説明

油汚染プラスチックから油とプラスチックを分離回収する改善された方法

【課題】第1の有機溶剤システムおよび第2の二酸化炭素システムを用いて合成樹脂材料の容器から汚染物を除去する方法を提供する。
【解決手段】有機溶剤を用いて合成樹脂材料から汚染物を除去し、二酸化炭素を用いて合成樹脂材料から残留する有機溶剤を分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(政府支援開発)
米国政府は、米国エネルギー省との契約番号DE−ACO4−01 AL66850に基づき、本発明において権利を有する。
【0002】
(技術分野)
本発明は合成樹脂(特にプラスチック)材料から汚染物を除去するための改善された方法およびシステムに関する。特に詳細には、本発明は、汚染物を合成樹脂材料から除去するために、上流の溶剤洗浄システムおよび下流の二酸化炭素洗浄システムを含むツーパート方式の方法に関する。
【0003】
(背景技術)
合成樹脂材料から製造された、リサイクル用の容器は、同様の埋立用の容器に代わるものとして非常に望ましいものである。しかしながら、これらの容器は、汚染されるとその材料が残留することが多い。そのような残留物が除去されない場合は、それによって容器の材料の価値が低下し、低級製品以外には適合しなくなってしまうことがある。従来は、これらの残留物または汚染物を除去するのは、困難であり、費用がかかり、また副産物として更なる廃棄物を生み出すことがあった。
【0004】
この問題の例としてモータオイル容器のリサイクルが例示される。モータオイル容器は一般に高密度ポリエチレン(HDPE)であり、十分清浄であればそれ自体はリサイクルに適している。しかしながら、「空になった」のモータオイル容器の内側表面を被覆する残留オイルは汚染物であり、そのため、それらの容器は高級プラスチックに用いることができない。使用済みのモータオイル容器のサンプリング測定によると、この残留オイル被覆物は使用済み合成樹脂材料容器の重量の、平均すると4.6%にあたり、容器の重量の20%を示すこともある。これらの容器の大部分は現在埋立地の中に廃棄されており、大地や地下水の中にオイルを漏出し、また、かなりの埋立体積を占めている。しかし、もし容器からモータオイルが簡単に分離できれば、この埋立体積や、大地や地下水の汚染を大幅に減らすことができる。
【0005】
廃棄合成樹脂容器を埋立る以外に現在可能な選択肢としては、(a)容器を粉砕し、非常に限定的な(希釈)単位で他のリサイクル処理で用いる;(b)水性処理を用いて、合成樹脂材料からの汚染物を置換する;(c)ハロゲン化溶剤を用いて汚染物を分解/希釈する;および(d)可燃性または易燃性溶剤を用いて合成樹脂材料からの汚染油を分解/希釈する、などがある。
【0006】
上述の選択肢に関する問題点としては次のものが挙げられる。
a.米国の既存のリサイクル業者は、限られた量の汚染された合成樹脂材料をリサイクルされた製品に混合することができる。リサイクル後の合成樹脂材料の特性に、汚染物の好ましくない影響があるため、大量に混合することはできない。例としては、「プラスチック用材」、および低級プラスチック製品がある。
【0007】
b.水性処理を用いて、合成樹脂材料からの汚染物を置換することができる。しかし、汚染物の置換を促進するには洗浄剤および/または界面活性剤が必要である。この方法により、使用可能な汚染のない合成樹脂材料の流れが生成されるが、置換された汚染物は、水溶液または分散液から置換された汚染物を分離するために、追加の処理が必要となる。水溶液または分散液はそれ自体、二次的廃棄流となり、廃液としてリサイクルまたは廃棄する前に処理を必要とする。
【0008】
c.ハロゲン化溶剤を用いて、合成樹脂材料からの汚染物を分解/希釈することができる。溶剤が合成樹脂材料から本質的な成分を抽出しない場合は、この方法でも使用可能な汚染のない合成樹脂の流れを生成することができる。ハロゲン化溶剤溶液は、汚染物を回収し溶剤をリサイクルするために、蒸留する必要がある。一般には、蒸留物から、使用可能な汚染物(油など)を完全に回収することは難しい。さらには、ハロゲン化溶剤の多くは、オゾン破壊化合物であり、人間の健康に有害であり、その結果それを用いたり、環境に解放したりすることは連邦および州政府による規制および綿密な調査の対象となっている。
【0009】
d.可燃性または易燃性溶剤を用いて合成樹脂材料から汚染物を分解、および/または置換することができる。溶剤が合成樹脂材料から本質的な成分を抽出しない場合は、この方法により使用可能な合成樹脂材料を生成することができる。可燃性または易燃性溶剤溶液は、溶剤から汚染物を回収するために蒸留が必要である。使用できる蒸留装置は、可燃性または易燃性溶剤に適したものに限られ、またその場合でも、防災安全注意することが重要である。ハロゲン化溶剤を用いる場合は、蒸留によって汚染物を完全に回収することができない場合がある。
【0010】
上述した現行の方法は、油汚染容器から、使用可能な合成樹脂材料を提供することができる。しかしながら、それらが使用可能な油を回収できるのは、二次的廃棄物流を出すという犠牲を払った上のことであり、二次的廃棄物流はそれ自体に処理および追加の費用が必要となる。「空になった」油容器からの合成樹脂材料および油のリサイクルは、合成樹脂材料と油の分離に従来の有機または水溶性溶剤を用いる場合は、重大な環境問題および廃棄物流処理問題を呈する。残留油が最終的には大地や地下水に到達することを考えると、容器を埋立用廃棄物として処分することも、環境上の問題を呈する。
【0011】
