説明

欠陥検査装置、及び欠陥情報管理方法

【課題】被検査基板における欠陥発生状況の把握を妨げることなく、管理すべき欠陥データ量を抑制できる欠陥検査装置の提供。
【解決手段】欠陥検査装置は、撮像装置が生成した被検査基板面の被検査画像データを取得する手段と、被検査画像データと基準画像データとを比較して欠陥部を検出する手段と、検出された欠陥部の位置座標を少なくとも含む欠陥データを生成する手段と、区画基準領域データ及び前記位置座標に基づいてそれの各領域に存在する欠陥部の個数を算出する手段と、各領域の欠陥部の個数と各領域の許容値とを比較して欠陥部密集領域を検出する手段と、欠陥部密集領域における各欠陥部の欠陥データを、その領域に対して予め定められた領域位置データに置換する手段と、領域位置データと置換されなかった欠陥部の欠陥データとを管理サーバへ送信する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査基板面上の欠陥部を検出し、前記欠陥部に対応する欠陥データを生成し、前記欠陥データを、ネットワークを介して接続される管理サーバへ送信する欠陥検査装置、及びその欠陥検査装置を利用した欠陥情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に用いられる液晶表示パネルは、液晶層を挟んで向かい合う一対のガラス基板を含む。これらのガラス基板は、透明なガラス板の上に、薄膜トランジスタ、又はカラーフィルタ層等を積層したものからなり、それぞれ数多くの工程を経て製造される。このようにして製造されるガラス基板には、その製造過程で欠陥部が生じることがある。その為、欠陥部を含んだガラス基板を検出するために、各工程の終了後にガラス基板の外観検査が行われる。
【0003】
このような外観検査には、ガラス基板上の欠陥部を検出するための欠陥検査装置が利用される。この種の欠陥検査装置は、カメラで撮像されたガラス基板面の画像データを基にして、ガラス基板上の欠陥部を検出する。また欠陥検査装置は、欠陥部の検出と共に、その欠陥部に対応した欠陥データを生成する。例えば、特許文献1に示されるように、欠陥検査装置は、欠陥データとして、欠陥部の位置を示す欠陥位置座標、欠陥部の大きさを示す欠陥サイズデータ、形・色等によって欠陥部の種類を示す欠陥タイプデータ等を生成する。生成された欠陥データは、欠陥検査装置が備える記憶装置等によって保存され、管理される。
【0004】
なお、前記外観検査は、通常、製造ライン毎で行われる。そのため、製造ラインが複数ある場合、複数台の欠陥検査装置が同時に並行して稼働することになる。このような場合、各欠陥検査装置が生成した欠陥データは、特許文献1に示されるように、各欠陥検査装置とそれぞれ電気的に接続するデータ管理サーバに送信され、そこで一括管理される。このような欠陥データは、例えば、ガラス基板を修理する際に必要な修理個所の特定、修理方法の選択等を行うために利用される(特許文献1参照)。
【0005】
図7は、従来の欠陥情報管理システムを模式的に表した説明図である。図7に示されるように、欠陥情報管理システム200Pは、複数台の欠陥検査装置1Pと、各欠陥検査装置1Pとネットワーク(不図示)を介して接続するデータ管理サーバ100Pとからなる。各欠陥検査装置1Pにおいて生成された欠陥データは、ネットワークを介してデータ管理サーバに送信され、このデータ管理サーバで一括して管理される。このような欠陥情報管理システム200Pによれば、各製造ラインの欠陥発生状況等を把握し易くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−98547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
欠陥検査装置が生成する欠陥データは、通常、検出された全ての欠陥部に対して生成される。その為、ガラス基板等の検査対象に、多数の欠陥部が発生している場合、それらの全てに対応するように、多数の欠陥データが生成されることになる。つまり、生成された多数の欠陥データが記憶装置等に保存され、そこで管理されることになる。このように、検査対象に多数の欠陥部が発生している場合、管理すべき情報量が増加し、問題となっている。
【0008】
特に、複数台の欠陥検査装置がそれぞれ生成した欠陥データを、外部のデータ管理サーバで一括管理する場合、各欠陥検査装置から送信される欠陥データ量が多すぎると、データ管理サーバに大きな負荷がかかってしまい、問題となっている。
【0009】
ところで、管理される欠陥データの利用目的によっては、各検査対象の全ての欠陥データが無くても、一部の欠陥データがあれば十分な場合もある。例えば、欠陥部が特定の個所に集中して発生しているガラス基板において、修理等のために、そのガラス基板の大凡の欠陥発生状況を把握したい場合等が挙げられる。このような場合、密集した欠陥部の全ての欠陥データを利用しなくても、その密集した欠陥部のうちの、一部の欠陥部のデータを利用すれば、その密集した欠陥部の大凡の位置等を特定できる。その為、欠陥データの利用目的によっては、余分な欠陥データを、データ管理サーバ、記憶装置等で管理していることになり、問題となっている。
【0010】
また、この種の欠陥検査装置は、誤って検査対象に欠陥部が発生していると判断してしまうこと(所謂、欠陥部の誤検出)がある。このような事態が起こる原因としては、例えば、検査対象の設置方向が所定の位置からずれていること、検査対象を撮像するカメラのレンズに異物が付着していること等が挙げられる。このような原因があると、欠陥検査装置は往々にして、多数の欠陥部が検査対象に発生していると判断してしまう。その為、欠陥検査装置において頻繁に誤検出が発生すると、欠陥検査装置は膨大な量の欠陥データを生成し、その欠陥データをデータ管理サーバへ送信してしまうため、特に問題となっている。
【0011】
近年、検査対象である液晶表示装置用のガラス基板等は、大型化している。その為、欠陥検査装置によって検出される欠陥部の個数も、検査対象の大型化に伴って増加傾向にある。その為、上記のような問題の解決が望まれている。
