説明

有益剤含有デリバリ粒子

本発明は有益剤含有デリバリ粒子、前記粒子を有する組成物、及び上記粒子及び組成物の製造及び使用方法に関する。組成物、例えば、洗浄用若しくは織物仕上げ用組成物に使用したとき、かかる粒子は有益剤デリバリの効率を増加させ、よって有益剤の使用量を削減することができる。有益剤の使用量が削減されることに加えて、かかる粒子は広い範囲の有益剤に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、35U.S.C.§119(e)に基づき、2006年8月1日出願の米国仮出願第60/834,582号、及び2006年2月28日出願の米国仮出願第60/777,629号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本出願は、有益剤含有デリバリ粒子、前記粒子からなる組成物、及び前記粒子及び組成物の製造及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
香料、シリコーン、ワックス、フレイバー、ビタミン剤、及び織物柔軟剤などの有益剤(benefit agent)は高価な上、パーソナルケア用組成物、洗浄用組成物、及び織物仕上げ用組成物に高濃度で使用されたときは概して効果が薄い。そのため、かかる有益剤の効果を最大限発揮させることに対する要望がある。そのような目的を達成する1つの方法に、有益剤のデリバリ効率(delivery efficiency)を向上させることがある。しかしながら、有益剤のデリバリ効率を向上させるのは困難である。なぜなら、このような有益剤は、その物理的若しくは化学的特性によって失われたり、他の組成物成分との相性や有益剤が取り扱われる部位(situs)との相性が合わなかったりする可能性があるからである。
【0004】
従って、有益剤のデリバリ効率を向上せしめる、有益剤含有デリバリ粒子(delivery particle)に対する需要がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は有益剤含有デリバリ粒子に関し、前記デリバリ粒子は、コア材料と、前記コア材料を少なくとも部分的に囲む壁材料とを含んでいる。本発明は、更に前記粒子を有する組成物、並びに前記粒子及び組成物を製造及び使用する方法に関する。
【0006】
(定義)
ここで使用する「消費者用製品(consumer product)」とは、乳児ケア製品、美容ケア製品、織物及びホームケア製品、介護製品、女性用ケア製品、ヘルスケア製品、スナック及び/又は飲料製品、又はそれらの道具(device)である。これらは、販売される態様で使用又は消費されることを想定しているが、その後の商業的な製造又は変形は想定していない。前記製品は、限定されるものではないが、おむつ、よだれ掛け、雑巾;ブリーチ、着色、染料、コンディショニング、シャンプー、スタイリングを含む毛(人間、犬及び/又は猫)の手入れのための製品及び/又は方法;体臭防止剤及び発汗抑制剤;身体洗浄剤;化粧品;クリーム、ローション、及び他の局所的に塗布する消費者用製品を含むスキンケア;ひげそり用製品;空気ケア、自動車ケア、食器洗い、織物のコンディショニング(柔軟化を含有する)、洗濯洗浄(detergency)、洗濯及びすすぎ用添加剤及び/又はケア、硬質表面洗浄及び/又は処理、及び消費者用若しくは業務用の他の洗浄を含む織物、硬質表面ならびに織物及びホームケアの領域における任意の他の表面の手入れに関する製品及び/又は方法;トイレットペーパー、化粧紙、紙のハンカチ、及び/又はペーパータオルに関する製品及び/又は方法;タンポン、女性用ナプキン:歯磨き粉、歯磨き用ゲル、歯磨き用リンス、義歯接着剤、歯科用ホワイトニング剤を含む口腔ケアに関する製品及び/又は方法;咳及び風邪治療薬、鎮痛剤、処方せん調合薬、ペットのヘルス及び栄養剤、及び浄水を含む店頭販売の医療品;習慣的な食事の間や食事の付け合せとして主に消費されることを企図した加工食品(限定するものではない例として、ポテトチップス、トルティーヤチップス、ポップコーン、プレッツェル、コーンチップ、シリアルバー、野菜チップス若しくはクリスプ、スナックミックス、パーティーミックス、マルチグレインチップス、スナッククラッカー、チーズスナック、ポークラインズ、コーンスナック、ペレット状スナック、押し出されたスナック及びベーグルチップスが含有される);およびコーヒーを含む。
【0007】
ここで使用する「洗浄用組成物」との用語は、他に指示のない限り、粒状又は粉末状の多目的な又は「強力」洗浄剤であって、特に洗剤や、液状、ゲル状又はペースト状の多目的洗浄剤であって、特にいわゆる強力な液タイプのものや、液体の上質織物用洗剤や、食器手洗い用洗浄剤又は軽質食器洗浄剤であって、特に良く泡立つタイプのものや、食器洗い機用洗浄剤であって、家庭用及び業務用の種々のタブレット状、粒状、液状、及び泡切れの良い助剤タイプを含有するものや、液体洗浄及び殺菌剤であって、抗菌性手洗いタイプ、洗浄用バー(cleaning bar)、うがい薬、入れ歯クリーナー、歯磨剤、自動車若しくはカーペットシャンプー、風呂用洗剤を含むものや、ヘアシャンプー及びヘアリンスや、シャワー用ジェル及び泡浴剤及び金属洗浄剤や、更に漂白剤添加剤及び「ステインスティック(stain−stick)」すなわち前処理タイプなどの洗浄助剤、乾燥機に付加するシート、ドライ及びウエットの雑巾及びパッド、不織布の素地(substrate)、及びスポンジなどの素地に含ませる製品や、更にスプレー及び霧を含む。
【0008】
ここで使用する「織物仕上げ用組成物」との用語は、他に指示のない限り、織物柔軟用組成物、織物仕上げ組成物、織物清浄用組成物及びそれらの組み合わせを含有する。
【0009】
ここで使用する「有益剤含有デリバリ粒子」との表現は、有益剤若しくはコア材料と、前記有益剤若しくはコア材料を少なくとも部分的に囲む壁材料とを包含し、有益剤若しくはコア材料を伴うマイクロカプセルを包含し、香料マイクロカプセルを含有するマイクロカプセルを包含し、固体状若しくはゲル状のキャリアによって少なくとも部分的に囲まれた有益剤などのマトリックス材を包含し、壁若しくは壁様の網状組織によって少なくとも部分的に囲まれた有益剤などのマトリックス材を包含し、一方が少なくとも部分的に他方を囲んだ2つの物質からなる集合体(aggregate)を包含している。
【0010】
ここで使用する「粒子」との用語は、「有益剤含有デリバリ粒子」との表現と同義である。
【0011】
クレームにおいて単数で表現されている場合は、クレームされているもの若しくは記載されているものが1つ以上あることを意味していると理解すべきである。
【0012】
ここで使用する「含む(include、includes、including)」との用語は、非制限的であることを意味している。
【0013】
本出願の試験方法の項において開示されている試験方法が、発明者の発明の各パラメータ値の測定のために使用されるべきである。
【0014】
特に注記のない限り、全ての成分若しくは組成物の濃度は、前記成分若しくは組成物の活性な部分(active portion)についてのものであり、不純物は除外している。この不純物には、例えば、残留溶媒若しくは副生成物があり、これらは前記成分若しくは組成物の市販の原料中に存在している可能性がある。
【0015】
全てのパーセンテージ及び比率は、特に指示のない限り、重量基準で算出されている。全てのパーセンテージ及び比率は、特に指示のない限り、組成物全体を基準にして算出されている。
【0016】
本明細書全体に亘って、全ての最大数値限定は、それより小さい全ての数値限定を、あたかも明確に記載されているものとして、含んでいると理解すべきである。また、本明細書全体に亘って、全ての最小数値限定は、それより大きい全ての数値限定を、あたかも明確に記載されているものとして、含んでいると理解すべきである。更に、本明細書全体に亘って、全ての数値範囲は、広い数値範囲に包含される、より狭い全ての数値範囲を、あたかも明確に記載されているものとして、含んでいると理解すべきである。
【0017】
引用する全ての文献は、関連する部分において、本発明の開示に組み入れられる。また、いかなる文献の引用も、本発明に関して先行技術であることを承認したものであると解釈されてはならない。
(有益剤含有デリバリ粒子)
【0018】
発明者らは、効果的且つ効率良く有益剤をデリバリ(delivery)させるという課題が、物理的及び化学的特性が組み合わせられた、有益剤含有デリバリ粒子を採用することによって、経済的に解決可能であることを見出した。かかる物理的及び化学的特性は、以下のパラメータによって定義される。すなわち、粒子サイズの変動係数、破壊強度、有益剤の留保率(retention ratio)及び平均粒子サイズである。これらのパラメータが組み合わされてデリバリ指数となる。
【0019】
一態様においては、本発明の粒子は、コア材料と、前記コア材料を少なくとも部分的に囲む壁材料とを含んでおり、前記粒子は少なくとも約0.05、少なくとも約7、少なくとも約70のデリバリ指数を有している。
【0020】
一態様においては、本発明の粒子は、コア材料と、前記コア材料を少なくとも部分的に囲む壁材料とを含んでおり、前記粒子は、
a.)粒子サイズの変動係数が、約1.5〜約6.0、約2.0〜約3.5、又は約2.5〜約3.2であり、
b.)破壊強度が、約0.69kPa(0.1psia)〜約0.76MPa(110psia)、約6.9kPa(1psia)〜約0.34MPa(50psia)、又は約28kPa(4psia)〜約0.11MPa(16psia)であり、
c.)有益剤留保率が、約2〜約110、約30〜約90、又は約40〜約70であり、更に、
d.)平均粒子サイズが、約1ミクロン〜約100ミクロン、約5ミクロン〜約80ミクロン、又は約15ミクロン〜約50ミクロンである。
【0021】
発明者の発明の一態様においては、前記粒子は、本明細書に記載されたパラメータの任意の組み合わせを有し、及び/又は任意の組み合わせで構成されていても良い。
【0022】
有用な壁材料は、ポリエチレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリオレフィン、多糖類、エポキシ樹脂、ビニルポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでいる。一態様においては、有用な壁材料は、有益剤含有デリバリ粒子が使用される周囲の材料やコア材料に全く影響されない物質を含んでおり、それによってデリバリにおいて利点を得ることができる。好適な影響されない壁材料は、1以上のアミンと1以上のアルデヒドとの反応生成物からなる群から選択される物質を含んでいる。前記1以上のアルデヒドは、例えば、ホルムアルデヒド若しくはグルタルアルデヒドに架橋した尿素、ホルムアルデヒドに架橋したメラミン、グルタルアルデヒドに任意的に架橋したゼラチン−ポリリン酸塩コアセルベート、ゼラチン−アラビアゴムコアセルベート、架橋したシリコーン流体、ポリイソシアネートと反応したポリアミン及びそれらの混合物を含んでいる。一態様においては、壁材料はホルムアルデヒドに架橋したメラミンを含んでいる。
【0023】
有用なコア材料は、香料原料、シリコーン油、ワックス、炭化水素、高級脂肪酸、エッセンシャルオイル、脂質、皮膚冷却剤、ビタミン剤、日焼け止め剤、酸化防止剤、グリセリン、触媒、漂白剤粒子、二酸化ケイ素粒子、悪臭低減剤、染料、増白剤(brightener)、抗菌性活性剤、発汗抑制剤活性剤、カチオン性ポリマー、及びそれらの混合物を含んでいる。一態様においては、前記香料原料はアルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、ニトリル、およびアルケンからなる群から選択される。一態様においては、前記コア材料は香料を含んでいる。一態様においては、前記香料はアルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、ニトリル、アルケン、及びそれらの混合物からなる群から選択される香料原料を含んでいる。一態様においては、前記香料は、約250℃より低い沸点及び約3より低いClogPを有する香料原料、約250℃より高い沸点及び約3より高いClogPを有する香料原料、約250℃より高い沸点及び約3より低いClogPを有する香料原料、約250℃より低い沸点及び約3より高いClogPを有する香料原料、及びそれらの混合物からなる群から選択される香料原料を含んでいても良い。約250℃より低い沸点及び約3より低いClogPを有する香料原料は、第1象限(Quadrant I)の香料原料として知られており、約250℃より高い沸点及び約3より高いClogPを有する香料原料は、第4象限(Quadrant IV)の香料原料として知られており、約250℃よりも高い沸点及び約3よりも低いClogPを有する香料原料は、第2象限(Quadrant II)の香料原料として知られており、約250℃よりも低い沸点及び約3よりも高いClogPを有する香料原料は第3象限(Quadrant III)の香料原料として知られている。一態様においては、当該香料は、約250℃よりも低い沸点を有する香料原料を含んでいる。一態様においては、当該香料は、第1、第2及び第3象限の香料原料及びそれらの混合物からなる群から選択される香料原料を含んでいる。一態様においては、当該香料は、第3象限の香料原料を含んでいる。好適な第1、第2、第3及び第4象限の香料原料が米国特許第6,869,923B1号に開示されている。
【0024】
一態様においては、前記香料は、第4象限の香料原料を含んでいる。理論に制約されるものではないが、かかる第4象限の香料原料は、香料の香りの「バランス」を向上することができると考えられている。当該香料は、香料の全重量に対して、約30%未満、約20%未満、又は約15%未満の前記第4象限の香料原料を含んでも良い。
【0025】
この香料原料及び組み合わせ(accords)は下記の1以上の会社から得ることができる。すなわち、スイス国ジュネーブのフィルメニッヒ(Firmenich)、仏国アルジャントゥイユのジボダン(Givaudan)、ニュージャージー州ハズレットのIFF、ニュージャージー州マウントオリーブのクエスト(Quest)、コネチカット州ダンベリーのBedoukian、ミズリー州セントルイスのシグマアルドリッチ、イリノイ州オリンピアフィールズのMillennium Specialty Chemicals、ニュージャージー州ジャージシティのPolarone International、ニュージャージー州キーポートのFragrance Resources、及びコネチカット州ダンベリーのAroma & Flavor Specialtiesである。
(有益剤含有デリバリ粒子の製造方法)
【0026】
本出願に開示されている粒子は米国特許第6,592,990B2号及び/又は米国特許第6,544,926B1号及びここに開示されている実施例の教示に従って作製することができる。
【0027】
カプセル作製工程の際は、アニオン性乳化剤が一般的に使用され、これにより、マイクロカプセルの形成前に有益剤が乳化される。理論に制約されるものではないが、アニオン性材料は、織物仕上げ用組成物などの組成物にしばしば含まれている陽イオン界面活性剤と好ましくない相互作用を起こすと考えられている。その結果、前記組成物に使用される粒子は、審美的に不愉快な凝集を生じる。審美的に許容されないことに加えて、かかる凝集により粒子はバルク相から急激に相分離する。発明者は、ある凝集抑制物質を添加することによって、かかる凝集を防止することができることを見出した。この凝集抑制物質は、塩、ポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択される物質を含んでいる。有用な凝集抑制物質は2価の塩を含んでおり、これには、例えば、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、ホウ化マグネシウム、チタン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム7水和物などのマグネシウム塩や、例えば、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、臭化カルシウムなどのカルシウム塩がある。また、前記凝集抑制物質は3価の塩を含んでおり、これには、例えば、硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、塩化アルミニウムn−水和物などのアルミニウム塩や、アニオン性粒子を浮遊させる能力を有するポリマーがある。このポリマーには、例えば、ポリアミン類(ポリエチレンイミン、アルコキシル化されたポリエチレンイミン、ポリクオタニウム−6及びポリクオタニウム−7)などの土壌懸濁液ポリマーがある。
【0028】
