7)としては、好ましくは、式(7−1)、(7−3)、(7−5)、(7−7)、(7−9)、(7−11)、(7−13)、(7−15)、(7−17)、(7−19)、(7−21)、(7−23)、(7−25)、(7−27)、(7−29)、(7−31)、(7−33)、(7−35)で表される化合物が挙げられ、さらに好ましくは、式(7−1)、(7−3)、(7−5)、(7−7)、(7−9)、(7−11)、(7−13)、(7−15)、(7−17)、(7−19)、(7−21)、(7−23)、(7−25)、(7−27)、(7−29)、(7−31)で表される化合物が挙げられる。
【0173】
テレフタル酸エステル化合物(7)の加水分解反応の反応条件は、特に限定されないが、例えば、「ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー」(米国、2007年、72巻、17号、6364−6371頁)に記載の通り、テレフタル酸エステルと水酸化ナトリウムを水及びエタノール中で攪拌することにより、テレフタル酸化合物(6)を得ることができる。
【0174】
使用する塩基性試薬としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。これらの試薬は単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
【0175】
使用する溶媒としては、水、アセトン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、THF等の親水性溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
【0176】
塩基性試薬の使用量は、テレフタル酸エステル化合物に対して、通常、1.5モル倍から100モル倍、好ましくは2モル倍から50モル倍、更に好ましくは2モル倍から30モル倍である。塩基性試薬の使用量が少なすぎると、片方のみ加水分解された化合物の割合が増加する。
【0177】
塩基性試薬の溶液の濃度は特に限定されないが、通常溶媒1リットル当たり0.001モルから20モル、好ましくは0.01モルから10モル、更に好ましくは0.1モルから5モルの範囲である。
【0178】
酸性試薬とテレフタル酸エステル化合物との反応における、反応の温度は、通常、−78℃から250℃、好ましくは0℃から225℃、更に好ましくは25℃から200℃の範囲である。反応時間は特に制限されないが、通常、1分から48時間である。
【0179】
本反応を停止させる場合は、反応液に例えば、水、希塩酸などを添加する。反応停止後、通常の後処理、例えば抽出、洗浄等の操作を行うことで、テレフタル酸化合物の粗生成物を得ることができる。次の分子内アシル化反応は、テレフタル酸化合物の粗生成物を供しても良いし、晶析、昇華、各種クロマトグラフィーなどの操作をすることにより精製した後、分子内アシル化反応に供しても良い。
【0180】
次に、有機薄膜デバイスについて説明する。本発明による有機薄膜デバイスは、有機薄膜トランジスタ、すなわち、ジヒドロインダセン化合物又はインダセンジオン化合物を含む有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタを含んでいる。本発明によれば、高いキャリア移動度を有する有機薄膜トランジスタを含む有機薄膜デバイスを提供することができる。
【0181】
本発明の有機トランジスタとしては、有機電界効果トランジスタが挙げられる。該有機電界効果トランジスタの構造としては、通常は、図1に示すように、ソース電極14及びドレイン電極15が高分子からなる活性層(有機半導体層16)に接して設けられており、さらに活性層16に接した絶縁層(誘電体層)(ゲート絶縁膜13)を挟んでゲート電極12が設けられていればよい。その素子構造としては、例えば、以下の(1)〜(3)のような構造が挙げられる。
(1)基板/ゲート電極/絶縁体層/ソース電極・ドレイン電極/半導体層
(2)基板/半導体層/ソース電極・ドレイン電極/絶縁体層/ゲート電極
(3)基板/ソース電極(又はドレイン電極)/半導体層+絶縁体層+ゲート電極/ドレイン電極(又はソース電極)
(4)基板/ゲート電極/絶縁体層/半導体層/ソース電極・ドレイン電極
このとき、ソース電極,ドレイン電極,ゲート電極は、それぞれ複数設けてもよい。また、複数の半導体層を同一平面内に設けてもよいし、積層して設けてもよい。
【0182】
本発明の有機半導体材料を有機半導体膜、有機半導体デバイス、有機薄膜トランジスタの半導体層に設置する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、分子線エピタキシャル成長法などの真空プロセスでの形成法が挙げられ、好ましくは真空蒸着法が挙げられる。
【0183】
真空蒸着法による有機半導体層の設置方法は、有機半導体材料をルツボや金属ボート中で真空下、加熱し、蒸発した有機半導体材料を基板もしくは絶縁体材料に蒸着させる方法である。蒸着時の真空度は、通常1×10−1Pa以下、好ましくは1×10−3Pa以下である。蒸着時の基板温度は通常0℃〜300℃、好ましくは20℃〜200℃である。蒸着速度は、通常0.001nm/sec〜10nm/secであり、好ましくは0.01nm/sec〜1nm/secである。有機半導体材料から形成される有機半導体層の膜厚は、通常1nm〜10μmであり、好ましくは5nm〜1μmである。
【0184】
また有機半導体膜の設置の方法として、溶液プロセスを用いてもよい。溶液プロセスは、有機半導体材料を溶媒に溶解又は分散し、基板もしくは絶縁体層に塗布する方法である。
塗布の方法としては、キャスティング法、ディップコート法、ダイコーター法、ロールコーター法、バーコーター法、スピンコート法などの塗布法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクト印刷法などが挙げられる。これらの手法は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0185】
本発明において、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を形成する材料は導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト及びカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられるが、特に、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、ITO、炭素が好ましい。あるいはドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等も好適に用いられる。中でも半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。これらの電極材料は単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。電極の膜厚は、材料によっても異なるが、通常0.1nm〜10μmであり、好ましくは0.5nm〜5μmであり、より好ましくは1nm〜3μmである。また、ゲート電極と基板を兼ねる場合は上記の膜厚より大きくてもよい。
【0186】
電極膜の形成方法としては、上記を原料として種々の方法を用いることができる。具体的には、真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、熱転写法、印刷法、ゾルゲル法などが挙げられる。成膜時又は成膜後に、パターニングを必要に応じて行うことが好ましい。パターニングの方法としても、種々の方法を用いることができる。具体的には、フォトレジストのパターニングとエッチングを組み合わせたフォトリソグラフィー法などが挙げられる。また、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷などの印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法などのソフトリソグラフィーの手法なども挙げられる。
これらの手法は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合してパターニングを行うことも可能である。
【0187】
ゲート絶縁層としては種々の絶縁膜を用いることができる。無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウムなどが挙げられ、好ましいのは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンである。窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の無機窒化物が挙げられる。有機化合物皮膜としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、アクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、シアノエチルプルランなどが挙げられ、好ましいのは、ポリイミド、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコールが挙げられる。これらの絶縁層材料は単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。絶縁層の膜厚は、材料によっても異なるが、通常0.1nm〜100μmであり、好ましくは0.5nm〜50μmであり、より好ましくは5nm〜10μmである。
【0188】
絶縁層の形成方法としては、上記を原料として種々の方法を用いることができる。具体的には、スピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、キャスト、バーコート、ブレードコーティングなどの塗布法、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェットなどの印刷法、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法、CVD法などのドライプロセス法が挙げられる。その他、ゾルゲル法やアルミニウム上のアルマイト、シリコンの熱酸化膜のように金属上に酸化物膜を形成する方法などが挙げられる。
【0189】
基板材料としては、ガラス、紙、石英、セラミック、フレキシブルな樹脂製シートなどが挙げられる。樹脂フィルムとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)などが挙げられる。基板の厚さとしては、通常1μm〜10mmであり、好ましくは5μm〜5mmである。
【0190】
有機半導体層と接触する絶縁体層や基板の部分において、絶縁体層や基板上に表面処理を行ってもよい。有機半導体層が積層される絶縁体層上に表面処理を行うことにより、素子のトランジスタ特性を向上させることができる。表面処理としては、具体的には、ヘキサメチルジシラザン、オクタデシルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシランなどによる疎水化処理、塩酸、硫酸、過酸化水素水などによる酸処理、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニアなどによるアンモニア処理、オゾン処理、フッ素化処理、酸素やアルゴンなどのプラズマ処理、ラングミュラー・ブロジェット膜の形成処理、その他の絶縁体や半導体の薄膜の形成処理、機械的処理、コロナ放電などの電気的処理、繊維などを利用したラビング処理などが挙げられる。
【0191】
表面処理を行う方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、印刷法、ゾルゲル法などが挙げられる。
【0192】
また、有機半導体層上に樹脂もしくは無機化合物からなる保護膜を設けてもよい。保護膜の形成により、外気の影響を抑制してトランジスタの駆動を安定化することができる。
【実施例】
【0193】
以下、本発明を実験例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実験例に限定されるものではない。
【0194】
[実施例1]
<2,5−ビス(5−ヘキシル−2−チエニル)テレフタル酸ジメチル(化合物3)の製造>

