説明

槽内補修装置および槽内補修方法

【課題】 液体などを貯留する槽を解体することなく、槽内に配置された構造体や槽の内面を補修することができる槽内補修装置および槽内補修方法を提供する。
【解決手段】 液体が貯留される槽における槽内に配置された構造体および槽の内面の少なくとも一方に形成された補修領域を補修する補修剤が貯留された貯蔵部5,7と、槽に設けられた開口部から槽内に挿入され、貯蔵部5,7から補修領域の近傍まで補修剤を導く挿入部3と、補修剤を貯蔵部5,7から挿入部3に輸送するチューブ27,29と、挿入部3から補修領域に向かって補修剤を吹き付けるノズル部37と、貯蔵部5,7内の補修剤に圧力を加える加圧部9と、が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、槽内補修装置および槽内補修方法、特に湿潤環境にある槽内を補修する槽内補修装置および槽内補修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収式冷凍機は、冷媒‐吸収液として水‐臭化リチウムや、アンモニア‐水を用いたものが実用化されている。水‐臭化リチウムを用いた吸収式冷凍機は空調に用いられる場合が多く、アンモニア‐水を用いた吸収式冷凍機は冷凍に用いられる場合が多い。ここで、臭化リチウムは腐食性が高いため、吸収式冷凍機における臭化リチウムが接触する部分は腐食損傷を受ける恐れがあった。
このような、腐食損傷は吸収式冷凍器の寿命を短くする原因になるとともに、冷凍能力を低下させる原因ともなるため、さまざまな腐食損傷を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1および2参照。)。
【0003】
しかしながら、上述のような腐食損傷を防止する措置を講じても、腐食損傷を完全に防止することは困難であった。特に、蒸発器における受け皿は内部に希薄臭化リチウム溶液が溜まるため、腐食損傷を受けやすく、腐食損傷が進みやすかった。吸収式冷凍機の運転が長期にわたると、腐食が進むため、受け皿の底面や角部に腐食孔が発生する恐れがあった。このように腐食孔が発生すると、受け皿の腐食孔から希薄臭化リチウム溶液が漏洩することから、吸収式冷凍機の冷凍能力が低下する恐れがあった。
【0004】
一方、管状構造物の内面に2液混合型の塗膜を形成することにより、管状構造物のクラックや、継ぎ目をシールしたり、補修したりする技術も知られている(例えば、特許文献3および4参照。)。
【特許文献1】特開平06−018124号公報
【特許文献2】特開平06−331236号公報
【特許文献3】特開昭55−162366号広報
【特許文献4】特開昭58−030376号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来は、腐食損傷により低下した冷凍能力の回復を図るために、蒸発器本体を解体して蒸発器の受け皿を取り出し、受け皿の孔を溶接補修したり、受け皿を新しいものに交換したりしていた。しかしながら、蒸発器本体の解体等をともなう補修作業は、作業に膨大な時間や費用がかかるという問題があった。
【0006】
さらに、腐食損傷により短くなった吸収式冷凍機の寿命を延ばすために、蒸発器本体等を解体し、腐食損傷部を溶接補修したり、損傷を受けた構成部材を交換したりしていた。しかしながら、蒸発器本体の解体等をともなう補修作業は、作業に膨大な時間や費用がかかるという問題があった。
【0007】
また、特許文献3または4に記載の技術を用いて、蒸発器本体を解体することなく、受け皿などの補修を行うことも考えられるが、以下の理由により補修が困難であった。
まず、特許文献3に記載のライニング装置は、管状構造物の内部を牽引されながら移動する装置であるため、構造が複雑な蒸発器内において、ライニング装置を受け皿の補修が必要な領域まで移動させることは困難であった。そのため、特許文献3のライニング装置による受け皿の補修は困難であった。
【0008】
次に、特許文献4に記載のライニング方法による補修は、混合した接着剤を吸引することで、管内の全面をライニングする補修方法である。しかしながら、このライニング方法を吸収式冷凍器の受け皿等の補修に適用することは、上述のライニング方法が補修領域に的を絞って樹脂を噴霧する方法ではなく、全面補修であるため、補修に用いた樹脂の回収装置が必要となり、実用的でないという問題があった。