説明

樹脂モールド型コンデンサの製造方法およびこの製造方法に用いられる成形金型

【課題】樹脂モールド型コンデンサの材料歩留まりを向上させ、かつ信頼性の高い樹脂モールド型コンデンサを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の成形金型は、樹脂モールド型コンデンサの外装体を形成するためのキャビティ29の一部を構成する第2の凹部10を下型2に設け、さらにこの第2の凹部10に向けて開口した開口部がコンデンサ素子の投影面積より大きい面積にて形成されたポット3を設けた構成とした。そして、このポット3内の樹脂溜め部28に注入された液状樹脂をプランジャー4にて加圧流動することで液状樹脂を樹脂溜め部28からキャビティ29内に注入充填し、液状樹脂をキャビティ29の形状に硬化させる。この液状樹脂の粘度は10000mPa・s以下としている。この結果、成形に必要な液状樹脂の量を低減して材料歩留まりを向上させるとともに信頼性の高い樹脂モールド型コンデンサを製造することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子機器、電気機器、産業機器、自動車等に用いられる樹脂モールド型コンデンサの製造方法およびこの製造方法に用いられる成形金型に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図13を用いて、トランスファーモールド法と呼ばれるこの種の従来の樹脂モールド型コンデンサの製造方法を説明する。図13は、特許文献1に記載の従来の樹脂モールド型コンデンサの外装体の成形に用いる金型100の構成を示すものである。
【0003】
図13に示されるように、樹脂成形用の金型100は上型101と下型102から構成されており、これら上型101と下型102には、型締め時に成形用のキャビティ110(図14にて図示)を形成する第1の凹部103と第2の凹部104がそれぞれ設けられている。また、下型102には成形用樹脂105が投入されるポット106が設けられており、さらにこのポット106には溶融した成形用樹脂を加圧流動させるためのプランジャー107が配設されている。
【0004】
この金型100を用いた樹脂モールド型コンデンサの外装体の具体的な成形方法を以下に説明する。
【0005】
まず、上型101および下型102を予め加熱手段(図示せず)により樹脂成形温度まで加熱し、コンデンサ素子108を付設したリードフレーム109を、コンデンサ素子108が第2の凹部104に位置するように、下型102に載置する。
【0006】
次に、タブレット状の成形用樹脂105をポット106に投入し、矢印Aで示すように下型102を上昇させ、図14に示すように上型101と下型102を型締めする。このとき、ポット106内のタブレット状の成形用樹脂105は上型101および下型102の熱により溶融して液状化するとともに、コンデンサ素子108は第1の凹部103と第2の凹部104とで形成するキャビティ110内に位置決めされる。
【0007】
次に、プランジャー107を矢印Bで示すように上昇させ、液状の成形用樹脂105を加圧流動させる。このとき成形用樹脂105はランナー111を通り、ゲート112を経てキャビティ110内に注入充填される。
【0008】
そして、一定時間経過させて、成形用樹脂105をキャビティ110の形状に固化させ、上型101および下型102を型開きし、成形体を金型100から取り出す。
【0009】
最後に、ランナー111部分の不要な成形用樹脂105を取り除く。
【0010】
以上の手順にて従来の製造方法では、樹脂モールド型コンデンサの外装体を成形していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平11−277594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記従来の製造方法に用いる金型では、不要な成形用樹脂105を取り除く作業を容易に行うため、また完成品としての樹脂モールド型コンデンサの外観不良(バリ等)を防ぐため、ゲート112をできるだけ小さい径にて設けていた。
【0013】
しかしながら、このように比較的小さい径で設けられたゲート112からキャビティ110に成形用樹脂105を注入した場合、成形用樹脂105は高い圧力にてキャビティ110に射出されることになる。
【0014】
このように、高い圧力にて成形用樹脂105をキャビティ110に注入した場合、ゲート112付近のリードフレーム109に変形が生じたり、あるいはコンデンサ素子108に不要な応力を与えたり、最悪の場合にはコンデンサ素子108を破損させる可能性があり、完成品としての樹脂モールド型コンデンサの信頼性の低下につながる可能性があった。
【0015】
さらに、従来の製造方法では上述したようにランナー111部分の成形用樹脂105は結局成形体からは取り除き廃棄されるため、材料ロスが大きくコストの面から好ましくないものであった。
【0016】
特に、図13および図14に示されるような同時に複数個の樹脂モールド型コンデンサを製造する金型100においては、製造する樹脂モールド型コンデンサの数が多くなれば多くなるほど、ポット106から各ゲート112までの距離、すなわちランナー111の長さが長くなるため、廃棄する成形用樹脂105が多くなってしまう。
【0017】
そこで、本発明はこのような課題を鑑みて、成形に必要な成形用樹脂の量を低減し、材料歩留まりを向上させるとともに信頼性の高い樹脂モールド型コンデンサを製造する製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
そして、この目的を達成するために本発明の樹脂モールド型コンデンサの製造方法では、リードフレームが付設された少なくとも1枚のコンデンサ素子を上型と下型とを型締めすることにより形成されるキャビティ内に配置し、前記キャビティに液状樹脂を注入充填することで外装体を成形する樹脂モールド型コンデンサの製造方法であり、前記キャビティに向けて開口し、かつ、開口部の面積が前記コンデンサ素子の投影面積よりも大きく形成されたポット内に粘度が10000mPa・s以下の液状樹脂を注入する注入工程と、前記下型の所定の位置に前記リードフレームが付設されたコンデンサ素子を載置する載置工程と、前記上型と下型を型締めする型締め工程と、前記ポット内に注入された液状樹脂を前記ポット内に配設されたプランジャーで加圧流動することで前記液状樹脂を前記キャビティ内に注入充填し、液状樹脂を硬化させることで外装体を成形する成形工程とを少なくとも含むようにした。
【0019】
さらに、本発明の樹脂モールド型コンデンサの成形装置では、底面に第1の凹部を有する上型と、型締め時に前記第1の凹部とともに成形用のキャビティを形成する第2の凹部を上面に有し、かつ、前記キャビティに向けて開口し、開口部の面積が樹脂モールドされるコンデンサ素子の投影面積よりも大きく形成されたポットが設けられた下型と、前記ポット内において上下方向に摺動可能に設けられたプランジャーと、前記上型に設けられ、前記上型を前記下型よりも高い温度に制御する第1の調温機構と、前記下型に設けられ、前記下型を前記上型よりも低い温度に制御する第2の調温機構とを備えた構成とした。
【発明の効果】
【0020】
上記構成により本発明では、まず信頼性の高い樹脂モールド型コンデンサを製造することができる。
【0021】
