説明

汚染分析装置及びその方法並びにそれを用いたレチクル洗浄システム

【課題】レチクルのような検査対象物の洗浄後にその検査面に残留する汚染を分析する際に、検査の信頼度を向上させることができる汚染分析装置及びその方法を提供する。
【解決手段】検査対象物の検査面に残留する汚染を分析する装置であって、前記検査対象物の検査面と液とを接触させて、サンプリング液を抽出するサンプリングモジュールと、前記サンプリング液から前記検査対象物の検査面に残留する汚染物質を分析する分析器とを備え、前記サンプリングモジュールは、前記検査対象物の検査面が収容可能な収容空間が形成された液槽と、前記液槽の収容空間に液を供給する液供給ノズルとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の製造に用いられるシステム及び方法に関し、さらに詳細には、洗浄されたレチクルの表面に残留する汚染を分析する装置及びその方法並びにその装置を有するレチクル洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体素子を製造するために、イオン注入工程、蒸着工程、拡散工程、フォトリソグラフィ工程、そしてエッチング工程などのような複数の工程が要求される。かかる工程の中でフォトリソグラフィ工程は、ウエハ上に所望のパターンを形成するために用いられる。
フォトリソグラフィ工程は、大きく、ウエハ上にフォトレジストを塗布する塗布工程、光を照射してウエハ上に塗布されたフォトレジストにマスクに形成されたパターンを転写する露光工程、及び露光後にウエハ上の特定領域からフォトレジストを除去する現像工程からなる。
【0003】
上述の露光工程においてマスクとしてレチクルが用いられる。
露光工程を行う際に、レチクルの表面を浮遊粒子又はその他の汚染源から保護するために例えば薄くて透明な膜であるペリクル(Pellicle)が接着剤によりレチクル上に付着される。
レチクルは、周期的に洗浄される。レチクルを洗浄するために、ペリクルはレチクルから除去され、以後にレチクルの洗浄が完了すると、新しいペリクルがレチクルに付着される。ペリクルを除去する際に、レチクルから除去されずに残留する汚染物質及び大気からレチクルに新しく付着された汚染物質は、洗浄によりレチクルから除去される。
【0004】
半導体素子が集積化するに伴い、過去には問題にならなかった分子レベルの汚染物質などにより、半導体素子の信頼性及び歩留まりが低下する。特に、上述したレチクル上にアンモニウム(NH)、硫酸化物(SO)、及び有機物などのような汚染物質が残留した状態で露光工程を行う場合と、レチクルに照射される光により上述した汚染物質の光反応が引き起こされ、レチクルの表面に煙霧(haze)が発生する。これは、レチクルの透過率を低下させ、これによってフォトレジストに形成されるパターンに限界寸法(Critical Dimension)不良又はパターンブリッジ現象などのような工程不良が引き起こされる。
【0005】
上述した問題が発生するのを防止するために、レチクルの洗浄が完了した後に、光が照射されるレチクルの表面(以下、検査面と称す)の汚染を分析する。一般に、レチクルの洗浄が行われる装置と汚染を分析する装置とは、互いに独立した部署に提供される。
レチクル洗浄装置において、レチクルの洗浄が完了すると、作業者は、洗浄が完了したレチクルの汚染分析を行う部署に分析を依頼し、後に分析結果の通報を受ける。したがって、レチクルの洗浄が完了した後に分析結果の通報を受けるまで多くの時間がかかるので、露光装置の稼動率を向上するために、多くの数のレチクルを確保しなければならない。
【0006】
また、一般に、レチクルの表面の汚染分析は、レチクルの検査面が上方に向かうように配置した後、レチクルの検査面に常温の脱イオン水を少量供給し待機する。一定時間が経過したあと、レチクルの検査面上の脱イオン水をイオンクロマトグラフィー(high performance ion chromatograph、HPIC)分析器のような分析装置に供給して汚染を分析する。
【0007】
しかしながら、上述した方法を使用する場合、脱イオン水がレチクルの全検査面に等しく提供されないことから、検査の信頼度が低下する。上述した問題は、レチクルの検査面が疎水性を有している場合にさらに大きい。
また、上述したように、脱イオン水が常温で供給されるために、レチクルの検査面上の汚染物質が脱イオン水に十分に含有されるようにするために、レチクルと脱イオン水とが接触した状態で長時間待機しなければならない。
【0008】
また、作業者が脱イオン水をレチクルの検査面に直接供給するため、作業者に応じて供給される脱イオン水の量が異なって検査の信頼度が低い。
