説明

油膜絶縁破壊評価装置

【課題】 油膜厚さが実測でき、金属接触と放電を混同せずに、油の物性を実軸受と同じ状態で、油膜の絶縁破壊が評価できる油膜絶縁破壊評価装置を提供する。
【解決手段】 本発明の油膜絶縁破壊評価装置は、ガラスディスク1と、これに油膜を介して接触させるボール4と、ガラスディスク1とボール4との間の絶縁抵抗を測定する抵抗測定回路とを備えたもので、ガラスディスクを透明体とし、ボールとの接触面側に可視光を透過する膜電極2を設け、この膜電極2とボール4との間の電圧、もしくは流れる電流を測定するとともに、油膜の状況を高速度カメラ15で撮影するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータ駆動モータや鉄道主軸の軸受などで発生する軸受電食の現象解明に用いる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の油膜絶縁破壊評価装置の例として、つぎのような動的な試験装置と静的な試験装置がある(例えば、非特許文献1参照)。
まず、第1の従来例として動的な油膜絶縁破壊評価装置の例を図9に示す。図において、20はボール、21、22、23は内輪、24はオイルタンク、25は直流電源、26はばね、27はねじである。この装置は、内輪21と内輪22が所定の間隔を設けて平行に配置され、この間にボール20が装着され、さらにこのボール20の上に内輪23が載置された構成になっている。そして、内輪21と内輪22間に直流電源25の出力端子が接続されている。
本装置の動作はつぎのようになる。ボール20と内輪間にオイルタンク24から油を滴下する。ねじ27を調整し内輪とボール20間に負荷を与える。内輪21を図示しないモータにより回転させ、ボール20を転がす。その結果、内輪22、23が回転する。ボール20と内輪21、22、23の間に油膜が形成される。この油膜の厚さは内輪21の回転速度により可変でき、その油膜厚さはEHL理論(弾性流体潤滑理論)で計算して求める。内輪21、22に電圧を印加して、電圧計V1とV2の値を比べ、油膜が絶縁破壊しているかを判定する。油膜が絶縁破壊していないと、内輪21、22間の抵抗は10MΩ以上なので、V2=V1になる。油膜が絶縁破壊すると、内輪21、22間の抵抗は数ΩになるのでV1≒0になる。したがって、このV1の値により油膜の絶縁破壊を判定できる。
つぎに、第2の従来例として静的な油膜絶縁破壊評価装置の例を図10に示す。図において、28はディスク、29はアクチュエータ、30は位置センサである。この装置は、ディスク28の1個とボール20の1個で構成し、ディスク28とボール20間に油滴を滴下し、アクチュエータ29により負荷を与える。ディスク28とボール20との距離を接触した状態からサブミクロンレベルで離すことで軸受内部の油膜を模擬する。この距離は位置センサ30で実測する。ここに直流電源25から電圧を印加して、V1の値により油膜の絶縁破壊を判定する。
このように、従来の油膜絶縁破壊評価装置は、油膜を隔てた2面間に電圧を印加し、絶縁破壊を評価するものである。
【非特許文献1】兼田他、電食の防止対策、(社)日本トライボロジー学会トライボロジー会議予稿集(東京 1999−5)、133
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、従来の絶縁破壊評価装置についてはつぎの問題がある。
[第1の従来例]
(1)本装置は、油膜厚さの計算値が定量値と言えない。油膜厚さの計算には油の粘度の値が必要であり、素性の分かった油であれば油の粘度を高い精度で推定できるが、使用後の油や、混合された油の場合は粘度が不明であり、粘度計測から実施しなくてはいけないからである。
(2)仮に粘度が分かり計算できたとしても、接触域は0.1mm程度と比較的大きく、その接触域で油膜厚さが厚いところと薄いところがあり、放電がどの部分で起こっているのか分からないので、計算により油膜厚さを算出してもあまり意味が無い。
(3)また、表面粗さの変化を考慮できない。2面には表面粗さがあり、放電は油膜厚さだけではなく、表面粗さとの比で決まると思われるが、表面粗さは試験時間の経過と共に試料の表面は粗くなる。表面粗さの変化までは計算できない。
(4)さらに、金属接触と放電を混同する。油膜厚さが表面粗さ程度に薄い場合、電圧変化(電流でも同じ)からは金属接触と放電の区別が出来ない。
[第2の従来例]
