説明

液晶表示素子の製造方法

【課題】 画像品質を劣化させ表示欠陥となるディフェクト(異物)の発生の少ない良好な品質の反射防止膜を形成できる液晶表示素子の製造方法を提供する
【解決手段】 アクティブマトリクス基板上に絶縁層と、絶縁層上に複数の画素電極をマトリクス状に形成し、一方、ガラス基板21上にITO膜22、少なくともSiO2膜からなる反射防止膜23を順次形成し、複数の画素電極と反射防止膜23を所定の間隔を有して対向配置させ、この間隔に液晶24を封入した液晶表示素子の製造方法において、SiO2膜は、真空チャンバー内にカソード3と、カソード3を取り囲むアノード2と、基板ホルダ9とを有するスパッタリング装置15を用いて、カソード3上に外周部が面取りされたSiからなるターゲット1を載置し、ターゲット1に対向する側の基板ホルダ9に保持されたガラス基板21上に、酸素雰囲気中でターゲット1をスパッタリングすることにより形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示素子の製造方法に係わり、特に、液晶表示素子に用いられる反射防止膜を形成するのに好適な液晶表示素子の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、映像投射装置として、広く普及している。
その中の液晶表示素子は、映像信号を光信号に変換するものである。この液晶表示素子は、マトリクス状に配置された複数のスイッチングトランジスタ及びこれに絶縁層を介して画素電極の形成されたアクティブマトリクス基板と、ITO膜と反射防止膜とが積層されたガラス基板とを、画素電極と反射防止膜を対向させて所定の間隔に配置し、その間に液晶を封止したものより概ね構成される。
【0003】
ガラス基板上にITO膜及び反射防止膜を形成するには、一般的にスパッタリング法が用いられる。
このスパッタリング法で用いられるターゲットとしては、いろいろなサイズ及び形状のものが使用されているが、その端面形状は、取り扱い時の欠け防止を目的として、わずかに0.5mm以下のC面に形成するのが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−61395号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、液晶表示素子に反射防止膜として、SiO2とTiO2の多層積層膜を用いる場合には、SiO2膜の形成に当たっては、単結晶Siをスパッタリングターゲットとして、酸素を反応性ガスとして成膜チャンバー内に導入して反応性スパッタリングを行うのが一般的である。これによれば、安定した構造のSiO2膜を形成できる。
然るに、従来の端面形状(0.5mm程度のC面)を有するターゲットを用いて、反応性スパッタリングを行うと、ターゲットの端面部に局部的に厚いSiO2膜(酸化膜)が形成されやすくなる。これは、スパッタリング終了後のターゲット表面の分析により確認できる、この酸化膜がターゲットの端面部に形成されると、スパッタリング中にその端面部を起点とする放電(アーク)が発生する。
【0005】
このアークによって、ターゲット端面部の表面に形成された酸化膜及びターゲットの一部が飛び散り、これにより、ガラス基板上のITO膜上に形成する反射防止膜に異物の付着が発生し、これは、最終的に作成する液晶表示素子において欠陥となり表示品位を著しく下げるという問題があった。
また、特に反応性スパッタリングの場合には、アーク放電によって飛散した異物が、完全な反応生成物でないことも多く、形成される酸化膜の酸化反応による高抵抗化が充分でないために、表面の導電性の違いから、異物の付着した部分が液晶表示素子において画像上で輝度の異なる部分を作る等の画像品位を落とすことが問題であった。
また、反応性スパッタリングにおいて、アーク放電が発生すると、スパッタリングの回数が増える毎に異物の付着が増加し、ターゲットの寿命が短くなるという問題もあった。
【0006】
