説明

治療デバイス、関連アクセサリ、組成物および治療方法

本発明は、本体と、本体上に配置された所望な波長の電磁放射線を放射するためのエネルギー源と、本体上に配置されこのデバイスで使用するための所望な物質を分配するための物質分配システムを包む治療デバイスについてのものである。また、この治療デバイスで使用されるアクセサリや組成物も開示されており、それには交換可能なエネルギー源付きヘッドや交換可能な物質容器が含まれる。この治療デバイスを使用する方法も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療デバイスに関し、特にハンドヘルドデバイス、アクセサリと、それらを用いた有用な組成物および治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁放射線を使用する治療には、生物学的機能を刺激する目的のために生物学的組織に対してエネルギーを加えることが含まれる。そのような治療の作用の正確なメカニズムの確かなところは知られていないが、その治療は、様々な軽疾患のために良く確立された処置である。
【0003】
電磁放射線を使用する治療は、軟部組織損傷、例えば被膜炎、滑液包炎、捻挫、緊張、血腫および腱炎等、急性および慢性な関節の問題、例えば骨関節炎、慢性関節リウマチおよび靭帯ならびに腱の損傷、腱炎、関節炎の痛み、慢性的な痛み、例えば後疱疹性神経痛、慢性的な背中および頸部の痛み、中足骨痛症、三叉神経痛、上腕神経痛、足底腱膜炎、細胞の損傷、体外受精向上、胚形成の刺激、軟部組織損傷、老化した皮膚、季節性感情障害、炎症、小皺および皺、粘膜炎、有痛性肩拘縮症、顎関節症および障害(TMJ)、および手根管症候群の治療に使用されてきた。
【0004】
電磁放射線を使用する治療は、とりわけ、癒着不能および小骨骨折、疱疹、アフタ性潰瘍、下肢潰瘍、皮膚炎、創傷治癒、火傷、急性精巣上体炎、耳鼻咽喉科、婦人科、産科、表面AP刺激およびトニフィケーション、美容上の不完全、セルライト(脂肪性浮腫)、およびざ瘡の治療にも使用されてきた。
【0005】
典型的には、電磁放射線を使用する処置または治療には、患者の皮膚上または皮膚内へのエネルギーの放射が含まれる。この放射は、一般に、可視光域、紫外域、無線周波数域、または赤外域のうちのいずれかの波長において適用される。この分野では、広範多様な放射エネルギー源が知られており、利用可能である。これらの治療において使用される放射エネルギー源は、治療する軽疾患に応じて有用であることが明らかにされている異なる波長で、広範多様な波長のエネルギーを放射する。尋常性ざ瘡(にきび)は、世界中でもっとも一般的な皮膚の病気の1つであり、皮脂腺濾胞の封鎖、細菌叢、および炎症に起因する。ざ瘡の主要な原因は、異常に高い量の細菌、主としてプロピオニバクテリウム・アクネス(P.アクネス)から生じ、炎症性ざ瘡を引き起こす。
【0006】
ざ瘡は、24歳までの若い大人の85〜100%に、25歳以上の大人の最大50%に影響を及ぼす。通常それは、顔、胸、背、および手足に現れ、生涯にわたる情緒的および身体的な傷痕を残し得る。合衆国だけでも、継続中のものを基準にして17,000,000人を超える人が、ざ瘡治療を積極的に求めている。これらの治療は、専門的に処方された医薬、薬用化粧品、および侵襲性の皮膚の再生からなる。P.アクネス細菌は、過去にざ瘡の治療に一般的に使用されていた抗生物質に対して80%に至る抵抗力を発達させている。
【0007】
P.アクネスは、紫外域から約430nmまでの光を吸収し、かつ約630nmの光も吸収する。青色光の光線療法は、尋常性P.ざ瘡を伴う患者の大半に効果がある。細菌は、自然発生する光感受性物質である内因性ポルフィリンで構成されている。この光感受性物質が、約405から約425ナノメートルの間の青色光のエネルギーを吸収して一重項酸素を形成し、それが細菌細胞を破壊する。潜在的な副作用を伴う全身性の薬物および長期の治癒時間を要する侵襲性の処置は使用する必要がない。例えば、約415nmのピーク波長、および約20nmの帯域幅を有する放射エネルギー源が、ざ瘡の治療に特に有用であることがわかっている。約630nmのピーク波長もまた、これに関して有用である。
【0008】
治療に役立つ電磁放射線の他の例として、下肢静脈および毛の除去(脱毛)、いぼの治療、毛髪成長刺激、および刺青除去のための約800〜810nmの波長の放射線や、皮膚剥皮および毛の除去(減毛)のための約1064nmの波長の放射線、皺除去のための約574nmの波長の放射線がある。この分野では、様々なエネルギーレベルにおけるパルス波(PW)または連続波(CW)の多様な治療レジメンが知られている。一般的に、これらの治療は、約250nmと約2000nmの間の波長を使用する。
【0009】
電磁放射線を届ける(デリバーする)ためのハンドヘルド治療デバイスは、この分野で知られているが、それらは極めて高価であり、典型的には1つの特定の用途(および1つの特定の波長スペクトル)に限定されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、放射線を届けるためのデイバスであって、多様な治療レジメンおよび波長スペクトルを提供するのに充分な順応性があり、多様な軽疾患の治療に使用可能なデバイスが必要とされている。また、そのようなデバイスで有用な組成物および治療方法も必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の1つの態様によれば治療デバイス(セラピーデバイス)が提供され、デバイスは、所望な波長の電磁放射線を放射するためのエネルギー源と、そのデバイスで使用するための所望な物質を分配する(ディスペンスする)ためのデバイス上に配置された物質分配システムを含む。物質分配システムは手動で操作されてもよく、エネルギー源および物質分配システムを制御するための制御メカニズム(コントロールメカニズム)を含んでもよい。この制御メカニズムは、プロセッサおよび記憶デバイス(ストレージデバイス)を含み、記憶デバイスは、レジメンデータを保持するように動作可能であり、プロセッサは、レジメンデータに従って、エネルギー源および物質分配システムを制御するように動作可能であってもよい。記憶デバイスは、取り外し可能であってもよい。制御メカニズムは、レジメンデータに従った出力レベルでおよび時間の間、エネルギー源からの放射線の放射を制御するように動作可能であってもよい。このデバイスは、さらに、レジメンデータを更新するために計算デバイス(コンピューティングデバイス)と通信を行うように動作可能なインターフェースを含んでもよい。また、このデバイスは、さらに、レジメンデータを更新するために少なくとも1つのサーバを有するコンピュータネットワークと通信を行うように動作可能なインターフェースを含んでもよい。このデバイスは、さらに、記憶デバイス内に、この治療デバイスの用法を表すログデータを保持するように動作可能であり、このデバイスは、さらに、ログデータをアップロードするために計算デバイスと通信を行うように動作可能なインターフェースを含んでもよい。
【0012】
本発明の別の態様によれば、エネルギー源は光源であってもよい。エネルギー源は、無電極ランプ、マイクロ波、蛍光管、クオーツハロゲンランプ、アークランプ、レーザ、レーザダイオード、発光ダイオードからなる群から選ばれてもよい。エネルギー源は、約410nm、約415nm、約580nm、約630nm、約660nm、約663nm、約680nm、約800nm、約810nm、約820nm、約830nm、約840nm、約850nm、約900nmから選択された少なくとも1つのピーク波長を有してもよい。エネルギー源は、約40nm、より好ましくは約20nmの帯域幅を有する少なくとも1つのピーク波長を含んでもよい。エネルギー源は、約415nmのピーク波長および約20nmの帯域幅を有してもよい。それが作動されたときには、連続的または拍動的(パルス的)に動作してもよい。
【0013】
本発明の別の態様によれば、エネルギー源が取り外し可能なフェースプレートを有するヘッド内に収容されている。または、フェースプレートがヘッドに本質的に恒久的に取り付けられていてもよい。または、フェースプレートがヘッドの構造と一体であってもよい。フェースプレートは、ヘッドと機能的に接続されている延長部を含んでもよい。
【0014】
本発明の別の態様によれば、このデバイスの分配システムが、物質を入れるための取り外し可能な容器を受けるようになっている。容器は、このデバイスによって読み取り可能な識別子を有してもよい。
【0015】
本発明の別の態様によれば、このデバイスが、さらに、ヘッド上に配置されるエネルギー反射層を含む。
【0016】
本発明の別の態様によれば、治療デバイスが、さらに、制御メカニズムに温度データを届けるための温度検知デバイス(温度センシングデバイス)を含む。制御メカニズムは、受け取った温度データが予め指定されたリミット範囲の外であるときに、エネルギー源を調整してもよい。温度検知デバイスは、ソリッドステートのp−n接合ダイオードであってもよい。
【0017】
本発明の別の態様によれば、物質を入れるようになっており、電磁放射線を届けるための治療デバイス内に収容するようにされた容器が提供される。この容器は、さらに、屈折率が約1.5の物質を含んでもよい。この容器は、さらに、薬物、活性成分、またはサプリメントを含む物質を含んでもよい。
【0018】
本発明の別の態様によれば、この容器が、老化防止治療、光若返り治療、美容治療、ざ瘡治療、癌治療、セルライト治療、および光障害治療からなる群から選ばれる治療のための薬物を含んでもよい。
【0019】
本発明の別の態様によれば、この容器がさらに、治療デバイス内に配置されているリーダによって読み取られるようになっている指標を含む。
【0020】
本発明の別の態様によれば、電磁放射線を使用する治療とともに使用するための物質が提供される。この物質は、薬物、活性成分、またはサプリメントのうちの少なくとも1つを含んでもよく、約1.5の屈折率を有していてもよい。薬物、活性成分、またはサプリメントは、アロエ、ビタミンE、水分補給剤、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンA、ビタミンK、ビタミンF、レチンA(トレチノイン)、アダパレン、レチノール、ヒドロキノン、コウジ酸、成長因子、エキナセア、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、漂白剤、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、サリチル酸、抗酸化三連構造化合物、海藻誘導体、塩水誘導体、藻類、抗酸化物質、フィトアントシアニン、フタロシアニン、植物栄養素、プランクトン、植物生成物、草本生成物、ホルモン、ラノリン、酵素、鉱物、遺伝子改変物質、補因子、触媒、老化防止物質、インスリン、微量元素(イオン性カルシウム、マグネシウム等を含む)、補酵素Q10、鉱物、ミノキシジル、色素、天然または合成メラニン、金属タンパク質抑制剤、プロリン、ヒドロキシプロリン、麻酔性物質、過酸化ベンゾイル、アミノレブリン酸、葉緑素、微生物葉緑素、栄養補助剤、機能性化粧品、銅クロロフィリン、葉緑体、カロテノイド、フィコビリン、ロドプシン、アントシアニン、および誘導体、小成分、目標皮膚構造の構成要素または器官に向けられた免疫学的複合体および抗体、およびこれらの物質の合成および天然類似物、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選ばれてもよい。
【0021】
本発明の別の態様によれば、物質によって構成される薬物、活性成分、またはサプリメントが提供され、薬物、活性成分、またはサプリメントは、老化防止治療、光若返り治療、美容治療、ざ瘡治療、癌治療、セルライト治療、光障害治療からなる群から選ばれる治療のためのものである。
【0022】
本発明の別の態様によれば、本発明のデバイスおよび物質とあわせて薬物、活性成分、またはサプリメントを用いた病気の治療方法が提供される。
【0023】
本発明の別の態様によれば、関節炎の痛み、慢性的な痛み、手根管症候群、細胞の損傷、軟部組織損傷、ざ瘡、TMJ、糖尿病性神経障害、神経痛、老化した皮膚、季節性感情障害、炎症、小皺および皺、粘膜炎、乾癬、酒さ、湿疹、口腔カンジダ、口腔癌、蜂巣炎、および創傷からなる群から選ばれる軽疾患の治療のための本発明のデバイスの用途が提供される。
【0024】
本発明の別の態様によれば、ざ瘡の治療のための本発明のデバイスおよび物質の用途が提供される。エネルギー源は、約380nmから約460nmまでの範囲内、より好ましくは約395nmから約430nmまでの範囲内、さらに好ましくは約405nmから約425nmまでの範囲内、および/または、約460nmから約1000nmまでの範囲内、より好ましくは約550nmから約900nmまでの範囲内、さらに好ましくは約600nmから約850nmまでの範囲内の波長の電磁放射線を放射する。エネルギー源は、約630nmの波長の電磁放射線を放射してもよい。