これは、本発明の製造方法において、キャビティに向けて直接開口するとともに、この開口部の面積がコンデンサ素子の投影面積よりも大きい状態で設けられたポットからキャビティに液状樹脂を注入していることによる。
【0022】
すなわち、本発明の製造方法では上記従来の製造方法のように小さい径のゲート112からキャビティに高い圧力で成形用樹脂を注入するのではなく、モールドされるコンデンサ素子の投影面積よりも大きい面積にてポットをキャビティに向けて開口させ、この開口部を介してキャビティに液状樹脂を注入しているため、この液状樹脂が高い圧力でキャビティに注入されることはない。この結果、コンデンサ素子やリードフレームに不要な応力が加わり破損する可能性が低減され、信頼性の高い樹脂モールド型コンデンサを製造することができる。また、液状樹脂をキャビティに注入する際に、液状樹脂の粘度を10000mPa・s以下としているため、さらにリードフレームやコンデンサ素子に不要な応力が加わり破損させる可能性を低減している。
【0023】
さらに、本発明では材料歩留まりを向上させるとともに信頼性の高い樹脂モールド型コンデンサを製造することができる。
【0024】
すなわち、本発明のポットはキャビティに向けて開口しているため、キャビティ内に液状樹脂を充填するためにプランジャーを上昇させるとポット内の液状樹脂は直接キャビティに注入される。
【0025】
つまり、本発明の製造方法ではランナーを必要とせず、従来の製造方法のようにランナー部分の成形用樹脂を廃棄することはない。
【0026】
このように、本発明によると成形に必要な成形用樹脂の量を低減し、材料歩留まりを向上させるとともに信頼性の高い樹脂モールド型コンデンサを製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施例1の製造方法に用いる上型および下型の断面図
【図2】実施例1の製造方法に用いるコンデンサ素子積層体とリードフレームの構成を示す図であり、(a)はリードフレームを接続した状態のコンデンサ素子積層体を示す斜視図、(b)はリードフレームを接続した状態のコンデンサ素子積層体の正面図、(c)は同コンデンサ素子の正面断面図
【図3】実施例1の製造方法の注入工程を示す断面図
【図4】実施例1の製造方法の載置工程を示す断面図
【図5】実施例1の製造方法の型締め工程を示す断面図
【図6】実施例1の製造方法の成形工程を示す断面図
【図7】実施例1の製造方法の型開き工程を示す断面図
【図8】実施例1の製造方法の取り出し工程を示す断面図
【図9】実施例1の製造方法により外装体が被覆されたコンデンサ素子積層体を示す斜視図
【図10】実施例1の製造方法により完成した樹脂モールド型コンデンサを示す図であり、(a)は樹脂モールド型コンデンサの斜視図、(b)は樹脂モールド型コンデンサの正面透視図
【図11】実施例1の製造方法の型開き工程において成形体が上型に貼着した状態を示す断面図
【図12】実施例1の製造方法の他の取り出し工程を示す断面図
【図13】従来の製造方法に用いる上型および下型の断面図
【図14】従来の製造方法を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0028】
(実施例1)
以下、本実施例における樹脂モールド型コンデンサの製造方法に用いる成形金型の構成について図1を用いて説明する。ここで、図1は本成形金型を構成する上型1と下型2の断面図である。
【0029】
図1に示すように、本実施例における樹脂モールド型コンデンサの製造方法に用いる成形金型は可動式の上型1と、上型1に対向して設けられた固定式の下型2からなる一対の成形金型と、下型2が有するポット3の内部に設けられたプランジャー4によって構成される。本実施例の製造方法は、これら2つの型を型締めした後、上型1と下型2とが形成するキャビティ29(図5にて図示)にプランジャー4を用いてノルボルネン系樹脂27(図3にて図示)を注入充填し、このキャビティ29内のノルボルネン系樹脂27を硬化させることでコンデンサ素子積層体14(図2にて図示)の外装体31(図9にて図示)を成形するものである。この製造方法や、完成した樹脂モールド型コンデンサについては図2以降で詳細に説明する。なお、図1における上下の関係が実際の本製造方法を実施する際の上下の関係である。
【0030】
図1に示されるように、上型1は、下方に向けて開口した第1の凹部5を底面に2つ備えている。この第1の凹部5は後述するキャビティ29の一部を構成するものであり、その開口部から上方に向かって径が小さくなるように設計されている。第1の凹部5の上面の略中央には、第1の凹部5と連通した上部イジェクタピン孔6が設けられ、さらにこの上部イジェクタピン孔6には上部イジェクタピン7が、上部イジェクタピン孔6の内壁と僅かな間隙8を設けて配設されている。この上部イジェクタピン7は図示しない機構により上下方向の往復動が可能となっている。
【0031】
また、上型1には、2つの第1の凹部5のさらに外側にガイドピン穴9が2つ設けられている。このガイドピン穴9は、後述するコンデンサ素子積層体14を位置決めするために用いられる。
【0032】
なお、第1の凹部5の形状は上述したように、開口部から上方に向かって径が小さくなるように設計されたものとしたが、特にこれに限定されるものではなく、開口部の径と上面の径が同一(すなわち凹部5中空部分の形状が直方体あるいは立方体)としてもよい。
【0033】
下型2は、上型1の第1の凹部5と対向するように、上方に向けて開口した第2の凹部10を上面に2つ備えている。この第2の凹部10の形状は、第1の凹部5の形状と同様に開口部から下方に向けて径が小さくなるように設計されている。
【0034】
また、下型2は、第2の凹部10の下方に、第2の凹部10に向けて開口したポット3を有している。このポット3は角筒状の形状を有しており、その内部には上下方向に摺動自在なプランジャー4が配設されている。
【0035】
プランジャー4は、角柱状の柱状部4aとこの柱状部4aの上端に一体で設けられたテーパ状かつ上端面が平板状の加圧部4bとで構成され、加圧部4bの上端外周部分はポット3の内壁面と当接した状態としている。
【0036】
なお、本実施例において、第2の凹部10とは下型2の上面における開口部から角筒状のポット3の上端部、すなわち図1の状態のプランジャー4の加圧部4bの上端面までの位置を指す。
【0037】
下型2が備えた2つの第2の凹部10の間には、余剰樹脂溜まり部11が設けられている。この余剰樹脂溜まり部11は、樹脂モールドコンデンサの外装体31成形の際に、キャビティ29から漏出した余剰な樹脂を溜めておく部分である。余剰樹脂溜まり部11の形状は、第2の凹部10と同様に上方から下方に向けて径が小さくなった形状となっているが、その深さは第2の凹部10と比較して浅いものとしている。また、余剰樹脂溜まり部11の底部略中央には上下方向に可動な下部イジェクタピン12が設けられており、その形状は下方から上方に向けて径が大きくなるテーパ状となっている。この下部イジェクタピン12は、樹脂モールドコンデンサの外装体成形後に、余剰樹脂溜まり部11に溜まった余剰樹脂を外部に取り出すために設けられたものである。
【0038】
なお、第2の凹部10および余剰樹脂溜まり部11は、上方から下方に向かって径が小さくなるようにしたが、特にこれに限定されるものではない。すなわち、前述の第1の凹部5と同様、上方の開口部の径と底面の径を同一とした形状であってもよい。
