説明

材料を付着させる方法

【課題】改良された付着プロセスを提供すること。
【解決手段】ビームを使用して、自発的反応の開始をサポートする条件を提供するように準備された表面の領域における前駆体ガスの自発的付着によって、材料を、所望のパターンに付着させる。いったん反応が開始されると、ビームが存在しなくなっても、反応が開始された表面の領域において反応は継続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロスコピック(microscopic)またはナノスコピック(nanoscopic)規模のフィーチャを含むパターンとして材料を付着させる方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
材料をエッチングし、または付着させることによってある表面にフィーチャを形成する目的には、電子ビーム・システム、イオン・ビーム・システム、レーザ・ビーム・システム、クラスタ・ビーム・システム、中性粒子ビーム・システムなどのビーム・システムが使用される。ビーム誘起付着プロセスは一般に、ビームの存在下で反応して、その表面のビームが衝突したエリアに材料を付着させる前駆体ガスを使用する。例えば、タングステンヘキサカルボニルなどの気体有機金属化合物をサンプルの近くに供給し、サンプルの表面に吸着させる。この有機金属化合物は、イオン・ビーム、電子ビームなどのビームの存在下で分解して金属と揮発性有機化合物とを形成し、金属はその表面に残り、揮発性有機化合物は真空ポンプによって除去される。この前駆体は安定であるため、すなわちビームが存在しなければサンプルの表面において自発的には分解しないため、微細な構造を付着させることができる。微細構造のフィーチャ・サイズは、ビームのサイズおよびビーム−サンプル相互作用体積(beam−sample interaction volume)によって決定される。
【0003】
荷電粒子ビーム誘起付着の2つの欠点は、付着速度が遅いことと、付着物が炭素によって汚染されることである。荷電粒子ビームは一般に、レーザ・ビームよりもはるかに小さくすることができるが、加工物上のビーム・スポットのサイズは一般に、ビーム中の電流に反比例する。したがって、高分解能の小さなビームの電流は小さく、この小さな電流のため付着速度は遅くなる。電子ビーム誘起付着の付着速度は一般に、約5×10-4μm3・nC-1から約5×10-3μm3・nC-1の間にある。
【0004】
荷電粒子ビーム付着用の前駆体ガスは一般に、炭素を含む金属有機化合物である。前駆体由来の炭素、または潤滑剤などの真空室内の他の源に由来する炭素は一般に、付着させた金属材料を汚染し、付着物の抵抗率を大幅に増大させる。この低い付着速度および高い抵抗率は、ナノプロトタイピング(nanoprototyping)用途およびナノリサーチ(nanoresearch)用途に対して望ましくない。
【0005】
さまざまな技法が、ビーム誘起付着物の純度を向上させることを試みたが、限られた成果しか得られていない。このような技法には、付着中に加工物を加熱すること、付着後に付着物をアニールすること、付着中または付着後に前駆体ガスを反応性のガスと混合すること、および炭素を含まない前駆体を使用することなどが含まれる。純粋な材料を付着させる目的に使用される技法の概要が、A.Botman他、「Creating pure nanostructures from electron−beam−induced deposition using purification techniques:a technology perspective」、Nanotechnology 20 372001(2009)に出ている。
【0006】
超高真空システム内での電子ビーム誘起付着においては純粋な付着物の付着が達成されているが、このようなシステムはコストをかなり増大させ、付着速度は依然として低いままである。電子ビーム誘起付着またはイオン・ビーム誘起付着における汚染の低減は、例えばFolch他、Appl.Phys.Lett.66、2080〜2082(1995)およびMolhave他、Nano Lett.3、1499〜1503(2003)に記載されているように、付着前駆体をO2、H2Oなどの酸化剤と混合することによっても達成された。酸化剤を使用すると、酸化物が形成されたり、または前駆体ガスの還元が不完全になったりするため、酸化剤の使用はしばしば望ましくない。
【0007】
Fe(CO)5から付着させる鉄の純度および付着速度を水素ガスを使用して向上させる試みは、おそらくは共通の表面における低い付着係数(sticking coefficient)および/または短い滞留時間(residence time)のために失敗に終わった(H.Wanzenboeck他のInternational Conference on Electron,Ion,and Photon Beam Technology and Nanofabrication(EIPBN)2008における発表)。電子ビーム誘起付着技術の現在の到達水準は例えば、Randolph他、「Focused Nanoscale Electron−Bean−Induced Deposition and Etching」、Critical Reviews in Solid State and Materials Sciences、31:55〜89(2006)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,399,944号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0227484号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0142735号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】A.Botman他、「Creating pure nanostructures from electron−beam−induced deposition using purification techniques:a technology perspective」、Nanotechnology 20 372001(2009)
【非特許文献2】Folch他、Appl.Phys.Lett.66、2080〜2082(1995)
【非特許文献3】Molhave他、Nano Lett.3、1499〜1503(2003)
【非特許文献4】H.Wanzenboeck他のInternational Conference on Electron,Ion,and Photon Beam Technology and Nanofabrication(EIPBN)2008における発表
【非特許文献5】Randolph他、「Focused Nanoscale Electron−Bean−Induced Deposition and Etching」、Critical Reviews in Solid State and Materials Sciences、31:55〜89(2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、改良された付着プロセスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
局所化されたパターンの付着は、例えば所望のパターン内に自発的付着反応を助ける局所条件を生成し、同時に、自発的反応を助けない広域条件を加工物上に生み出すことによって達成される。好ましいいくつかの実施形態によれば、この自発的分解反応は、マイクロスコピックまたはナノスコピック規模のパターン内に比較的に純粋な材料を付着させることができる。反応を持続させるためにビームが必要な先行技術のビーム付着プロセスとは違い、本発明の実施形態では、ビームが、自発的反応の開始を助ける局所条件を生成し、この自発的反応は、ビームがやんだ後も継続する。
【0012】
いくつかの実施形態では、加工物に向かってビームを導いて、自発的付着反応の開始をサポートする部分と、自発的付着反応の開始をサポートしない部分とを加工物が含むように加工物表面を準備する。加工物表面に、一般に前駆体ガスと活性化剤ガスとを含む複数のガスを供給する。これらのガスは、互いに自発的に反応して、自発的付着反応の開始をサポートする表面の領域には材料を付着させ、自発的付着反応の開始をサポートしない加工物の部分には材料を付着させず、それによって加工物表面に材料をあるパターンとして選択的に付着させる。