米国特許第5,711,820号には、液体または超臨界二酸化炭素を用いて、油で汚染されたプラスチックから油を分離する方法が記載されている。しかしながら、二酸化炭素が油を溶媒和する能力は相対的に低い。効果的にするには、二酸化炭素を非常に高い圧力下に置かなければならない。その結果、このシステムの装置を高圧動作用に設計する必要があり、また、それだけでなく、高圧二酸化炭素を提供するための利用コストも相当なものになる。
【0012】
したがって、合成樹脂材料容器から汚染物を除去するための改良されたシステムおよび方法が求められている。更に詳細には、環境上安全であり、かつ経済的な方法により、本質的に汚染物のない合成樹脂材料を生成するシステムおよび方法が求められている。
【発明の開示】
【0013】
本発明は上述の問題点を解決し、合成樹脂材料から汚染物を除去する分野において顕著な進歩を提供する。なお、ここで「合成樹脂材料」という表現にはプラスチック材料が含まれるが、それに限定されるわけではない。更に詳細には、本発明は、合成樹脂材料から汚染物を除去する方法であって、少なくとも1つの汚染物を含有する粒子状合成樹脂材料を少なくとも1つの炭素原子と少なくとも1つの水素原子とを含有し、比重が少なくとも0.76である有機溶剤に接触させる工程を含む方法を提供する。
【0014】
他の態様では、本発明は、合成樹脂材料から汚染物を除去する方法であって、少なくとも1つの汚染物を含有する粒子状合成材料を、一般式RCOOR’を有するアルキルエステル溶剤に接触させる工程を含み、RおよびR’はC1〜C10アルキル基から独立して選択され、Rは少なくとも1つの水酸基を含有する方法を提供する。
【0015】
他の態様では、本発明は、合成樹脂材料から汚染物を除去する方法であって、(a)少なくとも1つの汚染物を含有する粒子状合成樹脂材料を二酸化炭素以外の溶剤に接触させる工程と、(b)粒子状合成樹脂材料から溶剤の少なくとも1部分を除去する工程と、(c)工程(b)において除去されなかった溶剤の少なくとも1部分を除去するために、粒子状合成樹脂材料を、液体、または超臨界二酸化炭素に接触させる工程とを含む方法を提供する。
【0016】
更に他の態様では、本発明は、合成樹脂材料から汚染物を除去するシステムであって、
(a)合成樹脂材料に接触させるための、一定量の二酸化炭素以外の一定量の液体溶剤を内部に有する、少なくとも1つの槽と、(b)合成樹脂材料から溶剤の少なくとも1部分を除去するための少なくとも1つの分離装置と、(c)合成樹脂材料と接触し、合成樹脂材料上に残留する溶剤の少なくとも1部分を除去するための、一定量の液体または超臨界二酸化炭素を内部に有する、少なくとも1つの二酸化炭素槽とを備えるシステムを提供する。
【0017】
以下に、上述およびそれ以外の本発明の主な態様について更に詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、添付の図面を参照し、本発明の好適実施態様を詳細に説明する。
なお、図面は、本発明をここに開示および記載される特定の実施態様に限定するものではない。また、図面は必ずしも縮尺や強調したりするものではなく、本発明の原理を明確に示すために提供する。
ここで図面、特に図1を参照すると、本発明の1つの好ましい実施態様に係る、合成樹脂材料で製造された使用済みの容器から汚染物を除去するプロセスが図示されている。本発明は、特に、高密度ポリエチレン容器から油、HDPE容器から殺虫剤、HDPE容器から乳汁、ポリエチレン テレフタレート容器から「ソーダ水」、特に自動車用プラスチックからポリ塩化ビフェニル(PCB)、およびその他、地域のリサイクルプログラムなど回収される、洗剤容器などの各種の使用済み容器から汚染物を除去するのに有用である。また、本システムは、合成樹脂材料容器からラベルおよびラベル接着剤を除去するのに非常に有効である。さらに、本発明は、合成樹脂材料からの汚染物回収を促進し、それによって汚染物を、安全でかつ環境にやさしい方法によって処理することができる。
【0019】
このプロセスの上流部分には液体溶剤洗浄システム10が含まれる。溶剤洗浄システムは一般に、3つの別々の洗浄ステージ12、14、および16を備える。粒子状合成樹脂材料(供給ストリーム18として図示)はまず、液体溶剤を含有する第1ステージ12に送られる。粒子状材料が溶剤と厳密に混合される第1洗浄サイクルの後、粒子状材料(ストリーム20として図示)は第2ステージ14に送られる。ステージ14は、ステージ12とほぼ同様に動作し、粒子状材料を追加量の溶剤と混合する。第2洗浄サイクルの後、粒子状材料(ストリーム22として図示)は第3洗浄ステージ16に送られる。第3ステージ16も、最初の2つのステージ12、14と同様に動作する。しかしながら、後で詳細に説明する理由から、このステージでは前の2つのいずれのステージよりも多い量の溶剤を用いることが好ましい。また、溶剤の純度は、ステージ12、ステージ14、ステージ16の順に高くなることが好ましい。合成樹脂材料上に存在する汚染物を溶媒和するには、連続するステージの各々に含有される溶剤は、1つ前のステージよりも清浄度が高くなることが好ましい。
【0020】
なお、ステージ12、14、および16は別々の槽で実施しなければならないわけではない。これらのステージを直列に配置して実行すると、ほぼ連続したプロセスとして実施できるので、プロセス全体がもっとも効率良く機能すると考えられている。しかしながら、合成樹脂材料をタンクからタンクに移動するのではなく、溶剤を別々のバッチ(別々の純度を有する)にして、各ステージの際にタンクに入れたり出したりして、3槽よりも少ない数の槽を用いることも可能である。その場合でも、粒子状合成樹脂材料は3つの別々のバッチの溶剤に接触するが、単一の槽に限定する必要はない。
【0021】