【0039】
また、上型1は、図1に示されるように、中央に設けた孔の内部に緩衝ピン34を備えている。この緩衝ピン34が設けられた孔は、上型1と下型2を型締めした際に余剰樹脂溜まり部11と連通するように配置されている。この緩衝ピン34の動作および効果については後述する。
【0040】
また、下型2は2つの第2の凹部10のさらに外側に2本の円筒状のガイドピン13が下型2と一体となって垂直に植設されている。このガイドピン13はコンデンサ素子積層体14を位置決めする際にガイドピン穴9とともに用いられる。ガイドピン13の上端面の外周は面取りされることで上型1のガイドピン穴9やコンデンサ素子積層体14に付設されたリードフレーム15の貫通孔19に挿入し易くなっている。あるいは、ガイドピン13の上端を略半球状にすることによっても上型1のガイドピン穴9やリードフレーム15の貫通孔19に挿入し易くすることができる。
【0041】
また、本実施例においては上型1、下型2の材料としてアルミニウムを用いているが、これに限られることなく、鉄あるいは銅などの金属等を用いてもよい。特に本実施例における製造方法では、上型1の材料として比較的熱伝導率の高い材料が好適に採用し得る。
【0042】
次に、図2を用いて本実施例におけるコンデンサ素子積層体14とリードフレーム15の構成について説明する。ここで、図2(a)はリードフレーム15を付設した状態のコンデンサ素子積層体14を示す斜視図であり、図2(b)はリードフレーム15を付設した状態のコンデンサ素子積層体14の正面図、図2(c)は複数枚積層されることでコンデンサ素子積層体14を形成するコンデンサ素子16の断面図である。なお、本実施例においてはコンデンサ素子16を6枚積層することで1つのコンデンサ素子積層体14を形成した例を示しているが、本発明はこれに限らず1枚のコンデンサ素子16のみでも構わないし、あるいはコンデンサ素子16を2枚以上積層することでコンデンサ素子積層体14を形成してもよく、特にコンデンサ素子積層体14を形成するコンデンサ素子16の枚数を限定するものではない。
【0043】
図2(a)に示されるように、本製造方法に用いるコンデンサ素子積層体14とリードフレーム15の複合体は、2つのコンデンサ素子積層体14をリードフレーム15によって接続したものである。
【0044】
リードフレーム15の第1の折り曲げ部17は、コンデンサ素子積層体14方向に折り曲げられ、さらに抵抗溶接またはレーザー溶接によりコンデンサ素子積層体14と固定および接続がなされている。また、第2の折り曲げ部18は、コンデンサ素子積層体14方向に折り曲げられ、さらに導電性銀ペイントによりコンデンサ素子積層体14と固定および接続がなされている。
【0045】
リードフレーム15の長辺側の両端付近には円形の2つの貫通孔19が設けられており、これら貫通孔19は上述の下型2のガイドピン13を挿入するためのものである。この貫通孔19の径は、ガイドピン13と嵌合する程度にガイドピン13の径より僅かに大きくしている。
【0046】
図2(b)に示されるように、リードフレーム15は分離部20にて分離されている。詳細は後述するが、この分離部20にてリードフレーム15を分離することで、完成品としての樹脂モールド型コンデンサの陽極端子32と陰極端子33との短絡を防いでいる。
【0047】
また、リードフレーム15は折り曲げ加工を施すことで、コンデンサ素子積層体14の略1/2の高さでコンデンサ素子積層体14の長軸方向両端から水平方向に延出するように形成されている。
【0048】
なお、コンデンサ素子積層体14は図2(c)に示されるようなコンデンサ素子16を複数枚積層することによって構成されている。
【0049】
図2(c)に示されるように、平板状の1つのコンデンサ素子16は弁作用金属であるアルミニウム箔21とこの両面に形成されたエッチング層22とで構成される陽極体23を囲むように薄膜の誘電体層24を設け、さらにその上に順に導電性高分子(例えばポリピロール)からなる導電性高分子層25、カーボン層と銀ペースト層からなる陰極層26を順次積層形成することで構成されたものである。そして、この構成のコンデンサ素子16を、各々のコンデンサ素子16の陰極層26どうしが電気的に接続されるように導電性銀ペイントを介して順次積層することでコンデンサ素子積層体14が形成される。
【0050】
各々のコンデンサ素子16から舌片状に突出したアルミニウム箔21は、夫々重ね合わされるとともに抵抗溶接またはレーザー溶接にて、1つの束となってリードフレーム15に接続されている。また、コンデンサ素子積層体14の最下段に位置するコンデンサ素子16の下面の陰極層26はリードフレーム15に導電性銀ペイントを介して接続され、同様に各々のコンデンサ素子16の側面の陰極層26もリードフレーム15の第2の折り曲げ部18に導電性銀ペイントを介して接続されている。
【0051】
次に、図3から図8を用いて本実施例における樹脂モールド型コンデンサの製造方法について説明する。
【0052】
ここで、図3はノルボルネン系樹脂27の注入工程を示す断面図、図4はコンデンサ素子積層体14とリードフレーム15の複合体を下型2に載置する載置工程を示す断面図、図5は上型1と下型2を型締めする型締め工程を示す断面図、図6はコンデンサ素子積層体14にノルボルネン系樹脂27を被覆する成形工程を示す断面図、図7は上型1と下型2を型開きする型開き工程を示す断面図、図8は成形後のコンデンサ素子積層体14を成形金型から取り出す取り出し工程を示す断面図である。なお、本製造方法の各工程を説明するための図においては、各工程をわかりやすく示すため、成形金型については断面図で示し、コンデンサ素子積層体14とリードフレーム15の複合体については正面図で示している。
【0053】
まず、注入工程では、図1の状態のプランジャー4を所定の位置まで下降させる。これにより、ポット3内において、プランジャー4の加圧部4bの上面に予め樹脂溜め部28を形成する。
【0054】
次に、この形成された樹脂溜め部28に粘度が10000mPa・s以下である液状のノルボルネン系樹脂27をノズル等から一定量滴下注入し、図3に示される状態とする。このとき、加圧部4bの上端外周部分はポット3の内壁面と当接した状態となっており隙間が存在しないため、ノルボルネン系樹脂27は加圧部4bの裏側へ垂れ落ちることなく樹脂溜め部28に溜まる。仮に、磨耗等により加圧部4bの上端外周部分とポット3の内壁面の間に隙間が生じ、加圧部4bの裏側へノルボルネン系樹脂27が垂れ落ちたとしても、この注入工程において下型2は図示しない調温機構によりノルボルネン系樹脂27の硬化温度以下に制御されており、またプランジャー4の柱状部4aはポット3の内壁面と離間して配設されているため、垂れ落ちたノルボルネン系樹脂27はポット3内で硬化せずにそのままポット3の下方へ、さらにはポット3の外部へと流れ落ちていく。この構成により本実施例の成形金型ではポット3内に硬化した状態のノルボルネン系樹脂27が残存してしまうことを防いでいる。
【0055】
また、注入する液状のノルボルネン系樹脂27の量は、後述するキャビティ29の容量よりも若干多い量とすることが望ましい。したがって、プランジャー4を下降させる位置も、樹脂溜め部28の容積がキャビティ29の容量よりも若干多い量となるように調節するとよい。なお、図3に示されるように、本実施例では樹脂溜め部28をちょうど第2の凹部10の底面とプランジャー4の加圧部4bの間の空間としたが、これに限られることはない。すなわち、上述したように注入するノルボルネン系樹脂27の量がキャビティ29の容量よりも若干多い量となるのであれば、樹脂溜め部28の上端は第2の凹部10の底面よりも上方の位置、あるいは下方の位置であってもかまわない。