【0013】
いくつかの実施形態では、前駆体ガスと活性化剤ガスの間の自発的反応の生成物が、基板または加工物の材料と相互作用して、付着反応の代わりにエッチング反応を生じさせる化合物を含むことがある。その結果、ある量の基板、サンプルまたは加工物が化学的に除去される。
【0014】
いくつかの実施形態では、加工物の温度を広範囲に上昇させることによって広域反応を抑制する。この温度上昇は、加工物全体にわたって反応物の吸着を低減させる。電子ビームによって誘起される局所反応は、反応障壁を局所的に低くする核生成部位(nucleation site)を提供し、次いで最初の付着物が、後続の反応に対して触媒のような働きをする。他の実施形態では、例えばイオン・ビームの衝突によって表面を局所的に変更し、反応は、この変更された表面でのみ開始される。
【0015】
以上では、以下の本発明の詳細な説明をより理解できるように、本発明の特徴および技術上の利点をかなり広く概説した。以下では、本発明の追加の特徴および利点を説明する。開示される着想および特定の実施形態を、本発明の同じ目的を達成するために他の構造を変更しまたは設計するベースとして容易に利用することができることを当業者は理解すべきである。さらに、このような等価の構造は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨および範囲を逸脱しないことを当業者は理解すべきである。
【0016】
次に、本発明および本発明の利点のより完全な理解のため、添付図面に関して書かれた以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を実施する目的に使用することができる荷電粒子ビーム・システムを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態の諸ステップを示す流れ図である。
【図3A】電子ビームによる付着を開始した直後のパターンの顕微鏡写真である。
【図3B】図3Aの顕微鏡写真を撮影した約1分後に撮影した図3Aの付着物の顕微鏡写真である。
【図4】バイアを埋める方法を示す流れ図である。
【図5】図4の方法によって作製されたバイアの断面を示す図である。
【図6】保護層を形成する方法を示す流れ図である。
【図7A】図6の方法に従って付着させた保護層の顕微鏡写真である。
【図7B】図7Aの保護層の断面を示す顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の好ましい一実施形態によれば、2つ以上の種が関係する自発的分解反応の結果として、高純度材料が迅速に付着する。いくつかの実施形態は、自発的に反応し、したがって先行技術とは両立しないと考えられていた2種類の化学物質、すなわち前駆体と活性化剤を混合する。いくつかの実施形態では、これらの反応物が自発的に反応して金属を含む反応物を十分に分解し、それによって基板、サンプルまたは加工物に本質的に純粋な金属を付着させる。他の実施形態では、この反応によって、基板、サンプルまたは加工物がエッチングされる。
【0019】
本発明の実施形態は、所望のパターン内で、自発的分解反応を可能にする局所条件を提供し、同時に、加工物表面の残りの部分では反応を抑制する条件を維持することによって、材料をあるパターンで付着させる。この反応は、例えばそれらの種の表面滞留時間を短くすることによって、またはその反応を抑制する材料を表面に提供することによって、広範囲に抑制することができる。表面滞留時間の短縮は、加工物の温度を高くすることによって達成することができる。例えば加工物上の所望のパターン内に最初のシード(seed)または核生成部位を、例えば光子ビーム(例えばレーザ・ビーム)、荷電粒子ビームなどのビームをその表面の所望のパターン内に当てることによって生成することにより、付着パターンを局所的に画定することができる。このビームは、汚染物質を除去する、自然酸化物層を除去する、核生成部位の働きをする表面フィーチャを形成する、または追加のエネルギーを供給するなどによって表面を変化させることで、局所付着を可能にすると考えられる。
【0020】
加工物表面のこれらの広域条件は、いったん反応が開始した後は、ビームが存在しなくなっても、反応物のうちの少なくとも1種の反応物の量が、反応を持続させるのに足りる十分な量でなくなるまでは、その反応が継続することができるようにその反応をサポートするのに必要な条件に十分に近い。最初の付着物は、後続の反応が付着を継続するための触媒の働きをする。多くの実施形態で、ビームは、反応を触媒するために表面に付着させる材料を含まない。その代わりに、ビーム自体は、触媒の働きをし、表面を変化させ、または反応を開始するためのエネルギーを供給する。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態は本質的に、前駆体吸着物を活性化剤化学物質によって分解して、純粋な材料を迅速に成長させる低温化学蒸着(CVD)の形をとる。いくつかの実施形態は、室温で開始された反応でよく機能し、いくつかの実施形態は、数十度高い温度で試験され、機能した。例えば、いくつかの実施形態では、加工物表面が、200°C未満もしくは約200°C、100°C未満もしくは約100°C、または60°C未満もしくは約60°Cの温度に維持されている間に付着が開始される。本発明の好ましい実施形態において、付着反応はサンプル表面だけで起こり、ガス中では起こらず、また、両方の前駆体種の濃度が「成長窓(growth window)」の中にあるときにだけ起こると出願人は考えている。この付着プロセスを局所化するためには、サンプル位置における局所条件が広げられた成長窓に含まれるように、この成長窓を、電子、イオンまたはレーザ照射などによって局所的に広げることができる。成長窓は、表面組成、表面形態などのサンプル表面の条件に依存する。表面形態はすなわち形状、構造およびテクスチャである。
【0022】
付着速度は、実施形態によって異なり、例えば前駆体および活性化剤の相対存在度(abundance)および絶対存在度、加工物の温度、核生成法などの因子によって変化しうる。付着速度は一般に、反応を開始させるために使用される荷電粒子ビーム電流またはレーザ・ビーム・フルエンスとは無関係である。
【0023】
図1は、本発明の実施形態を実施する目的に使用することができる典型的なデュアル・ビーム・システム102を示す。適切なデュアル・ビーム・システムは例えば、本発明の譲受人であるFEI Company(米オレゴン州Hillsboro)から市販されている。適切なハードウェアの一例を以下に示すが、本発明は、特定のタイプのハードウェアで実現することに限定されない。
【0024】
デュアル・ビーム・システム102は、垂直に取り付けられた電子ビーム・カラム104と、垂直線から約52度の角度に取り付けられた集束イオン・ビーム(FIB)カラム106とを、排気可能なサンプル室108上に有する。サンプル室は、ポンプ・システム109によって排気することができる。ポンプ・システム109は一般に、ターボ分子ポンプ、油拡散ポンプ、イオン・ゲッタ・ポンプ、スクロール・ポンプおよび公知の他のポンピング手段のうちの1つもしくは複数のポンプ、またはこれらのポンプの組合せを含む。
【0025】
電子ビーム・カラム104は、ショットキ放出器、冷陰極電界放出器などの電子を発生させる電子源110、ならびに微細集束電子ビーム116を形成する電子−光学レンズ112および114を含む。電子源110は一般に、一般にグランド電位に維持される加工物118の電位よりも高い500Vから30kVの間の電位に維持される。
【0026】
したがって、電子は、約500eVから30keVの入射エネルギー(landing energy)で加工物118に衝突する。電子の入射エネルギーを低減させて電子と加工物表面との相互作用体積を小さくし、それによって核生成部位のサイズを小さくするために、加工物に負の電位を印加することができる。加工物118は例えば、半導体デバイス、マイクロエレクトロメカニカル・システム(MEMS)またはリソグラフィ・マスクを含むことができる。加工物118の表面に電子ビーム116の衝突点を配置することができ、偏向コイル120によって電子ビーム116の衝突点を加工物118の表面全体にわたって走査することができる。レンズ112および114および偏向コイル120の動作は、走査型電子顕微鏡電源/制御ユニット122によって制御される。レンズおよび偏向ユニットは、電場、磁場またはこれらの組合せを使用することができる。
