説明

水田作業機

【課題】植播系作業装置の昇降に関連して作動するように構成された昇降関連作業装置の作動を、不要な誤操作などを生じる虞少なく行えるようにする。
【解決手段】植播系作業装置の昇降作動方向、及び植播系作業装置が所定高さ位置H2の上側または下側の何れの側に位置するかの判別結果に基づいて、昇降関連作業装置の作動状態を、昇降作動行程中における所定高さ位置H2の上側と下側とで互いに作動状態が異なり、かつ所定高さ位置H2の下側における作動状態が、昇降作動行程の上昇行程でも下降行程でも同じ作動状態に維持されるように構成し、所定高さ位置H2を変更可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体に対して昇降可能に連結された植播系作業装置を備えた水田作業機において、前記植播系作業装置の昇降に関連して作動するように構成された昇降関連作業装置を備え、その昇降関連作業装置の作動状態を前記植播系作業装置の昇降作動位置に関連して制御するようにした技術に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のように、植播系作業装置の昇降に関連して昇降関連作業装置の作動状態を制御するようにした水田作業機としては、下記[1],[2]に記載のものが知られている。
[1]走行機体に対して昇降可能に連結された植播系作業装置としての苗植付け装置の位置を、下降させて作業を行うための下降作業位置と、上限まで上昇させた上昇限界位置とにわたって高さ変更可能に、かつ、その下降作業位置と上昇限界位置との間における任意の高さ位置に植播系作業装置を停止させることも可能にするとともに、昇降関連作業装置として備えたマーカを、前記植播系作業装置の昇降に関連して作動する状態と関連作動しないようにする状態とに切り換え可能に構成したもの(特許文献1参照)。
【0003】
[2]走行機体に対して昇降可能に連結された植播系作業装置としての苗植付け装置の位置を、下降させて作業を行うための下降作業位置と、上限まで上昇させた上昇限界位置とにわたって高さ変更可能に構成するとともに、前記苗植付け装置の昇降に関連して作動するように構成された昇降関連作業装置としてマーカを備えている。そして、そのマーカの姿勢を、前記下降作業位置と上昇限界位置との間に設定した所定高さ位置よりも高い位置では苗植付け装置の昇降に関連作動させず、所定高さ以下になればマーカが昇降動作に関連して作動するように構成したもの(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−275410号公報(段落〔0024〕、〔0028〕〜〔0033〕、図2、図3、図4)
【特許文献2】特開2007−306814号公報(段落〔0036〕、〔0043〕、〔0044〕、図2、図6、図10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記[1]のように、下降作業位置と上昇限界位置との間における任意の高さ位置にも植播系作業装置としての苗植付け装置を停止させられるようにするとともに、昇降関連作業装置として備えたマーカを、前記植播系作業装置の昇降に関連して作動する状態と関連作動しないようにする状態とに切り換え可能に構成したものでは、苗植付け装置を任意の高さ位置で停止できる点や、苗植付け装置の昇降操作に伴ってマーカの出退操作を同時的に連動させて行うこともできる点で有用なものである。
しかしながら、この構造のものでは、苗植付け装置の昇降操作に連動してマーカの出退操作が自動的に行われるようにしてあると、操作具に運転者の身体や衣服の一部が触れてしまった場合などに、実際にはマーカの出退操作を行う必要がない状況で、不要な操作が行われてしまうことがあり、マーカが圃場の端部の畦や立木等の障害物に触れて損傷するなどの不具合を招く虞がある。
【0006】
上記[2]のように、植播系作業装置としての苗植付け装置の昇降に関連して作動するように構成された昇降関連作業装置としてのマーカの姿勢を、下降作業位置と上昇限界位置との間に設定した所定高さ位置よりも高い位置では関連作動させず、所定高さ以下の低い高さ位置に達してからマーカの作用姿勢側への作動を開始するようにした構造のものでは、苗植付け装置が所定高さよりも低い位置にないとマーカの作用姿勢側への作動が行われないので、マーカの作用姿勢側への作動に関しては、上述のような誤作動を生じる虞が少ない点で有用である。
しかしながら、この構造ものでは、苗植付け装置が前記所定高さ以下の低い位置から高い位置に移行する際には、苗植付け装置の昇降作動に関連して、マーカも格納姿勢となるように操作されるので、この所定高さ以下の低い位置で、前記[1]の場合と同様な不具合、つまり、操作具に運転者の身体や衣服の一部が触れてしまった場合などに、実際にはマーカの出退操作を行う必要がない状況で、不要な操作が行われてしまう虞がある。
【0007】
本発明は、植播系作業装置の昇降に関連して作動するように構成された昇降関連作業装置の作動を行わせるにあたり、不要な誤操作などを生じる虞の少ない水田作業機を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために講じた本発明の技術手段は、次の点に構成上の特徴、及び作用効果がある。
【0009】
〔解決手段1〕
本発明にかかる水田作業機は、播種又は苗植付けを行う植播系作業装置を、走行機体に対して昇降操作自在に装備し、この植播系作業装置の対機体高さ位置を、下降させて作業を行うための下降作業位置と、上限まで上昇させた上昇限界位置とにわたって高さ変更可能に構成するとともに、前記植播系作業装置の昇降に関連して作動するように構成された昇降関連作業装置を備え、前記下降作業位置と上昇限界位置との間における前記植播系作業装置の昇降作動行程の途中に所定高さ位置を設定し、前記植播系作業装置の昇降作動方向、及び前記植播系作業装置が前記所定高さ位置の上側または下側の何れの側に位置するかの判別結果に基づいて、前記昇降関連作業装置の作動状態を、前記昇降作動行程中における前記所定高さ位置の上側と下側とで互いに作動状態が異なり、かつ前記所定高さ位置の下側における作動状態が、前記昇降作動行程の上昇行程でも下降行程でも同じ作動状態に維持されるように構成してあり、さらに、前記所定高さ位置を設定変更可能に構成してある点に構成上の特徴がある。
【0010】
〔解決手段1にかかる発明の作用及び効果〕
上記解決手段1で示した本発明の構成によると、昇降関連作業装置の作動状態を、植播系作業装置の昇降作動行程中における所定高さ位置の上側と下側とで作動状態が異なるように設定してあるので、植播系作業装置が昇降作動行程中の所定高さ位置に達するまでは無用な作動を行わせず、所定高さ位置に達してから必要な作動が行われるように構成することができる。したがって、必要な作動状態を必要な範囲で的確に働かせることができ、作動状態とする必要のない範囲で作動することによる無駄や弊害を少なくすることができる。
また、前記昇降関連作業装置において、植播系作業装置の昇降作動行程中における所定高さ位置の下側における作動状態は、上昇行程でも下降行程でも同じ作動状態に維持されるように構成してあるので、所定高さ位置の下側で昇降方向を変化させても作動状態は変化しない。したがって、例えば誤操作が行われても、そのことに気付いてから所定高さ位置を越えるまでに操作をやり直せば、誤操作が実行される前に正しい操作状態に修正することが容易である。
そして、前記所定高さ位置は設定変更可能に構成されているので、所定高さ位置を設定する際に、対象となる作業内容や操縦者の感覚に応じて適正な高さに設定することができ、操作感覚の良い状態での作業を行い易いという利点がある。
【0011】
〔解決手段2〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項2に記載のように、昇降関連作業装置が田面に指標を形成するマーカであり、植播系作業装置の上昇作動に際して前記マーカが作用姿勢から格納姿勢に姿勢変更されるように構成してあるとともに、前記マーカの姿勢変更は、下降作業位置にある前記植播系作業装置が所定高さ位置に達するまでは、前記マーカの格納姿勢側への姿勢変更作動を停止し、前記植播系作業装置が所定高さ位置を過ぎてから前記マーカの格納姿勢側への姿勢変更作動が行われるように構成したことである。
【0012】
〔解決手段2にかかる作用及び効果〕
上記の解決手段2にかかる本発明の水田作業機では、昇降関連作業装置としてのマーカの姿勢変更が、下降作業位置にある植播系作業装置が所定高さ位置に達するまでは、前記マーカの格納姿勢側への姿勢変更作動を停止している。そして、植播系作業装置が所定高さ位置を過ぎてからマーカの格納姿勢側への姿勢変更作動が行われるように構成してある。これにより、マーカを作用姿勢とすることが必要な範囲であるところの、前記所定高さ位置よりも下方側の範囲では、マーカの格納姿勢側への姿勢変更作動を停止してマーカが作用姿勢に維持され、植播系作業装置が所定高さ位置を過ぎてからマーカの格納姿勢側への姿勢変更作動が行われる。
したがって、前記下降作業位置にある植播系作業装置を誤って上昇側に操作しても、そのことに気付いてから所定高さ位置を越えるまでに操作をやり直せば、誤操作が実行される前に正しい操作状態に修正し、無用なマーカの格納操作や、それに伴う、左右マーカの切り換え作用などが生じることを回避できる利点がある。
【0013】
そして、上記のようにマーカの作用姿勢を維持される範囲が、単なる下降作業位置だけではなく、その下降作業位置から所定高さ位置に至るまでの範囲となるように広くしたものでありながら、マーカの格納姿勢側への姿勢変更作動が行われる位置は、植播系作業装置の昇降作動行程の途中に設定された所定高さ位置であるから、前記植播系作業装置を上昇限界位置にまで上昇作動させる必要なくマーカを格納姿勢に姿勢変更することができる。
したがって、例えば機体を後進させるときに、植播系作業装置を下降作業位置から所定高さ位置を少し越えた高さ位置にまで上昇させてから後進を行うと、植播系作業装置は所定高さ位置を少し越える位置まで上昇しているので、後進に際して整地フロートを浮かしぎみにして泥波の発生を回避し得るとともに、その状態でマーカは格納姿勢に操作される。
このように、植播系作業装置を所定高さ位置を少し越えた高さ位置という、比較的低い高さ位置にまで上昇させての後進を支障なく行えるので、植播系作業装置を上限まで大きく上昇させた場合のような後方視界の妨げを招いたり、植播系作業装置の昇降動作に無用な時間を費やす必要がないという利点がある。
【0014】
〔解決手段3〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項3に記載のように、昇降関連作業装置が植播系作業装置の水平方向姿勢を制御するローリング駆動機構であり、前記植播系作業装置の上昇作動に際して前記ローリング駆動機構が、ローリング制御の作動状態から、ローリング制御の作動を停止するローリングロック状態に変更されるように構成してあるとともに、前記ローリングロック状態は、下降作業位置にある前記植播系作業装置が所定高さ位置に達するまでは、前記ローリング駆動機構のローリング作動状態を維持し、前記植播系作業装置が所定高さ位置を過ぎてからローリングロック状態となるように構成してあることである。
【0015】
〔解決手段3にかかる作用及び効果〕
上記のように、解決手段3にかかる本発明の水田作業機では、昇降関連作業装置としてのローリング駆動機構が、下降作業位置にある植播系作業装置が所定高さ位置に達するまではローリング作動状態を維持し、前記植播系作業装置が所定高さ位置を過ぎてからローリングロック状態となるように構成してある。これにより、ローリング駆動機構をローリング制御の作動状態とすることが必要な範囲であるところの、前記所定高さ位置よりも下方側の範囲では、ローリングロック状態に変更する作動を停止してローリング駆動機構がローリング作動状態に維持され、植播系作業装置が所定高さ位置を過ぎてからローリングロック状態への変更作動が行われる。