また、レチクルの検査面と脱イオン水との接触は、密閉されたチャンバーで行われるが、作業者が直接レチクルをチャンバー内に挿入し脱イオン水を供給するので、チャンバーのカバーが開いている時間が長くなって、チャンバー内の空間が外気に長時間露出する、というような問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は上記従来の汚染分析装置における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、レチクルのような検査対象物の洗浄後にその検査面に残留する汚染を分析する際に、検査の信頼度を向上させることができる汚染分析装置及びその方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、レチクルのような検査対象物の洗浄後にその検査面に残留する汚染を分析する時に必要な時間を短縮できる汚染分析装置及びその方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明のさらに他の目的は、レチクルの洗浄が高い信頼度で行われるようにし、露光工程時に工程効率を向上させうるレチクル洗浄システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するためになされた本発明による汚染分析装置は、検査対象物の検査面に残留する汚染を分析する装置であって、前記検査対象物の検査面と液とを接触させて、サンプリング液を抽出するサンプリングモジュールと、前記サンプリング液から前記検査対象物の検査面に残留する汚染物質を分析する分析器とを備え、前記サンプリングモジュールは、前記検査対象物の検査面が収容可能な収容空間が形成された液槽と、前記液槽の収容空間に液を供給する液供給ノズルとを備えることを特徴とする。
【0012】
前記サンプリングモジュールは、外部から隔離される空間を提供するチャンバーをさらに備え、前記チャンバーは、一面に前記検査対象物を出し入れする通路が形成され、内部に前記液槽が位置するハウジングと、前記通路を開閉するドアとを有することが好ましい。
前記サンプリングモジュールは、前記チャンバー内にパージ(purge)ガスを供給するパージガス供給部をさらに備えることが好ましい。
前記サンプリングモジュールは、前記収容空間に収容された液を加熱する加熱部をさらに備えることが好ましい。
前記サンプリングモジュールは、前記収容空間に収容された液の温度を感知する温度感知部をさらに備えることが好ましい。
【0013】
前記収容空間は、前記液槽の上部に凹部を形成されることによって提供され、前記ドアは、前記ハウジングの上面に前記収容空間と対向するように配置されることが好ましい。
前記液槽は、前記収容空間内で前記検査対象物の検査面が前記収容空間の底面と離隔するように、前記検査対象物を支持する支持突起をさらに備えることが好ましい。
前記サンプリングモジュールは、前記検査対象物の検査面と接触した前記液が前記分析器に供給されるように、前記収容空間と分析器とを連結してそしてバルブが設置された液流出管をさらに備えることが好ましい。
前記サンプリングモジュールは、前記検査対象物として半導体工程に用いられるレチクルからサンプリング液を抽出できるような形状で形成されていることが好ましい。
【0014】
上記目的を達成するためになされた本発明による汚染分析方法は、検査対象物の検査面を液と接触させた後に、該接触させた液内の汚染物質を分析することによって、前記検出対象物の検査面に残留する汚染を分析する汚染検査方法であって、液槽に満たされた液に前記検査対象物の検査面を浸してサンプリング液を得る段階と、前記サンプリング液を分析することによって汚染物質を分析する段階とを有してことを特徴とする。
【0015】
前記サンプリング液を得る段階は、前記液を前記液槽の上面に形成された収容空間内に満たす段階と、前記検査対象物を、その検査面が前記液槽に満たされた液と面するようにした後に、前記検査対象物の検査面と対向する面は前記液から露出するように前記検査対象物の検査面を前記液に浸たす段階とを含むことが好ましい。
前記サンプリング液は、外部から密閉された空間内で得られるようにし、前記検査対象物を前記空間に出し入れする間は、前記空間にパージガスが噴射されることが好ましい。
前記検査対象物の検査面は、加熱された前記液に浸すことが好ましい。
前記検査対象物の検査面が前記液に浸っている間、前記液は加熱されることが好ましい。
前記収容空間に満たされた液の量が一定になるように、前記収容空間に液を供給する液供給管に設置されたバルブの開放時間は、制御器により制御されることが好ましい。
前記検査対象物は、レチクル(reticle)であることが好ましい。
【0016】
上記目的を達成するためになされた本発明によるレチクル洗浄システムは、レチクルを洗浄するシステムであって、レチクルを洗浄する洗浄装置と、前記洗浄装置により洗浄されたレチクルの検査面に残留する汚染を検査する汚染分析装置とを備え、前記汚染分析装置は、チャンバーと、前記チャンバー内に備えられ、上部に前記レチクルの検査面が収容可能な収容空間が形成された液槽と、前記液槽の収容空間に液を供給する液供給ノズルと、前記レチクルの検査面を前記液に浸すことによって得られたサンプリング液から前記レチクルの検査面に残留する汚染物質を分析する分析器とを備えることを特徴とする。
【0017】