【0027】
加工物118は、サンプル室108内の可動ステージ124上にある。ステージ124は、水平面(XおよびY軸)内で移動し、垂直に(Z軸)移動し、約60度傾き、Z軸を軸に回転することができることが好ましい。X−Y−Zステージ124上に加工物118を挿入するため、および内部ガス供給リザーバ(図示せず)を用いる場合にはそれを使用可能にするために、扉127を開くことができる。サンプル室108を排気する場合に開かないように、この扉はインタロックされる。ステージ124は、例えばペルティエ冷却器(図示せず)によって冷却することができ、または例えば抵抗加熱器126によって加熱することができる。
【0028】
真空室には、複数のガス注入システム(gas injection system)(GIS)130が取り付けられる(2つのシステムが図示されている)。GISはそれぞれ、前駆体または活性化材料を保持するリザーバ(図示せず)、および加工物の表面にガスを導くための針132を備える。GISはそれぞれさらに、加工物への前駆体材料の供給を調節する手段134を備える。この例では、この調節手段が調整可能な弁として示されているが、調節手段は例えば、前駆体材料を加熱して前駆体材料の蒸気圧を制御する調節された加熱器を含むこともできる。
【0029】
電子ビーム116中の電子が加工物118に当たると、2次電子、後方散乱電子およびオージェ電子が放出され、これらの電子を検出して、画像を形成し、または加工物についての情報を決定することができる。例えば2次電子は、エバーハート−ソーンリー(Everhart−Thornley)検出器、低エネルギーの電子を検出することができる半導体検出デバイスなどの2次電子検出器136によって検出される。検出器136からの信号は、監視装置140を制御するシステム・コントローラ138へ送られる。監視装置140は、ユーザ制御を表示し、検出器136からの信号を使用して加工物の画像を表示するために使用される。
【0030】
室108は、真空コントローラ141の制御の下、ポンプ・システム109によって排気される。この真空システムは、室108に約3×10-6ミリバールの真空を提供する。適当な前駆体ガスまたは活性化剤ガスをサンプル表面に導入すると、室のバックグラウンド圧力は一般に約5×10-5ミリバールまで上昇することがある。加工物表面の局所圧力および局所ガス濃度は、バックグラウンド圧力およびバックグラウンド濃度よりもかなり大きい。例えば、加工物表面の局所圧力を求めている前掲のRandolph他の文献を参照されたい。
【0031】
集束イオン・ビーム・カラム106は、イオン源146および集束カラム148がその内部に位置する上ネック部分144を備え、集束カラム148は、引出し電極150および静電光学系を含み、静電光学系は対物レンズ151を含む。イオン源146は、液体金属ガリウム・イオン源、プラズマ・イオン源、液体金属合金源または他の任意のタイプのイオン源を含むことができる。集束カラム148の軸は、電子カラムの軸から52度傾いている。イオン・ビーム152は、イオン源146から、集束カラム148を通り、静電偏向器154と静電偏向器154の間を通過して、加工物118に向かって進む。
【0032】
FIB電源/制御ユニット156は、イオン源146の電位を供給する。一般に、イオン源146は、通常グランド電位に維持される加工物の電位よりも高い1kVから60kVの間の電位に維持される。したがって、イオンは、約1keVから60keVの入射エネルギーで加工物に衝突する。FIB電源/制御ユニット156は偏向板154に結合される。偏向板154は、イオン・ビームが、加工物118の上面に、対応するあるパターンをトレースすることを可能にする。当技術分野ではよく知られているとおり、システムによっては、最後のレンズよりも前に偏向板が置かれる。イオン・ビーム集束カラム148内のビーム・ブランキング(blanking)電極(図示せず)は、FIB電源/制御ユニット156がブランキング電極にブランキング電圧を印加したときに、イオン・ビーム152を、加工物118ではなくブランキング開口(図示せず)に衝突させる。
【0033】
イオン源146は一般に、一価の正のガリウム・イオンのビームを発生させ、このビームは、イオン・ミリング(ion milling)、強化エッチング(enhanced etch)、材料付着によって加工物118を変更するため、または加工物118を画像化するために、加工物118位置において幅1/10マイクロメートル以下のビームに集束させることができる。
【0034】
システム・コントローラ138は、デュアル・ビーム・システム102のさまざまな部分の動作を制御する。従来のユーザ・インタフェース(図示せず)にコマンドを入力することにより、ユーザは、システム・コントローラ138を介して、イオン・ビーム152または電子ビーム116を希望通りに走査することができる。あるいは、システム・コントローラ138は、プログラムされた命令に従って、デュアル・ビーム・システム102を制御することができる。図1は概略図であり、一般的なデュアル・ビーム・システムの要素の全ては含んでおらず、また、それらの要素の実際の外見およびサイズまたはそれらの要素間の関係の全ては示していない。
【0035】
図2は、本発明の一実施形態の諸ステップを説明する流れ図200である。所望のパターン内に、付着反応を開始させるのに好適な表面条件を生み出す。いくつかの実施形態では、図2の流れ図の右枝に示されているように、パターンを生成し、次いで反応物を導入する。左枝に示された実施形態などの他の実施形態では、表面に反応物が存在する間にパターンを生成する。
【0036】
ステップ202で、サンプル真空室内に加工物を配置する。ステップ204で室を排気する。左枝のステップ206では、任意選択で、加工物を、室温よりもわずかに高い温度、例えば約60°Cまで加熱する。加工物は、反応物が室内にある間中、固定された温度に維持されることが好ましい。反応が始まるためには、それぞれの反応物が、指定された範囲内の比で、十分な量、表面に吸着している必要があると出願人は考えている。加熱は、反応物の付着係数を低下させ、それによりビームによって局所条件を変化させなくても反応が始まる十分な量の反応物が表面に存在しないようにすることにより、反応物の自発反応の可能性を低下させると考えられる。
【0037】
ステップ210で、サンプル真空室へ反応物を、例えば別々のガス注入システム(GIS)針を通して導入する。付着が起こるためには、サンプル位置に両方のガスが同時に存在しているべきであり、これらのガスの比はある範囲内に制御されているべきである。一実施形態では、1本のGIS針を通してPt(PF34ガスを室へ注入し、第2のGIS針を通してXeF2を室へ注入する。Pt(PF34およびXeF2の分圧は、1×10-7ミリバールから1×10-2ミリバールの間である。Pt(PF34の圧力とXeF2の圧力の比は1:1000から1000:1の間にあることが好ましい。
【0038】
前駆体ガスとして使用することができる他のガスには例えばNi(PF34、Cr(PF36、Fe(PF35などがある。活性化剤ガスとして使用することができる他のガスにはCl2、F2などがある。金属有機化合物、カルボニル基を有する金属有機化合物、金属配位子を有する無機化合物、フルオロホスフィン基を有する金属間化合物などの好ましい前駆体ガスは完全に分解して、本質的に純粋な付着物および1種または数種の揮発性化合物を生成することが好ましい。前駆体ガスの他の望ましい特性には、蒸気圧が真空システムのベース圧力よりも高いこと、および活性化剤ガスが存在しない場合の化学的安定度が高いことなどが含まれる。
【0039】
ハロゲンを含む化合物、高酸化性または高還元性の試剤などの好ましい活性化剤ガスは、前駆体ガスと反応して完全に分解して、純粋な付着物および1種または数種の揮発性化合物を生成することが好ましい。活性化剤ガスの他の望ましい特性には、蒸気圧が真空システムのベース圧力よりも高いこと、および前駆体ガスが存在しない場合の化学的安定度が高いことなどが含まれる。このようなガスにはXeF2、Cl2、F2などがある。
【0040】