一態様においては、ギ酸カルシウム及び/又はギ酸を、例えば、香料マイクロカプセルなどのマイクロカプセルの水性スラリーに添加しても良い。ギ酸カルシウム及び/又はギ酸は、一般的にスラリーの全重量に対して約0.6重量%〜約3重量%、約1重量%〜約2重量%又は約1.2重量%〜約1.5重量%の濃度で前記マイクロカプセルスラリーに混合されている。ギ酸カルシウム及び/又はギ酸は、下記の利点を提供する。すなわち、スラリーの相分離抑制、凝集形成の抑制、及び微生物阻害である。一般的には、上記微生物阻害は、スラリー及び/又は前記スラリーを有する製品がpH3.8以下のときに達成される。ギ酸カルシウムは米国オハイオ州トレドのパーストープ(Perstorp Inc.)から入手可能であり、ギ酸は米国ウィスコンシン州ミルウォーキ53201私書箱2060のアルドリッチから入手可能である。
【0029】
本発明の一態様においては、有益剤含有デリバリ粒子群は、作製された後に被覆剤で被覆される。これにより、前記粒子が大量の周囲環境に晒されたときに、前記粒子から有益剤が漏れる速度が低下する。かかる周囲環境は、例えば、界面活性剤、ポリマー及び溶媒を含んでいる。バリア材としての機能を発揮することが可能な、限定するものではない被覆材の例には、下記のものからなる群から選択された物質が含まれる。すなわち、ポリビニルピロリドンホモポリマー及びそれとスチレン、酢酸ビニル、イミダゾール、第1級及び第2級アミンを有するモノマー、アクリル酸メチル、ポリビニルアセタール、無水マレイン酸との種々の共重合体や、ポリビニルアルコールホモポリマー及びそれと酢酸ビニル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩、第1級及び第2級アミンを有するモノマー、イミダゾール、アクリル酸メチルとの種々の共重合体や、ポリアクリルアミドや、ポリアクリル酸や、微晶質のワックスや、パラフィンワックスや、ろうの多いトウモロコシ若しくはデントコーンでんぷん、オクテニルコハク酸エステル化されたでんぷん、ヒドロキシエチル化された若しくはヒドロキシプロピル化されたでんぷんなどの誘導体化でんぷん、カラギナン、グアーガム、ペクチン、キサンタンゴムなどの変性多糖類や、加水分解酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、及びその同等物などの変性セルロースや、ゼラチンなどの変性タンパクや、水素化及び非水素化ポリアルケンや、脂肪酸や、ホルムアルデヒドに架橋した尿素、ゼラチン−ポリリン酸塩、メラミン−ホルムアルデヒド、四ホウ酸ナトリウム若しくはグルタルアルデヒドに架橋したポリビニルアルコールなどの硬化したシェル(hardened shell)や、スチレン−ブタジエン、エチルセルロースのラテックスや、ケイ酸マグネシウム、アルミノケイ酸塩を含む粘土などの無機物や、ケイ酸ナトリウムや、それらの同等物や、それらの混合物が含まれる。これらの物質は、米国カリフォルニア州サンディエゴのCP Kelco Corp.、独国デュッセルドルフのDegussa AG、独国LudwigshafenのBASF AG、米国ニュージャージー州CranburyのRhodia Corp.、米国テキサス州ヒューストンのBaker Hughes Corp.、米国デラウェア州ウィルミントンのHercules Corp.、カナダ国アルバータ州カルガリーのAgrium Inc.、米国ニュージャージー州のISPから入手することができる。粒子が織物コンディショニング用組成物に使用される一態様においては、被覆材はケイ酸ナトリウムを含んでいる。理論に制約されるものではないが、高いpHにおけるケイ酸ナトリウムの溶解度(低いpHでは溶解度が低い)により、7より低いpHで作製されて7以上のpHの環境で使用される組成物内で使用される粒子に使用する場合はケイ酸ナトリウムは理想的な物質となると考えられている。有益剤含有デリバリ粒子は、米国特許第6,592,990号に記載されている手順に従って作製することができる。しかしながら、本発明の被覆態様は本発明の有益剤含有デリバリ粒子に限定されるものではない。なぜならば、いかなる有益剤含有デリバリ粒子であっても、ここに開示されている被覆材及び被覆方法から恩恵を受けるからである。
【0030】
ここに開示される工程への使用に適した機器は、連続攪拌槽型反応器、ホモジナイザー、タービン攪拌器、再循環ポンプ、パドル型ミキサー、すき型せん断(ploughshear)ミキサー、リボン型ブレンダー、いずれもバッチ式及び可能であれば連続式構造を有する垂直軸造粒機及びドラムミキサー、スプレー乾燥機、及び押出成形機を含んでいる。このような機器は、Lodige GmbH(独国パーダーボルン)、Littleford Day Inc.(米国ケンタッキー州フローレンス)、Forberg AS(ノルウェー国Larvik)、Glatt Ingenieurtechnik GmbH(独国Weimar)、Niro(デンマーク国Soeborg)、Hosokawa Bepex Corp.(米国ミネソタ州ミネアポリス)、Arde Barinco(米国ニュージャージー州)から入手することができる。
(ホルムアルデヒドスカベンジング)
【0031】
一態様においては、有益剤含有デリバリ粒子群はホルムアルデヒドスカベンジャーに混合されていても良い。一態様においては、かかる有益剤含有デリバリ粒子群は、本発明の有益剤含有デリバリ粒子を含んでも良い。好適なホルムアルデヒドスカベンジャーは、亜硫酸水素ナトリウム、尿素、エチレン尿素、システイン、システアミン、リジン、グリシン、セリン、カルノシン、ヒスチジン、グルタチオン、3,4−ジアミノ安息香酸、アラントイン、グリコウリル、アントラニル酸、アントラニル酸メチル、4−アミノ安息香酸メチル、アセト酢酸エチル、アセトアセトアミド、マロンアミド、アスコルビン酸、1,3−ジヒドロキシアセトン二量体、ビウレット、オキサミド、ベンゾグアナミン、ピログルタミン酸、ピロガロール、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、トリエタノールアミン、スクシンアミド、チアベンダゾール、ベンゾトリアゾール、トリアゾール、インドリン、スルファニル酸、オキサミド、ソルビトール、グルコース、セルロース、ポリ(ビニルアルコール)、部分的に加水分解されたポリ(ビニルホルムアミド)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(オキシアルキレンアミン)、ポリ(ビニルアルコール)−ポリ(ビニルアミン)共重合体、ポリ(4−アミノスチレン)、ポリ(l−リジン)、キトサン、ヘキサンジオール、エチレンジアミン−N,N'−ビスアセトアセトアミド、N−(2−エチルヘキシル)アセトアセトアミド、2−ベンゾイルアセトアセトアミド、N−(3−フェニルプロピル)アセトアセトアミド、リリアル、ヘリオナール、メロナール、トリプラール、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、2−ペンタノン、ジブチルアミン、トリエチレンテトラミン、水酸化アンモニウム、ベンジルアミン、ヒドロキシシトロネロール、シクロヘキサノン、2−ブタノン、ペンタンジオン、デヒドロ酢酸、又はこれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでいる。これらのホルムアルデヒドスカベンジャーは米国ミズリー州セントルイスのSigma/Aldrich/Fluka、又は米国ペンシルベニア州ウォリントンのPoly Sciences Inc.から入手することができる。
【0032】
かかるホルムアルデヒドスカベンジャーは、一般的に有益剤含有デリバリ粒子を有するスラリーに混合しており、その濃度は、スラリーの全重量に対して、約2重量%〜約18重量%、約3.5重量%〜約14重量%、又は約5重量%〜約13重量%である。
【0033】
一態様においては、かかるホルムアルデヒドスカベンジャーは、有益剤含有デリバリ粒子を有する製品に混合されても良く、前記スカベンジャーが前記製品に混合している濃度は、製品の全重量に対して、約0.005%〜約0.8%、あるいは約0.03%〜約0.5%、あるいは約0.065%〜約0.25%である。
【0034】
他の態様においては、かかるホルムアルデヒドスカベンジャーは有益剤含有デリバリ粒子を有するスラリーに混合されても良く、その混合の濃度は、スラリーの全重量に対して、約2重量%〜約14重量%、約3.5重量%〜約14重量%又は約5重量%〜約14重量%である。前記スラリーは製品マトリクスに添加されても良く、その添加されたものに対して、同等の若しくは異なるスカベンジャーが添加されても良く、その濃度は、製品の全重量に対して、約0.005%〜約0.5%、あるいは約0.01%〜約0.25%、あるいは約0.05%〜約0.15%である。
【0035】
一態様においては、1以上の上記ホルムアルデヒドスカベンジャーが、有益剤含有デリバリ粒子を有する液体の織物促進製品に混合されても良く、その濃度は、液体の織物促進製品の全重量に対して、0.005%〜約0.8%、あるいは約0.03%〜約0.4%、あるいは約0.06%〜約0.25%である。
【0036】
一態様においては、前記ホルムアルデヒドスカベンジャーは、有益剤含有デリバリ粒子を有する液体の洗濯用洗剤製品に混合されても良く、前記スカベンジャーは、亜硫酸水素ナトリウム、尿素、エチレン尿素、システイン、システアミン、リジン、グリシン、セリン、カルノシン、ヒスチジン、グルタチオン、3,4−ジアミノ安息香酸、アラントイン、グリコウリル、アントラニル酸、アントラニル酸メチル、4−アミノ安息香酸メチル、アセト酢酸エチル、アセトアセトアミド、マロンアミド、アスコルビン酸、1,3−ジヒドロキシアセトン二量体、ビウレット、オキサミド、ベンゾグアナミン、ピログルタミン酸、ピロガロール、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、トリエタノールアミン、スクシンアミド、チアベンダゾール、ベンゾトリアゾール、トリアゾール、インドリン、スルファニル酸、オキサミド、ソルビトール、グルコース、セルロース、ポリ(ビニルアルコール)、部分的に加水分解されたポリ(ビニルホルムアミド)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(オキシアルキレンアミン)、ポリ(ビニルアルコール)−ポリ(ビニルアミン)共重合体、ポリ(4−アミノスチレン)、ポリ(l−リジン)、キトサン、ヘキサンジオール、エチレンジアミン−N,N'−ビスアセトアセトアミド、N−(2−エチルヘキシル)アセトアセトアミド、2−ベンゾイルアセトアセトアミド、N−(3−フェニルプロピル)アセトアセトアミド、リリアル、ヘリオナール、メロナール、トリプラール、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、2−ペンタノン、ジブチルアミン、トリエチレンテトラミン、水酸化アンモニウム、ベンジルアミン、ヒドロキシシトロネロール、シクロヘキサノン、2−ブタノン、ペンタンジオン、デヒドロ酢酸及びそれらの混合物からなる群から選択される。これらは、前記液体の洗濯用洗剤製品に、液体の洗濯用洗剤製品の全重量に対して、約0.003重量%〜約0.20重量%、約0.03重量%〜約0.20重量%又は約0.06重量%〜約0.14重量%の濃度で混合している。
【0037】
一態様においては、前記ホルムアルデヒドスカベンジャーは、有益剤含有デリバリ粒子を有するヘアーコンディショニング製品に混合されても良く、その混合の濃度は、ヘアーコンディショニング製品の全重量に対して、約0.003重量%〜約0.30重量%、約0.03重量%〜約0.20重量%又は約0.06重量%〜約0.14重量%であり、前記スカベンジャーの選択は、液体の洗濯用洗剤製品に関する先の段落に示したスカベンジャーのリストと同等である。(有益剤含有デリバリ粒子を含む組成物)
【0038】
本発明の組成物は、本出願に開示される粒子の実施形態を含んでいる。一態様においては、前記組成物は消費者製品である。使用する粒子の詳細な濃度は、組成物のタイプ及び最終用途に依存するものの、組成物は、組成物の全重量に対して、約0.01〜約10、約0.1〜約10、又は約0.2〜約5重量%の粒子を含んでも良い。一態様においては、洗浄用組成物は、洗浄用組成物の全重量に対して、約0.1〜約1重量%の粒子を含んでも良い。一態様においては、織物処理組成物は、織物処理組成物の全重量に対して、約0.01〜約10%の前記粒子を含んでも良い。
【0039】
本発明の態様には、本発明の粒子の洗濯用洗剤組成物(例えば、TIDETM)、硬質表面クリーナー(例えば、MR CLEANTM)、自動食器洗い液(例えば、CASCADETM)、食器洗い液(例えば、DAWNTM)、及び床クリーナー(例えば、SWIFFERTM)への使用を含んでいる。洗浄用組成物の限定するものではない例には、米国特許第4,515,705号、同第4,537,706号、同第4,537,707号、同第4,550,862号、同第4,561,998号、同第4,597,898号、同第4,968,451号、同第5,565,145号、同第5,929,022号、同第6,294,514号、及び同第6,376,445号に記載されているものが含まれる。ここに開示される洗浄用組成物は、水性の洗浄操作に使用する際に、洗浄水が約6.5と約12との間又は約7.5と10.5との間のpHを有するように一般的に処方されている。液体食器洗い製品は、約6.8と約9.0との間のpHを一般的に有するように処方されている。洗浄剤は約7〜約12のpHを有するように一般的に処方されている。奨励される使用レベルにpHを調整する技術には、緩衝剤、アルカリ、酸などの使用が含まれ、これらは当業者にとって周知である。
【0040】
ここに開示されている織物処理組成物は、一般的に織物軟化活性剤(FSA)を含んでいる。好適な織物軟化活性剤には、限定するものではないが、クアット(quat:四級アンモニウム化合物)、アミン、脂肪酸エステル、ショ糖エステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、粘土、多糖類、油脂、ポリマーラテックス及びそれらの混合物からなる群から選択される物質が含まれる。
【0041】
好適なクアットは、限定するものではないが、エステルクアット、アミドクアット、イミダゾリンクアット、アルキルクアット、アミドエステルクアット、及びそれらの混合物からなる群から選択される物質を含む。好適なエステルクアットは、限定するものではないが、モノエステルクアット、ジエステルクアット、トリエステルクアット、及びそれらの混合物からなる群から選択される物質を含む。好適なアミドクアットは、限定するものではないが、モノアミドクアット、ジアミドクアット、及びそれらの混合物からなる群から選択される物質を含む。好適なアルキルクアットは、限定するものではないが、モノアルキルクアット、ジアルキルクアット、トリアルキルクアット、テトラアルキルクアット、及びそれらの混合物からなる群から選択される物質を含む。
【0042】
好適なアミンは、限定するものではないが、エステルアミン、アミドアミン、イミダゾリンアミン、アルキルアミン、アミドエステルアミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される物質を含む。好適なエステルアミンは、限定するものではないが、モノエステルアミン、ジエステルアミン、トリエステルアミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される物質を含む。好適なアミドクアットは、限定するものではないが、モノアミドアミン、ジアミドアミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される物質を含む。好適なアルキルアミンは、限定するものではないが、モノアルキルアミン、ジアルキルアミンクアット、トリアルキルアミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される物質を含む。
【0043】
一実施形態においては、FSAは、すすぎ洗い工程において織物の柔軟化に好適な第4級アンモニウム化合物である。一実施形態においては、前記FSAは、脂肪酸とアミノアルコールとの反応生成物から形成され、モノ−、ジ−、及び一実施形態においてはトリエステル化合物の混合物を得る。他の実施形態においては、前記FSAは1以上の柔軟剤の第4級アンモニウム化合物を含んでおり、例えば、限定するものではないが、モノアルキル第4級アンモニウム化合物、ジアルキル第4級アンモニウム化合物、ジアミド第4級化合物、ジエステル第4級アンモニウム化合物、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0044】
一態様においては、前記FSAは、ジエステル第4級アンモニウム若しくはプロトン化したジエステルアンモニウム(以降「DQA」と称する)化合物の組成物を含んでいる。本発明のある実施形態においては、前記DQA化合物の組成物は、ジアミドFSA、並びにアミドとエステルとが混合した結合及び上記ジエステル結合を伴うFSAをも包含しており、これら全てをここではDQAと称している。
【0045】
本組成物においてFSAとして好適な第1のタイプのDQA(DQA(I))は、下記の式からなる化合物を含んでいる。
【化1】