【0056】
なお、樹脂溜め部28に注入するノルボルネン系樹脂27は、ノルボルネン環構造を有する化合物であればよい。特に、耐熱性に優れた成形品が得られることから、三環体以上の多環ノルボルネン系モノマーを用いることが好ましい。例えば、ジシクロペンタジエンを主成分とし、本発明の目的を損なわない範囲で、トリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエンなどの多環ノルボルネン系単量体や、ノルボルネン系単量体と開環共重合し得るシクロブテン、シクロペンテン等の単環シクロオレフィン等のコモノマーを適宜添加した混合液を重合したものを用いることができる。具体例としては、「ペンタム」、あるいは「メトン」という商品名でRIMTEC株式会社より市販されている2液型のジシクロペンタジエン(DCPD)を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0057】
また、注入工程において下型2の温度はノルボルネン系樹脂27の硬化温度以下に設定されるものであるが、具体的には40℃以上60℃以下に設定することが望ましい。下型2の温度を40℃以上60℃以下に設定する手法としては、例えば下型2の側面に直径10mmほどの穴(図示せず)を開け、そこに棒状のカートリッジヒーターを挿入、加熱する手法が挙げられる。本実施例では、この手法を用いているが、これに限定されることなく例えば外部からヒーターによって加熱する方法や、あるいは下型2にヒーターを埋設し自動温度調整する方法を用いてもよい。このように、注入工程では40℃以上60℃以下というノルボルネン系樹脂27の硬化温度以下の温度に下型2を設定しているので、注入工程においてノルボルネン系樹脂27が硬化してしまうことはない。ただし、注入工程の状態で長時間放置した場合、ノルボルネン系樹脂27の流動性が少しずつ失われ、本工程以降の作業が困難になるため、できるだけ早く次の工程に移ることが望ましい。なお、ここで硬化温度とは、その温度の金型にてノルボルネン系樹脂27を使用して、7.0×4.0×2.0mm(本実施例の樹脂モールド型コンデンサと同等の大きさ)のバルク状成形品を得るのに必要な成形時間が30秒以下となるときの温度である。
【0058】
なお、樹脂溜め部28にノルボルネン系樹脂27を注入するために用いるノズル等は、成形金型の有する熱によりノズル等内でノルボルネン系樹脂27が硬化してしまうことを防ぐために常時冷却されていることが望ましい。
【0059】
載置工程では、図4に示されるように、コンデンサ素子積層体14とこのコンデンサ素子積層体14に付設されたリードフレーム15の複合体を下型2の上面に載置する。この際、下型2の上面に植設されたガイドピン13をリードフレーム15の貫通孔19に挿入して載置することで、リードフレーム15およびコンデンサ素子積層体14は所定の位置に正確に固定、位置決めがなされる。なお、ガイドピン13は3本以上設けてもよいが、少なくとも2本設ければリードフレーム15およびコンデンサ素子積層体14の下型2上での正確な位置決めは可能である。なお、本実施例では、コンデンサ素子積層体14とリードフレーム15の複合体を下型2に載置した状態において、ポット3の開口部の面積は、下型2の上面に載置した状態のコンデンサ素子積層体14の上部からの投影面積よりも大きいものとしている。
【0060】
この載置工程により、コンデンサ素子積層体14は第2の凹部10内に正確に配置される。
【0061】
型締め工程では、図5の矢印Cで示されるように上型1を下型2の上方から降下させ、上型1と下型2を型締めする。
【0062】
この際、リードフレーム15の貫通孔19から突出したガイドピン13は上型1のガイドピン穴9に嵌合することで、上型1は下型2およびリードフレーム15に対して正確に位置決めがされる。このように下型2と上型1を正確に位置決めした状態で型締めすることで、上型1の第1の凹部5と下型2の第2の凹部10の開口端部どうしはリードフレーム15を介して重なり合う。したがって、リードフレーム15は下型2と上型1にて堅固に挟持されるとともに、コンデンサ素子積層体14は第1の凹部5と第2の凹部10にて形成されるキャビティ29内に位置決めされることになる。
【0063】
なお、この型締め工程の前に上型1は図示しない調温機構により予め加熱されており、ノルボルネン系樹脂27の硬化温度以上の温度となっている。具体的には、上型1は80℃以上120℃以下の温度に加熱されている。
【0064】
成形工程では、図6に示されるようにプランジャー4を図示しない圧力調整機構によって一定の圧力にて上方向に付勢して、所定の位置まで摺動させる。本実施例においては、第2の凹部10の下端までプランジャー4を上昇させている。
【0065】
この成形工程開始時において、下型2の温度によりノルボルネン系樹脂27はすでに硬化し始めている。ただし、下型2の温度は40℃から60℃とノルボルネン系樹脂27の硬化温度以下の温度としているため、成形工程開始時においてはノルボルネン系樹脂27の粘度は低く、200mPa・sから10000mPa・sの間の値となっている。したがって、成形工程においてはプランジャー4を上昇させることで、容易にノルボルネン系樹脂27を加圧流動させることができる。
【0066】
このようにプランジャー4を上昇させることで、ポット3内の樹脂溜め部28のノルボルネン系樹脂27は加圧流動され、第1の凹部5と第2の凹部10にて形成されるキャビティ29内に注入充填される。プランジャー4を上昇させる位置としては、加圧部4bの上面が第2の凹部10の底面と略面一になる位置としている。これにより完成品としての樹脂モールド型コンデンサの外観を良好に成形でき、外観不良の発生を防止できる。また、上述したようにこの段階において、ノルボルネン系樹脂27の粘度は低いため、コンデンサ素子積層体14やリードフレーム15に与える機械的ストレスも小さく、コンデンサ素子積層体14やリードフレーム15の破損や変形の可能性を低減させることができる。なお、この時プランジャー4の加圧部4bの上端外周部分はポット3の内壁面と摺接しながら上昇するため、樹脂溜め部28の液密は保持され、ノルボルネン系樹脂27が加圧部4bの背面に垂れ落ちることはない。
【0067】
樹脂溜め部28のノルボルネン系樹脂27は、前述したように予めキャビティ29の容量よりも若干多い量としているため、キャビティ29内に注入充填されたノルボルネン系樹脂27はキャビティ29の隅々にまで行き渡る。本実施例におけるコンデンサ素子積層体14のごとく小型かつノルボルネン系樹脂27の充填部分が複雑な形状の場合、細部にまでノルボルネン系樹脂27を行き渡らせるための本工程は特に重要となる。
【0068】
そして、キャビティ29内に充填されたノルボルネン系樹脂27に、予めノルボルネン系樹脂27の硬化温度以上に加熱された上型1の温度が伝播し、ノルボルネン系樹脂27はキャビティ29の形状に硬化する。
【0069】
なお、各キャビティ29は、2つのキャビティ29間に設けられた余剰樹脂溜まり部11と図示しない連通孔によって各々が連通した状態となっており、キャビティ29から溢れた余剰なノルボルネン系樹脂27はこの連通孔を通って余剰樹脂溜まり部11に排出される。