(1)本装置は、静的な状態で2面を近づけるだけなので、油には荷重がかからず、油の物性が実軸受の場合と大きく異なる。静的な状態で近づけるだけだと油は粘性流体のままの状態である。小さくても荷重を加えると、面圧で言えば1GPa程度の高面圧が生じ油は粘弾性体や弾塑性固体になる。こうなると粘性流体のときと比べ、体積弾性係数が1桁ほど異なる。実際に絶縁破壊電圧を測定すると、実機モータとは2桁違う値となる。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、油膜厚さが実測できると共に、表面粗さの変化も見逃すことなく、金属接触と放電を混同せずに、油の物性を実軸受と同じ状態で、油膜の絶縁破壊を評価することができる油膜絶縁破壊評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1に記載の発明は、油膜を挟んだ2つの物体間に電圧を印加して油膜の絶縁破壊を調べる油膜絶縁破壊評価装置において、前記一方の物体を透明体とし、かつ、前記他方の物体との接触面側に可視光を透過する電極を用いるものである。
請求項2に記載の発明は、回転体と、これに油膜を介して接触させる転動体と、前記回転体と前記転動体との間の絶縁抵抗を測定する抵抗測定回路とを備えた油膜絶縁破壊評価装置において、前記回転体を透明体とし、前記転動体との接触面側に可視光を透過する電極を設け、この電極と他方の物体との間の絶縁抵抗を測定するとともに、油膜の状況をカメラで撮影するものである。
請求項3に記載の発明は、前記電極を光干渉により油膜厚さを測定する金属膜にしたものである。
請求項4に記載の発明は、前記電極を透明導電膜にしたものである。
請求項5に記載の発明は、前記電極を金属膜と透明導電膜とを少なくとも1層ずつ積層したものである。
請求項6に記載の発明は、前記電極を前記透明体の表面から金属膜、透明膜、金属膜の順に積層し、光干渉により接触応力を測定するようにしたものである。
請求項7に記載の発明は、前記電極を前記透明体の表面に、金属膜と透明導電膜とを積層した第1積層膜の領域と、透明な膜が金属膜で挟まれて積層された第2積層膜の領域とを有するものである。
【発明の効果】
【0005】
請求項1、2、3に記載の発明によると、可視光を透過または一部反射する電極を用いているので、荷重をかけた状態で接触面の油膜厚さを光干渉法で実測しながら電圧・電流波形が記録でき、表面粗さの変化を見逃すことがない。
請求項4に記載の発明によると、電極に透明導電膜を用いているので、抵抗値が低く十分な電流が流れ、放電が明瞭な発光現象として観察でき、金属接触と放電を混同せずに油膜の絶縁破壊を評価することができる。
請求項5に記載の発明によると、透明導電膜を用いているので、発光現象が観察でき、金属膜により光干渉に必要な反射が得られ膜厚測定が確実になる。
請求項6に記載の発明によると、金属膜と透明膜を積層しているので、ガラスディスクとボールの接触応力による透明膜の弾性変形量を、金属膜同士で生じる光干渉で実測できる。すなわち、油の物性に大きく影響する接触部の応力をモニタしながら油膜の絶縁破壊を評価できる。
請求項7に記載の発明によると、2つの異なる積層膜の領域を設けたので、膜厚と接触部の応力を測定しながら油膜の絶縁破壊を1試験中に一緒に評価でき、特にグリースの油膜のように潤滑特性が時間の変化と共に変わる材料を評価する際、本発明は効果が大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【0007】
図1は、本発明の油膜絶縁破壊評価装置を示す断面図である。図において、1はガラスディスク、2は膜電極、3は油、4はボールである。なお、5は支持部材、6はシャフト、7は固定ねじ、8は絶縁物、9はばね、11は電源、12はブラシ、13は光源、14はプリズム、15は高速度カメラである。
ガラスディスク1の下面には可視光を透過する膜電極2を被覆している。図2はガラスディスク1と膜電極2としての金属膜2aを模式的に示した拡大模式図である。
ガラスディスク1の下面には、評価する油3を薄く塗りつけている。油には粘性があるので、評価試験の間はガラスディスク1よりたれ落ちない。ボール4を下方のばね9でガラスディスク1に押しつけ、シャフト6でガラスディスク1と繋がったプーリ10を図示しないモータで回転させると、ボール4も供回りして自転する。その結果、ボール4とガラスディスク1の間にサブミクロンの油膜が形成される。上部より 高速度カメラ15で観察すると0.1mm程度の円形で、ボール4とガラスディスク1が接触していることが分かる。油膜の厚さは光干渉法で測定できる。絶縁破壊の状況は、シャフトとボール間にブラシを介して印加した電圧V1または回路に流れる電流A1の測定で判定できる。なお、ガラスディスクは廉価であるが縦弾性係数が鋼と比べ低いので、高価ではあるが縦弾性係数が鋼とほぼ等しいサファイアディスクを使い、軸受内部の応力状態と厳密に等価にすることを狙う場合もある。