ステップ212で、その部位でガスの自発的反応が誘起される核生成部位を生成する。一実施形態では、反応物ガスが存在する間に加工物に向かって電子ビームを、所望の付着パターンに対応するパターンを描くように導く。電子ビームは、スポット・モード付着物を生み出すために各ドウェル点(dwell point)における1回通過(single−pass)のドウェル時間(dwell time)が数ミリ秒または数秒程度と長いスポット・モードで使用することが好ましい。ガスは、電子ビームが加工物表面に当たったスポットで自発的に反応を開始して、核生成部位を生成する。ステップ212では、イオン・ビーム、レーザ・ビームまたは他のタイプのビームを使用することもできる。核生成部位のパターンが生成された後、ステップ214で、ビームを停止する。十分な量の反応物が存在する限り、すなわち反応を持続させるのに十分な濃度または十分な分圧の反応物が存在する限り、核生成部位における反応は、ビームが存在しなくとも継続する。この反応は続いて、以前に付着した材料によって触媒される。
【0041】
他の実施形態では、図2に示した流れ図の右枝に示されているように、反応物を導入する前に核生成部位を生成する。加工物表面に複数のガスを供給する前に、ステップ220で、例えば液体金属イオン源からのガリウム・イオンなどのイオンのビームを、あるパターンで加工物の表面に導くことによって、または光子ビームを加工物に向かって導くことによって、核生成部位を生成する。イオン・ビームは、表面粗さを増大させることで表面の形態に影響を及ぼして、核生成部位を生成すると考えられる。ステップ222でビームを停止し、任意選択で、ステップ224で加工物を加熱する。あるいは、核生成部位が生成されている間に加工物を加熱してもよい。ステップ226で、真空室内のサンプル表面の近くに反応物を導入する。
【0042】
両枝ともに、この時点で、核生成部位が生成されており、表面には反応物が存在する。反応物を真空室へ導入すると、反応物は最初に核生成部位で自発的に分解することを出願人は見出した。核生成部位におけるこの最初の成長の後、新たに分解した材料の上でさらなる自発的分解が起こり、それにより、成長は全体として、各核生成部位から半径方向外側へ進行する。
【0043】
いくつかの実験において、付着した白金膜の抵抗率は約1000μΩ・cmであることを出願人は見出した。この抵抗率は、約10μΩ・cmである純粋な白金のバルク抵抗率よりもかなり高い。このような高い抵抗率が測定されたのは、付着膜が空隙を含んでいたため、すなわち付着膜の密度が十分でなかったためであると出願人は考えている。いくつかの膜のFIB断面は、付着材料中の空隙を示しており、この仮説を支持している。付着中の膜に集束イオン・ビームを当てて、付着した材料を圧縮または「高密度化」し、空隙を減らしまたは排除することによって、付着膜の抵抗率をかなり低くすることができることを出願人は見出した。
【0044】
任意選択のステップ228で、液体金属イオン源からのガリウム・イオン・ビーム、プラズマ・イオン源からのアルゴン・イオン・ビームなどのイオン・ビームを、付着が起こっている加工物に向かって導いて、付着した材料の密度を増大させる。このイオン・ビームは、「フラッド・モード(flood mode)」、すなわち低い倍率および使用可能な最も高い電流を有するモードで、付着物に照射することが好ましい。ガリウム・イオン電流が大きいほど導電率は良好になることを出願人は見出した。ガリウム・イオンの衝突が白金膜を高密度化することをこの結果は示しているものと、出願人は解釈している。出願人は、4.3nAのガリウム・イオン・ビーム電流を使用して、抵抗率が約60μΩ・cmの白金膜を生成した。潜在的には、より大きなビーム電流を使用すれば、より低い抵抗率を達成することができる可能性がある。希ガスを使用して付着物を高密度化すれば、ガリウム原子の注入が排除され、用途によってはその方が望ましいことがある。
【0045】
判断ブロック230で、材料が十分に付着したかどうかを判定する。付着した材料の量は、付着速度を知り、十分な濃度の反応物が室内に存在した時間を測定することによって、または厚さと相関する被覆の特性、例えば抵抗率を測定することによって、計算することができる。膜厚を決定する他の方法が、本発明の譲受人に譲渡されたVasilyev他の「Measurement of film thickness by inelastic electron scattering」という名称の米国特許第6,399,944号に記載されている。
【0046】
材料が十分には付着していない場合には、ステップ232で、加工物表面に反応物を導入し続ける。十分な材料が付着した場合には、ステップ234で、反応物の流れを停止する。例えば、付着物が十分に成長したら直ぐに、XeF2の送達を止めることができる。反応を止める能力は、室真空ポンプがガスを室から排出する速度、および処理中の反応物の圧力に依存することが理解される。
【0047】
図3Aおよび3Bは、本発明の一実施形態に従って付着させた白金付着物の顕微鏡写真である。図3Aは、Pt(PF34およびXeF2を使用した図2の左列のプロセスに基づく電子ビーム誘起シーディング(seeding)の直後に撮影した白金パターン302の画像を示す。図3Bは、電子ビームが存在しない条件で付着物を約1分間、自発的に成長させた後の同じパターン302を示す。図3Aおよび3Bは、最終的なパターンが、いかに電子ビームによって実行されたシーディングの直接の結果であるかを示している。点304などの点における無作為の付着は、以前から存在した表面欠陥が核生成部位として作用したことによって生じたと考えられる。
【0048】
ビームが存在するときにだけ付着が起こる先行技術の電子ビーム誘起付着、イオン・ビーム誘起付着およびレーザ誘起付着とは違い、本発明の付着は、ビームが停止された後も、ビームによって「シーディングされた」それぞれの点で継続する。したがって、走査パターンの次の部位にビームが移動した後であっても全ての核生成部位において材料が同時に付着するため、付着速度がはるかに速くなることがある。したがって、単一のビームは一度に1つのドウェル点にしか衝突することができないが、本発明の付着は、加工物表面上の多くの点で、同時にかつ連続的に起こりうる。
【0049】
この自発的反応は、ガスが吸着した後の加工物の表面で起こり、気相では起こらないと考えられる。反応速度は、加工物表面の温度、ならびに両方のガスの相対存在度および絶対存在度に依存する。前駆体ガスとしてPt(PF34を使用し、活性化剤ガスとしてXeF2を使用して白金を付着させる一実施形態では、付着速度が毎秒50立方ミクロンと測定され、付着した材料のエネルギー分散型X線分析スペクトルは、純粋な白金のそれと見分けがつかない。
【0050】
一部の付着膜は層状剥離する傾向があり、より厚い膜は亀裂を生じる傾向があることを出願人は見出した。このことは、付着した材料が高純度であることの追加の証拠である可能性がある。層状剥離の量は、膜と加工物との接着にも依存すると考えられる。例えば、金属膜とシリコンとの接着は、膜と二酸化シリコンとの接着よりも実質的に良好であるように見える。高密度の膜を生成し、亀裂を防ぐためには、よりゆっくりと膜を成長させることが望ましいが、いくつかの特定の条件セットに対して最小成長速度が存在するようであることを出願人は見出した。室温で成長させた膜は、例えば60°Cの加工物温度で成長させた膜よりも層状剥離する傾向が大きい。だたし、60°Cで成長させた膜でも亀裂は見られた。
【0051】
本発明の実施形態は、加工物のターゲット表面に材料を付着させる幅広いさまざまな用途で使用することができる。1つの用途は、「回路編集(circuit edit)」である。回路編集は、集積回路を大量生産するための新たなフォトリソグラフィ・マスクを製作する前に、集積回路を変更して配線の変更を試験するプロセスである。イオン・ビームを使用して導体を切断することにより電気接続を切断すること、およびイオン・ビーム支援付着を使用して新たな接続を生み出すことが知られている。電気接続は、絶縁層によって分離された異なる導電層の導体間に、イオン・ビームを使用してこれらの導電層間に「バイア」と呼ばれる穴をミリング(milling)し、この穴を導電材料で埋めることによって形成される。この穴は例えば、本発明の譲受人に譲渡されたGu他の「System for Modifying Small Structures」という名称の米国特許出願公開第2005/0227484号明細書に記載されているイオン・ビーム支援付着または電気化学付着によって埋めることができる。