前記チャンバーは、上面に前記レチクルを出し入れする通路が形成され、内部に前記液槽が位置するハウジングと、前記通路を開閉するドアとを有し、前記汚染分析装置は、前記チャンバー内にパージガスを供給するパージガス供給部をさらに備えることが好ましい。
前記汚染分析装置は、前記収容空間に収容された液を加熱する加熱部をさらに備えることが好ましい。
前記レチクル洗浄システムは、前記分析器から分析結果が伝送され、これにより、前記洗浄装置の洗浄処方(recipe)を調節し、さらに、前記液供給ノズルからの液供給、前記パージガス供給部からのパージガス供給、及び前記加熱部を制御する制御器をさらに備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る汚染分析装置及びその方法並びにそれを用いたレチクル洗浄システムによれば、レチクルのような検査対象物の洗浄後に行うその検査面に残留する汚染分析時の分析の信頼度を向上させることができるという効果がある。
また、レチクルの検査面を除いた他の面が脱イオン水と接触するのを最小化できることから、分析の信頼度を向上させることができるという効果がある。
また、レチクルの検査面が脱イオン水に浸るようにしてサンプリング液を抽出するので、分析の信頼度を向上させることができるという効果がある。
【0019】
また、レチクルのような検査対象物の洗浄後にその検査面に残留する汚染を分析する際に必要な時間を短縮することができるという効果がある。
また、分析の結果、レチクルが要求されるレベルの洗浄が行われていない場合に、レチクルの再洗浄又は洗浄処方(recipe)の変更が行われるので、レチクルの洗浄が高い信頼度で行われることがことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明に係る汚染分析装置及びその方法並びにそれを用いたレチクル洗浄システムを実施するための最良の形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0021】
本発明の実施の形態は、多様な形態に変形され、本発明の範囲が後述する実施の形態に限定されないと解釈されねばならない。本実施の形態は、単に当業者に本発明をより完全な形で説明するために提供される。したがって、図面での要素の形状などは、より明確な説明として強調するために一部が誇張されて示すこともある。
【0022】
本実施の形態では、検査対象物としてレチクル70を例に挙げて説明する。しかしながら、本発明の技術的思想は、これに限定されず、レチクル70の他に異なる種類の対象物にも適用可能である。
【0023】
図1は、本発明の好ましい一実施形態によるレチクル洗浄システムを概略的に示すブロック図である。
図1に示すように、レチクル洗浄システム1は、洗浄装置10、汚染分析装置20、及び制御器30を有する。
【0024】
洗浄装置10は、露光工程に用いられた後に光が照射される面に付着されたペリクル(図示せず)が除去されたレチクル70を洗浄する。以下、レチクル70の両面のうち、光が照射される面(すなわち、ペリクルが付着される面)を検査面72と称する。
汚染分析装置20は、洗浄が完了したレチクル70の検査面72に残留する汚染を分析する。
制御器30は、汚染分析装置20から検査結果を送信され、検査結果に応じて洗浄装置10の洗浄処方(recipe)を調節する。以下、それぞれの構成について詳細に説明する。
【0025】
図2は、レチクルを洗浄する洗浄装置の一例を概略的に示す模式図である。
図2に示すように、洗浄装置10は、ロード部12a、洗浄部13、及びアンロード部12bを有する。
【0026】
露光工程に用いられたレチクル70は、ロード部12aを介して洗浄装置10に導入し、洗浄部13においてレチクル70の表面に付着された汚染が除去された後、アンロード部12bを介して洗浄装置10から導出される。
洗浄部13には、複数の洗浄ユニット(14a、14b、16a、16b、18)が提供される。洗浄ユニットは、薬液を使用してレチクル70を洗浄する薬液洗浄ユニット14a、14b、常温又は高温の脱イオン水を用いてレチクル70を水洗する水洗ユニット16a、16b、及びレチクル70を乾燥する乾燥ユニット18を有する。
【0027】
薬液は、アンモニア、硫酸、フッ酸、又は窒酸などが使用されるか、SC−1洗浄液(ammonia−hydrogen peroxide mixture)又はSC−2洗浄液(hydrochloric acid−hydrogen peroxide Mixture)などが使用可能である。
【0028】
乾燥は、イソプロピルアルコール蒸気を用いて行うことができる。それぞれの洗浄ユニットは、薬液又はリンス液に浸すようにして工程を行う構造で提供されるか、又は回転するレチクル70上に薬液又はリンス液を供給する構造で提供されうる。薬液洗浄とリンスは、順次に複数回繰り返されて行われ、最後に乾燥が行われるように洗浄ユニット(14a、14b、16a、16b、18)が配置される。
【0029】