ここで各R置換基は、水素、短鎖C〜C、好適にはC〜Cアルキル又はヒドロキシアルキル基、例えば、メチル(最も好ましい)、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル及び同等の基、ポリ(C〜Cアルコキシ)、好適にはポリエトキシ、ベンジル、又はその混合物のいずれかであり、各mは2又は3であり、各nは1〜約4であって好適には2であり、各Yは−O−(O)C−、−C(O)−O−、−NR−C(O)−、又は−C(O)−NR−であり、各Yは同じでも異なっていても良く、各Rの炭素の合計に、Yが−O−(O)C−又は−NR−C(O)−であるときの1を足したものは、C12〜C22であって、好適にはC14〜C20であり、ここで各Rはヒドロカルビル、又は置換したヒドロカルビル基であり、Rは不飽和若しくは飽和であっても良く且つ分岐していても直鎖でも良いが、好適には直鎖であり、各Rは同じであっても異なっていても良いが、好適にはそれらは同じであり、X-は柔軟剤に相溶性のある(compatible)任意のアニオンであっても良いが、好適には、塩化物、臭化物、メチルサルフェート、エチルサルフェート、硫酸塩、リン酸塩、及び硝酸塩であり、より好適には塩化物又はメチルサルフェートである。好適なDQA化合物は、一般的にはMDEA(メチルジエタノールアミン)及びTEA(トリエタノールアミン)などのアルカノールアミンを脂肪酸と反応させることによって調製する。かかる反応の一般的な結果であるいくつかの物質には、N,N−ジ(アシル−オキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド又はN,N−ジ(アシル−オキシエチル)−N,N−メチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェートが含まれ、ここでアシル基は、動物性油に由来したものであって、例えば、獣脂、硬化獣脂、オレイン酸などの不飽和脂肪酸及びポリ不飽和脂肪酸及び/又は部分的に水素化した脂肪酸や、菜種油、サフラワー油、ピーナッツ油、ひまわり油、コーンオイル、大豆油、トールオイル、ぬか油、ヤシ油などの植物油及び/又は部分的に水素化した植物油に由来したものがある。限定するものではない好適な脂肪酸の例が米国特許第5,759,990号の第4コラムの第45〜66行に記載されている。一実施形態においては、FSAはDQA(1)又はDQAに加えて、他の活性剤(actives)を含んでいる。更に他の実施形態においては、FSAはDQA(1)又はDQAのみを含んでおり、いかなる他の第4級アンモニウム化合物又は他の活性剤も含んでいないか実質的に含んでいない。更に他の実施形態においては、FSAはDQAの作製に使用される前駆体アミンを含んでいる。
【0046】
本発明の他の態様においては、FSAは、下記の式からなるDTDMACとして特定される化合物を含んでいる。
【化2】

ここで各mは2又は3であり、各RはC〜C22であるが、好適にはC14〜C20であって、1以下が約C12より少なく、その他が少なくとも約C16であり、ヒドロカルビル、又は置換したヒドロカルビル置換基であって、好適にはC10〜C20アルキル又はアルケニル(不飽和アルキルであって、ポリ不飽和アルキルを含み、これは時々「アルキレン」とも称される)、最も好適にはC12〜C18アルキル又はアルケニルであって、分岐しているか若しくは分岐していない。一実施形態においては、各RはH又は短鎖C〜Cであるが、好適にはメチル(最も好適である)、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、及びそれらと同等の基のようなC〜Cアルキル又はヒドロキシアルキル基、ベンジル、又は(RCO)2-4Hであり、ここで各RはC〜Cアルキレン基であり、A-は柔軟剤に相溶性のあるアニオンであって、好適には塩化物、臭化物、メチルサルフェート、エチルサルフェート、硫酸塩、リン酸塩、又は硝酸塩であり、最も好適には塩化物又はメチルサルフェートである。これらのFSAの例には、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、及びジタロウジメチルアンモニウムクロライド及びジタロウジメチルアンモニウムメチルサルフェートなどのジアルキレンジメチルアンモニウム塩が含まれる。本発明に使用できる、市販のジアルキル(またはジアルキレン)ジメチルアンモニウム塩の例は、ジ水素化タロウジメチルアンモニウムクロライド及びジタロウジメチルアンモニウムクロライドであり、これらは、それぞれ商標名Adogen(登録商標)442及びAdogen(登録商標)470としてデグサ(Degussa)から入手できる。一実施形態においては、FSAは、DTDMACに加えて他の活性剤を含んでいる。更に他の実施形態においては、FSAはDTDMACの化合物のみを含んでおり、いかなる他の第4級アンモニウム化合物若しくは他の活性剤をも含んでいないか実質的に含んでいない。
【0047】
一実施形態においては、FSAは、2004年10月14日に公開されたCoronaらの米国特許公開第2004/0204337A1号の段落30〜79に記載されたFSAを含んでいる。
【0048】
他の実施形態においては、FSAは2005年11月18日に公開されたSmithらの米国特許公開第2004/0229769A1号の段落26〜31に記載されたもの、又は米国特許第6,494,920号の第1コラムの第51行以下参照において「エステルクアット」又は4級化した脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩について詳述されたものである。
【0049】
一実施形態においては、FSAは下記の中の少なくとも1つから選択される。すなわち、ジタロウオイルオキシエチル(ditallowoyloxyethyl)ジメチルアンモニウムクロライド、ジ水素化−タロウオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ジタロウジメチルアンモニウムクロライド、ジ水素化タロウジメチルアンモニウムクロライド、ジタロウオイルオキシエチルメチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、ジ水素化−タロウオイルオキシエチルメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロライド、又はそれらの組み合わせの少なくとも1つから選択される。
【0050】
本織物仕上げ用組成物におけるFSAの一般的な最低の混入濃度は、少なくとも約1%、あるいは少なくとも約2%、あるいは少なくとも約3%、あるいは少なくとも約5%、あるいは少なくとも約10%、あるいは少なくとも約12%であり、これらの値は織物仕上げ用組成物に対する重量である。織物仕上げ用組成物は、一般的にはFSAの最大濃度が約90%未満、あるいは約40%未満、あるいは約30%未満、あるいは約20%未満であり、これらの値は、組成物に対する重量である。
(カチオン性でんぷん)
【0051】
本発明の一態様は織物柔軟用組成物を提供し、これは織物柔軟用活性剤としてのカチオン性でんぷんを含んでいる。一実施形態においては、本発明の織物仕上げ用組成物は一般的にカチオン性でんぷんを含み、その濃度は約0.1%〜約7%、あるいは約0.1%〜約5%、あるいは約0.3%〜約3%、あるいは約0.5%〜約2.0%であり、これは組成物に対する重量である。織物柔軟用活性剤としてのカチオン性でんぷんは、2004年10月14日に公開されたCoronaらの米国特許公開第2004/0204337A1号の段落16〜32に記載されている。本組成物の使用に好適なカチオン性でんぷんは、Cerestarから商標名C*BOND(登録商標)として、及びNational Starch and Chemical Companyから商標名CATO(登録商標)2Aとして市販されている。
(シリコーン)
【0052】
一実施形態においては、織物柔軟用組成物はシリコーンを含んでいる。シリコーンの好適な濃度は、約0.1%〜約50%、あるいは約1%〜約40%、あるいは約2%〜約30%、あるいは約3%〜約20%であり、これは組成物に対する重量である。限定することのないシリコーンの例に、2002年6月20日公開のBuzzacariniらの米国特許公開第2002/0077265A1号の段落51〜57に記載されているものが含まれる。有用なシリコーンは、任意のシリコーン含有化合物で良い。一実施形態においては、シリコーンはポリジアルキルシリコーン、あるいはポリジメチルシリコーン(ポリジメチルシロキサンすなわち「PDMS」)、又はその誘導体である。他の実施形態においては、シリコーンはアミノ官能性シリコーン、アルコキシ化シリコーン、エトキシ化シリコーン、プロポキシ化シリコーン、エトキシ化/プロポキシ化シリコーン、第4級シリコーン、又はそれらの組み合わせから選択される。他の有用なシリコーン材料は下記の式の物質を含んでも良い。
【化3】