【0052】
図4は、導電材料でバイアを埋める方法の流れ図400を示す。ステップ402で、集束イオン・ビーム・システムの真空室に変更対象の半導体回路を入れる。この集束イオン・ビーム・システムは、イオン・カラムと走査型電子顕微鏡法で使用する電子カラムの両方を有するデュアル・ビーム・システムであることが好ましい。ステップ404で、サンプル室を排気する。ステップ406で、バイアを形成する位置を識別する。この位置は例えば、SEM画像または集束イオン・ビーム画像で見ることができる表面フィーチャを使用し、この観測可能なフィーチャをCAD(computer aided design)データと比較することによって決定することができる。
【0053】
ステップ408で、集束イオン・ビームを使用してこのバイアをミリングする。ミリングしている穴の側壁へのミリングされた材料の再付着を低減させるため、XeF2、ヨウ素などエッチング強化ガスを使用してミリングすることが好ましい。ステップ410で、2種類の反応物、すなわち前駆体ガスと活性化剤ガスを真空室へ導入する。図2の右列に関して説明したとおり、これらの反応物は、イオン・ビームが衝突した領域において自発的に反応し、材料を付着させる傾向を有する。バイアはイオン・ビームを使用してミリングされたものであるため、これらのガスはバイア内で反応し、材料を付着させる傾向を有する。この方法の1つの利点は、加工物の上面における実質的な成長が始まる前に、自発的反応によって成長したバイア内の膜が優先的に核となり、バイアを埋めることである。ステップ408とステップ410は同じ真空室内で実行することが好ましい。すなわち、ミリングと反応物導入のこれらの2つのステップとステップの間に加工物を空気にさらさないことが好ましい。この予防的措置は、加工物の残りの部分よりも優先的な、形成されたばかりのバイア内での核生成を最大化する。追加の予防的措置は、同じ理由で、例えば数時間または好ましくは30分を超えないステップ408の合理的に短い時間のうちに、ステップ410を実行することであろう。ステップ412で、バイアが埋められたか否かを、例えば走査型電子顕微鏡(「SEM」)を使用してバイアを観察することによって判定する。バイアがまだ埋められていない場合には、真空室への反応物の導入を継続する。バイアが既に埋められているときには、ステップ414で、反応物の導入を停止する。真空ポンプによってガスが排出されるにつれて反応物の濃度は低下し、反応物のうちの1種類の濃度または分圧が反応を持続させるのに十分でなくなったときに、反応は停止する。
【0054】
図5は、前駆体ガスとしてPt(PF34を使用し、活性化剤ガスとしてXeF2を使用した図4の方法に従って埋められたバイアの断面の顕微鏡写真である。アスペクト比5:1のバイアは、本発明を使用して容易に埋めることができる。当業者であれば、最適化されたプロセスを使用してアスペクト比が10:1以上の穴を埋めることができる。これらのバイアの抵抗は、バイアのサイズによって10から70Ωの範囲にあると測定された。この幾何形状で信頼できる抵抗率を測定することは困難である。
【0055】
いくつかの実施形態では、埋められたバイアの抵抗が、純粋な白金の固体栓(plug)の予想される抵抗よりも大きいことを出願人は見出した。これはおそらく、(a)断面画像から分かるようにバイア内に空隙が存在する可能性があり、(b)付着材料がおそらくは密でない形態にあり、したがってより高い抵抗率を有し、バイア内の材料をイオン・ビームを使用して高密度化することが困難であり、(c)おそらくは界面では材料がほとんどまたは全く混合されないために、既存の導体との界面の接触抵抗が、FIB付着またはFIBスパッタ付着によって付着させた導体の接触抵抗よりも大きい可能性があるためである。
【0056】
本発明の他の用途は、他の処理の間、サンプルを保護する保護層の付着である。例えば、観察のためにある構造を準備する間にその構造が変化することを防ぐため、SEMで見るために断面を切削する前、または透過型電子顕微鏡で見るための薄片(lamella)を切り出す前には、半導体の表面に保護層を付着させるのが一般的である。この保護層は一般に、電子ビーム誘起付着とイオン・ビーム誘起付着の組合せによって形成される。イオン・ビーム誘起付着の方が、電子ビーム誘起付着よりも大きな付着速度を有するが、ガリウム・イオンが加工物に埋入し、加工物表面を傷つける。損傷を低減させ、処理速度を向上させるため、電子ビーム誘起付着を使用して白金層などの保護層を付着させ、次いでイオン・ビーム誘起付着を使用してより厚い層を付着させるツー・ステップ・プロセスが時に使用される。電子ビームによって付着した層は、ガリウム・ビームで保護層を付着させる後続のステップ中に、ガリウムの埋入および損傷からそのエリアを保護する役目を果たす。電子ビーム誘起付着の付着速度が小さいこと、およびイオン・ビームと電子ビームの両方を使用する必要があることがこのプロセスの欠点である。
【0057】
本発明の自発的反応は、イオン・ビームによる損傷を生じることなく対象のエリアに保護層を迅速に付着させることを可能にする。図6は、保護層を付着させる方法の諸ステップを示す流れ図600を示す。ステップ602で、イオン・カラムと電子カラムの両方を有するデュアル・ビーム・システムの真空室に加工物を入れる。ステップ604で、サンプル室を排気する。ステップ606で、加工物上の対象の領域の位置を特定する。例えば、指定された位置で垂直断面を観察することが望ましいことがあり、その断面の位置は、SEM画像または集束イオン・ビーム画像で見ることができる表面フィーチャを使用し、この観測可能なフィーチャをCADデータと比較することによって決定することができる。
【0058】
加工物表面に滞留するガス分子の滞留時間を短くすることによって不要な付着を防ぎ、または不要な付着を低減させるため、任意選択で、ステップ608で、サンプルを例えば60度に加熱する。ステップ610で、真空室内の加工物の表面の近くに、通常は別々のガス注入経路によって、反応物を導入する。任意選択で、ステップ616で、ステップ606で特定したエリアの上で電子ビームを走査する。この電子ビームは例えば、反応の進行を観察するような方式で走査することができる。観察のために電子ビームが使用される場合、成長は、無作為な核生成点から始まり、そこから進行して大きなサイズに成長する。あるいは、電子ビームを使用して、走査エリアの反応物の自発的反応を開始させることもできる。パターンの形態の成長の核生成のために電子ビームを使用した場合には、ステップ618で、電子ビームを停止する。その一方で、最初の付着物によって触媒されて、反応は継続する。核生成のために電子ビームを使用したのでない場合には、電子ビームをつけたままにして、所望の完了まで成長の進行を観察してもよい。判断ブロック620で、保護層が十分に厚いと判定されたときには、ステップ622で、反応物の導入を停止する。反応物の1つの濃度がある最小濃度を下回ったときに反応は止まる。対象の領域の一部分を分析用に準備するため、ステップ624で、加工物に向かってイオン・ビームを導く。例えば、イオン・ビームは、加工物から顕微サンプルを分離し、その顕微サンプルをTEMサンプルホルダに取り付け、透過型電子顕微鏡(「TEM」)で見るための準備としてサンプルを薄くすることができる。あるいは、イオン・ビームは、溝をミリングして、SEMによって見るための断面を露出させることができる。
【0059】
図7Aは、前駆体ガスとしてPt(PF34を使用し、活性化剤ガスとしてXeF2を使用した図6の方法を使用して付着させた膜の上面図である。図7に示された層は約90秒で付着させたものであり、その直径は数百ミクロン、厚さは約200nmである。
【0060】