【0070】
また、本実施例においては、キャビティ29から溢れた余剰なノルボルネン系樹脂27が余剰樹脂溜まり部11に充填された後、さらにキャビティ29から溢れた余剰なノルボルネン系樹脂27が余剰樹脂溜まり部11に排出された場合、余剰樹脂溜まり部11内に排出されたノルボルネン系樹脂27が緩衝ピン34を押し上げて、緩衝部35を作る仕組みとなっている。すなわち、余剰樹脂溜まり部11にノルボルネン系樹脂27が充填され、さらに余剰樹脂溜まり部11にノルボルネン系樹脂27が排出されることで余剰樹脂溜まり部11内のノルボルネン系樹脂27は圧力が加えられた状態となり、緩衝ピン34はこのノルボルネン系樹脂27からの圧力を受け、上方に摺動するのである。この結果、緩衝ピン34の下端面と余剰樹脂溜まり部11の間に緩衝部35が形成され、余剰なノルボルネン系樹脂27をさらに蓄えることが可能となる。また、キャビティ29内の気体も一旦余剰樹脂溜まり部11に排出させた後、緩衝ピン34とこの緩衝ピン34が設けられた孔との間の隙間から外部に排出させることも可能である。この緩衝部35を上記のように動作させるためには、例えば緩衝ピン34の後方(図6における上方)にバネ等の弾性部材(図示せず)を設けた機構とすれば実現できる。なお、本実施例においては、緩衝ピン34を上型1に設けた構成としたが、これに限らず下型2に設けた構成としてもよい。
【0071】
また、キャビティ29内の気体は、上部イジェクタピン孔6の内壁と上部イジェクタピン7の間の僅かな間隙8から外部に排気される。本実施例ではこの構成によりキャビティ29にノルボルネン系樹脂27を充填した際に、キャビティ29に気体が残存してしまうことを防止している。
【0072】
ここで、間隙8にノルボルネン系樹脂27が漏洩してしまうことが考えられるが、間隙8はごく僅かな幅しか有しておらず、さらに本工程においてはノルボルネン系樹脂27の硬化が開始し、粘性が増してきていることから、間隙8にノルボルネン系樹脂27が漏洩してしまう可能性は少ないものとなっている。これに加え、この間隙8へのノルボルネン系樹脂27の漏洩を防止するためには、上述のキャビティ29から余剰樹脂溜まり部11への連通孔の大きさを比較的大きなものとするとよい。これにより、ノルボルネン系樹脂27の間隙8への漏洩よりも、連通孔からの余剰樹脂溜まり部11への排出が積極的に行われる。
【0073】
また、キャビティ29内の気体を取り除くためには、上記の構成に限らず例えば間隙8を設けずにキャビティ29内を気密状態とした上で、余剰樹脂溜まり部11から真空引きポンプへ連通する通路を設け、この真空引きポンプを用いて真空引きを行う構成としてもよい。
【0074】
次に、成形工程にてプランジャー4を所定の位置まで上昇させ10秒程度経過させた後、型開き工程に移る。ノルボルネン系樹脂27は硬化にかかる時間が短いため、この間に十分に硬化する。
【0075】
図7に示されるように、型開き工程では上型1(図7では図示せず)を下型2から上昇させて型開きする。この際、ノルボルネン系樹脂27はキャビティ29の形状に硬化しており、型開き工程においては硬化状態のノルボルネン系樹脂27にて被覆されたコンデンサ素子積層体14およびリードフレーム15が下型2の上に載置された状態となっている。
【0076】
取り出し工程では、図8に示されるようにプランジャー4を成形工程や型開き工程における位置からさらに所定の位置まで上昇させる。プランジャー4を上昇させる位置としては、取り出し作業を容易に行うために、少なくともプランジャー4の上端が下型2の上面よりも上方となる位置とすることが望ましい。
【0077】
この結果、ノルボルネン系樹脂27にて被覆されたコンデンサ素子積層体14およびリードフレーム15の成形体30が成形金型から外部へと取り出される。なお、第2の凹部10の形状は開口部から下方に向かって径が小さくなるように形成されていることから、この取り出し工程において硬化した状態のノルボルネン系樹脂27と第2の凹部10の内側壁が擦れあうことはなく、外観不良の発生の可能性は低減されている。
【0078】
また、プランジャー4の上昇と同期して下部イジェクタピン12も上昇する。これにより、余剰樹脂溜まり部11に溜まった硬化した状態の余剰樹脂も外部に取り出される。
【0079】
なお、本実施例はこの下部イジェクタピン12による余剰樹脂の取り出し動作をわかりやすく示すため、余剰樹脂溜まり部11に余剰樹脂が溢れ出したケースについて説明したものである。本実施例以外のケースとして、余剰樹脂がごく僅かであり余剰樹脂溜まり部11の一部のみに余剰樹脂が溜まるケースが考えられる。この場合は図8のように下部イジェクタピン12の上面が硬化した状態の余剰樹脂と接触し余剰樹脂を上方に押し出すのではなく、余剰樹脂溜まり部11に存在する余剰樹脂は少ないため下部イジェクタピン12の上面はリードフレーム15と直接接触することになる。このように下部イジェクタピン12の上面がリードフレーム15と直接接触したとしても、成形工程や成形体30に支障を与えることなく成形体30および上記の僅かな余剰樹脂を成形金型から外部に取り出すことができる。
【0080】
次に、本実施例の製造方法によって成形される樹脂モールドコンデンサの構成について図9および図10を用いて説明する。
【0081】
ここで、図9は成形体30を示す斜視図、図10は完成した樹脂モールド型コンデンサを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は正面透視図である。なお、図10(b)においては、この樹脂モールド型コンデンサの構造をわかりやすく示すため、外装体31を透視して図示している。
【0082】
上述した各工程を経ることによって、図9に示されるような硬化した状態のノルボルネン系樹脂27にて被覆されたコンデンサ素子積層体14およびリードフレーム15から成る成形体30が得られる。この硬化した状態のノルボルネン系樹脂27はコンデンサ素子積層体14の外装体31に相当する。
【0083】
さらに、図9の破線D−Dで示されるリードフレーム15の所定の位置を適宜切断し、リードフレーム15を外装体31側に折り曲げることで、図10(a)に示されるようなノルボルネン系樹脂27を用いた樹脂モールド型コンデンサが完成する。
【0084】
図10(a)に示されるように、本実施例の製造方法により製造された樹脂モールド型コンデンサの外装体31は、キャビティ29の形状、すなわち側面が略6角形の形状となっている。ただし、実装する際の使い勝手を考慮した場合、この樹脂モールド型コンデンサの外装体31の形状は直方体に近いことが好ましい。したがって、本実施例において第1の凹部5や第2の凹部10の形状は開口部からそれぞれ上方、下方に向かって径が小さくなる形状としたが、これら第1の凹部5や第2の凹部10の形状は、外装体31を被覆した状態のコンデンサ素子積層体14を取り出す際に外装体31に支障を与えない程度にそれぞれの開口部の径と底面の径が近い大きさであることが好ましい。
【0085】
折り曲げられたリードフレーム15は、この樹脂モールド型コンデンサにおいて陽極端子32、陰極端子33(図10(a)においては図示せず)となる。これら陽極端子32および陰極端子33は樹脂モールド型コンデンサの長軸方向両端面および下面に配置される。
【0086】