【0195】
文献(Macromomolecules,1999,32,2455.)の方法に従って合成したp−ジブロモテレフタル酸メチル(化合物1)(9.86g、28mmol)、文献(Org.Lett.2006,8,4071.)の方法に従って合成した2−ヘキシルチオフェン−5−ボロン酸ナトリウム(化合物2)(15.5g、61.6mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(1.83g、2.24mmol)、及びトルエン(1L)の混合液を窒素雰囲気下で9時間還流させた。室温まで放冷した後、反応混合液に水を加え、クロロホルムにより抽出した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を減圧下留去した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することにより、2,5−ビス(5−ヘキシル−2−チエニル)テレフタル酸ジメチル(化合物3)(10.8g、20.5mmol)を収率73%で得た。
【0196】
2,5−ビス(5−ヘキシル−2−チエニル)テレフタル酸ジメチル(化合物3)の物性は以下の通りであった。
H−NMR(CDCl、δppm):7.61(s、2H)、7.06(d、2H)、6.86(d、2H)、3.76(s、6H)、2.82(t、4H)、1.63−1.80(m、4H)、1.28−1.45(m、12H)、0.90(t、6H)
【0197】
[実施例2]
<2,5−ビス(5−ヘキシル−2−チエニル)テレフタル酸(化合物4)の製造>

2,5−ビス(5−ヘキシル−2−チエニル)テレフタル酸ジメチル(化合物3)(10.0g、19.0mmol)、水酸化カリウム(21.3g、380mmol)、ブタノール(0.6L)を15時間還流した。室温まで放冷した後、反応混合液に希塩酸を加えた。生じた沈殿物をろ過し、水で洗浄し、減圧下60℃で乾燥することにより、2,5−ビス(5−ヘキシル−2−チエニル)テレフタル酸(化合物4)(8.28g、16.6mmol)を収率87%で得た。
【0198】
2,5−ビス(5−ヘキシル−2−チエニル)テレフタル酸(化合物4)の物性は以下の通りであった。
H−NMR(DMSO−d、δppm):13.39(s、2H)、7.61(s、2H)、7.06(d、2H)、6.86(d、2H)、2.81(t、4H)、1.64−1.75(m、4H)、1.25−1.44(m、12H)、0.87(t、6H)
【0199】
[実施例3]
<2,7−ジヘキシルチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン−4,9−ジオン(化合物5)の製造>

【0200】
2,5−ビス(5−ヘキシル−2−チエニル)テレフタル酸(化合物4)(6.28g、12.6mmol)、ポリリン酸(PPA)(126mL)の混合物を140℃で9時間攪拌した。0℃に冷やして水を滴下し、クロロホルムにより抽出した。得られた有機層を10%水酸化ナトリウム水溶液と水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を減圧下留去した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することにより、2,7−ジヘキシルチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン−4,9−ジオン(化合物5)(4.48g、9.68mmol)を収率77%で得た。
【0201】
2,7−ジヘキシルチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン−4,9−ジオン(化合物5)の物性は以下の通りであった。
H−NMR(CDCl、δppm):7.80(s、2H)、7.12(s、2H)、2.78(t、4H)、1.62−1.73(m、4H)、1.26−1.41(m、12H)、0.90(t、6H)
13C−NMR(CDCl、δppm):186.0、155.2、151.4、140.6、139.7、139.6、126.2、125.2、124.5、117.9、113.7、31.4、31.1、30.5、30.1、28.6、22.5、14.0
HRMS(APPI+):calcd for C28H31O2S2、463.1760;found 463.1745
【0202】
[実施例4]
<2,7−ジヘキシル−4,9−ジヒドロチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン(化合物6)の製造>

