説明

液晶表示装置の製造方法

【課題】 製造工程を単純化して第1の金属膜上に第2の金属層が積層された積層構造を有する領域および第1の金属膜のみで形成されている領域からなるゲート配線を製造することができる液晶表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 液晶表示装置の製造方法であって、第1の金属膜3b上に第2の金属膜3cが積層された積層構造を有する領域および第1の金属膜3bのみで形成されている領域からなるゲート配線3を、多階調マスクを用いて、感光性樹脂膜12を、積層構造となる領域では膜厚の厚い厚膜部12aになり、ゲート電極3aの少なくとも半導体層5と重なっている領域では厚膜部12aよりも膜厚の薄い薄膜部12bになるようにそれぞれ複数のゲート配線3のパターンにするとともに、隣接するゲート配線3のパターン間の領域では第2の金属膜3cが露出するようにパターニングする工程を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話、デジタルカメラ、テレビあるいは携帯型情報端末などの様々な用途に用いられる液晶表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に用いられるTFTアレイのゲート配線は、特に液晶表示装置が大型化、高精細化するにつれて、その負荷が大きくなる。このため、ゲート配線の膜厚を厚くしたり、構造を複層構造にしたりして、ゲート配線の負荷を低減して、配線抵抗による信号の歪み、減衰、遅れ等を低減している。このような液晶表示装置は、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−227128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された液晶表示装置では、透明導電膜上に金属膜が積層された積層構造を有するゲート配線が、透明導電膜を成膜してフォトリソグラフィでパターン化され、さらに、その上に金属膜を成膜してフォトリソグラフィでパターン化されて製造されている。したがって、積層構造を有するゲート配線を製造する際には、透明導電膜と金属膜とに対してそれぞれフォトマスクを準備してフォトリソグラフィによってゲート配線を形成しなければならず、製造工程が複雑化するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造工程を単純化して第1の金属膜と第2の金属膜とが2層積層された積層構造を有する領域および第1の金属膜のみで形成されている領域からなるゲート配線を製造することができる液晶表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液晶表示装置の製造方法は、透明基板上に、ゲート電極を有する複数のゲート配線と、前記ゲート電極上に、ゲート絶縁膜を介して形成された半導体層と、該半導体層上にそれぞれ形成されたソース電極およびドレイン電極と、前記ソース電極に電気的に接続された、複数の前記ゲート配線に交差するように配置された複数のソース配線と、前記ドレイン電極に電気的に接続された画素電極とを備え、前記ゲート配線は、第1の金属膜上に該第1の金属膜とは異なる材料からなる第2の金属膜が積層された積層構造を有するとともに、前記ゲート電極は、少なくとも前記半導体層と重なっている領域が前記第1の金属膜のみで形成されている液晶表示装置の製造方法であって、前記透明基板上に前記第1の金属膜および前記第2の金属膜を順に形成する工程と、前記第2の金属膜上に感光性樹脂膜を形成する工程と、多階調マスクを用いたフォトリソグラフィによって、前記感光性樹脂膜を、前記積層構造となる領域では膜厚の厚い厚膜部になり、前記ゲート電極の少なくとも前記半導体層と重なっている領域では前記厚膜部よりも膜厚の薄い薄膜部になるようにそれぞれ複数の前記ゲート配線のパターンにするとともに、隣接する前記ゲート配線のパターン間の領域では前記第2の金属膜が露出するようにパターニングする工程と、パターニングされた前記感光性樹脂膜をエッチングマスクとして、前記第2の金属膜および前記第1の金属膜を、前記ゲート電極を有する複数の前記ゲート配線のパターンにエッチングする工程と、前記感光性樹脂膜の前記薄膜部を除去して該薄膜部の下に位置する前