ここでx及びyは整数であり、これはシリコーンの分子量に依存し、シリコーンが25℃において約500cSt〜約500,000cStの粘度を呈するような分子量を有しているのが好ましい。この物質はまたアモジメチコン(amodimethicone)としても知られている。
【0053】
一実施形態においては、前記シリコーンは比較的高い分子量を有しているものである。シリコーンの分子量を表現する好適な方法に、その粘度による表現がある。高分子量シリコーンには、粘度が約1,000cSt〜約3,000,000cSt、好適には約6,000cSt〜約1,000,000cSt、あるいは約7,000cSt〜約1,000,000cSt、あるいは8,000cSt〜約1,000,000cSt、あるいは約10,000cSt〜約600,000cSt、あるいは約100,000cSt〜約350,000cStを有するものがある。更に他の実施形態においては、前記シリコーンはPDMS又はその誘導体であり、粘度が約60,000cSt〜約600,000cSt、あるいは約75,000cSt〜約350,000cSt、あるいは少なくとも約100,000cStである。更に他の実施形態においては、アミノ官能性シリコーンの粘度は低いことがある(例えば、約50cSt〜約100,000cSt)。
(他の織物柔軟剤)
【0054】
ここに記載した織物柔軟用活性剤に加えて、又はその代わりに、他の物質を本発明の組成物における織物柔軟剤として使用することができる。それら他の物質の限定するものではない例には、粘土や、脂肪酸、トリグリセリド、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪族アミンなどの油脂や、ショ糖エステルや、分散性ポリエチレンや、ポリマーラテックスが含まれる。脂肪酸の例は、国際公開第06007911A1号及び国際公開第06007899A1号に記載されている。粘土は2004年7月22日公開のBuzzaccariniらの米国特許公開第2004/0142841A1号の段落74〜99に記載されている。
【0055】
非イオン性織物仕上げ用有益剤は、ショ糖エステルを有することが可能であり、これは一般的にスクロース及び脂肪酸から由来している。ショ糖エステルは1以上のその水酸基がエステル化されたスクロース部分からなる。
【0056】
スクロースは二糖であり、下記の式を有している。
【化4】

【0057】
あるいは、前記スクロース分子は式M(OH)で表すことができ、ここでMは二糖の骨格であり、全部で8つの水酸基が前記分子内に存在している。
【0058】
従って、ショ糖エステルは下記の式で表すことができる。
【化5】