したがって、前記下降作業位置にある植播系作業装置を誤って上昇側に操作しても、そのことに気付いてから所定高さ位置を越えるまでに操作をやり直せば、誤操作が実行される前に正しい操作状態に修正し、無用なローリングロック状態への変更作動が行われることを回避できる利点がある。
【0016】
そして、このようにローリング制御の作動状態を維持される範囲が、単なる下降作業位置だけではなく、その下降作業位置から所定高さ位置に至るまでの範囲とすることによって、例えば、次のような作用効果がある。
つまり、機体を後進させるときに、植播系作業装置を下降作業位置から所定高さ位置の少し手前の高さ範囲にまで上昇させてから後進を行うと、植播系作業装置は所定高さの手前まで上昇しているので、後進に際して整地フロートを浮かしぎみにして泥波の発生を回避し得るとともに、その状態でローリング制御は作動状態であるから、機体が左右に傾動しても、植播系作業装置の左右水平姿勢を維持するようにローリング作動して、植播系作業装置の左右の整地フロートの泥面への突入を回避することが可能である。
このように、植播系作業装置を下降作業位置から所定高さ位置の少し手前の高さ位置という、比較的低い高さ位置にまで上昇させての後進を支障なく行えるので、植播系作業装置を上限まで大きく上昇させた場合のような後方視界の妨げを招いたり、植播系作業装置の昇降動作に無用な時間を費やす必要がないという利点がある。
【0017】
〔解決手段4〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項4に記載のように、昇降関連作業装置が警報装置であり、植え付け不能状態で植播系作業装置が下降された際に前記警報装置が作動するように構成してあるとともに、前記植え付け不能状態における前記警報装置の作動は、上昇限界位置にある前記植播系作業装置が所定高さ位置に達するまでは、前記警報装置の作動停止状態を維持し、前記植播系作業装置が所定高さ位置を過ぎて下降されると警報作動状態となるように構成してあることである。
【0018】
〔解決手段4にかかる発明の作用及び効果〕
上記解決手段4で示した本発明の構成によると、植え付け不能状態であることの警報装置の作動は、上昇限界位置にある植播系作業装置が所定高さ位置に達するまでは作動停止状態を維持して下降し、植播系作業装置が所定高さ位置を過ぎて下降されると作動状態となる。つまり、警報装置の作動する範囲を、所定高さ位置よりも下方側のみに制限することができる。
したがって、下降作動が開始されるとすぐに警報装置が作動する構成のものに比べて、確実な警報作動を行えるものでありながら、その警報作動状態が必要以上に長く続くことを避けられ、騒音による作業環境の劣化を軽減できる利点がある。
つまり、植え付け不能状態が、苗植付け作業中における「苗切れ」や「肥料切れ」である場合に、下降作業位置にある植播系作業装置を上昇限界位置にまで戻す必要なく、所定高さ位置まで戻せば警報作動を解除することができる。
また、植え付け不能状態が「植付けクラッチの入れ忘れ」である場合には、上昇限界位置にある植播系作業装置を下降作動させる場合だけではなく、圃場端で植播系作業装置を持ち上げ機体を旋回させる場合にも警報装置が作動することになるが、このときの警報も、植播系作業装置を上昇限界位置にまで戻す必要なく、植播系作業装置が所定高さ位置よりも上側に位置するようにすればよい。
【0019】
〔解決手段5〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項5に記載のように、昇降関連作業装置が田面への肥料供給用の施肥ブロアであり、植播系作業装置の上昇作動に際して前記施肥ブロアが作動状態から作動停止状態に変更されるように構成してあるとともに、前記施肥ブロアの作動停止は、下降作業位置にある前記植播系作業装置が所定高さ位置に達するまでは、前記施肥ブロアの作動状態を維持し、前記植播系作業装置が所定高さ位置を過ぎてから前記施肥ブロアの作動が停止されるように構成してあることである。
【0020】
〔解決手段5にかかる作用及び効果〕
上記の解決手段5にかかる本発明の水田作業機では、施肥ブロアの作動は、下降作業位置にある植播系作業装置が所定高さ位置に達するまでは作動状態を維持し、植播系作業装置が所定高さ位置を過ぎてから作動が停止されるように構成してある。一般的に施肥ブロアは起動トルクが大きく起動時の消費電力も大きいものであるため、頻繁に入り切りを繰り返すよりも、短かい時間であれば実作業に用いていなくとも一定回転で駆動し続けておく方が、動力ロスを少なくする上で有利である。
そこで、この発明では、植播系作業装置が下降作業位置での作業が行われなくなったときに、直ちに施肥ブロアを停止させてしまうのではなく、下降作業位置にある植播系作業装置が所定高さ位置に達するまでは施肥ブロアの作動状態が維持されるようにしている。したがって、下降作業位置にある植播系作業装置を誤って上昇側に操作しても、そのことに気付いてから所定高さ位置を越えるまでに操作をやり直せば、誤操作による無用な施肥ブロアの作動停止を回避できる利点がある。
【0021】
〔解決手段6〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項6に記載のように、植播系作業装置が苗植え付け装置であり、昇降関連作業装置が植え付け条の内の少数条を植え付けるための植付け爪駆動機構に対する駆動の断続を行う少数条クラッチであり、前記苗植え付け装置の上昇作動に際して切り状態にある前記少数条クラッチが入り状態に作動形態を変更されるように構成してあるとともに、前記少数条クラッチの作動形態の変更は、下降作業位置にある前記苗植え付け装置が所定高さ位置に達するまでは、前記少数条クラッチの切り状態を維持し、前記苗植え付け装置が所定高さ位置を過ぎてから前記少数条クラッチが入り状態に変更されるように構成してあることである。
【0022】
〔解決手段6にかかる作用及び効果〕
上記のように、解決手段6にかかる本発明の水田作業機では、少数条クラッチの作動形態は、下降作業位置にある苗植え付け装置が所定高さ位置に達するまでは、少数条クラッチの切り状態を維持し、苗植え付け装置が所定高さ位置を過ぎてから少数条クラッチが入り状態となるように変更される。
一般的に少数条クラッチは、所定の少数条クラッチの切り状態で、苗植え付け装置を上昇させると、少数条クラッチの全てが入り状態に戻される。これは、左右方向での一方側における少数条クラッチを切り操作した後、圃場端で旋回して次に全条での植え付け作業を行う際の少数条クラッチの入れ忘れ防止のためである。
そこで、この発明では、植播系作業装置が下降作業位置での作業が行われなくなったときに、直ちに少数条クラッチの切り状態を解除して全条入り状態に戻してしまうのではなく、下降作業位置にある植播系作業装置が所定高さ位置に達するまでは少数条クラッチの切り状態が維持されるようにしている。したがって、下降作業位置にある植播系作業装置を誤って上昇側に操作しても、そのことに気付いてから所定高さ位置を越えるまでに操作をやり直せば、誤操作による無用な少数条クラッチの切り状態の解除操作を回避できる利点がある。
【0023】
〔解決手段7〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項7に記載のように、上昇限界位置と所定高さ位置とを設定変更可能に構成してあり、かつ、これらの両位置のうち一方を設定変更すると他方も連動して設定変更されるように構成してある。
【0024】
〔解決手段7にかかる発明の作用及び効果〕
上記解決手段7で示した本発明の構成によると、上昇限界位置と所定高さ位置とのうち一方を設定変更すると他方も連動して設定変更されるものであるから、上昇限界位置と所定高さ位置とのうちのいずれか一方の高さ位置を設定変更するだけで他方の高さ位置も設定変更できるので、変更調節操作を楽に行える利点がある。
また、上昇限界位置と所定高さ位置との高さの差を維持したままで設定変更できるので、この差を適正な範囲に維持しての高さ位置の設定変更を容易に行える利点がある。
【0025】
〔解決手段8〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項8に記載のように、所定高さ位置に対して上昇限界位置を独立して設定変更可能に構成してあることである。
【0026】
〔解決手段8にかかる作用及び効果〕
上記の解決手段8にかかる本発明の水田作業機では、所定高さ位置に対して上昇限界位置を独立して設定変更可能であるから、所定高さ位置を所定どおりに設定しておきながら、上昇限界位置の高さを自由に設定変更させられることにより、上昇限界位置と所定高さ位置との高さの差を所望の範囲に設定変更することができる。
これによって、植播系作業装置の上昇限界位置をあまり高くしたくない条件下での作業を行う場合は上昇限界位置を低くすることができ、また、植播系作業装置の上昇限界位置を極力高くして前方側へ寄せて位置させたい場合などには、逆に上昇限界位置を高くすることができ、上昇限界位置の設定を任意に行える利点がある。
【0027】
〔解決手段9〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項9に記載のように、走行機体における走行形態を判別し、所定の走行形態のときに、植播系作業装置の上昇限界位置又は所定高さ位置を設定変更するように構成してあることである。
【0028】
〔解決手段9にかかる作用及び効果〕
上記のように、解決手段9にかかる本発明の水田作業機では、走行機体における走行形態の判別結果から、所定の走行形態のときに、植播系作業装置の上昇限界位置又は所定高さ位置を設定変更するようにしたものであるから、走行形態に適した上昇限界位置又は所定高さ位置を設定することができる。
すなわち、例えば走行形態が圃場での植え付け作業時における圃場端での旋回時の走行形態であれば、植播系作業装置の上昇限界位置を比較的低くして、上限までの植播系作業装置の昇降に要する時間を短縮し、また、路上での走行形態であれば、植播系作業装置の上昇限界位置も所定高さ位置も高くして他物との接触を回避し易くするなど、走行形態に適した状態に設定変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】乗用型田植機全体の側面図
【図2】乗用型田植機全体の平面図
【図3】苗植え付け装置を示す正面図
【図4】苗植え付け装置のローリング駆動機構部分の断面図
【図5】マーカ及びマーカ操作機構の正面図
【図6】マーカ操作機構によるマーカの操作構造を示す正面図
【図7】制御装置と関連機器とを示すブロック図
【図8】苗植え付け装置の昇降動作と昇降動作関連機器における動作との関係を示す説明図
【図9】制御装置のメインルーチンを示すフローチャート
【図10】リフトシリンダ昇降制御を示すフローチャート
【図11】ローリング制御を示すフローチャート
【図12】少数条クラッチ制御を示すフローチャート
【図13】マーカ出し入れ制御を示すフローチャート
【図14】マーカ出し入れ制御を示すフローチャート
【図15】マーカ出し入れ制御を示すフローチャート
【図16】施肥ブロア制御を示すフローチャート
【図17】警報制御を示すフローチャート
【図18】従来の苗植え付け装置の昇降動作と昇降動作関連機器における動作との関係を示す説明図
【図19】別実施形態の接地フロート動作を示す説明図
【図20】別実施形態の接地フロートの姿勢とエンジン回転数との関係を示す図表
【図21】別実施形態の補助操作レバーを示す説明図
【図22】別実施形態の接地フロート動作を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面の記載に基づいて説明する。
〔水田作業機の全体構成〕