【0203】
2,7−ジヘキシルチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン−4,9−ジオン(化合物5)(4.18g、9.03mmol)、ヒドラジン一水和物(4.65mL、95.7mmol)、ジエチレングリコール(180mL)の混合物を、80℃で1時間、続いて180℃で1時間攪拌した。混合液を160℃で加熱し、水酸化カリウム水溶液(2.14M、43.1mL)で滴下し、2時間還流した。室温まで放冷した後、反応混合液に水を加え、クロロホルムで抽出した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を減圧下留去した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することにより、2,7−ジヘキシル−4,9−ジヒドロチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン(化合物6)(1.54g、3.54mmol)を収率39%で得た。
【0204】
2,7−ジヘキシル−4,9−ジヒドロチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン(化合物6)の物性は以下の通りであった。
H−NMR(CDCl、δppm):7.49(s、2H)、6.80(s、2H)、3.65(s、4H)、2.87(t、4H)、1.66−1.77(m、4H)、1.26−1.46(m、12H)、0.90(t、6H)
elemental anal:calcd for C28H31O2S2:C77.36、H7.88;found C77.29、H7.77
【0205】
[実施例5]
<2,5−ビス(2−チエニル)テレフタル酸ジメチル(化合物8)の製造>

【0206】
文献(Macromolecules,1999,32,2455.)の方法に従って合成したp−ジブロモテレフタル酸メチル(化合物1)(65.1g、185mmol)、チオフェン−2−ボロン酸(化合物7)(東京化成製)(71.0g、555mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(15.1g、18.5mmol)、炭酸カリウム(84.4g、610mmol)、及びトルエン(6.5L)の混合液を窒素雰囲気下で6時間還流させた。室温まで放冷した後、反応混合液に水を加え、クロロホルムにより抽出した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を減圧下留去した。得られた混合物をヘキサンとクロロホルムを用いて再結晶することにより、2,5−ビス(2−チエニル)テレフタル酸ジメチル(化合物8)(45.9g、128mmol)を収率69%で得た。
【0207】
2,5−ビス(2−チエニル)テレフタル酸ジメチル(化合物8)の物性は以下の通りであった。
H−NMR(CDCl、δppm):7.82(s、2H)、7.38(dd、2H)、7.07−7.12(m、4H)、3.78(s、6H)
【0208】
[実施例6]
<2,5−ビス(5−ブロモ−2−チエニル)テレフタル酸ジメチル(化合物9)の製造>

【0209】
2,5−ビス(2−チエニル)テレフタル酸ジメチル(化合物8)(40.0g、112mmol)、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)(触媒量)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)(59.6g、335mmol)、及びクロロホルム(8.3L)の混合物を攪拌した。12時間後、N−ブロモスクシンイミド(NBS)(45.0g、253mmol)とBPO(触媒量)を混合物に追加し、さらに12時間攪拌した。エタノール(2.8L)を加え、クロロホルムのみを留去した。混合物にエタノール(2.8L)を加え、超音波洗浄器に10分間あてた後に濾過し、次に水で濾物を洗浄した。得られた固体を乾燥し、2,5−ビス(5−ブロモ−2−チエニル)テレフタル酸ジメチル(化合物9)(32.8g、63.4mmol)を粗収率57%で得た。
【0210】
2,5−ビス(5−ブロモ−2−チエニル)テレフタル酸ジメチル(化合物9)の物性は以下の通りであった。
H−NMR(CDCl、δppm):7.78(s、2H)、7.04(d、2H)、6.86(d、2H)、3.81(s、6H)
【0211】
[実施例7]
<化合物11の製造>

【0212】
2,5−ビス(5−ブロモ−2−チエニル)テレフタル酸ジメチル(化合物9)(20.0g、38.7mmol)、文献(Tetrahedron Lett.2006,47,8313.)の方法に従って合成した2−(4−ヘキシル−フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボラン(化合物10)(24.6g、85.2mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(6.3g、7.7mmol)、炭酸カリウム(813.4g、96.9mmol)、水(400mL)、及びTHF(2.0L)の混合液を窒素雰囲気下で9時間還流させた。室温まで放冷した後、反応混合液に水を加え、クロロホルムにより抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を減圧下留去した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン=2:1)で分離精製することにより、化合物11(11.6g、17.1mmol)を収率44%で得た。
【0213】
化合物11の物性は以下の通りであった。
H−NMR(CDCl、δppm):7.85(s、2H)、7.54(d、4H)、7.19−7.29(m、6H)、7.01(d、2H)、3.82(s、6H)、2.63(t、4H)、1.56−1.65(m、4H)、1.24−1.33(m、12H)、0.89(t、6H)
【0214】
[実施例8]
<化合物12の製造>

【0215】
化合物11(10.0g、14.7mmol)、水酸化カリウム(1.82g、32.4mmol)、ブタノール(0.25L)を8時間還流した。室温まで放冷した後、水(0.8L)を加え、ブタノールのみを留去した。得られた混合物に塩酸を沈殿が生じなくなるまで滴下し、濾過した。濾物を水で洗浄し、減圧下で80℃・2時間乾燥することにより、化合物12(8.56g、13.2mmol)を収率77%で得た。
【0216】
化合物12の物性は以下の通りであった。
H−NMR(DMSO−d、δppm):7.76(s、2H)、7.59(d、4H)、7.49(d、2H)、7.24−7.27(m、6H)、2.59(t、4H)、1.55−1.60(m、4H)、1.27−1.28(m、12H)、0.85(t、6H)
【0217】
[実施例9]
<化合物13の製造>

【0218】
文献(J.Am.Chem.Soc.2001,123,4763.)の方法に従って準備したスーパーポリリン酸(super PPA)(PPA:52.2mL、五酸化二リン:18.1g)に、化合物12(1.70g、2.61mmol)を添加し、150℃で42時間攪拌した。0℃に冷やした混合物に氷を発熱が収まるまで入れた。さらにクロロホルムを注加し、セライト濾過後に、得られた濾液を10%水酸化ナトリウム水溶液と水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。濾液の溶媒を減圧下留去することにより、化合物13(1.03g、1.67mmol)を収率64%で得た。
【0219】
化合物13の物性は以下の通りであった。
HRMS(EI+):calcd for C40H38O2S2、614.23969;found 614.23132
【0220】
[実施例10]
<化合物14の製造>