記第2の金属膜が露出するように、パターニングされた前記感光性樹脂膜をアッシングする工程と、アッシングされた前記感光性樹脂膜をエッチングマスクとして、露出した前記第2の金属膜をエッチングして、前記第1の金属膜のみで形成されている領域を形成する工程と、前記感光性樹脂膜を除去して、前記第1の金属膜上に前記第2の金属膜が積層された積層構造を有する領域および前記第1の金属膜のみで形成されている領域からなる前記ゲート配線を形成する工程と、前記半導体層、前記ソース電極、前記ドレイン電極、前記ソース配線および前記画素電極をそれぞれ形成する工程とを含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の液晶表示装置の製造方法によれば、製造工程を単純化して第1の金属膜と第2の金属膜とが2層積層された積層構造を有する領域および第1の金属膜のみで形成されている領域からなるゲート配線を製造することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の製造方法を用いた液晶表示装置の画素領域の平面図である。
【図2】図1に示す液晶表示装置であって、(a)は、図1の液晶表示装置のA−A線断面図、(b)は、図1の液晶表示装置のB−B線断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の製造方法を用いた他の例の液晶表示装置の画素領域の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の製造方法を用いた他の例の液晶表示装置の画素領域の平面図である。
【図5】図1に示す液晶表示装置の製造工程断面図であって、(a)は、A−A線に沿った製造工程断面図、(b)は、B−B線に沿った製造工程断面図である。
【図6】図1に示す液晶表示装置の製造工程断面図であって、(a)は、A−A線に沿った製造工程断面図、(b)は、B−B線に沿った製造工程断面図である。
【図7】図1に示す液晶表示装置の製造工程断面図であって、(a)は、A−A線に沿った製造工程断面図、(b)は、B−B線に沿った製造工程断面図である。
【図8】図1に示す液晶表示装置の製造工程断面図であって、(a)は、A−A線に沿った製造工程断面図、(b)は、B−B線に沿った製造工程断面図である。
【図9】図1に示す液晶表示装置の製造工程断面図であって、(a)は、A−A線に沿った製造工程断面図、(b)は、B−B線に沿った製造工程断面図である。
【図10】図1に示す液晶表示装置の製造工程断面図であって、(a)は、A−A線に沿った製造工程断面図、(b)は、B−B線に沿った製造工程断面図である。
【図11】図1に示す液晶表示装置の製造工程断面図であって、(a)は、A−A線に沿った製造工程断面図、(b)は、B−B線に沿った製造工程断面図である。
【図12】図1に示す液晶表示装置の製造工程断面図であって、(a)は、A−A線に沿った製造工程断面図、(b)は、B−B線に沿った製造工程断面図である。
【図13】図1に示す液晶表示装置の製造工程断面図であって、(a)は、A−A線に沿った製造工程断面図、(b)は、B−B線に沿った製造工程断面図である。
【図14】図1に示す液晶表示装置の製造工程断面図であって、(a)は、A−A線に沿った製造工程断面図、(b)は、B−B線に沿った製造工程断面図である。
【図15】図1に示す液晶表示装置の製造工程断面図であって、(a)は、A−A線に沿った製造工程断面図、(b)は、B−B線に沿った製造工程断面図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の製造方法を用いた他の例の液晶表示装置の画素領域の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施の形態>
以下、本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の製造方法について、図1乃至図5を参照しながら説明する。
【0010】
まず、実施の形態に係る液晶表示装置1について説明する。液晶表示装置1は、図1乃至図2に示すような以下の構成を有している。
【0011】
液晶表示装置1は、透明基板2上に、ゲート電極3aを有する複数のゲート配線3と、ゲート電極3a上に、ゲート絶縁膜4を介して形成された半導体層5と、半導体層5上にそれぞれ形成されたソース電極6およびドレイン電極7と、ソース電極6に電気的に接続された、複数のゲート配線3に交差するように配置された複数のソース配線8と、ドレイン電極7に電気的に接続された画素電極9とを備えている。そして、ゲート配線3は、第1の金属膜3b上に第1の金属膜3bとは異なる材料からなる第2の金属膜3cが積層された積層構造を有するとともに、ゲート電極3aは、少なくとも半導体層5と重なっている領域が第1の金属膜3bのみで形成されている。
【0012】