ここでxはエステル化された水酸基の数であり、(8−x)は変化していない水酸基であり、xは1〜8から、あるいは2〜8から、あるいは3〜8から、又は4〜8から選択される整数であり、R部分は、C〜C22アルキル又はC〜C30アルコキシ、直鎖又は分岐、環状又は非環式、飽和又は不飽和、置換又は非置換から独立して選択される。
【0059】
一実施形態においては、R部分は、独立して選択され且つ種々の長さの鎖を有する直鎖アルキル又はアルコキシ部分を有している。例えば、Rは、直鎖アルキル又はアルコキシ部分を混合して含んでもよく、直鎖の約20%を超えたものがC18、あるいは直鎖の約50%を超えたものがC18、あるいは直鎖の直鎖の約80%を超えたものがC18である。
【0060】
他の実施形態においては、R部分は飽和又は不飽和のアルキル又はアルコキシ部分の混合物を含み、不飽和の程度は「ヨウ素価」(以降「IV」と称し、標準AOCS法によって測定される)によって測定することができる。ここにおいて好適に使用されるショ糖エステルのIVの範囲は、約1〜約150、又は約2〜約100、又は約5〜約85である。R部分は水素化されて不飽和の程度を低減させても良い。好適には約40〜約95である、より高いIVが好ましい場合は、大豆油及び菜種油由来のオレイン酸及び脂肪酸が好適な出発物質である。
【0061】
更なる実施形態においては、不飽和R部分は、不飽和部位の周囲に「シス」及び「トランス」形態の混合物を含んでいる。「シス」/「トランス」の比率の範囲は約1:1〜約50:1、又は約2:1〜約40:1、又は約3:1〜約30:1、又は約4:1〜約20:1である。
【0062】
不水溶性の織物仕上げ用有益剤の限定しない例には、分散性ポリエチレン及びポリマーラテックスが含まれる。これらの有益剤は、エマルジョン、ラテックス、ディスパージョン、懸濁液、及びその同等物の形態を有することができる。それらは、好適にはエマルジョン又はラテックスの形態を有している。分散性ポリエチレン及びポリマーラテックスは、広い範囲の粒子サイズ直径(χ50)を有することができ、限定するものではないが、約1nm〜約100μm、あるいは約10nm〜約10μmである。そのようなものであるため、分散性ポリエチレン及びポリマーラテックスの好適な粒子サイズは、限定するものではないが、一般的に、シリコーン又は他の油脂よりも小さい。
【0063】
一般的に、ポリマーエマルジョンの作製又はポリマーラテックスのエマルジョン重合に好適な任意の界面活性剤を、本発明における不水溶性の織物仕上げ用有益剤の調製に使用することができる。好適な界面活性剤は、ポリマーエマルジョン及びラテックス用の乳化剤、ポリマーディスパージョン用の分散剤、及びポリマー懸濁液用の懸濁剤からなる。好適な界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、及び非イオン性界面活性剤、又はそれらの組み合わせを含んでいる。非イオン性及びアニオン性界面活性剤が好ましい。一実施形態においては、不水溶性の織物仕上げ用有益剤における界面活性剤のポリマーに対する比率は、約1:100〜約1:2、あるいは約1:50〜約1:5である。好適な不水溶性の織物仕上げ用有益剤は、限定するものではないが、下記の例を含んでいる。
(分散性ポリオレフィン)
【0064】
一般的に、織物仕上げ用の利点をもたらす全ての分散性ポリオレフィンを、本発明の不水溶性の織物仕上げ用有益剤として使用することができる。ポリオレフィンはワックス、エマルジョン、ディスパージョン、又は懸濁液の形態をとることができる。限定するものでない例が下記に記載されている。
【0065】
一実施形態においては、ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はそれらの組み合わせから選択される。ポリオレフィンは少なくとも部分的に修飾されてよく、これによりカルボキシル基、アルキルアミド基、スルホン酸基又はアミド基などの種々の官能基を含む。他の実施形態においては、ポリオレフィンは少なくとも部分的にカルボキシル基で修飾される。すなわち、言い換えれば、酸化されている。
【0066】
調製を簡易にするため、分散性ポリオレフィンを、乳化剤の使用によって分散されるポリオレフィンの懸濁液又はエマルジョンとして導入しても良い。ポリオレフィンの懸濁液又はエマルジョンは、好適には重量で約1%〜約60%、あるいは約10%〜約55%、あるいは約20%〜約50%のポリオレフィンを含んでいる。ポリオレフィンは、好適にはワックス滴点が(ASTMのD3954−94の第15.04巻の「Standard Test Method for Dropping Point of Waxes」参照)、約20℃〜約170℃、あるいは約50℃〜約140℃である。好適なポリエチレンワックスを、限定するものではないがHoneywell(A−Cポリエチレン)、Clariant(Velustrol(登録商標)エマルジョン)及びBASF(LUWAX(登録商標))を含む供給者から入手することができる。
【0067】
エマルジョンに分散性ポリオレフィンを使用する場合、乳化剤は任意の好適な乳化剤であっても良い。限定するものではない例に、アニオン性、カチオン性、非イオン性界面活性剤、又はそれらの組み合わせが含まれる。しかしながら、ほとんど全ての好適な界面活性剤又は懸濁化剤を乳化剤として使用しても良い。分散性ポリオレフィンは乳化剤の使用によって分散され、乳化剤のポリオレフィンワックスに対する比率は約1:100〜約1:2、あるいは約1:50〜約1:5である。
(ポリマーラテックス)
【0068】
ポリマーラテックスはエマルジョン重合によって調製され、これは1以上のモノマー、1以上の乳化剤、開始剤、及び当業者によく知られている他の成分を含んでいる。一般的に、織物仕上げ用に効果をもたらす全てのポリマーラテックスを、本発明の不水溶性の織物仕上げ用有益剤として使用することができる。好適なポリマーラテックスの限定するものではない例は、国際公開第02/18451号、米国特許公開第2004/0038851Al号、及び米国特許公開第2004/0065208Al号に開示されているものを含んでいる。限定するものではない更なる例には、ポリマーラテックスの調製に使用されるモノマーが含まれ、例えば、(1)100%すなわち純粋なブチルアクリレート、(2)ブチルアクリレートとブタジエンの混合物であって少なくとも20%(重量モノマー比率)のブチルアクリレート、(3)ブチルアクリレート及び20%(重量モノマー比率)未満の他のモノマーであってブタジエンを除くもの、(4)C以上のアルキル炭素鎖を有するアルキルアクリレート、(5)C以上のアルキル炭素鎖を有するアルキルアクリレートと50%(重量モノマー比率)未満の他のモノマー、(6)第3のモノマー(20重量%未満のモノマー比率)が上記モノマー系に添加されたもの、及び(7)それらの組み合わせがある。
【0069】
本発明の好適な織物仕上げ用有益剤であるポリマーラテックスに含まれるものは、ガラス転移温度が約−120℃〜約120℃、あるいは約−80℃〜約60℃のものである。好適な乳化剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の界面活性剤を含んでいる。好適な開始剤は、ポリマーラテックスのエマルジョン重合に好適な開始剤を含んでいる。ポリマーラテックスの粒子サイズ直径(χ50)は、約1nm〜約10μm、あるいは約10nm〜約1μm、好適には約10nm〜約20nmである。
(脂肪酸)
【0070】
本発明の一態様は織物柔軟用組成物を提供し、これは脂肪酸、好適には遊離脂肪酸を含んでいる。ここで使用する「脂肪酸」との用語は、最も広義には、非プロトン化又はプロトン化した形態の脂肪酸、他の化学的部分に結合又は未結合の脂肪酸、及びそれらの脂肪酸類の種々の組み合わせを含んでいる。当業者であれば、水性の組成物のpHが、脂肪酸のプロトン化又は非プロトン化をある程度決定することを容易に理解するであろう。他の実施形態においては、脂肪酸は非プロトン化、すなわち対イオンを伴った塩の形態であり、前記対イオンには、限定するものではないが、例えば、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム及びそれらの同等物がある。「遊離脂肪酸」との用語は、他の化学的部分に結合(共有結合又は他の方法)していない脂肪酸を意味する。
【0071】
一実施形態においては、脂肪酸は、全炭素原子が約12〜約25、好適には約13〜約22、最も好適には約16〜約20を有するものを含んで良く、ここにおいて、脂肪部分は約10〜約22、好適には約12〜約18、最も好適には約14(中間カット(mid−cut))〜約18の炭素原子を含む。
【0072】
本発明の脂肪酸は、(1)牛脂、ラードなどの動物性脂及び/又は部分的に水素化された動物性脂(2)カノーラ油、サフラワー油、ピーナッツ油、ひまわり油、ゴマ油、菜種油、綿実油、コーンオイル、大豆油、トールオイル、ぬか油、ヤシ油、パーム核油、ココナツオイル、他の熱帯ヤシ油、亜麻仁油、キリ油などの植物油及び/又は部分的に水素化された植物油(3)熱、圧力、アルカリ−異性化及び触媒処理を経た亜麻仁油又はキリ油などの処理及び/又は加熱油(4)それらの混合物であって、飽和(例えば、ステアリン酸)、不飽和(例えば、オレイン酸)、ポリ不飽和(リノール酸)、分岐(例えば、イソステアリン酸)又は環状(例えば、ポリ不飽和酸の飽和又は不飽和のα−2基置換のシクロペンチル又はシクロヘキシル誘導体)脂肪酸を生じるものに由来しても良い。限定するものではない脂肪酸(FA)の例が、米国特許第5,759,990号の第4コラムの第45〜66行に記載されている。
【0073】
異なる脂肪源からの脂肪酸の混合物を使用することができ、いくつかの実施形態においては好ましい。
【0074】
本発明の織物柔軟用組成物に存在する少なくとも大部分の脂肪酸は不飽和であって、組成物に存在する脂肪酸の全重量に対して重量で例えば約40%〜100%、好適には約55%〜約99%、最も好適には約60%〜約98%であることが好ましいが、完全に飽和及び部分的に飽和な脂肪酸を使用することもできる。そのようなものであるため、本発明の組成物の全ての脂肪酸のポリ不飽和脂肪酸(TPU)の濃度の合計は、組成物に存在する脂肪酸の全重量に対して、好適には約0重量%〜約75重量%であることが好ましい。
【0075】
不飽和脂肪酸用のシス/トランス比は重要であり、シス/トランス比(Cl8:1材料において)は、少なくとも約1:1、好適には少なくとも約3:1、最も好適には約4:1以上、更に最も好適には約9:1以上である。
【0076】
イソステアリン酸などの分岐した脂肪酸も好ましい。なぜなら、それらは、酸化及びその結果生じる色や臭いの質の劣化に関してより安定的であるからである
【0077】
ヨウ素価すなわち「IV」は、脂肪酸における不飽和の程度を示している。本発明の一実施形態においては、脂肪酸のIVは、好適には約40〜約140、最も好適には約50〜約120、更に最も好適には約85〜約105である。
(軟化油)
【0078】
他のクラスの任意的な織物仕上げ用活性剤は軟化油であり、これには限定するものではないが、植物油(例えば、大豆、ヒマワリ、及びカノーラ)、炭化水素ベースの油(天然及び合成石油潤滑油、好適にはポリオレフィン、イソパラフィン、及びサイクリックパラフィン)、トリオレイン、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、脂肪族アミン、脂肪酸アミド、及び脂肪酸エステルアミンが含まれる。油は、脂肪酸柔軟剤、粘土、及びシリコーンと組み合わせても良い。
(粘土)
【0079】
本発明の一実施形態においては、織物仕上げ用組成物は織物仕上げ用活性剤としての粘土を含んでも良い。一実施形態においては、粘土は、柔軟剤又は他の柔軟剤、例えば、シリコーンとの共柔軟剤とすることができる。好適な粘土は、地質学的にスメクタイトに分類された物質を含んでおり、これは2003年11月20日公開のValerio Del Ducaらの米国特許公開第20030216274A1号の段落107〜120に記載されている。
【0080】
他の好適な粘土が、米国特許第3,862,058号、同第3,948,790号、同第3,954,632号、同第4,062,647号、及びWahlらの米国特許公開第20050020476A1号の第5頁の段落0078〜第6頁の段落0087に記載されている。
(添加物質)
【0081】
本発明の目的にとっては本質的ではないが、ここで説明する限定するものではない添加物は、本組成物での使用に好適であり、本発明のある種の実施形態に組み入れるのが望ましい。これにより、例えば、性能の補助又は促進を行ったり、洗浄される基体を処理したり、又は組成物の美的外観を改善するものであって、香料、着色剤、染料又は同等物の場合と同様である。当然のことだが、かかる添加物は、本発明のデリバリ粒子群及びFSAを経て供給される成分に追加される。これらの追加的な成分の正確な特徴や、それらを混和する濃度は、組成物の物理的形態及びそれが使用される状況に依存する。好適な添加物質には、限定するものではないが、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、染料、移動抑制剤(transfer inhibiting agents)、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性剤、高分子分散剤、粘土土壌除去/抗再堆積剤、増白剤、泡抑制剤(suds suppressors)、染料、追加香料及び香料デリバリ系、構造弾性化剤(structure elasticizing agents)、織物柔軟剤、キャリア、可溶化剤(hydrotropes)、加工助剤及び/又は顔料が含まれる。下記の記載内容に加えて、前記他の添加剤の好適な実施例及び使用濃度が、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812B1号、及び同第6,326,348B1号に記載されており、それらは本願の開示に組み入れられる。
【0082】
前述したように、添加材料は本発明の洗浄及び織物仕上げ用組成物にとっては本質的でない。従って、本発明の組成物のある種の実施形態は、1つ以上の下記添加物質、すなわち、漂白活性剤、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、染料移動抑制剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒金属錯塩、高分子分散剤、粘土土壌除去/抗再堆積剤、増白剤、泡抑制剤、染料、追加香料及び香料デリバリ系、構造弾性化剤、織物柔軟剤、キャリア、可溶化剤、加工助剤及び/又は顔料を含んでいない。しかしながら、1以上の添加剤が存在する場合は、当該1以上の添加剤は下記にて詳細に説明する如く存在していてもよい。
【0083】
界面活性剤−本発明による組成物は、界面活性剤又は界面活性剤系を含んでおり、ここにおいて界面活性剤は、非イオン性及び/又はアニオン性及び/又はカチオン性界面活性剤及び/又は両性及び/又は両性イオン性及び/又は半極性非イオン性界面活性剤から選択される。界面活性剤は一般的に洗浄用組成物に対して重量で、約0.1%、約1%、または約5%の濃度から、洗浄用組成物に対して重量で約99.9%、約80%、約35%、又は約30%の濃度まで存在している。
【0084】
ビルダー−本発明による組成物は、1以上の洗浄剤ビルダー又はビルダー系を有することができる。存在する場合は、組成物は一般的に、ビルダーを重量基準で少なくとも約1%、約5%、又は10%から、約80%、50%、又は30%まで含んでいる。ビルダーには、限定するものではないが、アルカリ金属、アンモニウム及びポリリン酸塩のアルカノールアンモニウム塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ土類及びアルカリ金属炭酸塩、アルミノケイ酸塩ビルダーポリカルボン酸塩化合物、エーテルヒドロキシポリカルボン酸、無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとの共重合体、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、及びカルボキシメチル−オキシコハク酸、種々のアルカリ金属、アンモニウム及びエチレンジアミン四酢酸及びニトリロ3酢酸などのポリ酢酸の置換アンモニウム塩、並びにメリト酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチロキシコハク酸などのポリカルボン酸塩、及びそれらの可溶性塩が含まれる。
【0085】
キレート剤−ここにおける組成物はまた任意に1以上の銅、鉄及び/又はマンガンキレート剤を含んでも良い。使用する場合は、キレート剤は、一般的にここでの組成物に対して重量で約0.1%〜約15%、又はここでの組成物の重量に対して約3.0%〜約15%含まれている。
【0086】
染料移動抑制剤−本発明による組成物は、1以上の染料移動抑制剤をも含んで良い。好適な高分子染料移動抑制剤は、限定するものではないが、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−酸化物ポリマー、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルイミダゾールの共重合体、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール又はそれらの混合物が含まれる。ここにおける組成物に含まれる場合は、染料移動抑制剤の濃度は、洗浄用組成物に対して重量で約0.0001%、約0.01%、又は約0.05%から、洗浄用組成物に対して重量で約10%、約2%、又は約1%まで存在している。
【0087】
分散剤−本発明による組成物は、分散剤をも含むことができる。好適な水溶性有機物質は、ホモ又は共重合体酸又はそれらの塩であり、ここにおいてポリカルボン酸は、2以下の炭素原子によって互いに分離した少なくとも2つのカルボキシルラジカルを含んでも良い。
【0088】
酵素−組成物は1以上の洗浄剤酵素を有することができ、これは洗浄性能及び/又は織物仕上げ用の利点を提供する。好適な酵素の例に、限定するものではないが、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ、又はそれらの混合物が含まれる。一般的な組み合わせは、通常使用可能な酵素であるプロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ及び/又はセルラーゼを、アミラーゼと併せて混合したものである。
【0089】
酵素安定剤−組成物に使用する酵素、例えば、洗浄剤は種々の技法により安定化可能である。ここで使用する酵素は、最終組成物においてカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンの水溶性源の存在によって安定化可能であり、前記最終組成物は、かかるイオンを酵素に提供する。
【0090】
触媒金属錯塩−本出願の組成物は、触媒金属錯塩を含んでも良い。金属を含有する漂白剤触媒の1タイプに、銅カチオン、鉄カチオン、チタニウムカチオン、ルテニウムカチオン、タングステンカチオン、モリブデンカチオン、又はマンガンカチオンなどの明確な漂白触媒活性の遷移金属カチオン、亜鉛カチオン又はアルミニウカチオンなどの漂白触媒活性がほとんどないか含んでいない補助的な金属カチオン、及び触媒及び補助金属カチオンに対して明確な安定定数を有する金属イオン封鎖物(sequestrate)を含んでいる触媒系であって、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸及びそれらの水溶性塩がある。かかる触媒は米国特許第4,430,243号に開示されている。
【0091】
必要に応じて、ここにおける組成物はマンガン化合物によって触媒作用が及ぼされ得る。かかる化合物及び使用濃度は当業者にとっては周知であり、例えば、マンガンベースの触媒が米国特許第5,576,282号に開示されている。
【0092】
ここにおいて有用なコバルト漂白剤触媒が知られており、例えば米国特許第5,597,936号及び同第5,595,967号に記載されている。かかるコバルト触媒は、既知の手順によって容易に調製され、例えば米国特許第5,597,936号及び同第5,595,967号に開示されている。
【0093】
ここにおける組成物は、また好適には遷移金属錯塩のマクロ多環式の剛直な配位子であって、「MRL」として略されるものを含んでも良い。実際問題として、限定するものではないが、ここにおける組成物及び洗浄方法は、水性の洗浄媒体中で、少なくとも1億分の1のオーダーの有益剤MRL種を提供するように調整可能であり、洗浄液内のMRLで、約0.005ppm〜約25ppm、約0.05ppm〜約10ppm、又は約0.1ppm〜約5ppmを提供可能である。
【0094】
本遷移金属漂白剤触媒の好適な遷移金属は、マンガン、鉄、及びクロムを含んでいる。ここにおける好適なMRLは、特別なタイプの超硬直配位子であり、これは5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6,6,2]ヘキサ−デカンなどのように架橋している。
【0095】
好適な遷移金属MRLは既知の手法によって容易に調製され、例えば国際公開第00/32601号及び米国特許第6,225,464号に開示されている。
(組成物群の製造方法及び使用方法)
【0096】
本発明の組成物は、任意の好適な形態に配合可能であり、配合する者によって任意の方法によって調製することが可能であり、限定されることのない例が、米国特許第5,879,584号、同第5,691,297号、同第5,574,005号、同第5,569,645号、同第5,565,422号、同第5,516,448号、同第5,489,392号、同第5,486,303号に開示されており、それらは本願の開示に組み入れられる。
(使用方法)
【0097】
ここに開示される有益剤デリバリ粒子を含む組成物は、部位とりわけ表面又は織物を洗浄若しくは処理すべく使用することができる。一般的には、前記部位の少なくとも一部が、本発明の組成物の実施形態に、滑らかな形態又は液体に希釈した状態で接触し、例えば洗浄液及び前記部位が任意に洗浄及び/又はすすがれる。一態様においては、部位は任意に洗浄及び/又はすすがれ、本発明による粒子又は前記粒子を有する組成物に接触し、その後任意に洗浄及び/又はすすがれる。本発明の目的のため、洗浄には、限定するものではないが、磨き洗浄及び機械的攪拌が含まれる。織物は、消費者が使用する通常の条件で洗濯若しくは処理可能なほとんど全ての織物を含んで良い。開示された組成物を含む液体は、pHが約3〜約11.5であっても良い。かかる組成物は一般的に溶液内の濃度が約500ppm〜約15,000ppmで使用される。洗浄溶媒が水の場合は、水温は一般的に約5℃〜約90℃の範囲であり、前記部位が織物の場合は、水対織物の比率は一般的には約1:1〜約30:1である。
(試験方法)
【0098】
当然のことだが、ここに記載され且つクレームされている本発明のパラメータの各値を測定するために、本出願の試験方法の項目に開示されている試験方法が使用されなければならない。
【0099】
(1)粒子サイズ分布
a.)1gの粒子を、1リットルの蒸留した脱イオン(DI)水に投入する。
b.)前記粒子をDI水中に10分間保持し、その後粒子をろ過により回収する。
c.)50個の個別の粒子のサイズを実験装置及びZhang, Z.、Sun, Gの「Mechanical Properties of Melamine-Formaldehyde Microcapsules」、J.Microencapsulationの2001年版第18巻第5号の第593〜602頁の方法を用いて測定して、粒子サンプルの粒子サイズ分布を決定する。
d.)50個の個別の粒子の直径測定値を平均し、平均粒子直径を得る。
e.)50個の個別の測定値を使用し、下記の式を用いて粒子サイズの標準偏差を計算する
【数1】