なお、図10(b)に示されるように、リードフレーム15は上述した分離部20が予め設けられているため、陽極端子32は陰極端子33と分離され、これらが短絡することはない。
【0087】
以下、本実施例における製造方法の効果について説明する。
【0088】
まず、本実施例における製造方法によると、信頼性の高い樹脂モールド型コンデンサを製造することができる。
【0089】
これは、本実施例のポット3が第2の凹部10に向けて開口していることによる。
【0090】
すなわち、本実施例では第2の凹部10に向けて大きく開口したポット3からノルボルネン系樹脂27をキャビティ29に注入しているため、ノルボルネン系樹脂27は従来の製造方法の比較的径の小さいゲート等から成形用樹脂を注入する場合に比べ、低い圧力にて注入される。この結果、リードフレーム15やコンデンサ素子積層体14に与える機械的ストレスを低減することができ、リードフレーム15やコンデンサ素子積層体14の破損の可能性を低減することで信頼性の高い樹脂モールド型コンデンサを製造することができる。
【0091】
また、本実施例の製造方法では、比較的径の小さいゲート等から成形用樹脂を注入した場合の従来の方法に比べ、キャビティ29内を隅々まで、かつ短時間でノルボルネン系樹脂27を充填することが可能である。したがって、小型かつノルボルネン系樹脂27の充填範囲が複雑な形状である本実施例の成形品のような場合であっても、短時間で細部にまでノルボルネン系樹脂27を行き渡らせることが可能となる。この結果、優れた生産性にて未被覆部分を残すことなく十分に外装体にて覆われた信頼性の高い樹脂モールド型コンデンサを製造することができる。
【0092】
また、本実施例においては、ポット3の開口部の面積をコンデンサ素子積層体14の投影面積以上の大きさとしており、キャビティ29に注入する際のノルボルネン系樹脂27にかけられる圧力をさらに低減している。特に本実施例におけるコンデンサ素子積層体14とリードフレーム15の構成では、上述したようにリードフレーム15には分離部20が存在し、この分離部20からコンデンサ素子積層体14は露出している。すなわち、コンデンサ素子積層体14は、このリードフレーム15の分離部20から露出した部分においてとりわけ機械的ストレスを受け易く、この部分において破損が生じやすい。したがって、本実施例のような構成のコンデンサ素子積層体14およびリードフレーム15においては、ポット3の開口部の面積をコンデンサ素子積層体14の投影面積以上の大きさとして、キャビティ29に注入する際のノルボルネン系樹脂27にかけられる圧力をさらに低減する構成は重要である。
【0093】
なお、本実施例ではコンデンサ素子積層体14はコンデンサ素子16を積層したものであるので、コンデンサ素子積層体14の投影面積はコンデンサ素子16と同じものであることを注記する。
【0094】
また、本実施例では載置工程においてリードフレーム15とコンデンサ素子積層体14の複合体を、コンデンサ素子積層体14の底面の一部に接続されたリードフレーム15がポット3の開口部と対向するように配置している。これは、成形工程においてキャビティ29にノルボルネン系樹脂27を注入充填した際に、コンデンサ素子積層体14をリードフレーム15にてノルボルネン系樹脂27から受ける圧力から保護するためである。これにより、コンデンサ素子積層体14に不要な応力がかかり破損する可能性を低減している。本実施例のごとく、導電性高分子を固体電解質に用いたコンデンサ素子積層体14においては、製造時に発生したクラック等の破損は漏れ電流の発生の原因となるため、上記のような載置工程における取り扱いは特に重要となる。
【0095】
さらに、本実施例における製造方法によると、樹脂モールド型コンデンサの材料歩留まりを向上させることができる。
【0096】
すなわち、本実施例における製造方法では、ポット3はキャビティ29の一部を構成する第2の凹部10に向けて開口しているため、プランジャー4を上昇させるとポット3内のノルボルネン系樹脂27は直接キャビティ29に加圧注入される。
【0097】
つまり、本発明の製造方法によると、ランナー等を必要としないため従来の製造方法のようにランナー部分の成形用樹脂を廃棄することはなく、材料ロスを低減して材料歩留まりを向上させることができるのである。
【0098】
なお、本実施例における製造方法においては、液状樹脂を使用することが望ましい。これは、タブレット状や顆粒状の成形用樹脂を用いて本実施例における製造方法を行った場合、未溶融の成形用樹脂がコンデンサ素子積層体14に接触し、コンデンサ素子積層体14を破損させてしまう可能性があるためである。このように本実施例における製造方法では液状樹脂を用いることで、コンデンサ素子積層体14の破損の可能性を低減し、樹脂モールド型コンデンサの信頼性を高めている。
【0099】
そして、この液状樹脂の粘度は成形工程開始時において10000mPa・s以下としている。10000mPa・s以下の粘度であれば、コンデンサ素子積層体14やリードフレーム15に破損や変形を与えることなく、信頼性の優れた樹脂モールド型コンデンサを製造することができる。
【0100】
特に、用いる液状樹脂としては、ノルボルネン系樹脂27が望ましい。ノルボルネン系樹脂27はエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と比較して耐湿性や剛性に優れた特性を有しているため、完成品としての樹脂モールド型コンデンサの耐湿性、強度、耐衝撃性を向上させることができるからである。
【0101】
また、ノルボルネン系樹脂は液体の状態における粘度が低く、上述の10000mPa・s以下という粘度を十分に満たすことができる。
【0102】
このノルボルネン系樹脂27の粘度は、エラストマー類を添加することで調節できる。エラストマー類としては、例えば、天然ゴム、SBR(スチレン−ブタジエン共重合体)、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン共重合体)、EPDP(エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー)などを用いることができる。エストラマー類の添加量によって、成形工程開始時の下型2の温度(40℃以上60℃以下)において200mPa・sから10000mPa・s程度の範囲で粘度を調節することが可能である。なお、これらのエラストマー類を添加し、ノルボルネン系樹脂27の粘度を調整することで加圧部4bの背面へノルボルネン系樹脂27が垂れ落ちる可能性をさらに低減することもできる。
【0103】
ここで、ノルボルネン系樹脂27と代表的な熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂とを比較する。例えば、タブレット状のエポキシ樹脂をポット3に投入し溶融させ樹脂モールド型コンデンサを成形する場合、エポキシ樹脂の溶融時の粘度は50000〜100000mPa・s程度の範囲であり、本実施例のノルボルネン系樹脂27の粘度と比較して5倍以上の粘度を有している。このように粘度が高い樹脂をキャビティ29に注入した場合、コンデンサ素子積層体14やリードフレーム15に与える機械的ストレスは大きく、コンデンサ素子積層体14やリードフレーム15に破損や変形が生じる可能性がある。したがって、本実施例では成形工程開始時の液状樹脂の粘度を10000mPa・s以下とし、この条件を満たすことが可能なノルボルネン系樹脂27を用いているのである。