次に、粒子状材料(ストリーム24として図示)は溶剤分離およびリサイクルステーション26に送られる。ステーション26では、溶剤の実質的な部分が粒子状材料から分離され、管路28を介して第3洗浄ステージ16へリサイクルされる。ステーション26は、スピンドライヤなどの装置を採用し、機械的に粒子状材料から溶剤を分離することが好ましい。次に、粒子材料はストリーム32を介してサイロ30に送られ、次の処理を待つ。
【0022】
プロセスの下流部分には、二酸化炭素洗浄システム34が含まれる。システム34の設定は、参照として本明細書に組み込まれる、米国特許第5,711,820号に開示されるものとほぼ同様である。本発明の文脈では二酸化炭素システム34の目的が、米国特許第5,711,820号のそれとは少し異なる。本発明のプロセスでは、二酸化炭素システム34に到達する以前に合成樹脂材料から汚染物の実質的な部分および好ましくはほとんど全部が除去される。しかしながら、合成樹脂材料上に残留するものは、僅かに残った汚染物以外は、主に溶剤洗浄システム10からの溶剤である。このステージでは、合成樹脂フレークはまだ、0.1〜5重量%の溶剤を含有しており、これらは除去されるべきものである。この残留する溶剤を二酸化炭素システム34を用いて溶剤洗浄システム10から除去する。米国特許第5,711,820号に示されるプロセスと異なり、本発明の二酸化炭素システム34は合成樹脂フレークから油汚染物を除去することに主眼を置いているのではなく、むしろ、前段のシステムから残留する溶剤を除去することを目的としている。二酸化炭素システム34の動作中にフレークから、少量の汚染物が除去されるが、これは付帯的な便益であって、汚染物の大部分は溶剤洗浄システム10においてすでに除去されている。
【0023】
溶剤洗浄システム10で用いられる溶剤は、液体または超臨界二酸化炭素に相対的に(システム10の合成樹脂材料から除去される汚染物に比べて)溶けやすいことが好ましい。従って、本発明の1つの利点は、二酸化炭素システム34が汚染物を直接溶媒和する場合に比べて、二酸化炭素システム34が低圧力で動作することである。低圧力で動作することは装置のコストおよび二酸化炭素を液化する際のエネルギーコストを大幅に低減する。
【0024】
破線で示すように、システム10は、溶剤が外部環境へ蒸発または漏えいしないように、窒素などの不活性ガスによってシールまたはブランケットされた槽を用いる閉鎖システムであることが好ましい。さらに、サイロ30は、合成樹脂粒子に付着する残留溶剤が外部環境に漏えいしないように閉鎖槽であることが好ましい。閉鎖システムとしてのシステム10は、相対的に自己搭載型であり、有意な放出を行わないため、重大な環境上の問題を呈することがない。また、システム10の閉鎖型としての特性は、その中で用いられる液体溶剤の実質的な部分のリサイクルが可能になり、補給の需要が低減する。これらの特徴の結果、従来の水を用いた汚染除去システムに比べて動作コストがおよそ40%削減でき、また、汚染された水の清浄化処理を不要にする。
【0025】
次に、図2を参照すると、溶剤洗浄システム10が詳細に図示されている。ステージ12、14、および16は、装置のサイズによる違いを除いて、それぞれほぼ同様である。従って、3つのステージに共通の特徴は同じ参照番号を付して説明する。およそ3/8”のフレークに粉砕された粒子状材料の供給ストリーム18はステージ12に入り、最初に分離装置36に向かう。そこでは主に、合成樹脂材料の粒子の内、処理が困難になるような許容不可能な大きさの粒子を分離する。この分離装置は、このような分離に適している、ふるい、またはフィルタ型の装置でよいが、Sweco分離装置などの装置が好ましい。拒否された粒子は、ストリーム38を介して分離装置36の外に出され、許容可能なサイズ(およそ3/8”)になるまで処理を施すために、シュレッダーや粉砕機(図示省略)などに戻される。
【0026】
許容サイズの合成樹脂粒子は、ストリーム40を介して分離装置36から外に出て、コンベア42に向かい、そこから洗浄タンク44、または46のいずれかに供給される。コンベア42は、粒子状合成樹脂材料を両方のタンク44、および46に案内することが可能な可逆オーガ48を備える。動作としては、まず材料は1つのタンクの積載量に達するまでそのタンクに搭載される。そのタンクで洗浄サイクルが開始され、オーガ48は方向を逆にし、もう一方のタンクに搭載が開始される。2つのタンクを平行に配置することによって、ほぼ連続したプロセスが達成できる。
【0027】
タンク44および46(および全部の関連するタンク)は、合成樹脂材料上に存在する可能性のある汚染物を分解する能力を有する液体の溶剤を含有する内部コンパートメント49を備える、二重壁タンクであることが好ましい。この二重壁の特徴は、溶剤および汚染物が何らかの事故で外に漏えいするのを防ぐための保護を提供する。
【0028】
タンク44および46に特有の特徴としては、これらのタンクが、密度の高い合成樹脂材料から密度の低い合成樹脂材料を分離するために備えられていることである。例えば、ポリエチレン テレフタレート(PET)で製造された多くの合成樹脂容器は密度の低いポリプロピレン材料から製造された蓋を用いている。リサイクル中にこれらの2種類の材料を分離することが好ましいことが多い。これらの異なる材料を手動で分離することは非常にコストがかかる。本発明は、これらの2つの材料の比重の中間の比重を有する溶剤を注意深く選択することによって、この分離を実現している。したがって、低密度のポリプロピレン材料が溶剤中に浮き、それより密度の高いPETは沈む傾向がある。スキミング装置を用いて、タンク44および46からストリーム52および54を各々介して密度の低い材料を除去する。または、タンク44および46の上部近辺にゲートを配置し、それを開放して、密度の低い方の材料を、ある程度の量の溶剤とともに排出し、その後、ろ過し、溶剤を各々のタンクに戻す。いくつかの例では、所望の合成樹脂材料が、蓋の材料と密度が非常に接近していて分離ができない場合がある。その場合は容器を粉砕する前にコンテナから蓋を分離することが好ましい。