そこで本発明は、上記問題を解決して、液晶表示素子の製造方法において、反応性スパッタリングによって反射防止膜を形成する際に、ターゲットの端面部におけるアークの発生を抑制して、画像品質を劣化させ表示欠陥となるディフェクト(異物)の発生の少ない良好な品質の反射防止膜を形成でき、画像欠陥のない液晶表示素子を得ることの出来る液晶表示素子の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための手段として、本発明は、アクティブマトリクス基板上に絶縁層を形成した後、前記絶縁層上に複数の画素電極をマトリクス状に形成し、一方、光透過性基板上にITO膜、少なくともSiO2膜からなる反射防止膜を順次形成し、前記複数の画素電極と前記反射防止膜を所定の間隔を有して対向配置させ、前記所定の間隔に液晶層を封入した液晶表示素子の製造方法において、前記SiO2膜は、真空チャンバー内にカソードと、前記カソードを取り囲むように配置されたアノードと、基板ホルダとを有するスパッタリング装置を用いて、前記カソード上に前記ターゲットの上端部と前記アノードとが所定の間隙を有して、外周部が面取りされたSiからなるターゲットを載置し、酸素雰囲気中で前記ターゲットに対向する側の前記基板ホルダに保持された前記光透過性基板上に前記ターゲットをスパッタリングすることにより形成することを特徴とする液晶表示素子の製造方法を提供しようとするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、前記SiO2膜は、真空チャンバー内にカソードと、前記カソードを取り囲むように配置されたアノードと、基板ホルダとを有するスパッタリング装置を用いて、前記カソード上に前記ターゲットの上端部と前記アノードとが所定の間隙を有して、外周部が面取りされたSiからなるターゲットを載置し、酸素雰囲気中で前記ターゲットに対向する側の前記基板ホルダに保持された前記光透過性基板上に前記ターゲットをスパッタリングすることにより形成するので、ターゲットの端面部に発生するアーク放電を抑制し、これにより、画像品質を劣化させ表示欠陥となるディフェクト(異物)の発生の少ない良好な品質の反射防止膜を形成でき、画像欠陥のない液晶表示素子を得ることのできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態につき、好ましい実施例により、図面を参照して説明する。
なお、本発明は、液晶表示素子を構成する、ITO膜と反射防止膜が順次形成されたガラス基板において、反射防止膜を反応性スパッタリングで形成する際に、異物の付着が発生し、これを防止するべく、プロセス条件、装置の構造等を詳細に検討した結果、スパッタリングターゲットの形状と関連があることの知見を得たことによって為されたものである。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の液晶表示素子の製造方法に係わる成膜(スパッタリング)装置の概略構成図である。
図2は、本発明の液晶表示素子の製造方法に係るスパッタリングターゲットの配置図である。
図3は、反射防止膜形成時に発生するディフェクトを示す図である。
図4は、反射防止膜の反射率の波長依存性を示すグラフ図である。
図5は、成膜回数とディフェクト発生指数との関係を示すグラフ図である。
【0011】
まず、図1により、液晶表示素子を構成する反射防止膜を作製するための反応性スパッタリングを行うための成膜装置を説明する。
図1の(a)は、成膜装置の模式断面図であり、図1の(b)は、図1の(a)に示される矢印のXからY方向を見たときの膜厚補正板8と基板ホルダ9を示す。
成膜装置(反応性スパッタリング装置である)15は、内部を真空に出来る真空チャンバ10と、この真空チャンバ10に接続される図示しない酸素を供給するバルブと、真空チャンバ10に接続される図示しない排気系と、真空チャンバ10内の底部に配置される、ターゲット1及びアノード2、ターゲット1の上方に順次所定の間隔で配置される膜厚補正板8、基板ホルダ9より構成される。
【0012】
円板状の基板ホルダ9はその回転軸9cの周りに回転可能になっており、これには、反射防止膜を形成すべきガラス基板(図示しない)が装着される。膜厚補正板8は、台形状の開口部8aを有しており、ターゲット1から放射された物質は、開口部8aを通過して、ガラス基板に均一に付着する。