他の実施形態では、パターン形成された最初の膜を表面に付着させることによって表面の条件を変化させて、反応物の自発的反応を開始させ、または抑制して、最初のパターンによって画定された膜を付着させる。この最初の膜は例えば、ビーム誘起付着によって、またはビームによってマスキング材料中にパターンをエッチングすることによって生成することができる。例えば、炭素は、Pt(PF34とXeF2など、前駆体と活性化剤のある組合せから金属を成長させる核となるために、活性化剤ガスと前駆体ガスの異なる比を必要とする。最初の炭素パターンを表面に付着させることによって、あるパターンを付着させることができ、この後続の付着は、炭素が存在しない領域で起こる。この炭素マスクは後に除去することができる。炭素は例えば、例えばスチレン前駆体を使用した、イオン・ビーム誘起付着または電子ビーム誘起付着を使用した直接書込みによって付着させることができる。炭素は、例えば本発明の譲受人に譲渡された「Charger Portable Beam Processing Using a Cluster Source」という名称の米国特許出願公開第2008/0142735号明細書に記載されているフラーレン・ビームを使用した炭素の直接書込みによって付着させることができる。炭素を付着させた後、加工物を反応物にさらし、炭素が存在しない領域への自発的付着によってパターンを形成する。他の実施形態では、加工物表面全体にわたって広域的に炭素または他の材料を付着させ、次いで電子ビームまたはイオン・ビームによって、この炭素または他の材料を所望のパターンに従って除去してから、加工物を反応物にさらすことができる。リソグラフィによって最初のパターンを生成することもできる。
【0061】
それにより、前記表面における前記2種類のガスの反応によって加工物表面の前記一部分に材料を付着させるステップが、加工物表面に前記ガスが存在する前に、加工物表面の前記一部分に向かってビームを導くステップを含む。いくつかの実施形態では、加工物の一部分に向かってビームを導くステップが、加工物表面の前記一部分に向かってイオン・ビームを導くステップを含む。本発明の一態様によれば、粒子ビームの真空室内で加工物に材料を付着させる方法は、表面に材料を付着させる反応条件下の表面において互いと反応する複数のガスを、粒子ビームの真空室内に供給するステップと、前記反応条件を提供しない表面を有する加工物を用意するステップと、加工物の一部分に向かってビームを導いて、加工物表面の前記一部分に前記反応条件を提供し、それによって前記表面における前記複数のガスの反応による加工物表面の前記一部分への材料の付着を開始させるステップとを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、ビームが存在しない状態で、付着が開始された位置に材料を付着させ続けるために、加工物表面への前記複数のガスの供給を続けている間に、材料を付着させる方法のビームが停止される。
【0063】
いくつかの実施形態では、付着が室温で開始される。いくつかの実施形態では、加工物が100°C未満の温度に維持されている間に付着が開始される。いくつかの実施形態では、加工物が200°C未満の温度に維持されている間に付着が開始される。
【0064】
いくつかの実施形態では、加工物の一部分に向かってビームを導いて、加工物表面の前記一部分に、材料を付着させる前記反応条件を提供する前記ステップが、加工物に向かって荷電粒子ビームまたは光子ビームを導くステップを含む。いくつかの実施形態では、加工物に向かって荷電粒子ビームを導くステップが、加工物に向かって電子ビームを導くステップを含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、表面と接触したときに反応条件下で互いと自発的に反応する複数のガスを、荷電粒子ビームの真空室内に供給するステップが、金属−フルオロホスフィン化合物およびハロゲン化合物を供給するステップを含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、粒子ビームの真空室内で加工物に材料を付着させる前記方法が、材料を付着させているときに加工物表面に向かってイオン・ビームを導いて、付着中の材料の密度を増大させるステップをさらに含む。
【0067】
本発明の他の態様によれば、加工物に材料を付着させる方法は、加工物に向かってビームを導いて、付着反応の開始をサポートする部分と、付着反応の開始をサポートしない部分とを加工物が含むように加工物表面を準備するステップと、互いと反応する複数のガスを加工物表面に供給して、付着反応の開始をサポートする表面の部分に材料を付着させ、それによって加工物表面に材料をあるパターンとして選択的に付着させるステップとを含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、加工物に材料を付着させる前記方法が、加工部に向かってビームを導くのをやめても継続する材料の自発的付着を含む。いくつかの実施形態では、自発的に付着した材料が、後続の自発的付着をサポートする。いくつかの実施形態では、加工物表面における前記複数のガスの濃度を変化させることによって付着プロセスを停止させる。
【0069】
いくつかの実施形態では、材料を付着させているときに加工物表面に向かってイオン・ビームを導いて、付着中の材料の密度を増大させるステップをさらに含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、加工物に向かってビームを導いて、自発的付着反応の開始をサポートする部分と、自発的付着反応の開始をサポートしない部分とを加工物が含むように加工物表面を準備するステップが、前記複数のガスを加工物表面に供給している間に、加工物に向かって電子ビームを導くステップを含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、加工物に向かってビームを導いて、自発的付着反応の開始をサポートする部分と、自発的付着反応の開始をサポートしない部分とを加工物が含むように加工物表面を準備するステップが、前記複数のガスを加工物表面に供給する前に、加工物に向かって電子ビームを導くステップを含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、加工物に向かってビームを導いて、自発的付着反応の開始をサポートする部分と、自発的付着反応の開始をサポートしない部分とを加工物が含むように加工物表面を準備するステップが、前記複数のガスを加工物表面に供給する前に、加工物に向かって光子ビームを導くステップを含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、加工物に向かってビームを導いて、自発的付着反応の開始をサポートする部分と、自発的付着反応の開始をサポートしない部分とを加工物が含むように加工物表面を準備するステップが、ビームを導いて、加工物に最初の層を付着させるステップを含み、この最初の層が、自発的反応の開始をサポートする。
【0074】
いくつかの実施形態では、加工物に向かってビームを導いて、自発的付着反応の開始をサポートする部分と、自発的付着反応の開始をサポートしない部分とを加工物が含むように加工物表面を準備するステップが、荷電粒子ビームを導いて、加工物に最初の層を付着させるステップを含み、この最初の層が、自発的反応の開始を抑制する。
【0075】
いくつかの実施形態では、反応の開始を抑制する表面被覆を有する加工物を用意するステップをさらに含み、加工物に向かってビームを導いて、自発的付着反応の開始をサポートする部分と、自発的付着反応の開始をサポートしない部分とを前記加工物が含むように加工物表面を準備するステップが、ビームを導いて前記被覆の部分を除去し、それによって前記反応の開始をサポートするエリアを提供するステップを含む。いくつかの実施形態では、反応の開始をサポートする表面被覆を有する加工物を用意するステップをさらに含み、加工物に向かってビームを導いて、自発的付着反応の開始をサポートする部分と、自発的付着反応の開始をサポートしない部分とを加工物が含むように加工物表面を準備するステップが、ビームを導いて前記被覆の部分を除去し、それによって前記反応の開始を抑制するエリアを提供するステップを含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、表面と接触したときに反応条件下で互いと自発的に反応する複数のガスを、荷電粒子ビームの真空室内に供給するステップが、金属−フルオロホスフィン化合物およびハロゲン化合物を供給するステップを含む。いくつかの実施形態では、前記ハロゲン化合物がXeF2を含む。いくつかの実施形態では、前記金属−フルオロホスフィン化合物が、Pt(PF34、Ni(PF34、Cr(PF36またはFe(PF35を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、前記反応条件を提供しない表面を有する加工物を用意するステップが、加工物を室温よりも高い温度に加熱するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、加工物の前記部分の表面でガスを優先的に反応させるために、加工物が、真空室の壁の温度よりも低い温度に維持される。