【0221】
化合物13(1.19g、1.83mmol)、ヒドラジン一水和物(0.86mL、17.8mmol)、ジエチレングリコール(32mL)の混合物を、80℃で1時間、続いて180℃で4時間攪拌した。混合液を室温まで放冷し、水酸化カリウム水溶液(4.3M、4mL)で滴下し、27時間還流した。室温まで放冷した後、反応混合液に水を加えて濾過し、濾物を水で洗浄した。濾物をクロロホルムに溶解させ、水を加えて抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、溶媒を減圧下留去することにより、化合物14(0.23g、0.39mmol)を収率24%で得た。
【0222】
化合物14の物性は以下の通りであった。
HRMS(APPI+):calcd for C40H43S2[M+H]、587.2791;found 587.2800
【0223】
[実施例11]
<化合物15の製造>

【0224】
文献(Macromolecules,1999,32,2455.)の方法に従って合成したp−ジブロモテレフタル酸メチル(化合物1)(10.6g、30.0mmol)、化合物15(Aldrich社製)(24.8g、66.0mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(2.45g、3.00mmol)、炭酸カリウム(13.7g、13.7mmol)、水(60mL)、及びTHF(1.2L)の混合液を窒素雰囲気下で16時間還流させた。室温まで放冷した後、反応混合液に水を加え、クロロホルムにより抽出した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後、溶媒を減圧下留去した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することにより、化合物16(7.89g、15.0mmol)を収率50%で得た。
【0225】
化合物16の物性は以下の通りであった。
H−NMR(CDCl、δppm):7.81(s、2H)、7.06(d、2H)、6.97−7.04(m、4H)、6.70(d、2H)、3.64(s、6H)、2.80(t、4H)、1.56−1.63(m、4H)、1.32−1.41(m、12H)、0.90(t、6H)
【0226】
[実施例12]
<化合物17の製造>

【0227】
化合物16(15.8g、22.9mmol)、水酸化カリウム(2.83g、50.4mmol)、ブタノール(0.40L)を5時間還流した。室温まで放冷した後、塩酸を沈殿が生じなくなるまで滴下し、濾過した。濾物を水で洗浄し、減圧下で80℃・2時間乾燥することにより、化合物17(20.0g、13.3mmol)を収率90%で得た。
【0228】
化合物17の物性は以下の通りであった。
H−NMR(DMSO−d、δppm):7.76(s、2H)、7.14−7.26(m、6H)、6.83(d、2H)、2.80(t、4H)、1.60−1.66(m、4H)、1.23−1.34(m、12H)、0.82(t、6H)
【0229】
[実施例13]
<化合物18の製造>

【0230】
化合物17(9.94g、15.0mmol)、ポリリン酸(PPA)(150mL)の混合物を180℃で16時間攪拌した。0℃に冷やして水を滴下し、クロロホルムにより抽出した。得られた有機層を10%水酸化ナトリウム水溶液と水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過後、溶媒を減圧下留去することにより、化合物18(5.52g、8.85mmol)を収率59%で得た。
【0231】
化合物18の物性は以下の通りであった。
H−NMR(CDCl、δppm):7.16(s、2H)、7.07(s、2H)、7.02(d、2H)、6.70(d、2H)、2.80(t、4H)、1.63−1.71(m、4H)、1.31−1.38(m、12H)、0.90(t、6H)
【0232】
[実施例14]
<化合物19の製造>

【0233】
化合物18(0.30g、0.48mmol)、ヒドラジン一水和物(0.25mL、5.09mmol)、ジエチレングリコール(10mL)の混合物を、80℃で1時間、続いて180℃で3時間攪拌した。室温まで放冷した後、反応混合液に水を加え、クロロホルムで抽出した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を減圧下留去して赤色固体(130mg)を得た。この赤色固体に、ジエチレングリコール(10mL)、水酸化カリウム水溶液(0.81M、2.5mL)を加え、5時間還流した。室温まで放冷した後、反応混合液に水を加えて濾過して濾物を水で洗浄し、真空下で乾燥した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することにより、化合物19(0.1g、0.17mmol)を収率35%で得た。
【0234】
化合物19の物性は以下の通りであった。
H−NMR(CDCl、δppm):7.53(s、2H)、7.12(s、2H)、7.01(d、2H)、6.69(d、2H)、3.75(s、4H)、2.80(t、4H)、1.64−1.75(m、4H)、1.26−1.42(m、12H)、0.90(t、6H)
【0235】
[実施例15]
<2,7−ジヘキシル−4,9−ジヒドロチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン(化合物6)の真空蒸着膜を有機半導体層とする有機トランジスタの製造>
【0236】
オクタデシルトリクロロシラン処理を行った50nmのSiO熱酸化膜付きnドープシリコンウエハー上に金属マスクを用いて、チタンを5nm、さらに金を25nm蒸着した。次に合成した2,7−ジヘキシル−4,9−ジヒドロチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン(化合物6)を真空蒸着することにより、2,7−ジヘキシル−4,9−ジヒドロチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン(化合物6)からなる有機半導体層を形成した。ここで、2,7−ジヘキシル−4,9−ジヒドロチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン(化合物6)からなる有機半導体層は以下の条件下で形成した。
真空蒸着法に用いた装置チェンバ内の真空度は、1×10−4パスカル以下であった。基板の温度は、室温(24℃)以上80℃以下の範囲であった。昇華により精製した2,7−ジヘキシル−4,9−ジヒドロチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン(化合物6)をタングステン製のボートに入れ、ボートの末端を加熱した。有機半導体層の膜厚は、約40nmであった。
【0237】
最後に、金属マスクを用いて膜厚30nmの金の層を真空蒸着法で上記有機半導体層上に成膜して、ソース電極及びドレイン電極を形成した。ここで、ソース電極及びドレイン電極を形成することによって得られた有機トランジスタのチャネル幅及びチャネル長は、それぞれ、500μm以上1000μm以下及び50μmであった。
【0238】
このようにして、図1に示すような2,7−ジヘキシル−4,9−ジヒドロチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン(化合物6)の真空蒸着膜を有機半導体層とする有機トランジスタを製造することができた。
【0239】
[実施例16]
<2,7−ジヘキシル−4,9−ジヒドロチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン(化合物6)の真空蒸着膜を有機半導体層とする有機トランジスタに関する測定>
【0240】
製造した2,7−ジヘキシル−4,9−ジヒドロチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン(化合物6)からなる有機半導体層を有する有機トランジスタの電気特性を測定した。測定結果を図2に示す。図2に示されるように、あるゲート電圧(Vg)において、ドレイン電圧(Vd)に対するドレイン電流(Id)の変化曲線は、良好であり、低いドレイン電圧における線形領域(電圧比例領域)及び高いドレイン電圧における飽和領域を有していた。また、ゲート電極に印加する負のゲート電圧を増加させると、負のドレイン電流も増加することから、製造した2,7−ジヘキシル−4,9−ジヒドロチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン(化合物6)からなる有機半導体層を有する有機トランジスタは、p型の有機トランジスタであることを確認することができた。さらに、有機トランジスタのキャリアの電界効果移動度μは、有機トランジスタの電気的特性の飽和領域におけるドレイン電流Idを表す下記式(a)を用いて算出することができる。