本発明が従来技術と異なる本質的な部分は、電極に透明体を使い、接触面を観察できるようにしているところである。
【実施例1】
【0008】
本発明の実施例1について図1、2を用いて説明する。本実施例では、膜電極2として、厚さ7nmのクロムの金属膜2aを用いた。この膜厚によると可視光の透過率はおよそ40%、反射率はおよそ20%である。ボール4は直径25.4mm、材質SUJ2の軸受用鋼球である。ガラスディスク1は板厚11mm、直径180mm、材質BK−7ガラスの円板である。油3は、昭和シェル石油製アルバニア#2(基油:鉱油、増ちょう剤:Liせっけん)というグリースを用いた。
つぎに本実施例の動作について述べる。
先ず、ばね9の変位を調整して40Nの力でボール4をガラスディスク1に押し当て、ボール4が250rpmで自転するようにガラスディスク1を回転させた。このとき、油3には実軸受相当の0.5GPaの面圧が負荷されている。上部より高速度カメラ15で撮影した画像を図3に示す。図中の矢印の先端部の領域が油膜の最も薄い部分である。測定分解能をあげるために、光源13は、555nm(緑色)と630nm(赤色)の波長の異なる単色光を2色重ねた2色光源を用いている。油膜厚さは、色により測定している。このため、実際の油膜厚さと色との関係をあらかじめ分かっている隙間を用いて検定した関係データを用いている。この図では矢印の先端のところが最小の油膜厚さで、約0.5μmである。
本発明の装置の特徴は、光干渉法で膜厚が実測できることである。試験時間の経過に伴い表面が粗くなっていくが、この装置を用いると油膜厚さが干渉縞により実測できるので、表面粗さの変化を見逃すことがない。
【実施例2】
【0009】
図4は、本発明の実施例2を示す電極部の拡大模式図である。図において、2bは膜電極2となる透明導電膜である。実施例1と異なる部分は、膜電極2として透明導電膜であるITO(Indium,Tin,Oxide)膜を300nmの厚さで用いている点である。本実施例で用いたITO膜は、実施例1に比べて可視光の透過率が高く、膜厚を厚くでき、抵抗値を下げることが可能である。その結果、放電時の電流値を大きくでき、放電を発光現象として捉えることができる。
なお、本実施例では、透明導電膜としてITOを使用した例を示したが、SnO,ZnO、IZO(Indium,Zinc,Oxide)など透明導電膜であれば同じ効果が得られる。
【実施例3】
【0010】
図5は、本発明の実施例3を示す電極部の拡大模式図である。実施例2と異なる部分は、ガラスディスク1の表面からクロムを7nm被覆した金属膜2a、ITO膜を300nm被覆した透明導電膜2bの順に設け、金属膜2aにより干渉縞をでき易くした点である。
図6は、本実施例において高速度カメラが捉えた放電による発光である。秒速2000コマの速度で撮影している。図中の矢印の先端部の白点が発光部分である。つまり500nsの間に2箇所で絶縁破壊したことが分かる。そして、膜厚が最も薄いところだけで放電しているわけではないことが分かる。また、金属膜2aを被覆しているので、実施例2に比べて反射率が高く、干渉縞ができ易い。つまり、本実施例の装置では、発光現象の捕捉と干渉縞の判別が同時に可能である。その結果、油膜の絶縁破壊現象の解明がより進む効果がある。
【実施例4】
【0011】
図7は、本発明の実施例4を示す電極部の拡大模式図である。図において、2cは透明膜、2dは金属膜である。本実施例の膜電極2は、ガラスディスク1の下面にクロムを7nm被覆した金属膜2a、SiO2を800nm被覆した透明膜2c、最下面にクロムを300nm被覆した金属膜2dから形成されている。最下面に金属膜2d(300nmのクロム)を被覆しているので光源からの光は油膜に届かない。油を挟んでボール4をガラスディスク1に押し当てると接触応力によりガラスディスク1および電極膜2が弾性変形する。上部からの光は、金属膜2a(7nmのクロムの膜)で一部が反射し、通過した光が金属膜2dで反射する。この光干渉により、二つの膜に挟まれた透明膜の弾性変形量が求まり、接触応力がモニタできる。なお、透明膜の弾性変形量は、干渉縞の色により測定している。このため、干渉縞の色と実際の弾性変形量との関係をあらかじめ分かっている荷重を負荷することで検定した関係データを用いている。
【実施例5】
【0012】