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、液体などを貯留する槽を解体することなく、槽内に配置された構造体や槽の内面を補修することができる槽内補修装置および槽内補修方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の槽内補修装置は、液体が貯留される槽における該槽内に配置された構造体および前記槽の内面の少なくとも一方に形成された補修領域を補修する補修剤が貯留された貯蔵部と、前記槽に設けられた開口部から前記槽内部に挿入され、前記貯蔵部から前記補修領域の近傍まで前記補修剤を導く挿入部と、前記補修剤を前記貯蔵部から前記挿入部に輸送するチューブと、該挿入部から前記補修領域に向かって前記補修剤を吹き付けるノズル部と、前記貯蔵部内の前記補修剤に圧力を加える加圧部と、が設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、補修剤は、槽に設けられた開口部を介して構造体の内面や外面、槽の内面に形成された補修領域のいずれかに導かれ、補修領域に吹き付けられて、補修領域を補修する。そのため、補修作業に際して槽を解体する必要がない。
また、補修領域が槽の開口部から離れた場所に位置しても、加圧部により圧力が加えられた補修剤が挿入部により補修領域の近傍まで導かれるため、補修剤は上記開口部から離れた補修領域に吹き付けられる。開口部から離れた補修領域としては、例えば、開口部から離れた槽の内面や、槽の内部に開口部から離れて配置された構造体などを例示することができる。
補修剤はノズル部から補修領域に吹き付けられるため、補修剤を補修領域に塗布する方法と比較して、広範囲の補修領域が迅速に補修される。また、広範囲にわたる補修を容易にできるため、補修領域を厳密に特定する必要がない。
【0012】
上記発明においては、前記補修剤の温度を、前記補修剤の粘度が低くなる所定の温度に保つ加熱部が設けられていることが望ましい。
【0013】
本発明によれば、補修剤の温度は、加熱部により補修剤の粘度が低くなる所定の温度に保たれているため、補修剤の温度を所定の温度に保たない場合と比較して、補修剤を上記開口部から離れた補修領域の近傍まで導きやすくなる。また、ノズル部から補修領域に補修剤を吹き付けやすくなる。
【0014】
上記発明においては、前記補修剤は前記補修領域の内部への浸透性を有することが望ましい。
【0015】
本発明によれば、補修剤は補修領域の内部へ浸透することにより、補修領域の表面および内部を補修する。例えば、補修領域が腐食損傷部である場合には、補修剤の濡れ性が大きいと、腐食等により形成された空洞に浸透する。つまり、腐食損傷部は表面が補修されるだけでなく、内部の空洞等も補修される。そのため、浸透性がない、即ち濡れ性の小さい補修剤を用いた場合と比較して、補修領域はより確実に補修される。
【0016】
上記発明においては、前記補修剤は、主剤と該主剤と混合される硬化剤とからなり、前記貯蔵部は、前記主剤を貯留する主剤貯蔵部と、前記硬化剤を貯留する硬化剤貯蔵部とを備え、前記挿入部には、前記主剤と前記硬化剤とを混合する混合部が設けられていることが望ましい。
【0017】
本発明によれば、混合することにより硬化する主剤と硬化剤とからなる補修剤を用いることで、水などの液体が存在する槽の内部における補修領域であっても、補修剤が硬化するため補修を容易に行える。また、補修領域に吹き付けられた補修剤を加熱等して硬化させる必要がないため、補修に際して槽を解体する必要性がより低くなるとともに、補修作業が容易となる。さらに、補修剤が硬化するのに要する時間が短くなり、補修作業に要する時間が短くなる。
主剤と硬化剤とは、挿入部の混合部で混合された後、ノズル部から補修領域に吹き付けられる。そのため、混合後、直ちに硬化が始まる主剤と硬化剤とを用いることができ、補修作業に要する時間が短くなる。混合部は、ノズル部と隣接(近傍)にすることが望ましい。
【0018】
主剤と硬化剤とは、それぞれ主剤貯蔵部と硬化剤貯蔵部に分けて貯蔵され、別々に混合部に供給される。つまり、各貯蔵部から混合部に供給されるまでの間に、主剤と硬化剤とは混合されないため、主剤および硬化剤は硬化しない。そのため、主剤および硬化剤を各貯蔵部から混合部に供給する構成要素が、主剤や硬化剤を混合することによる硬化により使用不可となることがなく、上記構成要素を補修作業ごとに交換する必要がなくなる。
【0019】
上記発明においては、前記挿入部には、前記補修剤の吹き付け方向を制御する操作部が設けられていることが望ましい。
【0020】
本発明によれば、操作部により補修剤の吹き付け方向が容易に変更されるため、補修領域に補修剤を容易に吹き付けられる。また、広範囲に補修剤が吹き付けられる。
なお、操作部の配置により補修剤の吹き付け方向が容易に把握され、補修領域に補修剤が容易に吹き付けられる。特に、操作部が挿入部に取り付けたハンドル状の部材である場合には、補修剤の吹き付け方向が容易に把握される。
【0021】