図1に示すように、水田作業機の一例である乗用型田植機は、左右一対の操向操作自在な前車輪11、及び、左右一対の後車輪12を備えた走行機体1の前部にエンジン10を搭載し、エンジン10の後方側で走行機体1の前後方向中央部にステアリングハンドル13及び運転座席14を有した搭乗型運転部を備え、走行機体1の後部にリフトシリンダ15を有したリンク機構16を介して植播系作業装置の一例である苗植え付け装置2を連結してある。水田は一般に下方の硬い耕盤G1の上に泥や水の層が形成されて、泥や水の層の最上面が田面G2となっており、右及び左の前車輪11、右及び左の後車輪12は耕盤G1に接地して走行する。
【0031】
前記苗植え付け装置2に対しては、前記エンジン10からの駆動力を回転軸17を介して苗植え付け装置2のフィードケース21に伝達するように構成し、前記運転座席14の後方側における走行機体1上に肥料タンク31を有した施肥装置3を設けてあり、この施肥装置3に対しても前記エンジン10からの駆動力が、前記回転軸17から分岐された図示しない伝動機構を介して伝達されている。
【0032】
この乗用型田植機は、稲苗の植付け、及び、植付け苗に対する施肥供給を行なうものであり、リフトシリンダ15を操作することにより、このリフトシリンダ15がリンク機構16を走行機体に対して上下に揺動操作するように構成してある。このリンク機構16の上下揺動操作に伴って、前記苗植え付け装置2に備えられた接地フロート22が田面G2に接地した下降作業状態と、接地フロート22が田面G2から浮上した上昇非作業状態とに昇降操作される。
この苗植え付け装置2の走行機体に対するリンク機構16の上下角度を検出するポテンショメータ18が備えられており、このポテンショメータ18の検出値、及び搭乗運転部に設けたメインスイッチ75の検出信号が後述する制御装置100に入力されている。
また、前記苗植え付け装置2は、前記リンク機構16に対して、前後方向軸心P周りで左右揺動自在に枢支連結されているとともに、ローリング駆動機構4により走行機体に対して所定の水平方向姿勢を保つようにローリング制御されるように構成してある。
【0033】
苗植え付け装置2を下降作業状態にして走行機体1を走行させると、苗植え付け装置2の植付け枠体20の横方向に並ぶ複数の植付け機構23が、この植付け機構23の苗植え運動に連動して苗植え付け装置2の左右横方向に往復移送される苗のせ台24に載置されたマット状苗から一株分の苗ブロックを切断して取り出し、取り出された苗ブロックを接地フロート22が整地した後の田面G2に植え付けていくように構成されている。
これとともに、施肥装置3の肥料タンク31の下部に連結している繰り出し機構32が肥料タンク31から粉粒状の肥料を設定量ずつ繰り出し、繰り出し機構32からの肥料を電動モータで駆動される施肥ブロワ33からの搬送風によって施肥ホース34に供給し、接地フロート22に設けた作溝器35が植付け機構23による植付け苗の横側近くで田面G2に施肥溝を形成し、この施肥溝に施肥ホース34からの肥料を供給していく。
【0034】
〔苗植付装置(植播系作業装置)の構成〕
苗植え付け装置2は、図1乃至図3に示すように、横方向に沿う角形鋼管材で成るメインフレーム25、このメインフレーム25の中央部に連結された前記フィードケース21、前記メインフレーム25の複数箇所から後方向きに延出された4個の植付け駆動ケース26などによって構成される植付け枠体20を備えている。
そして、前記各植付け駆動ケース26の後端部における両横側に、それぞれ植付け機構23を回転駆動自在に設け、植付け枠体20の前記各植付け機構23よりも前方に、前端側ほど高く位置する前上がり傾斜姿勢の苗のせ台24を設け、前記植付け枠体20の下部に前記各接地フロート22を支持させて、8条植型式に構成してある。
図2に示すように、前記植付け駆動ケース26には、その各植付け駆動ケース26の左右に備えられた植付け機構23への動力伝達を、各植付け駆動ケース26毎に断続するための少数条クラッチ27が内装されており、この少数条クラッチ27は、図示しない電動モータにより各別に入り切り操作されるように、後述する制御装置100に連係されている。
【0035】
図1乃至図3に示すように、苗のせ台24の下端側は、各植付け機構23の前側近くで植付け枠体20に支持されたガイドレール28に摺動自在に支持されており、苗のせ台24の上端側は、植付け枠体20の前記メインフレーム25に立設された左右一対の上下向きの縦杆29aと、両縦杆29aの上端側に固定された水平方向の横杆29bとで成る苗載せ台支持枠29の前記横杆29bに摺動自在に支持されている。この苗のせ台24は、ガイドレール28に沿って、周知の苗横送り機構によって、植付け枠体20の横方向に摺動するように支持されている。
【0036】
苗植え付け装置2は、図7に示すように、苗植え付け装置2の中央の接地フロート22の対機体高さを検出するポテンショメータからなるフロートセンサ22aを備えている。このフロートセンサ22aの検出値が制御装置100に入力されることにより、機体の進行に伴って中央の接地フロート22が田面G2に接地追従するように、田面G2(中央の接地フロート22)から苗植え付け装置2までの高さを制御することができる。
【0037】
図1、図3、及び図7に示すように、苗植え付け装置2の前記植付け枠体20に、前記フィードケース21から前方向きに突出した連結部21aを設けるとともに、この連結部21aは、前記リンク機構16のロワーリンク16aとアッパーリンク16bの後端部同士にわたって連結された後部リンク16cに回動自在に連結されており、苗植え付け装置2は、前記連結部21aの機体前後向きのローリング軸芯Pまわりで走行機体に対してローリングするようになっている。
【0038】
図1,3に示すように、前記リンク機構16の後端部に、苗植え付け装置2を走行機体1に対してローリング操作するローリング駆動機構4を設け、図4,7に示すように、前記ローリング駆動機構4のローリングモータ40を連係させた制御装置100に、前記苗植え付け装置2の左右傾斜を検出する傾斜センサ41、及び、ローリング駆動機構4のストロークセンサ42を連係させてある。
【0039】
図3,4に示すように、前記ローリング駆動機構4は、前記リンク機構16の前記後部リンク16cの上端側に固定された支持体43に回転支軸44aを介して揺動自在に支持されたローリング操作アーム44、前記回転支軸44aに一体回転自在に連結された扇状のアーム操作ギヤ44b、このアーム操作ギヤ44bに噛合った小径伝動ギヤ45a、この小径伝動ギヤ45aの回転支軸45に連結された大径伝動ギヤ45b、この大径伝動ギヤ45bに出力ギヤ40aが噛合った状態で前記支持体43に支持された電動モータからなる前記ローリングモータ40を備えて構成されている。
【0040】
前記ローリング操作アーム44は、前記苗載せ台支持枠29の前記横杆29bの両端側に連結スプリング46を介して連結されており、ローリングモータ40が正回転方向や逆回転方向に駆動されると、このローリングモータ40が出力ギヤ40aによって各伝動ギヤ45b,45aを介してアーム操作ギヤ44bを回動駆動してローリング操作アーム44を回転支軸44aの機体前後向きの軸芯まわりで揺動操作し、ローリング操作アーム44が一方の連結スプリング46を介して前記苗載せ台支持枠29の前記横杆29bの一端側を引っ張り操作したり、他方の連結スプリング46を介して前記横杆29bの他端側を引っ張り操作したりする。
これにより、ローリング駆動機構4は、ローリングモータ40が正回転方向や逆回転方向に駆動操作されることにより、ローリングモータ40によって駆動揺動されるローリング操作アーム44によって一方の連結スプリング46を介して植付け枠体20の横方向での一端側を引っ張り操作したり、他方の連結スプリング46を介して植付け枠体20の他端側を引っ張り操作したりすることにより、苗植え付け装置2をローリング軸芯Pまわりで走行機体1に対してローリング操作する。尚、図3,4に示す符号47は、前記支持体43の上端部と、その左右両側の前記苗載せ台支持枠29の適所とを連結するバランススプリングであり、苗植え付け装置2の前記ローリング軸芯Pまわりでの自由揺動にある程度の抵抗を与えるためのものである。
【0041】
図3に示すように、前記傾斜センサ41は、重錘やポテンショメータ(図示せず)を備えて成るとともに、植付け枠体20の前記メインフレーム25の中央部に支持されており、苗植え付け装置2が水平面に対して左右方向に傾斜した状態になると、その傾斜に伴う重錘やポテンショメータの作動によって苗植え付け装置2の傾斜方向及び傾斜角を検出し、この検出結果を電気信号にして制御装置100に出力する。
【0042】
図4に示すように、ストロークセンサ42は、前記ローリング操作アーム44の回転支軸44aに連動されたポテンショメータで成り、回転支軸44aの回転角に基づいてローリング操作アーム44の操作ストロークを検出し、この検出結果を電気信号にして制御装置100に出力する。
【0043】
苗植え付け装置2の植付け枠体20の前端部の両横側に、田面に指標を形成するためのマーカ5を設けてある。左右のマーカ5も、左右のマーカ操作機構50も、左右で同様に構成してあるので、代表して左側のマーカ5、及び左側のマーカ操作機構50を図示して説明する。
【0044】
図5及び図6に示すように、マーカ5は、植付け枠体20のメインフレーム25から延出するマーカ支持アームブラケット25Aに、基端側が連結ピン25Bを介して回動自在に連結している基端側マーカアーム5A、この基端側マーカアーム5Aの先端部から延出している先端側マーカアーム5B、この先端側マーカアーム5Bの先端部に遊転自在に連結しているマーカ輪体5Cを備えて構成してある。
【0045】
基端側マーカアーム5Aは、前記連結ピン25Bの機体前後向きの軸芯まわりで植付け枠体20に対して上下に揺動操作されるように構成してある。つまり、図5に実線で示す如く基端側マーカアーム5Aがマーカ支持ブラケット25Aから機体横外向きにほぼ水平に延出した取り付け姿勢であるところの、マーカ輪体5Cの下端側が田面G2に接地した下降使用姿勢と、図5に二点鎖線で示す如く基端側マーカアーム5Aがマーカ支持ブラケット25Aから機体上方向きに延出した取り付け姿勢であるところの、マーカ輪体5Cが田面G2から高く浮上した上昇格納姿勢とに切り換わるように構成してある。
前記下降使用姿勢に操作されたマーカ5は、マーカ輪体5Cが車体走行のために田面G2で転動してマーカ輪体5Cの輪体周方向に並んでいるマーカ爪5Dが泥土を持ち上げて田面G2に盛り上げていき、進行方向に点在していく盛り上げ泥土によって走行目標線を田面G2に形成するものである。
【0046】
図5及び図6に示すように、マーカ操作機構50は、後述する制御装置100によって制御される電動モータからなるマーカモータ52と、前記基端側マーカアーム5Aの一部に一端側を連結し、他端側をマーカモータ52によって駆動されるクランク操作体58に連結した操作ロッド51と、一端側を前記基端側マーカアーム5Aに連結し、他端側をメインフレーム25に連結したスプリング59とによって構成されている。
前記マーカモータ52は、メインフレーム25に設けた操作ケース53に内装され、このマーカモータ52の動力は、マーカモータ52の出力を、ウォームギヤを内装する減速ギヤボックス52Aからの出力用ピニオンギヤ55を介して、前記クランク操作体58の駆動ギヤ56に伝達されるように構成してある。
図5に示すように、このマーカ操作機構50のスプリング59は、基端側マーカアーム5Aの前記連結ピン22の位置と、スプリング59のメインフレーム25側の係止孔25aによって構成される係止点とを結ぶ仮想線分xよりも上方側で、前記基端側マーカアーム5Aにスプリング59の一端側が連結されているので、そのスプリング59の付勢力がマーカ5を上昇格納姿勢側に付勢する方向で作用するように構成されている。
【0047】