【0025】
本発明の別の態様によれば、光若返り治療のための本発明のデバイスおよび物質の用途が提供される。エネルギー源がは、約500nmから約1000nmまでの範囲内、より好ましくは約550nmから約900nmまでの範囲内、さらに好ましくは約570nmから約850nmまでの範囲内の波長の電磁放射線を放射する。エネルギー源は、約580nm、約630nm、約633nm、約660nm、約830nm、約900nm、およびこれらの組み合わせからなる群から選ばれる波長の電磁放射線を放射してもよい。
【0026】
本発明の別の態様によれば、セルライトの治療のための本発明のデバイスおよび物質の用途が提供される。エネルギー源は、約500nmから約1000nmまでの範囲内、より好ましくは約550nmから約900nmまでの範囲内、さらに好ましくは約570nmから約850nmまでの範囲内の波長の主要(ドミナント)な放射を含む電磁放射線を放射する。エネルギー源は、約810nmの波長のレーザエネルギーまたはLEDエネルギーを放射してもよい。エネルギー源は、無線周波数域および赤外域の放射線の組み合わせを放射してもよい。
【0027】
本発明の別の態様によれば、ここで開示したデバイスおよび物質は、ユーザの皮膚の外観を改善させるために使用される。
【0028】
本発明の別の態様によれば、エネルギー源を支持するための基板、基板内の物質を通すための少なくとも1つの開口部、および基板を本体に取り付けるためのマウントを含むフェースプレートが提供され、本体は、エネルギー源を制御するための制御メカニズムおよび物質を蓄えるための容器を収容する。このフェースプレートは、さらに、マウントが本体に取り付けられたときに制御メカニズムと通信する基板内に配置されたコネクタを含んでもよい。コネクタは、本体内のパワー源からエネルギー源にパワーを伝達してもよい。このフェースプレートは、さらに、フェースプレートのID(アイデンティティ)を制御メカニズムに伝達する識別デバイス(アイデンティフィケーションデバイス)、および/またはレジメンデータを記憶(ストア)するためのメモリ記憶デバイス(メモリストレージデバイス)を含んでもよい。
【0029】
本発明の別の態様によれば、フェースプレートが提供され、フェースプレートは、さらに、基板と概略で平行に添えられる外側表面を含み、基板と外側表面の間にエネルギー源が配置され、外側表面によって、物質を通すための少なくとも1つの開口部が画定される。
【0030】
本発明の別の態様によれば、放射線を放射するためのエネルギー源と、物質を分配するための物質分配システムと、エネルギー源および物質分配システムと操作可能に接続されたコントローラを有する治療デバイスを制御するための方法が提供され、その方法は、(i)コントローラで、治療レジメンを表すレジメンデータを受信するステップと、(ii)そのレジメンデータに従って、エネルギー源および物質分配システムを制御するステップとを含む。レジメンデータは、デバイス内に配置されるデータベース内に保持された一組のデータ(データのセット)であってもよい。制御するステップは、物質分配システムからの物質の分配を制御することを含んでもよい。制御するステップは、(i)レジメンに従った出力レベルでおよび時間の間、エネルギー源からの放射線の放射を制御するステップと、(ii)その時間の間にデバイスから温度データを受信するステップと、(iii)その温度データがレジメンデータによって指定された一組のリミット範囲(リミット範囲のセット)の外であるときに、放射線の放射を調整するステップを含んでもよい。エネルギー源は、そのエネルギー源のタイプを指定するための識別子を含んでもよい。物質分配システムは、物質のタイプを指定するための識別子を含んでもよい。
【0031】
本発明の別の態様によれば、治療デバイスが計算デバイスと通信を行うように動作可能なインターフェースを含み、この方法が、さらに(i)治療デバイスの用法を表すログデータを記憶するステップと、(ii)計算デバイスとのリンクを確立するステップと、(iii)ログデータを計算デバイスに伝達するステップを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図面には、本発明の手持ち式のデバイス(ハンドヘルドデバイス)が開示されており、一般に符号20として示されている。このデバイスは、ヘッド22およびハンドル24を含む。このデバイスのヘッド22は、フェースプレート23およびベースプレート25を含む。フェースプレート23は、エネルギー源30およびエネルギー源30を支持するための基板57を含む。フェースプレート23は、外側表面26を有してもよい。基板57および外側表面26は、詳細を後述するように、外側表面26からの物質38の分配を可能にするための少なくとも1つの開口部28をそれぞれ画定する。基板57は、プリント回路基板(PCB)またはそれと機能的に等価な他の構造を含んでもよい。外側表面26は、デバイス20が動作している間にエネルギー源30からユーザの皮膚へ最大限の光の伝達を可能にする概略透明な材料からなる。外側表面26は、ガラス、ポリカーボネート、マクロロン(Macrolon、登録商標)などの適切な材料から製造してもよい。フェースプレート23の外側表面26は、さらに、エネルギー源30からの光が外側表面26から伝達されるのを可能にするための開口部(図示せず)を画定してもよい。そのような開口部を含む実施の形態では、光の伝達を可能にする上で外側表面26の透明度は決定的(クリティカル)でない。また、外側表面26は、エネルギー反射表面27を含んでもよく、エネルギー反射表面27は、デバイスの使用時に、ユーザの皮膚から反射されて戻ったエネルギーを反射してユーザの皮膚に戻すことによって、そのようなエネルギーを再利用するように設計されている。エネルギー反射表面27は、エネルギー源30と基板57の間に位置させてもよく、エネルギー源30の外側端を越えて延びていてもよい。この分野で知られているように、様々なエネルギー反射層が使用されてもよい。
【0033】
デバイス20が外側表面26なしで使用されてよいとも考えられる。そのような実施の形態においては、物質38が、基板57の少なくとも1つの開口部28から、または基板57の開口部28から延びる適切な延長部分(図示せず)から直接出されてもよい。この実施の形態においては、必要であれば、この分野で知られている手段によって、エネルギー源30を物質38に対する露出から保護してもよい。
【0034】
このデバイスのフェースプレート23は、例えば図10の10A〜10Fに示されるように、様々な形状または設計(デザイン)としてもよい。ハンドル24は、片手で保持することが容易であるように設計され、フレキシブルなネック68または固定されたネック(図示せず)を介してヘッド22に接続される。
【0035】
デバイスのサイズは、使用している間、ユーザが手の中で保持するのに適しているとよい。フェースプレートは、人の皮膚または組織の部分の治療に適したサイズのものであるとよい。
【0036】
エネルギー源30は、当業者に知られているように、治療に適した任意のタイプおよび任意の波長のものでよい。例えば、約415nmのピーク波長および約20nmの帯域幅のエネルギー源30をざ瘡の治療のために使用してもよい。本発明のエネルギー源30の好ましい実施の形態は、1ないしは複数の発光ダイオード(LED)であるが、本発明はそれらのエネルギー源に限定されない。その他のエネルギー源(限定の意図はないが)には、マイクロ波エネルギー、無線周波数エネルギー、紫外線エネルギー、可視光エネルギー、または赤外線エネルギー、超音波、レーザエネルギー、光エネルギー、または電気刺激が含まれる。これらのエネルギー源を、エネルギー源30に代えてまたはそれと組み合わせて使用してもよい。そのようなエネルギーを届けるためのエネルギー源の例として知られているものには、蛍光ライト、サルファーランプ、フラッシュランプ、キセノンランプ、LED、レーザダイオード、レーザ、およびフィラメントライトがある。様々なエネルギー源を有するヘッド22の例が、図10の10A、10D、10E、および10Fに示されている。すなわち、LEDまたはレーザダイオード等の半導体エネルギー源31、マイクロ波エネルギー源33、蛍光管37、およびフィラメントエネルギー源39が示されている。
【0037】
デバイス20は、電源を使用する。電源は、内蔵(バッテリー46の形式で)されているか、またはデバイスに外付け(標準の電力コンセントにデバイスを接続するためのプラグ70を介して)のいずれか、またはそれら両方である。バッテリー46は、使い捨て可能または再充電可能なものでもよく、1ないしは複数の電池(例えば、図1に示されるように2つの電池)から構成してもよい。さらにオプションとして、バッテリー46は、バッテリーカバー80を取り外すことによって、デバイスから取り出しのためにアクセスされるものでもよい。
【0038】
ハンドル24内には、コントローラ34が収容されている。コントローラ34は、好ましくはスイッチ35を用いて起動され、コントローラ34によって、ユーザはこのデバイスを制御する。コントローラ34は、ユーザがこのデバイスを「オン」または「オフ」することを可能にする。しかし、後述するように、治療の適切な終了時にこのデバイスによって自動的にこのデバイスのオフを行うことも可能である。ユーザはこのデバイスをオンにし、デバイスに付随する治療レジメンのための指示(インストラクション)または医療専門家によって処方された指示に基づいて予め決められた時間の間、このデバイスを使用してもよい。指示は、書面、音声、またはビデオ形式であってもよく、または計算デバイスもしくはコンピュータネットワークからダウンロードしてもよい。また、オプションとして、コントローラ34は、治療レジメンの選択に使用されてもよい。しかし、後述するように、コード付き容器またはフェースプレートを使用することにより、治療レジメンの選択は自動的に行われてもよい。
【0039】
ハンドル24はプロセッサ44も収容しており、そのプロセッサ44には適切な治療レジメンが予めプログラムされてもよい。プロセッサ44は、治療の持続時間の時間調節するのに使用され、あるいは、治療を最適化するエネルギー源30を拍動(パルス)させるのに使用され、またはその他の修正をするのに使用される。例えばざ瘡の治療のために、ユーザは、コントローラ34をざ瘡治療セッティング(または、後述するように治療セッティングが自動化されている場合には「オン」の位置)に設定する。そして、ユーザは、治療が行われる皮膚の近傍にこのデバイスを配置し、コントローラ34を介してこのデバイスを起動する。プロセッサ44は、治療に従って患者に投与されるエネルギーの持続時間、強度、およびパルスを制御し、または変更することが可能である。また、プロセッサ44は、治療の完了時に、可聴トーン(聞こえる音)またはその他の方法によって患者に合図することができる。さらに後述するように、プロセッサ44は、適時に適切な量の物質38を分配するためのコントローラとしても機能することができる。
【0040】
デバイス20のヘッド22は、フェースプレート23を含み、フェースプレート23は、バヨネットマウント54等の手段、またはその他の適切なマウント手段、例えば機械的な取り付けにより、ユーザによってベースプレート25からの取り外しが可能である。したがって、同一のデバイス20に、それぞれが異なるエネルギー源またはその他の動作上もしくは構造上の特徴を持っている様々なフェースプレート23を取り付けることが可能である。情報は、フェースプレート23上に配置されているコネクタ56によって、プロセッサ44で使用するために、フェースプレート23からデバイス20へ伝達される。フェースプレート23は、ベースプレート25上に配置されているコネクタ52と接続されている。コネクタ52は、ケーブル86を介してプロセッサ44と通信する。ケーブル86は、いずれのフェースプレート23がデバイスに接続されているかを示しており、プロセッサ44が特定のフェースプレート23に対応する治療レジメンを識別することを可能にする。さらに、この実施の形態においては、デバイス20からフェースプレート23への電力(パワー)の伝達、および、フェースプレート23がメモリを含むときのプロセッサ44とフェースプレート23の間のデータ通信も、コネクタ52と56の間に確立される接続によって達成される。しかしながら、他の実施の形態においては、識別情報の通信、電力の伝達、および、フェースプレート23上に存在するメモリとプロセッサ44の間のデータ通信を、異なるタイプのメカニズムおよび接続を使用することにより達成してもよい。例えば、切り離したペアのコネクタを、電力の伝達、識別情報の通信、およびデータ通信のために使用してもよい。それに代えて、無線送信に基づく無線接続等の他の接続のタイプをフェースプレート23とデバイス20の間のデータ通信のために使用してもよい。さらに、フェースプレート23のIDを、デバイス20上に位置するセンサによって読み取り可能な識別子として、フェースプレート23上に含めてもよい。さらに他の実施の形態においては、フェースプレートを識別するための他の方法を使用してもよい。電気コーディングをフェースプレート23内に設定してもよい。その電気コーディングは、導体と非導体材料の交互の帯(バンド)を使用しており、デバイス20上に位置するフェースプレートセンサによって読み取り可能である。ID情報を伝達する代替メカニズムを使用してもよく、例えば、バーコードと光学センサシステム、磁気ストリップと磁気ストリップリーダ、電気接点、または機械的な鍵認識システムなどを使用してもよい。これらの変形例や他の変形例は、本発明の範囲内である。