Id=(W/2L)μCi(Vg−Vt)・・・(a)
【0241】
式(a)において、L及びWは、それぞれ、有機トランジスタのゲート長及びゲート幅であり、Ciは、ゲート絶縁膜の単位面積当たりの容量であり、Vgは、ゲート電圧であり、Vtは、ゲート電圧のしきい値電圧である。式(a)を用いて、製造した2,7−ジヘキシル−4,9−ジヒドロチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン(化合物6)からなる有機半導体層を有する有機トランジスタのキャリアの電界効果移動度μを計算した結果、基板の温度80℃で製造した2,7−ジヘキシル−4,9−ジヒドロチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン(化合物6)からなる有機半導体層を有する有機トランジスタにおけるキャリアの電界効果移動度及びオン/オフ比は、0.078cm/Vs及び10であった。
【0242】
[実施例17]
<2,7−ジヘキシル−4,9−ジヒドロチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン(化合物6)のスピンコート膜を有機半導体層とする有機トランジスタの製造>
【0243】
オクタデシルトリクロロシラン処理を行ったSiO熱酸化膜付きnドープシリコンウエハー上に合成した2,7−ジヘキシル−4,9−ジヒドロチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン(化合物6)の0.5wt%クロロホルム溶液をスピンコート法により化合物6からなる薄膜を形成した。さらに形成した薄膜を80℃にて30分保温した。
【0244】
得られた薄膜に金属マスクを用いて金の層を真空蒸着法で成膜して、ソース電極及びドレイン電極を形成した。ここで、ソース電極及びドレイン電極を形成することによって得られた有機TFTのチャネル幅及びチャネル長は、それぞれ、2mm及び20μmであった。
【0245】
このようにして、2,7−ジヘキシル−4,9−ジヒドロチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン(化合物6)のスピンコート膜を有機半導体層とする有機トランジスタを製造することができた。
【0246】
[実施例18]
<2,7−ジヘキシル−4,9−ジヒドロチオフェノ[2’,3’−6,5]s−インダセノ[1,2−b]チオフェン(化合物6)のスピンコート膜を有機半導体層とする有機トランジスタに関する測定>
【0247】
実施例17で製造した有機トランジスタの電気特性を実施例16と同様に測定した結果、キャリアの電界効果移動度及びオン/オフ比は、0.007cm/Vs及び10であった。
【0248】
以上、本発明の実施の形態及び実施例を具体的に説明してきたが、本発明は、これらの実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、これら本発明の実施の形態及び実施例を、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、変更又は変形することができる。
【産業上の利用可能性】
【0249】
本発明は、より高いキャリア移動度を有する有機薄膜トランジスタ、及び上記有機薄膜トランジスタの製造方法、並びに上記有機薄膜トランジスタを含む有機薄膜デバイスに適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるジヒドロインダセン化合物。

(式中、Rは、同一又は相異なり、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアルキルチオ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールチオ、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールアルコキシ、置換されていてもよいアリールアルキルチオ、置換されていてもよいアリールアルケニル、置換されていてもよいアリールアルキニル、置換されていてもよいボリル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいシリルオキシ、置換されていてもよいアリールスルフォニルオキシ、置換されていてもよいアルキルスルフォニルオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリールチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキルチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキニル、置換されていてもよいシクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ又はヒドロキシルを表し、
〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいシクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ又はヒドロキシルを表し、
pは、0、1、又は2であり、
環構造A、Bは、同一又は相異なり、置換されていてもよいベンゼン環、置換されていてもよいチオフェン環、置換されていてもよいフラン環、置換されていてもよいセレノフェン環、置換されていてもよいピロール環、置換されていてもよいチアゾール環、置換されていてもよいピリジン環、置換されていてもよいピラジン環、置換されていてもよいピリミジン環又は置換されていてもよいピリダジン環を表す。
但し、AとBが両者ともベンゼン環の場合、及び下記一般式(2)で表される化合物を除く。)