【0012】
本発明の目的は、被検査基板における欠陥発生状況の把握を妨げることなく、管理すべき欠陥データ量を抑制できる欠陥検査装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る欠陥検査装置は、以下の通りである。
<1> 被検査基板面上の欠陥部を検出し、前記欠陥部に対応する欠陥データを生成し、前記欠陥データを、ネットワークを介して接続される管理サーバへ送信する欠陥検査装置であって、
撮像装置が前記被検査基板面を撮像することによって得られた被検査画像データを取得する取得手段と、
前記被検査画像データと、それに対応する予め定められた基準画像データとを比較して、前記欠陥部を検出する検出手段と、
前記基準画像データの座標系を用いて、検出された欠陥部の位置座標を特定し、少なくとも前記位置座標を含む欠陥データを生成する生成手段と、
前記被検査画像データに対応しかつ前記座標系で表され、前記被検査画像データを複数個の領域に区画するような予め定められた区画基準領域データと、前記位置座標とに基づいて、各領域に存在する欠陥部の個数を算出する算出手段と、
算出された各領域における欠陥部の個数と、各領域に対して予め定められた許容値とを比較して、欠陥部が密集した領域を検出する領域検出手段と、
検出された領域における各欠陥部の欠陥データを、その領域に対して予め定められた領域位置データに置換する置換手段と、
領域検出手段により検出されなかった領域における欠陥部の欠陥データと、置換手段により置換された領域位置データとを前記管理サーバへ送信する送信手段と、を備える欠陥検査装置。
【0014】
<2> 検出手段が、被検査画像データから、欠陥部に対応する欠陥部画像データを抽出する抽出手段を含む前記<1>に記載の欠陥検査装置。
【0015】
<3> 抽出手段により得られた欠陥部画像データに基づいて、欠陥部のサイズを計測する計測手段と、
前記欠陥部画像データと、予め定められた欠陥タイプデータとを比較して、欠陥部のタイプを判別する判別手段と、
生成手段により得られた少なくとも欠陥部の位置座標を含む欠陥データに、計測手段により得られたその欠陥部のサイズデータと、判別手段により得られたその欠陥部のタイプデータとを関連づける関連付手段と、を備える前記<2>に記載の欠陥検査装置。
【0016】
<4> 同じ区画基準領域データを利用して検査される複数枚の被検査基板において、連続して同じ領域が、領域検出手段により欠陥部密集領域として検出されるか否かを監視する監視手段と、
監視結果に基づいて、誤検出を報知する報知手段と、を備える前記<1>〜<3>の何れか1つに記載の欠陥検査装置。
【0017】
<5> 被検査基板面上の欠陥部を検出し、前記欠陥部に対応する欠陥データを生成し、前記欠陥データを、ネットワークを介して接続される管理サーバへ送信する欠陥検査装置であって、
撮像装置が前記被検査基板面を撮像することによって得られた被検査画像データを取得する取得手段と、
前記被検査画像データと、それに対応しかつ複数個の領域に分割された予め定められた分割基準画像データとを比較して、領域毎に前記欠陥部を検出する検出手段と、
前記分割基準画像データの座標系を用いて、検出された欠陥部の位置座標を特定し、少なくとも前記位置座標を含む欠陥データを生成する生成手段と、
領域毎に検出された欠陥部の個数を算出する算出手段と、
算出された各領域における欠陥部の個数と、各領域に対して予め定められた許容値とを比較して、欠陥部が密集した領域を検出する領域検出手段と、
検出された領域における各欠陥部の欠陥データを、その領域に対して予め定められた領域位置データに置換する置換手段と、
領域検出手段により検出されなかった領域における欠陥部の欠陥データと、置換手段により置換された領域位置データとを前記管理サーバへ送信する送信手段と、を備える欠陥検査装置。
【0018】
<6> 検出手段が、被検査画像データから、欠陥部に対応する欠陥部画像データを抽出する抽出手段を含む前記<5>に記載の欠陥検査装置。
【0019】
<7> 抽出手段により得られた欠陥部画像データに基づいて、欠陥部のサイズを計測する計測手段と、
前記欠陥部画像データと、予め定められた欠陥タイプデータとを比較して、欠陥部のタイプを判別する判別手段と、
生成手段により得られた少なくとも欠陥部の位置座標を含む欠陥データに、計測手段により得られたその欠陥部のサイズデータと、判別手段により得られたその欠陥部のタイプデータとを関連づける関連付手段と、を備える前記<6>に記載の欠陥検査装置。
【0020】
<8> 同じ区画基準領域データを利用して検査される複数枚の被検査基板において、連続して同じ領域が、領域検出手段により欠陥部密集領域として検出されるか否かを監視する監視手段と、
監視結果に基づいて、誤検出を報知する報知手段と、を備える前記<5>〜<7>の何れか1つに記載の欠陥検査装置。
【0021】
本発明に係る欠陥情報管理方法は、以下の通りである。
【0022】
<9> 被検査基板面上の欠陥部を検出し、前記欠陥部に対応する欠陥データを生成し、前記欠陥データを、ネットワークを介して接続される管理サーバへ送信する欠陥情報管理方法であって、
撮像装置が前記被検査基板面を撮像することによって得られた被検査画像データを取得する取得工程と、
前記被検査画像データと、それに対応する予め定められた基準画像データとを比較して、前記欠陥部を検出する検出工程と、
前記基準画像データの座標系を用いて、検出された欠陥部の位置座標を特定し、少なくとも前記位置座標を含む欠陥データを生成する生成工程と、
前記被検査画像データに対応しかつ前記座標系で表され、前記被検査画像データを複数個の領域に区画するような予め定められた区画基準領域データと、前記位置座標とに基づいて、各領域に存在する欠陥部の個数を算出する算出工程と、
算出された各領域における欠陥部の個数と、各領域に対して予め定められた許容値とを比較して、欠陥部が密集した領域を検出する領域検出工程と、
検出された領域における各欠陥部の欠陥データを、その領域に対して予め定められた領域位置データに置換する置換工程と、