汚染分析装置20は、洗浄が完了したレチクル70の表面に残留する汚染の程度を分析する。洗浄が完了したレチクル70の中から選択されたレチクル70は、汚染分析装置20に移送される。レチクル70は、ロボットなどのような自動移送装置(図示せず)により汚染分析装置20に移送されるか、又は作業者により直接汚染分析装置20に移送される。汚染分析装置20は、サンプリング液の抽出が行われるサンプリングモジュール22と、サンプリング液から汚染の程度を分析する分析器24とを有する。
【0030】
図3は、サンプリングモジュールの概略的な構成を示す断面図である。
図3に示すように、サンプリングモジュール22は、チャンバー100、液槽200、加熱部400、温度感知部460、液供給ノズル520、及びパージガス供給部600を有する。
【0031】
チャンバー100は、外部から密閉可能な空間102を提供する。チャンバー100は、ハウジング120とドア140とを有する。ハウジング120は、たとえば六面体の筒状を有し、上面にレチクル70の出し入れが可能な開口を有する。ドア140は、開口を開閉可能なように提供される。ドア140は、たとえば、一端と支点として回動することにより開口を開閉するように提供されることができる。
【0032】
チャンバー100内には、液槽200が提供される。
液槽200は、液を収容することができる収容空間220を有する。例えば、液槽200は、上面に凹んだ溝が形成された直六面体の板状を有し、溝は、収容空間220として提供される。したがって、収容空間220は、側面222と底面224とにより形成される。収容空間220は、上述した開口と対向するように配置する。
【0033】
レチクル70は、開口を介してハウジング120内を垂直に下方向へ移動して、その検査面72が液槽200内に挿入される。溝つまり収容空間220は、レチクル70の検査面72が収容されうる大きさで提供される。液槽200は、収容空間220内に満たされた液が汚染されないように石英材質などからなる。また、液槽200は、ハウジング120の底面から離隔するように受け台260により支持される。
【0034】
収容空間220内に収容されたレチクル70の検査面72が収容空間220の底面224と接触しないように、底面224には、上部に突出した支持突起240が設けられる。
支持突起240は、レチクル70のエッジと接触する位置に提供される。また、それぞれの支持突起240は、レチクル70と点接触するような形状で付けられる。例えば、支持突起240は、半球状で提供されうる。上述の支持突起240の位置及び形状は、多様に変化されうる。
【0035】
レチクル70の検査面72に液を供給して、サンプリング液を抽出する場合に、検査面72の全体が溶液と接触が行われないと分析の信頼度が低下しうる。しかしながら、本実施形態のように、レチクル70の検査面72が液に浸った状態でサンプリング液の抽出が行われると、レチクル70の検査面72の全体領域が液と接触するので、分析の信頼度を向上させることができる(図4参照)。
【0036】
実際上、作業者がレチクル70の検査面72に液を供給する場合に、平均的に約45mlの液が消費されたが、上述した構造の液槽200を使用する場合には、約100mlの液が消費された。レチクル70が液に浸る方式で構造を変更しても、消費される液の量は、大きく増加しない。
【0037】
また、上述したものとは異なり、レチクル70の検査面72と対向する面が支持突起240と接触するようにレチクル70を収容空間220内に収容することもできるが、この場合、レチクル70のすべての面が液と接触するので、レチクル70の検査面72における汚染に対する分析の信頼度は低下する。したがって、レチクル70の検査面72を除いた他の面が液と接触するのを最小限にするために、レチクル70の検査面72が支持突起240に置かれるようにレチクル70を収容空間220内に収容することが好ましい。
【0038】
液供給ノズル520は、液槽200の収容空間220内に液を供給する。液には、脱イオン水が使用されうる。
一例によれば、液供給ノズル520は、その噴射口が収容空間220の一側のエッジに向かうように配置される。液供給ノズル520は、ハウジング120の内側壁から液槽200の一側の上部まで上向き傾斜した供給ロッド524とその先端から下方向に下向き傾斜するように延びた噴射ロッド522を有する。噴射ロッド522は、レチクル70が収容空間220へ移動されるときに、レチクル70の移動に干渉しないように配置する。
【0039】
液供給管540は、ハウジング120の外部に配置され、液貯蔵容器(図示せず)から液供給ノズル520に液を供給するように、液貯蔵容器と液供給ノズル520とを連結する。液供給管540には、その内部通路を開閉するバルブ542が設けられる。バルブ542の開閉は、制御器30により制御される。
【0040】
制御器30は、バルブ542が一定時間の間に開かれるようにして、収容空間220に供給される液の量を一定にする。収容空間220に供給される液の量は、最小、レチクル70の検査面72が液内に浸ることができるようにする。また、収容空間220に供給される液の量は、検査面72と対向するレチクル70の面が液に浸らないようにする。可能なかぎり、レチクル70の側面も、液に浸る部分が少ないように、液の供給量を決めることが好ましい。