成膜装置15は、図示しない別のターゲットも装着できるように構成されており、搬送用台座11は、基板ホルダ9を別のターゲットの上に移動するためのものである。
【0013】
次に、図2を参照して、成膜装置15内のターゲット1の配置を説明する。
ターゲット1は直径10インチ(直径254mm)で厚さは4分の1インチ(厚さ6.35mm)である。外周の上の端部はC面取り面1Aとなっており、Cは5mmである。ターゲット1はカソード3に導電性の接着剤で接着されている。カソード3は、Oリング5を介して、図示しない水冷配管に取り付け固定されている。カソード3は接地されている。Oリング5により、Oリング5の外側は真空チャンバ10内と同じ真空に保持できるようになっている。
【0014】
ターゲット1の外周の2mmから3mm離れた位置に、ドーナツ状のアノード2が配置されている。アノード2の高さは4.7mm〜5.1mmであり、その幅は略25mmである。このターゲット1とアノード2との間隔の領域は、スパッタリング時には、放電の発生しないダークスペースとなる。アノード2は、ターゲット1に対して絶縁されており、電源4に接続されており、これには、直流の高電圧が印加されるようになっている。
【0015】
次に、反射防止膜の形成について説明する。
上述したように、液晶表示装置に用いられる液晶表示素子は、マトリクス状に配置された複数のスイッチングトランジスタ及びこれに絶縁層を介して画素電極の形成されたアクティブマトリクス基板と、ITO膜と反射防止膜とが積層されたガラス基板とを、画素電極と反射防止膜を対向させて所定の間隔に配置し、その間に液晶を封止したものより概ね構成される。
【0016】
ここでは、図3の(b)に示すような、ITO膜22の形成されたガラス基板21のITO膜22上に多層膜からなる反射防止膜23を形成した。
なお、同図には、後に説明する反射防止膜23上に付着形成するディフェクト20の断面図も同時に示してあり、図3の(a)にはディフェクト20を上方から見た図を示してある。
【0017】
成膜装置としては、インライン式スパッタ装置(MRC社製)を使用した。これは、ロードロック室と、3個のターゲットを装着できる真空チャンバー(プロセスチャンバー)10を有している。
ガラス基板21としては、所定形状の#1737ガラス(コーニング社製)を使用した。
ガラス基板21を、ロードロック室の配置された基板ホルダ9に装着し、5x10-6Torr以上の高真空まで初期排気を行う。初期排気の終了したガラス基板21は実際に成膜を行うプロセスチャンバー10へ自動搬送される。
【0018】
まず、ガラス基板21上にITO膜を形成する。In(所定量のSn含有)からなる第1のターゲット(直径10インチ、厚さ4分の1インチ、C面取り0.5mm)の位置にガラス基板21が来るように基板ホルダ9を搬送用台座11によって移動する。5x10-6Torr以上に保持されているプロセスチャンバー10に酸素ガスを50sccm導入し、コンダクタンスバルブを調整して、真空度を2×10-3Torrに保持し、1kWのDCパワーを第1のターゲットに対応するアノードに印加して、反応性スパッタリングを行い、厚さ20nmのITO膜を形成した。酸素ガスのプロセスチャンバー内への導入を停止する。
【0019】
次に、第2のターゲット1(直径10インチ、厚さ4分の1インチ、C面取り5mm)の位置に、ITO膜22の形成されたガラス基板21が来るように基板ホルダを移動する。このとき使用される第2のターゲット1はB(ボロン)がドーピングされ、DCでスパッタリング可能なまでに充分抵抗の下げられた単結晶Siから構成されている。プロセスチャンバー内を排気して、5×10-6Torrに到達したら、酸素ガス及びArガスをそれぞれ85sccm導入して、真空度を8.5mTorrに調整する。この後、4.5kWのDCパワーを第2のターゲット1に対応するアノード2に印加して、反応性スパッタリングを行い、ITO膜22上に、厚さ54nmの第1のSiO2膜を形成する。酸素ガス及びArガスのプロセスチャンバー内への供給を停止する。
【0020】