領域検出手段により検出されなかった領域における欠陥部の欠陥データと、置換手段により置換された領域位置データとを前記管理サーバへ送信する送信工程と、を備える欠陥情報管理方法。
【0023】
<10> 検出工程が、被検査画像データから、欠陥部に対応する欠陥部画像データを抽出する抽出工程を含む前記<9>に記載の欠陥情報管理方法。
【0024】
<11> 抽出工程により得られた欠陥部画像データに基づいて、欠陥部のサイズを計測する計測工程と、
前記欠陥部画像データと、予め定められた欠陥タイプデータとを比較して、欠陥部のタイプを判別する判別工程と、
生成工程により得られた少なくとも欠陥部の位置座標を含む欠陥データに、計測工程により得られたその欠陥部のサイズデータと、判別工程により得られたその欠陥部のタイプデータとを関連づける関連付工程と、を備える前記<9>に記載の欠陥情報管理方法。
【0025】
<12> 同じ区画基準領域データを利用して検査される複数枚の被検査基板において、連続して同じ領域が、領域検出工程により欠陥部密集領域として検出されるか否かを監視する監視工程と、
監視結果に基づいて、誤検出を報知する報知工程と、を備える前記<9>〜<11>の何れか1つに記載の欠陥情報管理方法。
【0026】
<13> 被検査基板面上の欠陥部を検出し、前記欠陥部に対応する欠陥データを生成し、前記欠陥データを、ネットワークを介して接続される管理サーバへ送信する欠陥情報管理方法であって、
撮像装置が前記被検査基板面を撮像することによって得られた被検査画像データを取得する取得工程と、
前記被検査画像データと、それに対応しかつ複数個の領域に分割された予め定められた分割基準画像データとを比較して、領域毎に前記欠陥部を検出する検出工程と、
前記分割基準画像データの座標系を用いて、検出された欠陥部の位置座標を特定し、少なくとも前記位置座標を含む欠陥データを生成する生成工程と、
領域毎に検出された欠陥部の個数を算出する算出工程と、
算出された各領域における欠陥部の個数と、各領域に対して予め定められた許容値とを比較して、欠陥部が密集した領域を検出する領域検出工程と、
検出された領域における各欠陥部の欠陥データを、その領域に対して予め定められた領域位置データに置換する置換工程と、
領域検出工程により検出されなかった領域における欠陥部の欠陥データと、置換工程により置換された領域位置データとを前記管理サーバへ送信する送信工程と、を備える欠陥情報管理方法。
【0027】
<14> 検出工程が、被検査画像データから、欠陥部に対応する欠陥部画像データを抽出する抽出工程を含む前記<13>に記載の欠陥情報管理方法。
【0028】
<15> 抽出工程により得られた欠陥部画像データに基づいて、欠陥部のサイズを計測する計測工程と、
前記欠陥部画像データと、予め定められた欠陥タイプデータとを比較して、欠陥部のタイプを判別する判別工程と、
生成工程により得られた少なくとも欠陥部の位置座標を含む欠陥データに、計測工程により得られたその欠陥部のサイズデータと、判別工程により得られたその欠陥部のタイプデータとを関連づける関連付工程と、を備える前記<14>に記載の欠陥情報管理方法。
【0029】
<16> 同じ区画基準領域データを利用して検査される複数枚の被検査基板において、連続して同じ領域が、領域検出工程により欠陥部密集領域として検出されるか否かを監視する監視工程と、
監視結果に基づいて、誤検出を報知する報知工程と、を備える前記<13>〜<15>の何れか1つに記載の欠陥情報管理方法。
【発明の効果】
【0030】
本発明の欠陥検査装置等によれば、被検査基板における欠陥発生状況の把握を妨げることなく、管理すべき欠陥データ量を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】一実施形態に係る欠陥検査装置の構成を模式的に表した説明図である。
【図2】図1に示される欠陥検査装置の機能ブロック図である。
【図3】検出部により検出された欠陥部の位置を模式的に表した説明図である
【図4】図3に示される欠陥部と共に、区画基準領域データを模式的に表した説明図である。
【図5】第2実施形態における欠陥検査装置の機能ブロック図である。
【図6】他の実施形態に係る欠陥検査装置の機能ブロック図の一部を示す説明図である。
【図7】従来の欠陥情報管理システムを模式的に表した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係る欠陥検査装置の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。但し、本発明は、本明細書に例示する実施形態に限定されるものではない。
【0033】
〔第1実施形態〕
図1は、一実施形態に係る欠陥検査装置の構成を模式的に表した説明図である。図1に示されるように、欠陥検査装置1は、ハードウェア構成として、CPU11、ROM12、RAM13、外部インタフェース14、取得部15、記憶部16、表示部17、入力部18等を備える。
【0034】
CPU(中央演算ユニット)11は、欠陥検査装置1の動作制御のための演算処理を実行する装置である。CPU11には、データバス19が接続されており、CPU11は、このデータバス19を介して図1に示される他のハードウエアとデータ交換を行う。
【0035】
ROM(リード・オンリー・メモリ)12には、欠陥検査装置1の動作制御のための各種プログラム及び各種メニュー等が予め格納されている。RAM(ランダム・アクセス・メモリ)13は、SRAM又はフラッシュメモリ等で構成される。CPU11は、このRAM13をワーク領域として利用しながら、ROM12内の制御プログラムを実行する。その為、RAM13には、制御プログラムの実行時に発生するデータが、一時的に記憶される。
【0036】
取得部15は、データバス19を介してCPU11に接続されると共に、撮像装置2に接続され、撮像装置2からの出力データを、アナログ−デジタル変換して記憶部16へ格納する。撮像装置2は、撮像部分としてCCD(Charge Coupled Device)カメラを有し、検査対象であるガラス基板3を撮像して、撮像データ(被検査画像データ)を生成する。なお、撮像装置2は、欠陥検査装置1のCPU11から取得部15を介して撮像の指示信号が入力されることにより、ガラス基板3を撮像するように設定されている。