上記発明においては、前記補修剤が吹き付けられた前記補修領域を観察する観察部が設けられたことが望ましい。
【0022】
本発明によれば、補修領域の補修作業は、補修剤の吹き付け状況を確認しながら行われる。特に、作業者が補修剤の吹き付け状況を確認できない槽の内部における補修作業であっても、槽を解体することなく、補修剤の吹き付け状況を確認できる。
観察部が挿入部に設けられた場合には、挿入部が挿入される開口部と同一の開口部に観察部が挿入され、観察部が挿入部と別体に設けられた場合と比較して開口部を形成する工程を簡略にできる。
一方、観察部が挿入部と別体に設けられた場合には、観察部が挿入部に設けられた場合と比較して、補修材の吹き付け部を離れたところから観察でき、より確実に補修剤の吹き付け状況を確認できる。
【0023】
本発明の槽内補修方法は、内部に構造体を備え、該構造体および内面の少なくとも一方に補修領域を有する槽に開口部を形成する開口部形成工程と、前記開口部から前記槽内に上記本発明の槽内補修装置の挿入部を挿入する挿入工程と、前記補修領域に補修剤を吹き付ける補修工程と、
を有することを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、槽に形成された開口部から上記本発明の槽内補修装置の挿入部が挿入され、槽の内部の構造体および槽の内面の少なくとも一方に形成された補修領域に補修剤が吹き付けられる。そのため、槽を解体することなく、補修領域が補修される。
【0025】
上記発明においては、前記開口部形成工程が、前記槽の外部から内部に延びる管を取り除くことにより、前記開口部を形成する工程であることが望ましい。
【0026】
本発明によれば、挿入部は、管が配置されていた経路に沿って槽の内部に挿入される。そのため、槽内に構造体が配置されていても、槽を破壊することなく、開口部から離れた槽の奥にまで挿入部が挿入され、補修できる領域が広くなる。この際、挿入部の外筒は、取り除いた管状の形状となる。特に挿入部が長くなる場合、挿入部の外筒は自重によるたわみが小さな材料から形成されることが好ましく、例えば、炭素鋼、ステンレス鋼等から形成されていることが好ましい。
【0027】
上記発明においては、前記補修工程において、不活性ガスにより補修剤が吹き付けられることが望ましい。
【0028】
本発明によれば、補修材の吹き付けに不活性ガスが用いられるため、補修材の変質が防止されるとともに、槽内の補修領域(例えば錆などの腐食損傷部)の発生や拡大を防止できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の槽内補修装置および槽内補修方法によれば、挿入部により補修剤は、槽に設けられた開口部を介して槽内部の補修領域に導かれ、ノズル部から補修領域に吹き付けられて補修領域を補修するため、液体などを貯留する槽を解体することなく、槽内に配置された構造体や槽の内面を補修することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
この発明の一実施形態に係る補修装置および受け皿の腐食損傷部の補修方法について、図1から図5を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る補修装置の構成を説明する全体図である。
本実施形態に係る補修装置(槽内補修装置)1は、吸収式冷凍機101の蒸発器103における蒸発器受け皿115の腐食損傷部に主剤と硬化剤からなる補修剤を吹き付け、補修剤を硬化させることにより補修するものである(図3参照。)。
補修装置1は、図1に示すように、補修剤を蒸発器受け皿115まで導く挿入部3と、主剤を貯留する主剤タンク(貯蔵部)5と、硬化剤を貯留する硬化剤タンク(貯蔵部)7と、両タンク5,7に貯留されている主剤および硬化剤に圧力を加える加圧部9とを備えている。
【0031】
加圧部9は高圧の不活性ガスである窒素(N)ガスが蓄えられたガスボンベであり、主剤タンク5および硬化剤タンク7に所定圧力に調節された窒素ガスを供給するものである。加圧部9には窒素ガスの圧力を調節するレギュレータ11が設けられている。
なお、加圧部9に蓄えられる気体は窒素ガスに限られることなく、主剤および硬化剤に対して不活性なガスであればよく、特に限定するものではない。また、機内部材の腐食を進行させる性質のガス、例えば、酸素を含む空気等は好ましくない。
【0032】
なお、上述の実施形態においては、ガスボンベを加圧部9に適用して説明したが、ガスボンベに限られることなく、主剤および硬化剤を圧送する送液ポンプを加圧部9として用いてもよく、特に限定するものではない。
【0033】