【0104】
また、ノルボルネン系樹脂27は基本的に硬化速度の速いものであるが、この硬化速度は活性調節剤を添加することである程度調節できる。活性調節剤としてはメタセシス触媒を還元する作用を持つ化合物などを用いることができ、アルコール類、ハロアルコール類、あるいはアセチレン類が好適である。また、メタセシス触媒の種類によっては活性調整剤としてルイス塩基化合物を用いることができる。特に本実施例においては、活性調節剤としてイソプロピルアルコールを用いている。
【0105】
また、本実施例における製造方法では、型締め工程の前に上型1を予めノルボルネン系樹脂27の硬化温度以上の温度に加熱し、成形工程においてこの上型1の温度をノルボルネン系樹脂27に伝播させることによって、ノルボルネン系樹脂27を硬化させるようにしている。
【0106】
この結果、成形工程にてキャビティ29にノルボルネン系樹脂27を充填すると同時に硬化が始まり、樹脂モールド型コンデンサを優れた生産性にて製造することができる。
【0107】
さらに、このように上型1を予めノルボルネン系樹脂27の硬化温度以上の温度に加熱した場合、成形工程においてキャビティ29に充填されたノルボルネン系樹脂27はキャビティ29の上方から下方に向けて順次硬化する。すなわち、製品端部より順次硬化を進行させることとなり、ノルボルネン系樹脂27内部の残留応力(応力差)の発生を極めて少なくすることが可能となる。したがって、硬化時においてコンデンサ素子積層体14に与える機械的ストレスを低減することができる。
【0108】
一方、例えばノルボルネン系樹脂27の代わりにエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いて本実施例の製造方法を行うことも可能であるが、この場合、ノルボルネン系樹脂27を用いた場合と比較して硬化に多くの時間が必要となり、製品端部より順次硬化を進行させることが不可能となる。この結果、残留応力が発生し、完成品の樹脂モールド型コンデンサに反りやクラックが発生してしまう可能性がある。
【0109】
このような理由からも、本実施例における製造方法では、液状樹脂としてノルボルネン系樹脂27を用い、かつ型締め工程の前に上型1を予めノルボルネン系樹脂27の硬化温度以上の温度に加熱しておくことが望ましい。
【0110】
特に、型締め工程の前に予め加熱される上型1の温度としては、80℃以上120℃以下とすると好適にノルボルネン系樹脂27の硬化を進行させることができる。
【0111】
また、注入工程において、下型2の温度はノルボルネン系樹脂27の硬化温度以下の温度に制御されていることが望ましい。
【0112】
これは、ノルボルネン系樹脂27は、非常に硬化速度が速いため、仮に注入工程において下型2の温度がノルボルネン系樹脂27の硬化温度以上であると、キャビティ29にノルボルネン系樹脂27を加圧注入する前にノルボルネン系樹脂27の硬化が進行してしまい、注入工程以降の作業を妨げる可能性があるためである。
【0113】
すなわち、本実施例の製造方法は上記のように上型1と下型2の各工程における温度を所定の範囲にそれぞれ制御することによって、ノルボルネン系樹脂27を用いた樹脂モールドコンデンサの生産性および信頼性の向上を実現できるものである。
【0114】
なお、注入工程において、下型2の温度は40℃以上60℃以下に設定されていることが望ましい。
【0115】
一般的にノルボルネン系樹脂27は室温であっても時間をかければ硬化するものであるが、注入工程における下型2の温度を少なくとも60℃以下に設定していると、注入したノルボルネン系樹脂27が即座に硬化してしまうことはなく、注入工程以降の作業を妨げることはない。
【0116】
また、生産性を考慮した場合、下型2の温度があまりに低温であると、成形に要する時間が長くなってしまうため、下型2の温度の下限は40℃とすることが望ましい。
【0117】
したがって、注入工程において、下型2の温度は40℃以上60℃以下に設定されていることが望ましい。
【0118】
また、本実施例における製造方法では、型開き工程の後、プランジャー4をさらに上昇させることで、成形体30を下型2から外部へと取り出すものとしている。これにより、本実施例における製造方法では容易に成形体30を外部へ取り出すことができ、さらに生産性を高めることができる。
【0119】
次に、本実施例の製造方法に用いた成形金型の構成の効果について以下に説明する。
【0120】
まず、本実施例の成形金型は第2の凹部10に向けて開口したポット3を有しこのポット3の開口部の面積はコンデンサ素子積層体14の投影面積よりも大きいものとしている。さらに、上型1を下型2よりも高い温度に制御する調温機構を上型1に有し、下型2を上型1よりも低い温度に制御する調温機構を下型2に有した構成となっている。
【0121】
この構成により、上述したような優れた材料歩留まりおよび生産性にて信頼性の高い樹脂モールド型コンデンサを製造することを可能としている。
【0122】
また、下型2は第2の凹部10と連通する余剰樹脂溜まり部11を有し、この余剰樹脂溜まり部11は上型1および下型2の当接面に向けて開口した構成とすることが望ましい。
【0123】
この構成により、余剰樹脂溜まり部11に溜まった余剰なノルボルネン系樹脂27を型開き工程において容易に外部へ取り出すことができる。
【0124】
また、下型2は上型1に比べ比較的低い温度に調温されているため、下型2に設けられた余剰樹脂溜まり部11内に排出されたノルボルネン系樹脂27は即座に硬化してしまうことはない。これにより、キャビティ29と余剰樹脂溜まり部11の連通部分付近でノルボルネン系樹脂27が硬化して詰まり、ノルボルネン系樹脂27の余剰樹脂溜まり部11への排出を妨げてしまう可能性を低減している。
【0125】
また、上型1は第1の凹部5と連通する上部イジェクタピン孔6を有し、この上部イジェクタピン孔6内に上下方向に摺動可能な上部イジェクタピン7を設けることが望ましい。
【0126】
この理由について、図11および図12を用いて説明する。
【0127】
ここで、図11は型開き工程において成形体30が上型1に貼着した状態を示す断面図、図12は図11の状態の成形体30の取り出し工程を示す断面図である。
【0128】
図7にて示されたように、本実施例の製造方法においては、基本的に型開き工程において成形体30は下型2に載置された状態となっているものである。
【0129】
しかし、時にノルボルネン系樹脂27の接着力により、図11に示されるように型開き工程において成形体30が上型1に貼着してしまうことが考えられる。
【0130】
この場合、本実施例の成形金型では図12に示されるように上部イジェクタピン7を下降させることで上型1から成形体30を剥離させ、成形体30の成形金型からの取り出しを可能としている。
【0131】
なお、上述したようにこの上部イジェクタピン7と上部イジェクタピン孔6の間には僅かな間隙8が設けられており、成形工程においてキャビティ29内の気体はこの間隙8から外部へと排気されるようになっている。
【0132】
以上、説明したように本実施例における製造方法および成形金型によると材料歩留まりを向上させるとともに信頼性の高い樹脂モールド型コンデンサを製造することができる。
【0133】
なお、本実施例では注入工程において樹脂溜め部28にノルボルネン系樹脂27を注入した後、載置工程にて下型2にコンデンサ素子積層体14とリードフレーム15の複合体を載置したが、これらの工程はこの順序に限られたものではない。