【0037】
記憶部16は、HDD(ハードディスク・ドライブ)等からなり、データバス19を介してCPU11に接続されており、CPU11の制御に基づいて、取得部15が撮像装置2から取得した撮像データ等を格納し、記憶する。記憶部16は、またCPU11による欠陥検査結果(欠陥データ)を、CPU11の制御に基づいて記憶する。なお、後述する基準画像データ、区画基準領域データ等の各種データも、この記憶部16に予め記憶されている。
【0038】
表示部17は、CRT又はLCD等からなり、データバス19を介してCPU11に接続されており、欠陥検査装置1の動作状態及び欠陥検査結果、並びにROM12に格納されている各種メニュー等の表示を行う。
【0039】
入力部18は、キーボード及びマウス等からなり、データバス19を介してCPU11に接続されており、表示部17の表示内容に従って作業者が、この入力部18を利用して欠陥検査装置1を操作する。作業者によって入力部18より入力された種々の指示情報は、CPU11の制御に基づいて、RAM13に格納される。
【0040】
外部インターフェイス(I/F)14は、データバス19を介してCPU11に接続されており、CPU11の制御に基づいて、記憶部15に記憶されている欠陥検査装置1の検査結果を、ネットワーク20を介してデータ管理サーバ150へ送信する。なお、ネットワーク20には、図示されない他の欠陥検査装置が複数台接続されている。
【0041】
欠陥検査装置1が検出する欠陥部としては、例えば、ガラス基板3上に異物が付着している部分、ガラス基板3上で配線パターンが欠落している部分等が挙げられる。欠陥検査装置1は、このようなガラス基板3上の欠陥部を検出し、検出された欠陥部に対応する欠陥データを生成し、その欠陥データをネットワーク20を介して管理サーバ150へ送信する処理を行うための装置である。このような欠陥検査装置1における処理は、ROM12に記憶されたプログラムをCPU11で実行することによって実現される。
【0042】
図2は、図1に示される欠陥検査装置の機能ブロック図である。以下、図1及び図2を参照しつつ、欠陥検査装置の処理工程を説明する。
【0043】
入力部18を介して入力された作業者からの指示に従って、欠陥検査装置1における前記処理が開始される。処理が開始されると、CPU11は取得部15を介して撮像装置2に対して撮像の指示信号を出力し、撮像装置2はその指示信号に基づいてガラス基板3の表面を撮像して画像データ(被検査画像データ)を生成する。この画像データは、撮像装置2から取得部15(被検査画像データ取得部101)によって取得され、デジタル信号に変換されて記憶部16へ送られ格納される。
【0044】
次いで、検出部103が、記憶部16から被検査画像データと、予め記憶部16(基準画像データ記憶部102)に記憶されているその被検査画像データに対応する基準画像データとを読み出し、欠陥部を検出する処理を実行する。検出部103は、被検査画像データと、それに対応する基準画像データとを比較し、照合することによって、被検査画像データに欠陥部に相当する部分(以下、単に欠陥部と称する場合がある)が含まれているか否かを判定して、その欠陥部を検出する。基準画像データは、検査対象であるガラス基板3の設計データに基づいて生成されたデータである。なお、他の実施形態においては、正常なガラス基板3を予め撮像装置2で撮像して得られる撮像データ等を基準画像データとして利用してもよい。
【0045】
検出部103は、被検査画像データから、欠陥部に相当する部分の画像データを抽出する欠陥部画像データ抽出部104を含む。欠陥部画像データ抽出部104は、被検査画像データと、その被検査画像データに対応する基準画像データとの差分等を利用して、欠陥部に相当する部分の画像データを抽出する。抽出された欠陥部画像データは、記憶部16へ送られ、格納される。
【0046】
欠陥データ生成部105は、欠陥部画像データを読み出し、基準画像データの座標系を用いて、その読み出した欠陥部画像データに対応する欠陥部の位置座標(欠陥位置座標)を定める。なお、本実施形態において利用される基準画像データは、2次元直交座標系で表されるものとする。
【0047】
図3は、検出部103により検出された欠陥部の位置を模式的に表した説明図である。図3には、複数個の欠陥部fが、被検査画像データとして表現されているガラス基板3面上に存在する様子が示されている。また、図3には、基準画像データに対応した座標軸が示されている。この座標軸は、横軸がxで示され、縦軸がyで示されている。例えば、図3に示される欠陥部f1の位置座標は、(x,y)=(a,b)として表現される。このようにして、検出部103により検出された各欠陥部fに対して、それぞれ前記座標軸に基づく座標値(位置座標)が決定される。
【0048】
サイズ計測部106は、欠陥部画像データを記憶部16から読み出し、読み出した欠陥部画像データに基づいて、欠陥部の大きさを分類し、その欠陥部に対応した欠陥サイズデータを生成する。つまりサイズ計測部106は、前記欠陥部画像データと共に、予め記憶部16に記憶されている基準サイズデータを読み出し、この基準サイズデータと、欠陥部画像データとを比較することによって、欠陥部のサイズを特定し、それに対応した欠陥サイズデータを生成する。
【0049】
タイプ判別部107は、欠陥部画像データを記憶部16から読み出し、読み出した欠陥部画像データに基づいて、欠陥部を形・色等によって分類し、その欠陥部に対応した欠陥タイプデータを生成する。つまりタイプ判別部107は、前記欠陥部画像データと共に、予め記憶部16に記憶されている基準タイプデータを読み出し、この基準タイプデータと、欠陥部画像データとを比較することによって、欠陥部の種類を特定し、それに対応した欠陥タイプデータを生成する。
【0050】