【請求項2】
下記一般式(3)で表されるジヒドロインダセン化合物。

(式中、R〜R及びpは、請求項1に記載と同じ意味を表し、
〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアルキルチオ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールチオ、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールアルコキシ、置換されていてもよいアリールアルキルチオ、置換されていてもよいアリールアルケニル、置換されていてもよいアリールアルキニル、置換されていてもよいボリル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいシリルオキシ、置換されていてもよいアリールスルフォニルオキシ、置換されていてもよいアルキルスルフォニルオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリールチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキルチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキニル、置換されていてもよいシクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ又はヒドロキシルを表し、
Xは、同一又は相異なり、硫黄、酸素、セレン、テルル原子、SO、又はN−R10で表される基を表し、
10は、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、又は置換されていてもよいヘテロアリールを表す。)
【請求項3】
請求項2に記載の式(3)で表されるジヒドロインダセン化合物において、
が水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルケニル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルキニル、又は炭素数1〜30の置換されていてもよいアルコキシであり、
〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルケニル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルキニル、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルコキシ、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいヘテロアリール又はハロゲンであり、
〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、又は炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキルであり、
Xは、同一又は相異なり、硫黄、酸素、セレン、又はSOである、請求項2に記載のジヒドロインダセン化合物。
【請求項4】
請求項2に記載の式(3)で表されるジヒドロインダセン化合物において、
及びRが、同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール又はハロゲンである、請求項2に記載のジヒドロインダセン化合物。
【請求項5】
請求項2に記載の式(3)で表されるジヒドロインダセン化合物において、
〜R、R、及びRが、同一又は相異なり、水素原子、メチル又はエチルである、請求項2に記載のジヒドロインダセン化合物。
【請求項6】
請求項2に記載の式(3)で表されるジヒドロインダセン化合物において、
Xが硫黄原子である、請求項2〜5のいずれか一項に記載のジヒドロインダセン化合物。
【請求項7】
請求項2に記載の式(3)で表されるジヒドロインダセン化合物において、
Xが硫黄原子であり、R〜R、R及びRが、それぞれ水素原子を表し、p=2、R及びRが、それぞれ、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基である、請求項2に記載のジヒドロインダセン化合物。
【請求項8】
請求項2に記載の式(3)で表されるジヒドロインダセン化合物において、
Xが硫黄原子であり、R〜R、R及びRが、それぞれ水素原子を表し、p=2、R及びRが、それぞれ、5−(C1−20アルキル)チオフェン−2−イルである、請求項2に記載のジヒドロインダセン化合物。
【請求項9】
請求項2に記載の式(3)で表されるジヒドロインダセン化合物において、
Xが硫黄原子であり、R〜R、R及びRが、それぞれ水素原子を表し、p=2、R及びRが、それぞれ、4−(C1−20アルキル)フェニル−1−イル又は4−(C1−20)アルコキシフェニル−1−イルである、請求項2に記載のジヒドロインダセン化合物。
【請求項10】
請求項2に記載の式(3)で表されるジヒドロインダセン化合物において、
Xが硫黄原子であり、R〜R、R及びRが、それぞれ水素原子を表し、p=2、R及びRが、それぞれ、n−ヘキシルである、請求項2に記載のジヒドロインダセン化合物。
【請求項11】
請求項2に記載の式(3)で表されるジヒドロインダセン化合物において、
Xが硫黄原子であり、R〜R、R及びRが、それぞれ水素原子を表し、p=2、R及びRが、それぞれ、5−n−ヘキシルチオフェン−2−イルである、請求項2に記載のジヒドロインダセン化合物。
【請求項12】
請求項2に記載の式(3)で表されるジヒドロインダセン化合物において、
Xが硫黄原子であり、R〜R、R及びRが、それぞれ水素原子を表し、p=2、R及びRが、それぞれ、4−n−ヘキシルフェニルである、請求項2に記載のジヒドロインダセン化合物。
【請求項13】
下記一般式(4)で表されるジヒドラゾン化合物。

(式中、R及びR〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアルキルチオ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールチオ、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールアルコキシ、置換されていてもよいアリールアルキルチオ、置換されていてもよいアリールアルケニル、置換されていてもよいアリールアルキニル、置換されていてもよいボリル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいシリルオキシ、置換されていてもよいアリールスルフォニルオキシ、置換されていてもよいアルキルスルフォニルオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリールチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキルチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキニル、置換されていてもよいシクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ又はヒドロキシルを表し、
pは、0,1、又は2であり、
11〜R14は、同一又は相異なり、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールスルホニル、又は置換されていてもよいシリルを表し、
Xは、同一又は相異なり、硫黄、酸素、セレン、テルル原子、SO、又はN−R10で表される基であり、
10は、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、又は置換されていてもよいヘテロアリールを表す。)
【請求項14】
請求項13に記載の式(4)で表されるジヒドラゾン化合物において、
は水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルケニル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルキニル、又は炭素数1〜30の置換されていてもよいアルコキシであり、
〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルケニル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルキニル、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルコキシ、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいヘテロアリール又はハロゲンであり、
〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、又は炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキルであり、
Xは、同一又は相異なり、硫黄、酸素、セレン、又はSOであり
11〜R14は、同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリールスルホニル、又は置換されていてもよいシリルである、請求項13に記載のジヒドラゾン化合物。
【請求項15】
請求項13に記載の式(4)で表されるジヒドラゾン化合物において、
及びRは、同一又は相異なり、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール又はハロゲンである、請求項13に記載のジヒドラゾン化合物。
【請求項16】
請求項13に記載の式(4)で表されるジヒドラゾン化合物において、
、R、及びRは、同一又は相異なり、水素原子、メチル、又はエチルである、請求項13に記載のジヒドラゾン化合物。
【請求項17】
請求項13に記載の式(4)で表されるジヒドラゾン化合物において、
Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基である、請求項13に記載のジヒドラゾン化合物。
【請求項18】
請求項13に記載の式(4)で表されるジヒドラゾン化合物において、
Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、5−(C1−20アルキル)チオフェン−2−イルである、請求項13に記載のジヒドラゾン化合物。
【請求項19】
請求項13に記載の式(4)で表されるジヒドラゾン化合物において、
Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、4−(C1−20アルキル)フェニル−1−イル又は4−(C1−20)アルコキシフェニル−1−イルである、請求項13に記載のジヒドラゾン化合物。
【請求項20】
請求項13に記載の式(4)で表されるジヒドラゾン化合物において、
Xが、硫黄原子である請求項13〜16のいずれか一項に記載のジヒドラゾン化合物。
【請求項21】
請求項13に記載の式(4)で表されるジヒドラゾン化合物において、
Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、それぞれ、n−ヘキシルである、請求項13に記載のジヒドラゾン化合物。
【請求項22】
請求項13に記載の式(4)で表されるジヒドラゾン化合物において、
Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、それぞれ、5−n−ヘキシルチオフェン−2−イルである、請求項13に記載のジヒドラゾン化合物。
【請求項23】
請求項13に記載の式(4)で表されるジヒドラゾン化合物において、
Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、それぞれ、4−n−ヘキシルフェニルである、請求項13に記載のジヒドラゾン化合物。
【請求項24】
請求項13に記載の式(4)で表されるジヒドラゾン化合物と塩基性試薬とを反応させる、請求項2に記載の式(3)で表されるジヒドロインダセン化合物(但し、R〜Rは全て水素原子である。)の製造方法。
【請求項25】
下記一般式(5)で表されるインダセンジオン化合物。