【0041】
様々に交換可能なフェースプレート23を使用することは、ユーザが、現在治療中の軽疾患のために最適化されている低コストのデバイスを購入することを可能にする。その上、将来において、新しいデバイス全体を購入するよりも、新しいフェースプレート23だけを購入することによって治療のオプションを拡げる柔軟性をユーザに与える。交換可能なフェースプレート23は、洗浄または高圧滅菌(オートクレーブ)のためにデバイス20から容易に取り外すことができるという追加の利点を有する。あるいは、コスト的に許されるのであれば、フェースプレートが一体的にまたは恒久的に取り付けられた1つの形式だけのデバイスを製造してもよく、他の治療のための追加のユニットを同様に製造してもよい。
【0042】
より単純な形式の治療デバイスは、本発明の範囲内に含まれる。その治療デバイスは、本体と、本体上に配置された所望な波長の電磁放射線、好ましくは光線を放射するためのエネルギー源と、本体上に配置されておりこのデバイスで使用するための所望な物質を分配するための物質分配システムを含む。このデバイスは、ユーザが治療の持続期間および周波数を決定する手動制御で動作可能である。
【0043】
この治療デバイスは、組み立て済みデバイスとともに用法および可能な治療レジメンまたはプロトコルについての指示を含むキットとして販売してもよい。指示は、書面、音声、またはビデオ形式であってもよく、または計算デバイスもしくはコンピュータネットワークからダウンロードしてもよい。指示は、医療専門家によって提供されてもよい。この治療デバイスは、キットの部品として未組み立てで販売してもよく、その場合には、このデバイスを組み立てるための説明書(インストラクション)をさらに含むことができる。
【0044】
このデバイスは、アダプタ82を含んでもよい。アダプタ82は、治療の時間中、デバイス全体をハンドルで保持するのが苦痛になるような場合に、フェースプレート23を受けて、デバイスの使用を容易にする。アダプタ82は、デバイスに取り付けられてたものが図11に示されている。このアダプタ82は、バヨネットマウント54と互換性があり相補的なフェースプレートアタッチメント手段84と、フェースプレートアタッチメント手段からベースプレート25に延びて機能的に接続される延長ケーブル81を含む。延長ケーブル81は、延長ケーブル86を通して、ハンドル24上のバッテリー46およびプロセッサ44により、フェースプレート23上のエネルギー源30の電力供給を可能にする。アダプタ82は、延長ケーブル86を通して、フェースプレート情報をプロセッサ44に送るためのアダプタコネクタ88も含んでもよい。延長ケーブル86は、コネクタ52またはベースプレート25に接続して、そのような情報を送るのを容易にしてもよい。また、アダプタ82は、治療の間に(アダプタ82に接続された)フェースプレート23をユーザに付けるためのストラップを含んでもよい(図示せず)。
【0045】
デバイス20は、新しいフェースプレート23または新しい治療レジメンが設計されたときに、プロセッサ44のソフトウエアの更新を提供してもよい。図5を参照すると、プロセッサ44は、図示のようにファイヤワイヤ70またはユニバーサルシリアルバス(USB)72を通した有線接続によって、または、別の有線接続手段もしくは無線接続手段、例えば赤外線ポート(図示せず)を通して、パーソナルコンピュータ74に接続してもよい。パーソナルコンピュータ74は、治療レジメンの更新済みデータベースを含んでいるデータベースサーバ78にインターネット76経由で接続される。このような通信は、無線ローカルエリアネットワーク(無線LAN)、ブルートゥース(登録商標)、または他の通信テクノロジ(図示せず)を通して行ってもよい。または、このような通信は、予めプログラム済みの指示またはデータを含むフラッシュカードの挿入、もしくはその他のメモリを含むデバイス(図示せず)の挿入を通して行ってもよい。デバイスの更新は、受動的(新しいソフトウエアが開発されたときにリアルタイムで行う)であってもよく、または能動的であってもよい。すなわち、ユーザの要求またはコマンド時にのみ行ってもよい。それに代えて、このデバイスを治療プロトコルを用いて予めプログラムしてもよく、ソフトウエア更新手段を持たないようにしてもよい。
【0046】
デバイス20のフェースプレート23を別のフェースプレート23と交換して様々な軽疾患のための治療レジメンを最適化してもよいが、単一のフェースプレート23が広範な軽疾患のサブセットに適したエネルギー源30を含むことも可能である。例えば、フェースプレート23は、約410nmの波長の電磁放射線を放射するための複数のLEDと、約630nmの波長の電磁放射線を放射するための複数のLEDで構成されたエネルギー源を含んでもよい。その他の医療的に有用な電磁放射線は、例えば約580nm、約660nm、約680nm、約800nm、約810nm、約820nm、約830nm、約840nm、および約900nmの波長の電磁放射線であり、約40nmの帯域幅、より好ましくは約20nmの帯域幅を持つものである。そのため、ヘッドデザイン(ヘッド設計)の柔軟性に応じて、治療レジメンを選択する2次的な手段を有することが必要であってもよい。例えば、コントローラ34は、ユーザが様々な治療レジメンを手動でプログラムまたは選択することを可能にするユーザインターフェース(図示せず)を含んでもよい。オプションとして、後述するように、コード付きで治療特有の容器の使用等によって、治療レジメンを決定するための自動化されたメカニズムも可能である。
【0047】
このデバイスはまた、治療で使用するためのゲル(ジェル)またはローションといった所望な物質38を分配するためのシステムも含む。デバイス20を使用する治療の間に、物質38が、ユーザの皮膚とフェースプレート23の間に配分される。物質38は、皮膚表面に存在する不規則な空隙内を埋めることによって、エネルギー源30とユーザの皮膚の間におけるエネルギーの伝達を最適化および/または向上することができる。物質38の別の機能は、皮膚または目標組織の屈折率を変更して、皮膚または目標組織の吸収スペクトルが電磁放射線源の放射スペクトルにより近づくようにすることができる。物質38のこの側面が有用となり得るのは、可視光および近赤外線において、皮膚が空気より大きい約1.4の屈折率を有するからである。結果として、実質的に0°の入射角で皮膚に当たらなければ、空気‐皮膚界面と相互作用するすべての光子が曲折される。皮膚の表面は不規則であるので、皮膚の角度分布が増加する。皮膚への光の吸収を向上させるために、物質38は、皮膚に近い屈折率を有する成分を含んでもよい。そのような成分は、しばしば皮膚屈折率調和物質と呼ばれる。適切な屈折率調和物質の例は、屈折率が1.5のプロピレングリコール溶液である。物質38は、皮膚の表面の不規則性を改善し、皮膚とフェースプレート23の間のエリアと皮膚との間の屈折率の差を最小化する。それによって、エネルギー源30により放射された光子がユーザの皮膚によって吸収されるのを向上させる。物質38は、潤滑剤または水分補給剤としても機能することができる。潤滑剤や水分補給剤は、デバイスの動作や快適性を向上させるための低摩擦表面コーティングを提供する。例えば、物質38は、水ベースのゲル等のゲルを含んでもよい。物質38は、エネルギー源30によって放射される有益な光を透過するものであるとよい。本発明の好ましい実施の形態においては、デバイス20の外側表面26がユーザの皮膚の表面に対して押し付けられ、または配置される。それにより、皮膚の表面が外側表面26と実質的に接触すると、デバイス20を用いた治療の間に、皮膚の表面と外側表面26の間に物質38が配置される。
【0048】
物質38は、特定の適応症の治療に有用であることが知られている薬物、活性成分、またはサプリメントを含むことも可能である。例えば、物質38は、過酸化ベンゾイル等のざ瘡治療剤を、好ましくは約0.1%〜10%の濃度で含むことができる。これは、ユーザが、最低限のステップを使用してユーザの軽疾患のために電磁放射線を使用した治療と、より従来的な治療剤を組み合わせることを可能にする。物質は、アロエ、ビタミンE、水分補給剤、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンA、ビタミンK、ビタミンF、レチンA(トレチノイン)、アダパレン、レチノール、ヒドロキノン、コウジ酸、成長因子、エキナセア、ラノリン、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、栄養補助剤、機能性化粧品、漂白剤、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、サリチル酸、抗酸化三連構造化合物、海藻誘導体、塩水誘導体、藻類、抗酸化物質、フィトアントシアニン、フタロシアニン、植物栄養素、プランクトン、植物生成物、草本生成物、ホルモン、酵素、鉱物、遺伝子改変物質、補因子、触媒、老化防止物質、インスリン、微量元素(イオン性カルシウム、マグネシウム等を含む)、鉱物、ミノキシジル、色素、天然または合成メラニン、金属タンパク質抑制剤、プロリン、ヒドロキシプロリン、麻酔性物質、過酸化ベンゾイル、アミノレブリン酸、葉緑素、微生物葉緑素、補酵素Q10、銅クロロフィリン、葉緑体、カロテノイド、フィコビリン、ロドプシン、アントシアニン、および誘導体、小成分、目標皮膚構造の構成要素または器官に向けられた免疫学的複合体および抗体、およびこれらの物質の合成および天然類似物、ならびにそれらの組み合わせ等の成分を含んでもよい。当業者であれば気付くであろうが、ここに開示されている薬物、活性成分、および/またはサプリメントおよびそれらの等価物、ならびに本発明のデバイスおよび方法との併用時に有用となり得るその他の任意の薬物、活性成分、および/またはサプリメントは、治療の効果に貢献できる屈折率の調和および皮膚を滑らかにする性質を有してもよい。
【0049】
薬物、活性成分、またはサプリメントは、感光性であってもよく、また皮膚への塗布およびエネルギー源30への露光時に光化学反応をうけるものであってもよい。
【0050】
薬物、活性成分、またはサプリメントは、使用前に、物質38の投与およびデバイス20の使用とは別に、皮膚または目標組織へ投与してもよい。
【0051】
図2に分離して示される取り外し可能な容器36は、物質38を含んでいる。容器36は、上述のように、デバイス内のキャビティやスロットなどの容器受け48内に収容される。容器受け48は、好ましくはデバイスのハンドル上に位置し、好ましくは格納式またはヒンジ64上に回転可能にマウントされたドア66を有している。ドア66は、ラッチ62を使用して閉成ポジションにロック可能である。あるいは、容器36は、容器の挿入および取り出しのための同様に再封止可能な開口部内に収容される。容器は、使い捨て可能であってもよく、また再充填可能であってもよい。この容器には、皮膚科医、薬剤師、またはその他の医療専門家による、処方箋による調合またはカスタマイズ可能な物質の調合のために充填されてもよい。
【0052】
物質38は、ユーザが、例えばプランジャ42と機能的に接続されたばね荷重式のトリガメカニズム60を使用することにより、手動で容器から絞り出される。あるいは、物質38は、ユーザが、容器36の外に物質38を移すための他の絞り出しメカニズムまたはポンプメカニズムを使用することにより、手動で容器から絞り出される。また、物質38は、例えばプランジャ42と機能的に接続された電気モータ40またはソレノイド(図示せず)を使用することにより、このデバイスの起動時に、自動的にかつプロセッサ44の制御の下で容器から絞り出される。あるいは、物質38は、容器36の外に物質38を移すための他の絞り出しメカニズム、および、モータをオンオフするためのモータ制御システム(プロセッサ44内に組み込まれているものとして示されている)を使用することにより、このデバイスの起動時に、自動的にかつプロセッサ44の制御の下で容器から絞り出される。当業者によって認識されることであろうが、他の適切なポンピングメカニズムまたは分配メカニズムを使用してもよい。例えば、デバイス20の動作の間において、予め決められた量の物質38を分配するのに補助にもなるダイアフラムポンプ等を使用してもよい。
【0053】
容器36の外に移される物質38は、デバイスヘッド22上の1ないしは複数の開口部28を通して直接(図示せず)押し出される。または、この物質38は、デバイス内に組み込まれており容器36を開口部28に接続する1ないしは複数の分配路32を通して押し出される。この態様においては、患者の皮膚(図示せず)とフェースプレート23の間の空間に、ユーザがほとんど努力することなく、適切な量の物質38が直接分配される。