ここで
μは標準偏差、
sは平均粒子直径、
dは個別の粒子直径、
nは直径が測定された粒子の総数である。
(2)有益剤留保率
a.)1gの粒子を、前記粒子を使用する99gの組成物に添加する。
b.)上記a.)の前記粒子を含む組成物を、密閉したガラス製ジャー内で2週間に亘って40℃で熟成させる。
c.)上記b.)から粒子をろ過により回収する。
d.)上記c.)の粒子を、前記粒子から全ての有益剤を抽出する溶剤によって処理する。
e.)上記d.)で得られた有益剤を含む溶剤をガスクロマトグラフに注入し、ピーク面積を積分して粒子サンプルから抽出された有益剤の全量を測定する。
f.)この量を、マイクロカプセルから何も漏れない場合に存在するであろう量(例えば、マイクロカプセルを経て組成物に注入されたコア材料の全量)で除する。この値に、平均粒子直径の平均粒子厚みに対する比率をかけて、有益剤留保率を得る。
有益剤留保率を測定する詳細な分析手法は以下の通りである。
(ISTD溶液)
25mgのドデカンを量り分けて計量ボートに投入する。
エタノールを使用し、ドデカンをすすいで1000mL容量フラスコに入れる。
容量マークまでエタノールを添加する。
混ざるまで溶液を攪拌する。この溶液は2ヶ月間は安定している。
(較正基準)
1. 75mgのコア材料を量り分けて100mL容量フラスコに投入する。
2. 上記ISTD溶液を用いて所定容量に希釈する。この標準溶液は2ヶ月間安定している。
3. 十分に混ぜる。
4. GC/FIDにより分析する。
(基準サンプル調製)
(サンプルを3通り調製する)
1. 熟成した組成物含有粒子のサンプル1.000gを計量し、100mLの三注ぎ口付(tri-pour)ビーカーに投入する。重量を記録する。
2. 4滴(約0.1g)の2−エチル−1,3−ヘキサンジオールを前記三口ビーカーに添加する。
3. 50mLの脱イオン水を前記ビーカーに添加する。1分間攪拌する。
4. 60ccの注射器を使用して、ミリポアのニトロセルロースフィルターメンブラン(1.2ミクロン、25mm直径)を通してろ過する。
5. 10mLのヘキサンを通してフィルターをすすぐ。
6. フィルターメンブランを注意深く除去し、20mLシンチレーションバイアルに移す(ピンセットを使用する)。
7. 10mLのISTD溶液(上記で調製したもの)を、フィルターを有するシンチレーションバイアルに添加する。
8. 前記バイアルにしっかりと蓋をし、混合し、60℃で30分間加熱する。
9. 室温まで冷却する。
10. 1mLを取り出し、0.45ミクロンPTFE注射器フィルターを介してろ過して、GCバイアルに投入する。1mLサンプルアリコートをろ過するには数個のPTFEフィルターが必要である。
11. GC/FIDにより分析する。
(GG/FID分析方法)
カラムは、30m×内径0.25mm、1umDB−1相とする。
GCは、EPC制御及び定流量能力を備えた6890GCとする。
方法は、50℃、1分保持、300℃まで4℃/分の温度勾配、10分の保持とする。
注射器は、240℃において1uLスプリットレス注入とする。
GC/FID分析方法は、マイクロボアカラム法とする。
カラムは、20m×内径0.lmm、0.1μmDB−5とする。
GCは、EPC制御及び定流量能力(定流量0.4mL/分)を備えた6890GCとする。
方法は、50℃、保持せず、275℃まで16℃/分の温度ランプ、3分保持とする。
注射器は、250℃において1uLスプリット注入(80:1スプリット)とする。
計算式:
【数2】

ここで、
Ais=コア材料較正基準における内部標準の面積
Wper-std=較正サンプルにおけるコア材料の重量
Aper-sam=組成物含有粒子サンプルにおけるコア材料ピークの面積
Aper-std=較正サンプルにおけるコア材料ピークの面積
Ais-sam=組成物含有粒子サンプルにおける内部標準の面積
Wsam=組成物含有粒子サンプルの重量
【数3】

ここで、
μは平均粒子直径であり、これは試験方法1から得られる。
Tは平均粒子厚みであり、試験方法3から計算される。
(3)破壊強度
a.)1gの粒子を1リットルの蒸留脱イオン(DI)水に投入する。
b.)前記粒子をDI水内に10分間保持し、その後粒子をろ過により回収する。
c.)50個の個別の粒子の破壊力を平均することによって粒子の平均破壊力を決定する。粒子の破壊力は、Zhang, Z.、Sun, Gの「Mechanical Properties of Melamine-Formaldehyde Microcapsules」、J. Microencapsulationの2001年版第18巻第5号の第593〜602頁に示された手法を使用して測定する。平均破壊圧力は、平均破壊力(ニュートンの単位)を球状粒子(πrであり、ここでrは圧縮前の粒子の半径である)の平均断面積(上記試験方法1によって測定される)で除することによって計算する。
d.)以下の式を使用して平均破壊強度を計算する
【数4】

ここで、
Pは上記a.)の平均破壊圧力である。
dは粒子の平均直径(上記試験方法1によって測定される)である。
Tは粒子シェルの平均シェル肉厚であり、以下の式により測定される。
【数5】

ここで、
cは粒子中の平均香料含有量である。
rは平均粒子半径である。
ρwallはシェルの平均密度であり、ASTM法のB923−02「Standard Test Method for Metal Powder Skeletal Density by Helium or Nitrogen Pycnometry」ASTM Internationalによって測定される。
ρperfumeは香料の平均密度であり、ASTM法のD1480−93(1997)「Standard Test Method for Density and Relative Density(Specific Gravity) of Viscous Materials by Bingham Pycnometer」ASTM Internationalにより測定される。
(4)ClogP
「計算したlogP(ClogP)」は、Hansch及びLeoの(A.Leoの「Comprehensive Medicinal Chemistry」第4巻、C. Hansch、P.G. Sammens、J.B. taylor及びCA. Ramsdenの1990年版Eds.の第295頁、Pergamon Press参照。この内容は本願の開示に組み入れられる)のフラグメント法により決定した。ClogP値は、米国カリフォルニア州アーバインのDaylight Chemical Information Systems Inc.から入手可能な「CLOGP」プログラムを用いて計算することができる。
(5)沸点
沸点は、ASTM法のD2887−04aの「Standard Test Method for Boiling Range Distribution of Petroleum Fractions by Gas Chromatography」、ASTM Internationalにより測定される。
(6)デリバリ指数計算
粒子のデリバリ指数は、以下の式を用いて計算される。
【数6】