関連付部108は、欠陥データ生成部105により生成された欠陥部の位置座標(欠陥位置座標)に対して、サイズ計測部106により生成されたその欠陥部に対応する欠陥サイズデータと、タイプ判別部107により生成されたその欠陥部に対応する欠陥タイプデータとを関連付ける処理を実行する。つまり、関連付部によって、欠陥位置座標と、欠陥サイズデータと、欠陥タイプデータとが、1つの欠陥データとしてまとめられる。関連付部108によりまとめられた欠陥データは、記憶部16へ送られ、格納される。
【0051】
次いで、欠陥部個数算出部110が、記憶部16から欠陥位置座標と、予め記憶部16(区画基準領域データ記憶部109)に記憶されている区画基準領域データとを読み出し、欠陥位置座標及び区画基準領域データに基づいて、区画基準領域データにおける各領域に存在する欠陥部の個数を算出する処理を実行する。区画基準領域データは、検査対象であるガラス基板3に対応するものであり、かつ、ガラス基板3を撮像して得られた被検査画像データにも対応するものである。この区画基準領域データは、被検査画像データを複数個の領域に区分(区画)するように設定されている。被検査画像データの区分数(領域数)、区分された各領域の大きさ等の条件は、経験則等に基づいて、適宜設定される。区画基準領域データの座標系は、前記基準画像データの座標系に対応するように設定されている。
【0052】
図4は、図3に示される欠陥部と共に、区画基準領域データ4を模式的に表した説明図である。図4において、区画基準領域データ4の各領域は、破線で囲まれた部分として模式的に示されている。本実施形態においては、各領域の大きさ(面積)は、それぞれ同じになるように設定されている。欠陥部個数算出部110は、領域毎に、欠陥部の個数を算出するように設定されている。各領域の欠陥部の個数は、前記欠陥位置座標の個数に対応するように設定されている。各領域における欠陥部の個数データは、記憶部16へ送られ、格納される。
【0053】
なお、区画基準領域データの各領域には、位置を特定するための領域位置データが予め割り当てられている。例えば、図4に示される区画基準領域データは、縦方向に並ぶ各領域に対してそれぞれ符号A〜Hが割り当てられ、横方向に並ぶ各領域に対してそれぞれ符号1〜10が割り当てられている。その為、各領域の位置(領域位置データ)は、これらの符号を利用して特定される。例えば、欠陥部f1が存在する領域の領域位置データは、これらの符号を利用すると「B5」となる。
【0054】
欠陥部密集領域検出部112は、記憶部16から各領域の欠陥部個数データと、予め記憶部16(許容値記憶部111)に記憶されている区画基準領域データの各領域に対して定められた許容値(閾値)とを読み出して、欠陥部が密集した領域(欠陥部密集領域)を検出する処理を実行する。区画基準領域データの各領域に対して、それぞれ予め許容できる欠陥部の個数が、許容値αとして定められている。各領域の許容値は、経験則等に基づいて適宜設定される。本実施形態においては、全ての領域に対して、同じ許容値α=5(個)が予め設定されている。なお、他の実施形態においては、領域毎に異なる許容値が設定されてもよい。本実施形態においては、説明の便宜上、許容値を上記のようにα=5として設定しているが、他の実施形態においては、例えば、α=1,000のように設定してもよい。
【0055】
欠陥部密集領域検出部112は、領域毎に、その領域に対応した欠陥部の個数(欠陥部個数データ)と、許容値αとを比較し、欠陥部の個数が許容値αを超えるか否かを判断して、欠陥部の個数が許容値αを超える領域を検出する。この領域が、欠陥部密集領域とされる。例えば、図4に模式的に示される区画基準領域データにおいて、領域位置データが「D1」の領域(以下、領域D1)には、欠陥部fが10個存在している。その為、領域D1は、欠陥部密集領域検出部によって、欠陥部密集領域として検出される。領域D1以外の領域は、図4に示されるように、各領域内の欠陥部の個数が許容値以下であるため、欠陥部密集領域として検出されない。検出された欠陥部密集領域に関する情報(位置領域データ)は、記憶部16へ送られ、格納される。
【0056】
置換部114は、記憶部16(領域位置データ記憶部113)から、検出された欠陥部密集領域の位置領域データと、記憶部16からその欠陥部密集領域に存在する全ての欠陥部の欠陥データとを読み出し、その読み出した各欠陥部の欠陥データを、1つの位置領域データに置き換える処理を実行する。例えば、置換部114は、欠陥部密集領域である領域D1の位置領域データ「D1」と、領域D1に存在する10個の欠陥部fに対応した10個の欠陥データとを読み出し、この10個の欠陥データを、1つの位置領域データ「D1」に置換する。つまり、置換後の領域D1における欠陥部に関する欠陥データは、その領域の位置領域データ「D1」のみとなる。置換後の欠陥データは、記憶部16へ送られ、格納される。
【0057】
このように、置換部114によって、欠陥部密集領域に存在する欠陥部の欠陥データが、その領域に対応した領域位置データに置換されることによって、欠陥部の欠陥データの全体量を従来と比べて減らすことができる。なお、欠陥部密集領域に対応した領域位置データがあれば、検査対象のガラス基板3において、欠陥部が密集している個所を、区画基準領域データの領域単位で、把握することが可能である。その為、本実施形態の欠陥検査装置1においても、利用目的によっては、十分にガラス基板の欠陥発生状況を把握できる。
【0058】
送信部115は、記憶部16に記憶されている、領域位置データに置換された欠陥部密集領域に存在する欠陥部の欠陥データと、記憶部16に記憶されている、欠陥部密集領域以外の領域に存在する全ての欠陥部に対応した欠陥データとを読み出し、これらの欠陥データを、外部インターフェース14及びネットワーク20を介してデータ管理サーバ150へ送信する処理を実行する。このように送信部115によって、検査対象であるガラス基板3の欠陥発生状況の把握に最低限必要な情報のみが、データ管理サーバ150へ送られることになる。その為、本実施形態の欠陥検査装置1によれば、データ管理サーバ150が欠陥発生状況の把握の為に管理する情報(欠陥データ)量を、従来と比べて少なくできる。