主剤タンク5は主剤を貯留するタンクであり、主剤を挿入部3に供給するものである。主剤タンク5には、加圧用ボール弁13と、リリーフ弁15と、圧力逃がし弁17と、圧力計19と、主剤用ボール弁21と、加熱部23と、が設けられている。
主剤用ボール弁21は、主剤チューブ27と接続され、主剤タンク5から挿入部3に供給される主剤の流路を開閉する弁である。
【0034】
硬化剤タンク7は硬化剤を貯留するタンクであり、硬化剤を挿入部3に供給するものである。硬化剤タンク7には、主剤タンク5と同様に、加圧用ボール弁13と、リリーフ弁15と、圧力逃がし弁17と、圧力計19と、硬化剤用ボール弁25と、加熱部23と、が設けられている。
硬化剤用ボール弁25は、硬化剤チューブ29と接続され、硬化剤タンク7から挿入部3に供給される硬化剤の流路を開閉する弁である。
【0035】
加圧用ボール弁13は、加圧部9から主剤タンク5または硬化剤タンク7に供給される窒素ガスの流路を開閉する弁である。
リリーフ弁15は、主剤タンク5または硬化剤タンク7内の圧力が所定値より高くなった場合に、主剤タンク5または硬化剤タンク7内の圧力を自動的に逃がす弁である。
圧力逃がし弁17は、主剤タンク5または硬化剤タンク7内の圧力を逃がすための弁である。
圧力計19は、主剤タンク5または硬化剤タンク7内の圧力を表示するものである。
【0036】
加熱部23は、主剤タンク5または硬化剤タンク7内の主剤または硬化剤を所定の温度に加熱するものである。
主剤および硬化剤の温度は、加熱部23により主剤および硬化剤の粘度が低くなる所定の温度に保たれているため、主剤および硬化剤の温度を所定の温度に保たない場合と比較して、主剤および硬化剤を開口部153(図4参照)から離れた腐食損傷部の近傍まで導きやすくなる。また、ノズル部37から腐食損傷部に補修剤を吹き付けやすくなる。
【0037】
なお、本実施形態においては、主剤タンク5を約7Lの容積を有する容器に適用して説明するが、主剤タンク5の容積を特に限定するものではない。また、硬化剤タンク7を約3.5Lの容積を有する容器に適用して説明するが、硬化剤タンク7の容積を特に限定するものではない。
【0038】
主剤および硬化剤は混合することにより固化する2液性接着剤であって、主剤および硬化剤は水中や湿潤環境下であっても硬化する接着剤である。さらに、主剤および硬化剤は、所定温度に加熱されることにより粘度が低下し、主剤タンク5および硬化剤タンク7からノズル部37まで容易に圧送される性質を有する物が好ましい。主剤および硬化剤としては、例えば、エポキシ系の主剤およびアミン系硬化剤の中から上述の特性を有する主剤および硬化剤が選択される。より具体的には、主剤としては変性エポキシ樹脂、硬化剤としては変性脂肪族ポリアミンが選択され、その一例としてALPHATEC社製のアルファテック340(主剤+硬化剤のセット)が挙げられる。
また、主剤および硬化剤が混合された補修剤において、腐食損傷部に吹き付けられた直後の補修剤の粘度は、3Pa・s以上、6Pa・s以下(30P〜60P)の範囲内のものが好ましい。このように選択することで、補修剤が、腐食損傷部である錆び部内面へ浸透するからである。
【0039】
なお、上述のように粘度が低い主剤および硬化剤を用いてもよいし、高い粘度の主剤および硬化剤を用いてもよく、特に限定するものではない。このように高い粘度の主剤および硬化剤を用いることにより、蒸発器受け皿115の構造的強度を補強でき、より損傷の激しい腐食損傷部の補修が行え、設備の予防保全に繋がるからである。
また、粘度の高い主剤および硬化剤を用いる場合には、主剤チューブ27や硬化剤チューブ29等に高圧に耐えることができるものを用いることが望ましい。例えば、金属製管の内周を高分子材料でコーティングしたものが挙げられる。
【0040】
図2は、図1の挿入部の構成を説明する断面図である。
挿入部3は、図2に示すように、主剤タンク5および硬化剤タンク7側から順に、主剤チューブ(チューブ)27と、硬化剤チューブ(チューブ)29と、筒部31と、ハンドル部(操作部)33と、混合部35と、ノズル部37と、を備えている。
主剤チューブ27は、主剤を主剤タンク5から混合部35まで導くものである。一方、硬化剤チューブ29は、硬化剤を硬化剤タンク7から混合部35まで導くものである。
主剤チューブ27および硬化剤チューブ29は、例えばポリ4フッ化エチレン(テフロン(登録商標)や、ポリエチレンや、ポリプロピレンなどの高分子材料から形成されていることが好ましい。主剤や硬化剤は、これらの高分子材料に付着し難いからである。各チューブは、主剤と硬化剤の比率により、チューブ数または径を変えると好ましい。チューブは、挿入部内に導入され、挿入部の端部近傍にある混合部まで延長される。
【0041】