液晶表示装置1は、スイッチング素子として薄膜トランジスタを用いた薄膜トランジスタ駆動方式の液晶表示装置である。
【0013】
透明基板2は、例えば、ガラス、プラスチック等の透光性を有する材料からなり、透明基板2上には、一方向にゲート電極3aを有する複数のゲート配線3が設けられている。
【0014】
ゲート配線3は、第1の金属膜3b上に第1の金属膜3bとは異なる材料からなる第2の金属膜3cが積層された積層構造を有している。そして、ゲート配線3のゲート電極3aは、少なくとも半導体層5と重なっている領域が第1の金属膜3bのみで形成されている。なお、第2の金属膜3cは、ゲート配線3の低抵抗化を図るために形成されている。
【0015】
液晶表示装置1では、図1乃至図2に示すように、ゲート電極3aは半導体層5と重なっている領域のみが第1の金属膜3bで形成されているが、第1の金属膜3bのみで形成されている領域は、これには限らない。ゲート電極3aの第1の金属膜3bのみで形成されている領域は、図3の液晶表示装置1Aに示すように、半導体層5の幅よりも大きい幅でゲート電極3aの幅方向にわたって形成されていてもよい。
【0016】
また、ゲート電極3aの第1の金属膜3bのみで形成されている領域は、図4の液晶表示装置1Bに示すように、半導体層5の外周よりも大きくなるように形成されていてもよい。
【0017】
このように、ゲート電極3aは、半導体層5と重なっている領域よりも大きな領域が第1の金属膜3bのみで形成されているので、例えば、レーザーアニールによる再結晶化の場合には、放熱により大きく結晶性が左右されるが、より広い領域を確保することによってより良い結晶性を得ることができる。
【0018】
ゲート配線3は、第1の金属膜3bおよび第2の金属膜3cからなる積層構造を有しているが、第1の金属層3aは、例えば、モリブデン、クロム、チタン、タングステン等またはこれらを含む合金からなり、また、第2の金属層3cは、例えば、タングステン、クロム、アルミニウム等またはこれらを含む合金からなる。
【0019】
第1の金属膜3bおよび第2の金属膜3cの膜厚は、同じ膜厚であっても異なった膜厚であってもよい。また、第1の金属膜3bの膜厚は、例えば、0.05(μm)〜0.1(μm)、第2の金属膜3cの膜厚は、例えば、0.1(μm)〜0.3(μm)に設定されている。そして、複数のゲート配線3を覆うようにゲート絶縁膜4が設けられている

【0020】
ゲート絶縁膜4上には、薄膜トランジスタの半導体層5がゲート配線3のゲート電極3a上に位置するように設けられている。半導体層5は、例えば、アモルファスシリコン、低温ポリシリコン等である。そして、半導体層5を覆うように第1の層間絶縁膜10が設けられている。薄膜トランジスタの半導体層5は、チャネル領域を挟んで一方側にはソース電極6が設けられ、他方側にはドレイン電極6が設けられている。また、ゲート絶縁膜4は、例えば、窒化ケイ素(SiN)等からなる。
【0021】
ソース電極6は、第1の層間絶縁膜10に設けられたスルーホール10aを介してソース配線8に電気的に接続されている。そして、ソース配線8はゲート配線3に互いに交差するように配置されている。また、ドレイン電極7は、第1の層間絶縁膜10および第2の層間絶縁膜11に設けられたスルーホールを介して画素電極9に電気的に接続されている。また、第1の層間絶縁膜10は、例えば、窒化ケイ素(SiN)等からなる。また、第2の層間絶縁膜11は、例えば、アクリル系樹脂等からなる。
【0022】
複数のソース配線8と複数のゲート配線3とは互いに交差するように配置されており、複数のゲート配線3および複数のソース配線8によって囲まれた領域を画素領域としている。そして、各画素領域内には四角形状を有する画素電極9が、例えば、ITO等からなる透明導電膜で設けられている。
【0023】
液晶表示装置1では、透明基板2の画素領域内に四角形状を有する画素電極9が設けられ、透明基板2に対向する透明基板に設けられた共通電極との間で電界を発生させて液晶分子の方向を制御する縦電界方式の構成を採用しているが、この方式に限定されるものではなく、透明基板2に設けられた画素電極および共通電極との間で電界を発生させて液晶分子の方向を制御する横電界方式の構成を採用してもよい。この横電界方式の液晶表示装置では、画素電極9は、例えば、屈曲した形状にしてデュアルドメイン構造にしてもよい。
【0024】
液晶表示装置1では、ゲート配線3が、第1の金属膜3b上に第2の金属膜3cが積層された積層構造を有するため、ゲート配線3が低抵抗化される。これによって、ゲート配線3の負荷を低減して、ゲート配線3の配線抵抗による信号の歪み、減衰、遅れ等を低減することができる。
【0025】