【0059】
このような欠陥検査装置1を利用すれば、欠陥データ量を抑制しつつ欠陥情報の管理を行うことができる。
【0060】
〔第2実施形態〕
続いて、他の実施形態(第2実施形態)に係る欠陥検査装置について説明する。なお第2実施形態の欠陥検査装置におけるハードウェア構成は、図1に示される欠陥検査装置1のものと同様である。その為、第2実施形態における欠陥検査装置の各構成を説明する際、図1に示される第1実施形態の欠陥検査装置1の各構成の符号をそのまま利用する。
【0061】
上記のように、第2実施形態の欠陥検査装置1のハードウェア構成は、第1実施形態のものと同様であるが、第2実施形態の欠陥検査装置1の処理動作は、第1実施形態のものとは異なっている。図5は、第2実施形態における欠陥検査装置の機能ブロック図である。以下、図1及び図5を参照しつつ、第2実施形態における欠陥検査装置1の処理工程を説明する。
【0062】
先ず第1実施形態と同様に、入力部18を介して入力された作業者からの指示に従って、欠陥検査装置1における前記処理が開始される。すると、第1実施形態と同様に、撮像装置2によってガラス基板3の撮像データ(被検査画像データ)が生成され、それが取得部15(被検査画像データ取得部201)によって取得され、デジタル信号に変換されて記憶部16へ送られる。
【0063】
次いで、検出部203が、記憶部16から被検査画像データと、予め記憶部16(分割基準画像データ記憶部202)に記憶されているその被検査画像データに対応する分割基準画像データとを読み出し、欠陥部を検出する処理を実行する。この分割基準画像データは、第1実施形態で利用される基準画像データを、複数個の領域に区分(区画)するように分割処理したものからなる。つまり、分割基準画像データは、第1実施形態で利用される基準画像データの機能と、第1実施形態で利用される区画基準データの機能とを併せ持つものからなる。検出部203は、被検査画像データと、それに対応しかつ複数個の領域に分割された前記分割基準画像データとを比較し、照合することによって、それの領域毎に、被検査画像データに欠陥部に相当する部分が含まれているか否かを判定して、その欠陥部を領域毎に検出するように設定されている。
【0064】
検出部203は、被検査画像データから、分割基準画像データの領域毎に、欠陥部に相当する部分の画像データを抽出する欠陥部画像データ抽出部204を含む。欠陥部画像データ抽出部204は、第1実施形態の欠陥部画像データ抽出部104と同様にして、欠陥部画像データを抽出する。抽出された欠陥部画像データは、記憶部16へ送られ、格納される。
【0065】
欠陥データ生成部205は、欠陥部画像データを記憶部16から読み出し、分割基準画像データの座標系を用いて、その読み出した欠陥部画像データに対応する欠陥部の位置座標(欠陥位置座標)を定める。本実施形態における欠陥データ生成部205も、第1実施形態と同様、2次元直交座標系が利用される。
【0066】
サイズ計測部206及びタイプ判別部207は、第1実施形態のものと同様にして、検出された欠陥部に対して、欠陥サイズデータ及び欠陥タイプデータを生成する。また関連付部208は第1実施形態のものと同様にして、欠陥位置座標に対して、欠陥サイズデータと、欠陥タイプデータとを関連付ける処理を実行する。関連付部208によりまとめられた欠陥データは、記憶部16へ送られ、格納される。
【0067】
欠陥部個数算出部210は、前記分割基準画像データの領域毎に検出された欠陥部の個数を算出する処理を実行する。各領域の欠陥部の個数は、前記欠陥位置座標の個数に対応するように設定されている。各領域の欠陥部の個数データは、記憶部へ送られ、格納される。
【0068】
欠陥部密集領域検出部212は、記憶部16から各領域の欠陥部個数データと、予め記憶部16(許容値記憶部211)に記憶されている分割基準画像データの各領域に対して定められた許容値(閾値)とを読み出して、欠陥部が密集した領域(欠陥部密集領域)を検出する処理を実行する。本実施形態においても、第1実施形態の区画基準領域データと同様、分割基準画像データの各領域に対して、それぞれ予め許容できる欠陥部の個数が、許容値αとして定められている。また、第2実施形態の分割基準画像データの各領域には、第1実施形態の区画基準領域データと同様にして、位置を特定するための領域位置データが予め割り当てられている。
【0069】
欠陥部密集領域検出部212は、分割基準画像データの領域毎に、その領域に対応した欠陥部の個数(欠陥部個数データ)と、許容値αとを比較し、欠陥部の個数が許容値αを超えるか否かを判断し、欠陥部の個数が許容値αを超える領域を検出する。このように検出された領域が、欠陥部密集領域とされる。なお、本実施形態においては、第1実施形態と同様、全ての領域に対して同じ許容値αが設定されている。検出された欠陥部密集領域に関する情報(位置領域データ)は、記憶部16へ送られ、格納される。
【0070】
置換部214は、第1実施形態と同様にして、記憶部16(領域位置データ記憶部213)から、検出された欠陥部密集領域の位置領域データと、記憶部16からその欠陥部密集領域に存在する全ての欠陥部の欠陥データとを読み出し、その読み出した各欠陥部の欠陥データを、1つの位置領域データに置き換える処理を実行する。置換後の欠陥データは、記憶部16へ送られ、格納される。
【0071】
このように、第2実施形態の欠陥検査装置1においても、欠陥部の欠陥データの全体量を、従来の欠陥検査装置と比べて減らすことができる。
【0072】
また、送信部215は、第1実施形態と同様にして、記憶部16に記憶されている、領域位置データに置換された欠陥部密集領域に存在する欠陥部の欠陥データと、記憶部16に記憶されている、欠陥部密集領域以外の領域に存在する全ての欠陥部に対応した欠陥データとを読み出し、これらの欠陥データを、外部インターフェース14及びネットワーク20を介してデータ管理サーバ150へ送信する処理を実行する。このように送信部215によって、検査対象であるガラス基板3の欠陥発生状況の把握に最低限必要な情報のみが、データ管理サーバ150へ送られることになる。その為、データ管理サーバ150が欠陥発生状況の把握の為に管理する情報(欠陥データ)量を、従来と比べて少なくできる。