筒部31は、蒸発器103の冷水管路Cと略同一の外径、または、冷水管路Cより小さな外径を有する円筒状の部材である。また、筒部31は、挿入部3を蒸発器103の一方の端面から挿入した際に、挿入部3の先端であるノズル部37が他方の端面に届く長さに形成されている。つまり、筒部31は、十m単位の大きさの蒸発器103に合わせて、十m単位の長さに形成されている。筒部31の内部には主剤チューブ27および硬化剤チューブ29が配置されている。筒部31の一の端部近傍には、混合部35が交換可能に取り付けられている。
【0042】
ハンドル部33は、後述するノズル部37から補修剤が吹き出される方向を把握するとともに、吹き出し方向を制御するものである。ハンドル部33は、筒部31における主剤タンク5および硬化剤タンク7側の端部に設けられ、筒部31の半径方向に延びるノズル位置指示部39を備えている。ノズル位置指示部39は、補修剤の吹き出し方向と所定の相対位置関係に配置されている。本実施形態においては、補修剤の吹き出し方向に対して、ノズル位置指示部39は反対方向に延びるように配置されている。
【0043】
混合部35は、主剤チューブ27および硬化剤チューブ29から供給された主剤と硬化剤を混合し、混合された補修剤をノズル部37に供給するものである。混合部35は、筒部31と同一の外径を有する円筒部材であって、筒部31の端部に交換可能に取り付けられるものである。混合部35の円筒内部は、主剤チューブ27および硬化剤チューブ29から供給された主剤と硬化剤が流入する混合流路41であり、混合流路41には、主剤と硬化剤とを螺旋状に流して混合を促進するミキサー43が配置されている。
【0044】
ノズル部37は、混合部35において混合された補修剤を腐食損傷部に向けて吹き出させるものである。混合部35は、筒部31と同一の外径を有する円筒部材であって、混合部35の端部に交換可能に取り付けられるものである。ノズル部37の先端部には清掃用プラグ45が配置され、ノズル部37の円筒面47には、補修剤が吹き出す吹出孔49が形成されている。
なお、吹出孔49の形状としては、吹き出た補修剤が直流する形状や、2分割されて吹き出る形状や、噴霧状に吹き出る形状を例示できる。ノズル部37を混合部35や筒部31に対して交換することで、これらの補修剤の吹き出し形態が選択される。
【0045】
ここで、本実施形態の補修対象である吸収式冷凍器の構成を説明する。
図3は、吸収式冷凍機の構成を説明する概略図である。
吸収式冷凍機101は、図3に示すように、蒸発器103と、吸収器105と、高圧再生器107と、低圧再生器109を備えている。
【0046】
蒸発器103と吸収器105とは同一の容器(槽)111に収められている。
蒸発器103は、冷媒(水)を蒸発させることにより冷水管路Cを流通する冷水を冷却するものであって、吸収器105の上方に配置されている。蒸発器103には、冷媒を散布する第1冷媒散布部113と、散布された冷媒を受け止める蒸発器受け皿(構造体)115とが設けられている。また、蒸発器103には、蒸発器受け皿115と第1冷媒散布部113との間で冷媒を循環させる冷媒循環管路117と、低圧再生器109から冷媒を供給する第2蒸気回収管路119と、が接続されている。
また、第1冷媒散布部113と蒸発器受け皿115との間には、冷水管路Cが配置されている。冷媒は冷水管路Cの冷水から熱を奪い蒸発し、冷水は冷却される。
【0047】
冷媒循環管路117は、冷媒を蒸発器受け皿115から第1冷媒散布部113に供給するものである。冷媒循環管路117には、冷媒を第1冷媒散布部113に圧送する冷媒ポンプ121が設けられている。
【0048】
吸収器105は、蒸発器103で発生した冷媒蒸気を吸収して、容器111内の真空を保つものであって、蒸発器103の下方に配置されている。吸収器105には、臭化リチウム(LiBr)等の吸収液(濃溶液)を散布する吸収液散布部123が設けられている。吸収液散布部123の下方には、冷却水が流れる冷却水管路SLが配置されている。冷却水は、散布され冷媒を吸収した吸収液(希溶液)を冷却するものである。容器111には、散布された吸収液(希溶液)が貯留される貯留部125が形成されている。
【0049】
吸収器105には、吸収液を貯留部125から吸収液散布部123に供給する吸収液循環管路127が設けられている。吸収液循環管路127には、吸収液を吸収液散布部123に圧送する吸収器ポンプ129が配置されている。また、吸収液循環管路127における吸収器ポンプ129と吸収液散布部123との間には、第3吸収液管路151が接続されている。
【0050】
高圧再生器107は、吸収器105において冷媒を吸収した吸収液(希溶液)から冷媒を蒸発させ、吸収液の濃度を高めるものである。