【0054】
治療の管理を容易にするために、容器36には、その内容物(成分)だけでなく、治療が意図されている軽疾患について明瞭にラベル付けしてもよい。したがって、様々な物質を容器内に用意し、独立して販売することが可能になる。容器は、このデバイスと互換性があり、広範多様な軽疾患の広範多様な治療の反復適用のためのものである。
【0055】
デバイスの使用を単純にするため、個々の容器36を、デバイスと通信可能に設計してもよい。例えば、容器36内に設定された導体と非導体材料の交互の帯を使用する電気コーディング50を、デバイス20上の容器コーディングセンサ58によって読み取ってもよい。代替の通信手段を使用してもよく、例えば、バーコードと光学センサシステム(図示せず)、磁気ストリップと磁気ストリップリーダ(図示せず)、電気接点(図示せず)、または機械的な鍵認識システム(図示せず)等を使用してもよい。
【0056】
この態様においては、このデバイスが、デバイス内にいずれの容器36があるかに基づいて、いずれの治療が行われるべきかを決定してもよい。プロセッサ44は、容器の電気コーディング50のデータからセンサ58によって読み取られたデバイス内の物質38のタイプに基づいて、治療の間にデバイス20から移されることになる物質38の適切なレートと量を決定することができる。この態様においては、プロセッサ44が、物質の分配のための「モータ制御システム」の形式として機能する。
【0057】
またプロセッサ44は、要求されている治療に適切なフェースプレート23がデバイス上にあるか否かを(デバイスに装填されている物質のタイプに基づいて)決定することができ、適切な治療レジメンのためにエネルギー源30を(同様に、デバイス20に装填されている物質38のタイプに基づいて)作動させることができる。例えば、「ざ瘡」の物質38がデバイス20内に装填されているとき、プロセッサ44は、容器コーディングセンサ58を使用して装填されている物質のタイプの「読み取り」を行う。そして、プロセッサ44は、その内部データベースにアクセスしてざ瘡のために適している治療レジメン(エネルギー放射のタイプ、持続時間、強度を含む(例えば、620nmと415nmのLEDの組み合わせを用いた連続波で、1セッション当たり40〜90ジュール(J)の合計エネルギー出力の18分の治療など))や、分配される物質の適切なタイミング、レート、量を決定する。
【0058】
図6は、プロセッサ44が容器36とフェースプレート23からの情報をどのように処理できるかについての一般的な例を示すフローチャートである。
【0059】
プロセッサ44は、正しいフェースプレート23がデバイス上にあることを、コネクタ52および56を通してフェースプレート23と通信することによって検証する(例えば、415nmの光を放射できるエネルギー源30を持つフェースプレート23がデバイスに取り付けられていることを保証するため)。デバイスは、コントローラ34が展開されており、適切なフェースプレート23および容器36がデバイスに付けられているときに、作動する。オプションとして、デバイスは、通常はプランジャ42に添えられているカウンタ、センサ、または他の手段を使用して適切な治療レジメンをうけるための充分な物質38が容器36内にあるか否かを決定してもよく、物質の量が不充分である場合、または容器がほとんど空の場合には、ユーザに警告する。
【0060】
さらに、デバイス20は、皮膚‐デバイス界面における温度および/または温度変化を測定するためのオプションとして、例えば図7に示されている温度検知デバイス332等の温度検知デバイスを含んでもよい。温度検知デバイス332は、金属銅等の熱導材料51や、p−n接合ダイオードまたはサーミスタ等の温度変換器53を含む。熱導材料51は、外側表面26から延びており、温度変換器53と連絡している。温度変換器53は、プロセッサ44と連絡している。当業者によって理解されるであろうが、温度検知デバイス332の機能を組み込んだ他のデバイスを適合してもよい。例えば、使用の間、ユーザの顔と接するフェースプレートの少なくとも一部と接触する温度検知デバイスが考えられる。
【0061】
当業者によって認識されるであろうが、エネルギー源30および温度検知デバイス332(使用される場合)の構成は、PCBまたはそれと機能的に等価の他の構造の上に備えられてもよい。
【0062】
ここで、図8を参照すると、本発明の実施の形態のデバイス20のある構成のブロック図が示されている。この実施の形態においては、デバイス20が、制御メカニズム300、フェースプレート23、および分配システム340を含んでいる。
【0063】
制御メカニズム300はプロセッサ44を有する。プロセッサ44には、この実施の形態ではフラッシュメモリ304である持続性の記憶デバイスが接続されている。その記憶デバイスには、プロセッサ44によって実行可能な複数のアプリケーション、およびデバイス20が特定の機能を実行することを可能にする関連データが含まれている。また、プロセッサ44には、ランダムアクセスメモリユニット(「RAM」)308も接続されている。プロセッサ44は、この実施の形態ではLED316であるアラーム源、およびスピーカ320を含めた様々な出力デバイスに出力信号を送信することができる。また、プロセッサ44は、スイッチ35およびセンサ58を含めた様々な入力デバイスから入力を受け付けることもできる。
【0064】
制御メカニズム300は、エネルギー源ドライバ336も含む。エネルギー源ドライバ336はプロセッサ44からの制御信号によって動作し、駆動電流をフェースプレート23上に位置するエネルギー源に届ける。プロセッサ44およびドライバ336は、ともにコネクタ52にも接続される。この実施の形態において、コネクタ52は、5ピンの表面実装コネクタである。
【0065】
制御メカニズム300は、コネクタ52を介してフェースプレート23と通信するように動作できる。フェースプレート23は、この実施の形態においてはLEDアレイ328であるエネルギー源、電気的に消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)312、および温度検知デバイス332を含む。これらすべてはコネクタ52に接続されるコネクタ56を通して制御メカニズム300と通信する。
【0066】
好ましい実施の形態においては、LEDアレイ328が36個のLEDを含む。それぞれのLEDは、約25mAの電流での連続動作の下で、約100%のデューティサイクルで約12mWの出力を生成可能である。この電流は、コネクタ52および56を通してエネルギー源ドライバ336によって供給される。他の実施の形態において、別の動作特性を持つ他のタイプのLEDを使用してもよい。これらの実施の形態は、本発明の範囲内である。
【0067】
EEPROM312は、本実施の形態においては、例えば米国カリフォルニア州のマキシム・インテグレーテッド・プロダクツ・インク(Maxim Integrated Products,Inc.)によって製造されている1ワイヤEEPROMである。温度検知デバイス332は、本実施の形態においては、ソリッドステートの温度検知デバイスであり、例えば、米国アリゾナ州チャンドラーのマイクロチップテクノロジーインコーポレーテッド(Microchip Technology Incorporated)によって製造されている低電力電圧出力温度センサであるMCP9700等である。
【0068】
EEPROM312は、特定の機能の実行に関係する追加のデータを記憶する役を担う。このデータは、コネクタ52を通してプロセッサ44によりアクセスが可能である。ここで当業者には明らかなとおり、他の実施の形態においては、フェースプレート23に関する追加のデータを記憶するために、EEPROMに代えて、ROMまたはフラッシュメモリ等の他の持続性記憶デバイスを使用してもよい。これらの実施の形態は、本発明の範囲内である。温度検知デバイス332はフェースプレート23の温度を検出し、この温度の読み値をプロセッサ44に伝えるように動作可能である。LEDアレイ328は、エネルギー源ドライバ336によって供給される電流に従ってエネルギーを届けるように動作可能である。
【0069】
制御メカニズム300はまた、分配システム340と通信するように動作可能である。分配システム340は、ポンプドライバ344と、容器36上に位置するコーディング50を含む。ドライバ344は、制御メカニズム300からの制御信号を通じて、ソレノイドを駆動し、容器36内に含まれている流体を予め決定済みの量だけ届けるように動作可能である。この実施の形態においては、容器36が、1%の濃度の過酸化ベンゾイルを届けるための容器である。この過酸化ベンゾイルが、ドライバ344によって作動される一連のポンプまたはパルスにより、容器36から皮膚へ届けられる。コーディング50は、前述したとおり、導体と非導体材料の交互の帯から形成される。このコーディングの組み合わせは、異なる容器のタイプに対応する異なる電圧を、プロセッサ44に戻す(リターンする)ことを可能にする。ここで当業者には明らかなように、他の実施の形態においては、異なる抵抗等の異なるコーディングメカニズムを使用してもよい。
【0070】
またプロセッサ44は、通信を行うように動作可能なインターフェースに計算デバイス74がオプションで接続されているときに、そのインターフェースを介して計算デバイス74と通信するように動作可能である。この実施の形態においては、このインターフェースが、通信ポート324である。この通信ポート324は、当業者に知られているプロトコルであるRS‐232を使用したものであり、すなわちシリアルポートである。ここで当業者には明らかなように、他の実施の形態においては、他のタイプの通信インターフェースを使用してコンピュータに接続してもよい。それらのインターフェースには、限定の意図はないが、ユニバーサルシリアルバス(USB)、赤外線(IR)、ブルートゥース(登録商標)、双方向無線、有線イーサネット、および801.11gや801.11b等の様々なプロトコルを使用する無線イーサネットが含まれる。さらに、デバイス20に接続可能な計算デバイスのタイプには、限定の意図はないが、デスクトップパーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、携帯情報端末(PDA)、または、情報の通信、処理、記憶(ストア)が可能な他のモバイルデバイスまたは固定デバイスが含まれる。
【0071】
制御メカニズム300は、治療レジメンの種々のパラメータを決定するために使用される治療データベース200を保持し、維持管理している。データベース200は、特定の治療の持続時間や、サイクルの間に届けられるエネルギーの持続時間および強度などの治療レジメンに関係する情報を含む。したがって、それぞれの異なる治療レジメンのために別々のデータベースレコードが存在する。典型的には、レコードがデータベース200内に記憶され、それがフラッシュメモリ304内に保持されている。しかしながら、いくつかのレコードまたはそれらの部分を、フェースプレート23内に位置するEEPROM312内に記憶してもよい。EEPROM312内において保持されるレコードまたはそのレコードの部分は、特定のフェースプレート23を使用して届けることが可能な治療レジメンまたは複数の治療レジメンに特有の情報を含む。表1は、レコード204の一例を示すものである。このレコード204は、レコード#1のラベルが付けられ、例としてざ瘡治療レジメンのデータを含み、EEPROM312内に保持される。
【0072】
【表1】

【0073】
表1をより詳細に説明すると、フィールド1は、このレコード内に含まれている治療レジメンのタイプを含む。この例においては、ざ瘡用のレジメンである。フィールド2は、各治療サイクルの初期持続時間であり、フィールド3は、LEDアレイ328内に備えられたLEDの動作効率を含む。この例のレジメンにおいて、これらのフィールドは、フィールド2が約90秒に、フィールド3が約12/25 mW/mAに、それぞれ設定されている。フィールド4は、LEDアレイ328の作動形式を含む。この実施の形態においては、2つの形式の作動が可能である。第1の形式は、LEDアレイ328が連続的に作動される連続波であり、第2の形式は、LEDアレイ328がパルスで作動されるパルス波である。この例においては、フィールド4が40に設定されており、サイクルの間にLEDアレイ328が約40ヘルツのパルスレートで作動されることを意味する。
【0074】