【0073】
このような第2実施形態に係る欠陥検査装置1を利用すれば、欠陥データ量を抑制しつつ欠陥情報の管理を行うことができる。
【0074】
〔第3実施形態〕
図6は、他の実施形態に係る欠陥検査装置の機能ブロック図の一部を示す説明図である。本実施形態の欠陥検査装置の基本構成は、図1と同様である。またこの欠陥検査装置における各構成の基本的な機能も、図2の機能ブロック図で示される内容と同様である。ただし、本実施形態の欠陥検査装置は、図1及び図2に示される第1実施形態の欠陥検査装置に加えて、更に監視部116と、報知部117とを備えるものからなる(図6参照)。
【0075】
欠陥検査装置1が同じ区画基準領域データを利用して複数枚のガラス基板3を検査する際、監視部116は、区画基準領域データの特定の領域が、連続して欠陥部密集領域検出部112によって検出されるか否かを監視する処理を実行する。欠陥検査装置1が、欠陥部ではない個所を欠陥部として検出(つまり、誤検出)している場合、区画基準領域データの特定の領域が、複数枚のガラス基板3にわたって、欠陥部密集領域として検出され続けることがある。その為、監視部116は、欠陥検査装置1が誤検出している可能性がある場合を発見するために、設けられている。監視部116は、誤検出の可能性があるデータのパターンと、送信部115が送信した欠陥データのパターンとを比較して、誤検出の可能性を判断する。なお、誤検出を判断する際に利用される前記データは、予め記憶部16に記憶されている。またこのデータ(パターン)は、経験則等に基づいて、作成されるものである。
【0076】
報知部117は、監視部116の監視結果に基づいて、欠陥検査装置1が誤検出している可能性を、作業者に知らせる処理を実行する。監視部116が誤検出の可能性があると判断した場合、報知部117は表示部17等を利用して、作業者に誤検出の可能性を知らせるように設定されている。なお、本実施形態の欠陥検出装置は、誤検出の可能性を知らせるための専用ブザー、専用ランプ等を利用して、作業者に誤検出の可能性を知らせてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 欠陥検査装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 外部インターフェース
15 取得部
16 記憶部
17 表示部
18 入力部
19 データバス
20 ネットワーク
150 データ管理サーバ
2 撮像装置
3 ガラス基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査基板面上の欠陥部を検出し、前記欠陥部に対応する欠陥データを生成し、前記欠陥データを、ネットワークを介して接続される管理サーバへ送信する欠陥検査装置であって、
撮像装置が前記被検査基板面を撮像することによって得られた被検査画像データを取得する取得手段と、
前記被検査画像データと、それに対応する予め定められた基準画像データとを比較して、前記欠陥部を検出する検出手段と、
前記基準画像データの座標系を用いて、検出された欠陥部の位置座標を特定し、少なくとも前記位置座標を含む欠陥データを生成する生成手段と、
前記被検査画像データに対応しかつ前記座標系で表され、前記被検査画像データを複数個の領域に区画するような予め定められた区画基準領域データと、前記位置座標とに基づいて、各領域に存在する欠陥部の個数を算出する算出手段と、
算出された各領域における欠陥部の個数と、各領域に対して予め定められた許容値とを比較して、欠陥部が密集した領域を検出する領域検出手段と、
検出された領域における各欠陥部の欠陥データを、その領域に対して予め定められた領域位置データに置換する置換手段と、
領域検出手段により検出されなかった領域における欠陥部の欠陥データと、置換手段により置換された領域位置データとを前記管理サーバへ送信する送信手段と、を備える欠陥検査装置。
【請求項2】
検出手段が、被検査画像データから、欠陥部に対応する欠陥部画像データを抽出する抽出手段を含む請求項1に記載の欠陥検査装置。
【請求項3】
抽出手段により得られた欠陥部画像データに基づいて、欠陥部のサイズを計測する計測手段と、
前記欠陥部画像データと、予め定められた欠陥タイプデータとを比較して、欠陥部のタイプを判別する判別手段と、
生成手段により得られた少なくとも欠陥部の位置座標を含む欠陥データに、計測手段により得られたその欠陥部のサイズデータと、判別手段により得られたその欠陥部のタイプデータとを関連づける関連付手段と、を備える請求項2に記載の欠陥検査装置。
【請求項4】
同じ区画基準領域データを利用して検査される複数枚の被検査基板において、連続して同じ領域が、領域検出手段により欠陥部密集領域として検出されるか否かを監視する監視手段と、
監視結果に基づいて、誤検出を報知する報知手段と、を備える請求項1〜3の何れか1項に記載の欠陥検査装置。
【請求項5】
被検査基板面上の欠陥部を検出し、前記欠陥部に対応する欠陥データを生成し、前記欠陥データを、ネットワークを介して接続される管理サーバへ送信する欠陥検査装置であって、
撮像装置が前記被検査基板面を撮像することによって得られた被検査画像データを取得する取得手段と、
前記被検査画像データと、それに対応しかつ複数個の領域に分割された予め定められた分割基準画像データとを比較して、領域毎に前記欠陥部を検出する検出手段と、
前記分割基準画像データの座標系を用いて、検出された欠陥部の位置座標を特定し、少なくとも前記位置座標を含む欠陥データを生成する生成手段と、
領域毎に検出された欠陥部の個数を算出する算出手段と、
算出された各領域における欠陥部の個数と、各領域に対して予め定められた許容値とを比較して、欠陥部が密集した領域を検出する領域検出手段と、
検出された領域における各欠陥部の欠陥データを、その領域に対して予め定められた領域位置データに置換する置換手段と、