(式中、R及びR〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアルキルチオ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールチオ、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールアルコキシ、置換されていてもよいアリールアルキルチオ、置換されていてもよいアリールアルケニル、置換されていてもよいアリールアルキニル、置換されていてもよいボリル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいシリルオキシ、置換されていてもよいアリールスルフォニルオキシ、置換されていてもよいアルキルスルフォニルオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリールチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキルチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキニル、置換されていてもよいシクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ又はヒドロキシルであり、
pは、0,1、又は2であり、
Xは、同一又は相異なり、硫黄、酸素、セレン、テルル原子、SO、N−R10で表される基であり、
10は、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール又は置換されていてもよいヘテロアリールである。
但し、X=S、R=H、p=2、且つR=R=n−ヘキシルの場合、及びX=S、R=n−オクチル、p=2、且つR〜R=Hの場合は除く。)
【請求項26】
は水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルケニル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルキニル、又は炭素数1〜30の置換されていてもよいアルコキシであり、
〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルケニル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルキニル、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルコキシ、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいヘテロアリール又はハロゲンであり、
Xは、同一又は相異なり、硫黄、酸素、セレン、又はSOである、請求項25に記載のインダセンジオン化合物。
【請求項27】
及びRは、同一又は相異なり、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール又はハロゲンである、請求項25に記載のインダセンジオン化合物。
【請求項28】
、R、及びRは、同一又は相異なり、水素原子、メチル、又はエチルである、請求項25に記載するインダセンジオン化合物。
【請求項29】
請求項25に記載の式(5)のインダセンジオン化合物において、
Xが硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基である、請求項25に記載のインダセンジオン化合物。
【請求項30】
請求項25に記載の式(5)のインダセンジオン化合物において、
Xが硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、5−(C1−20アルキル)チオフェン−2−イルである、請求項25に記載のインダセンジオン化合物。
【請求項31】
請求項25に記載の式(5)のインダセンジオン化合物において、
Xが硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ水素原子であり、p=2であり、R及びRが、4−(C1−20アルキル)フェニル−1−イル又は4−(C1−20)アルコキシフェニル−1−イルである、請求項25に記載のインダセンジオン化合物。
【請求項32】
X=Sである請求項25〜28のいずれか一項に記載のインダセンジオン化合物。
【請求項33】
X=S、R=R=R=H、p=2、且つR=R=n−ヘキシルである、請求項25に記載のインダセンジオン化合物。
【請求項34】
X=S、R=R=R=H、p=2、且つR=R=5−n−ヘキシルチオフェン−2−イルである、請求項25に記載のインダセンジオン化合物。
【請求項35】
X=S、R=R=R=H、p=2、且つR=R=4−n−ヘキシルフェニルである、請求項25に記載のインダセンジオン化合物。
【請求項36】
請求項25に記載の式(5)で表されるインダセンジオン化合物とヒドラジン類とを反応させる、請求項13に記載の式(4)で表されるジヒドラゾン化合物の製造方法。
【請求項37】
下記一般式(6)で表されるテレフタル酸化合物。

(式中、R及びR〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアルキルチオ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールチオ、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールアルコキシ、置換されていてもよいアリールアルキルチオ、置換されていてもよいアリールアルケニル、置換されていてもよいアリールアルキニル、置換されていてもよいボリル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいシリルオキシ、置換されていてもよいアリールスルフォニルオキシ、置換されていてもよいアルキルスルフォニルオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリールチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキルチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキニル、置換されていてもよいシクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ又はヒドロキシルであり、
pは、0、1、又は2であり、
Xは、同一又は相異なり、硫黄、酸素、セレン、テルル原子、SO又はN−R10で表される基であり、
10は、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール又は置換されていてもよいヘテロアリールである。
但し、R=H、p=2、R=R=n−ヘキシル、R=R=n−ヘキシルもしくは水素原子、且つX=S、の場合は除く。)
【請求項38】
請求項37に記載の式(6)で表されるテレフタル酸化合物において、
は水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルケニル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルキニル、又は炭素数1〜30の置換されていてもよいアルコキシであり、
〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルケニル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルキニル、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルコキシ、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいヘテロアリール又はハロゲンであり、
Xは、同一又は相異なり、硫黄、酸素、セレン、又はSOである、請求項37に記載のテレフタル酸化合物。
【請求項39】
請求項37に記載の式(6)で表されるテレフタル酸化合物において、
及びRは、同一又は相異なり、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール又はハロゲンである、請求項37に記載のテレフタル酸化合物。
【請求項40】
請求項37に記載の式(6)で表されるテレフタル酸化合物において、
、R、及びRは、同一又は相異なり、水素原子、メチル、又はエチルである、請求項37に記載のテレフタル酸化合物。
【請求項41】
請求項37に記載の式(6)のテレフタル酸化合物において、
Xが硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ水素原子であり、p=2であり、R及びRが、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基である、請求項37に記載のテレフタル酸化合物。
【請求項42】
請求項37に記載の式(6)のテレフタル酸化合物において、
Xが硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ水素原子であり、p=2であり、R及びRが、5−(C1−20アルキル)チオフェン−2−イルである、請求項37に記載のテレフタル酸化合物。
【請求項43】
請求項37に記載の式(6)のテレフタル酸化合物において、Xが、硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ、水素原子であり、p=2であり、R及びRが、4−(C1−20アルキル)フェニル−1−イル又は4−(C1−20)アルコキシフェニル−1−イルである請求項37に記載のテレフタル酸化合物。
【請求項44】
請求項37に記載の式(6)で表されるテレフタル酸化合物において、
Xが硫黄原子である、請求項37〜40のいずれか一項に記載のテレフタル酸化合物。
【請求項45】
Xが硫黄原子を表し、R、R及びRが水素原子であり、p=2であり、且つR及びRがn−ヘキシルである、請求項37に記載のテレフタル酸化合物。
【請求項46】
Xが硫黄原子であり、R、R及びRが水素原子であり、p=2であり、且つR及びRが5−n−ヘキシルチオフェン−2−イルである、請求項37に記載のテレフタル酸化合物。
【請求項47】
Xが硫黄原子であり、R、R及びRが水素原子であり、p=2であり、且つR及びRが4−n−ヘキシルフェニルである、請求項37に記載のテレフタル酸化合物。
【請求項48】
請求項37に記載の式(6)で表されるテレフタル酸化合物と酸性試薬とを反応させる、請求項25に記載の式(5)で表されるインダセンジオン化合物の製造方法。
【請求項49】
下記一般式(7)で表されるテレフタル酸エステル化合物。