図8は、本発明の実施例5を示す電極部の拡大模式図で、図8(a)はガラスディスクを下方から見た平面図、(b)は側断面図である。図において、16は第1積層膜、17は第2積層膜である。本実施例は、ガラスディスク1に第1積層膜16と第2積層膜17を半分ずつ被覆している。すなわち、第1積層膜16はガラスディスク1の表面から金属膜2a、透明導電膜2bの順に形成したものであり、第2積層膜17は同じくガラスディスク1の表面から金属膜2a、透明膜2c、金属膜2dの順に形成したものである。
ガラスディスクが1回転する間に、第1積層膜16により油膜厚さの実測と放電の可視化ができ、第2積層膜17により接触応力の実測ができる。このように本発明では、一度に2種類の評価ができるという利便性に加え、特にグリースの油膜のように潤滑特性が試験時間の経過と共に刻々と変わる材料を評価する際、一度に多面的に評価できるので、ガラスディスクを取り替えて2回評価する場合と比べ、本発明で得られたデータは信頼性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1を示す油膜絶縁破壊評価装置の側断面図
【図2】図1のガラスディスクと膜電極の拡大模式図
【図3】実施例1において撮影した油膜部の画像
【図4】本発明の実施例2を示すガラスディスクと膜電極の拡大模式図
【図5】本発明の実施例3を示すガラスディスクと膜電極の拡大模式図
【図6】本発明の実施例3において撮影した油膜部の画像
【図7】本発明の実施例4を示すガラスディスクと膜電極の拡大模式図
【図8】本発明の実施例5を示す電極部の拡大模式図で、(a)はガラスディスクを下方から見た平面図、(b)は(a)A−A‘面における側断面図
【図9】第1の従来例を示す油膜絶縁破壊評価装置の側断面図
【図10】第2の従来例を示す油膜絶縁破壊評価装置の側断面図
【符号の説明】
【0014】
1 ガラスディスク
2 膜電極
2a 金属膜
2b 透明導電膜
2c 透明膜
2d 金属膜
3 油
4、20 ボール
5 支持部材
6 シャフト
7 固定ねじ
8 絶縁物
9、26 ばね
10 プーリ
11 電源
12 ブラシ
13 光源
14 プリズム
15 高速度カメラ
16 第1積層膜
17 第2積層膜
21、22、23 内輪
24 オイルタンク
25 直流電源
27 ねじ
28 レース
29 アクチュエータ
30 位置センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油膜を挟んだ2つの物体間に電圧を印加して油膜の絶縁破壊を調べる油膜絶縁破壊評価装置において、
前記一方の物体を透明体とし、かつ、前記他方の物体との接触面側に可視光を透過する電極を用いることを特徴とする油膜絶縁破壊評価装置。
【請求項2】
回転体と、これに油膜を介して接触させる転動体と、前記回転体と前記転動体との間の絶縁抵抗を測定する抵抗測定回路とを備えた油膜絶縁破壊評価装置において、
前記回転体を透明体とし、この透明体の前記転動体との接触面側に可視光を透過する電極を設け、この電極と前記転動体との間の電圧、もしくは流れる電流を測定するとともに、油膜の状況をカメラで撮影することを特徴とする油膜絶縁破壊評価装置。
【請求項3】
前記電極は、光干渉により油膜厚さを測定する金属膜としたものであることを特徴とする請求項1または2記載の油膜絶縁破壊評価装置。
【請求項4】
前記電極は、透明導電膜であることを特徴とする請求項1または2記載の油膜絶縁破壊評価装置。
【請求項5】
前記電極は、金属膜と透明導電膜とを少なくとも1層ずつ積層したことを特徴とする請求項1または2記載の油膜絶縁破壊評価装置。
【請求項6】
前記電極は、前記透明体の表面から金属膜、透明膜、金属膜の順に積層し、光干渉により接触応力を測定するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の油膜絶縁破壊評価装置。
【請求項7】
前記電極は、前記透明体の表面に、金属膜と透明導電膜とを積層した第1積層膜と、透明膜が金属膜で挟まれて積層された第2積層膜とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の油膜絶縁破壊評価装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図3】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−241383(P2008−241383A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−80634(P2007−80634)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【出願人】(504174135)国立大学法人九州工業大学 (489)
【Fターム(参考)】