また、液晶表示装置1が、アモルファスシリコンをレーザーアニールによって低温ポリシコンとした半導体層5で構成されている場合には、ゲート電極3aは、少なくとも半導体層5と重なっている領域が第1の金属膜3bのみで形成されているので、レーザーアニールによってアモルファスシリコンの溶融および再結晶化時の放熱が、積層構造になっている場合よりも遅くなるため、半導体層5を安定した低温ポリシリコンで形成することができる。
【0026】
なお、ゲート配線3が、第1の金属膜3b上に第1の金属膜3bとは異なる材料からなる第2の金属膜3cが積層された積層構造を有し、ゲート配線3のゲート電極3aが少なくとも半導体層5と重なっている領域を第1の金属膜3bのみで形成することができる構成であれば、本発明の液晶表示装置の製造方法を採用することができる。
【0027】
次に、実施の形態に係る液晶表示装置の製造方法について説明する。なお、図5乃至図15は、図1の液晶表示装置の製造工程断面図であり、各図の(a)は、図1の液晶表示装置のA−A線に沿った製造工程断面図、各図の(b)は、B−B線に沿った製造工程断面図である。
【0028】
まず、図5に示すように、透明基板2上に第1の金属膜3bおよび第2の金属膜3cを順に形成する。例えば、第1の金属膜3bはモリブデンが、第2の金属膜3cはタングステンが、それぞれスパッタリング法によって透明基板1上に順に形成される。
【0029】
次に、図6に示すように、第2の金属膜3c上に感光性樹脂膜12を形成する。感光性樹脂膜12は、例えば、スピンコート法によって第2の金属膜3c上に形成される。
【0030】
次に、図7に示すように、多階調マスクを用いたフォトリソグラフィによって、図7(a)に示すように、感光性樹脂膜12を、第1の金属層3bと第2の金属層3cとの積層構造となる領域では膜厚の厚い厚膜部12aになり、ゲート電極3aの少なくとも半導体層5と重なっている領域では厚膜部12aよりも膜厚の薄い薄膜部12bになるように、それぞれ複数のゲート配線3のパターンに加工する。そして、図7(b)に示すように、隣接するゲート配線3のパターン間の領域では第2の金属膜3cが露出するようにパターニングする。
【0031】
多階調マスクは、多段階の光量で感光性樹脂膜12を露光することが可能なマスクであり、例えば、露光領域、半露光領域および未露光領域の3段階の光量で感光性樹脂膜12に対して露光を行なうことができる。
【0032】
この多階調マスクを用いて露光し、現像を行なうことによって、図7に示すように、厚膜部12aおよび薄膜部12bのように膜厚の異なっている領域を有する感光性樹脂膜12を形成することができる。ここで、例えば、図7(a)の膜厚の厚い厚膜部12aは未露光領域であり、膜厚の薄い薄膜部12bは半露光領域である。また、図7(b)の第2の金属膜3cが露出している領域は露光領域である。
【0033】
次に、図8に示すように、パターニングされた感光性樹脂膜12をエッチングマスクとして、図8(b)に示すように、第2の金属膜3cおよび第1の金属膜3bを、ゲート電極2aを有する複数のゲート配線2のパターンにエッチングする。なお、ウェットエッチングあるいはドライエッチング等を用いてエッチングする。
【0034】
次に、図9に示すように、感光性樹脂膜12の薄膜部12bを除去して薄膜部12bの下に位置する第2の金属膜3cが露出するように、パターニングされた感光性樹脂膜12をアッシングする。このとき、パターニングされた感光性樹脂膜12に薄膜部12bが形成されているため、感光性樹脂膜12をアッシングすることによって、感光性樹脂膜12のうち薄膜部12bの下に位置する第2の金属膜3cを露出させることができる。なお、アッシングは、気相中でオゾンまたはプラズマ等によって灰化することによって行なう。
【0035】
次に、図10に示すように、アッシングされた感光性樹脂膜12をエッチングマスクとして、露出した第2の金属膜3cをエッチングして、第1の金属膜3bのみで形成されている領域を形成する。なお、ウェットエッチングあるいはドライエッチング等を用いてエッチングする。
【0036】
次に、図11に示すように、感光性樹脂膜12を除去して、第1の金属膜3b上に第2の金属膜3cが積層された積層構造を有する領域および第1の金属膜3bのみで形成されている領域からなるゲート配線3を形成する。これによって、第1の金属膜3bおよび第2の金属膜3cに対してそれぞれフォトマスクを準備することなく、製造工程を単純化して第1の金属膜3b上に第2の金属膜3cが積層された積層構造を有する領域および第1の金属膜3bのみで形成されている領域を有するゲート配線3を製造することができる。このように、多階調マスクを用いることによって、使用するフォトマスクの枚数を削減し