【0029】
タンク44および46の各々は、タンクの中身を撹拌するためのミキサ50を備えている。この撹拌はかなり重要であり、合成樹脂材料が溶剤に最大限に接触するような強度を有することが好ましい。本発明に用いるのに好ましいミキサ50としては、ミキサのシャフトに少なくとも1つのプロペラが取り付けられたNeptuneミキサがある。
【0030】
既に述べたように、タンク44および46は被覆されている。各タンクの外側コンパートメント56は、内部コンパートメント49内の溶剤の温度を加温および維持するための熱媒液を含んでいる。好ましくは、適切な任意の熱媒液を用いることができるが、プロピレン グリコール、またはエチレン グリコールなどのグリコールが特に好ましい。熱媒液は好ましくは、熱交換機58を用いて、およそ170〜190°F(77〜88℃)の温度に加熱するのが好ましい。その結果、内部コンパートメント49内に含まれる溶剤が同様に、およそ170〜190°F(77〜88℃)の温度に加熱される。被覆された槽を用いることによって、溶剤槽の近くで裸火を使用することなく溶剤の加熱を行うことができる。この特徴により、システム全体の安全性が高くなる。グリコール溶液は、管路60、62、64、および68を介して、タンク44および46と熱交換機50との間を常に循環している。
【0031】
合成樹脂粒子および溶剤は所定の時間、撹拌される。この時間は、タンクのサイズ、溶剤の純度、溶剤そのものの特性および粒子状の汚染物を可溶化する能力、など様々なファクタに依存する。しかしながら、撹拌は相対的に短時間に行うのが好ましく、好ましくは15分未満、より好ましくは1〜12分の間、さらに好ましくは4〜5分の間である。撹拌サイクルの最後に、タンク44または46のいずれかの中味が各々管路70または72を介して空にされる。そして、溶剤および合成樹脂材料を含有するスラリーがポンプ74によって押し出され、管路76を介してステージ14に送られる。
【0032】
スラリーは第2の分離装置36を通り、ここで、特定の材料が溶剤から分離され、管路78を介してステージ12に再循環される。ポンプ80は再循環された溶剤を各々管路82または84を介してタンク44または46のいずれかに送る。合成樹脂材料(ストリーム86として図示)は、粒子状材料をタンク44bおよび46b間に分配する第2のコンベア42へ送られる。次に、ステージ14はステージ12と同様に動作するが、密度の異なる合成樹脂材料を浮上除去によって分離する工程が追加されている。
【0033】
撹拌サイクルが完了すると、溶剤と特定の材料のスラリーが管路88または90を介して各々のタンクから出て、ポンプ92によって押されて管路94を介してステージ16に送られる。ステージ16では、まず、スラリーを第3の分離装置36内を通過させ、溶剤を分離し、管路96を介してステージ14に再循環させる。ポンプ98は再循環された溶剤を、管路100または102のいずれかを介して適切なタンクに戻す。
【0034】
合成樹脂材料は、ストリーム104として分離装置36を離れ、コンベア42に向かい、そこでタンク44cおよび46cに分配される。次に、ステージ16は、ステージ12および14と同様に動作する。撹拌サイクルが完了すると、溶剤および合成樹脂材料のスラリーは、各々管路106、108を介してタンク44cおよび46cから出て、ポンプ110によって押されて管路114を介してハイドロサイクロン112に送られる。
【0035】
ハイドロサイクロン112は粒子状合成樹脂材料から、スラリー状で存在する固体廃棄物を分離する。固体廃棄物は、金属粒子およびその他の重い固体粒子などで、そのために、合成樹脂材料または溶剤から分離されないまま、スラリー状で存在する望ましくない粒子状材料などである。この廃棄物は、ストリーム116としてシステムから出る。ハイドロサイクロンに投入するスラリー中に存在する溶剤と合成樹脂材料との比率は、合成樹脂材料の密度など、様々なファクタによって異なる。更に、ハイドロサイクロンの内部はスラリー中に存在する合成樹脂材料のタイプに依存して変更する必要がある。
【0036】
スラリーは管路118を介して、スピンドライヤ120へ向けて送られ、そこで、溶剤の実質的な部分は合成樹脂材料から分離され、管路122およびポンプ124を介してステージ16に再循環される。再循環された溶剤は、次に、管路126および128を介してタンク44cおよび46cに分配される。スピンドライヤ120はスラリー中に存在する溶剤のおよそ90重量%以上、より好ましくはおよそ95%以上、さらに好ましくは98重量%以上の溶剤を除去することが好ましい。合成樹脂材料はスピンドライヤを出た後、ストリーム130として保管用サイロ30に送られ、そこで、二酸化炭素システム34に送ることができるようになるまで、保管される。
【0037】