次に、Tiからなる第3のターゲット(直径10インチ、厚さ4分の1インチ、C面取り5mm)の位置に、第1のSiO2膜及びITO膜22の形成されたガラス基板21が来るように基板ホルダを移動する。プロセスチャンバー内を排気して、5×10-6Torrに到達したら、酸素ガスを100sccm導入して、真空度を7.3mTorrに調整する。この後、8kWのDCパワーを対応するアノードに印加して、反応性スパッタリングを行い、SiO2膜上に、厚さ12nmの第1のTiO2膜を形成する。
【0021】
次に、上記の第1のSiO2膜を形成したのと同様の条件で、厚さ60nmの第2のSiO2膜を第1のTiO2膜上に形成する。
次に、第1のTiO2膜を形成したのと同様の条件で、厚さ7nmの第2のTiO2膜を第2のSiO2膜上に形成する。
次に、第1のSiO2膜を形成したのと同様の条件で、厚さ20nmの第3のSiO2膜を第2のTiO2膜上に形成する。
【0022】
以上により、5層からなる反射防止膜23がITO膜22上に形成される。
ITO膜22と反射防止膜23とが形成されたガラス基板21は、成膜の終了後、再度ロードロック室にもどり、そこから大気中に取り出される。
図4には、上記のようにして反射防止膜23とITO膜22とが形成されたガラス基板21の反射率の波長依存性を示してある。
同図に示すように、波長400nmから波長700nmの領域において、反射率は0.15%以下の優れた値を示している。
【0023】
つぎに、反射防止膜23を形成中に発生する異物(ディフェクト)について、説明する。
図3に、反射防止膜23上に付着した異物(ディフェクト)を模式的に示してある。
TEM(Transmisson Electron Microscope)を用いて観察すると、このディフェクト20は、大きさが数μmからおよそ100μmの範囲にあり、その高さは数μmからおよそ20μmの範囲にある。
ディフェクト20の成分分析を行ったところ、Siのみが検出された。すなわち、ディフェクト20が発生するとしたら、SiO2膜の形成時である。
【0024】
ディフェクト20を上方から観察すると、中央部は黒く見える中心核20Aであり、その周囲のなだらかな部分は白く見える傾斜部20Bであり、その周辺部20Cは傾斜部20Bに影響されてぼやけて光って見える部分となる。
このディフェクト20のあるガラス基板21を用いて、液晶表示素子を形成すると、ディフェクト20は液晶に取り囲まれるのであるが、この部分は、輝度が異なる欠陥となり、液晶表示素子としては、不良品となる。
【0025】
次に、上記のディフェクト20の発生について、本実施例の場合について説明する。
図5には、本実施例の液晶表示素子の製造方法において、外周端部を5mmのC面取りしたSiからなるスパッタリングターゲットを用いて反射防止膜を形成したときに発生したディフェクトの発生指数を、反射防止膜の成膜回数でどうなるかを示してある。これは、同図において実施例と表示してある。同時に、比較例として(従来例と表示してある)従来の液晶表示素子の製造方法において、外周端部を0.5mmのC面取りしたSiからなるターゲットを用いて実施例におけると同様の構成の反射防止膜を形成したときに発生するディフェクトの発生指数を、反射防止膜の成膜回数でどうなるかを示してある。
【0026】
ここで、発生指数とは、同時にスパッタリングを行う複数枚のガラス基板の内、規定枚数について、それぞれ何個ディフェクトが存在するか確認・計数し、その全体のディフェクト数を規定枚数で除して得られた平均値を示す。発生指数が1を超えると、そのロットはNGとし、1を超えないものは、全数検査を行いディフェクトのないガラス基板を用いて、液晶表示素子を作製することにしてある。
【0027】
同図に示す様に、本実施例の場合には、スパッタリングにおけるターゲットの使用回数が増えるにしたがって、ターゲットの中央部に発生するエロージョンが大きくなり、30回ほどの成膜で、ついには使用不能となるが、それ迄、発生指数は0.8以下であり、ディフェクトの少ない反射防止膜付きガラス基板を得ることが出来ることが判る。
【0028】