図5,6に示すように、マーカモータ52の出力ギヤ55がクランク操作体58の軸部に一体的に設けた駆動ギヤ56に噛合っており、マーカモータ52が上昇側に駆動操作されてクランク操作体58をマーカ上げ側に回動駆動すると、操作ロッド51がマーカ5をスプリング59に補助されながら引き上げ操作することにより、マーカ操作機構50は、マーカモータ52の駆動力とスプリング59の弾性復元力とによってマーカ5を上昇格納姿勢に切り換え操作する。
マーカモータ52が下降側に駆動操作されてクランク操作体58をマーカ下げ側に回動駆動すると、操作ロッド51がスプリング59の付勢力に抗してマーカ5を押し下げ操作することにより、マーカ操作機構50は、マーカモータ52の駆動力とマーカ5の自重とによってマーカ5を下降使用姿勢に切り換え操作する。
【0048】
前記操作ロッド51は、バネ鋼からなる棒状線材で構成され、その中間部にコイル状の過負荷緩衝部51Aを設けてある。この過負荷緩衝部51Aは、マーカモータ52でマーカ5の昇降操作を行っている途中で、マーカ5が畦や何らかの障害物に接触して動き難くなるなどの、マーカ5自体やマーカモータ52が損傷するほどの一時的な過負荷が生じた場合に、その過負荷緩衝部51Aのコイル状部分が伸縮あるいは弾性変形して屈撓することによって、ある程度の過負荷を緩和することに役立つ効果がある。
【0049】
〔搭乗運転部の構成〕
図2,7に示すように、搭乗運転部のステアリングハンドル13の付近に、植播系作業装置としての苗植え付け装置2の昇降操作、及び昇降関連作業装置であるマーカ5を出退操作するための人為操作具として、1本の操作レバー6を備えている。またこの操作レバー6とは別に、運転座席14の右横側部箇所に植播系作業装置としての苗植え付け装置2を昇降操作するための昇降レバー36を配設している。
この昇降レバー36は、「自動」位置、「上昇」位置、「中立」位置、「下降」位置、及び「植付」位置に操作自在に構成されており、昇降レバー36の操作位置を検出するポテンショメータからなるレバー位置検出センサ37の検出信号、及び搭乗運転部に設けたメインスイッチ75の検出信号が制御装置100に入力されている。
【0050】
この制御装置100には、前記リフトシリンダ15の制御弁15aの電磁操作部、前記左右のマーカ操作機構50のマーカモータ52、エンジン10から苗植え付け装置2に対する伝動を入り切りするように走行機体のミッションケース7の内部に設けた作業クラッチ70(植付けクラッチ)を切り換え操作する作業クラッチ操作機構の一例としての電動モータからなるクラッチモータ71、作業クラッチ70の入り切り状態を検出するクラッチセンサ72、少数条クラッチ27を選択する条選択操作具73、正常な苗植え付け作業が不可能な状態であることを報知するための警報装置74、原動部に設けたメインスイッチ75、苗植え付け装置2に設けた苗切れ検出センサ76、施肥装置3に設けた肥料切れ検出センサ77などが連係されている。
【0051】
前記クランク操作体58のスイッチ操作部58aの回動位置を基に前記左マーカ5が下降使用姿勢や上昇格納姿勢になったことを検出するように、前記操作ケース53の内部に設けた検出スイッチで成る左マーカ上昇センサ67及び左マーカ下降センサ66も、この左マーカ上昇センサ67及び左マーカ下降センサ66と同様に構成した右マーカ上昇センサ67及び右マーカ下降センサ66も制御装置100に連係させてある。
【0052】
図7に示すように、前記操作レバー6は、ステアリングハンドル13の下側で右の横外方に延出されている。操作レバー6は中立位置Nから上方の第1上昇位置U1、第2上昇位置U2,下方の第1下降位置D1、第2下降位置D2、後方の右マーカー位置R及び前方の左マーカー位置Lの十字方向に操作自在に構成されて、中立位置Nに復帰付勢されている。
この操作レバー6は、上下方向に並ぶ一組の指令スイッチ60,61,62,63の組み合わせで、苗植え付け装置2の昇降作動を司る昇降指令手段6Aを構成し、前後方向に並ぶ一対の指令スイッチ64,65の組み合わせでマーカ5の出し入れ操作を司るマーカ作動指令手段6Bを構成している。
【0053】
つまり、前記昇降指令手段6Aは、前記操作レバー6及び前記一組の指令スイッチ60,61,62,63を備えて構成してあり、操作レバー6が中立位置Nから車体下方側に揺動操作されると、一方の指令スイッチ62,63が操作レバー6によって切り換え操作されて苗植え付け装置2を下降作業状態に下降操作させるとともに作業クラッチ70を入り状態に切り換え操作させるべき作業指令を電気信号にして制御装置100に出力する。
そして、操作レバー6が中立位置Nから車体上方側に揺動操作されると、他方の指令スイッチ60,61が操作レバー6によって切り換え操作されて苗植え付け装置2を上昇非作業状態に上昇操作させるとともに作業クラッチ70を切り状態に切り換え操作させるべき作業解除指令を電気信号にして制御装置100に出力する。
【0054】
図7に示すように、前記マーカ作動指令手段6Bは、前記操作レバー6及び前記一対の指令スイッチ64,65を備えて構成してあり、操作レバー6が中立位置Nから車体前方側に揺動操作されると、一方の指令スイッチ64が操作レバー6によって切り換え操作されて左マーカ5を下降使用姿勢に下降操作させるべき左マーカ下降指令を電気信号にして制御装置100に出力し、操作レバー6が中立位置Nから車体後方側に揺動操作されると、他方の指令スイッチ65が操作レバー6によって切り換え操作されて右マーカ5を下降使用姿勢に下降操作させるべき右マーカ下降指令を電気信号にして制御装置100に出力する。
【0055】
搭乗運転部におけるステアリングハンドル13の下方の操縦パネル箇所には、各少数条クラッチ27を個別に入り切り操作するための4個の押しボタンスイッチからなる条選択操作具73を配設してある。
この条選択操作具73は、プッシュオン・プッシュオフ型式の押しボタン式に構成されていて、各押しボタンスイッチのボタン部分にランプまたはLEDなどの光源が内装されている。したがって、何れの押しボタンスイッチが入りまたは切り操作されているのかの表示が可能であるとともに、その何れの押しボタンスイッチが押し操作されたかの検出信号が制御装置100に入力されるように構成してある。
【0056】
また、搭乗運転部の適所には、正常な苗植え付け作業が不可能であることが検出された場合に、その不可能な状態であることをブザーなどによる警告音や音声などで報知するための警報装置74が設けてある。
この警報装置74は、苗植え付け装置2の苗のせ台24上での搭載苗が不足する状態であることを検出する苗切れ検出センサ76、施肥装置3の肥料切れ状態を検出するための肥料切れ検出センサ77、苗植え付け装置2に動力を伝える作業クラッチ70が入り状態でないことを検出するためのクラッチセンサ72などの検出信号が制御装置100の警報制御手段106に入力され、前記各センサ76,77,72の何れかが植付け不能状態を検出したときに、警報制御手段106が警報装置74に対して警報作動のための指令を出力するように構成してある。
【0057】
〔制御装置の構成〕
制御装置100はマイクロコンピュータを利用して構成してある。この制御装置100は、リフトシリンダ昇降制御手段101,ローリング制御手段102、少数条クラッチ制御手段103、マーカ出し入れ制御手段104、施肥ブロア制御手段105、及び警報制御手段106を制御用プログラミングとして記憶保持しているとともに、植播系作業装置としての苗植え付け装置2の上昇限界位置と下降作業位置との間の所定高さ位置を設定するために備えてある所定高さ設定器38で設定された所定高さ位置の値、並びに左右各マーカ5の作動状態などをその都度記憶する不揮発性メモリーからなる記憶手段107を備えている。
【0058】
上記リフトシリンダ昇降制御手段101は、図7に示すように、苗植え付け装置2の中央の接地フロート22の対機体高さを検出するフロートセンサ22aからの検出信号、及び苗植え付け装置2の走行機体に対するリンク機構16の上下角度を検出するポテンショメータ18からの検出信号、もしくは、前記操作レバー6による苗植え付け装置2の昇降作動を司る昇降指令手段6Aからの指令信号に基づいて、制御弁15aを操作し、油圧シリンダ15を伸縮作動させて、苗植え付け装置2を昇降作動するように構成してある。
【0059】
上記ローリング制御手段102は、苗植え付け装置2の水平面に対する左右方向の傾斜を検出する傾斜センサ41、及び苗植え付け装置2のローリング軸心Pまわりの回転角を検出するストロークセンサ42の検出信号に基づいて、苗植え付け装置2が水平姿勢となるようにローリングモータ40を駆動制御するように構成してある。
【0060】
上記少数条クラッチ制御手段103は、苗植え付け装置2の対機体高さを検出するフロートセンサ22aからの検出信号、及び苗植え付け装置2の走行機体に対するリンク機構16の上下角度を検出するポテンショメータ18からの検出信号、ならびに操作レバー6による苗植え付け装置2の昇降作動を司る昇降指令手段6Aからの指令信号が入力されるとともに、前記条選択操作具73での少数条クラッチ27の選択信号が入力されている。これらの入力された各信号、及び制御装置100の記憶手段107に記憶されているところの、所定高さ設定器38で設定された所定高さ位置H2の値に基づいて、後述するように、苗植え付け装置2の昇降作動に伴う少数条クラッチ27の作動状態を制御するように構成されている。
【0061】
上記マーカ出し入れ制御手段104は、制御装置100の記憶手段107に記憶されているところの、所定高さ設定器38で設定された所定高さ位置H2の値、及びマーカ5の作動状態を読み出し、次に、リンク機構16の上下角度を検出するポテンショメータ18からの検出信号、もしくは、接地フロート22の対機体高さを検出するフロートセンサ22aからの検出信号に基づいて、苗植え付け装置2の高さ位置に関する情報を得て、後述するように、左右何れのマーカ5をどのような状態に切り換え操作するかを左右のマーカモータ52,52に対して出力するように構成されている。
【0062】
上記施肥ブロア制御手段105は、昇降レバー36の操作位置が「自動」位置、もしくは「植付」位置であることがポテンショメータからなるレバー位置検出センサ37による検出信号、あるいは、作業クラッチ70の駆動がクラッチセンサ72で検出されると、リンク機構16の上下角度を検出するポテンショメータ18からの検出信号、もしくは、接地フロート22の対機体高さを検出するフロートセンサ22aからの検出信号、及び制御装置100の記憶手段107に記憶されているところの、所定高さ設定器38で設定された所定高さ位置H2の値に基づいて、電動モータで駆動される施肥ブロワ33の駆動を断続操作するように構成されている。
【0063】
上記警報制御手段106は、苗植え付け装置2の対機体高さを検出するフロートセンサ22aからの検出信号、及び苗植え付け装置2の走行機体に対するリンク機構16の上下角度を検出するポテンショメータ18からの検出信号、ならびに苗切れ検出センサ76、肥料切れ検出センサ77、及びクラッチセンサ72の検出信号の検出信号、及び制御装置100の記憶手段107に記憶されているところの、所定高さ設定器38で設定された所定高さ位置H2の値に基づいて、警報装置75の作動を制御するように構成されている。
【0064】
上記記憶手段107は、図7及び図8に示すように、植播系作業装置としての苗植え付け装置2の上昇限界位置H3と下降作業位置H1との間に所定高さ位置H2を設定するために、搭乗運転部の適所に設けたダイアル操作式のボリュームなどからなる所定高さ設定器38の操作信号を所定高さ位置H2として記憶するように構成されている。また、この記憶手段107には、左右各マーカ5の作動状態、及び、どの少数条クラッチ27がクラッチ切り状態に操作されたかなどの操作状態も記憶される。
前記所定高さ設定器38の操作信号を受けて設定される所定高さ位置H2は、所定高さ設定器38の操作によって任意の値に設定変更可能であり、設定された所定高さ位置H2は、最も新しく設定された所定高さ位置H2が記憶手段107に記憶保持されるように構成されている。