システム10で用いられる溶剤は、各種の所望の特性に基づいて、慎重に選択される。まず第1に、溶剤は多数の異なる汚染物を、その中に分散されている合成樹脂材料を大きく破壊することのなく、溶媒和する能力を備える必要がある。第2番目に、溶剤は密度が異なる合成樹脂材料の浮上分離を促進するために特定の比重を示すものでなければならない。ポリプロピレンのキャップとPETの容器の例を用いると、より価値の高いPETからキャップの材料を分離することが望ましい。ポリプロピレン材料の比重はおよそ0.90であるのに対して、PETの比重は一般に1.3〜1.4である。溶剤はこれらの2つの数字の間の比重を有することが好ましく、水の比重に近い比重を有することが更に好ましい。もし浮上分離がその特定のプロセスの重要な特徴ではない場合、溶剤の比重もまた重要なファクタではない。しかしながら、溶剤は、比重(好ましくは20℃の時)がおよそ0.76以上、より好ましくはおよそ0.9〜1.5の間、もっとも好ましくは0.95〜1.25の間である二酸化炭素以外の有機溶剤を含むことが好ましい。
【0038】
適切な溶剤は、エステル、ケトン、グリコール、グリコール エーテル、ハロゲン化溶剤、芳香族、アルコール、脂肪族炭化水素、アミン、テルペンなどの様々な級の化学物質から選択することができる。さらに詳細には、溶剤は、アミル プロピオネート、ブチル ブチレート、アルキル ラクテート、エチル ヘキシル アセテート、二塩基酸エステル、メチル ソヤート、エチル ソヤート、シクロヘキサノン、メチル エチル ケトン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコール メチル エーテル、トリクロロエチレン、キシレン、エタノール、テトラヒドロフルフリル アルコール、ヘキサン、ミネラルスピリット、モノエタノールアミン、d−リモネン、ジメチル ホルムアミド、n−メチル ピロリドン、プロピレン カーボネート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。好ましくは、溶剤は、一般式RCOOR’を有するアルキルエステル溶剤であって、RおよびR’はC1〜C10アルキル基から独立して選択され、Rは少なくとも1つの水酸基を含有する。アルキル ラクテートは、本発明に用いるために、特に好ましい溶剤である。
【0039】
好ましいアルキル ラクテートには、メチル ラクテート、エチル ラクテート、イソプロピル ラクテート、およびブチル ラクテートがあり、すべて、PURAC America社(リンカンシャー、イリノイ州)から製品名PURASOLVとして販売されている。アルキル ラクテートの中では、エチル ラクテートが特に好ましい。これらの溶剤の比重は、20℃の時に、0.98〜1.09の間であり、一般に水と混和性があり、グリースや油など各種の有機汚染物を溶媒和する能力が高い。更に、これらの溶剤は相対的に毒性がなく、いくつかの例では、FDAから食品用として認定されているものもある。溶剤に毒性がないということは、更なる便益であり、このシステムが環境にやさしい特性を有することに貢献している。
【0040】
溶剤が、汚染物に加えて、合成樹脂材料を溶媒和することは望ましくないので、合成樹脂材料との溶剤の相溶性は重要な特性である。ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレン テレフタレート、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデン フルオリド、ポリカーボネート、フッ化エチレン プロピレン、ポリブチレン テレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリブチレン、ポリフェニレン オキシド、ポリスチレン(polystryene)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリメチルペンテン、ポリビニル クロリド、アセタール、アクリル酸、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、およびそれらの組み合わせなどの合成樹脂材料は、本発明に係る好ましい溶剤の多くと相溶性があると考えられている。
【0041】
図1に示す二酸化炭素システム34は、溶剤システム12において処理した後、合成樹脂粒子に接着している残留溶剤の分離に適した閉鎖ループ分離システムの例である。二酸化炭素システム34は、また、合成樹脂粒子上に存在する可能性のある僅かな量の汚染物を除去する能力を有するが、このシステム34の主要な特徴は、粒子から残留溶剤を分離し、それによって、溶剤および汚染物の残留していない物質を生成することである。
【0042】
粒子状合成樹脂材料は保管用サイロ30から、ストリーム134(好ましくはオーガ輸送装置)を介して抽出槽132へ送られる。一般に、材料は鋼鉄製網籠、または他の穴あき金属容器で囲い、合成樹脂材料が抽出槽132からシステム34の他の部分に、後述する二酸化炭素の流れによって、流されることのないようにする。次に、貯蔵槽136から制御弁138を介してシステムに二酸化炭素を充填する。その際、後述する動作に望ましい圧力および温度条件を満たすために適切な圧力まで充填する。制御弁138および140を遮断して、二酸化炭素の流れを確立する。二酸化炭素の流れは、圧縮装置142と関連する熱交換機144から、制御弁146、抽出槽132、膨張装置148と関連する熱交換機150、および分離槽152を通って圧縮装置142に到達し、次のサイクルが開始される。圧縮装置142の速度、膨張装置148、および熱交換機144および150の温度の調整によって、抽出槽132および分離槽152を後述する所望の圧力および温度に維持することができる。このような調整は手動または市販のコンピュータソフトウエアおよび装置による制御により行うことができる。システム全体の充填は、二酸化炭素を制御弁138を介して貯蔵槽136から更に取り込むか、または制御弁140を介して貯蔵槽に排出するかによって調整することができる。
【0043】