ある電流で指定された時間の間、LEDアレイ328を作動させると、その結果、LEDアレイ328によって特定の量の照射出力が届けられる。したがって、サイクルの間に届けられることになる照射出力は、フィールド2から4までに指定されているLEDアレイ328の作動時間、電流、および形式に対応して生成される出力の大きさであり、使用されるLEDの効率(フィールド3内に指定されている)に基づくものである。この出力は、目標サイクル出力と呼ばれ、フィールド5に指定されている。この例においては、目標は、使用されるLEDの組み合わせにより、LEDアレイ328が90秒間、約40Hzのパルスで作動されるときに、結果としてLEDアレイ328によって約30ジュールが届けられるようにすることが目標とされている。したがって、この例においては、フィールド5が、約30ジュールに設定されている。
【0075】
表1の説明を続けるが、フィールド6および7は温度リミット範囲を指定し、デバイス20は、治療の間、フェースプレート23の温度をそのリミット範囲内に維持する。この例においては、温度が約35℃と約41℃の間に維持される。フィールド8は、LEDアレイ328の作動に先行して容器36のポンピングが行われる回数を含む。このフィールドは、要するに、治療の間に容器36によって届けられることになる流体の量を決定する。この例においては、容器36に3回のポンピングが行われる。フィールド9は、このレジメンが使用する容器のタイプを指定する。この場合においては、5のコードを持つ容器が、使用されるのに適切な容器である。他の実施の形態においては、ある治療レジメンと複数の容器のタイプが互換性を有すると考えてもよく、このような実施の形態は本発明の範囲内である。フィールド10は、対応するフェースプレート上に存在するエネルギー源のタイプを指定する。この例においてはLEDアレイが使用される。
【0076】
制御メカニズム300は、電力ダウンタイマ208等といったいくつかの変数も保持する。電力ダウンタイマ208は、デバイス20が低電力モードに入り、実質的にシャットダウンするポイントまでカウントダウンするために使用される。治療タイマ212および出力カウンタ216もまた、所定のサイクル内の時間および届けられた出力を追跡するために保持される。また制御メカニズム300は、デバイス20の用法に関する情報を含むログデータも保持している。そのログデータは、使用された治療の効力の決定や、デバイス20のメンテナンスに使用可能である。例えば、ログデータは、ログ変数を含んでもよい。ログ変数は、LEDアレイ328が作動されていた持続時間をカウントし、LEDアレイ328がその寿命の90パーセントまで使用されるとアラームを発してユーザにフェースプレートの交換を気付かせるためのカウンタを含む。別の例においては、特定の日からデバイス20がどの程度長く使用されたかを追跡するログ変数を調べることによって、このデバイスの患者による使用を医師が監視することができる。この実施の形態においては、ログデータがフラッシュメモリ304内に保持される。別の実施の形態においては、ログデータを、追加のフラッシュメモリユニットまたはEEPROM等の、これらの変数を記憶するための専用の独立した記憶デバイス内に保持してもよい。これらの変形例および他の変形例は、本発明の範囲内である。
【0077】
図9Aおよび図9Bを参照すると、治療レジメンを届けるための方法が、一般に符号400として示されている。この方法の説明を補助するために、方法400はデバイス20を使用して実行されることを前提とする。さらに、以下の方法400の論述によって、デバイス20およびその多様な構成のさらなる理解が導かれるであろう。(しかしながら、デバイス20および/または方法400は多様なものであってよく、関してここで論じるように互いに関連して正確に機能する必要はなく、そのような変形例が本発明の範囲内であることは、理解する必要がある。)
【0078】
この方法400の実行は、デバイス20が低電力モードにあるときに、スイッチ35を押してデバイスをオンにすることによって開始される。図9Aおよび図9Bを参照すると、ステップ410において、スイッチ35が押されたか否かの決定が行われる。低電力モードにある間は、デバイス20が連続的にステップ410を通ってループする。したがって、スイッチ35が押されると、スイッチ35が押されたという決定がなされ、それに応じて方法400がステップ420に進む。
【0079】
ステップ420においてはデバイス20の初期化が行われる。この例の場合、デバイス20によって保持されている変数が、RAM308内にセットアップされて初期化される。例えば、デバイス20が低電力モードに入る時間をカウントダウンするタイマ変数208が300に設定される。これは電力ダウンまで300秒が残っていることを意味する。電力ダウンタイマ208の値は、方法400の実行を通じてバックグラウンドでデクリメントされる。治療タイマ212および出力カウンタ216は、この時点において治療がまだ開始されていないのでゼロに設定される。また、ログ変数は、RAM308に移され、デバイス20の起動の間に適宜それらの更新が可能になるように、フラッシュメモリ304内に現在記憶されている値を用いて初期化される。さらに、正しい動作をチェックするために、フラッシュメモリ304のチェックサムが通常の態様で実行される。
【0080】
ステップ430に移動すると、デバイス20内に存在する容器36のタイプが決定される。この実施の形態においては、ステップ430は、センサ58を介して、容器36内に設定されている電気コーディング50をプロセッサ44に読み取らせることによって実行される。この例においては、容器36に5%の濃度の過酸化ベンゾイルが満たされており、容器のコードが5であると仮定している。また、このステップにおいて、パワーLED316が、このユニットの正常動作モードを示すグリーンに設定される。さらに、スピーカ320に対する出力があれば中止し、あらゆる動作中のアラームをオフにする。
【0081】
方法400の実行を続けると、ステップ440において、デバイス20上に存在するフェースプレート23のタイプについての決定が行われる。これは、コネクタ52を通して、プロセッサ44に、EEPROMの存在の検出を行わせることによって達成される。このとき、プレゼンスパルスまたはその他の適切な周知の方法を使用する。この例においては、前述したように、フェースプレート23がEEPROM312を含んでいると仮定している。したがって、ステップ460が実行される。
【0082】
ステップ460において、治療レジメンデータが検索される。この例においては、レコード204を、プロセッサ44がEEPROM312から持ってくる。より詳細には、プロセッサ44が、治療のデリバリーの間に使用するために、レコード204をRAM308へ移動する。複数の治療レジメンにフェースプレート23を使用することが可能な別の実施の形態においては、ユーザに、利用可能なレジメンの選択肢を示し、使用する1つの選択を要求してもよい。続いて、選択されたレジメンに関連付けされたレコードが検索されることになる。例えば、この選択は、規定の回数だけスイッチ35を押すことによって行ってもよい。これらの実施の形態およびこのような他の実施の形態は、本発明の範囲内である。
【0083】
ステップ470においては、レコード204の内容(コンテンツ)の認証が行われる。この例においては、この認証は、レコード204のフィールドがブランクでないことを確認することによって行われる。他の実施の形態においては、他のデータ認証方法を使用してもよい。例えば、レコードのフィールドのための値の有効範囲を指定する別個のデータベースを、ROM304またはEEPROM312内に保持しておいてもよい。各レコードの認証は、この第2のデータベースに対して行ってもよい。この例では、レコード204が有効なデータを含んでいると仮定されている。認証ステップの一部として、ステップ430において検出された容器のタイプが、互換性のある容器を指定するレコード204のフィールド9と比較される。この例においては、フィールド9が5の値を有しており、これはステップ430において検出された容器のコードである。したがって容器36は、フェースプレート23と互換性があると考えられる。
【0084】
方法400の実行を続けると、ステップ480においては、RAM308の容量が決定される。RAM308が一杯の場合、すなわち治療レジメンのデリバリーの間に使用できる自由なメモリがまったく残っていない場合がある。この場合には、プロセッサ44が、パワーLED316を黄色の点滅に変更する信号を送信することによって、アラームを生成する。この例では、使用のためのメモリが残っていると仮定されており、したがってアラームは生成されない。ここで当業者には明らかであろうが、RAM304の容量の決定において異なる基準を使用してもよい。例えば、他の実施の形態においては、RAM304の占有が特定のパーセンテージより大きいときに、アラームを生成してもよい。例えば、RAM304の占有が95パーセントを超えているとき等に、アラームを生成する。これらの変形例および他の変形例は、本発明の範囲内である。
【0085】
ステップ490においては、ローカルコンピュータに対する接続の有無が検出される。この実施の形態においては、プロセッサ44が、計算デバイス74がデバイス20のRS‐232ポートに取り付けられているか否かを、通常の態様で決定する。この実施の形態では、デバイスが取り付けられていると仮定されている。したがって、ステップ495が実行される。
【0086】
ステップ495においては、計算デバイス74にログデータがアップロードされ、フラッシュメモリ304内の対応するスペースが自由になる。この例においては、プロセッサ44がフラッシュメモリ304からログデータを取り去り、そのログデータをポート324を通して計算デバイス74に転送する。他の実施の形態においては、計算デバイスの検出に加えて、他のイベントを、計算デバイス74に対するログデータのアップロードの開始に追加してもよい。例えば、計算デバイス74のユーザに、計算デバイス74におけるマウスのクリック等のコマンドの提供によるアップロードの開始を要求してもよい。それに代えて、デバイス20は、計算デバイス74の存在が検出されたときにユーザに対してアラームを発し、スイッチ35を押す形式でのユーザからの応答を待機してもよい。これらの実施の形態およびこのような他の実施の形態は、本発明の範囲内である。
【0087】
ステップ500においては、スイッチ35が押されたか否かの決定が行われる。スイッチ35を押すことによって治療の開始が許可される。そうでなければ、方法400は、スイッチ35が押されるまでステップ500を通ってループする。この例においては、スイッチ35が押されて治療の開始が示されることが前提とされている。
【0088】
方法400を続けると、ステップ510においては、届けられる照射の性質(プロパティ)が決定される。照射の性質を決定するために、フェースプレート23上のエネルギー源のタイプが決定される。この実施の形態においては、フェースプレート23上のエネルギー源のタイプが、前述したようにLEDアレイ328である。プロセッサ44は、レコード204のフィールド10からLEDアレイ328の存在を決定する。さらに、プロセッサ44は、レコード204のフィールド4に基づいて、パルス波(PW)または連続波(CW)のいずれかであるLEDアレイ328の作動形式を設定する。この例の場合には、40ヘルツのレートのパルス波が使用される。別の実施の形態においては、エネルギー源のタイプおよび作動形式を検出するために他の方法を使用してもよい。例えば、制御メカニズム300がエネルギー源との接続の間の電圧をチェックし、読み取った電圧値に基づいて決定をしてもよい。さらに、別の実施の形態においては、ユーザが手動で作動形式を指定してもよい。これらの実施の形態および同様の他の実施の形態は、本発明の範囲内である。
【0089】
ステップ510を続けると、レコード204を使用し、LED328についての目標照射出力、初期動作期間、LED効率が、それぞれレコード204のフィールド5、フィールド2、フィールド3から獲得される。この例においては、サイクル当たりの目標照射出力が約30J、初期動作期間が約90秒、LED効率が約12mW/25mAである。これらの値に基づいて、初期動作電流が計算される。この例では、LEDアレイ328が約90秒内に約30mJを届けることが可能なように初期動作電流が選択される。この場合においては、初期動作電流が約25mAとなるように計算されると仮定されている。
【0090】
照射の性質を決定すると、ステップ520において、容器36が作動されることがユーザに警告される。この例においては、プロセッサ44が、パワーLED316およびスピーカ320に、パワーLED316の色を緑に変更して、2つの長いビープ音を鳴らす信号を届ける。そして、プロセッサ44は、2秒の遅延時間(ディレイ)を設けた後に、方法400を継続する。ここで当業者には明らかなように、他の実施の形態においては、ユーザ警告は、容器36の作動に引き付けることが必要な注意量や、スイッチ35が押されてから治療の開始の準備に必要な時間等の多くの基準に従って、多様なものであってもよい。
【0091】