この記憶手段107に記憶された所定高さ位置H2が前述の各制御手段、すなわち、ローリング制御手段102、少数条クラッチ制御手段103、マーカ出し入れ制御手段104、施肥ブロア制御手段105、警報制御手段106における制御を行う際の基準となる所定高さ位置H2として利用される。
【0065】
つまり、前記マーカ出し入れ制御手段104においては、昇降指令手段6Aの操作によって苗植え付け装置2が昇降操作されると、図8(a)に示すように、苗植え付け装置2が上昇限界位置H3に位置する状態から下降する下降行程で、その途中に設定された所定高さ位置H2に達するまではマーカ5を格納姿勢に維持した状態で下降させ、所定高さ位置H2を過ぎるとマーカ5を水平方向に張り出す作用姿勢に姿勢変更しながら下降させるように制御する。
逆に、苗植え付け装置2が下降作業位置H1に位置する状態から上昇する上昇行程で、その途中に設定された所定高さ位置H2に達するまでは、マーカ5を作用姿勢に維持した状態で上昇させ、所定高さ位置H2を過ぎるとマーカ5を格納姿勢に姿勢変更しながら上昇させるように制御する。
したがって、前記所定高さ位置H2を境にして、これよりも高い領域での作動行程hHと、低い領域での作動行程lHとでは、同じ下降行程中では、マーカ5の姿勢が格納姿勢から作用姿勢に変化し、上昇行程中では作用姿勢から格納姿勢に変化している。しかし、同じ領域内での作動行程、つまり、低い領域での作動行程lHでは、下降行程でも上昇行程でもマーカ5の姿勢は作用姿勢であり、高い領域での作動行程hHでは、下降行程でも上昇行程でもマーカ5の姿勢は格納姿勢となるように制御される。
このとき、前記所定高さ位置H2の値を、前記所定高さ設定器38の操作によって設定変更すると、所定高さ位置H2の田面G2からの値が変化するので、作業環境や使用目的などによって、前記所定高さ位置H2の値を任意の値に設定することができる。
【0066】
このように、所定高さ位置H2を境にして、これよりも高い領域での作動行程hHと、低い領域での作動行程lHとを設定してある本発明のものでは、例えば、図18(a)に示すように、所定高さ位置H2を設定していないもの、あるいは、図18(b)に示すように、所定高さ位置H2を下降行程にみに設定して、低い領域での作動行程lHにおける制御が、下降行程ではマーカ5の姿勢が作用姿勢となり、上昇行程ではマーカ5の姿勢が格納姿勢となるように制御されるものに比べて、操作レバー6に誤って触れた場合などの誤操作によるマーカ5の姿勢切り替わりが生じる可能性を少なくできる。
【0067】
前記ローリング制御手段102においては、図8(a)に示すように、苗植え付け装置2が上昇限界位置H3に位置する状態から下降する下降行程では、その途中に設定された所定高さ位置H2に達するまでは苗植え付け装置2をローリングロックした状態で下降させ、所定高さ位置H2を過ぎると苗植え付け装置2をローリング制御した状態に制御形態を変更しながら下降させるように制御する。
逆に、苗植え付け装置2が下降作業位置H1に位置する状態から上昇する上昇行程では、その途中に設定された所定高さ位置H2に達するまでは、苗植え付け装置2をローリング制御状態に維持して上昇させ、所定高さ位置H2を過ぎると苗植え付け装置2をローリングロック状態に制御形態を変更しながら上昇させるように制御する。
したがって、前記所定高さ位置H2を境にして、これよりも高い領域での作動行程hHと、低い領域での作動行程lHとでは、同じ下降行程中では、ローリング制御状態がローリングロック状態からローリング制御状態に変化し、上昇行程中ではローリング制御状態からローリングロック状態に変化している。しかし、同じ領域内での作動行程、つまり、低い領域での作動行程lHでは、下降行程でも上昇行程でもローリング制御状態であり、高い領域での作動行程hHでは、下降行程でも上昇行程でもローリングロック状態となるように制御される。
このローリング制御手段102においても、前記所定高さ位置H2の値を、前記所定高さ設定器38の操作によって設定変更することができる。
【0068】
前記警報制御手段106においては、図8(a)に示すように、苗植え付け装置2が上昇限界位置H3に位置する状態から下降する下降行程では、その途中に設定された所定高さ位置H2に達するまでは警報装置74の作動を停止させた状態で下降させ、所定高さ位置H2を過ぎて下降すると警報装置74を作動させた状態に変更して下降させるように制御する。
逆に、苗植え付け装置2が下降作業位置H1に位置する状態から上昇する上昇行程では、その途中に設定された所定高さ位置H2に達するまでは、警報装置74を作動状態に維持して上昇させ、所定高さ位置H2を過ぎると警報装置74の作動を停止させた状態に制御形態を変更しながら上昇させるように制御する。
この警報装置74においても、前記所定高さ位置H2の値を、前記所定高さ設定器38の操作によって設定変更することができる。
【0069】
前記少数条クラッチ制御手段103においては、図8(b)に示すように、苗植え付け装置2が上昇限界位置H3に位置する状態から下降する下降行程では、条選択操作具73で選択されてクラッチ切り状態にある一部の少数条クラッチ27のクラッチ切り状態(少数条植えが可能な状態)を維持した状態で下降させるように制御する。
逆に、苗植え付け装置2が下降作業位置H1に位置する状態から上昇する上昇行程では、その途中に設定された所定高さ位置H2に達するまでは、条選択操作具73で選択されてクラッチ切り状態にある一部の少数条クラッチ27のクラッチ切り状態を維持したままで上昇させ、所定高さ位置H2を過ぎてから、クラッチ切り状態に操作されていた少数条クラッチ27の全部をクラッチ入り状態に戻して(全条植え可能な状態)上昇させるように制御する。
【0070】
施肥ブロア制御手段105においては、図8(b)に示すように、苗植え付け装置2が上昇限界位置H3に位置する状態から下降する下降行程では、施肥ブロワ33の作動状態を維持して下降させるように制御する。
逆に、苗植え付け装置2が下降作業位置H1に位置する状態から上昇する上昇行程では、その途中に設定された所定高さ位置H2に達するまでは、施肥ブロワ33の作動状態を維持したままで上昇させ、所定高さ位置H2を過ぎてから、施肥ブロワ33の作動を停止するように変更しながら上昇させるように制御する。
【0071】
〔昇降レバーの操作位置による作動形態〕
昇降レバー36の操作位置は「自動」位置であることがポテンショメータからなるレバー位置検出センサ37によって検出されると、操作レバー6による苗植え付け装置2の昇降作動を司る昇降指令手段6Aでの昇降操作が可能となる。
つまり、操作レバー6を中立位置Nから上方の第1上昇位置U1、第2上昇位置U2,下方の第1下降位置D1、第2下降位置D2へ操作するに伴って、油圧シリンダ15が伸縮作動され、苗植え付け装置2が昇降操作される。
【0072】
そして、苗植え付け装置2が田面G2に接地した状態であると、前記昇降指令手段6Aでの新たな昇降操作指令がなければ、図7に示すように、苗植え付け装置2の中央の接地フロート22の対機体高さを検出するフロートセンサ22aの検出値が制御装置100に入力され、フロートセンサ22aの検出値により苗植付装置2に対する中央の接地フロート22の高さが検出される。そして、この接地フロート22の高さの検出値から、苗植え付け装置2が田面G2から設定高さに維持されるように、前記リフトシリンダ昇降制御手段101が制御弁15aを操作し、油圧シリンダ15を伸縮作動させて、苗植え付け装置2の対機体高さを自動的に前記設定高さに維持するように昇降制御する(自動昇降制御状態)。この自動昇降制御状態は、前記昇降レバー37の操作位置が「植付」位置、及び「下降」位置であるときにも機能する。
【0073】
次に、昇降レバー36を、図7に示す「上昇」位置、「中立」位置、「下降」位置、及び「植付」位置の何れかに操作した場合(昇降レバー36を「自動」位置に操作していない場合)について説明する。
【0074】
昇降レバー36が上記の各位置に操作された場合には、操作レバー6の第1及び第2上昇位置U1,U2の機能、第1及び第2下降位置D1,D2の機能は作動せず、つまり、昇降指令手段6Aとしての昇降操作の機能は働かず、操作レバー6の右及び左マーカー位置R,Lの機能だけ、すなわちマーカ作動指令手段6Bが作動する。
【0075】
昇降レバー36を「上昇」位置に操作すると、自動昇降制御が停止し、作業クラッチ70が遮断状態に操作され、右及び左のマーカ5が格納姿勢に操作されて、制御弁15aが供給位置に操作され、油圧シリンダ15が収縮作動して苗植え付け装置2が上昇する。昇降レバー36を上昇位置に操作した状態で、苗植え付け装置2が上限位置に達したことがポテンショメータ18により検出されると、制御弁15aが中立位置に操作されて、油圧シリンダ15が自動的に停止する。
【0076】
昇降レバー36を「下降」位置に操作すると、自動昇降制御が停止し、作業クラッチ70が遮断状態に操作され、右及び左のマーカ5が格納姿勢に操作された状態で、制御弁15aが排出位置に操作され、油圧シリンダ15が伸長作動して苗植え付け装置2が下降するのであり、中央の接地フロート22が田面G2に接地すると自動昇降制御が作動して、苗植え付け装置2が田面G2に接地して停止した状態となる。
【0077】
昇降レバー36を「中立」位置に操作すると、自動昇降制御が停止し、作業クラッチ70が遮断状態に操作され、右及び左のマーカ5が格納姿勢に操作された状態で、制御弁15aが中立位置に操作されて、油圧シリンダ15が停止する。このように、昇降レバー36を上昇位置、中立位置及び下降位置に操作することにより、苗植え付け装置2を任意の高さに上昇及び下降させて停止させることができる。
【0078】
昇降レバー36を「植付」位置に操作すると、右及び左のマーカ5が格納姿勢に操作された状態で、自動昇降制御が作動し、作業クラッチ70が同時に伝動状態に操作される。これにより、苗のせ台24が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、苗のせ台24の下部から植付け機構23が交互に苗を取り出して田面G2に植え付けるのであり、施肥装置3の施肥タンク31から肥料が所定量ずつ繰り出し機構32によって繰り出され、施肥ブロア33の送風により肥料が施肥ホース34を通って作溝器35に供給され、作溝器35を介して田面G2に供給される。
【0079】
〔操作レバーの操作による作動形態〕
前述したように昇降レバー36を「自動」位置に操作した状態では、操作レバー6の昇降指令手段6Aとしての昇降操作の機能が働き、これとともに制御装置100に備えた各制御手段101〜107を作動させ、以下のような制御機能が発揮される。
【0080】
操作レバー6を第2上昇位置U2に操作すると(第2上昇位置U2に操作して手を離し中立位置Nに戻ると)、作業クラッチ70が遮断状態に操作されて、自動昇降制御が停止し、右及び左のマーカ5が格納姿勢に操作される。さらに、制御弁15aは圧油供給位置に操作され、油圧シリンダ15が収縮作動して苗植え付け装置2が上昇する。苗植え付け装置2が上限位置に達したことがポテンショメータ18により検出されると、制御弁15aが中立位置に操作されて、油圧シリンダ15が自動的に停止する。
【0081】
例えば、自動昇降制御が停止し、作業クラッチ70が遮断状態に操作され、右及び左のマーカ5が格納姿勢に操作された状態において、操作レバー6を第2下降位置D2に操作すると(第2下降位置D2に操作して手を離し中立位置Nに戻ると)、制御弁15aが圧油排出位置に操作され、油圧シリンダ15が伸長作動して苗植え付け装置2が下降する。そして、中央の接地フロート22が田面G2に接地すると、自動昇降制御が作動して、苗植え付け装置2が田面G2に接地して停止した状態となる。
さらに、上記のように操作レバー6を第2下降位置D2に操作した後、操作レバー6を再び第2下降位置D2に操作すると(再び第2下降位置D2に操作して手を離し中立位置Nに戻ると)、自動昇降制御が作動した状態で、作業クラッチ70が同時に伝動状態に操作される。