抽出槽132内では、液体または超臨界二酸化炭素中の溶剤の溶解作用に望ましい温度および圧力は、一般に、およそ600〜5000 psia(より好ましくは650〜1000 psia、もっとも好ましくは700〜800 psia)、およびおよそ20〜100℃(より好ましくはおよそ30〜90℃、もっとも好ましくはおよそ60〜70℃)である。溶剤の入っていない液体または超臨界二酸化炭素が連続的に抽出槽132の底部に入り、合成樹脂材料154のそばを通り過ぎて上方に流れ、材料154(システム10からの)上で流れる溶剤を分解し洗い流す。上向きの流れは合成樹脂材料154の層を流動化し、溶剤の分解を促進する傾向があるため、二酸化炭素の流れが抽出槽132の底部に導入されることがある程度重要である。
【0044】
溶剤を抱えた二酸化炭素は、抽出槽132の上部から連続的に出て、膨張装置148および熱交換機150へ流れる。膨張装置148および熱交換機150は、分離槽152に入る二酸化炭素が気相になるように、つまり、一般にはおよそ400〜1000 psia、およびおよそ20〜35℃に設定される。これらの気相状態では、二酸化炭素は溶剤に関してほとんど溶解性を持たない。したがって、溶剤(わずかな量の汚染物を含む)は溶液の外に沈降し、液体の溶液と気体の二酸化炭素との2相システムを形成し、溶剤は分離槽152の底部に集まる。溶剤の残留していない二酸化炭素気体が、圧縮装置142により圧縮され、そこで圧力が抽出槽132の圧力と同等、またはそれ以上に上昇する。次に、二酸化炭素が熱交換機144の中を流れるにつれて、二酸化炭素の温度が所望の値に調整され、そこから、液体または超臨界のいずれかの(選択する温度および圧力によって決まる)二酸化炭素として抽出槽132に再び入り、再び、合成樹脂材料154から溶剤を分解し洗い流す。合成樹脂材料から溶剤がすべて除去され、分離槽152中に沈殿するまで、この二酸化炭素の再循環が継続される。
【0045】
合成樹脂材料からの溶剤の分離が完了すると、制御弁146が閉鎖されて、二酸化炭素が制御弁140を介して貯蔵槽136に送られ、後に再び用いられる。溶剤の残留していない合成樹脂材料154は抽出槽132から除去され(好ましくは吸引システムによって)、保管用サイロに送られる。回収された溶剤156は分離槽152から排出される。このプロセスによって出される廃棄物は抽出槽132の最終減圧時に排気される少量の二酸化炭素だけである。
【0046】
吸引装置を用いて、溶剤の残留していない生成物中に存在する、ラベル紙の切れ端などの軽材料から合成樹脂のフレークを分離することもできる。これらのフレークは、その後、別の保管用サイロに送られ、その後包装される。
【0047】
二酸化炭素システム34から回収された溶剤156は、好ましくは溶剤洗浄システム10に再循環されるか、または必要があれば、純化システムに送られる。ステージ12、14、および16で用いられる溶剤は、汚染物で飽和するので、定期的に交換および純化する必要がある。これらの交換の間隔は、溶剤を用いるステージや溶剤の能力、または溶媒和力(カウリ(Kauri) ブタノール価と呼ばれることもある)など各種のファクタによって異なるが、一般には数時間毎である。溶剤はそれぞれのステージから排出され、溶剤と汚染物を分離する蒸留システムに送られる。蒸留システムの動作条件はその溶剤の引火点によって大きく異なるが、本発明に係る好ましい溶剤は一般に、およそ300°F(149℃)に加熱され、その後、再圧縮される。汚染廃棄物は、次に、適切に処分、または再循環される。適切に処分するための汚染廃棄物の回収は、本発明の重要な利点の1つである。汚染物が回収されなかった場合、特に、毒性の高い汚染物が回収されなかった場合、それらは最終的には合成樹脂材料とともに埋立ての中に入り、大地や地下水を汚染する恐れがある。
【0048】
溶剤ステージ12、14、および16は、「汚れた溶剤」の除去後すぐに新しい溶剤が追加され、また汚れた溶剤が純化されている間もこのプロセスが継続するので、このプロセスにかかる実質的な時間に関して、別のラインとして捉える必要はない。図2に示すシステム10は、特に、このダウンタイムを避けるために設計されたものである。ここでは、タンク44および46が平行に配置され、1つのタンクが溶剤の交換のためにダウンしている間は別のタンクが動作する。つまり、システム10は連続バッチプロセスとして機能する。
【0049】
本発明は添付の図面に示す好ましい実施態様に関して記載してきたが、請求項に記載する本発明の範囲を逸脱することなく、等価物の採用および代替物の製造が可能であることはいうまでもない。
【0050】
以上本発明の好ましい実施態様について記載してきたが、新規として特許証による保護を希望する請求項は特許請求の範囲のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、粒子状合成樹脂材料から汚染物を除去するための、3段階溶剤システム、および液体または超臨界二酸化炭素システムを示す概略流れ図である。
【図2】図2は、図1に示す3段階溶剤システムの詳細図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂材料から汚染物を除去する方法であって、少なくとも1つの汚染物を含有する粒子状合成樹脂材料を少なくとも1つの炭素原子と少なくとも1つの水素原子とを含有し、比重が少なくとも0.76である有機溶剤に接触させる工程を含む方法。
【請求項2】