方法400を続けると、容器36が作動される。制御メカニズム300は、ポンプドライバ344に信号を送信することによって容器36を作動する。その信号によって、容器36内に含まれている物質38の特定量の押し出しが生じる。作動やパルスの数は、レコード204のフィールド8に従って決定される。この例においては、表1に示された例のレコードに従って、作動が3パルスの間だけ行われる。別の実施の形態においては、容器36を手動で作動してもよい。例えば、デバイス20が、それぞれの手動の作動のために長いビープを生成してもよく、ユーザは手動で適切な量の薬物を放出することが可能になる。これらの実施の形態およびこのような他の実施の形態は、本発明の範囲内である。
【0092】
ステップ540においては、エネルギー源30が起動されることがユーザに警告される。この例においては、プロセッサ44が、3つの長いビープ音を鳴らす信号をスピーカ320に届ける。そして、プロセッサ44は、2秒の遅延時間を設けた後に、方法400を先に進める。当業者には明らかなように、他の実施の形態においては、ユーザ警告は、処理の開始に引き付けることが必要な注意量や、スイッチ35が押されてから治療の開始の準備に必要な時間等の多くの基準に従って、多様なものであってもよい。2秒の遅延時間の後、エネルギー源が起動され、治療サイクルの開始が示される。この実施の形態においては、LEDアレイ328が、制御メカニズム300のエネルギー源ドライバ336から発せられるドライバ電流によって起動される。さらに、治療タイマ212がゼロの値に初期化される。
【0093】
ステップ550においては、温度の読み値がフェースプレート23から獲得される。この例においては、プロセッサ44が温度検知デバイス332から温度の読み値を獲得する。ここでは、この温度の読み値が約41.5℃であると仮定している。
【0094】
ステップ560においては、治療タイマ212が更新されて、このサイクルの間にLEDアレイ328がそれまで作動されていた時間量が反映される。さらに、出力カウンタ216が更新されることにより、このサイクルの間にそれまで届けられた出力が更新される。また、ステップ560においては、温度がリミット範囲内にあるか否かの決定がなされる。この例においては、獲得された温度の読み値がレコード204のフィールド6およびフィールド7に指定されている上限リミットおよび下限リミットと比較される。したがって、温度がリミット範囲内にないという決定が行われ、LEDアレイ328の駆動レベルが調整される。詳細に述べれば、この例では、アレイ駆動電流およびサイクルの持続時間が調整される。この場合のように読み取られた温度が高すぎる場合には、LEDアレイ328の駆動電流が下げられ、サイクル時間が増加される。読み取られた温度が低すぎる場合には、LEDアレイ328の駆動電流が増加され、サイクル時間が減少される。ここで当業者に明らかなように、これらの変更は、温度を指定の範囲内に維持しつつ、サイクルの間における実質的に同一の目標出力のデリバリーを維持するように行われる。例えば、ここで述べている例のように、温度が高すぎる場合には、LEDアレイ328に対する駆動電流を下げることによって熱出力が抑えられ、熱がより容易に(すぐに)消散することを可能にする。しかしながら、サイクル時間が増加されるので、サイクルの間に届けられる全体的な出力を同一のままにすることが可能になる。
【0095】
方法400を続けると、ステップ570において、レジメンが完了したか否かの決定が行われる。この例においては、治療タイマ212の値が、レコード204のフィールド2内で指定されているサイクルの持続時間と比較される。サイクルタイマの値が小さい場合にはプロセスは完了しておらず、方法400がステップ550にループバックする。他の実施の形態においては、レジメンの完了を決定する他の方法を使用してもよい。例えば、出力のデリバリーを、レジメンの完了を決定する基準として使用してもよく、出力カウンタ216に従って目標出力が届けられたときに限ってレジメンの完了と考える。これらの実施の形態およびこのような他の実施の形態は、本発明の範囲内である。この例においては、この時点で、サイクルが完了していないと仮定しており、ステップ550が再び実行されることになる。
【0096】
方法400の実行を続けると、ステップ550から始まるループを数回実行した後、サイクルが完了したとの決定が行われる。したがって、ステップ580が実行される。このステップにおいては、スピーカ320を通して4つの長いビープアラームを鳴らすことにより、ユーザにサイクルの完了を警告する。ステップ590において、治療が終了される。LEDアレイ328の駆動電流を遮断することによって、LEDアレイ328をオフにする。デバイス20の電力が下げられ、スイッチ35が押されるまで待機する低電力モードに入る。スイッチ35が押された時点で、方法400がステップ410から再び実行される。
【0097】
異なる実施の形態のデバイス20を使用して方法400を実行することによって、上記の動作の例と異なる動作が行われることになってもよい。例えば、図12に示されているように、方法400は、異なるフェースプレート、すなわちEEPROM312を含まないフェースプレート23aが取り付けられているデバイス20aによって実行されてもよい。この場合においては、フェースプレートのタイプを識別する抵抗348aがフェースプレート23上に存在する。デバイス20aのコンポーネントの参照番号が接尾辞「a」を含むことを除けば、デバイス20aとデバイス20はその他の点では実質的に同一である。デバイス20aを使用する方法400を実行することにより、最初の例の実行から様々な変形例が導かれる。1つの変形例は、ステップ440においてEEPROMが検出されないことであり、ステップ460に代えてステップ450が実行される。ステップ450においては、フェースプレートのタイプが検出される。使用される電気コーディングは、フェースプレートのタイプに使用される異なる抵抗に対応する異なる電圧の形式である。したがって、レコード204aに対応するデータが、ステップ450において検出されたフェースプレートのタイプに従ってプロセッサ44によって検索される。さらにフェースプレート23a上にEEPROMが存在しないことから、EEPROMからではなくデータベース200aからレコードが検索される。検索されたデータは、治療のデリバリーの間に使用するためにRAM308aに移動される。
【0098】
異なる動作状態にあるデバイス20を使用して方法400を実行することによって、上記の動作の例と異なる方法400が実行されることになってもよい。例えば、データベース200内に含まれているデータが改ざんされることがあり得る。従って、ステップ470においては、そのデータが有効でないと決定される。このように、ステップ475が実行され、可聴音のアラームがスピーカ320に送信され、パワーLED316に赤の点滅への変更が伝えられる。そのアラームの後、方法400はステップ410に進み、ユーザがスイッチ35を押すことによってこのアラームに応答したか否かを決定する(例えばユーザは、このアラームに応答してフェースプレート23を再び取り付けて、不適切に取り付けられたフェースプレートに起因する問題を訂正してもよい。または、フェースプレートを交換して、誤ったフェースプレートに起因する問題を訂正してもよい)。その場合には、方法400が再び実行され、アラームを生成した方法400の最初の実行の間に方法400を認証ステップまで導いたのと同じ初期化および検出のステップを通る。スイッチ35が押されなかった場合には、プロセッサ44は、ステップ411において低電力モードであるか否かを決定する。低電力モードであればステップ411にループバックする。そうでなければ、ステップ412において、プロセッサ44は、最初にタイマ変数204の値を取り出す。そして、タイマ変数204の値がゼロの値に到達しているか否かを決定することにより、低電力モードに入る時間か否かを決定する。低電力モードに入る時間であると決定されると、ステップ413において、デバイス20は、スイッチ35が押されるまで低電力モードに入る。そうでなければ、方法400は、低電力モードに入る時間になるか、スイッチ35が押されるまでステップ410、ステップ411、ステップ412をループする。
【0099】
ここに述べられているデバイス、方法、および物質は、薬物、活性成分、またはサプリメントと組み合わせて使用してもよい。
【0100】
例えば、過酸化ベンゾイルおよび/またはサリチル酸を使用するざ瘡治療または予防レジメンは、毎日2度にわたる患部への過酸化ベンゾイルおよび/またはサリチル酸を含む組成物の塗布を含んでもよい。その組成物は、重量または体積において約0.5%から約10%までの過酸化ベンゾイルおよび/またはサリチル酸、より好ましくは約0.8%から約7%までの過酸化ベンゾイルおよび/またはサリチル酸、さらに好ましくは約1.0%から約6.5%までの過酸化ベンゾイルおよび/またはサリチル酸を含んでもよく、治療されることになる皮膚のエリアに塗布される。この治療は、約5%の過酸化ベンゾイルおよび/またはサリチル酸を含む組成物で開始し、その後の治療において過酸化ベンゾイルおよび/またはサリチル酸を約1%または2%となるまで用量を減少させてもよい。そして、物質38が皮膚に塗布され、続いて皮膚が持続時間の間、エネルギー源に露出される。それに代えて、この組成物の前に物質38を皮膚に塗布してもよい。
【0101】
本発明のざ瘡の治療または予防のための別の例の方法によれば、物質38自体が過酸化ベンゾイルおよび/またはサリチル酸を含む。物質38は、重量または体積において約0.5%から約10%までの過酸化ベンゾイルおよび/またはサリチル酸、より好ましくは約0.8%から約7%までの過酸化ベンゾイルおよび/またはサリチル酸、さらに好ましくは約1.0%から約6.5%までの過酸化ベンゾイルおよび/またはサリチル酸を含んでもよい。治療は、約5%の過酸化ベンゾイルおよび/またはサリチル酸を含む物質38で開始し、その後の治療において過酸化ベンゾイルおよび/またはサリチル酸を約1%または2%となるまでの用量を減少させてもよい。続いて、所望な持続時間の間、皮膚が治療デバイスに露出される。
【0102】
この例の目的のために治療デバイスは、約380nmから約460nmまでの範囲内、より好ましくは約395nmから約430nmまでの範囲内、さらに好ましくは約405nmから約425nmまでの範囲内の波長の電磁放射線に設定してもよい。この電磁放射線は、約415nmであってもよい。それに代えて、またはそれに加えて、このデバイスは、約460nmから約900nmまでの範囲内、より好ましくは約550nmから約900nmまでの範囲内、さらに好ましくは約570nmから約850nmまでの範囲内の波長の電磁放射線を含んでもよい。この電磁放射線は、約630nmであってもよい。
【0103】
本発明に従ったざ瘡の治療のための方法は、物質38が所望な量の過酸化ベンゾイルおよび/またはサリチル酸を含み、週に約1回、日に約1回、または日に複数回実行してもよい。もっとも好ましくは、この方法は日に1回行われる。エネルギー源は、治療されることになる皮膚の各セクションに、この方法が実行されるごとに、約10秒から約60分までの範囲内、より好ましくは約30秒から約30分までの範囲内、さらに好ましくは約60秒から約10分までの範囲内で適用してもよい。この持続時間は、約90秒の長さであってもよい。治療されることになる皮膚の各セクションが受ける放射線量は、約5ジュールから約60ジュールまでの範囲内、より好ましくは約10ジュールから約50ジュールまでの範囲内、さらに好ましくは約20ジュールから約40ジュールまでの範囲内であってもよい。この放射線量は、約30ジュールであってもよい。この治療は、約1から約12週の期間にわたり、より好ましくは約3週から約10週までの範囲内、もっとも好ましくは約6週から約8週までの範囲内で、個人の必要に応じて適用してもよい。
【0104】
しかしながら軽疾患の重傷度および/または性質(ネイチャー)、ユーザの皮膚の特定の性質(プロパティ)に応じて、はるかに少ない時間および/または合計線量が必要とされてもよい。
【0105】
理解されることであろうが、ここに述べられているデバイスおよび物質を使用して、他の薬物、活性成分、またはサプリメントを、他の適応症の治療または予防のために使用してもよい。
【0106】
理解されることであろうが、ここで使用されている薬物、活性成分、またはサプリメントが、本発明のデバイス、物質、および方法に関連して使用されると、その有効性を増加することが可能である。したがって、所望な結果を達成するために必要となる薬物、活性成分、またはサプリメントをより少なくすることが可能になり、および/または、治療時間をより短くすることが可能になる。例えば、青色光(405ナノメートルから425ナノメートルまでの間)は、皮膚によって吸収されて皮膚を温め、ざ瘡の治療または予防のために使用される過酸化物の有効性を増加することができる。そのような場合においては、ここで推奨されている過酸化物の量または過酸化物の塗布の持続時間を好適に減少させることができる。青色光は、それが皮膚上に棲んでいるざ瘡を生じさせる細菌の生存に有害であり、それにより相乗効果を提供することもできる。この分野で知られているように、P.アクネスは、紫外域から約430nmまでの光を吸収し、また約630nmの光も吸収する。青色光の光治療は、尋常性P.ざ瘡を伴う患者の多くに効果がある。この細菌は、自然発生する光感受性物質である内因性ポルフィリンで構成されている。この光感受性物質が、約405ナノメートルから約425ナノメートルの間の青色光エネルギーを吸収して一重項酸素を形成し、それが簡単に細菌細胞を破壊する。これらの波長において皮膚に投与される光は、一般に表皮によって吸収され、少なくとも約1mmの深さまで浸透可能である。