高圧再生器107には、吸収器105から吸収液(希溶液)が供給される第1吸収液管路131と、吸収液(希溶液)から蒸発した冷媒蒸気を低圧再生器109に導く第1蒸気回収管路133と、濃度が高められた吸収液を低圧再生器109に導く第2吸収液管路135と、が接続されている。また、高圧再生器107には、高温の蒸気が流通する蒸気管路Sが挿通されている。高温の蒸気は、吸収液(希溶液)を加熱し冷媒を蒸発させるものである。
【0051】
第1吸収液管路131は、吸収液(希溶液)を吸収器105から高圧再生器107に導くものである。第1吸収液管路131には、吸収器105側から順に、再生器ポンプ137と、低温熱交換器139と、熱回収器141と、高温熱交換器143とが設けられている。再生器ポンプ137は、吸収液(希溶液)を高圧再生器107に向けて圧送するポンプである。低温熱交換器139は、低圧再生器109から流出した吸収液(濃溶液)と高圧再生器107に向かう吸収液(希溶液)との間で熱交換を行うものである。熱回収器141は、吸収液(希溶液)と蒸気との間で熱交換を行うものである。高温熱交換器143は、高圧再生器107から流出した吸収液と高圧再生器107に向かう吸収液(希溶液)との間で熱交換を行うものである。
【0052】
蒸気管路Sは、ボイラー等の熱源蒸気生成部(図示せず)から供給された高温の蒸気を導くものである。蒸気管路Sには、蒸気から凝縮水を分離するドレントラップ145と、吸収液(希溶液)と蒸気との間で熱交換を行う熱回収器141とが設けられている。
第2吸収液管路135は、吸収液を高圧再生器107から低圧再生器109に導くものである。第2吸収液管路135には、高温熱交換器143が配置されている。
【0053】
低圧再生器109は、高圧再生器107において濃度が高められた吸収液から、更に冷媒を蒸発させ吸収液の濃度を更に高めるものである。
低圧再生器109には、高圧再生器107から供給された冷媒蒸気を散布する第2冷媒散布部147と、散布された冷媒を受け止める凝縮器受け皿149と、が設けられている。また、低圧再生器109には、高圧再生器107から冷媒が導かれる第1蒸気回収管路133と、凝縮器受け皿149から冷媒を蒸発器103に導く第2蒸気回収管路119と、濃縮された吸収液(濃溶液)を吸収器105に導く第3吸収液管路151と、が接続されている。第1蒸気回収管路133は、低圧再生器109を挿通され低圧再生器109の吸収液との間で熱交換した後に、第2冷媒散布部147に供給される。
また、第2冷媒散布部147と凝縮器受け皿149との間には、冷却水管路SLが配置されている。冷却水は、散布された冷媒蒸気を冷却して冷媒とするものである。
【0054】
第3吸収液管路151は、吸収液(濃溶液)を低圧再生器109から吸収器105に導くものである。第3吸収液管路151は吸収液循環管路127に接続され、第3吸収液管路151には低温熱交換器139が配置されている。
【0055】
次に、上記の構成からなる補修装置1を用いた吸収式冷凍機101の蒸発器103における蒸発器受け皿115の補修方法ついて説明する。
図4は、図3の蒸発器および吸収器の構成を説明する断面図である。
まず、蒸発器受け皿115の上方に配置されている複数の冷水管路Cから、最も蒸発器受け皿115に近い位置に配置されている冷水管路Cが容器111から抜き取られ、容器111に開口部153が形成される(開口部形成工程)。
なお、上述のように冷水管路Cなどの配管を抜き取ることにより、容器111に開口部153を設けてもよいし、配管を抜き取ることなく容器111に直接開口部153を設けてもよく、特に限定するものではない。
【0056】
図5は、図4の容器内に補修装置を挿入した状態を説明する部分斜視図である。
補修装置1の挿入部3は(図2参照)、開口部153(図4参照)から容器111内に挿入される(挿入工程)。挿入部3は、図5に示すように、冷水管路Cを支持する管板155およびチューブ支持板157の孔を通され、ノズル部37が蒸発器受け皿115の腐食損傷部(補修領域)の近傍に到るまで送り込まれる。
ここで、腐食損傷部は、水や吸収液等により蒸発器受け皿115が腐食してできた損傷部であり、蒸発器受け皿115を構成する金属が腐食して薄くなったり、孔が形成されたりした部分のことである。
【0057】
その後、補修装置1から補修剤を腐食損傷部に吹き付けて補修が行われる(補修工程)。
具体的には、図1に示すように、加熱部23により、主剤タンク5および硬化剤タンク7内の主剤および硬化剤が所定温度まで温められる。主剤および硬化剤は、所定温度に温められることにより、粘度が低下し流動しやすくなる。
その後、加圧部9から所定圧力の窒素ガスが主剤タンク5および硬化剤タンク7に供給される。窒素ガスは、主剤および硬化剤を主剤タンク5および硬化剤タンク7から押し出す。押し出された主剤および硬化剤は主剤チューブ27および硬化剤チューブ29内を流れる。