【0078】
いくつかの実施形態では、前記領域に向かってビームを導くのをやめるステップであり、ビームが前記部分に衝突するのをやめた後も反応が継続するステップと、付着が続いている間に、前記部分に向かってイオン・ビームを導くステップとを含む。いくつかの実施形態では、加工物の一部分に向かってビームを導くのをやめた後も反応が継続する。
【0079】
いくつかの実施形態では、材料を付着させている間に、前記領域に向かってイオン・ビームを導くステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記反応ガスのうちの1種類のガスの分圧を低下させることによって反応を停止させるステップをさらに含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、付着後の材料の抵抗率が2000μΩ・cm未満である。いくつかの実施形態では、付着後の材料の抵抗率が100μΩ・cm未満である。
【0081】
いくつかの実施形態では、加工物の一部分に向かってビームを導いて、加工物表面の前記一部分に前記反応条件を提供し、それによって加工物表面の前記一部分に材料を付着させるステップが、加工物の一部分に向かってビームを導いて、バイアの中に導電材料を付着させるステップを含む。いくつかの実施形態では、加工物の一部分に向かってビームを導いて、加工物表面の前記一部分に前記反応条件を提供し、それによって加工物表面の前記一部分に材料を付着させるステップが、加工物の一部分に向かってビームを導いて、前記一部分の上に保護層を付着させるステップを含み、さらに、前記一部分に向かって集束ビームを導いて、保護層によって覆われた加工物の一部分を処理するステップを含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、加工物の一部分に向かってビームを導いて、加工物表面の前記一部分に前記反応条件を提供し、それにより、前記表面における前記2種類のガスの反応によって加工物表面の前記一部分に材料を付着させるステップが、加工物表面に前記ガスが存在する間に、加工物表面の前記一部分に向かってビームを導くステップを含む。いくつかの実施形態では、加工物表面の一部分に向かってビームを導いて、加工物表面の前記一部分に前記反応条件を提供する。
【0083】
本発明および本発明の利点を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された実施形態に、さまざまな変更、置換および改変を加えることができることを理解すべきである。さらに、本出願の範囲が、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法およびステップの特定の実施形態に限定されることは意図されていない。当業者なら本発明の開示から容易に理解するように、本明細書に記載された対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行し、または実質的に同じ結果を達成する既存のまたは今後開発されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを、本発明に従って利用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内に、このようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを含むことが意図されている。
【符号の説明】
【0084】
102 デュアル・ビーム・システム
104 電子ビーム・カラム
106 集束イオン・ビーム・カラム
108 サンプル室
109 ポンプ・システム
110 電子源
118 加工物
122 走査型電子顕微鏡電源/制御ユニット
124 可動ステージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子ビームの真空室内で加工物に材料を付着させる方法であって、
表面に材料を付着させる反応条件下の表面において互いと反応する複数のガスを、粒子ビームの前記真空室内に供給するステップと、
前記反応条件を提供しない表面を有する加工物を用意するステップと、
前記加工物の一部分に向かってビームを導いて、前記加工物表面の前記一部分に前記反応条件を提供し、それによって前記表面における前記複数のガスの反応による前記加工物表面の前記一部分への前記材料の付着を開始させるステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記ビームが存在しない状態で、前記付着が開始された位置に材料を付着させ続けるために、前記加工物表面への前記複数のガスの供給を続けている間に前記ビームが停止される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記付着が室温で開始される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記加工物が100°C未満の温度に維持されている間に前記付着が開始される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記加工物が200°C未満の温度に維持されている間に前記付着が開始される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記加工物の一部分に向かってビームを導いて、前記加工物表面の前記一部分に、材料を付着させる前記反応条件を提供するステップが、前記加工物に向かって荷電粒子ビームまたは光子ビームを導くステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記加工物に向かって荷電粒子ビームを導くステップが、前記加工物に向かって電子ビームを導くステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
表面と接触したときに反応条件下で互いと自発的に反応する複数のガスを、荷電粒子ビームの真空室内に供給するステップが、金属−フルオロホスフィン化合物およびハロゲン化合物を供給するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記材料を付着させているときに前記加工物表面に向かってイオン・ビームを導いて、付着中の前記材料の密度を増大させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
加工物に材料を付着させる方法であって、
加工物に向かってビームを導いて、付着反応の開始をサポートする部分と、前記付着反応の開始をサポートしない部分とを前記加工物が含むように加工物表面を準備するステップと、
互いと反応する複数のガスを前記加工物表面に供給して、前記付着反応の開始をサポートする前記表面の前記部分に材料を付着させ、それによって前記加工物表面に材料をあるパターンとして選択的に付着させるステップと
を含む方法。
【請求項11】
前記加工部に向かって前記ビームを導くのをやめても材料の前記自発的付着が継続する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記付着が室温で開始される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記加工物が100°C未満の温度に維持されている間に、前記付着が開始される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記加工物が200°C未満の温度に維持されている間に、前記付着が開始される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