【0082】
操作レバー6を図7に示す第1上昇位置U1に操作すると、制御弁15aが圧油供給位置に操作され、油圧シリンダ15が収縮作動して、苗植え付け装置2が上昇する。その後に操作レバー6を中立位置Nに操作すると、制御弁15aが中立位置に操作されて、苗植え付け装置2の上昇が停止する。
【0083】
例えば、自動昇降制御が停止し、作業クラッチ70が遮断状態に操作され、右及び左のマーカ5が格納姿勢に操作された状態において、操作レバー6を図7に示す第1下降位置D1に操作すると、制御弁15aが圧油排出位置に操作され、油圧シリンダ15が伸長作動して、苗植え付け装置2が下降する。その後に操作レバー6を中立位置Nに操作すると、制御弁15aが中立位置に操作されて、苗植え付け装置2の下降が停止する。
【0084】
上記のように操作レバー6を第1上昇及び第1下降位置U1,D1に操作している間だけ、苗植え付け装置2を上昇及び下降させることができるのであり、苗植え付け装置2を任意の高さに上昇及び下降させて停止させることができる。
【0085】
〔制御装置による制御形態〕
【0086】
<制御装置の全体的な動作>
図9乃至図16に示すように、制御装置100は、上記リフトシリンダ15の昇降制御、苗植え付け装置2のローリング制御に加えて、メインスイッチ75からの情報、昇降指令手段6Aによる昇降指令、ポテンショメータ18による苗植え付け装置2の対機体高さの検出結果、及び各センサ22a,66,67,76,77による検出情報を基に左右のマーカ操作機構50を操作、及び、少数条クラッチ27、施肥ブロア33、警報装置74などを操作する。
【0087】
すなわち、図9のメインルーチンにおけるステップ#1〜#8に示すように、メインスイッチ75からの情報によってメインスイッチ75がオンであるか否かを判断し、メインスイッチ75がオンであると判断すると、ステップ#2に示すリフトシリンダ昇降制御ルーチンでリフトシリンダ15に対する昇降指令の有無を判断し、その昇降制御を行ってメインルーチンに戻る。引き続いてステップ#3に示すローリング制御ルーチンで苗植え付け装置2の左右傾動を許容範囲内に戻すようにローリング制御を行なう。
【0088】
引き続いてステップ#4〜#7では、苗植え付け装置2の現在の高さ位置に関する情報と、昇降指令手段6Aによる昇降指令とを読み込んで、所定高さ以上に苗植え付け装置2が上昇したときに行う少数条クラッチ27の入り制御を行い、さらに、苗植え付け装置2の高さ位置が所定高さ位置H2に対してどのような位置関係にあるかによって、施肥ブロア33及び警報装置74が作動するタイミングを制御している。
【0089】
<リフトシリンダ昇降制御関連の動作>
リフトシリンダ昇降制御を行うサブルーチンでのリフトシリンダ15の昇降制御は、図10に示す如く行なわれる。
すなわち、ステップ#10で苗植え付け装置2の現在の高さ位置に関する情報を読み込み、ステップ#11〜#13で、人為操作具としての操作レバー6で操作される昇降指令手段6Aでの操作状態を判断している。
昇降指令手段6Aによる操作が、第1上昇位置U1であれば、ステップ#14,#15,#22に示すように、その操作が終了するまで苗植え付け装置2を上昇作動させて停止し、第1上昇位置U1でなければ、ステップ#12に示すように第2上昇位置U2であるのか否かを判別する。
その判別結果、第2上昇位置U2であれば、ステップ#16,#17,#22に示すように、苗植え付け装置2が上昇限界位置H3に達するまで苗植え付け装置2を上昇作動させて停止し、第2上昇位置U2でなければ、ステップ#13に示すように第1下降位置D1であるのか否かを判別する。
判別結果が第1下降位置D1であれば、ステップ#18,#19,#22に示すように、その操作が終了するまで苗植え付け装置2を下降作動させて停止し、第1下降位置D1でなければ、必然的に第2下降位置D2であるから、ステップ#20,#21,#22に示すように、苗植え付け装置2が下降作業位置H1に達するまで苗植え付け装置2を下降作動させて停止する。
【0090】
<ローリング制御関連の動作>
ローリング制御を行うサブルーチンでのローリング駆動機構40の作動は、図11に示す如く行なわれる。
すなわち、ステップ#23で記憶手段107に記憶されている所定高さ位置H2の情報を読み込み、ステップ#24で苗植え付け装置2の現在の左右傾斜角度の情報を、傾斜センサ41、及び苗植え付け装置2のローリング軸心Pまわりの回転角を検出するストロークセンサ42の検出信号に基づいて読み込み、ステップ#25で苗植え付け装置2の現在の高さ位置に関する情報を、走行機体に対するリンク機構16の上下角度を検出するポテンショメータ18の検出信号から読み込む。
【0091】
ステップ#26で、苗植え付け装置2の現在の高さ位置が、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在しているか否かを判断し、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在していればステップ#27に示すようにローリングモータ40の作動を停止してローリングロック状態とする。
苗植え付け装置2の現在の高さ位置が、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在していなければ、すなわち、所定高さ位置H2よりも低い領域での作動行程lH中に存在している状態であれば、ステップ#28及びステップ#29に示すように、ローリングモータ40を駆動して、苗植え付け装置2の左右傾斜角度がローリング制御目標に達するように、ローリング制御する。
【0092】
<少数条クラッチ制御関連の動作>
少数条クラッチ制御を行うサブルーチンでの少数条クラッチ27の入り制御は、図12に示す如く行なわれる。
すなわち、ステップ#90で記憶手段107に記憶されている所定高さ位置H2の情報、及び条選択操作具73での少数条クラッチ27の選択結果の情報を読み込み、ステップ#91で苗植え付け装置2の現在の高さ位置に関する情報を、走行機体1に対するリンク機構16の上下角度を検出するポテンショメータ18の検出信号から読み込む。
ステップ#92で、苗植え付け装置2の現在の高さ位置が、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在しているか否かを判断し、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在していれば少数条クラッチ27の入り制御は行わず、切り状態にある少数条クラッチ27はそのまま切り状態に維持される。
【0093】
苗植え付け装置2の現在の高さ位置が、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在していない場合には、すなわち、所定高さ位置H2よりも低い領域での作動行程lH中に存在している状態であれば、ステップ#93に示すように、昇降指令手段6Aによる操作が、第1上昇位置U1又は第2上昇位置U2であるのか否かを判別する。
昇降指令手段6Aによる操作が、第1上昇位置U1又は第2上昇位置U2であれば、ステップ#94及びステップ#95に示すように、苗植え付け装置2が所定高さ位置H2を越えるまでは少数条クラッチ27の入り制御は行わず、切り状態にある少数条クラッチ27はそのまま切り状態に維持し、前記苗植え付け装置2が所定高さ位置H2を越えると全ての少数条クラッチ27を入り状態に切り換えるように制御する。
昇降指令手段6Aによる操作が、第1上昇位置U1又は第2上昇位置U2でなければ、少数条クラッチ27の入り制御は行わず、切り状態にある少数条クラッチ27はそのまま切り状態に維持される。
【0094】
<マーカ出し入れ制御関連の動作>
マーカ出し入れ制御を行うサブルーチンでの苗植え付け装置2の昇降とマーカ5の出し入れ制御は、図13乃至図15に示す如く行なわれる。
すなわち、ステップ#40で記憶手段107に記憶されている所定高さ位置H2の情報、及び、昇降レバー36の操作位置を検出するレバー位置検出センサ37と、操作レバー6の操作状態と検出する昇降指令手段6A及びマーカ作動指令手段6Bとの操作状態に基づく、右及び左の各マーカ5の最終の操作状態を記憶する前記記憶手段107に記憶されている情報を読み込み、ステップ#41で苗植え付け装置2の現在の高さ位置に関する情報を、走行機体1に対するリンク機構16の上下角度を検出するポテンショメータ18の検出信号から読み込む。
【0095】
次に、ステップ#42で、苗植え付け装置2の現在の高さ位置が、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在しているか否かを判断し、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在していればステップ#43に示すようにマーカ操作機構50を操作して左右のマーカ5を共に格納姿勢に操作する。
苗植え付け装置2の現在の高さ位置が、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在していなければ、すなわち、所定高さ位置H2よりも低い領域での作動行程lH中に存在している状態であれば、ステップ#64に示すように、マーカ操作機構50を駆動して、前記記憶手段107に、最終に作用姿勢であったと記憶されている側のマーカ5とは反対側のマーカ5が作用姿勢となるように、マーカ5姿勢を制御する。
【0096】
ステップ#43で左右のマーカ5を共に格納姿勢に操作した後は、ステップ#44に示すように、昇降指令手段6Aによる操作が、第1上昇位置U1であるのか否かを判別する。そして、昇降指令手段6Aによる操作が、第1上昇位置U1であれば、ステップ#48〜#50に示すように、昇降指令手段6Aによる操作が終了するまで苗植え付け装置2を上昇駆動し、操作終了後に苗植え付け装置2の上昇駆動を停止して上位ルーチンへ戻る。
昇降指令手段6Aによる操作が、第1上昇位置U1でなければ、ステップ#45に示すように、昇降指令手段6Aによる操作が、第2上昇位置U2であるのか否かを判別する。
【0097】
ステップ#45では、昇降指令手段6Aによる操作が、第2上昇位置U2であれば、ステップ#51,#52,#50に示すように、昇降指令手段6Aによる操作後に苗植え付け装置2が上昇限界位置に達するまで上昇駆動し、上昇限界位置に達した後に苗植え付け装置2の上昇駆動を停止して上位ルーチンへ戻る。
昇降指令手段6Aによる操作が、第2上昇位置U2でなければ、ステップ#46に示すように、昇降指令手段6Aによる操作が、第1下降位置D1であるのか否かを判別する。
【0098】
ステップ#46では、昇降指令手段6Aによる操作が、第1下降位置D1であれば、ステップ#53,#54に示すように、苗植え付け装置2を下降作動させ、かつ、苗植え付け装置2の対機体高さが所定高さH2に達したかどうかを判断する。ステップ#54で苗植え付け装置2の対機体高さが所定高さ位置H2に達したと判断されると、前記記憶手段107に最終に作用姿勢であったと記憶されている側のマーカ5とは反対側のマーカ5が作用姿勢となるように、マーカ5の姿勢を制御する(ステップ#56参照)。
ステップ#54で苗植え付け装置2の対機体高さが所定高さH2に達するまでに前記昇降指令手段6Aによる操作が終了した場合には、ステップ#55,#63に示すように、苗植え付け装置2の下降作動を停止して上位ルーチンへ戻る。
【0099】
前記ステップ#56でマーカ5を作用姿勢とした後も、前記昇降指令手段6Aによる第1下降位置D1の操作が続いていれば苗植え付け装置2の下降作動は継続しており、第1下降位置D1の操作が終了すると、ステップ#57,#63に示すように苗植え付け装置2の下降作動を停止して上位ルーチンへ戻る。
第1下降位置D1の操作が終了する前に、苗植え付け装置2が下降作業位置H1に達した場合にも、ステップ#58,#63に示すように苗植え付け装置2の下降作動を停止して上位ルーチンへ戻る。