(式中、R及びR〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアルキルチオ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールチオ、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールアルコキシ、置換されていてもよいアリールアルキルチオ、置換されていてもよいアリールアルケニル、置換されていてもよいアリールアルキニル、置換されていてもよいボリル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいシリルオキシ、置換されていてもよいアリールスルフォニルオキシ、置換されていてもよいアルキルスルフォニルオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリールチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリールアルキルチオ、置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキニル、置換されていてもよいシクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ又はヒドロキシルであり、
15及びR16は、同一又は相異なり、置換されていてもよいアルキルであり、
pは、0,1、又は2であり、
Xは、同一又は相異なり、硫黄、酸素、セレン、テルル原子、SO、又はN−R10で表される基であり、
10は、水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、又は置換されていてもよいヘテロアリールである。
但し、R及びR〜Rが水素原子であり、p=2であり、Xが硫黄原子を表し、且つR15及びR16がメチルもしくはエチルの場合、及びRが水素原子であり、p=2であり、Xが硫黄を表し、R及びRがn−ヘキシルであり、R及びRがn−ヘキシルもしくはトリメチルシリルもしくは水素原子であり、且つR15及びR16がメチルの場合を除く。)
【請求項50】
請求項49に記載の式(7)のテレフタル酸エステル化合物において、
は水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルケニル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルキニル、又は炭素数1〜30の置換されていてもよいアルコキシであり、
〜Rは、同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルケニル、炭素数2〜30の置換されていてもよいアルキニル、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルコキシ、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよいヘテロアリール又はハロゲンであり、
Xは、同一又は相異なり、硫黄、酸素、セレン、又はSOであり、
15及びR16は、同一又は相異なり、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキルである、請求項49に記載のテレフタル酸エステル化合物。
【請求項51】
請求項49に記載の式(7)のテレフタル酸エステル化合物において、
及びRは、同一又は相異なり、炭素数1〜30の置換されていてもよいアルキル、炭素数6〜30の置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール又はハロゲンである、請求項49に記載のテレフタル酸エステル化合物。
【請求項52】
請求項49に記載の式(7)のテレフタル酸エステル化合物において、
、R、及びRは、同一又は相異なり、水素原子、メチル、又はエチルである、請求項49に記載のテレフタル酸エステル化合物。
【請求項53】
請求項49に記載の式(7)のテレフタル酸エステル化合物において、
Xが硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ水素原子であり、p=2であり、R及びRが、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基である、請求項49に記載のテレフタル酸エステル化合物。
【請求項54】
請求項49に記載の式(7)のテレフタル酸エステル化合物において、
Xが硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ水素原子であり、p=2であり、R及びRが、5−(C1−20アルキル)チオフェン−2−イルである、請求項49に記載のテレフタル酸エステル化合物。
【請求項55】
請求項49に記載の式(7)のテレフタル酸エステル化合物において、
Xが硫黄原子であり、R〜R、R、R及びR11〜R14が、それぞれ水素原子であり、p=2であり、R及びRが、4−(C1−20アルキル)フェニル−1−イル又は4−(C1−20)アルコキシフェニル−1−イルである、請求項49に記載のテレフタル酸エステル化合物。
【請求項56】
Xが硫黄原子である請求項37〜41のいずれか一項に記載のテレフタル酸エステル化合物。
【請求項57】
Xは硫黄原子を表し、R、R及びRは水素原子を表し、p=2であり、R及びRはn−ヘキシルであり、且つR15及びR16はメチルである、請求項49に記載のテレフタル酸エステル化合物。
【請求項58】
Xは硫黄原子を表し、R、R、及びRは、水素原子を表し、p=2を表し、R及びRは5−n−ヘキシルチオフェン−2−イルを表し、且つR15及びR16はメチルである、請求項49に記載のテレフタル酸エステル化合物。
【請求項59】
Xは硫黄原子を表し、R、R及びRは水素電子を表し、pは、2であり、R及びRは、4−n−ヘキシルフェニルであり、且つR15及びR16はメチルである、請求項38に記載のテレフタル酸エステル化合物。
【請求項60】
請求項49に記載の式(7)で表されるテレフタル酸エステル化合物と塩基性試薬とを反応させる、請求項37に記載の式(6)で表されるテレフタル酸化合物の製造方法。
【請求項61】
請求項1〜12及び請求項25〜35のいずれか一項に記載の化合物を用いる有機半導体デバイス。
【請求項62】
請求項1〜12及び請求項25〜35のいずれか一項に記載の化合物を含有する導電性薄膜。
【請求項63】
請求項1〜12及び請求項25〜35のいずれか一項に記載の化合物を含有する発光性薄膜。
【請求項64】
請求項1〜12及び請求項25〜35のいずれか一項に記載の化合物を含有する有機半導体薄膜。
【請求項65】
キャリア移動度が10−4cm/Vs以上である、請求項64に記載の有機半導体薄膜。
【請求項66】
請求項64又は65に記載の有機半導体薄膜を有する有機トランジスタ。
【請求項67】
請求項63に記載の発光性薄膜を有する発光素子。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−209134(P2009−209134A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22372(P2009−22372)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】