【0058】
主剤および硬化剤は、図2に示すように、混合部35に流入する。主剤チューブ27および硬化剤チューブ29から流出した主剤および硬化剤は、混合流路41に流入する。混合流路41において、主剤および硬化剤は、ミキサー43により螺旋状に流れて混合される。混合された主剤および硬化剤(補修剤)は、混合流路41からノズル部37に流入する。ノズル部37に流入した補修剤は、吹出孔49から蒸発器受け皿115に向けて吹き出される(図5参照。)。
【0059】
作業者は、ハンドル部33により補修剤の吹き出し方向を把握しつつ、挿入部3を中心軸周りに回動させ、補修剤を、腐食損傷部を含む蒸発器受け皿115の内側全面に吹き付ける。
このとき、同時に、先端にCCD(荷電結合素子)などの撮像素子が設けられた観察部51を挿入部3と並べて挿入し、補修剤を腐食損傷部に吹きつけながら、補修剤の吹き付け状況が確認される。
なお、上述のように、観察部51は挿入部3とは別体に設けられ、挿入部3が挿入された開口部153(図4参照)と異なる開口部から容器111内に導かれてもよいし、観察部51は挿入部3に設けられ、挿入部3が挿入された開口部153(図4参照)と同一の開口部から容器111内に導かれてもよく、特に限定するものではない。
【0060】
腐食損傷部に吹き付けられた補修剤は、腐食損傷部の表面に塗布されるとともに、腐食損傷部の内部に浸透する。その後、補修剤は固化して腐食損傷部の補修および補強がなされる。このように、補修剤は腐食損傷部の内部の空洞へ浸透することにより、腐食損傷部の表面および内部が補修される。そのため、浸透性がない補修剤を用いた場合と比較して、腐食損傷部は外面および内面が補修されるため、より確実に補修される。
【0061】
上記の構成によれば、挿入部3により補修剤は、容器111に設けられた開口部153を介して蒸発器受け皿115の腐食損傷部に導かれ、腐食損傷部に吹き付けられて、腐食損傷部を補修する。そのため、容器111を解体することなく補修作業を行うことができる。
また、腐食損傷部が容器111の開口部153から離れた場所に位置しても、加圧部9により圧力が加えられた主剤および硬化剤が挿入部3により腐食損傷部の近傍まで導かれるため、主剤および硬化剤が混合された補修剤は開口部153から離れた腐食損傷部に吹き付けられる。
補修剤はノズル部37から腐食損傷部に吹き付けられるため、補修剤を腐食損傷部に塗布する方法と比較して、広範囲の腐食損傷部が迅速に補修される。また、広範囲にわたる補修を容易にできるため、腐食損傷部を厳密に特定する必要がなく、補修作業を容易にすることができる。
【0062】
補修剤として、混合することにより硬化する主剤と硬化剤とを用いることで、水や、臭化リチウム溶液などの液体が存在する容器111の内部における腐食損傷部であっても、補修剤が硬化するため補修を容易に行える。また、腐食損傷部に吹き付けられた補修剤を加熱等して硬化させる必要がないため、補修に際して容器111を解体する必要性がより低くなるとともに、補修作業が容易となる。さらに、補修剤が硬化するのに要する時間が短くなり、補修作業に要する時間が短くなる。
主剤と硬化剤とは、挿入部3の混合部35で混合された後、ノズル部37から腐食損傷部に吹き付けられる。そのため、混合後、直ちに硬化が始まる主剤と硬化剤とを用いることができ、補修作業に要する時間が短くなる。
【0063】
主剤タンク5および硬化剤タンク7から混合部35に供給されるまでの間に、主剤と硬化剤とは混合されないため、主剤および硬化剤は硬化しない。そのため、主剤および硬化剤を主剤タンク5および硬化剤タンク7から混合部35に供給する主剤チューブ27や硬化剤チューブ29などの構成要素が、主剤や硬化剤の硬化により使用不可となることがなく、上記構成要素を補修作業ごとに交換する必要がなくなる。
【0064】
ハンドル部33により補修剤の吹き付け方向が容易に変更されるため、腐食損傷部に補修剤を容易に吹き付けられる。また、広範囲に補修剤が吹き付けられる。また、ハンドル部33の配置により補修剤の吹き付け方向が容易に把握され、腐食損傷部に補修剤が容易に吹き付けられる。
【0065】
観察部51により、補修剤の吹き付け状況を確認しながら、腐食損傷部の補修作業を行うことができる。特に、作業者が補修剤の吹き付け状況を確認できない容器111の内部における補修作業であっても、容器111を解体することなく、補修剤の吹き付け状況を確認できる。
【0066】
なお、上述の実施形態においては、補修装置1を蒸発器受け皿115の腐食損傷部の補修に用いる場合に適用して説明したが、蒸発器受け皿115だけでなく、蒸発器103および吸収器105の容器111の内面や、高圧再生器107や低圧再生器109の容器内面や、凝縮器受け皿149等の腐食損傷部を補修する場合にも適用してもよく、特に限定するものではない。