【0107】
本発明のデバイス、物質、および方法は、光若返り治療のために使用してもよい。光若返り治療は、例えば、約500nmから約1000nmまでの範囲内、より好ましくは約550nmから約900nmまでの範囲内、さらに好ましくは約570nmから約650nmまでの波長の範囲内にドミナントな放射を含む電磁放射線を伴うデバイスの使用を含んでもよい。もっとも好ましくは、約580nm、約630nm、約633nm、約660nmの波長におけるドミナントな電磁放射、および/または、約800nmから約900nmまでの波長の範囲内の放射が使用される。このデバイスは、さらに、炎症の縮小、細胞の修復の促進、小皺および皺の出現の減少、毛穴サイズの縮小、赤みの縮小、および皮膚のきめの向上に効果を持つ超音波またはマイクロ波エネルギーを提供するようになっていてもよい。それに代えて、そのような超音波またはマイクロ波エネルギーをこのデバイスの適用と別個に適用してもよい。
【0108】
本発明のデバイス、物質、および方法は、セルライトを治療するために使用してもよい。セルライトの治療は、例えば、約500nmから約900nmまでの範囲内、より好ましくは約550nmから約800nmまでの範囲内、さらに好ましくは約650nmから約750nmまでの波長の範囲内にドミナントな放射を含む電磁放射線を伴うデバイスの使用を含んでもよい。セルライトの治療に好ましい他の電磁放射線源は、約810nmのレーザエネルギーまたはLEDエネルギー、または無線周波数域の放射線および赤外域の放射線の組み合わせを含む。気付くことであろうが、レーザエネルギーが使用される場合には、医療専門家によって治療が監督される必要がある。セルライトのための治療の長さは、約10秒から180分までの範囲内、より好ましくは約20秒から60分までの範囲内、さらに好ましくは約30秒から10分までの範囲内であってもよい。
【0109】
治療中の軽疾患に応じて、治療の周波数、反復の回数、およびパルスの持続時間といったパラメータを、患者が皮膚の治療セクション内において調整してもよい。例えば、約50ミリJから約100Jまでの範囲内、より好ましくは約500ミリJから約80Jまでの範囲内、さらに好ましくは約1Jから約50Jまでの範囲内の合計放射線量を受けるように調整してもよい。
【0110】
当業者によって認識されることであろうが、ユーザの皮膚内の色素の量は、本発明のデバイスおよび物質を使用する治療に必要な持続時間および/または強度に、影響を与えることがある。例えば、皮膚内の色素の量は、皮膚の表面における光の吸収と直接的に比例する。したがって、より色黒の皮膚型の表面には、より色白の皮膚型と比べて、例えば約1mm〜約2mmの深さにおいてより多くの光が吸収されることがあり、約3mm〜約4mmの深さまでより少ない光しか浸透しないことがある。より深い浸透が望ましい治療については、より色黒の皮膚型のために、治療の持続時間および/または強度を増加しなければならないことがある。
【0111】
本発明のデバイスおよび物質は、この分野で知られている治療レジメンとともに使用することができる。この分野で知られている治療レジメンに必要なあらゆる調整は、当業者に明らかであり、過度の実験を必要とすることもない。本発明のデバイスおよび物質は、ざ瘡、関節炎の痛み、慢性的な痛み、手根管症候群、細胞の損傷、軟部組織損傷、TMJ、糖尿病性神経障害、神経痛、老化した皮膚、湿疹、酒さ、光線性角化症、季節性感情障害、炎症、小皺および皺、セルライト、粘膜炎(口腔粘膜)、乾癬、口腔カンジダ、口腔癌、創傷、軟部組織損傷、例えば被膜炎、滑液包炎、捻挫、緊張、血腫および腱炎、急性および慢性的な関節の問題、例えば骨関節炎、慢性関節リウマチおよび靭帯ならびに腱の損傷、腱炎、慢性的な痛み、例えば後疱疹性神経痛、慢性的な背中および頸部の痛み、中足骨痛症、三叉神経痛、神経痛、足底腱膜炎、および細胞の損傷等の軽疾患の治療に使用することができる。
【0112】
電磁放射線を使用する治療は、とりわけ、癒着不能および小骨骨折、疱疹、アフタ性潰瘍、下肢潰瘍、皮膚炎、創傷治癒、火傷、急性精巣上体炎、耳鼻咽喉科、婦人科、産科、表面AP刺激およびトニフィケーション、美容上の不完全の治療にも使用することができる。
【0113】
本発明のデバイスおよび物質は、皮膚の外観を概して改善させる。あらゆる皮膚の外観の改善は、一時的または多少恒久的であってもよく、皮膚の輝き、透明さ、きめ、および滑らかさにおいて測定できる。
【0114】
上記の詳細な記述は、現在のところ本発明を実施する最良の態様と考えられているものである。この記述が限定の意味で解釈されることはなく、逆に本発明の一般原理を単に例示する目的のためになされている。本発明の範囲は、付随する特許請求の範囲によって最良に定義される。
【0115】
さらに他の変形例においては、EEPROM312の内容をデータベース200の更新のために使用してもよい。例として、データベース200は、デバイス20内に含められるフラッシュRAMまたはハードドライブ等の独立した持続性記憶デバイス内に保持してもよい。したがって、EEPROM312を含むフェースプレート23がデバイス20に取り付けられた後であれば、EEPROM312の内容を用いて持続性記憶デバイスを更新してもよい。
【0116】
さらに他の変形例においては、異なるエレメントを使用した制御メカニズム300を備えてもよい。例えば、アナログ制御回路を使用して制御メカニズム300内の動作を実行してもよい。さらに別の変形例においては、プログラマブルロジックアレイ(PLA)またはカスタム設計されたプロセッサをプロセッサ44として使用してもよい。他の変形例においては、他のタイプのコントローラをプロセッサ44として使用してもよい。さらに他の変形例においては、フラッシュメモリ304をEEPROM、読み出し専用メモリ(ROM)、またはハードドライブ等の不揮発性記憶デバイスによって置き換えてもよい。さらに他の変形例においては、フラッシュメモリをRAM308の代わりに使用してもよい。さらに、これに含まれるEEPROM、ROM、RAM、ハードドライブ、フラッシュRAM、およびその他の記憶デバイスを、デバイス20にアクセス可能な情報の更新のために、記憶デバイスの交換ができるように取り外し可能としてもよい。他の変形例においては、パワードライバ344を制御メカニズム300の部分としてもよい。さらに、スイッチ35、パワーLED316、およびスピーカ320に代えて異なる入力デバイスおよび出力デバイスを使用してもよい。例えば、異なるタイプのライトまたは複数ライトをパワーLED316に代えて使用してもよい。スピーカ320は、バイブレータまたはその他の、ユーザの注意を引くことのできるデバイスに代えてもよい。スイッチ35は、押しボタンスイッチ、またはタッチスイッチの形式を採ってもよい。
【0117】
他の変形例においては、デバイス20の動作の間に、データをRAM308内に移す必要がなく、EEPROM312またはフラッシュメモリ304から直接レコード204にアクセスしてもよい。さらに別の変形例においては、レコードまたは複数レコードに対応するデータの部分だけがEEPROM312内に存在し、残りがデータベース200内に含まれるようにしてもよい。さらなる変形例においては、制御メカニズムがフェースプレート23上に常駐してもよく、方法400またはその一部の実行をフェースプレート23上において可能にする。
【0118】
別の変形例においては、異なる数のビープ音、光信号、および待機時間が、警告やアラームをユーザに知らせるために使用されるように、方法400を変更してもよい。例えば、音のアラームに代えて追加のLEDを使用してもよい。または、異なるタイプのライトおよび色を使用してもよい。LEDの色に変えて強度を変更してもよく、または異なる色の変化を使用してもよい。待機の持続時間を変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の1つの態様のデバイスの正面図である。
【図2】図1のデバイス内に使用される取り外し可能な容器の正面図である。
【図3】図1のデバイスの分解側面図である。
【図4】図1のデバイスの背面図である。
【図5】本発明の別の態様のデバイスであって、インターネットを介してデータベースサーバに接続されるデバイスを示した説明図である。
【図6】図1のデバイスのためのプロセッサのステップを詳細に示したコンピュータフローチャートである。
【図7】図1のデバイスの断面図であり、本発明の1つの態様の温度検知デバイスを示した断面図である。
【図8】本発明の1つの態様の電子部品を示したブロック図である。
【図9A】本発明の1つの態様の方法を示したフローチャートである。
【図9B】本発明の1つの態様の方法を示したフローチャートである。
【図10】図1のデバイスのための様々なヘッドデザインの側面図である。
【図11】本発明の他の態様のデバイスであって、アダプタが取り付けられた図1のデバイスの分解側面図である。
【図12】本発明の態様の電子部品であって、フェースプレートがEEPROMを含まない構成を示したブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁放射線を届けるための治療デバイスであって、
(a)所定の波長の電磁放射線を放射するためのエネルギー源と、
(b)前記治療デバイスで使用するための所定の物質を分配するための物質分配システムと、
を含むことを特徴とする治療デバイス。
【請求項2】
前記物質分配システムは、手動で操作されることを特徴とする請求項1に記載の治療デバイス。
【請求項3】
前記エネルギー源と前記物質分配システムを制御するための制御メカニズムを含むことを特徴とする請求項1に記載の治療デバイス。
【請求項4】
前記制御メカニズムは、プロセッサおよび記憶デバイスを含み、
前記記憶デバイスは、レジメンデータを保持するように動作可能であり、
前記プロセッサは、前記レジメンデータに従って、前記エネルギー源と前記物質分配システムを制御するように動作可能であることを特徴とする請求項3に記載の治療デバイス。
【請求項5】
前記制御メカニズムは、前記レジメンデータに従った出力レベルでおよび時間の間、前記エネルギー源からの放射線の放射を制御するように動作可能であることを特徴とする請求項4に記載の治療デバイス。
【請求項6】
前記レジメンデータを更新するために計算デバイスと通信を行うように動作可能なインターフェースを含むことを特徴とする請求項4に記載の治療デバイス。
【請求項7】
前記レジメンデータを更新するために少なくとも1つのサーバを有するコンピュータネットワークと通信を行うように動作可能なインターフェースを含むことを特徴とする請求項4に記載の治療デバイス。
【請求項8】
前記記憶デバイスは取り外し可能であることを特徴とする請求項4に記載の治療デバイス。
【請求項9】
前記記憶デバイス内に、前記治療デバイスの用法を表すログデータを保持するように動作可能であり、
前記ログデータをアップロードするために計算デバイスと通信を行うように動作可能なインターフェースを含むことを特徴とする請求項4に記載の治療デバイス。
【請求項10】
前記エネルギー源は光源であることを特徴とする請求項1に記載の治療デバイス。
【請求項11】
前記エネルギー源は、無電極ランプ、マイクロ波、蛍光管、クオーツハロゲンランプ、アークランプ、レーザ、レーザダイオード、発光ダイオードからなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の治療デバイス。
【請求項12】
前記エネルギー源は、410nm、415nm、580nm、630nm、660nm、663nm、680nm、800nm、810nm、820nm、830nm、840nm、850nm、900nmから選択された少なくとも1つのピーク波長を有することを特徴とする請求項1に記載の治療デバイス。
【請求項13】
前記エネルギー源は、40nmまたは20nmの帯域幅を有する少なくとも1つのピーク波長を含むことを特徴とする請求項1に記載の治療デバイス。
【請求項14】
前記エネルギー源は、415nmのピーク波長および20nmの帯域幅を有することを特徴とする請求項1に記載の治療デバイス。
【請求項15】
前記エネルギー源は、作動されたときに連続的または拍動的に動作することを特徴とする請求項1に記載の治療デバイス。
【請求項16】
前記エネルギー源はヘッド内に収容されており、フェースプレートは前記ヘッドの構造と一体であることを特徴とする請求項1に記載の治療デバイス。
【請求項17】