前記溶剤は、アミル プロピオネート、ブチル ブチレート、アルキル ラクテート、エチル ヘキシル アセテート、二塩基酸エステル、メチル ソヤート、エチル ソヤート、シクロヘキサノン、メチル エチル ケトン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコール メチル エーテル、トリクロロエチレン、キシレン、エタノール、テトラヒドロフルフリル、ヘキサン、ミネラルスピリット、モノエタノールアミン、d−リモネン、ジメチル ホルムアミド、n−メチル ピロリドン、プロピレン カーボネート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1の方法。
【請求項3】
前記粒子状合成樹脂材料の少なくとも1部分はフレーク状である請求項1の方法。
【請求項4】
前記接触工程は、前記粒子状合成樹脂材料を、少なくとも2つの別々の段階において、前記溶剤に連続的に接触させる工程を含む請求項1の方法。
【請求項5】
前記接触工程は、前記粒子状合成樹脂材料を、3つの別々の段階において、前記溶剤に連続的に接触させる工程を含む請求項4の方法。
【請求項6】
前記粒子状合成樹脂材料から前記溶剤の1部分を除去する工程を含む、請求項4の方法。
【請求項7】
前記溶剤を除去する工程は、前記粒子状合成樹脂材料を、ハイドロサイクロンを通過させ、その後ドライヤを通過させる工程を含む請求項6の方法。
【請求項8】
前記粒子状合成樹脂材料は、比重の高い材料の粒子と、比重の低い材料の粒子とを含み、前記接触工程は、前記溶剤中に前記比重の低い材料の前記部分を浮上させることによって、前記比重の低い材料の少なくとも1部分を、前記比重の高い材料の少なくとも1部分から、分離する工程を含む請求項1の方法。
【請求項9】
前記溶剤の比重は、およそ0.9〜1.5である請求項1の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの汚染物は、油、殺虫剤、乳汁、洗浄剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1の方法。
【請求項11】
合成樹脂材料から汚染物を除去する方法であって、少なくとも1つの汚染物を含有する粒子状合成材料を、一般式RCOOR’を有するアルキルエステル溶剤に接触させる工程を含み、RおよびR’はC1〜C10アルキル基から独立して選択され、Rは少なくとも1つの水酸基を含有する方法。
【請求項12】
前記合成樹脂材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレン テレフタレート、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデン フルオリド、ポリカーボネート、フッ化エチレン プロピレン、ポリブチレン テレフタラート、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリブチレン、ポリフェニレン オキシド、ポリスチレン(polystryene)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリメチルペンテン、ポリビニル クロリド、アセタール、アクリル酸、ABS、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項11の方法。
【請求項13】
前記溶剤はアルキル ラクテートである請求項11の方法。
【請求項14】
前記アルキル ラクテートは、メチル ラクテート、エチル ラクテート、イソプロピル ラクテート、ブチル ラクテートおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項13の方法。
【請求項15】
前記接触工程は、前記粒子状合成樹脂材料を前記溶剤に、少なくとも2つの別々の段階において、連続して接触させる工程を含む請求項11の方法。
【請求項16】
前記接触工程は、前記粒子状合成樹脂材料を前記溶剤に、3つの別々の段階において、連続して接触させる工程を含む請求項15の方法。
【請求項17】
前記粒子状合成樹脂材料から前記溶剤の少なくとも1部分を除去する工程を含む請求項11の方法。
【請求項18】
前記溶剤を除去する工程は、前記粒子状合成樹脂材料をハイドロサイクロンを通過させ、その後ドライヤを通過させる工程を含む請求項17の方法。
【請求項19】
前記粒子状合成樹脂材料は異なる密度の粒子を含み、前記接触工程は低密度の合成樹脂粒子から高密度の合成樹脂粒子を、前記溶剤中に前記低密度の合成樹脂粒子を浮上させることによって、分離する工程を含む、請求項11の方法。
【請求項20】
合成樹脂材料から汚染物を除去する方法であって、
(a)少なくとも1つの汚染物を含有する粒子状合成樹脂材料を二酸化炭素以外の溶剤に接触させる工程と、
(b)前記粒子状合成樹脂材料から前記溶剤の少なくとも1部分を除去する工程と、
(c)工程(b)において除去されなかった前記溶剤の少なくとも1部分を除去するために、前記粒子状合成樹脂材料を、液体、または超臨界二酸化炭素に接触させる工程とを含む方法。
【請求項21】
前記合成樹脂材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレン テレフタレート、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデン フルオリド、ポリカーボネート、フッ化エチレン プロピレン、ポリブチレン テレフタラート、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリブチレン、ポリフェニレン オキシド、ポリスチレン(polystryene)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリメチルペンテン、ポリビニル クロリド、アセタール、アクリル酸、ABS、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項20の方法。