て、製造工程を減らすことができる。
【0037】
次に、図12に示すように、複数のゲート配線3を覆うようにゲート絶縁膜4を形成する。
【0038】
次に、図13に示すように、ゲート絶縁膜4上に半導体層5を形成して、半導体層5のチャネル領域を挟んで一方側にはソース電極6、他方側にはドレイン電極6をn+アモルファスシリコンまたはイオンドーピングにて不純物層を形成する。そして、半導体層5を覆うように第1の層間絶縁膜10を形成する。
【0039】
次に、図14に示すように、第1の層間絶縁膜10に設けたスルーホール10aを介して第1の層間絶縁膜10上に複数のゲート配線3と交差するように複数のソース配線7を形成する。そして、複数のソース配線7を覆うように第2の層間絶縁膜11を形成する。
【0040】
最後に、図15に示すように、第1の層間絶縁膜10および第2の層間絶縁膜11に設けたスルーホールを介して第2の層間絶縁膜11上の各画素領域に画素電極9をスパッタリング法によって透明導電膜でそれぞれ形成する。
【0041】
本発明は、上述した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更および改良が可能である。例えば、図16に示すように、ゲート電極3aがゲート配線3の配線方向に垂直な方向に突出している構造を有する液晶表示装置1Cであっても、本発明の液晶表示装置の製造方法を適用することができる。
【符号の説明】
【0042】
1、1A、1B、1C 液晶表示装置
2 透明基板
3 ゲート配線
3a ゲート電極
3b 第1の金属層
3c 第2の金属層
4 ゲート絶縁膜
5 半導体層
6 ソース電極
7 ドレイン電極
8 ソース配線
9 画素電極
10 第1の層間絶縁膜
10a スルーホール
11 第2の層間絶縁膜
12 感光性樹脂膜
12a 厚膜部
12b 薄膜部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板上に、ゲート電極を有する複数のゲート配線と、前記ゲート電極上に、ゲート絶縁膜を介して形成された半導体層と、該半導体層上にそれぞれ形成されたソース電極およびドレイン電極と、前記ソース電極に電気的に接続された、複数の前記ゲート配線に交差するように配置された複数のソース配線と、前記ドレイン電極に電気的に接続された画素電極とを備え、前記ゲート配線は、第1の金属膜上に該第1の金属膜とは異なる材料からなる第2の金属膜が積層された積層構造を有するとともに、前記ゲート電極は、少なくとも前記半導体層と重なっている領域が前記第1の金属膜のみで形成されている液晶表示装置の製造方法であって、
前記透明基板上に前記第1の金属膜および前記第2の金属膜を順に形成する工程と、
前記第2の金属膜上に感光性樹脂膜を形成する工程と、
多階調マスクを用いたフォトリソグラフィによって、前記感光性樹脂膜を、前記積層構造となる領域では膜厚の厚い厚膜部になり、前記ゲート電極の少なくとも前記半導体層と重なっている領域では前記厚膜部よりも膜厚の薄い薄膜部になるようにそれぞれ複数の前記ゲート配線のパターンにするとともに、隣接する前記ゲート配線のパターン間の領域では前記第2の金属膜が露出するようにパターニングする工程と、
パターニングされた前記感光性樹脂膜をエッチングマスクとして、前記第2の金属膜および前記第1の金属膜を、前記ゲート電極を有する複数の前記ゲート配線のパターンにエッチングする工程と、
前記感光性樹脂膜の前記薄膜部を除去して該薄膜部の下に位置する前記第2の金属膜が露出するように、パターニングされた前記感光性樹脂膜をアッシングする工程と、
アッシングされた前記感光性樹脂膜をエッチングマスクとして、露出した前記第2の金属膜をエッチングして、前記第1の金属膜のみで形成されている領域を形成する工程と、
前記感光性樹脂膜を除去して、前記第1の金属膜上に前記第2の金属膜が積層された積層構造を有する領域および前記第1の金属膜のみで形成されている領域からなる前記ゲート配線を形成する工程と、
前記半導体層、前記ソース電極、前記ドレイン電極、前記ソース配線および前記画素電極をそれぞれ形成する工程と
を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−97010(P2013−97010A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236697(P2011−236697)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】