ステップ#46で、昇降指令手段6Aによる操作が、第1下降位置D1でないと判断した場合には、ステップ#47に示すように、昇降指令手段6Aによる操作が、第2下降位置D2であるのか否かを判別する。
【0100】
ステップ#47で、昇降指令手段6Aによる操作が、第2下降位置D2であると判断されると、ステップ#59〜#63に示すように、苗植え付け装置2を下降作動させ、かつ、苗植え付け装置2の対機体高さが所定高さH2に達したかどうかを判断する。ステップ#60で苗植え付け装置2の対機体高さが所定高さH2に達したと判断されると、前記記憶手段107に最終に作用姿勢であったと記憶されている側のマーカ5とは反対側のマーカ5が作用姿勢となるように、マーカ5姿勢を制御する(ステップ#61参照)。
苗植え付け装置2が下降作業位置H1に達すると苗植え付け装置2の下降作動を停止して上位ルーチンへ戻る。
前記ステップ#47で、昇降指令手段6Aによる操作が、第2下降位置D2でないと判断した場合には、昇降指令手段6Aによる操作が中立位置Nであるから、そのまま上位ルーチンへ戻る。
【0101】
図15は、苗植え付け装置2の現在の高さ位置が所定高さ位置H2よりも低い領域での作動行程lH中に存在している状態である場合の制御を示している。
この場合には、ステップ#64に示すように、マーカ操作機構50を駆動して、前記記憶手段107に、最終に作用姿勢であったと記憶されている側のマーカ5とは反対側のマーカ5が作用姿勢となるように、マーカ5姿勢を制御し、その後、ステップ#65に示すように、昇降指令手段6Aによる操作が、第1上昇位置U1であるのか否かを判別する。
【0102】
そして、昇降指令手段6Aによる操作が、第1上昇位置U1であれば、ステップ#69〜#74に示すように、昇降指令手段6Aによる操作が終了するまで苗植え付け装置2を上昇駆動し、操作終了後に苗植え付け装置2の上昇駆動を停止して上位ルーチンへ戻る。
上記の昇降指令手段6Aによる操作が終了するまでの間のステップ#70で、苗植え付け装置2の現在の高さ位置が、所定高さ位置H2に達したか否かを判断し、所定高さ位置H2に達した後の上昇行程ではマーカ5が格納姿勢となるように、マーカ5姿勢を制御している。ステップ#71に示すように、前記所定高さ位置H2に達する前に昇降指令手段6Aによる操作が終了すると、その終了時点で苗植え付け装置2の上昇駆動を停止して上位ルーチンへ戻る。
【0103】
昇降指令手段6Aによる操作が、第1上昇位置U1でなければ、ステップ#66に示すように、昇降指令手段6Aによる操作が、第2上昇位置U2であるのか否かを判別する。
ステップ#66では、昇降指令手段6Aによる操作が、第2上昇位置U2であれば、ステップ#75〜#79に示すように、昇降指令手段6Aによる操作後に苗植え付け装置2が上昇限界位置H3に達するまで上昇駆動し、上昇限界位置H3に達した後に苗植え付け装置2の上昇駆動を停止して上位ルーチンへ戻る。
上記の昇降指令手段6Aによる操作が終了するまでの間のステップ#76で、苗植え付け装置2の現在の高さ位置が、所定高さ位置H2に達したか否かを判断し、所定高さ位置H2に達した後の上昇行程ではマーカ5が格納姿勢となるように、マーカ5の姿勢を制御している。
【0104】
昇降指令手段6Aによる操作が、第2上昇位置U2でなければ、ステップ#67に示すように、昇降指令手段6Aによる操作が、第1下降位置D1であるのか否かを判別する。
ステップ#67では、昇降指令手段6Aによる操作が、第1下降位置D1であれば、ステップ#80,#81,#82,#85に示すように、昇降指令手段6Aによる操作が終了するまで苗植え付け装置2を下降駆動し、操作終了後に苗植え付け装置2の下降駆動を停止して上位ルーチンへ戻る。
【0105】
昇降指令手段6Aによる操作が、第1上昇位置D1でなければ、ステップ#68に示すように、昇降指令手段6Aによる操作が、第2下降位置D2であるのか否かを判別する。
ステップ#68では、昇降指令手段6Aによる操作が、第2下降位置D2であれば、ステップ#83〜#85に示すように、昇降指令手段6Aによる操作によって苗植え付け装置2を下降駆動し、苗植え付け装置2が下降作業位置H1に達した後に苗植え付け装置2の下降駆動を停止して上位ルーチンへ戻る。
前記ステップ#68で、昇降指令手段6Aによる操作が、第2下降位置D2でないと判断した場合には、昇降指令手段6Aによる操作が中立位置Nであるから、そのまま上位ルーチンへ戻る。
【0106】
<施肥ブロア制御関連の動作>
施肥ブロア制御を行うサブルーチンでの施肥ブロア33の駆動停止制御は、図16に示す如く行なわれる。
すなわち、ステップ#100で記憶手段107に記憶されている所定高さ位置H2の情報を読み込み、ステップ#101で苗植え付け装置2の現在の高さ位置に関する情報を、走行機体に対するリンク機構16の上下角度を検出するポテンショメータ18の検出信号から読み込む。
ステップ#102で、レバー位置検出センサ37の検出値から昇降レバー36が「植付」位置に操作されているか否かを判別、もしくは、クラッチセンサ72が作業クラッチ70のクラッチ入り状態を検出したか否かを判別する。、前記昇降レバー36が「植付」位置に操作された、またはクラッチセンサ72が入り操作されたと判別されると、ステップ#3で示すように施肥ブロア33を作動させる。何れも判別されない場合には、施肥ブロア33を作動させずに待機する。
前記クラッチセンサ72の検出は、昇降レバー36の「自動」位置で操作レバー6を第2下降位置D2側へ再度操作してクラッチセンサ72が入り操作されたことを検出するためである。また、前記昇降レバー36が「植付」位置に操作されたことを検出するのは、作業クラッチ70が入り操作される時点よりも前に施肥ブロア33を作動させる際の信号を得るためであり、何れか先に検出された信号に基づいて施肥ブロア33を作動させるように構成してある。
【0107】
ステップ#104で、苗植え付け装置2の現在の高さ位置が、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在しているか否かを判断し、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在していると、そのことだけでは施肥ブロア33の駆動停止は行わず、駆動状態にある施肥ブロア33はそのまま駆動状態に維持される。
苗植え付け装置2の現在の高さ位置が、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在していない場合には、すなわち、所定高さ位置H2よりも低い領域での作動行程lH中に存在している状態であれば、ステップ#105に示すように、昇降指令手段6Aによる操作が、第1上昇位置U1又は第2上昇位置U2であるのか否かを判別する。
【0108】
昇降指令手段6Aによる操作が、第1上昇位置U1又は第2上昇位置U2であれば、ステップ#106及びステップ#107に示すように、苗植え付け装置2が所定高さ位置H2を越えるまでは施肥ブロア33の停止制御は行わず、駆動状態にある施肥ブロア33はそのまま駆動状態に維持し、前記苗植え付け装置2が所定高さ位置H2を越えると施肥ブロア33の駆動を停止状態に切り換えるように制御する。
昇降指令手段6Aによる操作が、前記第1上昇位置U1又は第2上昇位置U2でなければ、施肥ブロア33の停止制御は行わず、駆動状態にある施肥ブロア33はそのまま駆動状態に維持される。
【0109】
<警報制御関連の動作>
警報制御を行うサブルーチンでの警報装置74の作動制御は、図17に示す如く行なわれる。
すなわち、ステップ#110で記憶手段107に記憶されている所定高さ位置H2の情報を読み込み、ステップ#111で苗植え付け装置2の現在の高さ位置に関する情報を、走行機体に対するリンク機構16の上下角度を検出するポテンショメータ18の検出信号から読み込み、ステップ#112で苗のせ台上での搭載苗が不足する状態であることを検出する苗切れ検出センサ76による検出信号を読み込み、ステップ#113で施肥装置3の肥料切れ状態を検出するための肥料切れ検出センサ77による検出信号を読み込み、ステップ#114で苗植え付け装置2に動力を伝える作業クラッチ70が入り状態でないことを検出するためのクラッチセンサ72の検出信号を読み込む。
【0110】
ステップ#115で、苗植え付け装置2の現在の高さ位置が、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在しているか否かを判断し、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在していれば、#116に示すように警報装置74の作動は行わず、作動停止状態にある警報装置74はそのまま作動停止状態に維持される。
苗植え付け装置2の現在の高さ位置が、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在していない場合には、すなわち、所定高さ位置H2よりも低い領域での作動行程lH中に存在している状態であれば、ステップ#117に示すように、苗切れ検出センサ76による苗切れ状態であるのか否かを判別し、苗切れ状態であればステップ#118に示すように警報装置74を作動させる。
【0111】
苗切れ状態でなければ、次に肥料切れ検出センサ77による検出信号を読み込み、ステップ#119に示すように、肥料切れ検出センサ77により肥料切れ状態であるのか否かを判別し、肥料切れ状態であればステップ#120に示すように警報装置74を作動させる。
肥料切れ状態でなければ、次に、ステップ#121で苗植え付け装置2に動力を伝える作業クラッチ70が入り状態でないことを検出するためのクラッチセンサ72の検出信号を読み込む。
ステップ#121で苗植え付け装置2に動力を伝える作業クラッチ70が入り状態でないことを検出すると、ステップ#122に示すように警報装置74を可動させ、作業クラッチ70が入り状態であることを検出した場合には、作動停止状態にある警報装置74はそのまま作動停止状態に維持される。
【0112】
〔他の実施形態の1〕
接地フロート22は、進行方向後方側の揺動支点P1周りで先端側が上下揺動するように苗植え付け装置2に装着してある。そして、田面G2に対する滑走時の姿勢が、フロートセンサ22aの検出値に基づいて、図19に示すように、前記揺動支点p1周りでの予め設定された基準の所定角度θとなるように、苗植え付け装置2の全体を昇降させることにより制御されるものであり、この所定角度θが予め設定された範囲に保たれるように前記揺動支点p1の高さ位置を調節することによって苗植え付け深さを所定の値に保つように制御している。
ところが、水田作業機では、車速が早くなると接地フロート22に作用する泥面の抵抗が大きくなって、接地フロート22が押し上げられる傾向がある。このため、その押し上げられた接地フロート22の揺動角度を基準にして苗植え付け装置2の昇降調節が行われると、植付け深さが浅くなりすぎる虞がある。
このため、従来では、接地フロート22の田面G2に対する基準の滑走姿勢時の所定角度θを、図示しない感知ダイアルなどの人為的な設定操作具で設定変更できるようにしていたが、これでは、車速の変化などには対応させにくいものであった。
この実施形態では、図示しないエンジン回転数検出装置からの検出信号に基づいて、接地フロート22の田面G2に対する基準の滑走姿勢時の所定角度θを、車速に応じて自動的に変更するように構成したフロート角度変更手段(図示せず)を、前記制御装置100に設けたものである。
このフロート角度変更手段は、図20に示すように、車速が中低速度である場合の第1基準所定角度θ1から車速が高速度である場合の第2基準所定角度θ2の間で、車速に対する所定角度θの値が漸次変化するように設定してある。
【0113】
この例では、車速検出のための手段として、エンジン回転数を代用したが、これに限らず、例えば車軸回転数を検出するなどして実車速を検出するようにしてもよいことは勿論である。