図4は、収容空間220内で液に浸るレチクル70の領域の好ましい一例を示す。
【0041】
上述したものとは異なり、収容空間220への液の供給は、作業者により手動で行うこともできる。しかしながら、この場合、収容空間220に供給される液の量が相異なるので、分析の信頼度が低下しうる。したがって、収容空間220に供給される液の量が常に一定になるように、バルブ542が開放される時間が制御器30により調節されることが好ましい。
【0042】
加熱部400は、レチクル70の検査面72と接触する液を加熱する。一例によれば、加熱部400は、レチクル70の検査面72と液とが接触している間、液が加熱され続けるように提供される。加熱部400は、液槽200の底面に装着された加熱板420と、その内部に挿入されたヒータ440とを有する。ヒータ440としては、熱線が提供されうる。選択的に加熱部400は、液槽200内に挿入されたヒータを備えることもできる。
【0043】
また、収容空間220の底面には、温度感知部460が設置される。温度感知部460としては、温度センサが用いられる。温度センサは、液の温度を測定し続け、測定値は、制御器30に伝送される。制御器30は、測定値に基づいてヒータ440に提供される電力の大きさを調節することができる。
【0044】
レチクル70の検査面72と常温の液とを接触してサンプリング液を抽出する場合に、検査面72上の汚染物質が脱イオン水に十分に含有されるようにするために、レチクル70と液との接触時間は、十分に長くなければならない。しかしながら、上述のようにレチクル70の検査面72と加熱した液との接触の場合、比較的短い時間の接触が行われても、検査面上の汚染物質が脱イオン水に十分に含有される。実験によると、約90℃の液とレチクル70の検査面72との接触が30分間行われる場合は、常温の液とレチクル70の検査面72とが1時間の間に接続される場合に比べて、分析の信頼度がさらに高い。
【0045】
本実施形態では、加熱部400が液槽200に装着される構造を例に挙げて説明したが、加熱部400の位置及び加熱部400の種類は、多様に変化できる。
選択的に、加熱部400は、液供給管540にヒータを設置したような形式にすることもできる。しかしながら、この場合に時間が経過するに伴い、液の温度が下降するので、要求される分析の信頼度を得るために、レチクル70の検査面72と液の接触時間が増加させなければならない。したがって、レチクル70の検査面72と液とが接触される間、液が加熱され続けることが好ましい。
【0046】
パージガス供給部600は、チャンバー100内にパージガスを供給する。パージガス供給部600は、ガス噴射ノズル620とガス供給管640とを有する。ガス噴射ノズル620は、チャンバー100内の上側に提供される。ガス供給管640は、チャンバー100の外部に位置し、ガス噴射ノズル620にガスを供給する。ガス供給管640には、バルブ642が設置され、バルブ642は、制御器30により調節されうる。
パージガスとしては、例えば、窒素、又はヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなどの不活性ガスが採用されうる。
【0047】
パージガスは、ドア140が開いてレチクル70がチャンバー100に出し入れされる間、噴射される。また、パージガスは、レチクル70と液とが接触している間にも供給され続けることが好ましい。パージガスは、外部空気がチャンバー100内に流入するのを最小化し、チャンバー100内に残留する空気をチャンバー100から排出する。ハウジング120の底面又は側面の下部には、パージガスが排出される排出管160が連結される。
【0048】
レチクル70が液に一定時間浸ることによって、レチクル70の検査面72上の汚染物質を含有するサンプリング液が得られる。レチクル70は、収容空間220から除去され、サンプリング液は、分析器24に送られる。
【0049】
一例によれば、液槽200は、チャンバー100から脱着可能な構造で提供される。例えば、液槽200は、加熱部400又は受け台260上に置かれる構造で提供されているが、選択的に液槽200を加熱部400又は受け台260上に締結部材(図示せず)を介して固定することもできる。この場合、サンプリング液が得られると、作業者は、液槽200をチャンバー100から分離してサンプリング液を分析器24に提供しうる。
【0050】
図5は、図1のサンプリングモジュールの他の例を概略的に示す断面図である。
選択的に、図5のように液槽200には、液流出管700が連結されることも可能である。液流出管700は、液槽200の収容空間220に満たされたサンプリング液を分析器24に供給する。液流出管700には、その内部通路を開閉するバルブ720が設置される。バルブ720は、制御器30により制御されうる。
【0051】