一方、従来例の場合における、スパッタリングターゲットの構造では、10回の成膜を超えると、発生指数が1を超え、ディフェクトの無い良好な反射防止膜付きガラス基板を得るのが困難であることがわかる。
【0029】
ここで、ターゲット1の外周部を所定の値(3mm〜5mm)にC面取りすることにより、電界が集中するエッジ効果を低減できること、ターゲット1の外周部では、横方向にスパっタ粒子が飛びやすく、これにより、酸化物の堆積がしやすいのであるが、再スパッタにより酸化物の付着を抑制できて、アーク放電を抑制できると考えられる。一方、C面取りが小さいとエッジ効果が大きくしかも外周部に酸化物の付着が多くなり、アーク放電をしやすくなると考えられる。
なお、本実施例では、単結晶Siからなるスパッタリングターゲットでは、C面取りを5mmとした場合について説明したが、3mmから5mmの範囲が望ましい。C面取りが5mmを超えると、スパッタリングのグロー放電が安定に起き難くなり、3mmより小さいとディフェクト発生を抑制する効果が小さいからである。
【0030】
以上説明したように、本発明の液晶表示素子の製造方法は、反応性スパッタリングによって反射防止膜を形成する際に、ターゲット端部に発生するアーク放電を抑制し、アーク放電によってターゲットの一部が飛び散ることによって発生する反射防止膜上のディフェクト(異物)の発生を少なくし、良好な反射防止膜を形成することが出来、画像欠陥のない液晶表示素子を得ることが出来る。
また、反応性スパッタリングにおいて、アークの発生を抑制できるので、スパッタリングの回数が増えても、ディフェクトの発生を少なく出来、ターゲットもエロージョンにより使用できなくなるまで、長寿命で使用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の液晶表示素子の製造方法に係わる成膜(スパッタリング)装置の概略構成図である。
【図2】本発明の液晶表示素子の製造方法に係るスパッタリングターゲットの配置図である。
【図3】反射防止膜形成時に発生するディフェクトを示す図である。
【図4】反射防止膜の反射率の波長依存性を示すグラフ図である。
【図5】成膜回数とディフェクト発生指数との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0032】
1…ターゲット、1A…C面取り面、2…アノード、3…カソード、4…DC電源、5…Oリング、7…ダークスペース、8…膜厚補正板、8a…開口部、9…基板ホルダ、9c…回転軸、10…真空チャンバー、11…搬送用台座、15…成膜装置(スパッタリング装置)、20…ディフェクト、20A…中心核、20B…傾斜部、20C…周辺部、21…ガラス基板、22…ITO膜、23…反射防止膜、24…液晶、25…アクティブマトリクス基板。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブマトリクス基板上に絶縁層を形成した後、前記絶縁層上に複数の画素電極をマトリクス状に形成し、一方、光透過性基板上にITO膜、少なくともSiO2膜からなる反射防止膜を順次形成し、前記複数の画素電極と前記反射防止膜を所定の間隔を有して対向配置させ、前記所定の間隔に液晶層を封入した液晶表示素子の製造方法において、
前記SiO2膜は、真空チャンバー内にカソードと、前記カソードを取り囲むように配置されたアノードと、基板ホルダとを有するスパッタリング装置を用いて、前記カソード上に前記ターゲットの上端部と前記アノードとが所定の間隙を有して、外周部が面取りされたSiからなるターゲットを載置し、酸素雰囲気中で前記ターゲットに対向する側の前記基板ホルダに保持された前記光透過性基板上に前記ターゲットをスパッタリングすることにより形成することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−91174(P2006−91174A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−274079(P2004−274079)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】