【0067】
また、蒸発器受け皿115の内側の補修のみならず、補修装置1を蒸発器受け皿115の外面の補修にも適用可能である。
つまり、下部の吸収器105には、臭気リチウムの高濃度溶液を散布する吸収液散布部123(散布ノズル)が配置されており、この散布液の一部(飛沫)が丈夫に配置された蒸発器受け皿115の底面に付着する。この付着した散布液により、蒸発器受け皿115の外面が腐食する。このようにして発生した蒸発器受け皿115の外面に発生した腐食損傷部の補修にも、補修装置1を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施形態に係る補修装置の構成を説明する全体図である。
【図2】図1に挿入する挿入部の構成を説明する断面図である。
【図3】吸収式冷凍機の構成を説明する概略図である。
【図4】図3の蒸発器および吸収器の構成を説明する断面図である。
【図5】図4の容器内に補修装置を挿入した状態を説明する部分斜視図である。
【符号の説明】
【0069】
1 補修装置(槽内補修装置)
3 挿入部
5 主剤タンク(貯蔵部)
7 硬化剤タンク(貯蔵部)
9 加圧部
23 加熱部
27 主剤チューブ(チューブ)
29 硬化剤チューブ(チューブ)
33 ハンドル部(操作部)
35 混合部
37 ノズル部
51 観察部
111 容器(槽)
115 蒸発器受け皿(構造体)
153 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が貯留される槽における該槽内に配置された構造体および前記槽の内面の少なくとも一方に形成された補修領域を補修する補修剤が貯留された貯蔵部と、
前記槽に設けられた開口部から前記槽内に挿入され、前記貯蔵部から前記補修領域の近傍まで前記補修剤を導く挿入部と、
前記補修剤を前記貯蔵部から前記挿入部に輸送するチューブと、
該挿入部から前記補修領域に向かって前記補修剤を吹き付けるノズル部と、
前記貯蔵部内の前記補修剤に圧力を加える加圧部と、
が設けられていることを特徴とする槽内補修装置。
【請求項2】
前記補修剤の温度を、前記補修剤の粘度が低くなる所定の温度に保つ加熱部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の槽内補修装置。
【請求項3】
前記補修剤は前記補修領域の内部への浸透性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の槽内補修装置。
【請求項4】
前記補修剤は、主剤と該主剤と混合される硬化剤とからなり、
前記貯蔵部は、前記主剤を貯留する主剤貯蔵部と、前記硬化剤を貯留する硬化剤貯蔵部とを備え、
前記挿入部には、前記主剤と前記硬化剤とを混合する混合部が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の槽内補修装置。
【請求項5】
前記挿入部には、前記補修剤の吹き付け方向を制御する操作部が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の槽内補修装置。
【請求項6】
前記補修剤が吹き付けられた前記補修領域を観察する観察部が設けられたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の槽内補修装置。
【請求項7】
内部に構造体を備え、該構造体および内面の少なくとも一方に補修領域を有する槽に開口部を形成する開口部形成工程と、
前記開口部から前記槽内に請求項1から6のいずれかに記載の槽内補修装置の挿入部を挿入する挿入工程と、
前記補修領域に補修剤を吹き付ける補修工程と、
を有することを特徴とする槽内補修方法。
【請求項8】
前記開口部形成工程が、前記槽の外部から内部に延びる管を取り除くことにより、前記開口部を形成する工程であることを特徴とする請求項7記載の槽内補修方法。
【請求項9】
前記補修工程において、不活性ガスにより補修剤が吹き付けられることを特徴とする請求項7または請求項8記載の槽内補修方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−73612(P2008−73612A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−255380(P2006−255380)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(502003334)株式会社ガスアンドパワーインベストメント (3)
【Fターム(参考)】