分析器24は、サンプリング液内に含有されているアンモニウム(NH)、硫酸化物(SO)、及び有機物などのような汚染物質を検出する。分析器24には、イオンクロマトグラフィー(high performance ion chromatograph、HPIC)分析器24などのような分析装置が使用されうる。イオンクロマトグラフィー分析器24などのように液内に含有されている汚染物質を分析する装置は、業界において広く使用されているので、その詳細な説明は省略する。
【0052】
分析器24により分析された結果は、制御器30に伝送される。制御器30は、分析結果により、汚染の濃度が許容範囲内であると判断すると、レチクル70を露光装置(図示せず)に提供して、工程が行われ続けるようにする。しかしながら、分析結果により、汚染の濃度が許容範囲外であると判断すると、警報器等を介してアラームを発生させて作業者に知らせる。これと共に、制御器30は、レチクル70が再び洗浄されるように、レチクル70の移動を制御する。追加的には、制御器30は、洗浄装置10で洗浄液の量又は洗浄時間などのような洗浄処方を修正することができる。
【0053】
上述した例では、サンプリングモジュール22内へのレチクル70の出し入れが作業者によりなされることで説明した。しかしながら、これとは異なり、サンプリングモジュール22にレチクル70の出し入れ、洗浄装置10とサンプリングモジュール22のレチクル70の移送などのような、レチクル70の一連の移動が全て自動的に行われるように、ロボットを含む運送メカニズム(図示せず)が提供されることも可能である。
【0054】
次に、図6〜図15を参照して、レチクルを洗浄する方法を説明する。
図6は、レチクルの洗浄工程を示すフローチャートであり、図7は、レチクルの洗浄工程のうち、レチクルを検査するステップの詳細を示すフローチャートであり、図8〜図15は、レチクルの洗浄工程のうち、レチクルを検査するステップを順次に説明するためのサンプリングモジュールの概略断面図である。図8〜図15に示すバルブ162、542、642のうち、内部が空いたバルブは、その通路が開いた状態を示し、内部が満たされたバルブは、その通路が閉められた状態を示す。
【0055】
まず、露光工程に用いられたレチクル70は、洗浄装置10に移送される。レチクル70は、洗浄装置10内の洗浄ユニットを経由しつつ洗浄される(ステップS100)。薬液による洗浄が行われた後に、脱イオン水を用いてレチクル70を水洗する工程が複数回繰り返され、最後にレチクル70の乾燥が行われる。
【0056】
次に、複数のレチクル70に対して洗浄が完了すると、その内の1つのレチクル70に対して洗浄が要求されるレベルで行われたか否かに対する検査が行われる(ステップS200)。
はじめは、図8に示すように、サンプリングモジュール22内に提供された液槽200の収容空間220に脱イオン水が満たされる(ステップS210)。脱イオン水は、液供給ノズル520を介して収容空間220に供給され、予め設定された量のみが収容空間220に供給されるように、制御器30によりバルブ542の開放時間が調節される。
【0057】
次に、図9に示すように、収容空間220に満たされた脱イオン水は、ヒータ440により予め設定された温度まで加熱される(ステップS220)。一例として、予め設定される温度は、約90℃である。
【0058】
次に、図10に示すように、ガス噴射ノズル620を介してチャンバー100内にパージガスが供給される(ステップS230)。パージガスの供給は、収容空間220に脱イオン水の供給又は脱イオン水の加熱に先行して行われうる。
【0059】
次に、図11に示すように、チャンバー100のドア140が開いてハウジング120の上部が開放され、レチクル70がチャンバー100内に収容される(ステップS240)。レチクル70は、その検査面72が下方を向くように垂直に下方向へ移送されて、収容空間220内の支持突起240上に置かれる。レチクル70の移送は、作業者により行われるか、又は移送ロボットにより行われることができる。
【0060】
次に、図12に示すように、レチクル70は、その検査面72が脱イオン水に浸った状態で予め設定された時間の間、待機する(ステップS250)。一例として、予め設定された時間は、約30分である。レチクル70が脱イオン水に浸っている間、脱イオン水は、上述した予め設定された温度を維持するように加熱され続ける。
【0061】
予め設定された時間が過ぎると、図13に示すように、チャンバー100のドア140が開いてハウジング120の上部が開放され、レチクル70は、チャンバー100から摘出される(ステップS260)。図10において行われたパージガスの供給は、ここまで行われ続ける。
【0062】
次に、図14に示すように、収容空間220内に残っているサンプリング液(レチクルが浸っていた脱イオン水)を分析器24に提供する(ステップS270)。図3の装置を使用する場合は、作業者が液槽200をチャンバー100から分離した後に手作業でサンプリング液を分析器24に供給する。しかし、選択的に、図5の装置を使用する場合は、液槽200に連結した液流出管700を用いて、サンプリング液が分析器24に供給されうる。