領域検出手段により検出されなかった領域における欠陥部の欠陥データと、置換手段により置換された領域位置データとを前記管理サーバへ送信する送信手段と、を備える欠陥検査装置。
【請求項6】
検出手段が、被検査画像データから、欠陥部に対応する欠陥部画像データを抽出する抽出手段を含む請求項5に記載の欠陥検査装置。
【請求項7】
抽出手段により得られた欠陥部画像データに基づいて、欠陥部のサイズを計測する計測手段と、
前記欠陥部画像データと、予め定められた欠陥タイプデータとを比較して、欠陥部のタイプを判別する判別手段と、
生成手段により得られた少なくとも欠陥部の位置座標を含む欠陥データに、計測手段により得られたその欠陥部のサイズデータと、判別手段により得られたその欠陥部のタイプデータとを関連づける関連付手段と、を備える請求項6に記載の欠陥検査装置。
【請求項8】
同じ区画基準領域データを利用して検査される複数枚の被検査基板において、連続して同じ領域が、領域検出手段により欠陥部密集領域として検出されるか否かを監視する監視手段と、
監視結果に基づいて、誤検出を報知する報知手段と、を備える請求項5〜7の何れか1項に記載の欠陥検査装置。
【請求項9】
被検査基板面上の欠陥部を検出し、前記欠陥部に対応する欠陥データを生成し、前記欠陥データを、ネットワークを介して接続される管理サーバへ送信する欠陥情報管理方法であって、
撮像装置が前記被検査基板面を撮像することによって得られた被検査画像データを取得する取得工程と、
前記被検査画像データと、それに対応する予め定められた基準画像データとを比較して、前記欠陥部を検出する検出工程と、
前記基準画像データの座標系を用いて、検出された欠陥部の位置座標を特定し、少なくとも前記位置座標を含む欠陥データを生成する生成工程と、
前記被検査画像データに対応しかつ前記座標系で表され、前記被検査画像データを複数個の領域に区画するような予め定められた区画基準領域データと、前記位置座標とに基づいて、各領域に存在する欠陥部の個数を算出する算出工程と、
算出された各領域における欠陥部の個数と、各領域に対して予め定められた許容値とを比較して、欠陥部が密集した領域を検出する領域検出工程と、
検出された領域における各欠陥部の欠陥データを、その領域に対して予め定められた領域位置データに置換する置換工程と、
領域検出手段により検出されなかった領域における欠陥部の欠陥データと、置換手段により置換された領域位置データとを前記管理サーバへ送信する送信工程と、を備える欠陥情報管理方法。
【請求項10】
検出工程が、被検査画像データから、欠陥部に対応する欠陥部画像データを抽出する抽出工程を含む請求項9に記載の欠陥情報管理方法。
【請求項11】
抽出工程により得られた欠陥部画像データに基づいて、欠陥部のサイズを計測する計測工程と、
前記欠陥部画像データと、予め定められた欠陥タイプデータとを比較して、欠陥部のタイプを判別する判別工程と、
生成工程により得られた少なくとも欠陥部の位置座標を含む欠陥データに、計測工程により得られたその欠陥部のサイズデータと、判別工程により得られたその欠陥部のタイプデータとを関連づける関連付工程と、を備える請求項10に記載の欠陥情報管理方法。
【請求項12】
同じ区画基準領域データを利用して検査される複数枚の被検査基板において、連続して同じ領域が、領域検出工程により欠陥部密集領域として検出されるか否かを監視する監視工程と、
監視結果に基づいて、誤検出を報知する報知工程と、を備える請求項9〜11の何れか1項に記載の欠陥情報管理方法。
【請求項13】
被検査基板面上の欠陥部を検出し、前記欠陥部に対応する欠陥データを生成し、前記欠陥データを、ネットワークを介して接続される管理サーバへ送信する欠陥情報管理方法であって、
撮像装置が前記被検査基板面を撮像することによって得られた被検査画像データを取得する取得工程と、
前記被検査画像データと、それに対応しかつ複数個の領域に分割された予め定められた分割基準画像データとを比較して、領域毎に前記欠陥部を検出する検出工程と、
前記分割基準画像データの座標系を用いて、検出された欠陥部の位置座標を特定し、少なくとも前記位置座標を含む欠陥データを生成する生成工程と、
領域毎に検出された欠陥部の個数を算出する算出工程と、
算出された各領域における欠陥部の個数と、各領域に対して予め定められた許容値とを比較して、欠陥部が密集した領域を検出する領域検出工程と、
検出された領域における各欠陥部の欠陥データを、その領域に対して予め定められた領域位置データに置換する置換工程と、
領域検出工程により検出されなかった領域における欠陥部の欠陥データと、置換工程により置換された領域位置データとを前記管理サーバへ送信する送信工程と、を備える欠陥情報管理方法。
【請求項14】
検出工程が、被検査画像データから、欠陥部に対応する欠陥部画像データを抽出する抽出工程を含む請求項13に記載の欠陥情報管理方法。
【請求項15】
抽出工程により得られた欠陥部画像データに基づいて、欠陥部のサイズを計測する計測工程と、
前記欠陥部画像データと、予め定められた欠陥タイプデータとを比較して、欠陥部のタイプを判別する判別工程と、
生成工程により得られた少なくとも欠陥部の位置座標を含む欠陥データに、計測工程により得られたその欠陥部のサイズデータと、判別工程により得られたその欠陥部のタイプデータとを関連づける関連付工程と、を備える請求項14に記載の欠陥情報管理方法。
【請求項16】
同じ区画基準領域データを利用して検査される複数枚の被検査基板において、連続して同じ領域が、領域検出工程により欠陥部密集領域として検出されるか否かを監視する監視工程と、
監視結果に基づいて、誤検出を報知する報知工程と、を備える請求項13〜15の何れか1項に記載の欠陥情報管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−128030(P2011−128030A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287143(P2009−287143)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】