前記エネルギー源は、取り外し可能なフェースプレートを有するヘッド内に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の治療デバイス。
【請求項18】
前記分配システムは、前記物質を入れるための取り外し可能な容器を受けるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の治療デバイス。
【請求項19】
前記容器は、前記治療デバイスによって読み取り可能な識別子を有することを特徴とする請求項18に記載の治療デバイス。
【請求項20】
前記フェースプレートは、前記ヘッドと機能的に接続される延長部を含むことを特徴とする請求項17に記載の治療デバイス。
【請求項21】
前記ヘッド上に配置されるエネルギー反射層を含むことを特徴とする請求項1に記載の治療デバイス。
【請求項22】
前記制御メカニズムに温度データを届けるための温度検知デバイスを含むことを特徴とする請求項3に記載の治療デバイス。
【請求項23】
前記制御メカニズムは、前記受け取った温度データが予め指定されたリミット範囲の外であるときに、前記エネルギー源を調整可能であることを特徴とする請求項22に記載の治療デバイス。
【請求項24】
前記温度検知デバイスは、p‐n接合ダイオードであることを特徴とする請求項22に記載の治療デバイス。
【請求項25】
物質を入れるようになっており、電磁放射線を届けるための治療デバイス内に収容するようにされたことを特徴とする容器。
【請求項26】
屈折率が1.5の物質を含むことを特徴とする請求項25に記載の容器。
【請求項27】
薬物、活性成分、またはサプリメントを含んでいる物質を含むことを特徴とする請求項25に記載の容器。
【請求項28】
前記薬物は、老化防止治療、光若返り治療、美容治療、ざ瘡治療、癌治療、セルライト治療、光障害治療からなる群から選ばれる治療のためのものであることを特徴とする請求項25に記載の容器。
【請求項29】
前記薬物は、光若返り治療のためのものであることを特徴とする請求項25に記載の容器。
【請求項30】
前記薬物は、ざ瘡治療のためのものであることを特徴とする請求項25に記載の容器。
【請求項31】
前記薬物は、セルライト治療のためのものであることを特徴とする請求項25に記載の容器。
【請求項32】
治療デバイス内に配置されているリーダによって読み取られるようになっている指標を含むことを特徴とする請求項25に記載の容器。
【請求項33】
電磁放射線を使用する治療で使用するための物質であって、
薬物、活性成分、またはサプリメントのうちの少なくとも1つを含み、屈折率が1.5であることを特徴とする物質。
【請求項34】
請求項1に記載の治療デバイスで使用するためのものであることを特徴とする物質。
【請求項35】
薬物、活性成分、またはサプリメントを含むことを特徴とする請求項34に記載の物質。
【請求項36】
前記物質の屈折率が1.5であることを特徴とする請求項34に記載の物質。
【請求項37】
前記薬物、活性成分、またはサプリメントは、
アロエ、ビタミンE、水分補給剤、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンA、ビタミンK、ビタミンF、レチンA(トレチノイン)、アダパレン、レチノール、ヒドロキノン、コウジ酸、成長因子、エキナセア、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、漂白剤、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、サリチル酸、抗酸化三連構造化合物、海藻誘導体、塩水誘導体、藻類、抗酸化物質、フィトアントシアニン、フタロシアニン、植物栄養素、プランクトン、植物生成物、草本生成物、ホルモン、ラノリン、酵素、鉱物、遺伝子改変物質、補因子、触媒、老化防止物質、インスリン、微量元素(イオン性カルシウム、マグネシウム等を含む)、補酵素Q10、鉱物、ミノキシジル、色素、天然または合成メラニン、金属タンパク質抑制剤、プロリン、ヒドロキシプロリン、麻酔性物質、過酸化ベンゾイル、アミノレブリン酸、葉緑素、微生物葉緑素、栄養補助剤、機能性化粧品、銅クロロフィリン、葉緑体、カロテノイド、フィコビリン、ロドプシン、アントシアニン、および誘導体、小成分、目標皮膚構造の構成要素または器官に向けられた免疫学的複合体および抗体、およびこれらの物質の合成および天然類似物、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選ばれることを特徴とする請求項35に記載の物質。
【請求項38】
前記薬物、活性成分、またはサプリメントは、
老化防止治療、光若返り治療、美容治療、ざ瘡治療、癌治療、セルライト治療、光障害治療からなる群から選ばれる治療のためのものであることを特徴とする請求項35に記載の物質。
【請求項39】
前記治療は、ざ瘡治療のためであることを特徴とする請求項35に記載の物質。
【請求項40】
前記治療は、光若返り治療のためであることを特徴とする請求項35に記載の物質。
【請求項41】
前記薬物、活性成分、またはサプリメントは、過酸化ベンゾイルであることを特徴とする請求項39に記載の物質。
【請求項42】
前記薬物、活性成分、またはサプリメントは、サリチル酸であることを特徴とする請求項39に記載の物質。
【請求項43】
関節炎の痛み、慢性的な痛み、手根管症候群、細胞の損傷、軟部組織損傷、ざ瘡、TMJ、糖尿病性神経障害、神経痛、老化した皮膚、季節性感情障害、炎症、小皺および皺、粘膜炎、乾癬、酒さ、湿疹、口腔カンジダ、口腔癌、蜂巣炎、および創傷からなる群から選ばれる軽疾患の治療のためであることを特徴とする請求項1に記載の治療デバイスの用途。
【請求項44】
ざ瘡の治療のためであることを特徴とする請求項1に記載の治療デバイスの用途。
【請求項45】
前記エネルギー源は、380nmから460nmまでの波長の範囲内の電磁放射線を放射することを特徴とする請求項44に記載の用途。
【請求項46】
前記エネルギー源は、395nmから430nmまでの波長の範囲内の電磁放射線を放射することを特徴とする請求項44に記載の用途。
【請求項47】
前記エネルギー源は、405nmから425nmまでの波長の範囲内の電磁放射線を放射することを特徴とする請求項44に記載の用途。
【請求項48】
前記エネルギー源は、460nmから1000nmまでの波長の範囲内の電磁放射線を放射することを特徴とする請求項44に記載の用途。
【請求項49】
前記エネルギー源は、550から900nmまでの波長の範囲内の電磁放射線を放射することを特徴とする請求項44に記載の用途。
【請求項50】
前記エネルギー源は、600nmから850nmまでの波長の範囲内の電磁放射線を放射することを特徴とする請求項44に記載の用途。
【請求項51】
前記エネルギー源は、630nmの波長の電磁放射線を放射することを特徴とする請求項44に記載の用途。
【請求項52】
光若返り治療のためであることを特徴とする請求項1に記載の治療デバイスの用途。
【請求項53】
前記エネルギー源は、500nmから1000nmまでの波長の範囲内の電磁放射線を放射することを特徴とする請求項52に記載の用途。
【請求項54】
前記エネルギー源は、550nmから900nmまでの波長の範囲内の電磁放射線を放射することを特徴とする請求項52に記載の用途。
【請求項55】
前記エネルギー源は、570nmから850nmまでの波長の範囲内の電磁放射線を放射することを特徴とする請求項52に記載の用途。
【請求項56】
前記エネルギー源は、580nm、630nm、633nm、660nm、810nm、830nm、900nm、およびこれらの組み合わせからなる群から選ばれる波長の電磁放射線を放射することを特徴とする請求項52に記載の用途。
【請求項57】
セルライト治療のためであることを特徴とする請求項1に記載の治療デバイスの用途。
【請求項58】
前記エネルギー源は、500nmから1000nmまでの波長の範囲内の電磁放射線を放射することを特徴とする請求項57に記載の用途。
【請求項59】
前記エネルギー源は、550nmから900nmまでの波長の範囲内の電磁放射線を放射することを特徴とする請求項57に記載の用途。
【請求項60】
前記エネルギー源は、570nmから850nmまでの波長の範囲内の電磁放射線を放射することを特徴とする請求項57に記載の用途。
【請求項61】
前記エネルギー源は、810nmの波長のレーザエネルギーまたはLEDエネルギーを放射することを特徴とする請求項57に記載の用途。
【請求項62】
前記エネルギー源は、無線周波数域の放射線および赤外域の放射線の組み合わせを放射することを特徴とする請求項57に記載の用途。
【請求項63】
請求項1に記載の治療デバイスを、ユーザの皮膚の外観を改善させるために使用することを特徴とする用途。
【請求項64】
エネルギー源を支持するための基板と、
前記基板内に設けられ、物質を通すための少なくとも1つの開口部と、
前記基板を本体に取り付けるためのマウントと、
を含み、
前記本体は、前記エネルギー源を制御するための制御メカニズムと、前記物質を蓄えるための容器を収容することを特徴とするフェースプレート。
【請求項65】
前記基板内に配置され、前記マウントが前記本体に取り付けられたときに前記制御メカニズムと通信するコネクタを含むことを特徴とする請求項64に記載のフェースプレート。
【請求項66】
前記コネクタは、前記本体内のパワー源から前記エネルギー源にパワーを伝達することを特徴とする請求項64に記載のフェースプレート。
【請求項67】
前記フェースプレートのIDを前記制御メカニズムに伝達する識別デバイスを含むことを特徴とする請求項64に記載のフェースプレート。
【請求項68】
レジメンデータを記憶するためのメモリ記憶デバイスを含むことを特徴とする請求項64に記載のフェースプレート。
【請求項69】
前記基板と概略平行に付けられた外側表面を含み、前記基板と前記外側表面の間に前記エネルギー源が配置され、
前記外側表面によって、前記物質を通すための少なくとも1つの開口部が定められることを特徴とする請求項64に記載のフェースプレート。
【請求項70】
放射線を放射するためのエネルギー源と、物質を分配するための物質分配システムと、前記エネルギー源および前記物質分配システムと操作可能に接続されたコントローラを有する治療デバイスを制御するための方法であって、
前記方法は、
前記コントローラで、治療レジメンを表すレジメンデータを受信するステップと、
前記レジメンデータに従って、前記エネルギー源および前記物質分配システムを制御するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項71】
前記レジメンデータは、前記治療デバイス内に配置されるデータベース内に保持された一組のデータであることを特徴とする請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記制御するステップは、前記物質分配システムからの前記物質の分配を制御することを含むことを特徴とする請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記制御するステップは、
前記レジメンに従った出力レベルでおよび時間の間、前記エネルギー源からの放射線の放射を制御するステップと、
前記時間の間に前記治療デバイスから温度データを受信するステップと、
前記温度データが前記レジメンデータによって指定された一組のリミット範囲の外であるときに、前記放射線の放射を調整するステップと、
を含むことを特徴とする請求項70に記載の方法。
【請求項74】
前記エネルギー源は、前記エネルギー源のタイプを指定するための識別子を含むことを特徴とする請求項70に記載の方法。
【請求項75】
前記物質分配システムは、前記物質のタイプを指定するための識別子を含むことを特徴とする請求項70に記載の方法。
【請求項76】
前記治療デバイスは、計算デバイスと通信を行うように動作可能なインターフェースを含み、
前記方法は、
前記治療デバイスの用法を表すログデータを記憶するステップと、
前記計算デバイスとのリンクを確立するステップと、
前記ログデータを前記計算デバイスに伝達するステップと、
を含むことを特徴とする請求項70に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2008−508911(P2008−508911A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−524150(P2007−524150)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【国際出願番号】PCT/CA2005/001230
【国際公開番号】WO2006/012752
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(507369143)ファロス ライフ コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】