【0134】
すなわち、まず下型2にコンデンサ素子積層体14とリードフレーム15の複合体を載置した後、例えばリードフレーム15と下型2の開口端部の間の隙間から樹脂溜め部28にノルボルネン系樹脂27を所定の位置まで注入してもよい。したがって、この場合は載置工程の後に注入工程を行うことになるが、上述の方法と同様の信頼性の高い樹脂モールド型コンデンサを得ることができる。
【0135】
また、本実施例では同時に2個の樹脂モールド型コンデンサを製造する態様を示したが、これに限られることなく1個の樹脂モールド型コンデンサを製造する場合であっても、あるいは3個以上の複数の樹脂モールド型コンデンサを同時に製造する場合であっても本発明を適用することは可能であり、上述の効果と同様の効果が得られるものである。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明の製造方法および成形金型によると、樹脂モールド型コンデンサの製造の材料歩留まりを向上させることができる。さらに、得られた樹脂モールド型コンデンサは信頼性の高いものとなっている。これらより、本発明の製造方法による樹脂モールド型コンデンサは各種電子機器、電気機器、産業機器、自動車等に用いられるコンデンサとして好適に機能し得る。
【符号の説明】
【0137】
1 上型
2 下型
3 ポット
4 プランジャー
4a 柱状部
4b 加圧部
5 第1の凹部
6 上部イジェクタピン孔
7 上部イジェクタピン
8 間隙
9 ガイドピン穴
10 第2の凹部
11 余剰樹脂溜まり部
12 下部イジェクタピン
13 ガイドピン
14 コンデンサ素子積層体
15 リードフレーム
16 コンデンサ素子
17 第1の折り曲げ部
18 第2の折り曲げ部
19 貫通孔
20 分離部
21 アルミニウム箔
22 エッチング層
23 陽極体
24 誘電体層
25 導電性高分子層
26 陰極層
27 ノルボルネン系樹脂
28 樹脂溜め部
29 キャビティ
30 成形体
31 外装体
32 陽極端子
33 陰極端子
34 緩衝ピン
35 緩衝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リードフレームが付設された少なくとも1枚のコンデンサ素子を上型と下型とを型締めすることにより形成されるキャビティ内に配置し、前記キャビティに液状樹脂を注入充填することで外装体を成形する樹脂モールド型コンデンサの製造方法であり、
前記キャビティに向けて開口し、かつ、開口部の面積が前記コンデンサ素子の投影面積よりも大きく形成されたポット内に粘度が10000mPa・s以下の液状樹脂を注入する注入工程と、
前記下型の所定の位置に前記リードフレームが付設されたコンデンサ素子を載置する載置工程と、
前記上型と下型を型締めする型締め工程と、
前記ポット内に注入された液状樹脂を前記ポット内に配設されたプランジャーで加圧流動することで前記液状樹脂を前記キャビティ内に注入充填し、液状樹脂を硬化させることで外装体を成形する成形工程とを少なくとも含む樹脂モールド型コンデンサの製造方法。
【請求項2】
前記載置工程において、前記リードフレームが付設されたコンデンサ素子を、前記コンデンサ素子の底面の一部に接続された前記リードフレームが前記ポットの開口部と対向するように前記下型に載置する請求項1に記載の樹脂モールド型コンデンサの製造方法。
【請求項3】
前記液状樹脂としてノルボルネン系樹脂を用いた請求項1に記載の樹脂モールド型コンデンサの製造方法。
【請求項4】
前記型締め工程の前に、前記上型を予めノルボルネン系樹脂の硬化温度以上の温度に加熱しておくことにより、前記成形工程において前記上型の温度を前記ノルボルネン系樹脂に伝播させて前記ノルボルネン系樹脂を硬化させるようにした請求項3に記載の樹脂モールド型コンデンサの製造方法。
【請求項5】
前記注入工程において、前記下型はノルボルネン系樹脂の硬化温度以下の温度に制御される請求項3に記載の樹脂モールド型コンデンサの製造方法。
【請求項6】
前記型締め工程の前に予め加熱される前記上型の温度を80℃以上120℃以下とした請求項4に記載の樹脂モールド型コンデンサの製造方法。
【請求項7】
前記注入工程において制御される前記下型の温度を40℃以上60℃以下とした請求項5に記載の樹脂モールド型コンデンサの製造方法。
【請求項8】
前記キャビティと連通する余剰樹脂溜まり部を前記下型に配設し、
前記成形工程において、余剰な液状樹脂を前記余剰樹脂溜まり部へ排出する請求項1に記載の樹脂モールド型コンデンサの製造方法。
【請求項9】
前記成形工程において、前記余剰樹脂溜まり部に排出された余剰な液状樹脂からの圧力を受け、摺動することで緩衝部を形成する緩衝ピンを上型あるいは下型に配設し、
前記余剰樹脂溜まり部の余剰な液状樹脂あるいは気体が前記緩衝部に排出される請求項8に記載の樹脂モールド型コンデンサの製造方法。
【請求項10】
前記成形工程の後、前記上型と前記下型を型開きし、前記プランジャーをさらに上昇させることで、外装体が被覆されたコンデンサ素子を下型から外部へ取り出す取り出し工程を有する請求項1に記載の樹脂モールド型コンデンサの製造方法。
【請求項11】
底面に第1の凹部を有する上型と、
型締め時に前記第1の凹部とともに成形用のキャビティを形成する第2の凹部を上面に有し、かつ、前記キャビティに向けて開口し、開口部の面積が樹脂モールドされるコンデンサ素子の投影面積よりも大きく形成されたポットが設けられた下型と、
前記ポット内において上下方向に摺動可能に設けられたプランジャーと、
前記上型に設けられ、前記上型を前記下型よりも高い温度に制御する第1の調温機構と、
前記下型に設けられ、前記下型を前記上型よりも低い温度に制御する第2の調温機構とを備えた樹脂モールド型コンデンサ成形金型。
【請求項12】
前記下型は、前記第2の凹部と連通した余剰樹脂溜まり部を有し、
前記余剰樹脂溜まり部は、前記上型および前記下型どうしの当接面に向けて開口した請求項11に記載の樹脂モールド型コンデンサ成形金型。
【請求項13】
前記下型は、前記余剰樹脂溜まり部と連通した孔内に圧力を受けることで摺動する緩衝ピンを有した請求項12に記載の樹脂モールド型コンデンサ成形金型。
【請求項14】
前記上型は、前記上型および前記下型を型締めした状態において前記余剰樹脂溜まり部と連通する孔と
前記孔内に圧力を受けることで摺動する緩衝ピンを有した請求項12に記載の樹脂モールド型コンデンサ成形金型。
【請求項15】
前記上型は、前記第1の凹部と連通した上部イジェクタピン孔を有し、
この上部イジェクタピン孔内において、上下方向に可動な上部イジェクタピンが配設された請求項11に記載の樹脂モールド型コンデンサ成形金型。
【請求項16】
前記上部イジェクタピンは、前記上部イジェクタピン孔内の内壁と間隙を設けて配設された請求項15に記載の樹脂モールド型コンデンサ成形金型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−119574(P2011−119574A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277300(P2009−277300)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】