ここで、
μは平均粒子直径である。
σは平均粒子直径の標準偏差である。
はマイクロカプセルの破壊に必要な、使用時の最小破壊応力である。
fは破壊応力の測定値である。
(L/L)/(t/μ)は有益剤留保率である。
tは粒子のシェル肉厚である。
【実施例】
【0100】
本発明の特定の実施形態が例証されて説明されたが、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく種々の他の変更や変形が可能であることは当業者にとって自明である。従って、ここに添付する特許請求の範囲は、本発明の範囲にある全てのかかる変更や変形を包含することを企図している。
[実施例1]
(80重量%コア材料/20重量%壁材料の尿素ベースのポリ尿素カプセル)
【0101】
2gの尿素(ウィスコンシン州ミルウォーキのシグマアルドリッチ)を20gの脱イオン水に溶解する。1gのレソルシノール(ウィスコンシン州ミルウォーキのシグマアルドリッチ)を均質な尿素溶液に添加する。20gの37重量%ホルムアルデヒド溶液(ウィスコンシン州ミルウォーキのシグマアルドリッチ)を前記溶液に添加し、1M水酸化ナトリウム溶液(ウィスコンシン州ミルウォーキのシグマアルドリッチ)を用いてスラリーのpHを8.0に調整する。反応物質を35℃で2時間放置する。別のビーカーにおいて、尿素−ホルムアルデヒド溶液に、80gの芳香油を徐々に添加する。前記混合物を傾斜した3枚翼アジテーターを使用したJanke & Kunkel Laboretechnikミキサーを使用して攪拌し、50ミクロンの平均油滴サイズ分布を達成した。1M塩酸を使用して前記スラリーのpHを3.0に調整し、縮合反応を開始する。前記溶液を65℃に加熱し、混合された内容物をゆっくり攪拌して恒温水浴内で反応させる。前記内容物は65℃で4時間に亘る反応が行われる。
【0102】
破壊強度試験方法装置を用いて平均粒子直径、粒子直径の標準偏差を測定する。マイクロカプセルの平均粒子直径は53ミクロンであり、標準偏差は11ミクロンである。
【0103】
カプセル化された粒子の平均破壊力は3.14mNと測定され、破壊における平均粒子変形は26%と測定される。壁厚みは1.24ミクロンと計算され、破壊強度は8.55kPa(1.24psia)と計算される。
[実施例2]
(85%コア材料/15重量%壁材料のメラミンベースのポリ尿素カプセル)
【0104】
208gの水と5gのアルキルアクリレート−アクリル酸共重合体(米国ペンシルベニア州ウォリントンのPolysciences, Inc.)とを組み合わせることによって第1混合物を調製する。この第1混合物を酢酸を使用してpH5.0に調整する。
【0105】
芳香油を有する178gのカプセルコア材料を温度45℃で第1混合物に添加してエマルジョンを形成する。カプセル壁材料を形成する材料は以下のようにして調製する。すなわち、9gの対応するカプセル壁材料共重合体プレポリマー(ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体)及び90gの水と組み合わせてpH5.0に調整する。この混合物に28gの部分的にメチル化したメチロールメラミン樹脂溶液(Cytecの「Cymel385」、80%固体)を添加する。この混合物を、温度45℃で攪拌しながら前述の水中芳香油型エマルジョンに添加する。高速混合を使用して体積平均粒子サイズ1ミクロン、標準偏差0.4ミクロンを達成する。前記混合物の温度を徐々に上昇させて65℃にし、連続的に攪拌しながらこの温度に一晩中維持し、カプセル化を開始して完了させる。
【0106】
アクリル酸−アルキルアクリレート共重合体カプセル壁材料を形成するため、アルキル基をエチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、又は1〜約16の炭素、好適には1〜8の炭素を有する他のアルキル基から選択することができる。
【0107】
破壊強度試験方法装置を使用して平均粒子直径、粒子直径の標準偏差を測定する。カプセル化された粒子の平均破壊力は0.10mNと測定され、破壊における平均粒子変形は60%と測定される。壁厚みは0.02ミクロンと計算され、破壊強度は0.752MPa(109psia)と計算される。
[実施例3]
(90%コア材料/10重量%壁材料のメラミンベースのポリ尿素カプセル)
【0108】
208gの水と5gのアルキルアクリレート−アクリル酸共重合体(米国ペンシルベニア州ウォリントンのPolysciences, Inc.)とを組み合わせることによって第1混合物を調製する。この第1混合物を、酢酸を用いてpH5.0に調整する。
【0109】
芳香油を有するカプセルコア材料280gを温度45℃で第1混合物に添加し、エマルジョンを形成する。カプセル壁材料を形成する材料は以下のようにして調製する。すなわち、9gの対応するカプセル 壁材料共重合体プレポリマー(ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体)及び90gの水を組み合わせてpH5.0に調整する。この混合物に28gの部分的にメチル化したメチロールメラミン樹脂溶液(Cytecの「Cymel385」、80%固体)を添加する。この混合物を、温度45℃で攪拌しながら前述の水中芳香油型エマルジョンに添加する。高速混合を用いて体積平均粒子サイズ14ミクロン、標準偏差2.6ミクロンを達成する。前記混合物の温度を徐々に上昇させて65℃にし、連続的に攪拌しながらこの温度を一晩維持し、カプセル化を開始して完了させる。
【0110】
アクリル酸−アルキルアクリレート共重合体カプセル壁材料を形成するため、アルキル基をエチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル又は1〜約16の炭素、好適には1〜8の炭素を有する他のアルキル基から選択することができる。
【0111】
破壊強度試験方法装置を使用して平均粒子直径、粒子直径の標準偏差を測定する。カプセル化された粒子の平均破壊力は1.6609mNと測定され、破壊における平均粒子変形は73%と測定される。壁厚みは0.16ミクロンと計算され、破壊強度は64kPa(9.3psia)と計算される。
[実施例4]
(95%コア材料/5重量%壁材料のメラミンベースのポリ尿素カプセル)
【0112】
208gの水と5gのアルキルアクリレート−アクリル酸共重合体(米国ペンシルベニア州ウォリントンのPolysciences, Inc.)とを組み合わせることによって第1混合物を調製する。この第1混合物を、酢酸を用いてpH5.0に調整する。
【0113】
芳香油を有するカプセルコア材料594gを温度45℃で第1混合物に添加し、エマルジョンを形成する。カプセル壁材料を形成する材料は以下のようにして調製する。すなわち、9gの対応するカプセル壁材料共重合体プレポリマー(ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体)及び90gの水を組み合わせてpH5.0に調整する。この混合物に28gの部分的にメチル化したメチロールメラミン樹脂溶液(Cytecの「Cymel385」、80%固体)を添加する。この混合物を、温度45℃で攪拌しながら前述の水中芳香油型エマルジョンに添加する。高速混合を用いて体積平均粒子サイズ11ミクロン、標準偏差3.2ミクロンを達成する。前記混合物の温度を徐々に上昇させて65℃にし、連続的に攪拌しながらこの温度を一晩維持し、カプセル化を開始して完了させる。
【0114】
アクリル酸−アルキルアクリレート共重合体カプセル壁材料を形成するため、アルキル基をエチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、又は1〜約16の炭素、好適には1〜8の炭素を有する他のアルキル基から選択することができる。
【0115】
破壊強度試験方法装置を使用して平均粒子直径、粒子直径の標準偏差を測定する。カプセル化された粒子の平均破壊力は0.09mNと測定され、破壊における平均粒子変形は25%と測定される。壁厚みは0.062ミクロンと計算され、破壊強度は1.3kPa(0.19psia)と計算される。
[実施例5]
(80%コア材料/20重量%壁材料のメラミンベースのポリ尿素カプセル)
【0116】
208gの水と5gのアルキルアクリレート−アクリル酸共重合体(米国ペンシルベニア州ウォリントンのPolysciences, Inc.)とを組み合わせることによって第1混合物を調製する。この第1混合物を、酢酸を用いてpH5.0に調整する。
【0117】
芳香油を有するカプセルコア材料125gを温度45℃で第1混合物に添加し、エマルジョンを形成する。カプセル壁材料を形成する材料は以下のようにして調製する。すなわち、9gの対応するカプセル壁材料共重合体プレポリマー(ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体)及び90gの水を組み合わせてpH5.0に調整する。この混合物に28gの部分的にメチル化したメチロールメラミン樹脂溶液(Cytecの「Cymel385」、80%固体)を添加する。この混合物を、温度45℃で攪拌しながら前述の水中芳香油型エマルジョンに添加する。高速混合を用いて体積平均粒子サイズ8.7ミクロン、標準偏差3.3ミクロンを達成する。前記混合物の温度を徐々に上昇させて65℃にし、連続的に攪拌しながらこの温度を一晩維持し、カプセル化を開始して完了させる。
【0118】
アクリル酸−アルキルアクリレート共重合体カプセル壁材料を形成するため、アルキル基をエチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、又は1〜約16の炭素、好適には1〜8の炭素を有する他のアルキル基から選択することができる。
【0119】
破壊強度試験方法装置を使用して平均粒子直径、粒子直径の標準偏差を測定する。カプセル化された粒子の平均破壊力は1.10mNと測定され、破壊における平均粒子変形は73%と測定される。壁厚みは0.21ミクロンと計算され、破壊強度は0.109MPa(15.8psia)と計算される。
[実施例6]
(85%コア材料/15重量%壁材料のメラミンベースのポリ尿素 カプセル)
【0120】
208gの水と5gのアルキルアクリレート−アクリル酸共重合体(米国ペンシルベニア州ウォリントンのPolysciences, Inc.)とを組み合わせることによって第1混合物を調製する。この第1混合物を、水酸化ナトリウムを用いてpH5.0に調整する。
【0121】
芳香油を有するカプセルコア材料178gを温度65℃で第1混合物に添加し、エマルジョンを形成する。高速混合を用いて体積平均粒子サイズ1ミクロンを達成する。カプセル壁材料を形成する材料は以下のようにして調製する。すなわち、9gの対応するカプセル壁材料共重合体プレポリマー(ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体)及び90gの水を組み合わせてpH5.0に調整する。この混合物に、28gの部分的にメチル化したメチロールメラミン樹脂溶液(Cytecの「Cymel385」、80%固体)を添加する。この混合物を温度65℃で攪拌しながら前述の水中芳香油型エマルジョンに添加する。前記混合物を連続的に攪拌しながらこの温度に8時間維持し、カプセル化を開始して完了させる。
【0122】
アクリル酸−アルキルアクリレート共重合体カプセル壁材料を形成するため、アルキル基をエチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、又は1〜約16の炭素、好適には1〜8の炭素を有する他のアルキル基から選択することができる。
【0123】
破壊強度試験方法装置を使用して平均粒子直径、粒子直径の標準偏差を測定する。カプセル化された粒子の平均破壊力は0.10mNと測定され、破壊における平均粒子変形は60%と測定される。壁厚みは0.02ミクロンと計算され、破壊強度は0.752MPa(109psia)と計算される。
[実施例7]
(90%コア材料/10重量%壁材料のメラミンベースのポリ尿素カプセル)
【0124】
208gの水と5gのアルキルアクリレート−アクリル酸共重合体(米国ペンシルベニア州ウォリントンのPolysciences, Inc.)とを組み合わせることによって第1混合物を調製する。この第1混合物を、水酸化ナトリウムを用いてpH5.0に調整する。
【0125】
芳香油を有するカプセルコア材料280gを温度65℃で第1混合物に添加し、エマルジョンを形成する。高速混合を用いて体積平均粒子サイズ14ミクロンを達成する。カプセル壁材料を形成する材料は以下のようにして調製する。すなわち、9gの対応するカプセル壁材料共重合体プレポリマー(ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体)及び90gの水を組み合わせてpH5.0に調製する。この混合物に、28gの部分的にメチル化したメチロールメラミン樹脂溶液(Cytecの「Cymel385」、80%固体)を添加する。この混合物を温度65℃で攪拌しながら前述の水中芳香油型エマルジョンに添加する。前記混合物を連続的に攪拌しながらこの温度に8時間維持し、カプセル化を開始して完了させる。
【0126】
アクリル酸−アルキルアクリレート共重合体カプセル壁材料を形成するため、アルキル基をエチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、又は1〜約16の炭素、好適には1〜8の炭素を有する他のアルキル基から選択することができる。
【0127】
破壊強度試験方法装置を使用して平均粒子直径、粒子直径の標準偏差を測定する。カプセル化された粒子の平均破壊力は1.66mNと測定され、破壊における平均粒子変形は73%と測定される。壁厚みは0.16ミクロンと計算され、破壊強度は64kPa(9.3psia)と計算される。
[実施例8]
(95%コア材料/5重量%壁材料のメラミンベースのポリ尿素カプセル)
【0128】
208gの水と5gのアルキルアクリレート−アクリル酸共重合体(米国ペンシルベニア州ウォリントンのPolysciences, Inc.)とを組み合わせることによって第1混合物を調製する。この第1混合物を、水酸化ナトリウムを用いてpH5.0に調製する。
【0129】
芳香油を有するカプセルコア材料594gを温度65℃で第1混合物に添加し、エマルジョンを形成する。高速混合を用いて体積平均粒子サイズ11ミクロンを達成する。カプセル壁材料を形成する材料は以下のようにして調製する。すなわち、9gの対応するカプセル壁材料共重合体プレポリマー(ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体)及び90gの水を組み合わせてpH5.0に調整する。この混合物に28gの部分的にメチル化したメチロールメラミン樹脂溶液(Cytecの「Cymel385」、80%固体)を添加する。この混合物を温度65℃で攪拌しながら前述の水中芳香油型エマルジョンに添加する。前記混合物を連続的に攪拌しながらこの温度に8時間維持し、カプセル化を開始して完了させる。
【0130】
アクリル酸−アルキルアクリレート共重合体カプセル壁材料を形成するため、アルキル基は、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、又は1〜約16炭素、好適には1〜8炭素を有する他のアルキル基から選択することができる。
【0131】
破壊強度試験方法装置を使用して平均粒子直径、粒子直径の標準偏差を測定する。カプセル化された粒子の平均破壊力は0.09mNと測定され、破壊における平均粒子変形は25%と測定される。壁厚みは0.062ミクロンと計算され、破壊強度は1.3kPa(0.19psia)と計算される。
[実施例9]
(80%コア材料/20重量%壁材料のメラミンベースのポリ尿素カプセル)
【0132】
208gの水と5gのアルキルアクリレート−アクリル酸共重合体(米国ペンシルベニア州ウォリントンのPolysciences, Inc.)とを組み合わせることによって第1混合物を調製する。この第1混合物を、水酸化ナトリウムを用いてpH5.0に調整する。
【0133】
芳香油を有するカプセルコア材料125gを温度65℃で第1混合物に添加し、エマルジョンを形成する。高速混合を使用して体積平均粒子サイズ8.7ミクロンを達成した。カプセル壁材料を形成する材料は以下のようにして調製する。すなわち、9gの対応するカプセル壁材料共重合体プレポリマー(ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体)及び90gの水を組み合わせてpH5.0に調整する。この混合物に28gの部分的にメチル化したメチロールメラミン樹脂溶液(Cytecの「Cymel385」、80%固体)を添加する。この混合物を、温度65℃で攪拌しながら前述の水中芳香油型エマルジョンに添加する。連続的に攪拌しながら前記混合物をこの温度で8時間維持し、カプセル化を開始して完了させる。
【0134】
アクリル酸−アルキルアクリレート共重合体カプセル壁材料を形成するため、アルキル基をエチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、又は1〜約16の炭素、好適には1〜8の炭素を有する他のアルキル基から選択することができる。
[実施例10]
【0135】
実施例2又は6のマイクロカプセル形成方法を使用したところ、平均粒子直径は3.6ミクロン、標準偏差は1.2ミクロンである。カプセル化された粒子の平均破壊力は0.61mNと測定され、破壊における平均粒子変形は77%と測定される。壁厚みは0.06ミクロンと計算され、破壊強度は0.354MPa(51.3psia)と計算される。
[実施例11]
【0136】
実施例2又は6のマイクロカプセル形成方法を使用したところ、平均粒子直径は9.5ミクロン、標準偏差は3.0ミクロンである。カプセル化された粒子の平均破壊力は0.46mNと測定され、破壊における平均粒子変形は61%と測定される。壁厚みは0.16ミクロンと計算され、破壊強度は39kPa(5.6psia)と計算される。
[実施例12]
【0137】
実施例3又は7のマイクロカプセル形成方法を使用したところ、平均粒子直径は17ミクロン、標準偏差は3.3ミクロンである。カプセル化された粒子の平均破壊力は1.54mNと測定され、破壊における平均粒子変形は68%と測定される。壁厚みは0.19 ミクロンと計算され、破壊強度は41kPa(5.9psia)と計算される。
[実施例13]
【0138】
実施例3又は7のマイクロカプセル形成方法を使用したところ、平均粒子直径は26ミクロン、標準偏差は9.3ミクロンである。カプセル化された粒子の平均破壊力は3.45mNと測定され、破壊における平均粒子変形は71%と測定される。壁厚みは0.30ミクロンと計算され、破壊強度は38kPa(5.5psia)と計算される。
[実施例14]
【0139】
実施例2又は6のマイクロカプセル形成方法を使用したところ、平均粒子直径は6.8ミクロン、及び標準偏差は2.6ミクロンである。カプセル化された粒子の平均破壊力は0.26mNと測定され、破壊における平均粒子変形は68%と測定される。壁厚みは0.12ミクロンと計算され、破壊強度は31kPa(4.5psia)と計算される。
[実施例15]
【0140】
実施例1のマイクロカプセル形成方法を使用したところ、ここで平均粒子直径は62ミクロン、標準偏差は12ミクロンである。カプセル化された粒子の平均破壊力は3.45mNと測定され、破壊における平均粒子変形は23%と測定される。壁厚みは1.46ミクロンと計算され、破壊強度は6.9kPa(1.0psia)と計算される。
[実施例16]
(粒子群からの芳香油の漏れ)
【0141】
実施例1〜15に記載されている粒子群が、簡易な混合を経て下記の織物柔軟剤組成物に組み入れられる。これにより、0.60重量%の芳香油が、マイクロカプセルを介して配合される。以下は、本発明の織物仕上げ用組成物の限定するものではない実施例である。
【表1】