また、第1基準所定角度θ1から第2基準所定角度θ2の間における、車速に対する所定角度θの値の変化は、図20に図示されたような直線的な変化ではなく、二次曲線によるより滑らかな変化となるように設定してもよい。
【0114】
〔他の実施形態の2〕
図21は、操作レバー6として、前述のようにステアリングハンドル13の下側近傍に設けたものの他に、走行速度変速のための変速レバー78の握り部78a近くに、変速レバー78を把持した状態で指による操作が可能であるように、補助操作レバー68を設けたものを示している。
このように、変速レバー78に補助操作レバー68を設けると、片方の手でステアリング操作を行い、他方の手で変速操作を行いながら操向するなどの操作を行っている状態でも、必要に応じて前記所定高さ位置H2を変更するなどの操作が容易となって、操作性を増すことになる。
この補助操作レバー68は、前記操作レバー6と同じ操作を行える機能を有したものであるが、この補助操作レバー68と前記操作レバー6とが同時に操作された場合には、操作レバー6の操作が優先されるように、制御装置100を構成してある。
【0115】
〔他の実施形態の3〕
図22は、接地フロート22の高さ位置変化による自動昇降制御を行う際の他の実施形態を示している。
この例では、接地フロート22を、通常は後支点P1周りでの所定の揺動角度αの範囲で揺動作動するように設けてある。つまり、接地フロート22の先端側が上方に位置する前上がり限界位置αuと、接地フロート22の先端側が自重で垂れ下がる前下がり限界位置αdとの範囲内で揺動作動する接地フロート22の姿勢をフロートセンサ22aで検出し、その検出値から田面G2に対する苗植え付け装置2の対田面G2高さを判断し、苗植え付け装置2の昇降制御を行うように構成してある。
ところが、苗植え付け装置2を圃場端の畦に極端に近付けて、畦の間際から苗植付作業を開始しようとした場合に、下降作動中の接地フロート22の後端が畦に乗り上げた状態となってしまうことがある。このような場合には、接地フロート22は前下がり姿勢であるために、通常の昇降制御では苗植え付け装置2は下降側への駆動指令を受けることになるが、畦に乗った状態であるために下降できず、接地フロート22、または苗植え付け装置2を昇降駆動するリンク機構16の取付部が損傷するなどの虞がある。
【0116】
このため、この実施形態では、接地フロート22が自重で垂れ下がる前下がり限界位置αdを設定するためのストッパーとして作用する圧縮バネ80と、その圧縮バネ80のバネ力に抗してさらに接地フロート22が前下がり姿勢になったことを検出するための前下がり検出スイッチ81とを備えている。
そして、接地フロート22の後端側が畦に乗り上げた場合などに、前記前下がり限界位置αdを越えてさらに前下がり姿勢になったことを前記前下がり検出スイッチ81が検出すると、苗植え付け装置2を所定量上昇側へ駆動するように制御する信号をリフトシリンダ15の制御弁15aへ出力するための畦乗り上げ回避用の制御手段(図示せず)を、前記制御装置100に備えている。
これによって、接地フロート22が単に自重で垂れ下がっている状態では、接地フロート22の後端部はのストッパーとして作用する圧縮バネ80によってそれ以上の垂れ下がりは避けられ、前下がり限界位置αdに保たれ、苗植え付け装置2は下降作動を続行する。
そして、接地フロート22の後端が畦に乗り上げるなどして、接地フロート22が前記前下がり限界位置αdを越えてさらに前下がり姿勢になると、このことを前記前下がり検出スイッチ81が検出して、苗植え付け装置2の下降作動を停止し、所定量上昇側へ駆動するように制御される。
【0117】
〔他の実施形態の4〕
昇降指令手段6Aを操作するための操作レバー6、及び補助操作レバー68による苗植え付け装置2の昇降作動制御としては、前述した実施形態に示すように、操作レバー6、又は補助操作レバー68による第1上昇位置U1または第1下降位置D1での作動を、操作レバー6、又は補助操作レバー68を操作している間だけ苗植え付け装置2を昇降作動させるものに限らず、操作レバー6、又は補助操作レバー68を一度操作する度に、所定量だけ昇降作動するように設定してもよい。
この場合、一回の操作での昇降作動量を僅かの値に設定しておけば、苗植え付け装置2を少しづつインチング操作で上昇、あるいは下降させることができ、苗植え付け装置2を天井の低い格納場所へ移動させる場合などに便利に用いることができる。
【0118】
〔他の実施形態の5〕
所定高さ設定器38としては、上述の実施形態に示したように、上昇限界位置H3と下降作業位置H1との中間の高さとして設定される所定高さ位置H2のみを設定変更する構成のものに限らず、上昇限界位置H3と所定高さ位置H2とを、共に設定変更可能であるように構成したものであってもよい。
この場合、上昇限界位置H3と所定高さ位置H2とのうちの何れか一方を変更すると他方も連動して変化するように、つまり、上昇限界位置H3と所定高さ位置H2との間隔幅を一定に保ったまま、何れか一方を変更すると他方も連動して変化するように構成してもよいし、上昇限界位置H3と所定高さ位置H2とを、各別に任意の値に設定変更できるように複数の設定操作具を備えた構造のものとしてもよい。ただし、この場合、上昇限界位置H3が所定高さ位置H2と同じ高さ位置になることは許しても、所定高さ位置H2を下回ったり、所定高さ位置H2が上昇限界位置H3を上回ったりすることのないように、制限しておく必要がある。
【0119】
〔他の実施形態の6〕
上記上昇限界位置H3と下降作業位置H1との中間の高さとして設定される所定高さ位置H2を設定変更する手段としては、人為操作によって設定する構成のものに限らず、自動的に設定変更できるようにしたものであってもよい。
すなわち、例えば走行機体1に前後傾斜を検出する傾斜センサ(図示せず)を搭載し、走行機体1の前後傾斜が所定以上であるときに、所定高さ位置H2が自動的に変更されるようにしてもよい。つまり、走行機体1の前後傾斜が所定以上の前傾であるときに、所定高さ位置H2を少し低くし、逆に走行機体1の前後傾斜が所定以上の後傾であるときに、所定高さ位置H2を少し高くするなどの変更が行われるように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0120】
水田作業機としては、植播系作業装置として直播装置等を備えるものであってもよく、昇降関連作業装置として、ペースト状の肥料を田面に供給する施肥装置や、薬剤散布装置及び米ぬか散布装置等を備えたものであってもよい。
【符号の説明】
【0121】
2 苗植え付け装置
3 施肥装置
4 ローリング駆動機構
5 マーカ
6 操作レバー
6A 昇降指令手段
6B マーカ作動指令手段
15 リフトシリンダ
16 リンク機構
18 ポテンショメータ
22 整地フロート
27 少数条クラッチ
33 施肥ブロワ
36 昇降レバー
50 マーカ操作機構
100 制御装置
H1 下降作業位置
H2 所定高さ位置
H3 上昇限界位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
播種又は苗植付けを行う植播系作業装置を、走行機体に対して昇降操作自在に装備し、この植播系作業装置の対機体高さ位置を、下降させて作業を行うための下降作業位置と、上限まで上昇させた上昇限界位置とにわたって高さ変更可能に構成するとともに、
前記植播系作業装置の昇降に関連して作動するように構成された昇降関連作業装置を備え、
前記下降作業位置と上昇限界位置との間における前記植播系作業装置の昇降作動行程の途中に所定高さ位置を設定し、
前記植播系作業装置の昇降作動方向、及び前記植播系作業装置が前記所定高さ位置の上側または下側の何れの側に位置するかの判別結果に基づいて、前記昇降関連作業装置の作動状態を、前記昇降作動行程中における前記所定高さ位置の上側と下側とで互いに作動状態が異なり、かつ前記所定高さ位置の下側における作動状態が、前記昇降作動行程の上昇行程でも下降行程でも同じ作動状態に維持されるように構成してあり、さらに、前記所定高さ位置を設定変更可能に構成してある水田作業機。
【請求項2】
昇降関連作業装置が田面に指標を形成するマーカであり、植播系作業装置の上昇作動に際して前記マーカが作用姿勢から格納姿勢に姿勢変更されるように構成してあるとともに、
前記マーカの姿勢変更は、下降作業位置にある前記植播系作業装置が所定高さ位置に達するまでは、前記マーカの格納姿勢側への姿勢変更作動を停止し、前記植播系作業装置が所定高さ位置を過ぎてから前記マーカの格納姿勢側への姿勢変更作動が行われるように構成してある請求項1記載の水田作業機。
【請求項3】
昇降関連作業装置が植播系作業装置の水平方向姿勢を制御するローリング駆動機構であり、前記植播系作業装置の上昇作動に際して前記ローリング駆動機構が、ローリング制御の作動状態から、ローリング制御の作動を停止するローリングロック状態に変更されるように構成してあるとともに、
前記ローリングロック状態は、下降作業位置にある前記植播系作業装置が所定高さ位置に達するまでは、前記ローリング駆動機構のローリング作動状態を維持し、前記植播系作業装置が所定高さ位置を過ぎてからローリングロック状態となるように構成してある請求項1記載の水田作業機。
【請求項4】
昇降関連作業装置が警報装置であり、植え付け不能状態で植播系作業装置が下降された際に前記警報装置が作動するように構成してあるとともに、
前記植え付け不能状態における前記警報装置の作動は、上昇限界位置にある前記植播系作業装置が所定高さ位置に達するまでは、前記警報装置の作動停止状態を維持し、前記植播系作業装置が所定高さ位置を過ぎて下降されると警報作動状態となるように構成してある請求項1記載の水田作業機。
【請求項5】
昇降関連作業装置が田面への肥料供給用の施肥ブロアであり、植播系作業装置の上昇作動に際して前記施肥ブロアが作動状態から作動停止状態に変更されるように構成してあるとともに、
前記施肥ブロアの作動停止は、下降作業位置にある前記植播系作業装置が所定高さ位置に達するまでは、前記施肥ブロアの作動状態を維持し、前記植播系作業装置が所定高さ位置を過ぎてから前記施肥ブロアの作動が停止されるように構成してある請求項1記載の水田作業機。
【請求項6】
植播系作業装置が苗植え付け装置であり、昇降関連作業装置が植え付け条の内の少数条を植え付けるための植付け爪駆動機構に対する駆動の断続を行う少数条クラッチであり、前記苗植え付け装置の上昇作動に際して切り状態にある前記少数条クラッチが入り状態に作動形態を変更されるように構成してあるとともに、
前記少数条クラッチの作動形態の変更は、下降作業位置にある前記苗植え付け装置が所定高さ位置に達するまでは、前記少数条クラッチの切り状態を維持し、前記苗植え付け装置が所定高さ位置を過ぎてから前記少数条クラッチが入り状態に変更されるように構成してある請求項1記載の水田作業機。
【請求項7】
上昇限界位置と所定高さ位置とを設定変更可能に構成してあり、かつ、これらの両位置のうち一方を設定変更すると他方も連動して設定変更されるように構成してある請求項1〜6の何れか1項記載の水田作業機。
【請求項8】
所定高さ位置に対して上昇限界位置を独立して設定変更可能に構成してある請求項1〜6の何れか1項記載の水田作業機。
【請求項9】
走行機体における走行形態を判別し、所定の走行形態のときに、植播系作業装置の上昇限界位置又は所定高さ位置を設定変更するように構成してある請求項7、又は8記載の水田作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−50325(P2011−50325A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202848(P2009−202848)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】