自発的に付着した前記材料が、後続の自発的付着をサポートする、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記加工物表面における前記複数のガスの濃度を変化させることによって前記付着プロセスを停止させる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記材料を付着させているときに前記加工物表面に向かってイオン・ビームを導いて、付着中の前記材料の密度を増大させるステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
加工物に向かってビームを導いて、自発的付着反応の開始をサポートする部分と、前記自発的付着反応の開始をサポートしない部分とを前記加工物が含むように加工物表面を準備するステップが、前記複数のガスを前記加工物表面に供給している間に、前記加工物に向かって電子ビームを導くステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
加工物に向かってビームを導いて、自発的付着反応の開始をサポートする部分と、前記自発的付着反応の開始をサポートしない部分とを前記加工物が含むように加工物表面を準備するステップが、前記複数のガスを前記加工物表面に供給する前に、前記加工物に向かって電子ビームを導くステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
加工物に向かってビームを導いて、自発的付着反応の開始をサポートする部分と、前記自発的付着反応の開始をサポートしない部分とを前記加工物が含むように加工物表面を準備するステップが、前記複数のガスを前記加工物表面に供給する前に、前記加工物に向かって光子ビームを導くステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項21】
加工物に向かってビームを導いて、自発的付着反応の開始をサポートする部分と、前記自発的付着反応の開始をサポートしない部分とを前記加工物が含むように加工物表面を準備するステップが、ビームを導いて、前記加工物に最初の層を付着させるステップを含み、前記最初の層が、前記自発的反応の開始をサポートする、請求項10に記載の方法。
【請求項22】
加工物に向かってビームを導いて、自発的付着反応の開始をサポートする部分と、前記自発的付着反応の開始をサポートしない部分とを前記加工物が含むように加工物表面を準備するステップが、荷電粒子ビームを導いて、前記加工物に最初の層を付着させるステップを含み、前記最初の層が、前記自発的反応の開始を抑制する、請求項10に記載の方法。
【請求項23】
前記反応の開始を抑制する表面被覆を有する加工物を用意するステップをさらに含み、加工物に向かってビームを導いて、自発的付着反応の開始をサポートする部分と、前記自発的付着反応の開始をサポートしない部分とを前記加工物が含むように加工物表面を準備するステップが、ビームを導いて前記被覆の部分を除去し、それによって前記反応の開始をサポートするエリアを提供するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項24】
前記反応の開始をサポートする表面被覆を有する加工物を用意するステップをさらに含み、加工物に向かってビームを導いて、自発的付着反応の開始をサポートする部分と、前記自発的付着反応の開始をサポートしない部分とを前記加工物が含むように加工物表面を準備するステップが、ビームを導いて前記被覆の部分を除去し、それによって前記反応の開始を抑制するエリアを提供するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項25】
表面と接触したときに反応条件下で互いと自発的に反応する複数のガスを、荷電粒子ビームの真空室内に供給するステップが、金属−フルオロホスフィン化合物およびハロゲン化合物を供給するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項26】
前記ハロゲン化合物がXeF2を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記金属−フルオロホスフィン化合物が、Pt(PF34、Ni(PF34、Cr(PF36またはFe(PF35を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記反応条件を提供しない表面を有する加工物を用意するステップが、前記加工物を室温よりも高い温度に加熱するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記領域に向かって前記ビームを導くのをやめるステップであり、前記ビームが前記部分に衝突するのをやめた後も前記反応が継続するステップと、
付着が続いている間に、前記部分に向かってイオン・ビームを導くステップと
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項30】
前記加工物の一部分に向かって前記ビームを導くのをやめた後も前記反応が継続する、請求項10に記載の方法。
【請求項31】
前記加工物の前記部分の表面で前記ガスを優先的に反応させるために、前記加工物が、真空室の壁の温度よりも低い温度に維持される、請求項10に記載の方法。
【請求項32】
前記材料を付着させている間に、前記領域に向かってイオン・ビームを導くステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項33】
前記反応ガスのうちの1種類のガスの分圧を低下させることによって前記反応を停止させるステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項34】
付着後の前記材料の抵抗率が2000μΩ・cm未満である、請求項10に記載の方法。
【請求項35】
付着後の前記材料の抵抗率が100μΩ・cm未満である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記加工物の一部分に向かってビームを導いて、前記加工物表面の前記一部分に前記反応条件を提供し、それによって前記加工物表面の前記一部分に材料を付着させるステップが、前記加工物の一部分に向かってビームを導いて、バイアの中に導電材料を付着させるステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項37】
前記加工物の一部分に向かってビームを導いて、前記加工物表面の前記一部分に前記反応条件を提供し、それによって前記加工物表面の前記一部分に材料を付着させるステップが、前記加工物の一部分に向かってビームを導いて、前記一部分の上に保護層を付着させるステップを含み、さらに、前記一部分に向かって集束ビームを導いて、前記保護層によって覆われた前記加工物の一部分を処理するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項38】
前記加工物の一部分に向かってビームを導いて、前記加工物表面の前記一部分に前記反応条件を提供し、それにより、前記表面における前記2種類のガスの反応によって前記加工物表面の前記一部分に材料を付着させるステップが、前記加工物表面に前記ガスが存在する間に、前記加工物表面の前記一部分に向かってビームを導くステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項39】
前記加工物の一部分に向かってビームを導いて、前記加工物表面の前記一部分に前記反応条件を提供し、それにより、前記表面における前記2種類のガスの反応によって前記加工物表面の前記一部分に材料を付着させるステップが、前記加工物表面に前記ガスが存在する前に、前記加工物表面の前記一部分に向かってビームを導くステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項40】
前記加工物の一部分に向かってビームを導くステップが、前記加工物表面の前記一部分に向かってイオン・ビームを導くステップを含む、請求項39に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公開番号】特開2012−158831(P2012−158831A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−1719(P2012−1719)
【出願日】平成24年1月9日(2012.1.9)
【出願人】(501419107)エフ・イ−・アイ・カンパニー (78)
【Fターム(参考)】