aN,N−ジ(タロウオイルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド
bナショナルスターチ(National Starch)から商標名CATO(登録商標)入手可能なカチオン性高アミローストウモロコシでんぷん
cエチレンオキシドと米国特許第5,574,179号の第15コラムの第1〜5行に記載されている化学式を有するテレフタル酸エステルとの共重合体であり、各Xはメチル、各nは40、uは4、各R1は実質的に1,4−フェニレン部分、各R2は実質的にエチレン、1,2−プロピレン部分、又はそれらの混合物
d ジエチレントリアミン5酢酸
eローム・アンド・ハース社から入手可能なKATHON(登録商標)CGであり、「PPM」は「百万分の一(parts per million)」である
fダウコーニング社から商標名DC2310で入手可能なシリコーン消泡剤
gローム・アンド・ハースから商標名Aculan44で入手可能な疎水的に改質されたエトキシ化ウレタン
h前記粒子を有する組成物を40℃で2週間に亘って熟成した後にマイクロカプセル粒子から漏れる香料の量であり、前記粒子に残留するオリジナルな香料の割合として示されている
iホルムアルデヒドスカベンジャーは、アルドリッチから入手可能なアセトアセトアミド
【0142】
次に、各粒子のデリバリ指数を試験方法6に従って計算する。ここでf0は0.752MPa(109psia)、及びf0は種々の破壊強度のマイクロカプセルを綿のテリー織り織物上に堆積することによって測定する。次に、香料専門家は織物をこすり、織物のヘッドスペースに届く臭いの強さ及び特徴を測定する。fは最小の破壊応力であり、ここにおいて香料製造者は、織物を摩擦するや否や消費者が認識可能な臭いの強さの増加に気付く。
【表2】

【0143】
乾燥織物臭気尺度における7点の違いは消費者にとって顕著である。
[実施例17]
【0144】
限定するものではないマイクロカプセルを含む製品配合の実施例が、下記の表にまとめられている。
【表3】

aN,N−ジ(タロウオイルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド
bメチルビス(タロウアミドエチル)2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート
c脂肪酸とメチルクロライドとのモル比1.5:1の反応生成物であって、メチルジエタノールアミンで4級化されており、結果的にN,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロライド及びN−(ステアロイル−オキシ−エチル)N,−ヒドロキシエチルN,Nジメチルアンモニウムクロライドの1:1モル混合物となる。
d商標名CATO(登録商標)でナショナルスターチ(National Starch)から入手可能なカチオン性のハイアミローストウモロコシでんぷん
eホルムアルデヒドスカベンジャーは、アルドリッチから入手可能なアセトアセトアミド
fエチレンオキシド及び米国特許第5,574,179の第15コラム、第1〜5行に記載の化学式を有するテレフタル酸エステルの共重合体であって、各Xはメチルであり、各nは40であり、uは4であり、各R1は実質的に1,4−フェニレン部分であり、各R2は実質的にエチレン、1,2−プロピレン部分、又はそれらの混合物
g「Wacker」製SE39
hジエチレントリアミン5酢酸
iローム・アンド・ハース社から入手可能なKATHON(登録商標)CGであって、「PPM」は「百万分の一(parts per million)」
jグルタルアルデヒド
k商標名DC2310でダウコーニング社から入手可能なシリコーン消泡剤
l商標名Aculan44でローム・アンド・ハースから入手可能な疎水的に改質されたエトキシ化ウレタン
[実施例18]
(塩化マグネシウムのマイクロカプセルディスパージョンへの添加)
【0145】
実施例2のマイクロカプセルディスパージョン100gに、33重量%塩化マグネシウム溶液(オハイオ州シンシナティのChemical Ventures)14.6gを添加する。次に、1重量%キサンタンゴム溶液(カリフォルニア州サンジョゼのCP Kelco)10gをこの混合物に添加する。その後、この混合物3.0gを、タービン式3枚翼アジテーターを有するJanke Kunkel Laboretechnic混合器を300〜500RPMで2分間用いて、実施例17の織物柔軟剤組成物97gに添加する。織物柔軟用組成物には凝集体が観察されない。
[実施例19]
(ケイ酸ナトリウムの被覆材のマイクロカプセル上への塗布)
【0146】
実施例2のマイクロカプセル粒子47重量%を有するマイクロカプセルのディスパージョンの171gに、ケイ酸ナトリウム3.2R溶液(英国FellingのAkzo Nobelから得られる44重量%活性剤)45gを添加し、154gの脱イオン水を前記スラリーに添加し、その後蠕動ポンプを介して25,000RPMで回転し、並流スプレー乾燥機のチャンバー(Niro、0.91m(3ft)直径)に位置する遠心ホイールノズルに供給する。噴霧状のマイクロカプセルの水性ディスパージョンは下記の運転条件でスプレー乾燥される。すなわち、入口空気温度は200℃、出口空気温度は95℃、空気の圧力損失は42mm水柱(空気流の78kg/hrに対応する)、スプレー乾燥機は−150mm水柱の正味の負圧下で運転され、遠心噴霧器へ供給される空気の圧力は5.0bargである。乾燥粒子はスプレー乾燥機の底部にある収集容器及びサイクロンから回収され、混合されて均質な粉末状のサンプルが形成される。前記粒子は平均粒子直径が50μmであることがわかる。粉末を実施例16の織物仕上げ用組成物に添加し、40℃で4週間に亘って熟成させたとき、10%未満の香料の損失がマイクロカプセル粒子で見られた。
[実施例20]
(香料マイクロカプセルスラリーへのギ酸カルシウムの添加)
【0147】
実施例2のマイクロカプセル粒子47重量%を含むマイクロカプセルのディスパージョン200gに、ギ酸カルシウム10重量%溶液30gを、1分当たり10gの割合で添加する。前記スラリーをその後ローター・ステーター混合器によって圧搾(mill)する。前記スラリーを、Ultra TurraxのT−25混合器を用いて、1分当たり160gの割合で供給する。この混合器はステーター内に1mm直径のギャップを有する25mm直径のローター・ステーターヘッドを有し、このローター・ステーターは13,500RPM(混合器から引き出せる出力は単位体積当たり8kW−hr/m)で作動している。
[実施例21]
(マイクロカプセルの形成)
【0148】
149.5gの水と3.5gのアクリル酸−アルキルアクリレート共重合体の混合物153gを、pH5.0に調整し、表2のカプセルの核材料として企図された溶液180gで乳化する。6.5gの対応するアクリル酸−アルキルアクリレート共重合体及び65gの水の第2混合物を調製し、pH5.0に調整し、20gの部分的にメチル化したメチロールメラミン樹脂溶液(「Resimene714」、80%固体、ミズリー州セントルイスのMonsanto Company)を添加し、前記混合物を次々に攪拌しながら前述のエマルジョンに添加する。その結果得られた混合物を容器に入れ、前記容器を室温水浴内に入れる。連続的に攪拌し、水浴を55℃まで加熱して連続的に攪拌しながらその温度に維持し、一晩でカプセル化を開始して完了する。結果的に得られるカプセルは本明細書の任意の組成物に採用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア材料と、前記コア材料を囲む壁材料とを含む粒子を含む組成物であって、前記粒子は少なくとも約0.05のデリバリ指数を有し、前記組成物は有益剤含有デリバリ粒子であることを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記組成物が少なくとも7のデリバリ指数を有することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が少なくとも70のデリバリ指数を有することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記粒子のコア材料は、香料、シリコーン油、ワックス、炭化水素、高級脂肪酸、エッセンシャルオイル、脂質、皮膚冷却剤、ビタミン剤、日焼け止め剤、酸化防止剤、グリセリン、触媒、漂白剤粒子、二酸化ケイ素粒子、悪臭低減剤、染料、増白剤、抗菌性活性剤、発汗抑制剤活性剤、カチオン性ポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記粒子の壁材料は、ポリアミン、ポリ尿素、ポリウレタン多糖類及び変性多糖類、ゲル形成タンパク質、変性セルロース、カルボン酸を有するアクリルポリマー、ゼラチン、アラビアゴム、ホルムアルデヒドに架橋した尿素、グルタルアルデヒドに架橋した尿素、ホルムアルデヒドに架橋したメラミン、キチン及びキトサン並びに変性キチン及び変性キトサン、アルギン酸ナトリウム、ラテックス、二酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記粒子が少なくとも1重量%の有益剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記粒子が約20〜約95重量%の有益剤を含むことを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記粒子が約50〜約90重量%の有益剤を含むことを特徴とする、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
前記粒子が約80〜約85重量%の有益剤を含むことを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記粒子のコア材料が、コア材料の全重量に対して少なくとも約20重量%の有益剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記有益剤が香料組成物を含み、前記粒子が粒子の全重量に対して約20重量%〜約95重量%の前記香料組成物を含むことを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
【請求項12】
前記香料組成物が第3象限の香料原料を含むことを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が、組成物の全重量に対して約0.2〜約10重量%の前記粒子を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
ギ酸カルシウム、ギ酸、ポリアミン及びそれらの混合物からなる群から選択される材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記有益剤含有デリバリ粒子がマイクロカプセルであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
部位を処理及び/又は洗浄する方法であって、前記方法は、
a.)前記部位を任意的に洗浄及び/又はすすぐ工程と、
b.)前記部位を請求項1に記載の組成物に接触させる工程と、
c.)前記部位を任意的に洗浄及び/又はすすぐ工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項1に記載の組成物によって処理されたことを特徴とする部位。
【請求項18】
前記組成物がホルムアルデヒドスカベンジャーを含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。

【公表番号】特表2009−528161(P2009−528161A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557279(P2008−557279)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際出願番号】PCT/US2007/003930
【国際公開番号】WO2007/100501
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(591154670)アップルトン ペーパーズ インコーポレイテッド (9)
【氏名又は名称原語表記】APPLETON PAPERS INCORPORATED
【Fターム(参考)】