【請求項22】
前記溶剤は、アルキル ラクテート、エチル ヘキシル アセテート、二塩基酸エステル、メチル ソヤート、エチル ソヤート、シクロヘキサノン、メチル エチル ケトン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコール メチル エーテル、トリクロロエチレン、キシレン、エタノール、テトラヒドロフルフリル アルコール、ヘキサン、ミネラルスピリット、モノエタノールアミン、d−リモネン、ジメチル ホルムアミド、n−メチル ピロリドン、プロピレン カーボネート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項20の方法。
【請求項23】
前記アルキル ラクテートは、メチル ラクテート、エチル ラクテート、イソプロピル ラクテート、ブチル ラクテートおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項22の方法。
【請求項24】
前記工程(a)は前記粒子状合成樹脂材料を前記溶剤に、少なくとも2つの別々の段階において、連続して接触させる工程を含む請求項20の方法。
【請求項25】
前記工程(a)は前記粒子状合成樹脂材料を前記溶剤に、3つの別々の段階において、連続して接触させる工程を含む請求項24の方法。
【請求項26】
前記溶剤除去工程は、前記粒子状合成樹脂材料を、ハイドロサイクロンを通過させ、その後ドライヤを通過させる工程を含む請求項20の方法。
【請求項27】
(d)前記粒子状合成樹脂材料から前記二酸化炭素を分離し、その後、工程(c)において除去した前記溶剤を前記二酸化炭素から分離する工程、
を更に含む請求項20の方法。
【請求項28】
(e)工程(d)において前記二酸化炭素から分離された前記溶剤を純化し、前記純化された溶剤を工程(a)へ再循環させる工程、
を更に含む請求項27の方法。
【請求項29】
合成樹脂材料から汚染物を除去するシステムであって、
(a)前記合成樹脂材料に接触させるための、一定量の二酸化炭素以外の一定量の液体溶剤を内部に有する、少なくとも1つの槽と、
(b)前記合成樹脂材料から前記溶剤の少なくとも1部分を除去するための少なくとも1つの分離装置と、
(c)前記合成樹脂材料と接触し、前記合成樹脂材料上に残留する前記溶剤の少なくとも1部分を除去するための、一定量の液体または超臨界二酸化炭素を内部に有する、少なくとも1つの二酸化炭素槽とを備えるシステム。
【請求項30】
(d)前記合成樹脂材料を前記分離装置から前記二酸化炭素槽へ移送する輸送装置、
を更に含む請求項29のシステム。
【請求項31】
前記輸送装置は、保管用サイロおよび前記サイロを前記二酸化炭素槽へ接続する導管を備える請求項30のシステム。
【請求項32】
前記溶剤は、アミル プロピオネート、ブチル ブチレート、アルキル ラクテート、エチル ヘキシル アセテート、二塩基酸エステル、メチル ソヤート、エチル ソヤート、シクロヘキサノン、メチル エチル ケトン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコール メチル エーテル、トリクロロエチレン、キシレン、エタノール、テトラヒドロフルフリル、ヘキサン、ミネラルスピリット、モノエタノールアミン、d−リモネン、ジメチル ホルムアミド、n−メチル ピロリドン、プロピレン カーボネート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項29のシステム。
【請求項33】
前記溶剤は、メチル ラクテート、エチル ラクテート、イソプロピル ラクテート、ブチル ラクテートおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるアルキル ラクテートである請求項32のシステム。
【請求項34】
前記分離装置はスピンドライヤを備える請求項29のシステム。
【請求項35】
前記システムは、直列に配置される、少なくとも3つの別々の溶剤槽を備える請求項29のシステム。
【請求項36】
前記溶剤槽の各々は、前記溶剤と前記合成樹脂材料とを混合させるための機械的撹拌装置を備える請求項35のシステム。
【請求項37】
前記少なくとも3つの溶剤槽の第1番目は、浮遊する合成樹脂材料を前記第1の槽から除去するための装置を備える請求項35のシステム。
【請求項38】
前記少なくとも1つの溶剤槽は、前記溶剤を有する内部タンクと、外部タンクと、それらの間の空間とを備え、前記空間には、前記内部タンク内の前記溶剤の温度を制御するための、熱媒液を有する請求項29のシステム。
【請求項39】
前記熱媒液はグリコールを含む請求項29のシステム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−534265(P2008−534265A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504083(P2008−504083)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/008971
【国際公開番号】WO2006/107520
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(507251066)ハニーウェル フェデラル マニファクチャリング アンド テクノロジーズ, エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】