【0063】
以後、図15に示すように、チャンバー100のドア140が閉められた後に、チャンバー100内にパージガスが供給され、液槽200の収容空間220に洗浄液としての脱イオン水が供給されて、サンプリングモジュール22の内部が洗浄される(ステップS280)。パージガス及び洗浄液は、排出管160を介してチャンバー100から排出される。洗浄液(脱イオン水)は、液供給ノズル520を介して供給することができ、選択的に液供給ノズル520とは異なるノズルを介して液槽200の収容空間220に供給されうる。
【0064】
分析器24は、サンプリング液から汚染の濃度を分析し、分析結果は、制御器30に伝送される(ステップS300)。制御器30は、汚染の濃度が許容範囲内であると、レチクル70を露光装置に移送させ(ステップS400)、汚染の濃度が許容範囲外であると、警告音等を発生させた後にレチクル70を洗浄装置10に搬送して再び洗浄が行われるようにする。このとき、洗浄装置10の洗浄処方が修正されるように調節されうる(ステップS500)。
【0065】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の好ましい一実施形態によるレチクル洗浄システムを概略的に示すブロック図である。
【図2】図1のレチクルを洗浄する洗浄装置の一例を概略的に示す模式図である。
【図3】図1のサンプリングモジュールの概略的な構成を示す断面図である。
【図4】収容空間内で液に浸るレチクルの領域の好ましい一例を示す概略断面図である。
【図5】図1のサンプリングモジュールの他の例を概略的に示す断面図である。
【図6】レチクルの洗浄工程を示すフローチャートである。
【図7】図6のレチクルの洗浄工程のうち、レチクルを検査するステップの詳細を示すフローチャートである。
【図8】レチクルを検査するステップを順次に説明するためのサンプリングモジュールの概略断面図である。
【図9】レチクルを検査するステップを順次に説明するためのサンプリングモジュールの概略断面図である。
【図10】レチクルを検査するステップを順次に説明するためのサンプリングモジュールの概略断面図である。
【図11】レチクルを検査するステップを順次に説明するためのサンプリングモジュールの概略断面図である。
【図12】レチクルを検査するステップを順次に説明するためのサンプリングモジュールの概略断面図である。
【図13】レチクルを検査するステップを順次に説明するためのサンプリングモジュールの概略断面図である。
【図14】レチクルを検査するステップを順次に説明するためのサンプリングモジュールの概略断面図である。
【図15】レチクルを検査するステップを順次に説明するためのサンプリングモジュールの概略断面図である。
【符号の説明】
【0067】
1 レチクル洗浄システム
10 洗浄装置
20 汚染分析装置
22 サンプリングモジュール
24 分析器
30 制御器
40 警報器
70 レチクル
72 検査面
100 チャンバー
120 ハウジング
140 ドア
160 排出管
162、542、642、720 バルブ
200 液槽
220 収容空間
240 支持突起
260 受け台
400 加熱部
420 加熱板
440 ヒータ
460 温度感知部
520 液供給ノズル
522 噴射ロッド
524 供給ロッド
540 液供給管
600 パージガス供給部
620 ガス噴射ノズル
640 ガス供給管
700 液流出管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物の検査面に残留する汚染を分析する装置であって、
前記検査対象物の検査面と液とを接触させて、サンプリング液を抽出するサンプリングモジュールと、
前記サンプリング液から前記検査対象物の検査面に残留する汚染物質を分析する分析器とを備え、
前記サンプリングモジュールは、前記検査対象物の検査面が収容可能な収容空間が形成された液槽と、
前記液槽の収容空間に液を供給する液供給ノズルとを備えることを特徴とする汚染分析装置。
【請求項2】
前記サンプリングモジュールは、外部から隔離される空間を提供するチャンバーをさらに備え、
前記チャンバーは、一面に前記検査対象物を出し入れする通路が形成され、内部に前記液槽が位置するハウジングと、
前記通路を開閉するドアとを有することを特徴とする請求項1に記載の汚染分析装置。
【請求項3】
前記サンプリングモジュールは、前記チャンバー内にパージ(purge)ガスを供給するパージガス供給部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の汚染分析装置。
【請求項4】
前記サンプリングモジュールは、前記収容空間に収容された液を加熱する加熱部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の汚染分析装置。
【請求項5】
前記サンプリングモジュールは、前記収容空間に収容された液の温度を感知する温度感知部をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の汚染分析装置。
【請求項6】
前記収容空間は、前記液槽の上部に凹部を形成されることによって提供され、
前記ドアは、前記ハウジングの上面に前記収容空間と対向するように配置されることを特徴とする請求項2に記載の汚染分析装置。
【請求項7】
前記液槽は、前記収容空間内で前記検査対象物の検査面が前記収容空間の底面と離隔するように、前記検査対象物を支持する支持突起をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の汚染分析装置。
【請求項8】
前記サンプリングモジュールは、前記検査対象物の検査面と接触した前記液が前記分析器に供給されるように、前記収容空間と分析器とを連結してそしてバルブが設置された液流出管をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の汚染分析装置。
【請求項9】
前記サンプリングモジュールは、前記検査対象物として半導体工程に用いられるレチクルからサンプリング液を抽出できるような形状で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の汚染分析装置。
【請求項10】
検査対象物の検査面を液と接触させた後に、該接触させた液内の汚染物質を分析することによって、前記検出対象物の検査面に残留する汚染を分析する汚染検査方法であって、
液槽に満たされた液に前記検査対象物の検査面を浸してサンプリング液を得る段階と、
前記サンプリング液を分析することによって汚染物質を分析する段階とを有してことを特徴とする汚染分析方法。
【請求項11】
前記サンプリング液を得る段階は、前記液を前記液槽の上面に形成された収容空間内に満たす段階と、
前記検査対象物を、その検査面が前記液槽に満たされた液と面するようにした後に、前記検査対象物の検査面と対向する面は前記液から露出するように前記検査対象物の検査面を前記液に浸たす段階とを含むことを特徴とする請求項10に記載の汚染分析方法。
【請求項12】
前記サンプリング液は、外部から密閉された空間内で得られるようにし、
前記検査対象物を前記空間に出し入れする間は、前記空間にパージガスが噴射されることを特徴とする請求項11に記載の汚染分析方法。
【請求項13】
前記検査対象物の検査面は、加熱された前記液に浸すことを特徴とする請求項10に記載の汚染分析方法。
【請求項14】
前記検査対象物の検査面が前記液に浸っている間、前記液は加熱されることを特徴とする請求項10に記載の汚染分析方法。
【請求項15】
前記収容空間に満たされた液の量が一定になるように、前記収容空間に液を供給する液供給管に設置されたバルブの開放時間は、制御器により制御されることを特徴とする請求項11に記載の汚染分析方法。
【請求項16】
前記検査対象物は、レチクル(reticle)であることを特徴とする請求項10に記載の汚染分析方法。
【請求項17】
レチクルを洗浄するシステムであって、
レチクルを洗浄する洗浄装置と、
前記洗浄装置により洗浄されたレチクルの検査面に残留する汚染を検査する汚染分析装置とを備え、
前記汚染分析装置は、チャンバーと、
前記チャンバー内に備えられ、上部に前記レチクルの検査面が収容可能な収容空間が形成された液槽と、
前記液槽の収容空間に液を供給する液供給ノズルと、
前記レチクルの検査面を前記液に浸すことによって得られたサンプリング液から前記レチクルの検査面に残留する汚染物質を分析する分析器とを備えることを特徴とするレチクル洗浄システム。
【請求項18】
前記チャンバーは、上面に前記レチクルを出し入れする通路が形成され、内部に前記液槽が位置するハウジングと、
前記通路を開閉するドアとを有し、
前記汚染分析装置は、前記チャンバー内にパージガスを供給するパージガス供給部をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載のレチクル洗浄システム。
【請求項19】
前記汚染分析装置は、前記収容空間に収容された液を加熱する加熱部をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載のレチクル洗浄システム。
【請求項20】
前記レチクル洗浄システムは、前記分析器から分析結果が伝送され、これにより、前記洗浄装置の洗浄処方(recipe)を調節し、さらに、前記液供給ノズルからの液供給、前記パージガス供給部からのパージガス供給、及び前記加熱部を制御する制御器をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載のレチクル洗浄システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−197109(P2008−197109A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−34440(P2008−34440)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】